JP2010216115A - 鉄骨構造物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、鋼管柱における柱梁接合部に梁材を剛接合して構成した鉄骨構造物に関し、特に地震等による荷重が負荷された場合に鋼管柱が容易に塑性変形してしまうのを防止する上で好適な鉄骨構造物に関する。
従来より、鋼管柱並びにその鋼管柱における柱梁接合部に剛接合される梁材を備える鉄骨ラーメン骨組を含む鉄骨構造物が構築されている。一般的にこの鉄骨ラーメン骨組は、鋼管柱と梁材との柱梁接合部では、大地震等の大応力作用時において鋼管柱より先に梁材を降伏させる設計とすることが本来的な手法である。これは、大応力作用時に柱が損傷した場合には、建物倒壊の危険性が高まり、建物の修復が困難なことから全面的な建て直しをせざるを得なくなるためである。また、中小地震による応力が加わった場合においても、その鋼管柱や梁材の変形が極力弾性変形の範囲に抑えられるように設計されるのを基本としている。
図8は、この鉄骨ラーメン骨組の構成とそのモーメントを模式的に示している。鋼管柱71における柱梁接合部73に梁材72を剛接合して構成した鉄骨構造物7では、鋼管柱71と梁材72が互いに剛接合されていることから、仮に地震による応力がこの鉄骨構造物7に加わった場合、部材接点に相当する柱梁接合部73近傍においてモーメント応力が発生する。また、この柱梁接合部73においてモーメントが発生すると、これに伴って、最下層の鋼管柱71の下端に位置する柱脚部71aにもモーメント応力が発生する。
また、最下層の鋼管柱71には、上端から柱脚部71aに至るまでの間で、このモーメントが0となる反曲点Pが現れる。一般に、最下層柱はコンクリート基礎に剛接固定され、柱頭部と柱脚部の固定度の違いから、この鋼管柱71において反曲点Pが現れる高さは、図8に示すように階高中心Kよりも上側にある。その結果、最下層の鋼管柱71の柱脚部71aに発生するモーメントは、より大きくなってしまう。そして、この鋼管柱71の柱脚部71aに発生するモーメントが構造各部に生じる応力よりも地震による荷重により大きくなれば、当該柱脚部71aが塑性変形してしまうことになる。
このため、従来においては、鋼管柱71の厚みに関しては今までと同様の厚みで維持しつつ、単に鋼管柱71を構成する鋼材を高強度鋼とすることにより、これを弾性変形域に抑える方法が採用されていた。
しかしながら、単に鋼管柱71の板厚を厚く維持したまま、材料のみを高強度化する方法では、結局のところ材料コストが高価になってしまい、実用化の面において大きな障壁が発生してしまう。このため、単に鋼管柱71を高強度鋼とすることにくわえ、これを構成する鋼管の軽量化、薄肉化を図ることによる低コスト化を促進させる必要があった。
因みに、従来においては、鉄骨ラーメン骨組を含む鉄骨構造物の耐震性能を向上させることを目的として、例えば特許文献1、2に示すような技術が開示されている。特許文献1の開示技術は、鋼管柱と梁材が接合される柱梁接合部に接合パネルを設け、その接合パネルの曲げ耐力を、その上下にある柱の曲げ耐力の和未満としたものである。
しかしながら、この特許文献1の開示技術では、鋼管柱の柱脚部について特段の言及並びに検討がなされておらず、鋼管柱シャフト全体について降伏比の設定自由度を向上させることができない。
また特許文献2の開示技術は、柱梁耐力比が1.0を超える骨組構造からなる多層鉄骨構造物において、柱脚が破損しないように第1層の柱の曲げモーメント分布の中立点(反曲点)を階高方向の所定の位置とした技術が開示されている。具体的には、第1層の柱部材に高降伏点鋼を用い、柱梁剛性比を低下させることにより、第1層の柱部材の曲げモーメント分布の中立点(反曲点)をより階高方向へシフトさせている。
しかしながら、この特許文献2の開示技術では、具体的に柱脚部を弾性変形域に保つ具体的な条件設定について特に言及されていない。また柱脚部を弾性域に維持しつつ低コスト化を図る点についても開示されていない。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、地震時において、柱脚部に発生するモーメントを低下させることにより柱脚部を弾性変形域に抑え、ひいては鉄骨構造物全体における鋼管柱を弾性変形域に収まるように作用させることにより、耐震性を向上させることができ、さらにはこれらをよい低コストで実現することにより実用性の面においても優れた鉄骨構造物を提供することにある。
