以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、例えばコンビニエンスストア等に設置されて店内の空気調和とショーケース等の冷却とを行うためのものである。
図1に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、室外ユニット(11)と、空調ユニット(12)と、冷蔵ユニット(13)と、冷凍ユニット(14)と、ブースタユニット(15)とを一台ずつ備えている。なお、これら各ユニットの台数は、何れも単なる一例である。室外ユニット(11)は、屋外に設置されている。空調ユニット(12)は、売り場等の店内に設置されている。冷蔵ユニット(13)は、冷蔵ショーケースに設置され、その庫内を冷却する。冷凍ユニット(14)は、冷凍ショーケースに設置され、その庫内を冷却する。ブースタユニット(15)は、冷凍ショーケースの近傍に設置されている。
室外ユニット(11)には室外回路(30)が、空調ユニット(12)には空調用回路(80)が、冷蔵ユニット(13)には冷蔵用回路(90)が、冷凍ユニット(14)には冷凍用回路(100)が、ブースタユニット(15)にはブースタ回路(110)が、それぞれ収容されている。冷凍装置(10)では、空調用回路(80)と、冷蔵用回路(90)と、冷凍用回路(100)と、ブースタ回路(110)とを配管で接続することによって、冷媒回路(20)が構成されている。
〈室外ユニット、室外回路〉
室外回路(30)には、第1圧縮機である可変容量圧縮機(40a)と、第3圧縮機である第1固定容量圧縮機(40b)と、第2圧縮機である第2固定容量圧縮機(40c)とが設けられている。これら三つの圧縮機(40a,40b,40c)は、いずれも全密閉型のスクロール圧縮機である。
可変容量圧縮機(40a)の電動機は、図外のインバータから供給された交流によって駆動される。インバータの出力周波数を変更すると、可変容量圧縮機(40a)の電動機の回転速度が変化し、可変容量圧縮機(40a)の運転容量が変化する。一方、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)の電動機は、商用電源から直接に供給された交流によって駆動される。第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)では、それぞれの電動機の回転速度が商用電源から供給される交流の周波数に応じた値となり、それぞれの運転容量が一定となる。
また、室外回路(30)には、室外熱交換器(44)と、室外膨張弁(45)と、レシーバ(46)と、過冷却用熱交換器(65)とが一つずつ設けられ、液側閉鎖弁(55,57)と、ガス側閉鎖弁(56,58)とが二つずつ設けられている。更に、室外回路(30)には、三つの四方切換弁(41,42,43)が設けられている。
室外熱交換器(44)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を室外空気と熱交換させる。室外膨張弁(45)は、開度可変の電子膨張弁である。過冷却用熱交換器(65)は、第1流路(66)と第2流路(67)とを複数ずつ備えるプレート式熱交換器であって、第1流路(66)を流れる冷媒と第2流路(67)を流れる冷媒とを熱交換させる。各四方切換弁(41,42,43)は、第1のポートが第3のポートに連通し且つ第2のポートが第4のポートに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートに連通し且つ第2のポートが第3のポートに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出側には、吐出配管(50)が接続されている。具体的に、吐出配管(50)は、その入口端側が三つに分岐しており、第1の分岐管が可変容量圧縮機(40a)の吐出側に、第2の分岐管が第1固定容量圧縮機(40b)と吐出側に、第3の分岐管が第2固定容量圧縮機(40c)の吐出側にそれぞれ接続されている。吐出側の出口端は、第1四方切換弁(41)の第1のポートに接続されている。吐出配管(50)の各分岐管には、油分離器(47a,47b,47c)と逆止弁(CV1,CV2,CV3)とが一つずつ設けられている。吐出配管(50)の各分岐管では、油分離器(47a,47b,47c)の下流側に逆止弁(CV1,CV2,CV3)が配置されている。これらの逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、圧縮機(40a,40b,40c)から第1四方切換弁(41)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
可変容量圧縮機(40a)の吸入側には、第1吸入配管(51)が接続されている。具体的に、第1吸入配管(51)は、その出口端側が二つに分岐しており、第1の分岐管が可変容量圧縮機(40a)の吸入側に接続し、第2の分岐管が第3四方切換弁(43)の第4のポートに接続されている。第1吸入配管(51)の第2の分岐管には、逆止弁(CV4)が設けられている。この逆止弁(CV4)は、第3四方切換弁(43)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。第1吸入配管(51)の入口端は、第2ガス側閉鎖弁(58)に接続されている。
第1固定容量圧縮機(40b)の吸入側には、第2吸入配管(52)の出口端が接続されている。第2吸入配管(52)の入口端は、第3四方切換弁(43)の第3のポートに接続されている。
第2固定容量圧縮機(40c)の吸入側には、第3吸入配管(53)が接続されている。具体的に、第3吸入配管(53)は、その出口端側が二つに分岐しており、第1の分岐管が第2固定容量圧縮機(40c)の吸入側に接続し、第2の分岐管が第3四方切換弁(43)の第3のポートに接続されている。第3吸入配管(53)の第2の分岐管には、逆止弁(CV5)が設けられている。この逆止弁(CV5)は、第3四方切換弁(43)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。第3吸入配管(53)の入口端は、第2四方切換弁(42)の第2のポートに接続されている。
第1四方切換弁(41)は、その第2のポートが第2四方切換弁(42)の第4のポートに、その第3のポートが室外熱交換器(44)のガス側端に、第4のポートが第1ガス側閉鎖弁(56)に、それぞれ接続されている。第2四方切換弁(42)は、その第1のポートが吐出配管(50)における各逆止弁(CV1,CV2,CV3)の下流側に接続され、その第3のポートが封止されている。第3四方切換弁(43)の第1のポートは、高圧導入配管(38)を介して、吐出配管(50)における各逆止弁(CV1,CV2,CV3)の下流側に接続されている。
室外熱交換器(44)の液側端には、第1接続配管(31)の一端が接続されている。第1接続配管(31)の他端は、レシーバ(46)の頂部に接続されている。第1接続配管(31)には、その一端から他端へ向かって順に、電磁弁(SV1)と逆止弁(CV6)とが設けられている。この逆止弁(CV6)は、室外熱交換器(44)からレシーバ(46)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
レシーバ(46)の底部には、第2接続配管(32)の一端が接続されている。第2接続配管(32)の他端は、第2液側閉鎖弁(57)に接続されている。また、第2接続配管(32)の途中には、過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)が配置されている。
第1液側閉鎖弁(55)には、第3接続配管(33)の一端が接続されている。第3接続配管(33)の他端は、第1接続配管(31)における逆止弁(CV6)とレシーバ(46)の間に接続されている。第3接続配管(33)には、逆止弁(CV7)が設けられている。この逆止弁(CV7)は、第1液側閉鎖弁(55)からレシーバ(46)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
第2接続配管(32)におけるレシーバ(46)と過冷却用熱交換器(65)の間には、第4接続配管(34)の一端が接続されている。第4接続配管(34)の他端は、第3接続配管(33)における第1液側閉鎖弁(55)と逆止弁(CV7)の間に接続されている。第4接続配管(34)には、逆止弁(CV8)が設けられている。この逆止弁(CV8)は、第4接続配管(34)の一端から他端へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
第2接続配管(32)における過冷却用熱交換器(65)と第2液側閉鎖弁(57)の間には、第5接続配管(35)の一端が接続されている。第5接続配管(35)の他端は、第1接続配管(31)における室外熱交換器(44)と電磁弁(SV1)の間に接続されている。第5接続配管(35)には、その一端から他端へ向かって順に、逆止弁(CV9)と室外膨張弁(45)とが設けられている。この逆止弁(CV9)は、第5接続配管(35)の一端から他端へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
第5接続配管(35)における逆止弁(CV9)と室外膨張弁(45)の間には、第6接続配管(36)の一端が接続されている。第6接続配管(36)の他端は、第1接続配管(31)における逆止弁(CV6)とレシーバ(46)の間に接続されている。第6接続配管(36)には、逆止弁(CV10)が設けられている。この逆止弁(CV10)は、第6接続配管(36)の一端から他端へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
レシーバ(46)の上部には、第7接続配管(37)の一端が接続されている。第7接続配管(37)の他端は、後述するインジェクション回路(60)の主インジェクション管路(61)における過冷却用熱交換器(65)の下流側に接続されている。また、第7接続配管(37)には、電磁弁(SV2)が設けられている。
室外回路(30)には、インジェクション回路(60)が設けられている。インジェクション回路(60)は、主インジェクション管路(61)と、第1分岐管路である第1インジェクション用管路(62a)と、第3分岐管路である第2インジェクション用管路(62b)と、第2分岐管路である第3インジェクション用管路(62c)とを備えている。
主インジェクション管路(61)の一端は、第2接続配管(32)における過冷却用熱交換器(65)と第2液側閉鎖弁(57)の間に接続されている。主インジェクション管路(61)の他端には、各インジェクション用管路(62a,62b,62c)の一端が接続されている。主インジェクション管路(61)には、その一端から他端へ向かって順に、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)と、中間圧側膨張弁である過冷却用膨張弁(63)とが設けられている。過冷却用膨張弁(63)は、開度可変の電子膨張弁である。
第1インジェクション用管路(62a)の他端は可変容量圧縮機(40a)に、第2インジェクション用管路(62b)の他端は第1固定容量圧縮機(40b)に、第3インジェクション用管路(62c)の他端は第2固定容量圧縮機(40c)に、それぞれ接続されている。可変容量圧縮機(40a)では、第1インジェクション用管路(62a)が圧縮途中の圧縮室に連通可能となっている。第1固定容量圧縮機(40b)では、第2インジェクション用管路(62b)が圧縮途中の圧縮室に連通可能となっている。第2固定容量圧縮機(40c)では、第3インジェクション用管路(62c)が圧縮途中の圧縮室に連通可能となっている。
第1インジェクション用管路(62a)には、第1流量調節弁である第1インジェクション用電動弁(64a)が設けられている。第2インジェクション用管路(62b)には、第3流量調節弁である第2インジェクション用電動弁(64b)が設けられている。第3インジェクション用管路(62c)には、第2流量調節弁である第3インジェクション用電動弁(64c)が設けられている。各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)は、開度可変の電子膨張弁であって、インジェクション回路(60)から各圧縮機(40a,40b,40c)へ供給される冷媒の流量を調節する。
インジェクション回路(60)には、油戻し配管(54)が接続されている。この油戻し配管(54)は、その出口端がインジェクション回路(60)の主インジェクション管路(61)における過冷却用熱交換器(65)の下流側に接続されている。また、油戻し配管(54)は、その入口端側が三つの分岐管に分岐しており、第1の分岐管が第1油分離器(47a)に、第2の分岐管が第2油分離器(47b)に、第3の分岐管が第3油分離器(47c)に、それぞれ接続されている。各分岐管には、逆止弁(CV11,CV12,CV13)と、キャピラリチューブ(48a,48b,48c)とが設けられている。各分岐管において、キャピラリチューブ(48a,48b,48c)は、逆止弁(CV11,CV12,CV13)の下流側に配置されている。各逆止弁(CV11,CV12,CV13)は、油分離器(47a,47b,47c)から流出する向きの冷凍機油の流通を許容し、逆向きの冷凍機油の流通を阻止する。油戻し配管(54)は、吐出配管(50)に設けられた三つの油分離器(47a,47b,47c)と共に油戻し回路(49)を構成している。
室外回路(30)には、温度センサと圧力センサが複数ずつ設けられている。
吐出配管(50)の各分岐管では、圧縮機(40a,40b,40c)と油分離器(47a,47b,47c)の間に、吐出管温度センサ(74a,74b,74c)が一つずつ取り付けられている。第1吐出管温度センサ(74a)は、可変容量圧縮機(40a)から吐出された冷媒の温度を示す物理量として、可変容量圧縮機(40a)に接続する分岐管の温度を計測する。第2吐出管温度センサ(74b)は、第1固定容量圧縮機(40b)から吐出された冷媒の温度を示す物理量として、第1固定容量圧縮機(40b)に接続する分岐管の温度を計測する。第3吐出管温度センサ(74c)は、第2固定容量圧縮機(40c)から吐出された冷媒の温度を示す物理量として、第2固定容量圧縮機(40c)に接続する分岐管の温度を計測する。また、吐出配管(50)には、高圧センサ(70)が接続されている。高圧センサ(70)は、各圧縮機(40a,40b,40c)から吐出されて吐出配管(50)を流れる冷媒の圧力を計測する。
第1吸入配管(51)の集合部分には、第1吸入配管(51)温度センサ(75)が取り付けられている。第1吸入配管(51)温度センサ(75)は、第1吸入配管(51)内を可変容量圧縮機(40a)へ向かって流れる冷媒の温度を示す物理量として、第1吸入配管(51)の温度を計測する。また、第1吸入配管(51)の集合部分には、第1低圧センサ(71)が接続されている。第1低圧センサ(71)は、第1吸入配管(51)内を可変容量圧縮機(40a)へ向かって流れる冷媒の圧力を計測する。
第3吸入配管(53)の集合部分には、第2吸入管温度センサ(76)が取り付けられている。第2吸入管温度センサ(76)は、第3吸入配管(53)内を第2固定容量圧縮機(40c)へ向かって流れる冷媒の温度を示す物理量として、第3吸入配管(53)の温度を計測する。また、第3吸入配管(53)の集合部分には、第2低圧センサ(72)が接続されている。第2低圧センサ(72)は、第3吸入配管(53)内を第2固定容量圧縮機(40c)へ向かって流れる冷媒の圧力を計測する。
インジェクション回路(60)の主インジェクション管路(61)における過冷却用熱交換器(65)の下流側には、インジェクション管温度センサ(77)が取り付けられている。インジェクション管温度センサ(77)は、インジェクション回路(60)内を各圧縮機(40a,40b,40c)へ向かって流れる冷媒の温度を示す物理量として、インジェクション回路(60)の温度を計測する。また、インジェクション回路(60)の主インジェクション管路(61)における過冷却用熱交換器(65)の下流側には、中間圧センサ(73)が接続されている。中間圧センサ(73)は、インジェクション回路(60)の主インジェクション管路(61)内を各圧縮機(40a,40b,40c)へ向かって流れる冷媒の圧力を計測する。
室外ユニット(11)には、熱源側ファンである室外ファン(79)と、室外温度センサ(78)とが設けられている。室外ファン(79)は、室外空気を室外熱交換器(44)へ供給する。室外温度センサ(78)は、室外ファン(79)によって室外熱交換器(44)へ送られる室外空気の温度を計測する。
〈空調ユニット、空調用回路〉
空調用回路(80)は、その液側端が第1液側連絡配管(21)を介して室外回路(30)の第1液側閉鎖弁(55)に、そのガス側端が第1ガス側連絡配管(22)を介して室外回路(30)の第1ガス側閉鎖弁(56)に、それぞれ接続されている。空調用回路(80)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、空調用膨張弁(82)と、利用側熱交換器である空調用熱交換器(81)とが設けられている。空調用膨張弁(82)は、開度可変の電子膨張弁である。空調用熱交換器(81)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を室内空気と熱交換させる。
