JP2011068100A - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際のキャリッジの挙動及び送り動作の挙動を加味しつつ重ね合わせを最適化することを目的とする。
【解決手段】キャリッジの駆動を制御する第1の駆動手段と、送り動作を制御する第2の駆動手段と、第1の駆動手段及び第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得する変動要素取得手段と、変動要素に対応させて、前回パスにおけるキャリッジが印刷を開始するまでの実時間と送り動作が終了するのに要する実時間を取得する時間取得手段と、取得された変動要素と取得された実時間とをもとに、今回パスにおける各時間を予測する挙動予測手段と、予測された時間をもとに重ね合わせを最適化する駆動制御手段と、を有する。
【選択図】図5
【解決手段】キャリッジの駆動を制御する第1の駆動手段と、送り動作を制御する第2の駆動手段と、第1の駆動手段及び第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得する変動要素取得手段と、変動要素に対応させて、前回パスにおけるキャリッジが印刷を開始するまでの実時間と送り動作が終了するのに要する実時間を取得する時間取得手段と、取得された変動要素と取得された実時間とをもとに、今回パスにおける各時間を予測する挙動予測手段と、予測された時間をもとに重ね合わせを最適化する駆動制御手段と、を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、被記録媒体の送り動作の挙動とキャリッジ動作とを制御する印刷装置、及び印刷方法に関する。
従来、印刷装置では印刷時のスループット向上を目的として、送り動作が終了した直後にキャリッジが所定領域に位置して印刷が開始されるよう送り動作とキャリッジ動作を重ね合わせている。即ち、重ね合わせは1パス分の印刷が終了した際、モーターを駆動して送り動作を行い、送り動作の最中の所定タイミングでキャリッジモーター(CRモーター)を駆動させてキャリッジの移動を開始し、送り動作終了と同時にキャリッジが印刷領域に位置して印刷を開始する処理である。
重ね合わせを行うためには、キャリッジの駆動タイミングをモーターの送り量に合わせて設定する必要がる。そのため、従来の印刷装置では、キャリッジの駆動タイミングをテーブルにより予め設定しておき、このテーブルに記憶された駆動スケジュールに合わせてキャリッジの駆動を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。
また、実際の重ね合わせでは、キャリッジの加速値又は速度が変化する場合もあり、送り動作終了時点でキャリッジが所定位置まで到達せず、印刷を開始するまでに待ち時間が発生する場合があった。そのため、キャリッジの速度又は加速度を加味して重ね合わせを最適化する印刷装置も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
従来の重ね合わせの最適化では、キャリッジの挙動のみが考慮され、送り動作の挙動は考慮されていなかった。そのため、キャリッジの挙動の変化のみを考慮しても、送り動作が目標とする挙動に追従していない場合では、重ね合わせを最適化することは難しかった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、実際のキャリッジの挙動及び送り動作の挙動を加味しつつ重ね合わせを最適化することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、被記録媒体の送り動作に合わせて、キャリッジを位置制御して印字を開始させる重ね合わせを行う印刷装置であって、前記キャリッジの駆動を制御する第1の駆動手段と、前記送り動作を制御する第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得する変動要素取得手段と、前記変動要素に対応させて、前回パスにおける前記キャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作が終了するのに要する実時間を取得する時間取得手段と、前記取得された変動要素と前記取得された実時間とをもとに、今回パスにおける、前記キャリッジが印字を開始するまでの時間及び前記送り動作が終了するのに要する時間とを予測する挙動予測手段と、前記予測された時間をもとに前記キャリッジの駆動タイミングを設定し、前記重ね合わせを最適化する駆動制御手段と、を有する構成としてある。
上記のように構成された発明では、変動要素取得手段は、第1の駆動手段及び第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得し、時間取得手段は、変動要素に対応させて、前回パスにおけるキャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作にかかる実時間を取得し、挙動予測手段は、取得された変動要素と取得された実時間とをもとに、今回パスにおける、キャリッジが印字を開始するまでの時間及び送り動作が終了するのに要する時間とを予測し、制御手段は、予測された時間をもとにキャリッジの駆動タイミングを設定し、重ね合わせを最適化する。
そのため、キャリッジの駆動及び送り動作の挙動を考慮しつつ重ね合わせを最適化することが可能となり、印刷装置のスループットを向上させることができる。
さらに、キャリッジの駆動タイミングのみを調整するため、例えば、キャリッジの挙動に応じてキャリッジの速度を上げるといった第1の駆動制御部の性能を高める必要がなくコストアップを図ることなく本発明にかかる制御を行うことができる。
ここで、パスとは、キャリッジが主走査方向への1度の移動で所定ラインの印刷を行うことである。
そのため、キャリッジの駆動及び送り動作の挙動を考慮しつつ重ね合わせを最適化することが可能となり、印刷装置のスループットを向上させることができる。
さらに、キャリッジの駆動タイミングのみを調整するため、例えば、キャリッジの挙動に応じてキャリッジの速度を上げるといった第1の駆動制御部の性能を高める必要がなくコストアップを図ることなく本発明にかかる制御を行うことができる。
ここで、パスとは、キャリッジが主走査方向への1度の移動で所定ラインの印刷を行うことである。
