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JP2010224201A - レンチキュラープリント形成方法 - Google Patents

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JP2010224201A JP2009071186A JP2009071186A JP2010224201A JP 2010224201 A JP2010224201 A JP 2010224201A JP 2009071186 A JP2009071186 A JP 2009071186A JP 2009071186 A JP2009071186 A JP 2009071186A JP 2010224201 A JP2010224201 A JP 2010224201A
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斉逸 井上
Kazuaki Okamori
和昭 岡森
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】立体視を良好に行うことができるようにレンチキュラープリントを形成する。
【解決手段】短冊状の複数の視差画像からなる視差画像群が複数並べられて描画されてなる被記録部材における視差画像群上に透明材料を滴下して、視差画像の長手方向に延在する所定高さを有する断面矩形形状の下地を形成する。次に、下地の上に透明材料を滴下し、透明材料を表面張力により下地の上部から断面が略円形状となるように盛り上がらせてレンズ頂部を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、短冊状の複数の視差画像からなる視差画像群が複数並べられて描画されてなる被記録部材にレンチキュラーレンズを形成して、立体視が可能なレンチキュラープリントを形成するレンチキュラープリント形成方法に関するものである。
複数の画像を組み合わせて3次元表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視は、同一の被写体を異なる位置から複数のカメラを用いて撮影することにより、視差を有する複数の画像(視差画像とする)を取得し、複数の視差画像に含まれる被写体の視差を利用して複数の画像を3次元表示することにより行うことができる。
ここで、画像を3次元表示するための方式として、レンチキュラープリントが公知である。レンチキュラープリントは、断面凸形状のレンズ(レンチキュラーレンズ)を複数並べて配列したレンチキュラーシートを用意し、レンチキュラーレンズのそれぞれに、短冊状に切り取った複数の視差画像を交互に配置することにより形成される。このような形成されたレンチキュラープリントを観察することにより、観察者は両眼の視差によって、レンチキュラープリントに描画された画像を立体視することができる。
このようなレンチキュラープリントを形成するために、レンチキュラーレンズのそれぞれの幅の範囲内に複数の視差画像を描画する手法が提案されている。また、複数の視差画像を描画した被記録部材に、溶融した透明材料をインクジェット方式により滴下して、視差画像群のそれぞれにレンチキュラーレンズを形成することにより、レンチキュラープリントを形成する手法も提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された手法は、被記録部材に透明樹脂をインクジェット方式により滴下し、透明樹脂の表面張力を利用して、滴下した透明樹脂の断面が略円形状となるようにしてレンチキュラーレンズを形成している。
特開2001−255606号公報
一般的に、レンチキュラーシートに形成されているレンチキュラーレンズは、図23に示すように、長方形状の部分80と略円形状の部分81とが結合された断面形状を有する。このような断面形状を有することにより、レンチキュラーレンズを通過する光はその裏面側にある視差画像82に結像するため、立体視を行うことができるようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載された手法によりレンチキュラーレンズを形成した場合、図24に示すように、断面が略円形状の部分81のみしか形成されないため、透明材料の屈折率を非常に大きくしなければ、レンチキュラーレンズを通過する光が視差画像82上に結像せず、立体視を良好に行うことができない。
また、特許文献1に記載された手法では、溶融した透明樹脂を被記録部材に滴下しているため、透明樹脂を積層してレンチキュラーレンズを形成しようとした場合、下層の透明材料が硬化していないと、次に滴下した透明樹脂が下層の透明材料と合一してしまうことから、透明樹脂を積層することができない。また、下層が硬化していたとしても、滴下した透明樹脂がたれ落ちたり濡れ広がったりするため、積層は容易ではない。さらに、積層する場合でなくても、滴下した透明樹脂が濡れ広がると、図25に示すように隣接するレンチキュラーレンズが繋がってしまうため、視差画像の分離を良好に行うことができなくなり、その結果、良好に立体視を行うことができなくなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、立体視を良好に行うことができるようにレンチキュラープリントを形成することを目的とする。
本発明によるレンチキュラープリント形成方法は、短冊状の複数の視差画像からなる視差画像群が複数並べられて描画されてなる被記録部材における該視差画像群の位置に、断面凸形状のレンチキュラーレンズを形成して、立体視が可能なレンチキュラープリントを形成するレンチキュラープリント形成方法において、
前記被記録部材における前記視差画像群上に透明材料を滴下して、前記視差画像の長手方向に延在する、断面矩形形状の所定高さを有する前記レンチキュラーレンズの下地を形成する下地形成工程と、
前記下地の上に前記透明材料を滴下し、該透明材料を表面張力により前記下地の上部から断面が略円形状となるように盛り上がらせて、前記レンチキュラーレンズのレンズ頂部を形成するレンズ形成工程とを有することを特徴とするものである。
「所定高さ」は、形成されるレンチキュラーレンズの焦点距離を考慮し、レンチキュラーレンズを通過した光が被記録部材上に描画された視差画像に結像するように設定する。
なお、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地形成工程および前記レンズ形成工程を、隣接する前記視差画像群においては異なるタイミングで行うようにしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント作成方法においては、前記下地形成工程を、前記透明材料を、下地用のインクジェットヘッドにより前記視差画像群上に滴下して前記下地を形成するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地形成工程を、硬化性を有する前記透明材料を前記下地用のインクジェットヘッドにより前記視差画像群の上に滴下する滴下工程と、
前記滴下した透明材料を硬化する硬化工程と、
前記硬化された透明材料上に所定の滴下量にて前記透明材料を滴下し、該滴下した透明材料を硬化することを繰り返して前記下地を形成する積層工程とを有するものとし、
前記積層工程を、前記滴下する透明材料のドットピッチをp、該滴下する透明材料が該滴下する透明材料の着弾位置にある硬化された着弾位置透明材料からはみ出さないようにするための最小ドットピッチをpminとしたとき、pmin≦pとなるドットピッチpにより前記透明材料を滴下するものとしてもよい。
この場合、前記積層工程を、ジャギーが発生する限界の最大ドットピッチをpmaxとしたとき、さらにp≦pmaxとなるドットピッチpにより前記透明材料を滴下するものとしてもよい。
またこの場合、前記積層工程を、前記滴下する透明材料の着弾精度をaとしたとき、pmin≦p+aとなるドットピッチpによりを前記透明材料を滴下するものとしてもよい。
またこの場合、前記積層工程を、前記所定の滴下量および前記滴下する透明材料により形成されるパターンの断面積に基づいて、前記最小ドットピッチpminを決定するものとしてもよい。
またこの場合、前記積層工程を、前記滴下する透明材料と前記着弾位置透明材料との接触角に基づいて、前記断面積を算出するものとしてもよい。
またこの場合、前記透明材料を、可視光線または不可視光線を含む電磁波の照射によって硬化する材料とし、
前記硬化工程を、前記透明材料に電磁波を照射して前記透明材料を硬化するものとし、
前記積層工程を、前記接触角を、前記透明材料の物性と、前記着弾位置透明材料への照射時間および照射強度とに基づいて制御するものとしてもよい。
