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JP2010129968A - 絶縁シート、積層構造体、多層回路基板及び積層構造体の製造方法 - Google Patents

絶縁シート、積層構造体、多層回路基板及び積層構造体の製造方法 Download PDF

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JP2010129968A JP2008306488A JP2008306488A JP2010129968A JP 2010129968 A JP2010129968 A JP 2010129968A JP 2008306488 A JP2008306488 A JP 2008306488A JP 2008306488 A JP2008306488 A JP 2008306488A JP 2010129968 A JP2010129968 A JP 2010129968A
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Hiroshi Maenaka
寛 前中
Yasunari Kusaka
康成 日下
Takuji Aoyama
卓司 青山
Daisuke Nakajima
大輔 中島
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Isao Higuchi
勲夫 樋口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に積層されて、絶縁層を形成するのに用いられる絶縁シートであって、未硬化状態では高いハンドリング性及び適度な流動性を有し、貫通孔又は凹部への充填性を高めることができ、さらに硬化物の放熱性及び誘電特性を高めることができ、かつ硬化物に積層された基板等の反りを抑制できる絶縁シートを提供する。
【解決手段】貫通孔2a又は表面に凹部を有する基板2の表面2c,2dに、絶縁層3,4を形成するのに用いられ、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有し、硬化後の熱伝導率が0.5W/m・K以上、25〜100℃での平均熱線膨張係数が20ppm/℃以下、かつ1GHzでの比誘電率が5以下である、絶縁シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層基板等の積層構造体の絶縁層を形成するのに用いられる絶縁シートに関し、より詳細には、貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面にラミネートされたときに、貫通孔又は凹部への充填性を高めることができる絶縁シート、並びに該絶縁シートを用いた積層構造体、該積層構造体を用いた多層回路基板、及び積層構造体の製造方法に関する。
近年、携帯電話及びコンピュータ等の電子機器では、小型化及び情報処理の高速化が進行している。このため、上記電子機器に用いられるプリント多層配線板では、多層化及び薄膜化が進行しており、かつ電子部品の実装密度が高くなっている。これに伴って、電子部品から大きな熱量が発生しやすくなっており、発生した熱を放散させる必要が高まっている。
熱を放散させるために、プリント多層配線板の絶縁層の熱伝導率を高めることが検討されている。また、絶縁層に積層された基板等の反りを抑制するために、また絶縁層と導体層との熱膨張率の差に起因して、樹脂層、導体層又は接合に用いられたはんだ部分にクラックが発生するのを抑制するために、絶縁層の熱線膨張率を低くすることが検討されている。
例えば、下記の特許文献1には、樹脂層、及び該樹脂層の両側の表面に配線回路が形成された回路基板と、該回路基板の両側の表面に形成された絶縁層とを備える多層配線板が開示されている。この回路基板には、ビアホールが形成されている。上記ビアホールの内周面には、導通膜が形成されている。導通膜を介して、上記樹脂層の両側の表面に形成された配線回路が互いに接続されている。回路基板のビアホール内、すなわちビアホールの内周面に形成された導通膜の内側には、第1の絶縁材料を充填し、硬化させることにより、第1の絶縁層が形成されている。この第1の絶縁材料は、高い熱伝導性を有する電気絶縁性フィラーと、上記導通膜の金属と同等以下の低い熱膨張特性を有する樹脂とを含有する。また、第1の絶縁層が形成された後、回路基板の配線回路上に、第2の絶縁材料を塗布し、硬化させることにより、第2の絶縁層が形成されている。
また、下記の特許文献2には、上面に凹部を有する回路基板と、該回路基板の上面に積層された絶縁層とを備える多層配線板が開示されている。回路基板の上面の凹部に、該凹部を埋めるように第1の絶縁材料を充填し、硬化させることにより、第1の絶縁層が形成されている。この第1の絶縁材料は、高い熱伝導率を有する無機フィラーを含有する。また、第1の絶縁層が形成された後、回路基板上に、シート状の第2の絶縁材料を積層し、硬化させることにより、第2の絶縁層が形成されている。
特開平10−163594号公報 特開平07−226583号公報
特許文献1,2では、回路基板のビアホール内又は回路基板の凹部内には、第1の絶縁材料が充填されている。該第1の絶縁材料により第1の絶縁層が形成された後、第2の絶縁層が形成されている。すなわち、特許文献1,2では、第1,第2の絶縁層は、同じ絶縁材料により同時に形成されていない。従って、回路の形成に多大な時間及び労力が必要になるという問題があった。
ところで、上記電子機器に用いられるプリント多層配線板では、配線パターンの高密度化及び電気信号の高周波数化が進行している。これに伴って、電気信号の誘電損失が大きくなり、電気信号の信頼性が損なわれるおそれが高まっている。電気信号の信頼性を高めるために、プリント多層配線板の絶縁層の誘電率を低くする必要がある。
特許文献1に記載のビアホール内に充填される第1の絶縁材料は、高い熱伝導性を有する電気絶縁性フィラーと、上記導通膜の金属と同等以下の低い熱膨張特性を有する樹脂とを含有する。このため、熱伝導率及び熱線膨張率が比較的高い絶縁層を形成できる。しかしながら、この第1の絶縁材料は、絶縁層の誘電率を考慮して設計されていない。
また、特許文献2に記載の凹部内に充填される第1の絶縁材料を用いることにより、熱伝導率が比較的高い絶縁層を形成できる。しかしながら、この第1の絶縁材料は、絶縁層の熱線膨張率及び誘電率を考慮して設計されていない。
また、特許文献1,2に記載の第2の絶縁材料は、絶縁層の誘電率を考慮して設計されていない。
さらに、従来のシート状の絶縁材料を用いて、回路基板の表面に絶縁層を形成しつつ、回路基板のビアホール内又は回路基板の凹部内に絶縁材料を充填しようとした場合、絶縁材料がビアホール内又は凹部内に充分に充填されないことがあった。
本発明の目的は、貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に積層されて、絶縁層を形成するのに用いられる絶縁シートであって、未硬化状態では高いハンドリング性及び適度な流動性を有し、貫通孔又は凹部への充填性を高めることができ、さらに硬化物の放熱性及び誘電特性を高めることができ、かつ硬化物に積層された基板等の反りを抑制できる絶縁シート、並びに該絶縁シートを用いた積層構造体、該積層構造体を用いた多層回路基板及び積層構造体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に、絶縁層を形成するのに用いられる絶縁シートであって、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有し、硬化後の熱伝導率が0.5W/m・K以上、25〜100℃での平均熱線膨張係数が20ppm/℃以下、かつ1GHzでの比誘電率が5以下である、絶縁シートが提供される。
上記ポリマー(A)は、フェノキシ樹脂であることが好ましい。フェノキシ樹脂が用いられた場合、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。また、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度は、95℃以上であることが好ましい。この場合には、樹脂の熱劣化をより一層抑制できる。
上記硬化剤(C)は、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。この好ましい硬化剤が用いられた場合、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。さらに、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた絶縁シートの硬化物を得ることができる。
上記硬化剤(C)は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることがより好ましい。また、上記硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがさらに好ましい。これらの好ましい硬化剤(C)が用いられた場合には、絶縁シートが適度な流動性を有するようになり、絶縁シートの貫通孔又は凹部への充填性をより一層高めることができる。さらに、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2010129968
Figure 2010129968
Figure 2010129968
上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
上記硬化剤(C)は、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂であることも好ましい。この好ましい硬化剤(C)が用いられた場合、絶縁シートが適度な流動性を有するようになり、絶縁シートの貫通孔又は凹部への充填性をより一層高めることができる。さらに、絶縁シートの硬化物の柔軟性や難燃性をより一層高めることができる。
上記フィラー(D)は、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、マグネサイト及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましいフィラー(D)が用いられた場合、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高めることができ、かつ絶縁シートの硬化物に積層された基板等の反りをより一層抑制できる。