また、前記駆動制御手段は、前記第2の駆動手段が送り動作を終了する時間を、被記録媒体を所定位置まで送る時間と、被記録媒体を完全に停止させる時間とに分類し、前記各時間と前記キャリッジが印刷を終了するのに要する時間とをもとに前記キャリッジの駆動タイミングを調整する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、送り動作の際の用紙の停止を含めた挙動を考慮することが可能となり、より詳細に重ね合わせを最適化することができる。
上記のように構成された発明では、送り動作の際の用紙の停止を含めた挙動を考慮することが可能となり、より詳細に重ね合わせを最適化することができる。
また、前記時間取得手段は、前回パスにおける前記キャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作が終了するのにかかる実時間とを計測し、前記実時間を計測結果に応じて更新しながら取得する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、パス毎に実時間を更新するため、前回パスの挙動をより反映させた重ね合わせの最適化を行うことができる。
上記のように構成された発明では、パス毎に実時間を更新するため、前回パスの挙動をより反映させた重ね合わせの最適化を行うことができる。
そして、前回パスの実時間を今回パスの挙動に反映させる場合、前回パスと今回バスとの間で変化のない変動要素に対しては取得する必要がない。そのため、前記変動要素取得手段は、パス毎に変動する変動要素のみを取得する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、取得する変動要素の数を少なくすることが可能となる。
上記のように構成された発明では、取得する変動要素の数を少なくすることが可能となる。
また、変動要素を取得する方法の一例として、前記変動要素取得手段は、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段の挙動に最も影響を与える変動要素のみを取得する構成としてもよい。
キャリッジの挙動及び送り動作に影響を与える変動要素としては、様々なものが想定されるが、変動要素の中から最もキャリッジの駆動及び送り動作に影響を与えるもののみを取得して挙動を予測することで、処理負荷を低減しつつ重ね合わせを最適化することが可能となる。
キャリッジの挙動及び送り動作に影響を与える変動要素としては、様々なものが想定されるが、変動要素の中から最もキャリッジの駆動及び送り動作に影響を与えるもののみを取得して挙動を予測することで、処理負荷を低減しつつ重ね合わせを最適化することが可能となる。
更に、前記第1の駆動手段は、前回パスの印刷終了後から停止安定時間を経て、前記キャリッジの駆動を開始させ、前記駆動制御手段は、設定された前記キャリッジの駆動タイミングが前記停止安定時間に侵食する場合は、前記停止安定時間を経た後、前記キャリッジの駆動を開始させる構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、キャリッジを所定時間停止させた後駆動を開始する構成においても本発明を適応することができる。
上記のように構成された発明では、キャリッジを所定時間停止させた後駆動を開始する構成においても本発明を適応することができる。
CRが無端ベルトによって往復運動を行う場合、この無端ベルトはCRモーターに直結した駆動プーリーと、CRモーターに直結しない従動プーリーにより張設されている。そのため、駆動プーリーにより直接無端ベルトを駆動させる場合と、従動プーリーを介して間接的に無端ベルトを駆動させる場合でキャリッジの加速追従性が変化する。そのため、前記キャリッジは、主走査方向に往復運動しながら印刷を行う構成であって、前記駆動制御手段は、前記キャリッジが移動する方向に応じて駆動タイミングを変化させる構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、CRの移動方向に応じて加速追従性が異なる場合でも、この加速遅れを加味して駆動タイミングを設定することで、重ね合わせをより詳細に最適化することができる。
上記のように構成された発明では、CRの移動方向に応じて加速追従性が異なる場合でも、この加速遅れを加味して駆動タイミングを設定することで、重ね合わせをより詳細に最適化することができる。
また、本発明は、物の発明のみならず、重ね合わせを利用する印刷方法に対しても流用することが可能である。
以下、図を参照しつつ下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)第1の実施形態:
(2)第2の実施形態:
(3)その他の実施形態:
(1)第1の実施形態:
(2)第2の実施形態:
(3)その他の実施形態:
(1)第1の実施形態:
===発明の概要===
図1は、印刷装置100の構成を示すブロック構成図である。また、図2は、印刷装置の内部を示す側面図である。図に示すように印刷装置100の内部には、キャリッジ91(以下、CRと記載する。)が搭載されている。CR91は駆動プーリー94と従動プーリー95により張設された無端ベルト93に取り付けられ、CR91の下方側に印刷ヘッド30が配置されている。また、CR91の上部には印刷ヘッド30にインクを供給するインクカートリッジが着脱可能に取り付けられている。また、印刷装置100の背面側にはCR91を駆動させるキャリッジモーター92(以下、CRモーター92と記載する)が搭載されており、このCRモーター92が駆動プーリー94を駆動させることで無端ベルト93に動力が伝達し、CR91を主走査方向に往復移動させる。そのため、CRモーター92及び図示しない駆動機構により第1の駆動手段を実現する。
===発明の概要===
図1は、印刷装置100の構成を示すブロック構成図である。また、図2は、印刷装置の内部を示す側面図である。図に示すように印刷装置100の内部には、キャリッジ91(以下、CRと記載する。)が搭載されている。CR91は駆動プーリー94と従動プーリー95により張設された無端ベルト93に取り付けられ、CR91の下方側に印刷ヘッド30が配置されている。また、CR91の上部には印刷ヘッド30にインクを供給するインクカートリッジが着脱可能に取り付けられている。また、印刷装置100の背面側にはCR91を駆動させるキャリッジモーター92(以下、CRモーター92と記載する)が搭載されており、このCRモーター92が駆動プーリー94を駆動させることで無端ベルト93に動力が伝達し、CR91を主走査方向に往復移動させる。そのため、CRモーター92及び図示しない駆動機構により第1の駆動手段を実現する。
