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JP2010285459A - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び塗膜形成方法 Download PDF

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JP2010285459A
JP2010285459A JP2008016376A JP2008016376A JP2010285459A JP 2010285459 A JP2010285459 A JP 2010285459A JP 2008016376 A JP2008016376 A JP 2008016376A JP 2008016376 A JP2008016376 A JP 2008016376A JP 2010285459 A JP2010285459 A JP 2010285459A
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acid
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Masato Nakamizu
正人 中水
Toshiyuki Hanaoka
敏行 花岡
Yoshiyuki Yukawa
嘉之 湯川
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

【課題】耐擦り傷性、耐酸性、仕上り外観のいずれにも優れる硬化塗膜を形成することができる塗料組成物を提供すること。
【解決手段】水酸基価80〜200mgKOH/g、重量平均分子量2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び炭素数2〜10のジオールにカルボニル化剤を反応させて得られるポリカーボネートジオールと酸無水物とをハーフエステル化反応して得られる、酸価10〜120mgKOH/g及び数平均分子量400〜2500のカルボキシル基含有反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる水酸基価30〜150mgKOH/g、数平均分子量1000〜12000の水酸基含有反応生成物(C)を含有する塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な耐擦り傷性及び耐酸性に優れる塗料組成物に関する。
自動車車体等の被塗物に塗装される塗料には、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性、仕上り外観等の塗膜性能に優れることが要求されている。
従来、上記被塗物用の塗料として、メラミン架橋系塗料が汎用されている。メラミン架橋系塗料は、水酸基含有樹脂及び架橋剤であるメラミン樹脂を含有する塗料であり、加熱硬化時の架橋密度が高く、耐擦り傷性、仕上り性等の塗膜性能に優れている。しかし、この塗料には、メラミン架橋結合が酸性雨により加水分解され易く、塗膜の耐酸性が劣るという問題がある。
耐擦り傷性に優れた組成物として、アクリル樹脂等の水酸基含有樹脂を基体樹脂とし、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とするウレタン架橋系に、ポリカーボネートジオール(ポリオール)を適用した塗料組成物(樹脂コーティング剤)が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
しかしながら、一般にポリカーボネートジオール(ポリオール)は、上記基体樹脂との相溶性が良好ではなく仕上り外観に欠陥を生じやすいという問題があった。
例えば、自動車の上塗塗装において広く採用されている、メタリックベース塗膜及びクリヤ塗膜からなる2コート1ベーク仕様の塗装におけるクリヤ塗料として使用する場合、特に、低分子量のポリカーボネートジオール(ポリオール)を使用すると、未硬化のベース塗膜上にクリヤ塗料を塗装した際のベース塗膜層とクリヤ塗膜層との混層により、メタリック仕上り感等の仕上り外観が不十分となるという問題があった。
特開2006−182904号公報 特開2007−16231号公報 WO2007/119305号公報
本発明の目的は、耐擦り傷性、耐酸性、仕上り外観のいずれにも優れる硬化塗膜を形成することができる塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、特定範囲の水酸基価及び重量平均分子量を有する水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び特定のポリカーボネートジオールと酸無水物との反応により得られるカルボキシル基を有する特定範囲の酸価及び数平均分子量の反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる特定範囲の水酸基価及び数平均分子量を有する水酸基含有反応生成物(C)を含有する塗料組成物により上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水酸基価80〜200mgKOH/g、重量平均分子量2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び炭素数2〜10のジオールにカルボニル化剤を反応させて得られるポリカーボネートジオールと酸無水物とをハーフエステル化反応して得られる、酸価10〜120mgKOH/g及び数平均分子量400〜2500のカルボキシル基含有反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる水酸基価30〜150mgKOH/g、数平均分子量1000〜12000の水酸基含有反応生成物(C)を含有する塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として上記記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする上塗複層塗膜形成方法を提供するものである。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び特定のポリカーボネートジオールと酸無水物との反応により得られるカルボキシル基を有する特定範囲の酸価及び数平均分子量の反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる特定範囲の水酸基価及び数平均分子量を有する水酸基含有反応生成物(C)を含有することを特徴とするものである。
本発明の塗料組成物によれば、水酸基含有反応生成物(C)が有するポリカーボネートジオール由来のカーボネート結合により機械的強度等の塗膜物性を向上させることができ、水酸基含有樹脂(A)及び水酸基含有反応生成物(C)の水酸基と、ポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との反応によるウレタン結合及び上記カーボネート結合が、耐加水分解性に優れることから、耐擦り傷性、耐酸性のいずれにも優れた硬化塗膜を形成することができる。
また、ポリカーボネートジオールをそのまま使用することによる基体樹脂及び架橋剤との相溶性不良に起因する仕上り外観の低下が生じることがなく、2コート1ベーク仕様の塗装におけるクリヤ塗料として使用した場合の上記ベース塗膜層とクリヤ塗膜層との混層によるメタリック仕上り感等の仕上り外観の低下も生じることがないことから、仕上り外観の良好な塗膜を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の塗料組成物(以下、「本塗料」ということがある。)及び複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、特定範囲の水酸基価及び重量平均分子量を有する水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び特定のポリカーボネートジオールと酸無水物との反応により得られるカルボキシル基を有する特定範囲の酸価及び数平均分子量の反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる特定範囲の水酸基価及び数平均分子量を有する水酸基含有反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物である。
水酸基含有樹脂(A)
本発明の塗料組成物の水酸基含有樹脂(A)は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000の水酸基含有樹脂である。
