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JP2011047371A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP2011047371A JP2009198566A JP2009198566A JP2011047371A JP 2011047371 A JP2011047371 A JP 2011047371A JP 2009198566 A JP2009198566 A JP 2009198566A JP 2009198566 A JP2009198566 A JP 2009198566A JP 2011047371 A JP2011047371 A JP 2011047371A
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Katsuji Wada
勝治 和田
Takeshi Motohashi
剛 本橋
Ryusuke Shiraishi
隆介 白石
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】NOx捕捉触媒のNOx捕捉性能を高めることにより、NOx浄化率を向上させること。
【解決手段】エンジン2の排気管4に設けられ、排気中のNOxを捕捉するAg触媒42と、Ag触媒42の下流側の排気管4に設けられ、排気中のNOxを捕捉し、捕捉したNOxを所定条件下で還元浄化するLNC43と、エンジン2の運転状態に応じて、排気中のNOxの含有量が所定量未満であるか否かを判定する判定部と、判定部により、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させるNOx放出部と、を備え、Ag触媒42の触媒活性化温度が、LNC43の触媒活性化温度よりも低いことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。詳しくは、内燃機関の排気中のNOxを効率良く浄化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関(以下、「エンジン」という)、特にディーゼルエンジン等の希薄燃焼式エンジンでは、排気中に多量の窒素酸化物(以下、「NOx」という)が含まれる。この排気中に含まれるNOxを低減する技術として、排気の一部をEGRガスとしてエンジンの吸気通路内に還流するEGR技術がよく知られている。
また、排気通路内に配置されたアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び白金等を含有するDeNOx触媒の上流に水素富化手段を設け、この水素富化手段で生成する水素含有気体を、下流に配置されたDeNOx触媒に導入する技術が開示されている(特許文献1参照)。水素富化手段としては、炭化水素燃料の改質反応が利用され、具体的には、酸化剤の種類に応じて部分酸化反応や水蒸気改質反応が利用される。
この技術では、水素富化手段にて、一酸化炭素(以下、「CO」という)及び炭化水素(以下、「HC」という)から水素(以下、「H」という)を生成させ、生成した水素をNOxの還元剤として利用することにより、NOxを浄化する。
さらに、排気中のNOxを捕捉する性能を有するNOx捕捉触媒をエンジンの排気通路に設け、このNOx捕捉触媒の上流側に水素を供給する技術が知られている。この技術によれば、従来一般的な三元触媒やNOx吸蔵還元触媒、そして上述の水素富化手段とDeNOx触媒を組み合わせた技術に比して、より低温条件下で排気中のNOxを効率良く浄化できるとされている。
特許第3642273号公報
しかしながら、上記のEGR技術では、大量のEGRガスを吸気通路内に導入すると、エンジンの燃焼悪化を招き易い。特に、エンジン冷機時においてその影響が大きく、最悪の場合には失火等の問題が生じる。このため、エンジン冷機時においては、暖機時よりもEGRガスの導入量を少なくして燃焼安定性を確保するのが一般的である。従って、エンジン始動直後の冷機時には、十分なNOx排出量の低減が難しい。
また、NOx捕捉触媒は、上述の三元触媒やNOx吸蔵還元触媒、そして上述の水素富化手段とDeNOx触媒との組み合わせに比して、より低温領域からNOx捕捉性能を発揮するものの、NOx捕捉量が増大するにつれてNOx捕捉性能が低下する特性がある。従って、例えば自動車の走行中に大量のNOxを捕捉したままエンジンを停止し、エンジンが冷却された後に再び運転を開始した場合にあっては、十分なNOx捕捉性能を発揮できず、高いNOx浄化率が得られない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、NOx捕捉触媒のNOx捕捉性能を高め、NOx浄化率を向上させることにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置(例えば、後述のエンジン2の排気浄化装置1)は、内燃機関の排気通路(例えば、後述の排気管4)に設けられ、前記内燃機関の排気中のNOxを捕捉するNOx捕捉触媒(例えば、後述のAg触媒42)と、前記NOx捕捉触媒の下流側の排気通路に設けられ、排気中のNOxを捕捉し、捕捉したNOxを所定条件下で還元浄化するNOx浄化触媒(例えば、後述のLNC43)と、前記内燃機関の運転状態に応じて、排気中のNOxの含有量が所定量未満であるか否かを判定する判定手段(例えば、後述のクランク角センサ94、アクセル開度センサ95、冷却水温センサ96、ECU7)と、前記判定手段により、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させるNOx放出手段(例えば、後述のスロットルバルブ32、過給機6、燃料改質器8、改質ガス導入通路81、改質ガス導入バルブ87、ECU7)と、を備え、前記NOx捕捉触媒の触媒活性化温度が、前記NOx浄化触媒の触媒活性化温度よりも低いことを特徴とする。
請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の運転状態に応じて、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。これにより、排気中にNOxが多量に含まれている状態のときに、排気中のNOxに加えて、NOx捕捉触媒から放出されたNOxが、下流に配置されたNOx浄化触媒に一度に流入するのを回避できる。即ち、NOx浄化触媒が捕捉し得るNOxの量には限界があるところ、NOx浄化触媒の最大捕捉量を超えた量のNOxが一度にNOx浄化触媒に流入するのを回避できる。従って、内燃機関から排出された排気中に含まれるNOxと、NOx捕捉触媒から放出されたNOxとを、NOx浄化触媒により確実に捕捉して浄化できるため、高いNOx浄化率が得られ、エミッションを改善できる。
