次に本発明の実施形態に係る画像形成装置ついて図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置、すなわち定着装置を備えた画像形成装置の模式図である。なお、同図は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザビームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
[画像形成装置の全体構成]
レーザプリンタ本体101(以下、本体101とする)は、シートPを収納する給送カセット102を有し、給送カセット102からシートPを繰り出す給送ローラ105等が設けられている。
また、給送ローラ105の下流にはレーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいてシートP上に未定着トナー像を形成する画像形成部108が設けられている。つまり、本実施形態のレーザプリンタにおいては、このレーザスキャナ部107と画像形成部108により画像形成手段が構成されている。そして、上記画像形成部108は、電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、帯電ローラ119、現像器120、一次転写ローラ124、二次転写ローラ121、クリーナ122、中間転写体123等から構成されている。
[定着装置]
次に、プリンタに備えられた定着装置109に関して、図2を参照して説明する。尚、図2は定着装置109の構成を示す模式的断面図である。
定着装置109は、加圧体であり加熱体でもある円柱状若しくは略円柱状の回転自在な定着ローラ30と、加圧体たる円柱状若しくは略円柱状の回転自在な加圧ローラ17とによってシートPをニップ搬送する間に加熱、加圧してトナー像を定着する。また、定着ローラ30の表面に接触して定着ローラ30を加熱する回転可能な加熱部材としての無端帯状のフィルム16及びセラミックヒータ15が設けられている。すなわち、定着ローラ30は定着体たるフィルム16を介して加熱手段たるセラミックヒータ15から熱印加される。また、セラミックヒータ15による加熱温度は、温度検知体たるサーミスタ感温検知センサ18(以下、サーミスタ18と略称する)によって検知される。
セラミックヒータ15と、定着ローラ30は、フィルム16を介して不図示の加圧手段により圧接され、加熱部材当接部N2を形成し、また定着ローラ30と、加圧ローラ17は、不図示の加圧手段により圧接され、定着ニップ部N1を形成する。
定着装置109に備えられたセラミックヒータ15は、定着装置109の本体に取り付けられたホルダ19にて支持されている。
また、セラミックヒータ15は、図3に示すように、アルミナ、窒化アルミ等のセラミックを主成分とする薄板状の基板15Aに一方の面に銀、パラジウム等を主成分とした発熱抵抗体15Bが設けられている。基板15Aの他方の面にサーミスタ18が当接して配置され、前記一方の面が、フィルム16との摺接等から保護されるようガラス又はフッ素樹脂、ポリイミド等の耐熱樹脂を主成分とする保護層15Cにてコートされている。尚、図3は、セラミックヒータ15の概略構成を示す一部透視図である。
セラミックヒータ15を構成する発熱抵抗体15Bは、図4に示すように、トライアック20を介して商用電源21から通電を受けるようになっている。商用電源21からの通電を受けた発熱抵抗体15Bが発熱することによりセラミックヒータ15による加熱が行われることとなる。
定着装置109に備えられたフィルム16は、図2に示すように、その内周長がホルダ19の外周長より所定長長く採られている。これにより、ホルダ19に無張力にて外嵌されていると共に、定着装置109の本体の外部に設けられた駆動機構(図示せず)により回転駆動されている定着ローラ30の回転に従動しながらホルダ19により規定方向にガイドされるようになっている。
また、フィルム16は、ポリイミドを主成分とする無端帯状体の外周面にPFAを主成分とする無端帯状体を被覆するという二層構造が採用されている。
定着装置109に備えられた定着ローラ30は、鉄、SUS、アルミニウム等からなる円柱状若しくは略円柱状の回転自在な芯金30Aの外周面に、シリコーンゴム等を主成分とする弾性層30Bが形成されている。そして、定着ローラ30の最外層には、PTFE、PFA又はFEP等などを主成分とする離型層30Cを形成されている。駆動機構から芯金30Aのローラ軸線方向に対する端部に駆動力を受けることにより回転駆動されるようになっている。
定着装置109に備えられたバックアップ部材としての加圧ローラ17は、アルミニウム等を主成分とする円柱状若しくは略円柱状の回転自在な芯金17Aの外周面に、シリコーンゴム等を主成分とする弾性層17Bが形成されている。そして、加圧ローラ17の最外層には、PTFE、PFA又はFEP等などを主成分とする離型層17Cが形成されており、回転駆動されている定着ローラ30の回転に従動回転するようになっている。
ここで、定着装置及び画像形成装置の動作を図1及び図4を参照して説明する。本体101は、不図示のコントローラにプリント信号を受け取ると、
定着ローラ30は駆動回転され、フィルム16および加圧ローラ17も合わせて従動回転される。
セラミックヒータ15には通電が開始され、サーミスタ18で検知されたセラミックヒータ15の温度が所定の目標温度となるよう制御される。
定着ローラ30表面は、フィルムを介してセラミックヒータ15から加熱されて、所定の温度まで昇温する。セラミックヒータ15の温度よりも、フィルム16の表面温度は低くなり、定着ローラ30表面温度はさらに低くなり、加圧ローラ17表面温度は、さらに低くなる。セラミックヒータ15から加熱している構成上、セラミックヒータが通電している間は、この関係は常に保たれる。
定着装置が冷えた状態から使用した場合、これらの部材間の温度差は大きくなり、定着装置が十分熱くなった状態では、小さくなる。
所定のタイミングで、給送カセット102から給送ローラ105によって給送されたシートPは、レジストローラ対106によって画像形成部108に送られる。
画像形成部108によって未定着トナー画像を転写されたシートPは、定着装置109の定着ニップ部N1へ導入される。
(ホットオフセット)
定着ニップ部N1に導入されたシートPは、フィルム16を介してセラミックヒータ15から加熱された定着ローラ30と加圧ローラ17の間で挟持搬送されながら、前記未定着像が溶融してシートP上に半永久着される。定着ニップ部N1で定着されたシートPは、排出ローラ111,140を経て、装置外の排出トレイ112に排出される。
ここで、定着ニップ部N1において、シート上のトナーに過剰な熱量を与えた場合、シートPの溶けすぎたトナーが定着ローラ30に転移する「ホットオフセット」といわれる現象が発生する。
図5に示すように、溶けすぎて凝集力が小さくなったトナーは、シートP上に層を成しているトナーのうち、シートPに接している部分と、定着ローラ30と接している部分に分かれて、それぞれに付着しようとする。その結果、トナー像の一部はシートP上に定着され、一部は定着ローラ30に転移する。「ホットオフセット」が発生すると、定着ローラに転移したトナーが、1周した後にシートPに再転位し、画像不良となってしまう。
また逆に、定着ニップ部N1において、シートP上のトナー像に与える熱量が十分でない場合、トナーが溶融しきらず、シートへの定着不足を起こす。定着装置から排出されたシートPからトナー画像がはがれ、画像不良となり、ユーザの手を汚したりする。
通常動作時の定着モードにおいては、「ホットオフセット」が発生する熱量Qhより小さく、定着不足が発生する熱量Qlよりも大きい、適切な熱量を与えられるように目標温度に設定する。これにより、シートP上のトナーに適正な熱量Qnを与えてシートP上に画像不良なくトナーを定着させる。
ホットオフセットや定着不足が発生しない熱量Qn、目標温度は、シートP上のトナーの量、トナーの種類によって異なる。また、シートPの坪量、表面性によって、シートPとの界面の溶け方が変わる。また、画像形成装置の置かれた環境によっても異なる。そのため、例えば使用するシートPの種類、トナー像、環境に応じて、目標温度を切り替え、適正な熱量Qnを与えることができるようする。
上記説明したように、通常の定着モードにおいては、ホットオフセットが発生しないように温度制御を行っている。しかし、例えば、画像形成装置にとって適切でないシートPが使用されたりして、ホットオフセットが発生してしまった場合、定着ローラ30へ付着したトナーは、フィルム16側へも回り込んでしまう可能性がある。
そのため、本実施形態における、フィルム16の離型層のトナーに対する離型性は、定着ローラ30の離型層30Cよりも良いことが望ましい。
離型性の調整方法としては、例えば、離型層の主成分たるPTFE、PFA又はFEP等の離型性の良い材料に、無機フィラーなどの離型性の悪い材料を分散し、化学的に離型性を調整する方法が挙げられる。また製膜条件などを変更し、離型層の表面粗さを変えても良い。
