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JP2010214750A - 微細形状転写用フィルム、微細形状転写フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

微細形状転写用フィルム、微細形状転写フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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JP2010214750A
JP2010214750A JP2009063956A JP2009063956A JP2010214750A JP 2010214750 A JP2010214750 A JP 2010214750A JP 2009063956 A JP2009063956 A JP 2009063956A JP 2009063956 A JP2009063956 A JP 2009063956A JP 2010214750 A JP2010214750 A JP 2010214750A
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Emi Kuraseko
絵美 倉世古
Ryuhei Yonetahi
隆平 米多比
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Abstract

【課題】
金属との滑り性が良好で、かつプレス成形の際の金型への移行が抑制された離型層を有する形状転写性の高い微細形状転写用フィルムを提供する。
【解決手段】
少なくとも片方の面が熱可塑性樹脂で構成された基材フィルムの該熱可塑性樹脂表面に、高温粘着強度が5.0g/10mm以下であり、かつ厚みが0.5μm以下である離型層を有する微細形状転写用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は高温状態の金属との滑り性が良好な離型層を有する形状転写性に優れた微細形状転写用フィルムと、それを用いて製造した微細形状転写フィルムおよびその製造方法に関する。
従来、導光板、光拡散板、レンズ等の光学フィルムを製造する手段として、微細形状転写用フィルムの表面に、金型の表面に設けた微細形状を転写するプレス成形方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。このようなプレス成形法では、プレート板によって微細形状転写用フィルムを金型にプレスするが、成形された微細形状転写フィルムを金型から剥がそうとしてもうまく剥がれず転写形状が崩れてしまう問題がある。そこで金型やフィルムへ離型コート等が処理される。しかしながら、プレスを重ねる毎に金型に処理した離型コートが微細形状転写用フィルムに、あるいは微細形状転写用フィルムに処理した離型コートが金型に移行する現象が発生し、微細形状転写フィルムを金型から離型する際に微細形状が変形してしまう問題がある。そのため、定期的な金型の清掃および離型コートの処理が必要となり、生産性、経済性が問題となる。
また、離型コートを処理した微細形状転写用フィルムに金型を押圧して微細形状を転写するに際し、微細形状転写用フィルムと金型との間に空気を噛み込み成形不良を起こす問題がある。これを防止する手段として樹脂板状体の転写板との当接開始時に、転写板を樹脂板状体に対して突出するように反曲させることで空気を排除する方法が知られている(特許文献3)。しかしながら特許文献3のような装置を採用しても、求める成形形状によっては空気を完全に押し出すことができず、微細形状転写用フィルムと金型との間に空気を噛み込んだまま押圧し、成形不良が発生するという問題があった。
特開2005−199455号公報 特開2005−310286号公報 特開2006−035573号公報
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、金型を押圧して金型の表面に設けた微細形状を転写するに際し、フィルムの熱成形可能表面に処理した離型層が金型に移行することを抑制し、かつ金型と離型層との間の滑り性を向上させることで空気の噛み込みを抑制した離型層を有する形状転写性に優れた微細形状転写用フィルムを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の微細形状転写用フィルムは、少なくとも片方の面熱可塑性樹脂で構成された基材フィルムの該熱可塑性樹脂表面に、後述する高温粘着強度が5.0g/10mm以下であり、かつ厚みが0.5μm以下である離型層を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、金型を押圧することで微細形状を転写するに際し、基材フィルムの熱可塑性樹脂面に積層した離型層の金型への移行と、金型と離型層の間の空気の噛み込みとを抑制した離型層を有する形状転写性に優れた微細形状転写用フィルムを製造することができる。