本発明に係る積層構造体は、少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は前記一方の面に凹部を有する基板と、前記基板の前記一方の面又は両方の面に積層された絶縁層と、前記絶縁層の前記基板が積層された面とは反対側の面に積層された第2の導体層又は回路基板とを備え、前記絶縁層が本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させることにより形成されている。
本発明に係る積層構造体の他の特定の局面では、前記第1の導体層及び前記第2の導体層の内の少なくとも一方は、配線回路である。
本発明に多層回路基板は、本発明に従って構成された積層構造体を備え、該積層構造体を用いて形成された導体層を2層以上有する。本発明に係る多層回路基板は、チップサイズパッケージに用いられる回路基板であることが好ましい。
本発明に係る積層構造体の製造方法は、少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は前記一方の面又は両方の面に凹部を有する基板の前記一方の面に、本発明に従って構成された絶縁シートを、該絶縁シートの一部が前記貫通孔又は凹部に充填されるようにラミネートする工程と、前記ラミネートされた絶縁シートの前記基板が配置された面とは反対側の面に、導体層又は回路基板を積層する工程と、前記絶縁シートを硬化させる工程とを備えている。
本発明に係る絶縁シートは、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有するため、未硬化状態では、高いハンドリング性及び適度な流動性を有する。このため、貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に、絶縁層を形成するのに本発明に係る絶縁シートが用いられた場合に、貫通孔又は凹部に絶縁シートの一部を充分に充填させることができる。
さらに、本発明に係る絶縁シートは、硬化後の熱伝導率が0.5W/m・K以上、25〜100℃での平均熱線膨張係数が20ppm/℃以下、かつ1GHzでの比誘電率が5以下であるため、絶縁シートの硬化物の放熱性及び誘電特性を高めることができ、かつ絶縁シートの硬化物に積層された基板又は半導体チップ等の反りを抑制できる。絶縁シートの誘電特性を高めることができるので、電気信号の信頼性に優れた多層回路基板等を提供できる。
本発明に係る積層構造体は、貫通孔又は一方の面に凹部を有する基板の一方の面又は両方の面に絶縁層が積層されており、該絶縁層が、本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させて形成されているので、貫通孔内又は凹部内に絶縁層を配置できる。さらに、高い熱量が発生したときに、絶縁層を介して熱を効果的に放散させることができる。
本発明に係る積層構造体の製造方法によれば、貫通孔又は一方の面に凹部を有する基板の一方の面に、本発明に従って構成された絶縁シートを、該絶縁シートの一部が貫通孔又は凹部に充填されるようにラミネートするので、貫通孔内又は凹部内に絶縁シートを充分に充填させることができる。また、基板への絶縁シートのラミネートの際に、貫通孔又は凹部に絶縁シートを充填させるので、積層構造体の製造工程を簡略化でき、かつ製造コストを低減できる。
本願発明者らは、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有する組成を採用することにより、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性を高めることができ、かつ絶縁シートの流動性を適度な範囲に制御でき、従ってビアホールなどの貫通孔又は回路などの凹部に、絶縁シートの一部を容易に充填させることができることを見出した。
さらに、上記特定の組成を採用し、かつ絶縁シートの硬化物の熱伝導率を0.5W/m・K以上、25〜100℃での平均熱線膨張係数を20ppm/℃以下、かつ1GHzでの比誘電率を5以下とすることにより、絶縁シートの硬化物の放熱性及び誘電特性を高めることができ、かつ絶縁層に積層された基板又は半導体チップ等の反りを抑制できることを見出した。
また、本発明では、絶縁シートの硬化物の誘電特性が高いので、導体層と絶縁層とを備える積層構造体の電気信号の信頼性を高めたり、伝送損失を低く抑えたりすることができる。さらに、絶縁シートの硬化物の平均熱線膨張係数が低いので、導体層と絶縁層との熱膨張率差が小さくなり、樹脂層、導体層又は接合に用いられたはんだ部分でのクラックの発生を抑制できる。また、本発明に係る絶縁シートは、上記成分(A)〜(D)を含有する組成を有するので、耐電圧性及び耐熱性が高い絶縁シートの硬化物を与える。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る絶縁シートは、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有する。
絶縁シートの硬化物の熱伝導率は0.5W/m・K以上である。また、絶縁シートの硬化物の25〜100℃での平均熱線膨張係数は20ppm/℃以下である。さらに、絶縁シートの硬化物の1GHzでの比誘電率は、5以下である。
(ポリマー(A))
本発明に係る絶縁シートに含まれる上記ポリマー(A)の重量平均分子量は1万以上である。ポリマー(A)は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリマー(A)は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリマー(A)が芳香族骨格を有する場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性及び耐電圧性をより一層高めることができる。
ポリマー(A)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。ポリマー(A)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。ポリマー(A)は、主鎖中に多環式芳香族骨格を有することが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性をさらに一層高めることができる。
上記芳香族骨格は特に限定されない。上記芳香族骨格の具体例として、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はビスフェノールA型骨格等が挙げられる。なかでも、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができるので、ビフェニル骨格、フルオレン骨格又はビスフェノールA型骨格が好ましい。また、絶縁シートの硬化物の比誘電率をより一層低くすることができ、誘電特性をより一層高めることができるので、ビフェニル骨格がより好ましい。
上記ポリマー(A)として、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等を使用できる。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂として、スチレン系樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂又はノルボルネン系樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂として、尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ系樹脂、フェノール系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂又はアミノアルキド系樹脂等が挙げられる。
さらに、上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂として、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂として、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、又はポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物などのスーパーエンプラと呼ばれている耐熱性樹脂群等を使用できる。熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の内のいずれか一方が用いられてもよく、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが併用されてもよい。
上記ポリマー(A)は、スチレン系重合体又はフェノキシ樹脂であることが好ましく、フェノキシ樹脂であることがより好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の酸化劣化を防止でき、かつ耐熱性をより一層高めることができる。
上記スチレン系重合体として、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、又はスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等を使用できる。中でも、スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン系重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン又は3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。上記スチレン系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アクリル系モノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、又はメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。上記アクリル系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノキシ樹脂とは、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有することが好ましい。中でも、上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格及びビフェニル骨格からなる群から選択された少なくとも1種の骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも一方を有することが更に好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂が用いられた場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記フェノキシ樹脂は、主鎖中に多環式芳香族骨格を有することが好ましい。また、上記フェノキシ樹脂は、下記式(4)〜(9)で表される骨格の内の少なくとも1つの骨格を主鎖中に有することがより好ましい。