ここでいう各離型層のトナーに対する離型性とは、定着装置が十分熱まった状態で、ホットオフセット領域まで溶融したトナーの付着しやすさで定義している。
(トナーの離型性の試験方法)
次にトナーに対する離型性の試験方法を示す。定着装置のヒータ15を所定の目標温度に立ち上げ、定着ローラ30、加圧ローラ17を回転させる。このときの目標温度は、定着ニップ部N1において、シートP上のトナーに、ホットオフセットを発生させる温度とする。この状態で5分間維持し、定着装置をウォームアップする。
定着装置が十分熱くなった状態で、ヒータ15の通電と、定着ローラ30、加圧ローラ17の駆動を一時停止し、定着装置が熱いうちに、定着ニップ部N1と、加熱部材当接部N2に未定着のトナーを挟む。この一時停止時間は、好ましくは10秒以内、長くとも30秒以内が望ましい。再びヒータを通電し、定着ローラ30、加圧ローラ17を回転させると、定着ニップ部N1に挟まっていたトナーが、定着ローラ30か、加圧ローラ17に移動する。また、加熱部材当接部N2に挟まっていたトナーが定着ローラ30か、フィルム16に移動する。ここで、トナーがより多く移動し、より多く付着した部材を相対的に離型性が悪い部材としている。
一般的に、トナーは表面エネルギーが小さく、表面粗さが少ない物体に付着しにくい。また、2物体間に挟まれたトナーは、温度の低い物体の方へ移動する傾向がある。温度の低い物体に接触しているトナーの溶融粘度は上がり、粘着力が増すためである。
上記離型性試験で求められた離型性とは、2物体間の材料と、温度によって変わっていくる。
ただし、上記離型性試験は、定着装置を長時間ウォームアップし、平衡状態に近くなった状態で行っており、部材間の温度差が小さい状態で評価している。本実施形態におけるクリーニングモードや、通常の定着動作などでは、長時間のウォームアップは行わない。フィルム16、定着ローラ30、加圧ローラ17の表面温度の差は、上記離型性試験時よりも大きくなる。上記離型性試験において、定着ローラ30よりもフィルム16の離型性が良かった場合、クリーニングモードや、通常の定着動作などの動作中では、さらに、定着ローラ30よりもフィルム16の離型性が良い状態となる。
(クリーニングモード)
次に図6のフローチャートと、図7のタイムチャートを参照して、定着装置のクリーニングについて説明する。なお、図6は画像形成装置の動作を示したフローチャートである。また、図7はシートP、定着ローラ30、フィルム16上のトナーの動きと、定着ローラ30温度の変化を模式的に示したタイムチャートである。
なお、定着装置109において、通常の定着を行うためのモードを「定着モード」、クリーニングを行うためのモードを「クリーニングモード」とする。
クリーニングモードは、連続的に行われる以下の3つの工程からなる。
1)シートP上の未定着トナーを定着ローラ30に転移させるまでの第1の工程。
2)定着ローラ30上のトナーで、フィルム16のトナーをクリーニングする第2の工程。
3)定着ローラ30上のトナーをシートP上に転移させ、定着させる第3の工程。
以上の工程を経て、シートP上にフィルム16のトナーを転移させて排出する。次に各工程を具体的に説明する。
(第1の工程)
まず、シートP上の未定着トナーを定着ローラ30に転移させるまでの工程の説明を行う。
画像形成装置が待機状態において、ユーザがクリーニングが必要と判断すると、装置本体101の操作パネルや、不図示のホストコンピュータからの信号によって、画像形成装置をクリーニングモードに切り替える(ステップ1−a)。なお、装置本体101が、プリント枚数をカウントし、所定の枚数に達したらクリーニングが必要と判断し、自動的にクリーニングモードへ移行しても良い。
次に、クリーニングモードが開始されると、定着装置109におけるセラミックヒータ15の目標温度が、クリーニングモード用の目標温度に設定される。また、クリーニングモード用のプロセススピードに設定される(ステップ1−b)。
所定のプロセススピードと、目標温度で、定着ローラ30の駆動が開始され、セラミックヒータ15に通電される(ステップ1−c)。本実施形態における、クリーニングモードでは、故意に「ホットオフセット」が発生するような目標温度、または、プロセススピードに設定する。
定着モードの場合よりも目標温度を高くし、定着モードの場合に与える熱量(第1の熱量)Qnよりも大きい、ホットオフセットが起こる熱量(第2の熱量)QhをシートP上のトナーに与える。定着モードと同様に、シートPの種類、環境などに応じて、目標温度を切り替え、条件が変わってもホットオフセットが発生するように制御するのが望ましい。または、クリーニングモードで使えるシートPの種類を限定しても良い。
クリーニングモードでは、クリーニングモード用のプロセススピードに切り替え、シートP上のトナーにホットオフセットが発生する熱量Qhを与えることができるよう制御しても良い。同じ目標温度でも、プロセススピードが遅ければ、定着ニップ部N1において、定着ローラ30から、シートP上のトナーに熱伝達する時間が長くなり、与える熱量が多くなる。
クリーニングに使用するシートPは、画像形成装置で通紙可能なシートサイズのうち、最大の横幅であることが望ましい。ここで言うシートPの横幅とは、シートPの搬送方向と直交する方向でのシート幅を指す。または、この画像形成装置でこれまでに使用してきたシート以上に横幅があることが好ましい。これまで通紙してきたシート横幅にわたってフィルム16に付着物がついている可能性があるためである。
次に、画像形成装置は、画像形成動作を開始し、給送カセット102から給送ローラ105によってシートPが給送され、画像形成部108へ送られる(ステップ1−d)。そして、画像形成部108によって、シートPに、クリーニングモード用の画像が形成される(ステップ1−e)。なお、図8に、クリーニング用画像パターンの一例の模式図を示す。
クリーニング用画像は、クリーニングに使用するシートPに形成できる最大の横幅で、フィルム16の外周長以上の搬送方向長さで、印字率50%〜300%、好ましくは、印字率70%〜200%のベタ画像を形成する。
ここで言う印字率とは、単に印字されている部分と印字されていない部分との比率ではなく、各ドットごとの濃度を含めた比率を表すものである。これは、画像形成装置に描画させる画像データ上で、画像を形成している面積あたりにおける全画素数に対する露光を実行する画素数を百分率で示した値((露光を実行した画素数/全画素数)×100)である。あるいはパルス幅変調(PWM)により調整した画素毎の濃度(トナー付着量)の積算値によって表される値である。
なお、画素毎の濃度は、PWMにより例えば256階調を再現する画像形成装置の場合には、x/256等という分数または当該分数を百分率に換算した値で表せる。例えば、単色のベタ画像を印字率100%として、例えば、ベタに対して光学濃度が50%の場合は印字率50%、青(マゼンタのベタ画像とシアンのベタ画像の重なり部分)等の二次色ベタ画像を200%等として定義する。
印字率50%未満だとシートP上でトナーが覆う面積の方が少なくなり、定着ローラ表面に付着させることができるトナー量も少なくなる。トナー量が少ないと、定着ローラ表面に付着したトナーの粘着力よりも、定着ローラ表面の離型性が上回って、クリーニングが難しくなる。一方、印字率が300%以上であると、シートP上のトナー量が多すぎ、ホットオフセットを発生させることが難しくなる。
シートP先端には、定着ニップ部N1から排出ローラ111の距離以上のトナーを載せない余白部を作り、排出ローラ111へシート先端が入ってから、オフセットさせるトナー画像部分が、定着ニップ部N1に突入するようにするのが望ましい。これにより、シートPの定着ローラ30への巻きつきを防ぐことができる。シートP後端には、定着ローラ30の外周分以上のトナーを載せない余白部を作る。
図9のように、未定着画像を斜めに形成しても良い。定着ニップ部N1において、画像が少しずつオフセットしていくので、シート幅方向全域でオフセットするよりも粘着力が弱まり、シートPの定着ローラ30への巻きつきが、より発生しにくくなる。
上記の未定着トナー画像を載せたシートPが、定着装置109に導入される(ステップ1−f)。
シートP上の未定着トナー画像部が、定着ニップ部N1に到達する。そして、シートP上の未定着トナーの一部が、定着ニップ部N1において、「ホットオフセット」を起こし、定着ローラ30に転移する(ステップ1−g)。以下、定着ローラ30上に転移したトナーを、オフセットトナーToと呼ぶ。
(第2の工程)
次に、定着ローラ30上のオフセットトナーToで、フィルム16に付着していたトナー(以下、コンタミトナーTcと呼ぶ)をクリーニングする工程の説明を行う。
定着ローラ30上に転移したオフセットトナーToは、定着ローラ30の回転に伴い、加熱部材当接部N2に達し、フィルム16に接触する。図10に示すように、加熱部材当接部N2において、オフセットトナーToの粘着力によって、フィルム16に付着していたコンタミトナーTcは定着ローラ30に転移する(ステップ2−a)。なお、図10は工程2における定着装置の様子を示した模式断面図である。
ここで、フィルム16に付着していたコンタミトナーTcを定着ローラ30に転移させるメカニズムについて説明する。