本発明の高温粘着強度測定装置の正面概略図である。 図1に示した高温粘着強度測定装置を使用する際の、粘着に関する動作を装置側面から見た拡大概略図である。
以下、図面等を参照しながら、本発明の微細形状転写用フィルム、微細形状転写フィルムおよびその製造方法について、さらに詳しく説明する。尚、本発明の微細形状転写用フィルムは、微細形状が表面に形成されたプレート状金型へのプレート板の押圧によって微細形状転写用フィルムへ微細形状を転写する成形方法のみでなく、例えば、ロール状の金型へのニップロール等の押圧によって、微細形状転写用フィルムに微細形状を転写する成形方法であっても好適に適用が可能である。
本発明の微細形状転写用フィルムは、少なくとも片方の面を熱可塑性樹脂とした基材フィルムの該熱成形樹脂表面に、ステンレス板との高温粘着強度が5.0g/10mm以下であり、厚みが0.5μm以下である離型層を有することを特徴とする。
本発明にかかる少なくとも片方の面が熱可塑性樹脂で構成された基材フィルムは、薄板状物であれば単層体でも積層体でもよい。単層体としては例えば熱可塑性樹脂フィルム、積層体としては例えば支持体の片面に熱可塑性樹脂を積層した2層積層体、支持体の一方の面に熱可塑性樹脂を、他方の面にそれとは異なる樹脂を積層した3層積層体、支持体の両面に同じ種類の熱可塑性樹脂を積層した3層積層体等がある。単層体は製膜上のハンドリング性に優れている。2層積層体は熱可塑性樹脂を配した面とは反対側の面に易滑性、耐摩擦性などの表面特性や、機械的強度、耐熱性を付与することができる。また、支持体に安価な材料を使用できるので単層体と比較してコストも抑えられる。3層積層体は支持体の両面に樹脂が積層されるので成形後のカールが防止できる。特に支持体の両面に同じ種類の熱可塑性樹脂を積層した3層積層体の場合、両面の樹脂の特性が同じであるからカールの防止が容易となりより好ましい。また、熱可塑性樹脂からなる単層体や、2層積層体又は3層積層体における成形面の熱可塑性樹脂からなる層には、本発明の効果を阻害しない範囲において熱可塑性樹脂以外の成分が含まれていてもよい。
本発明にかかる基材フィルムの少なくとも片方の面を構成する熱可塑性樹脂は、加熱とともに目的とする形状に賦形され、その後冷却することでその形状を維持し得るものである。熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgが40〜180℃の樹脂が好ましく、50〜160℃がより好ましく、50〜120℃が最も好ましい。ガラス転移温度Tgが40℃未満であると、成形品の耐熱性が悪くなり微細形状の保持が困難となる場合がある。一方、ガラス転移温度Tgが180℃を上回ると、成形温度を高くせざるを得なくなりエネルギー的に非効率であり、またフィルムの加熱/冷却時の体積変動が大きくなってフィルムが金型に噛み込むことで離型できなくなったり、また離型できたとしてもパターンの転写精度が低下したり、部分的にパターンが欠けて欠点となったりする場合がある。熱可塑性樹脂としては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂である。これらの中で共重合するモノマー種が多様であり、かつ、そのことによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂が好ましく、上述の熱可塑性樹脂が50質量%以上からなることがさらに好ましい。
本発明にかかる基材フィルムの支持体は、形状を賦形する際に加えられる温度や圧力によって形状が変化しないシート状のものであればよい。支持体の例としては、上述の熱可塑性樹脂や二軸延伸ポリエステルフィルム等の有機基材または有機フィルム、あるいはガラス、シリコーン、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼、チタン等の無機基材などが挙げられる。
