JP2010119386A - ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料を提供する。ナイアシンは、コーヒー分として含有されることが好ましく、またコーヒー飲料は、トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含むことが好ましい。
【選択図】なし
Description
コーヒー飲料中に多量のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有させるには、コーヒーの焙煎度を高くする必要がある。しかしながら焙煎度を高くすることにより、焙煎香に由来する苦味やナイアシンアミド由来の苦味が顕著となり、飲みにくくなるという問題が生じた。また、さらにこれをレトルト殺菌処理して缶入りコーヒー飲料とした場合には、レトルトによる加熱臭や雑味が顕著になり、或いは焙煎香やナイアシンアミド由来の苦味と相俟って雑味が増強されることになり、コーヒー飲料としての品質が低下するという問題があった。
1)飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料。
2)ナイアシン及び/又はナイアシンアミドが、コーヒー分として含有されるものである、1)に記載のコーヒー飲料。
3)トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含む、1)又は2)に記載のコーヒー飲料。
4)飲料100gあたり100mg以下のクロロゲン酸類を含む、1)〜3)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
5)レトルト殺菌処理を経て得られる飲料である、1)〜4)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
6)室温以下で飲用するための、1)〜5)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
7)カリウムを用いて、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミド含有するコーヒー飲料の苦味を低減させる方法。
本明細書中でいうナイアシン(niacin)とは、下記式(1)
本発明のコーヒー飲料に含有されるナイアシンは、市販の試薬、純品を添加したものであっても、ナイアシンを含有する食物、例えば焙煎コーヒー豆等の抽出物又はその濃縮物を配合して飲料中に存在するようにしたものであってもよい。コーヒー飲料を製造する際になる原材料となる焙煎コーヒー豆から抽出されることにより、コーヒー飲料に所望する量のナイアシンが含有される場合は、ナイアシンを追加して添加する必要がないので好ましい。その場合は、添加物等を使用することなく、或いはその使用を少量に抑えて、コーヒー飲料を製造できるという利点がある。
(ナイアシンアミド)
本明細書中でいうナイアシンアミド(niacine amide;別名ニコチン酸アミド(nicotinamide)とは、下記式(2)
本発明のコーヒー飲料に含有されるナイアシンアミドは、市販の試薬、純品を添加したものであっても、ナイアシンアミドを含有する食物、例えば焙煎コーヒー豆等の抽出物又はその濃縮物を配合して飲料中に存在するようにしたものであってもよい。コーヒー飲料を製造する際になる原材料となる焙煎コーヒー豆から抽出されることにより、コーヒー飲料に所望する量のナイアシンアミドが含有される場合は、ナイアシンアミドを追加して添加する必要がないので好ましい。その場合は、添加物等を使用することなく、或いはその使用を少量に抑えて、コーヒー飲料を製造できるという利点がある。
(ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料)
本発明でいう「コーヒー飲料」とは、特別な場合を除き、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されない。本発明でいうコーヒー飲料は、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」及び「コーヒー入り清涼飲料」を含む。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0重量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これも、本発明でいうコーヒー飲料に含まれる。
本発明で、コーヒー飲料中のクロロゲン酸類の含量をいうときは、モノカフェオイルキナ酸成分(3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸)、フェルラキナ酸成分(3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸)及びジカフェオイルキナ酸成分(3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸)の三種の合計を意味する。
