JP2010111977A - 溶融紡糸口金パック - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチフィラメントを構成する各フィラメントの形状及び物性などにおいて、品質差が生じない紡糸口金パックを提供することにあり、特に低dtexのマルチフィラメントを円筒状の冷却風送風装置により外周から中心側に整流された冷却風を吹き付ける方法により紡糸するのに好適な溶融紡糸口金パックを提供する。
【解決手段】紡糸口金パック1内に供給された熱可塑性の溶融ポリマーを拡流F2し、拡流した状態で該ポリマーを濾過してポリマー中の異物を濾過し、濾過したポリマーをパック中心部に形成した合流部F3において縮流させながら一箇所に合流させ、該合流部から出たポリマーの出口を頂点として下流方向に末広がりとなるよう円管状ポリマー流路F4を等間隔で設置し、等配されたポリマー流路が形成する円環中心線上に等配された吐出孔群Hへ分配し、該吐出孔群からマルチフィラメントを紡出することを特徴とする溶融紡糸口金パック。
【選択図】図1
【解決手段】紡糸口金パック1内に供給された熱可塑性の溶融ポリマーを拡流F2し、拡流した状態で該ポリマーを濾過してポリマー中の異物を濾過し、濾過したポリマーをパック中心部に形成した合流部F3において縮流させながら一箇所に合流させ、該合流部から出たポリマーの出口を頂点として下流方向に末広がりとなるよう円管状ポリマー流路F4を等間隔で設置し、等配されたポリマー流路が形成する円環中心線上に等配された吐出孔群Hへ分配し、該吐出孔群からマルチフィラメントを紡出することを特徴とする溶融紡糸口金パック。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を溶融紡糸するための溶融紡糸口金パックに関するものである。
近年、一つの紡糸口金(以下、単に「口金」という)から単糸繊度が小さいフィラメント群を紡出するようになってきている。例えば、単糸繊度が0.6デシテックス以下、特に0.3デシテックス以下の極細マルチフィラメント糸の生産が行われるようになってきている。
このような極細マルチフィラメント糸に対して繊度斑を抑制する冷却方式として、円筒状整流体を有する冷却装置を用いて、前記円筒状整流体から小さな風速を有する冷却風を紡出糸により近接した位置からその外周部を取囲むようにして放射状に吹き付ける方式が提案されている(特許文献1)。
前記冷却方式を用いて極細マルチフィラメント糸を溶融紡糸することにより、従来の横吹冷却方式と比較して繊度斑が大きく改善できることが分かっている。しかしながら、極細繊度の糸を安定して紡糸するためには、前述の冷却方式のみならず、溶融紡糸口金パック(以下、単にパックとも称する)を改良することによってパック内でのポリマーの滞留時間の低減、デッドスペースの最小化が必要とされる。
一般に、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性ポリマーからなる合成繊維の溶融紡糸では、パック内に濾過部材を組み込んでポリマー中の異物を除去することによって紡糸口金からポリマーを良好に紡出することが行なわれている。このようなパックは、図4に例示したような状態に組み立てられた後、熱媒加熱装置などの加熱手段とギアポンプなどの定量供給装置が付設された溶融紡糸装置のパックドームに取り付けられて、溶融紡糸に供される。
ここで、図4において、連続的に定量されて紡糸口金パックに供給された溶融ポリマーは、紡糸口金パックの上部に穿設された導入流路F1’から口金パック内へと供給される。そして、メタルサンドやガラスビーズなどで構成される濾砂5’を通過して、金網や多孔質焼結体などで構成される平板状濾材6’でポリマー中に含まれる微小な異物が除去される。なお、ポリマーが濾砂5’や濾材6’を通過する際に発生する濾過圧力を低減すると共に、濾材6’が異物を捕捉して急激に濾過圧力が上昇することに対処するために、濾材6’の濾過面積は図示したようにできるだけ広く取られている。
このようにして、濾材6’のほぼ全面を通過したポリマーは、濾材6’を支持するブリッジプレート7’を通過し、口金パックの中央部に穿設されたポリマーを一箇所に合流させる合流流路F3’へと導かれる。この合流流路F3’の果たす役割は、口金パック内部の外周部と中央部とで、加熱温度が異なったり、滞留時間が異なったりして、異なった物性を有するようになったポリマーを一つの合流流路F3’に合流させることによって、異なる物性を有するようになったポリマーをこの合流流路F3’で均一化することにある。
