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JP2010203354A - トラクション制御装置及び方法 - Google Patents

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JP2010203354A
JP2010203354A JP2009050734A JP2009050734A JP2010203354A JP 2010203354 A JP2010203354 A JP 2010203354A JP 2009050734 A JP2009050734 A JP 2009050734A JP 2009050734 A JP2009050734 A JP 2009050734A JP 2010203354 A JP2010203354 A JP 2010203354A
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Hiroaki Endo
弘昭 遠藤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車両の荷重抜けに対応して駆動力を適切に制御する。
【解決手段】トラクション制御装置(100)は、車両(1)に搭載され、車両の駆動輪(DW)に伝達される駆動力を調節可能な駆動力調節手段(13、14)と、駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段(20)と、車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する接地荷重変動検出手段(24)と、スリップ状態検出手段により駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、検出された接地荷重の変動に応じて、駆動力を調節するように駆動力調節手段を制御する制御手段(20)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の車輪に伝達される駆動力を制御するトラクション制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば、駆動輪の駆動スリップ状態に基づき、エンジン駆動トルクを所定量ずつ増減制御する際に、該エンジン駆動トルクを所定量ずつ増減制御させるトルク調整時間を、駆動スリップ状態に基づいて変更する装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、車両の加速時、旋回時に、車輪の空転が予測又は検知された場合、ばね上、ばね下両加速度の一方或いは両方をアクチュエータが発生する推力によって直接制御して、ばね上、ばね下両質量の一方或いは両方の慣性力を発生させてこれの反力を接地面に作用させる装置が提案されている。ここでは特に、車輪の空転が予測又は検知された場合、先ず、車輪の接地荷重を増大させ、依然車輪の空転が予測又は検知されたらスロットル開度を抑制するように制御することが開示されている(特許文献2参照)。
或いは、検出されたばね上加速度に基づいて計算された車体の平均ばね上変位及び平均ばね上加速度に応じて、各車輪に付加すべき駆動力又は制動力を計算する装置が提案されている。ここでは特に、車輪の上下振動に応じて、車両の上下車輪振動を許容するように駆動力を変更することによって、接地荷重の変動を抑制することが開示されている(特許文献3参照)。
或いは、車体ばね上振動の一つであるピッチング振動を抑えるように、要求駆動力に相当する要求エンジントルクを補正する装置が提案されている。ここでは特に、車体ばね上振動モデルの状態方程式よりピッチング振動を抑制するために必要とされる補正値を求め、該求められた補正値に基づいて、演算された基本要求エンジントルクを補正することが開示されている(特許文献4参照)。
或いは、車両が直進走行している際に、各駆動用車輪に取り付けられている接地荷重センサのいずれかから出力される接地荷重が所定範囲を外れた場合、この接地荷重を元に戻すように各駆動用車輪を制御するトラクション制御部を有する装置が提案されている(特許文献5参照)。
特開平5−149157号公報 特開平11−034628号公報 特開2006−109642号公報 特開2006−069472号公報 国際公開WO2004/018273号公報
しかしながら上述の背景技術では、車両がジャンプしたり、車両がうねりのある路面を走行していたりする場合に生じる接地荷重の一時的な低下(所謂、荷重抜け)に起因して、過剰にエンジンが制御される可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、荷重抜けに対応して駆動力を適切に制御することができるトラクション制御装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明のトラクション制御装置は、上記課題を解決するために、車両に搭載され、前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を調節可能な駆動力調節手段と、前記駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、前記車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する接地荷重変動検出手段と、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記検出された接地荷重の変動に応じて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する制御手段とを備える。