また、印刷装置100の内部には、用紙トレイTRから用紙を取り出すPICローラー83aと中間ローラー83b,83cとで構成された給紙部83と、給紙部83により給紙された用紙を副走査方向に紙送りするためのPFローラー82とが備えられている。また、印刷装置100の下部端側には、PFモーター81が搭載されており、このPFモーター81は、図示しない歯車により連結されてPFローラー82と給紙部83の動力として機能する。そのため、PFモーター81及びPFローラー82により第2の駆動手段を実現する。なお、本実施形態では、CRモーター92及びPFモーター81はDCモーターとして説明するが、これに限定されるものではない。
更に、印刷装置100は、ホストIF51と、CPU52と、ASIC53と、DCユニット40と、PFドライバー54と、CRドライバー55と、CR91の挙動を検出するエンコーダー60と、PFローラー82の挙動を検出するローターリーエンコーダー70と、図示しないROM、RAM、EEPROMにより構成されたメモリー56と、を備えて構成される。ASIC53は、ホストIF51を介してホストPCと接続され、ホストPCから送信される各種データーの授受を実現する。また、ASIC53は、ホストPCから送信される印刷データーに基づき、印刷解像度や印刷ヘッド30の駆動を制御している。
CPU52は印刷装置100の駆動全般を制御し、ホストPCからホストIF51及びASIC53を介して受信した印刷データーに基づき、CRモーター92やPFモーター81の駆動スケジュール、印刷ヘッド30の印刷スケジュールを設定する。そして、CPU52は設定した各種スケジュールに従い、ヘッドドライバーを介して記憶ヘッドの駆動を制御する。更に、CPU52は、上記駆動スケジュールに基づく指令信号をDCユニット40に出力する。
図3は、DCユニット40の構成を示すブロック構成図である。DCユニット40は指令信号に基づきCRドライバー55を介してCRモーター92を制御し、PFドライバー54を介してPFモーター81を制御する。DCユニット40は、各モーターの加速期間及び減速期間を制御する加速制御部41、及びタイマー42と、定速期間における各モーターの速度を制御するPID制御部43と、加速制御部41及びPID制御部43から出力されるデューティ信号DXPをもとに各ドライバーに信号を出力するPWM制御部44と、を主な構成要素としている。
加速制御部41はCPU52からの指令命令が出力されると、CRモーター92及びPFモーター81を加速制御する。このとき、加速制御部41はタイマー42から割り込み信号を受けるごとに、所定のデューティ信号DXPを積算して、PWM制御部44に出力する。また、PID制御部43は、比例要素(P)、積分要素(I)、微分要素(D)を備え、エンコーダー60及びローターリーエンコーダー70から出力されるパルス信号をもとにCRモーター92及びPFモーター81の移動速度、移動方向、位置を算出し、目標速度との偏差をもとに所定のデューティ信号DXPを積算して、PWM制御部44に出力する。
図4は、第1の実施形態にかかる加速制御部41の各ブロックを示すブロック構成図である。加速制御部41は、変動要素取得部(変動要素取得手段)41aと、制御演算部(駆動制御手段)41bと、挙動演算部(挙動予測手段)41cと、を備えている。ここで、変動要素取得部41aは、CR91及び紙送りの挙動に影響を与える変動要素を取得するものである。なお、変動要素については後述する。また、挙動演算部41cは、前回パスにおいて実測したCR91及び紙送りの実挙動、及び取得された変動要素に応じてCR91及び紙送りの挙動を予測するものである。そして、制御演算部41bは、上記予測されたCR91及び紙送りの挙動にもとづいてCR91の駆動開始タイミングを設定するものである。
===重ね合わせの説明===
図5は、印刷装置100におけるCR及び紙送りの駆動スケジュールを説明する図である。以下、図5を参照して印刷装置100における「重ね合わせ」と、従来の問題点を説明する。なお、図5では、横軸は時刻tを示し縦軸はCR91又は紙送りの速度を示す。また、図5(A)は、メモリー56に記憶された目標テーブルにより設定されるCR91及紙送りの駆動スケジュールを示す。一方、図5(B)は、一例として現実のCR91及び紙送りの駆動スケジュールを示す。
図5は、印刷装置100におけるCR及び紙送りの駆動スケジュールを説明する図である。以下、図5を参照して印刷装置100における「重ね合わせ」と、従来の問題点を説明する。なお、図5では、横軸は時刻tを示し縦軸はCR91又は紙送りの速度を示す。また、図5(A)は、メモリー56に記憶された目標テーブルにより設定されるCR91及紙送りの駆動スケジュールを示す。一方、図5(B)は、一例として現実のCR91及び紙送りの駆動スケジュールを示す。
CPU52からDCユニット40に印刷命令が入力すると、DCユニット40はPFモーター81を駆動させ用紙を所定位置まで紙送りする。用紙が所定位置まで到達すると、用紙センサーが用紙を検出し、DCユニット40はPFモーター81を停止させる。このとき、紙送りの駆動スケジュールは、目標テーブルに従って、前回パス終了時刻から、加速期間、定速期間、減速期間で推移し、時刻t2で目標位置に到達した後、停止安定時間を経て時刻t3で停止する。なお、各期間における移動距離は図5に示す駆動スケジュールにおける面積により表すことができ、その距離は予め設定されている。
また、CR91の駆動スケジュールは、前回パス印刷終了時刻から、目標テーブルにより減速期間、停止期間、加速期間で推移する。また、DCユニット40は紙送り終了時刻t3でCR91が印刷を開始できるよう、PFモーター81が時刻t0での位置EPpに到達するとCRモーター92を駆動させ、時刻t3でCR91を速度Vcまで到達させて重ね合わせを実現する。
図5(A)に示すように、重ね合わせでは、CR91が印刷を開始するのに要する時間(以下、印刷開始時間T1と記載する。)と、紙送りにおける用紙が目標位置に到達するまでに要する時間(以下、位置到達時間T2と記載する。)と、用紙が停止安定するまでに要する時間(以下、停止安定時間T3と記載する。)との関係は、下記に示す(式1)を用いて規定されている。
