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JP2010284759A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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JP2010284759A JP2009141291A JP2009141291A JP2010284759A JP 2010284759 A JP2010284759 A JP 2010284759A JP 2009141291 A JP2009141291 A JP 2009141291A JP 2009141291 A JP2009141291 A JP 2009141291A JP 2010284759 A JP2010284759 A JP 2010284759A
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英彰 高島
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Abstract

【課題】焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削加工で、すぐれた耐欠損性と耐摩耗性を長期の使用に亘って発揮する表面被覆切削工具を提供すること。
【解決手段】立方晶窒化ほう素粒子を70vol%以上含有し、残部は硬質分散相と結合相とからなる立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製工具基体の表面に、Cr0.33(1−X)0.67(1−X)(但し、Xは原子比で、0.05〜0.5)を満足するCr、BおよびNの複合化合物層からなる中間層と、(Cr1−YAl)N(但し、Yは原子比で、0.4〜0.7)を満足するCrとAlの複合窒化物層からなる上部層を順次形成して硬質被覆層を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削加工において、すぐれた耐欠損性と耐摩耗性を長期の使用に亘って発揮する優れた切削性能を有する表面被覆切削工具に関する。
従来、鋼、鋳鉄等の鉄系被削材の切削加工には、被削材との親和性の低い工具材料として、立方晶窒化ほう素(以下、cBNで示す)を用いることは良く知られている。
例えば、cBN焼結体それ自体を切削工具として使用した場合(特許文献1,2参照)には、cBN焼結体は、通常、cBN粉末を、金属、セラミック等の結合材と混合し、超高圧高温処理により焼結体として製造することが一般的であるが、この焼結体は、結合材を含むために、cBNに比して、硬度、熱伝導性等が劣り、cBNが本来備える特性を充分に生かしきれてはいない。
また、cBN焼結体を工具基体とし、その表面にCrとAlの複合窒化物系硬質膜を被覆することにより、切削工具の耐欠損性、耐摩耗性を高め、切削工具としての特性向上を図ることも行われている(特許文献3参照)。
そして、cBN焼結体からなる工具基体表面にCrとAlの複合窒化物系硬質膜を被覆した表面被覆切削工具(以下、従来被覆工具という)においては、耐摩耗性のより一層の向上を図るため、cBN焼結体中のcBN含有割合を高くする試みがなされているが、cBN含有割合を70vol%程度以上に高めた場合には、CrとAlの複合窒化物系硬質膜と工具基体との付着強度が低下傾向を示すようになるため、近年の過酷な切削条件に耐えられるほどには、cBN工具基体と硬質膜の付着強度が十分ではないのが現状である。
特許第4177845号明細書 特許第4160898号明細書 特表2008−529809号公報
近年の切削加工装置のFA化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は、通常の切削条件に加えて、より高速条件下での切削加工が要求される傾向にあるが、上記の従来被覆工具においては、各種の鋼や鋳鉄を通常条件下で切削加工した場合に特段の問題は生じない。しかし、これを、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削に用いた場合には、cBN工具基体と硬質膜の付着強度が十分でないため、これが原因で、欠損を生じやすく、そのため、比較的短時間で使用寿命に至り、長期の使用に亘って、十分な耐摩耗性を発揮することができない。
したがって、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮させるためには、cBN工具基体と硬質膜の付着強度を向上させることが大きな課題となっている。
本発明者等は、cBN焼結体を工具基体材料とし、硬質被覆層としてCrとAlの複合窒化物を形成した被覆工具において、基体と硬質膜間の付着強度を確保・向上させるための中間層について鋭意研究したところ、次のような知見を得た。
cBNの含有割合が高い(70vol%以上)cBN焼結体からなる工具基体(以下、cBN工具基体という)表面に、
組成式:Cr0.33(1−X)0.67(1−X)(但し、Xは原子比で、0.05〜0.5)
を満足するCr、BおよびNの複合化合物(以下、CrBNで示す)層からなる中間層を形成し、この上に、CrとAlの複合窒化物(以下、CrAlNで示す)からなる上部層を被覆形成したところ、前記CrBN層は、cBN工具基体とCrAlNからなる上部層のいずれに対しても強固な付着強度を有するため、上記cBN工具基体−CrBN中間層−CrAlN上部層からなる被覆工具は、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削加工において、耐欠損性に優れ、その結果として、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することを見出した。
