JP2010229250A - 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来よりもさらに高分子量の共重合体が得られる2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】
アクリロニトリルと硫酸とイソブチレンとを反応させることにより2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を製造するに際し、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収して、反応に再利用する製造方法において、反応に供するアクリロニトリル中の、N−ターシャリーブチルアクリルアミドの含有量を1,000ppm以下に制御する。
【選択図】なし
従来よりもさらに高分子量の共重合体が得られる2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】
アクリロニトリルと硫酸とイソブチレンとを反応させることにより2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を製造するに際し、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収して、反応に再利用する製造方法において、反応に供するアクリロニトリル中の、N−ターシャリーブチルアクリルアミドの含有量を1,000ppm以下に制御する。
【選択図】なし
Description
本発明は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、ATBSと言う)の製造方法に関し、更に詳述すれば、製造原料の1つであるアクリロニトリルを回収再利用する製造方法において、反応に供するアクリロニトリル中のN−ターシャリーブチルアクリルアミドの含有量を1,000ppm以下に制御することを特徴とする、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法に関するものである。
ATBSは、アクリル繊維の改質剤として、また、アクリルアミド等の水溶性モノマーと共重合させて得られる水溶性ポリマーあるいは吸水性ポリマーは、高分子凝集剤、分散剤、増粘剤および原油の高次回収用に使用される薬剤などの広い分野で使用されている。
ATBSは、アクリロニトリル、硫酸およびイソブチレンを付加反応させることにより製造され、その性状は常態において融点が185℃の白色針状結晶である。
上記付加反応において、アクリロニトリル、硫酸およびイソブチレンの3成分はそれぞれ等モルで反応してATBSが製造されるが、アクリロニトリルは反応媒体の役割もかねて、硫酸およびイソブチレンと比較して大過剰に用いられることが一般的である。
ATBSは、アクリロニトリル、硫酸およびイソブチレンを付加反応させることにより製造され、その性状は常態において融点が185℃の白色針状結晶である。
上記付加反応において、アクリロニトリル、硫酸およびイソブチレンの3成分はそれぞれ等モルで反応してATBSが製造されるが、アクリロニトリルは反応媒体の役割もかねて、硫酸およびイソブチレンと比較して大過剰に用いられることが一般的である。
なお、ATBSはアクリロニトリルに難溶性であるので、上記反応により得られる反応生成物はアクリロニトリル中にATBSが析出したスラリー状態である。ATBSの製造においては、このスラリーから析出したATBSを濾過して洗浄、乾燥を経て製品になり、一方、濾液スラリーからアクリロニトリルを回収して、回収したアクリロニトリルは付加反応に再使用している。
回収したアクリロニトリルを再使用するに際し、アクリロニトリルの精製方法として、不純物として酸を含有するアクリロニトリル回収液を中和して、生成する中和塩を除去する方法(特許文献1)、アクリロニトリルと、少量の酸およびアクリルアミドと、を含有する混合物を塩基で処理し、形成される塩を除去して、処理された混合物を蒸留する方法(特許文献2)および特定な量の酸素を含有する不活性ガス雰囲気で蒸留する方法(特許文献3)が知られている。
回収したアクリロニトリルを再使用するに際し、アクリロニトリルの精製方法として、不純物として酸を含有するアクリロニトリル回収液を中和して、生成する中和塩を除去する方法(特許文献1)、アクリロニトリルと、少量の酸およびアクリルアミドと、を含有する混合物を塩基で処理し、形成される塩を除去して、処理された混合物を蒸留する方法(特許文献2)および特定な量の酸素を含有する不活性ガス雰囲気で蒸留する方法(特許文献3)が知られている。
しかしながら、従来の方法で精製したアクリロニトリルを反応に再使用すると、製造されたATBSを用いた共重合体の分子量が高くならないという問題がある。特に、連続的に製造する工業プラントにおいて、このATBSの品質の低下は時間の経過と共に顕著になる傾向にある。
