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JP2010223363A - マグネシウム合金部材の締結構造 - Google Patents

マグネシウム合金部材の締結構造 Download PDF

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JP2010223363A JP2009072335A JP2009072335A JP2010223363A JP 2010223363 A JP2010223363 A JP 2010223363A JP 2009072335 A JP2009072335 A JP 2009072335A JP 2009072335 A JP2009072335 A JP 2009072335A JP 2010223363 A JP2010223363 A JP 2010223363A
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Abstract

【課題】マグネシウム合金から成る部材とマグネシウムよりも貴な異種金属を主成分とする部材との締結構造において、両部材間を安価に絶縁することができ、湿潤雰囲気下で使用したとしても電食の発生を防止することができるマグネシウム合金部材の締結構造を提供する。
【解決手段】マグネシウム合金から成る部材1とマグネシウムより貴な金属を主成分とする部材2をボルト3により締結するに際し、両部材1,2の締結面間に、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を質量比で0.5〜10%含み、3〜20μmの厚さの絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金部材4を介して締結する。
【選択図】図1

Description

本発明は軽量な金属構造材料であるマグネシウム合金と異種金属との締結構造に係わり、特に異種金属間に生じる電気化学的反応による腐食現象(電食)を防止することができ、種々の金属製品の軽量化を可能にするマグネシウム合金部材の締結構造に関するものである。
アルミニウム合金やマグネシウム合金は、軽量であると同時に構造材料としての強度を持つ材料であるので、例えば、自動車や鉄道など、車両の軽量化による燃費の節減を可能にする構造材料としての有用性が注目され、今後の需要拡大が期待されている。
しかしながら、マグネシウムはイオン化傾向の大きい(卑な)金属元素であることから、イオン化傾向が小さい他の金属材料に組み付けて締結する場合、電食(異種金属接触腐食)によって腐食するという弱点がある。
アルミニウム合金の場合は、アルマイト処理(陽極酸化処理)を施すことによって実用レベルの耐食性を付与することができるが、アルマイト処理は、部材を電源と接続して通電処理する必要があるため、小物のアルミニウム合金部材に適用するには手間とコストが掛かるという難点がある。
マグネシウム合金については、例えば特許文献1に、マグネシウム合金部材のボルト締結構造が開示されている。
この締結構造においては、マグネシウム合金部材の締結部表面にカチオン電着塗装と粉体塗装を施す一方、亜鉛ニッケルめっきをしてコスマー処理を施したボルトを用い、ボルトの頭とマグネシウム合金部材との間にアルマイト処理したアルミニウム製ワッシャーを介装するようにしている。
他方、絶縁性に優れたコーティング剤や塗料の開発も種々進められており、例えば特許文献2には、耐熱性、低熱膨張性、絶縁性、密着性に優れ、ボイドやクラックなどを生じない電子材料絶縁用樹脂組成物が開示されている。
すなわち、この絶縁用樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びメトキシシラン部分縮合物を縮合反応させてなるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含むものである。
特開2002−188616号公報 特開2003−55435号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のマグネシウム合金部材の締結構造においては、アルマイト処理したアルミニウム製ワッシャーを用いていることから、上述のようにアルマイト処理に手間が掛かり、コストの上昇が避けられないという問題がある。
一方、特許文献2に記載されたような樹脂組成物から成る絶縁層をワッシャー表面上に形成することも考えられるが、アルマイト処理を代替するには、絶縁皮膜に耐スクラッチ性や耐磨耗性が必要とされ、上記のような締結構造における電食を防ぐには、充分ではないという問題がある。