さらに、本発明者等は、上記CrBN中間層において、N含有割合を中間層の層厚方向に沿って、cBN工具基体側からCrAlN上部層側へ徐々に高める傾斜組成とすることにより、cBN工具基体−CrBN中間層間の付着強度およびCrBN中間層−CrAlN上部層間の付着強度がより一層強固なものとなり、その結果、より一段と優れた耐欠損性を発揮し、工具寿命も大幅に伸びることを見出したのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「 70vol%以上の立方晶窒化ほう素を含有し、残部は硬質分散相と結合相とからなる立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製工具基体の表面に、
組成式:Cr0.33(1−X)0.67(1−X)(但し、Xは原子比で、0.05〜0.5)を満足するCr、BおよびNの複合化合物層からなる平均層厚0.05〜1.0μmの中間層と、
組成式:(Cr1−YAl)N(但し、Yは原子比で、0.4〜0.7)
を満足するCrとAlの複合窒化物層からなる平均層厚0.5〜5.0μmの上部層を、
順次形成したことを特徴とする表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
本発明について、以下に説明する。
立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製工具基体(cBN工具基体):
超高圧焼結材料製工具基体中の窒化ほう素(cBN)は、きわめて硬質で、焼結材料中で分散相を形成し、そしてこの分散相によって耐摩耗性の向上を図ることができる。
一般的には、cBN含有割合が70vol%以上となると、硬さは向上するものの、硬質被覆層との密着性が低下し、欠損発生の原因となるが、本発明では、CrBN中間層を介在形成することにより、cBN工具基体−CrAlN層の付着強度を十分確保することができるため、cBN含有割合が70vol%以上の高含有量のcBN工具基体をも切削工具として利用することが可能となった。
本発明では、長期の使用に亘って優れた耐摩耗性を備える表面被覆切削工具を提供するという観点から、cBN含有割合は70vol%以上とする。
なお、cBN焼結体の他の構成成分、例えば、結合相等としては、周期律表VIa、Va、VIa族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物ならびにこれらの固溶体からなる群の中から選択された少なくとも1種とアルミニウム化合物のセラミックス系結合材を用いることができる。
中間層(CrBN層):
中間層は、
組成式:Cr0.33(1−X)0.67(1−X)(但し、Xは原子比で、0.05〜0.5)を満足するCr、BおよびNの複合化合物層で構成する。
CrBN中間層が介在形成されていない場合には、cBN工具基体とCrAlN硬質被覆層の付着強度は、専ら、格子定数、結晶構造が類似するcBN焼結体中の結合相成分とCrAlNとの結合によって確保されることになるが、cBN焼結体中のcBN成分と硬質被覆層成分CrAlNの結合力はそれ程大きくないため、cBN焼結体中のcBN成分の含有割合が高くなった場合には、その密着強度を高めるためには、cBNの結晶構造と上部層の結晶構造を併せ持つ中間層を介在させることが必要とされる。
ところで、CrBNは、CrNをはじめとする多様な化合物(例えば、BN,CrB,CrB,CrB,CrN等)からなる複雑な複合体であり(「Thin Solid Films」445(2003)96−104参照)、CrNと同程度の硬さを有するばかりか、CrBN中のCrNは、CrAlNのB1結晶構造と同じ結晶構造を有するとともに、CrBN中のBNはcBNと化学的な親和性を有することから、高cBN含有cBN工具基体とCrAlN層からなる硬質被覆層(上部層)の間に中間層としてCrBN層を介在形成することにより、cBN工具基体とCrAlN硬質被覆層の付着強度向上を図ることができる。
ただ、BとNの含有割合を示すXの値が0.05未満である場合には、CrB,CrB等が多くなり、膜質が脆くなるためcBN工具基体との付着強度が低下し、一方、Xが0.5を超える場合には、窒素過多となり、硬質膜としての硬さを保てず、かつ、CrAlN層との付着強度が低下するようになることから、Xの値(原子比)は、0.05〜0.5と定めた。
また、CrBN中間層における層厚方向へのN含有割合の分布は、cBN工具基体側からCrAlN上部層側へ徐々に高める傾斜組成とすることにより、cBN工具基体−CrBN中間層間の付着強度およびCrBN中間層−CrAlN上部層間の付着強度がより一層強固なものとなり、その結果、より一段と優れた耐欠損性を発揮し、工具寿命も大幅に伸びる。
CrBNからなる中間層の平均層厚は、0.05μm未満では十分な付着強度向上効果を期待できず、一方、平均層厚が1.0μmを超えると耐摩耗性が低下傾向を示し、長期の使用に亘って満足できる工具特性を発揮することができなくなることから、中間層の平均層厚は、0.05〜1.0μmと定めた。
CrBN中間層の形成は、例えば、ターゲットとしてCrB焼結体を用い、Ar+N雰囲気中で、DCスパッタリングによって形成することができる。