また、近年は、原油の高次回収用途などで、従来よりもさらに高分子量の共重合体が要求されている背景もあり、工業的な製造設備において、高分子量の共重合体が得られるATBSを効率的に製造する方法が望まれている。
また、近年は、原油の高次回収用途などで、従来よりもさらに高分子量の共重合体が要求されている背景もあり、工業的な製造設備において、高分子量の共重合体が得られるATBSを効率的に製造する方法が望まれている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、回収再使用するアクリロニトリルには、反応の副生成物である下記式(1)で示されるN−ターシャリーブチルアクリルアミド(以下、TBAMと言う)が含まれており、このTBAMの含有量が、最終製品のATBSの重合性に影響を及ぼすことがわかった。したがって、アクリロニトリルを回収再使用するATBSの製造方法において、反応に供する(新品+再使用をあわせて)アクリロニトリル中のTBAMの量をコントロールすることにより、重合性に優れ、高分子量の共重合体を得ることができるATBSを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1発明は、アクリロニトリルと硫酸とを混合し、得られる混合液とイソブチレンとを接触させながら、アクリロニトリルと硫酸とイソブチレンとを反応させることにより、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を製造するに際し、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収して、反応に再利用する製造方法において、反応に供するアクリロニトリル中の、下記式(1)で示されるN−ターシャリーブチルアクリルアミドの含有量を1,000ppm以下に制御することを特徴とする2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法である。
本発明の第2発明は、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収を、3段以上の蒸留装置を用いて行うことを特徴とする第1発明記載の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法である。
さらに、本発明の第3発明は、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収における蒸留操作において、蒸留温度をアクリロニトリルの沸点から2℃以内の範囲で操作することを特徴とする第1発明または第2発明記載の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法である。
さらに、本発明の第3発明は、粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収における蒸留操作において、蒸留温度をアクリロニトリルの沸点から2℃以内の範囲で操作することを特徴とする第1発明または第2発明記載の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、アクリロニトリルを回収再使用する工業的な製造装置でも、容易な方法で、収率よく、高分子量の共重合体を得ることができる高純度のATBSを製造することができる。
以下、上記ATBSの製造方法について説明する。
下記化学式(2)で示される2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)は、下記反応式(A)に示されるように、原料であるアクリロニトリル(3)と、硫酸(4)と、イソブチレン(5)とを反応させて製造する。反応は、バッチ反応でも連続反応でも行うことが可能であるが、本発明においては、反応に過剰に用いるアクリロニトリルを回収、再利用する連続式反応が採用される。
下記化学式(2)で示される2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)は、下記反応式(A)に示されるように、原料であるアクリロニトリル(3)と、硫酸(4)と、イソブチレン(5)とを反応させて製造する。反応は、バッチ反応でも連続反応でも行うことが可能であるが、本発明においては、反応に過剰に用いるアクリロニトリルを回収、再利用する連続式反応が採用される。
(反応工程)
アクリロニトリルと、硫酸と、イソブチレンとの反応に際しては、先ず低温(−15〜−10℃程度)下に、アクリロニトリルと硫酸とを混合する。次いで、この混合物を撹拌しながら、混合物にイソブチレンを吹込む。反応が開始すると、反応熱により混合物の温度が上昇するので、混合物を冷却してその温度を40〜60℃に維持することが好ましい。
