JP2010110155A - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機において、その製造時にステータコアの磁気特性が損なわれるのを効果的に防止できるようにする。
【解決手段】ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板10が積層されてなるステータコア2を有する回転電機であって、上記ステータコア2を構成する各電磁鋼板10は、その外周面部が相隣接する電磁鋼板10の積層方向に沿って摩擦撹拌接合されることにより一体化された回転電機およびその製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板10が積層されてなるステータコア2を有する回転電機であって、上記ステータコア2を構成する各電磁鋼板10は、その外周面部が相隣接する電磁鋼板10の積層方向に沿って摩擦撹拌接合されることにより一体化された回転電機およびその製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する電動機または発電機からなる回転電機およびその製造方法に関するものである。
上記電動機または発電機からなる回転電機は、電気エネルギーを回転力に変換し、あるいは回転力を電気エネルギーに変換するものであって、この変換効率を効果的に向上させることにより、省エネルギーに寄与することが望まれている。例えば、電動機を駆動源とする電気自動車や、エンジンと電動機とを組み合わせて駆動力を得るハイブリッド自動車では、その軽負荷領域から高負荷領域に至る幅広い負荷領域で、電気エネルギーと回転力との変換効率を向上させることにより電気エネルギーや燃料を節約することが求められている。
上記回転電機の電気エネルギーと回転力との変換効率を向上させることを目的として、下記特許文献1〜3に示されるように、例えば優れた磁気特性を有する電磁鋼板を所定形状に打ち抜き形成し、このうち抜いた複数枚の電磁鋼板を積層した状態で、その外周面部をアーク溶接またはレーザ溶接する等により、その形態を安定させるように各電磁鋼板を一体化させてなるステータコアを形成することが行われている。
また、下記特許文献4に示すように、帯状の電磁鋼板をロール状に巻回すことにより積層体を形成したアキシャルギャップ型モータのステータにおいて、上記積層体のロータ対向面と反対側の端面で、上記電磁鋼板の巻回し方向に沿って電磁鋼板を渦巻き状に摩擦撹拌接合することにより、各層の位置ずれを防止するとともに、成形性を良好に確保できるようにすることも行われている。すなわち、上記特許文献4には、積層体の接合部に回転ツールを回転させつつ押し当て、接合部の金属組織を摩擦熱で塑性流動させて接合する摩擦撹拌接合を施すことにより、上記電磁鋼板の積層体を一体化するようにした技術が開示されている。
実開昭53−141410号公報
特開昭54−124845号公報
特開平2−220790号公報
特開2004−357391号公報
上記特許文献1〜3に開示されているように、上記ステータコアを構成する各電磁鋼板の外周面部をアーク溶接またはレーザ溶接する等により複数枚の電磁鋼板を一体化するよう構成した場合には、この電磁鋼板の積層体からなるステータコアを回転電機のケース内に圧入する際等に、各電磁鋼板がその周方向または積層方向にずれが生じるのを効果的に防止して、上記ステータコアを適正状態で設置することができる。
しかし、上記のように電磁鋼板の外周面部をアーク溶接またはレーザ溶接することにより各電磁鋼板を一体化するように構成した場合には、上記溶接時の熱影響により各電磁鋼板の結晶構造が破壊されて電磁鋼板の磁気特性が大きく損なわれ易いとともに、複数枚の電磁鋼板が積層された積層体に残留応力が生じて電磁鋼板の鉄損特性等の磁気特性が損なわれる虞がある。なお、上記特許文献1には、各電磁鋼板を溶接して一体化した後に、焼鈍処理を施すことにより、上記溶接時の熱影響により生じた品質の低下等を改善するようにした構成が示唆されているが、上記焼鈍処理を施すことによっても各電磁鋼板に生じた磁気特性の低下等を完全に回復することは困難であった。
一方、上記特許文献4に開示された発明では、電磁鋼板の積層体をそのロータ対向面と反対側の端面において摩擦撹拌接合することにより一体化するように構成したため、上記アーク溶接またはレーザ溶接を行った場合に比べ、その接合時における熱影響を小さく抑えることが可能になるので、これによる残留応力が少なくなり、この残留応力に起因した電磁鋼板の磁気特性の劣化をある程度、抑制できるという利点がある。