Figure 2010129968
上記式(4)中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Xは単結合、炭素数1〜7の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、又は−CO−である。
Figure 2010129968
上記式(5)中、R1aは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、mは0〜5の整数である。
Figure 2010129968
上記式(6)中、R1bは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、lは0〜4の整数である。
Figure 2010129968
Figure 2010129968
上記式(8)中、R及びRは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは−SO−、−CH−、−C(CH−、又は−O−であり、kは0又は1である。
Figure 2010129968
上記ポリマー(A)として、例えば、下記式(10)又は下記式(11)で表されるフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
Figure 2010129968
上記式(10)中、Aは上記式(4)〜(6)の内いずれかで表される構造を有し、かつその構成は上記式(4)で表される構造が0〜60モル%、上記式(5)で表される構造が5〜95モル%、及び上記式(6)で表される構造が5〜95モル%であり、Aは水素原子、又は上記式(7)で表される基であり、nは平均値で25〜500の数である。
Figure 2010129968
上記式(11)中、Aは上記式(8)又は上記式(9)で表される構造を有し、nは少なくとも21以上の値である。
ポリマー(A)のガラス転移温度Tgは、60〜200℃の範囲内にあることが好ましく、90〜180℃の範囲内にあることがより好ましい。ポリマー(A)のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。ポリマー(A)のTgが高すぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性、並びに絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
ポリマー(A)がフェノキシ樹脂の場合、フェノキシ樹脂のガラス転移温度Tgは、95℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。フェノキシ樹脂のガラス転移温度は、110〜200℃の範囲内にあることがさらに好ましく、110〜180℃の範囲内にあることが特に好ましい。フェノキシ樹脂のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。フェノキシ樹脂のTgが高すぎると、フェノキシ樹脂と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、絶縁シートのハンドリング性、並びに絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
ポリマー(A)の重量平均分子量は、10,000以上である。ポリマー(A)の重量平均分子量の好ましい下限は30,000であり、より好ましい下限は40,000である。ポリマー(A)の重量平均分子量の好ましい上限は1,000,000であり、より好ましい上限は250,000である。ポリマー(A)の重量平均分子量が小さすぎると、絶縁シートが熱劣化することがある。ポリマー(A)の重量平均分子量が大きすぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、絶縁シートのハンドリング性、並びに絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
ポリマー(A)と、硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)とを含む絶縁シートに含まれている全樹脂成分の合計100重量%中に、ポリマー(A)は20〜60重量%の範囲内で含有されることが好ましく、30〜50重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。ポリマー(A)は上記の範囲内で、ポリマー(A)と硬化性化合物(B)との合計が100重量%未満となる量で含有されることが好ましい。ポリマー(A)の量が少なすぎると、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性が低下することがある。また、未硬化状態の絶縁シートの流動性が高くなりすぎて、例えば基板上に絶縁シートの硬化物により絶縁層を形成したときに、絶縁層の厚みが薄くなって絶縁性が低下することがある。ポリマー(A)の量が多すぎると、フィラー(D)の分散が困難になったり、未硬化状態の絶縁シートの流動性が低下し、ビアホール又は回路の凹部に絶縁シートを充分に充填させることができなかったりすることがある。なお、全樹脂成分とは、ポリマー(A)、硬化性化合物(B)、硬化剤(C)及び必要に応じて添加される他の樹脂成分の総和をいう。
(硬化性化合物(B))
本発明に係る絶縁シートは、1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)を含有する。硬化性化合物(B)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する硬化性化合物(以下、硬化性化合物(B1)ともいう)であってもよく、1分子中に2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物(以下、硬化性化合物(B2)ともいう)であってもよい。硬化性化合物(B)は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(B)は、芳香族骨格を有することが好ましい。硬化性化合物(B)が芳香族骨格を有する場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性及び耐電圧性をより一層高めることができる。
硬化性化合物(B)は1分子中に3個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有することが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の平均熱線膨張係数をより一層低くすることができ、従って放熱性をより一層高めることができる。
硬化性化合物(B)の重量平均分子量は600以下であることが好ましい。重量平均分子量が600以下である場合には、絶縁シートがより一層適度な流動性を有するようになる。このため、絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性を高めることができる。
上記1分子中に2個以上のエポキシ基を有する硬化性化合物(B1)は特に限定されない。上記硬化性化合物(B1)の具体例として、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンテン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、又はピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。上記硬化性化合物(B1)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとして、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとして、ジシクロペンタジエンジオキシド、又はジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとして、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、又は1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンテン骨格を有するエポキシモノマーとして、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン、又は2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとして、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、又は9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとして、4,4’−ジグリシジルビフェニル、又は4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとして、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、又は1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとして、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