以上に述べたようにして、合流流路F3’で互いに合流したポリマーは、今度は口金1’に穿設された吐出孔群H’へ分配するために、下流方向へ末広がりに円錐状に形成された円錐状流路F4’を流れ、次いで、各吐出孔H’へ分配される。
このとき、円錐状流路F4’を流れるポリマーの経路は、円錐状流路F4’の外周部に沿って流れるものと、円錐状流路F4’の中央部を流れて、口金1’の反吐出面に到達した後、この反吐出面に沿ってその中央部から外周部へと流れるものとが生じる。このため、合流流路F3’でせっかく均一化したポリマーが、円錐状流路F4’から吐出孔群H’へと分配される過程において、再びポリマーに物性差が生じる結果を招いている。
図5に示したポリマー分配部材は、このような問題を解決するために提案されたものであって、前述の図4に例示した従来の口金パックにおいて、円錐状流路F4’部の口金1’と対向する側の面に対して、ポリマー流路孔出口側に向かって環状且つ凸状の流路形状を形成したものである(特許文献2)。
しかしながら、このような流路形状を採用しても、ポリマーが流れる経路は本質的に図4で示した口金パックと変わりはない。したがって、このような環状且つ凸状の流路形状であっても、マルチフィラメントを構成する各フィラメントの均斉性を上げるためのポリマーの分配流路として不十分である。
本発明は、前述の従来技術が有する諸問題を解決することを目的としてなされたものである。すなわち、その目的とするところは、マルチフィラメント糸を構成する各フィラメントの形状及び物性などにおいて、品質差が生じない紡糸口金パックを提供することにあり、特に細繊度のマルチフィラメントを品質斑なく良好に紡糸できる溶融紡糸口金パックを提供することにある。
前記課題を達成するために、本発明者が鋭意検討した結果、以下の溶融紡糸口金パックによって解決できることを見出した。
ここに、前記課題を解決するための請求項1に係る本発明として、「熱可塑性ポリマーを紡糸口金に穿設された吐出孔群から紡出してマルチフィラメント糸を紡出するための紡糸口金パックであって、前記紡糸口金パック内に供給された前記ポリマー中の異物を濾過するための濾材に拡流されたポリマー流を供給する拡流流路と、前記濾材を通過したポリマーを紡糸口金パックの中心部で縮流させながら一箇所に合流させる合流流路と、前記合流部の終端の出口部から下流方向に末広がりに等間隔で円周配列された複数の円管状流路と、円周上に等配に穿設された吐出孔群のポリマーが流入する始端開口部と前記円管状流路の終端開口部とを円環状に連結するために形成された環状流路とを少なくとも備えたことを特徴とする溶融紡糸口金パック」が提供される。
ここに、前記課題を解決するための請求項1に係る本発明として、「熱可塑性ポリマーを紡糸口金に穿設された吐出孔群から紡出してマルチフィラメント糸を紡出するための紡糸口金パックであって、前記紡糸口金パック内に供給された前記ポリマー中の異物を濾過するための濾材に拡流されたポリマー流を供給する拡流流路と、前記濾材を通過したポリマーを紡糸口金パックの中心部で縮流させながら一箇所に合流させる合流流路と、前記合流部の終端の出口部から下流方向に末広がりに等間隔で円周配列された複数の円管状流路と、円周上に等配に穿設された吐出孔群のポリマーが流入する始端開口部と前記円管状流路の終端開口部とを円環状に連結するために形成された環状流路とを少なくとも備えたことを特徴とする溶融紡糸口金パック」が提供される。
このとき、請求項2に係る本発明のように、「前記円管状流路の流路直径が2.0mm以上5.0mm以下であり、且つその本数が同一円周上に穿設された吐出孔数の4分の1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融紡糸口金パック」とすることが好ましい。
更に、請求項3記載の発明のように、「前記円管状流路群と吐出孔群を連結する環状状流路の内外径部と吐出孔群導入孔の最内外周部との間の距離が0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融紡糸口金パック」とすることが好ましい。
以上に述べたように、本発明に係る溶融紡糸口金パックを用いることにより、マルチフィラメント糸を構成する各フィラメントの繊度及び物性などにおいて品質差が生じないマルチフィラメント糸を溶融紡糸できる。何故ならば、本発明に係る紡糸口金パックでは、紡糸口金パック内では、後述するように、円管状流路に分割してポリマーを流すために、円管状流路の流路直径差分だけしかポリマーの滞留時間差と加熱温度差が生じないので、紡糸口金パック内でポリマーの熱劣化や加熱斑によるポリマーの粘度差などが生じ難くなって、品質に優れたマルチフィラメント糸を安定に溶融紡糸できるという顕著な効果を奏するからである。