また、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置では、NOx捕捉触媒の触媒活性化温度が、NOx浄化触媒の触媒活性化温度よりも低い構成とした。このため、エンジン始動時等においては、NOx浄化触媒の温度が触媒活性化温度まで達していないため、NOx捕捉触媒でNOxを捕捉することとなる。ところが、NOx捕捉触媒は、低温領域からNOx捕捉性能を発揮する一方で、NOx捕捉量が増大するにつれてNOx捕捉性能が低下する特性がある。このため、特にNOx捕捉触媒でNOxを捕捉することとなるエンジン始動時等において、多量のNOxがNOx捕捉触媒に捕捉されたままの状況を回避する必要がある。この点、本発明によれば、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、NOx捕捉触媒に捕捉されたNOxを随時放出するため、多量のNOxがNOx捕捉触媒に捕捉されたままの状況を回避できる。従って、NOx捕捉触媒がNOx捕捉性能を十分に発揮でき、高いNOx浄化率が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段(例えば、後述のクランク角センサ94、アクセル開度センサ95、ECU7)をさらに備え、前記判定手段は、前記運転状態検出手段により検出された運転状態が所定の低負荷運転状態であることを含む複数の運転条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合には、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定することを特徴とする。
請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関が低負荷運転状態であるときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる態様を含む構成とした。即ち、内燃機関が低負荷運転状態のときは、燃焼温度が低く、排気中のNOxの含有量は比較的少ないため、このときに、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる。これにより、下流のNOx浄化触媒に流入するNOx量を低減できるため、捕捉及び浄化されずにNOx浄化触媒を通過してしまうNOx量をさらに低減でき、さらに高いNOx浄化率が得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、排気の一部を前記内燃機関の吸気通路内に還流するEGR通路(例えば、後述のEGR通路5)と、前記EGR通路を介して還流される排気の流量を制御するEGR制御手段(例えば、後述のEGRバルブ51、ECU7)と、前記吸気通路(例えば、後述の吸気管3)に吸気された吸気流量と、前記EGR制御手段により前記EGR通路を介して還流された排気の排気流量と、の合計量に対する当該排気流量の割合をEGR率としたときに、前記内燃機関の冷却水温TWに応じて目標EGR率TREGRを決定する目標EGR率決定手段(例えば、後述の冷却水温センサ96、ECU7)と、をさらに備え、前記判定手段は、前記目標EGR率決定手段により決定された目標EGR率が所定のEGR率判定値を超えていることを含む複数の運転条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合には、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定することを特徴とする。
請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の冷却水温に応じて決定した目標EGR率が、所定のEGR率判定値を超えているときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる態様を含む構成とした。
EGRを備える内燃機関において、EGR率が高いとき、即ち燃焼室内に吸入されるEGRガス量が吸入空気量に比して多いときほど、燃焼温度が低下するため、排気中のNOx含有量は少量となる。ところで、内燃機関の始動時にEGR率を高めると、燃焼悪化を招き易いが、暖機が進むにつれ、EGR率を高めても燃焼悪化は生じ難くなり、失火のおそれもなくなる。このため、EGR率を高めることが可能になるのは、暖機がある程度完了した後である。
そこで、本発明では、暖機が進むにつれて上昇する冷却水温に応じて目標EGR率を決定する。そして、決定した目標EGR率が所定のEGR率判定値を超えているときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる。これにより、内燃機関から排出される排気中のNOxの含有量が少量である、より適切なタイミングで、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させることができる。従って、下流のNOx浄化触媒に流入するNOx量をより低減できるため、捕捉及び浄化されずにNOx浄化触媒を通過してしまうNOx量をより低減でき、より高いNOx浄化率が得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx捕捉触媒の温度を上昇させる昇温手段(例えば、後述のスロットルバルブ32、過給機6)をさらに備え、前記NOx放出手段は、前記昇温手段により前記NOx捕捉触媒の温度を上昇させることにより、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させることを特徴とする。
請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置では、昇温手段でNOx捕捉触媒の温度を上昇させることにより、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。ここで、NOx捕捉触媒が捕捉できるNOxの最大捕捉量は、NOx捕捉触媒の温度に依存する特性がある。具体的には、NOx捕捉触媒の温度がある温度を超えると、NOx最大捕捉量は急激に増大してピークに達し、その後は温度の上昇とともに次第に減少する。本発明はこの特性を利用したものであり、NOxを捕捉したNOx捕捉触媒の温度を上昇させることにより、NOx最大捕捉量が減少し、NOx最大捕捉量との差分に相当するNOxを放出させることができる。これにより、請求項1から3に係る発明の効果がより確実に発揮される。
