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JP2010240868A - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 Download PDF

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JP2010240868A
JP2010240868A JP2009088964A JP2009088964A JP2010240868A JP 2010240868 A JP2010240868 A JP 2010240868A JP 2009088964 A JP2009088964 A JP 2009088964A JP 2009088964 A JP2009088964 A JP 2009088964A JP 2010240868 A JP2010240868 A JP 2010240868A
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Masumi Ikeda
真澄 池田
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】インク流路と吐出口のアライメント精度を良くする目的で感光波長領域の同じ2種類の材料を用い1種類の露光波長のステッパーを用いて露光を行う場合にもパターン崩れを生じず、かつインク流路パターンの耐溶剤性を向上可能なインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】
下記(a)から(f)の工程を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(a)基板上にi線感光性樹脂を含むインク流路パターン層を形成する工程
(b)前記インク流路パターン層へのi線を含む活性エネルギー線の照射、現像によりインク流路パターンを形成する工程
(c)前記インク流路パターンの表面をi線吸収剤により着色する工程
(d)i線照射で硬化するインク流路形成材料を含むインク流路形成層を形成する工程
(e)前記インク流路形成層へのi線を含む活性エネルギー線の照射、現像により吐出口を形成する工程
(f)前記インク流路パターンを除去する工程。
【選択図】図3

Description

本発明はインクジェット記録方式に用いる記録液小滴を吐出するためのインクジェット記録ヘッド及びその製造方法に関するものである。
近年のプリンタに求められる高画質化、高精細化に伴い、インク液滴の微小化、吐出口寸法の微細化が必要となり、ノズル形状など微細構造を高精度に作製、制御することが非常に重要となってきている。
従来、このようなインクジェット記録ヘッドを作製する方法としては、例えば特許文献1の方法が開示されている。まず、エネルギー発生素子が形成された基板上に溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する。このインク流路パターン上に、インク流路壁となるエポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含むインク流路形成材料の層を形成する。その後、フォトリソグラフィーによりエネルギー発生素子上に吐出口を形成する。次いで前記溶解可能な樹脂を溶出して、インク流路壁となるインク流路形成材料を硬化する。しかし、ノズル形状の更なる高密度化の要求により、インク流路と吐出口とのアライメント精度の更なる向上が求められている。
従来法では、インク流路パターンを形成する溶解可能な樹脂とインク流路壁となるインク流路形成材料の露光波長領域を分離している。つまり、感光波長領域の異なる材料を使用している。この利点としては、インク流路形成材料を露光する際にインク流路パターンに影響を与えないということが挙げられる。しかし代わりに、各材料をアライメント精度良く露光するためには、2種類の露光波長の異なるステッパーが必要になり、大きな投資が必要になる。一方、感光波長領域の同じ2種類の材料を用い、1種類の露光波長のステッパーで2種類の材料の露光を行い、アライメント精度を向上させようとすると、上層(インク流路形成材料)の露光時に下層(溶解可能な樹脂)も感光してしまうことがある。この場合、感光により樹脂の溶解性が変化し、その後の工程のプロセス耐性が低下する場合がある。また、露光により感光した部分から発生したガスにより溶解可能な樹脂とインク流路形成材料との間に空隙が生じる場合がある。このため、感光波長領域の同じ2種類の材料を用いる場合には、上層の露光時に下層の材料が感光しないようにする必要がある。
特許文献2には、前記下層に紫外線吸収剤を添加して、上層の露光時に上層と下層の間の反射光や回折光を防ぐ方法が記載されている。この構成であれば、上層の露光時に下層の露光を防ぐことも可能である。しかし、下層を露光する際に、紫外線吸収剤の影響により必要露光量が増加したり、パターニング精度が低下する場合がある。