本発明は、従来のマグネシウム合金部材の異種金属との締結構造における上記課題に鑑みてなされたものであって、異種金属間を安価に絶縁することができ、湿潤雰囲気下で使用したとしても電食の発生を防止することができるマグネシウム合金部材の締結構造を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的の達成に向けて、鋭意検討を重ねた結果、異種金属から成る両部材の締結面の間に、ナノサイズのアルミナ微粉末を含有するアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂から成る絶縁塗膜を設けることによって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明のマグネシウム合金部材の締結構造は、マグネシウム合金から成る第1の部材とマグネシウムより貴な金属を主成分とする第2の部材の締結構造であって、両部材の締結面の間に、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を質量比で0.5〜10%含み、3〜20μmの厚さの絶縁塗膜を備えていることを特徴とする。
また、同様の締結構造において、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を質量比で0.5〜10%含み、3〜20μmの厚さの絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金部材を介して両部材が締結されていることを特徴としている。
本発明によれば、異種金属から成る両部材の締結面の間に耐傷付性、耐加圧性に優れた絶縁塗膜が介在し、両部材間が絶縁されているので、水などの電解質が両部材間に介在したとしても、局部電池の生成を抑制して、マグネシウム合金部材の電食を防止することができる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造の一実施形態を示す断面図である。 塩水噴霧試験及び複合サイクル腐食試験に用いた電食評価用の締結構造試験片の形状を示す断面図である。 実施例及び比較例の締結構造における複合サイクル腐食試験結果を示すグラフである。
以下、本発明のマグネシウム合金部材の締結構造について、さらに具体的に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り、質量百分率を意味するものとする。
図1は、本発明によるマグネシウム合金部材の締結構造の実施形態の一例を示すものである。当該締結構造は、マグネシウム合金から成る第1の部材1と、Mgよりも貴(標準電極電位が高い)なFeを主成分とする鋼材から成る第2の部材2、鋼製の亜鉛めっきボルト3及びアルミニウム合金部材としてのワッシャー4から構成されている。なお、本発明において「主成分」とは、第2の部材を構成する金属材料中に最も多い含有量を占める成分を言う。
そして、第1及び第2の部材1,2の間にワッシャー4を介在させた状態で、第2の部材2に設けた挿通孔に挿通したボルト3を第1の部材1に形成しためねじ孔に螺着することによって、両部材1,2が締結されている。
上記アルミニウム合金製ワッシャー4には、その少なくとも一方の面、好ましくはその全面に絶縁性塗料の塗膜が3〜20μmの厚さに形成されている。この絶縁性塗料は、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に、平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を0.5〜10質量%含むものである。
ここで、上記絶縁塗膜の厚さを3〜20μmの範囲としたのは、塗膜厚さが3μmに満たない場合は、十分な塗膜強度が得られず、両部材間の絶縁性が不足することがあり、逆に20μmを超える塗膜厚さの場合には、締結部のゆるみという不都合が生じることによる。
本発明において、当該ワッシャー4をアルミニウム合金製としたのは、Alは、実用金属では、Mgに次いで卑な金属であり、マグネシウム合金部材1との間の電位差が小さくなることから、万一絶縁塗膜が破壊したとしても、電食の進行を抑制できることによる。
これと同様の理由により、鋼製ボルトに亜鉛めっきを施しておくことは、好ましい形態である。
本発明の上記締結構造においては、マグネシウム合金製部材1に挿通したボルト3の先端に鋼製ナットを螺着することによって締結することも可能であるが、その場合には、ナットとマグネシウム合金製部材1の間にも同様の塗膜を備えたワッシャー4を用いることが必要となることは言うまでもない。
なお、鋼製ボルト3をマグネシウム合金製部材1に直接螺着する場合、ねじ部において鋼とマグネシウム合金の直接接触が生じることになるが、両者が緊密に螺着されていれば、ねじ部からの水などの浸入はなく、当該部位での電食はほとんど発生しないと考えられる。しかし、両部材の形状や使用環境によっては、ねじ部にシーラントを塗布しておくことが望ましい。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造において、第2の部材としては、上記のような鋼製部材が代表的なものとなるが、第2に部材の材料としては特に限定はなく、鉄製(鋳物など)、銅や銅合金製、亜鉛合金製、Ni基合金製、チタン合金製など種々の金属に適用することができる。