本願請求項1記載の鉄骨構造物は、上述した課題を解決するために、鋼管柱と、上記鋼管柱における柱梁接合部に剛接合される梁材とを備える鉄骨構造物において、上記柱梁接合部は、柱梁耐力比が1.5以上であり、上記鋼管柱の最下層における強度cσyは、下記(1)式を満たすことを特徴とする。
・・・・・(1)
ここで、cZp:鋼管柱の塑性断面係数、h:最下層の階高に対する鋼管柱におけるモーメントの反曲点の高さ比、n:鋼管柱の軸力比、τ:梁材の最大耐力までの耐力上昇率(=1.3)、bMPL、bMPR:梁材の塑性断面係数
また、請求項2記載の鉄骨構造物は、請求項1記載の発明において、上記鋼管柱は、その降伏比が99%以下とされていることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、鋼管柱と、梁材との柱梁耐力比を1.5以上とすることにより、少なくとも最下層の鋼管柱における柱脚部を除く、柱梁接合部においてモーメント応力が発生する箇所において、これを弾性変形域に保つとともに、鋼管柱の最
下層において、式(1)の関係が成り立つように、鋼管柱の材料の選定を行い、或いは断面係数等を初めとした各種パラメータの最適化を図る。その結果、大きな地震による荷重が加わった場合においても、鉄骨構造物全体を弾性域に抑え込むことが可能となり、ひいては鉄骨構造物全体につき耐震性能を向上させることが可能となる。従来においては、鋼管柱の板厚を同一としつつ、単に鋼材のみを高強度鋼としていたが、本発明では、式(1)の範囲が成り立つ範囲でしかも耐力比を一定にしていることから、鋼材を高強度鋼としつつ、鋼管柱の板厚を薄肉化できる。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。
下層において、式(1)の関係が成り立つように、鋼管柱の材料の選定を行い、或いは断面係数等を初めとした各種パラメータの最適化を図る。その結果、大きな地震による荷重が加わった場合においても、鉄骨構造物全体を弾性域に抑え込むことが可能となり、ひいては鉄骨構造物全体につき耐震性能を向上させることが可能となる。従来においては、鋼管柱の板厚を同一としつつ、単に鋼材のみを高強度鋼としていたが、本発明では、式(1)の範囲が成り立つ範囲でしかも耐力比を一定にしていることから、鋼材を高強度鋼としつつ、鋼管柱の板厚を薄肉化できる。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態として、耐震性能に優れた鉄骨構造物について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した鉄骨構造物1の斜視図であり、図2は、その側面図を示している。鉄骨構造物1は、鋼管柱2と、この鋼管柱2に接合される梁材3とを備えている。
鋼管柱2は、断面四角形状の所定の板厚からなる鋼管21と、柱梁接合部22により構成されている。柱梁接合部22は、下板51並びに上板52と、下端に下板51が接合板53を介して取り付けられ、上端に上板52が接合板53に対する溶接を介して取り付けられている鋼管53とを備えている。この鋼管53と鋼管21はほぼ同一の板厚とされている。
ちなみに、この鋼管柱2を構成する鋼管21と、柱梁接合部22は、何れも冷間成形により成形されてなる。
この鋼管柱2は、大地震による大きな揺れにおいても鉄骨構造物1自体の自重を支えつつ、その倒壊や崩落を防ぐ役割を担う。大地震等の大応力作用時においても最初にこの鋼管柱2が降伏してしまうのを防止する観点から、後述するように、特にこの鋼管柱2において弾性変形域に収まるように設計されている。
梁材3は、ウェブ部31と、当該ウェブ部31の両端に設けられた一対のフランジ部32a、32bとを備える、いわゆるH形鋼により構成されている。この梁材3は、例えば、圧延加工により製作される。なお、この梁材3は、いわゆるH形鋼として構成される場合に限定されるものではなく、これ以外の形状で構成されていてもよい。
このような構成からなる梁材3は、そのウェブ31の端面3aを鋼管53の表面に当接
させた状態で溶接するとともに、フランジ32a、32bは、通しダイアフラム56を介して上板52、下板51へ溶接されてなることにより、この柱梁接合部22に一体化される。その結果、この梁材3は、柱梁接合部22との間で剛接合され、鉄骨ラーメン構造が構成されることになる。