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の溶融紡糸口金パックを説明するために例示した模式説明図であって、概略正断面図を示す。この図1において、紡糸口金パックを構成する各部材を参照符号別に説明すると、1:紡糸口金パック、2:口金、3:パック本体、4:濾砂収容部材、5:濾砂、6:ブリッジプレート、7aと7b:平板状濾材、8:パックの締結部材(具体的には、“ボルト”である)、9aと9b:シール材、H:口金2に穿設されたポリマーの吐出孔群、そして、C:吐出孔群Hがその上に穿設される同心円を、それぞれ表す。
図1は、本発明の溶融紡糸口金パックを説明するために例示した模式説明図であって、概略正断面図を示す。この図1において、紡糸口金パックを構成する各部材を参照符号別に説明すると、1:紡糸口金パック、2:口金、3:パック本体、4:濾砂収容部材、5:濾砂、6:ブリッジプレート、7aと7b:平板状濾材、8:パックの締結部材(具体的には、“ボルト”である)、9aと9b:シール材、H:口金2に穿設されたポリマーの吐出孔群、そして、C:吐出孔群Hがその上に穿設される同心円を、それぞれ表す。
このとき、このような各部材から構成される紡糸口金パック1は、該紡糸口金パック1を所定の溶融紡糸を実施するための温度にまで加熱すると共に、該紡糸口金パック1に対して、連続的に定量的に計量して供給するギアポンプなどの連続計量手段を備えたスピンブロック(図示せず)のパックドームに装着される。
次に、この紡糸口金パック1を構成する各部材の相互関係について説明する。
先ず、本例の紡糸口金パックは、パック本体3が下部パック部材31(口金ホルダーを形成する)、中間パック部材32及び上部パック部材33という三つのパック部材に分割されて構成されている。ここで、前記上部パック部材33には、図示省略したスピンブロックから導入されるポリマーを受け入れる導入流路F1が穿設されており、この導入流路F1の下方には、図示したように、下流方向に漏斗状に広がった漏斗状の拡流流路F2が形成されている。したがって、口金パック1に流入したポリマーは、この漏斗状の拡流流路F2で必要な程度に拡流され広い濾過面積をとれる状態となる。
先ず、本例の紡糸口金パックは、パック本体3が下部パック部材31(口金ホルダーを形成する)、中間パック部材32及び上部パック部材33という三つのパック部材に分割されて構成されている。ここで、前記上部パック部材33には、図示省略したスピンブロックから導入されるポリマーを受け入れる導入流路F1が穿設されており、この導入流路F1の下方には、図示したように、下流方向に漏斗状に広がった漏斗状の拡流流路F2が形成されている。したがって、口金パック1に流入したポリマーは、この漏斗状の拡流流路F2で必要な程度に拡流され広い濾過面積をとれる状態となる。
本発明では、パック本体3を前述のように、三つのパック部材31〜33に分割して構成することによって、締結部材8aと8bを使用して下部パック部材31(口金ホルダー)と上部パック部材33とによって、中間パック部材32に対して個別にシール材9aと9b及び平板状濾材7aの外周リム部に設けられたシール部をそれぞれ分担して締め付けている。このようにしてシール効果を向上させることにより口金パック1内を流れるポリマーが口金パック1外に漏れ出るのを防止している。
ここで、外部へのポリマー漏れが防止された口金パック1の内部には、メタルサンド、ガラスビーズなどからなる濾砂5が濾砂収容部材4中に充填され、この濾砂5の最下端部には、ポリマー中に含まれる微小な異物を濾過するために濾過面積を広く取った平板状濾材7bが図示したように設けられている。また、該平板状濾材7bの直下部には、ポリマーの濾過時に発生する濾過圧力によって平板状濾材7bが変形したり、破損したりしないように下方から支持固定するブリッジプレート6が設けられている。
なお、このブリッジプレート6は、平板状濾材7bを通過する拡流されたポリマーを一箇所に集合させるために、パック中心部へとポリマーを縮流させながら集合させて合流流路F3へと導く役割をも果たしている。
このようにして、濾砂5、濾材7bなどの異なる位置(異なる経路)をそれぞれ通過することによって、異なる滞留時間で異なる温度に加熱されてきた各ポリマー流は、合流流路F3で合流させられて一箇所に集められることにより均一化される。
その際、前記合流流路F3に関しては、ポリマーの均一化を更に促進するために合流させたポリマーを静的に混合することが好ましい。そこで、この合流流路F3の流路長を長くして適当な数の混練素子数を有するケニックス型スタチックミキサなどの静的混練素子が設けることも慣用手段として行なわれる。
