JP2010531890A - Rsv感染症及び関連する症状の治療方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、対象において、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症(例えば急性RSV疾患、又はRSV上気道感染症(URI)及び/若しくは下気道感染症(LRI))並びに/あるいはそれに関連する症状又は長期的呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)又は慢性閉塞性肺疾患(COPD))を管理、治療又は改善する方法であって、該対象に、高アフィニティ及び/又は抗アビディティで1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、さらに改変型IgG定常ドメインまたはそのFcRn結合性フラグメントを含む抗体の1種又は複数の有効量を投与することにより、単にRSV感染を低減するためではなく、前炎症性上皮細胞の免疫応答を低減して、対象における喘息及び/又は喘鳴及び/又はCOPDの後の発症を軽減することを含む前記方法に関する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
1. 導入
本発明は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントを含む組成物、並びに該組成物を用いて呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症に付随する症状及び/又は長期的結果を治療又は改善する方法に関する。特に、本発明は、RSV感染症に付随する症状及び/又は長期的結果を治療又は改善する方法であって、ヒト対象に、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントの1種又は複数の有効量を投与することを含み、該抗体又は抗体フラグメントのある程度の血清力価が該ヒト対象において達成されるものである前記方法に関する。本発明は、高いアフィニティ及び/又は高いアビディティで呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合するFc改変型抗体を提供する。本発明はまた、RSV感染症(例えば急性RSV疾患、又はRSV上気道感染症(URI)及び/若しくは下気道感染症(LRI))を管理、治療及び/又は改善する方法であって、ヒト対象に、本明細書で提供する1種又は複数のFc改変型抗体(例えば1種又は複数の改変型抗体)の有効量を投与することを含む方法を提供する。本発明はさらに、本発明の抗体の治療有効量を投与することにより、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法を提供する。また本発明は、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントを含む検出用又は診断用組成物、並びに該組成物を用いたRSV感染症の検出又は診断方法に関する。
本発明は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントを含む組成物、並びに該組成物を用いて呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症に付随する症状及び/又は長期的結果を治療又は改善する方法に関する。特に、本発明は、RSV感染症に付随する症状及び/又は長期的結果を治療又は改善する方法であって、ヒト対象に、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントの1種又は複数の有効量を投与することを含み、該抗体又は抗体フラグメントのある程度の血清力価が該ヒト対象において達成されるものである前記方法に関する。本発明は、高いアフィニティ及び/又は高いアビディティで呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合するFc改変型抗体を提供する。本発明はまた、RSV感染症(例えば急性RSV疾患、又はRSV上気道感染症(URI)及び/若しくは下気道感染症(LRI))を管理、治療及び/又は改善する方法であって、ヒト対象に、本明細書で提供する1種又は複数のFc改変型抗体(例えば1種又は複数の改変型抗体)の有効量を投与することを含む方法を提供する。本発明はさらに、本発明の抗体の治療有効量を投与することにより、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法を提供する。また本発明は、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントを含む検出用又は診断用組成物、並びに該組成物を用いたRSV感染症の検出又は診断方法に関する。
2. 発明の背景
呼吸器合胞体ウイルス
呼吸器感染症は、上気道(例えば、鼻、耳、副鼻腔及び喉)並びに下気道(例えば、気管、気管支及び肺)の一般的感染症である。上気道感染症の症状には、鼻水又は鼻づまり、過敏性、不穏、食欲減退、活動性の低下、咳、発熱などが挙げられる。ウイルス性上気道感染症は、咽頭炎、風邪、クループ及びインフルエンザを惹起し、及び/又は伴う。下気道感染症の臨床症状には、肺中に痰を生じる浅い咳、発熱、呼吸困難などが挙げられる。
呼吸器合胞体ウイルス
呼吸器感染症は、上気道(例えば、鼻、耳、副鼻腔及び喉)並びに下気道(例えば、気管、気管支及び肺)の一般的感染症である。上気道感染症の症状には、鼻水又は鼻づまり、過敏性、不穏、食欲減退、活動性の低下、咳、発熱などが挙げられる。ウイルス性上気道感染症は、咽頭炎、風邪、クループ及びインフルエンザを惹起し、及び/又は伴う。下気道感染症の臨床症状には、肺中に痰を生じる浅い咳、発熱、呼吸困難などが挙げられる。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、世界的に呼吸器疾患の主因の一つである。米国では、RSVが年間、数万件の入院及び数千件の死亡の原因である(RSVの生物学及び管理に関する最近の総説としてはBlack, C.P., Resp. Care 2003 48(3): 209-31を参照されたい)。乳児及び子供は、下気道に移行して肺炎や細気管支炎を起こす重篤RSV感染症に罹る危険性が最も高い。実際、小児細気管支炎の80%及び乳児肺炎の50%は、RSVが原因である。該ウイルスは、ほぼすべての子供たちが2歳までに感染してしまう程、普遍的で感染力が高い。感染により持続性の免疫はできないが、再感染は比較的軽く済む傾向があるため、年長の子供及び健常な成人では、RSVは、上気道及び/又は下気道を冒すが、下気道の重篤障害には進行しない風邪又はインフルエンザ様疾病を発症する。しかし、RSV感染症は、高齢又は免疫不全の成人では重篤になり得る。(Evans, A.S.編, 1989, Viral Infections of Humans. Epidemiology and Control, 3rd ed., Plenum Medical Book, New Yorkの525〜544ページ; Falsey, A.R., 1991, Infect. Control Hosp. Epidemiol. 12:602-608;及びGarvie et al., 1980, Br. Med. J. 281:1253-1254; Hertz et al., 1989, Medicine 68:269-281)。
ワクチン又は商業的に利用可能な治療は未だ得られていないが、RSVが起こす重篤な下気道疾患の危険性が高い乳児に対する予防分野、並びにLRIの低減においてはある程度の成功が実現された。特に、高危険度の乳児を重症LRIから保護するために認可された免疫グロブリンに基づく治療が2つある。すなわち、RSV-IGIV(RespiGamTMの名でも知られている静脈内RSV免疫グロブリン)及びパリビズマブ(SYNAGIS(登録商標))である。しかし、RSV-IGIV、パリビズマブのいずれも、重篤な下気道急性RSV疾患の予防剤以外の用途には認可されていない。
RSVは、汚染した分泌物との物理的接触で容易に伝播する。該ウイルスは、手の上で少なくとも30分、調理台及び使用済みティッシュペーパーの上で数時間生存できる。RSVの高い伝染性は、重篤感染症への罹患に関係する危険因子から明白である。最大の危険因子の1つは入院であり、いくつかの事例では小児科病棟職員の50%強が感染していることが判明した(Black, C.P., Resp. Care 2003 48(3): 209-31)。このような成人感染症の20%までもが無症状であるが、それでもウイルスが、実質的にまき散らされる。他の危険因子には、デイケアセンターへの参加、混雑した生活条件、家庭での通学年齢の兄弟姉妹の存在などが挙げられる。
上述したように、RSVは単純に高リスクの小児に限定される病気ではないため、予防とは対照的に、低リスクの小児及び高リスクの成人集団のための代替の治療法としてRSV治療を開発することが有用である。しかしながら、既に罹患したRSV疾患の治療選択肢は限られている。下気道の重篤なRSV疾患には、加湿酸素及び呼吸補助などの相当な支持療法が必要とされることもしばしばである(Fields et al.編, 1990, Fields Virology, 2nd ed., Vol. 1, Raven Press, New York at pages 1045-1072)。感染症の治療に承認されている唯一の薬剤は抗ウイルス薬であるリバビリンである(American Academy of Pediatrics Committee on Infectious Diseases, 1993, Pediatrics 92:501-504)。これは、免疫不全の小児において重篤なRSV疾患の経過を改変して、RSV肺炎及び気管支炎の治療に有効であることが示されている(Smith et al., 1991, New Engl. J. Med. 325:24-29)。しかしながら、リバビリンは、長期的なエーロゾル投与を必要とし、また病院においてその投与の間に薬物に暴露される可能性のある妊娠女性への潜在的なリスクの懸念のために、用途が限定されている。
パリビズマブを用いたRSVの治療を調べる臨床試験が実施されている。Malley及び共同研究者は、RSVに感染し、挿管された重篤なRSV疾患を有する乳児における、15 mg/kgのパリビズマブ又はプラセボの単回注入前後の下気道のRSV濃度に対するパリビズマブの抗ウイルス作用を研究した(Malley, R. et al., The Journal of Infectious Diseases, 1998;178:1555-1561参照)。この研究において、肺ウイルス力価の統計学的に有意な低減が観察されたが、RSVの入院期間、酸素補給療法の日数、又は下気道感染スコアが高い入院日数には改善がみられなかった。
Saez-Llorens及び共同研究者による別の研究では、急性RSV感染症で入院した小児(以前は健康)における15mg/kg用量のパリビズマブの単回静脈内投与の安全性、耐容性、薬物動態及び臨床転帰を説明するためにフェーズI/II臨床試験が行われた。この研究により、静脈内パリビズマブが安全であり、RSV疾患で入院した小児において十分に耐容されたと結論付けられたが、プラセボ群とパリビズマブ群との間に臨床転帰の有意差はなかった(すなわち、RSVの入院期間、酸素補給療法の日数、又は下気道感染スコアが高い入院日数に改善はなかった)。
治療転帰及び選択肢を改善する1つの方法は、1又はそれ以上の高効力のRSV中和モノクローナル抗体(MAb)を開発することであると考えられる。そのようなMabは、RSV流行期にわたって反復投与が必要であると考えられるため、望ましい薬物動態を有し、かつヒト抗マウス抗体応答が生じるのを回避するために、ヒト抗体又はヒト抗体であるべきである。そのような抗体の1つであるモタビズマブ、すなわちMEDI-524(Wu et al., J. Mol. Biol. 368:652-655 (2007)参照)では、予防とは対照的に、治療状況においてより成功的な臨床転帰が得られる。低リスクの乳児における有効なRSV治療は、呼吸器病又は長期的結果(喘息、反応性気道疾患(RAD)、喘鳴及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)の後の発症を軽減しうることが想定される。
喘息及び反応性気道疾患(RAD)
米国内の約1200万人が喘息に罹っており、喘息は子供にとって入院の主因である。The Merck Manual of Diagnosis and Therapy(17th ed., 1999)。
米国内の約1200万人が喘息に罹っており、喘息は子供にとって入院の主因である。The Merck Manual of Diagnosis and Therapy(17th ed., 1999)。
喘息は、気道過敏性("AHR")、気管支収縮(すなわち、喘鳴)、好酸球性炎症、粘液分泌過多、上皮下線維症及びIgE量増加を特徴とする、肺の炎症性疾患である。喘息発作は、環境誘因(例えば、コナダニ、昆虫、動物(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、マウス、ラット及び鳥類)、菌類、大気汚染物質(例えば、タバコの煙)、刺激性のガス、煙霧、蒸気、エアロゾル、化学物質又は花粉)、運動、又は寒気によって誘発されることがある。喘息の原因は不明である。しかし、喘息の家系(London et al., 2001, Epidemiology 12(5): 577-83)、チリダニ、タバコの煙、ゴキブリなどのアレルゲンへの早期曝露(Melen et al., 2001, 56(7): 646-52)、及びRSVなどの呼吸器感染症(Wenzel et al., 2002, Am J Med, 112(8): 672-33及びLin et al., 2001, J Microbiol Immuno Infect, 34(4): 259-64)が、喘息を発症する危険性を高めるのではないかと推測されてきた。危険因子、動物モデル及び炎症マーカーを含めた喘息の総説は、その全体を参照により本明細書に援用するO'Byrne and Postma (1999), Am. J. Crit. Care Med. 159: S41-S66に見出すことができる。
現在の療法は喘息の管理を主な狙いとしており、βアドレナリン薬(例えば、エピネフリン及びイソプロテレノール)、テオフィリン、抗コリン薬(例えば、アトロピン及び臭化イプラトルピウム)、コルチコステロイド及びロイコトリエン阻害剤の投与を包含する。このような療法は、薬物相互作用、口渇、かすみ目、子供の成長抑制、月経時女性の骨粗鬆症などの副作用を伴う。炎症細胞からのメディエイター放出を阻害し、気道過敏性を抑制し、アレルゲンに対する反応を阻止するために、クロモリン及びネドクロミルが予防的に投与される。しかし、喘息を発症する危険性が高まっている対象において、喘息の発症を予防する療法は現在のところ得られていない。したがって、副作用がより少なく、予防効果及び/又は治療効果がより良好な新しい療法が、喘息に必要とされている。特に、後に喘息を発症するリスク因子となる、ウイルス(すなわちRSV)感染に応答した患者の炎症反応を低減又は軽減することができる治療薬の開発が望まれている。
反応性気道疾患は、喘息様症状のより広い(また、しばしば同義の)特徴表現であり、一般に、慢性的咳、痰の発生、喘鳴又は呼吸困難を特徴としている。
喘鳴
喘鳴(呻軋音としても知られている)は、一般に、狭まった呼吸管、特に肺の奥にある狭い小気道の中を通る空気が発する騒音を特徴とする。喘鳴は、RSV感染症、及び喘息、細気管支炎などの二次的RSV状態の一般的症状である。喘鳴の臨床的重要性は、それが気道狭窄の指標であり、呼吸困難を示す恐れがあることである。
喘鳴(呻軋音としても知られている)は、一般に、狭まった呼吸管、特に肺の奥にある狭い小気道の中を通る空気が発する騒音を特徴とする。喘鳴は、RSV感染症、及び喘息、細気管支炎などの二次的RSV状態の一般的症状である。喘鳴の臨床的重要性は、それが気道狭窄の指標であり、呼吸困難を示す恐れがあることである。
喘鳴は呼気(息の吐き出し)の際に最も顕著であるが、吸気(息の吸い込み)、呼気のいずれかの間に起こることもある。喘鳴は細気管支(胸奥の呼吸管)から発することが最も多いが、より大きな気道が塞がれても起こる場合がある。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、2つの肺疾患、すなわち慢性気管支炎及び気腫を指す用語であり、正常な呼吸を妨害する気流の閉塞を特徴としている。これらの症状の両方が共存することも多く、そのため医師はCOPDの用語を選ぶ。これは、他の閉塞性疾患(喘息など)は含まない。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、2つの肺疾患、すなわち慢性気管支炎及び気腫を指す用語であり、正常な呼吸を妨害する気流の閉塞を特徴としている。これらの症状の両方が共存することも多く、そのため医師はCOPDの用語を選ぶ。これは、他の閉塞性疾患(喘息など)は含まない。
慢性気管支炎は、気管支の内側の炎症と結果として生じる瘢痕である。気管支が炎症を受けた及び/又は感染を受けた場合には、肺に及び肺から流れることができる空気が少なくなり、濃い粘液又は痰が喀出される。この状態は、咳を説明する他の基礎疾患がなく、連続して2年にわたって1年の3ヶ月において1ヶ月の大部分の日数の、粘液を伴う咳の存在によって定義される。
この炎症は、結果的に気管支の内側の瘢痕に至る。気管支が一度長期にわたって刺激を受けると、過剰の粘液が絶えず産生され、気管支の内側が厚化し、刺激性の咳が生じ、気流が妨げられ、肺が瘢痕化する。次に気管支は、気道内に細菌感染のための理想的な繁殖場を作り出し、これが結果的に気流を妨げる。
慢性気管支炎の症状としては、慢性の咳、粘液の増加、頻繁な咳払い及び息切れが挙げられる。2004年には、推定900万人のアメリカ人が慢性気管支炎の医師による診断を受けた。慢性気管支炎は、すべての年齢の人が罹患するが、45歳以上の人でより高い。
喫煙はCOPDの主なリスク因子である。およそ80〜90%のCOPD死亡例は喫煙に起因している。他のCOPDのリスク因子としては、空気汚染、受動喫煙、幼少期の呼吸器感染歴、例えば呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、及び遺伝がある。
2004年には、1140万人の米国成人(18歳以上)がCOPDを患うと推定された。しかしながら、およそ2400万人の米国成人は肺機能不全の徴候があり、これはCOPDの診断を受けることを示している。推定638,000人の退院が報告されており、100,000人の集団当たり21.8人の退院率である。COPDは、老年人口の入院の重要な原因である。2004年において、65歳以上の集団ではおよそ65%の退院であった。
2004年には、COPDに対する国の損失は約372億ドルであり、それには直接的な医療費で209億ドル、間接的な罹病の費用に74億ドル、間接的な死亡の費用に89億ドルの医療費が含まれている。
3.発明の概要
本発明は、部分的には、哺乳動物において呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントの治療上有効な血清力価を達成する又は誘導するための方法であって、かかる抗体又はそのフラグメントを用いた受動免疫による方法の開発に基づいている。本発明はまた、部分的には、RSV抗原に対して高いアフィニティを有し、その結果として低い血清力価が治療上有効となるような治療用途の効力が高い抗体の同定に基づいている。
本発明は、部分的には、哺乳動物において呼吸器合胞体ウイルス(RSV)抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントの治療上有効な血清力価を達成する又は誘導するための方法であって、かかる抗体又はそのフラグメントを用いた受動免疫による方法の開発に基づいている。本発明はまた、部分的には、RSV抗原に対して高いアフィニティを有し、その結果として低い血清力価が治療上有効となるような治療用途の効力が高い抗体の同定に基づいている。
別の態様において、本発明の改変型抗体を用いて、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善することができ、該方法は、本発明の抗体の治療有効量を投与することを含み、該管理、治療及び/又は改善は感染後に行われる。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、該対象に、高アフィニティ及び/又は抗アビディティで1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する1又は複数の抗体又はそのフラグメントを投与することを含む方法を提供する。かかる抗体又は抗体フラグメントの低い血清力価が公知の抗体の有効血清力価よりも治療上有効であるため、低用量の該抗体又は抗体フラグメントを用いて、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善のために有効な血清力価を達成することができる。1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントの低用量の使用によって、有害な作用の可能性が低減する。さらに、本明細書に記載する抗体又はそのフラグメントの高アフィニティ及び/又は抗アビディティによって、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に必要であると以前に考えられていたよりも少ない頻度で該抗体又は抗体フラグメントを投与することが可能になる。
別の態様において、本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、該対象の血清抗体力価が約0.1μg/ml〜約800μg/mlとなるように、該対象に本発明の改変型抗体の少なくとも第1用量を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、血清抗体力価は、数時間、数日、数週間及び/又は数ヶ月にわたって対象に存在する。一実施形態において、本発明の改変型抗体の第1用量は、持続放出製剤で及び/又は肺若しくは鼻腔内送達により投与される。
さらに本発明は、上気道RSV感染症(URI)及び/又は下気道RSV感染症(LRI)の治療及び/又は改善のために、並びに呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善のために、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対して高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを有する抗体であって、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、改変されたFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)中に1又は複数のアミノ酸改変を含む抗体を提供する。
そのようなIgG定常ドメインにおける1又は複数のアミノ酸改変によって、かかるアミノ酸改変を有しない野生型抗体と比較して、1又は複数のFcRに対する改変された結合アフィニティを含む改変されたエフェクター機能を有する改変型抗体が得られる。
本発明の一部として、1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型Fcドメインを有する改変型抗体であって、該アミノ酸置換によって、野生型Fcドメインを有する(すなわち該アミノ酸置換を有しない)同じ抗体と比較して、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)が増大した改変型抗体が得られる、上記改変型抗体(本明細書中、「3M」変異又は改変型抗体と称する)を意図している。
また本発明の一部として、1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型Fcドメインを有する改変型抗体であって、該アミノ酸置換によって、野生型Fcドメインを有する(すなわち該アミノ酸置換を有しない)同じ抗体と比較して、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)が低減した改変型抗体が得られる、上記改変型抗体(本明細書中、「TM」変異又は改変型抗体と称する)を意図している。
また、本発明の改変型抗体としては、エフェクター機能(すなわちADCCなど)を増大又は低減するアミノ酸置換を含むものだけではなく、さらにIgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFc若しくはヒンジ-Fcドメイン)のin vivo半減期を増大するアミノ酸改変を含むもの、並びにそれに結合する任意の分子が挙げられ、その結果、本発明の改変型抗体には、例えば単一の改変型抗体において増大したADCC(3M)と増大したin vivo半減期との組み合わせを有するものが含まれることが意図される。さらに、本発明の改変型抗体には、例えば単一の改変型抗体において低減したADCC(TM)と増大したin vivo半減期との組み合わせを有するものが含まれることが意図される。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、高アフィニティ及び/又は抗アビディティでRSV抗原に免疫特異的に結合する、本明細書中で示す抗体(改変型抗体)の治療有効量を前記対象に投与することを含む方法を提供する。既知の抗体(例えばパリビズマブ)の有効血清力価と比べて、本発明の抗体の血清力価がより低く及び/又はより長く持続することはRSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の管理、治療及び/又は改善により有効となるため、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の管理、治療及び/又は改善のために有効な血清力価を達成するために、より少量及び/より少数の用量の抗体、例えばRSV流行期当たり1若しくは2回の用量を用いることができる。RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の抗体の少量及び/又は少数の用量の使用によって、治療期間にわたる有害な作用の可能性を低減し、例えば乳児への投与のために安全である(例えば、公知の抗体(例えば、パリビズマブ)と比較して、血清力価が低く、血清半減期が長く、並びに/あるいは上気道及び/又は下気道への局在化が良好なため)。
一態様において、本発明は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本明細書に記載する抗体(すなわち本発明の改変型抗体)、例えばエフェクター機能(すなわちADCCなど)を増大又は低減するアミノ酸置換を含むものだけではなく、さらには、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFc若しくはヒンジ-Fcドメイン)のin vivo半減期を増大するアミノ酸改変を含む改変型IgG定常ドメインを含む改変型抗体、並びにそれに結合する任意の分子の治療有効量を、その必要があるヒト患者に投与することを含む方法を提供し、そのため、本発明の改変型抗体としては、例えば、単一の改変型抗体においてADCCの増大(3M)とin vivo半減期の増大との組み合わせを有するものが挙げられる。さらに、本発明の改変型抗体としては、例えば、単一の改変型抗体においてADCCの低減(TM)とin vivo半減期の増大との組み合わせを有するものが含まれることを意図している。いくつかの実施形態において、上気道及び下気道のRSV感染症並びに/あるいは急性RSV疾患を管理、治療又は改善することができる。
別の態様では、本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善するための方法であって、前記対象の鼻甲介及び/又は鼻汁の抗体濃度が約0.01μg/ml〜約2.5μg/mlとなるように、本発明の抗体の第1の用量を前記対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、鼻甲介及び/又は鼻汁の該抗体濃度が、対象中で数時間、数日、数週間、及び/又は数カ月存在する。本発明の改変型抗体の第1の用量は、治療上有効な用量とし得る。一実施形態では、本発明の改変型抗体の第1の用量は、持続放出製剤中で、及び/又は肺送達若しくは鼻腔内送達により投与される。
別の態様において、本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善するであって、本発明の改変型抗体の有効量を投与することを含み、該有効量により、局所的応答については鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又は気管支肺胞洗浄液(BAL)で測定されるあるいは全身的応答については血清中で測定されるRSV力価が減少するものである前記方法を提供する。上記のRSV力価の減少は、陰性対照(プラシーボ(プラセボ)など)、別の治療(それだけに限らないが、パリビズマブによる治療を含む)、又は抗体投与以前のその患者における力価と比較することができる。
別の態様では、本発明の方法に従って使用する改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、約105M-1s-1〜約1010M-1s-1の結合速度定数又はkon速度(抗体(Ab)+抗原(Ag) -- kon --> Ab-Ag)を有する。いくつかの実施形態では、該抗体は、約105M-1s-1〜約108M-1s-1、好ましくは約2.5×105又は5×105M-1s-1、より好ましくは約7.5×105M-1s-1のkonを有する高効力抗体である。このような抗体は、高いアフィニティ(例えば、約109M-1)を有してもよく、又はより低いアフィニティを有してもよい。一実施形態では、本発明の方法に従って使用できる抗体は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、公知の抗RSV抗体(例えば、パリビズマブ)より少なくとも1.5倍高いkon速度を有する。
別の態様では、本発明の方法に従って使用する改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、5×10-1s-1未満から10×10-10s-1未満のkoff速度(Ab-Ag -- Koff --> Ab+Ag)を有する。一実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、公知の抗RSV抗体(例えば、パリビズマブ)より少なくとも1.5倍低いkoff速度を有する。
別の態様では、本発明の方法に従って使用できる改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、約102M-1〜約5×1015M-1、好ましくは少なくとも104M-1のアフィニティ定数又はKa(kon/koff)を有する。いくつかの実施形態では、該抗体は、約109M-1、好ましくは約1010M-1、より好ましくは約1011M-1のKaを有する高効力抗体である。
別の態様では、本発明の方法に従って使用する本発明の改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、約5×10-2M〜約5×10-16Mの解離定数又はKd(koff/kon)を有する。
別の態様では、本発明の方法に従って使用できる改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、本明細書に記載のアッセイ又は当業者に公知のアッセイ(例えば、BIAcoreアッセイ)を用いて評価した場合、約25pM〜約3000pMの解離定数(Kd)を有している。
別の態様では、本発明の方法に従って使用する本発明の改変型抗体は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、in vitro微量中和アッセイにおいて約6nM〜約0.01nMの中央値阻害濃度(IC50)を有する。ある種の実施形態では、微量中和アッセイは、本明細書に記載されている(例えば、本明細書の実施例6.4、6.8及び6.18に記載)か、又はJohnson et al., 1999, J. Infectious Diseases 180: 35-40に記載の微量中和アッセイである。いくつかの実施形態では、該抗体のIC50は、in vitro微量中和アッセイにおいて3nM未満、好ましくは1nM未満である。
別の態様では、本発明は、本発明の1種又は複数の抗体(例えば改変型抗体)を対象(例えば、乳児、未熟に生まれた乳児、免疫不全対象、医療従事者)に治療のために投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、RSV感染症が1個人から別の個人に伝染するのを防止するか、又は伝染する該感染症を弱めるように、対象又はヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、該対象は、RSV感染症の別の個人に既に曝されたか(無症状の場合も、そうでない場合もある)、又は曝される恐れがある。好ましくは、該抗体は、RSV感染者に潜在的又は実際に曝された後、約1〜2週間、1日1回又は数回(例えば、1回、2回、4回など)、該対象に鼻腔内投与される。ある種の実施形態では、該抗体は、約60mg/kg〜約0.025mg/kg、より好ましくは約0.025mg/kg〜約15mg/kgの用量で投与される。
本発明はまた、表1に列挙されるVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む抗体又はそのフラグメント、並びに呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に使用するための該抗体又は抗体フラグメントを含む組成物を提供する。本発明はまた、表1に列挙される1又は複数のVH相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列を有する1又は複数のVH CDRを含む抗体又はそのフラグメント、並びに呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に使用するための該抗体又は抗体フラグメントを含む組成物を提供する。また本発明は、表1に列挙されるVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む抗体又はそのフラグメントを提供する。本発明はまた、表1に列挙される1又は複数のVL CDRのアミノ酸配列を有する1又は複数のVL CDRを含む抗体又はそのフラグメント、並びにRSV感染症に関連する1又は複数の症状及び/又は長期的結果の治療又は改善に使用するための該抗体又は抗体フラグメントを含む組成物を提供する。本発明はさらに、表1に列挙されるVHドメイン及びVLドメインのアミノ酸配列を有するVHドメイン及びVLドメインを含む抗体、並びにRSV感染症に関連する1又は複数の症状及び/又は長期的結果の治療又は改善に使用するための該抗体又は抗体フラグメントを含む組成物を提供する。さらに本発明は、表1に列挙される1又は複数のVH CDR及び1又は複数のVL CDRのアミノ酸配列を有する1又は複数のVH CDR及び1又は複数のVL CDRを含む抗体、並びにRSV感染症に関連する1又は複数の症状及び/又は長期的結果の治療又は改善に使用するための該抗体又は抗体フラグメントを含む組成物を提供する。上記実施形態において、抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合することが好ましい。
他の実施形態では、本発明の改変型抗体及び方法は、MEDI-524(モタビズマブ)のVHドメイン及び/又はVLドメインを含む抗体の使用を包含する。他の実施形態では、本発明の方法は、MEDI-524(モタビズマブ)のVH鎖及び/又はVL鎖を含む抗体の使用を包含する。ある種の実施形態では、該抗体は、改変型Fcドメイン又はそのFcRn結合性断片を含み、改変型Fcドメインを含まないMEDI-524(モタビズマブ)(すなわち、非改変型MEDI-524)のFcドメインと比べて、FcRnレセプターに対する高い又は低いアフィニティを有している。
また、本発明の改変型抗体及び方法はさらに、IgG Fc領域の改変を含まない同じ抗体と比較して、RSVによる感染に対する患者の炎症反応を調節することが意図される。例えば、それを必要とする患者への本発明の改変型抗体の投与は、IgG Fc領域の改変を含まない同じ抗体と比較した場合に、RSV感染組織/細胞からのサイトカイン放出をさらに低減し、並びに/あるいはケモカイン放出をさらに低減するだろう。本発明の改変型抗体を用いてRSVに感染した患者における前炎症反応を低減することによって、患者が喘息又は他の慢性呼吸器疾患を後に発症するリスクを軽減すると考えられる。
本発明は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する1又は複数の抗体又はそのフラグメントをRSV感染の部位に直接的に送達する方法を包含する。特に本発明は、RSV感染症の長期的結果、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)などを軽減するための、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する1又は複数の抗体又はそのフラグメントの肺送達を包含する。1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する1又は複数の抗体又はそのフラグメントの送達方法の改善によって、該抗体又は抗体フラグメントを対象に投与する用量及び/又は頻度が低減する。
3.1 用語
「RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体」、「抗RSV抗体」、「改変型抗体」という用語、及び本明細書で使用する類似の用語は、RSVポリペプチドに特異的に結合する、Fc改変型抗体(すなわち、改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体)を指す。RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、関連抗原と交差反応性を有してもよい。好ましくは、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、他の抗原と交差反応性を有していない。RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、例えば、免疫アッセイ、BIAcore、又は当業者に公知の他の技法により、同定できる。Fc改変型抗体又はそのフラグメントは、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫吸着アッセイ(ELISA)などの実験技法を用いて決定した場合、任意の交差反応性抗原に対するより高いアフィニティでRSV抗原に対して結合するとき、RSV抗原に免疫特異的に結合する。抗体特異性に関する考察のためには、例えば、Paul編, 1989, Fundamental Immunology Second Edition, Raven Press, New Yorkの332〜336ページを参照されたい。
「RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体」、「抗RSV抗体」、「改変型抗体」という用語、及び本明細書で使用する類似の用語は、RSVポリペプチドに特異的に結合する、Fc改変型抗体(すなわち、改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体)を指す。RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、関連抗原と交差反応性を有してもよい。好ましくは、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、他の抗原と交差反応性を有していない。RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体又はそのフラグメントは、例えば、免疫アッセイ、BIAcore、又は当業者に公知の他の技法により、同定できる。Fc改変型抗体又はそのフラグメントは、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫吸着アッセイ(ELISA)などの実験技法を用いて決定した場合、任意の交差反応性抗原に対するより高いアフィニティでRSV抗原に対して結合するとき、RSV抗原に免疫特異的に結合する。抗体特異性に関する考察のためには、例えば、Paul編, 1989, Fundamental Immunology Second Edition, Raven Press, New Yorkの332〜336ページを参照されたい。
本発明の抗体は、それだけに限らないが、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え産生抗体、多重特異抗体(二重特異抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、細胞内抗体(intrabody)、一本鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異的、二重特異的などを含めて)、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び前記いずれかのエピトープ結合性フラグメントを含む。特に、本発明の抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫活性部分、すなわちRSV抗原(好ましくはRSV F抗原)に免疫特異的に結合する抗原結合部位(例えば、抗RSV抗体の1又は複数の相補性決定領域(CDR))を含んだ分子を包含する。本発明の抗体は、免疫グロブリン分子のいずれのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、いずれのクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)、又はいずれのサブクラス(例えば、IgG2a及びIgG2b)であってもよい。他の実施形態では、本発明の改変型抗体は、IgG抗体又はそのクラス(例えば、ヒトIgG1)若しくはサブクラスである。
「定常ドメイン」という用語は、免疫グロブリンのその他の部分、抗原結合部位を含んだ可変ドメインに対して、より保存されているアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2及びCH3ドメイン、並びに軽鎖のCHLドメインを含んでいる。
本明細書で使用する場合の「有効中和力価」という用語は、臨床的に有効であるか(ヒトにおいて)、又は例えばコットンラットにおいてウイルスを99%低減することが示された動物(ヒト又はコットンラット)の血清中に存在する量に相当する、抗体の量を指す。その99%低減は、例えばRSVの103pfu、104pfu、105pfu、106pfu、107pfu、108pfu又は109pfuの特定のチャレンジによって定義される。
本明細書で使用する場合の「高齢者」という用語は、65歳以上のヒト対象を指す。
本明細書で使用する場合の「FcRnレセプター」又は「FcRn」という用語は、ヒト若しくは霊長類の胎盤、又は卵黄嚢(ウサギ)を介して胎児へ、及び初乳から小腸を介して新生児へ、母性IgGを移動させることに関与することが知られているFcレセプター(「n」は新生児を示す)を指す。FcRnは、IgG分子に結合し、それを血清中に再循環することにより、血清IgGレベルを一定に維持することに関与していることも知られている。FcRnのIgG分子への結合はpH依存性で、pH6.0で最適に結合する。ヒトFcRn及びマウスFcRnのアミノ酸配列は、それぞれ配列番号337及び配列番号338に示される。
本明細書で使用する場合の「融合タンパク質」という用語は、抗体のアミノ酸配列と、異種のポリペプチド又はタンパク質(すなわち、通常、抗体の一部ではないポリペプチド又はタンパク質(例えば、非抗RSV抗原の抗体))のアミノ酸配列とを含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用する場合の「高効力」という用語は、本明細書に記載するような様々な生物活性アッセイ(例えば、RSVの中和)で決定した場合、高い効力を示す抗体を指す。例えば、本発明の高効力抗体は、微量中和アッセイにより決定した場合、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、1.75nM未満、1.5nM未満、1.25nM未満、1nM未満、0.75nM未満、0.5nM未満、0.25nM未満、0.1nM未満、0.05nM未満、0.025nM未満、又は0.01nM未満のIC50値を有する。ある種の実施形態では、微量中和アッセイは、本明細書に記載されているか、又はJohnson et al., 1999, J. Infectious Diseases 180: 35-40にあるような微量中和アッセイである。更に、本発明の高効力抗体は、105pfuでチャレンジしてから5日後、前記抗体未投与のコットンラットに対して、コットンラットにおけるRSV力価を少なくとも75%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%低下させる。本発明のある種の実施形態では、本発明の高効力抗体は、1種又は複数のRSV抗原に対して高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを示す(例えば、1種又は複数のRSV抗原に対して少なくとも2×108M-1、好ましくは2×108M-1〜5×1012M-1、例えば、少なくとも2.5×108M-1、少なくとも5×108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも5×109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも5×1010M-1、少なくとも1011M-1、少なくとも5×1011M-1、少なくとも1012M-1、又は少なくとも5×1012M-1のアフィニティを有する抗体)。
本明細書で使用する場合の「ヒト乳児」という用語は、月齢24カ月未満、好ましくは16カ月未満、12カ月未満、6カ月未満、3カ月未満、2カ月未満、又は1カ月未満のヒトを指す。
