[go: up one dir, main page]

JP2010119386A - ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料 - Google Patents

ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2010119386A
JP2010119386A JP2009241227A JP2009241227A JP2010119386A JP 2010119386 A JP2010119386 A JP 2010119386A JP 2009241227 A JP2009241227 A JP 2009241227A JP 2009241227 A JP2009241227 A JP 2009241227A JP 2010119386 A JP2010119386 A JP 2010119386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coffee
beverage
niacin
niacinamide
potassium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009241227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5371684B2 (ja
Inventor
Masaru Fujiwara
優 藤原
Mari Nakanishi
麻里 中西
Yasuhiro Yamagami
康弘 山上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2009241227A priority Critical patent/JP5371684B2/ja
Publication of JP2010119386A publication Critical patent/JP2010119386A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5371684B2 publication Critical patent/JP5371684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

【課題】焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを多量に含むコーヒー飲料、特にレトルト殺菌処理を経て製造されるコーヒー飲料において、苦味や雑味が抑制された、風味良好なコーヒー飲料を提供すること。
【解決手段】飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料を提供する。ナイアシンは、コーヒー分として含有されることが好ましく、またコーヒー飲料は、トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有するコーヒー飲料に関する。より詳細には、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含むコーヒー飲料で、苦味や雑味が抑制された、風味良好なコーヒー飲料に関する。
ナイアシンは、水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠な必須栄養素である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがあり、欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じることが知られている。また、ナイアシンは、エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素(NAD;ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)としての作用があり、糖質・脂質代謝の治療薬として市販されている。
近年、健康意識の高まりから、日常の飲食品でより多くの栄養素を摂取することが注目されている。ナイアシンは、カツオ、さば、ぶり、いわし、まぐろ、シラス干し、たらこ等の魚類、レバー、鶏ささみ等の肉類、豆類等に多く含まれているが、水溶性であるため、調理の際に煮汁などへ損失してしまう可能性がある。そこで、ナイアシンの前駆物質であるトリゴネリンを多く含むコーヒー豆が注目されている。トリゴネリンは220℃、20分程度の加熱でナイアシンに変化する。コーヒー豆は焙煎、粉砕したものを抽出して飲用されるものであるが、このコーヒー豆の焙煎条件が、トリゴネリンがナイアシンに変化する条件に近く、焙煎コーヒー豆の抽出物、すなわちコーヒー飲料としてナイアシンを摂取するのが好都合なのである。そこで、焙煎コーヒー豆中により多くのニコチン酸(ナイアシン)を多く含有させる焙煎方法も提案されている(特許文献1)。
一方、コーヒー飲料の苦味を低減させる方法として、例えば、α-結合ガラクトオリゴ糖を含有する飲食品の風味改善剤及びこれらが添加された飲食品ならびに飲食品の風味改善方法(特許文献2)や、ヘスペリジン配糖体またはヘスペリジン配糖体とヘスペリジンとの混合物を飲食品に添加する風味の改善方法(特許文献3)などが開発されている。
特開2006−296414号公報 特開2003−250486号公報 特許第3208113号公報(特開平11−318379)
市販の缶コーヒー飲料のナイアシン含量は、通常、飲料100gあたり1.0〜2.0mg程度であり、エスプレッソタイプの苦味の顕著なコーヒー飲料で飲料100gあたり2.0〜2.5mg程度である。また、本発明者らは、ナイアシンとともにNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)、NADP(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・リン酸エステル)に組み込まれ、脱水素酵素の補酵素として広く生体内の酸化還元反応に寄与するナイアシンアミドが、エスプレッソタイプの苦味の顕著なコーヒー飲料に含まれており、その含有量が、飲料100gあたり0.5mg程度であることを確認している。