水酸基含有樹脂(A)は水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000の範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂などをあげることができ、好ましいものとして、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂及び水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和単量体(M−1)及びその他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)を常法により共重合せしめることによって製造することができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)は、1分子中に水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物であり、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用するものである。該単量体としては、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをあげることができる。さらに、該単量体として、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンなどのラクトン類との開環重合付加物等も挙げることができる。具体的には、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等を挙げることができる。
上記のうち、炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体(1a)を、塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(1a)を構成成分とすることにより、得られる塗膜の高架橋密度化を図ることができることから、塗膜の耐擦り傷性向上の効果を得ることができる。
炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体としては、
例えば、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物
としては、具体的には上記したもののうち、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物としては、具体的には上記したもののうち、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFM−3」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等をあげることができる。
また、塗膜の耐酸性を低下させることなく耐擦り傷性を向上させる観点から、シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和単量体も好適に使用でき、具体的にはCHDMMA(日本化成社製、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)等を挙げることができる。
シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和単量体として、例えば、分子両末端にヒドロキシシクロヘキシル基又はメチロールシクロヘキシル基を有するポリエステルオリゴマーと、ジイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートの(等モル)反応物とを反応させて得られるマクロモノマー等も使用することができる。上記ポリエステルオリゴマーとしては、例えばフレキソレッズ148、フレキソレッズ188(いずれも商品名、米国、キング・インダストリイズ社製)等をあげることができる。
また、上記シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和単量体を共重合成分とすることにより得られる、シクロヘキシル環及び水酸基を併有するアクリル樹脂は、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂と、シクロヘキシル環を有する酸無水物(例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸)を付加反応させ、さらに該付加反応により生成したカルボン酸に、エポキシ基及び水酸基を併有する化合物(例えば、グリシドール等)を酸・エポキシ反応で付加反応させて末端水酸基とする方法等によっても得ることができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合は、単量体混合物全量に基づいて20〜50質量%、特に、25〜45質量%の範囲内であるのが好ましい。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合が20質量%未満となると、硬化塗膜の架橋が不十分となって、所定の耐擦り傷性が得られにくくなる場合がある。一方、50質量%を超えると、その他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)との相溶性や共重合反応性が低下し、さらに得られた水酸基含有アクリル樹脂の他成分(ポリイソシアネート化合物(B)及び水酸基含有反応生成物(C))との相溶性が低下することにより、塗膜の仕上り外観が低下する場合がある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
その他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)は、上記水酸基含有不飽和単量体(M−1)以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下(1)〜(8)に列挙する。
(1)酸基含有不飽和単量体:1分子中に1個以上の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸などの如きカルボキシル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどの如きスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系不飽和単量体などを挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記酸基含有不飽和単量体は(A)成分が架橋剤と架橋反応する時の内部触媒としても作用することができるものであり、その使用量は水酸基含有アクリル樹脂を構成するモノマー混合物全量に基づいて、0〜5質量%、特に、0.1〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート,tert−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
上記のうち、炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体(2a)を塗膜の耐汚染性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(2a)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、極性が低下することから、表面の平滑化による仕上り性の向上及び耐水性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基の代表例としては、イソボルニル基、トリシクロデカニル基及びアダマンチル基などを挙げることができる。
炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート等を挙げることができる。
炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等をあげることができる。
単量体(2a)を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
また、上記のうち、分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体(2b)を塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(2b)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTg及び極性が低下することから、柔軟性付与による塗膜の耐擦り傷性の向上及び表面の平滑化による仕上り性の向上効果を得ることができる。また、分岐構造を有していることから、直鎖状の炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体を構成成分とする場合にくらべて塗膜のTgの低下を抑えることができるため、耐酸性の向上の観点からも有利である。
分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)をあげることができる。
単量体(2b)を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(3)アルコキシシリル基含有不飽和単量体:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等。これらのうち好ましいアルコキシシラン基含有不飽和単量体として、ビニルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルコキシシリル基含有不飽和単量体を構成成分とすることにより、水酸基とイソシアネート基との架橋結合に加え、アルコキシシリル基同士の縮合反応及びアルコキシシリル基と水酸基の反応による架橋結合を生成することができる。それにより、得られる塗膜の架橋密度が向上することから、耐酸性、耐汚染性の向上効果を得ることができる。
