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JP2011066079A - フレア補正方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

フレア補正方法及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フレア補正を精度良くかつ高速に行うフレア補正方法及び半導体ディバスの製造方法を提供する。
【解決手段】マスクパターンをフレア分布計算対象の領域101から近い領域102と遠い領域103とに分割し、領域102についてメッシュ分割によりパターン密度分布を算出し、領域103については領域103全体におけるパターン被覆率を算出する。領域102に対応するフレアPSFとパターン密度分布とを畳み込み積分して第1フレア分布を求める。領域103に対応するフレアPSFを積分し、積分値とパターン被覆率とを乗算してフレア値を求め、第1フレア分布に加算する。畳み込み積分の計算量を削減し、かつ遠距離領域のフレアの影響を加味するため、フレア補正を精度良くかつ高速に行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレア補正方法及び半導体デバイスの製造方法に関するものである。
EUV(Extreme Ultra-Violet)リソグラフィは、13.5nm付近の非常に短い波長の光(X線)を用いて、従来の光露光(波長193nmや248nm)よりも、さらに微細なパターンをウェーハ上に形成する方法として期待されている。
EUV露光装置では、EUV光の短波長による性質から、EUVマスクへの照明光学系及びウェーハへの投影光学系の全ての光学要素は、反射ミラーを用いて構成されている。そのため、反射ミラーの表面の平坦度に応じた、EUV光の散乱光が観測される。この散乱光は、ウェーハ上に露光すべきパターンとは異なる形状の迷光として投影される。このような迷光はフレアと呼ばれている。
フレアの影響を低減するために、露光装置内の反射ミラーの平坦度を向上させることが、装置メーカにおいてなされているが、それと同時に、フレアが存在する状態で所望のパターン寸法が得られるように、露光パターンの形状を変更するフレア補正を行うことが有効である。
フレアの補正方法として、露光を行うパターンをメッシュ分割し、各メッシュ内のパターンについてのフレア量を一定とみなして、パターン形状および大きさの補正を行う方法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。この方法では、メッシュのサイズをフレアの広がり径の1/10 程度の大きさとし、メッシュ内のパターンの面積率(密度)に基づいてフレア量を求め、求めたフレアが存在する場合に露光形成した各メッシュ内のパターンが所望の形状および大きさとなるように、パターンを補正する。また、前記フレアの広がり径を考慮して、メッシュごとのパターンの面積率をガウス関数による畳み込み計算するで、フレア量の見積もり精度を向上させる。
しかし、反射ミラーを発生源とするフレアは、数mmから数十mmの範囲に分布するため、上記のパターンの面積密度とフレアの広がり関数との畳み込み積分は、非常に大きな計算量となり、計算機コストの増加、計算時間の長期化といった問題を生じさせていた。
また、フレアの広がりはガウス関数で表せるとは限らず、計算のために複数のガウス関数の和にフィッティングすると、計算誤差が大きくなり、フレア量の見積もり精度が低下する。フレア量の見積もり精度が低下することにより、フレアの影響を補正したマスクパターンを用いて製造された半導体デバイスは、正しいパターンが形成されず、性能劣化や製造歩留まりの低下といった問題を有する。
James Word et al, "Full Chip Model Based Correction of Flare-Induced Linewidth Variation", Proceedings of SPIE, Vol.5567, 2004, pp. 700-710