させた状態で溶接するとともに、フランジ32a、32bは、通しダイアフラム56を介して上板52、下板51へ溶接されてなることにより、この柱梁接合部22に一体化される。その結果、この梁材3は、柱梁接合部22との間で剛接合され、鉄骨ラーメン構造が構成されることになる。
更に鋼管柱2における鋼管21は、図2における仮想線に示すように柱梁接合部22の上に積み上げ状に配置されたのち、その上下間が溶接により固着される。このようにして、鋼管柱2は、鋼管21と柱梁接合部22を交互に積み重ねて上下に接合されていくことにより最上層から最下層に向けて連続して構成され、鉄骨構造物1が構築されていくことになる。ちなみに、鉄骨構造物1における最下層においては、鋼管柱2が地上に固定されている。
次に、本発明を適用した鉄骨構造物1における鋼管柱2並びに梁材3の具体的な構造力学的特性について説明をする。
図3は、本発明を適用した鉄骨構造物1に負荷されるモーメントを模式的に示したものである。鋼管柱2における柱梁接合部22に梁材3を剛接合して構成した鉄骨構造物1であることから、仮に地震による応力がこの鉄骨構造物1に加わった場合、部材接点に相当する柱梁接合部22近傍においてモーメント応力が発生する。また、この柱梁接合部22においてモーメントが発生すると、これに伴って、最下層の鋼管柱2の下端に位置する柱脚部2aにもモーメント応力が発生する。下層に向かうほど当該鉄骨構造物1の自重と地震荷重が増大するため、この柱脚部2aにおけるモーメントの大きさもこれに伴って大きくなる。また、最下層の鋼管柱2には、上端から柱脚部2aに至るまでの間で、このモーメントが0となる反曲点Sが現れる。この反曲点Sの高さをhとする。
本発明では、柱梁接合部22の構造力学的特性について、以下のように規定する。即ち、柱梁接合部22において、鋼管柱2の耐力を、梁材3の耐力よりも十分大きく設定し、鋼管柱2(より具体的には柱梁接合部22を除く鋼管21)と、梁材3との柱梁耐力比(=鋼管柱2の耐力/梁材3の耐力)が1.5以上であることを特徴としている。
例えば、冷間成形角形鋼管設計施工マニュアル(日本建築センター、2003年)のP46に記載されているとおり、柱が先行して崩壊してしまう柱崩壊を防止し、あくまで梁が先行して崩壊する梁崩壊を優先的に起こさせるためには、柱梁耐力比を1.5以上とする点が言及されている。本発明は、これに基づいて、鋼管柱2と、梁材3との柱梁耐力比を1.5以上とすることにより、少なくとも最下層の鋼管柱2における柱脚部2aを除く、柱梁接合部22においてモーメント応力が発生する箇所において、これを弾性変形域に保つことが可能となる。
ここで、cZp:鋼管柱2の塑性断面係数、h:最下層の階高に対する鋼管柱2におけるモーメントの反曲点Sの高さ比、n:鋼管柱2の軸力比、τ:梁材3の最大耐力までの耐力上昇率(=1.3)、bMPL、bMPR:梁材3の塑性断面係数を示す。ちなみに、ここでいう耐力上昇率1.3の値は、”日本建築学会、構造工学論文集vol.51B、(2005)、p381”に基づくものである。
これらのパラメータのうち、hとbMPL、bMPRは、あくまで鉄骨構造物1における鋼管柱2、梁材3の断面特性や反曲点Sの高さ等といった、鉄骨構造物1自体の構成に依拠するパラメータを代入することにより得られる(1)式右辺よりも、鋼管柱2における最下層の強度cσyが大きくなるように材料を選定することを意味している。実際にこの鋼管柱2における最下層の強度cσyは、最もモーメントが大きくなる柱脚部2aに着目した強度を意味する。
以下、この(1)式の導出過程について説明をする。
この(2)式において、bML、bMRは、柱梁接合部22を挟んで左右にある梁材3におけるモーメントを表している。また、cM1U、cM2Dは、柱梁接合部22を挟んで上下にある鋼管柱2におけるモーメントを表している。また、Qは、最下層鋼管柱に生じるせん断力を表している。
また、図3において、第2層柱の反曲点高さを1/2Hとしているが、望ましくは、第2、第3層柱・梁の断面に応じて、適宜修正してもよい。
ここで、bML=τ×bMPL、bMR=τ×bMPR、またcMPは、柱脚部2aにおける全塑性応力を示す。
なお、この(1)式に規定する変数のうち、反曲点Sの高さhのみは下記の計算により求めることができる。
