JP2010229854A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブタイミングの遅角を規制する規制機構について、その異常診断の結果として適切なものを得ることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】この可変動弁装置は、吸気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更するバルブタイミング可変機構40と、バルブタイミングを中間角に固定する位相固定機構50と、バルブタイミングが遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う位相規制機構60とを備える。そして、位相固定機構50による中間固定が行われていないとき、バルブタイミングを進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び規制ピン61を突出位置に維持する規制指令の送信が開始された後のバルブタイミングに基づいて位相規制機構60の異常診断を行う。
【選択図】図2
【解決手段】この可変動弁装置は、吸気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更するバルブタイミング可変機構40と、バルブタイミングを中間角に固定する位相固定機構50と、バルブタイミングが遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う位相規制機構60とを備える。そして、位相固定機構50による中間固定が行われていないとき、バルブタイミングを進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び規制ピン61を突出位置に維持する規制指令の送信が開始された後のバルブタイミングに基づいて位相規制機構60の異常診断を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変動弁機構と、バルブタイミングを最進角と最遅角との間にある中間角に固定する中間固定を行う第1規制機構と、バルブタイミングが中間角と最遅角との間にある遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う第2規制機構とを備える内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1に記載の可変動弁装置においては、機関運転の停止にともないロックピンを受容孔にはめ込むことによりスプロケットに対するベーンロータの回転位相を中間位相に規制するようにしている。これにより、次回の機関始動時はバルブタイミングが中間角に固定された状態にあるため、良好な始動性のもとに内燃機関を始動させることができるようになる。
また上記可変動弁装置では、バルブタイミングが中間角に固定されることなく機関停止した後の機関始動時には、係合ピンを係合溝にはめ込むことによりスプロケットに対するベーンロータの回転位相が中間位相よりも遅角側に移動することを規制するようにしている。これにより、バルブタイミングが中間角よりも遅角側に変化することが規制されるため機関始動性が低下することは抑制されるようになる。
上記のように係合ピンを通じてバルブタイミングが中間角よりも遅角側に変化することが規制されることにより、機関始動性の低下は抑制されるようになるものの、同係合ピンに異常が生じているときにはそうしたバルブタイミングの規制がなされないため、この場合にはやはり始動性低下が懸念される。こうした係合ピンの異常にともなう始動性低下に対応するため、まずはその異常を適切に診断することが望まれるものの、いまのところこの要求を満たすような技術は提案されていない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブタイミングの遅角を規制する規制機構について、その異常診断の結果として適切なものを得ることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変動弁機構と、前記バルブタイミングを最進角と最遅角との間にある中間角に固定する中間固定を行う第1規制機構と、前記バルブタイミングが前記中間角と前記最遅角との間にある遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う第2規制機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記第2規制機構は、前記遅角規制角よりも進角側にある所定角を進角規制角として、前記バルブタイミングが前記進角規制角よりも進角側に変化することを規制する進角規制を行うものであり、当該可変動弁装置は、前記第2規制機構についての異常診断制御を行うものであり、この異常診断制御は、前記第1規制機構による前記中間固定が行われていないとき、前記バルブタイミングを前記進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び前記第2規制機構の動作位置を前記遅角規制及び前記進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令について、これら指令の送信が開始された後の前記バルブタイミングに基づいて前記第2規制機構の異常診断を行うものであることを要旨としている。
(1)請求項1に記載の発明は、機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変動弁機構と、前記バルブタイミングを最進角と最遅角との間にある中間角に固定する中間固定を行う第1規制機構と、前記バルブタイミングが前記中間角と前記最遅角との間にある遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う第2規制機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記第2規制機構は、前記遅角規制角よりも進角側にある所定角を進角規制角として、前記バルブタイミングが前記進角規制角よりも進角側に変化することを規制する進角規制を行うものであり、当該可変動弁装置は、前記第2規制機構についての異常診断制御を行うものであり、この異常診断制御は、前記第1規制機構による前記中間固定が行われていないとき、前記バルブタイミングを前記進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び前記第2規制機構の動作位置を前記遅角規制及び前記進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令について、これら指令の送信が開始された後の前記バルブタイミングに基づいて前記第2規制機構の異常診断を行うものであることを要旨としている。
バルブタイミングを進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び第2規制機構を遅角規制及び進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令が送信されたとき、第2規制機構に異常が生じていなければバルブタイミングの進角側への変更は進角規制角にて停滞するようになる。一方、第2規制機構に異常が生じているときには、バルブタイミングは進角規制角を超えて進角側に変化するようになる。
上記発明ではこうしたことに鑑み、進角指令及び規制指令の送信が開始された後のバルブタイミングに基づいて第2規制機構の異常診断を行うようにしているため、同診断の結果として適切なものを得ることができるようになる。なお、「進角指令及び規制指令の送信が開始された後」旨の状態が生じるまでの過程としては、進角指令及び規制指令の一方の送信が先に開始され、その後に他方の指令の送信が開始される場合と、進角指令及び規制指令の送信が同時に開始される場合とが挙げられる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングが前記進角規制角を超えて進角側に変化したことに基づいて前記第2規制機構に異常が生じている旨判定することを要旨としている。
バルブタイミングを進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び第2規制機構を遅角規制及び進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令が送信されたとき、第2規制機構に異常が生じていなければバルブタイミングの進角側への変更は進角規制角にて停滞するようになる。一方、第2規制機構に異常が生じているときには、バルブタイミングは進角規制角を超えて進角側に変化するようになる。
上記発明ではこうしたことに鑑み、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングが進角規制角を超えて進角側に変化したことに基づいて第2規制機構に異常が生じている旨判定するようにしているため、第2規制機構に異常が生じていることを適切に把握することができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングの進角側への変化が前記進角規制角にて停滞したとき、前記第2規制機構に異常が生じていない旨判定することを要旨としている。
バルブタイミングを進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び第2規制機構を遅角規制及び進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令が送信されたとき、第2規制機構に異常が生じていなければバルブタイミングの進角側への変更は進角規制角にて停滞するようになる。一方、第2規制機構に異常が生じているときには、バルブタイミングは進角規制角を超えて進角側に変化するようになる。