ATBSは、上記3原料成分の等モル付加反応により生成する。反応液は反応の経過と共に固体結晶のATBSを分散させたスラリーになる。このスラリーを構成する分散媒は、硫酸及びイソブチレンに比べて大過剰に混合した、アクリロニトリルである。
上記3原料成分の混合割合は以下の通りである。硫酸とイソブチレンとは、ほぼ等モルで混合することが好ましい。硫酸又はイソブチレンに対するアクリロニトリルの混合割合は、10〜20倍モルが好ましい。この割合の混合液を反応させることにより、固形分濃度が15〜25質量%のスラリーが得られる。
なお、上記反応において、反応系内に存在する水分は副反応を引き起す原因になるので、好ましくない。上記原料成分はいずれも水分を含まないものを使用することが好ましい。特に硫酸については、濃硫酸と発煙硫酸との混合物を使用することが好ましい。
アクリロニトリルと、硫酸と、イソブチレンとの反応に際しては、先ず低温(−15〜−10℃程度)下に、アクリロニトリルと硫酸とを混合する。次いで、この混合物を撹拌しながら、混合物にイソブチレンを吹込む。反応が開始すると、反応熱により混合物の温度が上昇するので、混合物を冷却してその温度を40〜60℃に維持することが好ましい。
ATBSは、上記3原料成分の等モル付加反応により生成する。反応液は反応の経過と共に固体結晶のATBSを分散させたスラリーになる。このスラリーを構成する分散媒は、硫酸及びイソブチレンに比べて大過剰に混合した、アクリロニトリルである。
上記3原料成分の混合割合は以下の通りである。硫酸とイソブチレンとは、ほぼ等モルで混合することが好ましい。硫酸又はイソブチレンに対するアクリロニトリルの混合割合は、10〜20倍モルが好ましい。この割合の混合液を反応させることにより、固形分濃度が15〜25質量%のスラリーが得られる。
なお、上記反応において、反応系内に存在する水分は副反応を引き起す原因になるので、好ましくない。上記原料成分はいずれも水分を含まないものを使用することが好ましい。特に硫酸については、濃硫酸と発煙硫酸との混合物を使用することが好ましい。
(固液分離工程)
次に、上記のようにして得られるスラリーから、ATBS粗体を単離する。単離方法は、得られるスラリーから粗体を固液分離するろ過器、遠心分離機、遠心式ろ過器、トレイフィルター、ベルトフィルターなどのあらゆる分離方式をとることができる。固液分離することにより、ATBS粗体を含有する粗体ケーキが得られる。しかしながら、その粗体ケーキは不純物を多く含んでいるので、このままでは高分子量のポリマーの製造用には利用できない。従って、粗体ケーキを精製工程で精製する。
次に、上記のようにして得られるスラリーから、ATBS粗体を単離する。単離方法は、得られるスラリーから粗体を固液分離するろ過器、遠心分離機、遠心式ろ過器、トレイフィルター、ベルトフィルターなどのあらゆる分離方式をとることができる。固液分離することにより、ATBS粗体を含有する粗体ケーキが得られる。しかしながら、その粗体ケーキは不純物を多く含んでいるので、このままでは高分子量のポリマーの製造用には利用できない。従って、粗体ケーキを精製工程で精製する。
(固体精製工程)
精製工程の一例として、スラリーを固液分離して得られる粗体ケーキをアクリロニトリルで洗浄する方法がある。アクリロニトリル以外の溶剤を使用しても、同様に精製できる。
洗浄溶剤の使用量は、洗浄されるケーキの固形分質量の0.2〜10倍質量が好ましく、0.5〜3倍質量がより好ましい。
洗浄溶剤としては、アクリロニトリル、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸等、又はこれらの混合溶剤が好ましいが、分離精製を考慮して、洗浄溶剤としてアクリロニトリルを用いることが好ましい。
精製工程の一例として、スラリーを固液分離して得られる粗体ケーキをアクリロニトリルで洗浄する方法がある。アクリロニトリル以外の溶剤を使用しても、同様に精製できる。
洗浄溶剤の使用量は、洗浄されるケーキの固形分質量の0.2〜10倍質量が好ましく、0.5〜3倍質量がより好ましい。
洗浄溶剤としては、アクリロニトリル、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸等、又はこれらの混合溶剤が好ましいが、分離精製を考慮して、洗浄溶剤としてアクリロニトリルを用いることが好ましい。
(固体乾燥工程)
加熱、減圧、気流下などのあらゆる方式を用いることができ、ケーキに含浸されているアクリロニトリルなどの溶剤、不純物を除去し、ATBSを得る。
加熱、減圧、気流下などのあらゆる方式を用いることができ、ケーキに含浸されているアクリロニトリルなどの溶剤、不純物を除去し、ATBSを得る。
(溶剤回収工程)