また、マグネシウム合金製部材同士の締結構造(図1において、第2の部材2もマグネシウム合金製)も考えられる。この場合には、鋼製の亜鉛めっきボルト3がMgよりも貴なFeを主成分とする第2の部材ということになり、ボルト3の頭部とマグネシウム合金製部材である部材2(この場合には第1の部材ということになる)との間に、絶縁塗膜を備えたワッシャー4を介在させることが必要となる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造においては、絶縁塗膜を有するワッシャー4に替えて、両部材の締結面の間に、上記同様の組成を有する絶縁塗膜を同様の厚さに形成するようにしてもよい。
両部材、すなわちマグネシウム合金製の第1の部材1と鋼製の第2の部材2の締結面、マグネシウム合金製の第1の部材1と鋼製のナットの締結面、あるいは鋼製ボルト3の頭部と鋼製の第2の部材の締結面の一方、又は両方に合計厚さが3〜20μmとなるように絶縁塗膜を形成する。
上記した締結構造においては、締結手段としてボルト3を用いた例を示したが、本発明に用いる締結手段としては、ボルトのみに限定される訳ではなく、この他にリベットやタッピンねじ、割りピンなどを用いることができる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造において、絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャー4とボルト3を用いる場合、ワッシャー4の板厚をボルト径の0.1〜0.5倍とすることが望ましい。
一般に、第2の部材2とマグネシウム合金製部材1との間の電位差は、アルミニウム合金製のワッシャー4とマグネシウム合金製部材1のとの間の電位差より大きい。この場合、厚めのワッシャー4を用いた方が第2の部材2とマグネシウム合金製部材1との間の距離を離すことができ、濡れた両部材1,2の間の表面を漏れ電流が流れる場合に、電食に関与する漏れ電流を小さくでき、電位差腐食を抑制することができることから好ましい。なお、ワッシャー4の板厚をボルト径の0.2〜0.4倍とすることがさらに好ましい。このとき、ワッシャー4の板厚がボルト径の0.5倍を超えると、発明の効果は損なわれないものの、重量やコストへの影響が生じ易くなる。
本発明において、マグネシウム合金製の第1の部材1と、Mgより貴な異種金属から成る第2の部材2との間に介在させるアルミニウム合金部材として、代表的には上記のようにアルミニウム合金製ワッシャー4が用いられるが、このようなアルミニウム合金部材の表面には予め化成処理を施しておくことが望ましい。化成処理で形成される皮膜は、その基材の防食に有効であり、同時に塗膜の密着性を向上させることができる。
このような化成処理剤としては、クロメート表面処理剤(六価クロムを含む)等を例示することができる。これらに用いる化成処理剤には、上記のようにクロム成分を含むものもあるが、クロム成分を含有しない処理剤を使用することが環境対策上好ましい。
次に、本発明の用いる絶縁塗膜や、当該塗膜の形成(塗装)方法などについて説明する。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造においては、上記のように、第1の部材1(マグネシウム合金製)と第2の部材2(異種金属製)の締結面、あるいは両者の間に介在するアルミニウム合金部材の表面に絶縁塗膜が形成されている。そして、この絶縁塗膜は、上記したように、アルコキシシラン(R4−nSi(OR’))部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を0.5〜10%含むものであって、3〜20μmの厚さを備えたものである。なお、このnは3又は4であると塗膜硬度が向上し好ましいが、防錆性能を加味すると、3であることが特に好ましい。
上記絶縁塗膜を構成する樹脂の種類としては、塗料塗布時の前処理であるブラスト処理が行えない場合であっても、密着性が良好で、耐薬品性に優れ、耐熱性や上塗り特性にも優れたエポキシ樹脂を使用するが、本発明においては、特にアルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂を用いる。
ここで、アルコキシシランの部分縮合物とは、具体的には、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂等を指し、この部分縮合物で変性されたハイブリットエポキシ樹脂は、微細なシリカ部位(ポリシロキサンネットワーク)を有しており、通常のエポキシ樹脂に較べて耐熱性や硬度に優れたものとなり、本発明に用いる絶縁塗膜として優れた特性を発揮する。
上記変性エポキシ樹脂の硬化剤としては、メンセンジアミンを用いることが好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、多くの種類が知られているが、アミン系の硬化剤のうちで、メンセンジアミンを使って硬化された絶縁性エポキシ樹脂の塗膜は、耐アルカリ性に優れることから、電食防止特性の優れたものとなる。
上記アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン(CHSi(OCH)であることが特に好ましい。メチルトリメトキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂は、テトラメトキシシランやその他のアルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂と比べて硬化物の硬度が若干低く、硬化した樹脂塗膜にクラックが生じ難いことから、絶縁性を確保するのに好ましい。