上記発明ではこうしたことに鑑み、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングの進角側への変化が進角規制角にて停滞したときに第2規制機構に異常が生じていない旨判定するようにしているため、第2規制機構に異常が生じていないことを適切に把握することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記バルブタイミングの進角中に前記規制指令の送信を行うことを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記バルブタイミングを前記進角規制角よりも進角側にある所定のバルブタイミングに変更する旨の大進角要求があることに基づいて前記規制指令の送信を行うことを要旨としている。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記バルブタイミングが前記進角規制角よりも遅角側にあることを条件に前記規制指令の送信を開始することを要旨としている。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングの進角側への変化が前記進角規制角にて停滞したとき、前記第2規制機構の動作位置を前記規制位置から前記遅角規制及び前記進角規制が無効となる解除位置に変更することを要旨としている。
上記発明によれば、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングの進角側への変化が進角規制角にて停滞したとき、すなわち第2規制機構の異常が生じていないとき、異常診断のために送信された規制指令に基づく第2規制機構の動作位置が規制位置から解除位置に戻されるため、異常診断後のバルブタイミングの変更が同規制機構により妨げられることを抑制することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記可変動弁機構はクランクシャフトから伝達される力により回転する入力側回転体と、この入力側回転体から伝達される力により前記機関バルブのカムシャフトとともに回転する出力側回転体とを含めて構成されるものであり、前記第1規制機構は、前記入力側回転体及び前記出力側回転体の一方である収容側回転体に設けられて同回転体に収容される収容位置と同回転体から突出した突出位置との間で移動する第1規制体と、前記入力側回転体及び前記出力側回転体の他方である係合側回転体に設けられて同第1規制体がはめ込まれる規制穴とを含めて構成されるものであって、前記第1規制体が前記突出位置にあるときにその一部が前記規制穴にはめ込まれることにより前記中間固定を有効にし、前記第1規制体が前記収容位置にあるときに同一部が前記規制穴から離脱していることにより前記中間固定を無効にするものであり、前記第2規制機構は、前記収容側回転体に設けられて同回転体に収容される収容位置と同回転体から突出した突出位置との間で移動する第2規制体と、前記係合側回転体に設けられて同第2規制体がはめ込まれる規制溝とを含めて構成されるものであって、前記第2規制体が前記突出位置にあるときにその一部が前記規制溝にはめ込まれることにより前記遅角規制及び前記進角規制を有効にし、前記第2規制体が前記収容位置にあるときに同一部が前記規制溝から離脱していることにより前記遅角規制及び前記進角規制を無効にするものであることを要旨としている。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記可変動弁機構は、前記入力側回転体と前記出力側回転体との間に区画壁により互いに区画された進角室及び遅角室が設けられるものであり、前記第2規制機構の規制溝は、前記入力側回転体に対する前記出力側回転体の進角側への回転にともない同回転体が前記区画壁に接触するときの回転位相を接触進角位相としたとき、進角側の端が前記接触進角位相よりも遅角側に設けられるものであることを要旨としている。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記第2規制機構の規制溝は、前記最進角に対応する前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相を最進角位相としたとき、進角側の端が前記最進角位相と同じところまたは前記最進角位相よりも遅角側に設けられるものであることを要旨としている。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記第2規制機構の規制溝は、前記最遅角に対応する前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相を最遅角位相としたとき、遅角側の端が同最遅角位相よりも進角側に設けられるものであることを要旨としている。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項8〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、当該可変動弁装置は、前記可変動弁機構及び前記第1規制機構及び前記第2規制機構に対する作動油の給排状態を制御する油圧機構をさらに備えるものであり、前記第1規制機構は、前記収容側回転体に設けられて前記油圧機構により作動油の給排状態が操作される第1中間室をさらに含めて構成されるものであって、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記中間角と対応する中間位相にあり且つ前記第1中間室に対する作動油の給排状態が第1の給排状態に設定されるとき、前記第1規制体が前記突出位置に維持され、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記中間位相にあり且つ前記第1中間室に対する作動油の給排状態が第2の給排状態に設定されるとき、前記第1規制体が前記収容位置に維持されるものであり、前記第2規制機構は、前記収容側回転体に設けられて前記油圧機構により作動油の給排状態が操作される第2中間室をさらに含めて構成されるものであって、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記遅角規制角から前記進角規制角までに対応する規制範囲内にあり且つ前記第2中間室に対する作動油の給排状態が第3の給排状態に設定されるとき、前記第2規制体が前記突出位置に維持され、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記規制範囲内にあり且つ前記第2中間室に対する潤滑油の給排状態が第4の給排状態に設定されるとき、前記第2規制体が前記収容位置に維持されるものであることを要旨としている。
(13)請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記第1規制機構は、前記収容位置から前記突出位置に向かう前記第1規制体の移動方向を突出方向とし、前記突出位置から前記収容位置に向かう前記第1規制体の移動方向を収容方向として、前記第1規制体を前記突出方向に押すばねの力と前記第1規制体を前記収容方向に押す前記第1中間室の油圧との関係に基づいて、前記第1規制体が前記収容位置と前記突出位置との間で移動するものであり、前記第2規制機構は、前記収容位置から前記突出位置に向かう前記第2規制体の移動方向を突出方向とし、前記突出位置から前記収容位置に向かう前記第2規制体の移動方向を収容方向として、前記第2規制体を前記突出方向に押すばねの力と前記第2規制体を前記収容方向に押す前記第2中間室の油圧との関係に基づいて、前記第2規制体が前記収容位置と前記突出位置との間で移動するものであることを要旨としている。
図1〜図7を参照して、本発明の内燃機関の可変動弁装置について、これを吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に示されるようにエンジン10には、吸気及び燃料からなる混合気の燃焼を通じて動力を得るエンジン本体20と、吸気バルブ31のバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構40と、エンジン本体20及びバルブタイミング可変機構40に潤滑油を供給する潤滑装置70と、これら装置を統括的に制御する電子制御装置90とが設けられている。
エンジン本体20には、インジェクタ27を通じて供給された燃料と、吸気装置を通じて供給された吸気との混合気を燃焼室23にて燃焼させるシリンダブロック21が設けられている。このシリンダブロック21には、燃焼室23を形成するシリンダ24と、このシリンダ24内にて往復運動するピストン25とが設けられている。ピストン25の往復運動は、クランクシャフト26の回転運動に変換される。
シリンダブロック21においてその下部には、エンジン10の各部位に供給される潤滑油を貯留するオイルパン71が取り付けられている。またシリンダブロック21の上部には、動弁系の部品が配置されるシリンダヘッド22が取り付けられている。
シリンダヘッド22には、吸気ポートに対して燃焼室23を開閉する吸気バルブ31と、排気ポートに対して燃焼室23を開閉する排気バルブ33とが設けられている。吸気バルブ31上方には、これを吸気カムにより押し下げる吸気カムシャフト32が設けられている。また排気バルブ33上方には、これを排気カムにより押し下げる排気カムシャフト34が設けられている。これら吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト34は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト26に駆動連結されている。