本発明のトラクション制御装置によれば、駆動力調節手段は、車両の駆動輪に伝達される駆動力を調節可能である。具体的には例えば、駆動力調節手段は、電動スロットルの開度を変更したり、燃料噴射量を変更したりすることによってエンジンの出力を変更して、或いは、動力伝達機構におけるギア比を変更して、或いは、当該車両が駆動用のモータを備える場合には駆動用モータの出力を変更して、駆動力を調節する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなるスリップ状態検出手段は、駆動輪のスリップ状態を検出する。具体的には例えば、スリップ状態検出手段は、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、車輪速度センサ等を介して、車両の走行状態を検出し、該検出された走行状態に基づいて、駆動輪のスリップ状態を検出する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる接地荷重変動検出手段は、車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する。具体的には例えば、接地荷重変動検出手段は、車両の各車輪に設けられた接地荷重センサを介して接地荷重の変動を検出する。或いは、接地荷重変動検出手段は、加速度センサを介して車両の上下方向(即ち、車両の駆動輪が接地している路面に対して垂直な方向)に掛かる加速度を検出することによって、又は、サスストロークセンサを介して各車輪のサスペンションの上下運動を検出することによって、接地荷重の変動を検出する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御手段は、スリップ状態検出手段により駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、検出された接地荷重の変動に応じて、駆動力を調節するように駆動力調節手段を制御する。ここで、「駆動力を調節するように駆動力調節手段を制御」とは、駆動輪のスリップ状態を解消するために、駆動輪に伝達される駆動力を調節するように駆動力調節手段を制御すること、即ち、トラクション制御(Traction Control:TRC)を意味する。
「接地荷重の変動に応じて」とは、典型的には、トラクション制御の際に用いられる駆動輪が接地している路面の摩擦係数の推定値を、接地荷重の変動に基づいて補正することを意味する。
本願発明者の研究によれば、トラクション制御では、トラクション制御介入時の前後の車両の加速度に基づいて、或いは、車両の静荷重と車両の前後左右への荷重移動との和に基づいて、駆動輪が接地している路面の摩擦係数を推定していることが多い。例えば車両がジャンプ等することに起因して荷重抜けが生じた場合、推定される摩擦係数は、荷重抜けの分だけ低下するが、トラクション制御装置は、摩擦係数の低下が、荷重抜けによるものか、路面の状態によるものかの判定をすることができない。この結果、トラクション制御装置は、荷重抜けの分だけ低下した摩擦係数に応じたトラクション制御を実行する。すると、例えば駆動力が過剰に低下することに起因して、ドライバビリティが低下するおそれがあることが判明している。
しかるに本発明では、制御手段により、スリップ状態検出手段により駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、検出された接地荷重の変動に応じて、駆動力を調節するように駆動力調節手段が制御される。ここで特に、検出された接地荷重の変動は、上述の如く、車両の上下方向の接地荷重の変動であるので、推定された摩擦係数が低下した場合に、該摩擦係数の低下が荷重抜けによるものか、路面の状態によるものかを、検出された接地荷重の変動に基づいて判定することができる。
このため、摩擦係数の低下が荷重抜けによるものであると判定された場合、制御手段は、典型的には、検出された接地荷重の変動に基づいて、推定された摩擦係数を補正し、該補正された摩擦係数を用いてトラクション制御を実行する。他方、摩擦係数の低下が路面の状態によるものであると判定された場合、制御手段は、典型的には、推定された摩擦係数を用いて(即ち、推定された摩擦係数に、補正係数として1を掛けた値を、補正された摩擦係数として用いて)トラクション制御を実行する。
従って、本発明のトラクション制御装置によれば、荷重抜けに対応して駆動力を適切に制御することができる。
本発明のトラクション制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記駆動輪が接地している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、前記検出された接地荷重の変動に基づいて、前記推定された摩擦係数を補正する補正手段とを含み、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記補正された摩擦係数に基づいて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する。
この態様によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる摩擦係数推定手段は、車両の駆動輪が接地している路面の摩擦係数を推定する。具体的には例えば、摩擦係数推定手段は、車両の加速度に基づいて、又は、車両の静荷重と車両の前後左右への荷重移動との和に基づいて、駆動輪が接地している路面の摩擦係数を推定する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる補正手段は、検出された接地荷重の変動に基づいて、推定された摩擦係数を補正する。具体的には例えば、接地荷重変動検出手段が、車両の上下方向に掛かる加速度を検出することによって接地荷重の変動を検出している場合、補正手段は、重力加速度と検出された車両の上下方向に掛かる加速度とによって定まる係数を、推定された摩擦係数に掛けることによって、推定された摩擦係数を補正する。