コーヒー飲料中に多量のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有させるには、コーヒーの焙煎度を高くする必要がある。しかしながら焙煎度を高くすることにより、焙煎香に由来する苦味やナイアシンアミド由来の苦味が顕著となり、飲みにくくなるという問題が生じた。また、さらにこれをレトルト殺菌処理して缶入りコーヒー飲料とした場合には、レトルトによる加熱臭や雑味が顕著になり、或いは焙煎香やナイアシンアミド由来の苦味と相俟って雑味が増強されることになり、コーヒー飲料としての品質が低下するという問題があった。
そして、コーヒー飲料の苦味を低減させることを目的とした既存の方法は、苦味以外の問題、例えば苦味低減の目的で添加したものがコーヒー飲料自体の味に影響を及ぼすという問題があった。特に、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有するコーヒー飲料の焙煎香又はナイアシンアミドに由来する苦味に関しては、苦味自体についても、それを低減する方法についても、何ら示唆されていなかった。
本発明の目的は、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを多量に含むコーヒー飲料、特にレトルト殺菌処理を経て製造されるコーヒー飲料において、苦味や雑味が抑制された、風味良好なコーヒー飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを多量に含有し、焙煎香に由来する苦味の顕著なコーヒー飲料、具体的には焙煎コーヒー豆の抽出物としてのナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上含有するコーヒー飲料及び/又はナイアシンアミドを飲料100gあたり0.5mg以上含有するコーヒー飲料を対象として、その苦味を低減させる方法について鋭意検討を行った。その結果、カリウムが所定濃度になるようにカリウム塩を添加することで、焙煎香に由来する苦味を顕著に低減できることを見出した。カリウム塩は、渋味やえぐ味を有することが知られている成分であり、このカリウム塩を添加することによって、コーヒー飲料の苦味が低減できる一方で、カリウム塩に起因する渋味やえぐ味が感じられないことは、驚くべき知見である。
さらに、コーヒー飲料はレトルト殺菌処理により、加熱臭や雑味を伴って風味(特に後味)が悪くなることが知られている。特に、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有するような、コーヒー固形分の高いコーヒー飲料では、コーヒーの苦味とレトルト殺菌処理による加熱臭や雑味とが相俟って、著しく風味(特に後味)が低下するが、上記所定濃度のカリウム塩を添加したコーヒー飲料では、苦味とともにレトルト殺菌処理による加熱臭や雑味も抑制され、風味の良いレトルトコーヒー飲料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
1)飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料。
2)ナイアシン及び/又はナイアシンアミドが、コーヒー分として含有されるものである、1)に記載のコーヒー飲料。
3)トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含む、1)又は2)に記載のコーヒー飲料。
4)飲料100gあたり100mg以下のクロロゲン酸類を含む、1)〜3)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
5)レトルト殺菌処理を経て得られる飲料である、1)〜4)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
6)室温以下で飲用するための、1)〜5)のいずれか1に記載のコーヒー飲料。
7)カリウムを用いて、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミド含有するコーヒー飲料の苦味を低減させる方法。
本発明によると、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを多量に含有し、苦味や雑味が抑制された、風味良好なコーヒー飲料を得ることができる。本発明のコーヒー飲料は、苦味が顕著となる室温以下の温度で飲用しても風味良好で、著しい苦味や雑味を感じることなく、コーヒーの濃さと後味のすっきり感を味わうことができるので、従来に存在しなかったコーヒー飲料、例えば、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを飲料100gあたり3.0mg以上含有する容器詰コーヒー飲料や焙煎コーヒー豆由来のナイアシンアミドを飲料100gあたり0.6mg以上含有する容器詰コーヒー飲料や、焙煎コーヒー豆由来の可溶性固形分が1.8重量%以上となるような、従来にない濃さを有する容器詰コーヒー飲料を得ることができる。
また、風味良好な本発明のコーヒー飲料は毎日摂取可能なドリンカビリティを有するので、容器詰コーヒー飲料とすることで、長期間に渡り日常的に一定量のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを摂取できる形態となる。この容器詰コーヒー飲料は、栄養素の補給や各種疾病の予防に有用な飲料として利用できる。
(ナイアシン)
本明細書中でいうナイアシン(niacin)とは、下記式(1)
で示されるニコチン酸(nicotinic acid)の別称で、ピリジン−3−カルボン酸やビタミンBとも呼ばれる化合物である。
本発明のコーヒー飲料に含有されるナイアシンは、市販の試薬、純品を添加したものであっても、ナイアシンを含有する食物、例えば焙煎コーヒー豆等の抽出物又はその濃縮物を配合して飲料中に存在するようにしたものであってもよい。コーヒー飲料を製造する際になる原材料となる焙煎コーヒー豆から抽出されることにより、コーヒー飲料に所望する量のナイアシンが含有される場合は、ナイアシンを追加して添加する必要がないので好ましい。その場合は、添加物等を使用することなく、或いはその使用を少量に抑えて、コーヒー飲料を製造できるという利点がある。
コーヒー飲料中に含まれるナイアシンが、焙煎コーヒー豆由来であるか否か(コーヒー飲料中に「コーヒー分として」含まれているか否か)は、コーヒー豆の焙煎が進むと変化する成分(例えば、トリゴネリン含量及びクロロゲン酸類含量は、コーヒー豆の焙煎が進むと少なくなる。)の飲料中の含量を指標に、推定することができる。