本発明は、フレア補正を精度良くかつ高速に行うフレア補正方法及び半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によるフレア補正方法は、マスクに形成されたパターン及び投影光学系を通過した露光光に重畳されるフレア光の強度と前記パターンからの距離との関係を示すフレア広がり関数を取得する工程と、前記パターンからの距離が所定値以下となる前記マスクの第1領域におけるパターン密度分布を算出する工程と、前記パターンからの距離が前記所定値より大きい前記マスクの第2領域におけるパターン被覆率を算出する工程と、前記第1領域に対応する前記フレア広がり関数と前記パターン密度分布とを畳み込み積分し、前記パターンについての第1フレア分布を算出する工程と、前記第2領域に対応する前記フレア広がり関数の積分値と前記パターン被覆率とを乗算して前記第2領域に対応するフレア値を算出する工程と、前記第1フレア分布に前記フレア値を加算して第2フレア分布を算出する工程と、前記第2フレア分布に基づいて前記パターンを補正する工程と、を有するものである。
本発明の一態様によるフレア補正方法は、マスクに形成されたパターン及び投影光学系を通過した露光光に重畳されるフレア光の強度と前記パターンからの距離との関係を示すフレア広がり関数を取得する工程と、前記マスクに形成された複数個の同一のチップのうちの1つのチップについて、メッシュが第1サイズとなる第1パターン密度分布を算出する工程と、前記第1パターン密度分布と前記フレア広がり関数とを畳み込み積分し、前記1つのチップについての第1フレア分布を算出する工程と、前記第1フレア分布に基づいて、前記1つのチップ内のパターンに対してモデルベースの補正を行い、第1補正パターンを算出する工程と、前記マスクについて、メッシュが前記第1サイズより大きい第2サイズとなる第2パターン密度分布を算出する工程と、前記第2パターン密度分布と前記フレア広がり関数とを畳み込み積分し、前記マスクについての第2フレア分布を算出する工程と、前記第1補正パターンを有するチップが前記複数個配置されたマスクパターンに対して、前記第2フレア分布に基づいてルールベースの補正を行い、第2補正パターンを算出する工程と、を有するものである。
本発明の一態様による半導体デバイスの製造方法は、前記フレア補正方法により補正されたマスクパターンに対応するマスクを用いて露光を行い、半導体基板上にパターンを形成するものである。
本発明によれば、フレア補正を精度良くかつ高速に行うことができる。
フレア広がり関数の一例を示すグラフである。 第1の実施形態に係るパターン領域分割の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るフレア計算方法を説明するフローチャートである。 フレア分布の一例を示す図である。 フレア広がり関数の一例を示すグラフである。 近距離領域をガウス関数で代用したフレア広がり関数を示すグラフである。 多チップ取りマスクの一例を示す図である。 フレア広がり関数の一例を示すグラフである。 フレア分布の一例を示す図である。 フレア量とパターン寸法との関係を示すグラフである。 フレア量とパターンリサイズ量との関係を示すグラフである。 第3の実施形態に係るフレア補正方法を説明するフローチャートである。 フレア広がり関数の一例を示すグラフである。 フレア広がり関数の影響範囲の一例を示す図である。 基板外周部におけるショットの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)まず、図1に示すようなフレア広がり関数(PSF:Point Spread Function)を仮定する。図1に示すグラフは両対数でプロットされており、横軸はパターンからの距離、縦軸は重畳されるフレア光の強度を示す。このグラフからフレアの影響範囲は、100nm程度の近距離から、30mm以上の長距離に渡っていることが分かる。フレアの影響範囲が30mm以上もあるため、ウェーハに転写されるパターンの一点に影響するフレア量を求める場合、厳密にフレア量を計算するためには、パターン領域を大きく取り、さらに場合によっては複数のショット(1枚のマスクから一度に露光される領域)をウェーハ上に配置した状態を再現したパターンを準備する必要がある。
しかし、このような大領域を対象としてフレア量の計算を行うと、パターン全領域をμmオーダーの微小なメッシュに分割し、全メッシュ内に含まれるパターンの密度分布を算出し、この密度分布とフレアPSFの畳み込み積分を行うことになり、膨大な計算量となる。
そこで本実施形態では、図2に示すように、フレア量の計算を行う小領域(フレア量計算領域)101を含むパターン定義領域102を規定し、パターン定義領域102よりも外側の領域103についてはパターン密度分布の計算を行わない。