ここで、図4(A)に示すように、印刷開始時間T1は、CRの駆動開始時刻t0から印刷を開始するまでに要する時間をいう。また、位置到達時間T2は、紙送りにおける時刻t0から目標位置に到達するまでの時間をいう。そして、停止安定時間T3は、紙送り(PFモーター81)が目標位置に到達してから速度が0になるまでの時間をいう。
上記CR91及び紙送りの駆動スケジュールは、目標テーブルにより重ね合わせが実現できるよう予め設定されている。しかしながら、CRモーター92の加速遅れやPFモーター81の減速進みが発生し、必ずしも目標とする重ね合わせが実現できるわけではない。即ち、図4(B)に示すように、加速期間においてCR91が目標とする加速値に追従しない場合や、紙送りにおいて目標時間より速く紙送りが終了した場合、紙送りが停止してからCR91が印刷を開始するまで(t3−t4)に待ち時間Twが発生し、印刷処理のスループットを低くしてしまう。
そのため、本発明では、所定パスでのCR91と紙送りの実挙動を計測によって取得し、取得した実挙動をもとにその後のパスにおける挙動を予測する。そして、後のパスにおいて予測値をもとに重ね合わせを最適化する。即ち、前回パスにおいて計測されたCR91及び紙送りの実挙動から今回パスの変動要素を加味してCR91及び紙送りの挙動を予測する。そして、予測値をもとにCR91の駆動タイミングを調整し、重ね合わせを最適化する。本発明では、CR91の駆動タイミングのみを調整するため、例えば、CR91の挙動に応じてCR91の速度を上げる速度制御を行う必要がないため、CRモーター92又はPFモーター81の性能を高める必要がなくコストアップを図ることなく重ね合わせを最適化できる。
===変動要素について===
変動要素取得部41aは、CR及びPFの挙動に影響を与える変動要素を取得する。モーターに作用する力の関係は運動方程式を用いて下記(式2−1)(式2−2)(式2−3)により表すことができる。
ここで、(式2−1)は、CRモーター92の加速期間での力の関係を示す。また、(式2−2)はPFモーター81の減速期間での力の関係を示す。そして、(式2−3)は、PFモーター81の停止安定期間での力の関係を示す。θ”(t)はモーターの回転加速度、θ’(t)はモーターの回転速度、θ(t)はモーターの回転距離、Jは慣性モーメント、Dは速度係数、Kは、ばね係数、τはモーターが発生させるトルク、τ’は負荷、τ”は紙送りの停止後、逆転をしようとする力を示す。また、各係数の添え字cは,CRモーター92に関するものを、pはPFモーター81に関するものを、psは停止安定に関するものを示す。例えば、慣性モーメントJは質量mの物体が回転半径rで回転している場合J=mr2となるが、CR91にインクを積載するオンーキャリッジ方式の印刷装置では、印刷処理毎にインク重量mが変化するため、右辺が一定であればCRモーター92にかかる慣性モーメントJが変動し各項の値も変化する。
変動要素取得部41aは、CR及びPFの挙動に影響を与える変動要素を取得する。モーターに作用する力の関係は運動方程式を用いて下記(式2−1)(式2−2)(式2−3)により表すことができる。
本実施形態では各モーターの挙動に影響を与える変動要素として、下記に示す要素を用いる。図6は、一例として変動要素取得部41a41aが取得する変動要素の一覧を説明する表である。図6では、変動要素として、インク重量m、モータートルクτ、負荷τ’、停止後逆転τ”、の各要素が示されている。また、図6には、各変動要素の一覧に加えて、各変動要素の主とする要因と、取得方法とが記載されている。以下、各変動要素の説明を行う。
インク重量mは、オンーキャリッジ方式のCR91において、CR91に積載されるインクの重量を示すものである。そのため、パス毎にその値は変化する。上記したようにインク重量mはCR91の慣性モーメントJの値に影響を及ぼす変動要素である。インク重量の取得方法としては、インクケースに備えられたインクカウンターが記憶する値を読み出す方法や、インク供給量に応じて間接的に取得される。
モータートルクτは、モーターが電力にもとづいて生じさせる力であり、トルク定数Ktに電流Iを掛けることで算出される。更に、モータートルクτは、モーター周囲の温度に応じて変化することが知られている。そのため、モータートルクを取得するためには、CRモーター92及びPFモーター81の各期間における設定されたトルク定数Ktと各モーターに流れる電流Iからモータートルクτの値を取得すればよい。そして、印刷装置100内部に実装されたサーミスターによって周囲温度を計測し、温度とモータートルクとの関係を示すテーブルを用いてモータートルクτの値を取得する。また、熱量Wは、内部抵抗R及び電流Iを用いてW=R*I2を用いて算出することができるため、サーミスターを用いる以外にも、モーターに流れる電流を用いて熱量を算出するものであってもよい。
負荷τ’は、モーターがモータートルクτを発生させて駆動を行う際、モーターの駆動に対して反作用する力である。負荷τ’としては、モーターの駆動抵抗のように温度変化に起因して変化するものや、印刷装置100の耐性に応じて変化するものがある。更には、PFモーター81においては、給紙用紙の紙種、紙サイズや、用紙状態(搬送経路)に起因して変化するものがある。
温度変化、及び耐性に応じて変化する負荷τ’はメジャメントにより負荷を示す指標を取得した後、この指標と負荷τ’との関係を示すテーブルを用いて値を取得する。なお、メジャメントについては、印刷装置100の電源ON時、インクタンクの交換時、又は所定枚数印刷時に実行される処理であり、その詳細は後述する。そして、給紙用紙の紙種及び紙サイズは、ドライバー上での紙種の設定や、印刷装置100内の紙種センサーや紙サイズセンサーによって用紙の種別を特定した後、用紙の種別と負荷τ’との関係を示すテーブルを用いて値を取得する。
用紙状態に起因する負荷τ’とは、給紙部に給紙された用紙がPFローラー82により搬送される過程でモータートルクτに反作用するよう生じる負荷である。例えば、図2に示すように、用紙の先端が中間ローラー83bによりニップされる状態で、PFローラー82が用紙を搬送すると、PFモーター81に対する負荷τ’が大きくなる。一方、用紙の先端が中間ローラー83bを越えて、中間ローラー83bによるニップが解除されると、PFモーター81に対する負荷τ’は減少する。そのため、用紙状態に起因して変化する負荷τ’を取得するには、紙送りにおける用紙の位置を装置内部に実装されたセンサーにより検出し、検出した用紙の位置と負荷τ’との関係を示すテーブルから値を取得すればよい。
