5.発明の詳細な説明
5.1 定義
本明細書で用いる場合、用語(−)−O−デスメチルベンラファキシンは、化学名(−)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールである化合物を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「医薬的に許容される塩」は、無機酸および有機酸を含む医薬的に許容される比較的非毒性の酸から調製された塩を指す。適する酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、炭酸、クエン酸、二水素リン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、イソ酪酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、一水素炭酸、一水素リン酸、一水素硫酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、フタル酸、プロピオン酸、スベリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トルエンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸およびo−トルエンスルホン酸を含む)などが挙げられる(例えば、Bergeら, J. Pharm. Sci., 66:1-19 (1977); Stahl and Wermuth, Handbook of Pharmaceutical Salts, Wiley VCH, (2002)参照)。アミノ酸、例えばアルギン酸など、および他の化合物、例えばアスピリン、イブプロフェン、サッカリンなどをはじめとする、酸性の特性を有する他の比較的非毒性の化合物の塩も挙げられる。塩化水素酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸および硫酸は特に好ましく、塩酸塩が最も特に好ましい。当該化合物の中性体(natural form)を、薄められていないまたは適する不活性溶媒中の十分な量の所望の酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。固体の場合、塩は、結晶質および/または非晶質の変態(modification)形態で存在し得る。
以下で説明する特定の塩は、本発明の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの「塩酸塩(hydrochloride salts)」、「塩化水素酸塩(hydrochloric acid salts)」、および「HCl塩(HCl salts)」を含む。塩酸塩、塩化水素酸塩またはHCl塩は、塩酸を使用して形成された酸付加塩である。
本明細書において用いる用語「固形物(solid form)」および関連用語は、特別に指定がない限り、(−)−O−デスメチルベンラファキシンを含む結晶形および非晶形を指し、特に、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩を含む結晶形および非晶形を含む。
本明細書で用いる用語「結晶質(crystalline)」および関連用語は、物質、成分または生成物を説明するために用いるとき、その物質、成分または生成物が、X線回折による判定で結晶質であることを意味する。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Mack Publishing, Easton PA, 173 (1990); 米国薬局方(United States Pharmacopeia)、第23版、1843-1844 (1995)参照。
本明細書における用語「結晶形(crystal forms)」および関連用語は、多形体、溶媒和物、水和物、共結晶および他の分子複合体、ならびに塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の他の分子複合体、およびそれらの多形体をはじめとする(しかし、これらに限定されない)所与の物質の様々な結晶質の変態形態を指す。物質の結晶形は、当分野において公知であるような多数の方法によって得ることができる。そのような方法としては、溶融再結晶、溶融冷却、溶媒再結晶、例えばナノ細孔または毛細管内などの限られた空間内での再結晶、例えばポリマー上などの表面またはテンプレート上での再結晶、例えば共結晶の対分子などの添加剤の存在下での再結晶、脱溶媒、脱水、急速蒸発、急冷、徐冷、蒸気拡散、昇華、粉砕および溶媒滴下粉砕が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書における用語「多形体(polymorphs)」、「多形形態(polymorphic forms)」および関連用語は、同じ分子(単数もしくは複数)またはイオンから成る2つまたはそれ以上の結晶形を指す。異なる多形体は、結晶格子中の分子またはイオンの配列または配座の結果として異なる物理的特性、例えば、融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度および/または振動スペクトルなどを有し得る(例えば、Byrn, S. R., Pfeiffer, R.R., and Stowell, J.G. (1999) Solid-State Chemistry of Drugs, 第2版, SSCI, Inc.: West Lafayette, IN参照)。多形体によって示される物理的特性の相違は、製薬学的パラメータ、例えば、保管安定性、圧縮性および密度(調合および製品製造の際に重要)、ならびに溶解速度(バイオアベイラビリティに関する重要因子)に影響を及ぼす。安定性の相違は、化学的反応性の変化に起因することもあり(例えば、剤形が、ある多形体から成る場合のほうが別の多形体から成る場合より急速に変色するような、差別的酸化)もしくは機械的変化に起因することもあり(例えば、速度論的に有利な好適な多形体は熱力学的により安定な多形に転化するので、錠剤が保管中に崩壊する)または両方に起因することもある(例えば、ある多形体の錠剤は、高湿度で崩壊をより受けやすい)。溶解度/溶解の相違の結果として、極端な場合、多形体転移は、有効性を欠く結果となることもあれば、他の極端な場合では毒性をもたらすこともある。加えて、結晶の物理的特性は、加工の際に重要であり得、例えば、ある多形体のほうが、溶媒和物を形成する可能性が高い場合があり、または不純物のない濾過および洗浄が困難な場合がある(すなわち、粒子形状および粒径分布は、多形体間で異なる場合がある)。
本明細書で用いる場合、用語「溶媒和物(solvate)」および「溶媒和された(solvated)」は、溶媒を含有する物質の結晶形を指す。用語「水和物(hydrate)」および「水和された(hydrated)」は、溶媒が水である溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形体(polymorphs of solvates)」は、特定の溶媒和物組成について、1つを超える結晶形の存在を指す。同様に、「水和物の多形体(polymorphs of hydrates)」は、特定の水和物組成についての1つを超える結晶形の存在を指す。
本明細書で用いる場合、用語「脱溶媒溶媒和物(desolvated solvate)」は、溶媒和物から溶媒を除去することによって調製することができる物質の結晶形を指す。
本明細書で用いる場合、用語「同型構造ファミリー(isostructural family)」は、結晶格子内にほぼ同様の面間隔を含む共通の構造類似性を有する物質の2つまたはそれ以上の結晶形の系列を指す。(結晶格子のより詳細な説明は、Stout and Jensen, X-Ray Structure Determination: A Practical Guide, MacMillan Co., New York (1968)の第2章および第3章で見つけることができる)。それらの共通の構造類似性のため、結晶形の同型構造ファミリーのメンバーは、同一であるとは限らないが類似したX線粉末回折パターンを一般に有する。同型構造ファミリーは、天然分子、塩または分子複合体である物質に基づき得る。その系列は、その物質の溶媒和物(水和物を含む)および脱溶媒溶媒和物結晶形から成り得る。結晶形の同型構造ファミリーの溶媒和メンバーは、一般に、結晶格子内に1つまたはそれ以上の溶媒(水を含む)を含有する。結晶格子内の溶媒(単数または複数)は、その結晶形の作製の際に用いられる結晶溶媒(単数または複数)であり得る。典型的な結晶溶媒としては、水ならびにすべてのクラスの有機および他のタイプの実験室用溶媒(アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ヒドロキシフェニル、グリセロールなど;カルボニル含有溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ギ酸、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミドなど;炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど;ハロゲン化溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など;ならびに他のヘテロ原子および/または官能基を含有する実験室用溶媒、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ピリジンなどを含むが、これらに限定されない)が挙げられる。
本明細書で用いる用語「非晶質(amorphous)」、「非晶形(amorphous form)」および関連用語は、考慮中の材料、物質、成分または生成物が、X線回折による判定で結晶質でないことを意味する。物質の非晶形は、当分野において公知であるような多数の方法によって得ることができる。そのような方法としては、加熱、溶融物冷却、急速溶融物冷却、溶媒蒸発、急速溶媒蒸発、脱溶媒、昇華、粉砕、冷凍粉砕および凍結乾燥が挙げられるが、これらに限定されない。
結晶形および非晶形を特徴付ける技術としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量分析(DSC)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光分析、例えば赤外(IR)およびラマン分光分析、固体NMR、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子結晶画像法および定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度研究ならびに溶解研究が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、用語「約(about)」および「およそ(approximately)」は、組成物または剤形の成分の用量、量または重量%に関連して用いるとき、指定用量、量または重量%から得られるものと等価の薬理効果を得ると当業者が解釈する用量、量または重量%を意味する。具体的に言うと、用語「約」および「およそ」は、これに関連して用いるとき、指定用量、量または重量%の15%以内、10%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内または0.5%以内の用量、量または重量%と考える。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、用語「約」および「およそ」は、特定の固形物を説明するために示される数値または値の範囲、例えば、特定の温度または温度範囲、例えば融解、脱水、脱溶媒またはガラス転移などを説明するものなど;質量変化、例えば温度または湿度の関数としての質量変化など;例えば質量または百分率による、溶媒含有量または含水量;あるいはピーク位置、例えば、IRもしくはラマン分光分析またはXRPDによる分析でのものなどに関連して用いるとき、その値または値の範囲が、その特定の固形物を依然として説明しているが、当業者にとって妥当であると考えられる程度ずれていることがあることを示す。具体的に言うと、用語「約」および「およそ」は、これに関連して用いるとき、その特定の固形物を依然として説明していながら、列挙されている値または値の範囲の20%,10%,9%,8%,7%,6%,5%,4%,3%,2%,1%,0.9%,0.8%,0.7%,0.6%,0.5%,0.4%,0.3%,0.2%または0.1%異なることがある。
本明細書で用いる場合、特別に指示がない限り、用語「立体異性体的に純粋な(stereomerically pure)」は、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体が実質的に含まれない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物には、その化合物の反対のエナンチオマーが実質的に含まれなくなる。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物には、その化合物の他のジアステレオマーが実質的に含まれなくなる。ある実施形態において、立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約90重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約95重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約97重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体、または約99重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体と約1重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む。
本明細書で用いる場合、特別に指示がない限り、用語「エナンチオマー的に純粋な(enantiomerically pure)」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物を意味する。
化合物を説明するために本明細書で用いる場合、用語「その(+)立体異性体が実質的に含まれない」は、その化合物が、その対掌体(antipode)(すなわち、その(+)立体異性体)より著しく大きい比率のその(−)立体異性体で構成されていることを意味する。本発明のある実施形態において、用語「その(+)立体異性体が実質的に含まれない」は、その化合物が、少なくとも約90重量%のその(−)立体異性体と約10重量%またはそれ以下のその(+)立体異性体で構成されていることを意味する。本発明のある実施形態において、用語「その(+)立体異性体が実質的に含まれない(substantially free)」は、その化合物が、少なくとも約95重量%のその(−)立体異性体と約5重量%またはそれ以下のその(+)立体異性体で構成されていることを意味する。ある実施形態において、用語「その(+)立体異性体が実質的に含まれない」は、その化合物が、少なくとも約99重量%のその(−)立体異性体と約1重量%またはそれ以下のその(+)立体異性体で構成されていることを意味する。ある実施形態において、用語「その(+)立体異性体が実質的に含まれない」は、その化合物が、ほぼ100重量%のその(−)立体異性体で構成されていることを意味する。上の百分率は、その化合物の併せた立体異性体の合計量に基づく。用語「実質的に光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシン」、「光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシン」および「O−デスメチルベンラファキシンの(−)異性体」は、すべて、その(+)立体異性体が実質的に含まれない(−)−O−デスメチルベンラファキシンを指す。用語「実質的に光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシン」、「光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシン」および「O−デスメチルベンラファキシンの(−)異性体」は、すべて、その(+)立体異性体が実質的に含まれない(−)−O−デスメチルベンラファキシンを指す。
本明細書で用いる場合、「純粋」である、すなわち、他の結晶または非晶形が実質的に含まれない、結晶または非晶形は、約10重量%未満の1つまたはそれ以上の他の結晶または非晶形、約5重量%未満の1つまたはそれ以上の他の結晶または非晶形、約3重量%未満の1つまたはそれ以上の他の結晶または非晶形、または約1重量%未満の1つまたはそれ以上の他の結晶または非晶形を含有する。
本明細書で用いる場合、特別に指示がない限り、ある化合物が「実質的に含まれない」組成物は、その組成物が、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、または約1重量%未満のその化合物を含有することを意味する。
本明細書で用いる場合、特に他の指定がない限り、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」および「治療(treatment)」は、疾病もしくは疾患のまたはその疾病もしくは疾患に随伴する1つもしくはそれ以上の症状の根絶または改善を指す。ある実施形態において、これらの用語は、疾病または疾患の拡大または悪化を、そのような疾病または疾患を患う被験者への1つまたはそれ以上の予防または治療薬を投与すること最小にすることを指す。一部の実施形態において、これらの用語は、特定の疾病の症状の発症後、本明細書で記載される化合物を他の更なる活性薬剤と共に、または他の更なる活性薬剤を伴わずに投与することを指す。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」および「予防(prevention)」は、疾病もしくは疾患の、またはその1つもしくはそれ以上の症状の、発症、再発または拡大の予防を指す。ある実施形態において、この用語は、特に、本明細書で記載される疾病または疾患のおそれがある患者に対して、症状が発症する前に、更なる活性成分を伴うまたは伴わない本明細書で記載される化合物で治療すること、または更なる活性成分を伴うまたは伴わない本明細書で記載される化合物を投与することを指す。これらの用語は、特定の疾病の症状の抑制または低減を包含する。特に、疾病をわずらったことのある家族がいる患者は、ある実施形態では予防的計画の候補者である。加えて、症状を再発したことのある患者も予防の候補者である可能性がある。これに関して、用語「予防(prevention)」は、用語「予防的治療(prophylactic treatment)」と同義で用いることができる。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、用語「管理する(manage)」、「管理すること(managing)」および「管理(management)」は、疾病もしくは疾患の、またはその1つもしくはそれ以上の症状の、進行、拡大または悪化の予防または遅速を指す。しばしば、被験者が予防および/または治療薬から得る有益効果は、その疾病または疾患を治癒する結果とならない。これに関して、用語「管理すること」は、特定の疾病に罹患したことのある患者を、その疾病の再発を予防または最小にしようとして治療することを包含する。
本明細書で用いる場合、用語「情動障害」は、うつ病、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、双極性および躁病性状態などを含む。用語「注意欠陥障害」(ADD)および「注意欠陥多動性障害」(ADDH)、または「注意欠陥/多動障害」(AD/HD)は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版, American Psychiatric Association (1997) (DSM-IV(商標))において見つけられるような是認されている意味に従って本明細書では用いる。
本明細書で用いる場合、用語「うつ病を治療する方法」は、気分の変化、激しい悲嘆、自暴自棄、精神緩慢、集中欠如、悲観的心配、激昂および自己非難の感情を含む(しかし、これらに限定されない)うつ病の症状の軽減を意味する。不眠症、食欲不振、体重減少、勢力およびリビドー低下、ならびに異常ホルモンサーカディアンリズムをはじめとする身体的変化も軽減することができる。
本明細書で用いる場合、用語「肥満または体重増加を治療、予防または管理する方法」は、体重の減少、または過体重、体重増加もしくは肥満(これらは、すべて、通常は食物の大量消費に起因する)の予防もしくは軽減を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「ニューロンモノアミン再取込みの阻害によって改善される疾患を治療、予防または管理する方法」は、異常なニューロンモノアミン再取込みレベルに関連した疾病状態の症状の予防または軽減を意味し、そのような症状は、ニューロンモノアミン再取込みの阻害によって低減される。その再取込みが本発明の化合物または組成物によって阻害される再取込みとしては、ノルアドレナリン(またはノルエピネフリン)、セロトニンおよびドーパミンが挙げられるが、これらに限定されない。ニューロンモノアミン再取込みの阻害によって治療される疾患としては、パーキンソン病および癲癇が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、用語「パーキンソン病を治療、予防または管理する方法」は、ヒトにおけるパーキンソン病の症状(意図した動きができないことがゆっくりと増えていくこと、振戦、運動緩慢、硬直、姿勢異常を含むが、これらに限定されない)の予防または軽減を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「脳機能障害を治療、予防または管理するための方法」は、老人性痴呆症、アルツハイマー型痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、注意力低下、言語障害、パーキンソン病、レノックス症候群、自閉症、多動症候群および総合失調症をはじめとする(しかし、これらに限定されない)知的障害を含む脳機能障害に関連した疾病状態の予防または軽減を意味する。脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症、脳静脈血栓症、頭部外傷などをはじめとする(しかし、これらに限定されない)脳血管疾患によって引き起こされる疾患(単数または複数)、ならびに意識障害、老人性痴呆症、昏睡、注意力低下、言語障害などの症状の場合も、脳機能障害の意味の範囲内である。
用語「強迫性障害」、「物質乱用」、「月経前症候群」、「不安」、「摂食障害」および「偏頭痛」は、当分野におけるそれらの是認されている意味に従うように本明細書では用いる。例えば、DSM−IV(商標)参照。用語「治療、予防または管理する方法」、「治療する方法」、「予防する方法」および「管理する方法」は、これらの疾患に関連して用いるとき、これらの疾患に関連した症状および/または作用の改善、予防または軽減を意味する。あらゆる理論の制限も受けることなく、これらの疾患のうちの若干数の治療、予防または管理は、セロトニン取込みの阻害剤としての活性成分(単数または複数)の活性に関係することがある。
本明細書で用いる場合、用語「失禁を治療、予防または管理する方法」とは、大便または尿の不随意排尿、および大便または尿滴下または尿漏れ(これらは、括約筋制御の病理的変化、認識機能喪失、膀胱過拡張、反射亢進および/または不随意尿道弛緩、膀胱および神経異常に関連した筋肉衰弱を含むがこれらに限定されない1つまたはそれ以上の原因に起因する場合がある)をはじめとする失禁の症状の予防または軽減を意味する。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、化合物の「治療有効量(therapeutically effective amount)」は、疾病もしくは疾患の治療もしくは管理の際に治療的な恩恵をもたらすのに、またはその疾病もしくは疾患に関連した1つもしくはそれ以上の症状を遅延させるもしくは最小にするのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾病もしくは疾患の治療または管理の際に治療的な恩恵をもたらす、単独でのまたは他の治療薬と併用での、治療薬の量を意味する。用語「治療有効量」は、全治療を向上させる量、疾病もしくは疾患の症状もしくは原因を減少もしくは回避する量、または別の治療薬の治療有効度を向上させる量を包含し得る。
本明細書で用いる場合、特別に指定がない限り、化合物の「予防有効量(prophylactically effective amount)」とは、疾病もしくは疾患を予防するのに、またはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、疾病予防の際に予防的な恩恵をもたらす、単独でのまたは他の薬剤と併用での、治療薬の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全般を改善する量または別の予防薬の予防有効度を向上させる量を包含し得る。
本明細書で用いる場合、用語「組成物」は、指定成分(および示されている場合には、それらの指定量で)を含む生成物、ならびに指定成分を指定量で併せた結果として直接または間接的に生ずる任意の生成物を包含すると解釈される。「医薬的に許容される」は、希釈剤、賦形剤または担体がその製剤の他の成分と相溶性でなければならない、且つ、その受容者に有害でないことを意味する。
用語「治療および/または予防有効量」は、研究者、獣医、医師もしくは他の臨床家が見いだそうとしている、または治療する疾病の症状の1つもしくはそれ以上の症状の発現を予防するもしくはそれらをある程度緩和するのに十分である、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を惹起することになる、本固形物の量を指す。
用語「被験者(subject)」は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどをはじめとする(しかし、これらに限定されない)、哺乳動物などの動物を含むと本明細書では定義する。特定の実施形態において、被験者はヒトである。
ある実施形態において、本発明は、プロドラッグ形の(−)−O−デスメチルベンラファキシンを含む化合物を提供する。本明細書に記載する化合物のプロドラッグは、生理条件下で該化合物を得るような化学変化を容易に受ける、該化合物の構造修飾形態である。加えて、ex vivo環境で化学的または生化学的方法によってプロドラッグを該化合物に転化させることができる。例えば、経皮パッチレザバーに適する酵素または化学試薬を入れると、プロドラッグをゆっくりと化合物に転化させることができる。プロドラッグは、状況によってはその化合物または親薬物(parent drug)より投与しやすい場合があるため、有用であることが多い。プロドラッグは、例えば、経口投与によってバイオアベイラブルになり得るが、親薬物はならない。プロドラッグは、医薬組成物で親薬物より改善された溶解度も有し得る。多種多様なプロドラッグ誘導体、例えば、プロドラッグの加水分解または酸化活性化に依存するものが、当分野において公知である。限定されないが、プロドラッグの一例としては、カルバメート(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、代謝によりフェノール、活性エンティティー、に加水分解される化合物があり得る。更なる例としては、化合物のpetidyl誘導体が挙げられる。
ある実施形態において、本発明の化合物は、原子の1つまたはそれ以上に非天然な比率の原子の同位体を含有する場合もある。例えば、本化合物は、放射活性および/または非放射活性同位体、例えば、ジュウテリウム(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)、硫黄−35(35S)、炭素−13(13C)または炭素−14(14C)などで標識することができる。放射性標識化合物は、治療薬、例えば癌治療薬、研究試薬、例えば結合アッセイ試薬、および診断薬、例えばin vivoイメージング剤として有用である。本発明の化合物のすべての同位体変種は、放射活性であるないにかかわらず、本発明の範囲内に包含されると解釈される。
5.2 本発明の実施形態
ある実施形態において、本発明は、立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンおよびその塩(その溶媒和および水和形を含む)および非晶形を含む固形物;ならびに該固形物を単独でまたは他の活性成分との組み合わせで含む組成物;情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害をはじめとする(しかし、これらに限定されない)状態および疾患の治療、予防および/または管理におけるそれらの使用方法に関する。いずれの特定の理論による拘束を受けるつもりはないが、前記固形物の保管安定性、圧縮性、密度および溶解特性は、本発明の製造、調合およびバイオアベイラビリティにとって有益である。