微細形状転写用フィルムの厚さは、0.01〜3mmの範囲が好ましく、0.01〜1mmの範囲がより好ましい。0.01mm未満では成形するのに厚みが十分でない場合があり、3mmを超えると基材の剛性により搬送が難しくなる場合がある。 本発明にかかる基材フィルムの製造方法としては、例えば、単層体の場合、フィルム形成用材料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してフィルム状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、フィルム形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いで、かかる膜層から溶媒を乾燥除去させてフィルム状に加工する方法(溶液キャスト法)がある。また、積層体の製造方法としては、支持体の樹脂と熱可塑性樹脂をそれぞれ二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してフィルム状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製した支持体に熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、支持体と熱可塑性樹脂で構成されたフィルムをそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、フィルム形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をフィルム上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。かかるフィルム状の樹脂基材は、下地調整材や下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。また、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
また、本発明にかかる基材フィルムには、重合時もしくは重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合できる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。
金型を押圧することで微細形状を転写する際の成形温度は、成形される面の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgに依存し、その温度はガラス転移温度Tg+20〜100℃が好ましい。成形温度が熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg+20℃より低い場合は、樹脂の成形面に形状を転写するために十分なエネルギーが与えられず、成形できない場合がある。一方、成形温度が熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg+100℃を上回る場合は、エネルギー的に非効率であり、また、熱可塑性樹脂が結晶化する場合がある。
なお、本発明においてガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(以下DSC)測定により、下記手順にて求めた。すなわちDSCとしてセイコー電子工業株式会社製ロボットDSCの型番RDSC220、データ解析装置としてセイコー電子工業株式会社製ディスクステーションの型番SSC/5200を用い、アルミニウム製受皿に5mgのサンプルを充填し、この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させ、次いで液体窒素で急冷する。この過程で得られるTgを測定した。
本発明にかかる離型層は、シリコーン成分を含むものであり、具体的な塗剤としては、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の型番SHC900、富士化成工業化学株式会社製の型番ZX−104などが挙げられる。具体的な塗膜形成方法を以下に示す。まず前記塗剤を固形分2.0質量%になるように溶剤で希釈する。希釈溶剤はアルコール系、脂肪族炭化水素系、環状炭化水素系、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系などの汎用溶剤を単独、もしくは2種以上で選択することができるが、塗剤の表面張力を下げる目的でアルコール系溶剤のイソプロピルアルコール等を含むことが好ましい。しかしながらモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製型番SHC900についてはアルコール系溶剤は真溶剤ではなく、アルコール系溶剤を単独、もしくはアルコール系溶剤が50質量%以上の混合溶媒では固形分が析出するため、ケトン系、脂肪族炭化水素系、環状炭化水素系、芳香族炭化水素系、エステル系溶剤のいずれかを主な溶剤とする必要がある。