またこの場合、前記積層工程を、前記滴下する透明材料と前記着弾位置透明材料との接触角をθ、該着弾位置透明材料と該着弾位置透明材料が着弾している物体との接触角をθn−1、前記滴下する透明材料の表面と前記着弾位置透明材料との接点における、該着弾位置透明材料の表面の接線と前記被記録部材の表面に平行な面とのなす角をΦn−1、該着弾位置透明材料と該着弾位置透明材料が着弾している物体との接点における、該物体の表面の接線と前記被記録部材の表面に平行な面とのなす角をΦn−2、前記断面積をSとしたとき、下記式を用いて、前記断面積Sを算出するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地用のインクジェットヘッドを、静電濃縮インクジェット方式のインクジェットヘッドとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地形成工程を、前記下地用のインクジェットヘッドと前記被記録部材とを、前記視差画像の長手方向に相対的に移動して前記透明材料を滴下するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地形成工程を、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応する前記下地を、前記下地用のインクジェットヘッドにおける同一のノズルから前記透明材料を滴下して形成するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記レンズ形成工程を、レンズ頂部用のインクジェットヘッドにより前記透明材料を前記下地の上に滴下して前記レンズ頂部を形成するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記レンズ形成工程を、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応するレンズ頂部を、前記レンズ頂部用のインクジェットヘッドにおける同一のノズルから前記透明材料を滴下して形成するものとしてもよい。
また、本発明によるレンチキュラープリント形成方法においては、前記下地の高さを、該下地の上部から盛り上がった断面が略円形状の部分の曲率半径以上となるようにしてもよい。具体的には、透明材料の屈折率をn、形成されるレンチキュラーレンズのレンズ頂部における曲率半径をRとしたとき、下地の高さ≧1/{(n−1)×(1/R)}−Rとなるようにすればよい。
本発明によれば、まず断面矩形形状の所定高さを有する下地を形成し、下地の上にレンチキュラーレンズのレンズ頂部を形成するようにしたため、下地によりレンチキュラーレンズの断面が略円形状となる部分から被記録部材までの距離を確保することができる。したがって、下地の高さを適切に設定することにより、形成されたレンチキュラーレンズを通過した光は被記録部材上に結像するため、本発明により形成されたレンチキュラープリントの立体視を良好に行うことができる。
また、下地は断面矩形形状を有するため、レンズ頂部の形成のために透明材料を滴下した際には、下地上面にある矩形形状の角部において、表面張力により透明材料が断面が略円形状に盛り上がることとなる。このため、滴下した透明材料が濡れ広がって、隣接するレンチキュラーレンズ同士が繋がってしまうことを防止できる。
また、下地の形成およびレンズ頂部の形成を、隣接する視差画像群においては異なるタイミングで行うことにより、下地の上部に滴下した透明材料が濡れ広がって、隣接するレンチキュラーレンズ同士が繋がってしまうことを防止できる。
また、インクジェットヘッドにより透明材料を視差画像群の上に滴下して下地を形成することにより、効率よく下地を形成することができる。
また、滴下する透明材料のドットピッチをp、滴下する透明材料がその着弾位置にある硬化された着弾位置透明材料からはみ出さないようにするための最小ドットピッチをpminとしたとき、pmin≦pを満たすように透明材料を滴下することにより、硬化された透明材料から濡れ出させる、すなわちはみ出させることなく透明材料を滴下することができる。したがって、厚さが均一なアスペクト比の高い下地を形成することができる。
また、各種インクジェット方式のうち、静電インクジェット方式は、固形分を濃縮して吐出することができ、溶媒乾燥時に透明材料に含まれる粒子が液橋力により自己組織的に集結するため、滴下した透明材料が濡れ広がることなく積層できる。したがって、滴下した透明材料の濡れ広がりを防止でき、その結果、断面矩形形状の下地を精度よく形成することができる。
また、インクジェットヘッドと被記録部材とを、視差画像の長手方向に相対的に移動して透明材料を滴下することにより、下地を形成する方向に沿って連続して下地を形成することができる。したがって、下地の位置ずれを防止してより精度よく下地を形成することができる。
また、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応する下地を、インクジェットヘッドにおける同一のノズルから透明材料を滴下して形成することにより、同一特性のノズルにより少なくとも隣接する2つのレンチキュラーレンズを形成するための下地を形成することができる。したがって、隣接するレンズの特性を同一にすることができ、その結果、形成されたレンチキュラープリントをより良好に立体視することができる。
また、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応するレンズ頂部を、インクジェットヘッドにおける同一のノズルから透明材料を滴下して形成することにより、同一特性のノズルにより少なくとも隣接する2つのレンチキュラーレンズを形成することができる。したがって、隣接するレンチキュラーレンズの特性を同一にすることができ、その結果、形成されたレンチキュラープリントをより良好に立体視することができる。
また、下地の高さを、下地の上部から盛り上がった断面が略円形状の部分の曲率半径以上とすることにより、レンチキュラーレンズを通過した光の光路長を確実に確保することができるため、本発明により形成されたレンチキュラープリントの立体視をより良好に行うことができる。
本発明の第1の実施形態によるレンチキュラープリント形成方法に用いられるインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図 レンチキュラープリントの構成を示す図 第1の実施形態における下地形成時のインクジェット記録装置の動作を示すフローチャート 第1層目の形成を説明するための図 第1層目の透明材料の滴下が終了した状態を示す図 第2層目の形成を説明するための図 第2層目のパターンが硬化された状態を示す図 下地が交互に形成された状態を示す図 第1の実施形態におけるレンズ頂部形成時のインクジェット記録装置の動作を示すフローチャート レンチキュラーレンズが交互に形成された状態を示す図 既に形成された下地およびレンズの間に新たな下地が形成された状態を示す図 すべての視差画像群に対応する位置に下地およびレンズが形成された状態を示す図 露光時間と接触角との関係を示すグラフ 被記録部材上に透明材料を滴下して形成したパターンの断面を示す模式図 硬化した透明材料上に透明材料を滴下して形成したパターンの断面を示す模式図 本発明の第2の実施形態によるレンチキュラープリント形成方法に用いられるインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図 静電インクジェット方式の第1のヘッドの概略構成を示す模式的断面図 静電インクジェット方式の第1のヘッドの個別電極の概略構成を示す模式的斜視図 第3の実施形態における第1のヘッドの走査を説明するための図 第3の実施形態における第2のヘッドの走査を説明するための図 ノズルの配列を示す図 ヘッドの回転を説明するための図 レンチキュラープリントの構成を示す断面図 従来の手法により形成されたレンチキュラープリントの構成を示す断面図(その1) 従来の手法により形成されたレンチキュラープリントの構成を示す断面図(その2)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるレンチキュラープリント形成方法に用いられるインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、第1の実施形態によるインクジェット記録装置1は、第1および第2のインクジェットヘッド(以下単にヘッドとする)2,3、支持プレート4、露光機構5、および制御部6を備える。
ここで、本実施形態によるレンチキュラープリント形成方法は、複数の視差画像からなる視差画像群が描画された被記録部材に、透明材料を滴下してレンチキュラーレンズを形成することにより立体視が可能なレンチキュラープリントを形成するものである。図2は本実施形態により形成されるレンチキュラープリントの構成を示す図である。図2に示すようにレンチキュラープリント10は、被記録部材11に下地13およびレンズ頂部14からなる複数のレンチキュラーレンズ(以下単にレンズと称する場合があるものとする)12が形成されてなるものである。なお、図2において被記録部材11には、例えば3つの視差画像S1〜S3を垂直方向に短冊状に切り取り、位置が対応する短冊状に切り取った3つの視差画像S1〜S3からなる視差画像群が交互に描画されている。そして、本実施形態においては、視差画像群のそれぞれに対応してレンズ12を形成することにより、レンチキュラープリント10を形成するものである。
図1に戻り、第1のヘッド2は、レンズ12の下地13を形成するための透明材料をインクジェット方式により被記録部材11に滴下する。また、第2のヘッド3は、下地13の上にレンズ頂部14を形成するための透明材料をインクジェット方式により被記録部材11に滴下する。なお、第1の実施形態においては、第1および第2のヘッド2,3は、1以上のノズルを有するものであるが、ここでは1つのノズルのみから材料を吐出するものとして説明する。また、本実施形態においては、第1のヘッド2から滴下した透明材料を積層させることにより、被記録部材11上に下地13を形成するものとする。