なお、後述する少なくともAgを含むNOx捕捉触媒は、他のNOx捕捉触媒に比してライトオフ性能が高い分、高温条件下ではNOxを放出し易い特性がある。このため、少なくともAgを含むNOx捕捉触媒を用いた場合には、NOx捕捉触媒の温度を上昇させることにより、捕捉していたNOxを容易に放出させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に還元性気体を供給する還元性気体供給手段(例えば、後述のインジェクタ、ECU7)をさらに備え、前記NOx放出手段は、前記還元性気体供給手段により前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に還元性気体を供給し、捕捉されていたNOxを還元することにより、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させることを特徴とする。
請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置では、NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に水素を含む還元性気体を供給し、捕捉されていたNOxを還元することにより、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。これにより、NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxの放出が促進され、例えばNOx捕捉触媒の温度が低い場合であっても、NOxを放出させることができる。従って、本発明によれば、請求項1から4に係る発明の効果がより確実に発揮される。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx捕捉触媒は、少なくともAgを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置では、少なくともAgを含むNOx捕捉触媒を用いる構成とした。
ここで、NOx捕捉触媒中のAgは、通常、酸素過剰雰囲気下では酸化銀の状態で存在するが、水素が存在することにより酸素過剰雰囲気下においても低温で容易に部分的に還元された状態となる。この銀の状態は、酸化銀の状態よりも排気中のNOxを酸化して触媒上に捕捉する能力が飛躍的に高い。例えば、後述のAg触媒42は、酸素過剰雰囲気下において水素が共存することにより、100℃程度の低温であっても排気中のNOx(NO及びNO)を酸化して捕捉することができる。
従って、少なくともAgを含むNOx捕捉触媒を用いる本発明によれば、高いライトオフ性能が得られ、内燃機関の始動直後から高いNOx浄化率が得られる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に水素を供給する水素供給手段(例えば、後述の燃料改質器8、改質ガス導入通路81、改質ガス導入バルブ87、ECU7)をさらに備えることを特徴とする。
請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置では、少なくともAgを含むNOx捕捉触媒の上流側の排気通路に、水素を供給する構成とした。
上述した通り、NOx捕捉触媒中のAgは、水素の存在下で還元され、非常に高いNOx捕捉能を有する還元銀の状態となる。このため、本発明によれば、積極的に排気中に多量の水素を供給することにより、さらに高いライトオフ性能が得られ、内燃機関の始動直後からさらに高いNOx浄化率が得られる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、NOx捕捉触媒のNOx捕捉性能を高めることにより、NOx浄化率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るAg触媒のNOx放出処理の手順を示すフローチャートである。 目標EGR率TREGRと冷却水温TWとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の運転状態を示す図である。 Ag触媒温度TAgとNOx最大捕捉量ΣNOx_maxとの関係を示す図である。 各種雰囲気ガス下でのAg触媒温度とNOx脱離量との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置1の構成を示す図である。内燃機関(以下、「エンジン」という)2は、各気筒21の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。
エンジン2に燃料を供給する燃料供給系は、燃料タンク23に貯留された燃料を加圧する燃料ポンプ(図示せず)と、この燃料ポンプにより加圧された燃料をエンジン2の気筒21ごとに設けられたインジェクタ(図示せず)に供給するコモンレール(図示せず)と、を含んで構成される。
インジェクタからの燃料噴射量QINJは、後述する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)7によって設定される。また、このインジェクタの開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU7からの駆動信号により制御される。
エンジン2には、吸気が流通する吸気管3と、排気が流通する排気管4と、排気の一部を吸気管3に還流するEGR通路5と、吸気管3に吸気を圧送する過給機6と、が設けられている。
EGR通路5は、排気マニホールド41と吸気マニホールド31とを接続し、タービン61の上流側の排気の一部を、吸気管3のうちコンプレッサ62の下流側に還流する。EGR通路5には、還流する排気の流量を制御するEGRバルブ51が設けられている。EGRバルブ51は、図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、その弁開度はECU7により電磁的に制御される。
過給機6は、排気管4に設けられたタービン61と、吸気管2に設けられたコンプレッサ62と、を備える。タービン61は、排気管4を流通する排気の運動エネルギにより駆動される。コンプレッサ62は、タービン61により回転駆動され、吸気を加圧し吸気管2内へ圧送する。また、タービン61は、図示しない複数の可変ベーンを備えており、可変ベーンの開度を変化させることにより、タービン回転数(回転速度)を変更できるように構成されている。タービン61のベーン開度は、ECU7により電磁的に制御される。
