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JP2010112347A - 直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストン - Google Patents

直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストン Download PDF

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Keiichi Okude
圭一 奥出
Shiro Shiino
始郎 椎野
Takuya Kitasei
琢也 北清
Junichi Yamada
純一 山田
Yusuke Matsumoto
祐介 松本
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Abstract

【課題】本発明は、燃焼室の容積をできる限り維持しつつ、膨張行程でスキッシュエリアへ十分な酸素を供給できる直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンを提供する。
【解決手段】ピストン1は、噴孔Hから噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルNに対応した燃焼室10を頂部1aに有した直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンである。このピストン1は、燃焼室10よりも外側の頂部1aに燃焼室10と独立して凹設された環状溝20を有する。環状溝20の容積は、燃焼室10および環状溝20を足し合わせた容積の10%以下にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、頂部に設けられた燃焼室の外周部に改良を施してスモークの発生を低下させる、直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンに関する。
頂部に燃焼室が凹設されたディーゼル内燃機関用のピストンが特許文献1に開示されている。このピストンは、燃焼室の外周を囲う環状溝を有している。そして、膨張行程においてシリンダヘッドとピストンの頂部との隙間(スキッシュエリア)に環状溝から空気を供給することによって、燃焼効率を改善している。このとき、排気中のNOx濃度を低下させるために、燃料の噴射時期を遅延させても、燃焼効率が低下しないことを開示している。
特開昭57−181926号公報
しかしながら、燃焼室の外周に環状溝を設けると、燃焼室の圧縮比が低下してしまう。そのため、圧縮比を維持するためには、環状溝を設けた分だけ燃焼室の容積を縮小する必要がある。しかし、燃焼室の容積を縮小すると、燃焼室内の空気が不足して燃焼条件が悪くなるため、燃焼室での燃焼効率が低下する。また、圧縮行程で噴射された燃料噴霧が環状溝内に侵入すると、環状溝に確保した空気中の酸素が燃焼初期で消費されてしまう。したがって、環状溝を単に設ければよいというものでもない。
そこで、本発明は、燃焼室の容積をできる限り維持しつつ、膨張行程でスキッシュエリアへ十分な酸素を供給できる直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンを提供する。
本発明に係るピストンは、噴孔から噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルに対応した燃焼室を頂部に有した直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンである。このピストンは、燃焼室よりも外側の頂部に燃焼室と独立して凹設された環状溝を有する。環状溝の容積は、燃焼室および環状溝を足し合わせた容積の10%以下、好ましくは、1〜7%にする。また、環状溝の内周側の側壁が頂面に対して成す角度は、鋭角にする。または、このピストンの半径方向に環状溝の開口幅は、環状溝の底壁の幅よりも小さくする。または、このピストンの半径方向に前記環状溝の開口幅は、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の1/3以下にすることも好ましい。または、このピストンの半径方向に環状溝の開口幅の中心は、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の半分の位置よりも燃焼室寄りに設ける。