例えば、30mm□(一辺30mmの正方形)の大領域を1μm□のメッシュに分割すると、9×10個のメッシュを取扱うことになる。一方、フレア量計算領域101を含むパターン定義領域102を1mm□に限定し、この領域を1μm□のメッシュに分割すると、メッシュ数は1×10個に削減できる。
パターン定義領域102については、パターン密度分布とフレアPSFとの畳み込み積分を行う。パターン定義領域102よりも外側の領域103については、当該領域全体におけるパターン密度を求め、当該領域に対応するフレアPSFの積分値と乗算し、乗算結果を前記畳み込み積分結果に加算する。
例えば、図1における領域A1は、フレア量計算領域101からの距離が1mm以上となる領域(図2の領域103に相当)を示し、この領域を積分すると約4.0%のフレアに相当するものとする。これは、フレア量計算領域101からの距離が1mm以上離れたところに、パターン密度が100%となるような無限大の大きさのパターンが存在する場合に、フレア量計算領域101には4.0%のフレアが重畳されることを意味する。
従って、フレア量計算領域101からの距離が1mm以上となる領域全体でのパターンの密度(被覆率とも言う)が50%(0.5)であれば、4.0×0.5=2.0%のフレアとなる。この遠距離領域A1(領域103)からのフレアは、フレア計算領域101では一定であるとする。そして、パターンの密度分布とフレアPSFとの畳み込み積分は、フレア量計算領域101からの距離が1mm以内の領域(パターン定義領域102)について行い、計算されたフレア分布に、前記遠距離領域からのフレアの値を足し合わせればよい。
例えば、図2のパターン定義領域102を1mm□とし、この領域を1μm□のメッシュに分割し、各メッシュ内のパターンの密度を求め、パターン密度マップを作成し、図1の遠距離領域A1を除いたフレアPSFとの畳み込み積分を行う。そして、図2のパターン定義領域102の外側のパターンの被覆率を38%(0.38)と求め、畳み込み積分により求めたフレア分布の全メッシュに、4.0×0.38=1.52%を足し合わせ、フレア計算領域101のフレア分布を求める。
このようなフレア分布の計算フローを図3に示すフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)露光パターンを取得する。
(ステップS102)パターンの領域分割を行う。パターンが、図2に示すようなフレア量計算領域101、パターン定義領域102、パターン定義領域102よりも外側の領域103に分割される。
(ステップS103)パターン定義領域102がメッシュ分割される。
(ステップS104)各メッシュ内のパターン密度が算出され、パターン密度マップ(パターン密度分布)が作成される。
(ステップS105)露光装置のフレアPSFが取得される。
(ステップS106)フレアPSFがパターン定義領域102に対応する近距離領域と、パターン定義領域102よりも外側の領域103に対応する遠距離領域とに分割される。
(ステップS107)ステップS104で作成されたパターン密度マップと、フレアPSF(近距離領域)との畳み込み積分が行われる。これにより図4(a)に示すようなフレア分布(フレアマップ)が求められる。
(ステップS108)フレアPSFの遠距離領域の積分値が算出される。
(ステップS109)領域103全体でのパターン密度(被覆率)と、ステップS108で算出された積分値との乗算により、遠距離領域からのフレア値が算出される。
(ステップS110)ステップS107における畳み込み積分結果に、ステップS109で算出されたフレア値が足し合わされる。これにより図4(b)に示すようなフレア分布が求められる。
このように、本実施形態では、パターン密度マップとフレアPSFとの畳み込み積分を行う範囲をパターン定義領域102に限定し、パターン定義領域102よりも外側の領域103の影響を一定のフレア値として別途求めて足し合わせる。
これにより、例えば、30mm□の大領域を1μm□のメッシュに分割すると、9×10個のメッシュを取扱うことになっていたのが、メッシュ分割する領域(パターン定義領域)を1mm□に限定し、この領域をメッシュ分割すると、メッシュ数は1×10個となり、約1/1000に削減できる。フレア計算領域101が1点であれば計算量を1/1000とすることができる。また、10μm□のフレア計算領域101のフレア分布(10×10メッシュ分)を求める場合には、さらに1/100の計算量、すなわち1/10万の計算量とすることができる。