空調用回路(80)には、二つの温度センサが取り付けられている。空調用回路(80)における空調用熱交換器(81)とガス側端の間には、ガス冷媒温度センサ(84)が取り付けられている。ガス冷媒温度センサ(84)は、空調用回路(80)における空調用熱交換器(81)とガス側端の間を流れる冷媒の温度を示す物理量として、空調用回路(80)を構成する配管の温度を計測する。空調用熱交換器(81)を構成する伝熱管には、熱交換器温度センサ(85)が取り付けられている。熱交換器温度センサ(85)は、空調用熱交換器(81)の伝熱管内で相変化しつつある冷媒の温度(即ち、蒸発温度や凝縮温度)を示す物理量として、伝熱管の温度を計測する。
空調ユニット(12)には、空調用ファン(83)と室内温度センサ(86)とが設けられている。空調用ファン(83)は、売り場等の室内空気を空調用熱交換器(81)へ供給する。室内温度センサ(86)は、空調用ファン(83)によって空調用熱交換器(81)へ送られる室内空気の温度を計測する。
〈冷蔵ユニット、冷蔵用回路〉
冷蔵用回路(90)は、その液側端が第2液側連絡配管(23)を介して室外回路(30)の第2液側閉鎖弁(57)に、そのガス側端が第2ガス側連絡配管(24)を介して室外回路(30)の第2ガス側閉鎖弁(58)に、それぞれ接続されている。冷蔵用回路(90)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷蔵用電磁弁(93)と、冷蔵用膨張弁(92)と、冷蔵用熱交換器(91)とが設けられている。冷蔵用膨張弁(92)は、感温筒を備えた温度自動膨張弁である。冷蔵用熱交換器(91)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を冷蔵ショーケースの庫内空気と熱交換させる。
冷蔵ユニット(13)には、冷蔵用ファン(94)と冷蔵用庫内温度センサ(95)とが設けられている。冷蔵用ファン(94)は、冷蔵ショーケースの庫内空気を冷蔵用熱交換器(91)へ供給する。冷蔵用庫内温度センサ(95)は、冷蔵用ファン(94)によって冷蔵用熱交換器(91)へ送られる庫内空気の温度を計測する。
〈冷凍ユニット、冷凍用回路〉
冷凍用回路(100)は、その液側端が第2液側連絡配管(23)を介して室外回路(30)の第2液側閉鎖弁(57)に、そのガス側端が配管を介してブースタ回路(110)に、それぞれ接続されている。冷凍用回路(100)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷凍用電磁弁(103)と、冷凍用膨張弁(102)と、冷凍用熱交換器(101)とが設けられている。冷凍用膨張弁(102)は、感温筒を備えた温度自動膨張弁である。冷凍用熱交換器(101)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を冷凍ショーケースの庫内空気と熱交換させる。
冷凍ユニット(14)には、冷凍用ファン(104)と冷凍用庫内温度センサ(105)とが設けられている。冷凍用ファン(104)は、冷凍ショーケースの庫内空気を冷凍用熱交換器(101)へ供給する。冷凍用庫内温度センサ(105)は、冷凍用ファン(104)によって冷凍用熱交換器(101)へ送られる庫内空気の温度を計測する。
〈ブースタユニット、ブースタ回路〉
ブースタ回路(110)は、その一端が配管を介して冷凍用回路(100)のガス側端に、その他端が第2ガス側連絡配管(24)を介して室外回路(30)の第2ガス側閉鎖弁(58)に、それぞれ接続されている。ブースタ回路(110)には、その一端から他端へ向かって順に、ブースタ圧縮機(111)と、油分離器(112)と、逆止弁(CV14)とが設けられている。
ブースタ圧縮機(111)は、全密閉型のスクロール圧縮機である。ブースタ圧縮機(111)の電動機は、図外のインバータから供給された交流によって駆動される。インバータの出力周波数を変更すると、ブースタ圧縮機(111)の電動機の回転速度が変化し、ブースタ圧縮機(111)の運転容量が変化する。逆止弁(CV14)は、ブースタ圧縮機(111)から第2ガス側連絡配管(24)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向の冷媒の流通を阻止する。
ブースタ回路(110)には、油戻し配管(113)と、バイパス配管(114)とが設けられている。油戻し配管(113)は、その一端が油分離器(112)に接続され、その他端がブースタ回路(110)におけるブースタ圧縮機(111)の上流側に接続されている。この油戻し管2には、キャピラリチューブ(115)が設けられている。バイパス配管(114)は、その一端がブースタ回路(110)におけるブースタ圧縮機(111)の上流側に、その他端がブースタ回路(110)における油分離器(112)と逆止弁(CV14)の間に接続されている。バイパス配管(114)には、逆止弁(CV15)が設けられている。この逆止弁(CV15)は、バイパス配管(114)の一端から他端へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向の冷媒の流通を阻止する。
〈コントローラ〉
コントローラ(200)は、上述した各センサ(70〜78)の検出値を受信し、それらに基づいて冷凍装置(10)の運転を制御する。
例えば、コントローラ(200)において、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度調整は、各吐出管温度センサ(74a,74b,74c)の検出値に基づいて行われる。つまり、コントローラ(200)は、各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の温度を制御用物理量として用い、その実測値である各吐出管温度センサ(74a,74b,74c)の検出値が所定の制御目標値となるように、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を調節する。
具体的に、コントローラ(200)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の温度を第1の制御用物理量として用い、第1吐出管温度センサ(74a)の検出値が所定の温度範囲になるように第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。また、コントローラ(200)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出冷媒の温度を第2の制御用物理量として用い、第2吐出管温度センサ(74b)の検出値が所定の温度範囲になるように第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。また、コントローラ(200)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出冷媒の温度を第3の制御用物理量として用い、第3吐出管温度センサ(74c)の検出値が所定の温度範囲になるように第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。
圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の温度(即ち、吐出管温度センサ(74a,74b,74c)の検出値)が所定の温度範囲を上回っている場合、コントローラ(200)は、その圧縮機(40a,40b,40c)に対応するインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を拡大し、その圧縮機(40a,40b,40c)に対する中間圧冷媒の供給量を増加させることによって、その圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の温度を低下させる。
一方、圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の温度が所定の温度範囲を下回っている場合、コントローラ(200)は、その圧縮機(40a,40b,40c)に対応するインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を縮小し、その圧縮機(40a,40b,40c)に対する中間圧冷媒の供給量を減少させることによって、その圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の温度を上昇させる。
ここで、可変容量圧縮機(40a)は、その運転周波数(即ち、その電動機へ供給される交流の周波数)が可変となっているため、吐出冷媒の温度が所定の温度範囲よりも低くなりやすい。これは、可変容量圧縮機(40a)の運転周波数を低くすると、圧縮途中の圧縮室が第1インジェクション用管路(62a)と連通する時間が長くなり、第1インジェクション用管路(62a)から圧縮室へ流入する中間圧冷媒の量が多くなるからである。
したがって、可変容量圧縮機(40a)の運転容量を小さくしたとき(即ち、その運転周波数を低くしたとき)には、吐出冷媒の温度が下がるので、この温度変化に応じて第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を小さくする。これにより、多量の中間圧冷媒が可変容量圧縮機(40a)の圧縮途中の圧縮室へ流入するのを抑えている。
また、図6に示すように、コントローラ(200)は、目標設定部(205)と、調整部(210)と、時間設定部(215)とを備えている。目標設定部(205)、調整部(210)、及び時間設定部(215)の詳細については、後述する。
このコントローラ(200)は、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を個別に制御する開度制御部を構成している。そして、コントローラ(200)は、インジェクション回路(60)に設けられたインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)と共に流量調節機構(250)を構成している。
−運転動作−
冷凍装置(10)の運転動作について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、様々な運転を行う。ここでは、冷凍装置(10)において行われる運転のうち、冷房運転、通常暖房運転、及び熱回収暖房運転について説明する。なお、後述するように、冷房運転、通常暖房運転、及び熱回収暖房運転の何れにおいても、冷蔵ユニット(13)及び冷凍ユニット(14)では庫内空気の冷却が行われる。
〈冷房運転〉
冷凍装置(10)の冷房運転について、図2を参照しながら説明する。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(20)では。室外熱交換器(44)が凝縮器(即ち、放熱器)として動作し、空調用熱交換器(81)、冷蔵用熱交換器(91)、及び冷凍用熱交換器(101)が蒸発器として動作する。第2蒸発器として動作する空調用熱交換器(81)では、冷媒の蒸発温度が例えば5℃に設定される。第1蒸発器として動作する冷蔵用熱交換器(91)では、冷媒の蒸発温度が例えば−5℃に設定される。冷凍用熱交換器(101)では、冷媒の蒸発温度が例えば−20℃に設定される。
冷房運転では、第1四方切換弁(41)及び第2四方切換弁(42)が第1状態に設定される。第3四方切換弁(43)は、第2ガス側連絡配管(24)から室外回路(30)へ流入した冷媒を第1固定容量圧縮機(40b)に吸入させる場合は第1状態に設定され、第1ガス側連絡配管(22)から室外回路(30)へ流入した冷媒を第1固定容量圧縮機(40b)に吸入させる場合は第2状態に設定される。ここでは、第3四方切換弁(43)が第1状態に設定されている場合を例に説明する。
また、冷房運転では、室外膨張弁(45)が全閉状態に設定され、空調用膨張弁(82)、過冷却用膨張弁(63)、第1インジェクション用電動弁(64a)、第2インジェクション用電動弁(64b)、及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が適宜調節される。コントローラ(200)は、空調用膨張弁(82)、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)、及び過冷却用膨張弁(63)の開度調節を行う。更に、冷房運転では、電磁弁(SV1)が開放され、電磁弁(SV2)が閉鎖される。
可変容量圧縮機(40a)、第1固定容量圧縮機(40b)、及び第2固定容量圧縮機(40c)から吐出配管(50)へ吐出された高圧冷媒は、第1四方切換弁(41)を通って室外熱交換器(44)へ流入し、室外ファン(79)によって供給された室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(44)から流出した高圧冷媒は、レシーバ(46)を通過して第2接続配管(32)へ流入する。その後、第2接続配管(32)を流れる冷媒は、その一部が第4接続配管(34)を通って第1液側連絡配管(21)へ流入し、残りが過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)へ流入する。過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)へ流入した冷媒は、その第2流路(67)を流れる中間圧冷媒によって冷却されてその過冷却度が大きくなる。過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)から流出して第2接続配管(32)を流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(60)へ流入し、残りが第2液側連絡配管(23)へ流入する。
第1液側連絡配管(21)へ流入した高圧冷媒は、空調用膨張弁(82)を通過する際に減圧されてから空調用熱交換器(81)へ流入し、空調用ファン(83)によって供給された室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(12)は、空調用熱交換器(81)において冷却された空気を室内へ供給する。空調用熱交換器(81)から流出した冷媒は、第1ガス側連絡配管(22)を通って室外回路(30)へ流入し、その後に第1四方切換弁(41)と第2四方切換弁(42)を順に通過してから第3吸入配管(53)へ流入する。第3吸入配管(53)へ流入した冷媒は、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される。第2固定容量圧縮機(40c)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出配管(50)へ吐出する。
第2液側連絡配管(23)へ流入した高圧冷媒は、その一部が冷蔵用回路(90)へ流入し、残りが冷凍用回路(100)へ流入する。
冷蔵用回路(90)へ流入した冷媒は、冷蔵用膨張弁(92)を通過する際に減圧されてから冷蔵用熱交換器(91)へ流入し、冷蔵用ファン(94)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発する。冷蔵ユニット(13)は、冷蔵用熱交換器(91)において冷却された空気を冷蔵ショーケースの庫内へ供給する。冷蔵用熱交換器(91)から流出した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)へ流入する。
冷凍用回路(100)へ流入した冷媒は、冷凍用膨張弁(102)を通過する際に減圧されてから冷凍用熱交換器(101)へ流入し、冷凍用ファン(104)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発する。冷凍ユニット(14)は、冷凍用熱交換器(101)において冷却された空気を冷凍ショーケースの庫内へ供給する。冷凍用熱交換器(101)から流出した冷媒は、ブースタ回路(110)へ流入してブースタ圧縮機(111)に吸入される。ブースタ圧縮機(111)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。ブースタ圧縮機(111)から吐出された冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)へ流入し、冷蔵用回路(90)から流出した冷媒と合流する。
第2ガス側連絡配管(24)を流れる冷媒は、室外回路(30)の第1吸入配管(51)へ流入する。第1吸入配管(51)を流れる冷媒は、その一部が可変容量圧縮機(40a)へ吸入され、残りが第3四方切換弁(43)と第2吸入配管(52)を順に通過して第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される。可変容量圧縮機(40a)と第1固定容量圧縮機(40b)は、何れも吸入した冷媒を圧縮してから吐出配管(50)へ吐出する。
インジェクション回路(60)へ流入した高圧液冷媒は、過冷却用膨張弁(63)を通過する際に減圧されて気液二相状態の中間圧冷媒となる。この中間圧冷媒は、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)へ流入し、その第1流路(66)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。過冷却用熱交換器(65)から流出した中間圧冷媒は、主インジェクション管路(61)を通過して三つのインジェクション用管路(62a,62b,62c)へ分かれて流入し、その後に各圧縮機(40a,40b,40c)における圧縮途中の圧縮室へ流入する。