また、前記課題とは別に、前記インク流路パターンを形成する溶解可能な樹脂には一般的にポジ型感光性樹脂が用いられる。しかし、ポジ型感光性樹脂として一般的に使用されるアルカリ可溶性樹脂はOH基を多く有し、耐溶剤性が低い。このため、従来法のようにインク流路パターン上にインク流路形成材料の層を形成する際、インク流路パターンが崩れる場合があり、インク流路パターンの耐溶剤性の向上が望まれる。
特開平06−286149号公報 特開2005−125577号公報
本発明は、大きな投資を行わずに、インク流路と吐出口のアライメント精度を向上できるインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。具体的には、感光波長領域の同じ2種類の材料を用い、1種類の露光波長のステッパーを用いて露光を行い、インク流路パターン及び吐出口を形成する場合にも、パターン崩れを生じず、かつ、インク流路パターンの耐溶剤性を向上可能なインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法は、
複数のエネルギー発生素子を有する基板と、
前記エネルギー発生素子上にインクを保持するためのインク流路と、
前記インク流路と連通し、インクを吐出するための吐出口と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
下記(a)から(f)の工程を含むことを特徴とする。
(a)エネルギー発生素子を有する基板上に、i線の照射により感光する感光性樹脂を含むインク流路パターン層を形成する工程、
(b)前記インク流路パターン層にi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、インク流路パターンを形成する工程、
(c)前記インク流路パターンの表面をi線吸収剤により着色する工程、
(d)前記インク流路パターン及び基板上に、i線の照射により硬化するインク流路形成材料を含むインク流路形成層を形成する工程、
(e)前記インク流路形成層にi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、吐出口を形成する工程、
(f)前記インク流路パターンを除去し、インク流路を形成する工程。
また、前記i線吸収剤が、前記インク流路パターンに耐溶剤性を付与するi線吸収剤であり、
前記工程(c)が、前記インク流路パターンの表面を該i線吸収剤で処理する工程であることを特徴とする。
また、前記工程(b)の後、工程(c)の前に、
前記感光性樹脂の感光波長を含む活性エネルギー線によって、前記インク流路パターンを全面露光する工程を包含することを特徴とする。
また、前記感光性樹脂が、i線ポジ型感光性樹脂であることを特徴とする。
また、前記感光性樹脂が、アルカリ溶液に可溶であることを特徴とする。
また、前記i線吸収剤が、下記式(1)又は(2)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物であることを特徴とする。
Figure 2010240868
(式(1)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。)
Figure 2010240868
また、前記化合物が、前記式(1)又は(2)の構造を2つ以上有することを特徴とする。
また、前記工程(c)において、前記インク流路パターンに含まれる感光性樹脂と、前記i線吸収剤とがエステル結合により結合することを特徴とする。
また、前記工程(f)において、前記インク流路パターンをアルカリ溶液により除去することを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録ヘッドは、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法により製造されたインクジェット記録ヘッドである。
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂の染色材料は、下記式(3)又は(4)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2010240868
(式(3)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。)
Figure 2010240868
本発明によれば、インクジェット記録ヘッドの製造方法において、大きな投資を行わずに、インク流路と吐出口のアライメント精度を向上できるインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することができる。具体的には、感光波長領域の同じ2種類の材料を用い、1種類の露光波長のステッパーを用いて露光を行い、インク流路パターン及び吐出口を形成する場合にも、パターン崩れを生じず、かつ、インク流路パターンの耐溶剤性を向上することができる。