下地13およびレンズ頂部14を形成するための透明材料としては、被記録部材11と密着性を確保でき、被記録部材11および形成した下地13に対して濡れ広がらず、表面張力により下地13より上部に盛り上がって断面が略円形のレンズ形状を形成でき、硬化後に所定の屈折率と透明性を有する任意の材料を用いることができる。また、透明材料は、光が照射されることにより硬化する光硬化型の材料、例えば、ラジカル重合型またはカチオン重合型の光硬化型モノマーを用いることができる。また、熱硬化性の材料も用いることができる。また、常温で固体となる熱溶融性材料を使用し、第1および第2のヘッド2,3並びに被記録部材11を加熱しながら透明材料を被記録部材11に滴下し、その後常温で固化させてもよい。また、透明樹脂粒子を分散させた材料を使用し、滴下後に乾燥および熱溶融させてもよく、透明樹脂溶液を使用し、滴下後に乾燥させてもよい。第1の実施形態において、光硬化性の透明材料を用いるものとする。なお、第1のヘッド2として、後述するように静電式のインクジェットヘッドを用いた場合には、透明材料には帯電された微粒子成分が含まれることとなる。
支持プレート4には、図2に示すように複数の視差画像群が描画された被記録部材11が固定される。本実施形態においては、図1のx方向と被記録部材11における視差画像の長手方向とを一致させて、被記録部材11を支持プレート4に固定するものとする。
第1および第2のヘッド2,3並びに支持プレート4は相対移動可能であり、図1のx方向、y方向およびz方向について、両者の位置関係を変更制御することができる。このため、本実施形態においては、ヘッド2,3と支持プレート4とを相対移動させる不図示の移動手段を備えている。移動手段としては、ヘッド2,3のみをxyzの3方向に移動させるヘッド移動手段(x方向移動手段、y方向移動手段およびz方向移動手段の組合せ)を用いてもよく、支持プレート4のみをxyzの3方向に移動させる支持プレート移動手段(x方向移動手段、y方向移動手段およびz方向移動手段の組合せ)を用いてもよく、ヘッド2,3および支持プレート4のそれぞれが移動手段を備えるものであってもよい。本実施形態においては、ヘッド2,3をx方向およびz方向に移動させる移動手段および支持プレート4をy方向に移動させる移動手段を備えているものとする。
なお、支持プレート4の移動手段としては、ベルト搬送式およびドラム搬送式の移動手段を用いることができる。ここで、レンズ12が形成された後の被記録部材11は腰が強くなるため、スルーディスタンス精度を向上させるためには、ベルト搬送式の移動手段を用いることが好ましい。
材料の滴下時には、支持プレート4とヘッド2,3との間のクリアランス(すなわち、支持プレート4上の被記録部材11の面とヘッド2,3との間のクリアランス)が所定値になるようにz方向のヘッド位置が調整され、この一定のクリアランスを保ってヘッド2,3がx方向に走査される。ヘッド2,3をx方向に走査しながら、ヘッド2,3から材料を被記録部材11に滴下することにより、被記録部材11に下地13およびレンズ頂部14が形成される。また、ヘッド2,3を被記録部材11に対してy方向に相対的に移動させることによって、被記録部材11上の材料の滴下位置を変更することができる。なお、ヘッド2,3および支持プレート4の移動の制御は制御部6が行う。
露光機構5は、ヘッド2,3から透明材料が滴下された被記録部材11に光を照射して滴下された透明材料を露光する、照射強度を調整可能な光照射機構である。露光機構5は、図1のx方向における支持プレート4の端から端までを覆うように配置されている。
露光機構5としては、透明材料を硬化させる光を出射する光照射機構であればよく、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、LED、固体レーザ、気体レーザ、および半導体レーザ等、種々の光照射機構を用いることができる。また、露光機構5から出射させる光も材料の種類に応じた種々の波長の光とすることができ、紫外光、可視光、赤外光、およびX線等種々の光を用いることができる。また材料の種類によっては、各種光およびマイクロ波を含む電磁波を照射する照射機構も露光機構として用いることができる。また、露光機構5から出射される光(または電磁波)の強度は、供給する電圧の強度を変更したり、フィルタの種類を変更する等により、種々の強度に調整することができる。
ここで、第1のヘッド2としては、アクチュエータとして圧電素子を用いたピエゾ方式、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたサーマル方式、静電アクチュエータを用いた静電方式等、各種方式のインクジェットヘッドを用いることができるが、第1の実施形態においては、滴下する材料の制約が少ないピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いるものとする。
また、第2のヘッド3についても、ピエゾ方式、サーマル方式および静電方式等、各種方式のインクジェットヘッドを用いることができるが、滴下する材料の制約が少ないピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いるものとする。
制御部6は、第1および第2のヘッド2,3、支持プレート4並びに露光機構5の動作を制御する。具体的には、支持プレート4すなわち被記録部材11の搬送速度、搬送距離および搬送タイミング、透明材料、透明材料の滴下量および滴下タイミング、第1および第2のヘッド2,3の移動速度、移動距離および移動タイミング、並びに露光機構5による光照射強度および照射タイミング等を制御する。なお、制御部6と各部との接続方法は信号の送受信ができればとくに限定されるものではなく、有線により接続しても無線により接続してもよい。
ここで、制御部6は、第1のヘッド2からの各層毎の透明材料の滴下量、ドットピッチp、滴下した透明材料の硬化条件、1つの視差画像群の全幅に必要なドット数、および形成する積層数を、実際のレンズ12の形成の動作を開始する前に予め算出し、制御部6に設けられた不図示のメモリに記憶する。
まず、第1層目については、滴下する透明材料と被記録部材11との接触角θ1に基づいて、設計した1回の走査により得られる下地13の線幅および高さが得られるように透明材料の滴下量Vを算出する。また、ジャギーが発生するジャギー発生限界となる最大ドットピッチpmax以下となるようにドットピッチpを算出する。なお、本実施形態においては、透明材料の滴下量Vは、各走査および各層において同一であるものとする。
第n層目(n>2)については、被記録部材11上の硬化されている透明材料、正確には、滴下する透明材料の着弾位置にある硬化された透明材料(以下「着弾位置透明材料」とする)の硬化条件(すなわち、露光時の搬送速度および光の強度等)と透明材料の物性とに基づいて、滴下する透明材料と着弾位置透明材料との接触角θを算出する。
そして算出した接触角θおよび着弾位置透明材料により形成されるパターンの形状に基づいて、滴下する透明材料が着弾位置透明材料上に着弾することにより形成されるパターンの断面積Sを算出する。さらに、断面積Sに基づいて透明材料のドットピッチpを算出する。ドットピッチpは、滴下する透明材料が着弾位置透明材料からはみ出さないようにするための最小ドットピッチpmin以上、かつジャギーが発生するジャギー発生限界となる最大ドットピッチpmax以下となるように算出される。
また、滴下した透明材料のさらに上に滴下する透明材料との接触角が最適な接触角(例えば、被記録部材11と滴下した透明材料の表面とのなす角と接触角を足した角度が90度)となるように、滴下した透明材料の硬化条件を算出する。
なお、接触角θの算出、断面積Sの算出、ドットピッチpの算出、および透明材料の硬化条件の算出方法については後述する。
なお、第2のヘッド3からの透明材料の滴下量、ドットピッチおよび滴下した透明材料の硬化条件についても、第1のヘッド2からの透明材料の滴下量、ドットピッチpおよび滴下した透明材料の硬化条件と同様に算出する。
なお、下地13は、透明材料の屈折率をn、形成されるレンズ12の頂部における曲率半径をRとしたとき、下地の高さ≧1/{(n−1)×(1/R)}−Rとなるように形成する。また、このような高さが得られるように、下地13を形成する際の積層数を設定する。
以下、第1の実施形態によるインクジェット記録装置1の動作について説明する。図3は第1の実施形態における下地形成時のインクジェット記録装置の動作を示すフローチャートである。なお、視差画像が描画された被記録部材11は支持プレート4の所定位置に固定され、第1のヘッド2が材料滴下開始前の初期位置に移動させられているものとする。
まず、制御部6は、第1層の吐出タイミング、透明材料の滴下量V、ドットピッチpおよび滴下した透明材料の硬化条件等をメモリから読み出し、透明材料の滴下条件を設定する(ステップST1)。
ここで、本実施形態においては、被記録部材11に幅が127μmのレンズ12を形成するものとする。このため、被記録部材11には、127μmの幅の下地13が形成されるように第1層の吐出タイミング、透明材料の滴下量V、全幅に必要なドット数および積層数を設定する。また、第1のヘッド2の吐出電圧波形、スルーディスタンス(ヘッド2のノズル形成面と被記録部材11の描画面までの距離)を設定する。例えば、吐出電圧波形を20V矩形波、スルーディスタンスを1mm、吐出滴量を1plに設定する。
次に、第1のヘッド2と被記録部材11における下地13の形成位置との位置合わせを行い(ステップST2)、設定された滴下条件に基づいて、被記録部材11上に透明材料を滴下する(ステップST3)。