上記1分子中に2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物(B2)は、特に限定されない。上記硬化性化合物(B2)の具体例として、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、又はオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。上記硬化性化合物(B2)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリマー(A)と、硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)とを含む絶縁シートに含まれている全樹脂成分の合計100重量%中に、硬化性化合物(B)は10〜60重量%の範囲内で含有されることが好ましく、10〜40重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。硬化性化合物(B)は上記範囲内で、ポリマー(A)と硬化性化合物(B)との合計が100重量%未満となる量で含まれることが好ましい。硬化性化合物(B)の量が少なすぎると、絶縁シートの流動性が低下し、ビアホール又は回路の凹部に絶縁シートを充分に充填させることができないことがある。硬化性化合物(B)の量が多すぎると、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性が低下することがある。さらに、絶縁シートの流動性が高くなりすぎて、例えば基板上に絶縁シートの硬化物により絶縁層を形成したときに、絶縁層の厚みが薄くなって絶縁性が低下することがある。
(硬化剤(C))
本発明に係る絶縁シートに含まれる硬化剤(C)は、絶縁シートを硬化させるものであれば特に限定されない。硬化剤(C)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化剤(C)は、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。この好ましい硬化剤(C)の使用により、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた絶縁シートの硬化物を得ることができる。
上記フェノール樹脂は特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例として、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、又はポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、絶縁シートの柔軟性及び絶縁シートの硬化物の難燃性をより一層高めることができるので、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品として、MEH−8005、MEH−8010及びNEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(ジャパンエポキシレジン社製)、LA−7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれも大日本インキ社製)、並びにPS6313及びPS6492(以上いずれも群栄化学社製)等が挙げられる。
芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、特に限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物として、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。なかでも、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が用いられた場合には、絶縁シートの硬化物の耐水性を高めることができる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品として、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカジットMTA−10、リカジットMTA−15、リカジットTMTA、リカジットTMEG−100、リカジットTMEG−200、リカジットTMEG−300、リカジットTMEG−500、リカジットTMEG−S、リカジットTH、リカジットHT−1A、リカジットHH、リカジットMH−700、リカジットMT−500、リカジットDSDA及びリカジットTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれも大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
また、脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、テルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。この場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。また、上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物として、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品として、リカジットHNA及びリカジットHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
また、上記硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。この好ましい硬化剤(C)が用いられた場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2010129968
Figure 2010129968
Figure 2010129968
上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤とともに、硬化促進剤を用いてもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例として、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類又は有機酸塩などのジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤として、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類又は金属ハロゲン化物が挙げられる。上記有機金属化合物類として、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫又はアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤として、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、又は高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等を使用できる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記高融点の分散型潜在性促進剤として、ジシアンジアミド又はアミンがエポキシモノマー等に付加されたアミン付加型促進剤等が挙げられる。上記マイクロカプセル型潜在性促進剤として、イミダゾール系、リン系又はホスフィン系の促進剤の表面がポリマーにより被覆されたマイクロカプセル型潜在性促進剤が挙げられる。上記高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤として、ルイス酸塩又はブレンステッド酸塩等が挙げられる。
上記硬化促進剤は、高融点のイミダゾール系硬化促進剤であることが好ましい。高融点のイミダゾール系硬化促進剤が用いられた場合、反応系を容易に制御でき、かつ絶縁シートの硬化速度や、絶縁シートの硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。融点100℃以上の高融点の硬化促進剤は、取扱性に優れている。従って、硬化促進剤の融点は100℃以上であることが好ましい。
ポリマー(A)と、硬化性化合物(B)と、硬化剤(C)とを含む絶縁シートに含まれている全樹脂成分の合計100重量%中に、硬化剤(C)は10〜40重量%の範囲内で含有されることが好ましく、12〜25重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。硬化剤(C)の量が少なすぎると、絶縁シートを充分に硬化させることが困難になることがある。硬化剤(C)の量が多すぎると、硬化に関与しない余剰な硬化剤が発生したり、硬化物の架橋が十分に進行しなかったりすることがある。このため、絶縁シートの硬化物の耐熱性又は接着性が十分に高められないことがある。
(フィラー(D))
本発明に係る絶縁シートは、フィラー(D)を含有するため、絶縁シートの硬化物の熱伝導率を高くすることができ、かつ平均熱線膨張係数を低くすることができる。従って、絶縁シートの硬化物の放熱性を高くすることができ、かつ絶縁シートの硬化物に積層された基板又は半導体チップ等の反りを抑制できる。
フィラー(D)は特に限定されない。フィラー(D)は、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、マグネサイト及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましいフィラー(D)が用いられた場合、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高くすることができ、かつ絶縁シートの硬化物に積層された基板等の反りを抑制できる。
また、フィラー(D)は、シリカ、アルミナ又は窒化ホウ素であることがより好ましい。これらの好ましいフィラー(D)が用いられた場合、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高くすることができ、かつ絶縁シートの硬化物に積層された基板の反りをより一層抑制でき、さらに絶縁シートの製造コストを低くすることができる。