本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法において用いる基板を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す説明図である。 アライメントずれのずれ量の測定方法を示す図である。 従来のインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す説明図である。
(インクジェット記録ヘッド)
本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法により製造されたインクジェット記録ヘッドの一例を図1に示す。図1に示すインクジェット記録ヘッドは、エネルギー発生素子2を複数有する基板1上に、インクを保持するインク流路6cと、インク流路6cと連通しインクを吐出するための吐出口9と、インク流路6c及び吐出口9を形成するインク流路形成層8と、を有する。また、基板1には、インクをインク流路6cに供給するインク供給口10が設けられている。以下、本発明の実施形態の一例を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(工程(a))
まず、エネルギー発生素子を有する基板上に、i線の照射により感光する感光性樹脂を含むインク流路パターン層を形成する。
図2に示すように、基板1上にエネルギー発生素子2が所定のピッチで複数個配置されている。図1及び図2のA−A’断面図が図3である。以下、図3を用いて各工程の説明を行う。基板1には、さらに、インク供給口形成用マスク3、保護層4、キャビテーション保護層5が形成されている。なお、エネルギー発生素子2には素子を動作させるための制御信号入力電極(図示せず)が接続されている。
基板1は、Si基板であることが好ましい。特に、シリコン単結晶体であることが好ましく、基板1の貫通孔の穿設を異方性エッチングにより行う場合は、結晶方位100のシリコン単結晶体であることが好ましい。基板1の貫通孔の穿設をドライエッチング、エキシマレーザーにより行う場合は、結晶方位110のシリコン単結晶体などであってもよい。
エネルギー発生素子2は、インク液小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインクに与えられ、インク液滴が吐出口から吐出可能なものであれば、特に限定はされない。例えば、エネルギー発生素子3として発熱抵抗素子が用いられる場合、該発熱抵抗素子が近傍のインクを加熱することにより、インクに状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。
エネルギー発生素子2上には、図3(a)に示すように電気的絶縁性を持たせるためのSiO2等からなる保護層4、インクによる腐食を抑制するTa等からなるキャビテーション保護層5が形成されている。また、後の工程において、インク供給口を基板1に形成する際に用いられるポリイミド等からなるインク供給口形成用マスク3が、基板1の裏面に形成されている。
前記基板1の保護層4及びキャビテーション保護層5上に、i線の照射により感光する感光性樹脂を含むインク流路パターン層6aを形成する(図3(b))。
インク流路パターン層6に含まれる感光性樹脂としては、様々なものが考えられる。しかし、本発明においては、アライメント精度の観点からステッパー(縮小投影露光装置)を用いてパターニングすることが好ましく、最も汎用的なi線(365nm)でパターニングできることが好ましいことから、i線に感光波長域を有することが好ましい。これらの要求を満足するレジストとしては、様々なものが使用できるが、特にアルカリ現像ができるノボラック樹脂やポリヒドロキシレン、およびその共重合体をベースにしたi線ポジ型感光性樹脂がより好ましい。前記i線ポジ型感光性樹脂の溶解性のコントロール機構としては、光照射によるナフトキノンジアジドの極性変化でも、光酸発生剤を用いたフェノールやポリヒドロキシスチレンのヒドロキシル基の保護/脱保護による極性変化でもよい。市販品では、例えば、「ip5700」(商品名、東京応化工業(株)製)、等が挙げられる。I線ポジ型感光性樹脂としては1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インク流路パターン層6aの形成方法としては、例えば、前記感光性樹脂を適宜溶媒に溶解し、スピンコート法等により前記基板1の保護層4及びキャビテーション保護層5上に塗布する。その後、加熱することでインク流路パターン層6aを形成することができる。インク流路パターン層6aの厚さとしては、所望のインク流路の高さであり、特に限定されるものではないが、例えば、2〜50μmであることが好ましい。
(工程(b))
次に、前記インク流路パターン層6aにi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、インク流路パターン6bを形成する(図3(c))。