しかし、上記のように積層体のロータ対向面と反対側の端面において、上記電磁鋼板の巻回し方向に沿って摩擦撹拌接合用の工具を移動させることにより、各電磁鋼板の端部を渦巻き状に摩擦撹拌接合するように構成した場合には、上記積層体の端面全体に亘って接合する際の塑性流動による結晶構造の破壊が避けられないため、各電磁鋼板の磁気特性に悪影響が与えられることが避けられないという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機において、その製造時にステータコアの磁気特性が損なわれるのを効果的に防止すること等を目的としている。
請求項1に係る発明は、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機であって、上記ステータコアを構成する各電磁鋼板は、その外周面部が相隣接する電磁鋼板の積層方向に沿って摩擦撹拌接合されることにより一体化されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の回転電機において、上記ステータコアのロータ回転軸方向の両端部には、複数枚の電磁鋼板がロータ半径方向に積層されてなる補助コアがそれぞれ配設され、この補助コアの外周面部とステータコアの外周面部とが摩擦撹拌接合されることにより一体化されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の回転電機において、上記摩擦撹拌接合時の工具移動軌跡が、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るようにロータ回転軸方向に沿って直線状に形成されたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項2または3に記載の回転電機において、上記補助コアには、ロータ半径方向に凹入する凹部が、上記工具移動軌跡の終端部近傍に設けられたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載に回転電機において、上記摩擦撹拌接合部の接合深さが、電磁鋼板の一枚分の厚さ以上に設定されたものである。
請求項6に係る発明は、上記ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機の製造方法であって、上記ステータコアを構成する複数の電磁鋼板を位置決めする位置決め工程と、各電磁鋼板の外周面部を相隣接する電磁鋼板と積層方向に摩擦撹拌接合して一体化する摩擦撹拌接合工程とを備えたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項6に記載の回転電機の製造方法において、上記位置決め工程で、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアのロータ回転軸方向の両端部に、複数枚の電磁鋼板がロータ半径方向に積層されてなる補助コアをそれぞれ配設した後、上記摩擦撹拌接合工程で、補助コアの外周面部とステータコアの外周面部とを摩擦撹拌接合により一体化したものである。
請求項8に係る発明は、上記請求項6または7に記載の回転電機の製造方法において、上記摩擦撹拌接合工程で、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るように、摩擦撹拌接合用の工具をロータ回転軸方向に沿って直線状に移動させることにより摩擦撹拌接合を行うように構成したものである。
請求項1に係る発明では、複数枚の電磁鋼板を摩擦撹拌接合することにより、各電磁鋼板をその積層方向に沿って一体化するように構成したため、複数枚の電磁鋼板の外周面部をアーク溶接またはレーザ溶接することにより各電磁鋼板を一体化した場合のように上記溶接時の熱影響により残量応力が生じて磁気特性が損なわれるのを効果的に抑制することができるとともに、複数枚の電磁鋼板をその積層方向に一体化することにより形成された上記ステータコアをケース内に圧入して固定する際等に、各電磁鋼板がその軸方向または径方向に位置ずれが生じるのを防止し、上記ステータコアが有する磁気特性を良好状態に維持して上記回転電機の電気エネルギーと回転力との変換効率を効果的に向上できるという利点がある。