フィルム16に付着しているコンタミトナーTcは、トナー樹脂に、シートPに含まれる紙繊維や、炭酸カルシウム、タルクなどの無機物からなる填料(充填剤)などの紙粉が混ざり合ったもので、熱を加えても軟化しにくく、粘着性も低い。
これらの紙粉は、シートPを加熱定着する際に、シートPから脱落し、定着ローラ30に付着し、加熱部材当接部N2において、加熱フィルムに接触する。フィルムの離型性を、定着ローラの離型性よりも高くしても、紙粉などは、静電的、機械的にフィルム16に付着してしまう。この無機物からなる微量な紙粉に、微量のトナーが付着し、フィルム16上でコンタミトナーTcとなる。
コンタミトナーTcには、フィルム16表面に固まって固着してしまっているものと、固まってはいないが粘着性のない状態となり、フィルム16にも粘着しないが、定着ローラ30にも強く粘着しないため、フィルム16上に残ってしまっているものとがある。
強く固着してしまったものは、容易にフィルム16から脱落することはなく、画像に問題を起こすことはない。弱くフィルム16上に付着し、留まっているものは、不定期に定着ローラ30上へ吐き出され、画像不良となってしまう。
本実施形態におけるクリーニングモードは、この弱く付着したコンタミトナーTcを除去できる。
紙粉などが少ないオフセットしたばかりのオフセットトナーToは粘着力が十分あり、加熱部材当接部N2においては、離型性の高いフィルム16よりも、相対的に離型性の低い定着ローラ30側に強く粘着し、定着ローラ30上に維持される。そして、フィルム16に弱く付いているだけのコンタミトナーTcを、定着ローラ30表面に粘着力で移動できる。
加熱部材当接部N2において、定着ローラ30よりも、フィルム16の離型性が高ければ、大半のオフセットトナーToが定着ローラ30に維持される。
ただし、オフセットトナーToの凝集力が低いため、オフセットトナーToの一部がフィルム16に付着してしまう場合がある。フィルム16と定着ローラ30の離型性の差が小さい場合などに発生しやすい。このような場合、フィルム16へ付着したオフセットトナーToは、フィルム16の回転とともに再び加熱当接部N2に到達して、定着ローラ30と接触し、フィルム16へ付着したオフセットトナーToの大半は、定着ローラ30へ戻ってくる。そして、さらに次に、定着ローラ30とフィルム16が接触した時に、残りのオフセットトナーToの大半も戻ってくる。このようにして、フィルム16に付着したオフセットトナーToは、最終的に、ほぼ全てが定着ローラへ戻ってくる。
(第3の工程)
次に、定着ローラ30上のトナーをシートP上に転移させ、定着させる工程を説明する。
図11は、工程2における定着装置の様子を示した模式断面図である。図11に示すように、定着ローラ30に付着したオフセットトナーToとコンタミトナーTcは、定着ローラ30の回転に伴い、再び定着ニップ部N1に達し、シートPに接触する。定着ニップ部N1において、シートPにオフセットトナーToとコンタミトナーTcがシートP上に定着される(ステップ3−a)。
コンタミトナーTcが多い場合や、シートPの表面性が悪い場合、定着ローラ30上にあったオフセットトナーToと、コンタミトナーTcが、定着ニップ部N1において定着しきれず、一部が定着ローラ30上に残ったまま定着ニップを通過してしまう場合がある。
定着ローラ30に残ったトナーは、そのまま定着ローラ30とともに回転し、加熱部材当接部N2に再び到達する。しかし、定着ローラ30よりもフィルム16の離型性は高いため、定着ローラ30上にあったオフセットトナーToがフィルム16に移ることはほとんどない。移ったとしても、定着ローラ30が数周する間に、定着ローラ30へ戻ってくる。またコンタミトナーTcも定着ローラ30上のオフセットトナーToに粘着しているため、フィルム16に移ることはほとんどない。定着ローラ30上に残ったトナーは、定着ローラ30とともに回転して、また定着ニップ部N1へ戻り、シートPに定着される。一度に全て定着できなくても、定着ローラが数周する間に、徐々にシートPに定着される。
排出ローラ111,140を経て、排出トレイ112に排出される。この一連の動作により、フィルム16に付着していたコンタミトナーTcは、定着ローラ30を経て、シートPに転移されて排出される(ステップ3−b)。そして、駆動、ヒータ通電を停止し、クリーニングモードを終了する(ステップ3−c)。
以上説明した各ステップは、順次開始されるが、各ステップが始まってから終了するまで時間がかかるため、各ステップは部分的に重複する。例えば、定着ニップ部N1において、ステップ1−gが終わる前に、加熱部材当接部N2ではステップ2−aが始まる。未定着画像の長さが、定着ローラ30の外周長以上であれば、定着ニップ部N1においてステップ1−gが終わる前に、同じく定着ニップ部N1ではステップ3−aが始まる。
この場合、シートP上の未定着トナーはホットオフセットして、定着ローラ30に転移し、同時に、すでに定着ローラ30上にあったオフセットトナーToとコンタミトナーTcは、シートPに定着する。定着ローラ30上のコンタミトナーTcを全てシートPに定着させることは難しくなるが、定着ローラ30上に残ってしまったコンタミトナーTcは、前述したように、次の周回以降で定着できる。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した結果を以下に示す。
実験に用いた画像形成装置は、プロセススピードが90mm/sで、14枚/分のフルカラープリント出力が可能なレーザービームプリンタである。
実験に用いた本実施形態における定着装置の構成を示す。セラミックヒータ15は、厚み1.0mm幅7.0mmのアルミナからなる基板15A上に、銀とパラジウムからなる厚み10μm、幅4.0mmの発熱抵抗体15Bを備えたもので、保護層15Cとして厚み60μmのガラス層で覆われている。フィルム16は、内径20mm、厚み30μmのポリイミド樹脂からなるフィルム基層上に、厚み20μmのPFA樹脂からなる離型層を備えている。
定着ローラ30は、アルミ製の外径14mmの芯金30A上に、厚み3.0mmの熱伝導率0.2 W/m・Kのシリコーンゴムからなる弾性層30Bを形成し、最外層に厚み20μmのPFA樹脂からなる離型層30Cを設けている。
加圧ローラ17は、アルミ製の外径14mmの芯金17A上に、厚み3.0mmの熱伝導率0.2 W/m・Kのシリコーンゴムからなる弾性層17Bを形成し、最外層に厚み20μmのPFA樹脂からなる離型層17Cを設けている
セラミックヒータ15は、加圧力10kgで定着ローラ30に圧接され、幅5.0mmの加熱部材当接部N2を形成する。加圧ローラ17は、加圧力15kgで定着ローラ30に圧接され、幅6.0mmの定着ニップ部N1を形成する。
定着ニップの搬送方向下流側60mmの位置には、排出ローラ対111が設けられ、定着ニップを通過したシートは、排出ローラ対111に送られ、排出される。
本実験における画像形成装置は、例えば、坪量80g/m2の紙を定着させる定着モードにおいて、画像形成装置が気温15℃環境に置かれた場合のフルカラープリントでは、セラミックヒータ15は、目標温度180〜200℃で制御される。定着ローラ30や、加圧ローラ17が冷えた状態ではセラミックヒータ15の目標温度を高く、暖まっている状態ではセラミックヒータ15の目標温度を低く設定する。この目標温度設定で、定着不足もホットオフセットもすることなく定着できる。
この画像形成装置を用い、気温15℃、湿度15%の環境下において、一般的なレーザビームプリンタ(以下、LBP)印刷シート、坪量80g/m2、A4サイズ紙を用い、印字率5%の文字画像を10000枚プリントした。このとき、プリントされたシート表面に付着物がつくようになった。定着装置内部を観察したところ、フィルム16にコンタミトナーTcなどの付着物が付着していた。
上記フィルム16のコンタミトナーTcを、クリーニングモードによって、クリーニングする試験を行った。
クリーニングシートPとしては、フューレット・パッカード(HP)社製LBP印刷用グロス紙、HP Presentation Paper、坪量130g/m2、Letter(幅216mm縦279mm)サイズ紙を使用した。平滑なグロス紙は、定着ローラと密着しやすく、定着ローラに付着させたオフセットトナーToやコンタミトナーTcの回収がしやすい。
上記HP Presentation Paperを通常の定着モードで使用する場合は、坪量130g/m2のグロス紙用の定着モードが選択され、プロセススピード45mm/sにおいて、セラミックヒータ15は、目標温度180〜200℃で制御される。これにより、定着不足もホットオフセットもすることなく定着できる。
クリーニングモードが開始されると、プロセススピードを、45mm/sに設定して画像形成装置の画像形成動作を開始し、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、目標温度200〜220℃で制御される。定着モード時と同様に、定着ローラ30や、加圧ローラ17が冷えた状態ではセラミックヒータ15の目標温度を高く、暖まっている状態ではセラミックヒータ15の目標温度を低く設定する。坪量130g/m2シートP上のトナーに過剰な熱量を与え、ホットオフセットを発生させるために、定着モードよりも、セラミックヒータ15の目標温度も高くしている。