潤滑装置70は、オイルパン71の潤滑油を潤滑油路80によりエンジン本体20の各潤滑部位に供給する。この潤滑油路80の途中には、オイルパン71から潤滑油を汲み上げてこれを吐出するオイルポンプ72が設けられている。オイルポンプ72により吐出された潤滑油は、潤滑油路80を通過してエンジン10の各部位に供給され、その一部は第1オイルコントロールバルブ73及び第2オイルコントロールバルブ74を介してバルブタイミング可変機構40に供給される。エンジン10の各部位を流通した後の潤滑油及びバルブタイミング可変機構40から排出された潤滑油は再びオイルパン71に戻される。なお、本実施形態においては、バルブタイミング可変機構40及び第1オイルコントロールバルブ73及び第2オイルコントロールバルブ74及び電子制御装置90を含めて可変動弁装置が構成されている。
電子制御装置90は、スロットルポジションセンサ91、クランクポジションセンサ92、及びカムポジションセンサ93等の各種センサからの信号に基づいて機関運転状態及び車両走行状態及び運転者の要求を把握したうえで、次に示す制御をはじめとして各種の制御を行う。すなわち、スロットルバルブにより吸気流量を調整するスロットル制御、及びインジェクタ27の燃料噴射量を調整する噴射制御、第1オイルコントロールバルブ73及び第2オイルコントロールバルブ74の制御を通じて吸気バルブ31のバルブタイミング(以下、「バルブタイミングVT」)を調整するバルブタイミング制御等の各種の制御等を行う。
スロットルポジションセンサ91は、スロットルバルブの開度に応じた信号を出力する。クランクポジションセンサ92は、クランクシャフト26の回転速度(以下、「機関回転速度NE」)に応じた信号を出力する。カムポジションセンサ93は、吸気カムシャフト32の回転角度に応じた信号を出力する。
バルブタイミング制御においては、機関運転状態(機関回転速度NE及び機関負荷EL)に基づいてバルブタイミングVTの目標値(以下、「目標バルブタイミングVTT」)を設定し、クランクポジションセンサ92及びカムポジションセンサ93の出力に基づいて算出されるバルブタイミングVTを同目標バルブタイミングVTTに一致させるべく第1オイルコントロールバルブ73を操作する。
図2を参照して、バルブタイミング可変機構40の構成について説明する。なお、同図において矢印Xは、吸気カムシャフト32及びバルブタイミング可変機構40の回転方向を示す。また、図2(A)はハウジング42からカバーを取り外した状態での同可変機構40の平面構造を、図2(B)は図2(A)のD−D線に沿う同可変機構40の断面構造を、図2(C)は図2(A)のE−E線に沿う同可変機構40の断面構造を平面上に展開したものについて、これを模式化したものをそれぞれ示す。
バルブタイミング可変機構40は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト26と連結されることにより同シャフト26に同期して回転するスプロケット41と、吸気カムシャフト32の端部に固定されることにより同シャフト32に同期して回転するベーンロータ44とにより構成されている。スプロケット41には、これと一体をなす態様で回転するハウジング42が設けられている。
ハウジング42には、径方向においてベーンロータ44に向けて突出する3つの区画壁43が設けられている。またベーンロータ44には、ハウジング42に向けて突出する3つのベーン45が設けられている。隣り合う区画壁43の間にある空間は、対応する一のベーン45により進角室46及び遅角室47に区画されている。
進角室46は、ベーン45を基準としたときにこれよりも吸気カムシャフト32の回転方向後方側に位置するものであり、潤滑装置70によるバルブタイミング可変機構40に対する潤滑油の給排状態に応じて容積が変化するものである。一方の遅角室47は、ベーン45を基準としたときにこれよりも吸気カムシャフト32の回転方向前方側に位置するものであり、進角室46と同じく潤滑装置70によるバルブタイミング可変機構40に対する潤滑油の給排状態に応じて容積が変化するものである。
バルブタイミング可変機構40は、上記の構成に基づいてハウジング42及びスプロケット41に対するベーンロータ44の回転位相(以下、「回転位相P」)を変更することにより、バルブタイミングVTを変更する。同可変機構40によるバルブタイミングVTの変更は具体的には以下の(A)及び(B)のように行われる。
(A)進角室46への潤滑油の供給及び遅角室47からの潤滑油の排出により、ベーンロータ44がハウジング42に対して進角側すなわち吸気カムシャフト32の回転方向前方側に回転するとき、バルブタイミングVTは進角側に変化する。そして、バルブタイミング制御上において予め設定される通常の最も進角側のバルブタイミングVTを「最進角VTmax」としたとき、ベーンロータ44の回転位相Pがこの最進角VTmaxに対応する「最進角位相PH」に達することにより、バルブタイミングVTが最進角VTmaxに維持される。
最進角位相PHとしては、ベーンロータ44の進角側への回転にともないベーン45が遅角室47側の区画壁43に突き当てられる位相(以下、「接触進角位相PHH」)よりも遅角側、且つベーン45が同区画壁43付近にある位相が設定される。以降では、ベーンロータ44の回転位相Pが接触進角位相PHHにあるときのバルブタイミングVTを「接触進角VTmaxH」とする。
(B)進角室46からの潤滑油の排出及び遅角室47への潤滑油の供給により、ベーンロータ44がハウジング42に対して遅角側すなわち吸気カムシャフト32の回転方向後方側に回転するとき、バルブタイミングVTは遅角側に変化する。そして、バルブタイミング制御上において予め設定される通常の最も遅角側のバルブタイミングVTを「最遅角VTmin」としたとき、ベーンロータ44の回転位相Pがこの最遅角VTminと対応する「最遅角位相PL」に達することにより、バルブタイミングVTが最遅角VTminに維持される。
最遅角位相PLとしては、ベーンロータ44の遅角側への回転にともないベーン45が進角室46側の区画壁43に突き当てられる位相(以下、「接触遅角位相PLL」)よりも遅角側、且つベーン45が同区画壁43付近にある位相が設定される。
以上の(A)及び(B)の動作に加えて、進角室46及び遅角室47のそれぞれと潤滑装置70との間における潤滑油の流通が遮断されるとき、すなわち進角室46及び遅角室47のそれぞれに潤滑油が保持されるとき、ハウジング42とベーンロータ44との相対的な回転が不能とされるとき、バルブタイミングVTはそのときのタイミングに維持される。
このように、バルブタイミング可変機構40はそのハード構成からすると、ベーンロータ44の回転位相Pを接触進角位相PHHから接触遅角位相PLLまでの範囲内で変更することが許容されるものの、バルブタイミング制御により基本的には同範囲よりも狭い最進角位相PHから最遅角位相PLまでの範囲内にて駆動する。すなわち、当該バルブタイミング制御において目標バルブタイミングVTTが最進角VTmaxから最遅角VTminまでの範囲内に設定されることにより、ベーンロータ44は最進角位相PHから最遅角位相PLまでの範囲内にて駆動する。
バルブタイミング可変機構40には、進角室46及び遅角室47の油圧にかかわらずハウジング42に対するベーンロータ44の回転を規制して、バルブタイミングVTを最進角VTmaxと最遅角VTminとの間にある特定のタイミング(以下、「中間角VTmdl」)に固定する位相固定機構50が設けられている。この中間角VTmdlとしてはエンジン10の始動に適したタイミングが設定されている。すなわち、機関始動時においてバルブタイミングVTを中間角VTmdlに設定した場合と、これよりも遅角側のタイミングに設定した場合とを比較したとき、前者の方がより高い始動性が確保されるようになる。
またバルブタイミング可変機構40には、進角室46及び遅角室47の油圧にかかわらずハウジング42に対するベーンロータ44の回転範囲を規制して、バルブタイミングVTが中間角VTmdlと最遅角VTminとの間にある所定のタイミング(以下、「遅角規制角VTrgtL」)よりも遅角側に変化すること、及びバルブタイミングVTが最進角VTmaxよりも遅角側にある所定のタイミング(以下、「進角規制角VTrgtH」)よりも進角側に変化することを規制する位相規制機構60が設けられている。以降では、遅角規制角VTrgtLに対応するベーンロータ44の回転位相Pを「遅角規制位相PRL」とし、進角規制角VTrgtHに対応するベーンロータ44の回転位相Pを「進角規制位相PRH」とする。
遅角規制角VTrgtLとしては、機関始動不良を抑制するために最低限必要とされる分だけ最遅角VTminから進角したタイミングまたはこれに相当するタイミングが設定されている。すなわち、機関始動時においてバルブタイミングVTが遅角規制角VTrgtLよりも進角側に維持されるときには、機関始動時にバルブタイミングVTが遅角規制角VTrgtLよりも遅角側にあるときと比較して、機関始動不良となる状況が生じる頻度は十分に低減される。
図2(B)を参照して、位相固定機構50の構造の詳細について説明する。なお同図は、図2(A)のD−D線に沿う同可変機構40の断面構造を示す。