請求項2に係る発明では、上記ステータコアのロータ回転軸方向の両端部に、複数枚の電磁鋼板がロータ半径方向に積層されてなる補助コアをそれぞれ配設し、この補助コアの外周面部とステータコアの外周面部とを摩擦撹拌接合することにより一体化するように構成したため、上記ステータコアの両端部に位置する電磁鋼板を、上記補助コアの電磁鋼板によって拘束した状態で、これらに摩擦撹拌接合用の工具を適正状態で圧接させて上記摩擦撹拌接合を行うことにより、上記ステータコアの両端部に位置する電磁鋼板とこれに隣接した電磁鋼板との接合強度が不足したり、これらの電磁鋼板が上記工具の圧接力に応じて大きく変形したりする等の弊害を生じることなく、上記ステータコアおよび補助コアを構成する各電磁鋼板を容易かつ適正に接合できるという利点がある。
また、詳細は後述するが、ステータコアの一部であるティース部には、コイルが巻掛けられるため、上記ステータコアのロータ回転軸方向の両端部からコイルが膨出した状態となる。したがって、このコイルが膨出したその径外方向はデッドボリュームであり、ある意味、空間の無駄となっている。一方、ステータコアの両端部に補助コアがない場合は、その最も端部に位置する磁性鋼板から磁束の漏れが生じることが知られており、この磁束の漏れを取り込むためには補助コアを設けることが有効であり、しかもこの補助コアの積層方向が半径方向である場合には、ステータコアと同じくロータ回転軸方向に積層した補助コアよりもロータ回転軸方向へのエアギャップがない分、有利となる。よって請求項2に係る発明では、磁束を最大限に活かして効率が高められるとともに、ステータコアと補助コアの強固な結合が得られ、かつ磁性鋼板の変形等が効果的に抑えられることになる。
請求項3に係る発明では、上記摩擦撹拌接合時の工具移動軌跡を、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るようにロータ回転軸方向に沿って直線状に形成したため、上記回転ツールの移動軌跡の最短距離に設定して、一対の補助コアおよびステータコアの連続体からなるステータを迅速かつ適正に形成することができる。
請求項4に係る発明では、ロータ半径方向に凹入する凹部を上記補助コアの工具移動軌跡の終端部近傍に設けたため、上記ステータコアおよび補助コアからなるステータを回転電機のケース内に位置決めして設置する際等に、上記凹部を位置決め用の孔または回り止めピンの係合孔として利用できるという利点がある。
請求項5に係る発明では、上記摩擦撹拌接合部の接合深さを電磁鋼板の一枚分の厚さ以上に設定したため、各電磁鋼板の接合強度を充分に確保して安定した接合状態に保持できるという利点がある。
請求項6に係る発明では、上記ステータコアを構成する各電磁鋼板に生じる残留応力を効果的に抑制しつつ、複数枚の電磁鋼板をその積層方向に一体化することにより形成された上記ステータコアをケース内に圧入して固定する際等に、各電磁鋼板がその軸方向または径方向に位置ずれが生じるのを防止できるとともに、上記ステータコアが有する磁気特性を損なうことなく、回転電機を容易かつ適正に製造することができる。
請求項7に係る発明では、上記ステータコアの両端部に位置する電磁鋼板を、上記補助コアの電磁鋼板によって拘束した状態で、これらに摩擦撹拌接合用の工具を適正状態で圧接させて上記摩擦撹拌接合を行うことにより、上記ステータコアの両端部に位置する電磁鋼板とこれに隣接した電磁鋼板との接合強度が不足したり、これらの電磁鋼板が上記工具の圧接力に応じて大きく変形したりする等の弊害を生じることなく、上記ステータコアおよび補助コアを構成する各電磁鋼板が適正に接合されたステータを容易に製造できるという利点がある。
請求項8に係る発明では、上記摩擦撹拌接合工程で、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るように、摩擦撹拌接合用の工具をロータ回転軸方向に沿って直線状に移動させることにより摩擦撹拌接合を行うように構成したため、上記回転ツールの移動軌跡の最短距離に設定して、一対の補助コアと、ステータコアとの連続体からなるステータを迅速かつ適正に作成することができる。