具体的には、第1のヘッド2をx方向に移動させつつ、第1のヘッド2から対向する位置の被記録部材11に透明材料を滴下させる。なお、第1のヘッド2は、制御部6が読み出した滴下量Vおよびドットピッチpにより、被記録部材11に透明材料を滴下する。
図4は第1層目の形成を説明するための図である。図4に示すように、ヘッド2から吐出された透明材料滴40が被記録部材11上に着弾し、第1層目のパターン41を形成する。なお、図4において一点鎖線はパターンの形状を示している。また、形成されたパターンは、図4に示すように断面がかまぼこ状となっている。
制御部6は第1のヘッド2を被記録部材11の端から端まで移動させ、第1のヘッド2が移動する領域に対向する位置の被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、ヘッド2が滴下した透明材料に隣接する位置に透明材料を滴下できるように、滴下した透明材料の1ドット分、被記録部材11をy方向に移動させる。
その後、再び、第1のヘッド2を被記録部材11の端から端まで移動させ、第1のヘッド2が移動する領域に対向する位置の被記録部材11の全域に透明材料を滴下し、滴下が終了すると、滴下した透明材料の1ドット分、被記録部材11をy方向に移動させる。
このように、第1のヘッド2による透明材料滴下と、被記録部材11の移動とを視差画像群の1つの幅内への透明材料の滴下が終了するまで繰り返す。そして、視差画像群の1つの幅に透明材料の滴下が終了すると、隣接する視差画像群については、異なるタイミングにより下地13を形成するために、透明材料の滴下が終了した視差画像群には隣接しない視差画像群への透明材料の滴下を行う。具体的には、透明材料の滴下が終了した視差画像群に隣接する視差画像群にさらに隣接する視差画像群の幅内への透明材料の滴下を行う。これにより、1つの視差画像群毎に交互に透明材料が滴下される。制御部6は以上の処理を繰り返して、被記録部材11の全域における視差画像群の位置に交互に透明材料を滴下する。
図5は第1層目の透明材料の滴下が終了した状態を示す図である。なお、図5においては、被記録部材11には6つの視差画像からなる視差画像群G1〜G4が描画されている。そして、第1層目の透明材料の滴下が終了した状態においては、図5に示すように4つの視差画像群G1〜G4のうち、視差画像群G1,G3に対してのみ、その幅内に透明材料が滴下されたものとなっている。なお、図5においては、説明のために滴下した透明材料を1ドットずつ示しているが、実際には透明材料を隣接させて滴下することにより、視差画像群G1,G2上において、透明材料は繋がったものとなる。
制御部6は、被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、被記録部材11上に滴下された透明材料を硬化させる(ステップST4)。具体的には、被記録部材11を露光機構5に対向する位置に搬送し、その後、被記録部材11を所定速度で搬送しつつ、露光機構5から被記録部材11に光を照射し、滴下された透明材料を硬化させる。なお、被記録部材11の搬送速度および露光機構5から照射される光の強度は、制御部6により設定された搬送速度および光の強度となる。被記録部材11上に滴下された透明材料を硬化させると、下地13の形成が完了したか否かを判定する(ステップST5)。
下地13が完成していない、すなわち、さらに透明材料を滴下して層を形成する必要があると判定した場合は、ステップST1に戻る。下地13が完成していると判定した場合は、処理を終了する。
上述した説明は第1層目であるため、ステップST1に戻り第2層の形成を行う。まず、制御部6は、第2層(n回目の繰り返しの場合は、第n層、n>2)の透明材料の滴下量V、ドットピッチpおよび滴下した透明材料の硬化条件等をメモリから読み出し、滴下条件を設定する(ステップST1)。
次に、制御部6は、被記録部材11を初期位置に戻し、第1のヘッド2と被記録部材11における下地13の形成位置との位置合わせを行い(ステップST2)、設定された滴下条件に基づいて、被記録部材11上に透明材料を滴下する(ステップST3)。具体的には、第1のヘッド2を移動させつつ、読み出した滴下量Vおよびドットピッチpにより第1のヘッド2から透明材料を被記録部材11における硬化された透明材料上に滴下する。
図6は第2層目の形成を説明するための図である。図6に示すように、第1のヘッド2から吐出された透明材料滴40が、硬化された第1層目のパターン41A上に着弾し、第2層目のパターン42を形成する。なお、図6において一点鎖線はパターンの形状を示している。また、図6に示すように形成されたパターンは、断面がかまぼこ状となっている。ここで図6においては、第1のヘッド2および被記録部材11を省略している。
そして、第1層目の場合と同様に、第1のヘッド2による透明材料滴下と、被記録部材11の滴下した透明材料1ドット分の移動とを繰り返し、被記録部材11上の硬化された透明材料の全域に透明材料を滴下する。この後、硬化された透明材料に滴下された透明材料を硬化させる(ステップST4)。具体的には、被記録部材11を所定速度で搬送しつつ、露光機構5から被記録部材11に光を照射し、滴下された透明材料を硬化させる。なお、このとき、被記録部材11の搬送速度および露光機構5から照射される光の強度は、ステップST1において設定された条件である。図7は第2層目のパターンが硬化された状態を示す図である。図7に示すように硬化された第1層目のパターン41Aに、硬化された第2層目のパターン42Aが積層されている。
被記録部材11上に滴下された透明材料を硬化させると、下地13が完成したか否かを判定する(ステップST5)。下地13が完成していない、すなわち、さらに透明材料を滴下して層を形成する必要があると判定した場合は、ステップST1に戻り、次の層についての滴下条件の設定、透明材料滴下および硬化の工程を繰り返す。下地13が完成していると判定した場合は、処理を終了する。
インクジェット記録装置1は、以上のようにして透明材料の滴下と硬化とを繰り返し、硬化した透明材料を積層させることにより被記録部材11における1つの視差画像群毎に交互に下地13を形成する。
図8は下地13が交互に形成された状態を示す図である。図8に示すように被記録部材11における4つの視差画像群G1〜G4のうち、視差画像群G1,G3に対してのみ、その幅内に下地13が形成されている。このように1つの視差画像群毎に交互に下地13を形成した後、レンズ頂部14を形成する。
以下、レンズ頂部の形成について説明する。図9は第1の実施形態におけるレンズ頂部形成時のインクジェット記録装置の動作を示すフローチャートである。なお、下地13が交互に形成された被記録部材11は支持プレート4の所定位置に固定され、第2のヘッド3が材料滴下開始前の初期位置に移動させられているものとする。
まず、制御部6は、透明材料の吐出タイミング、材料の滴下量、ドットピッチおよび滴下した透明材料の硬化条件等をメモリから読み出し、透明材料の滴下条件を設定する(ステップST11)。
次に、第2のヘッド3と被記録部材11におけるレンズ頂部14の形成位置との位置合わせを行い(ステップST12)、設定された滴下条件に基づいて、被記録部材11上に形成された下地13の上に透明材料を滴下する(ステップST13)。
具体的には、まず、第2のヘッド3をx方向に移動させつつ、第2のヘッド3から対向する位置の被記録部材11に透明材料を滴下させる。なお、第2のヘッド3は、制御部6が読み出した滴下量およびドットピッチにより、被記録部材11における下地13の上の位置にのみ透明材料を滴下する。
制御部6は第2のヘッド3を被記録部材11の端から端まで移動させ、第2のヘッド3が移動する領域に対向する位置の被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、被記録部材11を次の下地13の上の位置に移動するようにy方向に一定距離移動させる。
その後、再び、第2のヘッド3を被記録部材11の端から端まで移動させ、第2のヘッド3が移動する領域に対向する位置の被記録部材11の全域に透明材料を滴下し、滴下が終了すると、被記録部材11を次の下地13の上の位置に移動するようにy方向に一定距離移動させる。
このように、第2のヘッド3による透明材料滴下と、被記録部材11の一定距離の移動とを繰り返し、被記録部材11の全域における下地13の上の位置に透明材料を滴下する。このように透明材料を滴下すると、下地13の存在により、透明材料が表面張力によって下地13から上方へ盛り上がり、その上部が断面略円形状を有するものとなる。
被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、被記録部材11上に滴下された透明材料を硬化させる(ステップST14)。具体的には、被記録部材11を露光機構5に対向する位置に搬送する。その後、被記録部材11を所定速度で搬送しつつ、露光機構5から被記録部材11に光を照射し、滴下された透明材料を硬化させる。なお、被記録部材11の搬送速度および露光機構5から照射される光の強度は、制御部6により設定された搬送速度および光の強度となる。被記録部材11上に滴下された透明材料を硬化させると、処理を終了する。これにより、被記録部材11には下地13およびレンズ頂部14からなるレンズ12が交互に形成される。