本明細書で使用する場合の「未熟に生まれたヒト乳児」という用語は、妊娠期間40週未満、好ましくは妊娠期間35週未満で生まれた乳児で、6月齢未満、好ましくは3月齢未満、より好ましくは2月齢未満、最も好ましくは1月齢未満のヒトを指す。
本明細書で使用する場合の「IgG Fc領域」、「Fc領域」、「Fcドメイン」、「Fcフラグメント」という用語、及び他の類似用語は、IgG分子のパパイン消化により得られる結晶性フラグメントと相関する、IgG分子の部分を指す。Fc領域は、ジスルフィド結合で連結されているIgG分子の重鎖2本のC末端側半分からなる。Fc領域は、抗原結合活性はないが、炭水化物部分と、補体及びFcのレセプター(FcRnレセプターを含む)に対する結合部位とを含有している(以下を参照されたい)。例えば、Fcフラグメントは、第2定常ドメインCH2の全体(ヒトIgG1の残基231〜340、配列番号339を参照されたい)及び第3定常ドメインCH3(ヒトIgG1の残基341〜447、配列番号340を参照されたい)を含有している。本明細書で使用する付番はすべて、別途指示のない限り、EU指標に従っている(Kabat et al. (1991). Sequences of proteins of immunological interest.(米国保健社会福祉省、ワシントンD.C.)第5版)。
本明細書で使用する場合の「IgGヒンジ-Fc領域」又は「ヒンジ-Fc断片」という用語は、EU指標に従って(Kabat et al. (1991). Sequences of proteins of immunological interest.(米国保健社会福祉省、ワシントンD.C.)第5版)、Fc領域(残基231〜447)と、Fc領域のN末端から延びているヒンジ領域(残基216〜230、例えば配列番号341)からなる、IgG分子の領域を指す。ヒトIgG1ヒンジ-Fc領域のアミノ酸配列の一例は、配列番号342である。
本明細書で使用する場合、「感染症」及び「RSV感染症」という用語は、宿主内でのRSVの生活環の全段階(それだけに限らないが、RSVによる侵入及び細胞内又は体組織内でのその複製を含む)、並びにRSVによる侵入及びその複製に起因する病状を指す。RSVによる侵入及びその増殖は、それだけに限らないが、以下の段階、すなわちRSV粒子の細胞への結合、ウイルスの細胞膜との融合、ウイルス遺伝情報の細胞内への導入、RSVタンパク質の発現、新たなRSV粒子の産生及びRSV粒子の細胞外への放出を含む。RSV感染症は、上気道RSV感染症(URI)、下気道RSV感染症(LRI)、又はその組合せの場合がある。特定の実施形態では、RSVによる侵入及びその複製に起因する病状は、急性RSV疾患である。本明細書で使用する場合の「急性RSV疾患」という用語は、RSV感染症の結果起こる肺又は下気道内の臨床的に重要な疾患を指し、肺炎及び/又は細気管支炎として発症することがあり、その症状には低酸素症、無呼吸症、呼吸困難、呼吸促迫、喘鳴、チアノーゼなどが含まれる。急性RSV疾患に対しては、罹患者は、入院、酸素補給、挿管及び/又は換気などの医療介入を受けることが必要である。
本明細書で使用する場合の「in vivo半減期」という用語は、所与の動物の循環血における特定型のIgG分子又はFcRn結合部位を含むそのフラグメントの生物学的半減期を指し、該動物中に投与された量の半分が、動物の循環血及び/又は他の組織から消失するのに要する時間で表わされる。所与のIgGのクリアランス曲線を時間の関数として描くと、その曲線は普通二相性であり、血管内及び血管外空隙の間での注入IgG分子の平衡を表わし、部分的に分子のサイズにより決定される急速α相と、血管内空隙におけるIgG分子の異化を表わす長期β相とからなる。「in vivo半減期」という用語は、β相でのIgG分子の半減期に事実上相当する。本明細書で使用する場合、改変されたIgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体の「増大したin vivo血清半減期」、又は「延長したin vivo血清半減期」とは、改変されたIgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片を含んでいない抗体と比較した際(例えば、定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中に1又は複数の改変を含んでいない抗体(すなわち、非改変型抗体)と比較した際、あるいはパリビズマブなどの別のRSV抗体と比較した際)の、該抗体のin vivo血清半減期の増大を指す。
「下気」道という用語は、気管支、細気管支及び肺胞を含めた、気管及び肺を包含する下気道の主要な通気路及び構造を指す。
本明細書で使用する場合、「MEDI-524」という用語は、Wu et al., J. Mol. Biol. 368, 652-665 (2007)(参照により本明細書に援用する)に記載されている非改変型の抗RSVモノクローナル抗体(モタビズマブ)である。
本明細書で使用する場合、「改変型抗体」という用語は、「Fc改変型抗体」の同義語でもあり、抗体定常ドメイン(好ましくはIgG、より好ましくはIgG1の定常ドメイン)又はそのFcRn結合性断片の所与の位置にあるアミノ酸残基に対して、1又は複数の「改変」を含む本明細書記載の任意の抗体を包含し、該抗体は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中に1又は複数の改変を含まない同じ抗体と比較して、例えば、前記抗体の定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくはFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)と、新生児Fcレセプター(FcRn)との相互作用に関与することが確認されたアミノ酸残基における1又は複数の改変の結果、エフェクター機能(すなわちADCC)が改変されている、またそれと共に、in vivo半減期が増大している。また「改変型抗体」又は「Fc改変型抗体]という用語は、前記残基の1又は複数を指示した位置に自然に含んだ抗体も包含する(例えば、該残基は、改変せずに分子中の前記位置に既に存在している)。定常ドメインの位置の付番は、EU指標(Kabat et al. (1991). Sequences of proteins of immunological interest.(米国保健社会福祉省、ワシントンD.C.)第5版)に準じている。本明細書で使用する場合、「改変型抗体」又は「Fc改変型抗体]は、高効力、高アフィニティ及び/又は高アビディティの改変型抗体の場合もあり、そうでない場合もある。ある種の実施形態では、改変型抗体は高効力抗体であり、他の実施形態においては、高効力かつ高アフィニティの改変型抗体である。
本明細書で使用する場合、本発明の抗体の定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片に関する、1又は複数の「アミノ酸残基に対する改変」は、該抗体の定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)の配列中の1又は複数のアミノ酸残基の任意の変異、置換、挿入又は欠失を指す。好ましくは、1又は複数の改変は置換である。一実施形態では、1又は複数のアミノ酸置換は、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D及び332Yである(その付番方式はカバットに規定されたEU指標のものである)。別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、239D、330L及び332Eである(その付番方式はカバットに規定されたEU指標のものである)。かかるFcドメインのアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較してADCCの増大(3M)を包含する。別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、233P、234F、234V、235A、235E、265A、327G、330S及び331Sからなる群より選択される(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、234F、235E及び331Sからなる群より選択される(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。かかるFcドメインのアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較してADCCの低減(TM)を包含する。別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸改変は、3M及びTMについて記載したものに加えて、位置251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436における改変との組み合わせである(この付番はKabat et al.(前掲)におけるEU指標に従っている)。かかるFcドメインの組み合わせアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較して、ADCCの増大(3M)とin vivo半減期の増大を有する改変型抗体、又はADCCの低減(TM)とin vivo半減期の増大を有する改変型抗体を包含する。ある種の他の実施形態において、IgG定常ドメインは、252位にY(252Y)、254位にT(254T)、及び/又は256位にE(256E)を含む(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。このようなアミノ酸変異の組み合わせは、本発明の抗体の血清半減期の増大に役立つ。
本明細書で使用する場合、「感染多重度」(M.O.I)という用語は、単一細胞、組織又は患者に感染しているRSVウイルスの平均数を定量する方法である。一実施形態において、臨床的なRSV感染症と考えられるRSV感染を有する患者は、RSV M.O.I.の測定値が約0.001〜約0.1である。また別の実施形態において、臨床的なRSV感染症と考えられるRSV感染を有する患者は、RSV M.O.I.の測定値が約0.1又は約0.01である。
本明細書で使用する場合、「療養所(ナーシングホーム)」という用語は、療養所若しくは高度看護施設(SNF)において生活するヒト患者、又は持続的な介護を要し、日常生活動作に大きな問題のある人のための社会的住居の場を意味する。入居者としては、例えば、高齢者及び肉体障害のある若い成人が含まれる。
本明細書で使用する場合の「医薬として許容できる」という用語は、連邦政府又は州政府の規制機関により認可されているか、あるいは動物、特に人間に使用するために、米国薬局方、欧州薬局方又は他の一般認知された薬局方に掲載されていることを意味する。
「RSV抗原」という用語は、抗体が免疫特異的に結合するRSVポリペプチドを指す。RSV抗原は、RSVポリペプチド又はその断片の類縁体又は誘導体であって、抗体が免疫特異的に結合するものも指す。いくつかの実施形態では、RSV抗原は、RSV F抗原、RSV G抗原又はRSV SH抗原である。
本明細書で使用する場合の「血清力価」という用語は、対象10個体以上、好ましくは20個体以上、最も好ましくは40個体以上で、最大約100、1000体以上の集団における平均血清力価を指す。
本明細書で使用する場合、「副作用」という用語は、治療(例えば治療剤)の望まれない有害な作用を包含する。望まれない作用は必ずしも有害ではない。治療(例えば治療剤)の有害作用は、有害又は不快又は危険なこともあると思われる。副作用の例には、それだけに限らないが、URI、鼻炎、下痢、咳、胃腸炎、喘鳴、悪心、嘔吐、摂食障害、腹部痙攣、発熱、疼痛、体重減少、脱水、脱毛、呼吸困難、不眠、めまい、粘膜炎、神経筋作用、疲労、口渇及び食欲不振、投与部位の発疹又は腫脹、発熱、悪寒、疲労などのインフルエンザ様症状、消化管障害、並びにアレルギー反応が挙げられる。患者が受けるその他の望まれない作用は多数あり、当技術分野で知られている。そのような多数の作用が、Physician's Desk Reference(第58版、2004年)に記載されている。
本明細書で使用する場合、「対象」及び「患者」という用語は相互に交換して使用される。本明細書で使用する場合、対象は、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)、霊長類(例えば、サル及びヒト)などの哺乳動物、最も好ましくはヒトである。一実施形態では、該対象は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の哺乳動物、好ましくはヒトである。別の実施形態では、該対象は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)を発症する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトである(例えば、免疫不全の、若しくは免疫抑制された哺乳動物、又は遺伝的素因のある哺乳動物)。一実施形態では、該対象は、RSV感染症に由来、起因又は付随する呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴又はRADを含む)のヒトである。いくつかの実施形態では、該対象は、0〜5歳、又は好ましくは0〜2歳(例えば、0〜12月齢)の乳児である。他の実施形態では、該対象は高齢者対象である。
本発明のある種の実施形態では、「治療上有効な血清力価」とは、対象におけるRSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)に伴う重度、持続期間及び/又は症状を低下させる、前記対象、好ましくはヒトにおける血清力価である。好ましくは、治療上有効な該血清力価は、RSV感染症に起因する合併症を起こしている確率が最も高い人(例えば、嚢胞性線維症、気管支肺異形成症、先天性心疾患、先天性免疫不全症若しくは後天性免疫不全症の人、骨髄移植を受けたことがある人、乳児、又は高齢者)におけるRSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)に伴う重度、持続期間及び/又は症状数を低下させる。本発明の他のある種の実施形態では、「治療上有効な血清力価」は、コットンラットにおいて、105pfuでチャレンジ後5日のRSV力価を、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体の投与を受けていないコットンラットにおけるRSV 105pfuの接種後5日のRSV力価より99%低下させる血清力価である。いくつかの実施形態において、本発明の抗体の治療有効量は、約0.025 mg/kg、約0.05 mg/kg、約0.10 mg/kg、約0.20 mg/kg、約0.40 mg/kg、約0.80 mg/kg、約1.0 mg/kg、約1.5 mg/kg、約3 mg/kg、約5 mg/kg、約10 mg/kg、約15 mg/kg、約20 mg/kg、約25 mg/kg、約30 mg/kg、約35 mg/kg、約40 mg/kg、約45 mg/kg、約50 mg/kg又は約60 mg/kgである。一実施形態において、本発明の抗体の治療有効量は、対象の体重1kg当たり抗体約15 mgである。
本明細書で使用する場合、「治療する」、「治療」及び「治療すること」という用語は、1種又は複数の治療の投与(それだけに限らないが、本発明の抗体などの1種又は複数の治療剤の投与を含む)で起こる、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せ)の進行、重度及び/又は持続期間の減少又は改善を生じる感染後の投与を指す。特定の実施形態では、このような用語は、RSVの複製の減少又は阻害、RSVの他の組織又は対象への伝播(例えば、下気道への伝播)の阻害又は減少、細胞のRSV感染の阻害又は減少、急性RSV疾患の阻害又は減少、RSV感染症に起因又は付随する呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)の阻害又は減少、並びに/あるいはRSV感染症に付随する1種又は複数の症状の阻害又は減少を指す。
「上気」道という用語は、鼻又は鼻孔、鼻腔、口、喉(咽頭)、及び発声器(喉頭)を含めた上気道の主要な通気路及び構造を指す。
4. 図面の説明
5. 発明の詳細な説明
抗体及び抗体-抗原複合体と免疫系の細胞との相互作用は、多様な応答、例えば抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)及び補体依存性細胞傷害活性(CDC)などに影響を及ぼす(概説として、Daeron, Annu. Rev. Immunol. 15:203-234 (1997); Ward and Ghetie, Therapeutic Immunol. 2:77-94 (1995); 並びにRavetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991))。ADCCとは、FcRを発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えばナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性の反応を指す。ADCCを媒介するための一次細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991)の第464頁の表3にまとめられている。
抗体及び抗体-抗原複合体と免疫系の細胞との相互作用は、多様な応答、例えば抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)及び補体依存性細胞傷害活性(CDC)などに影響を及ぼす(概説として、Daeron, Annu. Rev. Immunol. 15:203-234 (1997); Ward and Ghetie, Therapeutic Immunol. 2:77-94 (1995); 並びにRavetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991))。ADCCとは、FcRを発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えばナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性の反応を指す。ADCCを媒介するための一次細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991)の第464頁の表3にまとめられている。
いくつかの抗体エフェクター機能は、抗体のFc領域に結合するFcレセプター(FcR)によって媒介されている。FcRは、免疫グロブリンのアイソタイプに対する特異性によって定義され、IgG抗体に対するFcレセプターはFcγRと、IgEに対するものはFcεRと、IgAに対するものはFcαRと、など称されている。FcγRの3つのサブクラス、すなわちFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)が同定されている。これらの異なるFcRサブタイプは、異なる細胞型において発現される(概説として、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991))。例えば、ヒトにおいて、FcγRIIIBは好中球においてのみ見出されるが、FcγRIIIAはマクロファージ、単球、ナチュラルキラー(NK)細胞及びT細胞亜集団において見出される。特に、FcγRIIIAはNK細胞(ADCCに関係する細胞型の1つ)に存在する唯一のFcRである。
その上、本発明は、上気道RSV感染症(URI)及び/又は下気道RSV感染症(LRI)の治療及び/又は改善のために、並びに呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善のために、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対して高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを有する抗体であって、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、改変されたFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)中に1又は複数のアミノ酸改変を含み、そのためIgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fc若しくはヒンジ-Fcドメイン)、及びそこに結合する任意の分子のin vivo半減期が増大し、その改変領域を含むIgG又はそのFcRn結合性断片のFcRnに対するアフィニティが増大している抗体(すなわち、「改変型抗体」)を提供する。該アミノ酸改変は、ある残基の任意の改変であってよく(そして、いくつかの実施形態では、特定位置の残基は改変されずに、既に所望の残基を有している)、好ましくは残基251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436の1又は複数での改変であり、該改変は、その改変領域を含むIgG又はそのFcRn結合性断片のFcRnに対するアフィニティを増大させる。他の実施形態では、該抗体は、定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片において、252位にチロシン(252Y)、254位にスレオニン(254T)、及び/又は256位にグルタミン酸(256E)を含む(Kabat et al. (1991). Sequences of proteins of immunological interest.(米国保健社会福祉省、ワシントンD.C.)第5版(「Kabat等」)に記載のEU指標に従った定常ドメインの付番)。他の実施形態では、該抗体は、定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片において、252Y、254T及び256E(上記Kabat等のEU指標を参照されたい)を含む(以後は「YTE」)。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、高いアフィニティ及び/又は高いアビディティでRSV抗原に免疫特異的に結合する、本明細書に示す抗体(改変型抗体)の有効量を前記対象に投与することを含む方法を提供する。公知の抗体(例えば、パリビズマブ)の有効血清力価より低く及び/又は持続性である、本発明の抗体の血清力価が、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の管理、治療及び/又は改善により有効であると思われるので、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の管理、治療及び/又は改善に有効な血清力価を得るために使用する該抗体の用量は、より少量及び/又はより少数の用量、例えばRSV流行期当たり1又は複数の用量で済ますことができる。RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の抗体の用量をより少量及び/又はより少数の用量で使用するために、有害作用が起こる見込みは減少し、治療の期間にわたって例えば乳児に投与しても、より安全である(例えば、公知の抗体(例えば、パリビズマブ)と比較して、血清力価が低く、血清半減期が長く、並びに/あるいは上気道及び/又は下気道への局在化が良好なため)。ある種の実施形態では、抗体はRSV流行期当たり1回又は2回投与される。
したがって、本発明は、公知のRSV抗体(例えば、パリビズマブ)と比較して、高い効力を有し、並びに/あるいはRSV抗原(好ましくはRSV F抗原)に対する高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを有する抗体、及び該抗体を使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、該抗体は、改変されたIgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含み、その結果、例えば、改変されたIgG定常ドメイン又はそのFc結合性断片を含んでいない抗体と比較した際に、in vivo血清半減期の増大が生じる(例えば、IgG定常ドメイン又はそのFc結合性断片中に1又は複数の改変を含んでいない同じ抗体(すなわち、同一の非改変型抗体)と比較した際に、あるいはパリビズマブなどの別のRSV抗体と比較した際に)。いくつかの実施形態では、該抗体は、ヒト対象の対象に投与される。
特定の実施形態では、本発明は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本明細書に記載の抗体、例えば改変型抗体(すなわち、本発明の抗体)の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、急性RSV疾患又は急性RSV疾患への進行を管理、治療及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、RSV感染症に関連する症状又は呼吸器症状は、喘息、喘鳴、RAD、鼻詰まり、鼻孔拡大、咳、頻呼吸(咳き込み)、息切れ、発熱、クループ性の咳、又はそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、上気道及び下気道RSV感染症が、共に予防、治療、管理及び/又は改善される。他の実施形態では、上気道感染症から下気道感染症への進行が、予防、治療、管理及び/又は改善される。他の実施形態では、急性RSV疾患又は急性RSV疾患への進行が、予防、治療、管理及び/又は改善される。
特定の実施形態では、本発明は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の有効量と、本発明の抗体以外の治療の有効量とを対象に投与することを含む方法を提供する。好ましくは、このような治療は、RSV感染症(好ましくは、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の管理、治療及び/又は改善に有用である。別の実施形態では、本発明の方法に従って治療、管理及び/又は改善されるのは、RSV感染症、好ましくはRSV URI及び/又はLRIに由来し、惹起され、又は付随する。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の少なくとも第1の用量を対象に投与することにより、前記対象の血清抗体力価を約0.1μg/ml〜約800μg/ml、例えば0.1μg/ml〜500μg/ml、0.1μg/ml〜250μg/ml、0.1μg/ml〜100μg/ml、0.1μg/ml〜50μg/ml、0.1μg/ml〜25μg/ml、又は0.1μg/ml〜10μg/mlとすることを含む方法を提供する。ある種の実施形態では、該血清抗体力価は、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.2μg/ml、少なくとも0.4μg/ml、少なくとも0.6μg/ml、少なくとも0.8μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも1.5μg/ml、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも30μg/ml、少なくとも35μg/ml、少なくとも40μg/ml、少なくとも45μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも55μg/ml、少なくとも60μg/ml、少なくとも65μg/ml、少なくとも70μg/ml、少なくとも75μg/ml、少なくとも80μg/ml、少なくとも85μg/ml、少なくとも90μg/ml、少なくとも95μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも105μg/ml、少なくとも110μg/ml、少なくとも115μg/ml、少なくとも120μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも130μg/ml、少なくとも135μg/ml、少なくとも140μg/ml、少なくとも145μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも155μg/ml、少なくとも160μg/ml、少なくとも165μg/ml、少なくとも170μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも180μg/ml、少なくとも185μg/ml、少なくとも190μg/ml、少なくとも195μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも400μg/ml、少なくとも450μg/ml、少なくとも500μg/ml、少なくとも550μg/ml、少なくとも600μg/ml、少なくとも650μg/ml、少なくとも700μg/ml、少なくとも750μg/ml、又は少なくとも800μg/mlである。一実施形態では、治療有効用量は、約75μg/ml以下、約60μg/ml以下の血清抗体力価を生じ、約50μg/ml以下、約45μg/ml以下、約30μg/ml以下、好ましくは少なくとも2μg/ml、より好ましくは少なくとも4μg/ml、最も好ましくは少なくとも6μg/mlの血清抗体力価を生じる。
いくつかの実施形態では、前記抗体濃度は、本発明の抗体の第1用量を投与した後であり、その次の用量を場合により投与する前の約12〜24時間に、又はその間、対象中に存在する。いくつかの実施形態では、前記血清抗体濃度は、本発明の抗体の第1の用量を投与した後であり、その次の用量を場合により投与する前のある一定の日数の間存在し、前記一定の日数は、約20日〜約180日(又は、もっと長期)、例えば20日〜90日、20日〜60日又は20日〜30日であり、ある種の実施形態では、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも75日、少なくとも90日、少なくとも105日、少なくとも120日、少なくとも135日、少なくとも150日、少なくとも165日、少なくとも180日又はそれより長い日数である。ある種の実施形態では、前記血清抗体濃度を生じる該抗体の第1の用量は、約60mg/kg以下、約50mg/kg以下、約45mg/kg以下、約40mg/kg以下、約30mg/kg以下、約20mg/kg以下、約15mg/kg以下、約10mg/kg以下、約5mg/kg以下、約4mg/kg以下、約3mg/kg、約2mg/kg以下、約1.5mg/kg以下、約1.0mg/kg以下、約0.80mg/kg以下、約0.40mg/kg以下、約0.20mg/kg以下、約0.10mg/kg以下、約0.05mg/kg以下、又は約0.025mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、本発明の抗体の第1用量は、前記血清抗体濃度のいずれか1つを生じる治療有効用量である。一実施形態では、本発明の抗体の第1用量は、持続放出製剤中で、又は鼻腔内送達若しくは肺送達により投与される。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の第1用量を対象に投与することにより、前記対象のRSVウイルス肺力価及び/又はRSVウイルス唾液力価(当業者に周知の方法を用いて決定した場合)を、陰性対照、例えばプラシーボを受けた対象と比較して、本発明の抗体の第1用量を投与する前の対象における力価と比較して、又は別のRSV抗体(例えば、パリビズマブ)を受けた対象と比較して、低下させることを含む方法も提供する。該抗体が本発明の改変型抗体である実施形態では、減少する該RSVウイルス肺力価及び/又はRSVウイルス唾液力価を、IgG定常ドメインに改変を受けていない同じ抗体の投与を受けた対象と更に比較してもよい。
本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の第1用量を対象に投与することにより、前記対象の鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又は気管支肺胞洗浄液(BAL)の抗体濃度を約0.01μg/ml〜約2.5μg/ml(又はそれより大)とすることを含む方法を提供する。ある種の実施形態では、鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBALの該抗体濃度は、少なくとも0.01μg/ml、少なくとも0.011μg/ml、少なくとも0.012μg/ml、少なくとも0.013μg/ml、少なくとも0.014μg/ml、少なくとも0.015μg/ml、少なくとも0.016μg/ml、少なくとも0.017μg/ml、少なくとも0.018μg/ml、少なくとも0.019μg/ml、少なくとも0.02μg/ml、少なくとも0.025μg/ml、少なくとも0.03μg/ml、少なくとも0.035μg/ml、少なくとも0.04μg/ml、少なくとも0.05μg/ml、少なくとも0.06μg/ml、少なくとも0.07μg/ml、少なくとも0.08μg/ml、少なくとも0.09μg/ml、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.11μg/ml、少なくとも0.115μg/ml、少なくとも0.12μg/ml、少なくとも0.125μg/ml、少なくとも0.13μg/ml、少なくとも0.135μg/ml、少なくとも0.14μg/ml、少なくとも0.145μg/ml、少なくとも0.15μg/ml、少なくとも0.155μg/ml、少なくとも0.16μg/ml、少なくとも0.165μg/ml、少なくとも0.17μg/ml、少なくとも0.175μg/ml、少なくとも0.18μg/ml、少なくとも0.185μg/ml、少なくとも0.19μg/ml、少なくとも0.195μg/ml、少なくとも0.2μg/ml、少なくとも0.3μg/ml、少なくとも0.4μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも0.6μg/ml、少なくとも0.7μg/ml、少なくとも0.8μg/ml、少なくとも0.9μg/ml、少なくとも1.0μg/ml、少なくとも1.1μg/ml、少なくとも1.2μg/ml、少なくとも1.3μg/ml、少なくとも1.4μg/ml、少なくとも1.5μg/ml、少なくとも1.6μg/ml、少なくとも1.7μg/ml、少なくとも1.8μg/ml、少なくとも1.9μg/ml、少なくとも2.0μg/ml、少なくとも2.1μg/ml、少なくとも2.2μg/ml、少なくとも2.3μg/ml、少なくとも2.4μg/ml、少なくとも2.5μg/ml又はそれより高い濃度である。
いくつかの実施形態では、鼻甲介及び/又は鼻汁の前記抗体濃度は、本発明の抗体の第1用量を投与した後であり、その次の用量を場合により投与する前の約12〜24時間に、又はその間、対象中に存在する。いくつかの実施形態では、鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBALの前記抗体濃度は、本発明の抗体の第1用量を投与した後であり、その次の用量を場合により投与する前のある一定の日数の間存在し、前記一定の日数は、約20日〜約180日(又は、もっと長期)、ある種の実施形態では、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも75日、少なくとも90日、少なくとも105日、少なくとも120日、少なくとも135日、少なくとも150日、少なくとも165日、少なくとも180日又はそれより長い日数である。ある種の実施形態では、鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBALの前記抗体濃度を生じる抗体の第1用量は、約60mg/kg以下、約50mg/kg以下、約45mg/kg以下、約40mg/kg以下、約30mg/kg以下、約20mg/kg以下、約15mg/kg以下、約10mg/kg以下、約5mg/kg以下、約4mg/kg以下、約3mg/kg、約2mg/kg以下、約1.5mg/kg以下、約1.0mg/kg以下、約0.80mg/kg以下、約0.40mg/kg以下、約0.20mg/kg以下、約0.10mg/kg以下、約0.05mg/kg以下、又は約0.025mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、本発明の抗体の第1用量は、鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBALの前記抗体濃度のいずれか1つを生じる治療有効用量である。一実施形態では、本発明の抗体の第1用量は、持続放出製剤中で、並びに/あるいは鼻腔内送達及び/又は肺送達により投与される。
特定の実施形態では、本発明は、対象において呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、本発明の抗体の有効量を投与することを含み、該有効量が、鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBAL中のRSV力価を約1倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約8倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、約50倍、約55倍、約60倍、約65倍、約70倍、約75倍、約80倍、約85倍、約90倍、約95倍、約100倍、約105倍、約110倍、約115倍、約120倍、約125倍、又はそれより高い倍率で減少させる方法を提供する。鼻甲介及び/又は鼻汁及び/又はBAL中のRSV力価の前記減少倍率は、陰性対照(プラシーボなど)、別の治療(それだけに限らないが、パリビズマブによる治療を含む)、抗体投与前の患者における力価、又は改変型抗体の場合には、同じ非改変型抗体(例えば、定常ドメイン改変前の同じ抗体)と比較してもよい。
本発明は、治療上有効な血清力価を実現するために、本発明の抗体を用いて上気道内及び/又は下気道内、あるいは中耳内のRSVを中和する方法であって、前記有効な血清力価が、投与後約20日間、25日間、30日間、35日間、40日間、45日間、60日間、75日間、90日間、105日間、120日間、135日間、150日間、165日間、180日間、又はそれより長期間、他の用量を全く投与せずに30μg/ml未満(好ましくは約2μg/ml、より好ましくは約4μg/ml、最も好ましくは約6μg/ml)となる方法を提供する。本発明の抗体は、本明細書に記載のように、改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fc若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
他の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、RSV抗原に対する高いアフィニティを有する。一実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、公知の抗体(例えば、パリビズマブ又は他の野生型抗体)より、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対する高いアフィニティを有する。本発明の方法に従って使用される抗体は、改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fc若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含んでもよく、又は含まなくてもよい。ある種の実施形態では、該抗体は改変型抗体であり、好ましくは該IgG定常ドメインが、血清半減期が延長されたYTE改変を含む(例えば、MEDI-524 YTE)。特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ又はKinexaアッセイ)により評価した場合、公知の抗RSV抗体より、RSV抗原に対して20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、90倍、100倍又はそれより高いアフィニティを有する。より特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ又はKinexaアッセイ)により評価した場合、パリビズマブより、RSV F抗原に対して20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、90倍、100倍又はそれより高いアフィニティを有する。別の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ又はKinexaアッセイ)により評価した場合、パリビズマブより、RSV F抗原に対して65倍、好ましくは70倍以上の高いアフィニティを有する。これらの実施形態において、抗体のアフィニティは、一実施形態ではBIAcoreアッセイにより評価される。別の実施形態において、抗体のアフィニティはKinexaアッセイにより評価される。
一実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、約105M-1s-1〜約108M-1s-1(又は、それより高い値)の結合速度定数又はkon速度(抗体(Ab)+抗原(Ag) -- kon --> Ab-Ag)を有し、ある種の実施形態では、その値が、少なくとも105M-1s-1、少なくとも2×105M-1s-1、少なくとも4×105M-1s-1、少なくとも5×105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5×106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5×107M-1s-1、又は少なくとも108M-1s-1である。別の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、公知の抗RSV抗体より1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍又は5倍高いkon速度を有する。他の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、RSV F抗原に免疫特異的に結合し、パリビズマブより1倍、2倍、3倍、4倍、5倍又はそれより高いkon速度を有する。速度定数及びアフィニティの個々の計算に関するより詳細な説明は、BIAevaluation Software Handbook (BIAcore, Inc., Piscataway, NJ)及びKuby (1994) Immunology, 2nd Ed. (W. H. Freeman & Co., New York, NY)に見出すことができる。
特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、5×10-1s-1未満、10-1s-1未満、5×10-2s-1未満、10-2s-1未満、5×10-3s-1未満、10-3s-1未満、好ましくは5×10-4s-1未満、10-4s-1未満、5×10-5s-1未満、10-5s-1未満、5×10-6s-1未満、10-6s-1未満、5×10-7s-1未満、10-7s-1未満、5×10-8s-1未満、10-8s-1未満、5×10-9s-1未満、10-9s-1未満、5×10-10s-1未満、又は10-10s-1未満のkoff速度(Ab-Ag -- Koff --> Ab+Ag)を有する。別の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、公知の抗RSV抗体より1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍又は100倍低いkoff速度を有する。他の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、RSV F抗原に免疫特異的に結合し、パリビズマブより1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍又は100倍以上低いkoff速度を有する。
特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、約105M-1s-1〜約108M-1s-1(又は、それより高い値)のkonを有し、ある種の実施形態では、その値が、少なくとも105M-1s-1、好ましくは少なくとも2×105M-1s-1、少なくとも4×105M-1s-1、少なくとも5×105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5×106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5×107M-1s-1、又は少なくとも108M-1s-1であり、また5×10-1s-1未満、10-1s-1未満、5×10-2s-1未満、10-2s-1未満、5×10-3s-1未満、10-3s-1未満、好ましくは5×10-4s-1未満、10-4s-1未満、7.5×10-5s-1未満、5×10-5s-1未満、10-5s-1未満、5×10-6s-1未満、10-6s-1未満、5×10-7s-1未満、10-7s-1未満、5×10-8s-1未満、10-8s-1未満、5×10-9s-1未満、10-9s-1未満、5×10-10s-1未満、又は10-10s-1未満のkoff速度を有する。一実施形態では、本発明の抗体は、パリビズマブより約2倍、約3倍、約4倍若しくは約5倍、又はそれより高いkonを有する。別の実施形態では、本発明の抗体は、パリビズマブより約2倍、約3倍、約4倍若しくは約5倍、又はそれより低いkoffを有する。
特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、約102M-1〜約5×1015M-1のアフィニティ定数又はKa(kon/koff)を有し、ある種の実施形態では、それが少なくとも102M-1、少なくとも5×102M-1、少なくとも103M-1、少なくとも5×103M-1、少なくとも104M-1、少なくとも5×104M-1、少なくとも105M-1、少なくとも5×105M-1、少なくとも106M-1、少なくとも5×106M-1、少なくとも107M-1、少なくとも5×107M-1、少なくとも108M-1、好ましくは少なくとも5×108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも5×109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも5×1010M-1、少なくとも1011M-1、少なくとも5×1011M-1、少なくとも1012M-1、少なくとも5×1012M-1、少なくとも1013M-1、少なくとも5×1013M-1、少なくとも1014M-1、少なくとも5×1014M-1、少なくとも1015M-1、又は少なくとも5×1015M-1である。