停止後逆転τ”は、PFモーター81における紙送り終了後、PFローラーが逆転する現象であり、メカ構造や用紙状態に起因して発生する。また、停止後逆転は、PFローラーと中間ローラーとの負荷バランスにより生じ、一例として、中間ローラー83bのトルクTasfをPFローラー82のトルクTpfで割った値(Tasf/Tpf)をPFローラー82の逆転し易さを示す値として利用できる。また、この逆転しやすさの値は、逆転検出メジャメントにより取得され、取得値と停止後逆転トルクとの関係を規定するテーブルをもとにその値を取得する。
そして、用紙状態に起因する停止後逆転の値を取得する方法としては、用紙状態に起因するモータートルクτ同様、紙送りの際の用紙の位置と停止後逆転トルクとの関係を示すテーブルを用いて値を取得する。なお、逆転検出メジャメントは、印刷装置100の電源ON時、インクタンクの交換時、又は印刷枚数が所定枚数に達したときに実行され、各モーターに流れる電流値から算出する。
そして、用紙状態に起因する停止後逆転の値を取得する方法としては、用紙状態に起因するモータートルクτ同様、紙送りの際の用紙の位置と停止後逆転トルクとの関係を示すテーブルを用いて値を取得する。なお、逆転検出メジャメントは、印刷装置100の電源ON時、インクタンクの交換時、又は印刷枚数が所定枚数に達したときに実行され、各モーターに流れる電流値から算出する。
===メジャメントについて===
以下、メジャメントの説明を行う。図7は、印刷装置におけるメジャメントを説明するためのフローチャートである。また、図8は、メジャメントにおいて取得される指標と負荷τ’との関係を説明するための図である。なお、メジャメントは、印刷装置の電源ON時や、インクタンクの交換時、及び所定枚数を印刷した場合に実行される処理である。なお、図7では、PFモーター81を例にメジャメントの説明を行うが、CRモーター92に対してもその処理は同様である。
以下、メジャメントの説明を行う。図7は、印刷装置におけるメジャメントを説明するためのフローチャートである。また、図8は、メジャメントにおいて取得される指標と負荷τ’との関係を説明するための図である。なお、メジャメントは、印刷装置の電源ON時や、インクタンクの交換時、及び所定枚数を印刷した場合に実行される処理である。なお、図7では、PFモーター81を例にメジャメントの説明を行うが、CRモーター92に対してもその処理は同様である。
まず、PFモーター81起動し(ステップS1)、加速制御部41により回転速度が目標速度Vp1に近づくまでPFモーター81を加速させる。次に、PFモーター81の回転速度がVp1に近づいたら、PID制御部43による制御に移行し(ステップS2)、目標回転速度Vp1で定回転駆動を行う。このときPID制御部43の積分要素の出力信号DXIは一定値となる。
PFモーター81の回転速度と目標回転速度Vp1との差が所定値を下回り、出力信号値DXIが所定値になったら、その出力信号値DXIを所定間隔でサンプリングする(ステップS3)。その後、PFローラーが一周回転したら出力信号DXIのサンプリングを終了する(ステップS4)。
そして、サンプリングしたN個の出力信号DXIを記録期間の長さで除算し、目標回転速度Vp1での定速期間におけるPFモーター81の負荷に応じた積分要素の出力信号の平均値DXIavr1を算出する(ステップS5)。
次に、目標回転速度Vp1とは異なるVp2について、ステップS1〜ステップS5の処理を同様に行ない、目標回転速度Vp2での定速期間におけるPFモーター81の負荷に応じた積分要素の出力信号の平均値DXIavr2を算出する。算出された目標回転速度Vp1でのDXIavr1及び目標回転速度Vp2でのDXIavr2は、所定のメモリーに記憶される。
以下、図8を用いて、駆動負荷と積分要素の出力値との関係を説明する。メジャメントにより得られた積分要素の出力信号の平均値DXIavr1及びDXIavr2は、PFモーター81の駆動負荷が大きいほど大きな値となることが知られている。したがって、積分要素の出力信号の平均値DXIavr1及びDXIavr2は、PFモーター81の駆動負荷を示す指標となる。そのため、積分要素の出力信号平均値DXIavrと負荷τ’との関係を規定したテーブルを作成しておけば、メジャメントにより得られた積分要素の出力信号の平均値DXIavr1又はDXIavr2をもとに、PFモーター81の負荷τ’を取得することが可能となる。以上、メジャメントについて説明を行った。
===挙動演算部について===
挙動演算部41cは、所定パス実行時にCR91及び紙送りの挙動を実測し、挙動の実測値、及び変動要素をもとに後のパスのCR91及び紙送りの挙動を予測する。挙動演算部41cは、所定パス実行時においてCR91及び紙送りの挙動を実測し、実測値をもとに実測時間と移動距離との関係を示す予測テーブルを更新する。そして、挙動演算部41cは、更新後の予測テーブル及び取得された変動要素に応じてCR及び紙送りの挙動を予測する。
挙動演算部41cは、所定パス実行時にCR91及び紙送りの挙動を実測し、挙動の実測値、及び変動要素をもとに後のパスのCR91及び紙送りの挙動を予測する。挙動演算部41cは、所定パス実行時においてCR91及び紙送りの挙動を実測し、実測値をもとに実測時間と移動距離との関係を示す予測テーブルを更新する。そして、挙動演算部41cは、更新後の予測テーブル及び取得された変動要素に応じてCR及び紙送りの挙動を予測する。
図9は、各変動要素における加速時間と距離との関係を示すグラフである。例えば、変動要素としてのインク重量mの値が変化すれば、その分慣性モーメントも変化するため、ある回転距離まで達するにの要する加速時間A1は変化する。そのため、予測テーブルは、各変動要素において、CR91の加速時間A1、及び紙送りの減速時間B1並びに停止安定時間C1をそれぞれ規定するものである。予測テーブルは、CR91の挙動を予測する第1のテーブルと、紙送りの挙動を予測する第2及び第3のテーブルにより構成されている。また、予測テーブルはパス毎の印刷ごとにその値が更新されるものである。なお、各予測テーブルの初期値は、運動方程式を用いた理論値や、実測データー、工程取得により取得され、メモリー56に記憶されている。