ところで、各圧縮機(40a,40b,40c)では、そのケーシング内に冷凍機油が貯留されており、この冷凍機油が圧縮機構の潤滑に利用される。圧縮機構の潤滑に利用された冷凍機油は、その一部が圧縮後の高圧冷媒と共に圧縮機(40a,40b,40c)から吐出される。
可変容量圧縮機(40a)から吐出された冷媒(吐出冷媒)に含まれる冷凍機油は、油分離器(47a)においてガス冷媒から分離される。第1固定容量圧縮機(40b)から吐出された冷媒(吐出冷媒)に含まれる冷凍機油は、油分離器(47b)においてガス冷媒から分離される。第2固定容量圧縮機(40c)から吐出された冷媒(吐出冷媒)に含まれる冷凍機油は、油分離器(47c)においてガス冷媒から分離される。
各油分離器(47a,47b,47c)において吐出冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し配管(54)を通って主インジェクション管路(61)へ流入する。主インジェクション管路(61)へ流入した冷凍機油は、中間圧冷媒と共に三つのインジェクション用管路(62a,62b,62c)へ分かれて流入し、その後に各圧縮機(40a,40b,40c)における圧縮途中の圧縮室へ流入する。
本実施形態の冷凍装置(10)は、図2に示す第1モードの冷房運転と、図3に示す第2モードの冷房運転とを実行可能である。
第1モードの冷房運転では、第3四方切換弁(43)が第1状態に設定される(図2を参照)。上述したように、第1モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)が第1吸入配管(51)を流れる低圧冷媒を吸入し、第2固定容量圧縮機(40c)が第3吸入配管(53)を流れる低圧冷媒を吸入する。つまり、第1モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第2固定容量圧縮機(40c)が空調用熱交換器(81)において蒸発した冷媒を吸入する。
第2モードの冷房運転では、第3四方切換弁(43)が第2状態に設定される(図3を参照)。第2モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)が第1吸入配管(51)を流れる低圧冷媒を吸入し、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)が第3吸入配管(53)を流れる低圧冷媒を吸入する。つまり、第2モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)が空調用熱交換器(81)において蒸発した冷媒を吸入する。
〈通常暖房運転〉
冷凍装置(10)の通常暖房運転について、図4を参照しながら説明する。
通常暖房運転中の冷媒回路(20)では、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。その際、通常暖房回路では。空調用熱交換器(81)が凝縮器(即ち、放熱器)として動作し、室外熱交換器(44)、冷蔵用熱交換器(91)、及び冷凍用熱交換器(101)が蒸発器として動作する。第2蒸発器として動作する室外熱交換器(44)では、冷媒の蒸発温度が例えば0℃に設定される。第1蒸発器として動作する冷蔵用熱交換器(91)では、冷媒の蒸発温度が例えば−5℃に設定される。冷凍用熱交換器(101)では、冷媒の蒸発温度が例えば−20℃に設定される。なお、室外熱交換器(44)における冷媒の蒸発温度は、室外の気温に応じて変化する。このため、室外の気温が氷点下となる厳冬期には、室外熱交換器(44)における冷媒の蒸発温度が例えば−10℃に設定されることも有り得る。
具体的に、通常暖房運転では、第1四方切換弁(41)が第2状態に設定され、第2四方切換弁(42)が第1状態に設定される。ここでは、第3四方切換弁(43)が第1状態に設定されている場合を例に説明する。
また、通常暖房運転では、室外膨張弁(45)、空調用膨張弁(82)、過冷却用膨張弁(63)、第1インジェクション用電動弁(64a)、第2インジェクション用電動弁(64b)、及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が適宜調節される。コントローラ(200)では、膨張弁制御部(201)が室外膨張弁(45)の開度調節を行い、吐出温度制御部(203)が各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度調節を行い、過冷却制御部(204)が過冷却用膨張弁(63)の開度調節を行う。更に、通常暖房運転では、両方の電磁弁(SV1,SV2)が閉鎖される。
可変容量圧縮機(40a)、第1固定容量圧縮機(40b)、及び第2固定容量圧縮機(40c)から吐出配管(50)へ吐出された高圧冷媒は、第1四方切換弁(41)を通過後に第1ガス側閉鎖弁(56)を通って空調用熱交換器(81)へ流入し、空調用ファン(83)によって供給された室内空気へ放熱して凝縮する。空調ユニット(12)は、空調用熱交換器(81)において加熱された空気を室内へ供給する。
空調用熱交換器(81)から流出した冷媒は、空調用膨張弁(82)を通過後に第1液側連絡配管(21)を通って室外回路(30)へ流入し、その後に第3接続配管(33)を通ってレシーバ(46)へ流入する。レシーバ(46)から第2接続配管(32)へ流出した冷媒は、過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)へ流入し、その第2流路(67)を流れる中間圧冷媒によって冷却されてその過冷却度が大きくなる。過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)から流出した冷媒は、その一部が第5接続配管(35)へ流入し、残りが第2接続配管(32)を流れ続ける。また、第2接続配管(32)を第2液側閉鎖弁(57)へ向かって流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(60)へ流入し、残りが第2液側連絡配管(23)へ流入する。
第5接続配管(35)へ流入した冷媒は、室外膨張弁(45)を通過する際に減圧された後に室外熱交換器(44)へ流入し、室外ファン(79)によって供給された室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)から流出した冷媒は、第1四方切換弁(41)と第2四方切換弁(42)を順に通過してから第3吸入配管(53)へ流入し、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される。第2固定容量圧縮機(40c)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出配管(50)へ吐出する。
第2液側連絡配管(23)へ流入した高圧冷媒は、その一部が冷蔵用回路(90)へ流入し、残りが冷凍用回路(100)へ流入する。冷蔵用回路(90)へ流入した冷媒は、冷房運転中と同様に、冷蔵用膨張弁(92)を通過する際に減圧されてから冷蔵用熱交換器(91)へ流入し、冷蔵用ファン(94)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発し、その後に第2ガス側連絡配管(24)へ流入する。一方、冷凍用回路(100)へ流入した冷媒は、冷房運転中と同様に、冷凍用膨張弁(102)を通過する際に減圧されてから冷凍用熱交換器(101)へ流入し、冷凍用ファン(104)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発し、その後にブースタ圧縮機(111)によって圧縮されてから第2ガス側連絡配管(24)へ流入する。そして、第2ガス側連絡配管(24)を流れる冷媒は、第1モードの冷房運転中と同様に、その一部が可変容量圧縮機(40a)へ吸入され、残りが第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される。可変容量圧縮機(40a)と第1固定容量圧縮機(40b)は、何れも吸入した冷媒を圧縮してから吐出配管(50)へ吐出する。
インジェクション回路(60)へ流入した冷媒は、過冷却用膨張弁(63)を通過する際に減圧されてから過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)へ流入し、その第1流路(66)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。過冷却用熱交換器(65)から流出した中間圧冷媒は、各油分離器(47a,47b,47c)から油戻し配管(54)を通じて供給された冷凍機油と混合され、その後に各圧縮機(40a,40b,40c)における圧縮途中の圧縮室へ流入する。
本実施形態の冷凍装置(10)は、第1モードの暖房運転と、第2モードの暖房運転とを実行可能である。
第1モードの暖房運転では、第3四方切換弁(43)が第1状態に設定される(図4を参照)。上述したように、第1モードの暖房運転では、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)が第1吸入配管(51)を流れる低圧冷媒を吸入し、第2固定容量圧縮機(40c)が第3吸入配管(53)を流れる低圧冷媒を吸入する。つまり、第1モードの暖房運転では、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第2固定容量圧縮機(40c)が室外熱交換器(44)において蒸発した冷媒を吸入する。
第2モードの暖房運転では、第3四方切換弁(43)が第2状態に設定される。第2モードの暖房運転では、可変容量圧縮機(40a)が第1吸入配管(51)を流れる低圧冷媒を吸入し、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)が第3吸入配管(53)を流れる低圧冷媒を吸入する。つまり、第2モードの暖房運転では、可変容量圧縮機(40a)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)が室外熱交換器(44)において蒸発した冷媒を吸入する。
〈熱回収暖房運転〉
冷凍装置(10)の熱回収暖房運転について、図5を参照しながら説明する。
熱回収暖房運転中の冷媒回路(20)では、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。その際、熱回収暖房運転では、空調用熱交換器(81)が凝縮器(即ち、放熱器)として動作し、冷蔵用熱交換器(91)、及び冷凍用熱交換器(101)が蒸発器として動作し、室外熱交換器(44)が休止する。熱回収運転では、室外熱交換器(44)が休止するため、室外ファン(79)が停止する。また、熱回収暖房運転中には、第2固定容量圧縮機(40c)が停止する。
具体的に、熱回収暖房運転では、第1四方切換弁(41)が第2状態に設定され、第2四方切換弁(42)が第1状態に設定され、第3四方切換弁(43)が第1状態に設定される。
また、通常暖房運転では、室外膨張弁(45)が全閉状態に設定され、空調用膨張弁(82)、過冷却用膨張弁(63)、第1インジェクション用電動弁(64a)、第2インジェクション用電動弁(64b)、及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が適宜調節される。更に、熱回収暖房運転では、両方の電磁弁(SV1,SV2)が閉鎖される。
可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)から吐出配管(50)へ吐出された高圧冷媒は、第1四方切換弁(41)を通過後に第1ガス側閉鎖弁(56)を通って空調用熱交換器(81)へ流入し、空調用ファン(83)によって供給された室内空気へ放熱して凝縮する。空調ユニット(12)は、空調用熱交換器(81)において加熱された空気を室内へ供給する。空調用熱交換器(81)から流出した冷媒は、空調用膨張弁(82)を通過後に第1液側連絡配管(21)を通って室外回路(30)へ流入し、その後に第3接続配管(33)を通ってレシーバ(46)へ流入する。
レシーバ(46)から第2接続配管(32)へ流出した冷媒は、過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)へ流入し、その第2流路(67)を流れる中間圧冷媒によって冷却されてその過冷却度が大きくなる。過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)から流出した冷媒は、その一部がインジェクション回路(60)へ流入し、残りが第2液側連絡配管(23)へ流入する。
第2液側連絡配管(23)へ流入した高圧冷媒は、その一部が冷蔵用回路(90)へ流入し、残りが冷凍用回路(100)へ流入する。冷蔵用回路(90)へ流入した冷媒は、冷房運転中と同様に、冷蔵用膨張弁(92)を通過する際に減圧されてから冷蔵用熱交換器(91)へ流入し、冷蔵用ファン(94)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発し、その後に第2ガス側連絡配管(24)へ流入する。一方、冷凍用回路(100)へ流入した冷媒は、冷房運転中と同様に、冷凍用膨張弁(102)を通過する際に減圧されてから冷凍用熱交換器(101)へ流入し、冷凍用ファン(104)によって供給された庫内空気から吸熱して蒸発し、その後にブースタ圧縮機(111)によって圧縮されてから第2ガス側連絡配管(24)へ流入する。そして、第2ガス側連絡配管(24)を流れる冷媒は、冷房運転中と同様に、その一部が可変容量圧縮機(40a)へ吸入され、残りが第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される。可変容量圧縮機(40a)と第1固定容量圧縮機(40b)は、何れも吸入した冷媒を圧縮してから吐出配管(50)へ吐出する。
インジェクション回路(60)へ流入した冷媒は、過冷却用膨張弁(63)を通過する際に減圧されてから過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)へ流入し、その第1流路(66)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。過冷却用熱交換器(65)から流出した中間圧冷媒は、第1及び第2油分離器(47a,47b)から油戻し配管(54)を通じて供給された冷凍機油と混合され、その後に第1及び第2圧縮機(40a,40b)における圧縮途中の圧縮室へ流入する。
−コントローラの制御動作−
上述したように、コントローラ(200)には、目標設定部(205)と調整部(210)と時間設定部(215)とが設けられている(図6を参照)。
目標設定部(205)は、各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出温度の目標値である吐出温度目標値を設定する。この目標設定部(205)は、第1設定部(206)と第2設定部(207)とを備えている。
第1設定部(206)は、第1吸入配管(51)の圧力(即ち、第1低圧センサ(71)の検出値)と第3吸入配管(53)の圧力(即ち、第2低圧センサ(72)の検出値)とを比較し、第1吸入配管(51)と第3吸入配管(53)のうち圧力が低い方から冷媒を吸入する圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒温度の目標値(吐出温度目標値)を、通常動作中における通常目標値Tdmよりも高い値に設定する。第1設定部(206)は、この動作を油分配用動作として行う。
第2設定部(207)は、第1吸入配管(51)の圧力(即ち、第1低圧センサ(71)の検出値)と第3吸入配管(53)の圧力(即ち、第2低圧センサ(72)の検出値)とを比較し、第1吸入配管(51)と第3吸入配管(53)のうち圧力が高い方から冷媒を吸入する圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒温度の目標値(吐出温度目標値)を、通常動作中における通常目標値Tdmよりも低い値に設定する。第2設定部(207)は、この動作を油分配用動作として行う。
調整部(210)は、各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出温度が目標設定部(205)で設定された吐出温度目標値となるように、各圧縮機(40a,40b,40c)に対応するインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を調整する。
時間設定部(215)は、油分配用動作の継続時間を設定するものである。図7に示すように、時間設定部(215)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と第2低圧センサ(72)の検出値LP2との差の絶対値である圧力差ΔLPが大きくなるほど、油分配用動作の継続時間を長く設定する。