一実施形態では、本発明の方法に従って使用する抗体は、5×10-2M未満、10-2M未満、5×10-3M未満、10-3M未満、5×10-4M未満、10-4M未満、5×10-5M未満、10-5M未満、5×10-6M未満、10-6M未満、5×10-7M未満、10-7M未満、5×10-8M未満、10-8M未満、5×10-9M未満、10-9M未満、5×10-10M未満、10-10M未満、5×10-11M未満、10-11M未満、5×10-12M未満、10-12M未満、5×10-13M未満、10-13M未満、5×10-14M未満、10-14M未満、5×10-15M未満、10-15M未満、又は5×10-16M未満の解離定数又はKd(koff/kon)を有する。
特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ)を用いて評価した場合、3000pM未満、2500pM未満、2000pM未満、1500pM未満、1000pM未満、750pM未満、500pM未満、250pM未満、200pM未満、150pM未満、100pM未満、75pM未満の解離定数(Kd)を有する。別の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ又はKinexaアッセイ)を用いて評価した場合、25〜3400pM、25〜3000pM、25〜2500pM、25〜2000pM、25〜1500pM、25〜1000pM、25〜750pM、25〜500pM、25〜250pM、25〜100pM、25〜75pM、25〜50pMの解離定数(Kd)を有する。別の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、本明細書に記載又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ又はKinexaアッセイ)を用いて評価した場合、500pM、好ましくは100pM、より好ましくは75pM、最も好ましくは50pMの解離定数(Kd)を有する。
本発明は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善するための方法であって、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、例えばパリビズマブなどの公知の抗体より高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを有する、本発明の1種又は複数の抗体(例えば、1種又は複数のRSV抗原に対して約2×108M-1〜約5×1012M-1(又はそれより高い値)、好ましくは、少なくとも2×108M-1、少なくとも2.5×108M-1、少なくとも5×108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも5×109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも5×1010M-1、少なくとも1011M-1、少なくとも5×1011M-1、少なくとも1012M-1、又は少なくとも5×1012M-1のアフィニティを有する抗体又は抗体フラグメント)を含む組成物を対象に投与する(例えば、肺送達又は鼻腔内送達により)ことを含む方法も提供する。
IC50は、in vitro微量中和アッセイでRSVの50%を中和する抗体の濃度である。ある種の実施形態では、該微量中和アッセイは、本明細書に記載されているか、又はJohnson et al., 1999, J. Infectious Diseases 180: 35-40に記載の微量中和アッセイである。特定の実施形態では、本発明の方法に従って使用される抗体は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、in vitro微量中和アッセイにおいて6nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、1.75nM未満、1.5nM未満、1.25nM未満、1nM未満、0.75nM未満、0.5nM未満、0.25nM未満、0.1nM未満、0.05nM未満、0.025nM未満、又は0.01nM未満の中央値阻害濃度(IC50)を有する。
したがって、本発明の方法は、公知の抗RSV抗体と比較して、例えば、改変型抗体のFcドメインとFcRnレセプターとの相互作用に関与することが確認されたアミノ酸残基における1又は複数の改変の結果、in vivo半減期が増大した改変型抗体の使用を包含する。一実施形態では、本発明の方法は、高いアフィニティ及び/又は高いアビディティでRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する、改変型IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体であって、該改変型IgG定常ドメインのために、改変型IgG定常ドメインを含まない同じ抗体、又はパリビズマブのFcドメインなどの別のRSV抗体と比較して、該改変型IgG定常ドメインのFcRnに対するアフィニティが増大している抗体の使用を包含する。この実施形態によれば、前記改変型抗体のFcドメインのアフィニティが増大した結果、前記改変型抗体のin vivo半減期が約20日〜約180日(又は、それより長期)となり、いくつかの実施形態では、それは少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも75日、少なくとも90日、少なくとも105日、少なくとも120日、少なくとも135日、少なくとも150日、少なくとも165日、少なくとも180日又はそれより長期である。別の実施形態では、該改変型抗体は、MEDI-524のVH及びVL CDR、ドメイン若しくは鎖、又はその抗原結合性断片、並びに、例えばパリビズマブのFcドメインと比較して、FcRnレセプターに対するアフィニティが増大しているFcドメインを含む。
本発明の実施形態には、限定されるものではないが、以下が含まれる:
1.RSV F抗原に免疫特異的に結合する改変型抗体であって、表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のVH CDR1、2及び3並びにVL CDR1、2及び3のアミノ酸配列を有する3つの重鎖可変相補性決定領域(VH CDR)及び3つの軽鎖可変CDR(VL CDR)を含み、野生型ヒトIgG Fcドメインに対して1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型ヒトIgG Fcドメインを有し、前記アミノ酸置換により、前記アミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して1又は複数のFcレセプターに対する結合アフィニティが変更された改変型抗体が得られる、前記改変型抗体。
1.RSV F抗原に免疫特異的に結合する改変型抗体であって、表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のVH CDR1、2及び3並びにVL CDR1、2及び3のアミノ酸配列を有する3つの重鎖可変相補性決定領域(VH CDR)及び3つの軽鎖可変CDR(VL CDR)を含み、野生型ヒトIgG Fcドメインに対して1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型ヒトIgG Fcドメインを有し、前記アミノ酸置換により、前記アミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して1又は複数のFcレセプターに対する結合アフィニティが変更された改変型抗体が得られる、前記改変型抗体。
2.表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のVHドメイン及びVLドメインのアミノ酸配列を有するVHドメイン及びVLドメインを含む、実施形態1に記載の改変型抗体。
3.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基332Eでのアミノ酸置換を含む、実施形態1に記載の改変型抗体。
4.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基239D及び330Lでのアミノ酸置換をさらに含む、実施形態3に記載の改変型抗体。
5.1又は複数のアミノ酸置換が、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D、及び332Yからなる群より選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態1に記載の改変型抗体。
6.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基331Sでのアミノ酸置換を含む、実施形態1に記載の改変型抗体。
7.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基234F及び235Eでのアミノ酸置換をさらに含む、実施形態6に記載の改変型抗体。
8.1又は複数のアミノ酸置換が、233P、234V、235A、265A、327G、及び330Sからなる群より選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態1に記載の改変型抗体。
9.改変型IgG Fcドメインが野生型ヒトIgG Fcドメインに対して追加のアミノ酸置換をさらに含み、前記追加のアミノ酸置換により、前記追加のアミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して血清半減期が延長された改変型抗体が得られる、実施形態3から7のいずれかに記載の改変型抗体。
10.前記追加のアミノ酸置換が、アミノ酸残基251、252、254、255、256、308、309、311、312、314、385、386、387、389、428、433、434及び436の1又は複数で起こり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態9に記載の改変型抗体。
11.前記追加のアミノ酸置換が、251位でのロイシンによる置換、252位でのチロシン、トリプトファン若しくはフェニルアラニンによる置換、254位でのスレオニン若しくはセリンによる置換、255位でのアルギニンによる置換、256位でのグルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、若しくはグルタミン酸による置換、308位でのスレオニンによる置換、309位でのプロリンによる置換、311位でのセリンによる置換、312位でのアスパラギン酸による置換、314位でのロイシンによる置換、385位でのアルギニン、アスパラギン酸若しくはセリンによる置換、386位でのスレオニン若しくはプロリンによる置換、387位でのアルギニン若しくはプロリンによる置換、389位でのプロリン、アスパラギン若しくはセリンによる置換、428位でのメチオニン若しくはスレオニンによる置換、434位でのチロシン若しくはフェニルアラニンによる置換、433位でのヒスチジン、アルギニン、リジン若しくはセリンによる置換、又は436位でのヒスチジン、チロシン、アルギニン若しくはスレオニンによる置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態10に記載の改変型抗体。
12.前記追加のアミノ酸置換が、252位でのチロシン、254位でのスレオニン及び256位でのグルタミン酸による置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態11に記載の改変型抗体。
13.実施形態1、3、6又は9に記載の改変型抗体を無菌担体中に含む組成物。
14.RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、実施形態1〜13のいずれかに記載の組成物の治療有効量を、それを必要としている前記患者に投与することを含む方法。
15.治療有効量が、約100mg/kg、約50mg/kg、約30mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約15mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約1.5mg/kg、約1mg/kg、約0.75mg/kg、約0.5mg/kg、約0.25mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、及び約0.025mg/kgからなる群より選択される、実施形態14に記載の方法。
16.前記ヒト患者が、骨髄移植を受けている、嚢胞性線維症を有している、気管支肺異形成症を有している、先天性心臓疾患を有している、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有している、先天性免疫不全症を有している又は後天性免疫不全症を有している、実施形態14に記載の方法。
17.前記ヒト患者が、乳児、未熟に生まれた乳児、RSV感染のために入院している乳児、又は喘息及び/若しくは反応性気道疾患(RAD)、及び/若しくは喘鳴に罹った乳児、又は0から5歳の小児である、実施形態14に記載の方法。
18.ヒト患者が、高齢のヒトである、又は療養所で生活している、実施形態14に記載の方法。
19.前記組成物が、鼻腔内送達、筋肉内送達、皮内送達、腹腔内送達、静脈内送達、皮下送達、経口送達、肺送達又はその組合せにより前記ヒト患者に投与される、実施形態14に記載の方法。
20.前記組成物が、RSVの流行期の間に5回、4回、3回、2回又は1回前記患者に投与される、実施形態14に記載の方法。
21.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、ウイルス排出により測定される、前記ヒト患者でのRSV複製を、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%阻害又は下方制御する、実施形態14に記載の方法。
22.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのサイトカインの血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、実施形態14に記載の方法。
23.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのケモカイン放出の血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、実施形態14に記載の方法。
24.RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、表1に挙げられているCDRのアミノ酸配列を有するCDR及び異種アミノ酸配列を含む融合タンパク質の治療有効量を投与することを含む方法。
25.前記改変型抗体の治療のための投与が、RSVウイルス負荷がM.O.I約0.1であるヒト患者に、RSV感染の12時間後又は24時間後に鼻腔内投与される、実施形態14に記載の方法。
26.前記改変型抗体の治療のための投与が、RSVウイルス負荷がM.O.I約0.01であるヒト患者に、RSV感染の48時間後に鼻腔内投与される、実施形態25に記載の方法。
27.改変型抗体が、表1に示す、AFFF、P12f2、P12f4、Plld4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493LER、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、Ll-7E5、L2-15B10、A13a11、Alh5、A4B4(1)、A4B4L1FR-S28R又はA4B4-F52SのVHドメイン及びVLドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の同一性を有する、実施形態14に記載の方法。
28.改変型抗体が、表1に示すVH CDRのいずれかに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の同一性を有する1又は複数のVH CDRのアミノ酸配列を含む、実施形態14に記載の方法。
29.改変型抗体が、表1に示すVL CDRのいずれかに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の同一性を有する1又は複数のVL CDRのアミノ酸配列を含む、実施形態14に記載の方法。
30.改変型抗体がFab'2フラグメントである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
31.RSV F抗原に免疫特異的に結合する改変型抗体であって、以下:
(a)以下を含む重鎖:
(1)配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメイン;
(2)配列番号254のアミノ酸配列を有するVH鎖;
(3)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(4)配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列;
(5)配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(6)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列;
(7)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(8)配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(9)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列、及び配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;並びに/あるいは
(b)以下を含む軽鎖:
(1)配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメイン;
(2)配列番号255のアミノ酸配列を有するVL鎖;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(4)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2配列;
(5)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(6)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2配列、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
を含み、そして
(c)該改変型抗体は、野生型ヒトIgG Fcドメインと比較して1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型ヒトIgG Fcドメインを有し、該アミノ酸置換によって、該アミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して、1種又は複数のFcRに対する結合アフィニティの改変を含む、エフェクター機能が改変された改変型抗体が得られる、
上記改変型抗体。
(a)以下を含む重鎖:
(1)配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)ドメイン;
(2)配列番号254のアミノ酸配列を有するVH鎖;
(3)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(4)配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列;
(5)配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(6)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列;
(7)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(8)配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(9)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2配列、及び配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3;並びに/あるいは
(b)以下を含む軽鎖:
(1)配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)ドメイン;
(2)配列番号255のアミノ酸配列を有するVL鎖;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(4)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2配列;
(5)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(6)配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2配列、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
を含み、そして
(c)該改変型抗体は、野生型ヒトIgG Fcドメインと比較して1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型ヒトIgG Fcドメインを有し、該アミノ酸置換によって、該アミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して、1種又は複数のFcRに対する結合アフィニティの改変を含む、エフェクター機能が改変された改変型抗体が得られる、
上記改変型抗体。
32.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基332Eでのアミノ酸置換を含む、実施形態31に記載の改変型抗体。
33.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基239D及び330Lでのアミノ酸置換をさらに含む、実施形態32に記載の改変型抗体。
34.1又は複数のアミノ酸置換が、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D、及び332Yからなる群より選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態31に記載の改変型抗体。
35.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基331Sでのアミノ酸置換を含む、実施形態31に記載の改変型抗体。
36.改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基234F及び235Eでのアミノ酸置換をさらに含む、実施形態35に記載の改変型抗体。
37.1又は複数のアミノ酸置換が、233P、234V、235A、265A、327G、及び330Sからなる群より選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態31に記載の改変型抗体。
38.改変型IgG Fcドメインが野生型ヒトIgG Fcドメインに対して追加のアミノ酸置換をさらに含み、前記追加のアミノ酸置換により、前記追加のアミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して血清半減期が延長された改変型抗体が得られる、実施形態31から37のいずれかに記載の改変型抗体。
39.前記追加のアミノ酸置換が、アミノ酸残基251、252、254、255、256、308、309、311、312、314、385、386、387、389、428、433、434及び436の1又は複数で起こり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態38に記載の改変型抗体。
40.前記追加のアミノ酸置換が、251位でのロイシンによる置換、252位でのチロシン、トリプトファン若しくはフェニルアラニンによる置換、254位でのスレオニン若しくはセリンによる置換、255位でのアルギニンによる置換、256位でのグルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、若しくはグルタミン酸による置換、308位でのスレオニンによる置換、309位でのプロリンによる置換、311位でのセリンによる置換、312位でのアスパラギン酸による置換、314位でのロイシンによる置換、385位でのアルギニン、アスパラギン酸若しくはセリンによる置換、386位でのスレオニン若しくはプロリンによる置換、387位でのアルギニン若しくはプロリンによる置換、389位でのプロリン、アスパラギン若しくはセリンによる置換、428位でのメチオニン若しくはスレオニンによる置換、434位でのチロシン若しくはフェニルアラニンによる置換、433位でのヒスチジン、アルギニン、リジン若しくはセリンによる置換、又は436位でのヒスチジン、チロシン、アルギニン若しくはスレオニンによる置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態39に記載の改変型抗体。
41.前記追加のアミノ酸置換が、252位でのチロシン、254位でのスレオニン及び256位でのグルタミン酸による置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、実施形態40に記載の改変型抗体。
42.改変型抗体のin vivo半減期が、252位でのチロシン、254位でのスレオニン及び256位でのグルタミン酸を含まないIgG Fcドメインを含む同じ抗体と比較して約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍又は約10倍延長される、実施形態41に記載の改変型抗体。
43.抗体の結合速度(kon)が少なくとも約2×105M-1s-1である、実施形態1、8、31又は38に記載の改変型抗体。
44.konが少なくとも約7.5×105s-1である、実施形態43に記載の改変型抗体。
45.抗体の解離速度(koff)が約5×10-4s-1未満である、実施形態1、8、31又は38に記載の改変型抗体。
46.抗体の解離定数(kd)が約1000 pM未満である、実施形態1、8、31又は38に記載の改変型抗体。
47.抗体の結合定数(Ka)が少なくとも約109M-1である、実施形態1、8、31又は38に記載の改変型抗体。
48.実施形態31〜47のいずれかに記載の改変型抗体を無菌担体中に含む組成物。
49.RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、実施形態31〜48のいずれかに記載の組成物の治療有効量を、それを必要としている前記患者に投与することを含む方法。
50.治療有効量が、約100mg/kg、約50mg/kg、約30mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約15mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約1.5mg/kg、約1mg/kg、約0.75mg/kg、約0.5mg/kg、約0.25mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、及び約0.025mg/kgからなる群より選択される、実施形態49に記載の方法。
51.前記ヒト患者が、骨髄移植を受けている、嚢胞性線維症を有している、気管支肺異形成症を有している、先天性心臓疾患を有している、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有している、先天性免疫不全症を有している又は後天性免疫不全症を有している、実施形態49に記載の方法。
52.前記ヒト患者が、乳児、未熟に生まれた乳児、RSV感染のために入院している乳児、又は喘息及び/若しくは反応性気道疾患(RAD)、及び/若しくは喘鳴に罹った乳児、又は0から5歳の小児である、実施形態49に記載の方法。
53.ヒト患者が、高齢のヒトである、又は療養所で生活している、実施形態49に記載の方法。
54.前記組成物が、鼻腔内送達、筋肉内送達、皮内送達、腹腔内送達、静脈内送達、皮下送達、経口送達、肺送達又はその組合せにより前記ヒト患者に投与される、実施形態49に記載の方法。
55.前記組成物が、RSVの流行期の間に5回、4回、3回、2回又は1回前記患者に投与される、実施形態49に記載の方法。
56.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、ウイルス排出により測定される、前記ヒト患者でのRSV複製を、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%阻害又は下方制御する、実施形態49に記載の方法。
57.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのサイトカインの血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、実施形態49に記載の方法。
58.前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのケモカイン放出の血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、実施形態49に記載の方法。
59.RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、表1に挙げられているCDRのアミノ酸配列を有するCDR及び異種アミノ酸配列を含む融合タンパク質の治療有効量を投与することを含む方法。
60.前記改変型抗体の治療のための投与が、RSVウイルス負荷がM.O.I約0.1であるヒト患者に、RSV感染の12時間後又は24時間後に鼻腔内投与される、実施形態49に記載の方法。
61.前記改変型抗体の治療のための投与が、RSVウイルス負荷がM.O.I約0.01であるヒト患者に、RSV感染の48時間後に鼻腔内投与される、実施形態49に記載の方法。
62.RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のアミノ酸配列を有する3つの重鎖可変相補性決定領域(VH CDR)及び3つの軽鎖可変CDR(VL CDR)を含むF(ab)'フラグメントの治療有効量を、それを必要としている前記患者に投与することを含み、前記投与が肺への投与であり、RSVの流行期の間に行われる、前記方法。
63.ヒト患者が、成人又は高齢患者である、実施形態62に記載の方法。
64.前記患者のCOPDによる該患者の入院が、前記F(ab)’フラグメントの治療有効量の投与を受けていない又はプラセボの同様の患者と比較して軽減又は回避される、実施形態63に記載の方法。
65.前記ヒト患者の入院期間が、プラセボ、又は前記抗体の治療のための投与を受けていないヒトと比較して、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%低減する、実施形態14又は49に記載の方法。
5.1 抗体
RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体は、当技術分野で公知であることは認識されたい。例えば、パリビズマブは、小児患者におけるRSV感染症の予防に現在使用されているヒト化モノクローナル抗体である。本発明は、表1に記載されているような本発明の改変型抗RSV抗体又はその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することによって、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法を提供する。
RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体は、当技術分野で公知であることは認識されたい。例えば、パリビズマブは、小児患者におけるRSV感染症の予防に現在使用されているヒト化モノクローナル抗体である。本発明は、表1に記載されているような本発明の改変型抗RSV抗体又はその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することによって、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法を提供する。
本発明は、改変型抗体、並びに本発明の抗RSV抗体の有効量を対象に投与することによって、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法であって、該抗体が、改変型IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含むものである、上記抗体及び方法も提供する。
一実施形態では、改変型抗体は、1又は複数のアミノ酸改変を有する。1又は複数のアミノ酸改変は置換でありうる。一実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D、及び332Yである(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。かかるFcドメインのアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較してADCCの増大(3M)を包含する。3Mについての特定の実施形態には、限定されるものではないが、239D、330L及び332Eが含まれる。
別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、233P、234F、234V、235A、235E、265A、327G、330S及び331Sからなる群より選択される(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。かかるFcドメインのアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較してADCCの低減(TM)を包含する。TMについての特定の実施形態には、限定されるものではないが、234F、235E及び331Sが含まれる。
別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸改変は、3M及びTMについて記載したものに加えて、位置251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436における改変との組み合わせである(この付番はKabatにおけるEU指標に従っている)。かかるFcドメインの組み合わせアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較して、ADCCの増大(3M)とin vivo半減期の増大を有する改変型抗体、又はADCCの低減(TM)とin vivo半減期の増大を有する改変型抗体を包含する。ある種の実施形態において、IgG定常ドメインは、239D、330L、332E、252Y、254T及び256Eを含む。別の実施形態において、IgG定常ドメインは、234F、235E、331S、252Y、254T及び256Eを含む。
本発明は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する抗体(改変型)を提供する。好ましくは、本発明の抗体は、RSVの株に依らず1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合する。本発明は、1つのRSV株由来のRSV抗原に、別のRSV株に対して示差的又は選択的に結合する抗体も提供する。特定の実施形態では、本発明の抗体は、RSVのF糖タンパク質、G糖タンパク質又はSHタンパク質に免疫特異的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、RSVのF糖タンパク質に免疫特異的に結合する。別の実施形態では、本発明の抗体は、RSV F糖タンパク質のA、B又はC抗原部位に結合する。
本発明の抗体は、それだけに限らないが、モノクローナル抗体、多重特異抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、一本鎖Fvs(scFv)一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、ジスルフィド連結Fvs(sdFv)細胞内抗体、及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、並びに前記いずれかのエピトープ結合性フラグメントを含む。特に、本発明の抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫活性部分、すなわちRSV抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含んだ分子を包含する。本発明の免疫グロブリン分子は、いずれのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、いずれのクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)、又はいずれのサブクラスの免疫グロブリン分子であってもよい。特定の実施形態では、本発明の抗体(改変型)は、IgG抗体、好ましくはIgG1抗体である。別の特定の実施形態では、本発明の抗体はIgA抗体ではない。
本発明の抗体は、鳥類及び哺乳類(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ又はニワトリ)を含めて任意の動物源に由来してもよい。好ましくは、本発明の抗体は、ヒトの、又はヒト化したモノクローナル抗体である。本明細書で使用する場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、ヒト免疫グロブリンライブラリー、又はヒト遺伝子由来の抗体を発現するマウスから単離した抗体を含む。
本発明の抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性、又はより大きな多重特異性であってもよい。多重特異性抗体は、RSVポリペプチドの異なるエピトープに特異的でもよく、又はRSVポリペプチドと異種ポリペプチドや固体支持材料などの異種エピトープとの両方に特異的でもよい。例えば、PCT公報のWO 93/17715号、WO 92/08802号、WO 91/00360号及びWO 92/05793号、Tutt, et al., J. Immunol. 147: 60-69 (1991)、米国特許第4,474,893号、第4,714,681号、第4,925,648号、第5,573,920号及び第5,601,819号、並びにKostelny et al., J. Immunol. 148: 1547-1553 (1992)を参照されたい。
本発明は、本明細書に記載のアッセイで高い効力を示す抗体を提供する。高効力抗体は、同時係属中の米国特許出願第60/168,426号、第60/186,252号、米国出願公開第2002/0098189号、及び米国特許第6,656,467号(それらの全体を参照により本明細書に援用する)に開示した方法、並びに本明細書に記載の方法によって産生できる。例えば、高効力抗体は、適当な抗体遺伝子配列を遺伝子操作し、適切な宿主中に該抗体配列を発現させることにより、産生できる。産生された抗体をスクリーニングすることにより、例えば、BIAcoreアッセイで高いkon値を有する抗体を特定することができる。
特定の実施形態では、本発明の抗体は、当技術分野で公知又は本明細書に記載のアッセイ(例えば、BIAcoreアッセイ)で評価した場合、パリビズマブ又はその抗体結合性フラグメントより、およそ20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、90倍、100倍又はそれより高い、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対するアフィニティを有する。別の実施形態では、本発明の抗体は、当技術分野で公知又は本明細書に記載のアッセイで評価した場合、パリビズマブ又はその抗原結合性フラグメントより、およそ1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、又はそれより高い倍率のKaを有する。別の実施形態では、本発明の抗体は、in vitro微量中和アッセイにおいて、パリビズマブ又はその抗原結合性フラグメントより、およそ1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、又は20倍以上効力が高い。ある種の実施形態では、微量中和アッセイは、本明細書に記載されているか又はJohnson et al., 1999, J. Infectious Diseases 180: 35-40に記載の微量中和アッセイである。パリビズマブのアミノ酸配列は、例えば、Johnson et al., 1997, J. Infectious Diseases 176: 1215-1224に開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、配列番号7のVHドメイン(若しくは配列番号208のVH鎖)及び/又は配列番号8のVLドメイン(若しくは配列番号209のVL鎖)を含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体である。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、配列番号7のVHドメイン(若しくは配列番号208のVH鎖)及び/又は配列番号8のVLドメイン(若しくは配列番号209のVL鎖)を含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む抗体である。他の実施形態では、本発明の改変型抗体は、改変型パリビズマブ抗体であるか、あるいは配列番号7のVHドメイン(若しくは配列番号208のVH鎖)及び/又は配列番号8のVLドメイン(若しくは配列番号209のVL鎖)を含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む改変型抗体である。
別の実施形態では、本発明は、1種又は複数のRSV抗原に免疫特異的に結合し、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5及び/又はA17h4の1個、2個、3個又はより多数個のCDRのアミノ酸配列(表1参照)を有する1個、2個、3個又はより多数個のCDRを含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む改変型抗体を提供する。別の実施形態では、本発明の抗体は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、前記抗体は、MEDI-524の1個、2個、3個又はより多数個のCDRのアミノ酸配列を有する1個、2個、3個又はより多数個のCDRを含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。また別の実施形態では、本発明は、1種又は複数のRSV F抗原に免疫特異的に結合し、表1に示すようなAFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5及び/又はA17h4のVH CDR及び/又はVL CDRのアミノ酸配列を有するVH CDR及び/又はVL CDRの組合せを含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む、1種又は複数の抗体を提供する。他の実施形態では、本発明の抗体は、RSV F抗原に免疫特異的に結合し、前記抗体は、MEDI-524のVH CDR及び/又はVL CDRのアミノ酸配列(例えば、表1に示すA4B4L1FR-S28R)を有するVH CDR及び/又はVL CDRの組合せを含み、本明細書に記載するような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。
一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号1、配列番号10又は配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号2、配列番号19、配列番号25、配列番号37、配列番号41、配列番号45、配列番号305又は配列番号329のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号3、配列番号12、配列番号20、配列番号29、配列番号79又は配列番号311のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号1、配列番号10又は配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号2、配列番号19、配列番号25、配列番号37、配列番号41、配列番号45、配列番号305又は配列番号329のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号3、配列番号12、配列番号20、配列番号29、配列番号79又は配列番号311のアミノ酸配列を有するVH CDR3とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号19のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号20のアミノ酸配列を有するVH CDR3とを含む。このような実施形態によれば、該抗体はRSV F抗原に免疫特異的に結合する。