本実施形態は、フレアPSFとパターン密度マップとの畳み込み積分を行う領域を小領域に限定することで、フレア分布算出に要する時間を大幅に短縮することができる。また、この小領域より外側の領域(フレア分布計算対象の領域から遠い領域)の影響を一定のフレア値として別途算出することで、マスクパターン依存フレア量の計算精度を維持することができる。従って、フレア分布を精度良くかつ高速に算出できる。
また、このフレア分布を用いることで、フレア補正を精度良くかつ高速に行うことができる。また、フレア補正を行ったマスクパターンを早期に作製することができ、半導体デバイスの開発・生産期間を短縮することが可能となる。また、フレア補正の精度が良いため、半導体デバイスには正確なパターンが形成され、性能劣化や製造歩留まりの低下といった問題の発生を防止することができる。
(第2の実施形態)本実施形態は、上記第1の実施形態と比較して、フレアPSFとパターン密度マップの畳み込み積分の範囲をさらに限定するものである。本実施形態では、図5のようなフレアPSFにおいて、フレア量計算領域から遠い領域A1に加えて、フレア量計算領域に近い領域A2も、畳み込み積分領域から除外する。
この領域A2には、使用するマスクからの露光光をウェーハに転写した際に所望の形状・大きさを得られるように、光近接効果補正(OPC: Optical Proximity-effect Correction)が行われ、マスクパターンが補正される。このとき、フレアマップを用いたフレア補正も、OPCでの補正内容に含めることができる。
例えば、生成されたフレアマップから、補正対象となるパターンの位置のフレア光の量を参照し、そのようなフレア光が存在すると仮定して、マスクパターンによる光学像を計算する。その光学像の計算の際に、OPCでの1回の計算領域となる光学半径(通常1μm前後)に含まれる領域については、フレア量として計算に含めず、その領域のフレアPSFを考慮することで、フレア存在時の光学像が計算される。
図5の近距離領域A2のフレアPSFは、例えば図6のように、ガウス関数で代用することが可能である。ガウス関数と他の関数との畳み込み積分は、フーリエ変換を行なうことで簡単に行うことができ、また、実際のOPCにおいても、各種のガウス関数との畳み込み積分による計算が行われている。そのため、OPCへの計算量の負荷は大きくなく、容易に取り込むことができる。
上述のように、フレアPSFとパターン密度マップの畳み込み積分の範囲から、OPCの光学半径未満の領域を除外することで、畳み込み積分の計算量をさらに削減することができる。
例えば、この除外領域をフレアPSFのパターンからの距離が1μm以下の領域とすると、最もフレア光への寄与が高い近接領域をOPCに取り込むことができ、さらに、パターン密度マップのメッシュサイズは1μm□以上で、フレア計算の精度が充分確保できることとなる。
従来、マップ方式でのフレア補正の精度は、マップのメッシュサイズにより決定され、充分な補正精度を得るためには、メッシュサイズを微小化していく傾向にあった。通常のフレアPSFの形状は、パターンからの距離が近いほどフレア量への寄与が大きく、ナノメートルオーダーでの補正精度を得るためには、1μm□よりも微細なメッシュでのフレア補正が必要となる。そのため、フレアマップの計算時間は上記第1の実施形態のような手法を用いても、長期化する可能性があった。しかし、本実施形態に係る手法により、フレア量の計算精度を高めると同時に、フレアマップの計算時間の長期化を抑制することができる。
(第3の実施形態)本実施形態は、図7に示すような多チップ取りのマスクパターンについてのフレア補正を行う。このマスクには、同一の半導体デバイス(チップ)を形成するためのパターンが、4つ含まれている。すなわち、このマスクパターンを一度露光すると4個のデバイスのパターンを転写でき、このマスクは4チップ取りのマスクとなる。
フレア補正を行なう際のフレア予測に用いるフレアPSFは図8に示すものを利用する。このフレアPSFの影響距離は数十mmとなっている。それに対して、マスク全体の大きさは、被転写基板上の大きさに換算すると、通常は最大でも24mm×33mmの大きさであり、1チップの大きさは、同じく基板上の大きさでは、12mm×16mm程度である。