アルコキシシリル基含有不飽和単量体を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜35質量%の範囲内であるのが好ましい。
(4)芳香族系不飽和単量体:例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
芳香族系不飽和単量体を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、また、高屈折率で疎水性の塗膜を得ることができることから、塗膜の光沢向上による仕上り性の向上、耐水性および耐酸性の向上という効果を得ることができる。
芳香族系不飽和単量体を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(5)グリシジル基含有不飽和単量体:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(6)窒素含有不飽和単量体:例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等。
(7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサティック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらのその他のビニルモノマー(M−2)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得ることができる。
耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚染性の塗膜性能と塗膜の仕上り性のいずれにも優れた塗料組成物とするための水酸基含有アクリル樹脂として、以下の組成の単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有含有アクリル樹脂を特に好ましいものとしてあげることができる。
1.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)水酸基含有不飽和単量体20〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜60質量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(α)。
2.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体3〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜77重量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(β)。
上記単量体混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得るための共重合方法は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の共重合方法を用いることができるが、なかでも有機溶剤中にて、重合開始剤の存在下で重合を行なう溶液重合法を好適に使用することができる。
上記溶液重合法に際して使用される有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、高沸点石油系溶剤)などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができるが、本塗料に使用される水酸基含有アクリル樹脂は高い水酸基価を有するため、樹脂の溶解性の点から高沸点のエステル系溶剤、ケトン系溶剤を使用することが好ましい。また、さらに高沸点の芳香族系溶剤を好適に組合せて使用することもできる。
水酸基含有アクリル樹脂の共重合に際して使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのそれ自体既知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、架橋密度が低いために耐擦り傷性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
なお、本明細書において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
本明細書において、ガラス転移温度はDSC(示差走査型熱量計)でJISK7121(プラッスチックの転移温度測定方法)に基づいて10℃/分の昇温スピードで測定した値である。下記製造例等における測定は、DSCとして、「SSC5200」(商品名、セイコー電子工業(株)製)を用い、試料をサンプル皿に所定量秤取した後、130℃で3時間乾燥させてから行なった。
水酸基含有樹脂(A)として用い得る水酸基含有ポリエステル樹脂は、常法により、例えば、多塩基酸と多価アルコ−ルとのエステル化反応によって製造することができる。該多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられ、また、該多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフェノールA等のジオール類、およびトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のポリオール成分、並びに、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステ)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて、これらの化合物をポリエステル樹脂に導入しても良い。
ポリエステル樹脂へカルボキシル基を導入する場合、例えば、水酸基含有ポリエステルに無水酸を付加し、ハーフエステル化することで導入することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合があり、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
また、水酸基含有樹脂(A)には、いわゆるウレタン変性アクリル樹脂及びウレタン変性ポリエステル樹脂も包含される。
水酸基含有ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
ポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価アルコールなどをあげることができる。高分子量のものとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどをあげることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどをあげることができる。また、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ポリオールも使用することができる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;などを挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合が、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)は単独で又は2種以上を併用して使用することができ、水酸基含有樹脂(A)としては、水酸基含有アクリル樹脂又は水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(B)
本発明の塗料組成物のポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、従来からポリウレタンの製造に使用されているものを使用することができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体などをあげることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどをあげることができる。
また、ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDIなどをあげることができる。
これらポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネート化合物のうち、耐擦り傷性、耐候性等の観点から、脂肪族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体を好適に使用することができる。
また、ポリイソシアネート化合物として、上記した1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした化合物であるブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものである。ブロック化ポリイソシアネート化合物は、例えば、100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱することにより、イソシアネート基が再生し、水酸基と容易に反応することができる。かかるブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系などのブロック剤を挙げることができる。