第1のテーブルは、CRが所定距離を移動する場合の加速時間を規定するもので、各変動要素応じてその値が記憶されている。即ち、第1のテーブルでは、CR91の移動距離と、この移動距離に対応するCR91の加速時間A1とが変動要素毎に記憶されている。そのため、変動要素がインク重量m、モータートルクτ、負荷τ’である場合は、各変動要素の値と移動距離とを参照値として、第1のテーブルが設定される。ここで、移動距離とは、CR91が印刷を開始するために移動する距離であり、用紙の種別毎に予め設定される値である。
第2のテーブルは、PFローラー82の紙送り量と、この紙送り量を達成するのに要する時間との関係を示すものであり、第1のテーブル同様、各変動要素及び送り量に応じてその値が記憶されている。そして、第3のテーブルは、紙送りにおける停止安定時間を示すものであり、各変動要素に応じてその値が設定されている。なお、停止安定時間は、変動要素である停止後逆転のトルクτ“に応じてその値が一つ対応する値となる。
ここで、各テーブルの値を参照するための変動要素としては、変動要素の変化がCR91又は紙送りの挙動に最も影響を与えるものを設定するものであってもよい。例えば、インク重量mはモーターの慣性モーメントJを変化させる値であるが、慣性モーメントJの変化はモーターの挙動を変化させる最も影響の高い要素と考えることができる。一方、モータートルクτ及び負荷τ’は、各パスにおいて変動幅が大きくはない。そのため、CR91においては、変動要素として、インク重量mのみを変動要素としてもよい。また、紙送りにおいては、モータートルクτと負荷τ’のみが変動要素となるが、モータートルクτから負荷τ’を減算した値を紙送りの変動要素としてもよい。ここで、モーターの挙動に最も影響を与える変動要素のみを使用することで、予測精度と処理負荷又は使用メモリーの低減とのバランスを両立することが可能となる。
===制御演算部について===
制御演算部41bは、予測結果に従ってCRの駆動タイミングを調整し、重ね合わせを最適化する。制御演算部41bは、挙動演算部41cにより予測されたCR91及び紙送りの挙動から、重ね合わせが最適となるCR91の駆動タイミングを算出し、CR91の駆動スケジュールを更新する。
制御演算部41bは、予測結果に従ってCRの駆動タイミングを調整し、重ね合わせを最適化する。制御演算部41bは、挙動演算部41cにより予測されたCR91及び紙送りの挙動から、重ね合わせが最適となるCR91の駆動タイミングを算出し、CR91の駆動スケジュールを更新する。
===重ね合わせの最適化について===
以下、図10、11を参照して、本実施形態にかかる印刷装置の重ね合わせを最適化する手法を説明する。図10は、DCユニット40が所定パス(前回パス)においてCRモーター92及びPFモーター81の挙動を取得する流れを説明するフローチャートである。また、図11は、DCユニット40が、図10にて示すフローで計測した実挙動をもとに今回パスの重ね合わせを最適化するフローチャートである。
以下、図10、11を参照して、本実施形態にかかる印刷装置の重ね合わせを最適化する手法を説明する。図10は、DCユニット40が所定パス(前回パス)においてCRモーター92及びPFモーター81の挙動を取得する流れを説明するフローチャートである。また、図11は、DCユニット40が、図10にて示すフローで計測した実挙動をもとに今回パスの重ね合わせを最適化するフローチャートである。
以下、前回パスにおけるCR91と紙送りの挙動の計測方法を図10を参照しつつ説明する。なお、加速制御部41による時間計測は、図示しないタイマーを用いて実行するものとする。まず、変動要素取得部41aは、今から印刷するパス(前回パス)の変動要素を取得する(ステップS11)。変動要素取得部41aは、今から実行するパスにおける変動要素をCR91、及び紙送りのそれぞれについて取得する。
挙動演算部41cは、CR91が印字を開始するまでに移動する距離Lcを移動するのに要する時間を計測する(ステップS12)。即ち、CR91が加速を開始するとエンコーダー60からは検出パルスが出力される。挙動演算部41cはこの検出パルスを解析して、CR91が駆動を開始してから印刷位置に移動するのに要する時間を計測する。そして、CR91が駆動を開始してから印刷位置に到達するまでの加速時間を加速時間A1として記憶する。なお、この移動距離Lcは、印刷される用紙に応じて変動するため、距離Lcをドライバーによって設定された値を通して事前に取得しておく。
挙動演算部41cは、用紙を所定長さ紙送りするのに要する時間を計測する(ステップS13)。即ち、PFローラー82を時刻t0で所定速度Vpから減速制御し、紙送り動作を実行させると、ローターリーエンコーダー70からは検出パルスが出力される。また、紙送りが終了すると用紙センサーが用紙の先端を検出し、検出信号を出力する。そのため、挙動演算部41cはローターリーエンコーダー70から出力される検出パルスを解析して、時刻t0から目標位置まで紙送りするのに要する時間を計測する。また、挙動演算部41cは、上記時間を減速時間B1として記憶する。
挙動演算部41cは、紙送りにおける停止安定時間を計測する(ステップS14)。即ち、挙動演算部41cは、ローターリーエンコーダー70から出力される検出パルスを監視し、PFモーター81が目標位置に到達してから速度が完全に0になるまでの時間を計測する。そして、挙動演算部41cは用紙が目標位置に到達してから完全に停止するまでの時間を停止安定時間C1として記憶する。
挙動演算部41cは、予測テーブルを更新する(ステップS15)。挙動演算部41cはステップS1で取得した変動要素と、この変動要素に応じて計測した距離と時間との関係をもとに、第1から第3のテーブルを更新する。以上、前回パスにおける加速制御部41の処理を説明した。
次に、図11を参照して今回パスにおける重ね合わせの最適化を説明する。変動要素取得部41aは、前回パスで測定した加速時間A1、減速時間B1、停止安定時間C1より下記に示す流れに従い今回パスにおける各時間を予測していく。