まず、図7に示すマスクパターンに含まれる1つのチップのみに対してフレアマップを計算すると、図9(a)に示すように、等高線表示で表されるようなフレア分布が得られる。それに対して、マスク全体でフレアマップを計算すると、図9(b)に示すような分布となる。
フレアマップのメッシュサイズは1 μm□程度である。フレアPSFの影響範囲がチップの大きさよりも充分小さければ、マスク内の全チップにおいて、フレア分布は同一になる。しかし、図8のようなフレアPSFを用いてマスク全体のフレアマップを求めてみると、チップ単位でみた場合に、図9(a)のA点と同一の場所となるA’、A”の各点において、フレアの大きさが異なる。
従って、通常のフレア補正方法では、図9(b)のようなマスク全体のフレアマップを用いて、マスクパターン全体に対してフレア補正を施す。フレアマップを利用したフレア補正の方法としては、補正を行なうパターンの位置に存在するフレア量をフレアマップから読み取り、そのフレア量が存在する場合の基板上に転写される光学像を計算し、その光学像が所望の形状および大きさのパターンが転写されるようにマスクパターンを調整するというパターンの補正を、パターン全体にわたって繰り返し行なうことになる。これはモデルベースの補正方法と呼ばれる。
または、簡易的な補正方法として、補正するパターンの位置における光学像を計算せずに、あらかじめ求められた存在するフレア量に対応するマスクパターンの補正量だけ、パターンを修正するルールベース補正方法もある。
しかし、ルールベース補正を全パターンに適用するためには、膨大な数の組み合わせによるルールとそのときの補正量を求める必要がある。さらに、二次元形状を有するような複雑な形状のパターンでは、ルールが難しいため、ルールベースでの補正精度はモデルベースの補正精度よりも劣る。
マスク内の全パターンについて、フレアPSFとの畳み込み積分によりフレアマップを作成し、微小な領域ごと(〜1μm□程度)に、モデルベースの補正を行う場合の計算量の一例を表1に示す。ここで、フレアマップのメッシュサイズは1μm□、フレア補正のメッシュサイズは0.1μm□とした。
Figure 2011066079
表1から分かるように、同じパターン形状である1チップのフレア補正に対して、マスク全体を同じ方法及び同じ精度で計算すると、計算量は約290倍になる。従って、フレア補正にかかる時間も290倍となる。つまり、モデルベースによるフレア補正の対象をマスク中の1チップのみに限定することができれば、補正にかかる時間は1/290に短縮することができる。
1チップ分のマスクパターンのフレア補正をモデルベースにて行った後、フレア補正済みのパターンを図7のように配置する。しかし、図9(b)のように、チップの配置位置が異なると、各点でのフレア量が異なり得る。従って、まず、図3(b)のようなフレアマップを作成する。このとき、メッシュサイズを100μm□程度と大きくする。これにより、マスク全体のフレアマップにおいて、メッシュ数は240×330 個と少なくなり、計算量は少なくなり、計算時間の増加を抑制することができる。
また、あらかじめ実験やシミュレーションにより、図10に示すようなフレアの量とパターン寸法の変化量の関係を求めておく。図10は、ターゲット寸法(CD)32nmのライン&スペース(L/S)パターンを形成する場合のシミュレーションによる計算結果を示す。横軸がフレアの量を表しており、フレアが存在しない場合に32nmとなっていたパターンが、10%のフレアが存在する状態では、17.6nmになる。ターゲット寸法からの差(すなわち寸法変化量)をプロットし、回帰計算によりフレア量に対する寸法変化量が計算できるようにした。
この結果から、図11に示すように、フレアの量に対する寸法変化量を補うような、パターンのリサイズ量を決定する。図11に示す例では、パターンを太らせるように補正するため、パターンの各辺のバイアス量という形式で、リサイズ量、すなわち補正量を表している。このようにして、補正量をフレア量に対するテーブルや関数として定義しておく。
前述の1チップ分のフレア補正を行ったパターンを、多チップ取りのマスクに、チップの配置情報にしたがって配置した場合に、1チップ分で計算したフレアマップとは異なるフレア分布が、マスク全体には存在する。先に計算したマスク全体のフレアマップの各メッシュ(サイズ100μm□)内のパターンに対して、メッシュ内のフレア量に対応するパターンのリサイズを行なうことで、ルールベースのフレア補正を行う。これにより、マスク全体のフレア補正を行うことができる。