以上に述べたようにして合流流路F3へと導かれたポリマーは、合流流路F3を出て下流に行くに従って下方斜め方向に放射状に末広がりに形成された複数の円管状流路F4を通過する。なお、この円管状流路F4は、図1及び図2に示したように、パイプ形状を有しており、合流流路F3の終端の出口部から斜め下流方向へと放射状かつ末広がりに設けられた多数の流路群から形成されている。ただし、前記図2は円管状流路F4を下面(吐出孔H側)から見たときの平面図である。
以上に説明したように、本発明は、多数の円管状流路F4を形成することを一大特徴とする。なお、これらの各円管状流路F4の流路直径は、本明細書において“X”で表すものとし、この円管状流路F4の本数は、口金2の吐出孔群Hの同一円周上の孔数の4分の1以上、望ましくは3分の1以上であれば吐出孔群Hの形状と寸法を適正に設定すればほぼ均一にポリマーを吐出することが可能であることが分かっている。
このようにして、複数の円管状流路F4に分配されたポリマーは、口金2に穿設された吐出孔群Hが1周配列の場合、吐出孔群Hの始端開口部において円管状流路F4の終端開口部を円環状に連結するために形成された環状流路F5を介して前記吐出孔群Hから細繊度のマルチフィラメント糸として紡出される。その際、図3は円管状流路群F4と吐出孔群Hを繋ぐ環状流路F5の要部を拡大した部分断面図であるが、この図3に示すように、同部分での異常滞留の発生を防ぐため、環状流路F5の内外径部と吐出孔群Hの導入孔の最内外周部との距離が0.5mm以下とすることが望ましい。なお、このとき、前記環状流路F5の中心線によって形成される同心円C上に等配に吐出孔群Hが穿設されている。なお、図3の実施態様のように口金2に2周配列の吐出孔群Hが穿設されている場合には、前記同心円Cを中心として、この同心円Cを半径方向に均等に振り分けて配置された二重同心円の円周上に吐出孔群Hが等配して穿設される。
本発明においては、合流流路F3から出たポリマーを前述のように「放射状の複数の円管状流路F4」へと分割流にして供給することが肝要である。何故ならば、この場合において、口金パック1の中心部側を流れるポリマーと口金パックの外周側を流れるポリマーとの間で滞留時間差や加熱温度差が生じるとしても、「放射状の複数の円管状流路F4」へそれぞれ分割された分割流の流路直径(X)分だけとなるからである。このため、円管状流路F4の流路直径Xを適当な範囲に制御すれば、吐出孔群Hへのポリマーの分配を大きな滞留時間差や大きな加熱温度差を惹起させることなく良好に行うことができる。このような理由から、前記円管状流路F4の流路直径Xが重要であって、通常の紡糸条件において好ましくは、2.0mm以上、5.0mm以下である。
1:紡糸口金パック
2:口金
3:パック本体
31:下部パック部材
32:中間パック部材
33:上部パック部材
4:濾砂収容部材
5:濾砂
6:ブリッジプレート
7aと7b:平板状濾材
8:パックの締結部材
9aと9b:シール材
H:ポリマーの吐出孔群
C:同心円
F1:導入流路
F2:漏斗状の拡流流路
F3:合流流路
F4:円管状流路
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H:ポリマーの吐出孔群
C:同心円
F1:導入流路
F2:漏斗状の拡流流路
F3:合流流路
F4:円管状流路
F5:環状流路
Claims (3)
- 熱可塑性ポリマーを紡糸口金に穿設された吐出孔群から紡出してマルチフィラメント糸を紡出するための紡糸口金パックであって、前記紡糸口金パック内に供給された前記ポリマー中の異物を濾過するための濾材に拡流されたポリマー流を供給する拡流流路と、前記濾材を通過したポリマーを紡糸口金パックの中心部で縮流させながら一箇所に合流させる合流流路と、前記合流部の終端の出口部から下流方向に末広がりに等間隔で円周配列された複数の円管状流路と、円周上に等配に穿設された吐出孔群のポリマーが流入する始端開口部と前記円管状流路の終端開口部とを円環状に連結するために形成された環状流路とを少なくとも備えたことを特徴とする溶融紡糸口金パック。
- 前記円管状流路の流路直径が2.0mm以上5.0mm以下であり、且つその本数が同一円周上に穿設された吐出孔数の4分の1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融紡糸口金パック。
- 前記円管状流路群と吐出孔群を連結する環状状流路の内外径部と吐出孔群導入孔の最内外周部との間の距離が0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融紡糸口金パック。
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