吸気管3は、吸気マニホールド31の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の吸気ポートに接続されている。排気管4は、排気マニホールド41の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の排気ポートに接続されている。
吸気管3のうち過給機6の上流側には、エンジン2の吸入空気量QAIRを制御するスロットルバルブ32が設けられている。このスロットルバルブ32は、アクチュエータを介してECU7に接続されており、その開度はECU7により電磁的に制御される。
排気管4には、上流側から順に、NOx捕捉触媒(以下、「Ag触媒」という)42、NOx浄化触媒としてのNOx捕捉還元触媒(以下、「LNC」という)43が設けられている。排気管4のうち、Ag触媒42の上流側には、後述する燃料改質器8で生成された水素を含む改質ガスを排気管4内に導入する改質ガス導入通路81が接続されている。
Ag触媒42は、水素共存下で、排気中に含まれるNOxを酸化して捕捉する。
ここで、本発明における「捕捉」とは、吸着、吸収、吸蔵のいずれをも含むことを意味する。
また、本実施形態のAg触媒42は、後述するLNC43に比して触媒活性化温度が低い。ここで、本発明における「触媒活性化温度」とは、触媒がNOx捕捉性能を発揮し得るときの温度を意味する。
本実施形態のAg触媒42は、Agを活性種とする触媒である。より詳しくは、Ag触媒42は、Agに加えて、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物を含んでなるAg系触媒である。
このAg触媒42は、例えば100℃の低温から250℃までの温度範囲において、NOxを酸化して捕捉する。
Ag触媒42に含まれるAgは、酸素を含む排気中では、主に酸化された状態の酸化銀として存在し、NOx捕捉能を持たない。これに対して、Ag触媒42に水素を供給して水素共存下とすると、酸化銀が水素と接触することによって酸素過剰雰囲気中においても低温で容易に部分的に還元された状態となる(下記式(1)参照)。
この銀の状態は、酸化銀の状態に比して、NOを酸化して捕捉する能力が飛躍的に高い。このため、Ag触媒42は、酸素過剰雰囲気下において水素が共存することにより100℃程度の低温であっても、排気中のNOx(NO及びNO)を酸化して捕捉する(下記式(2)、(3)参照)。なお、下記式中において、Ag(*)は還元銀を表し、(ad.)はAg触媒42への捕捉を表す。
[化1]
4AgO+H→2Ag(*)+2AgO+H+O …(1)
NO+O+Ag(*)→NO(ad.)+Ag(*) …(2)
2NO+O+Ag(*)→2NO(ad.)+Ag(*) …(3)
Ag触媒42の調製方法については特に限定されず、従来公知の方法により調製される。例えば、所定量の硝酸銀に蒸留水を加えて攪拌し、完全に溶解させた後、所定量のベーマイトを加え、所定の条件で乾燥させる。乾燥後、所定の条件で焼成を行って得られた触媒を粉砕することにより、目的のAg触媒粉末が得られる。
LNC43は、エンジン2で燃焼する混合気を理論空燃比よりもリーンに設定し、流入する排気の酸素濃度が比較的高い酸化雰囲気にしたときに、排気中のNOxを捕捉する。また、LNC43は、流入する排気の還元剤(水素、一酸化炭素、及び炭化水素等)濃度が比較的高い還元雰囲気にしたときに、リーン雰囲気で捕捉したNOxを還元する。
LNC43は、例えば200℃から350℃までの温度範囲において、NOxを捕捉して還元する。
また、本実施形態のLNC43には、NOxを吸着して還元するNOx吸着還元触媒や、NOxを吸収して還元するNOx吸収還元触媒や、NOxを吸蔵して還元するNOx吸蔵還元触媒が含まれる。
本実施形態では、LNC43として、触媒担体に2つの層からなるNOx浄化触媒を担持させることによって形成されたものを用いる。
NOx浄化触媒の下層は、白金、セリア、アルミナ、Ce−Pr−La−Ox、及びZr−Oxをそれぞれ所定量含む触媒材料を、水系媒体とともにボールミルに投入して攪拌、混合することでスラリーを製造し、このスラリーを触媒担体にコーティングすることにより形成される。
また、NOx浄化触媒の上層は、鉄及びセリウムでイオン交換されたβ−ゼオライト、アルミナ、及びバインダーをそれぞれ所定量含む触媒材料を、水系媒体とともにボールミルに投入して攪拌、混合することでスラリーを製造し、このスラリーを上述の下層にコーティングすることにより形成される。
以上のようなNOx浄化触媒を担持して構成されたLNC43は、具体的には以下のように動作し、排気中のNOxを浄化する。
[リーン状態1]
先ず、エンジン2の混合気を理論空燃比よりもリーン側に設定する所謂リーンバーン運転を行い、LNC43に流入する排気を酸化雰囲気にすると、排気中のNOxは、上層を通過して下層に到達し、白金によって酸化(例えば、NO→NO)される。そして、酸化されたNOx(例えば、NO)は、下層に一旦捕捉されて貯蔵される。このとき、白金はNO酸化触媒として機能し、セリアやCe−Pr−La−Oxは、NOx捕捉材として機能する。
[リッチ状態]
次に、例えば、エンジン2の混合気を理論空燃比近傍若しくは理論空燃比よりもリッチ側に設定する所謂リッチ運転を行うことにより、LNC43に流入する排気を還元雰囲気にすると、排気中の一酸化炭素と水のシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される(下記式(4)参照)。また、上記リーン状態1で貯蔵されていたNOx及び排気中のNOxは水素と反応し、アンモニアが生成される(下記式(5)参照)。ここで生成されたアンモニアは、上層に移動し、ゼオライトに捕捉されて貯蔵される。
[化2]
CO+HO→H+CO …(4)
NOx+H→NH …(5)
[リーン状態2]
次に、再びリーンバーン運転を行い、LNC43に流入する排気を酸化雰囲気にすると、上層に貯蔵されたアンモニアと、排気中のNOxとがアンモニア選択接触還元法(NH−SCRという)による反応で窒素に変換され(下記式(6)参照)、当該窒素は上層から放出される。このとき、Fe及びCeでイオン交換されたβ−ゼオライトは、NH−SCR触媒として機能する。
[化3]
NOx+NH+O→N+HO …(6)
このように、LNC43によれば、還元剤供給中に生成されるアンモニアがゼオライトに捕捉され、捕捉したアンモニアがリーンバーン運転中にNOxと反応するので、NOxの浄化を効率良く行うことができる。
燃料改質器8は、排気管4にその一端側が接続された改質ガス導入通路81と、この改質ガス導入通路81内に設けられた改質触媒82と、燃料ガスを改質ガス導入通路81の他端側から改質触媒82に供給する燃料ガス供給装置83と、を含んで構成される。