フィラー(D)として、層状化合物を用いてもよい。上記層状化合物の具体例として、層状珪酸塩又は層状粘土化合物等が挙げられる。層状化合物が用いられた場合、一般的な無機フィラーが用いられた場合と比べて、少量の添加で絶縁シートの硬化物の平均熱線膨張係数を低くすることができ、さらに耐熱性を高めることができる。
フィラー(D)の平均粒子径は、0.1〜40μmの範囲内にあることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、フィラー(D)を高密度で充填させることが困難になることがある。平均粒子径が40μmを超えると、絶縁シートの硬化物にビアホール等の貫通孔を形成する際の加工性が低下したり、絶縁シートの硬化物の厚みが薄い場合に耐電圧性が低下することがある。
「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
絶縁シート100重量%中に、フィラー(D)は、0.1〜80体積%の範囲内で含有されることが好ましい。絶縁シート100体積%中のフィラー(D)の含有量の好ましい下限は20体積%であり、より好ましい下限は30体積%である。絶縁シート100体積%中のフィラー(D)の含有量のより好ましい上限は60体積%である。
フィラー(D)が無機フィラーである場合、絶縁シート100体積%中、無機フィラーは、20〜80体積%の範囲内で含有されることが好ましい。絶縁シート100体積%中の無機フィラーの含有量のより好ましい下限は30体積%であり、より好ましい上限は60体積%である。
フィラー(D)が層状化合物である場合、絶縁材料100体積%中に、層状化合物は0.1〜20体積%の範囲内で含有されることが好ましい。
フィラー(D)の量が少なすぎると、絶縁シートの硬化物の放熱性を充分に高めることができなかったり、平均熱線膨張係数を充分に低くすることができなかったりする。フィラー(D)の量が多すぎると、絶縁シートの流動性が低下し、絶縁シートを回路又はビアホールに充分に充填させることが困難になったり、絶縁シートの接着性が著しく低下したりするおそれがある。
上記層状化合物の形状は特に限定されない。上記層状化合物の平均長さの好ましい下限は0.01μmであり、より好ましい下限は0.05μmであり、好ましい上限は3μmであり、より好ましい上限は2μmである。上記層状化合物の厚さの好ましい下限は0.001μmであり、より好ましい下限は0.01μmであり、好ましい上限は1μmであり、より好ましい上限は0.5μmである。上記層状化合物のアスペクト比の好ましい下限は20であり、より好ましい下限は50であり、好ましい上限は500であり、より好ましい上限は200である。このような好ましい形状を有する層状化合物が用いられた場合には、フィラー(D)の分散性をより一層高めることができ、絶縁シートの硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができ、かつ平均熱線膨張係数をより一層低くすることができる。
上記層状化合物は、層間に交換性金属イオンを有していてもよい。上記交換性金属イオンとは、層状化合物の結晶表面上に存在するナトリウム又はカルシウム等の金属イオンのことである。これらの金属イオンは、イオン交換性を有する。このため、金属イオンの種類に応じて、カチオン性またはアニオン性を有する種々の物質を、上記層状化合物の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。上記層状珪酸塩は特に限定されない。上記層状珪酸塩として、スメクタイト系粘度鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト又は膨潤性マイカ等が挙げられる。上記スメクタイト系粘度鉱物として、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト又はノントロナイト等が挙げられる。なかでも、フィラー(D)は、モンモリロナイト、膨潤性マイカ及びヘクトライトからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。上記層状珪酸塩は、天然物であってもよく、合成物であってもよい。上記層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記層状粘土化合物として、ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記層状粘土化合物の具体例として、下記式(X)で表される層状複水酸化物が挙げられる。
[M2+1−xM3+x(OH)x+[An−x/n・yHO]x− ・・・(X)
上記式(X)中、M2+は、Mg2+、Mn2+、Ni2+又はZn2+を表し、M3+は、Al3+、Cr3+、Fe3+又はCo3+を表し、An−は、OH、Cl、NO3−又はSO 2−を表し、xは、0.2〜0.33の数を表す。
上記層状粘土化合物は、ハイドロタルサイトであることが好ましい。
上記層状化合物の結晶層間に、イオン交換によりイオン交換物質が挿入されていてもよい。該イオン交換物質として、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記層状化合物の結晶層間に挿入されるカチオン性界面活性剤は特に限定されない。上記カチオン性界面活性剤として、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩、芳香環を有する4級アンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウムなどの芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、又はポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。上記カチオン性界面活性剤は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記カチオン性界面活性剤は、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩又はN−ジメチルアンモニウム塩であることが好ましい。
上記層状化合物をイオン交換する際に、有機修飾剤を用いてもよい。上記有機修飾剤は特に限定されない。上記有機修飾剤として、ロジン、不飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸等が挙げられる。
上記不飽和脂肪酸として、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸又はドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
上記飽和脂肪酸として、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、テトラドコサン酸又はオクタドコサン酸等が挙げられる。
上記層状化合物をイオン交換する方法として、水中又は有機溶媒中で層状化合物とイオン交換物質とを混合し、攪拌する方法等が挙げられる。
(他の成分)
本発明に係る絶縁シートは、ゴム粒子(E)を含有してもよい。ゴム粒子(E)が含有される場合、絶縁シートの硬化物の応力緩和性を高めることができる。
ゴム粒子(E)は特に限定されない。ゴム粒子(E)として、例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム又は天然ゴム等が挙げられる。なかでも、絶縁シートの応力緩和性及び絶縁シートの硬化物の柔軟性を高めることができるので、ゴム粒子(E)は、シリコーンゴム又はアクリルゴムであることが好ましい。
ゴム粒子(E)とフィラー(D)との併用により、絶縁シートが低い平均熱線膨張係数と、高い応力緩和能とを有するようになる。このため、高温下や冷熱サイクル条件下に晒されても、絶縁シートの硬化物に剥離やクラック等が生じ難くなる。
絶縁シート100重量%中に、ゴム粒子(E)は0.1〜40重量%の範囲内で含有されることが好ましく、0.3〜20重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。ゴム粒子(E)の量が少なすぎると、絶縁シートの硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがある。ゴム粒子(E)の量が多すぎると、絶縁シートの硬化物の接着性が低くなることがある。
本発明に係る絶縁シートは、ガラスクロス、ガラス不織布又はアラミド不織布等の基材物質を含有しないことが好ましい。これらの基材物質が含有されない場合、本発明の絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性を高めることができる。さらに、絶縁シートの硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができ、従って放熱性をより一層高くすることができる。さらに、絶縁シートの硬化物にレーザー加工又はドリル穴あけ加工等の各種加工を容易に行うことができる。
また、本発明に係る絶縁シートは、必要に応じて、チキソ性付与剤、分散剤、難燃剤又は着色剤などを含有してもよい。
上記チキソ性付与剤として、ポリアマイド樹脂、脂肪酸アマイド樹脂、ポリアミド樹脂又はフタル酸ジオクチル樹脂等が挙げられる。
上記分散剤として、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤又はノニオン性分散剤等が挙げられる。上記アニオン性分散剤として、脂肪酸せっけん、アルキルサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、又はアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。上記カチオン性分散剤として、デシルアミン酢酸塩、トリメチルアンモニウムクロライド、又はジメチル(ベンジル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。上記ノニオン性分散剤として、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエステル、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルエーテル、モノグリセライド、ポリグリセリンアルキルエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルポリエーテルアミン、アミンオキサイド、又はエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