本発明のピストンによれば、環状溝の容積を、燃焼室および環状溝を足し合わせた容積の10%以下にすることで、一回の燃焼で発生する煤の量を増やすことなく、スキッシュエリアで発生する煤の量を減らすことができる。また、環状溝の容積を、燃焼室および環状溝を足し合わせた容積の1〜7%にすると、全体で発生する煤の量を減らすことができ、かつ、スキッシュエリアで発生する煤の量も減らすことができる。
環状溝の内周側の側壁が頂面に対して成す角度を鋭角にしたピストンの場合、圧縮行程中に燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧がスキッシュエリアに拡散されても環状溝に侵入しにくい。環状溝に十分な酸素を有した空気を溜めておくことができるため、膨張行程でスキッシュエリアへ十分な酸素を供給することができる。その結果、スキッシュエリアの燃焼効率が向上し、スモークの発生量が少なくなる。
ピストンの半径方向に環状溝の開口幅を、環状溝の底壁の幅よりも小さくした、あるいは、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の1/3以下にしたピストンの場合、環状溝内に空気を保持しやすい。環状溝の開口幅の中心を燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の半分の位置よりも燃焼室寄りにしたピストンの場合、膨張行程でスキッシュエリアに吸い出される燃焼ガスに対して早い段階で環状溝から空気を供給することができる。その結果、燃焼ガスがスキッシュエリアに拡がる前に可燃性の中間生成物(CO,HC,シアン等)やスモーク成分(C)を燃焼させることができるため、煤の発生量を抑えることができる。
本発明に係る第1の実施形態のピストン1は、直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンであって、図1から図3を参照して説明する。図1に示すように、ピストン1は、頂部1aに燃焼室10および環状溝20を有している。燃焼室10は、噴孔Hから噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルNに対応した形状である。環状溝20は、燃焼室10よりも外側の位置にこの燃焼室10と独立して凹設されている。
燃料噴射ノズルNは、図1に示すように、ピストン1の中心線Cと同軸に配置されており、燃料を半径方向へ噴射する複数の噴孔H、本実施形態では6つの噴孔Hを先端の周囲に等配に有している。燃焼室10の周壁11は、この燃料噴射ノズルNの各噴孔Hから噴射された燃料がその勢いで霧化する距離に設けられている。周壁11の上側部分は、ピストン1の頂面Tに対して鋭角を成す。つまり、燃焼室10は、いわゆるリエントラント形の燃焼室10である。燃焼室10の底壁12は、中央部分が燃料噴射ノズルNに向かって突出する円錐形状であり、ピストン1の中心線Cを通る断面において周壁11となだらかな円弧形状で接続されている。
環状溝20は、燃焼室10および燃料噴射ノズルNと同様にピストン1の中心線Cと同軸に配置されている。ピストン1の半径方向にこの環状溝20の開口幅Wは、燃焼室10の外周縁13からピストン1の頂部1aの外周までの距離、いわゆるスキッシュエリア14の幅の1/3以下である。また、環状溝20の開口幅Wの中心Kは、スキッシュエリア14の幅の半分の位置Lよりも燃焼室10寄りになるように設けられる。
本実施形態の燃焼室10と同じ形状の燃焼室のみを頂部1aに有し環状溝20が形成されていないピストン1の場合、燃料噴射ノズルNから噴射された燃料のうち約90%が燃焼室10で燃焼し、残りの約10%がピストン1の頂面Tとシリンダヘッド2の下面2aとの間に作られるスキッシュエリア14で燃焼することが解析などによって判明した。したがって、スキッシュエリア14で必要となる空気量もまた燃焼室10を足し合わせた全体の空気量の10%であると見積もると、環状溝20に確保すべき空気量は、多くとも10%であることが分かる。そこで、本実施形態では、環状溝20の容積は、燃焼室10および環状溝20を足し合わせた総容積の10%以下にしている。
以上のように構成されたピストン1において、圧縮行程で燃料噴射ノズルNから燃料が噴射されると、図1に示すように、霧化した燃料噴霧Mのほとんどは、燃焼室10の周壁11によって燃焼室10の中心側に戻るように拡散される。そして、燃料噴霧Mの一部は、燃焼室10の外周縁13を越えて外側のスキッシュエリア14に拡散される。