時間設定部(215)は、判定パラメータFを「0」と「1」とに交互に設定する。判定パラメータF=0の場合、コントローラ(200)は、圧縮機(40a,40b,40c)の吐出温度目標値を通常目標値Tdmに設定する通常動作を行う。一方、判定パラメータF=1の場合、コントローラ(200)は、圧縮機(40a,40b,40c)の吐出温度目標値を通常目標値Tdmとは異なる値に設定する油分配用動作を行う。
図7における制御周期は、時間設定部(215)が判定パラメータFを「0」と「1」とに切り換える周期である。例えば、1.5≦ΔLP<2.25の場合、時間設定部(215)は、(10−1.5)×t1 秒間に亘って判定パラメータF=0とし、続いて1.5×t1 秒間に亘って判定パラメータF=1とし、その後に再び判定パラメータF=0とする動作を行う。図7における「t1」の値は、例えば「120」に設定される。
次に、図8から図10の制御フロー図を参照しながら、コントローラ(200)が行う各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度制御動作について説明する。
〈第1インジェクション用電動弁の開度制御〉
図8は、コントローラ(200)が第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を制御する動作を示す制御フロー図である。
ステップST1では、第1条件及び第2条件の少なくとも1つが成立しているか否かが判定される。ここで、第1条件は、第1吐出管温度センサ(74a)及び高圧センサ(70)の検出値を用いて算出された吐出過熱度Tdsh1が所定の吐出過熱度上限値Tdshsより小さく(Tdsh1<Tdshs)、且つ第1吐出管温度センサ(74a)の検出値Td1が通常目標値Tdmよりも低い値に設定された吐出温度下限値Tdminよりもさらに低く(Td1<Tdmin)、且つインジェクション管温度センサ(77)及び中間圧センサ(73)の検出値を用いて算出された中間冷媒過熱度Tgshが所定の中間過熱度上限値Tgshmよりも小さい(Tgsh<Tgshm)という条件である。
この第1条件は、可変容量圧縮機(40a)が異常な湿り運転(即ち、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の湿り度が高くなり過ぎる運転)に陥っているか否かを判定するための条件である。ここで、吐出過熱度上限値Tdshsは、可変容量圧縮機(40a)が異常な湿り運転に陥らない範囲で設定される。また、吐出温度下限値Tdminは、第1吐出管温度センサ(74a)の検出値Td1が吐出温度下限値Tdminを下回ると、可変容量圧縮機(40a)が異常な湿り運転に陥っていると判定できるような値に設定されている。
第2条件は、第1吐出管温度センサ(74a)の検出値Td1が通常目標値Tdmよりも高い値に設定された吐出温度上限値Tdmaxよりもさらに高い(Td1>Tdmax)という条件である。
この第2条件は、可変容量圧縮機(40a)が異常な過熱運転(即ち、可変容量圧縮機(40a)から吐出される冷媒の過熱度が高くなり過ぎる運転)に陥っているか否かを判定するための条件となる。ここで、吐出温度上限値Tdmaxは、第1吐出管温度センサ(74a)の検出値Td1が吐出温度上限値Tdmaxを超えると、可変容量圧縮機(40a)が異常な過熱運転に陥っていると判定できるような値に設定されている。
ステップST1において、第1条件と第2条件の少なくとも一方が成立していれば、可変容量圧縮機(40a)が異常な湿り運転又は異常な湿り運転を起こしていると判定され、ステップST2へ移る。
ステップST2では、第2条件が成立しているか否かが判定される。第2条件が成立していればステップST3へ移る。ステップST3では、現在の第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsに基づいて、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値の変更量dplsが演算される。ここで、現在の開度値EV3plsが大きければ、その変更量dplsも大きくなり、現在の開度値EV3plsが小さければ、その変更量dplsも小さくなる。次に、ステップST9では、現在の第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsにステップST3で演算された変更量dplsを加えた値が、新たな開度値EV3plsとして設定される。その結果、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が大きくなり、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量が増加し、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の過熱度が小さくなる。その結果、可変容量圧縮機(40a)の異常な過熱運転の継続が回避される。
一方、ステップST2において第2条件が成立していなければ、ステップST4へ移る。ステップST4では、現在の第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsに基づいて、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値の変更量dplsが演算される。ここで、現在の開度値EV3plsが大きければ、その変更量dplsも大きくなり、現在の開度値EV3plsが小さければ、その変更量dplsも小さくなる。次に、ステップST9では、現在の第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsからステップST4で演算された変更量dplsを差し引いた値が、新たな開度値EV3plsとして設定される。その結果、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が小さくなり、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量が減少し、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の過熱度が大きくなる。その結果、可変容量圧縮機(40a)の異常な湿り運転の継続が回避される。
一方、ステップST1において、第1条件と第2条件の両方が成立していなければ、可変容量圧縮機(40a)の運転が異常な湿り運転と異常な湿り運転のどちらでもない正常な運転であると判定され、ステップST5へ移る。
ステップST5では、第1吸入配管(51)に接続する可変容量圧縮機(40a)と第3吸入配管(53)に接続する第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中であるという条件と、判定パラメータFが「1」である(F=1)という条件との成否が判定される。これら2つの条件が成立していればステップST6へ移り、そうでなければステップST7へ移る。
ステップST6では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1(即ち、第1吸入配管(51)の圧力の実測値)と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2(即ち、第3吸入配管(53)の圧力の実測値)との比較が行われる。そして、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以下(LP1≦LP2)であれば、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも高い値Tdm+ΔTに設定される。また、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2より大きければ(LP1>LP2)、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも低い値Tdm−ΔTに設定される。一方、ステップST7では、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値が通常目標値Tdmに設定される。
このように、ステップST6では、LP1≦LP2であることが判定条件となっている。そして、ステップST6では、この判定条件が成立する場合(LP1≦LP2である場合)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも高い値に設定され、この判定条件が成立しない場合(LP1>LP2である場合)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも低い値に設定される。
なお、ステップST6では、LP1<LP2であることが判定条件となっていてもよい。
この場合、ステップST6では、この判定条件が成立する場合(LP1<LP2である場合)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも高い値に設定され、この判定条件が成立しない場合(LP1≧LP2である場合)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも低い値に設定される。
次に、ステップST8では、第1吐出管温度センサ(74a)の検出値Td1と、ステップST6またはステップST7において設定された可変容量圧縮機(40a)の吐出温度目標値aとの差(Td1−a)に基づいて、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値の変更量dplsが演算される。尚、この差(Td1−a)が小さくなるほど、変更量dplsは小さくなる。
次に、ステップST9では、現在の第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsにステップST8で演算された変更量dplsを加えた値が、新たな開度値EV3plsとして設定される。そして、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が、この新たな開度値EV3plsに設定される。
ステップST9では、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度値EV3plsに下限値が設定されている。したがって、第1インジェクション用電動弁(64a)が全閉となることはない。本実施形態では、開度値EV3plsの下限値が「43」に設定されている。尚、第1インジェクション用電動弁(64a)が全開になった状態における開度値EV3plsの値は「480」である。
このステップST5からステップST9の処理が調整部(210)の制御動作に対応している。この動作により、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度を所定の目標値に保つことができる。また、ステップST5からステップST6を経てステップST9に至る一連の動作が油分配用動作に相当し、ステップST5からステップST7を経てステップST9に至る一連の動作が通常動作に相当する。
ステップST9が終了するとステップST1へ戻り、再びステップST1の判定が行われる。そして、このステップST1からステップST9までの処理が繰り返される。
〈第2インジェクション用電動弁の開度制御〉
図9は、コントローラ(200)が第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を制御する動作を示す制御フロー図である。
第2インジェクション用電動弁(64b)の開度制御動作と、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度制御動作は、一部を除いて同様の制御動作である。両者の違いは、第1インジェクション用電動弁(64a)に対応する可変容量圧縮機(40a)が専ら第1吸入配管(51)から冷媒を吸入するのに対して、第2インジェクション用電動弁(64b)に対応する第1固定容量圧縮機(40b)が第1吸入配管(51)と第3吸入配管(53)の一方から選択的に冷媒を吸入することに起因している。つまり、上述した冷房運転や通常暖房運転において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第1モード中には第1吸入配管(51)から冷媒を吸入し、第2モード中には第3吸入配管(53)から冷媒を吸入する。
図9に示す制御フロー図のステップST10からステップST13までとステップST19は、図8に示す制御フロー図のステップST1からステップST4までとステップST8に相当する。この図9のステップST10からステップST13までとステップST19の動作は、図8のステップST1からステップST4までとステップST8の動作における可変容量圧縮機(40a)、第1吐出管温度センサ(74a)、及び第1インジェクション用電動弁(64a)を、それぞれ第1固定容量圧縮機(40b)、第2吐出管温度センサ(74b)、及び第2インジェクション用電動弁(64b)に置き換えたものである。また、図9に示すステップST14の動作は、図8に示すステップST5の動作と同じである。
図9に示す制御フロー図では、図8のステップST6に代えてステップST15からステップST17が行われる。つまり、ステップST15で第1モード中である(即ち、第1固定容量圧縮機(40b)が第1吸入配管(51)から冷媒を吸入する状態である)と判断されれば、ステップST16へ移り、図8のステップST6と同じ動作が行われる。一方、ステップST15で第1モード中でない(即ち、第1固定容量圧縮機(40b)が第3吸入配管(53)から冷媒を吸入する第2モード中である)と判断されれば、ステップST17へ移る。
ステップST17では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2との比較が行われる。そして、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以下(LP1≦LP2)であれば、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも低い値Tdm−ΔTに設定される。また、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2より大きければ(LP1>LP2)、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも高い値Tdm+ΔTに設定される。
このように、ステップST16及びステップST17では、LP1≦LP2であることが判定条件となっており、この判定条件が成立する場合(LP1≦LP2である場合)と、判定条件が成立しない場合(LP1>LP2である場合)とで、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出温度目標値aが異なる値に設定される。なお、これらステップST16及びステップST17では、LP1<LP2であることを判定条件とし、この判定条件が成立する場合(LP1<LP2である場合)と、判定条件が成立しない場合(LP1≧LP2である場合)とで、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出温度目標値aを異なる値に設定してもよい。
ステップST20では、ステップST12、ステップST13、又はステップST19において算出された第2インジェクション用電動弁(64b)の開度値の変更量dplsが用いられる。このステップST20では、現在の第2インジェクション用電動弁(64b)の開度値EV4plsに変更量dplsを加えた値が、新たな開度値EV4plsとして設定される。そして、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度が、この新たな開度値EV4plsに設定される。
また、ステップST20において、新たな開度値EV4plsの下限値は、第1モード中と第2モード中とで異なる値に設定される。具体的に、判定パラメータF=1で且つ第1モード中であるという条件と、判定パラメータF=0であるという条件の何れか一方が成立する場合は、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度値EV4plsの下限値が「43」に設定される。一方、判定パラメータF=1で且つ第2モード中であるという条件が成立する場合は、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度値EV4plsの下限値が「200」に設定される。
コントローラ(200)が行う第2インジェクション用電動弁(64b)の開度制御動作では、ステップST14からステップST15及びステップST16を経てステップST20に至る一連の動作と、ステップST14からステップST15及びステップST17を経てステップST20に至る一連の動作とが油分配用動作に相当し、ステップST14からステップST18を経てステップST20に至る一連の動作が通常動作に相当する。
〈第3インジェクション用電動弁の開度制御〉
図10は、コントローラ(200)が第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を制御する動作を示す制御フロー図である。