上記難燃剤として、金属水酸化物、リン系化合物、窒素系化合物、層状複水和物、アンチモン系化合物、臭素系化合物又は臭素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。上記金属水酸化物として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう又は水酸化カルシウム等が挙げられる。上記リン系化合物として、赤りん、ポリリン酸アンモニウム、トリフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェートもしくはリンなどのリン酸エステル、又はリン含有エポキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂もしくはリン含有ビニル化合物などのリン含有樹脂等が挙げられる。上記窒素系化合物として、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート又はリン酸メラミン等のメラミン化合物や、これらのメラミン化合物に表面処理が施されたメラミン誘導体等が挙げられる。上記層状複水和物として、ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記アンチモン系化合物として、三酸化アンチモン又は五酸化アンチモン等が挙げられる。上記臭素系化合物として、デカブロモジフェニルエーテル又はトリアリルイソシアヌレート6臭化物等が挙げられる。上記臭素含有エポキシ樹脂として、テトラブロモビスフェノールA等が挙げられる。なかでも、金属水酸化物、リン系化合物、臭素系化合物又はメラミン誘導体が好適に用いられる。
上記着色剤として、例えばカーボンブラック、黒鉛、フラーレン、チタンカーボン、二酸化マンガン又はフタロシアニンなどの顔料又は染料を使用できる。
(絶縁シート)
本発明に係る絶縁シートの製造方法は、特に限定されない。絶縁シートは、例えば、上述した材料を混合した混合物を溶剤キャスト法又は押し出し成膜等の方法によってシート状に成形することにより得ることができる。シート状に成形する際に、脱泡することが好ましい。
本発明に係る絶縁シートは、上記各成分(A)〜(D)を含有するので、未硬化状態でのハンドリング性が高く、適度な流動性を有する。このため、絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性を高めることができる。さらに、基板上に絶縁シートを積層し、絶縁層を形成した場合、絶縁層の厚みが薄くなりすぎることがなく、かつ絶縁層を均一な厚みにすることができる。
絶縁シートの膜厚は特に限定されない。絶縁シートの膜厚は、10〜100μmの範囲内にあることが好ましく、20〜50μmの範囲内にあることがより好ましい。膜厚が薄すぎると、絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性が低下したり、絶縁シートの硬化物の絶縁性が低下したりすることがある。膜厚が厚すぎると、例えば回路基板の絶縁層を形成したときに、回路基板の薄型化に充分に対応できなかったり、絶縁シートの硬化物の放熱性が低下したりすることがある。
未硬化状態の絶縁シートのガラス転移温度Tgは、25℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が25℃を超えると、絶縁シートが室温で固く、かつ脆くなることがある。このため、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性が低下することがある。
絶縁シートの硬化物の熱伝導率は、0.5W/m・K以上である。絶縁シートの硬化物の熱伝導率は、1.0W/m・K以上であることが好ましく、1.5W/m・K以上であることがより好ましく、2.0W/m・K以上であることが更に好ましい。熱伝導率が低すぎると、絶縁シートの硬化物の放熱性が不十分になることがある。
絶縁シートの硬化物の25〜100℃での平均熱線膨張係数は、20ppm/℃以下である。絶縁シートの硬化物の25〜100℃での平均熱線膨張係数は、15ppm/℃以下であることが好ましく、10ppm/℃以下であることがより好ましい。上記平均熱線膨張係数が大きすぎると、絶縁シートの硬化物と基板又は半導体チップとの熱線膨張率差により、絶縁シートの硬化物に積層された基板又は半導体チップが反りやすくなる。さらに、はんだリフロー時又は耐冷熱サイクルテスト時に、樹脂層、導体層又は接合に用いられたはんだ部分でのクラック又は剥離が生じやすくなる。
絶縁シートの硬化物の1GHzでの比誘電率は5以下である。絶縁シートの硬化物の1GHzでの比誘電率は4以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましい。上記比誘電率が大きすぎると、誘電特性が低下し、電気信号の信頼性が低下することがある。
絶縁シートの硬化物の絶縁破壊電圧は、30kV/mm以上であることが好ましい。絶縁シートの硬化物の絶縁破壊電圧は、40kV/mm以上であることがより好ましく、50kV/mm以上であることがさらに好ましい。上記絶縁破壊電圧が低すぎると、絶縁シートを例えば電力素子用のような大電流用途に用いた場合に、充分な絶縁性が得られないことがある。
未硬化状態の絶縁シートの25℃での曲げ弾性率は、10〜1,000MPaの範囲内にあることが好ましく、20〜500MPaの範囲内にあることがより好ましい。上記曲げ弾性率が低すぎると、未硬化状態の絶縁シートの室温での自立性が著しく低下し、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性が低下することがある。さらに、絶縁シートの流動性が高くなりすぎて、例えば基板上に絶縁シートの硬化物により絶縁層を形成したときに、絶縁層の厚みが薄くなって絶縁性が低下したりすることがある。上記曲げ弾性率が高すぎると、絶縁シートの加熱接着時に弾性率が充分に低くならないため、例えば絶縁シートの硬化物と基板との密着不良が生じたり、絶縁シートの硬化物と基板との接着性が低くなったりすることがある。さらに、絶縁シートの流動性が低下し、絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性が低下することがある。
上記曲げ弾性率は、例えば、万能試験機RTC−1310A(オリエンテック社製)を用いて、JIS K 7111に準拠し、長さ8cm、幅1cm及び厚み4mmの試験片を用いて、支点間距離6cm及び速度1.5mm/分の各条件で測定できる。
本発明に係る絶縁シートは、回転型動的粘弾性測定装置を用いて測定された25℃での未硬化状態の絶縁シートのtanδが0.1〜1.0の範囲内にあることが好ましく、0.1〜0.5の範囲内にあることがより好ましい。また、本発明に係る絶縁シートは、未硬化状態での絶縁シートを25℃から250℃まで昇温させた場合の絶縁シートのtanδの最大値が1.0〜5.0の範囲内にあることが好ましく、1.5〜4.0の範囲内にあることがより好ましい。
上記25℃での未硬化状態の絶縁シートのtanδが低すぎると、未硬化状態の絶縁シートの柔軟性が低くなり、未硬化状態の絶縁シートが破損しやすくなる。さらに、絶縁シートの流動性が低下し、絶縁シートのビアホール又は回路の凹部への充填性が低下することがある。上記25℃での未硬化状態の絶縁シートのtanδが大きすぎると、未硬化状態の絶縁シートが柔らかすぎるため、絶縁シートの流動性が高くなりすぎることがある。このため、例えば基板上に絶縁シートの硬化物により絶縁層を形成したときに、絶縁層の厚みが薄くなって絶縁性が低下することがある。
上記未硬化状態での絶縁シートを25℃から250℃まで昇温させた場合の絶縁シートのtanδの最大値が低すぎると、加熱接着時に絶縁シートが基板等に充分に密着しないことがある。上記絶縁シートのtanδの最大値が高すぎると、絶縁シートの流動性が高すぎて、加熱接着時に絶縁シートの厚みが薄くなったり、絶縁シートが所望の塗布領域からはみ出したりすることがある。
上記25℃での未硬化状態の絶縁シートのtanδは、回転型動的粘弾性測定装置を用いて、かつ直径2cmの円板状の未硬化状態の絶縁シートを用いて、直径2cmのパラレル型プレートにより、25℃にて、オシレーション歪み制御モード、開始応力10Pa、周波数1Hz及び歪み1%の各条件で測定できる。また、未硬化状態での絶縁シートを25℃から250℃まで昇温させた場合の絶縁シートのtanδの最大値は、上記未硬化状態の絶縁シートを、上記測定条件に加え、昇温速度30℃/分で、25℃から250℃まで昇温させることにより測定できる。
上記回転型動的粘弾性測定装置の市販品として、VAR−100(レオロジカ・インスツルメンツ社製)等が挙げられる。
(絶縁シートの用途)
本発明に係る絶縁シートは、貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に、絶縁層を形成するのに用いられる。本発明に係る絶縁シートは、貫通孔を有する基板の表面に、絶縁層を形成するのに好適に用いられる。上記基板の表面に絶縁層を形成する際に、基板の表面に絶縁シートがラミネートされる。このとき、絶縁シートの一部が、貫通孔又は凹部に充填される。
本発明に係る絶縁シートは、少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は一方の面に凹部を有する基板と、基板の一方の面又は両方の面に積層された絶縁層と、絶縁層の基板が積層された面とは反対側の面に積層された第2の導体層又は回路基板とを備える積層構造体を構成するのに好適に用いられる。上記積層構造体の絶縁層は、本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させることにより形成される。