一実施形態では、本発明の抗体のVHドメインのアミノ酸配列は、次の通りである:
Q V T L R E S G P A L V K P T
Q T L T L T C T F S G F S L S
T A G M S V G W I R Q P P G K
A L E W L A D I W W D D K K H
Y N P S L K D R L T I S K D T
S K N Q V V L K V T N M D P A
D T A T Y Y C A R D M I F N F
Y F D V W G Q* G T T V T V S S
(配列番号48)
式中、3つの下線領域は、各々VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3領域を示し、4つの非下線領域は、各々VH FR1、FR2、FR3、FR4と相関しており、星印は、パリビズマブのVH FR4(配列番号7)と比較した場合のVH FR4におけるA→Q変異の位置を示す。このVHドメイン(配列番号48)は、本明細書の他所に記載したMEDI-524抗体のVHドメインと同一である。いくつかの実施形態では、このVH FRは、表1で特定されるVH CDRのいずれかと組み合わせて使用できる。一実施形態では、MEDI-524抗体は、VHドメイン(配列番号48)と、本明細書に記載のような、改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含むJohnson et al. (1997), J. Infect. Dis. 176, 1215-1224に記載のCγ-1(nG1m)定常ドメインとを含む。一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号208のアミノ酸配列を有するVH鎖、及び/又は配列番号7のアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号254のアミノ酸配列を有するVH鎖を含む。別の実施形態では、本発明の改変型抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。
Q V T L R E S G P A L V K P T
Q T L T L T C T F S G F S L S
T A G M S V G W I R Q P P G K
A L E W L A D I W W D D K K H
Y N P S L K D R L T I S K D T
S K N Q V V L K V T N M D P A
D T A T Y Y C A R D M I F N F
Y F D V W G Q* G T T V T V S S
(配列番号48)
式中、3つの下線領域は、各々VH CDR1、VH CDR2及びVH CDR3領域を示し、4つの非下線領域は、各々VH FR1、FR2、FR3、FR4と相関しており、星印は、パリビズマブのVH FR4(配列番号7)と比較した場合のVH FR4におけるA→Q変異の位置を示す。このVHドメイン(配列番号48)は、本明細書の他所に記載したMEDI-524抗体のVHドメインと同一である。いくつかの実施形態では、このVH FRは、表1で特定されるVH CDRのいずれかと組み合わせて使用できる。一実施形態では、MEDI-524抗体は、VHドメイン(配列番号48)と、本明細書に記載のような、改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含むJohnson et al. (1997), J. Infect. Dis. 176, 1215-1224に記載のCγ-1(nG1m)定常ドメインとを含む。一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号208のアミノ酸配列を有するVH鎖、及び/又は配列番号7のアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号254のアミノ酸配列を有するVH鎖を含む。別の実施形態では、本発明の改変型抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。
本発明の一実施形態では、Fc改変型抗体は、配列番号4、配列番号14、配列番号22、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号72、配列番号314、配列番号320又は配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号5、配列番号15、配列番号23、配列番号27、配列番号32、配列番号35、配列番号43、配列番号50、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号308、配列番号315、配列番号321、配列番号326、配列番号332又は配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号6、配列番号16又は配列番号61のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号4、配列番号14、配列番号22、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号72、配列番号314、配列番号320又は配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号5、配列番号15、配列番号23、配列番号27、配列番号32、配列番号35、配列番号43、配列番号50、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号308、配列番号315、配列番号321、配列番号326、配列番号332又は配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号6、配列番号16又は配列番号61のアミノ酸配列を有するVL CDR3とを含む。他の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号39のアミノ酸配列を有するVL CDR1と、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2と、配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3とを含む。特定の実施形態では、該抗体は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対して高いアフィニティを有する。
一実施形態では、本発明の抗体のVLドメインのアミノ酸配列は、次の通りである:
D I Q M T Q S P S T L S A S V
G D R V T I T C S A S S R V G
Y M H W Y Q Q K P G K A P K L
L I Y D T S K L A S G V P S R
F S G S G S G T E F T L T I S
S L Q P D D F A T Y Y C F Q G
S G Y P F T F G G G T K V* E I
K
(配列番号11)
式中、3つの下線領域は、各々VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3領域を示し、4つの非下線領域は、各々VL FR1、FR2、FR3、FR4と相関しており、星印は、パリビズマブのVL FR4と比較した場合のVL FR4におけるL→V変異の位置を示す。このVLドメイン(配列番号11)は、本明細書の他所に記載したMEDI-524抗体のVLドメインと同一である。いくつかの実施形態では、このVLフレームワークは、表1で特定されるVL CDRのいずれかと組み合わせて使用できる。一実施形態では、MEDI-524抗体は、VLドメイン(配列番号209)と、並びにJohnson et al. (1997), J. Infect. Dis. 176, 1215-1224及び米国特許第5,824,307号に記載のCκ定常ドメインとを含み、前記抗体は、改変型IgG1などの改変型IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片を含む。一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号209のアミノ酸配列を有するVL鎖及び/又は配列番号8のアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を有するVL鎖及び/又は配列番号11のアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
D I Q M T Q S P S T L S A S V
G D R V T I T C S A S S R V G
Y M H W Y Q Q K P G K A P K L
L I Y D T S K L A S G V P S R
F S G S G S G T E F T L T I S
S L Q P D D F A T Y Y C F Q G
S G Y P F T F G G G T K V* E I
K
(配列番号11)
式中、3つの下線領域は、各々VL CDR1、VL CDR2及びVL CDR3領域を示し、4つの非下線領域は、各々VL FR1、FR2、FR3、FR4と相関しており、星印は、パリビズマブのVL FR4と比較した場合のVL FR4におけるL→V変異の位置を示す。このVLドメイン(配列番号11)は、本明細書の他所に記載したMEDI-524抗体のVLドメインと同一である。いくつかの実施形態では、このVLフレームワークは、表1で特定されるVL CDRのいずれかと組み合わせて使用できる。一実施形態では、MEDI-524抗体は、VLドメイン(配列番号209)と、並びにJohnson et al. (1997), J. Infect. Dis. 176, 1215-1224及び米国特許第5,824,307号に記載のCκ定常ドメインとを含み、前記抗体は、改変型IgG1などの改変型IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片を含む。一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号209のアミノ酸配列を有するVL鎖及び/又は配列番号8のアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号255のアミノ酸配列を有するVL鎖及び/又は配列番号11のアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
特定の実施形態では、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合するFc改変型抗体は、配列番号7、配列番号9、配列番号17、配列番号24、配列番号28、配列番号33、配列番号36、配列番号40、配列番号44、配列番号48、配列番号51、配列番号55、配列番号67、配列番号78、配列番号304、配列番号310、配列番号317、配列番号323又は配列番号328のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号8、配列番号13、配列番号21、配列番号26、配列番号30、配列番号34、配列番号38、配列番号42、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号65、配列番号68、配列番号70、配列番号71、配列番号74、配列番号76、配列番号307、配列番号313、配列番号319、配列番号325、配列番号331又は配列番号334のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。他の実施形態では、RSV F抗原に免疫特異的に結合するFc改変型抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を有するVHドメインと、配列番号11のアミノ酸配列を有するVLドメインとを含む。別の特定の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に対して高いアフィニティ及び/又は高いアビディティを有する。
一実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号1、配列番号10又は配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号4、配列番号14、配列番号22、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号314、配列番号320又は配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR1とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号1、配列番号10又は配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号5、配列番号15、配列番号23、配列番号27、配列番号32、配列番号35、配列番号43、配列番号50、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号308、配列番号315、配列番号321、配列番号326、配列番号332又は配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR2とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号1、配列番号10又は配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR1と、配列番号6、配列番号16又は配列番号61のアミノ酸配列を有するVL CDR3とを含む。このような実施形態によれば、該抗体はRSV F抗原に免疫特異的に結合する。
別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号2、配列番号19、配列番号25、配列番号37、配列番号41、配列番号45、配列番号305又は配列番号329のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号4、配列番号14、配列番号22、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号314、配列番号320又は配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR1とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号2、配列番号19、配列番号25、配列番号37、配列番号41、配列番号45、配列番号305又は配列番号329のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号5、配列番号15、配列番号23、配列番号27、配列番号32、配列番号35、配列番号43、配列番号50、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号308、配列番号315、配列番号321、配列番号326、配列番号332又は配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR2とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号2、配列番号19、配列番号25、配列番号37、配列番号41、配列番号45、配列番号305又は配列番号329のアミノ酸配列を有するVH CDR2と、配列番号6、配列番号16又は配列番号61のアミノ酸配列を有するVL CDR3とを含む。このような実施形態によれば、該抗体はRSV F抗原に免疫特異的に結合する。
別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号3、配列番号12、配列番号20、配列番号29、配列番号79又は配列番号311のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、配列番号4、配列番号14、配列番号22、配列番号31、配列番号39、配列番号47、配列番号314、配列番号320又は配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR1とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号3、配列番号12、配列番号20、配列番号29、配列番号79又は配列番号311のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、配列番号5、配列番号15、配列番号23、配列番号27、配列番号32、配列番号35、配列番号43、配列番号50、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号308、配列番号315、配列番号321、配列番号326、配列番号332又は配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR2とを含む。別の実施形態では、本発明のFc改変型抗体は、配列番号3、配列番号12、配列番号20、配列番号29、配列番号79又は配列番号311のアミノ酸配列を有するVH CDR3と、配列番号6、配列番号16又は配列番号61のアミノ酸配列を有するVL CDR3とを含む。このような実施形態によれば、該抗体はRSV F抗原に免疫特異的に結合する。
本発明はまた、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合するFc改変型抗体であって、RSV抗原に免疫特異的に結合する、本明細書に記載のVHドメイン、VH CDR、VLドメイン及びVL CDRの変異体を含むFc改変型抗体を提供する。本発明はまた、表1に示すようなパリビズマブ、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8C7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4の誘導体を含み、本明細書に記載の改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメイン、又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含み、かつ1種又は複数のRSV抗原(例えばRSV F抗原)に免疫特異的に結合する抗体を提供する。
本発明は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、当業者に公知のフレームワーク領域(例えば、ヒト又は非ヒト断片)を含むFc改変型抗体も提供する。該フレームワーク領域は、天然又はコンセンサスのフレームワーク領域であってもよい。好ましくは、本発明の抗体のフレームワーク領域は、ヒトのものである(ヒトフレームワーク領域の一覧については、例えば、その全体を参照により本明細書に援用するChothia et al., 1998, J. Mol. Biol. 278: 457-479を参照されたい)。特定の実施形態では、本発明の抗体はMEDI-524のフレームワーク領域を含む。
特定の実施形態では、本発明は、RSV F抗原に免疫特異的に結合し、表1に列挙した抗体(すなわち、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4)のCDRの1若しくは複数、及び/又は表1中のCDRの1若しくは複数と、以下の(a)〜(i)の残基の1個、2個、3個若しくはそれより多数個における1若しくは複数のアミノ酸置換を有するヒトフレームワーク領域とのアミノ酸配列を含む、Fc改変型抗体を提供する:(a)マウス抗体フレームワーク(すなわち、ドナー抗体フレームワーク)とヒト抗体フレームワーク(すなわち、アクセプター抗体フレームワーク)との間に相違がある、希少フレームワーク残基、(b)ドナー抗体フレームワークとアクセプター抗体フレームワークとの間に相違がある場合のVenier域残基、(c)ドナー抗体フレームワークとアクセプター抗体フレームワークとの間に相違がある、VH/VL界面の鎖間充填残基、(d)ドナー抗体フレームワークとアクセプター抗体フレームワークとの配列間に相違がある場合の正規残基、特にマウス抗体CDRループの正規クラスの定義に重要なフレームワーク領域、(e)CDRに隣接する残基、(g)抗原との相互作用が可能な残基、(h)CDRとの相互作用が可能な残基、及び(i)VHドメインとVLドメインとの接点残基。ある種の実施形態では、前記抗体は、本明細書に記載の改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。
本発明は、RSV F抗原に免疫特異的に結合し、表1に示すようなAFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4のVHドメイン及び/又はVLドメインあるいはその抗原結合性フラグメントのアミノ酸配列であって、フレームワーク領域中に変異(例えば、1又は複数のアミノ酸置換)を有するアミノ酸配列を含むFc改変型抗体を包含する。ある種の実施形態では、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体は、表1に示すようなAFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8C7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4のVHドメイン及び/又はVLドメインあるいはその抗原結合性フラグメントのアミノ酸配列であって、該VHドメイン及び/又はVLドメインのフレームワーク領域中に1又は複数のアミノ酸残基置換を有するアミノ酸配列を含む。
本発明は、1種又は複数のRSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合し、フレームワーク領域中に変異(例えば、1又は複数のアミノ酸置換)を有するMEDI-524のアミノ酸配列を含む抗体も包含する。ある種の実施形態では、1種又は複数のRSV F抗原に免疫特異的に結合する抗体は、VHドメイン及び/又はVLドメインのフレームワーク領域中に1又は複数のアミノ酸残基置換と、定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)中に1又は複数の改変とを有するMEDI-524のアミノ酸配列を含む。
本発明は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、表1中の抗体(すなわち、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4)のVHドメイン及び/又はVLドメインのアミノ酸配列であって、超可変領域及びフレームワーク領域中に変異(例えば、1又は複数のアミノ酸残基置換)を有するアミノ酸配列を含むFc改変型抗体も包含する。好ましくは、超可変領域及びフレームワーク領域における該アミノ酸置換は、該抗体のRSV抗原に対する結合を改善する。
本発明は、本明細書に示し、RSV抗原に免疫特異的に結合する抗体と異種ポリペプチドとを含む融合タンパク質も提供する。好ましくは、抗体と融合する異種ポリペプチドは、該抗体を呼吸器上皮細胞にターゲティングするために有用である。
5.1.1 抗体Fc領域の改変
本発明は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、そのFc領域に改変を行った改変型抗体を提供する。
本発明は、RSV抗原に免疫特異的に結合し、そのFc領域に改変を行った改変型抗体を提供する。
ある種の実施形態では、該改変型抗体のin vivo半減期は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中に1又は複数の改変を含んでいない同じ抗体と比較して、本明細書に記載の又は当技術分野で公知の方法(実施例6.17を参照されたい)を用いて決定した場合、増大している。いくつかの実施形態では、該改変型抗体のin vivo半減期は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中に1又は複数の改変を含んでいない同じ抗体と比較して、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍又はそれより高倍率増大する。ある種の実施形態では、該改変型抗体のin vivo半減期は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中に1又は複数の改変を含んでいない同じ抗体と比較して、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、25日、30日又はそれより長期間増大する。
特定の実施形態では、in vivo半減期が増大した改変型抗体は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン断片)中に1又は複数のアミノ酸改変(すなわち、置換、挿入又は欠失)を導入することにより、作製する。例えば、その各々の全体を参照により本明細書に援用する、国際公報のWO02/060919号、WO 98/23289号及びWO 97/34631号、並びに米国特許第6,277,375号を参照されたい。他の実施形態では、該改変型抗体は、第2定常CH2ドメイン(ヒトIgG1の残基231〜240)(例えば、配列番号339)及び/又は第3定常CH3ドメイン(ヒトIgG1の残基341〜447)(例えば、配列番号340)の中に1又は複数のアミノ酸改変を有する(付番は上記Kabat等のEU指標に準じている)。
本発明は、FcRnと相互作用する定常ドメイン(例えば、IgG分子の)の特定部分におけるアミノ酸残基及び/又は改変を提供し、該改変によりIgG又はそのフラグメントのFcRnに対するアフィニティが増大する。したがって、本発明は、FcRnと相互作用する1つ又は複数の領域中に1又は複数のアミノ酸改変(すなわち、置換、挿入、欠失及び/又は天然残基)を有する、IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン断片)を含む、分子、好ましくはタンパク質、より好ましくは免疫グロブリン(本願に開示した任意の抗体を含む)を提供し、該改変によりIgG又はそのフラグメントのFcRnに対するアフィニティが増大し、該分子のin vivo半減期も増大する。ある種の実施形態では、1又は複数のアミノ酸改変は、IgGヒンジ-Fc領域(例えば、配列番号342に示したヒトIgG1ヒンジ-Fc領域において)の残基251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436の1若しくは複数、又はアミノ酸配列のアライメントにより決定した場合の、他のIgGヒンジ-Fc領域中の類似残基においてなされる。残基の付番はKabat et al. (1991). Sequences of proteins of immunological interest.(米国保健社会福祉省、ワシントンD.C.)第5版(「Kabat et al」)に記載のEU指標に準じている。抗体改変については、その全体を参照により本明細書に援用する、同時所有、同時係属の米国出願第10/020,354号に記載されている。
別の実施形態では、アミノ酸改変は、ヒトIgG1定常ドメイン(例えば、上記Kabat等に記載のもの)などのヒトIgG定常ドメイン、又はそのFcRn結合性断片(好ましくは、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン断片)においてなされる。ある種の実施形態では、該改変は、該IgG定常ドメインの残基252、254又は256ではなされない(すなわち、すべての改変は、残基251、253、255、285〜290、308〜314、385〜389又は428〜436の1又は複数でなされる)。一実施形態では、該アミノ酸改変は、残基252でのロイシン、254位でのセリン及び/又は256位でのフェニルアラニンによる置換ではない。特にある種の実施形態では、IgG定常ドメイン、ヒンジ-Fcドメイン、ヒンジ-Fcドメイン又は他のそのFcRn結合性断片がマウス由来の場合、このような改変はなされない。
アミノ酸改変は、例えば、残基251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436の1又は複数においてなされ、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)、及びそれに結合する任意の分子のin vivo半減期を増大させ、IgG又はそのフラグメントのFcRnに対するアフィニティを増大させる任意の改変であってもよい。いくつかの実施形態では、該改変型抗体は、示したアミノ酸位置に1又は複数のアミノ酸置換、天然アミノ酸、あるいはその組合せを含む。また、好ましくは、1又は複数の改変により、定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片のFcRnに対する結合アフィニティが、pH7.4よりpH6.0で高くなる。他の実施形態では、該改変は、その分子の生体利用性を変化させ(すなわち、増大又は減少)させ、特に、標的組織の粘膜表面(例えば、肺の)又は他の部分への該分子の輸送(又は濃度又は半減期)を変化(すなわち、増大又は減少)させる。別の実施形態では、該アミノ酸改変は、該分子の肺への輸送又は濃度又は半減期を変化(好ましくは増大)させる。他の実施形態では、該アミノ酸改変は、該分子の心臓、すい臓、肝臓、腎臓、膀胱、胃、大腸又は小腸、気道、リンパ節、神経組織(中枢及び/又は末梢神経組織)、筋肉、上皮、骨、軟骨、関節、血管、骨髄、前立腺、卵巣、子宮、腫瘍又は癌組織などへの輸送(又は濃度又は半減期)を変化(好ましくは増大)させる。
ある種の実施形態では、該IgG定常ドメインは、残基308、309、311、312及び314の1又は複数において改変を含む。いくつかの実施形態では、改変型抗体は、308位にスレオニン、309位にプロリン、311位にセリン、312位にアスパラギン酸、及び/又は314位にロイシンを含む。他の実施形態では、改変型抗体は、308位にイソロイシン、309位にプロリン、及び/又は311位にグルタミン酸を含む。更に別の実施形態では、改変型抗体は、308位にスレオニン、309位にプロリン、311位にロイシン、312位にアラニン、及び/又は314位にアラニンを含む。したがって、ある種の実施形態では、改変型抗体は、308位の残基がスレオニン又はイソロイシンであり、309位の残基がプロリンであり、311位の残基がセリン、グルタミン酸又はロイシンであり、312位の残基がアラニンであり、並びに/あるいは314位の残基がロイシン又はアラニンである定常ドメインを含む。一実施形態では、改変型抗体は、308位にスレオニン、309位にプロリン、311位にセリン、312位にアスパラギン酸、及び/又は314位にロイシンを含む。
いくつかの実施形態では、改変型抗体は、残基251、252、254、255及び256の1又は複数が改変されている定常ドメインを含む。特定の実施形態では、残基251はロイシン又はアルギニン、残基252はチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン又はスレオニン、残基254はスレオニン又はセリン、残基255はアルギニン、ロイシン、グリシン又はイソロイシン、並びに/あるいは残基256はセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アスパラギン又はスレオニンである。より特定の実施形態では、残基251はロイシン、残基252はチロシン、残基254はスレオニン若しくはセリン、残基255はアルギニン、及び/又は残基256はグルタミン酸である。ある種の実施形態では、252位の残基はチロシン、254位の残基はスレオニン、又は256位の残基はグルタミン酸である。他の実施形態では、改変型IgG1などの改変型IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片は、YTE改変を含む、すなわち、252位の残基はチロシン(Y)、残基254の残基はスレオニン(T)、及び残基256の残基はグルタミン酸(E)である。
特定の実施形態では、該アミノ酸改変は、残基428、433、434及び436の1又は複数における置換である。いくつかの実施形態では、残基428はスレオニン、メチオニン、ロイシン、フェニルアラニン又はセリンであり、残基433はリジン、アルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミン又はヒスチジンであり、残基434はフェニルアラニン、チロシン又はヒスチジンであり、並びに/あるいは残基436はヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、スレオニン、リジン又はメチオニンである。より特定の実施形態では、428位及び/又は434位の残基は、各々メチオニン及び/又はヒスチジンで置換されている。
他の実施形態では、該アミノ酸配列は、残基385、386、387及び389の1又は複数における改変を含む。特定の実施形態では、残基385はアルギニン、アスパラギン酸、セリン、スレオニン、ヒスチジン、リジン、アラニン又はグリシンであり、残基386はスレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リジン、アルギニン、イソロイシン又はメチオニンであり、残基387はアルギニン、プロリン、ヒスチジン、セリン、スレオニン又はアラニンであり、並びに/あるいは残基389はプロリン、セリン又はアスパラギンである。より特定の実施形態では、位置385、386、387及び389の1又は複数は、各々アルギニン、スレオニン、アルギニン及びプロリンである。更に別の実施形態では、位置385、386及び389の1又は複数は、各々アスパラギン酸、プロリン及びセリンである。
いくつかの実施形態では、アミノ酸改変は、残基251、252、254、255、256、308、309、311、312、314、385、386、387、389、428、433、434及び/又は436の1個又は組合せでなされ、該改変は特に、これらの残基に対して直前に記載したアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態では、本発明の分子は、以下:すなわち残基251のロイシン、残基252のチロシン、残基254のスレオニン又はセリン、残基255のアルギニン、残基308のスレオニン、残基309のプロリン、残基311のセリン、残基312のアスパラギン酸、残基314のロイシン、残基385のアルギニン、残基386のスレオニン、残基387のアルギニン、残基389のプロリン、残基428のメチオニン、及び/又は残基434のチロシンの1又は複数を有する、Fc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。
ある種の実施形態では、該FcRn結合性断片は、残基251、252、254、255、256、308、309、311、312、314、385、386、387、389、428、433、434及び/又は436の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個又は全18個において改変を有する。
IgG定常ドメイン配列(例えば、上記のKabat等を参照されたい)の天然変異のために、ある種の例では、第1のアミノ酸残基は、所与の位置にある第2のアミノ酸残基で置換(又は、他の方式で改変)されることがあり、あるいは、第2残基は抗体中の該所与の位置に既に存在していることもあり、その場合置換は不要である(例えば、252位のMetはMetのままである)。アミノ酸改変は、当技術分野で公知の任意の方法によりなすことができ、このような多数の方法は、当業者にとって周知であり、常套的である。限定するわけではないが、例えば、アミノ酸の置換、欠失及び挿入は、PCRに基づく任意の周知方法を用いて実現し得る。アミノ酸置換は、部位特異的突然変異によってなし得る(例えば、共にその全体を参照により本明細書に援用する、Zoller and Smith, Nucl. Acids Res. 10: 6487-6500, 1982; Kunkel, Proc. Natl. Acad. Sci USA 82: 488, 1985を参照されたい)。FcRnに対するアフィニティの増大及びin vivo半減期の増大を起こす変異体は、周知で常套的なアッセイを用いて、容易にスクリーニングできる。好ましい方法では、アミノ酸置換は、IgG定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片中の1又は複数の残基において導入され、該変異定常ドメイン又は断片は、バクテリオファージの表面上に発現され、次いでそのFcRn結合アフィニティの増大がスクリーニングされる。
好ましくは、該改変アミノ酸残基は表面露出残基である。その上、アミノ酸置換をする際、好ましくは、置換対象のアミノ酸残基は保存的アミノ酸置換であり、例えば、極性残基は極性残基で置換され、親水性残基は親水性残基で置換され、疎水性残基は疎水性残基で置換され、正荷電残基は正荷電残基で置換され、又は負荷電残基は負荷電残基で置換される。更にまた、好ましくは、改変アミノ酸残基は、種間にまたがって高度又は完全には保存されておらず、並びに/又は定常ドメイン三次構造及びFcRn結合性を維持するために重要である。限定するわけではないが、例えば、残基310のヒスチジンの改変は好ましくない。
FcRnに対するアフィニティが増大した特定のFcドメイン変異体は、残基308〜314(310位のヒスチジン及び313位のトリプトファンは固定)に変異を有するヒトIgG1変異体分子のライブラリーから3回のパニング後に単離したもの、残基251〜256(253位のイソロイシンは固定)に対するライブラリーの5回のパニング後に単離したもの、残基428〜436(429位のヒスチジン、430位のグルタミン酸、431位のアラニン、432位のロイシン、及び435位のヒスチジンは固定)に対するライブラリーの4回のパニング後に単離したもの、並びに残基385〜389(388位のグルタミン酸は固定)に対するライブラリーの6回のパニング後に単離したものである。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、1又は複数のアミノ酸改変を有するFc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。好ましくは、1又は複数のアミノ酸改変は置換でありうる。一実施形態において、1又は複数のアミノ酸置換は、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D、及び332Yである(この付番体系はKabatに記載のEU指標のものである)。かかるFcドメインのアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較してADCCの増大(3M)を包含する。3Mについての特定の実施形態には、限定されるものではないが、239D、330L及び332Eが含まれる。別の実施形態において、1又は複数のアミノ酸改変は、3Mについて記載したものに加えて、位置251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436における改変との組み合わせである(この付番はKabatにおけるEU指標に従っている)。かかるFcドメインの組み合わせアミノ酸置換は、該アミノ酸置換を含まない同じ抗体と比較して、ADCCの増大(3M)とin vivo半減期の増大のいずれかを有する改変型抗体を包含する。ある種の実施形態において、IgG定常ドメインは、239D、330L、332E、252Y、254T及び256Eを含む。Fc領域の251〜256位にあるアミノ酸残基のうち、以下の残基からなる群より選択される:すなわち、残基252はチロシン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン又はスレオニンであり、残基254はスレオニンであり、残基255はアルギニン、ロイシン、グリシン又はイソロイシンであり、残基256はセリン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸又はスレオニンである。特定の実施形態では、少なくとも1個のアミノ酸改変は、以下の残基からなる群より選択される:すなわち、残基251はロイシン、残基252はチロシン、残基254はスレオニン、残基255はアルギニン、及び残基256はグルタミン酸。ある種の実施形態では、残基252はロイシン、アラニン又はバリンではなく、残基253はアラニンではなく、残基254はセリン又はアラニンではなく、残基255はアラニンではなく、並びに/あるいは残基256はアラニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン又はアスパラギンではない。
別の実施形態では、本発明の改変型抗体は、Fc領域の285〜290位にあるアミノ酸残基のうち、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有するFc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。特定の実施形態では、残基285はアラニンではなく、残基286はアラニン、グルタミン、セリン又はアスパラギン酸ではなく、残基288はアラニンではなく、残基289はアラニンではなく、並びに/あるいは残基290はアラニン、グルタミン、セリン、グルタミン酸、アルギニン又はグリシンではない。
いくつかの実施形態では、本発明の改変型抗体は、Fc領域の308〜314位にあるアミノ酸残基のうち、以下の残基:308位のスレオニン、309位のプロリン、311位のセリン、及び312位のアスパラギン酸からなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有するFc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。別の実施形態では、本発明の抗体は、308位のイソロイシン、309位のプロリン、及び311位のグルタミン酸からなる群より選択される、1又は複数の特定の改変を含む。別の実施形態では、改変型抗体は、308位のスレオニン、309位のプロリン、及び311位のロイシンからなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を含む。ある種の実施形態では、309位はアラニンではなく、310位はアラニンではなく、311位はアラニン又はアスパラギンではなく、312位はアラニンではなく、並びに/あるいは314位はアルギニンではない。
したがって、ある種の実施形態では、改変型抗体は、Fc領域中に以下の残基:308位の残基はスレオニン又はイソロイシン、309位の残基はプロリン、311位の残基はセリン、グルタミン酸又はロイシン、312位の残基はアスパラギン酸、及び314位の残基はロイシン又はアラニンからなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有する定常ドメインを含む。一実施形態では、該改変型抗体は、Fc領域中に以下の残基:308位にスレオニン、309位にプロリン、311位にセリン、312位にアスパラギン酸、及び314位にロイシンからなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有する定常ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、Fc領域の385〜389位にあるアミノ酸残基のうち、以下の残基:残基385はアルギニン、アスパラギン酸、セリン、スレオニン、ヒスチジン、リジン、アラニン又はグリシンであり、残基386はスレオニン、プロリン、アスパラギン酸、セリン、リジン、アルギニン、イソロイシン又はメチオニンであり、残基387はアルギニン、プロリン、ヒスチジン、セリン、スレオニン又はアラニンであり、及び残基389はプロリン、セリン又はアスパラギンからなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有するFc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。特定の実施形態では、位置385、386、387及び389にあるアミノ酸残基の1又は複数は、各々アルギニン、スレオニン、アルギニン及びプロリンである。別の特定の実施形態では、位置385、386及び389にあるアミノ酸残基の1又は複数は、各々アスパラギン酸、プロリン及びセリンである。特定の実施形態では、位置386、388及び389のいずれか1つにあるアミノ酸は、アラニンではない。
いくつかの実施形態では、該アミノ酸改変は、残基428〜436の1又は複数においてなされる。特定の実施形態では、残基428はスレオニン、メチオニン、ロイシン、フェニルアラニン又はセリンであり、残基433はアルギニン、セリン、イソロイシン、プロリン、グルタミン又はヒスチジンであり、残基434はフェニルアラニン、チロシン又はヒスチジンであり、並びに/あるいは残基436はヒスチジン、アスパラギン、アルギニン、スレオニン、リジン又はメチオニンである。より特定の実施形態では、428位及び/又は434位の残基は、各々メチオニン及び/又はヒスチジンで置換されている。いくつかの実施形態では、430位のアミノ酸残基はアラニンではなく、433位のアミノ酸残基はアラニン又はリジンではなく、434位のアミノ酸はアラニン又はグルタミンではなく、435位のアミノ酸はアラニン、アルギニン又はチロシンではなく、並びに/あるいは436位のアミノ酸はアラニン又はチロシンではない。
別の実施形態では、本発明の抗体は、Fc領域中に、残基251のロイシン、残基252のチロシン、残基254のスレオニン、残基255のアルギニン、残基308のスレオニン、残基309のプロリン、残基311のセリン、残基312のアスパラギン酸、残基314のロイシン、残基385のアルギニン、残基386のスレオニン、残基387のアルギニン、残基389のプロリン、残基428のメチオニン及び残基434のチロシンからなる群より選択される、1又は複数の特定のアミノ酸残基を有するFc領域又はそのFcRn結合性断片を含んでいる。