次に固形分2.0質量%に調整した塗液を種々の方法で、少なくとも片面を熱可塑性樹脂とした基材フィルムの熱成形樹脂面に塗工する。塗工方法としてはダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、小径グラビア方式、ロッドコート方式、バーコート方式、ダイコート方式または、スプレーコート方式等、特に規制はされないが、平滑な塗膜の形成と経済性から考えて小径グラビア方式が好ましい。塗工後、塗膜を硬化させる。塗膜の硬化反応が加熱により開始する塗剤である場合、乾燥硬化条件は100℃24秒以上が好ましい。100℃24秒より低温短時間である場合には塗膜が十分に硬化せず、微細形状転写の際に押圧する金型にフィルム上の離型層が移行する可能性がある。塗膜の硬化反応が光照射により開始する場合は、オーブンで溶剤を乾燥させた後に光照射により塗膜を硬化させる。
本発明にかかる離型層の乾燥後の厚みは0.5μm以下である。好ましくは0.025〜0.5μm、より好ましくは0.03〜0.1μmである。離型層の厚みが0.5μmを超えると、金型の押圧により微細形状を転写する際にフィルム上で離型層が割れたり、剛性の高い塗膜によって微細形状の成形性が低下したりして金型の微細形状を精度よく転写できない。一方、離型層の厚みが、0.025μm未満であると、その塗膜厚みの薄さから塗膜厚みが不安定となる場合がある。
本発明の微細形状転写用フィルムは、微細形状金型を精度良く転写することができる。従来の微細形状転写用フィルムは、金型形状やプレス機の精度などにより金型の微細形状凹凸内部に噛み込んだ空気を排除することができずに成形抜け欠点が生じることがあり、これは、たとえ高い離型性を付与できることで知られる通常の離型処理用シリコーンコートなどを付与しても全く解消することはできなかった。
これに対し本発明者らは、この成形欠点抑制について鋭意検討した結果、プレス成形時の空気噛み込みによる成形不良は、微細形状転写用フィルムが金型に充填される際のフィルム成形面の離型表面と金型の滑り性が悪いことに起因して発生していたことを突き止め、そしてこれは高温での粘着強度を特定値以下とすることで大幅に抑制できることを見出して本発明を完成したものである。
微細形状転写用フィルムの離型層と金型の滑り性としては、金型を模して加熱した金属板に微細形状転写用フィルムの離型面を静置して粘着させた後、粘着したフィルムを金属に垂直な方向に一定速度で引き上げて剥離する際の荷重である高温粘着強度を、離型層と金属の滑り性を示す指標とした。高温粘着強度が大きい場合には、高温ではフィルム表面の離型層と金属が粘着して離型層の動きが抑制される、すなわち離型層と金属の滑り性が悪いことを示している。一方、高温粘着強度が小さい場合には、高温でもフィルム表面の離型層と金属は粘着しにくく、離型層と金属の滑り性が良いことを示している。
本発明の微細形状転写用フィルムは、プレスを重ねても離型層が金型に移行することもなく、形状の転写性に優れている。通常の離型処理用シリコーンコートを付与した従来の微細形状転写用フィルムでは、プレスを重ねる毎に離型層が金型へ移行して、移行した離型層により金型の微細形状が目詰まりをおこし、フィルムへの形状転写性が低下する傾向にあった。そのため、フィルムへの密着性が良好で金型に移行しない離型剤が求められていた。金型の押圧により微細形状を転写する際には、金型と微細形状転写用フィルム上の離型層との貼り付きが発生する。従来、微細形状転写用フィルムと金型との貼り付きを示す指標としては、日東電工製の31Bテープなどのテープと離型層との剥離強度や、微細形状転写用フィルムの離型層面を高温の金属に粘着させた状態で常温まで冷却し、粘着したフィルムを金属に垂直な方向に一定速度で引き上げて剥離する際の荷重で示される常温離型強度で示される。しかしながら従来の離型強度測定では金型への離型層の転移を明らかにすることはできず、金型から転写される微細形状の崩れを抑制することができなかった。
これに対し本発明者らは、高温金型から微細形状転写用フィルムを剥離する際の金型への貼り付きは高温粘着強度で示されることから、高温粘着強度を特定値以下に規定することで微細形状転写用フィルムの金型への貼り付きを防止し、離型層の金型への移行をも抑制できることも明らかにした。すなわち、高温粘着強度が大きい場合には、高温ではフィルム表面の離型層と金属が粘着して金型に貼り付くことで離型層が金型に移行しやすく、移行した離型層によって金型が汚染されて形状転写性が低下しやすいことを示している。一方、高温粘着強度が小さい場合には、高温でもフィルム表面の離型層と金属は粘着しにくく、離型層が金型に移行せず、形状転写性の低下を抑制できることを示している。