コーヒー飲料中のナイアシンの含量は、当業者であれば、例えば後述する実施例に記載のようにHPLCを用いて、適宜測定することができる。
(ナイアシンアミド)
本明細書中でいうナイアシンアミド(niacine amide;別名ニコチン酸アミド(nicotinamide)とは、下記式(2)
で示される。
本発明のコーヒー飲料に含有されるナイアシンアミドは、市販の試薬、純品を添加したものであっても、ナイアシンアミドを含有する食物、例えば焙煎コーヒー豆等の抽出物又はその濃縮物を配合して飲料中に存在するようにしたものであってもよい。コーヒー飲料を製造する際になる原材料となる焙煎コーヒー豆から抽出されることにより、コーヒー飲料に所望する量のナイアシンアミドが含有される場合は、ナイアシンアミドを追加して添加する必要がないので好ましい。その場合は、添加物等を使用することなく、或いはその使用を少量に抑えて、コーヒー飲料を製造できるという利点がある。
コーヒー飲料中に含まれるナイアシンアミドが、焙煎コーヒー豆由来であるか否か(コーヒー飲料中に「コーヒー分として」含まれているか否か)は、コーヒー豆の焙煎が進むと変化する成分(例えば、トリゴネリン含量及びクロロゲン酸類含量は、コーヒー豆の焙煎が進むと少なくなる。)の飲料中の含量を指標に、推定することができる。
コーヒー飲料中のナイアシンの含量は、当業者であれば、例えば後述する実施例に記載のようにHPLCを用いて、適宜測定することができる。
(ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料)
本発明でいう「コーヒー飲料」とは、特別な場合を除き、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されない。本発明でいうコーヒー飲料は、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」及び「コーヒー入り清涼飲料」を含む。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0重量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これも、本発明でいうコーヒー飲料に含まれる。
ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した液も、コーヒー分として挙げられる。
本発明のコーヒー飲料中では、ナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上、好ましくは2.5mg以上、より好ましくは3.0mg以上となるように、配合する。ナイアシンの上限は、ナイアシンの目標摂取量と香味的な観点から、通常、飲料100gあたり10.0mg未満、好ましくは8.0mg未満、好ましくは5.0mg未満程度である。
焙煎コーヒー豆の抽出物として配合されるナイアシン、すなわちコーヒー分に含まれるナイアシンを使用する場合には、上記所定濃度のナイアシンが得られるように、コーヒー豆の焙煎条件や焙煎コーヒー豆の抽出条件を設定してコーヒー飲料を製造すればよい。以下、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを高濃度に含有する本発明のコーヒー飲料の具体的な製造方法を例示する。
焙煎コーヒー豆の原料となるコーヒー豆の種類は、ナイアシンの前駆体であるトリゴネリン(trigonelline)を含むものであれば特に限定されず、その栽培樹種(例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種など)や品種(モカ、ブラジル、コロンビア、グァテマラ、ブルーマウンテン、コナ、マンデリン、キリマンジャロ)等を制限されないが、アラビカ種はトリゴネリン含量が高いことから、原料として用いることが好ましい。
この原料となるコーヒー豆(好ましくはアラビカ種)を焙煎して、コーヒー豆中のトリゴネリンをナイアシンに変化させる。トリゴネリンは、下記の式(3)
で示されるピリジン環を持つアルカロイドの一種で、1−メチルピリジン−1−イウム−3−カルボキシラート、N−メチルニコチン酸、カフェアリンとも呼ばれる化合物であり、熱によりナイアシンに分解する。本発明のコーヒー飲料は、ナイアシンを高濃度に含有することを特徴とするものであり、トリゴネリンが効率的にナイアシンに分解されるように、コーヒー豆の焙煎条件を設定するのが好ましい。具体的には、180〜300℃で1〜60分間(好ましくは10〜40分間)焙煎する方法が挙げられる。180℃以下の温度では、ほとんどナイアシンが生成されず、300℃を超える温度では、コーヒー豆の炭化が進行してコーヒー飲料の味を損なうことがある。このような条件で焙煎コーヒー豆は、色差計で測定されるL値が20以下、好ましくはL値が18以下、より好ましくはL値が16以下である。本発明のコーヒー飲料では、上記のナイアシンを含有する焙煎度の高い深煎り焙煎コーヒー豆1種を原料として用いてもよいが、所望するコーヒー飲料の香味に応じて、味や香りなどの旨味が異なる焙煎コーヒー豆、例えばコーヒー豆の産地や焙煎度等の異なる複数種類をブレンドして用いてもよい。
本発明者らは、上記の条件でコーヒー豆の焙煎を行うと、ナイアシンの他にナイアシンアミドが生成されることを確認した。ナイアシンとナイアシンアミドとを含有するコーヒー飲料は、相加的及び/又は相乗的に生体内の酸化還元反応の補酵素としての作用を発揮すると考えられるので、本発明のコーヒー飲料の好ましい態様の一つである。
ナイアシンアミドは、苦味ビタミンとして知られているものであり、コーヒー飲料中など水に溶解している状態では苦味が顕著に感じられるものである。しかしながら、本発明の特定量のカリウムを用いてコーヒー飲料の苦味を低減させる方法では、ナイアシンアミド由来の苦味も低減することができるので、本発明によると、苦味が抑制され飲みやすい味であり、かつ飲料100gあたり0.5mg以上、好ましくは0.6mg以上、より好ましくは0.7mg以上のナイアシンアミドを含有する、生理活性の高いコーヒー飲料(機能性飲料)を製造することができる。なお、ナイアシンアミドの上限は、香味的な観点から、通常、飲料100gあたり3.0mg未満、好ましくは2.0mg未満、好ましくは1.5mg未満程度である。3.0mg以上のナイアシンアミドが含まれる場合には、カリウムによる苦味抑制作用が十分に発揮されない場合がある。 本発明は、飲料100gあたり2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有する、新規なコーヒー飲料を提供できるものであり、その好ましい態様の一つとして、飲料100gあたり2.0mg以上のナイアシン及び0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料が例示される。