一実施形態では、本発明は、非改変分子と比べ、in vivo半減期及びFcRnに対するアフィニティを増大させた(そしていくつかの実施形態では、粘膜表面又は他の標的組織への輸送の増減などの生体利用性の変化)改変型免疫グロブリン分子を提供する。このような免疫グロブリン分子は、自然にFcRn結合性断片を含有するIgG分子、及び他の非IgG免疫グロブリン(例えば、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、又はFcRn結合性断片を含有するように操作された免疫グロブリン(すなわち、非IgG免疫グロブリン又はその一部及びFcRn結合性断片を含む融合タンパク質)のフラグメントを包含する。両方の例で、該FcRn結合性断片は、FcRnに対する定常ドメイン断片のアフィニティを増大させる、上記のような1又は複数のアミノ酸改変を有する。
改変型免疫グロブリンは、当技術分野で周知であり、本明細書に記載した、特異的な抗原-抗体結合をアッセイするための免疫アッセイにより決定した場合、抗原と結合し(好ましくは、免疫特異的に、すなわち、非特異的結合と競合しない)、FcRn結合性断片を含んだ任意の免疫グロブリン分子を包含する。
本発明のIgG分子及びそのFcRn結合性断片は、好ましくはIgGのIgG1サブクラスであるが、所与の動物の他の任意のIgGサブクラスであってもよい。例えば、ヒトのIgGクラスは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含み、マウスのIgGクラスは、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2c及びIgG3を含む。ある種のIgGサブクラス、例えば、マウスのIgG2b及びIgG2cは、例えばIgG1より高いクリアランス速度を有する(Medesan et al., Eur. J. Immunol., 28: 2092-2100, 1998)。したがって、IgG1以外のIgGサブクラスを使用する場合、IgG1配列と異なる、特にCH2ドメイン及びCH3ドメイン中の残基の1又は複数を、IgG1の残基で置換することにより、該他のIgGタイプのin vivo半減期を増大させることが、有利となり得る。
免疫グロブリン(及び本明細書で使用する他のタンパク質)は、鳥類及び哺乳類を含めて、任意の動物源に由来してもよい。一実施形態では、該抗体は、ヒト、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ又はニワトリである。本明細書で使用する場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、下記、及び例えば、Kucherlapati他による米国特許第5,939,598号に記載のように、ヒト免疫グロブリンライブラリー、又は1種若しくは複数のヒト免疫グロブリンのトランスジーンを有し、内因性免疫グロブリンを発現しない動物から単離される抗体を包含する。
本発明の抗体(例えば、RSV抗原に対するアフィニティ及び/又はアビディティが増大した抗体)及び/又は他の治療用抗体の改変により、in vivo半減期を高めると、該治療用抗体の有効投与量の減少及び/又は投与頻度の減少が可能となる。このような改変によるin vivo半減期の増大は、診断用免疫グロブリンを改善するためにも、例えば、十分な診断感度を実現するために用量を減らした投与を可能とするためにも、有用となり得る。
定常ドメインのアミノ酸残基251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436における1又は複数の改変は、当業者に公知の任意の技法を利用して導入し得る。アミノ酸残基251〜256、285〜290、308〜314、385〜389及び428〜436に1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片は、例えば結合アッセイによってスクリーニングすることにより、FcRnレセプターに対するアフィニティが増大した定常ドメイン又はその断片を特定し得る(例えば、下記のセクション5.5及び5.6に記載のもの)。定常ドメイン又はその断片のFcRnレセプターに対するアフィニティを増大させる、ヒンジ-Fcドメイン又はその断片における改変を抗体中に導入することにより、前記抗体のin vivo半減期を増大させることができる。更に、定常ドメイン又はその断片のFcRnに対するアフィニティを増大させる、定常ドメイン又はその断片における改変を生物活性分子と融合することにより、前記生物活性分子のin vivo半減期を増大させる(及び、好ましくは、該分子の生体利用性を変化(増減)させる、例えば、粘膜表面(又は他の標的組織)(例えば、肺)への輸送を増減させる)ことができる。
5.1.2 抗体コンジュゲート及び融合タンパク質
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、診断剤、検出可能剤若しくは治療剤、又は他の任意の分子にコンジュゲート又は組換え融合させる。in vivo半減期を増大させることが望ましい場合、前記抗体は改変型抗体とすることができる。該コンジュゲート又は組換え融合抗体は、特定の治療の効力決定などの臨床試験手順の一部として、例えば、RSV URI及び/又はLRIの開始、発症、進行及び/又は重度をモニター又は予後診断するために、有用であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、診断剤、検出可能剤若しくは治療剤、又は他の任意の分子にコンジュゲート又は組換え融合させる。in vivo半減期を増大させることが望ましい場合、前記抗体は改変型抗体とすることができる。該コンジュゲート又は組換え融合抗体は、特定の治療の効力決定などの臨床試験手順の一部として、例えば、RSV URI及び/又はLRIの開始、発症、進行及び/又は重度をモニター又は予後診断するために、有用であり得る。
更に、本発明の抗体は、所与の生物学的応答を調節する治療用部分又は薬物部分にコンジュゲート又は組換え融合してもよい。該治療用部分又は薬物部分は、古典的な化学療法剤に限られるとみなすべきではない。例えば、該薬物部分は、所望の生物活性を有するタンパク質、ペプチド又はポリペプチドであってもよい。このようなタンパク質には、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、コレラ毒素又はジフテリア毒素などの毒素; 腫瘍壊死因子、γ-インターフェロン、α-インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、アポトーシス剤、例えばTNF-γ、TNF-γ、AIM I(国際公報WO97/33899号を参照されたい)、AIM II(国際公報WO97/34911号を参照されたい)、Fasリガンド(Takahashi et al., 1994, J. Immunol., 6: 1567-1574を参照されたい)及びVEGF(国際公報WO99/23105号を参照されたい)、抗血管形成剤、例えばアンギオスタチン、エンドスタチン又は凝固経路の成分(例えば、組織因子)などのタンパク質;あるいは生物学的応答調節物質、例えばリンホカイン(例えば、γ-インターフェロン、インターロイキン-1(「IL-1」)、インターロイキン-2(「IL-2」)、インターロイキン-5(「IL-5」)、インターロイキン-6(「IL-6」)、インターロイキン-7(「IL-7」)、インターロイキン-9(「IL-9」)、インターロイキン-10(「IL-10」)、インターロイキン-12(「IL-12」)、インターロイキン-15(「IL-15」)、インターロイキン-23(「IL-23」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」)及び顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、又は成長因子(例えば、成長ホルモン(「GM」))、又は凝固剤(例えば、カルシウム、ビタミンK、それだけに限らないが、ハーゲマン因子(第XII因子)などの組織因子、高分子キニノーゲン(HMWK)、プレカリクレイン(PK)、血液凝固タンパク質の第II因子(プロトロンビン)、第V、XIIa、VIII、XIIIa、XI、XIa、IX、IXa、Xの各因子、リン脂質及びフィブリン単量体)が挙げられる。
本発明は、異種のタンパク質又はポリペプチド(又はその断片、好ましくはアミノ酸が約10個、約20個、約30個、約40個、約50個、約60個、約70個、約80個、約90個又は約100個のポリペプチド)に組換え融合又は化学的にコンジュゲートし、融合タンパク質を生成する、本発明の抗体(例えば、改変型抗体)を包含する。特に、本発明は、本発明の抗体の抗原結合性フラグメント(例えば、Fabフラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、F(ab)2フラグメント、VHドメイン、VH CDR、VLドメイン、又はVL CDR)と、異種のタンパク質、ポリペプチド又はペプチドとを含む融合タンパク質を提供する。好ましくは、抗体が融合する異種のタンパク質、ポリペプチド又はペプチドは、特定の細胞型に該抗体をターゲティングするのに有用である。例えば、特定の細胞型により発現される細胞表面受容体(例えば、免疫細胞)に免疫特異的に結合する抗体は、本発明の改変型抗体に融合又はコンジュゲートしてもよい。
一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、A1e9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8C7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4抗体と、異種ポリペプチドとを含む。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、A1e9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8C7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4の抗原結合性フラグメントと、異種ポリペプチドとを含む。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、表1に列挙したVHドメインのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1又は複数のVHドメイン、又は表1に列挙したVLドメインのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1又は複数のVLドメインと、異種ポリペプチドとを含む。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、表1に列挙したVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1又は複数のVH CDRと、異種ポリペプチドとを含む。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、表1に列挙したVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1又は複数のVL CDRと、異種ポリペプチドとを含む。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、表1に列挙した少なくとも1種のVHドメイン及び少なくとも1種のVLドメインと、異種ポリペプチドとを含む。更に別の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、表1に列挙した少なくとも1種のVH CDR及び少なくとも1種のVL CDRドメインと、異種ポリペプチドとを含む。
その上、本発明の抗体は、放射性金属イオン、例えば213Biなどのα線源などの治療用部分に、又はそれだけに限らないが、131In、131LU、131Y、131Ho、131Smを含めた放射性金属イオンのポリペプチドへのコンジュゲートに有用な大環状キレート剤にコンジュゲートできる。ある種の実施形態では、大環状キレート剤は、リンカー分子を介して抗体に結合できる1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N'',N'''-テトラ酢酸(DOTA)である。このようなリンカー分子は、当技術分野で一般に公知であり、各々の全体を参照により援用する、Denardo et al., 1998, Clin Cancer Res. 4(10):2483-90; Peterson et al., 1999, Bioconjug. Chem. l0(4):553-7;及びZimmerman et al., 1999, Nucl. Med. Biol. 26(8):943-50に記載されている。
抗体に治療用部分(ポリペプチドを含む)を融合又はコンジュゲートする方法は、周知であり、例えば、Arnon et al., "Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy", Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeld et al.(編), pp. 243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985); Hellstrom et al., "Antibodies For Drug Delivery", Controlled Drug Delivery (2nd Ed.), Robinson et al.(編), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987); Thorpe, "Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review", Monoclonal Antibodies 84: Biological And Clinical Applications, Pinchera et al.(編), pp. 475-506 (1985); "Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy", Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwin et al.(編), pp. 303-16 (Academic Press 1985), Thorpe et al., 1982, Immunol. Rev. 62:119-58;並びに米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号、第5,723,125号、第5,783,181号、第5,908,626号、第5,844,095号及び第5,112,946号; 欧州特許第307,434号、欧州特許第367,166号、欧州特許第394,827号;PCT公報のWO 91/06570号、WO 96/04388号、WO 96/22024号、WO 97/34631号及びWO 99/04813号; Ashkenazi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 10535-10539, 1991; Traunecker et al., Nature, 331:84-86, 1988; Zheng et at., J. Immunol., 154:5590-5600, 1995; Vil et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:11337-11341, 1992;並びに"Methods of Preventing and Treating RSV Infections and Related Conditions"という名称の2005年10月14日に出願された米国仮出願第60/727,043号;及び"Methods of Administering/Dosing Anti-RSV Antibodies for Prophylaxis and Treatment of RSV Infections and Respiratory Conditions"という名称のGenevieve Losonskyにより2005年10月14日に出願された米国仮出願第60/727,042号を参照されたいが、いずれもその全体を参照により本明細書に援用する。
特に、融合タンパク質は、例えば、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフリング及び/又はコドンシャッフリング(「DNAシャッフリング」と総称する)の技法により生成し得る。本発明の抗体の活性を変化させる(例えば、アフィニティを高め、解離速度を低減した抗体)ために、DNAシャッフリングを採用してもよい。全般的には、米国特許第5,605,793号、第5,811,238号、第5,830,721号、第5,834,252号及び第5,837,458号; Patten et al., 1997, Curr. Opinion Biotechnol. 8:724-33; Harayama, 1998, Trends Biotechnol. 16(2):76-82; Hansson, et al., 1999, J. Mol. Biol. 287:265-76;並びに Lorenzo and Blasco, 1998, Biotechniques 24(2):308-313(これらの特許及び刊行論文は、各々その全体を参照により本明細書に援用する)を参照されたい。抗体又はコードされた抗体は、エラープローンPCR、ランダムヌクレオチド挿入又は他の方法により、組換え前にランダム突然変異誘発を起こして改変してもよい。本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドは、1種又は複数の異種分子の1又は複数の成分、モチーフ、セクション、部分、ドメイン、断片などと組換えてもよい。
RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の抗体に対して、コンジュゲート又は組換え融合する治療用部分又は薬物は、所望の治療効果を発揮するように選択すべきである。本発明の抗体にコンジュゲート又は組換え融合する治療用部分又は薬物は、いずれにすべきかを決定する場合、臨床家又は他の医療従事者は、疾患の特性、疾患の重度、及び対象の状態を考慮すべきである。
5.2 抗体の治療用途
本発明は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を管理、治療及び/又は改善するために、対象、好ましくはヒト(例えば、その必要のある対象)に本発明の抗体を投与することを含む、抗体に基づく治療に関する。本発明の治療剤は、それだけに限らないが、本発明の抗体(本明細書に記載するような、その類縁体及び誘導体を含む)並びに本発明の抗体をコードする核酸(本明細書に記載するような、その類縁体及び誘導体と、抗イディオタイプ抗体を含む)を包含する。本発明の抗体は、当技術分野で公知又は本明細書に記載の医薬として許容できる組成物中に入れてもよい。
本発明は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を管理、治療及び/又は改善するために、対象、好ましくはヒト(例えば、その必要のある対象)に本発明の抗体を投与することを含む、抗体に基づく治療に関する。本発明の治療剤は、それだけに限らないが、本発明の抗体(本明細書に記載するような、その類縁体及び誘導体を含む)並びに本発明の抗体をコードする核酸(本明細書に記載するような、その類縁体及び誘導体と、抗イディオタイプ抗体を含む)を包含する。本発明の抗体は、当技術分野で公知又は本明細書に記載の医薬として許容できる組成物中に入れてもよい。
RSV感染症のアンタゴニストとして機能する本発明の抗体は、RSV URI及び/又はLRI、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけには限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を治療又は改善するために、対象、好ましくはヒトに投与できる。例えば、RSV抗原と宿主細胞レセプターとの相互作用を妨害又は予防する抗体は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を予防、管理、治療及び/又は改善するために、対象、好ましくはヒトに投与してもよい。
特定の実施形態では、本発明の抗体は、RSVの宿主細胞レセプターとの結合を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイ、例えば競合アッセイ又は微量中和アッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下での宿主細胞レセプターとのRSV結合に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%防止又は阻害する。別の実施形態では、本発明の抗体の組み合わせは、RSVの宿主細胞レセプターとの結合を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下での宿主細胞レセプターとのRSV結合に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%防止又は阻害する。ある種の実施形態では、本発明の1種又は複数の改変型抗体は、単独で、又は組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体の組み合わせは、RSVの宿主及びレセプターとの結合を防止又は阻害するために、並びに/あるいはRSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を管理、治療及び/又は改善する際に、相乗的に作用する。
特定の実施形態では、本発明の抗体(改変型)は、RSV誘発融合を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下でのRSV誘発融合に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%防止又は阻害する。別の実施形態では、本発明の抗体の組み合わせは、RSV誘発融合を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下でのRSV誘発融合に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%防止又は阻害する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、肺におけるRSV力価を約1倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約8倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、約50倍、約55倍、約60倍、約65倍、約70倍、約75倍、約80倍、約85倍、約90倍、約95倍、約100倍、約105倍、約110倍、約115倍、約120倍、約125倍又はそれより高い倍率、減少させる。RSV力価の減少倍率は、陰性対照(プラシーボなど)と比較、別の治療(それだけに限らないが、パリビズマブによる治療を含む)と比較、又は抗体投与前の該患者の力価と比較してもよい。
特定の実施形態では、本発明の抗体は、RSV複製を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下でのRSV複製に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%阻害又は下方制御する。別の実施形態では、本発明の抗体の組み合わせは、RSV複製を、当業者に公知又は本明細書に記載のアッセイにおいて、前記抗体の不在下又は陰性対照の存在下でのRSV複製に比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%阻害又は下方制御する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、上気道におけるRSV力価を約1倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約8倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、約50倍、約55倍、約60倍、約65倍、約70倍、約75倍、約80倍、約85倍、約90倍、約95倍、約100倍、約105倍、約110倍、約115倍、約120倍、約125倍又はそれより高い倍率、減少させる。RSV力価の減少倍率は、陰性対照(プラシーボなど)と比較、別の治療(それだけに限らないが、パリビズマブによる治療を含む)と比較、又は抗体投与前の該患者の力価と比較してもよい。他の実施形態では、本発明の抗体は、下気道におけるRSV力価を約1倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約8倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、約50倍、約55倍、約60倍、約65倍、約70倍、約75倍、約80倍、約85倍、約90倍、約95倍、約100倍、約105倍、約110倍、約115倍、約120倍、約125倍又はそれより高い倍率、減少させる。RSV力価の減少倍率は、陰性対照(プラシーボなど)と比較、別の治療(それだけに限らないが、パリビズマブによる治療を含む)と比較、又は抗体投与前の該患者の力価と比較してもよい。本発明の抗体は、単独で、又は他種の治療(例えば、ホルモン療法、免疫療法及び抗炎症剤)と併用して投与してもよい。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、他の治療と相乗的に作用する。一般に、患者と同種である、種由来又は種反応性の産物(抗体の場合)を投与することが好ましい。したがって、他の実施形態では、ヒト由来の、又はヒト化した抗体、誘導体、類縁体又は核酸が、治療のためにヒト患者に投与される。
RSVに対する免疫アッセイと、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善とのいずれに対しても、RSV抗原に免疫特異的に結合する、高アフィニティ及び/又は有効in vivo阻害性の抗体、並びに/あるいは中和抗体を使用することが可能である。また、RSVに対する免疫アッセイと、RSV感染症の治療(例えば、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善)とのいずれに対しても、RSV抗原に免疫特異的に結合する、高アフィニティ及び/又は有効in vivo阻害性の抗体、並びに/あるいは中和抗体をコードするポリヌクレオチドを使用することが可能である。このような抗体は、RSV F糖タンパク質及び/又は該F糖タンパク質の断片に対してアフィニティを有することが好ましいであろう。
一実施形態では、本発明は、現行治療薬の代替として、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善する方法も提供する。特定の実施形態では、該現行治療薬は、患者にとって毒性が高過ぎることが判明したか、又は判明し得る(すなわち、許容できない又は耐えられない副作用を生じる)。別の実施形態では、本発明の抗体は、現行治療薬と比較して副作用を減少させる。別の実施形態では、患者は現行治療薬に不応であることが判明した。このような実施形態では、本発明は、他の抗感染症治療薬を全く用いずに本発明の1種又は複数の抗体を投与する。ある種の実施形態では、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の患者は、その感染症が目立って消失せず、及び/又はその症状が目立って軽減しなかった場合、治療薬に不応である。患者が不応か否かの判定は、感染症に対する治療薬の有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法により、in vivo、in vitroのいずれかで、このような関係における「不応」の当技術分野認知の意味を用いて下すことができる。様々な実施形態では、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)の患者は、ウイルスの複製が、治療後に減少せず、又は増大した場合、不応である。
特定の実施形態では、本発明は、一次ウイルス感染に対する1種又は複数の二次反応を管理、治療及び/又は改善する方法であって、本発明の1種又は複数の抗体の有効量を、単独で、あるいは、他の治療(例えば、他の治療剤)の有効量と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。一次ウイルス感染に対する二次反応の例には、それだけに限らないが、粘膜刺激に対する喘息様反応性、全呼吸抵抗の増大、ウイルス、細菌及び真菌の二次感染症に対する感受性増大、並びにそれだけに限らないが、細気管支炎、肺炎、クループ、熱性気管支炎などの状態の発現が挙げられる。
他の実施形態では、本発明の改変型抗体は、受動免疫療法で(治療のために)使用することができる。改変型抗体がまた延長した半減期のFc改変を含む程度にまで、受動免疫治療は、該抗体の用量及び/又は投与頻度を減らして実現でき、その結果、副作用の減少、患者コンプライアンスの改善、治療/予防薬費用の低下などが実現される。他の実施形態では、該治療薬は、RSVに結合する抗体、例えば、本明細書に記載した抗RSV抗体の1種又は複数であり、前記抗体は改変型抗体である。ある種の実施形態では、本発明の抗体は、受動免疫療法に使用できる。
他の実施形態において、RSVに感染したヒト患者は、その必要がある患者に、3つの可変重鎖相補性決定領域(VH CDR)及び3つの可変軽鎖CDR(VL CDR)を含み、VH CDR 1(配列番号10)、VH CDR 2(配列番号19)及びVH CDR 3(配列番号20)のアミノ酸配列を有し、かつVL CDR 1(配列番号39)、VL CDR 2(配列番号5)及びVL CDR 3(配列番号6)のアミノ酸配列を有するF(ab)’フラグメントの治療有効量を投与することにより治療され、この投与は、肺投与であり、RSV流行期に行われる。典型的には、成人及び高齢者において、RSV流行期の最中にRSV感染症及び/又はRSV疾患の「スパイク(spike)」が生じる。このF(ab)’フラグメントによる治療方法は、治療有効量の該F(ab)’フラグメントの投与を受けていない又はプラセボの患者の同様のコホートと比較して、COPDのために入院する患者の数が低減すると考えられる。
5.3 抗体の投与方法、頻度及び用量設定
一実施形態において、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患又はRSV URI及び/若しくはLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)の管理、治療及び/又は改善において使用するための組成物は、本明細書に記載のような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメインを含むMEDI-524、又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。また別の実施形態において、本発明の組成物は、1又は複数の本発明の融合タンパク質を含む。
一実施形態において、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患又はRSV URI及び/若しくはLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)の管理、治療及び/又は改善において使用するための組成物は、本明細書に記載のような改変型IgG(例えばIgG1)定常ドメインを含むMEDI-524、又はそのFcRn結合性断片(例えばFcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。また別の実施形態において、本発明の組成物は、1又は複数の本発明の融合タンパク質を含む。
多様な送達系が知られており、治療剤(例えば、本発明の改変型抗体)を投与するために使用できるが、そのような系には、それだけに限らないが、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル中への封入、抗体を発現できる組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス(例えばWu and Wu, J. Biol. Chem. 262: 4429-4432 (1987)を参照されたい)、レトロウイルスや他のベクターの一部としての核酸の構築が挙げられる。治療剤(例えば、本発明の抗体)、又は医薬組成物を投与する方法には、それだけに限らないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内及び皮下)、硬膜外又は粘膜(例えば、鼻腔内及び他の経路)が挙げられる。特定の実施形態では、治療剤(例えば、本発明の抗体)、又は医薬組成物は、鼻腔内、筋肉内、静脈内又は皮下に投与される。該治療剤又は組成物は、任意の都合よい経路により、例えば、注入又はボーラス注入により、上皮又は粘膜皮膚層(例えば、口内粘膜、鼻腔内粘膜、直腸及び腸粘膜など)を介した吸収により投与してもよく、他の生物活性剤と共に投与してもよい。投与は全身的でも局所的でもよい。その上、例えば、吸入器又はネブライザー及びエアロゾル化剤を含む製剤の使用により、肺投与も採用できる。例えば、その各々の全体を参照により本明細書に援用する、米国特許第6,019,968号、第5,985,320号、第5,985,309号、第5,934,272号、第5,874,064号、第5,855,913号、第5,290,540号及び第4,880,078号、並びにPCT公報のWO 92/19244号、WO 97/32572号、WO 97/44013号、WO 98/31346号及びWO 99/66903号を参照されたい。特定の実施形態では、本発明の抗体又は本発明の組成物は、Alkermes AIRTM肺薬物送達技術(Alkermes, Inc., Cambridge, MA)を用いて投与される。
特定の実施形態では、治療剤又は本発明の医薬組成物は、治療を要する区域に局所的に投与することが望ましい場合もある。これは、限定するわけではないが、例えば、局所注入、局所投与(例えば、鼻腔内スプレー)、注射又は埋込みによって実現し得るが、前記埋込みは、シアラスティック(sialastic)膜などの膜や繊維を含めた多孔質、非多孔質又はゼラチン質材料からなる。本発明の抗体を投与する際、好ましくは、該抗体を吸収しない材料を使用するように注意しなければならない。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、本発明の1種、2種又はより多種の抗体を含む。別の実施形態では、本発明の組成物は、本発明の1種、2種又はより多種の抗体と、本発明の抗体以外の治療剤とを含む。好ましくは、該薬剤は、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせを治療、管理及び/又は改善するために、有用であることが知られており、あるいはこれまで使用されており、又は現在使用されているものである。治療剤の他に、本発明の組成物は担体を含んでもよい。
本発明の組成物は、単位投与剤形の調製に使用できる医薬組成物(例えば、対象又は患者への投与に適切な組成物)の製造に有用な、薬物バルク組成物を包含する。別の実施形態では、本発明の組成物は医薬組成物である。このような組成物は、治療有効量の1種若しくは複数の治療剤(例えば、本発明の改変型抗体あるいは他の治療剤)と、医薬として許容できる担体とを含む。好ましくは、該医薬組成物は、対象への投与の経路に適するように製剤される。
特定の実施形態では、「担体」という用語は、治療薬と共に投与する、希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントのアジュバント(完全及び不完全))、賦形剤又は媒体を指す。このような医薬担体は、無菌液、例えば水、及びピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油などの石油、動物、植物又は合成起源の油であってよい。該医薬組成物を静脈内に投与する場合、水は他の担体である。塩水溶液並びにデキストロース及びグリセロールの水溶液も、特に注射液用の液体担体として使用できる。適切な医薬賦形剤には、澱粉、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白墨、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望であれば、該組成物は、少量の湿潤剤若しくは乳化剤又はpH緩衝剤を含むこともできる。このような組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、丸薬、カプセル、散剤、持続放出製剤などの剤形を取ることができる。経口製剤は、医薬等級のマンニトール、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的担体を含むことができる。適切な医薬担体の例は、E. W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。このような組成物は、予防又は治療有効量の該抗体を好ましくは純粋形態で、適当量の担体と共に含むことにより、患者への投与に適当な剤形をもたらすことになろう。該製剤は投与方式に適合すべきである。
他の実施形態では、該組成物は、人間への静脈内投与に適した医薬組成物として常套的手順に従って製剤される。静脈内投与用組成物は、通常、無菌、等張の緩衝水溶液である。必要であれば、該組成物は、安定化剤と、注射部位の痛みを改善するために、リグノカムネ(lignocamne)などの局所麻酔剤とを含んでもよい。しかし、このような組成物は、静脈内投与以外の経路により投与してもよい。
本発明の組成物の成分は、一般に、単位投与剤形中に、例えば、活性成分の量を示すアンプルやサッシェなどの気密容器中の凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として、別々に又は混合して供給される。該組成物を注入により投与しようとする場合、滅菌した医薬等級の水又は塩水を含んだ注入瓶でそれを調合できる。該組成物を注射により投与する場合、注射滅菌水又は塩水のアンプルを用意し、投与前に各成分を混合することができる。
本発明は、本発明の抗体が、抗体の量を示すアンプルやサッシェなどの気密容器中に封入されることも提供する。一実施形態では、該抗体は、気密容器中の滅菌乾燥した凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として供給され、対象に投与するために、例えば水又は塩水で適当な濃度に液戻しすることができる。好ましくは、該抗体は、気密容器中の滅菌乾燥した凍結乾燥粉末として、少なくとも0.5mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg又は少なくとも3mg、より好ましくは、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg又は少なくとも75mgの単位用量で供給される。該凍結乾燥抗体は、元の容器中2〜8℃で保存でき、液戻し後、該抗体は、12時間以内、好ましくは6時間以内、5時間以内、3時間以内、又は1時間以内に投与できる。代替的実施形態では、改変型抗体は、該抗体の量及び濃度を示す気密容器中、液状形態で供給される。好ましくは、該抗体の液状形態は、気密容器中少なくとも0.1mg/ml、少なくとも0.5mg/ml又は少なくとも1mg/ml、より好ましくは、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも3mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも30mg/ml又は少なくとも60mg/mlで供給される。
本発明の組成物は、中和形又は塩形として製剤することができる。医薬として許容できる塩には、塩酸、リン酸、酢酸、蓚酸、酒石酸などから誘導される塩などの、陰イオンで形成されるもの、及びナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導される塩などの、陽イオンで形成されるものが挙げられる。
呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に有効と思われる、治療剤(例えば、本発明の抗体)又は本発明の組成物の量は、標準的な臨床技法によって決定できる。例えば、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に有効と思われる、治療剤又は本発明の抗体を含む組成物の用量は、該組成物をコットンラットに投与し、該コットンラットに105pfuのRSVをチャレンジした後のRSV力価を測定し、該治療剤又は該組成物を投与していないコットンラットで得られたRSV力価と、前記RSV力価を比較することによって決定できる。したがって、105pfuのRSVでチャレンジしたが、該治療剤又は該組成物でチャレンジしていないコットンラットに比較して、105pfuのRSVでチャレンジしたコットンラットにおけるRSV力価の2ログ減少又は99%低下を起こす用量が、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善のために、ヒトに投与できる該組成物の用量である。
呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善に有効と思われる組成物の用量は、該組成物を動物モデル(例えば、コットンラット又はサル)に投与し、RSV抗原に免疫特異的に結合する改変型抗体の血清力価、肺濃度、あるいは鼻甲介及び/又は鼻汁の濃度を測定することによって決定できる。したがって、血清力価が約0.1μg/ml〜約450μg/ml、いくつかの実施形態では、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.2μg/ml、少なくとも0.4μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも0.6μg/ml、少なくとも0.8μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも1.5μg/ml、好ましくは、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも30μg/ml、少なくとも35μg/ml、少なくとも40μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも75μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも400μg/ml、又は少なくとも450μg/mlとなる、抗体又は組成物の用量を、呼吸器症状、例えば限定されるものではないが、RSV感染症及び/又はRSV疾患の長期的結果、例えば、喘息、喘鳴、反応性気道疾患(RAD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又はそれらの組み合わせの治療、管理及び/又は改善のために、ヒトに投与できる。その上、in vitroアッセイを場合により用いて、最適な用量範囲を確定する補助としてもよい。
製剤中で使用すべき正確な用量は、投与経路並びにRSV URI及び/若しくはLRI又は中耳炎の重度にも依存することになろうから、医師の判断及び各患者の状況に従って決定すべきである。有効用量は、in vitro又は動物モデル(例えば、コットンラット若しくはカニクイザル)の試験系から導かれる用量反応曲線から外挿してもよい。
本発明の抗体に関しては、患者に投与する用量は、患者体重基準で通常0.025mg/kg〜100mg/kgである。いくつかの実施形態では、患者に投与する用量は、患者体重基準で約3mg/kg〜60mg/kgである。患者に投与する用量は、好ましくは患者体重基準で0.025mg/kg〜20mg/kg、より好ましくは患者体重基準で1mg/kg〜15mg/kgである。一般に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドに対する免疫反応のために、人体中で他種由来の抗体より長い半減期を有する。したがって、より低い用量のヒト抗体で、投与頻度を減らすことが可能なことも多い。更に、本発明の抗体の投与量及び投与頻度は、例えば脂質化などの修飾により、該抗体の取り込み及び組織浸透(例えば、鼻腔及び/又は肺中への)を高めることによって、減少し得る。他の実施形態では、投与すべき用量は、患者体重基準で約100mg/kg、約60mg/kg、約50mg/kg、約40mg/kg、約30mg/kg、約15mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約2mg/kg、約1mg/kg、約0.80mg/kg、約0.50mg/kg、約0.40mg/kg、約0.20mg/kg、約0.10mg/kg、約0.05mg/kg又は約0.025mg/kgである。
特定の実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物は、RSV流行期の直前(例えば、3カ月以内、2カ月以内、1カ月以内)又はその間に月1回投与される。別の実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物は、RSV流行期の直前又はその間に2カ月毎に投与される。別の実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物は、RSV流行期の直前又はその間に3カ月毎に投与される。別の実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物は、RSV流行期の直前又はその間に1回投与される。別の実施形態では、本発明の抗体は、RSV流行期の間に2回、最も好ましくは1回投与される。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、RSV流行期の直前に投与され、場合により、RSV流行期の間に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物は、RSV流行期の直前又はその間に少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、最長1週間24時間毎に投与される。特定の実施形態では、本発明の抗体、又は本発明の抗体を含む組成物の毎日の投与は、RSV感染を初めて認めた直後(すなわち、患者が鼻づまり及び/又は他の上気道症状を示すとき)であるが、下気道疾患を予防するように、臨床的に有意な肺内疾患の発現前(すなわち、下気道疾患の発症前)に行われる。別の実施形態では、本発明の改変型抗体、又は本発明の改変型抗体を含む組成物は、患者がRSV流行期中にRSV URIの症状を呈している間、1日1回約3日間鼻腔内に投与される。あるいは、別の実施形態では、本発明の改変型抗体、又は本発明の改変型抗体を含む組成物は、患者がRSV流行期中にRSV URIの症状を呈している間、2日に1回、少なくとも1週間鼻腔内に投与される。また別の実施形態において、本発明の改変型抗体は、M.O.I約0.1のRSVウイルス負荷を有するヒト患者にRSV感染の12時間後に鼻腔内投与される。また別の実施形態において、本発明の改変型抗体は、M.O.I約0.1のRSVウイルス負荷を有するヒト患者にRSV感染の24時間後に鼻腔内投与される。また別の実施形態において、本発明の改変型抗体は、M.O.I約0.01のRSVウイルス負荷を有するヒト患者にRSV感染の48時間後に鼻腔内投与される。