上記変性エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂であることが好ましく、このようなエポキシ樹脂を用いることによって、密着性、電気絶縁性、耐熱性に優れる皮膜を得ることができる。
さらには、変性されたエポキシ樹脂中に含まれるケイ素の含有量(SiO換算量)が30%より多いことが望ましい。
すなわち、本発明に用いる有機無機複合エポキシ樹脂では、エポキシ樹脂と複合させるアルコキシシラン又はその縮重合シランの割合がSiO換算量で30%超と多くすることによって、塗膜の熱膨張係数が小さくなり、熱的な安定性及び硬度を確保できる。
上記絶縁塗膜中には、アルミナ微粉末が含まれている。このアルミナは、硬度の高い絶縁材料であって、平均粒径が70nm以下の細かいアルミナ微粉末が塗膜中に含まれていることによって、塗料液の流動性が良好となり、均質な絶縁塗膜を形成できる。また、このようなアルミナ微粉末が塗膜中に介在していることによって、絶縁性を損なうことなく、塗膜に耐傷付性を付与し、フィラー機能を発揮して膜厚を確保し、硬化した絶縁塗膜に圧力が加えられたとしても、塗膜の潰れや横流動を抑制することができる。
ここで、アルミナ微粉末の平均粒径を70nm以下としたのは、これを超えると均一分散せずに、凝集し易いという不都合が生じることによる。なお、塗料中に配合するアルミナ微粉末は、樹脂液中への分散性と耐傷付性付与の観点から、平均粒径が10〜40nmの範囲内であることがより好ましい。
微粉末の平均粒径は、重量平均粒径を意味し、高倍率の顕微鏡写真でその粒径を知ることができ、顕微鏡写真で測定した粒径分布から計算によって平均粒径を求めることができる。
また、絶縁塗膜中におけるアルミナ微粉末の含有量は、0.5〜10%とすることが必要となる。すなわち、0.5%未満の含有量では、アルミナ微粉末添加の効果がほとんど得られず、逆に10%を超えると、このような塗膜形成用の塗料コストが高くなることによる。なお、絶縁塗膜中におけるアルミナ微粉末含有量のより好適な範囲は、2〜8%である。
そして、上記アルミナ微粉末を含む絶縁性塗料の流動性をさらに良好なものとし、塗膜の耐スクラッチ性を良好なものとする観点から、上記アルミナ微粉末の粒子形状が略球状であることが望ましい。
本発明において「略球状」とは、一粒子の代表粒径Dを適切に設定するときとき、その粒子の投影された輪郭が0.85Dと1.15Dの二重円の間に納まることを言い、この条件を充たす「略球状粒子」が90%以上含まれる粒子の集合体を意味する。
上記した組成の絶縁塗膜は、上記した変性エポキシ樹脂やアルミナ微粉末をエポキシ樹脂の硬化剤や、分散剤など公知の添加剤、溶媒と共に、硬化後に上記組成となるように配合した塗料を3〜20μmの厚さの塗膜となるように塗布することによって形成することができる。
このときの塗膜形成方法は、部材の形状や寸法に応じて、塗料の濃度や粘度の調整と併せて選択されるが、例えばディップアンドスピン法、ディップドレイン法、スプレー塗装法のいずれかの塗装方法を採用するのが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
〔絶縁塗料材料〕
塗料の主溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と略記する)を用いた。
エポキシ樹脂として、荒川化学工業(株)製のアルコキシシランの部分縮合物で変性されたハイブリッドエポキシ樹脂のコンポセランE−103(メチルトリメトキシシラン変性品)とコンポセランE−102(テトラメトキシシラン変性品)を用いた。また、アデカ(株)製のアデカレジンEPU−78−11(ウレタン変性エポキシ樹脂)を比較例として用いた。
上記アルコキシシラン変性エポキシ樹脂用の硬化剤としては、樹脂メーカーが推奨するMDA(メンセンジアミン、和光純薬工業(株)製)と、酸無水物の硬化剤で、配合後の塗料のポットライフを長くできるリカシッドMH−700(新日本理科(株)製)を使用した。また、ウレタン変性エポキシ樹脂用の硬化剤としては、アデカハードナーEH−3842(アデカ(株)製)を用いた。
なお、上記MDAは、コンポセランに対して3.5%添加し、リカシッドMH−700は、コンポセラン1分子量に対し2.2当量、エポキシ部位に対して1.1当量用いた。
アルミナ微粉末としては、平均粒径33nmの略球状粒子から成るナノテックアルミナ(シーアイ化成(株)製)と、平均粒径22nmの略球状粒子のメトキシプロピルアセテート分散液であるNANOBYK−3610(ビックケミー・ジャパン(株)製)を用いた。
また、平均粒径600nmの角張った非球状をなすアルミナ粉末AKP−3000(住友化学(株)製)と、アルミナ以外のフィラーとして平均粒径22nmの略球状をなすシリカ微粉末のメトキシプロピルアセテート/メトキシプロパノール分散液であるNANOBYK−3650(ビックケミー・ジャパン(株)製)を用い、それぞれ比較例とした。
〔アルミニウム合金ワッシャー〕