前記インク流路パターン層6aに照射するi線を含む活性エネルギー線は、i線を少なくとも含む活性エネルギー線であればよい。しかし、アライメント精度の観点からステッパー(縮小投影露光装置)を用いてパターニングすることが好ましく、最も汎用的なi線(365nm)でパターニングできることが好ましい。前記i線を含む活性エネルギー線を前記インク流路パターン層6aに照射した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液、等により現像を行う。さらに、純水等によりリンス処理を行うことで、インク流路パターン6bを形成する。
また、本発明では前記感光性樹脂によりインク流路パターン6bを形成後に、該感光性樹脂の感光波長を含む活性エネルギー線によって、該インク流路パターン6bを全面露光する工程を包含することが好ましい。
前記活性エネルギー線により、インク流路パターン6bを全面露光することにより、インク流路パターン6b中の感光性基を予め反応させる。これにより、後述するインク流路形成層の露光時にi線吸収剤が吸収しきれなかった活性エネルギー線により、インク流路パターン6bが感光されることを低減することができる。特に、前記感光性樹脂に、化学増幅型のi線ポジ型感光性樹脂を用いた場合には、全面露光することで光酸発生剤から発生した酸によりi線吸収剤と反応するOH基が増加する。さらに、発生した酸による酸性条件下、OH基とi線吸収剤との反応が進みやすくなる。この他にも、後述するインク流路パターン6bの除去が容易になる利点がある。なお、用いる活性エネルギー線は、前記i線を少なくとも含む活性エネルギー線であってもよい。
(工程(c))
次に、前記インク流路パターン6bの表面をi線吸収剤により着色する(図3(d))。
本発明では、後に説明する工程(e)におけるインク流路形成層に対するi線を含む活性エネルギー線の照射の際、インク流路パターン6bが感光されないように、i線吸収剤によりインク流路パターン6bの表面を着色する。
i線吸収剤としては、i線に吸収を有する色素、顔料など種々の化合物を用いることができるが、インク流路パターン6bに耐溶剤性を付与するi線吸収剤が好ましい。この場合、着色とはインク流路パターン6bの表面を前記i線吸収剤で処理することを示す。特に、i線吸収剤が、前記式(1)又は(2)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物であることが好ましい。なお、前記式(1)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。
後述するように、後の工程において、前記感光性樹脂により形成したインク流路パターン6b上にインク流路形成材料を塗布する必要がある。しかし、一般的にアルカリ現像可能なi線ポジ型感光性樹脂のベース樹脂のようにOH基を多くもつ樹脂は、耐溶剤性が低いことが知られている。このため、インク流路パターン6bが崩れないように、インク流路形成材料の塗布溶媒を選択しなければならず、塗布溶媒の選択の自由度が狭くなることがある。
前記式(1)又は(2)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物は、前記工程(c)において、インク流路パターン6bのベース樹脂中のOH基と反応し、エステル結合を形成することができる。これにより、インク流路パターン6b表面のOH基が減少するため、インク流路パターン6b表面の耐溶剤性が向上する。インク流路パターン6bを形成する前記感光性樹脂とi線吸収剤とが結合することにより、インク流路形成材料を塗布した際にインク流路パターン6b表面におけるi線吸収剤の濃度が薄くなり、i線の吸収性が低下することや、i線吸収剤のインク流路形成材料への混合による、インク流路形成材料の感度の低下を低減することができる。
また、前記i線吸収剤は前記感光性樹脂と結合する部位が2つ以上あることがより好ましい。即ち、前記i線吸収剤が、前記式(1)又は(2)の構造を2つ以上有することがより好ましい。前記i線吸収剤が前記感光性樹脂との結合部を2箇所以上有すると、前記感光性樹脂と架橋し、よりプロセス耐性が向上する。
前記i線吸収剤としては、例えば、4−ベンゾイル安息香酸、2−ベンゾイル安息香酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、2−(p−トルオイル)安息香酸、9−フルオレノン−2−カルボン酸、ナフトキノン類、アントラキノン類等のキノン誘導体のカルボン酸及び無水カルボン酸、2−アントラセンカルボン酸等のアントラセン誘導体のカルボン酸及び無水カルボン酸、またこれらカルボン酸の塩化物、臭化物、ヨウ素化物などが挙げられる。これ以外のものであっても、本発明の主旨を逸脱しないものであれば使用できる。