位相固定機構50は、潤滑装置70からの潤滑油の供給に基づいて動作し、回転位相Pが中間角VTmdlに対応する回転位相(以下、「中間位相PM」)にあるときに、ハウジング42とベーンロータ44との相対回転位相を固定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlに保持する。以降では、位相固定機構50によりバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定される状態を「中間固定」とする。
位相固定機構50は、潤滑装置70からの潤滑油の供給に基づいて動作し、回転位相Pが中間角VTmdlに対応する回転位相(以下、「中間位相PM」)にあるときに、ハウジング42とベーンロータ44との相対回転位相を固定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlに保持する。以降では、位相固定機構50によりバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定される状態を「中間固定」とする。
位相固定機構50は具体的には、ベーン45に設けられたロックピン51と、ベーン45に設けられて潤滑装置70により潤滑油が供給されるロック中間室52と、ベーン45に設けられてロックピン51を一方向に押すロックばね53と、ハウジング42に設けられたロック穴54とにより構成されている。
ロックピン51は、ロック中間室52の潤滑油の力とロックばね53の力との関係に基づいて、ベーン45から突出する方向(以下、「突出方向ZA」)とベーン45に引き込まれる方向(以下、「収容方向ZB」)との間で動作する。ロック中間室52の油圧は、ロックピン51に対して収容方向ZBに作用し、ロックばね53の力は、ロックピン51に対して突出方向ZAに作用する。以降では、ロックピン51の位置について、ベーン45から突出してロック穴54にはめ込まれた位置を「ロックピン51の突出位置」とし、ベーン45に引き込まれてベーン45に収容された位置を「ロックピン51の収容位置」とする。
潤滑装置70によりロック中間室52に対して潤滑油が供給されてロック中間室52が潤滑油にて満たされるとき、すなわちロック中間室52に対する潤滑油の給排状態が「第2の給排状態」にあるとき、ロック中間室52の潤滑油による収容方向ZBの力により、ロックピン51に対してはこれを収容方向ZBに移動させようとする力が生じるようになる。そして、ロックピン51の突出位置のもとでロックピン51に対して収容方向ZBの力が作用するとき、ロックピン51がロック穴54から離脱してベーン45内に収容される。これにより、ロックピン51とロック穴54との係合によるハウジング42とベーンロータ44との固定が解除されてハウジング42に対するベーンロータ44の回転が許容される。
一方、潤滑装置70によりロック中間室52から潤滑油が排出されてロック中間室52が潤滑油により満たされないとき、すなわちロック中間室52に対する潤滑油の給排状態が「第1の給排状態」にあるとき、ロックばね53による突出方向ZAの力がロック中間室52の潤滑油による収容方向ZBの力を上回るようになる。これにより、ロックピン51に対してはこれを突出方向ZAに移動させようとする力が生じるようになる。そして、この状態のもとで回転位相Pが中間位相PMにあるとき、すなわちロックピン51とロック穴54との周方向の位置が一致しているとき、ロックピン51がベーン45から突出してロック穴54にはめ込まれる。これにより、ロックピン51とロック穴54との係合を通じてハウジング42とベーンロータ44とが互いに固定されるため、これらの相対的な回転位相は中間位相PMに保持される。
図2(C)を参照して、位相規制機構60の構造の詳細について説明する。なお同図は、図2(A)のE−E線に沿う同可変機構40の断面構造を平面上に展開したものについて、これを模式化したものを示す。
位相規制機構60は、潤滑装置70からの潤滑油の供給に基づいて動作し、ベーンロータ44の回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲内にある条件のもと、ベーンロータ44の遅角側への回転にともない回転位相Pが遅角規制位相PRLに達したとき、ハウジング42とベーンロータ44とを互いに係合して同ロータ44のそれ以上の遅角側への回転を規制する。また上記条件のもと、ベーンロータ44の進角側への回転にともない回転位相Pが進角規制位相PRHに達したとき、ハウジング42とベーンロータ44とを互いに係合して同ロータ44のそれ以上の進角側への回転を規制する。すなわち、ベーンロータ44が遅角規制位相PRLにあるときにバルブタイミングVTが遅角規制角VTrgtLよりも遅角側に変化することを規制し、ベーンロータ44が進角規制位相PRHにあるときにバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側に変化することを規制する。以降では、位相規制機構60によりバルブタイミングVTの遅角が遅角規制角VTrgtLにて規制される状態を「遅角規制」とし、バルブタイミングVTの進角が進角規制角VTrgtHにて規制される状態を「進角規制」とする。
位相規制機構60は具体的には、ベーン45に設けられた規制ピン61と、ベーン45に設けられて潤滑装置70により潤滑油が供給される規制中間室62と、ベーン45に設けられて規制ピン61を一方向に押す規制ばね63と、ハウジング42に設けられて遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲に対応して形成される規制溝64とにより構成されている。
規制ピン61は、規制中間室62の潤滑油の力と規制ばね63の力との関係に基づいて突出方向ZAと収容方向ZBとの間で動作する。規制中間室62の油圧は、規制ピン61に対して収容方向ZBに作用し、規制ばね63の力は、規制ピン61に対して突出方向ZAに作用する。以降では、規制ピン61の位置について、ベーン45から突出して規制溝64にはめ込まれた位置を「規制ピン61の突出位置」とし、ベーン45に引き込まれてベーン45に収容された位置を「規制ピン61の収容位置」とする。
規制溝64は、遅角規制位相PRLに対応する位置から進角規制位相PRHに対応する位置までにわたり規制ピン61の周方向の軌跡に沿う態様でハウジング42に形成されている。
潤滑装置70により規制中間室62に対して潤滑油が供給されて規制中間室62が潤滑油にて満たされるとき、すなわち規制中間室62に対する潤滑油の給排状態が「第4の給排状態」にあるとき、規制中間室62の潤滑油による収容方向ZBの力により規制ピン61に対してはこれを収容方向ZBに移動させようとする力が生じるようになる。そして、規制ピン61が突出位置のもとで規制ピン61に対して収容方向ZBの力が作用するとき、規制ピン61が規制溝64から離脱してベーン45内に収容される。これにより、規制ピン61と規制溝64との係合によるハウジング42とベーンロータ44との相対回転範囲の規制が解除されて、ハウジング42に対するベーンロータ44の回転が許容される。
一方、潤滑装置70により規制中間室62から潤滑油が排出されて規制中間室62が潤滑油により満たされないとき、すなわち規制中間室62に対する潤滑油の給排状態が「第3の給排状態」にあるとき、規制ばね63による突出方向ZAの力が規制中間室62の潤滑油による収容方向ZBの力を上回るようになる。これにより、規制ピン61に対してはこれを突出方向ZAに移動させようとする力が生じるようになる。そして、この状態のもとでベーンロータ44の回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲にあるとき、すなわち規制溝64と対応するところに規制ピン61があるとき、規制ピン61がベーン45から突出して規制溝64にはめ込まれる。これにより、規制ピン61と規制溝64との係合を通じてハウジング42とベーンロータ44との相対回転範囲が規制される。すなわち、遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲に規制される。
図3を参照して、バルブタイミング可変機構40と潤滑装置70との間における潤滑油の流通態様について説明する。なお同図は、これら装置の間における油路の構成を模式的に示している。
潤滑装置70は、潤滑油を貯留するオイルパン71と、オイルパン71の潤滑油を汲み上げて吐出するオイルポンプ72と、第1オイルコントロールバルブ73と、第2オイルコントロールバルブ74と、これらの間で互いに潤滑油を流通させる潤滑油路80とを含めて構成されている。
潤滑油路80は、オイルパン71から第1オイルコントロールバルブ73に潤滑油を供給する第1供給油路81と、第1オイルコントロールバルブ73からオイルパン71に潤滑油を還流する第1排出油路82と、第1オイルコントロールバルブ73と各進角室46との間で潤滑油を流通する進角油路85と、第1オイルコントロールバルブ73と各遅角室47との間で潤滑油を流通する遅角油路86と、第1オイルコントロールバルブ73とロック中間室52との間で潤滑油を流通するロック中間油路87と、オイルパン71から第2オイルコントロールバルブ74に潤滑油を供給する第2供給油路83と、第2オイルコントロールバルブ74からオイルパン71に潤滑油を還流する第2排出油路84と、第2オイルコントロールバルブ74と規制中間室62との間で潤滑油を流通する規制中間油路88とにより構成されている。
進角油路85及び遅角油路86及びロック中間油路87はそれぞれ、第1オイルコントロールバルブ73と進角室46及び遅角室47及びロック中間室52のいずれか対応するものとを直接的に接続している。すなわちロック中間油路87は、進角室46及び遅角室47のいずれも介することなく潤滑油を第1オイルコントロールバルブ73との間で流通させる油路として形成されている。