上記構成からなる燃料改質器8では、エンジン2の燃料を、改質触媒82の作用により改質し、水素(H)、一酸化炭素(CO)、及び炭化水素(HC)を含む還元性気体の改質ガスを生成する。燃料改質器8で生成される改質ガスの温度は、およそ500℃〜1000℃の高温である。
改質ガス導入通路81の途中には、この改質ガス導入通路81を介して排気管4内に導入される改質ガスの流量を制御する改質ガス導入バルブ87が設けられている。この改質ガス導入バルブ87は、図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、改質ガス導入通路81を介した改質ガスの導入量は、ECU7により制御される。
燃料ガス供給装置83は、燃料タンク23に貯蔵された燃料と、コンプレッサ84により供給された空気とを所定の割合で混合して燃料ガスを製造し、この燃料ガスを改質ガス導入通路81内の改質触媒82に供給する。この燃料ガス供給装置83は、改質触媒82に供給される空気の量を制御する空気バルブ85と、改質触媒82に供給される燃料の量を制御する燃料バルブ86と、これら空気バルブ85及び燃料バルブ86を介して供給された空気と燃料を混合し改質触媒82に噴射する図示しない噴射器と、を備える。これら空気バルブ85及び燃料バルブ86は、それぞれ図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、改質触媒82に供給する空気の量及び燃料の量、並びに、燃料ガスの燃料量に対する空気量の割合は、ECU7により制御される。
改質触媒82は、ロジウム、白金、パラジウム、ニッケル、及びコバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒成分と、セリア、ジルコニア、アルミナ、及びチタニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物又はこれらを基本組成とした複合酸化物と、を含む。この改質触媒82は、燃料ガス供給装置83から供給された燃料ガスを改質し、水素、一酸化炭素、及び炭化水素を含む改質ガスを生成する。より具体的には、この改質触媒82は、燃料ガスを構成する炭化水素と空気との部分酸化反応により、水素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成する。
改質触媒82の調製方法については特に限定されず、従来公知のウォッシュコート法により調製される。例えば、所定の質量比になるように配合したセリア及びロジウムの粉末を、バインダー及び水系媒体とともにボールミルに投入して攪拌、混合することでスラリーを調製する。次いで、調製したスラリーを、コージエライト製のハニカム担体にコーティングし、所定の条件で乾燥、焼成することにより、改質触媒82が得られる。
燃料改質器8は、グロープラグやスパークプラグ等を含んで構成された図示しない加熱ヒータを備えており、燃料改質器8の始動とともに、改質触媒82を加熱することが可能となっている。
また、この燃料改質器8は、排気管4とは別に設けられており、燃料改質器8の燃料ガス供給装置83及び改質触媒82は、排気管4内には設けられていない。即ち、燃料改質器8は、排気管4内に設けられて排気管4内の排気中に含まれる燃料成分を改質するのではなく、燃料タンク23に貯蔵された燃料と、コンプレッサ84により供給された空気とから直接供給される燃料ガスを改質するので排気管4内の排気の状態に左右されない。このため、燃料改質器8は、多量の改質ガスを効率良く生成できるとともに、その生成量を制御できる。
以上のように構成された燃料改質器8は、後述のECU7から送信された制御信号に基づいて駆動される。
ECU7には、エアフローセンサ93、クランク角センサ94、アクセル開度センサ95、冷却水温センサ96、及びイグニッションスイッチ97が接続されている。
エアフローセンサ93は、エンジン2に吸入される吸入空気量QAIRを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。クランク角センサ94は、エンジン2のクランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU7に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。アクセル開度センサ95は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。冷却水温センサ96は、エンジン2の冷却水温TWを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。イグニッションスイッチ97は、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU7に送信する。
ここで、エンジン2の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサ94から送信されたCRK信号に基づいて、ECU7により算出される。要求トルクTRQは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じて予め設定された所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU7により算出される。
ECU7は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下、「CPU」という)とを備える。この他、ECU7は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路と、インジェクタ等に制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU7には、以下に示すAg触媒42のNOx放出処理の実行に係る各手段に対応した、判定部、NOx放出部、EGR制御部、目標EGR率決定部、運転状態検出部、還元性気体供給部、水素供給部の各モジュールが構成される。
以下、本実施形態におけるAg触媒のNOx放出処理について説明する。
図2は、本実施形態におけるAg触媒のNOx放出処理の手順を示すフローチャートである。この処理では、エンジンの複数の運転条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合に、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、このときに、Ag触媒に捕捉されていたNOxの放出を実行する。また、この処理は、イグニッションスイッチがONにされた後に、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、エンジンの冷却水温TWに応じて、目標EGR率TREGRを決定する。その後は、ステップS2に移る。