「RSV流行期」という用語は、RSV感染が最も起こり易い時期を指す。北半球でのRSV流行期は、通常、11月に始まり、4月まで続くが、北半球では地域の気候に応じて8月から6月まで延長される。好ましくは、該抗体はMEDI-524のVH及びVLドメインを含み、本明細書に記載のような改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)、又はその抗原結合性フラグメントを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、およそ60mg/kg以下、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、又はおよそ1.5mg/kg以下、RSV流行期中に5回、4回、3回、2回、好ましくは1回、対象、好ましくはヒトに投与される。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、RSV流行期中に約1〜12回対象に投与され、該用量は、医師が決定した場合、必要であれば例えば、1週毎、2週毎、1月毎、2月毎、3月毎に投与してもよい。いくつかの実施形態では、RSV流行期中、低用量(例えば、5〜15mg/kg)を高頻度(例えば、3〜6回)に投与することができる。他の実施形態では、RSV流行期中、高用量(例えば、30〜60mg/kg)を低頻度(例えば、1〜3回)に投与することができる。しかし、当業者には明らかと思われるが、他の投与量及び投与計画も容易に決定でき、本発明の範囲内である。他の実施形態では、本発明の抗体は、表1における1種若しくは複数のVHドメイン若しくはVH鎖及び/又は1種若しくは複数のVLドメイン若しくはVL鎖を含み、本明細書で特定したIgG定常ドメイン中の残基における改変などの、前記した改変型定常ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、およそ60mg/kg以下、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、RSV流行期中に5回患者に、対象に、好ましくはヒトに、筋肉内又は鼻腔内投与される。別の実施形態では、本発明の抗体は、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、RSV流行期中に3回患者に、対象に、好ましくはヒトに、筋肉内又は鼻腔内投与される。更に別の実施形態では、本発明の抗体は、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、RSV流行期中に2回、最も好ましくは1回、対象に、好ましくはヒトに、筋肉内又は鼻腔内投与される。別の実施形態では、本発明の改変型抗体は、およそ1mg/kg以下、およそ0.1mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg、RSV流行期中に1日1回少なくとも3日間、あるいは2日に1回少なくとも1週間、対象に、好ましくはヒトに、鼻腔内投与される。
特定の実施形態では、持続放出製剤中の本発明の抗体は、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、対象、好ましくはヒトに投与され、それにより、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を予防、管理、治療及び/又は改善する。別の特定の実施形態では、持続放出製剤ではない本発明の抗体のボーラスは、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、対象、好ましくはヒトに投与され、それにより、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を予防、管理、治療及び/又は改善し、ある一定期間の後、持続放出製剤中の本発明の抗体が、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、RSV流行期中に2回、3回又は4回(好ましくは1回)、前記対象(例えば、筋肉内又は鼻腔内)に投与される。この実施形態によれば、ある一定期間は1〜5日、1週、2週又は1月の場合がある。別の実施形態では、持続放出製剤中の本発明の改変型抗体は、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、RSV流行期中に対象に、好ましくはヒトに、筋肉内又は鼻腔内に、2回、3回又は4回(好ましくは1回)投与され、それにより、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を予防、管理、治療及び/又は改善する。
別の実施形態では、本発明の1種又は複数の抗体は、およそ60mg/kg、およそ45mg/kg以下、およそ30mg/kg以下、およそ15mg/kg以下、およそ10mg/kg以下、およそ5mg/kg以下、およそ3mg/kg以下、およそ2mg/kg以下、およそ1.5mg/kg以下、およそ1mg/kg以下、およそ0.80mg/kg以下、およそ0.50mg/kg以下、およそ0.40mg/kg以下、およそ0.20mg/kg以下、およそ0.10mg/kg以下、およそ0.05mg/kg以下、又はおよそ0.025mg/kg以下、対象に鼻腔内投与され、それにより、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患、又はRSV URI及び/若しくはLRI)、並びに/あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(例えば、喘息、喘鳴及び/若しくはRAD)を予防、管理、治療及び/又は改善する。一実施形態では、本発明の抗体は対象に鼻腔内投与され、それにより、URIを治療し、下気道感染症及び/又はRSV疾患を予防する。
ある種の実施形態では、本発明の改変型抗体(好ましくは、MEDI-524抗体又はMEDI-524-YTEなどの改変型MEDI-524抗体)の単回用量が患者に投与され、該用量は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、あるいは約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg又は約75mg/kgからなる群より選択される。特定の実施形態では、本発明の改変型抗体の単回用量は、年1回又はRSV流行期の間に1回、あるいはRSV流行期前の3カ月以内、2カ月以内又は1カ月以内に1回投与される。いくつかの実施形態では、本発明の抗体の単回用量は、1年が経過するまで(あるいはRSV流行期が経過するまで)、2週(例えば、約14日)間隔で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又は26の回数患者に投与され、該用量は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、あるいは約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg又はそれらの組合せからなる群より選択される(すなわち、1月毎の各用量は同じでも異なってもよい)。
別の実施形態では、本発明の抗体の単回用量は、1年が経過するまで(あるいはRSV流行期が経過するまで)、約1月(例えば、約30日)間隔で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の回数患者に投与され、該用量は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、あるいは約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg又はそれらの組合せからなる群より選択される(すなわち、1月毎の各用量は同じでも異なってもよい)。
一実施形態では、本発明の抗体の単回用量は、1年が経過するまで(あるいはRSV流行期が経過するまで)、約2月(例えば、約60日)間隔で2、3、4、5又は6の回数患者に投与され、該用量は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、あるいは約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg又はそれらの組合せからなる群より選択される(すなわち、2カ月毎の各用量は同じでも異なってもよい)。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体の単回用量は、1年が経過するまで(あるいはRSV流行期が経過するまで)、約3月(例えば、約120日)間隔で2、3又は4の回数患者に投与され、該用量は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、あるいは約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg又はそれらの組合せからなる群より選択される(すなわち、3カ月毎の各用量は同じでも異なってもよい)。
ある種の実施形態では、本発明の抗体の用量を患者に投与する経路は、鼻腔内、筋肉内、静脈内又はそれらの組合せであるが、本明細書に記載の他の経路も許容できる。各用量は、同一の投与経路によって投与してもよいし、投与しなくてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、多数の投与経路を介して、同時に、又は本発明の同じ若しくは異なる抗体の他の用量後に、投与してもよい。
ある種の実施形態では、本発明の抗体は、対象(例えば、乳児、未熟に生まれた乳児、免疫不全対象、医療従事者又は高齢対象)に治療的に投与される。本発明の抗体は、RSV感染症が個体間で伝染するのを防止するため、又は伝染する該感染症を弱めるように、治療的に対象に投与できる。いくつかの実施形態では、該対象は、RSV感染症(例えば、急性RSV疾患又はRSV URI及び/若しくはLRI)の別の個体に既に曝されたか(無症状の場合も、そうでない場合もある)、又は曝される恐れがある。例えば、前記対象には、それだけに限らないが、別のRSV感染小児又は他のRSV感染者と同じ学校又はデイケアにいる小児、他のRSV感染者と同じナーシングホーム(療養所)にいる高齢者、あるいはRSV感染小児又は他のRSV感染者と同じ家庭にいる個人、RSV感染患者の院内医療担当者などが挙げられる。対象に治療的に投与される該抗体は、好ましくは鼻腔内に投与されるが、本明細書に記載の他の投与経路も許容できる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、約0.025mg/kg、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.20mg/kg、約0.40mg/kg、約0.50mg/kg、約0.80mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg又は約50mg/kgの用量で投与される(例えば、鼻腔内に)。より低い用量で、より低い頻度の投与、例えば、2〜4時間、4〜6時間、6〜8時間、8〜10時間、10〜12時間、12〜14時間、14〜16時間、16〜18時間、18〜20時間、20〜22時間、22〜24時間毎に1回(好ましくは、1日1回若しくは2回)、約3日間、約5日間又は約7日間の、あるいはRSV感染者に潜在的又は現実的に曝された後、別に必要な場合の鼻腔内投与(又は他の経路)が好ましい。本明細書に記載の本発明の任意の抗体を使用してもよく、ある種の実施形態では、該抗体は、改変型IgG(例えば、IgG1)定常ドメイン又はそのFcRn結合性断片(例えば、Fcドメイン若しくはヒンジ-Fcドメイン)を含む。
5.4 抗体の診断用途
RSV抗原に免疫特異的に結合する、本発明の標識抗体(改変型)並びにその誘導体及び類縁体は、RSV URI及び/又はLRIを検出、診断又はモニターするための診断目的に使用できる。本発明は、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を検出する方法であって、(a)RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の1種又は複数の抗体を用いて、対象の細胞中又は組織試料中のRSV抗原の発現をアッセイすること、及び(b)該RSV抗原の量を対照の量、例えばRSVに感染していない健常組織試料中の量と比較することを含み、RSV抗原の対照量と比較したRSV抗原のアッセイ量の増大が、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を示す方法を提供する。
RSV抗原に免疫特異的に結合する、本発明の標識抗体(改変型)並びにその誘導体及び類縁体は、RSV URI及び/又はLRIを検出、診断又はモニターするための診断目的に使用できる。本発明は、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を検出する方法であって、(a)RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の1種又は複数の抗体を用いて、対象の細胞中又は組織試料中のRSV抗原の発現をアッセイすること、及び(b)該RSV抗原の量を対照の量、例えばRSVに感染していない健常組織試料中の量と比較することを含み、RSV抗原の対照量と比較したRSV抗原のアッセイ量の増大が、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を示す方法を提供する。
本発明は、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を診断するための診断アッセイであって、(a)RSV抗原に免疫特異的に結合する本発明の1種又は複数の抗体を用いて、個体の細胞中又は組織試料中のRSV抗原の発現をアッセイすること、及び(b)該RSV抗原の量を対照の量、例えばRSVに感染していない健常組織試料中の量と比較することを含み、RSV抗原の対照量と比較したRSV抗原のアッセイ量の増大が、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)を示す診断アッセイを提供する。RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)の診断がより決定的であると、医療従事者は、より早期に予防措置又は積極的治療を施し、それにより、該RSV疾患の発現又は一層の進行を防止できると思われる。
5.5 改変型抗体の生物活性及びアッセイ
本発明の抗体の特性は多種の方法で決定し得る。特に、本発明の抗体は、RSV抗原に対する免疫特異的結合能についてアッセイし得る。このようなアッセイは、溶液中で(例えばHoughten, 1992, Bio/Techniques 13:412-421)、ビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82-84)、チップ上で(Fodor, 1993, Nature 364:555-556)、細菌上で(米国特許第5,223,409号)、胞子上で(米国特許第5,571,698号; 第5,403,484号;及び第5,223,409号)、プラスミド上で(Cull et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)、又はファージ上で(Scott and Smith, 1990, Science 249:386-390; Devlin, 1990, Science 249:404-406; Cwirla et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378-6382;及びFelici, 1991, J. Mel. Biol. 222:301-310)行ってもよい(これらの参考文献は、各々その全体を参照により本明細書に援用する)。RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合すると同定された抗体は、次いでRSV抗原に対するその特異性及びアフィニティについてアッセイすることができる。
本発明の抗体の特性は多種の方法で決定し得る。特に、本発明の抗体は、RSV抗原に対する免疫特異的結合能についてアッセイし得る。このようなアッセイは、溶液中で(例えばHoughten, 1992, Bio/Techniques 13:412-421)、ビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82-84)、チップ上で(Fodor, 1993, Nature 364:555-556)、細菌上で(米国特許第5,223,409号)、胞子上で(米国特許第5,571,698号; 第5,403,484号;及び第5,223,409号)、プラスミド上で(Cull et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)、又はファージ上で(Scott and Smith, 1990, Science 249:386-390; Devlin, 1990, Science 249:404-406; Cwirla et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378-6382;及びFelici, 1991, J. Mel. Biol. 222:301-310)行ってもよい(これらの参考文献は、各々その全体を参照により本明細書に援用する)。RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合すると同定された抗体は、次いでRSV抗原に対するその特異性及びアフィニティについてアッセイすることができる。
本発明の改変型抗体には、当技術分野で公知の任意の方法によって、RSV抗原に対する免疫特異的結合能及び他の抗原との交差反応性についてアッセイを行い得る。免疫特異的結合及び交差反応性を分析するために使用できる免疫アッセイには、それだけに限らないが、ほんのいくつか名を出せば、ウェスタンブロット、放射免疫アッセイ、ELISA(酵素免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光免疫アッセイ、プロテインA免疫アッセイなどの技術を含む競合及び非競合アッセイ系が挙げられる。このようなアッセイは、常套的であり、当技術分野において周知である(例えば、その全体を参照により本明細書に援用するAusubel et al,編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照されたい)。例示的免疫アッセイを以下に簡単に説明する(しかし、限定する意図はない)。
免疫沈降法の手順は、一般に、タンパク質ホスファターゼ及び/又はプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を添加したRIPA緩衝液(1% NP-40又はTriton X-100、1% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.15M NaCl、pH7.2の0.01M リン酸ナトリウム、1% Trasylol)などの溶解緩衝液中で、細胞の集団を溶解し、細胞溶解液に対象とする抗体を添加し、40℃である時間(例えば、1〜4時間)インキュベートし、プロテインA及び/又はプロテインGセファロースビーズを細胞溶解液に添加し、40℃で約1時間以上インキュベートし、該ビーズを溶解緩衝液中で洗浄し、該ビーズをSDS/試料緩衝液中に再懸濁することからなる。該対象抗体が特定の抗原を免疫沈降できるか否かは、例えばウェスタンブロット分析で評価できる。当業者であれば、抗体の抗原との結合性を高め、バックグランドを下げるために変更できるパラメーターに関して熟知されていよう(例えば、セファロースビーズによる細胞溶解液の予備清浄化)。免疫沈降法手順に関する更なる考察のためには、例えばAusubel et al,編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York中の10.16.1を参照されたい。
ウェスタンブロット分析は、一般に、タンパク質試料の調製、該タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル(例えば、抗原の分子量に応じて8%〜20%SDS-PAGE)中での電気泳導、該タンパク質試料のポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDF、ナイロンなどの膜への転写、ブロッキング溶液(例えば、3%BSA入りPBS又は無脂肪ミルク)中での該膜のインキュベーション、洗浄緩衝液(例えば、PBS-Tween 20)中での該膜の洗浄、ブロッキング緩衝液中で希釈した一次抗体(対象抗体)との該膜のインキュベーション、洗浄緩衝液中での該膜の洗浄、ブロッキング緩衝液中で希釈した、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)又は放射性分子(例えば、32P又は125I)とのコンジュゲート化二次抗体(一次抗体を認識するもの、例えば抗ヒト抗体)と共に該膜をインキュベートすること、洗浄緩衝液中での該膜の洗浄、及び抗原の存在の検出からなる。当業者であれば、検出されるシグナルを増大させ、バックグランドノイズを低下させるために変更できるパラメーターに関して熟知していよう。ウェスタンブロット手順に関する更なる考察のためには、例えばAusubel et al,編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, John Wiley & Sons, Inc., New York中の10.8.1を参照されたい。
ELISAは、抗原を調製し、96ウエルマイクロタイタープレートのウエルを該抗原で被覆し、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物にコンジュゲートした対象抗体を該ウエルに添加した後、ある時間インキュベートし、抗原の存在を検出することからなる。ELISAでは、対象抗体は、検出可能な化合物にコンジュゲートする必要はなく、代わりに、検出可能な化合物にコンジュゲートした二次抗体(対象抗体を認識する)をウエルに添加してもよい。更に、抗原でウエルを被覆する代わりに、抗体をウエルに被覆してもよい。この場合、対象抗原の添加後、検出可能な化合物にコンジュゲートした二次抗体を被覆ウエルに添加してもよい。当業者であれば、検出されるシグナルを増大させるために変更できるパラメーター、並びに当技術分野で公知のELISAに関する他の変化に関して熟知していよう。ELISAに関する更なる考察のためには、例えばAusubel et al,編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, John Wiley & Sons, Inc., New York中の11.2.1を参照されたい。
抗体の抗原に対する結合アフィニティ及び抗体-抗原相互作用の解離速度(off-rate)は、競合結合アッセイによって決定できる。競合結合アッセイの一例は、増量させていく非標識抗原の存在下での標識抗原(例えば、3H又は125I)の対象抗体とのインキュベーション、及び標識抗原に結合した該抗体の検出を含む放射免疫アッセイである。本発明の抗体のRSV抗原に対するアフィニティ及び解離速度は、スキャッチャードプロット分析によりそのデータから決定できる。二次抗体との競合も放射免疫アッセイを用いて決定できる。この場合、RSV抗原は、増量させていく非標識二次抗体の存在下、標識化合物(例えば、3H又は125I)にコンジュゲートした本発明の抗体とインキュベートする。
他の実施形態では、BIAcore速度分析は、RSV抗原に対する抗体の結合速度及び解離速度を決定するために使用される。BIAcore速度分析は、表面上に抗体を固定化したチップからRSV抗原の結合及び解離を分析することを含む。
本発明の抗体は、当業者に公知の技法を用いて、RSVの宿主細胞レセプターとの結合に対するその阻害能についてもアッセイすることができる。例えば、RSVに対するレセプターを発現する細胞を、抗体の存在下又は不在下でRSVと接触させることができ、該抗体のRSV結合阻害能を、例えばフローサイトメトリー又はシンチレーションアッセイにより測定できる。RSV(例えば、F糖タンパク質やG糖タンパク質などのRSV抗原)又は該抗体は、RSVと宿主細胞レセプターとの相互作用の検出を可能とするために、放射性標識(例えば、32P、35S及び125I)や蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタールアルデヒド及びフルオレスカミン)などの検出可能な化合物で標識することができる。あるいは、RSVのレセプターとの結合に対する抗体の阻害能は、無細胞アッセイにおいて決定できる。例えば、RSV、又はG糖タンパク質などのRSV抗原は、抗体と接触させることができ、RSV又はRSV抗原の宿主細胞レセプターとの結合に対する該抗体の阻害能を決定できる。好ましくは、該抗体を固相支持体上に固定化し、RSV又はRSV抗原を検出可能な化合物で標識する。あるいは、RSV又はRSV抗原を固相支持体上に固定化し、該抗体を検出可能な化合物で標識する。RSV又はRSV抗原は、部分的若しくは完全に精製してもよく(例えば、他のポリペプチドを部分的若しくは完全に含まない)、又は細胞溶解液の一部であってもよい。更に、RSV抗原は、RSV抗原と、グルタチオニンSトランスフェラーゼなどのドメインとを含む融合タンパク質であってもよい。あるいは、RSV抗原は、当業者に周知の技法(例えば、Pierce Chemicals; Rockford, ILのビオチニル化キット)を用いてビオチニル化できる。
本発明の抗体について、当業者に公知の技法を用いて、RSV複製を阻害又は下方制御する能力もアッセイできる。例えば、Johnson et al., 1997, Journal of Infectious Diseases 176:1215-1224に記載のようなプラークアッセイによりアッセイできる。本発明の改変型抗体について、RSVポリペプチドの発現を阻害又は下方制御する能力もアッセイできる。それだけに限らないが、ウェスタンブロット分析、ノーザンブロット分析及びRT-PCRを含めた当業者に公知の技法が、RSVポリペプチドの発現を測定するために、使用できる。更に、本発明の抗体について、合胞体形成の防止能もアッセイできる。
細胞へのウイルス結合後のRSV誘導融合をブロックする本明細書に記載の抗体又はそのフラグメントの能力は、融合阻害アッセイにおいて測定する。このアッセイは、微量中和アッセイと同一であるが、抗体添加前に4時間にわたり細胞にRSV (Long)を感染させる点が異なる(Taylor et al,1992, J. Gen. Virol. 73:2217-2223)。
本発明の改変型抗体又は組成物について、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-15などの、RSV感染組織/細胞によるサイトカインの発現を誘導又は阻害するその能力をin vivo及びin vitroで試験することができる。当業者に公知の技法を、サイトカインの発現量を測定するために使用できる。例えば、サイトカインの発現量は、例えばRT-PCR及びノーザンブロット分析によるサイトカインのRNA量の分析、並びに例えば免疫沈降法と、その後のウェスタンブロット分析及びELISAによるサイトカイン量の分析によって測定できる。本発明の改変型抗体の結果は、本明細書に記載のように、改変を行わない同じ抗体と比較することができる。サイトカイン応答の差は、相対割合(%):約5%の差、約10%の差、約15%の差、約20%の差、約25%の差、約30%の差、約35%の差、約40%の差、約45%の差、約50%の差、約55%の差、約60%の差、約65%の差、約70%の差、約75%の差、約80%の差、約85%の差、約90%の差、約95%の差、約100%の差などにより定量することができる。本発明の改変型抗体は、一実施形態において、RSV感染組織/細胞によるサイトカインの発現を抑制することが想定される(実施例参照)。
あるいは、サイトカインの発現レベルは、ヒト患者における血清サイトカインレベルを分析することにより測定することができる。このような技術は当業者に周知である。例えば、全血サンプルを処置患者から採取し、管に入れる。血液サンプルを37℃にて、5%CO2飽和加湿インキュベーターにおいてインキュベートする。血液サンプルを遠心し、上清を分離し、急速冷凍し、−20℃にて保存する。続いて、当業者に周知の任意の標準的な慣用のバイオアッセイによりサイトカインをアッセイすることができる。例えば、サイトカインレベル(例えばTNFαなど)を、IRMAキット(Medgenix, Brussels, Belgium)を用いて測定することができる。あるいは、RIAアッセイを、特定のサイトカインに対する特定の市販抗体と共に使用して、全血上清をサンプリングしてもよい。
本発明の抗体又は組成物は、RSV感染組織/細胞に応答した影響因子(affector)及びメモリーリンパ球によるケモカイン、例えば当業者に周知のCC、CXC又はCケモカインなどの発現を誘導又は抑制する能力について、in vitro及びin vivoにおいて試験することができる。当業者に公知の技術を使用して、ケモカインの発現レベルを測定することができる。例えば、ケモカインの発現レベルは、例えばRT-PCR及びノーザンブロット分析によりケモカインのRNAレベルを分析することにより、そして例えば免疫沈降後のウエスタンブロット分析及びELISAによりケモカインのレベルを分析することにより、測定することができる。本発明の改変型抗体の結果は、本明細書に記載のように、改変を行わない同じ抗体と比較することができる。ケモカイン応答の差は、相対割合(%):約5%の差、約10%の差、約15%の差、約20%の差、約25%の差、約30%の差、約35%の差、約40%の差、約45%の差、約50%の差、約55%の差、約60%の差、約65%の差、約70%の差、約75%の差、約80%の差、約85%の差、約90%の差、約95%の差、約100%の差などにより定量することができる。本発明の改変型抗体は、一実施形態において、RSV感染組織/細胞に応答した影響因子及びメモリーリンパ球によるケモカインの発現を抑制することが想定される(実施例参照)。
あるいは、ケモカインの発現レベルは、ヒト患者における血清ケモカインレベルを分析することにより測定することができる。このような技術は当業者に周知である。例えば、全血サンプル上清を上述のように得た後で、ELISAを用いることができる。
本発明の抗体又は組成物について、免疫細胞、好ましくはヒト免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞及びナチュラルキラー細胞)の生物活性を調節するその能力をin vivo及びin vitroで試験することができる。本発明の抗体又は組成物が免疫細胞の生物活性を調節する能力は、抗原の発現の検出、免疫細胞の増殖の検出、シグナル伝達分子の活性化の検出、免疫細胞のエフェクター機能の検出、又は免疫細胞の分化の検出によって評価できる。当業者に公知の技法が、このような活性の測定のために使用できる。例えば、細胞増殖は、3Hチミジン取り込みアッセイ及びトリパンブルー細胞計数によって評価できる。抗原発現は、それだけには限らないが、ウェスタンブロット、免疫組織化学、放射免疫アッセイ、ELISA(酵素免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光免疫アッセイ、プロテインA免疫アッセイ、FACS分析などの技法を用いる競合及び非競合アッセイ系を含めた、例えば免疫アッセイによって、アッセイできる。シグナル伝達分子の活性化は、例えばキナーゼアッセイ及び電気泳動移動アッセイ(EMSA)によってアッセイできる。
本発明の抗体又は組成物について、in vitro、ex vivo及びin vivoのアッセイで、そのウイルス複製の阻害能又はウイルス保有量の減少能を試験することもできる。例えば、本明細書に記載の抗体の中和能は微量中和アッセイにより判定することができる。この微量中和アッセイは、Andersonらによる手順(1985, J. Clin. Microbiol. 22:1050-1052、その開示内容の全体を参照により本明細書に援用する)の変法である。手順はまたJohnsonら1999, J. Infectious Diseases 180:35-40に記載され、その開示内容の全体を参照により本明細書に援用する。簡単に説明すると、抗体の希釈は96ウェルプレートを用いて三重に反復して行う。ウイルスを、試験対象の本発明の抗体の段階希釈液と96ウェルプレートのウェル中で37℃で2時間インキュベートする。RSV感受性HEp-2細胞(2.5×104個)を各ウェルに加え、5% CO2中で37℃で5日間培養することができる。5日後に培地を吸引除去して細胞を洗浄し、80%がメタノールで20%がPBSである溶液で細胞をプレートに固定化する。その後、Fタンパク質の発現によりRSV複製を判定することができる。固定化した細胞をビオチンコンジュゲート化抗Fタンパク質モノクローナル抗体(pan Fタンパク質、C部位特異的mAb 133-1H)とインキュベートし、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化アビジン、及び基質であるTMB(チオニトロ安息香酸)の450nmで測定する代謝回転により検出する。中和価は、450nmでの吸光度(OD450)をウイルスのみを含む対照細胞よりも50%以上減少させる抗体濃度で表す。
本発明の抗体又は組成物について、RSV感染症(例えば、RSV URI及び/又はLRI)、あるいはそれらに関連する症状又は呼吸器症状(それだけに限らないが、喘息、喘鳴、RAD又はそれらの組合せを含む)の時間経過を短縮するその能力を試験することもできる。本発明の抗体又は組成物について、RSV感染症(好ましくは、RSV URI及び/又はLRI)に罹っているヒトの生存期間を少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%又は少なくとも99%延長するその能力を試験することもできる。更に、本発明の抗体又は組成物について、RSV感染症(好ましくは、RSV URI及び/又はLRI)に罹っているヒトの入院期間を、プラセボ又は本発明の抗体の治療投与を受けているヒトと比べて、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%又は少なくとも99%短縮するその能力を試験することもできる。本発明の抗体又は組成物の機能をin vivoで分析するために、当業者に公知の技法を使用できる。
IgG及びそのFcRn断片のIgG定常ドメインを含む分子のFcRnに対する結合能は、様々なin vitroアッセイによって特徴付けることができる。WardによるPCT公報のWO 97/34631号は、様々な方法を詳細に開示しており、その全体を参照により本明細書に援用する。
例えば、本発明の改変型抗体又はそのフラグメントのFcRn結合能を非改変型又は野生型IgGの結合能と比較するためには、該改変型IgG又はそのフラグメントと、非改変型又は野生型IgGとを放射標識し、FcRn発現細胞とin vitroで反応させることができる。次いで、細胞結合分画の放射活性を計数し、比較することができる。このアッセイに使用すべきFcRn発現細胞は、好ましくは、B10.DBA/2マウスの肺に由来するマウス肺毛細血管内皮細胞(B10、D2.PCE)及びC3H/HeJマウスに由来するSV40形質転換内皮細胞(SVEC)(Kim et al., J. Immunol., 40:457-465, 1994)を含めた内皮細胞系である。しかし、10〜14日齢の授乳期マウスから分離され、十分な個数のFcRnを発現する腸刷子縁などの他の細胞型も、使用できる。あるいは、選択した種の組換えFcRnを発現する哺乳動物細胞も、使用できる。改変型IgGの結合分画の放射活性、あるいは非改変型又は野生型の放射活性を計数した後、結合分子を洗浄剤で抽出し、細胞の単位個数当たりの放出率(%)を計算し、比較することができる。
改変型IgGのFcRnに対するアフィニティは、以前に記載されたように例えばBIAcore 2000(BIAcore Inc.)を用いた表面プラズモン共鳴(SPR)測定により、測定できる(いずれもその全体を参照により本明細書に援用する、Popov et al., Mol. Immunol., 33:493-502, 1996; Karlsson et al., J. Immunol. Methods, 145:229-240, 1991)。この方法では、FcRn分子をBIAcoreセンサーチップ(例えば、Pharmacia製CM5チップ)に結合し、固定化FcRnに対する改変型IgGの結合をある一定の流速で測定することにより、BIA評価2.1ソフトウェアを用いてセンサーグラムを得て、それに基づいて改変型IgG、定常ドメイン又はそのフラグメントのFcRnに対する結合速度及び解離速度を計算できる。
改変型IgG又はそのフラグメント、及び非改変型又は野生型IgGのFcRnに対する相対的アフィニティは、単純な競合結合アッセイによっても測定できる。非標識の改変型IgGあるいは非改変型又は野生型IgGを、FcRnを固定化した96ウエルプレートのウエルに様々な量で添加する。次いで、放射標識した非改変型又は野生型IgGの一定量を各ウエルに添加する。非標識の改変型IgGあるいは非改変型又は野生型IgGの量に対して、結合分画の放射活性率(%)をプロットし、改変型ヒンジ-Fcの相対的アフィニティを曲線の傾斜から計算できる。
更にまた、改変型IgG又はそのフラグメント、及び野生型IgGのFcRnに対するアフィニティは、飽和試験及びスキャッチャード分析によっても測定できる。
FcRnによる改変型IgG又はそのフラグメントの細胞の通過は、放射標識したIgG又はそのフラグメント及びFcRn発現細胞を用い、細胞単層の一方の面の放射活性を他方の面の放射活性と比較するin vitro移動アッセイによって、測定できる。あるいは、このような移動は、10〜14日齢の授乳期マウスに放射標識した改変型IgGを飼料から投与し、腸から循環系(又は他の任意の標的組織、例えば肺)へのIgGの移動を示す血液試料中の放射活性を、周期的に計数することによって、in vivoで測定できる。腸を介したIgG移動の用量依存的阻害を試験するために、ある一定比の放射標識IgG及び非標識IgGの混合物をマウスに投与し、血漿の放射活性を周期的に測定することができる(Kim et al., Eur. J. Immunol., 24:2429-2434, 1994)。
改変型IgG又はそのフラグメントの半減期は、その全体を参照により本明細書に援用する、Kim等(Eur. J. of Immuno. 24: 542, 1994)による記載の方法に従った薬物動態試験によって、測定することができる。この方法によれば、放射標識した改変型IgG又はそのフラグメントをマウスの静脈内に注射し、その血漿濃度を時間の関数として、例えば注射後3分〜72時間に周期的に測定する。こうして得られるクリアランス曲線は、二相、すなわちα相及びβ相からなるはずである。改変型IgG又はそのフラグメントのin vivo半減期を決定するために、β相におけるクリアランス速度を計算し、非改変型又は野生型IgGの速度と比較する。
本発明の改変型抗体のエフェクター機能は、ADCCアッセイ(実施例参照)により測定することができる。クロムアッセイは、当技術分野で周知である(例えば、Brunner, K.T. et al., (1968) Quantitative Assay of the Lytic Action of Immune Lymphoid Cells on Cr-labelled Allogenic Target Cells in-vitro; Inhibition by Iso-antibody and by Drugs, Immunology 14,181参照)。より最近では、LDH細胞傷害性アッセイが使用されている。このアッセイは、全ての細胞のサイトゾル中に通常見出される安定な酵素であるが、形質膜の傷害時に上清に迅速に放出する乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の活性の測定に基づく。結果は500nmにおける分光法により分析することができる。かかるアッセイは、キットとして市販品を入手可能であり、したがって当業者には容易に利用可能である。
5.6 抗体の作製方法
抗原に免疫特異的に結合する本発明の抗体は、抗体の合成のための当技術分野において公知の任意の方法、特に化学合成、又は好ましくは組換え発現技法によって作製することができる。本発明の実施には、別途指示しない限り、分子生物学、微生物学、遺伝子分析、組換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチドの合成及び修飾、核酸ハイブリダイゼーション、及び当技術分野の技術に入る関連分野における従来技法が使用される。このような技法は、本明細書に引用した参考文献中に記載され、それらの文献中に十分に説明されている。例えば、Maniatis et al. (1982) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Sambrook et al. (1989), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons"(1987及び年次最新版); Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons(1987及び年次最新版) Gait(編)(1984) Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Eckstein(編)(1991) Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, IRL Press; Birren et al.(編)(1999) Genome Analysis: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。
抗原に免疫特異的に結合する本発明の抗体は、抗体の合成のための当技術分野において公知の任意の方法、特に化学合成、又は好ましくは組換え発現技法によって作製することができる。本発明の実施には、別途指示しない限り、分子生物学、微生物学、遺伝子分析、組換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチドの合成及び修飾、核酸ハイブリダイゼーション、及び当技術分野の技術に入る関連分野における従来技法が使用される。このような技法は、本明細書に引用した参考文献中に記載され、それらの文献中に十分に説明されている。例えば、Maniatis et al. (1982) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Sambrook et al. (1989), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons"(1987及び年次最新版); Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons(1987及び年次最新版) Gait(編)(1984) Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Eckstein(編)(1991) Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, IRL Press; Birren et al.(編)(1999) Genome Analysis: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。
特定のRSV抗原(好ましくは、RSV F抗原)を認識する抗体フラグメントは、当業者に公知の任意の方法により生成し得る。例えば、本発明のFab及びF(ab')2フラグメントは、パパイン(Fabフラグメントの作製)やペプシン(F(ab')2フラグメントの作製)などの酵素を用いた、免疫グロブリン分子のタンパク分解的切断により作製し得る。F(ab')2フラグメントは、可変領域、軽鎖定常領域及び重鎖のCH1ドメインを含む。更に、本発明の抗体は、当技術分野で公知の各種ファージディスプレイ法を用いても生成できる。
例えば、抗体は、各種ファージディスプレイ法を用いても生成できる。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインが、それをコードするポリヌクレオチド配列を担持するファージ粒子の表面上にディスプレーされる。詳細に言えば、VHドメイン及びVLドメインをコードするDNA配列が、動物のcDNAライブラリー(例えば、ヒト又はマウスの罹患組織のcDNAライブラリー)から増幅される。VHドメイン及びVLドメインをコードする該DNA配列は、PCRによってscFvリンカーと共に組換えられ、ファージミドベクター中にクローニングされる。該ベクターを大腸菌(E.coli)内にエレクトロポレーションし、大腸菌にヘルパーファージを感染させる。このような方法に使用するファージは、通常、fd及びM13を含めた糸状ファージであり、VHドメイン及びVLドメインは、普通、該ファージの遺伝子III又は遺伝子VIIIに組換え融合される。特定の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原、例えば、標識抗原、又は固相表面若しくはビーズに結合若しくは捕捉された抗原を用いて、選択又は特定することができる。本発明の抗体を作製するために使用できるファージディスプレイ法の例には、Brinkman et al., 1995, J. Immunol. Methods 182:41-50; Ames et al., 1995, J. Immunol. Methods 184:177-186; Kettleborough et al., 1994, Eur. J. Immunol. 24:952-958; Persic et al., 1997, Gene 187:9-18; Burton et al., 1994, Advances in Immunology 57:191-280; PCT出願PCT/GB第91/O1134号、国際公開WO90/02809号、WO91/10737号、WO92/01047号、WO92/18619号、WO93/11236号、WO95/15982号、WO95/20401号及びWO97/13844号;並びに米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号及び第5,969,108号に開示された方法が挙げられ、その各々の全体を参照により本明細書に援用する。