上記(10)式を解くことにより、反曲点高さhを求めることが可能となる。
ここで、hQL、hQRは柱梁接合部22を挟んで左右にある梁材3におけるせん断応力を、LR、LLは柱梁接合部22を挟んで左右にある梁材3における部材長を、Ebは柱梁接合部22を挟んで左右にある梁材3におけるヤング率を、bIL、bIRは柱梁接合部22を挟んで左右にある梁材3における断面二次モーメントを表している。
そして、具体的に鋼管柱2の最下層における強度cσyを決定する上で、上記(1)式の右辺を求める際に、hに関しては、(10)式を解くことにより求め、残りのパラメータに関しては、実際の鉄骨構造物1における鋼管柱2、梁材3の断面特性等の設計に基づく各種パラメータを代入することになる。
このように、本発明によれば、鋼管柱2と、梁材3との柱梁耐力比を1.5以上とすることにより、少なくとも最下層の鋼管柱2における柱脚部2aを除く、柱梁接合部22においてモーメント応力が発生する箇所において、これを弾性変形域に保つとともに、鋼管柱2の最下層において、式(1)の関係が成り立つように、鋼管柱1の材料の選定を行い、或いは断面係数等を初めとした各種パラメータの最適化を図る。その結果、大きな地震による荷重が加わった場合においても、鉄骨構造物1全体を弾性域に抑え込むことが可能となり、ひいては鉄骨構造物1全体につき耐震性能を向上させることが可能となる。
なお、上述した構成を採用する本発明では、更に鋼管柱2は、その降伏比が80%超とされていてもよい。或いは、鋼管柱2を構成する鋼材の降伏比が99%以下であればいかなるものを適用してもよい。建築鉄骨部材では、変形性能を確保するため、降伏比を80%以下とする規定があるが、本発明によって鋼管柱2を弾性範囲内に留めることで、これ
を構成する鋼材降伏比の設定自由度を向上させることができる。また、降伏比は降伏強度と引張強さの比であるため、鋼材の降伏比を緩和することで降伏強度を相対的に上げることになり、より鋼管柱を弾性範囲内に留める(式(1)を満足する)ことが容易になるという相乗効果を期待できる。
を構成する鋼材降伏比の設定自由度を向上させることができる。また、降伏比は降伏強度と引張強さの比であるため、鋼材の降伏比を緩和することで降伏強度を相対的に上げることになり、より鋼管柱を弾性範囲内に留める(式(1)を満足する)ことが容易になるという相乗効果を期待できる。
以下、本発明を適用した鉄骨構造物1の実施例1について説明をする。
鉄骨構造物1における表1に示すような鋼管柱2並びに梁材3の柱梁諸元において、実際に鋼管柱2の板厚と、鋼管柱2の降伏強度の関係をシミュレーションにより求めた結果を図4(a),(b)に示す。
ちなみに、この表1では、図5(a)に示すように、部分架構の取り出し位置は、鋼管柱2を中心とし、左右対称に梁材3を抽出した、斜線で示す領域としており、架構における“梁長左”は、図5(a)に示す鋼管柱2の左側にある梁材3を、“梁長右”は、図5(a)に示す鋼管柱2の右側にある梁材3を示している。
上記(1)式に相当する曲線を図4(a)中に示す。この(1)式よりも上側において、鋼管柱2の最下層における強度cσyについて弾性変形域とすることができることを意味している。柱降伏比と柱降伏強度との関係においては、この(1)式を満たす領域は、図4(b)の実線で示すことが可能となる。
即ち、柱板厚と、柱降伏強度は、この式(1)の曲線よりも上側の領域になければならないことを意味している。また図中に、さらに幅が600mmの鋼管柱2の耐力一定曲線を示す。従来の構造では、柱板厚を36mmとしていたが、この耐力一定曲線に沿って柱板厚を下げるとともに、柱降伏強度を向上させる。その結果、耐力一定曲線において柱降伏強度が400N/mm2であるときに概ね弾性域に、更に柱降伏強度が500N/mm2であるときにこの鋼管柱2を完全に弾性域にすることが可能となる。従来においては、
鋼管柱2の板厚を同一としつつ、単に鋼材のみを高強度鋼としていたが、本発明では、鋼材の降伏比を緩和することで、引張強さは同一のまま降伏強度のみを上昇させ、鋼管柱2の板厚を薄肉化している点において相違する。本実施例では、従来鋼に対し、降伏比を85%以上とすることで、(1)式を満足する柱降伏強度を得ることが出来る。さらに望ましくは、降伏比を90%以上とすることで、本発明の意図を確実に実現することができる。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。