また、スパッタリングによるCrBNの成膜に際し、雰囲気ガス中のNガス成分の含有比率を、成膜時間の経過とともに相対的に高めていくことによって、CrBN中間層を組成傾斜構造とすることができる。
上部層(CrAlN層):
硬質被覆層の上部層は、
組成式:(Cr1−YAl)N層(但し、Yは原子比で、0.4〜0.7)
を満足するCrとAlの複合窒化物(CrAlN)層によって構成する。
上記Cr成分は所定の高温強度の維持に寄与し、Al成分は高温硬さ、耐熱性、耐高温酸化性の向上に寄与することから、硬質被覆層の上部層を構成するCrAlN層は、所定の高温強度とすぐれた高温硬さ、耐熱性および耐高温酸化性を具備する層であるが、Alの含有割合Yが0.7を超えると上部層の耐高温酸化性は向上するものの、Cr含有割合の相対的な減少によってB1結晶構造を保つことが困難となり、耐摩耗性が著しく低下し、一方、Alの含有割合Yが0.4未満になると、高温硬さ、耐熱性が低下し、その結果、耐摩耗性の低下がみられるようになることから、Alの含有割合Yの値を0.4〜0.7と定めた。
また、上部層の平均層厚が0.5μm未満では、自身のもつ高温硬さ、耐熱性および耐高温酸化性を硬質被覆層に長期に亘って付与できず、工具寿命短命の原因となり、一方その平均層厚が5μmを越えると、欠損が生じ易くなることから、その平均層厚を0.5〜5μmと定めた。
CrAlN層からなる上部層は、通常用いられるアークイオンプレーティング(AIP)法によって成膜することができる。
上記のとおり、本発明では、70vol%以上のcBNを含有するcBN工具基体表面にCrAlN層からなる硬質被覆層を形成するにあたり、cBN工具基体とCrAlN層の間に、双方に対する密着強度が高いCrBN層(好ましくは、組成傾斜構造)を中間層として介在形成するため、基体と被覆層間の密着強度が向上し、その結果、本発明の表面被覆切削工具は、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削という厳しい切削条件下で用いた場合でも、欠損発生の恐れはなく、長期の使用にわたって、すぐれた耐摩耗性を維持し、工具寿命の大幅な延長を図ることが可能である。
この発明の被覆工具を構成する硬質被覆層を形成するのに用いたアークイオンプレーティング(AIP)装置とDCスパッタリング(DC−SP)装置を併設した蒸着装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。
以下に、本発明の表面被覆切削工具を実施例に基づいて説明する。
原料粉末として、いずれも0.5〜4μmの範囲内の平均粒径を有するcBN粉末、TiN粉末、AlN粉末、Ni粉末、Al粉末、Co粉末、W粉末を用意し、これら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで80時間湿式混合し、乾燥した後、120MPaの圧力で直径:50mm×厚さ:1.5mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、圧力:1Paの真空雰囲気中、900〜1300℃の範囲内の所定温度に60分間保持の条件で焼結して切刃片用予備焼結体とし、この予備焼結体を、別途用意した、Co:8質量%、WC:残りの組成、並びに直径:50mm×厚さ:2mmの寸法をもったWC基超硬合金製支持片と重ね合わせた状態で、通常の超高圧焼結装置に装入し、通常の条件である圧力:4GPa、温度:1200〜1400℃の範囲内の所定温度に保持時間:0.8時間の条件で超高圧焼結し、焼結後上下面をダイヤモンド砥石を用いて研磨し、ワイヤー放電加工装置またはダイヤモンド切断機にて一辺3mmの正三角形状に分割し、さらにCo:5質量%、TaC:5質量%、WC:残りの組成およびCIS規格SNGA120412の形状(厚さ:4.76mm×一辺長さ:12.7mmの正方形)をもったWC基超硬合金製インサート本体のろう付け部(コーナー部)に、質量%で、Cu:26%、Ti:5%、Ni:2.5%、Ag:残りからなる組成を有するAg合金のろう材を用いてろう付けし、所定寸法に外周加工した後、切刃部に幅:0.13mm、角度:25°のホーニング加工を施し、さらに仕上げ研摩を施すことによりISO規格SNGA120412のインサート形状をもち、cBN含有割合が70vol%以上である表2に示される組成からなるcBN工具基体1〜10を製造した。
Figure 2010284759
Figure 2010284759
ついで、図1に示される成膜装置、即ち、CrB焼結体ターゲットを備えたスパッタリング装置およびCr−Al合金ターゲットを備えたアークイオンプレーティング装置を併設した成膜装置の内部にcBN工具基体を装着し、
上記のcBN工具基体を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、前記装置内に自転公転自在に支持装着し、
(a)まず、装置内を真空排気して0.5Paの真空に保持しながら、ヒーターで装置内を450〜600℃に加熱した後、Arガスを導入し、1.5PaのArガス雰囲気とし、cBN工具基体1に−200Vのパルスバイアス電圧を印加して、前記cBN工具基体をArガスボンバード洗浄し、