JIS H 4000に、A5052(Al−Mg系)及びA6061(Al−Mg−Si系)として規定されるアルミニウム合金から成る外径22mm、内径10.5mm、厚さ1.5mmのワッシャーを用意した。そして、後述するように各実施例及び比較例で調製した絶縁塗料をそれぞれ塗布し、後述する要領による防錆性能試験に供した。なお、一部については、絶縁塗料の塗布に先立って、クロムフリーの化成処理剤であるケミボンダー5703(日本シービーケミカル(株)製)及びアルサーフ501M(日本ペイント(株)製)を用いてリン酸塩皮膜を形成する化成処理を施した。
また、A6061合金から成るワッシャーに、絶縁塗料を施すことなくアルマイト処理及び三価クロム処理(クロメート皮膜を形成する処理)をしたものも用意し、比較例として同様の防錆性能試験に供した。
絶縁塗料の調製に用いた上記原材料及び化成処理剤の詳細を表1にまとめて示す。
Figure 2010223363
(実施例1)
まず、PGME50重量部に硬化剤MDAを1.35重量部加えて1時間程撹拌することにより、硬化剤を溶かした溶液を得た。
次に、ナノテックアルミナ1重量部に対し、PGME3重量部と、分散剤BYK110(ビックケミー・ジャパン(株)製)0.014重量部を混合し、ボールミルにより分散処理することによってナノテックアルミナのスラリー(固形分25%)を得た。
なお、このナノテックアルミナのスラリーは、以下の方法により調製したものである。
まず、約1リットル容量のポリプロピレン瓶に、5mmと3mmのジルコニアボールを1:1の割合(各800g、ジルコニアボールはニッカトー(株)製YTZボール)を入れ、この中に上記スラリーをジルコニアボールと同じレベルになるまで入れ、密封した。そして、この瓶をボールミルの架台に載せた容器中に、瓶が縦に廻るように固定し、この容器を約60rpmで24時間回転することにより、上記アルミナ微粉末スラリーを分散処理した。
次いで、硬化剤を溶かした上記PGME溶液53.5重量部に、38.46重量部のコンポセランE−103(メチルトリメトキシシラン変性品、固形分含有量50.4%)と、11.54重量部のナノテックアルミナスラリー(固形分2.88重量部)を混合し、本例に用いるスプレー塗装用の絶縁塗料を得た。
なお、この絶縁塗料の固形分(硬化後の塗膜)中に占めるアルミナ微粉末の含有量は、5.45%となる。
そして、A6061合金から成る上記寸法のワッシャーに、上記絶縁塗料をスプレー塗装した。
スプレー塗装機としては、アネスト岩田(株)製のWIDER SPRAYGUN W−61小型モデルを使用し、コンプレッサーの空気圧をレギュレーターで0.16MPa(1.6気圧)に調整して、スプレー塗装機に供給した。
塗装に際しては、アルミニウム合金ワッシャーを回転台の上に載置した金網の上に並べ、金網を廻すことによりスプレー方向を変えられるようにした。また、スプレー塗装はドラフト設備の近傍で行い、噴霧されて塗装されなかった塗料液がドラフトに吸い込まれるよう配置した。
スプレー塗装は斜め上の方向からも行い、上記ワッシャーの側部にも塗膜が形成されるようにした。
スプレー塗装を終えたワッシャーは、金網に載せた状態で乾燥機に入れて、100℃で約10分保持して乾燥させた後、180℃の硬化温度まで昇温し、この温度に約20分間保持して塗膜を焼付けた。ワッシャーの片面に塗膜を付けた後、全部のワッシャーを裏返して、同じ金網の上に並べ、裏面側にも同様にして絶縁塗料を塗装して焼き付け、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。
ワッシャーに形成された絶縁塗膜の膜厚は、当該ワッシャーにはボルト孔があり、平面部が小さくて測定し難いために、ワッシャーと共に金網上に並べておいた矩形のステンレス板に塗装された塗膜の厚さを誘電膜厚計で測り、この厚さを当該ワッシャーの塗膜厚さと見なした。その結果、平均膜厚は12μmであった。
(実施例2)
PGME53.74重量部に対し、硬化剤MDAを1.35重量部加えて1時間程撹拌することによって、硬化剤の溶媒溶液を得た。
次に、この硬化剤のPGME溶液に、ナノアルミナ分散液NANOBYK−3610(平均粒径22nmのアルミナ微粉末を37%分散された状態で含む)7.80重量部(固形分2.88重量部)を混合した。
次いで、この混合溶液に38.46重量部のコンポセランE−103を混合し、本例に用いるスプレー塗装用の絶縁塗料を得た。
そして、上記実施例と同様の操作を繰り返すことによって、この絶縁塗料をA6061合金から成るワッシャーに塗装し、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、同様に測定した結果11.5μmであった。
(実施例3)
酸無水物の硬化剤であるリカシッドMH−700を用い、コンポセランE−103の38.46重量部に対して、上記硬化剤を2.2当量(9.23重量部)加えたこと以外は、上記実施例1と同様に調合することによって、本例に用いるスプレー塗装用絶縁塗料を得た。なお、この絶縁塗料の固形分(硬化後の塗膜)中に占めるアルミナ微粉末の含有量は、5.45%となる。