本発明における「高温粘着強度」の測定方法について図を用いて説明する。図1は粘着強度測定のための装置の概略正面図を示したものであり、図2は粘着強度測定装置を使用する際の粘着に関する動作を装置側面から見た拡大概略図である。図1に示す粘着強度測定装置は、シート状サンプルを把持し加熱したステンレス板にシート状サンプルを粘着/剥離させるための昇降装置2、シート状サンプルを粘着するステンレス板を加熱するための温度調節機能を備えたステージ3、およびシート状サンプルと加熱されたステンレス板との粘着強度を測定・記録するための装置4で構成される。
前記昇降装置2の動作速度は180mm/minとする。速度が180mm/minを超える場合、加熱されたステンレス板7のサンプル把持機構鉛直下にシート状サンプルを静置することが困難となる。また、粘着強度を測定するためにシート状サンプルをステージより剥離するに際し、シート状サンプルに対して急激に大きな張力がかかることでシート状サンプルが破断され測定不能となる可能性がある。
前記ステージ3は温度調節機能を有している。温度調節機能を有するステージとしては例えば井内盛栄堂(現アズワン株式会社)製HOT STIRRER DO−1Mなどが好適である。
前記粘着強度記録装置4はサンプル把持機構5にかかる張力を測定・記録できる物であれば特に規制はなく、例えば株式会社東洋ボールドウィン(現株式会社オリエンテック)製AUTOMATIC NULL BALANCED RECORDER AR−6110等が挙げられる。
前記サンプル把持機構5は粘着強度測定の際の張力に耐えうるものであれば、クリップ固定式、テープ固定式、ねじ固定式等、特に規制はないが、測定値の安定性の観点からクリップ固定式が好ましい。
前記ステンレス板7は厚み123μmのSUS430(JIS G430301)とする。
前記金属製おもり8は、シート状サンプルをステージに定着させるために25g/cm2の荷重を与えるもので、底面は一辺が50mmの正方形、高さが30mmの直方体とする。
粘着強度は以下に示す(A)から(D)の方法で測定する。
(A)温度調節機能を備えたステージ3上にステンレス板7を粘着テープで固定し、形成しようとする熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、ステージ3の温度をガラス転移温度Tg+25℃に昇温する。粘着テープはステージ上で加熱されるので、その粘着性が経時で変化しない耐熱性に優れたものであればよく、例えば日東電工株式会社製の型番No.5919(粘着剤厚み50μm)等が挙げられる。また、ステンレス板7と同様にフィルムを粘着させる際に使用する金属製おもり8もステンレス板7と等温になるまで昇温する。
(B)50mm×100mmの長方形の微細形状転写用フィルムを、長辺を2分の1にするように折り曲げてL字型にし、離型層を有する面がステージに粘着できるように、粘着箇所をステージ粘着面に対して水平にサンプル把持機構5に固定する(図2(a)参照)。
(C) サンプル把持機構5に把持されたL字型の微細形状転写用フィルム6を180mm/minで降下させ、(A)で加熱したステンレス板7に静置する。その後、(A)で加熱した金属製おもり8で25g/cm2の荷重をかけてステンレス板7に粘着した微細形状転写用フィルム6を固定し、3分間定着させる(図2(b)参照)。
(D)フィルム定着後、金属製おもり8を取り除き、昇降装置2によって180mm/minで微細形状転写用フィルム6を剥離し、粘着強度記録装置4により粘着強度を測定する。サンプル3枚を測定した結果の平均値を高温粘着強度とする。
金属との滑り性に優れる離型層の高温粘着強度は5.0g/10mm以下である。高温粘着強度が5.0g/10mmより大きい場合は、金属との十分な滑り性が得られずに金型を押圧するに際し、空気を噛み込むことで形状崩れが発生し、また、金型に粘着するため離型層の金型への移行も発生する。
次に本発明にかかる微細形状転写用フィルムの離型層表面に、微細形状が形成された金型を押圧し、微細形状を転写する微細形状転写フィルムの製造方法を説明する。
本発明にかかる微細形状は、液晶表示装置に用いられる一般的な輝度向上フィルムの表面に成形される凹凸形状程度の大きさのものである。すなわち、凹凸形状の凸部断面の幅が0.1〜200μm、凸部断面の高さが0.2〜400μmの範囲が好ましい。凹凸形状の具体的な形状としては、プリズム形状、略六角形状、楕円形状などが挙げられる。