インク流路パターン6b表面をi線吸収剤により着色する方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、i線吸収剤を含む溶液をスピンコートにより塗布する方法、前記溶液に基板を浸漬させる方法が挙げられる。この際エステル結合の形成反応が進行するように、加熱したり、塗布溶液のpHを調整したりしてもよい。その後、インク流路パターン6b表面以外の部分のi線吸収剤を除去する目的で、各種溶媒を用いて洗浄してもよい。この他の方法でも本発明の主旨を逸脱しないものであれば使用できる。
(工程(d))
次に、前記インク流路パターン6b及び基板1の保護層4上に、i線の照射により硬化するインク流路形成材料を含むインク流路形成層8を形成する。
前記i線の照射により硬化するインク流路形成材料としては、前記i線の照射により感光する感光性樹脂と同じ感光波長領域を有する材料を用いることができ、例えば特許文献2に記載されている一般的な材料を使用することができる。
前記インク流路形成材料のインク流路パターン6b及び基板1の保護層4上への塗布方法としては、例えば、該インク流路形成材料を適宜溶媒に溶解し、スピンコート法等によりインク流路パターン6b及び基板1の保護層4上に塗布する。その後、加熱することでインク流路形成層8を形成することができる。インク流路形成層8の厚さとしては、インク流路パターン6b上の厚みとして2μm以上であることが好ましい。また、厚さの上限は、吐出口部の現像性が損なわれない範囲であれば、特に制限されるものではないが、例えば、インク流路パターン6b上の厚みとして100μ以下が好ましい。
(工程(e))
次に、前記インク流路形成層8にi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、吐出口9を形成する(図3(e))。
前記インク流路形成層8に照射するi線を含む活性エネルギー線は、前記工程(b)でインク流路パターン層6aに照射したi線を含む活性エネルギー線と同じ活性エネルギー線を用いることができる。特に、本発明においては、アライメント精度の観点からステッパー(縮小投影露光装置)を用いてパターニングすることが好ましい。前記i線を含む活性エネルギー線をインク流路形成層8に照射した後、MIBK(メチルイソブチルケトン)、等により現像を行う。さらに、IPA等によりリンス処理を行うことで、吐出口9を形成する。その後、基板1の裏面からインク供給口形成用マスク3をマスクとしてエッチング処理を行うことにより、インク供給口10を形成する(図3(f))。
(工程(f))
次に、インク流路パターン6b(着色部分を含む)を除去する。
本発明においてインク流路パターン6bを除去する方法としては、様々な方法、材料が考えられるが、アルカリ溶液で溶解除去する方法が好ましい。アルカリ溶液により溶解除去を行うと、インク流路パターン6bを形成する前記感光性樹脂とi線吸収剤とのエステル結合が加水分解されるため、アルカリ溶液への溶解性が向上し、除去が容易になる。また、加温することやpHを調節することで加水分解をより進みやすくしても良い。また、先に酸などで加水分解反応を進行させた後に、アルカリ溶液で除去するなど前処理を行う方法や、加水分解の進行を助ける材料をアルカリ溶液に添加する方法など、これ以外の方法であっても本発明の主旨を逸脱しないものであれば使用できる。また、ここでいうアルカリ溶液とは、アルカリ性の水溶液でも、アルカリ性の有利溶媒でももちろんよい。
その後、前記基板1をダイシングソー等により切断分離、チップ化し、エネルギー発生素子3を駆動させるための電気的接合を行う。さらに、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
本発明に係るインクジェット記録ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、更には各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。また、本発明のインクジェット記録ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックなど種々の被記録媒体に記録を行うことができる。
(アルカリ可溶性樹脂の染色材料)
また、本発明に係るアルカリ可溶性樹脂の染色材料は、前記式(3)又は(4)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物である。なお、前記式(3)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。
この染色材料はアルカリ可溶性樹脂と結合するため、洗浄により容易に着色部と非着色部を分けることができる。また、その後のプロセスで溶液を塗布することが有る場合、塗布溶液により染色材料が薄くなることや、染色材料が非着色部に流れ出ることを低減することができる。このようなアルカリ可溶性樹脂の染色材料は、インクジェット記録ヘッドの製造方法以外にも、カラーフィルタやダブルパターニングのフリージング材料に使用可能である。カラーフィルタであれば所望の波長域に吸収をもつ置換基、フリージング材料であればセカンド露光の露光波長に吸収をもつ置換基を有する。