第1オイルコントロールバルブ73は、第1供給油路81及び第1排出油路82と進角油路85及び遅角油路86及びロック中間油路87との接続状態を切り替えることにより進角室46及び遅角室47及びロック中間室52に対する潤滑油の給排状態を設定することができる。
第2オイルコントロールバルブ74は、第2供給油路83及び第2排出油路84と規制中間油路88との接続状態を切り替えることにより、規制中間室62に対する潤滑油の給排状態を設定することができる。
図4を参照して、位相固定機構50の動作態様について説明する。なお図4は、ロックピン51及びロック穴54と規制ピン61及び規制溝64との関係について、これを図2に示されるバルブタイミング可変機構40の構造とは異なるかたちで同可変機構40の機能面から模式化して示している。
バルブタイミングVTが最進角VTmaxから最遅角VTminまでの間で変更されるとき、すなわちベーンロータ44の回転位相Pが図4(A)に示される最進角位相PHから図4(B)に示される最遅角位相PLまでの間にて変更されるときには、ロックピン51は収容位置に維持される。
バルブタイミングVTが中間角VTmdlにあるとき、すなわちベーンロータ44の回転位相Pが中間位相PMにあるときであっても、ロック中間室52への潤滑油の供給にともないロックピン51がベーン45内に収容されている限りは、図4(C)に示されるように、回転位相Pが中間位相PMに固定されることはない。一方、ロック中間室52の油圧が解除されてロックピン51に対して突出方向ZAの力が作用しているときには、図4(D)に示されるように、ロックばね53の力によりロックピン51がベーン45から突出してロック穴54にはめ込まれ、これによりベーンロータ44が中間位相PMに保持される。
図5を参照して、位相規制機構60の動作態様について説明する。なお図5は、ロックピン51及びロック穴54と規制ピン61及び規制溝64との関係について、これを図2に示されるバルブタイミング可変機構40の構造とは異なるかたちで同可変機構40の機能面から模式化して示している。
バルブタイミングVTが最進角VTmaxから最遅角VTminまでの間で変更されるとき、すなわちベーンロータ44の回転位相Pが図5(A)に示される最進角位相PHから図5(B)に示される最遅角位相PLまでの間にて変更されるときには、規制ピン61は収容位置に維持される。すなわち、規制中間室62への潤滑油の供給にともない規制ピン61がベーン45内に収容されている限りは、ベーンロータ44が遅角規制位相PRLを進角側から遅角側にまたいで回転すること、及び進角規制位相PRHを遅角側から進角側にまたいで回転することが許容される。
一方、ベーンロータ44の回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲内にあるときに、規制中間室62の油圧が解除されて規制ピン61に対して突出方向ZAの力が作用しているときには、規制ばね63の力により規制ピン61がベーン45から突出して規制溝64にはめ込まれ、これにより図5(C)に示されるように、ベーンロータ44が遅角規制位相PRLよりも遅角側に回転すること、及び図5(D)に示されるようにベーンロータ44が進角規制位相PRHよりも進角側に回転することが規制される。すなわち、バルブタイミングVTの変更範囲が遅角規制角VTrgtLから進角規制角VTrgtHまでの範囲に制限される。
こうした位相固定機構50及び位相規制機構60を備えるエンジン10においては、機関運転状態等に基づいてバルブタイミングVTを中間角VTmdlに固定する旨の要求を設定し、同要求があるときに位相固定機構50によるバルブタイミングVTの固定を行う。具体的には、イグニッションスイッチのオンからオフへの切替操作に基づく機関停止要求が検出されたときに固定要求を設定し、機関停止要求に基づく機関停止動作を開始する前にバルブタイミングVTを中間角VTmdlに設定のうえ、位相固定機構50により回転位相Pを固定する。
そして、この位相固定機構50による回転位相Pの固定が完了した後に機関運転の停止を行う。これにより、次回の機関始動時にはバルブタイミングVTが位相固定機構50によりすでに中間角VTmdlに維持された状態にあるため、良好な始動性のもとにエンジン10を始動させることができるようになる。
これに対して、バルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定されることなく機関停止した場合、機関停止中においての規制中間室62の油圧の解除にともない規制ピン61に対して突出方向ZAの力が付与されるときに、併せてベーンロータ44の回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲内にあるときには、規制ピン61が規制溝64にはめ込まれる。一方、機関停止中においての規制中間室62の油圧の解除にともない規制ピン61に対して突出方向ZAの力が付与されるものの、ベーンロータ44の回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲外にあるときには、その後の機関始動時におけるカムトルクの変動にともなうベーンロータ44の回転により規制ピン61が規制溝64にはめ込まれる。
そして、これらのいずれの場合においても、機関始動時にバルブタイミングVTが遅角規制角VTrgtLよりも遅角側に回転することが位相規制機構60を通じて規制される。これにより、バルブタイミングVTが中間角VTmdlに対して遅角側に大きく乖離してしまう状況が生じることは回避されるようになる。
ところで、位相規制機構60を通じてバルブタイミングVTの変更範囲を規制することにより、機関始動性の過度の低下は抑制されるようになるものの、同機構60に異常が生じているときにはそうしたバルブタイミングVTの規制がなされないため、この場合にはやはり始動性低下が懸念される。
そこで本実施形態では、こうした位相規制機構60の異常にともなう始動性低下に対応するため、同機構60についての異常の有無を診断するための異常診断制御を行うようにしている。この異常診断においては、バルブタイミング制御によりバルブタイミングVTを進角規制角VTrgtHよりも進角側に向けて変更する指令(以下、「進角指令」)を送信し且つ位相規制機構60に対して規制ピン61を収容位置から突出位置に移動する指令(以下、「規制指令」)を送信した状態のもと、実際のバルブタイミングVTの変化が進角規制角VTrgtHにて停滞することをもって位相規制機構60に異常が生じていない旨判定し、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側に変化したことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定するようにしている。
ここで、位相規制機構60についての異常診断態様としては、機関運転状態にかかわらず異常診断のための進角指令を積極的に送信すること、及び機関運転状態に基づいて生じる進角指令を利用することが考えられる。前者の場合、そのときどきの機関運状態から要求されるバルブタイミング可変機構40の動作と異常診断のための進角指令に基づくバルブタイミング可変機構40の進角動作とが大きく乖離して機関運転状態に好ましくない影響を及ぼすことが想定される。一方、後者の場合には機関運転状態に基づく進角指令にともなうバルブタイミング可変機構40の進角動作を利用しているため、異常診断が機関運転性に及ぼす影響は上記の場合よりも十分に小さなものとなる。
そこで本実施形態の異常診断制御では、機関運転状態からの要求に基づいてバルブタイミング可変機構40に対して進角指令が送信されているときに位相規制機構60に対して規制指令を送信して異常診断を行うようにしている。
図6を参照して、異常診断の具体的な態様について説明する。
図6(A)に示されるように、回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲にあり、且つバルブタイミング制御により目標バルブタイミングVTTが進角規制角VTrgtHから最進角VTmaxまでの領域((以下、「大進角領域VTadv」)(進角規制角VTrgtHから最進角VTmaxまでの領域から進角規制角VTrgtHを除いた領域))内の値に設定されたとき、異常診断が開始される。そして、図6(B)に示されるように、バルブタイミング制御による進角指令に基づいてバルブタイミングVTが進角側に変化している状況のもと異常診断制御により規制指令が送信される。
図6(A)に示されるように、回転位相Pが遅角規制位相PRLから進角規制位相PRHまでの範囲にあり、且つバルブタイミング制御により目標バルブタイミングVTTが進角規制角VTrgtHから最進角VTmaxまでの領域((以下、「大進角領域VTadv」)(進角規制角VTrgtHから最進角VTmaxまでの領域から進角規制角VTrgtHを除いた領域))内の値に設定されたとき、異常診断が開始される。そして、図6(B)に示されるように、バルブタイミング制御による進角指令に基づいてバルブタイミングVTが進角側に変化している状況のもと異常診断制御により規制指令が送信される。
図6(C)に示されるように、位相規制機構60に異常が生じていないことにより規制指令に基づいて規制ピン61が収容位置から突出位置に移動したときには、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHに達したときに、バルブタイミングVTのそれ以上の進角側への変化が規制される。すなわち、回転位相Pが進角規制位相PRHに達したときにベーンロータ44のそれ以上の進角側への回転が規制される。そして、異常診断制御においては、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHに停滞していることをもって位相規制機構60に異常が生じていない旨判定される。