また、トリゴネリンのえぐ味や苦味は、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有する本発明のコーヒー飲料における苦味抑制の観点からマイナス効果であり、トリゴネリンの含有量が多くなるに従い、コーヒー飲料の苦味は増大する。したがって、本発明のコーヒー飲料中のトリゴネリン含量は、飲料100gあたり20mg以下、好ましくは15mg以下であり、トリゴネリンを含まない(0mg)の場合も含まれる。なお、コーヒー飲料中のトリゴネリンの含量は、当業者であれば、例えばHPLCを用いて、適宜測定することができる。
本発明のコーヒー飲料では、ナイアシンを所定濃度(飲料100gあたり2.0mg以上、好ましくは2.5mg以上、より好ましくは3.0mg以上)及び/又はナイアシンアミドを所定濃度(飲料100gあたり0.5mg以上、好ましくは0.6mg以上、より好ましくは0.7mg以上)含むように配合するが、このナイアシン及び/又はナイアシンアミドをコーヒー分由来とする場合、このコーヒー飲料は、コーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて1.3重量%以上、好ましくは1.5重量%以上、より好ましくは1.8重量%以上となるような、コーヒー固形分が高い飲料である。ここで、コーヒー固形分とは、コーヒー豆由来の可溶性固形分を表し、コーヒー飲料に含まれ得る可溶性固形分のうち、甘味成分、乳成分、pH調整剤、香料等のコーヒー豆に由来しない成分を除いた固形分で、コーヒー抽出液中のコーヒー固形分は糖度計を用いてBrix(%)を測定することにより求められる。
本発明においては、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有するコーヒー分に、所定濃度のカリウムを含有させることにより、コーヒー分由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有するコーヒー飲料の苦味を抑制し、ドリンカビリティを高めることができる。カリウムは、カリウム塩として添加することができる。本発明でコーヒー飲料中のカリウムに関し、濃度又は含量を表示するときは、特別な場合を除き、カリウムがどのような形態で添加され、また存在するかに関わらず、カリウムとして換算又は測定した値をいう。本発明においては、カリウムとしてコーヒー飲料100gあたり90mg以上、好ましくは100mg以上、さらに好ましくは120mg以上となるように配合することができ、また250mg以下で、例えば200mg以下で配合することができる。より具体的には、120〜250mg、好ましくは130〜250mg、より好ましくは140〜250mg、特に好ましくは150〜250mgとなるように配合することができる。カリウムは、焙煎コーヒー豆から抽出されるカリウム、コーヒー飲料に通常配合される甘味料、乳成分、pH調整剤等に含まれるカリウムで所定の濃度になるように調整することができるが、調整の容易さからはカリウム塩を添加することが好ましい。カリウム塩としては、炭酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸三カリウム、水酸化カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、コハク酸カリウム、リンゴ酸カリウム等が挙げられるが、香味の観点から、特に炭酸カリウム及び/又は水酸化カリウムを用いることが好ましい。炭酸カリウムを用いて所定の濃度となるようにカリウムを調整する場合、用いる焙煎コーヒー豆やコーヒー飲料に配合されるその他成分の種類や量によるが、通常、炭酸カリウムの配合量は、0.05〜0.20重量%、好ましくは0.10〜0.18重量%程度である。0.20重量%を超えるとカリウムのえぐ味がコーヒー飲料自体の味に影響を及ぼすことがある。なお、コーヒー飲料中のカリウム含量は、当業者であれば、例えばICP発光分光分析装置を用いて、適宜測定することができる。
本発明のコーヒー飲料は、所定濃度のナイアシン及び/又はナイアシンアミドとカリウム塩(カリウム)とを含有するものであるが、さらに所定濃度の乳たんぱく質を含有させることが好ましい。乳たんぱく質を配合することにより、カリウムの苦味抑制効果を増大させることができる。乳たんぱく質は、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム等から選択される1種又は2種以上を用いて、飲料全体に対する乳たんぱく質量が0.3〜0.6重量%、好ましくは0.4〜0.5重量%となるように配合するのがよい。
ナイアシン、ナイアシンアミド、トリゴネリン、クロロゲン酸類は、試料となるコーヒー飲料を移動相Aで10倍希釈(w/w)した後、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過し、HPLCに注入して定量した。リテンションタイムは、ナイアシン:3.7分、ナイアシンアミド:3.5分、トリゴネリン:2.7分であり、クロロゲン酸類は、15.3分、18.9分、20.7分、30.3分、31.3分、32.3分、44.1分、44.8分、46.3分であり、クロロゲン酸類はリテンションタイムのピーク面積の和より求めた。HPLCの測定条件は以下のとおり。
・カラム:TSK-gel ODS-80TsQA(4.6mmφx150mm、東ソー株式会社)
・移動相:A:水:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
B:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
・流速:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・グラディエント条件;分析開始から5分後まではA液100%保持、
5分から10分まででB液7.5%、
10分から20分まででB液10.5%、
20分から32分までB液10.5%保持、
32分から45分までB液26.3%、
45分から46分までB液75.0%、
46分から51分までB液75.0%保持、
51分から52分まででB液0%
52分から58分までB液0%保持
・注入量:5.0μL
・検出波長:ナイアシン(254nm)、ナイアシンアミド(254nm)、トリゴネリン(254nm)、クロロゲン酸類(325nm)
・標準物質:ナイアシン(ナカライテスク株式会社)、ナイアシンアミド(和光純薬工業株式会社)、トリゴネリン塩酸塩(東京化成工業株式会社)、クロロゲン酸0.5水和物(ナカライテスク株式会社)。
試料となるコーヒー飲料を蒸留水で500倍に希釈し、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過した精製液を、ICP発光分光分析装置(バリアン社製、Viata AX)に供した。
焙煎コーヒー豆(L値15.5)(アラビカ種)を粉砕機(日本グラニュレーター社製)で粉砕(粉砕の程度:中細挽き)、し、94℃の熱水でドリップ抽出を行い、Brix4.0(%)のコーヒー抽出液(焙煎コーヒー豆の抽出物)を得た。このコーヒー抽出液を、表1に示す処方で配合し、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品1〜5)、カリウム塩無添加のコーヒー飲料(比較例1)、水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行ったコーヒー飲料(比較例2)の計7種類のコーヒー飲料(全量1kg)を製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて1.34重量%であった。これらコーヒー飲料(7種類)のナイアシン、ナイアシンアミド及びトリゴネリンの含量を測定した(殺菌なし)。次に、これらコーヒー飲料(7種類)をコーヒー飲料190gを缶に充填し、レトルト殺菌(125℃、5分程度)を行って、容器詰めコーヒー飲料を得た(殺菌あり)。これら殺菌あり飲料を5℃で冷蔵した後、ナイアシン、ナイアシンアミド、トリゴネリン含量と、クロロゲン酸類及びカリウム含量を分析した。表1に、分析結果を示す。ナイアシン、ナイアシンアミド及びトリゴネリンは熱に強く、殺菌前後でほとんど変化がない成分であることがわかった。
表2に示すように、コーヒー抽出液の配合量を506g/kgとする以外は、実施例1と同様にして、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品3〜7)、カリウム塩無添加のコーヒー飲料(比較例4)、水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行ったコーヒー飲料(比較例5)の計7種類のコーヒー飲料(全量1kg)と、これを190g缶に充填して殺菌した容器詰めコーヒー飲料とを製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて2.02重量%であった。実施例1と同様に、各成分の分析を行うとともに官能評価を行った。
表3に示すように、コーヒー抽出液の配合量を671g/kgとする以外は、実施例1と同様にして、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品8,9)のコーヒー飲料(全量1kg)と、これを190g缶に充填して殺菌した容器詰めコーヒー飲料とを製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて2.68重量%であった。実施例1と同様に、各成分の分析を行うとともに官能評価を行った。
Claims (7)
- 飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料。
- ナイアシン及び/又はナイアシンアミドが、コーヒー分として含有されるものである、請求項1に記載のコーヒー飲料。
- トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含む、請求項1又は2に記載のコーヒー飲料。
- 飲料100gあたり100mg以下のクロロゲン酸類を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- レトルト殺菌処理を経て得られる飲料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- 室温以下で飲用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- カリウムを用いて、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミド含有するコーヒー飲料の苦味を低減させる方法。
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