シートPを給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、セラミックヒータ15の通電開始から20秒後には、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。
このときフィルム16の温度は190〜210℃、定着ローラ30の温度は180〜200℃、加圧ローラ17の温度は100〜120℃に立ち上がる。
クリーニングモード用の画像は図8と同様である。紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから140mmまで、ブラックトナー単色の印字率100%のベタ画像を幅200mmで形成し、紙先端140mmから紙後端までを余白とした。このときのベタ画像部のトナー載り量は、5.0g/m2であった。
すなわち、定着ローラ30への紙の巻きつきを防ぐために、紙が排出ローラ111へ到達するまでを余白とし、フィルム16の一周分の長さでオフセットさせる画像を形成し、その下流をオフセットさせたトナーを吐き出させる領域とした。
クリーニングモードの後、定着装置からは、図12のようになった紙が排出された。紙先端70mmから140mmのブラックトナーのベタ画像部はホットオフセットを起こし、オフセットトナーToは紙先端133〜203mm、定着ローラ30が1周した後の位置に、フィルム16に付着していたコンタミトナーTcと共に定着されている。オフセットトナーToは、紙先端203〜266mmの定着ローラ2周後の位置にも微量に付着し、紙先端266mmから紙後端までの定着ローラ3周後の位置には、ほとんど見えなくなった。
このクリーニングモードの結果、フィルム16に付着していたコンタミトナーTcなどの付着物のうち、固着していないものは除去できた。また、残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本実施形態では、シートPが定着装置を通過する途中で、目標温調やプロセススピードを切り替え、シートP上のオフセットトナーTo発生用の画像が、定着ニップ部N1を通っている間は、ホットオフセットが発生する熱量Qhを与える。そして、シートP上のオフセット発生用の画像が定着ニップ部N1を通過した後は、ホットオフセットが発生しない前記熱量Qhよりも小さい第3の熱量を与えるものである。なお、本実施形態では第3の熱量として定着モードと同様の熱量Qnを与えるものである。
定着ローラ30へオフセットトナーToを付着させる手段として、トナーに過剰な熱量Qhを与え、ホットオフセットをさせているが、溶け過ぎたオフセットトナーToは凝集力、粘着力が弱くなる。
図13に、一般的な、トナーの温度と溶融粘度の関係を示す。トナーに過剰な熱量を与え、トナー温度が上がると、溶融粘度が下がり、トナーの凝集力、粘着力が弱くなる傾向がある。
工程1が終了した後、トナーに与える熱量は、適性な熱量に戻した方が、オフセットトナーToの凝集力、粘着力は強くなり、工程2でのフィルム16をクリーニングする能力が上がり、工程3でシートPへ定着され、回収されやすくなる。
本実施形態におけるクリーニングモードを、図14のフローチャートと、図15のタイムチャートを用いて説明する。なお、図14は、本実施形態の画像形成装置の動作を示したフローチャートである。図15は、シートP、定着ローラ30、フィルム16上のトナーの動きと、定着ローラ30温度の変化を模式的に示したタイムチャートである。
クリーニングモード開始する(ステップ1−a)。次に、目標温度、プロセススピード設定する。これは、シートP上のトナーにホットオフセットを発生させる熱量Qhを与える温度と、そのプロセススピードとする(ステップ1−b)。
次に各部材の駆動とヒータ通電を開始する。これにより、定着ローラ温度は所定の温度へ立ち上がる(ステップ1−c)。
次にシートPを給送し(ステップ1−d)、シートP上にクリーニング用の未定着画像を形成する(ステップ1−e)。このシートPを定着装置へ搬送する(ステップ1−f)。シートP上の未定着画像は、定着ニップ部N1へ到達し、オフセットトナーToとなり、定着ローラ30上へ転移する(ステップ1−g)。
シートP上のオフセット発生用の画像が定着ニップ部N1を通過した後、ヒータ15の目標温度を変更する(ステップ1−h)。これにより、定着ローラ30の温度も変更される。シートPに、定着モードと同等の熱量Qnを与える温度とする。
次に、定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーは加熱部材当接部N2に到達し、フィルム16と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−a)。
次に、定着ローラの回転に伴い、コンタミトナーTcとオフセットトナーToは定着ニップ部N1に到達し、シートP上に定着され(ステップ3−a)、シートPは排出される(ステップ3−b)。さらに、ヒータ通電OFF、画像形成装置停止してクリーニングモードが終了する(ステップ3−c)。
ここで、ステップ1−hのタイミングは、シートP上の未定着画像が定着ニップ部N1を通過した後としたため、未定着画像の長さによっては、ステップ2−aが始まるタイミングや、ステップ3−aが始まるタイミングよりも遅くなる。この場合、工程2の途中からフィルム16をクリーニングする能力が上がり、工程3の途中からコンタミトナーTcをシートPへ定着させやすくなる。
工程2や工程3の途中までステップ1−hが行われないことになるが、工程2と工程3は、ステップ1−hが行われなくても第1実施形態と同様には機能する。
ステップ1−hのタイミングを、未定着画像の長さに関わらず、シートPの未定着画像が定着ニップ部N1へ到達し、フィルム16の外周長分通過した後、としても良い。フィルム16の外周長分のオフセットトナーToを、定着ローラ30に付着させ、残りの未定着画像は普通にシートP上に定着させる。
工程1で定着ローラ30にオフセットトナーToを付着させる期間は、最低限のフィルム16の外周1周分だけになるが、工程2でのフィルム16をクリーニングする能力が上がる期間、工程3でのシートPへ定着されやすくなる期間が長くできる。シートPの平滑性が不十分であり、定着ローラ30上のオフセットトナーToやコンタミトナーTcが十分に回収できない懸念がある場合などは、前記のタイミングでステップ1−hを行ったほうが良い。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した。実験に用いた画像形成装置および定着装置は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態と同様にフィルム16に付着したコンタミトナーTcのクリーニング性能をテストした。
本実施形態のクリーニングシートPとしては、Canon社製LBP印刷用普通紙、CLC80g紙、坪量82g/m2、A4(幅210mm縦297mm)サイズを使用した。カラープリント用の普通紙であるCLC80g紙は、グロス紙に比べれば平滑性は劣るものの、普通紙としては平滑性が高い。本実施形態のクリーニングモードでは、定着ローラ30のオフセットトナーToをシートPに回収させやすいため、高価なグロス紙を使用する必要がなく、平滑な普通紙でクリーニングできる。このCLC80g紙を通常の定着モードで使用する場合は、坪量80g/m2の普通紙用の定着モードが選択され、プロセススピード90mm/sにおいて、セラミックヒータ15は、目標温度180〜200℃で制御され、定着不足もホットオフセットもすることなく定着できる。
クリーニングモードが開始されると、プロセススピードを、定着モードの半分である45mm/sとして、画像形成装置の画像形成動作を開始する。そして、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、ホットオフセットが発生する目標温度200〜220℃で制御される。
シートPを給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、セラミックヒータ15の通電開始から20秒後には、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。
このときフィルム16の温度は190〜210℃、定着ローラの温度は180〜200℃、加圧ローラの温度は100〜120℃に立ち上がる。クリーニングモード用の画像は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、紙先端から140mmの位置、すなわちホットオフセット発生用の画像部分までが定着ニップ部N1を通過すると、プロセススピードは45mm/sのまま、セラミックヒータ15の目標温度を160〜180℃に変更する。これは、プロセススピード45mm/sにおいて、紙上のトナーに適切な熱量を与え、定着不足も、ホットオフセットが発生しない温度である。