図6(D)に示されるように、位相規制機構60に異常が生じていることにより規制指令に基づく規制ピン61の収容位置から突出位置への移動が行われないときには、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHを超えて進角側に変化して目標バルブタイミングVTTに達するようになる。すなわち、回転位相Pが進角規制位相PRHに達したときに規制ピン61によるベーンロータ44の回転の規制がなされず、進角規制角VTrgtHよりも進角側にまで回転する。そして異常診断制御においては、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHを超えて進角したことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定される。なお、位相規制機構60の異常の有無について診断結果が得られた後は、異常診断のために突出位置に移動した規制ピン61が収容位置に戻される。
図7を参照して、このような位相規制機構60の異常診断に関する具体的な処理手順を定めた「異常診断処理」の内容について説明する。なおこの処理は、エンジン10の運転中において電子制御装置90により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS110にてバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも遅角側にあり、且つステップS120にて目標バルブタイミングVTTとして大進角領域VTadv内の値が設定されている旨判定したとき、ステップS130にて第2オイルコントロールバルブ74に対して規制指令を送信する。すなわち、第2オイルコントロールバルブ74の動作モードを規制中間室62からの潤滑油の排出が行われるモードに維持する指令を送信する。そして、このステップS130の処理の実行にともない規制中間室62から潤滑油が排出されたとき、規制ピン61に対して突出方向ZAの力が作用するようになる。
ステップS140にてバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHまたはこれよりも進角側にある旨判定し、且つステップS150にてバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHにて停滞していない旨判定したとき(図6(D))、すなわちバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側にあるとき、位相規制機構60に異常が生じている旨判定し、これにともないステップS170にてその旨を示すデータをメモリに記録する。その後、ステップS160にて第2オイルコントロールバルブ74に対して進角規制及び遅角規制を解除する旨の指令を送信する。
一方、ステップS140にてバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHまたはこれよりも進角側にある旨判定し、且つステップS150にてバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHに停滞している旨判定したとき(図6(C))、すなわちバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHにあるとき、位相規制機構60の異常は生じていない旨判定する。そして、ステップS160にて第2オイルコントロールバルブ74に対して進角規制及び遅角規制を解除する旨の指令を送信する。
ステップS160の処理の実行にともない規制中間室62に潤滑油が供給されたとき、規制ピン61に対して収容方向ZBの力が生じて同ピン61が突出位置から収容位置に移動する。なお、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHに停滞していることについては、例えばクランクポジションセンサ92及びカムポジションセンサ93により算出されるバルブタイミングVTが所定期間以上にわたり進角規制角VTrgtHを示すことに基づいて判定することができる。またこの他に、バルブタイミング制御による進角指令及び異常診断制御による規制指令の双方の送信が開始されてからの経過期間について、これが所定の期間に達したときにバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHにあることに基づいて判定することもできる。
本実施形態の内燃機関の可変動弁装置によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、進角指令及び規制指令の送信が開始された後のバルブタイミングVTに基づいて位相規制機構60の異常診断を行うようにしている。これにより、同診断の結果として適切なものを得ることができるようになる。
(1)本実施形態では、進角指令及び規制指令の送信が開始された後のバルブタイミングVTに基づいて位相規制機構60の異常診断を行うようにしている。これにより、同診断の結果として適切なものを得ることができるようになる。
(2)本実施形態では、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHを超えて進角側に変化したことに基づいて位相規制機構60に異常が生じている旨判定するようにしている。これにより、位相規制機構60に異常が生じていることを適切に把握することができるようになる。
(3)本実施形態では、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングVTの進角側への変化が進角規制角VTrgtHにて停滞したときに位相規制機構60に異常が生じていない旨判定するようにしている。これにより、位相規制機構60に異常が生じていないことを適切に把握することができるようになる。
(4)本実施形態では、進角指令及び規制指令の送信が開始された後にバルブタイミングVTの進角側への変化が進角規制角VTrgtHにて停滞したとき、すなわち位相規制機構60の異常が生じていないとき、異常診断のために送信された規制指令に基づく位相規制機構60の動作位置が規制位置から解除位置に戻される。これにより、異常診断後のバルブタイミングVTの変更が同規制機構60により妨げられることを抑制することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、規制溝64の進角側の端をベーンロータ44の最進角位相PHよりも遅角側に設定するようにしたが、規制溝64の形成態様はこれに限られるものではない。例えば、最進角位相PHと同じところに規制溝64の進角側の端を形成することもできる。またあるいは、最進角位相PHよりも進角側且つ接触進角位相PHHよりも遅角側に規制溝64の進角側の端を形成することもできる。要するに、接触進角位相PHHよりも遅角側であれば、規制溝64の進角側の端の形成位置、すなわち位相規制機構60によりベーンロータ44の回転を規制する位相は適宜変更することができる。また、規制溝64の形成態様としていずれのものを採用した場合であれ、位相規制機構60の異常診断に際しては、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側に変化したことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定することができる。
・上記実施形態では、最進角位相PHとして、接触進角位相PHHよりも遅角側にある位相を設定したが、最進角位相PHの設定はこれに限られるものではない。例えば、最進角位相PHを接触進角位相PHHと同じところに設定することもできる。この場合においても規制溝64の進角側の端を最進角位相PHよりも遅角側に形成することにより、位相規制機構60の異常診断に際しては、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側に変化したことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定することができる。
・上記実施形態では、バルブタイミング制御により進角指令の送信が開始された後に異常診断制御により規制指令の送信を開始する構成を採用したが、規制指令の送信が異常診断制御とは別の制御により行われたときに異常診断を行うこともできる。すなわち、バルブタイミング制御による進角指令の送信が開始されたこと、及び位相規制機構60についての制御による規制指令の送信が開始されたことを条件に、異常診断制御により位相規制機構60の異常診断を行うこともできる。
・上記実施形態では、バルブタイミング制御により進角指令の送信が開始された後に異常診断制御により規制指令の送信を開始する構成を採用したが、異常診断制御において進角指令及び規制指令の双方の送信を行う構成に変更することもできる。またこの場合には、進角指令及び規制指令の一方の送信を先に開始し、その後に他方の指令の送信を開始する構成、または進角指令及び規制指令の送信を同時に開始する構成を採用することができる。また当該変形例において、さらに次の(A)または(B)の変更を加えることもできる。
(A)目標バルブタイミングVTTとして、最進角VTmaxよりも進角側から接触進角VTmaxHまでの範囲内にある値を設定し、これに基づく進角指令に併せて規制指令を送信する。
(B)目標バルブタイミングVTTの設定に基づく進角指令の送信及び規制指令の送信に代えて、バルブタイミングVTを継続して進角する指令と規制指令とを送信し、その後に異常診断を行う。