一実施形態において、上記の状態または疾患は、情動障害である。もう1つの実施形態において、上記の状態または疾患は、うつ病である。もう1つの実施形態において、前記状態または疾患は、不安障害である。もう1つの実施形態において、前記状態または疾患は、脳機能障害である。もう1つの実施形態において、前記状態または疾患は、線維筋痛症である。もう1つの実施形態において、上記の状態または疾患は、疼痛である。もう1つの実施形態において、上記の状態または疾患は、神経障害性疼痛である。
ある実施形態において、本発明の固形物は、臨床および治療剤形に適する物理的特性、例えば、安定性、溶解度および溶解速度によって特徴付けられる。本発明の一定の固形物は、固体剤形の製造に適する物理的特性、例えば、結晶形態、圧縮性および硬度によって特徴付けられる。そのような特性は、本明細書に記載するおよび当分野において公知であるようなX線回折、顕微鏡検査法、IR分光分析および熱分析などの技術を用いて判定することができる。
5.2.1 立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩
一実施形態において、本発明は、情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害をはじめとする(しかし、これらに限定されない)状態および疾患の治療、予防または管理に有用性を有する、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの特定の医薬的に許容される塩を提供する。
ある実施形態において、本発明は、立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を提供する。上に示したように、(−)−O−デスメチルベンラファキシンは、一般式(I)を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩において、酸は、式HClに従う。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの好ましい塩化水素酸塩は、式(II)によって規定される、一塩化水素酸塩である。
本発明のそれぞれの塩は、立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンの調製品から、または(−)−O−デスメチルベンラファキシンの付加塩から作ることができる。(−)−O−デスメチルベンラファキシンは、当業者には明白な任意の方法に従って合成または得ることができる。好ましい実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンは、以下の実施例において詳細に説明する方法、米国特許第6,342,533号、同第6,441,048号および同第6,911,479号(これらのすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法に従って調製する。
一部の実施形態では、任意の方法によって調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンを、薄められていないまたは適切な溶媒中の適切な酸と接触させて、本発明の塩を得ることができる。例えば、(−)−O−デスメチルベンラファキシンを塩化水素酸と接触させて、本発明の塩酸塩を得ることができる。
一部の実施形態では、当分野において公知の任意の方法によって調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシン酸付加塩を、薄められていないまたは適切な溶媒中の適切な酸と接触させて、本発明の塩を得ることができる。例えば、(−)−O−デスメチルベンラファキシンシクロヘキシルフェニルグリコール酸塩を塩化水素酸と接触させて、本発明の塩酸塩を得ることができる。
以下に示すように、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む一定の形は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンを含む他の形と比較して優れた安定性、溶解度および吸湿性(hygroscopicity)を呈する。
5.2.2 立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンおよびその塩を含む固形物
本発明は、情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害をはじめとする(しかし、これらに限定されない)状態および疾患の治療、予防または管理に特に有用性を有する、立体異性体的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンおよびその塩を含む結晶形も提供する。ある実施形態において、本発明の固形物は、上で説明した(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む結晶形である。
ある実施形態において、本発明の結晶形は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの調製品から作ることができる。例えば、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩を溶解し、その後、晶出させて、本発明の結晶形を得ることができる。本発明の特定の実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を、以下に記載するものなどの特定の溶媒混合物から晶出させて、本発明の結晶形を得ることができる。
一実施形態において、本発明は、Form A、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩((−)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール塩酸塩)の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、Form Aは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形である。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm A結晶形のサンプルは、そのサンプルの総質量の約4%と約8%の間にわたる含水量を有する。ある実施形態において、Form Aは、そのサンプルの総質量の約6%の含水量を有し、これは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのモルあたり約1モル当量の水に等しい。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従ってカールフィッシャー滴定によって試験する場合、Form Aは、約5.7質量%の含水量を有する。さらなる実施形態において、Form Aは、図1のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Aは、約25℃と約110℃の間で発生するそのサンプルの総質量の約5.6%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form Aは、図2のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Aは、約93℃の開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm A結晶形は、Cu Kα線を使用すると図3のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm A結晶形は、Form Aを用いて得られた単結晶X線回折構造データを用いてCu Kα線についてシミュレートした図8のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、本発明の特定のForm A結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.7、14.5、19.1 、21.4、23.0、25.5、27.3°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm A結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.7、14.5、19.1 、21.4、23.0、25.5、27.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm A結晶形は、そのサンプルの総質量の約5.7%の含水量と、Cu Kα線を使用して約12.7、14.5、19.1 、21.4、23.0、25.5、27.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。本発明のある実施形態において、Form Aは、図4のものに類似した赤外スペクトルを有する。本発明のある実施形態において、Form Aは、図5のものに類似したラマンスペクトルを有する。ある実施形態において、単位格子パラメータを決定することができる方法、例えば単結晶X線回折、によっておよそ150Kで分析する場合、Form Aは、次の近似単位格子パラメータを有する。a=6.78Å;b=9.29Å;c=27.65Å;α=90°;β=90°;γ=90°;V=1741.39Å3。ある実施形態において、Form Aは、空間群P212121で結晶化する。
特定の理論により制限されないが、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm A結晶形は、優れた吸湿特性を有することが判明した。例えば、特定の理論により制限されないが、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着(dynamic vapor sorption)によって試験する場合、Form Aは、サンプルの相対湿度を5%から90%に上昇させると、質量が1%未満増加する。さらに、相対湿度の関数としてのForm Aの質量増加は、可逆的であるので、例えば、相対湿度を90%から5%に低下させるとサンプルは質量を約1%喪失する。ある実施形態において、本明細書で提供するForm A結晶形は、図6のものに類似した吸湿等温線を有する。
加えて、特定の理論により制限されないが、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm A結晶形は、優れた安定性も有することが判明した。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Aは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Aの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Aは、1つまたはそれ以上の溶媒、例えば、水、アセトン、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルt−ブチルエーテル、ヘプタン、ヘキサントルエンおよびこれらの混合物(しかし、これらに限定されない)を含有する溶媒系から(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を晶出させることによって調製することができる。ある実施形態において、Form Aは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の別の結晶または非晶形からの結晶形変換によって、例えば、溶媒媒介および/または水媒介形態転化プロセスによって、得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form B、結晶格子内に溶媒テトラヒドロフラン(THF)を含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。ある実施形態において、THFは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.25モル当量のTHFという概算比で存在する。質量に置き換えると、これは、Form Bのサンプルの総質量のおよそ6%のTHF含有量に等しい。ある実施形態において、Form BのTHF含有量は、Form Bのサンプルの総質量の約4%から約8%にわたる。ある実施形態において、Form Bは、図9のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Bは、約25℃と約180℃の間で発生するサンプルの総質量の約5.7%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form B結晶形は、図10のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Bは、約176℃の開始温度を有する吸熱、および約199℃の開始温度を有する別の吸熱を有する。ある実施形態において、Form Bは、約160℃でのピーク温度を有する更なる吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm B結晶形は、Cu Kα線を使用すると図11のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、本発明のForm B結晶形は、Cu Kα線を使用すると約13.1、14.7、18.8、21.1 、24.2、26.3、29.4°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm B結晶形は、Cu Kα線を使用すると約13.1、14.7、18.8、21.1 、24.2、26.3、29.4°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm B結晶形は、サンプルの総質量の約6%のTHF含有量と、Cu Kα線を使用して約13.1、14.7、18.8、21.1 、24.2、26.3、29.4°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。ある実施形態において、Form Bは、図12のものに類似した赤外スペクトルを有する。ある実施形態において、本発明のForm B結晶形は、図13のものに類似したラマンスペクトルを有する。本発明のある実施形態において、Form Bは、図14のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、Form Bは、5%から95%に相対湿度を上昇させると約25%の質量増加を示し、その後、95%から5%に相対湿度を低下させると約26%の質量損失を示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Bは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Bの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Bは、THF中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から晶出させることによって調製することができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form C、結晶格子内に溶媒酢酸エチル、エチルエーテルおよび水のうちの1つまたはそれ以上を含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、酢酸エチルは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.2モル当量の酢酸エチルという近似比で存在する。質量に置き換えると、これは、Form Cのサンプルの総質量のおよそ6%の酢酸エチル含有量に等しい。特定の実施形態において、エチルエーテルは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.2モル当量のエチルエーテルという近似比で存在する。質量に置き換えると、これは、Form Cのサンプルの総質量のおよそ5%のエチルエーテル含有量に等しい。特定の実施形態において、酢酸エチル、エチルエーテルおよび水の総合含有量は、Form Cのサンプルの総質量の約3%から約8%にわたる。ある実施形態において。Form Cは、図15のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Cは、約25℃と約110℃の間で発生するそのサンプルの総質量の約5.1%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form C結晶形は、図16のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Cは、約84°の開始温度を有する吸熱、約136℃でのピーク温度を有する別の吸熱、および約167℃での開始温度を有する別の吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm C結晶形は、Cu Kα線を使用すると図17のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm C結晶形は、α線を使用すると約5.8、11.7、14.7、18.8、21.0、21.2°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm C結晶形は、Cu Kα線を使用すると約5.8、11.7、14.7、18.8、21.0、21.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm C結晶形は、サンプルの総質量の約3%と約8%の間に達する酢酸エチル、エチルエーテルおよび水の総合含有量、およびCu Kα線を使用すると約5.8、11.7、14.7、18.8、21.0、21.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、Form C結晶形は、図18のものに類似した赤外スペクトルを有する。ある実施形態において、本発明のForm C結晶形は、図19のものに類似したラマンスペクトルを有する。本発明のある実施形態において、Form Cは、図20のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気執着によって試験する場合、Form Cは、5%から95%に相対湿度を上昇させると約27%の質量増加を示し、その後、95%から5%に相対湿度を低下させると約27%の質量損失を示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Cは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Cの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Cは、酢酸エチル、エチルエーテル、水、これらの溶媒の2つまたはそれ以上の混合物などの中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から晶出させることによって調製することができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form D、結晶格子内にイソプロピルアルコール(IPA)および/または水を含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。本発明の一実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm D結晶形のサンプルは、そのサンプルの総質量の約2%と約8%の間にわたるIPAと水の総合含有量を有する。ある実施形態において、Form D結晶形は、図21のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Dは、約25℃と約150℃の範囲で発生するサンプルの総質量の約5.6%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form D結晶形は、図22のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Dは、約85℃での開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm D結晶形は、Cu Kα線を使用すると図23のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm D結晶形は、Cu Kα線を使用すると約2.4、5.7、6.0、15.9、19.1 、19.8、20.3°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm D結晶形は、Cu Kα線を使用すると約2.4、5.7、6.0、15.9、19.1 、19.8、20.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所に主要X線粉末回折ピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm D結晶形は、サンプルの総質量の約2%と約8%の間にわたるIPAと水の総合含有量と、Cu Kα線を使用して約2.4、5.7、6.0、15.9、19.1 、19.8、20.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5、6または7箇所での主要X線粉末回折ピークの両方を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Dは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Dの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Dは、IPA中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から晶出させることによって調製することができる。
一実施形態において、本発明は、Form E、結晶格子内にメチルt−ブチルエーテル(MTBE)および/または水を含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。本発明の一実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm E結晶形のサンプルは、そのサンプルの総質量の約4%と約10%の間にわたるMTBEと水の総合含有量を有する。ある実施形態において、Form Eは、サンプルの総質量の約6%のMTBE含有量を有し、これは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのモルあたり約0.2モル当量のMTBEに等しい。ある実施形態において、Form Eは、図24のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Eは、約25から約180℃の範囲で発生するサンプルの総質量の約5.9%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form Eは、図25のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Eは、約93℃での開始温度を有する吸熱、続いて、約167℃での開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm E結晶形は、Cu Kα線を使用すると図26のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm E結晶形は、Cu Kα線を使用すると約5.8、11.9、13.0、14.4、18.5、20.9°2θにX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm E結晶形は、Cu Kα線を使用すると約5.8、11.9、13.0、14.4、18.5、20.9°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折ピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm E結晶形は、サンプルの総質量の約4%と約10%の間にわたる溶媒含有量と、Cu Kα線を使用して約5.8、11.9、13.0、14.4、18.5、20.9°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折ピークの両方を有する。ある実施形態において、本発明のForm E結晶形は、図27のものに類似した赤外スペクトルを有する。ある実施形態において、本発明のForm E結晶形は、図28のものに類似したラマンスペクトルを有する。本発明のある実施形態において、Form Eは、図29のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、Form Eは、5%から95%に相対湿度を上昇させると約4.7%の正味の質量増加(net gain in mass)を示し、その後、95%から5%に相対湿度を低下させると約5.8%の質量損失を示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Eは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Eの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Eは、溶媒または例えばメタノールおよび水を含有する溶媒混合物に(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む固形物を溶解し、続いて、その後、メチルt−ブチルエーテルなどの貧溶媒(anti-solvent)の添加により晶出させることによって調製することができる。
一実施形態において、本発明は、Form F、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の水和結晶形を提供する。本発明の一実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm F結晶形のサンプルは、そのサンプルの総質量の約4%と約8%の間にわたる含水量を有する。ある実施形態において、Form F結晶形は、そのサンプルの総質量の約6%の含水量を有し、これは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのモルあたり約1モル当量の水に等しい。本発明のある実施形態において、Form Fは、図30のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Fは、約25から約125℃の範囲で発生するサンプルの総質量の約5.8%に相当する重量損失を有する。本発明のある実施形態において、Form Fは、図31のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Fは、約89℃での開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm F結晶形は、図32のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm F結晶形は、Form Fを用いて得られた単結晶X線回折構造データを使用してCu Kα線についてシミュレートした図33のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm F結晶形は、Cu Kα線を使用すると約14.4、16.0、17.4、19.0、25.5、26.8°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm F結晶形は、Cu Kα線を使用すると約14.4、16.0、17.4、19.0、25.5、26.8°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折ピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm F結晶形は、サンプルの総質量の約6%の含水量と、Cu Kα線を使用して約14.4、16.0、17.4、19.0、25.5、26.8°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折ピークの両方を有する。ある実施形態において、本発明のForm F結晶形は、図34のものに類似した赤外スペクトルを有する。ある実施形態において、本発明のForm F結晶形は、図35のものに類似したラマンスペクトルを有する。本発明のある実施形態において、Form Fは、図36のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、Form Fは、5%から95%に相対湿度を上昇させると約32%の質量増加を示し、その後、95%から5%に相対湿度を低下させると約33%の質量損失を示す。ある実施形態において、単位格子パラメータを決定することができる方法、例えば単結晶X線回折、によっておよそ173Kで分析する場合、Form Fは、次の近似単位格子パラメータを有する。a=9.29Å;b=6.82Å;c=13.91Å;α=90°;β=92.58°;γ=90°;V=879.95Å3。ある実施形態において、Form Fは、空間群P21で結晶化する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Fは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Fの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Fは、例えばメタノールおよび水を含有する溶媒混合物に(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む固形物を溶解し、続いて、その後、メチルt−ブチルエーテルなどの貧溶媒の添加により晶出させることによって調製することができる。