このときフィルム16の温度は150〜170℃、定着ローラの温度は140〜160℃、加圧ローラの温度は70〜90℃となる。
このクリーニングモードの結果、フィルム16に付着していたコンタミトナーなどの付着物のうち、固着していないものは除去でき、残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
本実施形態では、クリーニングシートPとして、平滑な普通紙を用いたが、定着ローラ表面に付着させたオフセットトナーToとコンタミトナーを、シートP表面に定着させて、すべて回収することができた。
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本実施形態のクリーニング用画像には、シートの先端側にホットオフセットを発生させる画像を形成し、定着ローラ上のトナーが転移するシート部分であるシートの後端側にはオフセットトナーToを回収する画像を形成する。
図16に、クリーニング用画像パターンの一例の模式図を示す。シート先端側には、定着ニップ部N1から排出ローラ111の距離以上のトナーを載せない余白部を作る。そしてフィルム16の外周長以上の長さで、印字率50%〜300%、好ましくは、印字率70%〜200%のベタ画像を形成し、オフセット発生用の画像とする。シート後端側には、フィルム16の外周長以上の長さで、印字率50%以上、好ましくは、印字率100%以上のベタ画像を形成し、オフセットトナーTo回収用画像とする。
本実施形態では、シートPが定着装置を通過する途中で、目標温調やプロセススピードを切り替えるものである。具体的には、シートP上のオフセットトナーTo発生用の画像が、定着ニップ部N1通っている間は、ホットオフセットが発生する熱量Qhを与える。そして、シートP上のオフセット発生用の画像が定着ニップ部N1を通過した後は、ホットオフセットが発生しない定着モードと同様の熱量Qnを与える。
シートP上のオフセットトナーTo回収用のトナー画像が定着ニップ部N1を通っている間は、ホットオフセットが発生しない定着モードと同様の熱量Qnが与えられている。オフセットトナーTo回収用画像は、シートP上に定着させられると同時に、画像のトナーの粘着力によって、定着ローラ30に付着したオフセットトナーToやコンタミトナーTcを剥ぎ取り、クリーニングシートPに回収しやすくする。回収用画像の印字率は高いほど、トナーの粘着性が増し、クリーニングシートPへの回収が容易になる。
ここで、本実施形態におけるクリーニングモードを、図17のフローチャートと、図18のタイムチャートを用いて説明する。なお、図17は、本実施形態の画像形成装置の動作を示したフローチャートである。図18は、シートP、定着ローラ30、フィルム16上のトナーの動きと、定着ローラ30温度の変化を模式的に示したタイムチャートである。
クリーニングモード開始し(ステップ1−a)、目標温度、プロセススピード設定する。この温度、スピードは、シートP上のトナーに、ホットオフセットを発生させる熱量Qhを与える温度と、プロセススピードとする(ステップ1−b)。
各部材の駆動とヒータ通電を開始する。定着ローラ温度は所定の温度へ立ち上がり(ステップ1−c)、シートPを給送して(ステップ1−d)、このシートP上にクリーニング用のオフセットトナーTo発生用と回収用の未定着画像を形成する(ステップ1−e)。
シートPを定着装置へ搬送し、シートP上の未定着画像が定着ニップ部N1へ到達すると(ステップ1−f)、オフセットトナーToとなり、定着ローラ30上へ転移する(ステップ1−g)。
シートP上のオフセット発生用の画像が定着ニップ部N1を通過した後、ヒータ15の目標温度を変更し、定着ローラ30の温度も変更される。シートPに、定着モードと同等の熱量Qnを与える温度とする(ステップ1−h)。
次に、定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーToは加熱部材当接部N2に到達し、フィルム16と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−a)。
定着ローラの回転に伴い、コンタミトナーTcとオフセットトナーToは定着ニップ部N1に到達し、シートP上に定着される(ステップ3−a)。そして、シートP上の回収用画像が定着ニップ部N1へ到達し、コンタミトナーTcとオフセットトナーToはシートP上に回収用画像とともに定着され(ステップ3−b)、シートPは排出される(ステップ3−c)。さらに、ヒータ通電OFF、画像形成装置停止。クリーニングモード終了(ステップ3−d)。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した。実験に用いた画像形成装置および定着装置は、第1実施形態と同様である。第1実施形態と同様にフィルム16に付着したコンタミトナーのクリーニング性能をテストした。
クリーニングモードが開始されると、プロセススピードを、定着モードの半分である45mm/sとして、画像形成装置の画像形成動作を開始し、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、目標温度200〜220℃で制御される。
本実験では、北京造紙一廠製LBP印刷シート、三一牌、坪量80g/m2、A4サイズ紙をクリーニングシートとして使用した。今回のクリーニングシートは、カラープリント専用でもない、普通LBP印刷シートで、特別な平滑性は有していないが、シート後端に回収用画像があるために、良好にクリーニングを行うことができる。
シートPを給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、ヒータ15の通電開始から20秒後には、定着装置の定着ニップ部N1へシートPを搬入する。
このときフィルム16の温度は190〜210℃、定着ローラの温度は180〜200℃、加圧ローラの温度は100〜120℃に立ち上がる。
クリーニングモード用の画像は、紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから140mmまで、ブラックトナー単色の印字率100%のベタ画像を幅200mmで形成した。また、紙先端140mmから210mmまでは印字しないベタ白部とし、紙先端210mmから紙後端まで、シアントナーとマゼンダトナー二次色の印字率200%ベタ画像を幅210mmで形成した。
紙先端から、紙先端より70mmまでは、オフセットトナーTo発生用画像であり、紙先端より140mmから210mmまでは、オフセットトナーTo回収用画像である。
紙先端より70mmから140mmまでは、定着装置の温度が切り替わる期間を見込んで、ベタ白部としている。この領域でも定着ローラ30に付着したオフセットトナーToも回収される。
本実施形態では、紙先端から140mmの位置までが定着ニップ部N1を通過すると、プロセススピードは45mm/sのまま、セラミックヒータ15の目標温度を160〜180℃に変更する。これは、プロセススピード45mm/sにおいて、紙上のトナーに適切な熱量を与え、定着不足も、ホットオフセットが発生しない温度である。
定着モード時と同様に、定着ローラ30や、加圧ローラ17が冷えた状態ではセラミックヒータ15の目標温度を高く、暖まっている状態ではセラミックヒータ15の目標温度を低く設定する。セラミックヒータ15の温度、および定着ローラ30の温度は、紙先端より210mm位置が、定着ニップ部N1到達するまでに切り替わり、オフセットトナー回収用画像をホットオフセットさせることなく定着させる。
このときフィルム16の温度は150〜170℃、定着ローラの温度は140〜160℃、加圧ローラの温度は70〜90℃となる。
このクリーニングモードの結果、
フィルム16に付着していたコンタミトナーなどの付着物のうち、固着していないものは除去でき、残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
本実施形態では、クリーニングシートPとして、特に平滑ではない普通紙を用いたが、定着ローラ表面に付着させたオフセットトナーToとコンタミトナーを、シートP表面に定着させて、すべて回収することができた。
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態に係る装置について説明する。本実施形態の装置の基本構成も前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本実施形態では、オフセット発生用のシートP1と、オフセットトナーTo回収用のシートP2を用いて、クリーニングを行う。
1枚目のオフセットトナーTo発生用のシートP1に、オフセットトナーTo発生用の画像を形成し、定着ニップ部N1に搬送し、ホットオフセットが発生する熱量Qhを与え、定着ローラ30上にトナーを付着させた後、目標温度やプロセススピードを切り替える。