図1に、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す積層構造体1は、貫通孔としてのビアホール2aを有する基板2を備える。基板2の表面には、導体層2bが形成されている。導体層2bは、基板2の上面2c及び下面2dと、ビアホール2aの内周面に形成されている。また、基板2の上面2c及び下面2dには、絶縁層3,4が積層されている。絶縁層3,4は、基板2のビアホール2a内に充填されている。絶縁層3の上面3aには、導体層5を介して絶縁層6が積層されている。絶縁層6上には、導体層7が積層されている。絶縁層4の下面4aには、導体層8が積層されている。
導体層2b、導体層5及び導体層7は、図示しないビアホール接続により接続されている。導体層2b及び導体層8は、図示しないビアホール接続により接続されている。絶縁層又は導体層にビアホールを形成するために、穴あけ加工又はめっき加工など多層回路基板の形成に必要な各種の作業が行われてもよい。
基板2の上面2c及び下面2dに絶縁シートを、該絶縁シートの一部がビアホール2a内に充填されるようにラミネートすることにより、積層構造体1が形成され得る。また、基板2の表面に絶縁シートをラミネートした後、該絶縁シート上に必要に応じて導体層が形成される。さらに、該導体層上に必要に応じて絶縁層が形成される。
図2に、本発明の他の実施形態に係る積層構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図2に示す積層構造体11では、基板12の上面12aに、複数の絶縁層13〜15が積層されている。基板12は、上面12aの一部の領域に導体層12bを有する。基板12の上面12aには、導体層12bにより凹部12cが形成されている。最上層の絶縁層15以外の絶縁層13,14は、上面13a,14aの一部の領域に導体層13b,14bを有する。絶縁層13,14の上面13a,14aには、導体層13b,14bにより凹部13c,14cが形成されている。絶縁層13〜15は、凹部12c〜14c内に充填されている。また、導体層12b〜14bは、図示しないビアホール接続により接続されている。
基板12の上面12aに絶縁シートを、該絶縁シートの一部が凹部12c内に充填されるようにラミネートすることにより、積層構造体11が形成され得る。また、基板12の上面12aに絶縁シートをラミネートした後、該絶縁シート上に必要に応じて導体層が形成される。さらに、該導体層上に必要に応じて絶縁層が形成される。
上記基板は、少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔を有する基板であることが好ましい。本発明に係る絶縁シートが用いられた場合、貫通孔を有する基板に絶縁シートをラミネートする際に、絶縁シートの一部を基板の貫通孔に充分に充填させることができる。上記貫通孔は、ビアホールであることが好ましい。
上記第1の導体層及び上記第2の導体層の内の少なくとも一方は、配線回路であることが好ましい。第1,第2の導体層が配線回路である場合、基板の表面には複数の凹部が形成される。上記凹部は、回路の凹部であることが好ましい。本発明に係る絶縁シートが用いられた場合、表面に凹部を有する基板に絶縁シートをラミネートする際に、絶縁シートの一部を基板の凹部内に充分に充填させることができる。また、絶縁層の平均熱線膨張係数が低く、導体層と絶縁層との熱膨張率差が小さいため、クラックの発生を抑制できる。
本発明に係る多層回路基板は、上記積層構造体を備え、該積層構造体を用いて形成された導体層を2層以上有する。本発明に係る多層回路基板は、チップサイズパッケージに用いられる回路基板であることが好ましい。絶縁層の平均熱線膨張係数が低いため、上記多層回路基板がチップサイズパッケージに用いられる回路基板であっても、樹脂層、導体層又は接合に用いられたはんだ部分でのクラックの発生を抑制できる。
半導体の実装方式が、チップサイズパッケージである場合、配線回路の高密度化及び回路の薄型化が要求される。このような場合に、本発明に係る絶縁シートは好適に用いられる。
上記積層構造体は、例えば以下のようにして製造され得る。
少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は一方の面に凹部を有する基板の一方の面又は両方の面に、絶縁シートを、該絶縁シートの一部が貫通孔又は凹部に充填されるようにラミネートする。次に、絶縁シートの基板が積層された面とは反対側の面に、第2の導体層又は回路基板を積層する。その後、絶縁シートを硬化させる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
[ポリマー(A)]
(1)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:E1256、Mw=51,000、Tg=98℃)
(2)低誘電フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名YX6954、Mw=39,000、Tg=130℃)
[ポリマー(A)以外のポリマー]
(1)エポキシ基含有スチレン系樹脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−0130S、Mw=9,000、Tg=69℃)
[硬化性化合物(B)]
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名:エピコート828US、Mw=370)
(2)3官能グリシジルジアミン型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート630、Mw=300)
(3)フルオレン骨格エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製、商品名:オンコートEX1011、Mw=486)
[硬化剤(C)]
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)多脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:HNA−100)
(3)テルペン骨格酸無水物(ジャパンエポキシレジン社製、商品名エピキュアYH−306)
(4)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成製、商品名MEH−7851−S)
(5)アリル骨格フェノール樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YLH−903)
(6)トリアジン骨格フェノール樹脂(大日本インキ化学社製、商品名:フェノライトKA−7052−L2)
(7)メラミン骨格フェノール樹脂(群栄化学工業社製、商品名:PS−6492)
(8)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
[フィラー(D)]
(1)アルミナ(日本軽金属社製、商品名:LT300C)
(2)窒化ホウ素(昭和電工社製、商品名:UHP−1)
(3)結晶性シリカ(龍森社製、商品名:クリスタライトCMC−12)
(4)非晶性シリカ(トクヤマ社製、商品名:SE−15)
(5)表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製、商品名:MT−10)
(6)マグネサイト(神島化学工業社製、商品名:MSL)
(7)層状珪酸塩(コープケミカル社製、商品名:STN65meq−w1)
(8)ハイドロタルサイト(AKZO−NOVEL社製、商品名:Perkalite G−100)
[ゴム粒子]
(1)アクリルゴム粒子(コアシェル型シリコーン−アクリル粒子、旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:P22)
[添加剤]
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBE403)
[溶剤]
(1)メチルエチルケトン
(実施例1)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表1に示す割合で各化合物を配合し、混練し、絶縁材料を調製した。
膜厚50μmの離型PETシートに、得られた絶縁材料を膜厚が50μmとなるように塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に絶縁シートを作製した。
(実施例2〜16及び比較例1〜3)
使用した化合物の種類及び配合量を下記の表1〜3に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして絶縁材料を調製し、PETシート上に絶縁シートを作製した。
(絶縁シートの評価)
(1)ハンドリング性
PETシートと、該PETシート上に形成された絶縁シートとを有する積層シートを460mm×610mmの平面形状に切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを用いて、室温(23℃)でPETシートから未硬化状態の絶縁シートを剥離したときのハンドリング性を下記の基準で評価した。
[ハンドリング性の評価基準]
〇:絶縁シートの変形がなく、容易に剥離可能
△:絶縁シートを剥離できるものの、シート伸びや破断が発生する
×:絶縁シートを剥離できない
(2)ビアホール充填性
ドリル加工により直径300μmの貫通孔が形成された、厚み50μmのガラスエポキシ樹脂板を用意した。このガラスエポキシ樹脂板の上面及び下面に絶縁シートを配置した。その後、真空ラミネーター(MVLP−500、メイキ製作所社製)にて、80℃の条件下で、ガラスエポキシ樹脂板の両面に絶縁シートをラミネートした。このとき、絶縁シートの貫通孔への充填度合いを下記の評価基準で評価した。
[ビアホール充填性の評価基準]
○:絶縁シートが、樹脂板の貫通孔の厚み50μmの領域の内の40μm以上、50μm以下の領域に充填
△:絶縁シートが、樹脂板の貫通孔の厚み50μmの領域の内の30μm以上、40μm未満の領域に充填
×:絶縁シートが、樹脂板の貫通孔の厚み50μmの領域の内の30μm未満の領域に充填
(3)回路充填性
厚み17μmの銅箔からなる回路が片面に形成されたガラスエポキシ基板を用意した。このガラスエポキシ基板の回路が形成された面に、絶縁シートを配置した。その後、真空ラミネーター(MVLP−500、メイキ製作所製)にて、80℃の条件下で、ガラスエポキシ基板の片面に絶縁シートをラミネートした。このとき、絶縁シートの回路の凹部への充填度合いを下記の評価基準で評価した。