上記のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有する焙煎コーヒー豆を常法により抽出して、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有するコーヒー抽出液を得る。通常、粉砕されたコーヒー豆を用いるが、粉砕の度合(通常、粗挽き、中挽き、細挽き、中細挽きなど)についても特に限定されず、各種の粒度分布の粉砕豆を用いることができる。
ナイアシン及び/又はナイアシンアミドは水溶性であり、熱に強い成分であることから、焙煎コーヒー豆からは、50〜130℃(好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜95℃)程度の高温水を用いて抽出することが、抽出効率の観点から好ましい。抽出装置としては、ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、連続式等、いずれの装置を用いてもよいが、なかでもドリップ式で行うことが好ましい。ここでいうドリップ式とは、流下式抽出であり、原料(焙煎して粉砕したコーヒー豆)の層に温水をシャワー、流下して原料中を通過させる抽出方法である。ドリップ式抽出では、コーヒー豆は、通常、金属製のメッシュの上に置かれるが、金属メッシュでなくとも、布やペーパーなど、コーヒー豆層を支え、コーヒー豆層から抽出液が分離できるものであれば特に限定されない。なお、抽出装置内を密閉にして、圧力をかけて抽出を行ってもよい。上記ドリップ式の抽出では、通常、コーヒー豆粉砕物1重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは7〜10重量部の温水を加水、流下してコーヒーを抽出する。抽出時間は、抽出装置の種類・大きさ等により異なるが、通常、15〜50分、好ましくは20〜40分程度である。
なお、抽出時において、コーヒーの香気成分が酸化を受けやすいものであることを考慮し、抽出は不活性気体中にて行ってもよい。また、工業的な抽出装置全体を不活性気体にてパージしてもよく、一旦装置全体を減圧して酸素を除去しその後不活性気体にて常圧にする方法を行ってもかまわない。
本発明のコーヒー飲料のコーヒー分としては、上記のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有するコーヒー抽出液1種を単独で用いてもよいし、所望する香味に応じて原料や抽出方法の異なるコーヒー豆(好ましくば焙煎コーヒー豆)の抽出液(濃縮液を含む)やインスタントコーヒー(焙煎コーヒー豆の抽出液を粉末状にしたもの)を複数種類混合して使用することもできるが、クロロゲン酸類及び/又はトリゴネリンは、独特の渋味やえぐ味を有し、後述するカリウムによる苦味抑制効果を阻害する場合がある。したがって、このような観点からは、本発明のコーヒー飲料では、原料となるコーヒー分中のクロロゲン酸類含量及び/又はトリゴネリンを所定濃度以下に制御することが好ましい。
(クロロゲン酸類)
本発明で、コーヒー飲料中のクロロゲン酸類の含量をいうときは、モノカフェオイルキナ酸成分(3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸)、フェルラキナ酸成分(3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸)及びジカフェオイルキナ酸成分(3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸)の三種の合計を意味する。
クロロゲン酸類の独特の苦味は、コーヒー本来の香味形成に大きく影響しているため、コーヒー分から完全に削除してしまうと、コーヒー本来の香味が損なわれてしまう。したがって、本発明のコーヒー飲料中のクロロゲン酸類含量は、飲料100gあたり100mg以下、好ましくは80mg以下、より好ましくは60mg以下である。クロロゲン酸類の下限値は、コーヒー飲料の所望する香味によって適宜選択されるが、通常、飲料100gあたり10mg以上、好ましくは20mg以上、より好ましくは30mg以上程度である。クロロゲン酸類含量が飲料100gあたり100mgを超えると、クロロゲン酸類の苦味が強すぎて、後述するカリウム塩でその苦味を抑制できず、香味の観点から飲料として適切でない。なお、コーヒー飲料中のクロロゲン酸類の含量は、当業者であれば、例えばHPLCを用いて、適宜測定することができる。
(トリゴネリン)
また、トリゴネリンのえぐ味や苦味は、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有する本発明のコーヒー飲料における苦味抑制の観点からマイナス効果であり、トリゴネリンの含有量が多くなるに従い、コーヒー飲料の苦味は増大する。したがって、本発明のコーヒー飲料中のトリゴネリン含量は、飲料100gあたり20mg以下、好ましくは15mg以下であり、トリゴネリンを含まない(0mg)の場合も含まれる。なお、コーヒー飲料中のトリゴネリンの含量は、当業者であれば、例えばHPLCを用いて、適宜測定することができる。
(コーヒー固形分)
本発明のコーヒー飲料では、ナイアシンを所定濃度(飲料100gあたり2.0mg以上、好ましくは2.5mg以上、より好ましくは3.0mg以上)及び/又はナイアシンアミドを所定濃度(飲料100gあたり0.5mg以上、好ましくは0.6mg以上、より好ましくは0.7mg以上)含むように配合するが、このナイアシン及び/又はナイアシンアミドをコーヒー分由来とする場合、このコーヒー飲料は、コーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて1.3重量%以上、好ましくは1.5重量%以上、より好ましくは1.8重量%以上となるような、コーヒー固形分が高い飲料である。ここで、コーヒー固形分とは、コーヒー豆由来の可溶性固形分を表し、コーヒー飲料に含まれ得る可溶性固形分のうち、甘味成分、乳成分、pH調整剤、香料等のコーヒー豆に由来しない成分を除いた固形分で、コーヒー抽出液中のコーヒー固形分は糖度計を用いてBrix(%)を測定することにより求められる。