オフセット回収用の画像を形成したオフセットトナーTo回収用シートP2を定着ニップ部N1に搬送する。そして、定着不足もホットオフセットも発生しない定着モードと同様の熱量QnをシートP2上のトナーに与え、定着ローラに付着させたオフセットトナーToやコンタミトナーTcを回収する。
シートP1が定着ニップ部N2を抜けてから、シートP2が定着ニップ部N2に導入されるまでに、定着ローラ30および、フィルム16、加圧ローラ17が複数回回転するのが望ましい。
本実施形態における、バックアップ部材である加圧ローラ17の離型層のトナーに対する離型性は、定着ローラ30の離型層30Cよりも良いことが望ましい。
離型性の試験方法は、第1実施形態と同様である。本実施形態のクリーニングモードは、定着装置が十分に熱くなり、定着ローラ30と、加圧ローラ17の温度差が比較的小さくなるように、セラミックヒータ15に通電を開始してから、シートP1を通紙するまでの期間を長くとることが望ましい。
シートP1が定着ニップ部N1をぬけてからP2が通紙されるまでの期間で、定着ローラ30上のトナーが加圧ローラ17へ移動するのを防ぐためである。
本実施形態におけるクリーニングモード用の画像について図19(a)、図19(b)を用いて説明する。
オフセット発生用のシートP1には、シートP1先端に、定着ニップ部N1から排出ローラ111の距離以上のトナーを載せない余白部を作る。さらに、余白部に続いてフィルム16の外周長以上の長さで、印字率50%〜300%、好ましくは、印字率70%〜200%のベタ画像を、シートP最後端まで形成し、オフセット発生用の画像とする。
シートP最後端でオフセットしたトナーは、次のシートP2が定着ニップ部N1に導入されるまで、定着ローラ30上でクリーニングを行う。
オフセット回収用シートP2には、シート先端に、定着ニップ部N1から排出ローラ111の距離以上のトナーを載せない余白部を作る。次に、フィルム16の外周長以上の長さで、印字率50%以上、好ましくは、印字率100%以上のベタ画像を形成し、オフセットトナーTo回収用画像とする。
本実施形態のクリーニングモードでは、定着ローラ30上のオフセットトナーToを、加熱部材当接部N2を複数回通過させることができ、フィルム16のクリーニング効果を高めることができる。また、定着ローラ30上のオフセットトナーを、定着ニップ部N1において、加圧ローラ17に接触させ、加圧ローラ17に付着したコンタミトナーも回収することができる。
本実施形態におけるクリーニングモードを、図20のフローチャートと、図21、図22のタイムチャートを用いて説明する。なお、図20は、本実施形態の画像形成装置の動作を示したフローチャートである。図21、図22は、シートP1、シートP2、定着ローラ30、フィルム16、加圧ローラ17上のトナーの動きと、定着ローラ30温度の変化を模式的に示したタイムチャートである。図21にはシートP1が定着装置に通紙されて排出され、シートP2が通紙されるまでの期間を示し、図22には、シートP2が定着装置に通紙され、排出されるまでの期間を示している。
クリーニングモード開始し(ステップ1−a)、目標温度、プロセススピード設定する(ステップ1−b)。前記温度、スピードは、シートP1上のトナーに、ホットオフセットを発生させる熱量Qhを与える温度と、プロセススピードとする。
各部材の駆動とヒータ通電を開始し(ステップ1−c)、定着ローラ温度が所定の温度へ立ち上がると、シートP1を給送し(ステップ1−d)、シートP1上にクリーニング用の未定着画像を形成する(ステップ1−e)。
画像が転写されたシートP1を定着装置へ搬送する(ステップ1−f)。シートP1上のオフセット発生用の未定着画像は、定着ニップ部N1へ到達し、オフセットトナーToとなり、定着ローラ30上へ転移する(ステップ1−g)。
次に、定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーToは加熱部材当接部N2に到達し、フィルム16と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−a)。
定着ローラの回転に伴い、コンタミトナーTcとオフセットトナーToは再び、定着ニップ部N1に到達する。
コンタミトナーTcとオフセットトナーToの一部は、シートP1上に定着され、残りは、シートP上のオフセット発生用の未定着画像から新たに発生したオフセットトナーToと共に、定着ローラ30上に留まる。シートP1が定着ニップ部N1を通過した後には、少なくとも、シートP1の最後端に形成された未定着画像からオフセットしたオフセットトナーToが、定着ローラ30上に付着している。
シートP1が定着ニップ部N1を通過すると(ステップ2−b)、ヒータ15の目標温度を変更する(ステップ2−c)。これにより、定着ローラ30の温度も変更される。なお、前記温度はシートP2に、定着モードと同等の熱量Qnを与える温度とする。
定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーToは定着ニップ部N1に到達し、加圧ローラ17と接触し、加圧ローラ17に付着していたコンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−d)。
シートP2が定着装置へ搬送されるまで、定着ローラ30上のオフセットトナーToは、定着ローラ30表面とともに回転し、加熱部N1と定着ニップ部N2に繰り返し接触して、それぞれのクリーニングを行う。フィルム16と加圧ローラ17の離型層は、定着ローラ30の離型層よりも離型性を高くしているため、オフセットトナーToは、定着ローラ30表面に留まりながらクリーニングを行う。
加圧ローラ17の温度を十分に高くできなかった場合など、定着ローラ30上のオフセットトナーToなどの一部が、加圧ローラ17へ移ってしまう場合もあるが、ステップ3-a以降の工程で、加圧ローラ17側からシートP2の裏へ定着させて排出できる。
シートP1が排出されてから、シートP2が定着装置へ搬送されるまでの期間で、フィルム16をクリーニングする効果は薄れるが、シートP1通紙中にフィルム16からクリーニングしたコンタミトナーTcは排出できる。
加圧ローラ17へ付着したオフセットトナーToの粘着力で、加圧ローラ17へ付着していたコンタミトナーTcも、ステップ3-a以降の工程によって、シートP2の裏へ定着させて、排出することができる。
次にシートP2を給送する(ステップ3−a)。シートP2上に回収用の未定着画像形成が形成される(ステップ3−b)。このシートP2を定着装置に搬送する(ステップ3−c)。
定着ローラ上のコンタミトナーTcとオフセットトナーToは定着ニップ部N1にて、シートP2上に定着される(ステップ3−d)。
(ステップ3−e)シートP2上の回収用画像が定着ニップ部N1へ到達し、コンタミトナーTcとオフセットトナーToはシートP2上に回収用画像とともに定着される。
このシートP2を排出し(ステップ3−f)、ヒータ通電OFF、画像形成装置停止。クリーニングモード終了する(ステップ3−g)。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した。実験に用いた画像形成装置および定着装置は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態と同様にフィルム16に付着したコンタミトナーのクリーニング性能と、加圧ローラ17に付着したコンタミトナーのクリーニング性能をテストした。
クリーニングモードが開始されると、プロセススピードを、定着モードの半分である45mm/sとして、画像形成装置の画像形成動作を開始し、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、目標温度200〜220℃で制御される。
セラミックヒータ15に通電を開始してから、シートP1の給送を行うまで所定時間待機し、ヒータ15の通電開始から10秒〜5分後に、定着装置の定着ニップ部N1へシートPを搬入する。
定着装置が冷えた状態からクリーニングモードを始めた場合は長くし、熱い状態から始めた場合は短くする。このときフィルム16の温度は190〜210℃、定着ローラの温度は180〜200℃、加圧ローラの温度は140〜150℃に立ち上がる。
オフセットトナーTo発生用のクリーニングシートP1として、北京造紙一廠製LBP印刷シート、三一牌、坪量80g/m2、A4サイズ紙を給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。クリーニングモード用の画像は、紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから紙後端まで、ブラックトナー単色の印字率100%のベタ画像を幅200mmで形成したものである。定着ニップ部N1で、シートP1上のトナーは、ホットオフセットを起こし、オフセットトナーToが定着ローラ30に転移する。
シートP1が定着ニップ部N1を通過すると、