図10はレンズが交互に形成された状態を示す図である。図10に示すように被記録部材11における視差画像群G1,G3に対応する下地13の上に、表面張力により盛り上がって断面が略円形状を有するレンズ頂部14が形成されることにより、レンズ12が形成されている。
次いで、形成されたレンズ12の間への新たな下地13および新たなレンズ頂部14の形成を行う。新たな下地13の形成は、形成されたレンズ12の間への、第1のヘッド2からの透明材料の滴下および滴下した透明材料の硬化を繰り返すことにより行う。これにより、図11に示すように、既に形成されたレンズ12の間に、すなわち視差画像群G2,G4に対応する位置に新たな下地13が形成される。一方、レンズ頂部14の形成は、新たに形成された下地13の上への、第2のヘッド3からの透明材料の滴下および滴下した透明材料の硬化により行う。これにより、図12に示すように、すべての視差画像群G1〜G4に対応する位置に、下地13およびレンズ頂部14からなるレンズ12が形成される。
なお、上記では透明材料の1回の滴下によりレンズ頂部14を形成しているが、下地13の形成と同様に、透明材料の滴下および硬化を繰り返すことにより、層状にレンズ頂部14を形成してもよい。
このように、第1の実施形態においては、まず下地13を形成し、下地13の上にレンズ頂部14を形成してレンズ12を形成するようにしたため、レンズ12における断面が略円形状となる部分から被記録部材11までの距離を下地13により確保することができる。したがって、下地13の高さを適切に設定することにより、形成されたレンズ12を通過した光は被記録部材11上に結像するため、本実施形態により形成されたレンチキュラープリントの立体視を良好に行うことができる。
また、下地13は断面矩形形状を有するため、レンズ頂部14の形成のために透明材料を滴下した際には、矩形形状の角部において表面張力により透明材料が断面が略円形状に盛り上がることとなる。このため、滴下した透明材料が濡れ広がって、隣接するレンズ12同士が繋がってしまうことを防止できる。
また、下地13の形成およびレンズ頂部14の形成を、隣接する視差画像群については異なるタイミングにて行うことにより、下地13の上部に滴下したレンズ頂部14の形成のための透明材料が濡れ広がって、隣接するレンズ12同士が繋がってしまうことを防止できる。
また、滴下する透明材料のドットピッチをp、滴下する透明材料がその着弾位置にある硬化された着弾位置透明材料からはみ出さないようにするための最小ドットピッチをpminとしたとき、pmin≦pを満たすように透明材料を滴下することにより、硬化された透明材料から濡れ出させる、すなわちはみ出させることなく透明材料を滴下することができる。したがって、厚さが均一なアスペクト比の高い下地13を形成することができる。
また、下地13の高さを、下地13の上部から盛り上がった断面が略円形状の部分の曲率半径よりも大きくすることにより、レンズ12を通過した光の光路長を確実に確保することができるため、本実施形態により形成されたレンチキュラープリントの立体視をより良好に行うことができる。
また、インクジェット方式により透明材料を視差画像群の間に滴下して下地13を形成することにより、効率よく下地13を形成することができる。
以下、第1の実施形態において、透明材料を滴下する際のドットピッチpの算出方法の一例について詳細に説明する。なお、ドットピッチpの算出には、滴下する透明材料と滴下された透明材料の着弾位置にある硬化した透明材料との接触角θが必要であるため、まず接触角θの算出方法について説明する。
制御部6には、予め実験等により算出した、接触角θ、滴下する透明材料の物性(組成、粘度等)、被記録部材11上において硬化されている透明材料の物性、および透明材料の硬化の程度の対応関係が記憶されている。制御部6は、硬化された透明材料の種類および滴下する透明材料の種類に基づいて透明材料の物性を算出し、露光機構5による露光条件(すなわち、露光時の搬送速度および光の強度等)から硬化された透明材料の硬化の程度を算出し、算出した結果および記憶されている対応関係に基づいて、滴下する透明材料と滴下された透明材料の着弾位置にある硬化した透明材料との接触角θを算出する。
以下、制御部6に予め記憶させておく、透明材料の硬化の程度と、接触角θとの対応関係の算出方法について説明する。まず、被記録部材11の全面に透明材料をバーコート塗布し、その後、露光機構で所定時間露光することにより、硬化透明材料膜サンプルを作製する。そして、硬化透明材料膜サンプルの上に、さらに透明材料を滴下する。
次に、滴下した透明材料と硬化透明材料膜サンプルとの接触角を測定する。さらに、上記測定を、露光機構で露光する時間のみを変化させて、種々の露光時間の場合について行う。
図13に測定結果を示す。図13においては、横軸を露光時間t[sec]、縦軸を接触角θ[deg]としている。図13に示すように、露光時間を変化させることにより、滴下した透明材料と硬化透明材料膜サンプルとの接触角が変化することがわかる。すなわち、滴下した透明材料と硬化した透明材料との接触角は、露光時間により変化することがわかる。具体的には、露光時間により接触角が5°から55°まで変化することがわかる。
図13に示すような接触角と露光時間との関係を、露光条件毎、あるいは使用される透明材料毎に測定して制御部6に記憶させておくことにより、各種条件から接触角を算出することができる。
次に、ドットピッチpを規定する最小ドットピッチpminおよび最大ドットピッチpmaxの算出方法について説明する。まず最小ドットピッチpminの算出について説明する。
図14は被記録部材上に透明材料を滴下して形成したパターンの断面を示す模式図であり、図15は硬化した透明材料上に透明材料を滴下して形成したパターンの断面を示す模式図である。
まず、被記録部材11上に着弾する透明材料(すなわち被記録部材11に直接着弾する透明材料、以下「第1透明材料」とする場合があるものとする)を、図14に示すように、着弾した透明材料の形状を曲率半径Rの切り取り球形状でモデル化する。なお、図14に示す透明材料と被記録部材11との接触面の中心を原点としたx軸(被記録部材11に平行な軸)およびy軸(被記録部材11に垂直かつ透明材料の中心を通る軸)は、本モデル上における軸であり、図1に示すx方向およびy方向とは異なる方向である。
モデル化した第1透明材料は、線幅がd、被記録部材11と第1透明材料との接触角がθ、断面積がSとなる。また、透明材料表面を構成する球の中心から被記録部材11までの距離がyとなる。ここで、第1透明材料の透明材料断面のプロファイルは、下記式(1)により表すことができる。
式(1)中のyとRとは、下記の式(2)となる。
以上より、断面積Sは、下記の式(3)のように表すことができる。
このように、断面積Sは、線幅dと接触角θとの関数となる。
次に、図15に示すように、硬化した透明材料の上に透明材料を滴下した状態をモデル化する。なお、図15においては、被記録部材11上に3つの透明材料を積層させた状態を示しているが、以下では、n−1個の透明材料が積層された上に、n個目の透明材料を滴下する場合について説明する。すなわち、n−1個目の透明材料(以下「第n−1透明材料」とする)が硬化された後、n個目の透明材料(以下「第n透明材料」とする)を滴下する場合について説明する。
まず、硬化された第n−1透明材料の上に滴下させ、着弾させた第n透明材料を円弧形状でモデル化すると、第n透明材料の断面のプロファイルは、下記の式(4)により表すことができる。
式(4)中のy、dy、Rは、それぞれ下記の式(5)〜式(7)により表すことができる。なお、Φn−1は、第n透明材料の表面と第n−1透明材料との接点における、第n−1透明材料の表面の接線と被記録部材11の表面に平行な面とのなす角度であり、下記式(8)により表すことができる。
以上、式(4)〜式(8)の関係を用いると、断面積Sは下記の式(9)のように表すことができる。
式(9)に示すように断面積Sは、d、dn−1、θ、θn−1、Φn−1により表すことができる。ここで、式(9)におけるdn−1、Φn−1により、第n−1透明材料により形成されるパターンの形状を表すことができる。またθ、θn−1は接触角である。したがって、断面積Sは、接触角と第n−1透明材料により形成されるパターンの形状に基づいて算出されることとなる。
ここで、dn−1、θn−1、Φn−1は、第n−1透明材料に関する値であるため、第n透明材料の滴下時には確定している。また、第n透明材料として滴下する透明材料の物性、また第n−1透明材料の物性および硬化条件は、第n透明材料滴下時には確定している。このため、θも第n透明材料滴下時には確定している。したがって、第n透明材料滴下時には、式(9)の変数はdとSのみとなる。
ここで、式(9)を用いることにより、d=dn−1となる第n透明材料の最大滴下量を表す断面積S(d=dn−1)を算出することができる。透明材料の滴下量をVとすると、打滴ピッチp≦pmaxの範囲では、p・S=Vであるため、下層からはみ出さない最小ドットピッチpminは、下記の式(10)により算出される。
次に最大ドットピッチpmaxの算出について説明する。「The Impact and Spreading of Ink Jet Printed Droplets,Jonathan Stringer and Brian Derby, Digital Fabrication, 2006, 128-130」(非特許文献1)においては、1滴当たりの透明材料の体積が1ドットピッチ間のライン体積以下であるときに、ジャギーが発生するとしている。ここで、第n透明材料滴下により、第n−1透明材料上に広がる透明材料のドット径をddotとすると、d=ddotとなる第n透明材料の最小滴下量を表す断面積S(d=ddot)を算出することができる。したがって、1滴の打滴量をVとすると、打滴ピッチp≦pmaxの範囲ではp・S=Vであるため、最大ドットピッチpmaxは下記の式(11)により算出される。