具体的には、目標EGR率TREGRは、エンジンの冷却水温TWに応じて予め設定された、図3に示す目標EGR率テーブルを検索することにより決定される。図3に示すように、目標EGR率TREGRは、冷却水温TWの上昇につれて高くなるように設定される。これは、エンジンの始動時にEGR率を高めると、燃焼悪化を招き易いのに対して、エンジンの暖機が進むにつれ、EGR率を高めても燃焼悪化は生じ難くなり、失火のおそれもなくなるからである。なお、目標EGR率TREGRは、冷却水温TWがある温度を超えた後は、一定の値に設定される。
また、エンジンの冷却水温TWは、冷却水温センサの検出値に基づいて、ECUにより算出される。
ステップS2では、ステップS1で決定した目標EGR率TREGRが所定のEGR率判定値REGRTHを超えているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS3に移り、NOの場合には、Ag触媒のNOx放出処理を終了する。
具体的には、ステップS1で決定した目標EGR率TREGRが、図3に示すように予め設定されECUに格納されたEGR率判定値REGRTHを超えているか否かを判定する。
ステップS3では、エンジンの運転状態が低負荷運転状態であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定してステップS4以降のNOx放出処理の実行に移り、NOの場合には、Ag触媒のNOx放出処理を終了する。
図4は、エンジンの運転状態を示す図である。図4において、横軸はエンジンの回転数NEを表しており、縦軸はエンジンの要求トルクTRQを表している。図4に示すように、エンジン回転数NEと要求トルクTRQをパラメータとして、エンジンの運転状態は、曲線状の判定ラインにより、高負荷運転状態と低負荷運転状態とに区分される。本ステップでは、これらエンジン回転数NEと要求トルクTRQをパラメータとして、図4に示される制御マップを参照することにより、エンジンの運転状態が低負荷運転状態であるか否かを判別する。
ステップS4では、スロットルTHを絞り、過給圧PBを低下させる。その後、ステップS5に移る。
具体的には、スロットルバルブの開度、及び過給機のタービンに設けられた複数の可変ベーンの開度を増大させることにより、吸入空気量QAIRを低減させるとともに、過給機の下流側における吸気管内圧力である過給圧PBを低下させる。これにより、エンジンの排気温度の上昇を通じてAg触媒の温度が上昇し、Ag触媒に捕捉されていたNOxが放出される。
ここで、Ag触媒の温度が上昇することにより、Ag触媒に捕捉されていたNOxが放出される理由について、図5を参照して説明する。
図5は、Ag触媒の温度TAgと、Ag触媒のNOx最大捕捉量ΣNOx_maxとの関係を示す図である。図5に示すように、NOx最大捕捉量ΣNOx_maxは、Ag触媒温度TAgに依存しており、Ag触媒温度TAgがある温度以上になると、急激に増大してピークに達し、その後は温度の上昇とともに次第に減少していく特性がある。本ステップでは、この特性を利用したものであり、Ag触媒に捕捉されたNOxは、Ag触媒の温度が上昇することにより、NOx最大捕捉量ΣNOx_maxとの差分に相当するNOxが放出されることとなる。
ステップS5では、燃料噴射量QINJを増量させる。その後、ステップS6に移る。
具体的には、コモンレールに燃料を供給するインジェクタの開弁時間を制御することにより、インジェクタからの燃料噴射量QINJを増量させる。これにより、より多くの還元性気体を含む排気がAg触媒の上流側の排気管内に供給されて排気中の酸素濃度が低下し、Ag触媒に捕捉されていたNOxの放出が促進される。
ステップS6では、水素を含む改質ガスを、Ag触媒の上流側の排気管内に供給し、Ag触媒のNOx放出処理を終了する。
具体的には、燃料改質器に設けられた改質ガス導入バルブを開き、改質ガス導入通路を介した改質ガスの導入を開始する。これにより、排気中に含まれる水素等の還元性気体に加えて、改質ガス中に多量に含まれる水素がAg触媒に供給され、Ag触媒に捕捉されていたNOxの放出がさらに促進される。
ここで、NOxを捕捉したAg系触媒からなるAg触媒に水素を供給することにより、捕捉されていたNOxの放出が促進される点について、実験結果を用いて説明する。
図6は、下記の試験条件に従って、各種雰囲気ガス(N、O+N、NO+N、H+N、及びO+H+N)下におけるAg触媒のNOx昇温脱離試験を実施した結果、得られた図である。
[昇温脱離試験条件]
Ag触媒:4質量%Ag/支持体、300g/L
大きさ:2.54cm(1inch)φ×60mm(30cc)
支持体:コージェライト、600セル、4.0ミル
エージング:フレッシュガス
モデルガス:NO=100ppm、O=10%、H=5000ppm、
HC=500ppmC、CO=0.6%、CO=6%、N=バランス、
ガス速度:SV=50000/h
NOx捕捉条件:触媒温度120℃でNOx最大捕捉量まで捕捉
NOx脱離条件:各種雰囲気ガス下で120℃〜600℃まで昇温
昇温脱離試験結果を示す図6は、各種雰囲気ガス下でのAg触媒温度とNOx脱離量(放出量)との関係を示している。図6に示すように、N、O+N、及びNO+Nの雰囲気ガス下では、NOxの脱離開始温度が150℃〜200℃、脱離ピーク温度が450℃であり、脱離ガスの組成はいずれもNOであった。これに対して、H+N、及びO+H+N雰囲気ガス下では、NOxの脱離開始温度が120℃〜150℃、脱離ピーク温度が160℃〜190℃であり、低温下での脱離ガス組成はNO、高温下での脱離ガス組成はNOであった。