そして、上記実施例と同様の操作を繰り返すことによって、この絶縁塗料をA6061合金から成るワッシャーに塗装し、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、同様の測定の結果、7.8μmであった。
(実施例4)
A6061合金から成るワッシャーに、クロムフリー化成処理剤ケミボンダー5703を用いて化成処理した上で、絶縁塗膜を形成したこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、11.0μmであった。
(実施例5)
A6061合金から成るワッシャーに、リン酸ジルコニウム系のクロムフリー化成処理剤アルサーフ501Mを用いて化成処理した上で、絶縁塗膜を形成したこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、同様の測定の結果、11.2μmであった。
(実施例6)
A5052合金から成る同一寸法のワッシャーを用いたことを除き、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、11.1μmであった。
(実施例7)
A5052合金から成るワッシャーを用いたこと以外は、上記実施例2と同様の操作を繰り返すことによって、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、11.0μmであった。
(実施例8)
PGMEの配合量を40重量部に減らしたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例に用いる塗装用絶縁塗料を得た。そして、A5052合金から成るワッシャーに上記絶縁塗料をディップアンドスピン法によって塗布し、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。
すなわち、調製した絶縁塗料中に、ワッシャーを浸し、取り出したワッシャーを遠心機に取り付けたステンレス籠に入れて回転させ(回転半径150mm、回転速度400rpm)、表面に付着している余分の塗料を振り飛ばした後、同様に乾燥、硬化させた。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、10.0μmであったが、膜厚には若干のむらが認められ、やや不均一となっていた。なお、平均厚さは、ワッシャーを切断した後、断面に出ている塗膜を測定して求めた。
(実施例9)
アルコキシシラン変性エポキシ樹脂として、コンポセランE−103に替えて、コンポセランE−102(テトラメトキシシラン変性品、固形分含有量48.8%)を用いたことを除き、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例に用いるスプレー塗装用絶縁塗料を得た。
そして、A5052合金から成るワッシャーに上記絶縁塗料を実施例1と同様の方法でスプレー塗装し、本例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、同にして測定した結果、11.0μmであった。
(比較例1)
アデカレジンEPU−78−11(ウレタン変性エポキシ樹脂、100%が樹脂成分)をPGMEで2倍に希釈してエポキシ樹脂の溶液を得た。
次に、このエポキシ樹脂のPGME溶液65重量部に対し、実施例1で用いたナノテックアルミナのスラリー11.60重量部(固形分2.90重量部)と、硬化剤アデカハードナーEH−3842を3.9重量部混合し、本例に用いるスプレー塗装用絶縁塗料を得た。
そして、この絶縁塗料をA6061合金から成るワッシャーにスプレー塗装し、焼付け温度を160℃としたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本比較例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、8.0μmであった。
(比較例2)
アルミナ微粉末のスラリーを配合することなく調製したスプレー塗装用塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本比較例の塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、8.0μmであった。
(比較例3)
アルミナ微粉末のスラリーに替えて、ナノテックアルミナと同様に分散処理した平均粒径約600nmのアルミナ粉末AKP−3000のスラリーを配合したスプレー塗装用絶縁塗料を用いた他は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本比較例の塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、6.5μmであった。
(比較例4)
アルミナ微粉末のスラリーに替えて、ナノシリカスラリーNANOBYK−3650(平均粒径22nmのシリカ微粉末を31%含む分散液)を配合したスプレー塗装用絶縁塗料を用いた他は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本比較例の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを得た。なお、当該ワッシャーに形成された絶縁塗膜の平均厚さは、7.0μmであった。