プロセススピードは90mm/sに変更し、セラミックヒータ15の目標温度を180〜200℃に変更する。これは、プロセススピード90mm/sにおいて、紙上のトナーに適切な熱量を与え、定着不足も、ホットオフセットが発生しない温度である。定着モード時と同様に、定着ローラ30や、加圧ローラ17が冷えた状態ではセラミックヒータ15の目標温度を高く、暖まっている状態ではセラミックヒータ15の目標温度を低く設定する。
このときフィルム16の温度は170〜190℃、定着ローラの温度は160〜180℃、加圧ローラの温度は90〜110℃となる。
フィルム16にコンタミトナーが溜まると、フィルム16から剥がれたコンタミトナーが、定着ローラ30に付着し、さらに転移して加圧ローラ17に付着することがある。また、加圧ローラ17自体にコンタミトナーが蓄積することがある。
クリーニングシートP1が定着ニップ部N1を通過してから、クリーニングシートP2が定着ニップ部N2に導入されるまでには、定着ローラ30、加圧ローラ17、フィルム16を5回転させる。この期間に、フィルム16および加圧ローラ17に付着したコンタミトナーを、定着ローラ30へ転移させることができる。
次に、オフセットトナー回収用クリーニングシートP2として、北京造紙一廠製LBP印刷シート、三一牌、坪量80g/m2、A4サイズ紙を給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。クリーニングモード用の画像は、紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから紙後端まで、シアントナーとマゼンダトナー二次色の印字率200%ベタ画像を幅200mmで形成したものである。
定着ニップ部N1において、シートP2上のオフセットトナーTo回収用画像を、ホットオフセットさせることなく定着させつつ、定着ローラ上のオフセットトナーToとコンタミトナーをシートP2に回収する。
このクリーニングモードの結果、フィルム16に付着していたコンタミトナーなどの付着物のうち、固着していないものは除去できた。残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。また、加圧ローラ17に付着していたコンタミトナーのうち、固着していないものは除去することができた。
〔第5実施形態〕
次に第5実施形態に係る装置について説明する。本実施形態の装置の基本構成も前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
前述した第4実施形態では、シートの両面に画像形成可能な画像形成装置においてオフセット発生用のシートP1と、オフセットトナーTo回収用のシートP2を用いて、クリーニングを行った。本実施形態では、オフセット発生用のシートPの1面目に、定着ローラ30にオフセットトナーToを付着させる。そして、排出されたシートPを反転させ、2面目にオフセットトナーTo回収用の画像を形成する。すなわち、同じシートPで、定着ローラ30上のオフセットトナーとコンタミトナーを回収するものである。
シートPに、画像形成部にてオフセットトナーTo発生用の画像を形成し、定着ニップ部N1に搬送し、ホットオフセットが発生する熱量Qhを与え、定着ローラ30上にトナーを付着させた後、目標温度やプロセススピードを切り替える。このとき、オフセット発生用の未定着トナーは、一部はオフセットし、残りのトナーは「残りのトナー画像」として、シートP上に定着される。シートPはオフセットトナーToを定着ローラ30に付着させた後、定着装置から排出されるが、画像形成装置が備えた自動両面機構によって、または、ユーザが手動で反転させ、「残りのトナー画像」面を裏にして、シートPを再び画像形成部に搬送する。
画像形成部にて、シートPの2面目にオフセット回収用の画像を形成する。このシートを定着ニップ部N1に搬送し、定着不足もホットオフセットも発生しない定着モードと同様の熱量QnをシートP上のトナーに与え、オフセット回収用の画像を定着させながら、定着ローラに付着させたオフセットトナーToやコンタミトナーを回収する。このときシートPの1面目に定着されていた「残りのトナー画像」は、加圧ローラ17側へ接触し、定着ニップ部N1において溶けて、粘着し、加圧ローラ17のコンタミトナーをクリーニングする。
第4実施形態と同様に、シートP1が定着ニップ部N2を抜けてから、シートP2が定着ニップ部N2に導入されるまでに、定着ローラ30および、フィルム16、加圧ローラ17が複数回回転するのが望ましい。
本実施形態では、効果の高いクリーニングを1枚のシートで完結させることができ、また、加圧ローラ17も、より効果的にクリーニングできる。
本実施形態におけるクリーニングモードを、図23のフローチャートと、図24、図25のタイムチャートを用いて説明する。図23は、本実施形態の画像形成装置の動作を示したフローチャートである。図24、図25は、シートP、定着ローラ30、フィルム16、加圧ローラ17上のトナーの動きと、定着ローラ30温度の変化を模式的に示したタイムチャートである。
図24にはシートPの1面目が定着装置に通紙されて排出され、シートPの2面目が通紙されるまでの期間を示し、図25には、シートPの2面目が定着装置に通紙され、排出されるまでの期間を示している。
クリーニングモード開始し(ステップ1−a)、目標温度、プロセススピード設定する(ステップ1−b)。前記温度、スピードはシートP上のトナーに、ホットオフセットを発生させる熱量Qhを与える温度と、プロセススピードとする。
各部材の駆動とヒータ通電を開始する。定着ローラ温度は所定の温度へ立ち上がると(ステップ1−c)、シートPを給送し(ステップ1−d)、シートP上にクリーニング用の未定着画像を形成する(ステップ1−e)。
このシートPを定着装置へ搬送する(ステップ1−f)。シートP上のオフセット発生用の未定着画像は、定着ニップ部N1へ到達し、オフセットトナーToとなり、定着ローラ30上へ転移する。オフセットしなかったトナーはシートPに定着される(ステップ1−g)。以後、これを、残り画像と呼ぶ。
次に、定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーToは加熱部材当接部N2に到達し、フィルム16と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−a)。
定着ローラの回転に伴い、コンタミトナーTcとオフセットトナーToは再び、定着ニップ部N1に到達する。
コンタミトナーTcとオフセットトナーToの一部は、シートP上に定着され、残りは、シートP上のオフセット発生用の未定着画像から新たに発生したオフセットトナーToと共に、定着ローラ30上に留まる。シートPが定着ニップ部N1を通過した後には、少なくとも、シートPの最後端に形成された未定着画像からオフセットしたオフセットトナーToが、定着ローラ30上に付着している。
シートPには、前述した残り画像と、オフセットトナーTo、コンタミトナーTcなどが付着している。
シートPが定着ニップ部N1を通過すると(ステップ2−b)、ヒータ15の目標温度を変更し、定着ローラ30の温度も変更される(ステップ2−c)。このときの温度はシートPに、定着モードと同等の熱量Qnを与える温度とする。
定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーToは定着ニップ部N1に到達し、加圧ローラ17と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−d)。
シートP2が定着装置へ搬送されるまで、定着ローラ30上のオフセットトナーToは、定着ローラ30表面とともに回転し、加熱部N1と定着ニップ部N2に繰り返し接触して、それぞれのクリーニングを行う。フィルム16と加圧ローラ17の離型層は、定着ローラ30の離型層よりも離型性を高くしているため、オフセットトナーToは、定着ローラ30表面に留まりながらクリーニングを行う。
第4実施形態と同様に、仮に、定着ローラ30に付着したオフセットトナーToが、加圧ローラ17へ移ってしまっても、加圧ローラ17側から排出できる。
上記シートPを、自動両面機構により反転し、再給送する(ステップ3−a)。そして、シートPの2面目に回収用の未定着画像を形成し(ステップ3−b)、このシートPを定着装置に搬送する(ステップ3−c)。
定着ローラ上のコンタミトナーTcとオフセットトナーToは定着ニップ部N1にて、シートPの2面目上に定着される(ステップ3−d)。シートP上の回収用画像が定着ニップ部N1へ到達し、コンタミトナーTcとオフセットトナーToはシートPの2面目上に回収用画像とともに定着される(ステップ3−e)。
シートPの1面目に定着されていた残り画像などが定着ニップ部N1へ到達し、加圧ローラ17と接触し、加圧ローラ17上のコンタミトナーTcをクリーニングする(ステップ3−f)。
上記シートPを排出し(ステップ3−g)、ヒータ通電OFF、画像形成装置停止。クリーニングモード終了する(ステップ3−h)。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した。実験に用いた画像形成装置および定着装置は、第1実施形態と同様であるが、自動両面機構を備え、シートの1面目を定着した後、自動的に反転させ、再び画像形成部へ導入し、2面目に印字することができる。