鋼管柱2の板厚を同一としつつ、単に鋼材のみを高強度鋼としていたが、本発明では、鋼材の降伏比を緩和することで、引張強さは同一のまま降伏強度のみを上昇させ、鋼管柱2の板厚を薄肉化している点において相違する。本実施例では、従来鋼に対し、降伏比を85%以上とすることで、(1)式を満足する柱降伏強度を得ることが出来る。さらに望ましくは、降伏比を90%以上とすることで、本発明の意図を確実に実現することができる。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。
以下、本発明を適用した鉄骨構造物1の実施例2について説明をする。
鉄骨構造物1における表2に示すような鋼管柱2並びに梁材3の柱梁諸元において、実際に鋼管柱2の板厚と、鋼管柱2の降伏強度の関係をシミュレーションにより求めた結果を図6(a),(b)に示す。
ちなみに、この表1では、図5(b)に示すように、部分架構の取り出し位置は、鋼管柱2を中心とし、左側の梁材3がより長くなるように抽出した、斜線で示す領域としており、架構における“梁長左”は、図5(a)に示す鋼管柱2の左側にある梁材3を、“梁長右”は、図5(a)に示す鋼管柱2の右側にある梁材3を示している。
上記(1)式に相当する曲線を図6(a)中に示す。また図中に、さらに幅が700mmの鋼管柱2の耐力一定曲線を示す。従来の構造では、柱板厚を36mmとしていたが、この耐力一定曲線に沿って柱板厚を下げるとともに、柱降伏強度を向上させる。その結果、耐力一定曲線において柱降伏強度が400N/mm2であるときに概ね弾性域に、更に柱降伏強度が500N/mm2であるときにこの鋼管柱2を完全に弾性域にすることが可能となる。柱降伏比と柱降伏強度との関係においては、この(1)式を満たす領域は、図6(b)の実線で示すことが可能となる。従来においては、鋼管柱2の板厚を同一としつつ、単に鋼材のみを高強度鋼としていたが、本発明では、鋼材の降伏比を緩和することで、引
張強さは同一のまま降伏強度のみを上昇させ、鋼管柱2の板厚を薄肉化している点において相違する。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。本実施例では、従来鋼に対し、降伏比を80%以上とすることで、(1)式を満足する柱降伏強度を得ることが出来る。さらに望ましくは、降伏比を90%以上とすることで、本発明の意図を確実に実現することができる。
張強さは同一のまま降伏強度のみを上昇させ、鋼管柱2の板厚を薄肉化している点において相違する。その結果、軽量化を図ることができ、材料コスト、施工コストを低減させることが可能となる。本実施例では、従来鋼に対し、降伏比を80%以上とすることで、(1)式を満足する柱降伏強度を得ることが出来る。さらに望ましくは、降伏比を90%以上とすることで、本発明の意図を確実に実現することができる。
以下、本発明を適用した鉄骨構造物1の実施例3について説明をする。
鉄骨構造物1における表3に示すような鋼管柱2並びに梁材3の柱梁諸元において、実際に鋼管柱2の板厚と、鋼管柱2の降伏強度の関係シミュレーションにより求めた結果を図7(a),(b)に示す。
上記(1)式に相当する曲線を図7(a)中に示す。柱降伏比と柱降伏強度との関係においては、この(1)式を満たす領域は、図7(b)の実線で示すことが可能となる。また図中に、さらに幅が950mmの鋼管柱2の耐力一定曲線を示す。従来の構造では、柱板厚を40mmとしていたが、この耐力一定曲線に沿って柱板厚を下げるとともに、柱降伏強度を向上させる。その結果、耐力一定曲線において柱降伏強度が500N/mm2であるときに概ね弾性域にすることが可能となる。本実施例では、従来鋼に対し、降伏比を95%以上とすることで、または、引張強度クラス590N/mm2級鋼にて降伏比を80%以上とすることで、 (1)式を満足する柱降伏強度を得ることが出来る。さらに望ましくは、降伏比を90%以上とすることで、本発明の意図を確実に実現することができる。
1 鉄骨構造物
2 鋼管柱
3 梁材
21 鋼管
22 柱梁接合部
31 ウェブ部
32 フランジ部
2 鋼管柱
3 梁材
21 鋼管
22 柱梁接合部
31 ウェブ部
32 フランジ部
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120605 |