第3インジェクション用電動弁(64c)の開度制御動作と、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度制御動作は、一部を除いて同様の制御動作である。両者の違いは、第1インジェクション用電動弁(64a)に対応する可変容量圧縮機(40a)が専ら第1吸入配管(51)から冷媒を吸入するのに対して、第3インジェクション用電動弁(64c)に対応する第2固定容量圧縮機(40c)が専ら第3吸入配管(53)から冷媒を吸入することに起因している。
図10に示す制御フロー図のステップST21からステップST24までとステップST28は、図8に示す制御フロー図のステップST1からステップST4までとステップST8に相当する。この図10のステップST21からステップST24までとステップST28の動作は、図8のステップST1からステップST4までとステップST8の動作における可変容量圧縮機(40a)、第1吐出管温度センサ(74a)、及び第1インジェクション用電動弁(64a)を、それぞれ第2固定容量圧縮機(40c)、第3吐出管温度センサ(74c)、及び第3インジェクション用電動弁(64c)に置き換えたものである。また、図10に示すステップST25の動作は、図8に示すステップST5の動作と同じである。
また、図10の制御フロー図では、図8のステップST6に代えてステップST26が行われる。
ステップST26では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2との比較が行われる。そして、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以下(LP1≦LP2)であれば、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも低い値Tdm−ΔTに設定される。また、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2より大きければ(LP1>LP2)、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度目標値aが通常目標値Tdmよりも高い値Tdm+ΔTに設定される。
このように、ステップST26では、LP1≦LP2であることが判定条件となっており、この判定条件が成立する場合(LP1≦LP2である場合)と、判定条件が成立しない場合(LP1>LP2である場合)とで、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度目標値aが異なる値に設定される。なお、これらステップST26では、LP1<LP2であることを判定条件とし、この判定条件が成立する場合(LP1<LP2である場合)と、判定条件が成立しない場合(LP1≧LP2である場合)とで、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度目標値aを異なる値に設定してもよい。
ステップST29では、ステップST23、ステップST24、又はステップST28において算出された第3インジェクション用電動弁(64c)の開度値の変更量dplsが用いられる。このステップST29では、現在の第3インジェクション用電動弁(64c)の開度値EV5plsに変更量dplsを加えた値が、新たな開度値EV5plsとして設定される。そして、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が、この新たな開度値EV5plsに設定される。
また、ステップST29において、新たな開度値EV5plsの下限値は、判定パラメータが「1」の場合と「0」の場合とで異なる値に設定される。具体的に、判定パラメータF=0である場合は、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度値EV5plsの下限値が「43」に設定される。一方、判定パラメータF=1である場合は、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度値EV5plsの下限値が「200」に設定される。
コントローラ(200)が行う第3インジェクション用電動弁(64c)の開度制御動作では、ステップST25からステップST26を経てステップST29に至る一連の動作が油分配用動作に相当し、ステップST25からステップST27を経てステップST29に至る一連の動作が通常動作に相当する。
−実施形態1の効果−
本実施形態において、流量調節機構(250)の開度制御部を構成するコントローラ(200)は、油分配用動作を間欠的に実行する。コントローラ(200)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以下(LP1≦LP2)であるという条件を判定条件とし、判定条件が成立する場合と、判定条件が成立しない場合とで、異なる動作を油分配用動作として実行する。
上述したように、判定条件が成立する場合には、可変容量圧縮機(40a)よりも第2固定容量圧縮機(40c)へ冷凍機油が戻りやすい状態になっていると推定できる。そこで、この場合、コントローラ(200)は、第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量を通常動作中よりも増加させ、第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量を通常動作中よりも減少させる動作を、油分配用動作として間欠的に実行する。この油分配用動作中には、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する冷凍機油の流量が通常動作中よりも増加する。従って、判定条件が成立する場合にこの油分配用動作を実行すれば、通常動作中に減少した可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量を回復させることができる。
また、判定条件が成立しない場合には、第2固定容量圧縮機(40c)よりも可変容量圧縮機(40a)へ冷凍機油が戻りやすい状態になっていると推定できる。そこで、コントローラ(200)は、第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量を通常動作中よりも減少させ、第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量を通常動作中よりも増加させる動作を、油分配用動作として間欠的に実行する。この油分配用動作中には、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する冷凍機油の流量が通常動作中よりも増加する。従って、判定条件が成立しない場合にこの油分配用動作を実行すれば、通常動作中に減少した第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量を回復させることができる。
このように、本実施形態によれば、コントローラ(200)が油分配用動作を行うことによって、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができる。従って、本実施形態によれば、可変容量圧縮機(40a)及び第2固定容量圧縮機(40c)の潤滑不良に起因する損傷を未然に回避することができ、冷凍装置(10)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態において、コントローラ(200)は、通常動作中には制御目標値を通常目標値Tdmに設定して第1インジェクション用電動弁(64a)及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する一方、油分配用動作中には制御目標値を通常目標値Tdmと異なる値に設定して第1インジェクション用電動弁(64a)及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。従って、本実施形態によれば、油分配用動作中における第1インジェクション用電動弁(64a)及び第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を通常動作中における値から確実に変化させ、油分配用動作中における第1インジェクション用管路(62a)及び第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量を通常動作中における値から確実に増減させることができる。
また、本実施形態の冷媒回路(20)では、冷房運転と通常暖房運転のそれぞれにおいて、第1モードと第2モードが切り換え可能となっている。例えば、第1モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第2固定容量圧縮機(40c)が空調用熱交換器(81)において蒸発した冷媒を吸入するまた、第2モードの冷房運転では、可変容量圧縮機(40a)が冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒を吸入し、第1固定容量圧縮機(40b)及び第2固定容量圧縮機(40c)が空調用熱交換器(81)において蒸発した冷媒を吸入する。そして、本実施形態のコントローラ(200)は、第2インジェクション用電動弁(64b)についての油分配用動作として、第1モードに適した動作と第2モードに適した動作のどちらかを選択して実行する。従って、本実施形態によれば、冷蔵用熱交換器(91)において蒸発した冷媒と空調用熱交換器(81)において蒸発した冷媒とを選択的に吸入する第1固定容量圧縮機(40b)についても、そこにおける冷凍機油の貯留量を充分に確保することができ、潤滑不足による第1固定容量圧縮機(40b)の損傷を未然に回避することができる。
また、本実施形態のコントローラ(200)は、油分配用動作の継続時間を、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と第2低圧センサ(72)の検出値LP2の差が拡大するほど延長する。従って、本実施形態によれば、可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量と第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量との差が拡大するほど油分配用動作の継続時間を長くすることができ、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方において冷凍機油の貯留量を充分に確保することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、上記実施形態1においてコントローラ(200)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のコントローラ(200)について説明する。
図11に示すように、本実施形態のコントローラ(200)は、電動弁制御部(220)と、中間圧制御部(225)とを備えている。また、電動弁制御部(220)には、判定パラメータ設定部(221)が設けられている。本実施形態では、電動弁制御部(220)が開度制御部を構成している。また、電動弁制御部(220)は、インジェクション回路(60)に設けられたインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)と共に流量調節機構(250)を構成している。
電動弁制御部(220)は、各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の過熱度を制御用物理量として用い、各圧縮機(40a,40b,40c)の吐出冷媒の過熱度(吐出過熱度)が所定の制御目標値となるように、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を個別に調節する。具体的に、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の過熱度を第1吐出管温度センサ(74a)及び高圧センサ(70)の検出値を用いて算出し、算出した吐出過熱度が制御目標値となるように第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。また、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出冷媒の過熱度を第2吐出管温度センサ(74b)及び高圧センサ(70)の検出値を用いて算出し、算出した吐出過熱度が制御目標値となるように第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。また、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出冷媒の過熱度を第3吐出管温度センサ(74c)及び高圧センサ(70)の検出値を用いて算出し、算出した吐出過熱度が制御目標値となるように第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。
更に、電動弁制御部(220)は、対応する圧縮機(40a〜40c)が運転中のインジェクション用電動弁(64a〜64c)の開度を調節し、対応する圧縮機(40a〜40c)が停止中のインジェクション用電動弁(64a〜64c)を全閉に保持する。つまり、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の運転中に第1インジェクション用電動弁(64a)の開度制御動作を行い、可変容量圧縮機(40a)の停止中に第1インジェクション用電動弁(64a)を全閉に保持する。また、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の運転中に第2インジェクション用電動弁(64b)の開度制御動作を行い、第1固定容量圧縮機(40b)の停止中に第2インジェクション用電動弁(64b)を全閉に保持する。また、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の運転中に第3インジェクション用電動弁(64c)の開度制御動作を行い、第2固定容量圧縮機(40c)の停止中に第3インジェクション用電動弁(64c)を全閉に保持する。
判定パラメータ設定部(221)は、判定パラメータFを「0」と「1」とに交互に設定する。具体的に、判定パラメータ設定部(221)は、判定パラメータFを「0」に設定した時点から17分間が経過すると判定パラメータFを「1」に変更し、判定パラメータFを「1」に設定した時点から3分間が経過すると判定パラメータFを「0」に戻す動作を繰り返す。つまり、判定パラメータ設定部(221)は、17分間に亘って判定パラメータFを「0」に保持し、その後の3分間に亘って判定パラメータFを「1」に保持する動作を、繰り返し実行する。
詳細は後述するが、判定パラメータF=0の場合、電動弁制御部(220)は、圧縮機(40a,40b,40c)の吐出過熱度の目標値を通常目標値に設定する通常動作を行う。また、判定パラメータF=1の場合、電動弁制御部(220)は、圧縮機(40a,40b,40c)の吐出過熱度の目標値を通常目標値とは異なる値に設定する油分配用動作を行う。
中間圧制御部(225)は、過冷却用膨張弁(63)の開度制御動作を行う。この中間圧制御部(225)は、中間圧センサ(73)の検出値MPに基づいて過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する動作と、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)から流出する中間圧冷媒の過熱度SHmに基づいて過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する動作とを、選択的に実行する。
−電動弁制御部の制御動作−
コントローラ(200)の電動弁制御部(220)が行う動作について説明する。上述したように、電動弁制御部(220)は、各インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を個別に調節する。なお、以下に示す温度や過熱度の値は、何れも単なる一例である。
〈第1インジェクション用電動弁の開度制御〉
電動弁制御部(220)による第1インジェクション用電動弁(64a)の開度制御について、図12及び図13の制御フロー図を参照しながら説明する。詳細は後述するが、電動弁制御部(220)は、図13の制御フロー図に示すように、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の過熱度を制御用物理量として用い、その過熱度が所定の制御目標値となるように第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。
図12のステップST31において、電動弁制御部(220)は、三つの条件の全てが成立するか否かを判断する。ステップST31の第1条件は、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の過熱度(吐出過熱度Tdsh1)が15℃未満である(Tdsh1<15℃)という条件である。ステップST31の第2条件は、可変容量圧縮機(40a)の吐出冷媒の温度(吐出温度Td1)が60℃未満である(Td1<60℃)という条件である。ステップST31の第3条件は、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)から流出する中間圧冷媒の過熱度SHm が5℃未満である(SHm<5℃)という条件である。なお、この中間圧冷媒の過熱度SHm は、インジェクション管温度センサ(77)及び中間圧センサ(73)の検出値を用いて算出される。