第1実施形態と同様にフィルム16に付着したコンタミトナーのクリーニング性能と、加圧ローラ17に付着したコンタミトナーのクリーニング性能をテストした。
クリーニングモードが開始されると、プロセススピードを、定着モードの半分である45mm/sとして、画像形成装置の画像形成動作を開始し、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、目標温度200〜220℃で制御される。
セラミックヒータ15に通電を開始してから、シートP1の給送を行うまで所定時間待機し、ヒータ15の通電開始から10秒〜5分後に、定着装置の定着ニップ部N1へシートPを搬入する。
定着装置が冷えた状態からクリーニングモードを始めた場合は長くし、熱い状態から始めた場合は短くする。このときフィルム16の温度は190〜210℃、定着ローラの温度は180〜200℃、加圧ローラの温度は140〜150℃に立ち上がる。
オフセットトナーTo発生用のクリーニングシートP1として、北京造紙一廠製LBP印刷シート、三一牌、坪量80g/m2、A4サイズ紙を給送し、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。クリーニングモード用の画像は、紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから紙後端まで、ブラックトナー単色の印字率100%のベタ画像を幅200mmで形成したものである。定着ニップ部N1で、シートP1上のトナーは、ホットオフセットを起こし、オフセットトナーToが定着ローラ30に転移する。
シートP1が定着ニップ部N1を通過すると、
プロセススピードは90mm/sに変更し、セラミックヒータ15の目標温度を180〜200℃に変更する。これは、プロセススピード90mm/sにおいて、紙上のトナーに適切な熱量を与え、定着不足も、ホットオフセットが発生しない温度である。定着モード時と同様に、定着ローラ30や、加圧ローラ17が冷えた状態ではセラミックヒータ15の目標温度を高く、暖まっている状態ではセラミックヒータ15の目標温度を低く設定する。このときフィルム16の温度は170〜190℃、定着ローラの温度は160〜180℃、加圧ローラの温度は90〜110℃となる。
画像形成装置から排出されたシートP1は、自動両面機構により反転され、再び画像形成部へ送られる。
画像形成部では回収用の未定着トナー画像を形成し、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。クリーニングモード用の画像は、紙先端から70mmまでは余白部として印字せず、紙先端70mmから紙後端まで、シアントナーとマゼンダトナー二次色の印字率200%ベタ画像を幅200mmで形成したものである。
このクリーニングモードの結果、フィルム16に付着していたコンタミトナーなどの付着物のうち、固着していないものは除去でき、残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。
また、加圧ローラ17に付着していたコンタミトナーも除去することができた。
〔第6実施形態〕
次に第6実施形態に係る装置について説明する。本実施形態の装置の基本構成も前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本実施形態では定着装置において、クリーニングシートPをステップ送りしながら、クリーニングを行うものである。
これを具体的に説明すると、クリーニングモードが開始されると、定着装置109におけるセラミックヒータ15の目標温度が、クリーニングモード用の目標温度に設定される。所定のプロセススピードと、目標温度で、定着ローラ30の駆動が開始され、セラミックヒータ15に通電される。
画像形成装置は、画像形成動作を開始し、給送カセット102から給送ローラ105によって給送されたシートPには、画像形成部108によって、クリーニングモード用の画像を形成される。クリーニングモード用の画像は、第1実施形態と同様である。
シートPの未定着画像が、所定量、定着ニップ部N1に侵入すると、定着ローラは回転を停止し、所定の期間停止した後、定着ニップ部N1の幅分回転してシートPを搬送し、再び停止する。回転と停止を繰り返しながら、シートPをステップ送りし、シートP後端が定着ニップ部N1に近づいたら、定着ローラ30を回転させて、シートPを排出する。
定着ローラ30は、停止中に、シートP上のトナーにホットオフセットが発生する熱量を与え、シートP上の未定着トナーを定着ローラへホットオフセットさせ、転移させる。
定着ローラ30上のオフセットトナーToは、停止、回転を繰り返しながら、加熱部材当接部N2を通り、フィルム16のコンタミトナーを定着ローラ30へ転移させる。さらに、回転、停止を繰り返しながら、定着ローラ上のオフセットトナーToとコンタミトナーは、定着ニップ部N1に到達し、シートP上に定着されて回収される。
本実施形態では、ステップ送りをすることにより、定着ニップ部N1における定着ローラ30とシートPの接触時間および、加熱部材当接部N2における定着ローラ30とフィルム16の接触時間、が長く取れる。
フィルム16から定着ローラ30へのコンタミトナーの転移、定着ローラ30に付着したオフセットトナーとコンタミトナーのシートPへの回収がしやすくなり、よりクリーニング効果が高まる。
また、加圧ローラ17にコンタミトナーが付着していた場合には、加圧ローラ17上のコンタミトナーを、長い時間をかけて溶融させ、シートPの裏面に融着させてクリーニングすることができる。
本実験におけるクリーニングモードを、図26のフローチャートを用いて説明する。
クリーニングモード開始し(ステップ1−a)、目標温度、プロセススピード設定する(ステップ1−b)。また、各部材の駆動とヒータ通電を開始することで定着ローラ温度は所定の温度へ立ち上がる(ステップ1−c)。
次に、シートPを給送し(ステップ1−d)、シートP上にクリーニング用の未定着画像を形成する(ステップ1−e)。このシートPを定着装置へ搬送する(ステップ1−f)。
シートP上の未定着画像が定着ニップ部N1を通過するときに(ステップ1−g)、ステップ送り開始する(ステップ1−h)。すなわち、定着ローラ30は回転を停止し、所定の期間Ts停止した後、定着ニップ部N1の幅分にあたる時間Td回転してシートPを搬送し、再び停止する。回転と停止を繰り返しながら、シートPをステップ送りする。
シートP上の未定着画像が定着ニップ部N1において、オフセットトナーToとなり、定着ローラ30上へ転移する(ステップ1−i)。そして、定着ローラの回転に伴い、オフセットトナーは加熱部材当接部N2に到達し、フィルム16と接触し、コンタミトナーTcを定着ローラ上へ転移させる(ステップ2−a)。
定着ローラの回転に伴い、コンタミトナーTcとオフセットトナーToは定着ニップ部N1に到達し、シートP上に定着される(ステップ3−a)。
次にシートP後端が定着ニップ部N1に近づき、シートPの所定の位置が定着ニップ部N1を通過したら、シートPが排出されるまで定着ローラ30を回転させ(ステップ3−b)、シートPを排出する(ステップ3−c)。そして、ヒータ通電OFF、画像形成装置停止し(ステップ3−d)、クリーニングモードを終了する。
(実験結果)
本実施形態における定着装置の効果を実験により確認した。実験に用いた画像形成装置および定着装置は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態と同様にフィルム16に付着したコンタミトナーのクリーニング性能をテストした。
クリーニングモードが開始されると、画像形成装置の画像形成動作を開始し、定着装置の定着ローラ30の駆動も開始され、セラミックヒータ15は、目標温度200℃で制御される。本実施形態のクリーニングシートPとしては、北京造紙一廠製LBP印刷シート、三一牌、坪量80g/m2、A4サイズ紙を使用した。シートPに、画像形成部ではクリーニングモード用の未定着トナー画像を形成し、定着装置の定着ニップ部N1へ搬入する。クリーニングモード用の画像は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、紙先端から76mmの位置、すなわちホットオフセット発生用の画像が、定着ニップ部N1に入ったタイミングで、定着ローラ30の回転を停止する。3秒間停止した後に、定着ニップ部N1の幅6mm分回転してシートPを送り、再び停止する。これを24回繰り返して、シートP先端から220mmの位置までシートPを送った後、定着ローラを回転させ、シートPを排出する。
このクリーニングモードの結果、フィルム16に付着していたコンタミトナーなどの付着物のうち、固着していないものは除去でき、残りの付着物も、定着モードにおける通常プリント時には、紙上に剥がれて出てこないといった優れたクリーニング効果が得られた。また、加圧ローラ17に付着していたコンタミトナーも除去することができた。