したがって、制御部6は、
を満たすようにドットピッチpを算出する。
このようにして、算出したドットピッチpにより透明材料を滴下させることにより、硬化された透明材料からはみ出させることなく、硬化された透明材料上に透明材料を滴下することができる。また、ジャギーのないように透明材料を滴下できる。
また、式(9)を用いてd=dn−1として断面積Sを算出し、式(10)を用いて最小ドットピッチpminを算出することにより、硬化された透明材料からはみ出さず、かつ液適量を最も多くすることができる。すなわち、硬化された透明材料からはみ出さないように、最大量の透明材料を滴下することができる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図16は本発明の第2の実施形態によるレンチキュラープリント形成方法に用いられるインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるインクジェット記録装置1Aは、第1のヘッド2として静電インクジェット方式のインクジェットヘッドを使用し、さらに加熱部7を備えた点が第1の実施形態と異なる。
以下、第2の実施形態における第1のヘッド2の構成について説明する。図17は静電インクジェット方式の第1のヘッド2の概略構成を示す模式的断面図である。なお、図17におけるヘッド2および支持プレート4は、説明のために図16と天地が逆になっている。図17に示すように、ヘッド2は、帯電された微粒子成分を含む透明材料Qを静電力により吐出させて、透明材料Qを被記録部材11に滴下するものであり、ヘッド基板21、ガイド22、絶縁性基板23、吐出電極24、支持プレート4に取り付けられた対向電極25、被記録部材11を帯電するための帯電ユニット26、信号電圧源27、および浮遊導電板28を備えている。
なお、図17に示す例は、第1のヘッド2を構成する1つのノズルとなる個別電極を概念的に表したものである。個別電極(以下、ノズルとする)の個数は図17においては1つのみであるが、複数備えられていてもよいし、複数のノズルを備えた場合、ノズルの物理的な配置等も何ら限定されない。例えば、複数のノズルを1次元的または2次元的に配置してラインヘッドを構成することも可能である。
図17に示す第1のヘッド2においては、ガイド22は突状先端部分22aを持つ所定厚さの絶縁性樹脂製平板からなり、ノズル毎にヘッド基板21の上に配置されている。また、絶縁性基板23には、ガイド22の配置に対応する位置に貫通孔30が開孔されている。ガイド22は、絶縁性基板23に開孔された貫通孔30を通過し、その先端部分22aが絶縁性基板23の図中上側の表面よりも上部に突出している。なお、ガイド22の中央部分には、図中上下方向に毛細管現象によって透明材料Qを先端部分22aに集める案内溝となる切り欠きを形成してもよい。
なお、ガイド22の先端部分22aの側は、支持プレート4側へ向かうにしたがって次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。なお、ガイド22の、透明材料Qが吐出される先端部分(最先端部)22aには、金属を蒸着することが好ましい。ガイド22の先端部分22aの金属蒸着はされていなくてもよいが、この金属蒸着により、ガイド22の先端部分22aの誘電率が実質的に無限大となり、強電界を生じさせやすくできるという効果があるため、金属蒸着を行うことが好ましい。なお、ガイド22の形状は、透明材料Q、とくに、透明材料Q内の帯電微粒子成分を絶縁性基板23の貫通孔30を通って先端部分22aに濃縮させることができれば、とくに限定されるものではなく、例えば、先端部分22aは突状でなくてもよい等適宜変更してもよいし、公知の任意の形状とすることができる。
ヘッド基板21と絶縁性基板23とは所定間隔離間して配置されており、両者の間には、ガイド22に透明材料Qを供給するためのリザーバとして機能する流路31が形成されている。なお、流路31内の透明材料Qは、吐出電極24に印加される電圧と同極性に帯電した微粒子成分を含み、記録時には、図示されていない循環機構によって、所定方向、図示例では流路31内を右側から左側へ向かって所定の速度(例えば、200mm/s)で循環される。以下、透明材料中の着色粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行う。
また、吐出電極24は、図18に示すように、絶縁性基板23に開孔された貫通孔30の周囲を囲むように、絶縁性基板23の図中上側の表面に、ノズル毎にリング状に、すなわち円形電極24aとして配置されている。吐出電極24は、透明材料の吐出タイミングに応じたパルス信号(所定のパルス電圧、例えば低電圧レベルの0V、高電圧レベルの400〜600V)を発生する信号電圧源27に接続されている。
なお、吐出電極24は、図18に示すリング状の円形電極24aに限定されず、ガイド22の外周を囲うように離間して配置される囲繞電極、またはガイド22の両側に離間して対向して配置される並列電極であれば、どのようなものであってもよい。例えば、囲繞電極の場合には、吐出電極18は、略円形電極であることが好ましいが、図18に示すような円形電極であることがより好ましい。また、並列電極の場合には、吐出電極24は、略平行電極であることが好ましい。以下では、囲繞電極の代表例として、図18に示すリング状の円形電極24aを用いて説明する。
また、対向電極25は、支持プレート4により支持されてガイド22の先端部分22aに対向する位置に配置され、電極基板25aと、電極基板25aの図中下側の表面、すなわちガイド22側の表面に配置される絶縁シート25bとにより構成される。なお、電極基板25aは接地される。また、被記録部材11は、対向電極25の絶縁シート25bの表面に、例えば静電吸着により支持されており、対向電極25(絶縁シート25b)は、被記録部材11のプラテンとして機能する。
ここで、少なくとも透明材料の滴下時には、帯電ユニット26によって、対向電極25の絶縁シート25bの表面、すなわち被記録部材11は、吐出電極24に印加される高電圧(パルス電圧)と逆極性の所定の負の高電圧、例えば、−1500Vに帯電された状態に維持される。その結果、被記録部材11は、帯電ユニット26により負帯電して、吐出電圧に対して負の高電圧に常時バイアスされるとともに、対向電極25の絶縁シート25bに静電吸着される。
ここで、帯電ユニット26は、被記録部材11を負の高電圧に帯電させるためのスコロトロン帯電器26aと、スコロトロン帯電器26aに負の高電圧を供給するバイアス電圧源26bとを有している。なお、本実施形態に用いられる帯電ユニット26の帯電手段としては、スコロトロン帯電器26aに限定されず、コロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針等の種々の放電手段を用いることができる。
なお、図17に示す例においては、対向電極25を電極基板25aと絶縁シート25bとにより構成し、被記録部材11を帯電ユニット26によって負の高電圧に帯電させることにより絶縁シート25bの表面に静電吸着させているが、対向電極25を電極基板25aのみにより構成し、対向電極25(電極基板25a自体)を負の高電圧のバイアス電圧源に接続して、負の高電圧に常時バイアスしておき、対向電極25の表面に被記録部材11を静電吸着させるようにしてもよい。
また、被記録部材11の対向電極25への静電吸着と、被記録部材11への負の高電圧への帯電または対向電極25への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行ってもよい。また、対向電極25による被記録部材11の支持は静電吸着に限定されるものではなく、他の支持方法や支持手段を用いてもよい。
また、浮遊導電板28は、流路31の下方に配置され、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)となっている。図18においては、ヘッド基板21の内部に配置されている。なお、本実施形態においては、浮遊導電板28は、流路31の下方であれば、どこに配置してもよく、例えば、ヘッド基板21の下方であってもよいし、個別電極の位置よりも流路31の上流側で、かつヘッド基板21の内部に配置するようにしてもよい。
この浮遊導電板28は、透明材料の滴下時に、個別電極に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧が発生し、流路31内の透明材料Qにおいて、その微粒子成分を絶縁性基板23側へ泳動させて濃縮させるためのものである。したがって、浮遊導電板28は、流路31よりもヘッド基板21側に配置される必要がある。また、浮遊導電板28は、個別電極の位置よりも流路31の上流側に配置される方が好ましい。この浮遊導電板28により、流路31内の上層の帯電微粒子成分の濃度を高めるため、絶縁性基板23の貫通孔30を通過する透明材料Q内の帯電微粒子成分の濃度を所定濃度に高めることができ、ガイド22の先端部分22aに濃縮させて、液滴Rとして吐出させる透明材料Q内の帯電微粒子成分の濃度を所定濃度に安定させることができる。