ブロック化を行なう(ブロック剤を反応させる)にあたっては、必要に応じて溶剤を添加して行なうことができる。ブロック化反応に用いる溶剤としてはイソシアネート基に対して反応性でないものが良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、N−メチルピロリドン(NMP)のような溶剤をあげることができる。
ポリイソシアネート化合物(B)は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
水酸基含有反応生成物(C)
本発明の塗料組成物の水酸基含有反応生成物(C)は、炭素数2〜10のジオールにカルボニル化剤を反応させて得られるポリカーボネートジオールと酸無水物とをハーフエステル化反応して得られる、酸価10〜120mgKOH/g及び数平均分子量400〜2500のカルボキシル基含有反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる水酸基価30〜150mgKOH/g、数平均分子量1000〜12000の水酸基含有反応生成物である。
カルボキシル基含有反応生成物(c−1)
カルボキシル基含有反応生成物(c−1)は、炭素数2〜10のジオールにカルボニル化剤を反応させて得られるポリカーボネートジオールと酸無水物とをハーフエステル化反応して得られるものである。
該反応生成物(c−1)の合成中間体であるポリカーボネートジオールは、通常、ジオールとカルボニル化剤とを重縮合反応させることにより得られる化合物である。
ポリカーボネートジオール化合物は、エステル交換触媒の存在下又は不存在下で、ジオール化合物とカルボニル化剤をエステル交換させることによって合成することができる。
ポリカーボネートジオールの製造に用いられるジオールは、炭素数が2〜10、好ましくは4〜8の2価アルコールである。具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族系ジオール;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式系ジオール;p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール等の芳香族系ジオール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のエーテル系ジオール等をあげることができる。これらのジオールは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
ポリカーボネートジオールの製造に用いられるジオールとしては、これを用いて得られる水酸基含有反応生成物(C)を含有する塗料組成物の塗膜の耐久性及び硬度に優れる観点から、1,6−ヘキサンジオールとこれ以外の1又は2以上のジオールとを混合使用するのが好ましく、1,6−ヘキサンジオールと、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種とを混合使用するのがより好ましい。具体的な組合せとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの組合せ、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールの組合せ、1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの組合せ等をあげることができる。
カルボニル化剤としては、公知のものを使用できる。具体的には、例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、ホスゲン等を挙げることができ、これらの1種を又は2種以上を組合せて使用することができる。これらのうち好ましいものとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等をあげることができる。
反応生成物(c−1)の合成中間体であるポリカーボネートジオールとしては、50℃における粘度が10000mPa・s以下程度であるものを使用するのが好ましい。50℃における粘度が10000mPa・sを超えると取り扱いが困難となる場合がある。
反応生成物(c−1)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの粘度は、50℃において、10〜10000mPa・s程度であるのがより好ましく、10〜8000mPa・sであるのが更に好ましく、10〜5000mPa・s程度であるのが特に好ましい。
上記粘度の測定は、B型粘度計(Brookfield viscometer)を使用し、50℃、6rpmの条件で行なった。
反応生成物(c−1)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、最終的に得られる塗料組成物の塗膜が耐酸性及び耐擦り傷性に優れる観点から、300〜2000程度であるのが好ましく、500〜1800程度であるのがより好ましく、700〜1500程度であるのが特に好ましい。
反応生成物(c−1)の合成中間体であるポリカーボネートジオールとしては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製の「T−5650J」(商品名、ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオール)、「T−4671」(商品名、ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオール);宇部興産社製の「UM−CARB90」(商品名、ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール)などをあげることができる。
反応生成物(c−1)の合成に用いられる酸無水物としては、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸の酸無水物等をあげることができる。これらの酸無水物は、1種単独で又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
これらのうち、塗膜の耐酸性、耐擦り傷性等に優れる点から、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸を好適に用いることができる。
反応生成物(c−1)は、通常、上記ポリカーボネートジオールと酸無水物が重縮合することなく、ポリカーボネートジオールの末端水酸基がハーフエステル化によりカルボキシル基に変換された構造の化合物が得られるような条件で合成される。但し、反応生成物(c−1)としては、酸価及び数平均分子量が特定範囲内にある限りにおいて、ハーフエステル化反応されていない未反応物を含んでいても構わない。
ハーフエステル化反応の最適温度は、主として用いる酸無水物の融点等により変動する。例えば、酸無水物として、ヘキサヒドロ無水フタル酸を使用する場合は100〜180℃程度である。また、一般に200℃程度の温度を超えると重縮合反応が起こりやすくなる。
反応生成物(c−1)は、ポリカーボネートジオールと酸無水物とを、モル比0.15〜0.95(酸無水基/ポリカーボネートジオールの水酸基)となる割合で、ハーフエステル化反応させるのが好ましい。該モル比は、ポリエポキシ化合物(c−2)との付加反応で得られる水酸基含有反応生成物(C)の分子量制御の観点から、0.4〜0.9程度であるのがより好ましく、0.6〜0.85程度であるのが更に好ましい。
反応生成物(c−1)において、上記モル比が低いほどポリカーボネートジオールの片末端のみがカルボキシル基に変性された構造の化合物の生成割合が多くなり、該当量比が高いほどポリカーボネートジオールの両末端がカルボキシル基に変性された構造の化合物の生成割合が多くなる。
また、上記当量比が低いほど反応生成物(c−1)中に未反応のポリカーボネートジオールが残存することになる。この場合、本発明においては、ポリカーボネートジオールの水酸基もポリエポキシ基化合物のエポキシ基又はポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し得る。従って、通常、未反応のポリカーボネートジオールを分離することなく、残存ポリカーボネートジオールを含んだ反応生成物(c−1)を、そのまま使用することができる。
反応生成物(c−1)の酸価は、10〜120mgKOH/gであり、ポリエポキシ化合物(c−2)との付加反応で得られる水酸基含有反応生成物(C)の分子量制御の観点から、30〜110mgKOH/g程度であるのが好ましく、50〜100mgKOH/g程度であるのがさらに好ましい。
反応生成物(c−1)の数平均分子量は、400〜2500であり、仕上り外観の観点から、500〜2000程度であるのが好ましく、700〜1500程度であるのがより好ましい。
反応生成物(c−1)の水酸基価は、耐擦り傷性の観点から10〜65mgKOH/g程度であるのが好ましく、15〜50mgKOH/g程度であるのがより好ましい。
本発明において、反応生成物(c−1)の酸価、数平均分子量及び水酸基価は、未反応の残存ポリカーボネートジオールも含んだ反応生成物全体としての値を意味する。
ポリエポキシ化合物(c−2)