制御手段は、スリップ状態検出手段により駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、補正された摩擦係数に基づいて、駆動力を調節するように駆動力調節手段を制御する。このため、比較的容易にして、荷重抜けに対応して駆動力を適切に制御することができる。
制御手段が補正手段を含む態様では、前記接地荷重変動検出手段は、前記車両の上下方向の運動状態を検出する運動状態検出手段を含み、前記検出された車両の上下方向の運動状態の変化を、前記接地荷重の変動として検出してもよい。
このように構成すれば、比較的容易にして、車両の上下方向の接地荷重の変動を検出することができる。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる運動状態検出手段は、例えばサスストロークセンサを介して各車輪のサスペンションの上下運動を検出することによって、車両の上下方向の運動状態を検出する。接地荷重変動検出手段は、運動状態検出手段によって検出された運動状態の変動を、接地荷重の変動として検出する。
或いは、制御手段が補正手段を含む態様では、前記接地荷重変動検出手段は、前記車両の上下方向に掛かる加速度を検出する加速度検出手段を含み、前記検出された車両の上下方向に掛かる加速度の変動を、前記接地荷重の変動として検出してもよい。
このように構成すれば、比較的容易にして、車両の上下方向の接地荷重の変動を検出することができる。
例えば加速度センサ等である加速度検出手段は、車両の上下方向に掛かる加速度を検出する。接地荷重変動検出手段は、加速度検出手段によって検出された加速度の変動を、接地荷重の変動として検出する。
制御手段が補正手段を含む態様では、前記制御手段は、前記摩擦係数推定手段が、前記摩擦係数を推定する時間間隔を決定する時間間隔決定手段を更に含み、前記時間間隔決定手段は、前記検出された接地荷重の変動が低下側であることを条件に、前記時間間隔を短縮してもよい。
このように構成すれば、荷重抜けに起因するトラクション制御の後における、ドライバビリティの低下(例えば、加速不良等)を抑制することができる。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる時間間隔決定手段は、摩擦係数推定手段が摩擦係数を推定する時間間隔を決定する。時間間隔決定手段は、更に、検出された接地荷重の変動が低下側であることを条件に、時間間隔を短縮する。ここで、「検出された接地荷重の変動が低下側である」とは、荷重抜けが生じていることを意味する。
本願発明者の研究によれば、路面の摩擦係数の推定は、数百マイクロ秒〜数秒毎に実行されることが多い。これは、数百マイクロ秒〜数秒は、一の路面状態が継続すると考えられるからである。しかしながら、例えば車両がジャンプ等することによる荷重抜けは、一時的(例えば、百マイクロ秒未満)である。すると、荷重抜けが解消されたにもかかわらず、次回の摩擦係数の推定までは、荷重抜けが生じた際の摩擦係数が適用される。このため、ドライバビリティが低下するおそれがあることが判明している。
しかるに本発明では、時間間隔決定手段によって、検出された接地荷重の変動が低下側であることを条件に、時間間隔が短縮される(例えば、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒等)。このため、荷重抜けが生じた際の摩擦係数が推定されてから、次回、摩擦係数が推定されるまでの期間が比較的短くなる。従って、ドライバビリティの低下を抑制することができる。
本発明のトラクション制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出され、且つ前記検出された接地荷重の低下量が第1閾値より小さいことを条件に、前記駆動力を調節しないように前記駆動力調節手段を制御する。
この態様によれば、制御手段は、本来トラクション制御を実行すべき、駆動輪のスリップ状態が検出された場合であっても、検出された接地荷重の低下量(即ち、荷重抜けの程度)が第1閾値より小さければ、トラクション制御を実行しないように駆動力調節手段を制御する。この結果、本来トラクション制御を必要としない、例えば車両がジャンプする等の一時的な外乱に起因する接地荷重の低下が生じた際に、トラクション制御を実行しないように駆動力調節手段を制御することができ、実用上非常に有利である。
本発明に係る「第1閾値」とは、駆動輪のスリップ状態が検出された場合に、駆動力を調節しないように駆動力調節手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定される値である。このような第1閾値は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば接地荷重の低下量と、該接地荷重の低下量に対応する路面の摩擦係数との関係を求め、該求められた関係に基づいて、ドライバビリティに影響を与えない摩擦係数の変動量の範囲の上限値に対応する接地荷重の低下量として、又は該低下量よりも所定値だけ小さい低下量として設定すればよい。
或いは、本発明のトラクション制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出され、且つ前記検出された接地荷重の低下側への変動率が第2閾値より小さいことを条件に、前記駆動力を調節しないように前記駆動力調節手段を制御する。