このようなフレア補正方法を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)多チップ取りマスクのチップ配置情報、1チップ分のマスクパターン及びフレアPSFが取得される。
(ステップS202)1チップ分のマスクパターンに対してメッシュ分割を行い、各メッシュにおけるパターン密度を求め、パターン密度マップを計算する。
(ステップS203)ステップS202で計算したパターン密度マップと、フレアPSFとの畳み込み積分を行い、1チップ分のフレアマップを計算する。
(ステップS204)ステップS203で計算したフレアマップに対してモデルベースの補正(フレア補正)を行い、1チップ分の補正済みパターンを得る。
(ステップS205)マスク全体に対してメッシュ分割を行い、各メッシュにおけるパターン密度を求め、パターン密度マップを計算する。なお、このステップにおけるメッシュはステップS202におけるメッシュよりも大きい。
(ステップS206)ステップS205で計算したパターン密度マップと、フレアPSFとの畳み込み積分を行い、マスク全体のフレアマップを計算する。
(ステップS207)ステップS204で得られた1チップ分の補正済みパターンをチップ配置情報に基づいてマスク内に配置する。
(ステップS208)ステップS207で求められるマスクパターンと、ステップS206で求められるフレアマップとを用いて、各メッシュ内のフレア量に対応するパターンのリサイズを行うことで、ルールベースのフレア補正を行う。パターンのリサイズには、予め求めておいた図11に示すようなフレアとパターン補正量との関係を参照する。これによりフレア補正済みのマスクパターンが得られる。
このように、本実施形態に係るフレア補正方法は、1チップ分のフレア補正をモデルベースで行い、マスク全体のパターンに対するフレア補正を、1チップ分のフレア補正を行ったパターンのリサイズにより行なう。
そのため、厳密なフレア補正を行うための計算量を削減することができる。また、単純なパターンのリサイズという図形処理を行うだけで、マスクパターン全体のフレア補正が可能となるため、マスクパターン全体のフレア補正にかかる時間を大幅に短縮することができる。
上述のように、フレア補正にかかる時間を短縮することで、半導体デバイスを製造するために必要なマスクを製作するためのデータのリリースを早め、マスク製作までのリードタイムを短縮することができる。また、マスク全体に対するモデルベースのフレア補正を行う必要がなくなるため、フレア補正を行なうためのコンピュータに対する投資を抑制することができ、半導体デバイス製品の開発コストを削減することができる。
(第4の実施形態)上記第3の実施形態では、1チップのみのフレアマップの計算及びマスク全体のフレアマップの計算において、チップ外及びマスク外の領域については考慮していなかった。本実施形態では、フレア補正の精度をさらに向上させるために、前記チップ外及びマスク外の領域を考慮したフレアマップの計算を行う。
図7に示したように、1つのチップの隣には、所定間隔をおいて同一のチップが存在している。そして、このマスクを使用して半導体デバイスを製造するためのパターンを基板上に転写する際には、基板にこのマスクの領域に対応するパターンをある間隔で敷き詰めるように転写する。そのため、1つのチップの隣には同一のチップが露光されることになる。
そこで、上記第3の実施形態における1チップ分のフレアマップの計算工程(ステップS203)において、隣接するチップの存在を仮定する。その際、図13に示すように、フレアPSFの影響範囲を、パターンからの距離Rmaxまでと設定する。
例えば、1チップ分のフレアマップを計算する工程においては、図14(a)に示すように、Rmaxはチップの対角線程度の長さとする。上記第3の実施形態で説明した例では、チップの対角線の長さは20mmであるため、Rmax=20mmと設定する。ただし、計算されるフレアマップは、上記第3の実施形態と同じメッシュ数になる。
次に、マスク全体のフレアマップ計算においても、マスクに隣接して同一のマスクが存在することを仮定して、フレアマップを計算する。この場合も、フレアPSFの影響範囲とマスクの対角線長程度とし、図14(b)に示すように、Rmax=40.8mmと設定する。ここでも、フレアマップは上記第3の実施形態と同じメッシュ数になる。