ポリエポキシ化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはビスフェノールAジグリシジルエーテルなどの多価アルコールまたは多価フェノールのポリグリシジルエーテル;p−オキシ安息香酸のグリシジルエステル、グリシジルエーテルなどのグリシジルエステル、グリシジルエーテル化物;フタル酸ジグリシジルエステルまたはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどの多価カルボン酸のポリグリシジルエステル;ヒダントイン環などの含窒素ヘテロ環を含むポリエポキシ化合物;上記1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物と多価アルコール、多価フェノールまたは多塩基酸との付加物であるエポキシ樹脂;脂肪酸変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
ポリエポキシ化合物としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、ナガセケムテックス社製のデナコールシリーズのエポキシ化合物をあげることができる。商品名としては、2官能のポリエポキシ化合物としては、デナコールEX−201(レゾルシノールジグリシジルエーテル)、デナコールEX−211(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、デナコールEX−212(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、デナコールEX−252(水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861(これら800番台のものはいずれもエチレン又はポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル)、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(これら900番台のものはいずれもプロピレン又はポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル)等をあげることができる。3官能以上のポリエポキシ化合物としては、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−622(これら600番台のものはいずれもソルビトールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX−512、デナコールEX−521(これら500番台のものはいずれもポリグリセロールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX−411(ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX−421(ジグリセロールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX−313、デナコールEX−314(これら310番台のものはいずれもグリセロールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX−321(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル)等をあげることができる。
ポリエポキシ化合物(c−2)としては、仕上り外観及びアクリル樹脂との相溶性の観点から、2官能のポリエポキシ化合物を使用するのが好ましい。
ポリエポキシ化合物(c−2)の分子量は、耐擦り傷性及びアクリル樹脂との相溶性の観点から、50〜2000程度であるのが好ましく、100〜1000程度であるのがさらに好ましい。
具体的には、特に、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を好適に使用することができる。
ナガセケムテックス社製のデナコールシリーズのエポキシ化合物としては、デナコールEX−212、デナコールEX−252、デナコールEX−931等を好適に使用することができる。
水酸基含有反応生成物(C)は、上記カルボキシル基含有反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応することにより得ることができる。
反応生成物(c−1)は、残存ポリカーボネートジオールを含んだまま使用することができる。
この付加反応は、(c−1)のカルボキシル基と、(c−2)のエポキシ基との反応により進行する。
上記付加反応は、反応生成物(c−1)とポリエポキシ化合物(c−2)とを混合し、130〜165℃程度の温度で、3〜15時間程度反応させることにより行なうことができる。
上記反応は必要に応じて、さらに有機溶剤を添加して行なうこともできる。有機溶剤としては、上記水酸基含有樹脂(A)の水酸基含有アクリル樹脂で挙げたものを同様に使用することができる。
また、上記付加反応においては、必要に応じて、触媒を使用することができる。具体的には、カルボキシル基とエポキシ基との反応に有効な触媒として、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。これらのうち4級塩触媒を好適に使用することができる。
反応生成物(c−1)とポリエポキシ化合物(c−2)との反応において、(c−1)と(c−2)との反応比率は、等モルもしくはカルボキシル基とエポキシ基との反応性、貯蔵性の観点から、カルボキシル基過剰とするのが好ましい。(c−1)中のカルボキシル基と(c−2)中のエポキシ基のモル比は、0.7〜1.0(エポキシ基/カルボキシル基)程度であるのが好ましく、0.8〜1.0程度であるのがより好ましい。
水酸基含有反応生成物(C)としては、水酸基価及び数平均分子量が特定範囲内にある限りにおいて、未反応物を含んでいても構わない。通常、未反応物を分離することなく、水酸基含有反応生成物(C)として、そのまま使用することができる。
水酸基含有反応生成物(C)の水酸基価は最終的に得られる塗料組成物の硬化性、及び得られる塗膜の耐擦り傷性及び耐水性等の塗膜性能の観点から、30〜150mgKOH/gであり、好ましくは45〜120mgKOH/g程度、さらに好ましくは60〜110mgKOH/g程度である。
水酸基含有反応生成物(C)の酸価は、上記(c−1)と(c−2)との適正反応比率、最終的に得られる塗料組成物の分子量、及び得られる塗膜の耐水性の観点から、0〜25mgKOH/g程度であるのが好ましく、0〜15mgKOH/g程度であるのがより好ましい。
水酸基含有反応生成物(C)のエポキシ基含有量は、上記(c−1)と(c−2)との適正反応比率及び耐水性、貯蔵性の観点から、0〜0.2ミリモル/g程度であるのが好ましく、0〜0.1ミリモル/g程度であるのがより好ましい。
水酸基含有反応生成物(C)の数平均分子量は最終的に得られる塗料組成物の硬化性及び得られる塗膜の仕上り外観、耐擦り傷性、耐水性等の塗膜性能の観点から、1000〜12000であり、好ましくは1500〜7000、さらに好ましくは2000〜5000である。
本発明において、水酸基含有反応生成物(C)の水酸基価、数平均分子量、酸価及びエポキシ基含有量は、残存ポリカーボネートジオール等の未反応物も含んだ反応生成物全体としての値を意味する。
本発明の塗料組成物において、塗膜の硬化性及び耐擦り傷性等の観点から、水酸基含有樹脂(A)及び水酸基含有反応生成物(C)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲内である。
本発明の塗料組成物中の水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び水酸基含有反応生成物(C)の量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部を基準として、不揮発分として、水酸基含有樹脂(A)が30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%、ポリイソシアネート化合物(B)が20〜65質量%、好ましくは30〜55質量%、水酸基含有反応生成物(C)が3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%の範囲内であるのが適している。
その他の成分
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、防錆顔料等の公知の顔料を配合できる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等を挙げることができる。体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイト等を挙げることができる。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などをあげることができる。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の各種樹脂を添加することも可能である。また、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物等の架橋剤を少量併用することも可能である。また、ポリカーボネートジオールを併用することも可能である。更に、必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤等の一般的な塗料用添加剤を配合することも可能である。
硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒、第三級アミンなどを挙げることができる。
硬化触媒として上記したこれらの化合物は単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜5質量部、好ましくは0.1〜4質量部程度である。
紫外線吸収剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等の紫外線吸収剤をあげることができる。紫外線吸収剤を配合することによって、塗膜の耐候性、耐黄変性等を向上させることが出来る。
紫外線吸収剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部程度である。また、紫外線吸収剤の含有量は、0.2〜5質量部程度であるのが好ましく、0.3〜2質量部程度であるのがより好ましい。
光安定剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤をあげることができる。光安定剤を配合することによって、塗膜の耐候性、耐黄変性等を向上させることが出来る。
光安定剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部程度である。また、光安定剤の含有量は、0.2〜5質量部程度であるのが好ましく、0.3〜2質量部程度であるのがより好ましい。
本発明の塗料組成物の形態は特に制限されるものではないが、通常、有機溶剤型の塗料組成物として使用される。この場合に使用する有機溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤;アルコール系溶剤;エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶剤等が使用できる。使用する有機溶剤は、(A)成分、(C)成分等の調製時に用いたものをそのまま用いても良いし、更に適宜加えても良い。
塗料組成物の調製方法
本発明の塗料組成物は、水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、水酸基含有反応生成物(C)及び必要に応じて使用される硬化触媒、顔料、各種樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤等を、公知の方法により、混合することによって、調製することができる。
本発明の塗料組成物は(B)成分であるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がブロック化されていないものである場合には、貯蔵安定性から、水酸基含有樹脂(A)及び水酸基含有反応生成物(C)と、ポリイソシアネート化合物(B)とが分離した2液型塗料であり、使用直前に両者を混合して使用することが好適である。
本発明塗料組成物の固形分濃度は、30〜70質量%程度であるのが好ましく、40〜60質量%程度の範囲内であるのがより好ましい。
塗装方法
本発明の塗料組成物は、以下に示す種々の塗装方法において、好適に使用することができる。
被塗物
被塗物としては、自動車、二輪車等の車体又はその部品等が挙げられる。また、これら車体等を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック基材等であってもよい。
また、被塗物としては、上記車体、部品、金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の化成処理が施されたものであってもよい。更に、被塗物としては、上記車体、金属基材等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成されたものであってもよい。
また、さらに、被塗物としては、産業機械、家電製品、厨房器具、屋根、壁、シャッター等をあげることができる。
塗装及び硬化方法
本発明の塗料組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装、ロールコート塗装などの塗装方法でウエット塗膜を形成することができる。エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装及び回転霧化塗装においては、必要に応じて、静電印加してもよい。これらの内、エアスプレー塗装及び回転霧化塗装が特に好ましい。塗装膜厚は、通常、硬化膜厚として、10〜50μm程度とするのが好ましい。
エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装及び回転霧化塗装する場合には、本塗料の粘度を、該塗装に適した粘度範囲、通常、フォードカップ#No.4粘度計において、20℃で15〜60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
ウエット塗膜の硬化は、加熱することによって行われる。加熱は、公知の加熱手段により、行うことができる。例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。
加熱温度は、通常、100〜180℃程度、好ましくは120〜160℃程度の範囲であることが適当である。加熱時間は、通常、5〜60分間程度の範囲であるのが、適当である。
複層塗膜形成方法
本発明の塗料組成物によれば、耐擦り傷性、耐酸性、仕上り外観等の塗膜性能に優れる塗膜を形成できるので、被塗物に上塗複層塗膜を形成する塗膜形成方法において、トップクリヤコートを形成するクリヤ塗料組成物として使用することが好ましい。
また、本発明の塗料組成物は、例えば、有機顔料又は無機顔料を含有させることにより、上塗着色塗料組成物としても好適に使用することができる。
本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物に、少なくとも1層の着色ベースコート及び少なくとも1層のクリヤコートを順次形成する塗膜形成方法であって、その最上層のクリヤコートを形成する塗料組成物として、本発明の塗料組成物を用いることを特徴とする。
本発明の複層塗膜形成方法を適用する被塗物としては、自動車車体及びその部品が、特に好ましい。
上記の複層塗膜形成方法としては、より具体的には、例えば下記方法a〜cの複層塗膜形成方法において、トップクリヤコート形成用として本発明の塗料組成物を用いる方法を挙げることができる。
方法a:被塗物に、着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する2コート方式の上塗り複層塗膜形成方法。
方法b:被塗物に、着色ベースコート、クリヤコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の上塗り複層塗膜形成方法。
方法c:被塗物に、第一着色ベースコート、第二着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の上塗り複層塗膜形成方法。
これらの方法a、方法b、方法cの各上塗り塗膜形成工程について、詳細に説明する。
各方法において、着色ベース塗料組成物及びクリヤ塗料組成物の塗装方法としては、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装などの塗装方法を採用することができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加していてもよい。
上記方法aにおいて、着色ベースコートを形成する塗料組成物としては、公知の着色塗料組成物を使用できる。
上記着色ベース塗料組成物としては、自動車車体等を塗装する場合に用いられる塗料組成物を用いるのが好適である。
上記着色ベース塗料組成物は、基体樹脂、架橋剤、着色顔料、メタリック顔料、光干渉性顔料、体質顔料等を含有する有機溶剤型又は水性の塗料組成物である。
基体樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの少なくとも1種を用いることができる。基体樹脂は、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシリル基等の架橋性官能基を有している。架橋剤としては、例えば、アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物などの少なくとも1種を用いることができる。基体樹脂及び架橋剤は、両成分の合計量を基準にして、基体樹脂50〜90重量%、架橋剤50〜10重量%の割合で使用することが好ましい。
方法aにおいては、被塗物に、上記着色ベース塗料組成物を、硬化膜厚で約10〜50μmとなるように塗装する。塗装されたベース塗料組成物は、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分間加熱して硬化させるか、又は塗装後硬化することなく室温で数分間放置もしくは約40〜100℃で、約1〜20分間プレヒートする。
次いで、トップクリヤコートを形成する塗料として、本発明の塗料組成物を、膜厚が硬化膜厚で約10〜70μmになるように塗装し、加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱は、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で、約10〜40分間が好ましい。