・上記実施形態では、目標バルブタイミングVTTが大進角領域VTadv内の値に設定されていることを条件に規制指令の送信を行うようにしたが、規制指令の送信のための実行態様を例えば次の(A)または(B)のように変更することもできる。
(A)目標バルブタイミングVTTとして最進角VTmaxよりも進角側から接触進角VTmaxHまでの範囲にある値が設定されていることを条件に規制指令の送信を行うこともできる。なお、通常のバルブタイミング制御においては同範囲内に目標バルブタイミングVTTが設定されることはないため、当該変形例の実施に際しては、異常診断制御において同範囲内に目標バルブタイミングVTTを設定する処理が行われる。
(B)目標バルブタイミングVTTに基づく規制指令の送信に代えて、バルブタイミングVTを継続して進角する指令が送信されていることを条件に規制指令の送信を行うこともできる。この場合にも、位相規制機構60に異常が生じている条件のもとで同規制指令の送信が行われたときには、バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側に変化するため、このことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定することができる。また、位相規制機構60に異常が生じている条件のもとで同規制指令の送信が行われたとき、バルブタイミングVTが最終的には接触進角VmaxHに達するため、このことをもって位相規制機構60に異常が生じている旨判定することもできる。
・上記実施形態では、機関運転状態に基づく進角指令の送信が開始された後に規制指令を送信して異常診断を行うようにしたが、すなわち機関運転状態からの要求に基づいてバルブタイミングVTの進角要求が生じているときに規制指令の送信を開始するようにしたが、異常診断の実行態様はこれに限られるものではない。例えば、バルブタイミングVTの進角要求が生じていることとは別の実行条件(例えば、前回の異常診断から所定の期間が経過した、またはバルブタイミングVTを強制的に進角してもこれが機関運転性に対して及ぼす影響が小さいと予測される状況にある)を予め設定し、機関運転中にこの条件が成立したことに基づいて進角指令及び規制指令を強制的に送信して異常診断を行うこともできる。この場合の異常診断の具体的な態様としては、例えば次の(A)〜(C)のものが挙げられる。
(A)バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも遅角側にあり、且つ上記別の実行条件が成立しているとき、目標バルブタイミングVTTとして進角規制角VTrgtHよりも進角側の値を設定し、その後に進角指令及び規制指令を送信して異常診断を行う。
(B)バルブタイミングVTが進角規制角VTrgtHよりも進角側にあり、且つ上記別の実行条件が成立しているとき、バルブタイミングVTを一旦進角規制角VTrgtHよりも遅角側に変更し、その後、目標バルブタイミングVTTとして進角規制角VTrgtHよりも進角側の値を設定するとともに進角指令及び規制指令を送信して異常診断を行う。
(C)上記の(A)または(B)において、目標バルブタイミングVTTの設定に基づく進角指令の送信及び規制指令の送信に代えて、バルブタイミングVTを継続して進角する指令と規制指令とを送信し、その後に異常診断を行う。
・上記実施形態では、進角室46及び遅角室47及びロック中間室52についての潤滑油の給排状態を第1オイルコントロールバルブ73により制御し、規制中間室62についての潤滑油の給排状態を第2オイルコントロールバルブ74により制御する潤滑装置70の構成を採用したが、同装置70の構成はこれに限られるものではない。例えば、進角室46及び遅角室47及びロック中間室52及び規制中間室62についての潤滑油の給排状態を単一のオイルコントロールバルブにより制御する構成を採用することもできる。またあるいは、進角室46及び遅角室47についての潤滑油の給排状態を一のオイルコントロールバルブにより制御し、ロック中間室52及び規制中間室62についての潤滑油の給排状態を別のオイルコントロールバルブにより制御する構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、位相固定機構50の構成として、ベーンロータ44にロックピン51及びロック中間室52及びロックばね53が設けられるとともに、ハウジング42にロック穴54が設けられる構成を採用したが、位相固定機構50の構成はこれに限られるものではない。例えば、ハウジング42にロックピン51及びロック中間室52及びロックばね53を設け、ベーンロータ44にロック穴54を設けることもできる。
・上記実施形態では、位相規制機構60の構成として、ベーンロータ44に規制ピン61及び規制中間室62及び規制ばね63が設けられるとともにハウジング42に規制溝64が設けられる構成を採用したが、位相規制機構60の構成はこれに限られるものではない。例えば、ハウジング42に規制ピン61及び規制中間室62及び規制ばね63を設け、ベーンロータ44に規制溝64を設けることもできる。
・上記実施形態では、ロックピン51に対するロック中間室52の油圧が解除されるときにロックピン51がベーン45から突出し得る状態に維持される構成としたが、ロック中間室52とロックばね53との関係を上記実施形態とは反対のものに設定することもできる。すなわち、油圧によりロックピン51に対して突出方向ZAの力を付与するとともに、ロックばね53の力によりロックピン51に対して収容方向ZBの力を付与する構成に変更することもできる。
・上記実施形態では、規制ピン61に対する規制中間室62の油圧が解除されるときに規制ピン61がベーン45から突出し得る状態に維持される構成としたが、規制中間室62と規制ばね63との関係を上記実施形態とは反対のものに設定することもできる。すなわち、油圧により規制ピン61に対して突出方向ZAの力を付与するとともに、規制ばね63の力により規制ピン61に対して収容方向ZBの力を付与する構成に変更することもできる。
・上記実施形態では、吸気バルブ31のバルブタイミング可変機構40を備える可変動弁装置に対して本発明を適用したが、排気バルブのバルブタイミング可変機構を備える可変動弁装置に対しても上記実施形態に準じた態様をもって、本発明を適用することはできる。
・バルブタイミング可変機構40及び位相固定機構50及び位相規制機構60及び潤滑装置70の構成をはじめとして本発明の適用対象となる可変動弁装置の構成は上記実施形態にて例示した内容に限られるものではない。すなわち、バルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、バルブタイミングの中間固定を行う位相固定機構と、バルブタイミングの遅角規制及び進角規制を行う規制機構とを備えるものであれば、いずれの可変動弁装置に対しても本発明を適用することは可能であり、その場合にも上記実施形態の作用効果に準じた作用効果を奏することはできる。
10…エンジン、20…エンジン本体、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…燃焼室、24…シリンダ、25…ピストン、26…クランクシャフト、27…インジェクタ、31…吸気バルブ、32…吸気カムシャフト、33…排気バルブ、34…排気カムシャフト、40…バルブタイミング可変機構(可変動弁機構)、41…スプロケット、42…ハウジング(入力側回転体(係合側回転体))、43…区画壁、44…ベーンロータ(出力側回転体(収容側回転体))、45…ベーン、46…進角室、47…遅角室、50…位相固定機構(第1規制機構)、51…ロックピン(第1規制体)、52…ロック中間室(第1中間室)、53…ロックばね、54…ロック穴(規制穴)、60…位相規制機構(第2規制機構)、61…規制ピン(第2規制体)、62…規制中間室(第2中間室)、63…規制ばね、64…規制溝、70…潤滑装置、71…オイルパン、72…オイルポンプ、73…第1オイルコントロールバルブ(油圧機構)、74…第2オイルコントロールバルブ(油圧機構)、80…潤滑油路、81…第1供給油路、82…第1排出油路、83…第2供給油路、84…第2排出油路、85…進角油路、86…遅角油路、87…ロック中間油路、88…規制中間油路、90…電子制御装置、91…スロットルポジションセンサ、92…クランクポジションセンサ、93…カムポジションセンサ。
Claims (13)
- 機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変動弁機構と、前記バルブタイミングを最進角と最遅角との間にある中間角に固定する中間固定を行う第1規制機構と、前記バルブタイミングが前記中間角と前記最遅角との間にある遅角規制角よりも遅角側に変化することを規制する遅角規制を行う第2規制機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、
前記第2規制機構は、前記遅角規制角よりも進角側にある所定角を進角規制角として、前記バルブタイミングが前記進角規制角よりも進角側に変化することを規制する進角規制を行うものであり、
当該可変動弁装置は、前記第2規制機構についての異常診断制御を行うものであり、
この異常診断制御は、前記第1規制機構による前記中間固定が行われていないとき、前記バルブタイミングを前記進角規制角よりも進角側に変更する進角指令、及び前記第2規制機構の動作位置を前記遅角規制及び前記進角規制が有効となる規制位置に維持する規制指令について、これら指令の送信が開始された後の前記バルブタイミングに基づいて前記第2規制機構の異常診断を行うものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングが前記進角規制角を超えて進角側に変化したことに基づいて前記第2規制機構に異常が生じている旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングの進角側への変化が前記進角規制角にて停滞したとき、前記第2規制機構に異常が生じていない旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記バルブタイミングの進角中に前記規制指令の送信を行う