本発明のコーヒー飲料の好ましい態様の一つとして、コーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて1.8〜2.2重量%、飲料100gあたりナイアシンを3.0mg以上或いは飲料100gあたりナイアシンアミドを0.6mg以上含有する含有するコーヒー飲料が例示される。
(カリウム)
本発明においては、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有するコーヒー分に、所定濃度のカリウムを含有させることにより、コーヒー分由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度に含有するコーヒー飲料の苦味を抑制し、ドリンカビリティを高めることができる。カリウムは、カリウム塩として添加することができる。本発明でコーヒー飲料中のカリウムに関し、濃度又は含量を表示するときは、特別な場合を除き、カリウムがどのような形態で添加され、また存在するかに関わらず、カリウムとして換算又は測定した値をいう。本発明においては、カリウムとしてコーヒー飲料100gあたり90mg以上、好ましくは100mg以上、さらに好ましくは120mg以上となるように配合することができ、また250mg以下で、例えば200mg以下で配合することができる。より具体的には、120〜250mg、好ましくは130〜250mg、より好ましくは140〜250mg、特に好ましくは150〜250mgとなるように配合することができる。カリウムは、焙煎コーヒー豆から抽出されるカリウム、コーヒー飲料に通常配合される甘味料、乳成分、pH調整剤等に含まれるカリウムで所定の濃度になるように調整することができるが、調整の容易さからはカリウム塩を添加することが好ましい。カリウム塩としては、炭酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸三カリウム、水酸化カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、コハク酸カリウム、リンゴ酸カリウム等が挙げられるが、香味の観点から、特に炭酸カリウム及び/又は水酸化カリウムを用いることが好ましい。炭酸カリウムを用いて所定の濃度となるようにカリウムを調整する場合、用いる焙煎コーヒー豆やコーヒー飲料に配合されるその他成分の種類や量によるが、通常、炭酸カリウムの配合量は、0.05〜0.20重量%、好ましくは0.10〜0.18重量%程度である。0.20重量%を超えるとカリウムのえぐ味がコーヒー飲料自体の味に影響を及ぼすことがある。なお、コーヒー飲料中のカリウム含量は、当業者であれば、例えばICP発光分光分析装置を用いて、適宜測定することができる。
本発明においては、カリウムにより、焙煎コーヒー豆由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを多量に含有し、苦味及び/又は雑味が抑制された、風味良好なコーヒー飲料を得ることができる。カリウムの存在は、特に、苦味が顕著となる室温(25℃)以下の温度での飲用を風味良好とする。
コーヒー飲料の苦味、雑味(渋み、えぐみ等のコーヒーにおいて望ましくない味の総称)は、適切な温度である試験コーヒー飲料を、専門パネラーにより官能的に評価することにより実施することができる。苦味及び雑味は、具体的には、口に含んだときに感じられる苦味の強さ(苦味のアタックの強さ)、飲用後の苦味(後口の苦味の強さ)及び飲用後の雑味(後口の雑味の強さ)について、必要であればカリウムを含有しないか、又は低い量で含有する対照との比較により、評価してもよい。
(他の成分)
本発明のコーヒー飲料は、所定濃度のナイアシン及び/又はナイアシンアミドとカリウム塩(カリウム)とを含有するものであるが、さらに所定濃度の乳たんぱく質を含有させることが好ましい。乳たんぱく質を配合することにより、カリウムの苦味抑制効果を増大させることができる。乳たんぱく質は、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム等から選択される1種又は2種以上を用いて、飲料全体に対する乳たんぱく質量が0.3〜0.6重量%、好ましくは0.4〜0.5重量%となるように配合するのがよい。
本発明のコーヒー飲料には、上述の成分の他、コーヒー飲料に通常配合される成分、例えば、糖類(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖等)、オリゴ糖類、及び糖アルコール類のような糖質甘味料、あるいは天然非糖質甘味料(ステビア抽出物、カンゾウ抽出物等)や合成非糖質甘味料(スクラロース、アセスルファムK等)のような高甘味度甘味料などの甘味料、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、沈殿物や凝集物の発生抑制を目的とした各種乳化剤・安定剤、香料等を配合することができる。
さらに、本発明者らは、コーヒー分由来のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを高濃度含むコーヒー飲料において、pHが低いとレトルト殺菌に伴う加熱臭や雑味による後口の苦味・雑味が顕著になることを見出した。したがって、カリウム塩(カリウム)の後味改善作用を阻害しないように、コーヒー飲料のpHを調整することが望ましい。レトルト殺菌処理を経て製造される本発明のコーヒー飲料の好ましいpHは、pH5.4〜8.0、より好ましくはpH5.4〜7.5程度である。
高濃度のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを所定量含有する本発明のコーヒー飲料は、容器詰飲料とすることで、長期間に渡り日常的に一定量のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを摂取できる形態となり、栄養素の補給や各種疾病の予防に有用な飲料として利用できる。容器詰飲料の製造方法は、常法により製造される。具体的には、ナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有する焙煎コーヒー豆を粉砕し、この粉砕コーヒー豆から所定濃度のナイアシン及び/又はナイアシンアミドを含有するコーヒー抽出液を得る工程、コーヒー抽出液に、カリウム濃度が所定濃度となるようにカリウムの含まれる甘味料、乳成分、pH調整剤、及びカリウム塩等のうちの少なくとも1種を添加して調合液を得る工程、調合液を殺菌して容器に充填する、又は容器に充填した後に加熱殺菌する工程、を含む方法である。