変動要素取得部41aは、今回パスにおけるCR91及び紙送りの変動要素を取得する(ステップS21)。ここで、変動要素の内、負荷τ’(温度、耐性、紙種及び紙サイズにかんするもの)、停止後逆転(メカ構造に関するもの)は、そもそもパスに連動して測定されるものではなく、前回パスに比べて何ら変動がないと擬制できるため、今回パスでは取得しない。そのため、ステップS21では、変動要素としてインク重量m、モータートルクτ、負荷τ’(用紙状態に関するもの)、停止後逆転(用紙状態に関するもの)の全て、又はいずれかを取得する。
挙動演算部41cは、予測テーブルをもとに今回パスでのCR91の加速時間A1を予測する(ステップS22)。挙動演算部41cは、前回パス時に更新を行った第1のテーブルを参照し、ステップS12で取得した今回パスの変動要素に対応する値から、CR91の今回パスでの加速時間A1を取得する。
挙動演算部41cは、参照テーブルをもとに今回パスでの紙送りの減速時間B1を予測する(ステップS23)。挙動演算部41cは、前回パス時に更新を行った第2のテーブルを参照し、ステップS12で取得した今回パスの変動要素に対応する値から、今回パスでの紙送りの減速時間B1を取得する。
挙動演算部41cは、参照テーブルをもとに今回パスの停止安定時間C1を予測する(ステップS24)。挙動演算部41cは、前回パス時に更新を行った第3のテーブルを参照し、ステップS12で取得した今回パスの変動要素に対応する値から、今回パスでの紙送りの停止安定時間を取得する。
制御演算部41bは、ステップS22〜S24で取得された今回パスにおける各時間A1,B1,C1をもとに、重ね合わせが最適となるCR91の駆動タイミングを取得する(ステップS25)。図12は、ステップS25において制御演算部41bが実行する処理を説明するフローチャートである。制御演算部41bは、今回パスでのCRの加速時間A1から今回パスでの紙送りの減速時間B1及び停止安定時間C1を減算する(ステップS161)。
制御演算部41bは、CRモーター91の目標とする駆動開始時刻t0からステップS161で算出された時間を減算し、CRモーター92の駆動開始時刻t0’を算出する(ステップS162)。そして、制御演算部41bは、算出された駆動開始時刻t0’がCR91の停止安定時間に侵食しない場合は(ステップS163)、この時刻におけるPFローラー82の位置を算出する(ステップS164)。例えば、予測テーブルの内、第2テーブルをもとにPFの位置を求める。ここで、CR91の停止安定時間とは、CR91が減速してから完全に停止するまでに要する時間である。
一方、制御演算部41bは、算出された駆動開始時刻t0’がCR91の停止安定時間に侵食する場合は(ステップS163)、CR91の停止安定時間を経過した後の時刻におけるPFローラー82の位置EPpを算出する(ステップS165)。
図11に戻り、制御演算部41bは算出したPFローラー82の位置EPpをメモリー56に記憶し、CR91の駆動スケジュールを更新する(ステップS26)。以上、実施例1にかかる重ね合わせの最適化を説明した。
以上説明したように、本実施形態では、前回パスの挙動をもとに今回パスの挙動を予測して、重ね合わせを最適化するため、測定誤差等の偏差を吸収でき、より正確に重ね合わせを最適化することが可能となる。また、印刷を重ねていくこで予測テーブルに記憶された各値を増加させていけば、その情報量に合わせて重ね合わせをより最適に実現することが可能となる。
(2)第2の実施形態:
印刷装置100がCR91の往復に合わせてそれぞれ印刷を行う構成では、移動方向に応じてCR91の加速度が変化する場合がある。図1に示すように、CR91は無端ベルト93によって往復運動を行うが、この無端ベルト93はCRモーター92に直結した駆動プーリー94と、CRモーター92に直結しない従動プーリー95により張設されている。そのため、駆動プーリー94により直接無端ベルト93を駆動させる場合(以下、直接引きと記載する。)と、従動プーリー95を介して間接的に無端ベルト93を駆動させる場合(以下、従動引きと記載する。)でCR91の加速追従性が変化する。即ち、従動引きでは、従動プーリー95を介して無端ベルト93を駆動させるため、CR91の加速追従性が直接引きより悪く、CR91の印刷開始時間が遅くなる。そのため、CR91の移動方向が従動引きの方向である場合は、第1の実施形態による調整に加えて移動方向に応じたCR91の加速遅れを加味し、駆動タイミングを設定してもよい。上記構成とすることで、より詳細に重ね合わせを最適化することができる。
印刷装置100がCR91の往復に合わせてそれぞれ印刷を行う構成では、移動方向に応じてCR91の加速度が変化する場合がある。図1に示すように、CR91は無端ベルト93によって往復運動を行うが、この無端ベルト93はCRモーター92に直結した駆動プーリー94と、CRモーター92に直結しない従動プーリー95により張設されている。そのため、駆動プーリー94により直接無端ベルト93を駆動させる場合(以下、直接引きと記載する。)と、従動プーリー95を介して間接的に無端ベルト93を駆動させる場合(以下、従動引きと記載する。)でCR91の加速追従性が変化する。即ち、従動引きでは、従動プーリー95を介して無端ベルト93を駆動させるため、CR91の加速追従性が直接引きより悪く、CR91の印刷開始時間が遅くなる。そのため、CR91の移動方向が従動引きの方向である場合は、第1の実施形態による調整に加えて移動方向に応じたCR91の加速遅れを加味し、駆動タイミングを設定してもよい。上記構成とすることで、より詳細に重ね合わせを最適化することができる。
更に、CR91の往復に合わせてそれぞれ印刷を行う印刷装置において、加速追従性が悪い方向(従動引き)に合わせて駆動タイミングを設定するものであってもよい。
(3)その他の実施形態:
上記した、CR91の挙動の予測、及び紙送りの挙動の予測は、全てを予測テーブルを用いて実行するのみならず、例えばCR91の挙動のみを予測テーブルで行い、紙送りに対しては実測した値を用いるものであってもよい。
上記した、CR91の挙動の予測、及び紙送りの挙動の予測は、全てを予測テーブルを用いて実行するのみならず、例えばCR91の挙動のみを予測テーブルで行い、紙送りに対しては実測した値を用いるものであってもよい。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