微細形状転写用フィルムに形状を転写する際に用いる金型はフィルム表面に付与したい微細な凹凸パターンに対応して形成されているものである。金型に微細形状を形成する方法としては、切削加工、レーザー加工、フォトリソグラフィ、電子線描画法、およびそれらをマスターとしたレプリカ法等がある。金型の材質はステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂等、所望のプレス時の強度およびパターン加工精度が得られるものであれば特に規制はない。
微細形状転写用フィルムに金型を押圧する機構は加圧力を制御できれば、いかなるものでもよい。圧力範囲は0.1MPa〜20MPaの範囲で制御できることが好ましく、1MPa〜10MPaの範囲で制御できることがより好ましい。また、金型を押圧して微細形状を成形する際の金型温度は40℃以上で制御できることが好ましい。40℃未満の場合は微細形状転写用フィルムを熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上にすることが困難であるため成形が不可能となりやすい。
(1)高温粘着強度測定方法
微細形状転写用フィルムの離型層の高温粘着強度を、前記粘着強度測定方法に従い測定した。
(2)常温粘着強度測定方法
前記高温粘着強度測定において、サンプルを定着させた状態で25℃まで放冷し、粘着強度を測定した以外は高温粘着強度と同様にして測定した。
(3)空気の噛み込みによる成形不良の評価
金型と微細形状転写用フィルムとの間の空気の噛み込みに起因する成形不良を目視で観察し、成形不良の有無で空気の噛み込みを評価した。
[評価基準]
○: 空気の噛み込みがなく成形性良好
×: 空気噛み込みによる成形不良あり。
(4)成形性の測定方法
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK9700)を用いて、成形後の微細形状転写フィルムの成形面に賦形された微細形状を3000倍で観察し、成形の高さを測定した。
3箇所の測定値の平均値と、フィルムに賦形された形状から評価基準を以下のように定め、表記した。
[評価基準]
○: 成形高さが目的とする高さの90%以上で成形性良好
△: 成形高さが目的とする高さの90%以上だが微細形状に崩れあり
×: 成形高さが目的とする高さの90%未満で転写不良。
[実施例1]
厚さ23μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを支持層とし、その両方の面に熱可塑性樹脂として厚さ7.5μmの2,6-ナフタレンジカルボン酸12モル%共重合PET層を設け、微細形状転写面と反対側の面に易接着コートが処理された、全体厚さが38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムに、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のシリコーン成分を含む塗剤SHC900をMEK/IPA=2/1の混合溶媒で固形分2質量%に調整した塗剤を、乾燥後の塗工厚みが0.1μmになるように塗工した。この熱成形可能層のガラス転移温度は85℃であった。また、塗膜の乾燥硬化条件は120℃24秒であった。得られた離型層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの離型面の高温粘着強度は3.4g/10mm、常温粘着強度は2.0g/10mmであった。また、下記(1)〜(7)の条件で金型を押圧することで微細形状転写フィルムを製造した。
(1)金型サイズ:500mm(フィルム幅方向)×800mm(フィルム走行方向)×20mm(厚み)
(2)金型材質:銅
(3)微細形状:ピッチ18μm、凸部高さ9μmで断面がプリズム形状のものを使用した。
(4)プレス装置:最大3000kNまで加圧できるもので、加圧は油圧ポンプによってされる。プレス装置内にはアルミ合金製でサイズが700mm(フィルム幅方向)×1000mm(フィルム走行方向)の温調プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ熱倍循環式の加熱装置、冷却水循環式の冷却装置に連結されている。なお、金型は下側の温調プレート上面に取り付けられている。
(5)緩衝材:厚み2.0mmの耐熱性基布の中間基材と、中間基材の両側に積層したフッ素ゴムとで構成された複合シート(株式会社金陽社製 型番F200)を準備した。この複合シートの片面に厚み100μmのフッ素樹脂フィルム(東レフィルム加工株式会社製 型番トヨフロンF)を積層して緩衝材とした。この緩衝材を、フッ素樹脂フィルム面とは反対側の面を向けて上側の温調プレートに貼り付けた。