この態様によれば、制御手段は、本来トラクション制御を実行すべき、駆動輪のスリップ状態が検出された場合であっても、検出された接地荷重の低下側への変動率が第2閾値より小さければ、トラクション制御を実行しないように駆動力調節手段を制御する。この結果、本来トラクション制御を必要としない、例えば車両がジャンプする等の一時的な外乱に起因する接地荷重の低下が生じた際に、トラクション制御を実行しないように駆動力調節手段を制御することができ、実用上非常に有利である。
本発明に係る「第2閾値」とは、駆動輪のスリップ状態が検出された場合に、駆動力を調節しないように駆動力調節手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定される値である。このような第2閾値は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば接地荷重の低下側への変動率と、該接地荷重の低下側への変動率に対応する路面の摩擦係数との関係を求め、該求められた関係に基づいて、ドライバビリティに影響を与えない摩擦係数の変動量の範囲の上限値に対応する接地荷重の低下側への変動率として、又は該変動率よりも所定値だけ小さい変動率として設定すればよい。
本発明のトラクション制御装置の他の態様では、前記車両はエンジンを含み、前記駆動力調節手段は、前記エンジンの出力を調節することによって、前記駆動力を調節可能である。
この態様によれば、比較的容易にして、駆動輪に伝達される駆動力を調節することができ、実用上非常に有利である。
本発明のトラクション制御方法は、上記課題を解決するために、車両に搭載され、前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を調節可能な駆動力調節手段を備えるトラクション制御装置におけるトラクション制御方法であって、前記駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出工程と、前記車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する接地荷重変動検出工程と、前記スリップ状態検出工程において前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記検出された接地荷重の変動に応じて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する制御工程とを備える。
本発明のトラクション制御方法によれば、上述した本発明のトラクション制御装置と同様に、荷重抜けに対応して駆動力を適切に制御することができる。
尚、本発明のトラクション制御方法においても、上述した本発明のトラクション制御装置と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係るトラクション制御装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るTRC_ECUが実行するトラクション制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るTRC_ECUが実行するトラクション制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るTRC_ECUが実行するトラクション制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るトラクション制御装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明に係るトラクション制御装置の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係るトラクション制御装置が搭載される車両について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るトラクション制御装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、車両の詳細な構成部材については適宜省略し、直接関連のある構成部材のみを示している。
本実施形態に係る車両は、一例として、FF(Front−engine,Front−wheel drive)方式の車両を挙げる。しかしながら、本発明のトラクション制御装置が搭載される車両は、FF方式の車両に限定されるものではなく、例えば、FR(Front−engine,Rear−wheel drive)方式やRR(Rear−engine,Rear−wheel drive)方式等の各種方式の車両であってよい。或いは、エンジン、及び車両の駆動用のモータを備えるハイブリッド車両であってもよい。
図1において、車両1は、エンジン10と、該エンジン10に接続されている吸気通路11と、該吸気通路11に夫々設けられている電子スロットル弁13及び燃料噴射弁14と、ディファレンシャルギア12等を介してエンジン10に接続されている複数の駆動輪DWと、複数の従輪TWとを備えて構成されている。
トラクション制御装置100は、TRC_ECU(Traction Control_Electronic Control Unit)20と、ヨーレートセンサ21と、車両1の前後方向(図1における左右方向)に掛かる加速度を検出する前後加速度(Gx)センサ22と、車両1の左右方向(図1における上下方向)に掛かる加速度を検出する左右加速度(Gy)センサ23と、車両1の上下方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に掛かる加速度を検出する上下加速度(Gz)センサ24と、ブレーキ(図示せず)のマスタシリンダの圧力を検出するマスタ圧センサ25と、複数の駆動輪DW及び複数の従輪TW各々の車輪速度を検出する複数の車輪速度(Vw)センサ26と、複数の駆動輪DW及び複数の従輪TW各々に設けられたサスペンション(図示せず)の上下運度を検出する複数のサスストローク(ss)センサ27と、複数の駆動輪DW各々の舵角を検出する複数の舵角(ra)センサ28とを備えて構成されている。