30…印刷ヘッド、40…DCユニット、41…加速制御部、41a…変動要素取得部、41b…制御演算部、41c…挙動演算部、42…タイマー、43…PID制御部、44…PWM制御部、52…CPU、53…ASIC、54…PFドライバー、55…CRドライバー、56…メモリー、60…エンコーダー、70…ローターリーエンコーダー、81…PFモーター、82…PFローラー、83…給紙部、83a…PICローラー、83b…中間ローラー、83c…中間ローラー、91…キャリッジ、92…CRモーター、93…無端ベルト、94…駆動プーリー、95…従動プーリー、100…印刷装置
Claims (8)
- 被記録媒体の送り動作に合わせて、キャリッジを位置制御して印字を開始させる重ね合わせを行う印刷装置であって、
前記キャリッジの駆動を制御する第1の駆動手段と、
前記送り動作を制御する第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得する変動要素取得手段と、
前記変動要素に対応させて、前回パスにおける前記キャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作が終了するのに要する実時間を取得する時間取得手段と、
前記取得された変動要素と前記取得された実時間とをもとに、今回パスにおける、前記キャリッジが印字を開始するまでの時間及び前記送り動作が終了するのに要する時間とを予測する挙動予測手段と、
前記予測された時間をもとに前記キャリッジの駆動タイミングを設定し、前記重ね合わせを最適化する駆動制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。 - 前記駆動制御手段は、前記第2の駆動手段が送り動作を終了する時間を、被記録媒体を所定位置まで送る時間と、被記録媒体を完全に停止させる時間とに分類し、前記各時間と前記キャリッジが印刷を終了するのに要する時間とをもとに前記キャリッジの駆動タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記時間取得手段は、前回パスにおける前記キャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作が終了するのに要する実時間とを計測し、前記実時間を計測結果に応じて更新しながら取得することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記変動要素取得手段は、パス毎に変動する変動要素のみを取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記変動要素取得手段は、前記キャリッジ及び送り動作に最も影響を与える変動要素のみを取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記キャリッジは、前回パスにかかる印刷終了後から、停止安定期間を経て、加速を開始するよう制御され、
前記重ね合わせ制御手段は、設定された前記キャリッジの駆動タイミングが前記停止安定期間に侵食する場合は、前記停止安定期間を経た後、駆動を開始させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記キャリッジは、主走査方向に往復運動しながら印刷を行う構成であって、
前記重ね合わせ制御手段は、キャリッジが移動する方向に応じて駆動タイミングを変化させるよう設定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 被記録媒体の送り動作に合わせて、キャリッジを位置制御して印字を開始させる重ね合わせを行う印刷方法であって、
前記キャリッジの駆動を制御する第1の駆動手段、及び前記送り動作を制御する第2の駆動手段に影響を与える変動要素を取得する変動要素取得工程と、
前記変動要素に対応させて、前回パスにおける前記キャリッジが印刷を開始するまでの実時間と前記送り動作が終了するまでに要する実時間を取得する時間取得工程と、
前記取得された変動要素と前記取得された実時間とをもとに、今回パスにおける前記キャリッジが印字を開始するまでの時間と、前記送り動作が終了するまでの時間とを予測する挙動予測工程と、
前記予測された時間をもとに前記キャリッジの駆動タイミングを設定し、前記重ね合わせを最適化する重ね合わせ制御工程と、を有することを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009223176A JP2011068100A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 印刷装置、及び印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009223176A JP2011068100A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 印刷装置、及び印刷方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2011068100A true JP2011068100A (ja) | 2011-04-07 |
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ID=44013862
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|---|---|---|---|
| JP2009223176A Pending JP2011068100A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 印刷装置、及び印刷方法 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP2011068100A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113496093A (zh) * | 2020-03-18 | 2021-10-12 | 苏州奇流信息科技有限公司 | 有限元模拟方法及系统、计算机设备及存储介质 |
-
2009
- 2009-09-28 JP JP2009223176A patent/JP2011068100A/ja active Pending
Cited By (1)
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