上記2コート方式において、ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの二層塗膜を同時に硬化する場合は2コート1ベーク方式であり、又ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化後、クリヤ塗料組成物を塗装し、クリア塗膜を硬化する場合は2コート2ベーク方式である。
方法bにおける着色ベース塗料組成物としては、方法aの項で説明した着色ベース塗料組成物と同様のものを使用することができる。また、クリヤコートを形成する第1クリヤ塗料組成物としては、透明塗膜形成用塗料であればよく、例えば、上記公知の着色ベース塗料組成物において顔料の殆ど又はすべてを含有していない塗料組成物を使用することができる。そして、トップクリヤコートを形成する第2クリヤ塗料組成物として、本発明の塗料組成物を使用する。また、第1クリヤ塗料組成物として、本発明の塗料組成物を用いて、本発明の塗料組成物から形成されたクリヤコート及びトップクリヤコートが形成されていてもよい。
方法bにおいては、方法aと同様にして、被塗物に、着色ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートしてから、着色ベース塗膜上に、第1クリヤ塗料組成物を、膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で、約10〜40分間加熱して硬化させるか、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートを行う。
次に、第2クリヤ塗料組成物として、本発明の塗料組成物を、膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装し、加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱条件は、方法aの場合と同様である。
ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化することなく、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの三層塗膜を同時に硬化する場合は3コート1ベーク方式である。また、ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化することなく、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの塗膜を同時に加熱硬化し、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合は、3コート2ベーク方式である。また、ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化し、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化し、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合は、3コート3ベーク方式である。
方法cにおいて、第1着色べース塗料組成物としては、方法aの項で説明した着色ベース塗料組成物と同様のものを使用することができる。
方法cにおいては、方法aと同様にして、被塗物に、第1着色ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化させるか、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートしてから、第1着色ベース塗膜上に、第2着色ベース塗料組成物を、膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で、約10〜40分間加熱して硬化させるか、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートを行う。
次に、トップクリヤコートを形成する塗料組成物として、本発明の塗料組成物を、膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装し、加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱条件は、方法aの場合と同様である。
第1ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化することなく、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの三層塗膜を同時に硬化する場合は、3コート1ベーク方式である。また、第1ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化し、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの塗膜を同時に硬化する場合は、3コート2ベーク方式である。また、第1ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化し、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化し、クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合は、3コート3ベーク方式である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとし、また、塗膜の膜厚はいずれも硬化塗膜に基づくものである。
カルボキシル基含有反応生成物(c−1)の製造例
製造例1〜9
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、下記表1に示す量(質量部)のポリカーボネートジオールを仕込み、窒素雰囲気下で130℃に昇温した。130℃に達した後、下記表1に示す量(質量部)の酸無水物を加え、2時間反応させることにより、カルボキシル基含有反応生成物(c−1)を得た。得られた各反応生成物(c−1)のNo.1〜9の特数値を併せて下記表1に示す。
以下、各表における(*1)〜(*12)は、それぞれ下記の意味を有し、また、ポリカーボネートジオールの粘度は50℃でB型粘度計を用いて6rpmの条件で測定した値である。
(*1)T−5650J:旭化成ケミカルズ社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800、粘度860mPa・s、水酸基価140mgKOH/g、固形分100%。
(*2)T−4671:旭化成ケミカルズ社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量1000、粘度2400mPa・s、水酸基価112mgKOH/g、固形分100%。
(*3)UM−CARB90:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量900、粘度7000mPa・s、水酸基価124mgKOH/g、固形分100%。
(*4)T−4672:旭化成社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量2000、粘度20000mPa・s、水酸基価112mgKOH/g、固形分100%。
Figure 2010285459
水酸基含有反応生成物(C)の製造例
製造例10〜21
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに下記表2に示す量(質量部)のカルボキシル基含有反応生成物(c−1)、ポリエポキシ化合物(c−2)、メトキシプロピルアセテート、テトラブチルアンモニウムブロミドを仕込み、窒素雰囲気下で140℃に昇温し、7時間反応させることにより、各水酸基含有反応生成物(C)を得た。得られた各反応生成物(C)のNo.1〜10の特数値を併せて下記表2に示す。なお、製造例20及び21は比較例用の樹脂である。
(*5)デナコールEX−212:商品名、ナガセケムテックス社製、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量(WPE)151
(*6)デナコールEX−252:商品名、ナガセケムテックス社製、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量(WPE)213
(*7)デナコールEX−920:商品名、ナガセケムテックス社製、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量(WPE)176
(*8)デナコールEX−931:商品名、ナガセケムテックス社製、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量(WPE)471
Figure 2010285459
水酸基含有樹脂(A)(水酸基含有アクリル樹脂)の製造例
製造例22〜30
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、スワゾール1000(コスモ石油社製、炭化水素系溶剤)を310部仕込み、窒素雰囲気下で下記表3に示す温度まで昇温し、下記表3に示す量(質量部)のモノマー、及び開始剤からなる混合物を4時間かけて滴下した。次いで、窒素ガスを通気しながら30分間熟成させた後、更に、320部のスワゾール1000及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合物を1時間かけて滴下した。その後、更に1時間熟成させることにより、各水酸基含有樹脂(A)(水酸基含有アクリル樹脂)の溶液を得た。得られた各水酸基含有樹脂(A)のNo.1〜5の特数値を併せて下記表3に示す。なお、製造例27〜30は比較例用の樹脂である。