これらの結果から、我々は、Ag触媒は水素が存在することにより、約100℃でAgが部分的に還元されることでNOを酸化し、触媒上に捕捉する特性を有することを見出した。また、Ag触媒上に捕捉されたNOxは、水素が存在することにより160℃以上で還元・放出され、水素が存在しない場合に比してより低温にて放出される特性を有することも見出した。即ち、Ag触媒に捕捉されたNOxは、水素の存在下において、低温条件下で容易に放出されることが判った。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、エンジン2の運転状態に応じて、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。これにより、排気中にNOxが多量に含まれている状態のときに、排気中のNOxに加えて、Ag触媒42から放出されたNOxが、下流に配置されたLNC43に一度に流入するのを回避できる。即ち、LNC43が捕捉し得るNOxの量には限界があるところ、LNC43の最大捕捉量を超えた量のNOxが一度にLNC43に流入するのを回避できる。従って、エンジン2から排出された排気中に含まれるNOxと、Ag触媒42から放出されたNOxとを、LNC43により確実に捕捉して浄化できるため、高いNOx浄化率が得られ、エミッションを改善できる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、Ag触媒42の触媒活性化温度が、LNC43の触媒活性化温度よりも低い構成とした。このため、エンジン始動時等においては、LNC43の温度が触媒活性化温度まで達していないため、Ag触媒42でNOxを捕捉することとなる。ところが、Ag触媒42は、低温領域からNOx捕捉性能を発揮する一方で、NOx捕捉量が増大するにつれてNOx捕捉性能が低下する特性がある。このため、特にAg触媒42でNOxを捕捉することとなるエンジン始動時等において、多量のNOxがAg触媒42に捕捉されたままの状況を回避する必要がある。この点、本実施形態によれば、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、Ag触媒42に捕捉されたNOxを随時放出するため、多量のNOxがAg触媒42に捕捉されたままの状況を回避できる。従って、Ag触媒42がNOx捕捉性能を十分に発揮でき、高いNOx浄化率が得られる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、エンジン2が低負荷運転状態であるときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。即ち、エンジン2が低負荷運転状態のときは、燃焼温度が低く、排気中のNOxの含有量は少ないため、このときに、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる。これにより、下流のLNC43に流入するNOx量を低減できるため、捕捉及び浄化されずにLNC43を通過してしまうNOx量をさらに低減でき、さらに高いNOx浄化率が得られる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、エンジン2の冷却水温TWに応じて決定した目標EGR率TREGRが、所定のEGR率判定値REGRTHを超えているときに、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。
EGRを備えるエンジンにおいて、EGR率REGRが高いとき、即ち燃焼室内に吸入されるEGRガス量GEGRが吸入空気量QAIRに比して多いときほど、燃焼温度が低下するため、排気中のNOx含有量は少量となる。ところで、エンジンの始動時にEGR率REGRを高めると、燃焼悪化を招き易いが、暖機が進むにつれ、EGR率REGRを高めても燃焼悪化は生じ難くなり、失火のおそれもなくなる。このため、EGR率REGRを高めることが可能になるのは、暖機がある程度完了した後である。
そこで、本実施形態では、暖機が進むにつれて上昇する冷却水温TWに応じて目標EGR率TREGRを決定する。そして、決定した目標EGR率TREGRが所定のEGR率判定値REGRTHを超えているときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定し、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる。これにより、エンジン2から排出される排気中のNOxの含有量が少量である、より適切なタイミングで、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させることができる。従って、下流のLNC43に流入するNOx量をより低減できるため、捕捉及び浄化されずにLNC43を通過してしまうNOx量をより低減でき、より高いNOx浄化率が得られる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、Ag触媒42の温度を上昇させることにより、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。ここで、Ag触媒42が捕捉できるNOxの最大捕捉量ΣNOx_maxは、Ag触媒42の温度TAgに依存する特性がある。具体的には、Ag触媒42の温度TAgがある温度を超えると、NOx最大捕捉量ΣNOx_maxは急激に増大してピークに達し、その後は温度の上昇とともに次第に減少する。本実施形態はこの特性を利用したものであり、NOxを捕捉したAg触媒42の温度TAgを上昇させることにより、NOx最大捕捉量ΣNOx_maxが減少し、NOx最大捕捉量ΣNOx_maxとの差分に相当するNOxを放出させることができる。
なお、Ag触媒42は、他のNOx捕捉触媒に比してライトオフ性能が高い分、高温条件下ではNOxを放出し易い特性がある。このため、本実施形態によれば、Ag触媒42の温度TAgを上昇させることにより、捕捉していたNOxを容易に放出させることができる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、Ag触媒42の上流側の排気管4に還元性気体を供給して捕捉されたNOxを還元することにより、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させる構成とした。これにより、Ag触媒42に捕捉されていたNOxの放出が促進され、例えばAg触媒42の温度が低い場合であっても、NOxを放出させることができる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、少なくともAgを含むAg触媒42を用いる構成とした。
ここで、Ag触媒42中のAgは、酸素過剰雰囲気下では酸化銀の状態で存在するが、水素が存在することにより酸素過剰雰囲気下においても低温で容易に部分的に還元された状態となる。この銀の状態は、酸化銀の状態よりも排気中のNOxを酸化して触媒上に捕捉する能力が飛躍的に高い。例えば、Ag触媒42は、酸素過剰雰囲気下において水素が存在することにより、100℃程度の低温であってもNOxを酸化して捕捉することができる。
従って、Ag触媒42を用いた本実施形態によれば、高いライトオフ性能が得られ、エンジン2の始動直後から高いNOx浄化率が得られる。
また、本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、Ag触媒42の上流側の排気管4に、水素を供給する構成とした。