一実施形態において、本発明は、Form G、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。本発明の一実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm G結晶形のサンプルは、そのサンプルの総質量の0%と6%の間にわたる含水量を有する。ある実施形態において、Form G結晶形は、そのサンプルの総質量の約3%の含水量を有し、これは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのモルあたり約半モル当量の水に等しい。ある実施形態において、Form Gは、図38のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Gは、約25から約125℃の範囲で発生するサンプルの総質量の約3.0%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form Gは、図39のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Gは、約91℃の開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm G結晶形は、Cu Kα線を使用すると図40のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm G結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.6、15.1 、16.7、18.8、21.0、25.3°2θに特徴的なX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm G結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.6、15.1 、16.7、18.8、21.0、25.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折ピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm G結晶形は、サンプルの総質量の約0から6%の含水量と、Cu Kα線を使用して約12.6、15.1 、16.7、18.8、21.0、25.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折ピークの両方を有する。本発明のある実施形態において、Form Gは、図41のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、Form Gは、5%から90%に相対湿度を上昇させると約3%の質量増加を示す。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、Form Gは、5%から95%に相対湿度を上昇させると約23%の質量増加を示し、95%から5%に相対湿度を低下させると約22%の質量損失を示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Gは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Gの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Gは、例えばP2O5などの適する乾燥剤を用いて、上で説明したおよび以下の実施例において説明する本発明のForm A結晶形を乾燥させることによって調製する。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form H、結晶格子内に溶媒アセトンを含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、アセトンは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.2モル当量のアセトンという近似比で存在する。質量に置き換えると、これは、Form Hのサンプルの総質量のおよそ4%のアセトン含有量に等しい。ある実施形態において、Form Hのアセトン含有量は、Form Hのサンプルの総質量の約2%から約6%にわたる。ある実施形態において、FormHは、図42のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Hは、約25℃と約180℃の間で発生するサンプルの総質量の約3.7%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form H結晶形は、図43のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Hは、約180℃でのピーク温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、Form Hは、約154℃でのピーク温度を有する更なる吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm H結晶形は、Cu Kα線を使用すると図44のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm H結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.1、14.6、18.7、21.1、26.3°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm H結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.1、14.6、18.7、21.1、26.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4または5箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm H結晶形は、サンプルの総質量の約4%のアセトン含有量と、Cu Kα線を使用して約12.1、14.6、18.7、21.1、26.3°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Hは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Hの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Hは、高温でアセトン中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンのForm A結晶形のスラリーを攪拌し、その後、濾過することによって得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form I、結晶格子内に溶媒イソプロパノールを含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、イソプロパノールは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.2モル当量のイソプロパノールという近似比でFrom I中に存在する。質量に置き換えると、これは、Form Iのサンプルの総質量のおよそ4%のイソプロパノール含有量に等しい。ある実施形態において、Form Iのイソプロパノール含有量は、Form Iのサンプルの総質量の約2%から約6%にわたる。ある実施形態において、Form Iは、図45のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Iは、約25℃と約180℃の間で発生するサンプルの総質量の約4.2%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form I結晶形は、図46のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Iは、約178℃でのピーク温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、Form Iは、約158でのピーク温度を有する更なる吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm I結晶形は、Cu Kα線を使用すると図47のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm I結晶形は、Cu Kα線を使用すると約13.0、14.6、18.7、21.0、23.5、26.2°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm I結晶形は、Cu Kα線を使用すると約13.0、14.6、18.7、21.0、23.5、26.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm I結晶形は、サンプルの総質量の約4%のイソプロパノール含有量と、Cu Kα線を使用して約13.0、14.6、18.7、21.0、23.5、26.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Iは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Iの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Iは、イソプロパノール中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から沈殿させ、その後、濾過することによって得ることができる。ある実施形態において、Form Iは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のイソプロパノール溶液の急速蒸発によって得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form J、結晶格子内に溶媒アセトニトリルを含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、アセトニトリルは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のmolあたり0.2モル当量のアセトニトリルという近似比でForm J中に存在する。質量に置き換えると、これは、Form Jのサンプルの総質量のおよそ3%のアセトニトリル含有量に等しい。ある実施形態において、Form Jのアセトニトリル含有量は、Form Jのサンプルの総質量の約1%から約5%にわたる。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm J結晶形は、Cu Kα線を使用すると図48のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm J結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.2、14.7、16.9、18.8、21.0、23.7°2θに主要X線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、本発明のForm J結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.2、14.7、16.9、18.8、21.0、23.7°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm J結晶形は、サンプルの総質量の約3%のアセトニトリル含有量と、Cu Kα線を使用して約12.2、14.7、16.9、18.8、21.0、23.7°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Jは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Jの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Jは、アセトニトリル中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から沈殿させ、その後、濾過することによって得ることができる。ある実施形態において、Form Jは、アセトニトリル中で(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Aをスラリーにし、その後、濾過することによって得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form K、結晶格子内に溶媒エタノールを含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。ある実施形態において、Form Kのエタノール含有量は、Form Kのサンプルの総質量の約13%未満であり、これは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり約1モル当量未満のエタノールである。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm K結晶形は、図49のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm K結晶形は、Form Kについて得られた単結晶X線回折構造データを用いて本明細書に記載する方法に従ってCu Kα線についてシミュレートした図50のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm K結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.1、13.1、14.6、18.7、21.0、21.2°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm K結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.1、13.1、14.6、18.7、21.0、21.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm K結晶形は、サンプルの総質量の約13%未満のエタノール含有量と、Cu Kα線を使用して約12.1、13.1、14.6、18.7、21.0、21.2°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。ある実施形態において、単位格子パラメータを決定することができる方法、例えば単結晶X線回折、によっておよそ173Kで分析する場合、Form Kは、次の近似単位格子パラメータを有する。a=30.06Å;b=7.74Å;c=21.21Å;α=90°;β=134.50°;γ=90°;V=3517.7Å3。ある実施形態において、Form Kは、空間群C2で結晶化する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Kは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Kの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Kは、エタノール/アセトン溶媒系中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の溶液から晶出させることによって得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、Form L、結晶格子内に溶媒2−メチル−テトラヒドロフランを含有する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩の結晶形、を提供する。特定の実施形態において、2−メチル−テトラヒドロフランは、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のモルあたり0.1モル当量と0.3モル当量の間の2−メチル−テトラヒドロフランという近似比でForm L中に存在する。質量に置き換えると、これは、Form Lのサンプルの総質量のおよそ3%から8%の間の2−メチル−テトラヒドロフラン含有量に等しい。ある実施形態において、Form Lの2−メチル−テトラヒドロフラン含有量は、Form Lのサンプルの総質量の約1%から約10%にわたる。ある実施形態において、Form Lは、図51のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って熱重量分析によって試験する場合、Form Lは、約25と約125℃の間で発生するサンプルの総質量の約2%に相当する重量損失、および約25℃と約180℃の間で発生するサンプルの総質量の約7%に相当する重量損失を有する。ある実施形態において、Form L結晶形は、図52のものに類似した示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って示差走査熱量分析によって試験する場合、Form Lは、約166℃での開始温度を有する吸熱を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm L結晶形は、Cu Kα線を使用すると図53のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の特定のForm L結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.0、13.0、14.5、18.8、21.0、23.4°2θに主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm L結晶形は、Cu Kα線を使用すると約12.0、13.0、14.5、18.8、21.0、23.4°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所に主要X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施形態において、本発明のForm L結晶形は、サンプルの総質量の約1%と約10%の間の2−メチル−テトラヒドロフラン含有量と、Cu Kα線を使用して約12.0、13.0、14.5、18.8、21.0、23.4°2θのX線粉末回折パターン位置のうちの1、2、3、4、5または6箇所での主要X線粉末回折パターンピークの両方を有する。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Lは、本明細書における技術に基づき、当業者には明白なForm Lの任意の製造方法によって作ることができる。ある実施形態において、Form Lは、2−メチル−テトラヒドロフラン中で(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Aをスラリーにし、その後、濾過することによって得ることができる。
もう1つの実施形態において、本発明は、結晶形の同型構造ファミリー(isostructural family)のメンバーである(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩を含む結晶形を提供する。結晶形の特定の同型構造ファミリーのメンバーは、例えば結晶格子内の面間隔などの特徴に関してそのファミリーの他のメンバーと一定の構造類似性を共有する。特定の同型構造ファミリーのメンバー間の構造類似性は、結果として、これらの結晶形について幾つかの共通の特徴を与える。例えば、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリーのメンバーは、類似したX線粉末回折パターンを有する。結晶形の所与の同型構造ファミリーのそれぞれのメンバーは、結晶格子内に1つもしくはそれ以上のタイプの有機溶媒および/または水を含有し、あるいは脱溶媒溶媒和物である場合もある。(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の所与の同型構造ファミリーのメンバーの結晶格子内に含まれる好ましい溶媒としては、一般的な実験室用有機溶媒および水が挙げられる。他の実施形態において、本発明は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリーの脱溶媒溶媒和物メンバーを提供する。脱溶媒溶媒和物は、1つもしくはそれ以上のタイプの溶媒および/または水を結晶格子から除去することによって形成され、結果として、脱溶媒溶媒和物結晶形は、結晶格子内に実質的な量の溶媒および水を有さない。溶媒除去には、乾燥、加熱および/または真空法、ならびに当業者には明白な他の方法を含み得る。
一実施形態において、本発明は、同型構造ファミリー1に属する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む結晶形を提供する。本発明のある実施形態において、同型構造ファミリー1のメンバーは、Form B、Form C、Form H、Form I、Form J、Form KおよびForm Lから成る群より選択される。本発明のある実施形態において、結晶形の同型構造ファミリー1のメンバーは、Cu Kα線を使用すると約5.8、13.0、14.6、18.7、21.1、26.3°2θに特徴的なX線粉末回折パターンピークを有する。本発明のある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリー1のメンバーは、Cu Kα線を使用すると約5.8、13.0、14.6、18.7、21.1、26.3°2θの位置に1、2、3、4、5または6つの特徴的なX線粉末回折パターンピークを有する。(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリー1のメンバーの結晶格子内に含むための溶媒としては、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、エチルエーテル、アセトン、イソプロパノール、アセトニトリル、エタノール、水およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。本発明のある実施形態は、脱溶媒溶媒和物結晶形である(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリー1のメンバーを提供する。ある実施形態において、同型構造ファミリー1に属する脱溶媒溶媒和物は、同型構造ファミリー1の任意の溶媒和および/または水和結晶形メンバーの結晶格子から上述の溶媒のうちのいずれかを除去することによって調製することができる。ある実施形態では、溶媒酢酸エチル、ジエチルエーテルおよび/または水を加熱によってForm C(本明細書に記載する、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の結晶形)の結晶格子から除去して、同型構造ファミリー1の脱溶媒溶媒和物を得る。ある実施形態において、同型構造ファミリー1のメンバーである脱溶媒溶媒和物は、Cu Kα線を使用すると図54のものに類似したXRPDパターンを有する。
もう1つの実施形態において、本発明は、同型構造ファミリー2に属する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩を含む結晶形を提供する。本発明のある実施形態において、同型構造ファミリー2のメンバーは、Form EおよびForm Lから成る群より選択される。本発明のある実施形態において、同型構造ファミリー2のメンバーである結晶形は、Cu Kα線を使用すると約11.9、13.0、14.4、18.5および20.9°2θに特徴的なX線粉末回折パターンピークを有する。本発明の他の実施形態において、同型構造ファミリー2のメンバーである(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の結晶形は、Cu Kα線を使用すると約11.9、13.0、14.4、18.5および20.9°2θの位置に1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折パターンピークを有する。(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩化水素酸塩を含む結晶形の同型構造ファミリー2のメンバーの結晶格子内に含まれる溶媒としては、メチルt−ブチルエーテル、2−メチル−テトラヒドロフラン、水およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。本発明のある実施形態は、同型構造ファミリー2のメンバーである脱溶媒溶媒和物結晶形を含む。ある実施形態において、同型構造ファミリー2のメンバーである脱溶媒溶媒和物結晶形は、同型構造ファミリー2のメンバーである結晶形の脱溶媒および/または脱水によって形成される。
ある実施形態において、本発明は、情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害をはじめとする(しかし、これらに限定されない)状態および疾患の治療、予防または管理に特に有用性を有する、(−)−O−デスメチルベンラファキシンおよびその塩を含む非晶形を提供する。本発明の非晶形は、本明細書に記載するように、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの調製後に作ることができる。特定の実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの遊離塩基または塩のいずれかを含む非晶形を含む。ある実施形態において、本発明の非晶形は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの医薬的に許容される塩を含む非晶形である。
一実施形態において、本発明は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの一塩酸塩((−)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール一塩酸塩)の非晶形を提供する。本発明のある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、図55のものに類似した熱重量分析サーモグラムを有する。本発明のある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、図56のものに類似した変調型示差走査熱量分析サーモグラムを有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って変調型示差走査熱量分析によって試験する場合、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、およそ24℃のガラス転移温度(glass transition temperature)を有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、Cu Kα線を使用すると図57のものに類似したX線粉末回折パターンを有する。本発明の非晶形の特定の実施形態は、Cu Kα線を使用すると約2.5から40.0°2θの範囲にシャープな回折ピークを含まないX線粉末回折パターンを有する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、図58のものに類似した動的蒸気収着等温線を有する。ある実施形態において、本明細書に記載する方法に従って動的蒸気収着によって試験する場合、本発明の塩酸塩の非晶形は、5%から95%に相対湿度を上昇させると約36%の質量増加を示し、その後、95%から5%に相対湿度を低下させると約32%の質量損失を示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形は、本明細書における教示に基づき、非晶形を作るための当業者には明白な任意の方法によって作ることができる。本発明の特定の実施形態では、アセトニトリル、イソプロパノール、酢酸エチル、エタノール、メタノールなどのような溶媒を含む溶媒または溶媒混合物に(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の結晶形を溶解し、その後、それを蒸発させて本発明の非晶形を得る。ある実施形態では、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩を含む固形物を適する溶媒(単数または複数)、例えば水に溶解し、その後、凍結乾燥手順に付して、本発明の非晶形を得る。ある実施形態では、例えばForm Aなどの、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の水和物、溶媒和物または無水結晶形をその脱水、脱溶媒または融解温度より高い温度に加熱して、本発明の非晶形を得る。