上記参考文献に記載のように、ファージ選択後、ファージからの抗体コード領域を単離し、使用することにより、ヒト抗体又は他の所望する任意の抗原結合性フラグメントを含み、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母及び細菌を含めた所望する任意の宿主中に発現される、完全な抗体を生成することができる。Fab、Fab'及びF(ab')2フラグメントを組換えで作製する技法も、PCT公開WO92/22324号; MulIinax et al., 1992, BioTechniques 12(6):864-869; Sawai et al., 1995, AJRI 34:26-34;及びBetter et al., 1988, Science 240:1041-1043(前記各参考文献は、その全体を参照により援用する)に開示される方法などの当技術分野で公知の方法を用いて採用することができる。
完全な抗体を生成するために、VH又はVLヌクレオチド配列、制限酵素部位、及び制限酵素部位を保護するための隣接配列を含んだPCRプライマーを使用することにより、scFvクローン中の該VH又はVL配列を増幅することができる。当業者に公知のクローニング技法を利用して、VH定常領域、例えばヒトγ4定常領域を発現するベクター中に該PCR増幅VHドメインをクローニングすることができ、VL定常領域、例えばヒトκ又はλ定常領域を発現するベクター中に該PCR増幅VLドメインをクローニングすることができる。好ましくは、VHドメイン又はVLドメインを発現するベクターは、EF-1αプロモーター、分泌シグナル、該可変ドメイン用クローニング部位、定常ドメイン、及びネオマイシンなどの選択マーカーを含む。該VHドメイン及びVLドメインは、必要な定常領域を発現する1つのベクター中にクローニングしてもよい。次いで、当業者に公知の技法を用いて、重鎖転換ベクター及び軽鎖転換ベクターを細胞系中に共トランスフェクトすることにより、完全長抗体、例えばIgGを発現する、安定又は一過性の細胞系を生成する。
抗体のヒトにおけるin vivo使用及びin vitro検出アッセイを含むいくつかの用途に対しては、ヒト抗体又はキメラ抗体の使用が好ましい場合がある。完全ヒト抗体は、ヒト対象の治療的処置に特に好ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いて、前記のファージディスプレイ法を含めた当技術分野で公知の多様な方法により作製できる。米国特許第4,444,887号及び第4,716,111号;並びに国際公開WO98/46645号、WO98/50433号、WO98/24893号、WO98/16654号、WO96/34096号、WO96/33735号及びWO91/10741号も参照されたい(参照によりその各々の全体を本明細書に援用する)。
ヒト抗体は、機能的な内因性免疫グロブリンを発現できないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現できるトランスジェニックマウスを用いて、作製することもできる。例えば、ヒトの重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体をランダムに、又は相同的組換えにより、マウス胚性幹細胞中に導入してもよい。あるいは、ヒトの該重鎖及び軽鎖遺伝子以外に、ヒトの可変領域、定常領域及び多様性領域をマウス胚性幹細胞中に導入してもよい。マウスの重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同的組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入とは別に、又はそれと同時に非機能性にしてもよい。特に、JH領域のホモ接合型欠失により、内因性抗体の産生が防止される。該改変型胚性幹細胞は、増殖させ、胚盤胞に顕微注入することにより、キメラマウスを作製する。次いで、該キメラマウスを繁殖させて、ヒト抗体を発現するホモ接合体の子を産生する。該トランスジェニックマウスは、選択した抗原、例えば、本発明のポリペプチドの全体又は一部で普通どおりに免疫される。該抗原に対するモノクローナル抗体は、免疫済みの該トランスジェニックマウスから従来のハイブリドーマ技術を用いて得られる。トランスジェニックマウスに保持されるヒト免疫グロブリン移入遺伝子は、B細胞分化中に再編成された後、クラススイッチ及び体細胞変異を受ける。したがって、このような技法を用いて治療上有用なIgG、IgA、IgM及びIgE抗体を作製することが可能である。ヒト抗体を作製するためのこの技術の概要については、Lonberg and Huszar (1995, Int. Rev. Immunol. 13: 65-93)を参照されたい。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を作製するためのこの技術、並びにこのような抗体を作製するための手順に関する詳細な考察については、例えば、その全体を各々参照により本明細書に援用する、PCT公開WO98/24893号、WO96/34096号及びWO96/33735号、並びに米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号及び第5,939,598号を参照されたい。その上、Abgenix, Inc.(Freemont, CA)及びGenpharm(San Jose, CA)は、上記に類似の技術を用いて、選択抗原に対するヒト抗体を提供する事業を行うことができる。
キメラ抗体は、その抗体の異なる部分が異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。キメラ抗体を作製する方法は、当技術分野において公知である。例えば、その全体を各々参照により本明細書に援用する、Morrison, 1985, Science 229:1202; Oi et al., 1986, BioTechniques 4:214; Gillies et al., 1989, J. Immunol. Methods 125:191-202;並びに米国特許第5,807,715号、第4,816,567号、第4,816,397号及び第6,331,415号を参照されたい。
ヒト化抗体は、所定の抗原に結合することができ、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク領域と、非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するCDRとを含む、抗体若しくはその変異体、又はそのフラグメントである。ヒト化抗体は、CDR領域のすべて又は実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域のすべて又は実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列のフレームワーク領域である、少なくとも1つ、通常は2つの可変ドメイン(Fab、Fab'、F(ab')2、Fabc、Fv)の実質的にすべてを含む。好ましくは、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、通常はヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分も含む。普通は、該抗体は、軽鎖と、重鎖の少なくとも可変ドメインとを共に含有するであろう。該抗体は、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3及びCH4各領域を含んでもよい。該ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含めた免疫グロブリンの任意のクラス、並びにIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含めた任意のイソタイプから選択することができる。該定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞傷害活性を示すことが望ましい場合、普通は補体結合性定常ドメインであり、そのクラスは通常IgG1である。このような細胞傷害活性が望ましくない場合、該定常ドメインはIgG2クラスである。本発明のある種の実施形態で使用できるVL及びVHの定常ドメインの例には、それだけに限らないが、Johnson et al. (1997) J. Infect. Dis. 176, 1215-1224に記載のCκ及びCγ1(nG1m)、並びに米国特許第5,824,307号に記載のものが挙げられる。該ヒト化抗体は、複数のクラス又はイソタイプ由来の配列を含んでもよく、所望のエフェクター機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは、当技術分野における通常の技術に入る。ヒト化抗体のフレームワーク領域及びCDR領域は、親配列に精確に一致する必要はなく、例えば、ドナーCDR又はコンセンサスフレームワークは、少なくとも1個の残基の置換、挿入又は欠失で変異する結果、その部位でのCDR又はフレームワークの残基がコンセンサス又は移入抗体に一致しなくてもよい。しかし、このような変異は広範ではないだろう。普通はヒト化抗体残基の少なくとも75%、より頻繁には90%、最も好ましくは95%超は、FR及びCDRの親配列の残基に一致するであろう。ヒト化抗体は、それだけに限らないが、CDRグラフト化(欧州特許第239,400号;国際公開WO91/09967号;並びに米国特許第5,225,539号、第5,530,101号及び第5,585,089号)、veneering法又はresurfacing法(欧州特許第592,106号及び第519,596号、Molecular Immunology 28(415):489-498;-Studnicka et al., 1994, Protein Engineering 7(6):805-814;及びRoguska et al., 1994, PNAS 91:969-973)、チェーンシャフリング(米国特許第5,565,332号)、並びに例えば、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、WO9317105号、Tan et al., J. Immunol. 169:1119 25 (2002), Caldas et at, Protein Eng. 13(5):353-60 (2000), Morea et al., Methods 20(3):267 79 (2000), Baca et al., J. Biol. Chem. 272(16):10678-84 (1997), Roguska et al., Protein Eng. 9(10):895 904 (1996), Couto et al., Cancer Res. 55 (23 Supp):5973s- 5977s (1995), Couto et al., Cancer Res. 55(8):1717-22 (1995), Sandhu JS, Gene 150(2):409-10 (1994)及びPedersen et al., J. Mal. Biol. 235(3):959-73 (1994)に開示されている技法を含めた、当技術分野で公知の多様な技法を用いて作製できる。その全体を参照により本明細書に援用する、米国特許出願公報第2005/0042664号(2005年2月24日)も参照されたい。フレームワーク領域中のフレームワーク残基は、CDRドナー抗体由来の対応する残基で置換されることがしばしばあり、その結果、抗原結合性を変化させ、好ましくは改善するであろう。このようなフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法、例えばCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデル化により特定され、その結果、抗原結合性及び配列比較に重要なフレームワーク残基が特定され、それにより特定位置にある異常なフレームワーク残基が特定される(例えば、その全体を各々参照により本明細書に援用する、Queen他の米国特許第5,585,089号、及びReichmann et al., 1988, Nature 332:323を参照されたい)。
単一ドメイン抗体、例えば、軽鎖を欠いた抗体は、当技術分野で周知の方法により作製できる。その各々の全体を参照により本明細書に援用する、Riechmann et al., 1999, J. Immunol. 231:25-38; NuttalI et al., 2000, Curr. Pharm. Biotechnol. 1(3):253-263; Muylderman, 2001, J. Biotechnol. 74(4):277302; 米国特許6,005,079号;並びに国際公開WO94/04678号、WO94/25591号及びWO01/44301号を参照されたい。
更に、当業者に周知の技法を用いて、抗原を「模倣」した抗イディオタイプ抗体を生成するために、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する抗体を利用できる(例えば、Greenspan & Bona, 1989, FASEB J. 7(5):437-444;及びNissinoff, 1991, J. Immunol. 147(8):2429-2438を参照されたい)。
5.6.1 抗体をコードするポリヌクレオチド
本発明は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する本発明の抗体(改変型)をコードする、ヌクレオチド配列を含んだポリヌクレオチドを提供する。
本発明は、RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する本発明の抗体(改変型)をコードする、ヌクレオチド配列を含んだポリヌクレオチドを提供する。
当技術分野で公知の任意の方法により、該ポリヌクレオチドを得てもよく、該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定してもよい。AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、A1e9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、1X-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、A4B4(1)、MEDI-524、A4B4-F52S、A17d4(1)、A3e2、A14a4、A16b4、A17b5、A17f5又はA17h4のアミノ酸配列は公知なので(例えば、表1を参照されたい)、これらの抗体及びこれらの抗体の改変型変体をコードするヌクレオチド配列は、当技術分野で周知の方法を用いて決定できる、すなわち、その抗体をコードする核酸を生成するように、特定のアミノ酸をコードすることが知られているヌクレオチドコドンを構築する。該抗体をコードするそのようなポリヌクレオチドは、化学合成したオリゴヌクレオチド(例えば、Kutmeier et al., 1994, BioTechniques 17:242に記載)から組み立ててもよく、その方法は、簡単に説明すると、該抗体、フラグメント又はその変異体をコードする配列の一部分を含んだ重複オリゴヌクレオチドの合成、そのようなオリゴヌクレオチドのアニーリング及び連結、並びに該連結オリゴヌクレオチドのPCRによるその後の増幅を伴う。
あるいは、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドは、適当な供給源からの核酸から生成してもよい。特定の抗体をコードする核酸を含んだクローンを入手できないが、該抗体分子の配列が知られている場合には、該免疫グロブリンをコードする核酸は、化学的に合成するか、あるいは、適当な供給源(例えば、抗体cDNAライブラリー、又は、本発明の抗体を発現するように選択したハイブリドーマ細胞などの、該抗体を発現する任意の組織若しくは細胞から生成したcDNAライブラリー、又は、該組織若しくは細胞から単離した核酸、好ましくはポリA+RNA)から、該配列の3'及び5'末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを用いたPCR増幅により、又はその特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いたクローニングにより、例えば、cDNAライブラリーに由来し、該抗体をコードするcDNAクローンを特定することによって、得てもよい。次いで、PCRにより生成した増幅核酸は、当技術分野で周知の任意の方法を用いて、複製可能なクローニングベクター中にクローニングしてもよい。
5.6.2 変異誘発
抗体のヌクレオチド配列が一旦決定されると、該抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列操作のための当技術分野で周知の方法、例えば、組換えDNA技法、部位特異的変異誘発、PCRなど(例えば、その全体を共に参照により本明細書に援用する、Sambrook et al., 1990, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY及びAusubel et al., eds., 1998, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NYに記載の技法を参照されたい)を用いて操作することにより、例えば、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を創作するために、異なったアミノ酸配列を有する抗体を生成し得る。ある種の実施形態では、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入は、抗体のエピトープ結合ドメイン領域中、及び/又はFcRnとの相互作用に関わる抗体のヒンジ-Fc領域中に導入される。
抗体のヌクレオチド配列が一旦決定されると、該抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列操作のための当技術分野で周知の方法、例えば、組換えDNA技法、部位特異的変異誘発、PCRなど(例えば、その全体を共に参照により本明細書に援用する、Sambrook et al., 1990, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY及びAusubel et al., eds., 1998, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NYに記載の技法を参照されたい)を用いて操作することにより、例えば、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を創作するために、異なったアミノ酸配列を有する抗体を生成し得る。ある種の実施形態では、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入は、抗体のエピトープ結合ドメイン領域中、及び/又はFcRnとの相互作用に関わる抗体のヒンジ-Fc領域中に導入される。
特定の実施形態では、CDRの1又は複数が、常套的な組換え技法を用いてフレームワーク領域内に挿入される。該フレームワーク領域は、天然又はコンセンサスのフレームワーク領域であり、好ましくはヒトのフレームワーク領域であってもよい(ヒトのフレームワーク領域の一覧表については、例えばChothia et al., 1998, J. Mol. Biol. 278:457-479を参照されたい)。好ましくは、フレームワーク領域とCDRとの組合せにより生成するポリヌクレオチドは、特定の抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する抗体をコードする。好ましくは、1又は複数のアミノ酸置換を該フレームワーク領域内に起こしてもよく、好ましくは、該アミノ酸置換が該抗体のその抗原に対する結合性を改善する。その上、このような方法を用いて、鎖内ジスルフィド結合に関わる1又は複数の可変領域システイン残基のアミノ酸置換又は欠失を起こし、それによって1又は複数の鎖内ジスルフィド結合を欠いた抗体分子を生成してもよい。該ポリヌクレオチドに対する他の変化は、本発明により包含されており、当技術分野の技術に入る。
変異誘発は、それだけに限らないが、抗体の定常ドメイン又はその断片(例えば、CH2ドメイン又はCH3ドメイン)の改変すべき配列内での1又は複数の改変を有するオリゴヌクレオチドの合成を含む、当技術分野で公知の技法のいずれかに従って、行い得る。所望する変異のDNA配列並びに十分な個数の隣接ヌクレオチドをコードする特定のオリゴヌクレオチド配列の使用により、サイズ及び配列複雑度が十分なプライマー配列を得ることにより、トラバース(traverse)する欠失接合部の両側に安定な二重鎖を形成することによって、部位特異的な変異誘発から変異体を産生できる。通常、長さが約17〜約75ヌクレオチド、又はそれより長く、改変される該接合部の両側には残基が約10〜約25個、又はそれより多数個あるプライマーが好ましい。異なる多様な変異を1つ又は複数の位置に導入するこのような多数のプライマーを使用して、変異体のライブラリーを生成し得る。
部位特異的な変異誘発の技法は、様々な刊行物(例えば、その全体を参照により本明細書に援用する、Kunkel et al., Methods Enzymol., 154:367-82, 1987を参照されたい)によって例示されるように、当技術分野で良く知られている。一般に、部位特異的な変異誘発は、最初に、所望のペプチドをコードするDNA配列をその配列内に含む、一本鎖ベクターを得るか、又は二本鎖ベクターを2本の鎖に融解分離することによって、行われる。所望の変異配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般に合成によって調製される。次いで、このプライマーは、該一本鎖ベクターと共にアニーリングし、T7 DNAポリメラーゼなどのDNA合成酵素に曝すことによって、変異保有鎖の合成を完了する。したがって、1本の鎖が元の非変異配列をコードし、第2の鎖が所望の変異を保有する、ヘテロ二本鎖が形成される。次いで、このヘテロ二本鎖ベクターを使用して大腸菌細胞などの適当な細胞を形質転換し、又はその中にトランスフェクトした後、該変異配列構成を有する組換えベクターを含んだクローンを選択する。理解されているように、この技法では、一本鎖、二本鎖の両形態で存在するファージベクターを通常使用する。部位特異的変異誘発において有用な代表的ベクターには、M13ベクターなどのベクターが含まれる。このようなベクターは商業的に容易に入手でき、その使用法は、当業者に一般に良く知られている。二本鎖プラスミドも、部位特異的変異誘発において常套的に使用されており、その場合は、対象とする遺伝子をプラスミドからファージに移す段階が除かれる。
あるいは、Taq DNAポリメラーゼなどの市販熱安定酵素を用いたPCRTMの使用で、変異誘発オリゴヌクレオチドプライマーを増幅DNA断片中に組み込んでもよく、次いでその断片を適当なクローニング又は発現ベクター中にクローニングできる。PCRTM媒介変異誘発手順に関しては、例えば、その全体を本明細書に共に援用する、Tomic et al., Nucleic Acids Res., 18(6):1656, 1987及びUpender et al., Biotechniques, 18(1):29-30, 32, 1995を参照されたい。熱安定ポリメラーゼ以外に熱安定リガーゼを用いるPCRTMの使用で、リン酸化変異誘発オリゴヌクレオチドを増幅DNA断片中に組み込んでもよく、次いでその断片を適当なクローニング又は発現ベクター中にクローニングしてもよい(例えば、その全体を参照により本明細書に援用する、Michael, Biotechniques, 16(3):410-2, 1994を参照されたい)。
抗体又はそのフラグメントのFcドメインの配列変異体を作製する、当業者公知の他の方法が、使用できる。例えば、抗体又はそのフラグメントの定常ドメインのアミノ酸配列をコードする組換えベクターを、ヒドロキシルアミンなどの変異誘発剤で処理することにより、配列変異体を得てもよい。
5.6.3 パニング
アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片を発現するベクター、特にファージは、FcRnに対するアフィニティの増大又は低減した定常ドメイン又はその断片を特定するためにスクリーニングすることができる。アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合性を分析するために使用できる免疫アッセイには、それだけに限らないが、放射免疫アッセイ、ELISA(酵素免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、蛍光免疫アッセイなどが挙げられる。このようなアッセイは、常套的であり、当技術分野で周知である(例えば、その全体を参照により本明細書に援用する、Ausubel et al.編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照されたい)。例示的な免疫アッセイは、以下の本明細書で簡単に説明されている(しかし、限定することは意図していない)。BIAcore速度分析も、アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合速度及び解離速度を決定するために、使用できる。BIAcore速度分析は、その表面にFcRnを固定化したチップから、アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合及び解離を分析することからなる。
アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片を発現するベクター、特にファージは、FcRnに対するアフィニティの増大又は低減した定常ドメイン又はその断片を特定するためにスクリーニングすることができる。アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合性を分析するために使用できる免疫アッセイには、それだけに限らないが、放射免疫アッセイ、ELISA(酵素免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、蛍光免疫アッセイなどが挙げられる。このようなアッセイは、常套的であり、当技術分野で周知である(例えば、その全体を参照により本明細書に援用する、Ausubel et al.編, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照されたい)。例示的な免疫アッセイは、以下の本明細書で簡単に説明されている(しかし、限定することは意図していない)。BIAcore速度分析も、アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合速度及び解離速度を決定するために、使用できる。BIAcore速度分析は、その表面にFcRnを固定化したチップから、アミノ酸残基において、1又は複数の改変を有する定常ドメイン又はその断片のFcRnに対する結合及び解離を分析することからなる。
5.6.4 配列決定
例えば、可変領域、並びに/あるいは1又は複数のFcドメイン改変を有する定常ドメイン又はその断片をコードするヌクレオチド配列を直接、配列決定するために、当技術分野で公知の多様な配列決定反応のいずれも使用できる。配列決定反応の例には、Maxim and Gilbert (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74:560, 1977)又はSanger (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74:5463, 1977)により開発された技法に基づく反応が挙げられる。また、多様な自動化配列決定手順のいずれも利用でき(Bio/Techniques, 19:448, 1995)、それには質量分析による配列決定(例えば、PCT公開WO94/16101号, Cohen et al., Adv. Chromatogr., 36:127-162, 1996及びGriffin et al., Appl. Biochem. Biotechnol., 38:147-159, 1993を参照されたい)も含まれることも想定している。
例えば、可変領域、並びに/あるいは1又は複数のFcドメイン改変を有する定常ドメイン又はその断片をコードするヌクレオチド配列を直接、配列決定するために、当技術分野で公知の多様な配列決定反応のいずれも使用できる。配列決定反応の例には、Maxim and Gilbert (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74:560, 1977)又はSanger (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74:5463, 1977)により開発された技法に基づく反応が挙げられる。また、多様な自動化配列決定手順のいずれも利用でき(Bio/Techniques, 19:448, 1995)、それには質量分析による配列決定(例えば、PCT公開WO94/16101号, Cohen et al., Adv. Chromatogr., 36:127-162, 1996及びGriffin et al., Appl. Biochem. Biotechnol., 38:147-159, 1993を参照されたい)も含まれることも想定している。
5.6.5 抗体の組換え発現
RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する本発明の抗体(例えば、本発明の抗体の重鎖若しくは軽鎖、又は本発明の一本鎖抗体)の組換え発現には、該抗体をコードするポリヌクレオチドを含んだ発現ベクターの構築が必要である。本発明の抗体分子、抗体の重鎖若しくは軽鎖、又はそれらのフラグメント(必ずというわけではないが、好ましくは、重鎖及び/又は軽鎖の可変ドメインを含む)をコードするポリヌクレオチドを得た後、該抗体分子の産生用ベクターを、当技術分野で周知の技法を用いた組換えDNA技術により作製し得る。したがって、抗体コードヌクレオチド配列を含んだポリヌクレオチドの発現によるタンパク質の調製法は、本明細書に記載されている。抗体コード配列と、適当な転写及び翻訳調節シグナルとを含んだ発現ベクターを構築するために、当業者に周知の方法を使用できる。このような方法には、例えば、in vitro組換えDNA技法、合成技法、in vivo遺伝子組換えなどが挙げられる。したがって、本発明は、本発明の抗体分子、抗体の重鎖若しくは軽鎖、抗体の重鎖若しくは軽鎖可変ドメイン、又はそれらのフラグメント、あるいは重鎖若しくは軽鎖CDRをコードし、プロモーターに機能的に連結したヌクレオチド配列を含んだ、複製可能なベクターを提供する。このようなベクターは、該抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列(例えば、国際公開WO86/05807号及びWO89/01036号;並びに米国特許第5,122,464号を参照されたい)を含んでもよく、該抗体の可変ドメインは、全重鎖、全軽鎖、又は全重鎖及び全軽鎖の両方を発現するために、このようなベクター中にクローニングし得る。
RSV抗原(例えば、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する本発明の抗体(例えば、本発明の抗体の重鎖若しくは軽鎖、又は本発明の一本鎖抗体)の組換え発現には、該抗体をコードするポリヌクレオチドを含んだ発現ベクターの構築が必要である。本発明の抗体分子、抗体の重鎖若しくは軽鎖、又はそれらのフラグメント(必ずというわけではないが、好ましくは、重鎖及び/又は軽鎖の可変ドメインを含む)をコードするポリヌクレオチドを得た後、該抗体分子の産生用ベクターを、当技術分野で周知の技法を用いた組換えDNA技術により作製し得る。したがって、抗体コードヌクレオチド配列を含んだポリヌクレオチドの発現によるタンパク質の調製法は、本明細書に記載されている。抗体コード配列と、適当な転写及び翻訳調節シグナルとを含んだ発現ベクターを構築するために、当業者に周知の方法を使用できる。このような方法には、例えば、in vitro組換えDNA技法、合成技法、in vivo遺伝子組換えなどが挙げられる。したがって、本発明は、本発明の抗体分子、抗体の重鎖若しくは軽鎖、抗体の重鎖若しくは軽鎖可変ドメイン、又はそれらのフラグメント、あるいは重鎖若しくは軽鎖CDRをコードし、プロモーターに機能的に連結したヌクレオチド配列を含んだ、複製可能なベクターを提供する。このようなベクターは、該抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列(例えば、国際公開WO86/05807号及びWO89/01036号;並びに米国特許第5,122,464号を参照されたい)を含んでもよく、該抗体の可変ドメインは、全重鎖、全軽鎖、又は全重鎖及び全軽鎖の両方を発現するために、このようなベクター中にクローニングし得る。
該発現ベクターを、従来技法により宿主細胞へトランスフェクトし、次いで、トランスフェクト細胞を従来技法により培養し、本発明の抗体を産生する。したがって、本発明は、本発明の抗体又はそのフラグメント、あるいはその重鎖若しくは軽鎖又はそのフラグメント、あるいは本発明の一本鎖抗体をコードし、異種プロモーターに機能的に連結するポリヌクレオチドを含んだ宿主細胞を包含する。二重鎖抗体を発現するための好ましい実施形態では、以下に詳述するように、重鎖、軽鎖の両方をコードするベクターを宿主細胞中に同時発現させ、それにより、完全な免疫グロブリン分子を発現させてもよい。
多様な宿主-発現ベクター系を利用することにより、本発明の抗体分子を発現し得る(例えば、米国特許第5,807,715号を参照されたい)。このような宿主-発現系は、対象とするコード配列を作製した後、精製し得る媒体を表わすが、適当なヌクレオチドコード配列で形質転換又はトランスフェクトすると、本発明の抗体分子をその場で発現し得る細胞も表す。このような系には、それだけに限らないが、抗体コード配列を含む、バクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNAの組換え発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌及び枯草菌(B.subtilis));抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミセス・ピヒア(Saccharomyces Pichia))などの微生物;抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;抗体コード配列を含む、組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイクウイルスTMV)に感染したか、又は組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;あるいは哺乳動物細胞のゲノム(例えば、メタロチオネインプロモーター)又は哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含んだ組換え発現構築体を潜ませた哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NS0及び3T3細胞)が挙げられる。特に完全な組換え抗体分子を発現するための、好ましくは大腸菌などの細菌細胞、より好ましくは真核細胞が、組換え抗体分子を発現するために使用される。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞は、ヒトのサイトメガロウイルス由来の主要中初期遺伝子プロモーターエレメントと共用すると、抗体にとって有効な発現系である(Foecking et al., 1986, Gene 45:101及びCockett et al., 1990, Bio/Technology 8:2)。特定の実施形態では、RSV抗原(好ましくは、RSV F抗原)に免疫特異的に結合する本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列の発現は、構成プロモーター、誘導プロモーター又は組織特異的プロモーターによって調節される。
細菌系では、発現される抗体分子に対して意図する用途に応じて、多数の発現ベクターを有利に選択し得る。例えば、抗体分子の医薬組成物を生成するために、このような抗体を多量に作製しようとする場合、精製容易な高濃度の融合タンパク産物の発現を誘導するベクターが、所望のベクターとなり得る。このようなベクターには、それだけに限らないが、抗体コード配列が、lac Zコード領域とフレーム内でベクター中に個別に連結されることにより、融合タンパク質を産生し得る大腸菌発現ベクターpUR278 (Ruther et al., 1983, EMBO 12:1791)、pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13:3101-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 24:5503-5509)などが挙げられる。pGEXベクターも、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現するために、使用し得る。一般に、このような融合タンパク質は、可溶性であり、マトリックスグルタチオンアガロースビーズに吸着・結合した後、遊離グルタチオンの存在下で溶出することにより、容易に溶解細胞から精製できる。該pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物がGST部分から放出されるように、トロンビン又はXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されている。
昆虫系では、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)をベクターとして用い、外来遺伝子を発現させる。該ウイルスはスポドプテラ・フルギパーダ(Spodoptera frugiperda)細胞中で増殖する。抗体コード配列は、非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)中に個別にクローニングし、AcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下に配置し得る。
哺乳動物宿主細胞では、多数のウイルス系発現系を利用し得る。発現ベクターとしてアデノウイルスを用いる場合では、対象とする抗体コード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーター及び三分割リーダー配列に連結し得る。次いで、このキメラ遺伝子は、in vitro又はin vivo組換えによりアデノウイルスゲノムに挿入し得る。該ウイルスの非必須領域(例えば、E1又はE3領域)中に挿入されると、生存でき、感染宿主細胞中で抗体分子を発現できる組換えウイルスが作製される(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8 1:355-359を参照されたい)。挿入された抗体コード配列を効率的に翻訳するには、特定の開始シグナルも必要となり得る。このようなシグナルには、ATG開始コドン及び隣接配列が含まれる。更に、該挿入配列全体の翻訳を確実にするには、該開始コドンは、所望のコード配列のリーディングフレームと同相(in phase)でなければならない。このような外因性の翻訳制御シグナル及び開始コドンは、天然、合成いずれもの多様な起源に由来し得る。発現の効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含むことによって、促進し得る(例えば、Bittner et al., 1987, Methods in Enzymol. 153:51-544を参照されたい)。
その上、該挿入配列の発現を調節するか、又は所望する特定の様式で遺伝子産物を修飾し、プロセシングする宿主細胞系を選択し得る。タンパク質産物のこのような修飾(例えば、グリコシル化)及びプロセシング(例えば、切断)は、該タンパク質の機能にとって重要となり得る。様々な宿主細胞が、タンパク質及び遺伝子産物に翻訳後プロセシング及び修飾をするための特徴的・特異的な機構を有している。発現する外来タンパク質の適正な修飾及びプロセシングを確実とするために、適切な細胞系又は宿主系を選択することができる。このために、一次転写物の適切なプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化及びリン酸化をするための細胞機構を有する真核宿主細胞を使用してもよい。このような哺乳動物宿主細胞には、それだけに限らないが、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2O及びT47D、NS0(免疫グロブリン鎖を全く内因的に産生しないマウス骨髄腫細胞系)、CRL7O3O、HsS78Bstなどの各細胞が挙げられる。
組換えタンパク質を長期高収量で作製するためには、安定な発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定に発現する細胞系を操作してもよい。ウイルスの複製源を含んだ発現ベクターを使用するのではなく、宿主細胞は、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)及び選択マーカーにより制御されたDNAで形質転換をすることができる。外来DNAの導入後、操作した細胞を富化培地中で1〜2日間増殖させてもよく、次いで選択培地に切り換える。組換えプラスミド内の選択マーカーは、この選択に対して耐性を賦与し、細胞は、該プラスミドを染色体中に安定に組み込み、増殖してフォーカスを形成でき、次いでこれをクローニングし、増殖して細胞系にすることができる。この方法は、抗体分子を発現する細胞系を操作するために、有利に使用し得る。このような操作細胞系は、該抗体分子と直接的又は間接的に相互作用する組成物のスクリーニング及び評価において、特に有用となり得る。
それだけに限らないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al., 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)、及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al., 1980, Cell 22:8-17)の各遺伝子を含めた多数の選択系を使用してもよく、そのような遺伝子は、各々tk-細胞、hgprt-細胞又はaprt-細胞中で使用できる。また、代謝拮抗物質耐性も、以下の遺伝子に対する選択基準として使用できる。そのような遺伝子は、メソトレキセートに対して耐性を賦与するdhfr (Wigler et al., 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:357; O'Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527)、ミコフェノール酸に対して耐性を賦与するgpt (Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072)、アミノグリコシドG-418に対して耐性を賦与するneo (Wu and Wu, 1991, Biotherapy 3:87-95; Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. PharmacoI. Toxicol. 32:573-596; Mulligan, 1993, Science 260:926-932及びMorgan and Anderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62:191-217; May, 1993, TIB TECH 11(5):155-2 15)、及びハイグロマイシンに対して耐性を賦与するhygro (Santerre et al., 1984, Gene 30:147)である。組換えDNA技術に関して当技術分野で一般に知られている方法は、所望の組換えクローンを選択するために常套的に適用してもよく、このような方法は、例えば、Ausubel et al.(編), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY (1993); Kriegler, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY (1990)並びにDracopoli et al.(編), Current Protocols in Human Genetics, John Wiley & Sons, NY (1994)の12章及び13章; Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol. Biol. 150:1に記載されているが、それらのものは、その全体を参照により本明細書に援用する。
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増加させることができる(総説としては、Bebbington and Hentschel, The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning, Vol. 3 (Academic Press, New York, 1987)を参照されたい)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養液に存在する阻害剤のレベルの増加によって、マーカー遺伝子のコピー数が増加するであろう。該増幅領域は抗体遺伝子と関係しているので、抗体の産生も増加するであろう(Crouse et al., 1983, Mol. Cell. Biol. 3:257)。