ステップST31において、第1条件と第2条件と第3条件の全てが成立する場合には、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の湿り度が高くなり過ぎていると推定できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST32へ移行し、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を強制的に縮小する。その結果、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量が減少し、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度Td1 が上昇する。
一方、ステップST31において、第1条件と第2条件と第3条件のうちの少なくとも一つが成立していない場合には、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の湿り度はそれ程高くないと推定できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST33へ移行する。
ステップST33において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度Td1 が100℃を上回る(Td1>100℃)という条件の成否を判定する。この条件が成立する場合は、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度Td1 が上昇し過ぎていると判断できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST34へ移行し、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を強制的に拡大する。その結果、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量が増加し、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度Td1 が低下する。
一方、ステップST33において(Td1>100℃)という条件が成立しなければ、可変容量圧縮機(40a)の吐出温度Td1 を強制的に引き下げる必要は無いと判断できるため、ステップST35へ移行する。
ステップST35において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中であるという条件が成立するか否かを判定する。そして、電動弁制御部(220)は、この条件が成立する場合はステップST36へ移行し、図13の制御フロー図に示す油分配用の開度制御を行う。この油分配用の開度制御については、後述する。
一方、このステップST35における上記の条件が成立しない場合は、可変容量圧縮機(40a)が運転中で第2固定容量圧縮機(40c)が停止中であると判断できる。電動弁制御部(220)が第1インジェクション用電動弁(64a)の開度制御を行うのは、可変容量圧縮機(40a)の運転中だけだからである。そして、第2固定容量圧縮機(40c)が停止している場合は、第3インジェクション用電動弁(64c)が全閉されており、油戻し回路(49)から第2固定容量圧縮機(40c)へ冷凍機油は流入しない。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 が所定の目標値(ここでは25℃)となるように、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。
ステップST36において行われる油分配用の開度制御について、図13の制御フロー図を参照しながら説明する。
図13のステップST41において、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1(即ち、第1吸入配管(51)の圧力の実測値)と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2(即ち、第3吸入配管(53)の圧力の実測値)とを比較する。そして、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高い(LP1>LP2)という判定条件の成否を判断する。なお、ステップST41では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以上である(LP1≧LP2)という条件が判定条件となっていてもよい。
ステップST41において判定条件が成立する場合(即ち、LP1>LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST42へ移行する。ステップST42において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST43へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST44へ移行して通常動作を行う。
ステップST44において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh1 が25℃となるように、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。
一方、ステップST43において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値よりも低い「20℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh1 が20℃となるように、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を油分配用動作として実行する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh1 の目標値が通常目標値から引き下げられると、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が通常動作中に比べて拡大され、第1インジェクション用管路(62a)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて増加する。
ステップST41において判定条件が成立しない場合(即ち、LP1≦LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST45へ移行する。ステップST45において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST46へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST47へ移行して通常動作を行う。
ステップST47において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh1 が25℃となるように、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。つまり、電動弁制御部(220)は、ステップST44と同じ動作を行う。
一方、ステップST46において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値よりも高い「30℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh1 が30℃となるように、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を油分配用動作として実行する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh1 の目標値が通常目標値から引き上げられると、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が通常動作中に比べて縮小され、第1インジェクション用管路(62a)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて減少する。
図12の制御フロー図におけるステップST32、ステップST34、ステップST36、又はステップST37の動作が終了すると、電動弁制御部(220)は、再びステップST31に戻る。そして、電動弁制御部(220)は、図12及び図13の制御フロー図に示す動作を、例えば10〜20秒毎に繰り返し実行する。
〈第3インジェクション用電動弁の開度制御〉
電動弁制御部(220)による第3インジェクション用電動弁(64c)の開度制御について、図16及び図17の制御フロー図を参照しながら説明する。詳細は後述するが、電動弁制御部(220)は、図17の制御フロー図に示すように、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出冷媒の過熱度を制御用物理量として用い、その過熱度が所定の制御目標値となるように第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。
図16のステップST81において、電動弁制御部(220)は、図12におけるステップST31と同様の動作を第2固定容量圧縮機(40c)について行う。即ち、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 が15℃未満である(Tdsh3<15℃)という第1条件、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 が60℃未満である(Td3<60℃)という第2条件、および過冷却用熱交換器(65)から流出する中間圧冷媒の過熱度SHm が5℃未満である(SHm<5℃)という第3条件の成否を判定する。
ステップST81において、第1条件と第2条件と第3条件の全てが成立する場合には、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の湿り度が高くなり過ぎていると推定できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST82へ移行し、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を強制的に縮小する。その結果、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する中間圧冷媒の流量が減少し、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 が上昇する。
一方、ステップST81において、第1条件と第2条件と第3条件のうちの少なくとも一つが成立していない場合には、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の湿り度はそれ程高くないと推定できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST83へ移行する。
ステップST83において、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 が100℃を上回る(Td3>100℃)という条件の成否を判定する。この条件が成立する場合は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 が上昇し過ぎていると判断できる。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、ステップST84へ移行し、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を強制的に拡大する。その結果、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する中間圧冷媒の流量が増加し、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 が低下する。
一方、ステップST83において(Td3>100℃)という条件が成立しなければ、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出温度Td3 を強制的に引き下げる必要は無いと判断できるため、ステップST85へ移行する。
ステップST85において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中であるという条件が成立するか否かを判定する。そして、電動弁制御部(220)は、この条件が成立する場合はステップST86へ移行し、図17の制御フロー図に示す油分配用の開度制御を行う。この油分配用の開度制御については、後述する。
一方、このステップST85における上記の条件が成立しない場合は、第2固定容量圧縮機(40c)が運転中で可変容量圧縮機(40a)が停止中であると判断できる。電動弁制御部(220)が第3インジェクション用電動弁(64c)の開度制御を行うのは、第2固定容量圧縮機(40c)の運転中だけだからである。そして、可変容量圧縮機(40a)が停止している場合は、第1インジェクション用電動弁(64a)が全閉されており、油戻し回路(49)から可変容量圧縮機(40a)へ冷凍機油は流入しない。また、第2固定容量圧縮機(40c)の運転容量は、最大容量に固定されている。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、第3インジェクション用電動弁(64c)を全開に設定する。
ステップST86において行われる油分配用の開度制御について、図17の制御フロー図を参照しながら説明する。
図17のステップST91において、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2とを比較する。そして、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高い(LP1>LP2)という判定条件の成否を判断する。なお、ステップST91では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以上である(LP1≧LP2)という条件が判定条件となっていてもよい。
ステップST91において判定条件が成立する場合(即ち、LP1>LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST92へ移行する。ステップST92において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST93へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST94へ移行して通常動作を行う。
ステップST94において、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh3 が25℃となるように、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。
一方、ステップST93において、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値よりも高い「30℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh3 が30℃となるように、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を油分配用動作として実行する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh3 の目標値が通常目標値から引き上げられると、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が通常動作中に比べて縮小され、第3インジェクション用管路(62c)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて減少する。
ステップST91において判定条件が成立しない場合(即ち、LP1≦LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST95へ移行する。ステップST95において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST96へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST97へ移行して通常動作を行う。