本発明のある実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンまたはその塩を含む固形物の混合物(物理的混合物および/または固溶体(solid solutions)を含む)を提供する。ある実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む固形物の混合物を提供する。ある実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩の非晶質形と、(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩の1つまたはそれ以上の結晶質形とを含む混合物を提供する。ある実施形態は、約0.1%,0.5%,1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%,20%,25%,30%,40%,50%,60%,70%,80%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%または99.9%の(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の非晶形を含む、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、または6つもしくはそれ以上の固形物を含む混合物を提供する。ある実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、または6つもしくはそれ以上の結晶形を含む混合物、例えば、Form AおよびForm F(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩を含む混合物を提供する。ある実施形態は、約0.1%,0.5%,1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%,20%,25%,30%,40%,50%,60%,70%,80%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%または99.9%の(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩の1つの形、例えばForm Aを含む、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、または6つもしくはそれ以上の結晶形を含む混合物を提供する。ある実施形態は、結晶形の特定の同型構造ファミリー、例えば同型ファミリー1、のメンバーである2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、5つもしくはそれ以上、または6つもしくはそれ以上の結晶形を含む特徴的な構造特性(例えば、格子パラメータ、XRPDピーク位置および/または1つもしくはそれ以上の結晶化溶媒)が、その混合物の分析によって示される、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の結晶形の固溶体(solid solution)を提供する。
5.2.3 組成物
本発明は、情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害をはじめとする(しかし、これらに限定されない)状態および疾患の治療、予防または管理のための医薬組成物を提供する。本組成物は、本発明の1つまたはそれ以上の結晶形および/または非晶形と、医薬的に許容される希釈剤、賦形剤または担体とを含む。ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩の純粋な結晶または非晶形を含む。例えば、本発明の医薬組成物は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの純粋なForm A一塩化水素酸塩を含む。
本発明の結晶質または非晶質形を投与するための医薬組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学分野において周知の方法のいずれかによって調製することができる。すべての方法が、1つまたはそれ以上の補助成分を構成する担体と活性成分を結び付ける工程を含む。一般に、本医薬組成物は、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と活性成分を均一かつ密接に結び付けることによって調製し、その後、必要な場合には、その生成物を所望の製剤に成形する。本医薬組成物には、結晶質または非晶質形を、治療、予防または管理するプロセス、状態または疾患に望ましい効果をもたらすために十分な量で含む。
本発明の活性成分の治療および/または予防有効用量を患者に提供するために、任意の適する投与経路を利用することができる。例えば、本発明は、患者への経口投与、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、口腔内もしくは直腸内)投与、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、もしくは動脈内)投与または経皮投与に適する単一単位剤形を含む。単剤形の例としては、錠剤;キャプレット;カプセル、例えばハードゼラチンまたはソフト弾性ゼラチンカプセル;カシェ剤;トローチ;ロゼンジ;分散液;坐剤;軟膏;ハップ剤(湿布);ペースト;粉末;包帯剤;クリーム;硬膏剤;溶液;パッチ;エアロゾル(例えば、鼻スプレーまたは吸入器);ゲル;懸濁液(例えば、水性もしくは非水性懸濁液、水中油型エマルジョン、または油中水型液体エマルジョン)、溶液およびエリキシルを含む、患者への経口または粘膜投与に適する液体剤形;患者への非経口投与に適する液体剤形;および患者への非経口投与に適する液体剤形を得るために再構成することができる滅菌固体(例えば、結晶質または非晶質固体)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定用途では、従来の医薬配合技術に従って製薬用担体との密接な混合物に活性成分を併せることができる。担体は、投与に望ましい製剤の形に依存して多種多様な形をとることができる。経口剤形用の製剤を調製する場合、任意の有用な製薬用媒質を、例えば、経口液体製剤(例えば、懸濁液、溶液およびエリキシル)またはエアロゾルの場合には水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存薬、着色剤などの担体;または経口固体剤形の場合に使用可能な担体、例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤(好ましくは、ラクトースを使用しない)として利用することができる。例えば、適する担体としては、粉末、カプセルおよび錠剤が挙げられ、固体経口製剤のほうが液体製剤より好ましい。
本発明の剤形の組成、形状およびタイプは、一般に、それらの用途によって変わってくる。例えば、疾病の急性治療に使用される剤形は、その剤形が含む活性成分の1つまたはそれ以上の量を、同じ疾病の慢性治療に使用される剤形より多く含有し得る。同様に、非経口剤形は、その剤形が含む活性成分の1つまたはそれ以上の量を、同じ疾病を治療するために使用される経口剤形より少なく含有し得る。本発明に包含される特定の剤形が互いに異なるであろうこれらおよび他の方法は、当業者には容易に明らかとなろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Mack Publishing, Easton PA (1990)
参照。
5.2.3.1 経口剤形
経口投与に適する本発明の医薬組成物は、別個の剤形、例えば、錠剤、咀嚼錠、キャプレット、カプセルおよび液体(例えば、味付きシロップ)(しかし、これらに限定されない)として提供することができる。このような剤形は、所定の量の活性成分を含有し、当業者に周知の調剤方法によって調製することができる。一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Mack Publishing, Easton PA (1990)参照。
本発明の典型的な経口剤形は、従来の医薬配合技術に従って均質混合物での活性成分を少なくとも1つの賦形剤と併せることによって調製する。賦形剤は、投与が望まれる調製品の形によって多種多様な形をとることができる。
錠剤およびカプセルは、容易に投与できるので、最も有利な経口剤形であり、この場合は固体賦形剤が利用される。所望される場合には、標準的な水性または非水性技術によって錠剤をコーティングすることができる。そのような剤形は、任意の調剤方法によって調製することができる。一般に、医薬組成物および剤形は、活性成分を液体担体、微粉固体担体またはその両方と均一且つ均質に混合し、その後、必要な場合にはその生成物を所望の体裁に成形することによって調製される。
崩壊剤または滑沢剤を本発明の医薬組成物および剤形に使用することができる。本発明による医薬組成物または剤形の製造は、治療薬成分に加えて、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、甘味料などまたはこれらの混合物をはじめとする(しかし、これらに限定されない)賦形剤または添加剤を必要とし得る。これらのおよび他の添加剤の添合により、様々な剤形(例えば、錠剤、カプセル、キャプレット、トローチなど)を作ることができる。様々な剤形としては、例えば、ハードゼラチンカプセル、キャプレット、糖衣錠、作用を遅らせるための腸溶錠、多重圧縮錠剤、持効性錠剤、溶解用錠剤、発泡錠剤、口腔および舌下錠剤、トローチなどが挙げられる。
従って、本発明の医薬組成物の単位服用量形態または投薬用製剤、例えば、トローチ、錠剤またはカプセルは、所望の量のそれぞれの活性成分と、医薬適合性の量の以下で説明するような1つまたはそれ以上の医薬適合性または医薬的に許容される賦形剤とを併せて、その所望の量のそれぞれの活性成分の単位服用量投薬用製剤を得ることによって形成することができる。前記服用量形態または投薬用製剤は、当分野において周知の方法によって形成することができる。
錠剤は、患者にも(例えば、投薬量の正確さ、コンパクトであること、携帯できること、口あたりのよさ、ならびに投与の容易さ)、製造業者にも(例えば、作製の簡単さおよび経済性、安定性、ならびに包装、輸送および調剤の便利さ)利点をもたらすため、好ましい剤形である。錠剤は、適する添加剤と共にまたは伴わずに治療薬を含有する固体医薬剤形である。
錠剤は、典型的には成型によって、圧縮によって、または一般に是認されている錠剤形成法によって作られる。従って、圧縮錠剤は、通常、大規模生産によって調製されるが、成型錠剤は、多くの場合、小規模操作を含む。例えば、3つの一般的な錠剤作製方法がある。(1)湿式造粒法;(2)乾式造粒法;および(3)直接圧縮。これらの方法は、当業者には周知である。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16および第18版, Mack Publishing Co., Easton, Pa. (1980 and 1990)参照。米国薬局方(U.S. Phrmacopeia)XXI, U.S. Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, Md. (1985)も参照。
様々な錠剤製剤を本発明に従って作ることができる。様々な錠剤製剤としては、錠剤剤形、例えば糖衣錠、フィルムコーティング錠剤、腸溶錠、多重圧縮錠剤、持効性錠剤などが挙げられる。糖衣錠(sugar-coated tablets)(SCT)は、糖衣を含む圧縮錠剤である。このようなコーティングは、有色である場合もあり、不快な味または臭いを有する薬用物質を包み隠す点で、また酸化しやすい材料を保護する点で有益である。フィルムコーティング錠剤(film coated tablets)(FCT)は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われている圧縮錠剤である。フィルム形成特性を有する多数の高分子物質を使用することができる。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的な特徴と、コーティング操作に必要な時間が大きく短縮される付加的利点をもたらす。腸溶錠も本発明での使用に適する。腸溶錠(enteric-coated tablets)(ECT)は、胃液での溶解には耐えるが腸内で崩壊する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、胃の中で不活性化もしくは破壊される薬用物質を含有する錠剤に、粘膜を刺激するものに、または薬物の遅延放出の手段として使用することができる。
多重圧縮錠剤(multiple compressed tablets)(MCT)は、1回を超える圧縮サイクルによって作られる圧縮錠剤、例えば、積層錠剤またはプレスコーティング錠である。積層錠剤は、すでに圧縮した造粒物の上に更なる錠剤造粒物を圧縮することによって作製される。この操作を繰り返して、2層、3層またはそれ以上の層の多層錠剤を製造することができる。一般に、積層錠剤を作るには特別な打錠器(tablet presses)が必要である。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,213,738号参照。
プレスコーティング錠剤は、多重圧縮錠剤のもう1つの形である。有核錠(dry-coated tablets)とも呼ばれるこのような錠剤は、すでに圧縮した錠剤を打錠機(tableting machine)に供給し、既成の錠剤の周りに別の造粒層を圧縮することによって作製される。これらの錠剤は、圧縮錠剤の利点、すなわち溝付け、モノグラム付け、崩壊速度など、のすべてを有し、その上、コア錠剤の中の薬用物質の味を隠蔽する点で糖衣錠の特質を保持する。プレスコーティング錠も非相溶性薬用物質を分離するために用いることができる。さらに、プレスコーティング錠は、コア錠剤に腸溶コーティングを施すために使用することができる。両方のタイプの錠剤(すなわち、積層錠剤およびプレスコーティング錠)を、例えば本発明の持効性剤形の設計に使用することができる。
持効性錠剤の形での本発明の医薬組成物または単位剤形は、長時間かけて薬物を供給する様式で薬用物質を放出するように調合された圧縮錠剤を含むことができる。投与後ある時間間隔の間または一定の生理条件が存在するまで薬用物質の放出が妨げられる遅効性錠剤を含む多数の錠剤タイプがある。胃腸液に薬用物質の全用量を定期的に放出する複効錠を形成することができる。また、胃腸液に含有薬用物質の増分を継続的に放出する徐放性錠剤を形成することができる。
利用できる装置を用い、賦形剤を用いまたは用いずに、本発明の薬用物質または治療用成分を圧力で固体剤形(例えば、錠剤)にするには、結晶質または非晶質いずれの形の材料も、多数の物理的特徴を有さなければならない。これらの特徴としては、例えば、円滑に流動できること、粉末の場合には密圧すると密着できること、および成形型から容易に離型できることを挙げることができる。多くの材料は、これらの特性を全く有さないか一部しか有さないので、錠剤または類似の剤形に圧縮することができる材料にこれらの望ましい特徴を付与するために錠剤の調合および作製方法が開発されている。
述べたように、薬物または治療用成分に加えて、錠剤および類似の剤形は、賦形剤または添加剤と呼ばれる多数の材料を含有し得る。これらの添加剤は、剤形、例えば錠剤、キャプレット、カプセル、トローチなどの調合の際に果たす役割によって分類される。添加剤の1つの群は、結合剤、希釈剤(フィラー)、崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、希釈剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤は同じでない。
結合剤は、打錠機で使用するときに材料が流れるように、錠剤成分の混合物から易流動性粉末を得るために用いられる。結合剤は、錠剤に凝集性ももたらす。結合剤が少なすぎると、流れの問題が生じ、結着性を維持しない錠剤を得ることとなるが、多すぎると、錠剤からの薬物または活性成分の放出(溶解速度)に悪影響を及ぼすことがある。従って、錠剤からの薬用成分の溶解速度に悪影響を及ぼすことなく錠剤成分の易流動性混合物を得るために十分な量の結合剤を錠剤に添合すべきである。より低用量の錠剤では、圧縮助剤と呼ばれる適する希釈用賦形剤の使用により、良好な圧縮性の必要性をある程度無くすことができる。使用する結合剤の量は、製剤のタイプおよび投与方式によって変わり、当業者には容易に認識できる。
本発明に従って作られる投薬用製剤と共に使用するのに適する結合剤としては、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプンもしくは他のデンプン、ゼラチン、天然および合成ゴム、例えばアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルジネート、粉末トラガカントゴム、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、No.2208、No.2906、No.2910)、微結晶性セルロースまたはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。微結晶性セルロースの適する形としては、例えば、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103およびAVICEL−PH−105として販売されている材料(米国、ペンシルバニア州、マーカスフックのFMC Corporation,American Viscose Division,Avicel Salesから入手できる)を挙げることができる。
フィラーまたは希釈剤は、許容されるサイズの錠剤、カプセルまたは他の望ましい剤形を製造するために、(例えば、錠剤またはカプセル中の)粉末を嵩増しするために使用される。一般に、治療用成分は、希釈剤を添合することによって適するサイズの適便な剤形に構成される。結合剤と同様に、フィラーへの薬物(単数または複数)の結合が起こり、バイオアベイラビリティに影響を及ぼすことがある。従って、フィラーを含有する剤形からの薬用成分の放出に有害な影響を及ぼすことなく望ましい希釈比を達成するために十分な量のフィラーを使用すべきである。さらに、剤形の治療用成分(単数または複数)と物理的および化学的に適合性であるフィラーを使用すべきである。使用するフィラーの量は、製剤のタイプおよび投与方式によって変わり、当業者には容易に認識できる。フィラーの例としては、ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラン、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンまたはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
崩壊剤は、水性環境に暴露されたときにその服用量形態(例えば、錠剤)を崩壊させるために使用される。崩壊剤が多すぎると、大気水分によってビンの中で崩壊することがある錠剤が製造されることとなる。少なすぎると、十分な崩壊が起こらないことがあり、従って、その剤形からの薬物(単数もしくは複数)または活性成分(単数もしくは複数)の放出の速度および程度が変わることがある。従って、本発明に従って作られる剤形を形成するために、少なすぎず、薬用成分の放出を不利益に変更するほど多くもない十分な量の崩壊剤を使用すべきである。使用する崩壊剤の量は、製剤のタイプおよび投与方式に基づいて変わり、当業者には容易に認識できる。崩壊剤の例としては、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ゴムまたはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
被験者に投与すると、例えば被験者の胃の中で、相当急速に溶解する服用量形態が望まれるとき、超崩壊剤(super disintegrant)、例えば、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム(しかし、これらに限定されない)を使用することができる。本明細書で用いる場合、用語「超崩壊剤」は、経口投与後に胃の中で薬物または活性成分を急速に崩壊させる崩壊剤を意味する。超崩壊剤の使用は、薬用成分または活性成分(単数または複数)を急速に吸収しやすくすることができ、その結果、より速く効き目が現れる。
錠剤剤形については、製造機械(例えば、打錠機)のパンチへの剤形成分の付着を避けなければならない。例えば、薬物がパンチ表面に堆積すると、錠剤表面は点蝕された状態となるので不適格となる。また、このような薬物または賦形剤の粘着は、錠剤を離型する際、不必要に大きい抜出力を必要とする。過剰な抜出力は、型での過剰な磨耗および引裂きは言うまでもなく、高い破損率をもたらすことおよび生産コストを上昇させることがある。実際には、湿式集塊形成により、または高レベルの滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムの使用により、粘着を低減することができる。加えて、良好な抗付着特性を有する薬物塩および/または賦形剤を選択することによってもこれらの問題を最少にすることができる。
述べたように、滑沢剤は、打錠機への錠剤形成用粉末混合物の流れを向上させるために、および錠剤を圧縮した後にその型内での錠剤の粘着を防止するために使用される。滑沢剤が少なすぎると、満足できる錠剤を作ることができず、多すぎると、水不透過性疎水性コーティング(これは、滑沢剤が通常は疎水性材料、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどであるため、形成し得る)を有する錠剤が製造され得る。さらに、水不透過性疎水性コーティングは、錠剤の崩壊および薬用成分(単数または複数)の溶解を抑制し得る。従って、薬用成分(単数または複数)の望ましい崩壊および/または溶解に不利益に干渉する水不透過性疎水性コーティングを形成することなく圧縮錠剤を容易に離型することができる十分な量の滑沢剤を使用すべきである。
本発明と共に使用するのに適する滑沢剤の例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ごま油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。更なる滑沢剤としては、例えば、シロイドシリカゲル(メリーランド州、ボルティモアのW.R.Grace Co.によって製造されている、AEROSIL 200)、合成シリカの凝固エアロゾル(テキサス州、プレーノーのDeaussa Co.により市販されている)、CAB−O−SIL(マサチューセッツ州、ボストンのCabot Co.によって販売されている熱分解法二酸化ケイ素製品)またはこれらの混合物が挙げられる。
界面活性剤は、湿潤特性を改善するためにおよび/または溶解を増進させるために剤形に使用され、あまり溶解性でないまたは不溶性の薬物(単数もしくは複数)または活性成分を含有する医薬組成物または剤形に特に有用である。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、TWEENとして市販されているもの(例えば、Tween 20およびTween 80)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマー、例えばポロキサマー(例えば、PLURONICとして市販されている)、ならびにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加から誘導された四官能性ブロックコポリマー、例えばポリキサミン(例えば、商業的にはTETRONICとして(BASF))、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、例えばAerosol OT、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホネートもしくはアルコール、例えばTRITON X−200もしくはチロキサポール、p−イソノニルフェノキシポリ(グリシドール)(例えば、Olin−10GもしくはSurfactant 10−G(Olin Chemicals)、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。他の医薬的に許容される界面活性剤は、当分野において周知であり、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 第4版, Pharmaceutical Press, London, UK and American Pharmaceutical Association, Washington, DC (2003)に詳細に記載されている。
本発明の医薬組成物または剤形と共に使用するための添加剤の他のクラスとしては、凝結防止(anti-caking)または接着防止剤、抗菌性保存薬(antimicrobial preservatives)、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、着香剤および香料、可塑剤、増粘剤、甘味料、緩衝剤、保湿剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
凝結防止剤(anti-caking agents)の例としては、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
抗菌性保存薬の例としては、塩化ベンズアルコニウム溶液、塩化ベンズエトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、クレゾール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、ヒドロキシフェニル、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメルソール(thimersol)、チモール、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明と共に使用するための着色剤の例としては、医薬的に許容される染料およびレーキ、カラメル、赤酸化鉄、黄色酸化鉄またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。乾燥剤の例としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、シリカゲルまたはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
使用可能な着香剤としては、アラビアゴム、トラガカントゴム、扁桃油、アネトール、アニス油、ベンズアルデヒド、キャラウェイ、キャラウェイ油、ショウズク油、ショウズクの種子、複合カルダモンチンキ、サクランボジュース、桂皮、桂皮油、チョウジ油、ココア、コリアンダ油、エリオジクチオン、エリオジクチオン流エキス、酢酸エチル、エチルバニリン、ユーカリ油、ウイキョウ油、カンゾウ、純性カンゾウエキス、カンゾウ流エキス、ラベンダー油、レモン油、メントール、サリチル酸メチル、グルタミン酸一ナトリウム、ニクズク油、橙花油、橙花水、オレンジ油、甘橙皮チンキ、複合オレンジス精、ハッカ、ハッカ油、ハッカ精、マツ葉油、ローズ油、強力ローズ水、スペアミント、スペアミント油、チモール、トルーバルサムチンキ、バニラ、バニラチンキおよびバニリン、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
甘味剤の例としては、アスパルテーム、デキストラン、マンニトール、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース(スプレンダ(登録商標)商標)、ソルビトール、ソルビトール溶液、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明と共に使用するための例示的可塑剤としては、ヒマシ油、ジアセチル化モノグリセリド、フタル酸ジエチル、グリセリン、モノおよびジアセチル化モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびトリアセチン、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。適する増粘剤としては、アラビアゴム、寒天、alamic酸、モノステアリン酸アルミニウム、ベントナイト、ベントナイトマグマ、カルボマー934、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム12、カラゲナン、セルロース、微結晶性セルロース、ゼラチン、寒天ゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(No.2208、No.2906、No.2910)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポビドン、シリカゲル、コロイド状二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴムおよびキサンタンガム、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明に使用可能な緩衝剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなど、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。保湿剤の例としては、グリセロール、他の保湿剤、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の剤形は、次のもののうちの1つまたはそれ以上を含み得る。(1)溶解遅延剤、例えば、パラフィン;(2)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物;(3)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど;(4)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレー;(5)抗酸化物質、例えば、水溶性抗酸化物質(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど)、油溶性抗酸化物質(例えば、アスコルビン酸パルミテート、ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなど);および(6)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