本実施形態でのフレアマップ作成において考慮すべきパターン定義領域サイズは、以下の表2のようになる。
Figure 2011066079
従って、上記第3の実施形態と比較して、1チップ分の計算量が約15倍、マスク全体の計算量が約5.9倍に増加する。フレアマップの計算領域はそれぞれ、チップサイズ、マスクサイズであり、上記第3の実施形態と同じであるため、メッシュ数の2乗まで増加することはない。
実際には、モデルベースによるフレア補正にかかる時間が長いため、フレア補正全体のフローにかかる時間は、何倍にも長くなることはなく、マスクパターン全体をモデルベースでフレア補正するよりも、短時間で補正を行うことができる。フレア補正の精度は、実際の露光に近い状態でフレアマップを計算するため、上記第3の実施形態よりも高まる。
このように、本実施形態によるフレア補正方法により、フレア補正を高精度かつ高速に行うことができる。また、半導体デバイスを製造するために必要なマスクを製作するためのデータのリリースを早め、マスク製作までのリードタイムを短縮することが可能となり、半導体デバイス製品を市場に投入することが可能となる。また、マスク全体に対するモデルベースのフレア補正を行なう必要がなくなるため、フレア補正を行なうためのコンピュータに対する投資を抑制することができ、半導体デバイス製品の開発コストを削減することが可能となる。
(第5の実施形態)本実施形態は、上記第3及び第4の実施形態によりフレア補正されたマスクを用いて加工基板へのパターンの露光を高精度に行うものである。
上記第4の実施形態に係る方法によりフレア補正を行ったマスクパターンは、加工基板の全面にわたって繰り返し露光を行ったときに、隣接するマスクパターンの存在が仮定されて形成されている。従って、基板上の転写位置として、隣接する転写パターンが存在する場合と存在しない場合とで差が生じ得る。
例えば、図15に示すように、基板の外周部付近に転写するパターンには、隣接する転写パターンが存在しない。そのため、外周部付近に転写されるパターンは、仮定していた隣接する転写パターンからのフレアがなくなるため、想定されている露光量よりも少ない露光量でパターンが形成される。従って、外周部付近に形成されるパターンは、フレア補正されていても、補正量が充分でない状態になり、所望の寸法のパターンを形成できなくなる。
そこで、本実施形態では、外周部について、具体的には転写基板の外側のマスクパターンの対角線長程度の領域については、露光量を調整することにより、所望の寸法が形成されるようにする。ただし、図15に示すように、欠けショットと呼ばれる、基板内にマスク内のパターンの一部が転写されないが、1チップ分以上のパターンを転写できる領域のパターンは露光することを想定している。
もし、何らかの理由により、さらに外周の大きな領域に対して、マスクパターンを転写しない領域が存在するのであれば、転写するパターンの最外周から、マスクパターンの対角線長程度の領域が、この対象となる。
本実施形態においても、上記第3、第4の実施形態と同様に、フレアマップを作成する。フレアマップの作成対象は、転写するパターンのウェーハの最外周部分までを含む、転写基板上の領域である。ここでも、フレアマップのメッシュの大きさはそれほど微細でなくてもかまわない。ここで、100μm□のメッシュとして、直径300mmの基板全面のフレアマップを作成すると、約7百万個のメッシュになる。
実際には、外周40mm程度の領域について露光量を制御するとなると、さらに40mm程度基板の内側に入った領域までがフレアマップの計算時に考慮する領域となるため、{150−(40×2)}×π=50580mmの面積となり、約5百万個のメッシュ数となる。
この領域のパターン密度マップを作成し、図13に示すフレアPSFとの畳み込み積分により、フレアマップを計算する。そして、パターンの転写時には、フレアマップに示されている各メッシュのフレア量に基づいて、図11に示すようなリサイズ量を参照し、所望のパターン線幅となるような露光量でパターンの転写を行う。その際の露光量の制御は、露光装置の露光面内100μm□の領域ごとに、最適露光量となるように行われることになる。