ステップST97において、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh3 が25℃となるように、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。つまり、電動弁制御部(220)は、ステップST94と同じ動作を行う。
一方、ステップST96において、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値よりも低い「20℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh3 が20℃となるように、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を油分配用動作として実行する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh3 の目標値が通常目標値から引き下げられると、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が通常動作中に比べて拡大され、第3インジェクション用管路(62c)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて増加する。
図16の制御フロー図におけるステップST82、ステップST84、ステップST86、又はステップST87の動作が終了すると、電動弁制御部(220)は、再びステップST81に戻る。そして、電動弁制御部(220)は、図16及び図17の制御フロー図に示す動作を、例えば10〜20秒毎に繰り返し実行する。
〈第2インジェクション用電動弁の開度制御〉
電動弁制御部(220)による第2インジェクション用電動弁(64b)の開度制御について、図14及び図15の制御フロー図を参照しながら説明する。詳細は後述するが、電動弁制御部(220)は、図15の制御フロー図に示すように、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出冷媒の過熱度を制御用物理量として用い、その過熱度が所定の制御目標値となるように第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。
図14のステップST51からステップST54までは、図12におけるステップST31からステップST34までに対応する動作である。つまり、ステップST51において、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 とその吐出温度Td2 とを用いて図12のステップST31と同様の動作を行う。また、ステップST52において、電動弁制御部(220)は、第2インジェクション用電動弁(64b)を対象として図12のステップST32と同様の動作を行う。また、ステップST53において、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出温度Td2 を用いて図12のステップST33と同様の動作を行う。また、ステップST54において、電動弁制御部(220)は、第2インジェクション用電動弁(64b)を対象として図12のステップST34と同様の動作を行う。
ステップST53における(Td2>100℃)という条件が成立しない場合、電動弁制御部(220)は、ステップST55へ移行する。ステップST55において、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中であるという条件が成立するか否かを判定する。そして、電動弁制御部(220)は、この条件が成立する場合はステップST56へ移行し、図15の制御フロー図に示す油分配用の開度制御を行う。この油分配用の開度制御については、後述する。一方、ステップST55における上記の条件が成立しない場合、電動弁制御部(220)は、ステップST57へ移行し、第2インジェクション用電動弁(64b)を全開に設定する。
ステップST56において行われる油分配用の開度制御について、図15の制御フロー図を参照しながら説明する。
図15のステップST61において、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と、第2低圧センサ(72)の検出値LP2とを比較する。そして、電動弁制御部(220)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高い(LP1>LP2)という判定条件の成否を判断する。なお、ステップST61では、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2以上である(LP1≧LP2)という条件が判定条件となっていてもよい。
ステップST61において判定条件が成立する場合(即ち、LP1>LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST62へ移行する。ステップST62において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST63へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST66へ移行して通常動作を行う。
ステップST66において、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が25℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。
一方、ステップST63において、電動弁制御部(220)は、第1モード中であるか否かの判断を行う。そして、電動弁制御部(220)は、第1モード中である場合はステップST64へ移行し、第1モード中でない場合(即ち、第2モード中である場合)はステップST65へ移行する。
第1モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第1吸入配管(51)から冷媒を吸入する。つまり、第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される冷媒の圧力は、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しくなる。そこで、ステップST64において、電動弁制御部(220)は、図13のステップST43と同様の動作を行う。つまり、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値よりも低い「20℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が20℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh2 の目標値が通常目標値から引き下げられると、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度が通常動作中に比べて拡大され、第2インジェクション用管路(62b)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて増加する。
一方、第2モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第3吸入配管(53)から冷媒を吸入する。つまり、第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される冷媒の圧力は、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しくなる。そこで、ステップST65において、電動弁制御部(220)は、図17のステップST93と同様の動作を行う。つまり、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値よりも高い「30℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が30℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh2 の目標値が通常目標値から引き上げられると、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度が通常動作中に比べて縮小され、第2インジェクション用管路(62b)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて減少する。
ステップST61において判定条件が成立しない場合(即ち、LP1≦LP2の場合)、電動弁制御部(220)は、ステップST67へ移行する。ステップST67において、電動弁制御部(220)は、判定パラメータF=1であるか否かを判断する。判定パラメータF=1である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST68へ移行して油分配用動作を行う。一方、判定パラメータF≠1(即ち、F=0)である場合、電動弁制御部(220)は、ステップST71へ移行して通常動作を行う。
ステップST71において、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値である「25℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が25℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。つまり、ステップST71では、電動弁制御部(220)がステップST66と同じ動作を行う。電動弁制御部(220)は、この動作を通常動作として実行する。
一方、ステップST68において、電動弁制御部(220)は、第1モード中であるか否かの判断を行う。そして、電動弁制御部(220)は、第1モード中である場合はステップST69へ移行し、第1モード中でない場合(即ち、第2モード中である場合)はステップST70へ移行する。
第1モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第1吸入配管(51)から冷媒を吸入する。つまり、第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される冷媒の圧力は、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しくなる。そこで、ステップST69において、電動弁制御部(220)は、図13のステップST46と同様の動作を行う。つまり、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値よりも高い「30℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が30℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh2 の目標値が通常目標値から引き上げられると、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度が通常動作中に比べて縮小され、第2インジェクション用管路(62b)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて減少する。
一方、第2モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第3吸入配管(53)から冷媒を吸入する。つまり、第1固定容量圧縮機(40b)へ吸入される冷媒の圧力は、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しくなる。そこで、ステップST70において、電動弁制御部(220)は、図17のステップST96と同様の動作を行う。つまり、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値よりも低い「20℃」に設定し、この吐出過熱度Tdsh2 が20℃となるように、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度を調節する。この油分配用動作によって吐出過熱度Tdsh2 の目標値が通常目標値から引き下げられると、第2インジェクション用電動弁(64b)の開度が通常動作中に比べて拡大され、第2インジェクション用管路(62b)における中間圧冷媒の流量が通常動作中に比べて増加する。
図14の制御フロー図におけるステップST52、ステップST54、ステップST56、又はステップST57の動作が終了すると、電動弁制御部(220)は、再びステップST51に戻る。そして、電動弁制御部(220)は、図14及び図15の制御フロー図に示す動作を、例えば10〜20秒毎に繰り返し実行する。
〈電動弁制御部の油戻し用動作により得られる効果〉
先ず、例えば外気温度が氷点下となる厳冬期に通常暖房運転を行う場合は、室外熱交換器(44)における冷媒の蒸発温度が冷蔵用熱交換器(91)における冷媒蒸発温度よりも低くなる場合があり、このような場合には、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高くなる。つまり、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の圧力が、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の圧力よりも高くなる。このため、可変容量圧縮機(40a)において第1インジェクション用管路(62a)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力が、第2固定容量圧縮機(40c)において第3インジェクション用管路(62c)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力よりも高くなる。また、可変容量圧縮機(40a)における圧縮比が第2固定容量圧縮機(40c)における圧縮比よりも小さくなる。
一方、判定パラメータF=0の場合は、電動弁制御部(220)が通常動作を行う。つまり、この場合、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 が通常目標値(25℃)となるように第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節し(図13のステップST44を参照)、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 が通常目標値(25℃)となるように第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する(図17のステップST94を参照)。このため、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量は、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する中間圧冷媒の流量よりも少なくなる。その結果、通常動作中には、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する冷凍機油の流量が、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する冷凍機油の流量よりも少なくなり、可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量が減少してゆく。
そこで、第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高い状態で通常動作が所定の時間(本実施形態では17分間)に亘って継続すると、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量を増やすために、通常動作を一時的に休止して油分配用動作を実行する。具体的に、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値(25℃)から20℃に引き下げ(図13のステップST43を参照)、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値(25℃)から30℃に引き上げる(図17のステップST93を参照)。
電動弁制御部(220)の判定パラメータ設定部(221)は、判定パラメータFの値を所定の時間(本実施形態では3分間)に亘って「1」に保持する。このため、本実施形態の電動弁制御部(220)は、油分配用動作を3分間に亘って行い、その後に油分配用動作を停止して通常動作を再開する。
可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値が20℃に引き下げられると、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が通常動作中よりも拡大する。一方、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値が30℃に引き上げられると、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が通常動作中よりも縮小する。このため、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ供給される中間圧冷媒と冷凍機油の流量が増加し、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ給される中間圧冷媒と冷凍機油の流量が減少する。その結果、可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量が増加し、第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量も適正値に保たれる。