ピストン1は、燃料噴射ノズルNから噴射された燃料のうちスキッシュエリア14で燃焼される燃料に見合った酸素量を含む空気を環状溝20に確保しているので、スキッシュエリア14に発生する煤量を減らすことができる。また、必要以上に環状溝20を大きくしていないので、燃焼室10の容積を極端に減らすことも無い。
燃焼室10と環状溝20を足し合わせた総容積に対する環状溝20の容積の割合と、燃焼室10に発生する煤量A1、および、スキッシュエリア14に発生する煤量A2の関係を図3に示す。また、図3には煤量A1と煤量A2を足し合わせたものを一回の燃焼でシリンダ3内に発生する総煤量A3として示した。
図3によれば、スキッシュエリア14で燃焼される燃料噴霧Mの量に相当する容積比率である総容積の10%に環状溝20の容積を近づけることで、スキッシュエリア14に発生する煤量A2がゼロに近づくことが分かる。これとは反対に環状溝20の容積比率が大きくなる、すなわち燃焼室10の容積比率が小さくなると、燃焼室10内に発生する煤量A1が増加することが分かる。
そして、一回の燃焼でシリンダ3内に発生する総煤量A3として評価した場合、総容積に対して環状溝20の容積比率が3〜4%で最も総煤量A3が少なくなっている。特に、総容積に対して環状溝20の容積比率が1〜7%の範囲である場合に、環状溝20を設けたことによる総煤量A3の減量効果が現れている。なお、スキッシュエリア14に発生する煤量A2は、ピストンリング4の固着や潤滑オイルの劣化などの原因になるので、極力少ないほうが良い。このことを考慮すると、総容積に対する環状溝20の容積比率は、4〜7%であることが好ましいと考えられる。
以下、ピストン1の半径方向に環状溝20の断面形状が異なる本発明に係る第2から第6の実施形態のピストン1は、それぞれ図4から図8を参照して説明する。各実施形態において、環状溝20の断面形状以外は、第1の実施形態のピストン1と同じであるので、同じ機能を有する構成は、各図中において同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明に係る第2の実施形態のピストン1は、図4を参照して説明する。ピストン1の中心線Cを通る断面において、この実施形態のピストン1は、環状溝20の断面形状が第1の実施形態のピストン1と異なっている。このピストン1の環状溝20において、内周側の側壁21がピストン1の頂面Tに対して成す角度αは、鋭角である。また、環状溝20の外周側の側壁22は、頂面Tに対して直角に設けられている。したがって、ピストン1の半径方向に環状溝20の開口幅Wは、環状溝20の底壁23の幅よりも小さい。
内周側の側壁21がピストン1の頂面Tに対してなす角度αを鋭角に設けた環状溝20を有するピストン1は、圧縮行程において、燃料噴霧Mの一部がスキッシュエリア14に拡がったとしても、燃料噴霧Mが環状溝20内に侵入しにくい。つまり、膨張行程まで環状溝20内に空気が確保されやすい。したがって、燃焼室10と環状溝20を足し合わせた総容積に対して環状溝20の容積比率を小さ目に設定しても、スキッシュエリア14で燃焼される燃料比率に応じた酸素量に必要な空気を環状溝20に確保しておくことができる。その結果、燃焼室10の容積比率を大きいままに維持できるので、燃焼室10内に発生する煤量A1も少なくなる。
本発明に係る第3の実施形態のピストン1は、図5を参照して説明する。この実施形態におけるピストン1の環状溝20は、内周側の側壁21および外周側の側壁22の両方ともがピストン1の頂面Tに対して鋭角に設けられている。上記構成を有したピストン1は、第2の実施形態と同様に圧縮行程中に噴霧された燃料噴霧Mが環状溝20に入りにくい。燃焼後期の膨張行程において、未燃燃料、燃焼ガス中の可燃性中間生成物、スモーク成分などに対して環状溝20から空気を供給し、燃焼を促進させることができる。したがって、他の実施形態と同様にスキッシュエリア14において発生する煤量A2が減る。
本発明に係る第4の実施形態のピストンは、図6を参照して説明する。この実施形態におけるピストン1の環状溝20は、内周側の側壁21がピストン1の頂面Tに対して鋭角を成し、外周側の側壁22がピストン1の頂面Tに対して鈍角を成している。内周側の側壁21と外周側の側壁22は、下端で接合されている。つまり、この環状溝20の断面形状は、図6に示すようにV字形である。この環状溝20を有したピストン1は、先の実施形態のピストン1と同様に、燃料噴霧Mがスキッシュエリア14に拡散されても、空気を環状溝20に確保しやすい。