前記染色材料で着色する方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、前記染色材料の溶液をスピンコートにより塗布する方法、前記染色材料を含む溶液に基板を浸漬させる方法が挙げられる。この際エステル結合の形成反応が進むよう、加熱したり、塗布溶液のpHを調整したりしてもよい。また、所望の着色部以外に存在する前記染色材料を除去する目的で、各種溶媒を用いて洗浄してももちろんよい。この方法以外でも、本発明の主旨を逸脱しないものであれば使用できる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施例を詳細に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ここでは、ポジ型感光性樹脂として東京応化社製「ip5700」(商品名)、I線を吸収する化合物としては2−ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸を用いる。
図2に示すようにSi基板1上にエネルギー発生素子2を複数個配置した。図2のA−A’断面図が図3(a)である。Si基板1上にさらにインク供給口形成用マスク3、保護層4、キャビテーション保護層5を形成した。なお、エネルギー発生素子2には素子を動作させるための制御信号入力電極(図示せず)が接続されている。
次いで、図3(b)に示すように、保護層4及びキャビテーション保護層5上にi線ポジ型感光性樹脂である「ip5700」(商品名、東京応化工業(株)製)をスピンコートにより塗布し、120℃3分ベークすることにより、インク流路パターン層6aを形成した。このときの膜厚は5μmであった。その後、キヤノン(株)製i線露光装置を用いてi線を露光した。また、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.34重量%水溶液による現像、純水によるリンスを行った。これにより、図3(c)に示すインク流路パターン6bを得た。
次いで、「UX3000」(商品名、ウシオ電機(株)製)で紫外線を全面照射した。その後、i線吸収剤として2−ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸水溶液(2−ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸を0.5重量%含有)をスピンコートにより全面に塗布し、120℃3分ベークを行った。その後、インク流路パターン6bの表面以外の部分に存在するi線吸収剤を水洗により除去した。これにより、インク流路パターン6bの表面を着色した(図3(d))。
次いで、表1に記載のインク流路形成材料をジグライムに溶解させたものをインク流路パターン6b及び保護層4上にスピンコートにより塗布し、90℃3分ベークを行い、インク流路形成層8を形成した。次いで、キヤノン(株)製i線露光装置を用いてi線を露光し、90℃4分間加熱後、MIBK(メチルイソブチルケトン)による現像を行い、吐出口9を形成した(図3(e))。次いで、Si基板1を裏面からSi異方性エッチングし、インク供給口10を形成した(図3(f))。次いで、インク供給口10上の保護層4、インク流路パターン6b(着色部分を含む)を除去した。さらにインク流路形成層8を完全に硬化させるために、200℃1時間加熱を行った。これにより、インクジェット記録ヘッドを得た(図3(g))。
以上のように作製したインクジェット記録ヘッドを、光学顕微鏡を用いて観察し、エネルギー発生素子2、インク流路及び吐出口9の位置関係をずれ量で評価した。ずれ量の測定方法を図4に示す。ずれ量とは、アライメントずれがない場合のインク流路の位置11と、作製したインクジェット記録ヘッドのインク流路の位置12のずれ量を示す。なお、アライメントずれがない場合のインク流路の位置11は、エネルギー発生素子2と吐出口9との関係から確認することができる。ずれ量の測定は、図4に示すように、上端、左端、中心、右端、下端の5箇所について、X方向及びY方向の2方向について行った。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
溶解可能な樹脂として、i線に吸収をもたないポリメチルイソプロペニルケトンを用いる(感光波長:350nm以下)。
流路パターンを形成するSi基板1は実施例1と同様のものを用いた。図5(b)に示すように、保護層4及びキャビテーション保護層5上に前記ポリメチルイソプロペニルケトンをシクロヘキサノンに溶解した溶液をスピンコートし、120℃6分ベークにより膜を形成した。このときの膜厚は5μmであった。その後、「UX3000」にてパターン露光し、MIBKによる現像、IPAによるリンスで図5(c)に示すようなインク流路パターン6bを得た。次いで、表1記載のインク流路形成材料をジグライムに溶解させたものをインク流路パターン6b及び保護層4上にスピンコートし、90℃3分ベークを行い、塗膜を形成した(図5(d))。その後の工程は実施例と同様の工程にてインクジェット記録ヘッドを作製した(図5(f))。実施例1と同様の評価結果を表2に示す。