(比較例5)
A6061合金から成り、上記寸法を備えたワッシャーにアルマイト処理を施すことによって、本比較例のアルミニウム合金製ワッシャーとした。
(比較例6)
A6061合金から成り、上記寸法を備えたワッシャーに三価クロム処理を施すことによって、本比較例のアルミニウム合金製ワッシャーとした。
〔耐電食性能評価方法〕
〔1〕評価用試験片の作製
図2に示すように、上述の実施例及び比較例により得られたそれぞれのアルミニウム合金製ワッシャー4を挿通した亜鉛めっきボルト3をマグネシウム合金製の第1の部材1に設けた雌ねじ孔に螺着することによって、電食評価用の締結構造試験片とした。なお、ボルト3の先端部周囲にシリコーンシーラントを塗布し、ねじ部からの塩水の浸入を防止するようにした。
なお、上記ボルト3は、亜鉛めっきした呼び径10mmの鋼製ボルトであって、この場合、マグネシウム合金製の第1の部材1に対して、異種金属から成る第2の部材に相当することになる。
〔2〕塩水噴霧試験
上記によって作製した締結構造試験片を各実施例及び比較例についてそれぞれ3個ずつ塩水噴霧試験装置に入れ、JIS Z 2371に規定される方法に準拠した塩水噴霧試験を実施し、防錆性能を評価した。
試験結果としては、3個の試験片の内、2個目の試験片のマグネシウム合金製部材1に白錆を認めた時間をもって評価した。
〔3〕複合サイクル腐食試験
上記同様に、それぞれ3個の締結構造試験片を試験装置内に収納し、塩化ナトリウム濃度50±5%、温度50±5℃の塩水の噴霧を20分、温度60±5℃での乾燥145分、温度65±5℃における湿潤75分を行った。続いて、上記温度での乾燥160分と湿潤80分を5回繰り返し(都合24時間)、これを1サイクルとして合計720時間(30回)繰り返す試験を行った。なお、各乾燥プロセスにおける相対湿度は30%未満とし、各湿潤プロセスにおける相対湿度は95±5%とした。
そして、720時間の試験終了後、マグネシウム合金製部材1に生じた腐食穴の深さを測定し、3個の試験片のうち、中間値を示す腐食穴深さをもって、複合サイクル腐食試験結果とした。
上記実施例及び比較例に用いた塗料の成分又は表面処理条件を表2に、これら塗料をアルミニウム合金製ワッシャーに塗布した場合の硬化条件及び塗膜厚さと共に、上記塩水噴霧試験及び複合サイクル腐食試験の結果を表3にそれぞれ示す。また、複合サイクル腐食試験結果については、図3の棒グラフにも示す。
Figure 2010223363
Figure 2010223363
塩水噴霧試験の結果、実施例1の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを両部材の間に介在させた場合には、3000時間を超えても白錆が発生しなかった。他方、比較例1の絶縁塗膜を備えたワッシャーでは、1448時間で白錆が発生した。すなわち、実施例1と比較例1とを比べると、比較例1では、アルコキシランの部分縮合物で変性したハイブリッドエポキシ樹脂を使用することなく、通常のエポキシ樹脂を使用したため、防錆性能が劣っている。
また、複合サイクル腐食試験によると、実施例1では、腐食深さが440μmであるのに対し、比較例1では腐食深さが980μmと明らかな差が認められた。
次に、実施例1と比較例2の塩水噴霧試験による防錆性能を比べると、実施例1では上記のように、3000時間を超えても白錆が発生しなかったのに対し、比較例2の絶縁塗膜を備えたワッシャーを用いた場合には、1512時間で白錆が発生した。すなわち、比較例2の絶縁塗料には、アルミナ微粉末が配合されていないため、白錆発生の時間で比べた防錆性能が明らかに劣る。
また、比較例2の複合サイクル腐食試験結果についても、実施例1では腐食深さが440μmであったのに対し、比較例2のワッシャーを用いた場合には、993μmと明白な差が認められた。
比較例3の塩水噴霧試験では、576時間で白錆の発生が認められた。つまり、比較例3の絶縁塗料に配合したアルミナ粉末が70nm以下のナノサイズのアルミナ微粉末でないことにより、白錆発生の時間で比べたときの防錆性能が実施例1に較べて明らかに劣るものとなった。
また、複合サイクル腐食試験による評価結果においても、比較例3の絶縁塗膜を備えたワッシャーを介在させた場合には、実施例1による腐食深さが440μmであったのに対し、1300μmの腐食深さであった。
実施例2に用いた絶縁塗料は、アルミナ微粉末としてNANOBYK−3610(平均粒径22nmのナノアルミナを分散処理してある市販のスラリー)を配合した絶縁塗料であり、塩水噴霧試験及び複合サイクル試験の結果を比べると、実施例1で用いた絶縁塗料と比べ遜色のない防錆性能を示していることが分かる。
これに対し、比較例4に用いた絶縁塗料は、アルミナ微粉末でなくNANOBYK−3650(平均粒径22nmのシリカを分散処理した市販のスラリー)を配合した絶縁塗料である。
実施例2と比較例4の絶縁塗料による塗膜を備えたワッシャーによる塩水噴霧試験と複合サイクル腐食試験結果を比べると、実施例2の防錆性能(白錆発生時間3000時間以上、腐食深さ430μm)の方が比較例4(白錆発生時間1200時間、腐食深さ1180μm)と比べ明らかに優れていることが確認された。