本発明は、上記固液分離工程において、反応スラリーから粗体を分離した後の濾液から溶剤であるアクリロニトリルを回収し、回収したアクリロニトリルを反応に再利用することに関する。
前記濾液には、アクリロニトリルの他に、硫酸、TBAM、アクリルアミド、イソブチレンスルホン酸、ATBSなどが含まれていて、濾液中の酸性不純物を中和しながら水層側に移行させる。ここでの操作に関しては、公知の方法が採用できる(特許文献1など)。上記アルカリ水溶液の調製に使用するアルカリ化合物に特に限定はないが、好ましくは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の高い水溶性を有するアルカリ化合物である。アルカリ水溶液におけるアルカリ化合物の好ましい濃度は、通常10〜30質量%でよい。濾液とアルカリ水溶液の好ましい割合は、該濾液100質量部あたりアルカリ1〜10質量部である。また、以下の操作により濾液をアルカリ水溶液で洗浄した後の水溶液は弱アルカリ性(PHで7.5〜8程度)であることが好ましい。
本発明は、上記固液分離工程において、反応スラリーから粗体を分離した後の濾液から溶剤であるアクリロニトリルを回収し、回収したアクリロニトリルを反応に再利用することに関する。
前記濾液には、アクリロニトリルの他に、硫酸、TBAM、アクリルアミド、イソブチレンスルホン酸、ATBSなどが含まれていて、濾液中の酸性不純物を中和しながら水層側に移行させる。ここでの操作に関しては、公知の方法が採用できる(特許文献1など)。上記アルカリ水溶液の調製に使用するアルカリ化合物に特に限定はないが、好ましくは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の高い水溶性を有するアルカリ化合物である。アルカリ水溶液におけるアルカリ化合物の好ましい濃度は、通常10〜30質量%でよい。濾液とアルカリ水溶液の好ましい割合は、該濾液100質量部あたりアルカリ1〜10質量部である。また、以下の操作により濾液をアルカリ水溶液で洗浄した後の水溶液は弱アルカリ性(PHで7.5〜8程度)であることが好ましい。
濾液とアルカリ水溶液との接触は、スタティックミキサー等の管型混合機等により連続的に行うことが好ましい。有機層と水層が混合した液を液液分離して、水層側を除去し有機層側をアクリロニトリル回収の操作に供する。液液分離の操作としては公知の方法が使用でき、たとえばタンク内に液を静置して重力で分離してもよい。更に、前記アルカリ水溶液で洗浄後の有機層側をさらに水洗、液液分離した後、水層側を除去し有機層側をアクリロニトリル回収の操作に供してもよい。
前記有機層側には、アクリロニトリル可溶のTBAM、アクリルアミドなどが含まれているので、蒸留など方法で、アクリロニトリルを分離する必要がある。この分離方法については、従来公知の方法が適用できるが、一般的な分離方法で工業的に広く適用されている、蒸留操作が好ましく適用される。
前記有機層側には、アクリロニトリル可溶のTBAM、アクリルアミドなどが含まれているので、蒸留など方法で、アクリロニトリルを分離する必要がある。この分離方法については、従来公知の方法が適用できるが、一般的な分離方法で工業的に広く適用されている、蒸留操作が好ましく適用される。
本発明では、蒸留操作において、回収するアクリロニトリルに含まれるTBAMを出来るだけ少なくする必要があるため、3段以上の蒸留装置を用いて行うことが好ましい。2段以下の蒸留装置を用いた場合では、アクリロニトリルに含まれるTBAM量が多くなる恐れがある。
また、上記蒸留操作において、アクリロニトリルに含まれるTBAM量を少なくするためのは、蒸留温度を一定にコントロールすることが好ましく、特に、蒸留圧力条件下におけるアクリロニトリルの沸点から2℃以内の範囲で操作することが好ましい。アクリロニトリルの沸点から2℃を超えて蒸留操作を行うと、回収するアクリロニトリルに含まれるTBAM量が増加する傾向にある。
なお、本発明において、反応に供するアクリロニトリルとは、濾液スラリーから回収されるアクリロニトリルと新品のアクリロニトリルの合計を意味している。通常、工業的に使用される新品のアクリロニトリル中にはTBAMは含まれていないので、本発明では、濾液から回収されるアクリロニトリル中のTBAMの量を、出来るだけ少なくすることが重要である。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明する。
(ATBSの製造)
混合撹拌装置を備えた2基の反応器を連結し、次に示す反応条件下で、第一段目の反応器にアクリロニトリルおよび発煙硫酸を導入して、アクリロニトリルと硫酸の混合工程を行い、第一段目の反応器の混合物を第二段目の反応器に導き、第二段目の反応器にはイソブチレンガスを導入し、反応を連続して行った。原料仕込み比は、発煙硫酸1モルに対し、下記表1に示す種々の濃度のTBAMを含有するアクリロニトリルを10モル、イソブチレンを0.95モルの割合で供給した。なお、発煙硫酸の濃度は3%である。また、第一段目の反応器は−5〜−15℃、第二段目の反応器は40〜60℃に維持した。