TRC_ECU20は、前後加速度センサ22等の各種センサを介して、複数の駆動輪DWのスリップ状態を検出する。TRC_ECU20は、更に、複数の駆動輪DWの一方又は両方のスリップ状態が検出されたことを条件に、上下加速度センサ24からの出力信号に応じて、複数の駆動輪DWに伝達される駆動力を調節するように、電子スロットル弁13及び燃料噴射弁14を夫々制御する。
具体的には、TRC_ECU20は、車両1の駆動輪DWが接している路面の摩擦係数(以下、適宜“路面μ”と称する)を推定する。TRC_ECU20は、更に、上下加速度センサ24からの出力信号に基づいて、推定された路面μを補正する。より具体的には、例えば車両1の上下方向に掛かる上下加速度が9.8m/sである時に、上下加速度センサ24から1Gを示す信号が出力されるとすると、TRC_ECU20は、(補正された路面μ)=(推定された路面μ)×(9.8)/(上下加速度センサ24からの出力信号により示される値)という式により、推定された路面μを補正する。
TRC_ECU20は、補正された路面μに基づいて、複数の駆動輪DWに伝達される駆動力を調節するように、電子スロットル弁13及び燃料噴射弁14を夫々制御する(即ち、トラクション制御を実行する)。
尚、本実施形態に係る「電子スロットル弁13」及び「燃料噴射弁14」は、本発明に係る「駆動力調節手段」の一例であり、本実施形態に係る「上下加速度センサ24」は、本発明に係る「接地荷重変動検出手段」及び「加速度検出手段」の一例である。また、本実施形態に係る「TRC_ECU20」は、本発明に係る「スリップ状態検出手段」、「制御手段」、「摩擦係数推定手段」及び「補正手段」の一例である。
次に、以上のように構成されたトラクション制御装置100を搭載する車両1の走行時に、TRC_ECU20が実行するトラクション制御処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2において、先ず、TRC_ECU20は、前後加速度センサ22等の各種センサからの出力信号を取得する(ステップS101)。この際、TRC_ECU20は、複数の駆動輪DWのスリップ状態を検出する。ここでは、駆動輪DWのスリップ状態が検出されたものとして説明する。尚、駆動輪DWのスリップ状態が検出されない場合、TRC_ECU20は、一旦処理を終了して、再びステップS101の処理を実行する。
次に、TRC_ECU20は、上下加速度センサ24からの出力信号に基づいて、車両1の上下方向に掛かる上下加速度を演算すると共に、該演算された上下加速度に基づいて接地荷重抜けの程度を演算する(ステップS102)。ここで、接地荷重抜けの程度は、例えば、今回演算された上下加速度に基づいて演算された接地荷重と、前回演算された上下加速度に基づいて演算された接地荷重との差分値を演算することによって求めればよい。
今回演算された上下加速度に基づいて演算された接地荷重から前回演算された上下加速度に基づいて演算された接地荷重を引き算して差分値を求めたとすると、演算された差分値が負である場合に接地荷重抜けが生じているので、接地荷重抜けの程度は差分値の絶対値とすればよい。他方、演算された差分値が正又は零である場合は接地荷重抜けが生じていないので、接地荷重抜けの程度は零とすればよい。
次に、TRC_ECU20は、トラクション制御を開始する(ステップS103)。続いて、TRC_ECU20は、接地荷重抜けが有るか否かを判定する(ステップS104)。具体的には例えば、TRC_ECU20は、ステップS102の処理で演算された接地荷重抜けの程度が零より大きいか否かを判定して、零より大きいと判定された場合に、接地荷重抜けが有ると判定する。他方、TRC_ECU20は、接地荷重抜けの程度が零であると判定された場合、典型的には、接地荷重抜けが無いと判定する。
ステップS104の処理において、接地荷重抜けが有ると判定された場合(ステップS104:Yes)、TRC_ECU20は、推定された路面μを、上下加速度センサ24からの出力信号に基づいて補正する(ステップS105)。
TRC_ECU20は、上記ステップS105の処理と相前後して、路面μを推定する時間間隔を短縮する(ステップS106)。尚、本実施形態では、路面μを推定する時間間隔は、典型的には、単位時間当たりの更新回数(即ち、更新頻度)として表される。該単位時間当たりの更新回数(即ち、更新回数/単位時間)を、本実施形態では「更新勾配」と称する。
TRC_ECU20は、ステップS105の処理において補正された推定路面μに基づいて、複数の駆動輪DWに伝達される駆動力を調節するように、電子スロットル弁13及び燃料噴射弁14を夫々制御する(即ち、トラクション制御を実行する)。その後、TRC_ECU20は、一旦処理を終了して、再びステップS101の処理を実行する。
他方、ステップS104の処理において、接地荷重抜けが無いと判定された場合(ステップS104:No)、TRC_ECU20は、通常のトラクション制御を実行する(即ち、推定された路面μに基づいて、複数の駆動輪DWに伝達される駆動力を調節するように、電子スロットル弁13及び燃料噴射弁14を夫々制御する)。その後、TRC_ECU20は、一旦処理を終了して、再びステップS101の処理を実行する。
本実施形態では特に、ステップS106の処理において、更新勾配が変更されるので、荷重抜けに起因するトラクション制御の後における、ドライバビリティの低下(例えば、加速不良等)を抑制することができる。
尚、本実施形態に係る「TRC_ECU20」は、本発明に係る「時間間隔決定手段」の一例である。
<変形例>
次に、第1実施形態に係るトラクション制御装置の変形例について説明する。