また、浮遊導電板28を配置することにより、稼動チャンネル数に応じて誘導電圧が変化するため、浮遊導電板への電圧を制御しなくても、吐出に必要な帯電粒子を供給するため、目詰まりを防止することができる。なお、浮遊導電板に電源を接続し、所定の電圧を印加するようにしてもよい。
第2の実施形態に用いられる第1のヘッド2は、以上のように構成されるが、以下に、第2の実施形態による第1のヘッド2の透明材料滴下時の作用を説明する。
図17に示す第1のヘッド2では、透明材料の滴下時に、図示しないポンプ等を含む透明材料循環機構により、吐出電極24に印加される電圧と同極性、例えば、正(+)に帯電した微粒子成分を含む透明材料Qが、流路31の内部を図17中矢印a方向に、すなわち右側から左側へ向かって循環される。このとき、対向電極25に静電吸着された被記録部材11は、逆極性、すなわち負の高電圧、例えば−1500Vに帯電されている。また、浮遊導電板26は、絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされている。
ここで、吐出電極24にパルス電圧が印加されていないか、または、印加されているパルス電圧が低電圧レベル(0V)であるとき、吐出電極24と対向電極25(被記録部材11)との間の電圧(電位差)は、例えばバイアス電圧分の1500Vで、ガイド22の先端部分22a近傍の電界強度が低く、透明材料Qは、ガイド22の先端部分2aからは飛び出さず、すなわち液滴Rとして吐出されない。このとき、流路31内の透明材料Qの一部、とくに透明材料Q内に含まれる帯電微粒子成分は、泳動現象および毛細管現象等によって、絶縁性基板23の貫通孔30を通って、図17中矢印b方向に、すなわち絶縁性基板23の下側からその上側へ向かって上昇し、ガイド22の先端部分22aに供給される。
一方、吐出電極24に高電圧レベル(例えば、400〜600V)のパルス電圧が印加されると、吐出電極24と対向電極25(被記録部材11)との間の電圧(電位差)は、例えば、バイアス電圧分の1500Vにパルス電圧分の400〜600Vが重畳され、1900V〜2100Vとなって高くなるため、ガイド22の先端部分22a近傍の電界強度が高くなる。このとき、ガイド22に沿って上昇し、絶縁性基板23の上方の先端部分22aに上昇した透明材料Q、とくに透明材料Q内に濃縮した帯電微粒子成分は、静電力によってガイド22の先端部分22aから、帯電微粒子成分を含む液滴Rとして飛び出し、例えば−1500Vにバイアスされている対向電極25(被記録部材11)に引っ張られて、被記録部材11に付着する。
以上のようにして、第1のヘッド2と対向電極25上に支持された被記録部材11とを相対的に移動させながら、透明材料を複数層重ねるように滴下することにより、被記録部材11に下地13を形成することができる。
加熱部7は、下地13の形成時に第1のヘッド2から透明材料が滴下された被記録部材11を加熱して、滴下された透明材料を加熱する。すなわち、透明材料に含まれる微粒子成分を熱により溶融して、これを硬化して下地13を形成する。なお、加熱部7は露光機構5と同様に、図16のx方向における支持プレート4の端から端までを覆うように配置されている。
加熱部7としては、透明材料を加熱できるものであればよく、例えば赤外線ランプ、ヒータ等を用いることができる。なお、加熱は、赤外線ランプやヒータに供給する電圧の強度を変更する等により、種々の強度に調整することができる。
そして、第2の実施形態においては、静電インクジェット方式の第1のヘッド2から、第1の実施形態と同様に透明材料を被記録部材11に滴下し、その後、露光機構5による露光に代えて、滴下した透明材料を加熱部7により加熱して透明材料に含まれる微粒子成分を溶融し、その後加熱を停止してこれを硬化させる。そして、硬化した透明材料上への透明材料の滴下および硬化の工程を繰り返して下地13を完成させる。
なお、第2の実施形態においてレンズの形成は、上記第1の実施形態と同様に透明材料の滴下および露光機構5を用いての硬化の工程を繰り返すことにより行われる。
このように第2の実施形態においては、第1のヘッド2として、静電インクジェット方式のインクジェットヘッドを用いるようにしたものである。ここで、各種インクジェット方式のうち、静電式インクジェット方式は、固形分を濃縮して吐出し、溶媒乾燥時に液橋力により粒子を自己組織的に集結させることができる。したがって、第1のヘッド2として静電濃縮インクジェット方式のインクジェットヘッドを用いることにより、下地13を形成する際の透明材料の濡れ広がりを防止でき、その結果、断面矩形形状の下地13を精度よく形成することができる。
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態によるレンチキュラープリント形成方法に用いられるインクジェット記録装置の構成は、上記第1の実施形態によるインクジェット記録装置の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、第1および第2のヘッド2,3が複数のノズルを有し、複数のノズルにより複数の下地13および複数のレンズ頂部14を同時に形成するようにしたものである。
図19は第3の実施形態における第1のヘッド2の走査を説明するための図、図20は第3の実施形態における第2のヘッド3の走査を説明するための図である。なお、図19および図20においては、説明のために視差画像の長手方向を縮小している。また、図19および図20にはレンズを形成する7つの領域16A〜16Gが示されており、そのそれぞれに6つの視差画像S1〜S6からなる視差画像群が描画されているものとする。また、図19には第1のヘッド2における透明材料を吐出する2つのノズルN1,N2のみを、図20には第2のヘッド3における透明材料を吐出する2つのノズルN11,N12のみを示すものとする。
第3の実施形態においては、隣接する2つのレンズ12に対応する下地13を同一のノズルにより形成し、さらに、隣接する2つのレンズ12に対応するレンズ頂部14を同一のノズルにより形成するようにしたものである。具体的には、図19に示す領域16A,16Bについては、第1のヘッド2におけるノズルN1により下地13を形成し、領域16C,16Dについては、ノズルN2により下地13を形成する。また、図20に示す領域16A,16Bについては、第2のヘッド3におけるノズルN11によりレンズ頂部14を形成し、領域16C,16Dについては、ノズルN12によりレンズ頂部14を形成する。
なお、第1のヘッド2においては、透明材料が吐出されるノズルN1,N2の間隔が、2つの領域の幅(L0とする)に相当するものとなるように、透明材料が吐出されるノズルを制御する。例えば、図21に示すようにノズルが2次元状に配設されている場合、被走査部材11の移動方向に並ぶノズルの間隔が2つの領域の幅L0に相当するものとなるように、透明材料を吐出するノズルを設定する。この際、必要であれば、透明材料が吐出されるノズルの被走査部材11の移動方向における間隔が2つの領域の幅L0と同一となるように、図22に示すようにヘッド2を回転させる。例えば、図22において黒丸で示す2つのノズルを使用するものとし、その間隔が800μmであり、幅L0が508μmであるとすると、2つのノズルの間隔が508μmとなるようにヘッド2を回転する。
なお、第2のヘッド3についても透明材料が吐出されるノズルN11,N12の間隔が2つの領域の幅L0となるように、透明材料が吐出されるノズルを制御したり、第2のヘッド3を回転したりすればよい。
次いで、第3の実施形態において行われる第1のヘッド2の動作について説明する。なお、滴下条件の設定および位置合わせは第1の実施形態と同様に行うものとする。また、上記第1の実施形態と同様に、隣接する視差画像群については異なるタイミングにて下地13を形成するものとする。まず制御部6は、第1のヘッド2をx方向に移動させつつ、図19に示すようにノズルN1により領域16Aの視差画像S1の端部に対応する位置に透明材料を滴下するとともに、ノズルN2により領域16Cの視差画像S1の端部に対応する位置に透明材料を滴下する。
制御部6は、第1のヘッド2を被記録部材11の端から端まで移動させ、第1のヘッド2が移動する領域に対向する位置の被記録部材11の全域にノズルN1,N2により透明材料を滴下する。その後、ヘッド2が滴下した透明材料に隣接する位置に透明材料を滴下できるように、滴下した透明材料の1ドット分、被記録部材11をy方向に移動させる。
このように、第1のヘッド2による透明材料滴下と、被記録部材11の1ドット分の移動とを繰り返し、領域16A,16Cの全域に透明材料を滴下する。領域16A,16Cの全域に透明材料を滴下すると、制御部6は被記録部材11を次の視差画像群の位置に移動するようにy方向に一定距離移動させる。具体的には、ノズルN1,N2がそれぞれ領域16A,16Cから3つの領域分離れた位置にある領域16E,16Gの視差画像S1の端部と対向するように被記録部材11を移動させる。そして、領域16E,16Gに透明材料を滴下する。
そして、第1のヘッド2による透明材料滴下と、被記録部材11の一定距離の移動とを繰り返し、被記録部材11の全域に透明材料を滴下する。第3の実施形態においては、ノズルN1,N2によりそれぞれ1つの領域に透明材料を滴下した後、被記録部材11を3つの領域分離れた領域に移動しているため、1つの領域毎に交互に透明材料が滴下されることとなる。そして、被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、滴下した透明材料を硬化する。以降、第1の実施形態と同様に、透明材料の滴下および硬化を繰り返して、被記録部材11に1つの領域毎に交互に下地13を形成する。