殺菌条件は、用いる容器等によって適宜設定すればよい。例えば缶飲料とする場合には、上記調合液を缶に所定量充填し、レトルト殺菌(例えば、120〜125℃で5〜20分間程度)を行い、ペットボトルや紙パック、瓶飲料とする場合には、例えば130〜145℃で2〜120秒間程度保持するUHT殺菌等を行い、所定量をホットパック充填或いは低温で無菌充填する。なお、容器としては、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。レトルト殺菌は、コーヒー飲料にとって過酷な加熱を伴う殺菌であり、特にコーヒー固形分が高いコーヒー飲料においては、レトルトによる加熱臭や雑味が顕著になりコーヒー飲料としての品質が低下する、コーヒー分由来の苦味と相俟って飲みにくくドリンカビリティに欠けるという問題があるが、本発明の所定濃度のカリウム塩(カリウム)を含有する苦味が抑制されたコーヒー飲料は、コーヒー固形分が高くても、コーヒー飲料本来の香味を保持しつつ、すなわちコーヒー感を強く維持しながら、コーヒー分由来の苦味とレトルトによる加熱臭や雑味とを抑制するという利点を有するものである。
以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中のコーヒー飲料に含有される各種成分は、次の方法で求めた。
(1)ナイアシン、ナイアシンアミド、トリゴネリン、クロロゲン酸類
ナイアシン、ナイアシンアミド、トリゴネリン、クロロゲン酸類は、試料となるコーヒー飲料を移動相Aで10倍希釈(w/w)した後、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過し、HPLCに注入して定量した。リテンションタイムは、ナイアシン:3.7分、ナイアシンアミド:3.5分、トリゴネリン:2.7分であり、クロロゲン酸類は、15.3分、18.9分、20.7分、30.3分、31.3分、32.3分、44.1分、44.8分、46.3分であり、クロロゲン酸類はリテンションタイムのピーク面積の和より求めた。HPLCの測定条件は以下のとおり。
(測定条件)
・カラム:TSK-gel ODS-80TsQA(4.6mmφx150mm、東ソー株式会社)
・移動相:A:水:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
B:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
・流速:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・グラディエント条件;分析開始から5分後まではA液100%保持、
5分から10分まででB液7.5%、
10分から20分まででB液10.5%、
20分から32分までB液10.5%保持、
32分から45分までB液26.3%、
45分から46分までB液75.0%、
46分から51分までB液75.0%保持、
51分から52分まででB液0%
52分から58分までB液0%保持
・注入量:5.0μL
・検出波長:ナイアシン(254nm)、ナイアシンアミド(254nm)、トリゴネリン(254nm)、クロロゲン酸類(325nm)
・標準物質:ナイアシン(ナカライテスク株式会社)、ナイアシンアミド(和光純薬工業株式会社)、トリゴネリン塩酸塩(東京化成工業株式会社)、クロロゲン酸0.5水和物(ナカライテスク株式会社)。
(2)カリウム
試料となるコーヒー飲料を蒸留水で500倍に希釈し、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過した精製液を、ICP発光分光分析装置(バリアン社製、Viata AX)に供した。
実施例1.ナイアシン含有コーヒー飲料(1)
焙煎コーヒー豆(L値15.5)(アラビカ種)を粉砕機(日本グラニュレーター社製)で粉砕(粉砕の程度:中細挽き)、し、94℃の熱水でドリップ抽出を行い、Brix4.0(%)のコーヒー抽出液(焙煎コーヒー豆の抽出物)を得た。このコーヒー抽出液を、表1に示す処方で配合し、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品1〜5)、カリウム塩無添加のコーヒー飲料(比較例1)、水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行ったコーヒー飲料(比較例2)の計7種類のコーヒー飲料(全量1kg)を製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて1.34重量%であった。これらコーヒー飲料(7種類)のナイアシン、ナイアシンアミド及びトリゴネリンの含量を測定した(殺菌なし)。次に、これらコーヒー飲料(7種類)をコーヒー飲料190gを缶に充填し、レトルト殺菌(125℃、5分程度)を行って、容器詰めコーヒー飲料を得た(殺菌あり)。これら殺菌あり飲料を5℃で冷蔵した後、ナイアシン、ナイアシンアミド、トリゴネリン含量と、クロロゲン酸類及びカリウム含量を分析した。表1に、分析結果を示す。ナイアシン、ナイアシンアミド及びトリゴネリンは熱に強く、殺菌前後でほとんど変化がない成分であることがわかった。
次に、専門パネラー3名による官能評価を行った。官能評価は、飲用時の苦味(コーヒー飲料を口に含んだときに感じられる苦味の強さ;苦味のアタックの強さ)と、飲用後の苦味(後口の苦味の強さ)及び飲用後の雑味(後口の雑味の強さ)について、レトルト加熱殺菌前の比較例2を対照として、専門パネラーの合議により7段階で評価した。また、コーヒー飲料190gを缶に充填し、レトルト殺菌(125℃、5分程度)を行って、容器詰コーヒー飲料を得、5℃で冷蔵した後、専門パネラーで後味の苦味の強さについて官能評価した。
表1に、評価結果を示す。調合時(未殺菌)pHが5.6未満である比較例1は、比較例2に比べて後口の雑味が強かった。これより、調合時のpHは5.6以上にすることが好ましいことが示唆された。調合時のpHが5.6以上である比較例2(未殺菌)と本発明品1(未殺菌)とを比較すると、炭酸カリウムを用いて飲料100gあたりカリウムを約120mg含有する本発明品1は、飲用時の苦味、飲用後の苦味、雑味の点において、大きく改善されていた。一方、炭酸カリウムを用いて飲料100gあたりのカリウムを約92mg含有する比較例3(未殺菌)では、飲用時及び飲用後のいずれにおいても改善の効果はみられなかった。また、飲料の総重量に基づいて乳たんぱく質が0.38重量%となるようにクリームを配合した本発明品2は、本発明品1と比較して、飲用時の苦味、後口の苦味及び雑味の点において改善されていた。