また、上記第3の実施形態に係る方法によりフレア補正されたマスクを用いてパターンを転写する場合についても、基板全面にわたるフレアマップを用いて、同様の方法で露光量を制御して、パターンを基板全面に露光することにより、基板全面にわたって、所望の寸法精度でパターンを転写することが可能となる。
本実施形態のように、マスクパターンのフレア補正のみでは露光量が足りなくなるような場所へのパターンの転写に対しても、基板上に転写されるマスクパターンの配列レイアウトに基づいてフレアマップを作成し、フレアマップのメッシュごとに、所望の寸法となる露光量にてパターンを転写することが可能となる。すなわち、マスクパターンのフレア補正では補正しきれないパターンを、露光量を制御して補正することが可能となる。
このように、本実施形態により、加工基板全面にわたって、所望の寸法となるようにパターンを転写することが可能となり、パターンの寸法精度を高め、半導体デバイス製品の製造歩留まりをさらに向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
101 フレア量計算領域
102 パターン定義領域

Claims (5)

  1. マスクに形成されたパターン及び投影光学系を通過した露光光に重畳されるフレア光の強度と前記パターンからの距離との関係を示すフレア広がり関数を取得する工程と、
    前記パターンからの距離が所定値以下となる前記マスクの第1領域におけるパターン密度分布を算出する工程と、
    前記パターンからの距離が前記所定値より大きい前記マスクの第2領域におけるパターン被覆率を算出する工程と、
    前記第1領域に対応する前記フレア広がり関数と前記パターン密度分布とを畳み込み積分し、前記パターンについての第1フレア分布を算出する工程と、
    前記第2領域に対応する前記フレア広がり関数の積分値と前記パターン被覆率とを乗算して前記第2領域に対応するフレア値を算出する工程と、
    前記第1フレア分布に前記フレア値を加算して第2フレア分布を算出する工程と、
    前記第2フレア分布に基づいて前記パターンを補正する工程と、
    を有するフレア補正方法。
  2. 前記第1フレア分布を算出する工程において、前記第1領域から、前記パターンからの距離が光近接効果補正での1回の計算領域である光学半径以下となる領域を除外した第3領域に対応する前記フレア広がり関数と、前記第1領域に対応する前記パターン密度分布とを畳み込み積分することを特徴とする請求項1に記載のフレア補正方法。
  3. マスクに形成されたパターン及び投影光学系を通過した露光光に重畳されるフレア光の強度と前記パターンからの距離との関係を示すフレア広がり関数を取得する工程と、
    前記マスクに形成された複数個の同一のチップのうちの1つのチップについて、メッシュが第1サイズとなる第1パターン密度分布を算出する工程と、
    前記第1パターン密度分布と前記フレア広がり関数とを畳み込み積分し、前記1つのチップについての第1フレア分布を算出する工程と、
    前記第1フレア分布に基づいて、前記1つのチップ内のパターンに対してモデルベースの補正を行い、第1補正パターンを算出する工程と、
    前記マスクについて、メッシュが前記第1サイズより大きい第2サイズとなる第2パターン密度分布を算出する工程と、
    前記第2パターン密度分布と前記フレア広がり関数とを畳み込み積分し、前記マスクについての第2フレア分布を算出する工程と、
    前記第1補正パターンを有するチップが前記複数個配置されたマスクパターンに対して、前記第2フレア分布に基づいてルールベースの補正を行い、第2補正パターンを算出する工程と、
    を有するフレア補正方法。
  4. 前記第1フレア分布を算出する工程において畳み込み積分を行う範囲は、前記チップの中心からの距離が前記チップの対角線長以下となる範囲であり、
    前記第2フレア分布を算出する工程において畳み込み積分を行う範囲は、前記マスクの中心からの距離が前記マスクの対角線長以下となる範囲であることを特徴とする請求項3に記載のフレア補正方法。
  5. 請求項1乃至4のフレア補正方法により補正されたマスクパターンに対応するマスクを用いて露光を行い、半導体基板上にパターンを形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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