第二段目の反応器から流出した反応スラリーを濾過、得られたATBS粗体ケーキをアクリロニトリルで洗浄、加熱乾燥後、ATBSを得た。
(ATBSの製造)
混合撹拌装置を備えた2基の反応器を連結し、次に示す反応条件下で、第一段目の反応器にアクリロニトリルおよび発煙硫酸を導入して、アクリロニトリルと硫酸の混合工程を行い、第一段目の反応器の混合物を第二段目の反応器に導き、第二段目の反応器にはイソブチレンガスを導入し、反応を連続して行った。原料仕込み比は、発煙硫酸1モルに対し、下記表1に示す種々の濃度のTBAMを含有するアクリロニトリルを10モル、イソブチレンを0.95モルの割合で供給した。なお、発煙硫酸の濃度は3%である。また、第一段目の反応器は−5〜−15℃、第二段目の反応器は40〜60℃に維持した。
第二段目の反応器から流出した反応スラリーを濾過、得られたATBS粗体ケーキをアクリロニトリルで洗浄、加熱乾燥後、ATBSを得た。
(重合性能評価)
各実施例および比較例に示すATBSの重合性能評価は、以下の手順で行った。先ず、ATBS40gを水60gに溶解し、48質量%のNaOH水溶液を添加してpHを8に調整した。これに水を加えて35質量%濃度に調整した。40質量%のアクリルアミド水溶液55.6gを加え、更に水5.2gを加えて、モノマーの合計濃度を35質量%にした。このモノマー水溶液に窒素を吹込むと共に、液温を30℃に調整した。その後、このモノマー水溶液に過硫酸アンモニウム0.7g、亜硫酸ナトリウム0.7g、銅イオンを10質量ppm含む塩化銅水溶液0.6g、ジアゾ系ラジカル重合開始剤としてV−50(商品名 和光純薬工業株式会社製)の10質量%水溶液0.7gを加えた。2時間後に反応を終了して共重合ポリマーを取出した。
この共重合ポリマー1.15gを水393gに溶解した後、食塩23.4gを添加し、粘度測定用試料液(共重合ポリマー濃度0.25質量%)を得た。粘度測定は以下の条件で行った。
粘度計:ブルックフィールド社製デジタル粘度計、ローター回転速度:60rpm、
測定温度:25℃
各実施例および比較例に示すATBSの重合性能評価は、以下の手順で行った。先ず、ATBS40gを水60gに溶解し、48質量%のNaOH水溶液を添加してpHを8に調整した。これに水を加えて35質量%濃度に調整した。40質量%のアクリルアミド水溶液55.6gを加え、更に水5.2gを加えて、モノマーの合計濃度を35質量%にした。このモノマー水溶液に窒素を吹込むと共に、液温を30℃に調整した。その後、このモノマー水溶液に過硫酸アンモニウム0.7g、亜硫酸ナトリウム0.7g、銅イオンを10質量ppm含む塩化銅水溶液0.6g、ジアゾ系ラジカル重合開始剤としてV−50(商品名 和光純薬工業株式会社製)の10質量%水溶液0.7gを加えた。2時間後に反応を終了して共重合ポリマーを取出した。
この共重合ポリマー1.15gを水393gに溶解した後、食塩23.4gを添加し、粘度測定用試料液(共重合ポリマー濃度0.25質量%)を得た。粘度測定は以下の条件で行った。
粘度計:ブルックフィールド社製デジタル粘度計、ローター回転速度:60rpm、
測定温度:25℃
実施例1
反応スラリーを濾過した後の濾液をアルカリ水溶液で洗浄し、液液分離によって十分に水層を除去し、更に水洗、水層を分離、除去し、有機層を得た。その有機層からアクリロニトリルの蒸留回収を3段の蒸留装置を用いて行い、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を4℃以内に維持して得られたTBAM800ppmを含有する回収アクリロニトリルを用いて、前記ATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、3.10mPa・sと高重合性能を有することがわかった。
反応スラリーを濾過した後の濾液をアルカリ水溶液で洗浄し、液液分離によって十分に水層を除去し、更に水洗、水層を分離、除去し、有機層を得た。その有機層からアクリロニトリルの蒸留回収を3段の蒸留装置を用いて行い、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を4℃以内に維持して得られたTBAM800ppmを含有する回収アクリロニトリルを用いて、前記ATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、3.10mPa・sと高重合性能を有することがわかった。
実施例2〜5