以上より、コーヒー分由来のナイアシンを2.0mg/100g以上及びナイアシンアミドを0.5mg/100g以上含有するコーヒーに、カリウム塩をカリウムとして120mg/100g以上含有させることで飲用時の苦味および後口の苦味及び雑味を改善できることが示唆された。また、乳たんぱく質を併用すると苦味低減に効果的であることがわかった。乳たんぱく質は0.4重量%程度で効果があった。
表1より明らかなとおり、レトルト殺菌によりコーヒー飲料のpHが低下し、またレトルト殺菌により加熱臭・雑味(苦味)が発生し、後口の苦味・雑味が顕著となった(比較例1〜3)。一方、飲料100gあたりカリウムを約120mg含有する本発明品1,2は、カリウム塩の添加により、レトルト殺菌による苦味や雑味を低減できており、容器詰めコーヒー飲料として品質の良いものであった。
実施例2.ナイアシン含有コーヒー飲料(2)
表2に示すように、コーヒー抽出液の配合量を506g/kgとする以外は、実施例1と同様にして、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品3〜7)、カリウム塩無添加のコーヒー飲料(比較例4)、水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行ったコーヒー飲料(比較例5)の計7種類のコーヒー飲料(全量1kg)と、これを190g缶に充填して殺菌した容器詰めコーヒー飲料とを製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて2.02重量%であった。実施例1と同様に、各成分の分析を行うとともに官能評価を行った。
結果を、表2に示す。調合時pHが5.6以上に調整された比較例2と、所定濃度のカリウムを含むコーヒー飲料(本発明品3〜7)とを比較すると、炭酸カリウムを用いて飲料100gあたりカリウムを約130mg含有する本発明品3は、飲用後の苦味、後味の雑味が低減されていた。炭酸カリウムの代わりに水酸化カリウムを用いて飲料100gあたりカリウムを約130mg含有する本発明品5は、飲用時の苦味、飲用後の苦味、雑味の点において大きく改善されていた。炭酸カリウムの添加量を変えたコーヒー飲料、すなわち飲料100gあたりのカリウムを131mg、154mg、194mgとした本発明品3,4,7を比較すると、配合量が多くなるにつれ飲用時の苦味、後口の苦味及び雑味が低減された。後口の苦味及び雑味も配合量が多くなるにつれナイアシンを約3.0mg/100g、ナイアシンアミドを約0.6mg/100gと高濃度に含むコーヒー飲料においても、所定濃度のカリウムを含むコーヒー飲料(本発明品6〜10)では、飲用時及び飲用後における苦味や雑味の改善作用が確認された。また、飲料の総重量に基づいて乳たんぱく質が0.38重量%となるようにクリームを配合した本発明品6は、本発明品4と比較して、飲用時の苦味、後口の苦味及び雑味の点において改善されていた。
表2より明らかなとおり、レトルト殺菌によりコーヒー飲料のpHが低下し、またレトルト殺菌により加熱臭・雑味(苦味)が発生し、後口の苦味・雑味が顕著となった(比較例4,5)。一方、飲料100gあたりカリウムを120mg以上含有する本発明品3〜7は、カリウム塩の添加により、レトルト殺菌による苦味や雑味を低減できており、容器詰めコーヒー飲料として品質の良いものであった。
実施例3.ナイアシン含有コーヒー飲料(3)
表3に示すように、コーヒー抽出液の配合量を671g/kgとする以外は、実施例1と同様にして、カリウム塩として炭酸カリウム又は水酸化カリウムを配合したコーヒー飲料(本発明品8,9)のコーヒー飲料(全量1kg)と、これを190g缶に充填して殺菌した容器詰めコーヒー飲料とを製造した。コーヒー飲料は、いずれもコーヒー固形分が飲料の総重量に基づいて2.68重量%であった。実施例1と同様に、各成分の分析を行うとともに官能評価を行った。
結果を、表3に示す。コーヒー分由来のナイアシン及びナイアシンアミドを高濃度に含有する、コーヒー固形分が2.68重量%と著しく濃いコーヒー飲料においても、所定濃度のカリウムを含有させることで、飲用時及び飲用後の苦味や雑味が適度(良好)であり、ドリンカビリティを有する飲料であった。

Claims (7)

  1. 飲料100gあたり、2.0mg以上のナイアシン及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミドと、120mg以上のカリウムとを含有するコーヒー飲料。
  2. ナイアシン及び/又はナイアシンアミドが、コーヒー分として含有されるものである、請求項1に記載のコーヒー飲料。
  3. トリゴネリンを含まないか、飲料100gあたり20mg以下のトリゴネリンを含む、請求項1又は2に記載のコーヒー飲料。
  4. 飲料100gあたり100mg以下のクロロゲン酸類を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  5. レトルト殺菌処理を経て得られる飲料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  6. 室温以下で飲用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  7. カリウムを用いて、焙煎コーヒー豆由来のナイアシンを飲料100gあたり2.0mg以上及び/又は0.5mg以上のナイアシンアミド含有するコーヒー飲料の苦味を低減させる方法。
JP2009241227A 2008-10-20 2009-10-20 ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料 Active JP5371684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009241227A JP5371684B2 (ja) 2008-10-20 2009-10-20 ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008269626 2008-10-20
JP2008269626 2008-10-20