本変形例では、TRC_ECU20は、上下加速度センサ24からの出力信号に代えて、サスストロークセンサ27からの出力信号に基づいて、推定された路面μを補正する。ここに、本変形例に係る「サスストロークセンサ27」は、本発明に係る「運動状態検出手段」の一例である。
尚、TRC_ECU20を、サスストロークセンサ27からの出力信号に基づいて、重力加速度に対する相対加速度として、車両1の上下方向に掛かる上下加速度を演算するように構成すれば、「サスストロークセンサ27からの出力信号に基づいて演算された上下加速度」を、上述の式(補正された路面μ)=(推定された路面μ)×(9.8)/(上下加速度センサ24からの出力信号により示される値)の、「上下加速度センサ24からの出力信号により示される値」に代入して、推定された路面μを補正することができる。
<第2実施形態>
本発明のトラクション制御装置に係る第2実施形態を、図3を参照して説明する。第2実施形態では、TRC_ECUが実行するトラクション制御処理が一部異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上の共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図3を参照して説明する。ここに、図3は、図2と同趣旨の、本実施形態に係るTRC_ECUが実行するトラクション制御処理を示すフローチャートである。
図3において、TRC_ECU20は、ステップS106の処理又はステップS107の処理の後、例えば、補正された又は推定された路面μ、前後加速度センサ22等の各種センサからの出力信号に基づいて推定された車両1のスリップ角、左右加速度センサ23等からの出力信号に基づいて演算された横加速度等に基づいて、発生可能な駆動力を演算する(ステップS201)。
次に、TRC_ECU20は、上記ステップS201で演算された発生可能な駆動力の範囲内において、要求駆動力(即ち、エンジントルク)をパワートレイン(図示せず)を制御することによって実現する(ステップS202)。その後、TRC_ECU20は、一旦処理を終了して、再びステップS101の処理(図2参照)を実行する。
<第3実施形態>
本発明のトラクション制御装置に係る第3実施形態を、図4を参照して説明する。第3実施形態では、TRC_ECUが実行するトラクション制御処理が一部異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第3実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上の共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図4を参照して説明する。ここに、図4は、図2と同趣旨の、本実施形態に係るTRC_ECUが実行するトラクション制御処理を示すフローチャートである。
図4において、TRC_ECU20は、ステップS104の処理において、接地荷重抜けが有ると判定された場合(ステップS104:Yes)、接地荷重抜け率が閾値より小さいか否かを判定する(ステップS301)。ここで、本実施形態に係る「接地荷重抜け率」及び「閾値」は、本発明に係る「検出された接地荷重の低下側への変動率」及び「第2閾値」の一例である。尚、接地荷重抜け率は、例えば、前回演算された上下加速度に基づいて演算された接地荷重に対する、ステップS102の処理(図2参照)において演算された接地荷重抜けの程度の割合として求めればよい。
ステップS301の処理において、接地荷重抜け率が閾値より小さいと判定された場合(ステップS301:Yes)、TRC_ECU20は、エンジン10の制御を終了して(即ち、トラクション制御を実行しないで)(ステップS305)、一旦処理を終了し、再びステップS101(図2参照)を実行する。
他方、ステップS301の処理において、接地荷重抜け率が閾値より大きいと判定された場合(ステップS301:No)、TRC_ECU20は、推定された路面μを補正する(ステップS302)。尚、接地荷重抜け率と閾値とが「等しい」場合は、どちらかの場合に含めて扱えばよい。
TRC_ECU20は、ステップS302の処理又はステップS107の処理の後、発生可能な駆動力を演算する(ステップS303)。次に、TRC_ECU20は、上記ステップS303で演算された発生可能な駆動力の範囲内において、要求駆動力をパワートレイン(図示せず)を制御することによって実現する(ステップS304)。その後、TRC_ECU20は、一旦処理を終了して、再びステップS101の処理(図2参照)を実行する。
本実施形態では特に、ステップS301の処理において、接地荷重抜け率が閾値より小さい場合には、トラクション制御が実行されないので、本来トラクション制御を必要としない、例えば車両1がジャンプする等の一時的な外乱に起因する接地荷重の低下が生じた際に、トラクション制御を実行しないようにすることができる。この結果、例えば電力消費量等が抑制され、実用上非常に有利である。
<変形例>
次に、第3実施形態に係るトラクション制御装置の変形例について説明する。
本変形例では、TRC_ECU20は、上述のステップS301の処理(図4参照)において、ステップS102の処理(図2参照)において演算された接地荷重抜けの程度が閾値より小さいか否かを判定する。ここに、本変形例に係る「接地荷重抜けの程度」及び「閾値」は、本発明に係る「検出された接地荷重の低下量」及び「第1閾値」の一例である。