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記バルブタイミングを前記進角規制角よりも進角側にある所定のバルブタイミングに変更する旨の大進角要求があることに基づいて前記規制指令の送信を行う
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項4または5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記バルブタイミングが前記進角規制角よりも遅角側にあることを条件に前記規制指令の送信を開始する
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記異常診断制御では、前記進角指令及び前記規制指令の送信が開始された後に前記バルブタイミングの進角側への変化が前記進角規制角にて停滞したとき、前記第2規制機構の動作位置を前記規制位置から前記遅角規制及び前記進角規制が無効となる解除位置に変更する
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記可変動弁機構は、クランクシャフトから伝達される力により回転する入力側回転体と、この入力側回転体から伝達される力により前記機関バルブのカムシャフトとともに回転する出力側回転体とを含めて構成されるものであり、
前記第1規制機構は、前記入力側回転体及び前記出力側回転体の一方である収容側回転体に設けられて同回転体に収容される収容位置と同回転体から突出した突出位置との間で移動する第1規制体と、前記入力側回転体及び前記出力側回転体の他方である係合側回転体に設けられて同第1規制体がはめ込まれる規制穴とを含めて構成されるものであって、前記第1規制体が前記突出位置にあるときにその一部が前記規制穴にはめ込まれることにより前記中間固定を有効にし、前記第1規制体が前記収容位置にあるときに同一部が前記規制穴から離脱していることにより前記中間固定を無効にするものであり、
前記第2規制機構は、前記収容側回転体に設けられて同回転体に収容される収容位置と同回転体から突出した突出位置との間で移動する第2規制体と、前記係合側回転体に設けられて同第2規制体がはめ込まれる規制溝とを含めて構成されるものであって、前記第2規制体が前記突出位置にあるときにその一部が前記規制溝にはめ込まれることにより前記遅角規制及び前記進角規制を有効にし、前記第2規制体が前記収容位置にあるときに同一部が前記規制溝から離脱していることにより前記遅角規制及び前記進角規制を無効にするものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記可変動弁機構は、前記入力側回転体と前記出力側回転体との間に区画壁により互いに区画された進角室及び遅角室が設けられるものであり、
前記第2規制機構の規制溝は、前記入力側回転体に対する前記出力側回転体の進角側への回転にともない同回転体が前記区画壁に接触するときの回転位相を接触進角位相としたとき、進角側の端が前記接触進角位相よりも遅角側に設けられるものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項8または9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記第2規制機構の規制溝は、前記最進角に対応する前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相を最進角位相としたとき、進角側の端が前記最進角位相と同じところまたは前記最進角位相よりも遅角側に設けられるものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記第2規制機構の規制溝は、前記最遅角に対応する前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相を最遅角位相としたとき、遅角側の端が同最遅角位相よりも進角側に設けられるものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項8〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
当該可変動弁装置は、前記可変動弁機構及び前記第1規制機構及び前記第2規制機構に対する作動油の給排状態を制御する油圧機構をさらに備えるものであり、
前記第1規制機構は、前記収容側回転体に設けられて前記油圧機構により作動油の給排状態が操作される第1中間室をさらに含めて構成されるものであって、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記中間角と対応する中間位相にあり且つ前記第1中間室に対する作動油の給排状態が第1の給排状態に設定されるとき、前記第1規制体が前記突出位置に維持され、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記中間位相にあり且つ前記第1中間室に対する作動油の給排状態が第2の給排状態に設定されるとき、前記第1規制体が前記収容位置に維持されるものであり、
前記第2規制機構は、前記収容側回転体に設けられて前記油圧機構により作動油の給排状態が操作される第2中間室をさらに含めて構成されるものであって、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記遅角規制角から前記進角規制角までに対応する規制範囲内にあり且つ前記第2中間室に対する作動油の給排状態が第3の給排状態に設定されるとき、前記第2規制体が前記突出位置に維持され、前記入力側回転体と前記出力側回転体との相対的な回転位相が前記規制範囲内にあり且つ前記第2中間室に対する潤滑油の給排状態が第4の給排状態に設定されるとき、前記第2規制体が前記収容位置に維持されるものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項12に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記第1規制機構は、前記収容位置から前記突出位置に向かう前記第1規制体の移動方向を突出方向とし、前記突出位置から前記収容位置に向かう前記第1規制体の移動方向を収容方向として、前記第1規制体を前記突出方向に押すばねの力と前記第1規制体を前記収容方向に押す前記第1中間室の油圧との関係に基づいて、前記第1規制体が前記収容位置と前記突出位置との間で移動するものであり、
前記第2規制機構は、前記収容位置から前記突出位置に向かう前記第2規制体の移動方向を突出方向とし、前記突出位置から前記収容位置に向かう前記第2規制体の移動方向を収容方向として、前記第2規制体を前記突出方向に押すばねの力と前記第2規制体を前記収容方向に押す前記第2中間室の油圧との関係に基づいて、前記第2規制体が前記収容位置と前記突出位置との間で移動するものである
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009076679A JP2010229854A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 内燃機関の可変動弁装置 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009076679A JP2010229854A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 内燃機関の可変動弁装置 |
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|---|---|
| JP2010229854A true JP2010229854A (ja) | 2010-10-14 |
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ID=43045913
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2009076679A Pending JP2010229854A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 内燃機関の可変動弁装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2010229854A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018178746A (ja) * | 2017-04-04 | 2018-11-15 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の異常診断装置 |
-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009076679A patent/JP2010229854A/ja active Pending
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