上述した通り、Ag触媒42中のAgは、水素の存在下で部分的に還元され、非常に高いNOx捕捉能を有する状態となる。このため、本実施形態によれば、積極的に排気中に水素を供給することにより、さらに高いライトオフ性能が得られ、エンジン2の始動直後からさらに高いNOx浄化率が得られる。
本実施形態では、ECU7が、判定手段、NOx放出手段、EGR制御手段、目標EGR率決定手段、運転状態検出手段、還元性気体供給手段、水素供給手段を構成する。また、ステップS1の実行に係る手段が目標EGR率決定手段に相当し、ステップS2〜S3の実行に係る手段が判定手段に相当し、ステップS4〜S6の実行に係る手段がNOx放出手段に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、エンジン2の運転条件として、(a1)エンジン2の運転状態が所定の低負荷運転状態であること、(a2)目標EGR率TREGRが所定のEGR率判定値REGRTHを超えていること、の2つの条件を満たす場合に、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定するが、これに限定されない。上記(a1)及び(a2)のいずれかの条件を満たすときに、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定してもよい。
また、上記実施形態では、(b1)スロットルTHを絞り、過給圧PBを低下させる、(b2)燃料噴射量QINJを増量させる、及び(b3)改質ガスを導入する、のいずれも実行することにより、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させるが、これに限定されない。上記(b1)、(b2)、及び(b3)のうちのいずれか1つ又は2つを実行することにより、Ag触媒42に捕捉されていたNOxを放出させてもよい。
また、上記実施形態では、水素を供給する還元性気体供給手段として、排気管4とは別に設けた燃料改質器8からの水素を含む改質ガスの導入を採用したが、これに限定されない。例えば、排気管4内に設けた触媒により、直接、水素等の還元性気体を生成させて供給してもよい。
1…排気浄化装置
2…エンジン(内燃機関)
32…スロットルバルブ(昇温手段、NOx放出手段)
4…排気管(排気通路)
42…Ag触媒(NOx捕捉触媒)
43…LNC(NOx浄化触媒)
5…EGR通路
51…EGRバルブ(EGR制御手段)
6…過給機(昇温手段、NOx放出手段)
7…ECU(判定手段、NOx放出手段、EGR制御手段、目標EGR率決定手段、運転状態検出手段、還元性気体供給手段、水素供給手段)
8…燃料改質器(水素供給手段、NOx放出手段)
81…改質ガス導入通路(水素供給手段、NOx放出手段)
87…改質ガス導入バルブ(水素供給手段、NOx放出手段)
94…クランク角センサ(判定手段、運転状態検出手段)
95…アクセル開度センサ(判定手段、運転状態検出手段)
96…冷却水温センサ(目標EGR率決定手段)
97…イグニッションスイッチ

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関の排気中のNOxを捕捉するNOx捕捉触媒と、
    前記NOx捕捉触媒の下流側の排気通路に設けられ、排気中のNOxを捕捉し、捕捉したNOxを所定条件下で還元浄化するNOx浄化触媒と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて、排気中のNOxの含有量が所定量未満であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定されたときに、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させるNOx放出手段と、を備え、
    前記NOx捕捉触媒の触媒活性化温度が、前記NOx浄化触媒の触媒活性化温度よりも低いことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記運転状態検出手段により検出された運転状態が所定の低負荷運転状態であることを含む複数の運転条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合には、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 排気の一部を前記内燃機関の吸気通路内に還流するEGR通路と、
    前記EGR通路を介して還流される排気の流量を制御するEGR制御手段と、
    前記吸気通路に吸気された吸気流量と、前記EGR制御手段により前記EGR通路を介して還流された排気の排気流量と、の合計量に対する当該排気流量の割合をEGR率としたときに、前記内燃機関の冷却水温に応じて目標EGR率を決定する目標EGR率決定手段と、をさらに備え、
    前記判定手段は、前記目標EGR率決定手段により決定された目標EGR率が所定のEGR率判定値を超えていることを含む複数の運転条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合には、排気中のNOxの含有量が所定量未満であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記NOx捕捉触媒の温度を上昇させる昇温手段をさらに備え、
    前記NOx放出手段は、前記昇温手段により前記NOx捕捉触媒の温度を上昇させることにより、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に還元性気体を供給する還元性気体供給手段をさらに備え、
    前記NOx放出手段は、前記還元性気体供給手段により前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に還元性気体を供給し、捕捉されていたNOxを還元することにより、前記NOx捕捉触媒に捕捉されていたNOxを放出させることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記NOx捕捉触媒は、少なくともAgを含むことを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記NOx捕捉触媒の上流側の排気通路に水素を供給する水素供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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