本発明の剤形、例えば、錠剤またはキャプレットを、場合によってはコーティングすることができる。不活性コーティング剤は、一般に、適する溶媒に分散された不活性フィルム形成性物質を含み、さらに、他の医薬的に許容されるアジュバント、例えば着色剤および可塑剤、を含むことがある。適する不活性コーティング剤およびコーティング方法は、当分野において周知であり、それらとしては水性もしくは非水性フィルムコーティング技術またはマイクロカプセル化が挙げられるが、これらに限定されない。フィルム形成またはコーティング剤の例としては、ゼラチン、製薬用グレーズ、セラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、ミクロクリスタリンワックス、セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、No.2208、No.2906、No.2910)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(例えば、No.200731、No.220824)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、場合によっては架橋していることがあるエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム;ビニル、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートフタレート;グリコール、例えば、ポリエチレングリコール;ポリアクリレート、例えばジメチルアミノエチルメタクリレート−メタクリル酸エステルコポリマー、およびエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー;ならびに他の炭水化物ポリマー、例えばマルトデキストリンおよびポリデキストロース、またはこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。使用するコーティング剤および担体ビヒクル(水性または非水性)の量は、製剤のタイプおよび投与方式によって変わり、当業者には容易に認識できる。
フィルム形成性ポリマーのコーティング剤は、幾つかのタイプの装置のうちの1つ、例えば、従来の塗料槽、Accelacota、High−ColaまたはWorsterエアサスペンションカラムを使用することにより、本発明の錠剤またはキャプレット(例えば、カプセル形錠剤)に塗布することができる。一般に、このような装置は、急速乾燥を促進するためにほこりおよび溶媒または水を除去する排気システムを有する。スプレーガンまたは他の適する噴霧装置を塗料槽に導入して、錠剤層の急速で均一な付着量の助けとなるスプレーパターンをもたらすことができる。通常、加熱されたまたは冷たい乾燥用空気を連続的にまたはスプレーサイクルと交互に錠剤層に導入して、フィルムコーティング溶液の乾燥を促進する。
コーティング溶液は、連続または断続スプレー乾燥サイクルで空気圧容積移送式またはぜん動式ポンプシステムを使用することによって噴射することができる。スプレー塗布の個々のタイプは、塗料槽の乾燥効率によって選択される。殆どの場合、錠剤が、所望の厚さに均一にコーティングされ、錠剤が所望の外観になるまで、コーティング材料を噴射する。多くの異なるタイプのコーティング剤、例えば、腸溶、遅速放出用コーティング剤または即効性錠剤には急速溶解タイプのコーティング剤を塗布することができる。好ましくは、急速溶解タイプのコーティングを使用して、活性成分のより急速な放出を可能にし、その結果、開始を早める。例えば錠剤に塗布するフィルム形成性ポリマーのコーティング厚は、様々であり得る。しかし、この厚さは、ゼラチンカプセルの外観、感触(触覚および口あたり)および機能を模擬することが好ましい。治療薬(単数または複数)のより急速なまたは遅延した放出が望まれる場合、当業者には、もしあれば、活性成分の所望の血中レベル、放出速度、活性成分の溶解度および剤形の所望の性能などの特徴に基づいて使用するフィルムのタイプおよび厚さが容易にわかるであろう。
錠剤などの最終剤形をコーティングする際に使用するための多数の適するフィルム形成剤には、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(PHARMACOAT 606 6cps)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、エチルセルロース(ETHOCEL 10cps)、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルの様々な誘導体、酢酸フタル酸セルロース、またはこれらの混合物が挙げられる。
調製方法および剤形(例えば、錠剤またはキャプレット)に添合する賦形剤または添加剤は、望ましい物理的特徴を錠剤製剤にもたらし、その上、容易な製造(例えば、錠剤の急速圧縮)を可能にするように選択する。製造後、好ましくは、その剤形は、多数の付加的特性を有するはずであり、例えば、錠剤の場合、そのような特性としては、外観、硬さ、崩壊能および均一性が挙げられ、これらは、調製方法と錠剤製剤中に存在する添加剤の両方による影響を受ける。
さらに、本発明の医薬組成物の錠剤または他の剤形は、それらの有効期間(shelf life)全体を通して、通常の取り扱いおよび管理条件下でそれらの原寸、形状、重量および色を保持しなければならない。従って、例えば、容器の底の過剰な粉末または固体粒子、錠剤の表面層のひび割れもしくは欠け、または錠剤の表面もしくは容器壁上の結晶の外観は、コーティングされていない錠剤の物理的不安定さを示す。従って、錠剤が十分な物理的安定性を確実に有するように、錠剤の穏やかで均一で再現性のある振盪(shaking)およびタンブリングを行わなければならない。錠剤の硬さは、市販の硬度試験機によって判定することができる。加えて、活性成分のin vitroアベイラビリティーは、時間とともに大幅に(appreciably)変化してはならない。
本発明の医薬組成物の錠剤および他の剤形、例えば糖衣丸、カプセル、ピルおよび顆粒に場合によっては刻み目を付けることができ、またはそれらを、コーティングおよび外皮、例えば腸溶コーティングおよび医薬調合技術分野において周知の他のコーティングを伴って作製することができる。
一実施形態では、水にあまり可溶性でないまたは不溶性であるARBを含む本発明の医薬組成物および剤形に滑沢剤を使用することが望ましい。
5.2.3.2 非経口剤形
非経口剤形は、皮下経路、静脈内経路(ボーラス注射を含む)、筋肉内経路および動脈内経路をはじめとする(しかし、これらに限定されない)様々な経路によって患者に投与することができる。それらの投与は、汚染物質に対する患者の自然防御を一般に迂回(bypass)するので、好ましくは、非経口剤形は無菌であるか、患者への投与前に滅菌することができる。非経口剤形の例としては、すぐに注射できる溶液、注射用の医薬的に許容されるビヒクルにすぐに溶解または懸濁させることができる乾燥製品、すぐに注射できる懸濁液、およびエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の非経口剤形を得るために使用可能な適するビヒクルは、当業者に周知である。例としては、USP注射用蒸留水;水性ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、デキストロース注射液、デキストロース−塩化ナトリウム注射液および乳酸加リンゲル液(しかし、これらに限定されない);水混和性ビヒクル、例えば、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(しかし、これらに限定されない);ならびに非水性ビヒクル、例えば、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ごま油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、および安息香酸ベンジル(しかし、これらに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書に開示する活性成分(すなわち、本発明の化合物)の1つまたはそれ以上の溶解度を増大させる化合物も本発明の非経口剤形に含ませることができる。
5.2.3.3 経皮、局所および粘膜用剤形
本発明の経皮、局所および粘膜用剤形としては、眼科用液剤、スプレー剤、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルジョン、懸濁液、または当業者に公知の他の形が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16および第18版, Mack Publishing, Easton PA (1980 & 1990); およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 第4版, Lea & Febiger, Philadelphia (1985)参照。経皮用剤形としては、皮膚に貼り、特定の期間にわって着けて、所望の量の活性成分を浸透させることができる、「レザバータイプ(reservoir type)」または「マトリックスタイプ(matrix type)」のパッチが挙げられる。
本発明に包含される経皮、局所および粘膜用剤形を得るために使用可能な、適する賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および他の材料は、製薬分野の技術者には周知であり、所与の医薬組成物または剤形を適用することとなる特定の組織に依存する。
治療する特定の組織に依存して、本発明の活性成分での治療前に、治療と共に、または治療後に、更なる成分を使用してもよい。例えば、浸透増進剤を使用して、組織への活性成分の送達を助長することができる。
医薬組成物または剤形のpH、または該医薬組成物または剤形を適用する組織のpHを調整して、1つまたはそれ以上の活性成分の送達を向上させることもできる。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または等張性を調整して、送達を向上させることができる。ステアレートなどの化合物を医薬組成物または剤形に添加して、送達を向上させるように1つまたはそれ以上の活性成分の親水性または親油性を有利に変えることもできる。これに関して、ステアレートは、その製剤のための脂質ビヒクルとして、乳化剤または界面活性剤として、および送達増進剤または浸透増進剤として役立ち得る。異なる結晶または非晶形の活性成分を使用して、結果として生ずる組成物の特性をさらに調整することができる。
5.2.3.4 安定性が強化された組成物
個々の賦形剤の適性は、その剤形中の特定の活性成分に依存することもある。例えば、一部の活性成分の分解は、ラクトースなどの一部の賦形剤によって、または水に暴露されたとき、促進されることがある。第一または第二アミンを含む活性成分は、このような促進分解を特に受けやすい。本発明は、ラクトース、他の単または二糖類を、あったとしても、ほとんど含有しない医薬組成物および剤形を包含する。本明細書で用いる場合、用語「無ラクトース(lactose-free)」は、ラクトースの量が、あったとしても、活性成分の分解速度を実質的に上昇させるには不十分であることを意味する。
本発明の無ラクトース組成物は、当分野において周知である賦形剤を含むことができ、例えば、米国薬局方(U.S. Pharmacopeia)(USP) 25-NF20 (2002)に載っている。一般に、無ラクトース組成物は、活性成分、結合剤/フィラー、および滑沢剤を医薬適合性で医薬的に許容される量で含む。好ましい無ラクトース剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
水は一部の化合物の分解を助長し得るので、本発明は、活性成分を含む無水医薬組成物および剤形をさらに包含する。例えば、水の添加(例えば、5%)は、有効期間または経時的な製剤の安定性などの特徴を判定するための長期保管のシミュレーション手段として、製薬分野において広く是認されている。例えば、Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 第2版, Marcel Dekker, New York, NY, pp. 379-80 (1995)参照。事実上、水および熱は、一部の化合物の分解を促進する。従って、通常、製剤の製造、取り扱い、包装、保管、輸送および使用中に水分および/または湿気が発生するので、製剤に対する水の影響は非常に重要であり得る。
本発明の無水医薬組成物(anhydrous pharmaceutical compositions)および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を用いて調製することができる。ラクトースと第一または第二アミンを含む少なくとも1つの活性成分とを含む医薬組成物および剤形は、製造、包装および/または保管中に水分および/または湿度との実質的な接触が予想される場合、無水であることが好ましい。
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製および保管しなければならない。従って、好ましくは、無水組成物は、水への暴露を防止することが公知である材料を使用して包装されるように、それらを適する規定のキットに含めることができる。適する包装の例としては、気密封止フォイル、プラスチック、単位用量用容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、活性成分が分解する速度を低下させる1つまたはそれ以上の化合物を含む医薬組成物および剤形をさらに包含する。「安定剤」と呼ばれるそのような化合物としては、抗酸化物質、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が挙げられるが、これらに限定されない。
賦形剤の量およびタイプと同様に、剤形中の活性成分の量および具体的なタイプは、それを患者に投与する経路など(しかし、これに限定されない)の要因に依存して異なり得る。
5.2.3.5 遅延放出剤形
本発明の活性成分は、当業者に周知である、制御放出手段(controlled release means)または送達装置(delivery devices)によって、投与することができる。例としては、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;ならびに同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591 ,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、および同第5,733,566号(これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。このような剤形は、所望の放出プロフィールを得るために変動比率で例えばヒドロプロピルメチルセルロース、Eudragit L−100、カルナウバワックス、ステアリン酸マグネシウム、メトセルK4M CR、Surelease、Kollidon SR、他のポリマーマトリックス、ゲル、透析膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、またはこれらの組み合わせを使用して、1つまたはそれ以上の活性成分の遅延または制御放出を得るために使用することができる。本明細書に記載するものをはじめとする当業者に公知の適する制御放出製剤を、本発明の化合物と共に使用するために容易に選択することができる。従って、本発明は、経口投与に適する単一単位剤形、例えば、制御放出に適した錠剤、カプセル、ジェルキャップおよびキャプレット(しかし、これらに限定されない)を包含する。
すべての制御放出医薬品は、非制御相当品によって達成されるものより薬物療法を向上させるという共通の目的を有する。理想的には、最適に設計された制御放出製剤の内科療法における使用は、最低量の薬用物質を用いて最低時間量でその状態を治癒または制御することを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬効の拡大、投薬頻度の減少、および患者のコンプライアンスの増大が挙げられる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用の開始時間または他の特徴、例えば薬物の血中レベル、に影響を及ぼすことができ、従って、副(例えば、有害)作用の発生に影響を及ぼすことができる。
殆どの制御放出製剤は、所望の治療効果を即座に得る薬物(活性成分)量を最初に放出し、そして長時間にわたってこの治療または予防効果レベルを維持する別の薬物量を徐々に且つ継続的に放出するように設計される。体内でこの一定した薬物レベルを維持するために、薬物は、代謝され体から排出される薬物量を補充する速度でその剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、または他の生理条件もしくは化合物をはじめとする(しかし、これらに限定されない)様々な条件によって促進(stimulate)することができる。本発明のある実施形態は、(−)−O−デスメチルベンラファキシン(その塩を含む)を含む遅延放出製剤を提供する。ある実施形態において、(−)−O−デスメチルベンラファキシン(その塩を含む)を含む遅延放出製剤は、(−)−O−デスメチルベンラファキシン(その塩および誘導体を含む)の有利な、例えば減速された、溶解プロフィールを有する。ある実施形態において、その製剤は、以下の実施例の項で記載される「プレミックスの製剤(Formulation of Premix)」および「最終製剤(Final Formulation)」において説明するような成分を含む。
5.2.3.6 キット
本発明の活性成分(複数)を同時にまたは同じ投与経路によって患者に投与しないほうがよい場合がある。従って、本発明は、医師が使用するときに患者への適量の活性成分を容易に投与することできるキットを包含する。
本発明の典型的なキットは、本発明の化合物、それらの医薬的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくは立体異性体の一回単位投与剤形(single unit dosage form)、および本発明の化合物と併用することができる別の薬剤の一回単位投与剤形を含む。本発明のキットは、活性成分を投与するために使用される器具をさらに含むことがある。そのような器具の例としては、注射器、点滴バッグ、パッチおよび吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のキットは、1つまたはそれ以上の活性成分を投与するために使用可能な医薬的に許容されるビヒクルをさらに含むことがある。例えば、非経口投与のために再構成しなければならない固形物で活性成分を提供する場合、そのキットは、非経口投与に適する微粒子不含滅菌溶液を作るために活性成分を溶解することができる適するビヒクルの密封容器を含むことがある。医薬的に許容されるビヒクルの例としては、注射用蒸留水USP;水性ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、デキストロース注射液、デキストロース−塩化ナトリウム注射液および乳酸加リンゲル液(しかし、これらに限定されない);水混和性ビヒクル、例えば、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(しかし、これらに限定されない);ならびに非水性ビヒクル、例えば、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ごま油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、および安息香酸ベンジル(しかし、これらに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない。
以下の制限されない実施例を参照することによって本発明をさらに定義する。本発明の精神および範囲を逸脱することなく材料に対しても、方法に対しても多くの変更することができることは、当業者には明らかであろう。
本発明の医薬組成物および方法は、上述の病的状態の治療、予防または管理の際に通常適用される本明細書で述べる他の治療活性化合物をさらに含むことがある。
5.2.4 使用方法
ある実施形態において、本明細書に記載する状態の治療、予防および/または管理に光学的に純粋なまたは実質的に光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシンまたはその塩を利用することにより、ベンラファキシンそれ自体と比較して、有効性が用量との関連でより明確に定義され、有害作用が減少するので、治療係数が改善される。
ある実施形態において、本発明は、1つまたはそれ以上の疾病、疾患または状態を治療、予防または管理する方法を提供し、この方法は、そのような治療、予防および/または管理が必要な被験者、例えばヒトに、本発明において説明する(−)−O−デスメチルベンラファキシンの固形物、例えば、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む結晶形の治療および/または予防用量を投与することによるものであり、前記疾病、疾患または状態としては、情動障害、例えばうつ病、双極性および躁病性障害、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、月経前不快気分障害、境界性人格障害、線維筋痛症、広場恐怖症、強迫性障害、食欲不振および神経性過食症、肥満、体重増加、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、ナルコレプシー、禁煙、薬物渇望、神経媒介性機能不全、疼痛(慢性および神経障害性疼痛を含む)、脳機能障害、老人性痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、言語障害、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、偏頭痛、肥満および体重増加、失禁、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症、閉経期血管運動症候群、例えば顔面潮紅、ニューロンモノアミン取込みの阻害によって改善される疾患、関連疾患、ならびにAmerican Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害が挙げられるが、これらに限定されない。
疾病の急性または慢性管理における(−)−O−デスメチルベンラファキシン(本明細書では、「活性成分(active ingredient)」とも呼ぶ)の予防または治療用量の重要性は、治療する状態の重症度および投与経路に伴って変わってくる。用量、およびある実施形態では投薬頻度も、個々の患者の年齢、体重、反応および過去の医療履歴によって変わってくる。本発明のある実施形態において、本明細書に記載する状態のための推奨日用量範囲は、1日あたり約10mgから約1000mgの範囲内である。ある実施形態において、前記推奨日用量は、1日1回の単回用量として、例えば午前中に与えられる。ある実施形態において、前記推奨日用量は、その日の間に食物と共に摂取される分割量で与えられる。ある実施形態において、日用量範囲は、1日に約50mgから約500mgである。ある実施形態において、日用量範囲は、1日に約75mgと約300mgの間である。ある実施形態において、日用量範囲は、1日に約50mgから約200mgである。ある実施形態において、日用量範囲は、1日に約25mgから約250mgである。患者を管理する場合、その療法を、より少ない用量、おそらく約50mgから約75mgで開始し、必要な場合には、その患者の包括的応答に依存して、単回用量または分割用量として約250mgから約325mgまで増加させるべきである。投薬量を増やす場合、少なくとも4日の間隔をあけて約75mg増やすことが好ましい。
血流からの(−)−O−デスメチルベンラファキシンの排除は、腎および肝機能に依存するので、中等度肝臓障害を有する患者の場合は総日用量を少なくとも50%減少させること、および軽度から中等度の肝臓障害を有する患者の場合は25%減少させることを推奨する。血液透析を受けている患者については、総日用量を5%減少させること、および透析処置が完了するまで用量を抑えることを推奨する。モノアミンオキシダーゼ阻害剤と同時にまたはその直後にベンラファキシンを摂取した患者に関して幾つかの有害反応が報告されているので、そのような阻害剤を現在摂取している患者には(−)−O−デスメチルベンラファキシンを投与しないことを推奨する。一般に、本発明の化合物と他の薬物、特に、他のセロトニン取込み阻害剤の同時投与は、注意して行うべきである。例えば、von Moltke,ら Biol. Psychiat, 41 :377-380 (1997);およびSinclair, J.ら Rev. Contemp. Pharmacother., 9:333-344 (1998)参照。
様々な用語「情動障害を緩和するために十分な前記の量」、「うつ病を緩和するために十分な前記の量」、「注意欠陥障害を緩和するために十分な前記の量」、「強迫性障害を緩和するために十分な前記の量」、「物質乱用を予防または緩和するために十分な前記の量」、「月経前症候群を予防または緩和するために十分な前記の量」、「不安を予防または緩和するために十分な前記の量」、「摂食障害を予防または緩和するために十分な前記の量」、「偏頭痛を予防または緩和または予防するために十分な前記の量」、「パーキンソン病を緩和するために十分な前記の量」、「癲癇を緩和するために十分な前記の量」、「肥満または体重増加を緩和するために十分な前記の量」、「体重減少を達成するために十分な量」、「ヒトに体重減少をもたらすために十分な前記の量」、「疼痛を緩和するために十分な前記の量」、「痴呆症を緩和するために十分な前記の量」、「ニューロンモノアミン再取込みの阻害によって改善される前記疾患を緩和するために十分な前記の量」、「脳機能障害を緩和するために十分な前記の量」、「神経障害を緩和するために十分な前記の量」(この場合、前記障害は、老人性痴呆症、アルツハイマー型痴呆症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群;意識障害、昏睡、注意力低下、言語障害、パーキンソン病、レノックス症候群、自閉症、多動症候群、総合失調症、および脳血管疾患、例えば脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症、脳静脈血栓症、頭部外傷、American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版 (DSM-IV) に記載されている精神障害、などから成る群より選択される)、「失禁を治療、予防または管理するために十分な前記の量」(この場合、前記失禁としては、大便失禁、腹圧性尿失禁、尿失禁、運動性尿失禁、切迫尿失禁、反射性尿失禁、受動失禁および溢流性尿失禁が挙げられるが、これらに限定されない)は、上で説明した投薬量および投薬頻度スケジュールに包含される。同様に、上記疾患のそれぞれを緩和するには十分であるが、ベンラファキシンに関連した有害作用を引き起こすには不十分な量も、上で説明した投薬量および投薬頻度スケジュールに包含される。
以下の制限されない実施例を参照することによって本発明をさらに定義する。本発明の目的および権益を逸脱することなく材料に対しても、方法に対しても多くの変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。
6.実施例
6.1 材料および手順
以下で使用する試薬および溶媒は、市場の供給業者、例えば、Aldrich Chemical Co.(米国、ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から入手することができる。NMR、MSおよびHPLCを用いて、通常の(routine)化学分析を行った。顕著なNMRピークを化学シフトによりまとめ、多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br s、広い一重項)およびプロトン数を表示する。質量分析データは、親イオンの質量、M、を基準にして示す。HPLCデータは、純度百分率として示す。