尚、上述の実施形態では、エンジンの出力等を制御することで、駆動輪に伝達される駆動力を調節することについて説明したが、例えば、ハイブリッド車両が該ハイブリッド車両の駆動用のモータのみで走行している場合、或いは車両がエンジンを備えない電気自動車である場合には、図1乃至図4における「エンジン」を「駆動用モータ」と読み替えればよい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うトラクション制御装置及び方法もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、10…エンジン、11…吸気通路、13…電子スロットル弁、14…燃料噴射弁、20…TRC_ECU、21…ヨーレートセンサ、22…前後加速度センサ、23…左右加速度センサ、24…上下加速度センサ、25…マスタ圧センサ、26…車輪速度センサ、27…サスストロークセンサ、28…舵角センサ、100…トラクション制御装置、DW…駆動輪、TW…従輪

Claims (9)

  1. 車両に搭載され、
    前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を調節可能な駆動力調節手段と、
    前記駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、
    前記車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する接地荷重変動検出手段と、
    前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記検出された接地荷重の変動に応じて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするトラクション制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記駆動輪が接地している路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、
    前記検出された接地荷重の変動に基づいて、前記推定された摩擦係数を補正する補正手段と
    を含み、
    前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記補正された摩擦係数に基づいて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のトラクション制御装置。
  3. 前記接地荷重変動検出手段は、
    前記車両の上下方向の運動状態を検出する運動状態検出手段を含み、
    前記検出された車両の上下方向の運動状態の変化を、前記接地荷重の変動として検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のトラクション制御装置。
  4. 前記接地荷重変動検出手段は、
    前記車両の上下方向に掛かる加速度を検出する加速度検出手段を含み、
    前記検出された車両の上下方向に掛かる加速度の変動を、前記接地荷重の変動として検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のトラクション制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記摩擦係数推定手段が、前記摩擦係数を推定する時間間隔を決定する時間間隔決定手段を更に含み、
    前記時間間隔決定手段は、前記検出された接地荷重の変動が低下側であることを条件に、前記時間間隔を短縮する
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のトラクション制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出され、且つ前記検出された接地荷重の低下量が第1閾値より小さいことを条件に、前記駆動力を調節しないように前記駆動力調節手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトラクション制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記スリップ状態検出手段により前記駆動輪のスリップ状態が検出され、且つ前記検出された接地荷重の低下側への変動率が第2閾値より小さいことを条件に、前記駆動力を調節しないように前記駆動力調節手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトラクション制御装置。
  8. 前記車両はエンジンを含み、
    前記駆動力調節手段は、前記エンジンの出力を調節することによって、前記駆動力を調節可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトラクション制御装置。
  9. 車両に搭載され、前記車両の駆動輪に伝達される駆動力を調節可能な駆動力調節手段を備えるトラクション制御装置におけるトラクション制御方法であって、
    前記駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出工程と、
    前記車両の上下方向の接地荷重の変動を検出する接地荷重変動検出工程と、
    前記スリップ状態検出工程において前記駆動輪のスリップ状態が検出されたことを条件に、前記検出された接地荷重の変動に応じて、前記駆動力を調節するように前記駆動力調節手段を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とするトラクション制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102683675B1 (ko) * 2023-11-21 2024-07-10 (주)카시비엠 차량용 자세 제어 장치 및 방법

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