(比較例2)
インク流路パターン層6aの材料として「ip5700」を用い、i線吸収剤によりインク流路パターン6b表面を着色しなかったこと以外は、実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドの作製を試みた。しかし、表1に記載のインク流路形成材料をジグライムに溶解させたものをインク流路パターン6b及び保護層4上にスピンコートにより塗布した際、インク流路パターン6bのパターンが崩れ、インクジェット記録ヘッドを作製することができなかった。
Figure 2010240868
Figure 2010240868
1 基板(Si基板)
2 エネルギー発生素子
3 インク供給口形成用マスク
4 保護層
5 キャビテーション保護層
6a インク流路パターン層
6b インク流路パターン
6c インク流路
7 着色部
8 インク流路形成層
9 吐出口
10 インク供給口
11 アライメントずれがない場合のインク流路の位置
12 作製したインクジェット記録ヘッドのインク流路の位置

Claims (11)

  1. 複数のエネルギー発生素子を有する基板と、
    前記エネルギー発生素子の上にインクを保持するためのインク流路と、
    前記インク流路と連通し、インクを吐出するための吐出口と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    下記(a)から(f)の工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
    (a)エネルギー発生素子を有する基板上に、i線の照射により感光する感光性樹脂を含むインク流路パターン層を形成する工程、
    (b)前記インク流路パターン層にi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、インク流路パターンを形成する工程、
    (c)前記インク流路パターンの表面をi線吸収剤により着色する工程、
    (d)前記インク流路パターン及び基板上に、i線の照射により硬化するインク流路形成材料を含むインク流路形成層を形成する工程、
    (e)前記インク流路形成層にi線を含む活性エネルギー線を照射し、現像することにより、吐出口を形成する工程、
    (f)前記インク流路パターンを除去し、インク流路を形成する工程。
  2. 前記i線吸収剤が、前記インク流路パターンに耐溶剤性を付与するi線吸収剤であり、
    前記工程(c)が、前記インク流路パターンの表面を該i線吸収剤で処理する工程である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記工程(b)の後、工程(c)の前に、
    前記感光性樹脂の感光波長を含む活性エネルギー線によって、前記インク流路パターンを全面露光する工程を包含することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記感光性樹脂が、i線ポジ型感光性樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂が、アルカリ溶液に可溶であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記i線吸収剤が、下記式(1)又は(2)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
    Figure 2010240868
    (式(1)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。)
    Figure 2010240868
  7. 前記化合物が、前記式(1)又は(2)の構造を2つ以上有することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記工程(c)において、前記インク流路パターンに含まれる感光性樹脂と、前記i線吸収剤とがエステル結合により結合することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記工程(f)において、前記インク流路パターンをアルカリ溶液により除去することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  11. 下記式(3)又は(4)の構造を少なくとも有し、該構造が置換又は未置換の不飽和炭化水素、もしくは置換又は未置換の芳香族に結合した化合物を含むことを特徴とするアルカリ可溶性樹脂の染色材料。
    Figure 2010240868
    (式(3)中、A1は水素又はハロゲン元素を示す。)
    Figure 2010240868
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