X線粉末回折(X-ray powder diffraction)(XRPD)データは、次の2つの方法のうちの1つによって得た。ある実験において、XRPD分析は、120°の2θ範囲を有するCPS(Curved Position Sensitive)検出器を装備したInel XRG−3000回折計を使用して行った。0.03°2θの分解能でおよそ2.5°2θで開始するCu−Kα線を使用して、実時間データを収集した。管電圧およびアンペア数を、それぞれ、40kVおよび30mAに設定した。スリットを5mm×130または160μmに設定した。サンプルを薄壁ガラスキャピラリーに詰めて分析の準備をした。データ収集中にキャピラリーを回転させることができるモーターを備えているゴニオメーターヘッドにそれぞれのキャピラリーを載せた。それらのサンプルを5または10分間分析した。ケイ素標準品を使用して、計器較正を行った。
他の実験では、Cu−Kα線を用いたShimadzu XRD−6000 X線粉末回折計を使用して、XRPD分析を行った。この計器は、長いファインフォーカスX線管を備えている。管電圧およびアンペア数を、それぞれ、40kVおよび40mAに設定した。発散スリットおよび散乱スリットを1°に設定し、受光スリットを0.15mmに設定した。回折線をNaIシンチレーション検出器によって検出した。3°/分(0.4秒/0.02°ステップ)で2.5から40°2θまでのθ−2θ連続スキャンを用いた。ケイ素標準品を分析して、計器のアラインメントをチェックした。データを収集し、XRD−6000 v.4.1を使用して分析した。サンプルを、ケイ素サンプルホルダーに配置することによって、分析のために準備をした。
特定の実施形態において、測定XRPDピーク位置に関連した実験誤差は、約±0.1°2θである。
DSCは、TA Instruments 2920示差走査熱量計を使用して行った。サンプルをアルミニウムDSC皿に入れ、その重量を正確に記録した。別に述べていない限り、その皿に蓋をかぶせ、その後、端を曲げた。サンプルセルを25℃で平衡化し、窒素パージしながら10℃/分の速度で350℃の最終温度まで加熱した。インジウム金属を較正標準として使用した。
変調型DSC(modulated DSC)(MDSC)データは、冷凍冷却システム(refrigerated cooling system)(RCS)を装備したTA Instruments 2920示差走査熱量計を用いて得た。サンプルをアルミニウムDSC皿に入れ、その重量を正確に記録した。その皿に蓋をし、その後、端を曲げた。−20から120℃まで2℃/分の基礎加熱速度で+/−0.80℃の振幅および60秒周期の変調を用いてMDSCデータを得た。インジウム金属およびサファイアを較正標準品としてそれぞれ使用して、温度および熱容量を較正した。報告するガラス転移温度は、温度曲線に対する可逆的熱移動の段階的変化の半値/変曲から得た。
TGA分析は、TA Instruments 2950熱重量分析装置を使用して行った。それぞれのサンプルをアルミニウムサンプル皿に入れ、TGA炉に挿入した。常例的熱重量分析の条件は、25℃で炉を平衡化し、その後、窒素下で350℃の最終温度まで10℃/分の速度で加熱することを含んだ。非通常的分析を含む場合、この手順に、加熱前に平衡化しない、違う速度で加熱する、および350℃未満の温度に加熱するなどの変更を加えた。ニッケルおよびAlumel(商標)を較正標準品として使用した。
ホットステージ顕微鏡分析は、Leica DM LP顕微鏡を搭載したLinkamホットステージ(モデルFTIR 600)を使用して行った。20倍対物レンズ、およびラムダプレートと交差偏光器を使用して、サンプルを観察した。サンプルをカバーガラスの上の置き、その後、もう1枚のカバーガラスをサンプルの上に置いた。SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラとSPOT Software v.3.5.8を使用して画像を取り込んだ。ホットステージは、USP融点標準品を使用して較正した。
TG−IR分析結果は、Ever−Glo 中間/遠赤外線源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッターおよび重水素化硫酸三グリシン(DTGS)検出器を装備したMagna 560(登録商標)FT−IR分光光度計(Thermo Nicolet)に接続したTA Instruments 2050 TAG分析装置を用いて、得た。パージおよびバランスについてはそれぞれ90および10cc/分のヘリウム流のもとでTGA計器を動作させた。それぞれのサンプルを白金製サンプル皿に入れ、TGA炉に挿入し、その計器によって正確に計量し、その炉を20℃/分の速度で20℃から200℃または250℃に加熱した。先ずTGA計器を開始させ、その直後にFT−IR計器を開始させた。それぞれのIRスペクトルは、4cm−1のスペクトル分解能で収集した32の相互加算(co-added)スキャンを表す。実験を開始する前にバックグラウンドスキャンを収集した。波長較正は、ポリスチレンを使用して行った。TGA較正標準品は、ニッケルおよびAlumel(商標)であった。High Resolution Nicolet TGA Vapor Phaseスペクトルライブラリの検索から揮発物を同定した。
吸湿/放湿データは、VTI SGA−100 Vapor Sorption Analyzerで収集した。窒素パージしながら10%RH間隔で5%から95%相対湿度(relative humidity)(RH)範囲にわたって吸湿および放湿データを収集した。一部のサンプルについては、90%RHでの工程を吸湿サイクルに加えた。分析前にサンプルを乾燥させなかった。分析に用いた平衡基準は、5分(重量基準を満たさなかった場合は3時間の最大平衡時間)で0.0100%未満の重量変化であった。サンプルの初期含水率(moisture content)についてのデータは収集しなかった。NaClおよびPVPを較正標準品として使用した。
IRスペクトルは、Ever−Glo 中間/遠赤外線源、範囲拡張型臭化カリウム(KBr)ビームスプリッターおよび重水素化硫酸三グリシン(DTGS)検出器を装備したMagna−IR 860(登録商標)FT−IR分光光度計(Thermo Nicolet)を用いて得た。減衰全反射法(attenuated total reflectance)(ATR)補助装置(Thunderdome(商標)、ThermoSpectra−Tech)とゲルマニウム(Ge)結晶をデータ収集に用いた。それぞれのスペクトルは、4cm−1のスペクトル分解能で収集した256の相互加算スキャンを表す。バックグラウンドセットは、空気で収集した。これら2つのデータセットの互いに対する比を使って、Log 1/R(R=反射率)スペクトルを得た。波長較正は、ポリスチレンを使用して行った。
ある実験では、Magna 860(登録商標)FT−IR分光光度計(Thermo Nicolet)に接続したRaman補助モジュールを用いてFT−ラマンスペクトルを収集した。このモジュールは、1064nmの励起波長およびインジウムガリウム砒素(InGaAs)検出器を用いるものであった。およそ0.7WのNd:YVO4レーザーパワーを使用してサンプルを照射した。サンプルを、その材料をガラス管またはキャピラリーに入れることによって、分析のために準備をし、その後、それを前記補助装置内の金被覆管またはキャピラリーホルダーの中に配置した。Happ−Genzelアポディゼーションを用いて、合計256のサンプルスキャンを4cm−1のスペクトル分解能で収集した。波長較正は、硫黄およびシクロヘキサンを使用して行った。
他の実験では、FT−Raman 960分光光度計(Thermo Nicolet)を用いてFT−ラマンスペクトルを収集した。このモジュールは、1064nmの波長およびインジウムガリウム砒素(InGaAs)検出器を用いるものであった。およそ1WのNd:YVO4レーザーパワーを使用してサンプルを照射した。サンプルを、その材料をガラス管またはキャピラリーに入れることによって、分析のために準備をし、その後、それを前記補助装置内の金被覆管またはキャピラリーホルダーの中に配置した。Happ−Genzelアポディゼーションを用いて、合計256のサンプルスキャンを4cm−1のスペクトル分解能で収集した。波長較正は、硫黄およびシクロヘキサンを使用して行った。
Mettler Tolendo DL39 Karl Fischer滴定装置を使用して、水分判定のためのカールフィッシャー(KF)電量分析(coulometric)を行った。Hydranal−Coulomat ADが入っているKF滴定ベッセルにおよそ14〜32mgのサンプルを入れ、確実に溶解するように60秒間混合した。その後、それらのサンプルを、電気化学的酸化によりヨウ素を生成する(2I−=I2+2e)発生電極によって、滴定した。再現性を保障するために3つの反復試験値を得た。
6.2 実施例1:合成
3つの異なる合成方法を用いて、本発明の化合物を得た。第一の方法は、(−)−ベンラファキシンの単離、それに続く選択的脱メチル化を含む。第二の方法は、(±)−O−デスメチルベンラファキシンのラセミ混合物のその光学的に純粋な成分への分離を含む。第三の方法は、(±)−O−ベンジル−O−デスメチルベンラファキシンの合成、光学的に純粋な成分を生じさせる分離、および該成分の脱ベンジル化を含む。
6.2.1 ベンラファキシンの合成および分割
6.2.1.1 1−[シアノ−(4−メトキシフェニル)メチル]シクロヘキサノール
400mLのTHF中の4−メトキシベンジルニトリル(53.5g、0.36mol)の溶液を−78℃に冷却し、反応温度を−65℃未満に維持しながらリチウムジイソプロピルアミドの2.0M THF溶液(200mL、0.40mol)をゆっくりと添加した。その反応物を30分間、−78℃で攪拌した。反応温度が−65℃より上に上昇しないような速度でシクロヘキサノン(39.5g、0.40mol)を添加した。その添加反応物を2時間、−78℃で攪拌した後、氷を含有する1LのNH4Cl飽和水溶液に注入した。その混合物を15分間攪拌し、酢酸エチル(4×200mL)で抽出した。併せた酢酸エチル層を水(3×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で酢酸エチルを蒸発させて、無色の固体を得、それをヘキサンでトリチュレート(trichurate)した。沈降物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥させて、無色の固体を得た(72.0g、80.7%の収量)。1H(CDCI3):7.30および6.90(q,4H),3.80(s,3H),3.75(s,1H),1.55(m,10H);13C(CDCI3):159.8,130.8,123.8,120.0,114.1,72.9,55.5,49.5,34.9,25.3,21.6。
6.2.1.2 1−[2−アミノ−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール
メカニカルスターラーおよび熱電対を装備した3L三つ口フラスコに、1−[シアノ−(4−メトキシフェニル)メチル]シクロヘキサノール(40.0g、0.16mol)および1Lのメタノールを充填した。得られた攪拌溶液に塩化コバルト(42.4g、0.32mol)を添加し、その反応物を、透明な紺青色の溶液が得られるまで攪拌した。反応温度を35℃未満に維持しながら水素化ホウ素ナトリウム(62.0g、1.63mol)を少しずつ添加した。水素化ホウ素ナトリウムを添加するとすぐに激しいガスの発生を伴って真っ黒な沈殿が形成された。添加完了後、そのスラリーを2時間、室温で攪拌した。TLC検査は、出発物質の完全消失を示した。その反応物を氷/水中で冷却し、1Lの3N HClをゆっくりと添加した。反応温度は、25℃未満に維持した。添加完了後、30分間、反応物を攪拌した。少量の黒色沈殿が依然として観察された。減圧下でメタノールを除去し、その後、水性層を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。その水性層を氷/水中で冷却し、濃NH4OH(約600mL)をゆっくりと添加することによって塩基性化した(pH紙)。反応温度は、25℃未満に維持した。反応物を酢酸エチル(4×200mL)で抽出した。併せた酢酸エチル層を水(3×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で酢酸エチルを蒸発させて、黄色の粘性物質(gum)を得た(34.0g、83.6%の収量)。1H(CDCI3):7.20および6.85(q,4H),3.80(s,3H),3.20(m,2H),2.70(t,3H),2.35(br s,3H),1.40(m,10H);13C(CDCI3):158.4,132.6,130.6,113.7,73.7,56.7,55.3,42.4,37.3,34.5,26.0,21.9。
6.2.1.3 (±)−ベンラファキシン
1−[2−アミノ−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール(33.0g、0.13mol)を88%ギ酸(66.0g、55mL、1.43mol)および水(330mL)に溶解し、その後、37%ホルムアルデヒド水溶液(44.4g、41mL、1.48mol)を添加した。得られた溶液を20時間還流させ、室温に冷却し、150mLに濃縮し、3NのHClでpH2.0に調整し、ピンク色の不純物が除去されるまで酢酸エチル(約6×50mL)で抽出した。水性層を氷/水中で冷却し、50%NaOHをゆっくりと添加することによって塩基性化した。水性層を酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。併せた酢酸エチル層を水(3×25mL)、ブライン(1×25mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で酢酸エチルを蒸発させて、黄色の粘性物質を得た。これは、ゆっくりと薄黄色の固体に変わった(34.0g、92.6%の収量)。1H(CDCI3):7.05および6.80(q,4H),3.80(s,3H),3.30(t,1H),2.95(dd,1H),2.35(s,6H),2.30(dd,1H),1.30(m,10H);13C(CDCI3):158.4,132.9,130.3,113.5,74.4,61.4,55.3,51.8,45.6,38.2,31.3,26.2,21.8,21.5.MS(277,M+)。
6.2.1.4 ベンラファキシンの酒石酸塩
適切な溶媒中の塩酸の添加により、または米国特許第4535186号に従って、ベンラファキシン遊離塩基から塩酸ベンラファキシンを調製した。
2.50kgの塩酸1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール、16.8kgの酢酸エチルおよび14.0kgの1N NaOH(水溶液)の混合物を15分間攪拌した。攪拌を停止し、下のほうの層を除去した。有機層を3.5kgの水で2回洗浄した。7.9kgの酢酸エチル中の2.4kgのメタノールおよび1.78kgのジ−p−トルオイルD−酒石酸を添加した。その混合物を15分間、還流させながら(約65℃)攪拌し、55℃に冷却した。その溶液に、0.750kgの酢酸エチル中の43gの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール−ヘミ−D−ジ−p−トルオイル酒石酸塩を播種した。そのスラリーを15分間、55℃で熟成させ、110分間かけて30℃に冷却した。その後、その混合物を1時間かけて0℃に冷却し、濾過した。そのケーキ(cake)を0.23kgのメタノールと2.3kgの酢酸エチルの混合物で2回洗浄し、減圧下、40〜50℃で乾燥させて、1.53kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール−ヘミ−D−ジ−p−トルオイル酒石酸塩(99.1% ee)を得た。1H NMR(DMSO−D6):0.80−1.6(m,10H),2.35(s,9H),2.86(m,1H),2.98(m,1H),3.33(m,1H),3.72(s,3H),5.62(s,2H),6.81(d,2H,J=8.5Hz),7.12(d,2H,J=8.5Hz),7.31(d,4H,J=8.3Hz),7.85(d,4H,J=8.3Hz)。
6.2.1.5 (−)−ベンラファキシン
50mLの冷2N NaOHを(R)−(−)−ベンラファキシン・ジ−p−トルオイルD−酒石酸塩(5.3g、8.0mmol)に添加し、水性層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。併せた酢酸エチル層を、水性洗液が中性になるまで冷2N NaOH(1×25mL)および水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥させ(Na2SO4)、酢酸エチルを蒸発させて、(−)−ベンラファキシンを無色の固体として得た(2.2g、定量収率)、e.e.(HPLC):>99.95。(±)−ベンラファキシンの場合と同様の1H、13CおよびMSデータ。
6.2.2 (−)−O−デスメチルベンラファキシンの合成および分割
6.2.2.1 (±)−O−デスメチルベンラファキシン
20mLのTHF中のジフェニルホスフィン(3.0g、16.1mmol)の溶液を−10℃に冷却し、その後、n−BuLiの1.6M THF溶液(12.7mg、20.2mmol)を、反応温度が0℃より上に上昇しないような速度で、ゆっくりと添加した。その反応物を30分間、0℃で攪拌した。10mLのTHF中の(±)−ベンラファキシン(1.0g、3.6mmol)の溶液を0℃でゆっくりと添加した。その反応物を15分間、0℃で攪拌し、放置して室温に温め、1時間攪拌した。その後、それを一晩還流させた。その反応物を室温に冷却し、反応温度を15℃未満に維持しながら30mLの冷3N HClにゆっくりと注入した。10分間攪拌した後、水性層を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。固体NaHCO3をゆっくりと添加することによって、水性層をpH6.8〜6.9に調整した。その後、NaClを添加することによって飽和させ、酢酸エチル(6×30mL)で抽出した。併せた酢酸エチル層を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で酢酸エチルを蒸発させて、無色の固体を得た。その固体を冷酢酸エチルで研和(トリチュレート(triturate))し、濾過し、冷酢酸エチルで洗浄して、無色の固体を得た(0.700g、73.8%の収量)。1H(DMSO,d6):9.30(br s,1H);7.10および6.80(q,4H),5.60(br s,1H),3.15(dd,1H),2.88(t,1H),2.50(dd,1H),2.30(s,6H),1.35(m,10H);13C(DMSO,d6):155.5,131.7,130.1,114.4,72.6,60.4,51.6,45.3,37.2,32.4,25.7,21.2.MS:(264,M+1)。
6.2.2.2 (−)−O−デスメチルベンラファキシン
上で説明した手順に従って、(−)−ベンラファキシンから(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシン:無色の固体、[α]D=−35.2(c=0.25、EtOH)、%純度(HPLC):>99% e.e.(HPLC)>99%。(±)−O−デメチルベンラファキシンの場合と同様の1H、13CおよびMSデータ。
6.2.2.3 ベンラファキシンDTTAから直接の(−)−O−デスメチルベンラファキシン
(−)−O−デスメチルベンラファキシンは、以下で説明する手順に従って、(−)−ベンラファキシン−ヘミ−DTTA塩から直接調製することもできる。
6.2.2.4 (−)−ベンラファキシン
1.95kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール−ヘミ−D−ジ−p−トルオイル酒石酸塩、12.03kgのMTBEおよび5.85kgの1M NaOH(水溶液)の混合物を15分間攪拌した。攪拌を停止し、下のほうの層を除去した。有機層を5.46kgの水で2回洗浄した。有機層を5Lに濃縮した。3.90kgの無水テトラヒドロフランを添加し、その混合物を蒸留して4.5Lの体積にして、(−)−ベンラファキシンをTHF中の溶液として得た。
22.9kgのテトラヒドロフランと2.2kgのジフェニルホスフィンの混合物に6.2kgのn−ブチルリチウム、1.6M(15重量%)を添加することによって、リチウムジフェニルホスファイドの溶液を生成した。(−)−ベンラファキシンのTHF溶液をそのリチウムジフェニルホスファイドに添加した。反応が完了するまで(およそ24時間)その混合物を50℃で攪拌し、保持した。その混合物を22℃に冷却し、11.95kgのDI水および3.94kgの6N HClを添加した。その混合物を15分間攪拌し、攪拌を停止し、上のほうの有機相を除去し、廃棄した。水性層を7.89kgの塩化メチレンで2回洗浄した。濃水酸化アンモニウムを使用して、その水性層のpHを9.5に調整した。そして、19.4kgの2−メチルテトラヒドロフランを添加した。その混合物を65℃に加熱し、水性相を除去した。有機相を65℃で8kgの水で洗浄し、有機相を4.5Lに濃縮した。14.3kgの酢酸エチルを添加し、その混合物を45〜55℃で30分間攪拌した。その混合物を0℃で30分間攪拌した。そのスラリーを濾過し、ケーキを2.8kgの酢酸エチルで2回洗浄した。固体を真空下(>28in Hg)、40〜50℃で乾燥させて、0.903kgの(R)−(−)−O−デスメチル−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール(99.3% ee)を得た。1H NMR(DMSO−d6):0.80−1.8(m,10H),2.15(s,6H),2.37(dd,1H,J=12.5,6.5),2.73(dd,1H,J=8.5,6.5Hz),2.99(dd,1H,J=12.5,8.5),5.42(br.s 1H),6.65(d,2H,J=8.5Hz),6.97(d,2H,J=8.5Hz),9.16(br.s,1H)。
6.2.2.5 (−)−O−デスメチルベンラファキシン塩酸塩
80.4gの(R)−(−)−O−デスメチル−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを、オーバーヘッドメカニカルスターラーを装着した1L丸底フラスコに充填した。326.0gのメタノールおよび80.3gの15% w/w 塩化水素酸水溶液を添加した。その溶液を20℃で15分間攪拌し、1.797gの加熱(40℃)メチルt−ブチルエーテル(MTBE)を添加した。その混合物を40℃で20分間攪拌し、20℃に冷却した。その混合物を20℃で1時間攪拌し、1.6gの(R)−O−デスメチル−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物シードを21mLのMTBE中のスラリーとして播種した。その5Lフラスコの内容物を20℃で2時間混合して、スラリーを形成した。1.6LのMTBEをその5Lフラスコに添加し、20℃で2時間攪拌した。その混合物を中型ガラス漏斗で濾過して生成物を単離し、そのケーキをMTBEで2回(2×241.0g)洗浄した。そのフィルターケーキをその中型ガラス漏斗上で1時間、真空下で引いて乾燥させて、86.3gの(R)−O−デスメチル 1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物を得た。1H NMR(DMSO−d6):0.80−1.70(10H,m),2.60(3H,s),2.64(3H,s),3.00(1H,dd,J=9.3,3.7Hz),3.46(1H,br.t),3.63(1H,br.d),4.52(1H,s),6.75(2H,d,J=8.3Hz),7.11(2H,d,J=8.3Hz),9.43(1H,br.s),9.50(1H,s)。
6.2.3 (−)−O−デスメチルベンラファキシンの分割
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(±)−O−デスメチルベンラファキシンの分割によって合成した。
1.0gの(±)−O−デスメチルベンラファキシン、0.89g(24mmol)の(R)−1−フェニル−1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ酢酸、7.9gのエタノールおよび1.05gの水を25mLフラスコに充填した。その混合物を75℃で30分間攪拌し、室温に冷却した。得られた固体を濾過によって回収し、エタノールで洗浄した。固体を乾燥させて790mgの(R)−1−(2−ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール(R)−1−フェニル−1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ酢酸塩(99.42% ee)を得た。1H NMR(CDCl3):4。
6.2.3.1 (−)−O−デスメチルベンラファキシン塩酸塩
(R)−1−(2−ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール(R)−1−フェニル−1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ酢酸塩(2.0g、4mmol)をメタノール(5.4mL)および水中15%(w/w)HCl(1.5g)に溶解した。そのメタノール/塩化水素酸溶液を攪拌しながら35〜40℃でメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)(32mL)に添加した。メタノール/塩化水素酸溶液の添加後、その混合物を35〜40℃で60分間攪拌し、室温に冷却した。その混合物に(−)−O−デスメチルベンラファキシン一水和物を播種し、20℃で3時間攪拌した。固体を濾過によって回収し、MTBE(20mL)で洗浄した。その固体を乾燥させて、730mgの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩を得た。その固体を分析した(5.49% 水、不純物<0.05%、DSC 101.38)、1H NMR(DMSO−d6):0.80−1.70(10H,m),2.60(3H,s),2.64(3H,s),3.00(1H,dd,J=9.3,3.7Hz),3.46(1H,br.t),3.63(1H,br.d),4.52(1H,s),6.75(2H,d,J=8.3Hz),7.11(2H,d,J=8.3Hz),9.43(1H,br.s),9.50(1H,s)。
(R)−1−フェニル−1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ酢酸は、Tetrahedron: Asymmetry 14 (2003) 3593(これは、参照により本明細書に組み込まれる)に概説されている手順に従って作る。
6.2.4 O−ベンジル−O−デスメチルベンラファキシンの合成および分割
(±)−O−デスメチルベンラファキシンを合成し、分割することによって(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。
6.2.4.1 (±)−O−ベンジル−O−デスメチルベンラファキシン
ある実施形態では、次の手順を用いた。150gの2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−N,N−ジメチルアセトアミド、945g(1062mL)のTHFを5Lのジャケット付き反応器に充填した。550mLの塩化イソプロピルマグネシウム(テトラヒドロフラン中2.0M)を添加し、その混合物を1時間攪拌した。115gのシクロヘキサノンをその反応器に添加し、1時間混合した。360gのRedAl(水素化ビス(2−(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム − トルエン中65% w/w)をその反応器に添加し、16時間攪拌した。反応が完了したら、その混合物を2005gの22% w/w クエン酸水溶液に添加した。420g(600mL)のヘプタンを反応器に充填し、15分間攪拌した。攪拌を停止し、最上層を除去した。50%のNaOHを250g添加してpHを9〜10に調整し、その後、攪拌した。1114g(1500mL)のMTBEをその反応器に添加した。その混合物を45±5℃に温めて固体を溶解した。攪拌を停止し、最下層を除去した。有機層を45℃の750gの水で2回洗浄した。750mLのMTBEを蒸留によって除去し、750mLのメタノールを添加した。約750mLのMTBE/メタノールを蒸留によって除去し、300gのメタノールおよび300gの水を添加した。そのスラリーを0℃に冷却し、30分間攪拌した。スラリーを濾過し、固体を375gの(4:1 メタノール:水)で洗浄した。固体を乾燥させて、161gの1−(2−ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを得た。