次に、冷房運転を行う場合は、空調用熱交換器(81)における冷媒の蒸発温度が冷蔵用熱交換器(91)における冷媒蒸発温度よりも高くなるため、第2低圧センサ(72)の検出値LP2が第1低圧センサ(71)の検出値LP1よりも高くなる。つまり、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の圧力が、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の圧力よりも高くなる。このため、第2固定容量圧縮機(40c)において第3インジェクション用管路(62c)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力が、可変容量圧縮機(40a)において第1インジェクション用管路(62a)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力よりも高くなる。また、第2固定容量圧縮機(40c)における圧縮比が可変容量圧縮機(40a)における圧縮比よりも小さくなる。
一方、判定パラメータF=0の場合は、電動弁制御部(220)が通常動作を行う。つまり、この場合、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 が通常目標値(25℃)となるように第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を調節し(図13のステップST47を参照)、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 が通常目標値(25℃)となるように第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を調節する(図17のステップST97を参照)。このため、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する中間圧冷媒の流量は、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する中間圧冷媒の流量よりも少なくなる。その結果、通常動作中には、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ流入する冷凍機油の流量が、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ流入する冷凍機油の流量よりも少なくなり、第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量が減少してゆく。
そこで、第2低圧センサ(72)の検出値LP2が第1低圧センサ(71)の検出値LP1よりも高い状態で通常動作が所定の時間(本実施形態では17分間)に亘って継続すると、電動弁制御部(220)は、第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量を増やすために、通常動作を一時的に休止して油分配用動作を実行する。具体的に、電動弁制御部(220)は、可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値を通常目標値(25℃)から30℃に引き上げ(図13のステップST46を参照)、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値を通常目標値(25℃)から20℃に引き下げる(図17のステップST96を参照)。
可変容量圧縮機(40a)の吐出過熱度Tdsh1 の制御目標値が30℃に引き上げられると、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度が通常動作中よりも縮小する。一方、第2固定容量圧縮機(40c)の吐出過熱度Tdsh3 の制御目標値が20℃に引き下げられると、第3インジェクション用電動弁(64c)の開度が通常動作中よりも拡大する。このため、第3インジェクション用管路(62c)から第2固定容量圧縮機(40c)へ給される中間圧冷媒と冷凍機油の流量が増加し、第1インジェクション用管路(62a)から可変容量圧縮機(40a)へ供給される中間圧冷媒と冷凍機油の流量が減少する。その結果、第2固定容量圧縮機(40c)における冷凍機油の貯留量が増加し、可変容量圧縮機(40a)における冷凍機油の貯留量も適正値に保たれる。
電動弁制御部(220)は、第2インジェクション用電動弁(64b)についての油分配用動作も行う。
第1モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、可変容量圧縮機(40a)と同様に第1吸入配管(51)から冷媒を吸入する。このため、第1モード中に第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高くなっている状態で通常動作を実行すると、第1インジェクション用管路(62a)及び第2インジェクション用管路(62b)における冷媒流量が第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量よりも少なくなり、可変容量圧縮機(40a)及び第1固定容量圧縮機(40b)における冷媒の貯留量が減少してゆく。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値(25℃)から20℃に引き下げる動作(図15のステップST64を参照)を油分配用動作として一時的に実行し、第1固定容量圧縮機(40b)における冷媒の貯留量を増加させる。
また、第1モード中に第2低圧センサ(72)の検出値LP2が第1低圧センサ(71)の検出値LP1よりも高くなっている状態で通常動作を実行すると、第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量が第1インジェクション用管路(62a)及び第2インジェクション用管路(62b)における冷媒流量よりも少なくなり、第2固定容量圧縮機(40c)における冷媒の貯留量が減少してゆく。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値(25℃)から30℃に引き上げる動作(図15のステップST69を参照)を油分配用動作として一時的に実行する。その結果、第2インジェクション用管路(62b)における冷媒流量が減少して第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量が増加し、第2固定容量圧縮機(40c)における冷媒の貯留量が増加する。
一方、第2モード中において、第1固定容量圧縮機(40b)は、第2固定容量圧縮機(40c)と同様に第3吸入配管(53)から冷媒を吸入する。このため、第2モード中に第1低圧センサ(71)の検出値LP1が第2低圧センサ(72)の検出値LP2よりも高くなっている状態で通常動作を実行すると、第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量が第2インジェクション用管路(62b)及び第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量よりも少なくなり、可変容量圧縮機(40a)における冷媒の貯留量が減少してゆく。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値(25℃)から30℃に引き上げる動作(図15のステップST65を参照)を油分配用動作として一時的に実行する。その結果、第2インジェクション用管路(62b)における冷媒流量が減少して第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量が増加し、可変容量圧縮機(40a)における冷媒の貯留量が増加する。
また、第2モード中に第2低圧センサ(72)の検出値LP2が第1低圧センサ(71)の検出値LP1よりも高くなっている状態で通常動作を実行すると、第2インジェクション用管路(62b)及び第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量が第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量よりも少なくなり、第1固定容量圧縮機(40b)における冷媒の貯留量が減少してゆく。そこで、この場合、電動弁制御部(220)は、第1固定容量圧縮機(40b)の吐出過熱度Tdsh2 の制御目標値を通常目標値(25℃)から20℃に引き下げる動作(図15のステップST70を参照)を油分配用動作として一時的に実行する。その結果、第2インジェクション用管路(62b)における冷媒流量が増加し、第1固定容量圧縮機(40b)における冷媒の貯留量が増加する。
−中間圧制御部の制御動作−
コントローラ(200)の中間圧制御部(225)が行う動作について説明する。上述したように、中間圧制御部(225)は、過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する。この中間圧制御部(225)が行う制御動作について、図18の制御フロー図を参照しながら説明する。
ステップST101において、中間圧制御部(225)は、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中であるという条件が成立するか否かを判定する。そして、中間圧制御部(225)は、この条件が成立する場合はステップST102へ移行し、この条件が成立しない場合はステップST103へ移行する。
ステップST102において、中間圧制御部(225)は、中間圧センサ(73)の検出値MP(即ち、主インジェクション管路(61)を流れる中間圧冷媒の圧力の実測値)が所定の目標中間圧MPsとなるように、過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する。
ここで、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方が運転中である状態では、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方へ中間圧冷媒を流入させる必要がある。そのためには、主インジェクション管路(61)を流れる中間圧冷媒の圧力を、可変容量圧縮機(40a)において第1インジェクション用管路(62a)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力と、第2固定容量圧縮機(40c)において第3インジェクション用管路(62c)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力のどちらよりも高い値に設定する必要がある。
一方、可変容量圧縮機(40a)における圧縮途中の圧縮室の圧力は、可変容量圧縮機(40a)へ吸入される冷媒の圧力から推定することができ、第2固定容量圧縮機(40c)における圧縮途中の圧縮室の圧力は、第2固定容量圧縮機(40c)へ吸入される冷媒の圧力から推定することができる。そこで、中間圧制御部(225)は、第1低圧センサ(71)の検出値LP1と第2低圧センサ(72)の検出値LP2とを用いて、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方へ中間圧冷媒を流入させることができるような目標中間圧MPsの値を算出し、その算出した目標中間圧MPsを用いて過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する。従って、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方の運転中には、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の両方に対してインジェクション回路(60)から中間圧冷媒が確実に供給される。
ステップST103において、中間圧制御部(225)は、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)から流出する中間圧冷媒の過熱度SHm が所定の目標値(本実施形態では5℃)となるように、過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する。可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)の一方だけが運転されている状態において、主インジェクション管路(61)を流れる中間圧冷媒の圧力は、可変容量圧縮機(40a)と第2固定容量圧縮機(40c)のうち運転されている方においてインジェクション用管路(62a,62c)に連通する圧縮途中の圧縮室の圧力よりも必ず高くなる。つまり、この状態では、主インジェクション管路(61)を流れる中間圧冷媒の圧力を考慮して過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する必要はない。
そこで、この場合、中間圧制御部(225)は、中間圧冷媒の過熱度SHm が目標値となるように、過冷却用膨張弁(63)の開度を調節する。その結果、過冷却用熱交換器(65)の第2流路(67)へ供給される中間圧冷媒の流量が必要にして十分な値に保たれ、過冷却用熱交換器(65)の第1流路(66)を流れる高圧冷媒を確実に冷却することができる。
《その他の実施形態》
−第1変形例−
上記の各実施形態では、第1インジェクション用電動弁(64a)と第3インジェクション用電動弁(64c)の一方の開度を通常動作中よりも拡大して他方の開度を通常動作中よりも縮小する動作が、油分配用動作として実行される。
これに対し、上記の各実施形態では、第1インジェクション用電動弁(64a)と第3インジェクション用電動弁(64c)の一方の開度だけを通常動作中よりも拡大して他方の開度を通常動作中と同じ値に保つ動作が、油分配用動作として実行されてもよい。例えば、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度だけを拡大して第3インジェクション用電動弁(64c)の開度を通常動作中と同じ値に保つ場合には、第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量が増加し、それに伴って第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量が減少する。
また、上記の各実施形態では、第1インジェクション用電動弁(64a)と第3インジェクション用電動弁(64c)の一方の開度だけを通常動作中よりも縮小して他方の開度を通常動作中と同じ値に保つ動作が、油分配用動作として実行されてもよい。例えば、第1インジェクション用電動弁(64a)の開度を通常動作中と同じ値に保って第3インジェクション用電動弁(64c)の開度だけを縮小する場合には、第3インジェクション用管路(62c)における冷媒流量が減少し、それに伴って第1インジェクション用管路(62a)における冷媒流量が増加する。
−第2変形例−
上記の各実施形態では、各インジェクション用管路(62a〜62c)に開度可変のインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)を設け、インジェクション用電動弁(64a,64b,64c)の開度を調節することによって、各インジェクション用管路(62a〜62c)における冷媒流量を調節している。これに対し、各インジェクション用管路(62a〜62c)に開閉自在の電磁弁を設け、この電磁弁によって各インジェクション用管路(62a〜62c)における冷媒流量を調節してもよい。この場合、各インジェクション用管路(62a〜62c)における冷媒流量は、電磁弁を開状態に保持する時間を変更することによって調整される。つまり、インジェクション用管路(62a〜62c)における冷媒流量を増加させる場合には、電磁弁を開状態に保持する時間を長くする。逆に、インジェクション用管路(62a〜62c)における冷媒流量を減少させる場合には、電磁弁を開状態に保持する時間を短くする。
−第3変形例−
上記の各実施形態では、インジェクション回路(60)の全てのインジェクション用管路(62a,62b,62c)にインジェクション用電動弁(64a,64b,64c)を設けているが、場合によっては、一部のインジェクション用管路だけにインジェクション用電動弁が設けることも可能である。つまり、例えば実施形態2の冷房運転だけを行う場合のように、第1吸入配管(51)と第3吸入配管(53)のどちらの圧力が低いのか予め分かっている場合には、圧力の低い方の吸入配管(51)から冷媒を吸入する圧縮機(40a)に接続するインジェクション用管路(62a)だけにインジェクション用電動弁(64a)を設けてもよい。