(b)ついで、前記装置内の温度を500℃とした状態で、反応ガスとしてNとArを、N:3sccm、Ar:50sccmの割合で導入して、必要に応じ、スパッタの進行とともに、窒素含有割合を増加させるように調整しつつ、0.3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転するcBN工具基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加して、CrB焼結体のターゲットに直流電源を用いてスパッタを行うことにより、前記cBN工具基体の表面に表3に示される目標層厚、所定組成(および目標傾斜組成)のCrBN層からなる中間層を形成し、
(c)ついで、装置内を500℃とした状態で、cBN工具基体に−10〜−50Vの直流バイアス電圧を印加して、Cr−Al合金カソード電極とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、cBN工具基体表面に表3に示される目標層厚、所定組成のCrAlN層からなる上部層を形成することにより、
ISO規格SNGA120412に規定するスローアウエイチップ形状の本発明表面被覆切削工具1〜10を作製した。
比較のため、実施例で使用したcBN工具基体1〜10の上に、表4に示されるCrAlN層からなる硬質被覆層を、アークイオンプレーティング法により0.5〜5μmの平均層厚で蒸着形成することにより、比較例表面被覆切削工具1〜10を作製した。
上記本発明表面被覆切削工具1〜10について、中間層(CrBN層)および上部層(CrAlN層)の膜組成を、また、比較被覆表面被覆切削工具1〜10についてCrAlN層の膜組成を、オージェ電子分光分析法により測定したところ、それぞれ目標組成と実質的に同じ組成を示した。
なお、表3における中間層のX値について、工具基体側とは、0.01μm(膜厚方向)×1μm(界面と平行な方向)の領域での測定の平均値、上部層側とは、同様に、0.01μm(膜厚方向)×1μm(界面と平行な方向)の領域での測定の平均値をいい、また、平均X値とは、中間層の全体(中間層厚)×幅1μmの領域により測定した値をいう。
さらに、本発明被覆表面被覆切削工具1〜10および比較被覆表面被覆切削工具1〜10の各層の層厚を透過型電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。
これらの測定値を、表3、4に示す。
Figure 2010284759
Figure 2010284759
上記の本発明表面被覆切削工具1〜10と比較例表面被覆切削工具1〜10を用い、以下の切削加工条件で切削加工試験を実施した。
《切削条件1》
被削材:JIS・SUJ2の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒(硬さ:HA60)、
切削速度: 250 m/min、
送り: 0.10 mm/rev、
切込み: 0.15 mm、
切削時間: 10 分
の条件での、焼入れ軸受鋼の湿式高速断続切削加工試験(通常の切削速度は、120m/min)、
《切削条件2》
被削材:JIS・SCr420の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒(硬さ:HA62)、
切削速度: 250 m/min、
送り: 0.10 mm/rev、
切込み: 0.15 mm、
切削時間: 10 分
の条件で、高硬度クロム鋼の高速断続切削加工試験(通常の切削速度は、150m/min)、
を行い、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
上記切削条件1,2による切削加工試験の測定結果を表5に示した。
Figure 2010284759
表3〜5に示される結果から、本発明表面被覆切削工具1〜10は、70vol%以上のcBNを含有するcBN工具基体表面に、CrBN層からなる中間層(好ましくは組成傾斜構造)を介して、CrAlN層からなる上部層が形成されることにより、cBN工具基体と硬質膜との密着強度が向上することから、焼入れ鋼等の高硬度鋼の高速断続切削加工に用いた場合でも、すぐれた耐欠損性を示すとともに、長期の使用にわたって、すぐれた耐摩耗性を発揮し、工具寿命の大幅な延長が図られるのに対して、比較例表面被覆切削工具1〜10においては、cBN工具基体と硬質膜(CrAlN層)との付着強度が劣るため膜の剥離や欠損等を発生し、膜が剥離した場合には逃げ面摩耗が進行しやすく耐摩耗性に劣るため、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の表面被覆切削工具は、高硬度鋼の高速断続切削加工用の切削工具として好適であり、切削加工装置の高性能化、並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものであるが、各種の鋼や鋳鉄などの通常の切削条件での切削加工に使用可能であること勿論である。

Claims (1)

  1. 70vol%以上の立方晶窒化ほう素を含有し、残部は硬質分散相と結合相とからなる立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製工具基体の表面に、
    組成式:Cr0.33(1−X)0.67(1−X)(但し、Xは原子比で、0.05〜0.5)を満足するCr、BおよびNの複合化合物層からなる平均層厚0.05〜1.0μmの中間層と、
    組成式:(Cr1−YAl)N(但し、Yは原子比で、0.4〜0.7)
    を満足するCrとAlの複合窒化物層からなる平均層厚0.5〜5.0μmの上部層を、
    順次形成したことを特徴とする表面被覆切削工具。
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