ある実施形態では、次の手順を用いた。200ガロン反応器に、22.98kgの2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−N,N−アセトアミドおよび145.1gのTHFを充填した。攪拌しながら、温度を5℃から10℃に調整した。その反応器に、温度を5℃から35℃の間に維持しながら82.9kgの塩化イソプロピルマグネシウム、THF中2.0Mを充填した。ラインを2.78kgのTHFですすいだ。内容物を61分間、10℃から20℃で攪拌した。その反応器に、温度を5℃から35℃の間に維持しながら9.31kgのシクロヘキサノンを添加した。ラインを2.77kgのTHFですすいだ。温度を15℃から25℃に調整し、内容物を17分間この温度範囲で攪拌し、その後、反応を完了させた。その反応器に、温度を15℃から35℃に維持しながら55.8kgの水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(トルエン中65重量%)を充填した。内容物を10時間攪拌した(<3% 出発物質が残存した)。その反応混合物を、0℃から2℃に冷却した334.1kgの22%クエン酸溶液に添加した。THF(22.9kg)およびn−ヘプタン(63.3kg)をその反応物に添加した。その混合物を15分間攪拌し、その後、攪拌を停止し、相を分離させた。最上層を除去し、反応器に45.4kgの50%水酸化ナトリウムを充填した。その反応器に169.9kgのMTBEを充填し、温度を40〜50℃に調整した。内容物を14分間攪拌し、攪拌を停止して、15分間、相を分離させた。水性層を除去し、115LのUSP精製水を添加した。温度を40℃から50℃に調整した。内容物を15分間攪拌し、攪拌を停止して、13分間、相を分離させた。水性最下層を除去した。その反応器に115LのUSP精製水を充填し、温度を40から50℃に調整した。内容物を15分間攪拌し、攪拌を停止して相を分離させた。水性最下層を除去した。その溶液を真空下で蒸留して、188Lの最終体積にした。その反応器に115.2kgのメタノールを添加し、その溶液を真空下で蒸留して131Lの最終体積にした。その反応器に46.0kgのメタノールおよび57LのUSP精製水を充填した。温度を0℃に調整した。そのスラリーを41分間、−5℃から5℃で攪拌し、その混合物を濾過した。ケーキを46.2kgのメタノールおよび11.6kgのUSP精製水(−5℃から5℃に冷却)で洗浄した。その湿潤したケーキ(wet cake)(30.66kg)を40〜50℃で乾燥させて、24.47kgの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを得た。
6.2.4.2 (−)−O−ベンジル−O−デスメチルベンラファキシン−ヘミ−D−DTTA塩
ある実施形態では、次の手順を用いた。160gの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール、100gのD−ジ−p−トルオイル酒石酸、1.6Lのアセトン、150gの水を5L反応器に添加し、50℃に加熱した。その混合物を50℃で15分間攪拌し、0℃に冷却した。その混合物を0℃で120分間攪拌し、濾過した。ケーキを600mLのアセトンで洗浄し、減圧下、40〜50℃で乾燥させて、114.3gの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール−ジ−p−トルオイルD−酒石酸塩を得た。
ある実施形態では、次の手順を用いた。反応器に60.64kgの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール、42.01kgのD−ジ−p−トルオイル酒石酸、512.7kgのアセトン、および61LのUSP精製水を充填した。温度を50℃から55℃に調整し、内容物をこの温度で16分間攪拌した。その混合物を36℃に冷却し、36℃で35分の期間、攪拌した。その混合物を105分かけて−2℃から2℃に冷却し、122分間攪拌した。その混合物を濾過し、ケーキをアセトンで2回(122.0kgおよび121.8kg)洗浄し、−5℃から5℃に冷却した。湿潤したケーキ(47.06kg)を40〜50℃で乾燥させて、41.50kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールジ−p−トルオイルD−酒石酸塩を得た。
6.2.4.3 (−)−O−ベンジル−O−デスメチルベンラファキシン
ある実施形態では、次の手順を用いた。5Lフラスコに190gの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール−D−ジ−p−トルオイル酒石酸塩、703gのMTBEおよび870gの1N NaOHを充填した。その混合物を45℃で攪拌し、水性層を除去し、有機層を水(475g×2)で洗浄した。MTBE層を蒸留して450mLにし、703gのメタノールを添加し、その混合物を蒸留して450mLにした。そのスラリーを450gの水で希釈し、その混合物を0℃に冷却した。その混合物を濾過し、435mLのメタノール/水で洗浄して、乾燥後、112gの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを得た。1H NMR(DMSO−d6):0.8−1.6(10H,m),2.12(6H,s),2.41(1H,dd,J=6.9,12.3Hz),2.77(1H,t,J=6.9Hz),2.94(1H,dd,J=7.9,12.3Hz),5.05(2H,s),5.23(1H,s),6.89(2H,d,J=8.7Hz),7.11(2H,d,J=8.7Hz),7.3−7.5(5H,m)。
ある実施形態では、次の手順を用いた。反応器に69.49kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールジ−p−トルオイルD−酒石酸塩、265.7kgのMTBE、および328.9kgの1N NaOHを充填した。温度を48〜52℃に調整し、内容物を17分間攪拌した。攪拌を停止し、8分の期間、相を分離させた。水性最下相を除去し、180.1kgのUSP精製水を添加し、温度を48から52℃に調整した。その混合物を48℃から52℃で25分間攪拌し、攪拌を停止し、7分の期間、相を分離させた。水性最下相を除去し、179.8kgのUSP精製水を添加した。その混合物を48℃から52℃で17分間攪拌し、攪拌を停止し、7分の期間、相を分離させた。水性最下層を除去し、その溶液を蒸留して170Lの最終体積にした。256.7kgのメタノールを添加し、その溶液を蒸留して170Lの最終体積にした。1時間9分かけて反応物を23℃から27℃に冷却した。添加中の温度を23℃から33℃に維持しながら、その反応器に170LのUSP精製水を充填した。そのスラリーを1時間17分かけて−5℃から5℃に冷却し、−5℃から5℃で34分間攪拌した。その混合物を濾過し、ケーキを64.7kgのメタノールおよび82LのUSP精製水(−5℃から5℃に冷却)で洗浄した。湿潤したケーキ(46.61kg)を40〜50℃で乾燥させて、42.47kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを得た。
6.2.4.4 (−)−O−デスメチルベンラファキシン塩酸塩
ある実施形態では、次の手順を用いた。19.5gの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール、400mgの炭素担持10%パラジウム、58mLのメタノール、4.5mLの37重量%塩化水素酸水溶液および6.8gの水を水素化容器に充填した。その混合物を50psiの水素と3日間反応させた。得られた混合物を濾過し、触媒を14mLのメタノールで洗浄した。併せた濾液と母液を40℃で434mLのMTBEに添加した。その混合物を20℃に冷却し、それに(−)−O−デスメチルベンラファキシン塩酸塩一水和物を播種した。その混合物を1時間、20℃で攪拌し、290mLのMTBEを添加した。その混合物を2時間攪拌し、濾過し、MTBE(2×70mL)で洗浄して、乾燥後、14.4gの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物を得た。1H NMR(DMSO−d6):0.80−1.70(10H,m),2.60(3H,s),2.64(3H,s),3.00(1H,dd,J=9.3,3.7Hz),3.46(1H,br.t),3.63(1H,br.d),4.52(1H,s),6.75(2H,d,J=8.3Hz),7.11(2H,d,J=8.3Hz),9.43(1H,br.s),9.50(1H,s)。
固体状態分析により、この材料がForm A結晶形であることを確認した。
ある実施形態では、次の手順を用いた。1.0kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール、20gの炭素担持10%パラジウム、1.76kgのエタノールおよび550gの20重量%塩化水素酸を水素化容器に充填した。その混合物を、すべての出発物質が消費されるまで水素と反応させた。得られた混合物を濾過し、触媒を380gのエタノールで洗浄した。併せた濾液と母液を40℃で4.96kgのMTBEに添加した。その混合物を20℃に冷却し、それに20gの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物を播種した。その混合物を2時間40℃で攪拌し、6.06kgのMtBEを8時間かけて添加した。その混合物を2時間攪拌し、0℃に冷却した。そのスラリーを濾過し、1.67kgのMTBE:エタノール(5.4:1)および1.66kgのMTBEで洗浄して、乾燥後、1.1kgの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物を得た。得られた生成物がForm Aであることを確認した。
ある実施形態では、次の手順を用いた。反応器に31.80kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを充填した。3.96kgのエタノール(メタノールで5%変性)中の0.636kgの炭素担持パラジウムのスラリー。反応器の雰囲気を排気し、窒素で3回置換して、空気を排除した。その反応器に56.1kgのエタノール、続いて17.4kgの20重量%HCl溶液を充填した。温度を20〜25℃に調整した。35分後、その溶液を窒素でバブリングして脱気しながら固体を完全に溶解した。その反応物を45から55psigの水素で1回加圧し、ガス抜きし、その後、水素で45から55psigに再び加圧した。その混合物を、反応が完了するまで、20から30℃で攪拌した。水素を抜き、その反応器を窒素で3回、50から60psigに加圧した。その反応混合物を3μmフィルターによって濾過し、その反応器/フィルターを12.0kgのエタノールですすいだ。併せた濾液/洗液を40℃から45℃で157kgのMTBEに添加した。(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のシード(635g)を添加し、その混合物を2時間4分、35℃から45℃で混合した。温度を35℃から45℃に維持しながら8時間かけて191.9kgのMTBEを添加した。その混合物を2時間3分、35℃から45℃で攪拌し、その後、混合物を2時間3分かけて−5℃から+5℃に冷却した。そのスラリーを−5℃から+5℃で37分間攪拌し、濾過した。そのケーキをMTBE(43.6kg)とエタノール(8.2kg)の混合物、続いて100% MTBE(52.3kg)で洗浄した。湿潤したケーキ(26.25kg)を25℃以下で乾燥させて、25.42kgの(R)−1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩一水和物を得た。
これらの実施例は、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの様々な例示的な合成方法を提供するものである。(−)−O−デスメチルベンラファキシンの代替の合成方法は、当業者には明らかであろう。
6.3 実施例2:効力および特異性の判定
本発明の化合物の効力および特異性の判定に有用な幾つかの方法が文献に開示されている。例えば、Haskins, J. T.ら Euro. J. Pharmacol. 115:139-146 (1985)参照。一部の実施形態において、特に有用であると判明した方法は、Muth, E. A.ら Biochem. Pharmacol. 35:4493-4497 (1986)およびMuth, E. A.ら Drug Develop. Res. 23:191-199 (1991)によって開示されており、これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
6.3.1 受容体結合
本発明の化合物の受容体結合の判定は、好ましくは、Muthらによって開示された方法によって、ならびに米国特許第6,342,533号、同第6,441,048号および同第6,911,479号に要約されているプロトコルを用いて行う。
使用する組織ホモジネートは、好ましくは、小脳を除く全脳(ヒスタミン−1およびオピエート結合)、皮質(α1アドレナリン作動性受容体結合、モノアミン取込み)、および線条(ドーパミン−2およびムスカリン性コリン作動性受容体結合)である。
6.3.2 シナプトソーム取込みの調査
これらの調査は、Muthら Biochem. Pharmacol. 35:4493-4497 (1986)に記載されているようなWood, M. D., and Wyllie, M. G. J. Neurochem. 37:795-797 (1981)の修正方法論を用いて行うことができる。簡単に言うと、バーティカルローターを使用してスクロース密度勾配遠心分離により新鮮なラットの脳組織からP2ペレットを作製する。取込みの研究については、すべての成分を次のバッファに溶解する。135mM NaCl、5mM KCl、1.2mM MgCl2、2.5mM CaCl2、10mM グルコース、1mM アスコルビン酸、20mM Tris、pH7.4、使用前に30分間、O2ガスで処理したもの。様々な濃度の試験薬物を37℃で5分間、0.9mLのバッファ中の0.1μM [3H]ドーパミンまたは0.1μM [3H]ノルエピネフリン(130,000dpm/試験管)および0.1μM [14C]セロトニン(7,500dpm/試験管)と共にプレインキュベートする。十分の一ミリリットルのシナプトソーム調製品をそれぞれの試験管に添加し、さらに4分間、37℃でインキュベートする。その後、2.5mLのバッファを添加することによって反応を停止させ、その後、酢酸セルロースフィルター(0.45μM 気孔径)を使用して真空下でその混合物を濾過した。その後、フィルターをシンチレーションカウンターでカウントし、結果をpmol 取込み/mg タンパク質/分として表示する。取込み阻害についてのIC50値を、log[Na+依存性取込みの%]対log[試験薬物の濃度]の線形回帰によって計算する。
6.3.3 レセルピン誘導低体温症の逆転
Askew, B. Life Sci. 1 :725- 730 (1963)の方法を適応させて、雄CF−1マウス(20〜25g、Charles River)においてレセルピン誘導低体温症の逆転を行うことができる。試験化合物を水中25% Tween80(登録商標)に懸濁または可溶化し、その後、事前に18時間45.0mg/kgのレセルピン(腹腔内)で治療した雄マウス(8匹/用量レベル)にそれを幾つかの用量レベルで腹腔内投与する。ビヒクル対照群を薬物群と同時に実行する。試験化合物、ビヒクルおよびレセルピンを0.01mL/gの体積で投与する。少量(およそ4滴)の濃酢酸を添加することによってレセルピンを可溶化し、その後、蒸留水を添加することによって適当な量にする。直腸温度を2cmの深さでYellow Springs Instrumentsサーミスタープローブによって記録する。測定は、レセルピン前治療の18時間後、および試験化合物またはビヒクルいずれかの投与後3時間の間1時間間隔で行う。
すべての時間にわたって直腸温度を二元配置重複測定分散分析とその後の対照値に対するダネットの比較(Dunnett’s comparison)に付して、レセルピン誘発低酸素症に拮抗する最小有効用量(MED)を決定する。
6.3.4 ラット松果体ノルアドレナリン作動性弱感受性(subsensitivity)の誘発
適するラットは、雄Sprague−Dawleyラット(250〜300g、Charles River)であり、松果体におけるベータ−アドレナリン作動性受容体の日周期性環境変異を減ずるために、およびノルアドレナリン作動性アゴニストに対する一貫して過敏な応答を維持するために、すべての実験を通してそれらを連続して昼の状態で維持することとする(Moyer, J. A.ら Soc. Neurosci. Abstract 10:261 (1984))。2日の連続光暴露の後、ラットに1日2回、5日間、食塩水または試験化合物(10mg/kg(腹腔内))を注射する(合計9回の注射)。もう1つのラット群は、1日2回、4日間、食塩水注射を受け、その後、1回の試験化合物(10mg/kg(腹腔内))を受けることとする。試験化合物または食塩水の最後の注射の1時間後、動物に0.1%アスコルビン酸(対照)またはイソプロテレノール(0.1%アスコルビン酸中、2μmol/kg(腹腔内))のいずれかを投与する。2.5分後、予備実験が、松果体におけるサイクリックAMPレベルのイソプロテレノール誘導増加が最大であることを示した時点で、ラットを断頭する(Moyer, J. A.ら MoI. Pharmacol. 19:187-193 (1981))。松果体を除去し、30秒以内にドライアイスで凍結させて、断頭後の一切のcAMP濃度増加を最小限にする。
cAMPについてのラジオイムノアッセイ前に、松果体を1mLの氷冷2.5%過塩素酸に入れ、およそ15秒間、超音波処理する。その後、その超音波処理物を4℃で15分間、49,000gで遠心分離し、その後、得られた上清液を除去し、過剰なCaCO3で中和し、4℃で10分間、12,000gで遠心分離する。その中和抽出物のcAMP含有量は、125I標識抗原および抗血清(New England Nuclear Corp., Boston, Mass.; Steiner, A. L.ら J. Biol. Chem. 247:1106-1113 (1972))を使用して標準的なラジオイムノアッセイによって測定することができる。すべての未知サンプルを二重反復でアッセイし、CaCO3で中和した2.5%過塩素酸溶液中で調製したcAMPの標準溶液と比較しなければならない。結果をpmol cAMP/松果体として表示し、分散分析とその後のStudent−Newman−Keuls検定によって統計解析を行う。
6.3.5 シングルユニット電気生理現象
LC. Haskins, J. T.ら Eur. J. Pharmacol. 115:139- 146 (1985)において以前に説明されたようにシングルバレルのガラス微小電極を使用して抱水クロラール麻酔ラットにおける青斑核(LC)または背側縫線核(DR)の個々のニューロンの放電率を測定する。Konig, J. F. R., and Klippel, R. A. The rat brain: A stereotaxic atlas of the forebrain and lower parts of the brain stem Baltimore: Williams and Wilkins (1963)の定位配向を用いて、青斑核の上1.00mmのポイント(AP 両外耳道を結ぶ線に対して尾側2.00mmで、正中線に対して側方1.03mm)から油圧式マイクロドライブによって電極チップを下ろすことにする。外側尾静脈カニューレにより薬物を静脈内投与する。それぞれのラットにおいて1個の細胞のみを研究して、残留薬物作用を避ける。
6.4 実施例3:経口製剤
本発明の医薬組成物は、経口投与をはじめとする様々な方法で投与することができる。
6.4.1 ハードゼラチンカプセル剤形
本発明の医薬組成物の適切なカプセル形の成分は、米国特許第6,342,533号、および同第6,441,048号および同第6,911,479号において見つけることができる。
本活性成分(光学的に純粋な(−)−O−デスメチルベンラファキシン、またはその医薬的に許容される塩)を篩い分けし、列挙した賦形剤とブレンドする。適する機械類および当分野において周知の方法を用いて、適切なサイズの2ピースハードゼラチンカプセルにその混合物を詰める。Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16および第18版参照(それぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。他の用量は、充填重量を変えることにより、および必要な場合には、適するカプセルサイズに変更することにより作製することができる。上の安定なハードゼラチンカプセル製剤のいずれを作製してもよい。
6.4.2 圧縮錠剤剤形
本発明の医薬組成物の圧縮錠剤形の成分は、米国特許第6,342,533号、および同第6,441,048号および同第6,911,479号において見つけることができる。
活性成分を適する篩により篩い分けし、均一ブレンドが形成されるまで賦形剤とブレンドする。そのドライブレンドを篩いにかけ、ステアリン酸マグネシウムとブレンドする。その後、その得られたパウダーブレンドを所望の形状およびサイズの錠剤に圧縮する。他の強度の錠剤は、賦形剤(単数もしくは複数)に対する活性成分の比率を変えることによって、または錠剤重量を変更することによって作製することができる。
6.4.3 カプセル製剤の例
6.4.4 遅延放出製剤
幾つかの遅延放出製剤を調査した。Methocel K4M CRを多く添加したほうが溶解速度は低下することが判明した。以下に略述する調合を用いて錠剤を製造した。
6.5 実施例4:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Aの結晶化および特徴付け
6.5.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Aとして晶出させた。実施例1に従って、(−)−O−デスメチルベンラファキシンの遊離塩基を調製した。次の手順に従って、以下で説明する(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm Bから(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Aを調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシン塩酸塩(Form B)の3.09グラムのサンプルを70×50mmの結晶皿に入れ、40℃/75%RHで3日間保管した。その後、そのサンプルを真空下、周囲温度で2日間乾燥させた。
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm A結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、熱重量分析、示差走査熱量分析、X線粉末回折、吸湿、赤外分光分析およびラマン分光分析をはじめとする分析技術により特徴付けた。
6.5.1.1 Form Aの単結晶X線回折データ
水/2−メチル−テトラヒドロフラン溶媒系から溶媒/貧溶媒技術によって、単結晶X線回折に適する(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Aの結晶を調製した。Nonius Kappa CCD回折計とMo Kα線(λ=0.71073Å)を用いて、単結晶X線回折分析を行った。DENZO/SCALEPACK(Otwinowski and Minor, Methods Enzymol. 276:307 (1997))を用いて、正確なモザイク度を得た。プログラムXPREP(米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS Inc.(2002))を用いて、空間群を決定した。DENZO−SMN(Otwinowski and Minor, Methods Enzymol. 276:307 (1997))でデータ統合を行った。経験的吸収補正を適用した(これは、SCALEPACK(Otwinowski and Minor, Methods Enzymol. 276: 307 (1997))を用いて達成される)。SIR2004を使用する直接法(Burlaら, J. Appl. Cryst, 36:1103 (2003))により構造を解析し、SHELX97(Sheldrick, University of Gottingen, Germany, (1997))を用いてLINUX PCでリファインメントを行った。同じ(−)−O−デスメチルベンラファキシン出発物質を使用して得た別の結晶形(Form F、以下で説明する)の構造解析からの情報を用いて、(−)−O−デスメチルベンラファキシン分子の絶対配置を導き出した。データ収集および構造パラメータの詳細を表1に示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm A結晶形の単結晶構造解析からの非対称ユニットのORTEP図を図7に示す(Windows用ORTEP−3、v.1.05。Farrugia, J. Appl. Cryst, 30:565 (1997))。この図に示す非対称ユニットは、1つの(−)−O−デスメチルベンラファキシンカチオン、1つのクロライドアニオンおよび1つの水分子を含有する。
表I.(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Aについての結晶データおよびデータ収集パラメータ
式
C16H28CINO3
式量
317.85
空間群
P212121 (番号19)
単位格子寸法
a=6.7797(2)A; α=90°
b=9.2896(4)A; β=90°
c=27.6496(15)A; γ=90°
体積
1741.39(13)A3
Z
4
d算出, g cm-3
1.212
結晶寸法、mm
0.46 x 0.13 x 0.04
温度、K
150
放射線(波長、A)
Mo Ka(0.71073)
モノクロメーター
グラファイト
線形吸収係数、mm-1
0.266
適用した吸収補正
経験的a
透過率:最小、最大
0.916, 0.992
回折計
Nonius Kappa CCD
h、k、l範囲
-8から7 -11から11 -33から34
2θ範囲、度
4.38-52.21
モザイク度、度
0.38
使用したプログラム
SHELXTL
F000
688.0
重みづけ
1/[σ2(Fo 2)+(0.0000P)2+1.9052P] ここでP=(Fo 2+2Fc 2)/3
収集したデータ
11326
ユニークデータ
2273
R強度
0.155
リファインメントに用いたデータ
2273
R率計算に用いたカットオフ
Fo 2>2.0 シグマ (Fo 2)
2.0シグマ(I)より大きいIを有するデータ
2018
変数の数
208
最終サイクルにおける最大シフト/推定標準偏差
0.00
R(Fo)
0.071
Rw(Fo 2)
0.105
適合度
1.225
絶対構造決定
Flackパラメータ(0.1(2))
PowderCell 2.3(Kraus and Nolze, Federal Institute for Materials Research and Testing, Berlin, Germany, (1999))とForm Aの単結晶データからの原子座標、空間群および単位格子パラメータを用いて、Cu放射線についてのシミュレーションX線粉末回折パターンを生成した;図8参照。Form A実験X線粉末回折パターンは、単結晶X線回折データからシミュレートしたパターンと一致した。XRPDピーク位置のわずかなシフトが、温度の違いに起因する単位格子パラメータの小さな変化の結果として生じた。算出X線粉末回折パターンは、150Kで収集した単結晶データから生じさせたが、実験粉末パターンは周囲温度で収集した。単結晶分析ではデータの質を向上させるために低温でのデータ収集を一般に用いる。
6.6 実施例5:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Bの結晶化および特徴付け
6.6.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Bとして(−)−O−デスメチルベンラファキシンを晶出させた。実施例1に従って、(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。5.07gの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩を40℃で400mLのテトラヒドロフランに溶解した。その溶液を25℃に冷却し、10.6mLのジエチルエーテル中2.0M HClを添加した。その混合物を0℃に冷却し、濾過した。そのケーキを20mLのTHFで洗浄し、減圧下、周囲温度で乾燥させて、6.09gの1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノール塩酸塩のForm Bを得た。
6.2.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm B結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析、吸湿、赤外分光分析およびラマン分光分析などの技術により特徴付けた。
6.7 実施例6:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Cの結晶化および特徴付け
6.7.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Cとして晶出させた。実施例1に従って、(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。0.18gの(−)−O−デスメチルベンラファキシンおよび0.35mLの37重量%塩化水素酸水溶液を60℃で1時間混合した。その混合物を0℃に冷却し、濾過し、酢酸エチルで洗浄した。その固体減圧下、周囲温度で乾燥させて、0.22gの塩酸1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールを得た。