JP2009241227A JP5371684B2 (ja) 2008-10-20 2009-10-20 ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010119386A true JP2010119386A (ja) 2010-06-03
JP5371684B2 JP5371684B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=42321287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009241227A Active JP5371684B2 (ja) 2008-10-20 2009-10-20 ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5371684B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107307157A (zh) * 2016-04-27 2017-11-03 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 一种含有咖啡生豆萃取物的饮料及其制备方法
WO2017209022A1 (ja) 2016-05-31 2017-12-07 サントリーホールディングス株式会社 カフェイン及びシクロアラニルアラニンを含有する組成物
JP2018033428A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 キリンビバレッジ株式会社 香味を保持しつつ、ナトリウムによるぬめり・塩味が抑制された容器詰コーヒー含有飲料の製造方法
JP2019187430A (ja) * 2014-07-07 2019-10-31 サントリーホールディングス株式会社 乳糖を含有するコーヒー飲料

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350078A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 飲料供給装置、および清浄度測定方法
JP2006288388A (ja) * 2005-03-16 2006-10-26 Kao Corp 容器詰コーヒー飲料

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350078A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 飲料供給装置、および清浄度測定方法
JP2006288388A (ja) * 2005-03-16 2006-10-26 Kao Corp 容器詰コーヒー飲料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019187430A (ja) * 2014-07-07 2019-10-31 サントリーホールディングス株式会社 乳糖を含有するコーヒー飲料
CN107307157A (zh) * 2016-04-27 2017-11-03 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 一种含有咖啡生豆萃取物的饮料及其制备方法
CN107307157B (zh) * 2016-04-27 2021-12-24 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 一种含有咖啡生豆萃取物的饮料及其制备方法
WO2017209022A1 (ja) 2016-05-31 2017-12-07 サントリーホールディングス株式会社 カフェイン及びシクロアラニルアラニンを含有する組成物
JP2018033428A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 キリンビバレッジ株式会社 香味を保持しつつ、ナトリウムによるぬめり・塩味が抑制された容器詰コーヒー含有飲料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5371684B2 (ja) 2013-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5576653B2 (ja) 環状ジペプチド含有飲料
JP7179704B2 (ja) フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料
JP5155435B2 (ja) 焙煎コーヒー豆抽出物の製造方法
JP5877063B2 (ja) コーヒー抽出液
JP5357312B1 (ja) コーヒー飲料
JP5371684B2 (ja) ナイアシン及び/又はナイアシンアミド含有コーヒー飲料
JP6392966B1 (ja) フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料
JP4653654B2 (ja) コーヒー飲料
JP5561913B2 (ja) コーヒー製品
WO2023162633A1 (ja) ピリジンを含有する容器詰めコーヒー飲料
JP2008094759A (ja) クロロゲン酸類組成物の製造方法
JP2017163864A (ja) 容器詰め濃縮コーヒー飲料
JP6627005B1 (ja) 容器詰コーヒー飲料
JP2009065891A (ja) 容器詰コーヒー飲料
EP3997984B1 (en) Low-caffeine coffee concentrate
JP7150691B2 (ja) コーヒー飲料の香味改善方法
JP2012100619A (ja) 弱酸性ブラックコーヒー飲料
JP6785099B2 (ja) 香味を保持しつつ、ナトリウムによるぬめり・塩味が抑制された容器詰コーヒー含有飲料の製造方法
JP2017099291A (ja) 容器詰飲料
JP2022136741A (ja) コーヒー風味飲料及びその製造方法
HK40068649A (en) Low-caffeine coffee concentrate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121019

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5371684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250