宿主細胞には、第1ベクターが重鎖由来ポリペプチドをコードし、第2ベクターが軽鎖由来ポリペプチドをコードする2種の発現ベクターを同時にトランスフェクションしてもよい。2種の該ベクターは、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの等量発現を可能とする同一の選択マーカーを含んでもよい。あるいは、重鎖、軽鎖の両ポリペプチドをコードし、両方を発現できる単一ベクターを使用してもよい。このような状況では、軽鎖を重鎖の前に配置して、過剰の有毒な遊離重鎖を回避すべきである(Proudfoot, 1986, Nature 322:52及びKohler, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:2197-2199)。重鎖及び軽鎖のコード配列は、cDNA又はゲノムDNAを構成してもよい。
本発明の抗体分子が組換え発現により産生後、免疫グロブリン分子を精製するための当技術分野で公知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティ、特にプロテインAの後の特異抗原に対するアフィニティ、及びサイズ識別カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、又はタンパク質精製を目的とする他の任意の標準的技法によって、該抗体を精製してもよい。更に、本発明の抗体は、本明細書に記載又は当技術分野の他所で公知の異種ポリペプチド配列と融合することにより、精製を促進してもよい。
6. 実施例
MEDI-524処理はRSV誘導サイトカイン応答を調節する
抗体の投与がRSV感染細胞からのサイトカイン放出を調節できるかどうかを調べるために、MEDI-524をRSV感染上皮細胞に感染後に添加した。感染の二つの時点で行い、一つは感染1時間後であり、もう一つは感染12時間後であった。
抗体の投与がRSV感染細胞からのサイトカイン放出を調節できるかどうかを調べるために、MEDI-524をRSV感染上皮細胞に感染後に添加した。感染の二つの時点で行い、一つは感染1時間後であり、もう一つは感染12時間後であった。
12時間の時点:2〜12ウェルプレートにHEp-2(9代継代)細胞を2ml中の5×105細胞/ウェルで播種し、コンフルエントに達するまでおよそ1日間培養した。コンフルエントなHep-2細胞を、MOI=1でRSV Aウイルス(WVB032302)に感染させた。感染の12時間後、対照抗体MEDI-507(20μg/ml)又はMEDI-524(52405G-0964)(20μg/ml)のいずれかを、感染12時間後に適切なウェルに添加した。細胞を37℃/5%CO2でさらに6及び24時間インキュベートした。上清を、6又は24時間の時点のいずれかで5分間1500rpmの回転により回収し、アッセイまで-80℃で保存した。
1時間の時点:6〜12ウェルプレートにHEp-2 P10細胞を2ml中の5×105細胞/ウェルで播種し、コンフルエントに達するまでおよそ1日間培養した。コンフルエントなHep-2細胞を、MOI=0.5又は1.0又は5.0でRSV Aウイルス(WVB032302)に感染させた。感染の1時間後、接種菌液を除去し、10μg/mlの対照抗体MEDI-507(10.1mg/mlストック)、10μg/mlのMEDI-524(52405G-0336、10.2mg/mlストック)又は10μg/mlのMEDI-524 Fab2'(KS011107、2.75mg/mlストック)を含む1mlの新鮮な培地を感染細胞に添加した。細胞を37℃/5%CO2でさらに6及び24時間インキュベートした。上清を、6又は24時間の時点のいずれかで5分間1500rpmの回転により回収し、アッセイまで-80℃で保存した。
IL-6、IL-8、IL-12p70及びTNF-アルファについてアッセイするために、MesoScale Discovery(登録商標)multiplex kit-MS6000 Human Proinflammatory-7 Tissue culture kit(カタログ#K11008B)及びMS6000 Human Chemokine-9 Tissue culture kit(カタログ#K11001B)を用いて、上述の回収した上清に対してサイトカインアッセイを行った。結果を図1及び2に示す。この実験は、1時間でのMEDI-524のより早い治療のための投与は、12時間とは対照的に、そしてMEDI-524を6時間感染細胞とインキュベートしておくことは、24時間とは対照的に、RSV感染細胞のサイトカイン放出を減少させることができることを示している。
MEDI-524媒介THP-1活性化
MEDI-524処理がRSV感染細胞に応答する活性化THP-1細胞のケモカイン応答を調節することができるかどうかを決定するために、実験を行った。
MEDI-524処理がRSV感染細胞に応答する活性化THP-1細胞のケモカイン応答を調節することができるかどうかを決定するために、実験を行った。
4〜12ウェルプレートにHEp-2細胞(8代継代)を2ml中の5×105細胞/ウェルで播種した。14代継代(3×105細胞/ml、15ml)及び27代継代(3.0×105細胞/ml、15ml)のTHP-1細胞を、48時間IFN-γ(500U/ml最終濃度、15mlに対し15μl)で活性化した。
培養することおよそ36時間、12ウェルプレート中のコンフルエントなHEp-2細胞を、MOI=1でRSV A(8×106pfu/ml)に感染させた。12〜15時間後、感染培地を吸引し、FACSバッファーで(2%FBSを含む1×PBS)一度すすいだ。対照抗体MEDI-507、又はMEDI-524(52405G-0336、10.2mg/ml)、又はMEDI-524 Fab'2(KS011107、2.75mg/ml)をFACSバッファーに20μg/mlの最終濃度で希釈し、適切なウェルに添加した。室温で15分間インキュベートした後、抗体含有FACSバッファーを吸引し、新鮮なTHP-1培地で一度すすいだ。
48時間活性化したTHP-1細胞を遠心沈降し、新鮮なTHP-1培地に再懸濁した(いかなる過剰なIFN-γをも除去するため)。1mlのTHP-1細胞(THP-1培地中)を、適切なウェル中のHEp-2細胞に添加し、そして6及び24時間インキュベートした。RSV感染Hep-2細胞とTHP-1活性化細胞の比は、近似して2:1であった。6及び24時間の共培養の後、上清を回収し、遠心沈降し(1500rpm、5分間)、アッセイまで-80℃で保存した。
ケモカイン放出についてアッセイするために、MesoScale Discovery(登録商標)multiplex kit-MS6000 Human Proinflammatory-7 Tissue culture kit(カタログ#K11008B)及びMS6000 Human Chemokine-9 Tissue culture kit(カタログ#K11001B)を用いて、上述の回収した上清に対してサイトカインアッセイを行った。MIP-1b、MCP-1、IP-10及びエオタキシン-3のみが、誘導されたと測定された。結果を図3及び4に示す。この実験は、MEDI-524の処理は、活性化したTHP-1単核球からのMIP-1b、MCP-1、IP-10及びエオタキシン-3放出を誘導することができるが、明らかに他のものはないことを示している。
MEDI-524媒介THP-1食作用
MEDI-524処理がRSV感染細胞の単核球食作用を媒介することができるかどうかを決定するために、実験を行った。
MEDI-524処理がRSV感染細胞の単核球食作用を媒介することができるかどうかを決定するために、実験を行った。
脂溶性の色素でのHEp-2細胞の染色:5代継代のHEp-2細胞を数え、50mlコニカルチューブ中で1×106細胞/mlでHBSSに再懸濁した。次に、HBSS細胞懸濁液の1mlあたりに2.5μlの青色色素(Vybrant(登録商標)DiD cell labeling solution、#V22887、Invitrogen(登録商標))を添加した。細胞を37℃で20分間インキュベートし、50mlチューブ内で5分ごとに3回反転させた。細胞を、HBSSで5分間1700rpmで4回洗浄した。細胞を完全培地に再懸濁し、2mlの量中の5×105細胞/ウェルで12ウェルプレートに蒔いた(細胞は48時間でコンフルエントになった)。
THP-1細胞の活性化:12ml中の3×105細胞/mlの19代継代のTHP-1細胞を500U/ml IFN-γで活性化し(12mlのTHP-1細胞に対し12μl)、37℃で48時間インキュベートした。
RSVでのHEp-2細胞の感染:コンフルエントなHEp-2細胞を、MOI1で20時間RSV A(WVB032302)に感染させた。後で、培地をRSV感染HEp-2プレートから吸引した。1mlの細胞解離バッファーを各プレートウェルに添加し、37℃で15分間インキュベートした。HEp-2細胞を1000μlピペットチップで解離させ、流管に移した。2mlのFACS洗浄バッファーを各チューブに添加し、5分間1500rpmで洗浄した。HEp-2細胞を100μlのFACSバッファー洗浄液に再懸濁し、対照抗体MEDI-507(20μg/ml)、MEDI-524(20μg/ml)及びMEDI-524 FAB'2(20μg/ml)を細胞懸濁液に添加し、室温で20分間インキュベートした。HEp-2細胞を、1500rpm/5分/4℃で2mlのFACS洗浄液で洗浄した。HEp-2細胞を、100μlのTHP-1培地に再懸濁した。いかなる過剰なIFN-γをも除去するために、活性化したTHP-1細胞(12ml中3×105細胞/ml)を遠心沈降し、12mlの新鮮なTHP-1培地に再懸濁した。1mlのTHP-1細胞を、処理の異なるHEp-2細胞が添加された12ウェルプレートに添加し、37℃で16時間インキュベートした。16時間後、細胞を流管に等分した(後述)。
細胞をFACS洗浄液で1回洗浄し、100μlのFACS洗浄液に再懸濁した。適切なチューブを、暗所、室温で15分間、8μlのHLADR-PE(555812、BD Biosciences(登録商標))で染色した。細胞をFACS洗浄液で1回洗浄し、1%ホルムアルデヒドで15分間固定した。固定液をFACS洗浄液で洗い流し、細胞を200μlのFACS洗浄液に再懸濁し、LSRII(緑)で流すように96ウェルNUNCプレートに移した。
流管:
1)未染色THP-1+未染色HEp-2
2)未染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
3)染色HEp-2+未染色THP-1
4)非感染染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
5)RSV感染染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
6)RSV感染染色HEp-2+Medi507+THP-1+HLADR-PE
7)RSV感染染色HEp-2+Medi524+THP-1+HLADR-PE
8)RSV感染染色HEp-2+Medi524+THP-1+HLADR-PE
9)RSV感染染色HEp-2+Numax FAB'2+THP-1+HLADR-PE
10)RSV感染染色HEp-2+Numax FAB'2+THP-1+HLADR-PE
チューブ番号7〜8及び9〜10は、2連のウェルである。全てのTHP-1細胞は、IFN-γ活性化した。結果を図5に示す。図5は、MEDI-524での処理は、RSV感染細胞のTHP-1単核球食作用を媒介することができることを示している(RSV-inf Hep-2+MEDI-524+THP-1パネル参照)。
1)未染色THP-1+未染色HEp-2
2)未染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
3)染色HEp-2+未染色THP-1
4)非感染染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
5)RSV感染染色HEp-2+THP-1+HLADR-PE
6)RSV感染染色HEp-2+Medi507+THP-1+HLADR-PE
7)RSV感染染色HEp-2+Medi524+THP-1+HLADR-PE
8)RSV感染染色HEp-2+Medi524+THP-1+HLADR-PE
9)RSV感染染色HEp-2+Numax FAB'2+THP-1+HLADR-PE
10)RSV感染染色HEp-2+Numax FAB'2+THP-1+HLADR-PE
チューブ番号7〜8及び9〜10は、2連のウェルである。全てのTHP-1細胞は、IFN-γ活性化した。結果を図5に示す。図5は、MEDI-524での処理は、RSV感染細胞のTHP-1単核球食作用を媒介することができることを示している(RSV-inf Hep-2+MEDI-524+THP-1パネル参照)。
ADCCエフェクター機能
抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)が、MEDI-524又はMEDI-524 3Mのいずれかで処理したRSVで役割を果たすかどうかを決定するために、実験を行った。
抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)が、MEDI-524又はMEDI-524 3Mのいずれかで処理したRSVで役割を果たすかどうかを決定するために、実験を行った。
T75組織培養フラスコ中に11代継代のHEp-2細胞を20ml中の3.5×106細胞で播種し、コンフルエントに達するまで培養した。およそ36時間後、コンフルエントなHEp-2細胞を、MOI=1.0でRSV Aに感染させた。
標的細胞:感染の12時間後、感染HEp-2細胞を解離し、5%FBS(RP-5)を含むRPMI 1640(フェノールレッドを含まない)培地に4×105細胞/mlの濃度で再懸濁した。
エフェクター細胞:31代継代のNK細胞を、RP-5培地に10×105細胞/mlの濃度で懸濁した。
抗体:MEDI-524(52405G-0336)、MEDI-524-3M(カバット(Kabat)の番号付けによるアミノ酸変異239D、330L、332Eを有する)、及び対照抗体R347を、10倍希釈で10μg/ml〜0.1ng/mlの濃度範囲でRP-5に希釈した。
ADCCアッセイ:50μlのR347、50μlの標的細胞及び50μlのエフェクター細胞を、96ウェル丸底プレートの列Aに2連で添加した(E:T比=2.5:1)。50μlのMEDI-524、50μlの標的細胞及び50μlのエフェクター細胞を、96ウェル丸底プレートの列Bに2連で添加した(E:T比=2.5:1)。50μlのMedi524-3M、50μlの標的細胞及び50μlのエフェクター細胞を、96ウェル丸底プレートの列Cに2連で添加した(E:T比=2.5:1)。列Dは、以下の対照群を2連で有していた:
Tonly−50μl標的細胞+100μl RP-5
Tmax−50μl標的細胞+80μl RP-5(+20μl溶解バッファー)
T+E−50μl標的細胞+50μl エフェクター細胞+50μl RP-5
培地−150μl RP-5
洗浄剤−130μl RP-5(+20μl溶解バッファー)
Tonly−50μl標的細胞+100μl RP-5
Tmax−50μl標的細胞+80μl RP-5(+20μl溶解バッファー)
T+E−50μl標的細胞+50μl エフェクター細胞+50μl RP-5
培地−150μl RP-5
洗浄剤−130μl RP-5(+20μl溶解バッファー)
プレートを3分間120gで回転し、次いで4時間37℃/5%CO2でインキュベートした。4時間のインキュベーションの終了45分前に、20μlの溶解バッファー(LDHキットから)をTmax及び洗浄剤のプレートウェルに添加した(上を参照)。4時間のインキュベーションの後、プレートを5分間120gで回転させた。LDH放出アッセイを行うために(以下参照)、各ウェルから50μlを新しい平底96ウェルプレートに移した。
LDH放出アッセイ:(Promega(登録商標)、#G1780、Non-radioactive cytotoxicity assay)。Promegaキットからのアッセイバッファーを室温に解凍した。12mlのアッセイバッファーをキットからの1バイアル基質ミックスに添加し、光から保護し、即座に使用した(一つのプレート全体に対し)。(既に50μlの試料を有する96ウェル平底プレートの)各ウェルに50μlの基質溶液を添加し、暗所、室温で15〜20分間インキュベートした。キットからの50μlの停止液を各ウェルに添加し、いかなる泡も破裂させ、1時間以内に490nmでODを読んだ。
アッセイの結果を図6に示す。MEDI-524 3Mは、MEDI-524と比較してADCCエフェクター機能が増強されるように操作されている。結果として、MEDI-524 3MはMEDI-524よりも優れたADCC細胞傷害性を示した(およそ10〜12%の細胞傷害性)。
MEDI-524 TMの治療有効性
このようなFc領域の改変がMEDI-524の有効性をさらに増大させることができるかどうかを調べるために、改変型MEDI-524抗体、MEDI-524 3M及びMEDI-524 TM(カバットの番号付けによる234F、235E、331Sのアミノ酸変異を有する)を用いた以下の実験で治療有効性を試験した。
このようなFc領域の改変がMEDI-524の有効性をさらに増大させることができるかどうかを調べるために、改変型MEDI-524抗体、MEDI-524 3M及びMEDI-524 TM(カバットの番号付けによる234F、235E、331Sのアミノ酸変異を有する)を用いた以下の実験で治療有効性を試験した。
MEDI-524を、100mg/mlのストック濃度から無菌生理食塩水に希釈した。各試験に対し、若年性コットンラット(アラゲコットンラット(Sigmodon hispidus)、平均体重100g Virion Systems, Inc. Rockville, MDより)を、各4匹のコットンラットからなる群に分けた。動物に、モタビズマブ(motavizumab)又は対照抗体(MEDI-507)の各用量に対し1群のコットンラットに腹腔内注射により、異なる時点で(感染24時間前及び感染24又は72時間後)0.1mLの被験物質を投与した。24時間後、動物をイソフルラン(isofluorane)で麻酔し、鼻腔内注入により1×105pfu/動物RSV A2(ATCCから)に曝露した。4日後に、動物を炭酸ガス窒息により屠殺し、それらの肺を外科的に除去し、二分し、液体窒素で即座に凍結した。鼻の組織を無菌メスを用いて切除し、また液体窒素で凍結した。肺を、ガラス組織ホモジナイザーを用いて20部(重量/体積)のHBSS(カタログ#14175、Invitrogen, Carlsbad, CA)中で個々にホモジナイズし、鼻を、10部(重量/体積)のHBSS、無菌ケイ砂並びに乳鉢及び乳棒を用いてホモジナイズした。結果として生じる懸濁液を10分間770×gで遠心分離し、上清を回収し、プラーク滴定によりウイルス力価を解析するまで-80℃で保存した。
プラーク減少アッセイ(PRA):凍結肺(F Lung)ホモジネート試料を、HBSSに1:10及び1:100で希釈し、ストレートの50μL一定分量とし、1:10及び1:100希釈物を24ウェルプレート中のHEp-2細胞(ATCC #CCL-23)の2連のウェルに添加した。37℃での1時間のインキュベーション後、接種菌液を1%メチルセルロースを含む培養液(#M0512-500G、Sigma-Aldrich, Inc., St. Louis, MO)で交換し、細胞を37℃のインキュベーターに戻した。4日後重層を除去し、細胞を固定し、30分間5%グルタルアルデヒド中の0.1%クリスタルバイオレットで染色し、洗浄し、風乾し、プラークを数えた。このアッセイの検出限界は、200PFU/組織グラムであった。検出限界より下のウイルス力価の試料は、<200PFU/gm=2.3のlog10であった。
結果を図7に示す。MEDI-524 TMの処理は、MEDI-524と比較して、RSVウイルス力価を低下させるのに明らかな有効性を示す。
コットンラット予防法
静脈内(IV)経路により投与された場合にコットンラットの気道RSV感染を治療する本明細書記載の抗体又はそれらのフラグメントのうちのいずれかの能力を決定し、前記抗体又はフラグメントの血清濃度を肺のRSV力価の減少と対応させる。以下の例はSYNAGIS(登録商標)を用いるが、本明細書記載の抗体又はそれらのフラグメントのうちのいずれも使用することができる。
静脈内(IV)経路により投与された場合にコットンラットの気道RSV感染を治療する本明細書記載の抗体又はそれらのフラグメントのうちのいずれかの能力を決定し、前記抗体又はフラグメントの血清濃度を肺のRSV力価の減少と対応させる。以下の例はSYNAGIS(登録商標)を用いるが、本明細書記載の抗体又はそれらのフラグメントのうちのいずれも使用することができる。
材料及び方法
SYNAGIS(登録商標)ロットL94H048を、研究III-47及びIII-47Aに用いた。SYNAGIS(登録商標)ロットL95 K016を、研究III-58に用いた。ウシ血清アルブミン(BSA)(画分V、Sigma Chemicals)。RSV-Long(サブタイプA)を、Hep-2細胞で増殖させた。
SYNAGIS(登録商標)ロットL94H048を、研究III-47及びIII-47Aに用いた。SYNAGIS(登録商標)ロットL95 K016を、研究III-58に用いた。ウシ血清アルブミン(BSA)(画分V、Sigma Chemicals)。RSV-Long(サブタイプA)を、Hep-2細胞で増殖させた。
0日目に、コットンラット(アラゲコットンラット(Sigmodon hispidis)、平均体重100g)の群にSYNAGIS(登録商標)を投与し、RSV-IGIV又はBSAを、筋肉内注射により投与した。投与24時間後、動物から採血し、105pfuのRSVを鼻腔内に感染させた。24時間後、動物から採血し、105PFU又はRSV(Long株)を鼻腔内に感染させた。感染の4日後、動物を屠殺し、それらの肺組織を収集し、肺のウイルス力価をプラーク滴定により決定した。研究III-47及びIII-47Aに対し、モノクローナル抗体(「MAb」)の用量は、0.31、0.63、1.25、2.5、5.5及び10mg/kg(体重)からなった。研究III-58に対し、MAbの用量は、0.63、1.25、2.5、5.5及び10mg/kg(体重)からなった。全ての三つの研究でウシ血清アルブミン(BSA)10mg/kgを陰性対照として用いた。曝露時での血清中のヒト抗体の濃度は、サンドイッチELISAを用いて決定される。
結果
個々の実験の結果を、表2〜5に表す。全ての実験を総合した結果を表5に示す。全ての三つの研究は、SYNAGIS(登録商標)で処理した動物での肺のウイルス力価の有意な減少を示す。明瞭な用量応答効果が、動物で観察された。統合したデータは、2.5mg/kgの用量は、肺のRSV力価で99%超減少する結果となることを示した。ウイルス曝露時でのこの用量に対するSYNAGIS(登録商標)の平均血清濃度は、28.6mg/mlであった。
個々の実験の結果を、表2〜5に表す。全ての実験を総合した結果を表5に示す。全ての三つの研究は、SYNAGIS(登録商標)で処理した動物での肺のウイルス力価の有意な減少を示す。明瞭な用量応答効果が、動物で観察された。統合したデータは、2.5mg/kgの用量は、肺のRSV力価で99%超減少する結果となることを示した。ウイルス曝露時でのこの用量に対するSYNAGIS(登録商標)の平均血清濃度は、28.6mg/mlであった。
RSV感染A549細胞のモタビズマブ(MEDI-524)処理後のPD-L1発現の測定
1日目に、三つの、12ウェルプレートを、4×105細胞/ウェルのP15のA549細胞で播種した。3日目に、A549細胞を1.0の感染効率(MOI)でRSV Aに感染させた。感染の1時間後、対照、非関連抗体、MEDI-507(50706F-0016、10.2mg/ml)又は実験抗体MEDI-524(52405G-0964、10.2mg/ml)を10μg/mlで適切なウェルに添加した。感染の6時間及び12時間後、MEDI-507又はMEDI-524抗体のいずれかを適切なウェルに添加した。
1日目に、三つの、12ウェルプレートを、4×105細胞/ウェルのP15のA549細胞で播種した。3日目に、A549細胞を1.0の感染効率(MOI)でRSV Aに感染させた。感染の1時間後、対照、非関連抗体、MEDI-507(50706F-0016、10.2mg/ml)又は実験抗体MEDI-524(52405G-0964、10.2mg/ml)を10μg/mlで適切なウェルに添加した。感染の6時間及び12時間後、MEDI-507又はMEDI-524抗体のいずれかを適切なウェルに添加した。
感染の48時間後、A549細胞(およそ500,000の数)を、PD-L1 PE(eBioscience(登録商標)、カタログ#12-5983-71)で染色した。細胞をLSR IIグリーンで獲得した(試料あたり20,000の現象)。結果を定量及びグラフ化した(図8参照)。
RSV感染A549細胞のモタビズマブ(MEDI-524)処理後のICAM-1発現の測定
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P14を2ml中の3×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を1.0のMOIでRSV A 1×108pfu/ml)に感染させた。
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P14を2ml中の3×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を1.0のMOIでRSV A 1×108pfu/ml)に感染させた。
RSV感染1時間後、6時間後及び12時間後に、対照、非関連抗体、MEDI-507(50706F-0016;ロット06AZ03 10.2mg/ml)及び実験抗体モタビズマブ又はMEDI-524(ロット05M02-76;充填日02Dec05 102mg/ml)を10μg/mlで適切なウェルに添加した。培養物を48時間インキュベートした。
インキュベーション時間の後、感染A549細胞(500,000の近似細胞数で)を、ICAM-1 APC(カタログ#559771、BD(登録商標))で染色した。細胞をLSR IIグリーンで獲得した(試料あたり50,000現象)。結果を定量及びグラフ化した(図9参照)。
RSV感染A549細胞のモタビズマブ(MEDI-524)処理後の細胞アポトーシス測定
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P26を2ml中の3.5×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を1.0のMOIでRSV Aに感染させた。
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P26を2ml中の3.5×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を1.0のMOIでRSV Aに感染させた。
10μg/mlでモタビズマブ又はMEDI-524(ロット05M02-76;充填日02Dec05 102mg/ml)を、RSV感染1時間後、6時間後及び12時間後の時点で適切なウェルに添加した。細胞培養物を72時間インキュベートした。
接着細胞を解離し、浮遊細胞と共にプールし、遠心分離によりペレット化し、1mlの培地に再懸濁した(約1×106細胞)。およそ20,000細胞/ウェルを、100μlの量で96ウェルプレート(白色壁、透明な底)に添加した。
cell titer-glo assay(カタログ#G7571、Luminescent cell viability kit、Promega(登録商標))及びCaspase-glo 3/7 assay(カタログ#G8091、Promega(登録商標))試薬を、適切なウェルに添加した(100μl/ウェル)。
暗所、室温で1時間インキュベートした。発光を、SpectraMax M5マイクロプレートリーダー(Molecular Devices(登録商標))を用いて測定した。結果を定量及びグラフ化した(図10参照)。
RSV感染A549細胞のモタビズマブ(MEDI-524)処理後の%浮遊細胞の測定
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P26を2ml中の3.5×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を、1.0のMOIでRSV Aに感染させた。
1日目に、二つの12ウェルプレートにA549細胞P26を2ml中の3.5×105細胞/ウェルで播種した。3日目に、コンフルエントなA549細胞を、1.0のMOIでRSV Aに感染させた。
10μg/mlでモタビズマブ又はMEDI-524(ロット05M02-76;充填日02Dec05 102mg/ml)を、RSV感染1時間後、6時間後及び12時間後の時点で適切なウェルに添加した。細胞培養物を72時間インキュベートした。
細胞培養上清に浮遊している細胞を回収し、数えた。接着細胞を解離し、同じく別々に以下の通り数えた:
%浮遊細胞=(浮遊細胞の数/細胞の総数)×100(細胞の総数=浮遊細胞数+接着細胞数)。結果を定量及びグラフ化した(図11参照)。
%浮遊細胞=(浮遊細胞の数/細胞の総数)×100(細胞の総数=浮遊細胞数+接着細胞数)。結果を定量及びグラフ化した(図11参照)。
RSV感染HEp-2及びA549細胞のモタビズマブ(MEDI-524)処理後の細胞培養上清でのRSV放出の測定
A549細胞に対して実施例10で及びHEp-2細胞に対して繰り返した、上で回収した細胞培養上清を、細胞培養中で起こる生のRSV複製の測定として上清中に放出されたRSVの量を定量するために解析した。結果について図12を参照。
A549細胞に対して実施例10で及びHEp-2細胞に対して繰り返した、上で回収した細胞培養上清を、細胞培養中で起こる生のRSV複製の測定として上清中に放出されたRSVの量を定量するために解析した。結果について図12を参照。
初代肺上皮細胞気液界面系
この計画した実験は、気液界面(ALI)での肺上皮細胞の極性を厳密に模倣するであろう。Zhang et al., Respiratory Syncytial Virus infection of human airway epithelial cells is polarized, specific to ciliated cells and without obvious cytopathology, J Virol Vol 76: 5654-5666, (2002);及びMellow et al., The Effect of RSV on chemokine release by differentiated airway epithelium, Expt. Lung Research 30: 43-57, (2004)を参照されたい。
この計画した実験は、気液界面(ALI)での肺上皮細胞の極性を厳密に模倣するであろう。Zhang et al., Respiratory Syncytial Virus infection of human airway epithelial cells is polarized, specific to ciliated cells and without obvious cytopathology, J Virol Vol 76: 5654-5666, (2002);及びMellow et al., The Effect of RSV on chemokine release by differentiated airway epithelium, Expt. Lung Research 30: 43-57, (2004)を参照されたい。
ウェルプレートで、気液界面(ALI)で培養及び維持されている初代肺上皮細胞に、1.0、0.1及び0.01の感染効率(MOI)でRSV Aの実験室系統又は患者からの臨床分離株から得たRSVのいずれかを感染させ、それぞれRSV感染6〜12時間後、24時間後及び48時間後にモタビズマブ(MEDI-524)を添加する。これらの培養物は、それぞれ24〜48時間、48〜72時間及び72〜96時間インキュベートされる。RSV複製、サイトカイン分泌(タンパク質)及びサイトカイン遺伝子発現(IL-6、IL-8、TNF-a、MIP-1a及びRANTES)、細胞表面免疫マーカー(PD-L1、ICAM-1、TLR4)並びに細胞アポトーシスが、本明細書に記載の方法に従って評価される。この実験設計は、そこでALIで増殖した初代肺上皮細胞が感染前におよそ1時間モタビズマブ(MEDI-524)で前処理されることになる予防的なシナリオと比較される。次に、上皮細胞は、実験室RSV A又は患者からの臨床単離株から得たRSVのいずれかに感染させる。結果として生じる予防的な成績は、上述の治療のための適用と比較されるう。
臨床試験
in vitroのアッセイ及び動物モデルで試験した本発明の抗体又はそのフラグメントは、正常で健康な成人被験者群で安全性、忍容性、及び薬物動態について更に評価してもよい。筋肉内投与、静脈内投与、又は肺送達系により、RSV抗原と免疫特異的に結合する本発明の抗体又はそのフラグメント0.5mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kgを被験者に単回投与する。抗体又はそのフラグメントの単回投与の少なくとも24時間前に、各被験者をモニタリングする。投与後は少なくとも48時間にわたり、治験実施施設にて各被験者をモニタリングする。その後、投与から3、7、14、21、28、35、42、49及び56日後に被験者を外来患者としてモニタリングする。
in vitroのアッセイ及び動物モデルで試験した本発明の抗体又はそのフラグメントは、正常で健康な成人被験者群で安全性、忍容性、及び薬物動態について更に評価してもよい。筋肉内投与、静脈内投与、又は肺送達系により、RSV抗原と免疫特異的に結合する本発明の抗体又はそのフラグメント0.5mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kgを被験者に単回投与する。抗体又はそのフラグメントの単回投与の少なくとも24時間前に、各被験者をモニタリングする。投与後は少なくとも48時間にわたり、治験実施施設にて各被験者をモニタリングする。その後、投与から3、7、14、21、28、35、42、49及び56日後に被験者を外来患者としてモニタリングする。
留置カテーテル又は直接静脈穿刺により、赤キャップの10mL Vacutainerチューブを用いて、血液試料を以下の間隔で採取する。(1)抗体又は抗体フラグメントの用量の投与前;(2)抗体又は抗体フラグメントの用量の投与中;(3)抗体又は抗体フラグメントの用量の投与から5分、10分、15分、20分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、及び48時間後、並びに(4)抗体又は抗体フラグメントの用量の投与から3日、7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日及び56日後。試料を室温で凝固させ、遠心後に血清を回収する。
血清試料から抗体又は抗体フラグメントを部分精製し、試料中の抗体又は抗体フラグメントをELISAにより定量化する。簡単に説明すると、ELISA法では、マイクロタイタープレートを被験者に投与した抗体又は抗体フラグメントを認識する抗体で4℃で一晩コーティングする。次にこのプレートをPBS-Tween-0.5% BSAで、室温で約30分間ブロッキングする。標準曲線は被験者に投与しなかった精製抗体又は抗体フラグメントを用いて作製する。試料をPBS-Tween-BSAで希釈する。試料及び標準液を室温で約1時間インキュベートする。次に、結合した抗体を標識抗体(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化ヤギ抗ヒトIgG)で、室温で約1時間処理する。標識抗体の結合を分光光度計などで検出する。
被験者の血清中の抗体又は抗体フラグメントの濃度は、投与後の各採取間隔の血清濃度から投与前の血清濃度(バックグラウンドレベル)を指し引いて補正する。各被験者について、モデル非依存的アプローチ(Gibaldiら編1982, Pharmacokinetics,第2版、Marcel Dekker, New York)に従って、補正後の血清中抗体又は抗体フラグメント濃度から薬物動態パラメーターを算出する。
7. 等価形態
当業者であれば、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と等価な多くの形態を認識し、又は常套的実験を行うだけでその等価形態を確認することができよう。このような等価形態は、特許請求の範囲に含めることを意図している。
当業者であれば、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と等価な多くの形態を認識し、又は常套的実験を行うだけでその等価形態を確認することができよう。このような等価形態は、特許請求の範囲に含めることを意図している。
個々の刊行物、特許又は特許出願のそれぞれを本明細書に援用するように、特別に及び個別に指示されているかの如く、同程度に、本明細書で言及した刊行物、特許及び特許出願を本明細書中に参照により援用する。
Claims (25)
- RSV F抗原に免疫特異的に結合する改変型抗体であって、表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のVH CDR1、2及び3並びにVL CDR1、2及び3のアミノ酸配列を有する3つの重鎖可変相補性決定領域(VH CDR)及び3つの軽鎖可変CDR(VL CDR)を含み、野生型ヒトIgG Fcドメインに対して1又は複数のアミノ酸置換を含む改変型ヒトIgG Fcドメインを有し、前記アミノ酸置換により、前記アミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して1又は複数のFcレセプターに対する結合アフィニティが変更された改変型抗体が得られる、前記改変型抗体。
- 表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のVHドメイン及びVLドメインのアミノ酸配列を有するVHドメイン及びVLドメインを含む、請求項1に記載の改変型抗体。
- 改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基332Eでのアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の改変型抗体。
- 改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基239D及び330Lでのアミノ酸置換をさらに含む、請求項3に記載の改変型抗体。
- 1又は複数のアミノ酸置換が、234E、235R、235A、235W、235P、235V、235Y、236E、239D、265L、269S、269G、298I、298T、298F、327N、327G、327W、328S、328V、329H、329Q、330K、330V、330G、330Y、330T、330L、330I、330R、330C、332E、332H、332S、332W、332F、332D、及び332Yからなる群から選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、請求項1に記載の改変型抗体。
- 改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基331Sでのアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の改変型抗体。
- 改変型IgG Fcドメインが、カバットに規定されたEU指標により番号付けられた、アミノ酸残基234F及び235Eでのアミノ酸置換をさらに含む、請求項6に記載の改変型抗体。
- 1又は複数のアミノ酸置換が、233P、234V、235A、265A、327G、及び330Sからなる群から選択され、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、請求項1に記載の改変型抗体。
- 改変型IgG Fcドメインが野生型ヒトIgG Fcドメインに対して追加のアミノ酸置換をさらに含み、前記追加のアミノ酸置換により、前記追加のアミノ酸置換を有しない野生型抗体と比較して血清半減期が延長された改変型抗体が得られる、請求項3から7のいずれか一項に記載の改変型抗体。
- 前記追加のアミノ酸置換が、アミノ酸残基251、252、254、255、256、308、309、311、312、314、385、386、387、389、428、433、434及び436の1又は複数で起こり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、請求項9に記載の改変型抗体。
- 前記追加のアミノ酸置換が、251位でのロイシンによる置換、252位でのチロシン、トリプトファン若しくはフェニルアラニンによる置換、254位でのスレオニン若しくはセリンによる置換、255位でのアルギニンによる置換、256位でのグルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、若しくはグルタミン酸による置換、308位でのスレオニンによる置換、309位でのプロリンによる置換、311位でのセリンによる置換、312位でのアスパラギン酸による置換、314位でのロイシンによる置換、385位でのアルギニン、アスパラギン酸若しくはセリンによる置換、386位でのスレオニン若しくはプロリンによる置換、387位でのアルギニン若しくはプロリンによる置換、389位でのプロリン、アスパラギン若しくはセリンによる置換、428位でのメチオニン若しくはスレオニンによる置換、434位でのチロシン若しくはフェニルアラニンによる置換、433位でのヒスチジン、アルギニン、リジン若しくはセリンによる置換、又は436位でのヒスチジン、チロシン、アルギニン若しくはスレオニンによる置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、請求項10に記載の改変型抗体。
- 前記追加のアミノ酸置換が、252位でのチロシン、254位でのスレオニン及び256位でのグルタミン酸による置換であり、付番方式がカバットに規定されたEU指標のものである、請求項11に記載の改変型抗体。
- 請求項1、3、6又は9に記載の改変型抗体を無菌担体中に含む組成物。
- RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、請求項13に記載の組成物の治療有効量を、それを必要としている前記患者に投与することを含む方法。
- 治療有効量が、約30mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約15mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約1.5mg/kg、約1mg/kg、約0.75mg/kg、約0.5mg/kg、約0.25mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、及び約0.025mg/kgからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
- 前記ヒト患者が、骨髄移植を受けている、嚢胞性線維症を有している、気管支肺異形成症を有している、先天性心臓疾患を有している、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有している、先天性免疫不全症を有している又は後天性免疫不全症を有している、請求項14に記載の方法。
- 前記ヒト患者が、乳児、未熟に生まれた乳児、RSV感染のために入院している乳児、又は喘息及び/若しくは反応性気道疾患(RAD)、及び/若しくは喘鳴に罹った乳児、又は0から5歳の小児である、請求項14に記載の方法。
- ヒト患者が、高齢のヒトである、又は療養所で生活している、請求項14に記載の方法。
- 前記組成物が、鼻腔内送達、筋肉内送達、皮内送達、腹腔内送達、静脈内送達、皮下送達、経口送達、肺送達又はその組合せにより前記ヒト患者に投与される、請求項14に記載の方法。
- 前記組成物が、RSVの流行期の間に5回、4回、3回、2回又は1回前記患者に投与される、請求項14に記載の方法。
- 前記改変型抗体の前記治療のための投与が、ウイルス排出により測定される、前記ヒト患者でのRSV複製を、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、又は少なくとも10%阻害又は下方制御する、請求項14に記載の方法。
- 前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのサイトカインの血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、請求項14に記載の方法。
- 前記改変型抗体の前記治療のための投与が、バイオアッセイにより測定される、前記ヒト患者でのケモカイン放出の血清レベルを、前記改変型抗体の治療のための投与が行われない対照と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%減少させる、請求項14に記載の方法。
- RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、表1に挙げられているCDRのアミノ酸配列を有するCDR及び異種アミノ酸配列を含む融合タンパク質の治療有効量を投与することを含む、方法。
- RSVに感染したヒト患者を治療する方法であって、表1に示す、A4B4L1FR-S28R、A4B4-F52S、AFFF、P12f2、P12f4、P11d4、Ale9、A12a6、A13c4、A17d4、A4B4、A8c7、IX-493L1FR、H3-3F4、M3H9、Y10H6、DG、AFFF(1)、6H8、L1-7E5、L2-15B10、A13a11、A1h5、又はA4B4(1)のアミノ酸配列を有する3つの重鎖可変相補性決定領域(VH CDR)及び3つの軽鎖可変CDR(VL CDR)を含むF(ab)'フラグメントの治療有効量を、それを必要としている前記患者に投与することを含み、前記投与が肺への投与であり、RSVの流行期の間に行われる、前記方法。
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