6.7.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm C結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析、吸湿、赤外分光分析およびラマン分光分析などの技術により特徴付けた。
6.8 実施例7:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Dの結晶化および特徴付け
6.8.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Dとして晶出した。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。実施例4において説明したとおりに得た(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm A(42.8mg)をバイアルに量り入れ、0.5mLのIPAを添加した。そのサンプルを超音波処理した。非常に濃稠になった。固体を真空濾過によって単離し、そのサンプルをフード内で空気乾燥させた。1日乾燥させた後、サンプルを周囲条件で4日間保管し、その時点でXRPD分析を行った。
6.8.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm D結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析および熱重量分析などの技術により特徴付けた。
6.9 実施例8:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Eの結晶化および特徴付け
6.9.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Eとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。0.35mLの37重量%塩化水素酸水溶液を25mLのメタノール中の5.0gの(−)−O−デスメチルベンラファキシンに添加した。得られた溶液を25℃で20分間攪拌した。そのメタノール/塩化水素酸溶液を攪拌しながら25℃で300mLのメチル−t−ブチルエーテルに添加した。メタノール/塩化水素酸溶液の添加後、その混合物を25℃で2時間攪拌し、その後、固体を濾過によって回収し、20mLのMTBEで洗浄した。固体を周囲温度で空気乾燥させて、5.4gの塩酸1−(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル)シクロヘキサノールのForm Eを得た。
6.9.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm E結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析、吸湿、赤外分光分析およびラマン分光分析などの技術により特徴付けた。
6.10 実施例9:(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl酸塩のForm Fの結晶化および特徴付け
6.10.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm A(19.47mg)をバイアルに量り入れ、3mLの酢酸エチルを添加した。超音波処理後、固体が残った。そのサンプルを75℃に設定したホットプレートの上に置き、350rpmに設定した磁気攪拌機を使用して攪拌した。75℃でおよそ2.5時間攪拌した後、サンプルを温かい1ドラムバイアルへとシリンジフィルターで濾過した。(濾過の前に、フィルター、シリンジおよびバイアルをサンプルと共にホットプレートで温めた)。そのサンプルに蓋をし、ベンチトップの上に置き、放置して周囲温度に冷却した。そのサンプルを真空濾過し、Form Fとして分析した。
6.10.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm F結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析、吸湿、赤外分光分析およびラマン分光分析などの技術により特徴付けた。
6.10.2.1 Form Fの単結晶X線回折データ
単結晶X線回折に適する(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Fの結晶を蒸気拡散技術によって調製した。上で説明したとおりに得た7.71mgのForm Aに3ミリリットルの2−ブタノンを添加した。固体のすべては溶解しなかった。そのサンプルを1ドラムバイアルへと濾過した。そのバイアルを、トルエンが入っている20mLシンチレーションバイアルの中に置いた。その後、大きいほうのバイアルに蓋をし、サンプルを平衡させた。Form Fの単結晶を単離し、構造を解析した。
Bruker D8 APEX II CCD封管型回折計とCu Kα線(λ=1.54178Å)を用いて、単結晶X線回折分析を行った。データ収集、指標付けおよび初期セルリファインメントは、すべて、ソフトウェアAPEX II(米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS Inc.(2005))を使用して行った。フレーム統合および最終セルリファインメントは、ソフトウェアSAINT(v.6.45A、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS Inc.(2003))を使用して行った。空間群は、プログラムXPREP(SHELXTL v.6.12、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS Inc.)によって決定した。SADABS(Blessing, Acta Cryst, A51 :33 (1995))を使用する経験的吸収補正を適用した。SHELXS−97を使用する直接法(Sheldrick, University of Gottingen, Germany, (1997))によって構造を解析した。リファインメントは、SHELXTL(v.6.12、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS Inc.)を使用してPCで行った。Flack因子(Flack and Bernardinelli, Acta Cryst, A55: 908 (1999)、およびJ. Appl. Cryst, 33:1143 (2000))を標定することにより、(−)−O−デスメチルベンラファキシン分子の絶対配置を導き出した。データ収集および構造パラメータの詳細を表2に示す。
(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm F結晶形の単結晶構造解析からの非対称ユニットのORTEP図を図37に示す(Windows用ORTEP−3、v.1.05。 Farrugia, J. Appl. Cryst, 30:565 (1997))。この図に示す非対称ユニットは、1つの(−)−O−デスメチルベンラファキシンカチオン、1つのクロライドアニオンおよび1つの水和水を含有する。
表2.(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Fについての結晶データおよびデータ収集パラメータ
実験式
C16H28CINO3
式量
317.85
温度
173(2) K
波長
1.54178A
結晶系
単斜晶系
空間群
P2(1)
単位格子寸法
a=9.2881(2)A; α=90°
b=6.8185(2)A; β=92.580(1)°
c=13.9085(3)A; γ=90°
体積
879.95(4)A3
Z
2
密度(算出)
1.200 Mg/m3
吸収係数
1.996 mm-1
F(000)
344
結晶寸法
0.43 x 0.25 x 0.18 mm3
データ収集のシータ範囲
8.07から65.77°
指数範囲
-10<=h<=10, -6<=k<=6, -16<=l<=15
収集した反射
3464
独立反射
1722 [R(強度)=0.0131]
シータ=65.77°に対する完全性
76.1%
吸収補正
等価物から半経験的
最大および最小透過率
0.7152および0.4807
リファインメント方法
F2に関する全行列最小二乗
データ/制約/パラメータ
1722/1/194
F2に対する適合度
1.034
最終R指数[I>2シグマ(I)]
R1=0.0265, wR2=0.0714
R指数(全データ)
R1=0.0268, wR2=0.0716
絶対構造パラメータ
0.034(13)
最大回折ピークおよびホール
0.129および-0.185 e A3
PowderCell 2.3(Kraus and Nolze, Federal Institute for Materials Research and Testing, Berlin, Germany, (1999))ならびにForm Fの単結晶データからの原子座標、空間群および単位格子パラメータを用いて、Cu放射線についてのシミュレーションX線粉末回折パターンを生成した;図33参照。Form F実験X線粉末回折パターンは、単結晶X線回折データからシミュレートしたパターンと一致した。強度の違いは、方位配列の結果から生じたものであり得る。方位配列は、ランダムでない様式で整列する結晶の傾向(通常、板または針)である。方位配列は、X線粉末回折パターンにおけるピーク強度に影響を及ぼす。ピーク位置のわずかなシフトは、実験温度の違いの結果として生じたものであり得る。実験粉末パターンは、周囲温度で収集したが、単結晶データは173Kで収集した。Form Aとの物理的混合物として単離した一定のForm Fサンプルは、そのXRPDパターンにForm Aに特有のピークを示し、それらはシミュレーションForm F XRPDパターン中には存在しなかった。
6.11 実施例10:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Gの結晶化および特徴付け
6.11.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Gとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。実施例4に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのForm A結晶形(31.50mg)を20mLシンチレーションバイアルに入れ、それを、蓋をせずに周囲温度でP2O5チャンバーの中に置いた。3日後、サンプルが入っているチャンバーを70℃オーブンの中に置いた。サンプルをオーブンの中に置いた10日後に行った分析は、そのサンプルがForm Gであることを示した。
6.11.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Gを、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析および吸湿などの技術により特徴付けた。
6.12 実施例11:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Hの結晶化および特徴付け
6.12.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Hとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。55℃に設定したホットプレートの上でアセトン中の(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Aをスラリー化することによって、Form Hを調製した。それらのサンプルを、ホットプレートの上のハーフドラムバイアルの中で、300rpmに設定した磁気攪拌機を使用して攪拌した。それぞれの場合、0.5mLのアセトンを使用した。1つのサンプルは、42.13mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩を含有し、Form Hを単離する前の3日間、そのサンプルをスラリー化した。第二のサンプルは1日後に濾過し、これは48.13mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩を含有した。不特定時間スラリー化した第三のサンプルは、41.91mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩を含有した。このようにして得られた固体を(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm H結晶形として特徴付けた。
6.12.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm H結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析および熱重量分析などの技術により特徴付けた。
6.13 実施例12:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Iの結晶化および特徴付け
6.13.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Iとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。Form Iは、イソプロパノールから沈殿させた。1つのサンプルは、超音波処理を用いて0.5mLイソプロパノールに46.01mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm Aを溶解することによって調製した。このサンプルは1ドラムバイアルで調製した。およそ10〜15分後に沈殿が観察された。固体を真空濾過によって単離した。第二のサンプルは、25.86mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm Aを溶解したことを除き、第一のサンプルについて説明した手順を用いて調製した。この第二のサンプルの沈殿は、およそ10分後に観察された。合成後、固体を単離し、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のFormI結晶形として特徴付けた。
6.13.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm I結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析および熱重量分析などの技術により特徴付けた。
6.14 実施例13:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Jの結晶化および特徴付け
6.14.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Jとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Jは、55℃に設定したホットプレートの上でおよそ1日間、アセトン中のForm Aをスラリー化することによって調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm A(43.66mg)を1ドラムバイアルに量り入れ、0.5mLのアセトニトリルを添加した。超音波処理後、固体が残った。300rpmに設定した磁気攪拌機を使用して、ホットプレートの上でそのサンプルを攪拌した。1日後、溶媒をデカントした。このようにして得られた固体を(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm J結晶形として特徴付けた。
6.14.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm J結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折およびNMR分光分析などの技術によって特徴付けた。NMR分光分析を用いて観察したところ、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のモルあたり約0.2モルのアセトニトリルがForm Jサンプル中に存在した。
6.15 実施例14:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Kの結晶化および特徴付け
6.15.1 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kは、溶媒としてエタノールを使用し、貧溶媒としてアセトンを使用する蒸気拡散実験から調製した。0.3mLのエタノールを22.20mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm Aに添加することによってサンプルを調製した。サンプルを溶解し、それを1ドラムバイアルへと濾過した。そのバイアルを、アセトンが入っている20mLシンチレーションバイアルの中に置いた。その後、大きいほうのバイアルに蓋をし、サンプルを平衡させた。この実験から単結晶を単離した。このようにして得た結晶を(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kとして特徴付けた。
6.15.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kを、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折および単結晶X線回折などの技術により特徴付けた。
6.15.2.1 Form Kの単結晶X線回折データ
単結晶X線回折に適する(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kの結晶は、上で説明した技術によって調製した。Bruker D8 APEX II CCD封管型回折計とCu Kα線(λ=1.54178Å)を用いて、単結晶X線回折分析を行った。データ収集、指標付けおよび初期セルリファインメントは、すべて、ソフトウェアAPEX II(米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS,Inc.(2005))を使用して行った。フレーム統合および最終セルリファインメントは、ソフトウェアSAINT(v.6.45A、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS,Inc.(2003))を使用して行った。空間群は、プログラムXPREP(SHELXLT v.6.12、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS,Inc.)によって決定した。SADABS(Blessing, Acta Cryst., A51:33 (1995))を使用する経験的吸収補正を適用した。SHELX97を用いる直説法(Sheldrick, University of Gottingen, Germany, (1997))によって構造を解析した。リファインメントは、SHELXTL(v.6.12、米国、ウィスコンシン州、マディソンのBruker AXS,Inc.)を使用してPCで行った。Flack因子(Flack and Bernardinelli, Acta Cryst, A55: 908 (1999)、およびJ. Appl. Cryst, 33:1143 (2000))を標定することにより、(−)−O−デスメチルベンラファキシン分子の絶対配置を導き出した。データ収集および構造パラメータの詳細を表3に示す。
Form Kの結晶構造の非対称ユニットの全内容物は、2つの(−)−O−デスメチルベンラファキシンカチオン、2つのクロライドアニオンおよび1つの部分的に占有された高無秩序エタノール分子を含む。エタノール分子は完全に占有されないので、Form Kを部分エタノール溶媒和物と呼ぶ。
表3.(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Kについての結晶データおよびデータ収集パラメータ
実験式
C16H26CINO2・0.14(C2H6O)
式量
306.33
温度
173(2) K
波長
1.54178A
結晶系
単斜晶系
空間群
C2
単位格子寸法
a=30.056(3)A; α=90°
b=7.7375(8)A; β=134.502(4)°
c=21.208(4)A; γ=90°
体積
3517.7(8)A3
Z
8
密度(算出)
1.157 Mg/m3
吸収係数
1.944 mm-1
F(000)
1322
結晶寸法
0.53 x 0.08 x 0.06 mm3
データ収集のシータ範囲
7.37から44.67°
指数範囲
-27<=h<=25, -7<=k<=7, -19<=l<=19
収集した反射
2985
独立反射
2063 [R(強度)=0.0413]
シータ=44.67°に対する完全性
92.1%
吸収補正
等価物から半経験的
最大および最小透過率
0.8923および0.4256
リファインメント方法
F2に関する全行列最小二乗
データ/制約/パラメータ
2063/2/378
F2に対する適合度
1.060
最終R指数[I>2シグマ(I)]
R1=0.0518, wR2=0.1391
R指数(全データ)
R1=0.0800, wR2=0.1571
絶対構造パラメータ
0.01(4)
最大回折ピークおよびホール
0.464および-0.545 e A-3
PowderCell 2.3(Kraus and Nolze, Federal Institute for Materials Research and Testing, Berlin, Germany, (1999))ならびにForm Kの単結晶データからの原子座標、空間群および単位格子パラメータを用いて、Cu放射線についてのシミュレーションX線粉末回折パターンを生成した;図50参照。Form K実験X線粉末回折パターンは、単結晶X線回折データからシミュレートしたパターンと一致した。強度の違いは、方位配列の結果から生じたものであり得る。ピーク位置のわずかなシフトは、実験温度の違いの結果として生じたものであり得る。実験粉末パターンは、周囲温度で収集したが、単結晶データは173Kで収集した。
6.16 実施例15:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩のForm Lの結晶化および特徴付け
6.16 結晶化
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Lとして晶出させた。実施例1に従って(−)−O−デスメチルベンラファキシンを調製した。Form Lは、2−メチル−テトラヒドロフラン中の長期周囲温度スラリーから調製した。20mLの2−メチル−テトラヒドロフランを38.75mgの(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl塩のForm Aに添加することによってサンプルを調製した。20mLシンチレーションバイアルをこの実験に使用し、2−メチル−テトラヒドロフランをゆっくりと添加した。溶媒添加後に固体が存在して、サンプルに蓋をし、周囲温度で回転輪上にそれを置いた。その輪の上で97日後、Form Lのサンプルをはずし、真空濾過し、分析を行った。このようにして得た固体を(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm L結晶形として特徴付けた。
6.16.2 特徴付け
上述した手順に従って調製した(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm L結晶形を、上で説明した分析パラメータに従って、X線粉末回折、示差走査熱量分析、熱重量分析およびNMR分光分析などの技術により特徴付けた。NMR分光分析を用いて観察したところ、(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のモルあたり約0.13モルと0.14モルの間の2−メチル−テトラヒドロフランがForm Lサンプル中に存在した。
6.17 実施例16:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の脱溶媒溶媒和物形の調製および特徴付け
6.17.1 調製
(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩のForm Cを上で説明したとおり調製した。上で説明した手順に従ってForm CをTGA炉の中で100℃に加熱して、5.4%の重量損失が観察された。その材料を炉から取り出した。分析によりその材料が脱溶媒溶媒和物であることを確認した。
6.17.2 特徴付け
その脱溶媒溶媒和物をX線粉末回折によって分析した。その脱溶媒溶媒和物のX線粉末回折パターンにおけるピークの位置は、Form C出発物質におけるXRPDピークの位置に類似していた。TGA重量損失データと共に、このデータは、脱溶媒溶媒和物の形でForm Cの構造的特徴を維持しながら溶媒がForm Cの結晶格子から抜かれていることを示していた。
6.18 実施例17:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩の非晶形の調製および特徴付け
6.18.1 調製
(−)−O−デスメチルベンラファキシンを(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の非晶形として調製した。(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の水溶液を調製し、濾過し、冷凍した。その後、そのサンプルを真空下、凍結乾燥機に入れ、すべての溶媒が除去されるまで凍結乾燥させた。
8.18.2 特徴付け
得られた生成物をX線粉末回折および変調型示差走査熱量分析によって特徴付けた。XRPDデータによって、この材料が非晶質であることを確認した。変調型示差走査熱量分析データに基づき、この(−)−O−デスメチルベンラファキシンのHCl塩の非晶形のガラス転移温度は、およそ24℃であった。
6.19 実施例18:(−)−O−デスメチルベンラファキシンの塩酸塩を含む遅延放出製剤の組成
(−)−O−デスメチルベンラファキシンHClとAvicelをたて型造粒装置の中で混合した。Pharmacoat 606をそのブレンドにゆっくりと添加した。その後、その湿潤した素材を45℃で2時間トレー乾燥させ、その後、その半乾燥ブレンドを、2000rpmでスクリーンサイズ0109を使用してFitzmillに通した。それらの粒子を再び乾燥機に戻した。乾燥した細粒をメッシュ#14によって選別し、スクリーンの上に残ったものをFitzmillに通した。粉砕粒子を、より細かい選別粒子と混合した。プレミックスの調合を表4にまとめる。このプレミックスを使用して、最終調合を開発し、表5にまとめた。
表4.プレミックスの調合
成分 量(mg)
API:(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl Form A 605
Avicel 105 60.5
Pharmacoat 606(8%溶液) 11.5
表5.最終調合
成分 処方
プレミックス 677 mg
ステアリン酸マグネシウム 8 mg
Methocel K4M CR 60.5 mg
もう1つの実施形態では、APIおよびAvicelを高剪断造粒装置に添加し、短時間ブレンドした。高剪断操作を作動させながらSurelease懸濁液を1滴ずつ添加した。湿潤造粒物をその高剪断造粒装置から取り出し、流動層乾燥器で乾燥させ、Methocelおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドし、適する打錠機で圧縮した。
表6.プレミックスの調合
成分 量(mg)
API:(−)−O−デスメチルベンラファキシンHCl form A 484
Avicel pH 102 320
Surelase懸濁液 20% w/w(乾燥重量/懸濁液重量) 80/400
合計 884
表7.マトリックス錠
50 mg錠剤
成分 量(mg)
プレミックス 110.5
ステアリン酸マグネシウム 1.5
Methocel K15M CR 213.0
合計 325.0
100 mg錠剤
成分 量(mg)
プレミックス 221.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
Methocel K 15M CR 276.0
合計 500.0
150 mg錠剤
成分 量(mg)
プレミックス 331.5
ステアリン酸マグネシウム 4.5
Methocel K 15M CR 164.0
合計 500.0
本明細書に引用したすべての出版物および特許出願は、個々の出版物または特許出願が参照により組み込まれると具体的にかつ個々に示されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれる。上述の発明は、明瞭に理解することを目的として例証および実施例によって多少詳細に説明されているが、本発明の技術に鑑みて、添付の特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなく本発明に一定の変更および修正を加えることができることは、当業者には容易にわかるであろう。