(6)動作方法:上記の装置を用い、以下のように間欠的に成型を行った。あらかじめ、二軸延伸積層ポリエステルフィルムを巻出装置から巻取装置までプレス装置を経由して離型層が金型側になるよう通しておく。次に、温調プレートが上下ともに120℃となるまで加熱した後、上側プレートを下降させて、フィルムのプレスを開始する。プレスは金型表面7MPaで30秒実施した。その後、プレスを継続したまま、温調プレートを上下ともに冷却する。各温調プレートが60℃になったときに冷却を停止する。上下ともに冷却が完了すれば、プレスを開放する。上側プレートを上限まで上昇させ、フィルムを離型する。
(7)上記の動作を繰り返して1000枚の微細形状転写フィルムを製造し、1000枚目の微細形状転写フィルムの成形性をレーザー顕微鏡で観察した。微細形状転写用フィルムの離型層が金型に移行した場合は金型の微細形状が崩れて成形性が低下し、フィルムに正確に形状転写できないことを利用して、微細形状の成形性から金型の汚れを評価した。得られた微細形状転写フィルムは空気の噛み込みによる形状の崩れもなく、成形高さは8.6μmであり成形性は良好であった。
[実施例2]
離型剤として、富士化成工業株式会社製のシリコーン成分を含む塗剤、型番ZX−104とチバ・ジャパン株式会社製型番IRGACURE250を質量比100:3.3で混合し、MEK/IPA=2/1の混合溶媒で固形分2.5質量%に調整し、乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗工した。得られた微細形状転写用フィルムの高温粘着強度は2.9g/10mm、常温粘着強度は0g/10mmであった。実施例1と同様に微細形状転写用フィルムの製造装置でプレス成形したところ空気噛み込みによる転写不良もなく、成形高さは8.1μmであり、成形性は良好であった。
[比較例1]
乾燥後塗膜厚みが1.0μmとなるように塗工したこと以外は実施例1と同様にして微細形状転写フィルムを得た。得られた離型層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの離型層面の高温粘着強度は0g/10mm、常温粘着強度は2.0g/10mm、であった。また、実施例1と同様に金型を押圧することで得られた微細形状転写フィルムをレーザー顕微鏡で確認した成形高さは8.2μmであったが、微細形状に不良がみられ、金型の微細形状に対応した形状を形成することはできなかった。
[比較例2]
離型剤として、信越化学工業株式会社製のシリコーン成分を含む塗剤、型番X−62−7655と信越化学工業株式会社製のシリコーン成分を含む塗剤、型番X−62−7622と信越化学工業株式会社製型番CAT―7605を質量比95:5:1で混合し、IPAで固形分2.5質量%に調整した塗剤を、乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗工した。得られた微細形状転写用フィルムの高温粘着強度は6.0g/10mm、常温粘着強度は0g/10mmであった。実施例1と同様に微細形状転写フィルムの製造装置でプレス成形したが、金型を押圧する際に空気の噛み込みが多発し成形不良が発生した。また、プレスの繰り返しにより微細形状転写用フィルムの離型層が金型に移行して金型の微細形状が崩れた結果、金型の微細形状に対応した形状を成形することはできなかった。
Figure 2010214750
1:粘着強度測定装置
2:昇降装置
3:ステージ
4:粘着強度記録装置
5:サンプル把持機構
6:微細形状転写用フィルム
7:ステンレス板
8:金属製おもり

Claims (4)

  1. 少なくとも片方の面が熱可塑性樹脂で構成された基材フィルムの該熱可塑性樹脂表面に、高温粘着強度が5.0g/10mm以下であり、かつ厚みが0.5μm以下である離型層を有する微細形状転写用フィルム。
  2. 離型層がシリコーン成分を含む請求項1に記載の微細形状転写用フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の微細形状転写用フィルムの前記離型層表面に微細形状が付与された微細形状転写フィルム。
  4. 請求項1又は2に記載の微細形状転写用フィルムの前記離型層表面に微細形状が形成された金型を押圧し、該離型層表面に該金型の微細形状に対応した形状を形成する微細形状転写フィルムの製造方法。
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