Figure 2010285459
塗料組成物の製造
実施例1〜16及び比較例1〜11
上記製造例で得られた水酸基含有樹脂(A)及び水酸基含有反応生成物(C)、並びに後記表3に記載のポリイソシアネート化合物(B)及び原材料を用いて、後記表4に示す配合(質量部)にて回転翼式攪拌機を用いて攪拌して混合することにより、各塗料組成物No.1〜27を得た。なお、表4中における配合量は、固形分量(質量部)である。
また、塗料組成物17〜27は比較例用の塗料組成物である。
(*9)N3300:商品名、バイエル社製、HMDIイソシアヌレート
(*10)UV1164:商品名、チバガイギー社製、紫外線吸収剤。
(*11)HALS292:商品名、チバガイギー社製、光安定剤。
(*12)BYK−300:商品名、ビックケミー社製、表面調整剤。
上記各塗料組成物No.1〜27は、スワゾール1000を添加してフォードカップ#No.4を用いて20℃で25秒の粘度に調整して塗装を行なった。
試験板の作成
上記粘度調整した各塗料組成物No.1〜27を使用して、それぞれについて以下の様にして試験板を作製した。
(被塗物)
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(商品名、関西ペイント社製、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、該電着塗面上にアミラックTP−65−2(商品名、関西ペイント社製、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車用中塗塗料、グレー塗色)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱して硬化させた中塗塗板を被塗物とした。
(シルバー塗色試験板の作成)
上記被塗物上に水性メタリックベースコートWBC713T#1F7(関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系自動車用上塗ベースコート塗料、シルバー塗色)を膜厚15μmとなるように塗装した。室温で5分間放置してから、80℃で10分間プレヒートを行なった後、未硬化の該塗膜上に各塗料組成物No.1〜27を膜厚35μmとなるように塗装した。その後、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱して両塗膜を一緒に硬化させることにより、各シルバー塗色試験板を得た。
(黒塗色試験板の作成)
上記シルバー塗色試験板の作成において、水性メタリックベースコートWBC713T#1F7のかわりに、水性メタリックベースコートWBC713T#202(関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系自動車用上塗ベースコート塗料、黒塗色)を使用する以外はシルバー塗色試験板の作成と同様に塗装を行なうことにより、各黒塗色試験板を得た。
(白色試験板の作成 耐汚染性用)
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(商品名、関西ペイント社製、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚が20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラックTP−65−2(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料、白塗色)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた塗板を被塗物とし、この被塗物に各塗料組成物No.1〜27を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱して硬化させることにより得られた各白色試験板を得た。
得られた上記各試験板を常温で7日間放置してから下記塗膜性能試験を行なった。
性能試験結果
メタリック外観:シルバー塗色試験板のメタリック外観をIV値により評価した。なおIV値の測定はレーザー式メタリック感測定装置(アルコープLMR−200(関西ペイント社製))を使用し、入射角45度で照射されたレーザー光の反射のうち、正反射領域で最小光強度となる受光角での信号出力を測定した。IV値はメタリック塗膜の白さを数値化したもので、メタリック顔料が塗面に対して平行に均一に配向するほど白くなり、メタリック感がよく、IV値が大きくなるほど白いことを示す。
耐擦り傷性:ルーフにニチバン社製耐水テープにて黒塗色試験板を貼りつけた自動車を20℃の条件下、洗車機で15回洗車を行なった後の試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定し、試験前の20°光沢値に対する光沢保持率(%)により評価した。該光沢保持率が高いほど耐擦り傷性が良好であることを表わす。洗車機は、ヤスイ産業社製「PO20 FWRC」を用いた。
耐酸性:40%硫酸を各黒塗色試験板の塗面上に0.4cc滴下し、60℃に加熱したホットプレート上で15分間加熱した後、試験板を水洗した。硫酸滴下箇所のエッチング深さ(μm)を表面粗度計(東京精密社製、表面粗さ形状測定機 『サーフコム570A』)を用いて、カットオフ0.8mm(走査速度0.3mm/sec、倍率5000倍)の条件で測定することにより耐酸性の評価を行なった。エッチング深さの値が小さいほど耐酸性が良好であることを表わす。
耐汚染性:各白色試験板をサンシャインウエザオメーター(スガ試験機社製、促進耐侯性試験機)中でJIS K5400の条件で600時間試験後、泥土、カーボンブラック、鉱油及びクレーの混合物からなる汚染物質をネルに付着させて各試験塗板の塗面に軽くこすりつけた。これを20℃で75%RHの恒温恒湿室中に24時間放置後、塗面を流水で洗浄し、塗膜の汚染度を塗板の明度差(ΔL)により下記の基準により評価した。ΔL値が小さいほど耐汚染性は良好である。ΔLは以下の式で求めた。
ΔL=(耐汚染性試験前のL値)−(耐汚染性試験後のL値)
L値の測定はコニカミノルタ製CR400(三刺激値直読式色彩計 D65光源 2°視野 拡散照明垂直受光(d/0))を用いて行なった。なお、上記L値はCIE 1976 L表色系に基づく値である。
◎:ΔL<0.2、○:0.2≦ΔL<0.5、○△:0.5≦ΔL<1、△:1≦ΔL<2、×:2≦ΔL。
仕上り性(20°光沢):各黒塗色試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)をHG−268(ハンディ光沢計 スガ試験機(株)製)を用いて測定した。
上記性能試験結果を併せて表3に示す。
Figure 2010285459
Figure 2010285459

Claims (7)

  1. 水酸基価80〜200mgKOH/g、重量平均分子量2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び炭素数2〜10のジオールにカルボニル化剤を反応させて得られるポリカーボネートジオールと酸無水物とをハーフエステル化反応して得られる、酸価10〜120mgKOH/g及び数平均分子量400〜2500のカルボキシル基含有反応生成物(c−1)と、ポリエポキシ化合物(c−2)とを付加反応して得られる水酸基価30〜150mgKOH/g、数平均分子量1000〜12000の水酸基含有反応生成物(C)を含有する塗料組成物。
  2. ポリカーボネートジオール化合物(C)がジオール成分として、1,6−ヘキサンジオールを使用するものであることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 水酸基含有樹脂(A)が水酸基含有アクリル樹脂である請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 水酸基含有アクリル樹脂が、炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体を含有する単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂である請求項3に記載の塗料組成物。
  5. 水酸基含有アクリル樹脂が、炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体を含有する単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂である請求項3又は4に記載の塗料組成物。
  6. 水酸基含有アクリル樹脂が、分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体を含有する単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂である請求項3又は4に記載の塗料組成物。
  7. 被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
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