[回路充填性の評価基準]
○:絶縁シートのラミネート後の厚みが30μm以上、かつ回路と絶縁シートとの間に直径10μm以上の空隙がない
×:絶縁シートのラミネート後の厚みが30μm未満、又は回路と絶縁シートとの間に直径10μm以上の空隙がある
(4)熱伝導率
京都電子工業社製熱伝導率計「迅速熱伝導率計QTM−500」を用いて、絶縁シートの熱伝導率を測定した。
(5)平均熱線膨張係数
絶縁シートを3mm×25mmの平面形状に切り出し、120℃オーブン内で1時間硬化させた後、200℃オーブン内で1時間硬化させ、テストサンプルを作製した。TMA装置(TMA/SS6000、セイコーインストロメント社製)にて10℃/分の昇温速度で室温から320℃まで1回昇温した後に、−45℃から130℃まで10℃/分の昇温速度で昇温したときの25〜100℃での温度−TMA直線の傾きを測定し、得られた測定値の逆数を平均熱線膨張係数として算出した。
(6)引き剥がし強さ
1mm厚のアルミ板と35μm厚の電解銅箔間に絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。得られた銅張り積層板の銅箔をエッチングし、幅10mmの銅箔の帯を形成した。その後、銅箔を基板に対して90℃の角度で50mm/分の引っ張り速度で剥離した際の引き剥がし強さを測定した。
(7)絶縁破壊電圧
絶縁シートを100mm×100mmの平面形状に切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、絶縁シートの硬化物を得た。耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、絶縁シートの硬化物間に1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。絶縁シートが破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
(8)比誘電率
絶縁シートを30mm×30mmの平面形状に切り出し、120℃オーブン内で1時間硬化させた後、200℃オーブン内で1時間硬化させ、テストサンプルを作製した。インピーダンス測定器(ヒューレットパッカード社製「HP4291B」)を用いて、テストサンプルの周波数1GHzでの比誘電率を測定した。
(9)半田耐熱試験
1mm厚のアルミ板と35μm厚の電解銅箔間に絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。得られた銅張り積層基板を50mm×60mmのサイズに切り出し、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを288℃の半田浴に銅箔側を下に向けて浮かべ、銅箔の膨れ又は剥がれが発生するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
[半田耐熱試験の判定基準]
〇:3分経過しても膨れ又は剥離の発生なし
△:1分経過後、かつ3分経過する前に膨れ又は剥離が発生
×:1分経過する前に膨れ又は剥離が発生
(10)伝送損失
絶縁シートを10枚重ねて、絶縁シートの積層体を得た。得られた積層体の上面及び下面に、厚み17μmの銅箔を配置し、120℃で1時間、更に200℃で1時間、絶縁シートの積層体をプレス硬化し、プレス後の厚みが0.55mmのテストサンプルを作製した。
ベクトル方ネットワークアナライザを用いたトリプレート線路共振器法により、得られたテストサンプルの伝送損失を測定し、下記の評価基準により評価した。なお、測定条件はライン幅0.6mm、上下グランド導体間絶縁層距離1.04mm、ライン長200mm、特性インピーダンス50Ω、周波数3GHz及び測定温度25℃の各測定条件とした。
[伝送損失の評価基準]
〇:伝送損失が10dB/m以下
×:伝送損失が10dB/mを超える
(11)冷熱サイクル信頼性
厚み17μmの銅箔からなる回路が片面に形成されたガラスエポキシ基板を用意した。このガラスエポキシ基板の回路が形成された面に、絶縁シートを配置した。その後、真空ラミネーター(MVLP−500、メイキ製作所製)にて、80℃の条件下で、ガラスエポキシ基板の片面に絶縁シートをラミネートした。その後、120℃で1時間、更に200℃で1時間絶縁シートを硬化させ、テストサンプルを作製した。
得られたテストサンプルを用いて、1チャンバー式冷熱サイクル試験機(WINTECH NT510、ETACH社製)にて、−40℃で20分及び125℃で20分を1サイクルとして1000サイクルの冷熱サイクル試験を行った。試験後のテストサンプルの硬化物の表面におけるクラックの有無を、光学顕微鏡(TRANSFORMER−XN、Nikon社製)にて観察した。また、試験後のテストサンプルの硬化物の表面における剥離の有無を、超音波探傷装置(mi−scope hyper、日立建機ファインテック社製)にて観察した。テストサンプル10検体中のクラック又は剥離が発生したテストサンプルの検体数を数え、冷熱サイクル信頼性を下記の評価基準により評価した。
[冷熱サイクル信頼性の評価基準]
〇:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが10検体中、2検体以下
△:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが10検体中、3〜4検体
×:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが10検体中、5検体以上
結果を下記の表1〜3に示す。
Figure 2010129968
Figure 2010129968
Figure 2010129968
図1は、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る積層構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
符号の説明
1…積層構造体
2…基板
2a…ビアホール
2b…導体層
2c…上面
2d…下面
3,4…絶縁層
3a…上面
4a…下面
5,7,8…導体層
6…絶縁層
11…積層構造体
12…基板
12a…上面
12b…導体層
12c…凹部
13〜15…絶縁層
13a,14a…上面
13b,14b…導体層
13c,14c…凹部

Claims (13)

  1. 貫通孔又は表面に凹部を有する基板の表面に、絶縁層を形成するのに用いられる絶縁シートであって、
    重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、
    1分子中に2個以上のエポキシ基又はオキセタン基を有する硬化性化合物(B)と、
    硬化剤(C)と、
    フィラー(D)とを含有し、
    硬化後の熱伝導率が0.5W/m・K以上、25〜100℃での平均熱線膨張係数が20ppm/℃以下、かつ1GHzでの比誘電率が5以下である、絶縁シート。
  2. 前記ポリマー(A)がフェノキシ樹脂である、請求項1に記載の絶縁シート。
  3. 前記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が95℃以上である、請求項2に記載の絶縁シート。
  4. 前記硬化剤(C)が、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  5. 前記硬化剤(C)が、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項4に記載の絶縁シート。
  6. 前記硬化剤(C)が、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物である、請求項5に記載の絶縁シート。
    Figure 2010129968
    Figure 2010129968
    Figure 2010129968
    上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
  7. 前記硬化剤(C)が、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂である、請求項4に記載の絶縁シート。
  8. 前記フィラー(D)が、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、マグネサイト及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  9. 少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は前記一方の面に凹部を有する基板と、
    前記基板の前記一方の面又は両方の面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記基板が積層された面とは反対側の面に積層された第2の導体層又は回路基板とを備え、
    前記絶縁層が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の絶縁シートを硬化させることにより形成されている、積層構造体。
  10. 前記第1の導体層及び前記第2の導体層の内の少なくとも一方が、配線回路である、請求項9に記載の積層構造体。
  11. 請求項9又は10に記載の積層構造体を備え、該積層構造体を用いて形成された導体層を2層以上有する、多層回路基板。
  12. チップサイズパッケージに用いられる回路基板である、請求項11に記載の多層回路基板。
  13. 少なくとも一方の面に第1の導体層を有し、かつ貫通孔又は前記一方の面に凹部を有する基板の前記一方の面又は両方の面に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の絶縁シートを、該絶縁シートの一部が前記貫通孔又は前記凹部に充填されるようにラミネートする工程と、
    前記ラミネートされた絶縁シートの前記基板が配置された面とは反対側の面に、導体層又は回路基板を積層する工程と、
    前記絶縁シートを硬化させる工程とを備える、積層構造体の製造方法。
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