表1に示す最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾の条件で、3段の蒸留装置を用いたアクリロニトリル蒸留および回収で得られた、種々の濃度のTBAMを含有する回収アクリロニトリルを再使用し、実施例1と同様にATBSを製造し、得られたATBSを前記重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価した。粘度の値は表1に示すとおりであった。
表1に示す最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾の条件で、3段の蒸留装置を用いたアクリロニトリル蒸留および回収で得られた、種々の濃度のTBAMを含有する回収アクリロニトリルを再使用し、実施例1と同様にATBSを製造し、得られたATBSを前記重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価した。粘度の値は表1に示すとおりであった。
比較例1
2段の蒸留装置を用いて、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を7℃以内に維持し、アクリロニトリル蒸留回収を行なって得られたTBAM3000ppmを含有する回収アクリロニトリルを用い、実施例1と同様なATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、2.70mPa・sと低めの重合性能であった。
2段の蒸留装置を用いて、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を7℃以内に維持し、アクリロニトリル蒸留回収を行なって得られたTBAM3000ppmを含有する回収アクリロニトリルを用い、実施例1と同様なATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、2.70mPa・sと低めの重合性能であった。
比較例2
2段の蒸留装置を用いて、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を6℃以内に維持し、アクリロニトリル蒸留回収を行なって得られたTBAM1500ppmを含有する回収アクリロニトリルを用い、実施例1と同様なATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、2.85mPa・sと低めの重合性能であった。
2段の蒸留装置を用いて、最終の蒸留精製設備の蒸留温度の振れ巾を6℃以内に維持し、アクリロニトリル蒸留回収を行なって得られたTBAM1500ppmを含有する回収アクリロニトリルを用い、実施例1と同様なATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、2.85mPa・sと低めの重合性能であった。
参考例
TBAMを含まない新品のアクリロニトリルを用い、前記ATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、3.20mPa・sと高重合性能であった。しかしながら、原料アクリロニトリルを精製、回収、繰返し再使用していないことにより、原料アクリロニトリルの購入費用、ろ液などの処分費用がかさむとともに、環境負荷の増大という意味でも良くない。
TBAMを含まない新品のアクリロニトリルを用い、前記ATBSの製造条件に従い、ATBSを得た。得られたATBSを前記、重合性能評価法にて、共重合体の粘度測定を行い、重合性能を評価したところ、3.20mPa・sと高重合性能であった。しかしながら、原料アクリロニトリルを精製、回収、繰返し再使用していないことにより、原料アクリロニトリルの購入費用、ろ液などの処分費用がかさむとともに、環境負荷の増大という意味でも良くない。
本発明のATBSの製造方法によれば、工業的に容易な方法で、重合性を阻害する不純物の少ないATBSを得ることができる。該ATBSを使用した共重合体は、従来よりも極めて高分子量の共重合体を得ることができるので、原油の高次回収用途などで、従来よりもさらに高分子量の共重合体が要求されている分野でも使用することが可能である。
Claims (3)
- 粗反応液の濾液スラリーからのアクリロニトリルの分離回収を、3段以上の蒸留装置を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法。
- 粗反応液の濾液スラリーからアクリロニトリルを分離回収における蒸留操作において、蒸留温度をアクリロニトリルの沸点から2℃以内の範囲で操作することを特徴とする請求項1または請求項2記載の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造方法。
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