実施例3による絶縁塗料(絶縁塗料の硬化剤に酸無水物を使用)から成る塗膜を備えたワッシャーによる塩水噴霧試験結果を実施例1(絶縁塗料の硬化剤にMDAを使用)と比べると、実施例1では3000時間を経過しても白錆が発生しなかったのに対し、2448時間で白錆が発生した。
また、複合サイクル腐食試験においても、実施例1では440μmであるのに対し、実施例3では、520μmであり、硬化剤にMDAを使った絶縁塗料の方が優れていることが分かる。これは、耐アルカリ性に優れることによるものと推測される。
さらに、実施例4及び実施例5の複合サイクル腐食試験による評価結果を実施例1による結果と比べると、予め化成処理(クロムフリー処理)を施した上で、その表面に絶縁塗料を塗布したアルミニウム合金製ワッシャーの方が耐腐食特性において優れていることが分かる。
ワッシャーの材料としてA6061合金(Al−Mg−Si系)を用いた実施例1〜3と、A5052合金(Al−Mg系)を用いた実施例6〜8の複合サイクル腐食試験による結果を比べると、Al−Mg系合金の方が防錆性能にやや優れており、基材の防錆性能の良否による差異が現れたものと推定される。
エポキシ樹脂としてメチルメトキシシラン変性品(コンポセランE−103)を用いた絶縁塗料による実施例6と、テトラメトキシシラン変性品(コンポセランE−102)を用いた絶縁塗料による実施例9の塩水噴霧試験と複合サイクル腐食試験の結果を比べると、後者の防錆性能が若干劣ることが確認された。
アルマイト処理されたワッシャーを用いた比較例5については、塩水噴霧試験において3000時間を越えても白錆の発生を認めなかったが、複合サイクル腐食試験では、腐食深さが830μmと大きかった。また、三価クロム処理されたワッシャーを用いた比較例6においては、塩水噴霧試験において2500時間で白錆の発生を認め、複合サイクル腐食試験では、腐食深さは5500μmと極めて大きい結果となった。
以上のように、マグネシウム合金部材と鋼製ボルトの間に、所定組成の絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金製ワッシャーを介在させた実施例1〜9の締結構造による耐電食性能は、アルマイト処理されたワッシャー等を用いたものに較べて、同等以上の性能を発揮することが確認された。
1 第1の部材(マグネシウム合金製)
2 第2の部材
3 亜鉛めっきボルト
4 ワッシャー(アルミニウム合金部材)

Claims (10)

  1. マグネシウム合金から成る第1の部材とマグネシウムより貴な金属を主成分とする第2の部材の締結構造であって、両部材の締結面間に、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を質量比で0.5〜10%含み、3〜20μmの厚さの絶縁塗膜を備えていることを特徴とするマグネシウム合金部材の締結構造。
  2. マグネシウム合金から成る第1の部材とマグネシウムより貴な金属を主成分とする第2の部材の締結構造であって、アルコキシシランの部分縮合物で変性されたエポキシ樹脂中に平均粒径が70nm以下のアルミナ微粉末を質量比で0.5〜10%含み、3〜20μmの厚さの絶縁塗膜を備えたアルミニウム合金部材を介して両部材が締結されていることを特徴とするマグネシウム合金部材の締結構造。
  3. 上記アルミニウム合金部材がワッシャーであり、鋼製ボルトにより締結されていることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  4. 上記アルミニウム合金製ワッシャーの板厚が鋼製ボルトの径の0.1〜0.5倍であることを特徴とする請求項3に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  5. 上記アルミニウム合金部材の表面に化成処理が施してあり、当該化成処理層を介して絶縁塗膜が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  6. 上記アルミナ微粉末の平均粒径が10〜40nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  7. 上記アルミナ微粉末の粒子形状が略球状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  8. 変性エポキシ樹脂の硬化剤がメンセンジアミンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  9. 上記アルコキシシランがメチルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
  10. 上記絶縁塗膜の形成方法がディップアンドスピン法、ディップドレイン法、スプレー塗装法のいずれかであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
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