次いで、第3の実施形態において行われる第2のヘッド3の動作について説明する。なお、滴下条件の設定および位置合わせは第1の実施形態と同様に行うものとする。まず制御部6は、第2のヘッド3をx方向に移動させつつ、図20に示すようにノズルN11により領域16Aに形成されている下地13の上に透明材料を滴下するとともに、ノズルN12により領域16Cに形成されている下地13の上に透明材料を滴下する。
制御部6は、第2のヘッド3を被記録部材11の端から端まで移動させ、ヘッド3が移動する領域に対向する位置、すなわち領域16A,16Cに形成されている下地13の全域にノズルN11,N12により透明材料を滴下した後、被記録部材11を次の視差画像群の位置に移動するようにy方向に一定距離移動させる。具体的には、ノズルN11,N12がそれぞれ領域16A,16Cから3つの領域分離れた位置にある領域16E,16Gと対向するように被記録部材11を移動させる。そして、領域16E,16Gに形成された下地13の上に透明材料を滴下する。
このように、第2のヘッド3による透明材料滴下と、被記録部材11の一定距離の移動とを繰り返し、被記録部材11の全域に透明材料を滴下する。第3の実施形態においては、ノズルN11,N12によりそれぞれ1つの領域に透明材料を滴下した後、被記録部材11を3つの領域分離れた領域に移動しているため、1つの領域毎に透明材料が滴下されることとなる。すなわち、既に形成されている下地13の上に透明材料が滴下されることとなる。そして、被記録部材11の全域に透明材料を滴下した後、滴下した透明材料を硬化する。以降、第1の実施形態と同様に、透明材料の滴下および効果を繰り返して、1つの領域毎に交互にレンズ頂部14を形成する。
次いで、形成された下地13およびレンズ頂部14からなるレンズ12の間への、新たな下地13およびレンズ12の形成を行う。新たな下地13および新たなレンズ頂部14の形成は、形成されているレンズ12の間への、第1のヘッド2からの透明材料の滴下および滴下した透明材料の硬化を繰り返すことにより行う。具体的には、図19に示す領域16B,16D,16Fへの透明材料の滴下および硬化を行って下地13を新たに形成し、新たに下地13を形成した後、新たに形成した領域16B,16D,16Fの下地13への透明材料の滴下および硬化を行って、レンズ頂部14を形成する。これにより、被記録部材11における視差画像群のそれぞれにレンズ12が形成される。
このように、第3の実施形態においては、隣接する2つのレンズ12に対応する下地13および隣接する2つのレンズ12に対応するレンズ頂部14を、同一のノズルから透明材料を滴下して形成するようにしたため、同一特性のノズルにより隣接する2つのレンズ12が形成されることとなる。
ここで一般に、インクジェットヘッドの吐出方向精度は、ノズル間の吐出位置誤差のばらつきはあるが、1つのノズルに着目すれば吐出方向性はノズル部の初期形状誤差に起因する一定の方向性を持っており、着弾位置がランダムにばらつくことはない。
したがって、インクジェット方式の第1および第2のヘッド2,3を用いて、隣接する2つのレンズ12を同一特性のノズルから材料を滴下して形成することにより、隣接する2つのレンズ12の特性が同一となる。したがって、形成されたレンチキュラープリントをより良好に立体視することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、隣接する2つのレンズ12を同一のノズルにより形成しているが、隣接する3以上のレンズ12を同一のノズルにより形成するようにしてもよい。
また、上記第1から第3の実施形態においては、下地13を形成した後に、撥液処理を行うようにしてもよい。撥液処理としては、種々の方法を用いることができる。例えば、スピンコート、蒸着等により、下地13が形成された被記録部材11の全域にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂材等を塗布乾燥し被記録部材11の表面とともに下地13の表面に撥液面を形成する方法を用いることができる。また、プラズマ処理を用いることもできる。また、特開2000−17091号公報に記載のフッ素樹脂の処理方法や「フッ素樹脂の超撥水性に及ぼすArイオン注入の影響(第15回イオン注入表面処理シンポジウム予稿集)」等に記載された超撥水処理を用いて撥液処理を施す方法も用いることができる。また、透明材料に、フッ素系界面活性剤を添加することによっても、撥液処理と同様の効果を得ることができる。
このように、下地13が形成された後の被記録部材11の表面に撥液処理を行うことにより、レンズ頂部14を形成するための透明材料を滴下した際の表面張力が大きくなるため、下地13から透明材料があふれ出ることがなくなり、精度よくレンズ頂部14ひいてはレンズ12を形成することができる。
なお、撥液処理を行うか否か、またはその撥液処理の程度を調整するようにしてもよい。撥液処理を選択的に行うことにより、滴下可能な透明材料の量を調整でき、その結果、形成されるレンズ頂部14の曲率を調整することができる。
1 インクジェット記録装置
2 第1のヘッド
3 第2のヘッド
4 支持プレート
5 露光機構
6 制御部
7 加熱部
10 レンチキュラープリント
11 被記録部材
12 レンズ
13 下地
14 レンズ頂部

Claims (10)

  1. 短冊状の複数の視差画像からなる視差画像群が複数並べられて描画されてなる被記録部材における該視差画像群の位置に、断面凸形状のレンチキュラーレンズを形成して、立体視が可能なレンチキュラープリントを形成するレンチキュラープリント形成方法において、
    前記被記録部材における前記視差画像群上に透明材料を滴下して、前記視差画像の長手方向に延在する、断面矩形形状の所定高さを有する前記レンチキュラーレンズの下地を形成する下地形成工程と、
    前記下地の上に前記透明材料を滴下し、該透明材料を表面張力により前記下地の上部から断面が略円形状となるように盛り上がらせて、前記レンチキュラーレンズのレンズ頂部を形成するレンズ形成工程とを有することを特徴とするレンチキュラープリント形成方法。
  2. 前記下地形成工程および前記レンズ形成工程を、隣接する前記視差画像群においては異なるタイミングで行うことを特徴とする請求項1記載のレンチキュラープリント形成方法。
  3. 前記下地形成工程は、前記透明材料を、下地用のインクジェットヘッドにより前記視差画像群上に滴下して前記下地を形成することを特徴とする請求項1または2記載のレンチキュラープリント形成方法。
  4. 前記下地形成工程は、硬化性を有する前記透明材料を前記下地用のインクジェットヘッドにより前記視差画像群の上に滴下する滴下工程と、
    前記滴下した透明材料を硬化する硬化工程と、
    前記硬化された透明材料上に所定の滴下量にて前記透明材料を滴下し、該滴下した透明材料を硬化することを繰り返して前記下地を形成する積層工程とを有し、
    前記積層工程は、前記滴下する透明材料のドットピッチをp、該滴下する透明材料が該滴下する透明材料の着弾位置にある硬化された着弾位置透明材料からはみ出さないようにするための最小ドットピッチをpminとしたとき、pmin≦pとなるドットピッチpにより前記透明材料を滴下することを特徴とする請求項3記載のレンチキュラープリント形成方法。
  5. 前記下地用のインクジェットヘッドは、静電濃縮インクジェット方式のインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項3記載のレンチキュラープリント形成方法。
  6. 前記下地形成工程は、前記下地用のインクジェットヘッドと前記被記録部材とを、前記視差画像の長手方向に相対的に移動して前記透明材料を滴下することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項記載のレンチキュラープリント形成方法。
  7. 前記下地形成工程は、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応する前記下地を、前記下地用のインクジェットヘッドにおける同一のノズルから前記透明材料を滴下して形成することを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のレンチキュラープリント形成方法。
  8. 前記レンズ形成工程は、レンズ頂部用のインクジェットヘッドにより前記透明材料を前記下地の上に滴下して前記レンズ頂部を形成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のレンチキュラープリント形成方法。
  9. 前記レンズ形成工程は、隣接する少なくとも2つのレンチキュラーレンズに対応するレンズ頂部を、前記レンズ頂部用のインクジェットヘッドにおける同一のノズルから前記透明材料を滴下して形成することを特徴とする請求項8記載のレンチキュラープリント形成方法。
  10. 前記下地の高さが、該下地の上部から盛り上がった断面が略円形状の部分の曲率半径以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のレンチキュラープリント形成方法。
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