本発明に係る第5の実施形態のピストン1は、図7を参照して説明する。この実施形態におけるピストン1の環状溝20は、底壁23が図7に示すように丸く形成されている。側壁21,22と底壁23との接合部にコーナ部が作られないため、環状溝20に取り込まれた空気を膨張行程でよどみなく排出することができる。
本発明に係る第6の実施形態のピストン1は、図8を参照して説明する。この実施形態におけるピストン1の環状溝20は、ピストン1の中心線Cに対して同心円状に複数、本実施形態では3重に形成されている。燃焼室10寄りに設けられた環状溝20が最もその容積が大きく、外周側の環状溝20になるにつれて容積が小さくなるように形成されている。また、各々の環状溝20の容積および開口位置も加味した場合の環状溝20の全開口幅の中心Kは、スキッシュエリア14の幅の半分の位置Lよりも燃焼室10寄りである。
このように環状溝20を分散して設けることで、それぞれの開口幅Wを小さくし、燃料噴霧Mが進入することを抑えることができる。また、3重に環状溝20を有していることによって、膨張行程で燃焼室10側からスキッシュエリア14に拡がってくる燃焼ガスに対して段階的に新しい空気を供給することができる。つまり、燃焼室10で燃焼しきらなかった燃料噴霧Mや可燃性中間生成物、スモーク成分に対して、まず最内周の環状溝20から空気を供給する。さらにそれによって燃焼しきらなかったものに対して2番目の環状溝20から空気が供給される。最後に最外周の環状溝20から空気が供給されることとなる。このように、膨張行程で燃焼室10側からスキッシュエリア14に拡散されてくる燃料噴霧Mの未燃成分などに対して新鮮な空気を順番に供給することで、スキッシュエリアでの燃焼効率を高め、煤の発生量を少なくすることができる。
本発明に係る第1の実施形態のピストンの頂部とその周辺を示す断面図。 図1に示したピストンの平面図。 燃焼室と環状溝を足し合わせた容積に対する環状溝の容積の割合と発生するすす重量の関係を示す図。 本発明に係る第2の実施形態のピストンの環状溝の断面図。 本発明に係る第3の実施形態のピストンの環状溝の断面図。 本発明に係る第4の実施形態のピストンの環状溝の断面図。 本発明に係る第5の実施形態のピストンの環状溝の断面図。 本発明に係る第6の実施形態のピストンの環状溝の断面図。
符号の説明
1…ピストン、1a…頂部、10…燃焼室、13…外周縁、20…環状溝、21…(内周側の)側壁、22…(外周側の)側壁、H…噴孔、K…(開口幅の)中心、L…(半径方向にスキッシュエリアの幅の半分の)位置、N…燃料噴射ノズル、T…頂面、W…開口幅、α…環状溝の内周側の側壁が頂面に対してなす角度。

Claims (6)

  1. 噴孔から噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルに対応した燃焼室を頂部に有した直接噴射式ディーゼル内燃機関用のピストンであって、
    前記燃焼室よりも外側の前記頂部に前記燃焼室と独立して凹設された環状溝を有し、
    前記環状溝の容積は、前記燃焼室および前記環状溝を足し合わせた総容積の10%以下であることを特徴とするピストン。
  2. 請求項1に記載されたピストンにおいて、
    前記環状溝の容積は、前記燃焼室および前記環状溝を足し合わせた総容積の1〜7%であることを特徴とする。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたピストンにおいて、
    前記環状溝の内周側の側壁が頂面に対して成す角度が鋭角であることを特徴とする。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたピストンにおいて、
    このピストンの半径方向に前記環状溝の開口幅は、前記環状溝の底壁の幅よりも小さいことを特徴とする。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたピストンにおいて、
    このピストンの半径方向に前記環状溝の開口幅は、前記燃焼室の外周縁から前記頂部の外周までの距離の1/3以下であることを特徴とする。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載されたピストンにおいて、
    このピストンの半径方向に前記環状溝の開口幅の中心は、前記燃焼室の外周縁から前記頂部の外周までの距離の半分の位置よりも前記燃焼室寄りに設けることを特徴とする。
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