図1および図2は、本発明に係る回転電機の第1実施形態を示している。この回転電機は、ケース1の内周面に沿って設置されたステータコア(固定子)2と、このステータコア2内に配設されて回転自在に支持されたロータ(回転子)3とを有し、このロータ3は、ケース1に回転軸4と、この回転軸4と一体に形成されたロータコア(鉄心)5と、このロータコア5と一体に回転するように設置された永久磁石6とを備えている。
上記ステータコア2は、ヨーク部8と、その内周面から中心部に向けて突出する複数のティース部(歯部)7とを有している。上記ティース部7には、コイル(電機子巻線)9が巻掛けられている。上記ステータコア2は、ロータ回転軸方向に積層された複数枚の電磁鋼板10が、後述するように摩擦撹拌接合されて一体化されることにより構成されている。
上記ステータコア2を製造するには、例えば0.1〜1.0mm程度の厚さを有する珪素鋼板を打ち抜き成形することにより、上記ティース部7を構成する複数の突部が内周面に設けられた円環状板からなる複数枚の電磁鋼板10を作成する。そして、上記ティース部7となる突部の位置を一致させるように各電磁鋼板10を位置決めしつつ、所定枚数の電磁鋼板10を積層することにより電磁鋼板10の積層体11を構成するとともに、この積層体11を図外の固定治具に保持させて固定する。なお、上記位置決めを簡便に行うためには、打ち抜きの際に上記ヨーク部8の少なくとも2個所にロータ回転軸方向に向かう凹部を形成しておき(一面には凹部、他面(裏面)には突部を形成)、それら位置決め凹部を基準に各電磁鋼板10を積層させるとよい。
上記複数枚の電磁鋼板10からなる積層体11を位置決めする位置決め工程の終了後に、図3に示すように、先端部に円柱状の突部12を有する回転ツール13を、電動モータ等からなる図外の駆動源により回転駆動しつつ、上記積層体11の一端面部に回転ツール13の突部12を押し当てることにより、積層体11の一端面側(図3の最上層)に位置する電磁鋼板10の外周縁部を摩擦熱で塑性流動させて下方の電磁鋼板10と接合する摩擦撹拌接合を行う。ここで、塑性流動とは、電磁鋼板10をその融点よりも低い温度で軟化させることを意味している。
上記回転ツール13を回転させつつ、図3の符号Aに示すように、積層体11の一端面に沿ってその外方側に一定速度で移動させて摩擦撹拌接合し(第1接合工程)、その後に回転ツール13を一旦、積層体11から離す。続いて、回転ツール13を積層体11の他端面側(図3の最下層側)に移動させるとともに、再度、回転ツール13を回転させつつ、図3の符号Bで示すように、積層体11に当接させてその外方側に一定速度で移動させる。これにより積層体11の一端面部および他端面部をそれぞれ摩擦撹拌接合する(第2接合工程)。さらに、回転ツール13を積層体11から離し、回転ツール13を積層体の外周面側に移動させるとともに、上記突部12を積層体11の半径方向に向けるように回転ツール13を変位させる。そして、上記回転ツール13の突部12を上記積層体11の外周面部に当接させつつ、図3の符号Cで示すように、その一端部側から他端部側に向けて一定速度で移動させることにより、積層体11の外周面に沿ってロータ回転軸方向に延びるように摩擦撹拌接合を施す(第3接合工程)。以上の工程により、図4に示すように、上記積層体11の両端面部および外周面部に沿った摩擦撹拌接合部14を形成することができる。なお、上記以外の実施例として、上記工程Aから工程Cを経て工程Bに移行するようにしてもよく、あるいは回転ツール13を積層体11から離間させた後に、回転ツール13を積層体11の外周面部に移動させるのではなく、積層体11を回転させる等により、上記回転ツール13を所定の位置にセットするようにしてもよい。
上記複数枚の電磁鋼板10からなる積層体11の両端面部および外周面部に沿って摩擦撹拌接合部14を形成する摩擦撹拌接合工程を繰り返すことにより、複数本の摩擦撹拌接合部14を一定間隔で積層体11の周方向に配設し、上記回転電機のステータコア2を構成する各電磁鋼板10の外周面部を相隣接する電磁鋼板10の積層方向に沿って摩擦撹拌接合する。このようにして各電磁鋼板10を一体化することにより、複数枚の電磁鋼板10がロータ回転軸方向に積層されたステータコア2を作成することができる。
上記のように複数枚の電磁鋼板10を位置決めしつつ積層した後、各電磁鋼板10の外周面部を相隣接する電磁鋼板10の積層方向に沿って摩擦撹拌接合することにより、複数枚の電磁鋼板10が一体化されてなる回転電機のステータコア2を製造するように構成したため、このステータコア2を製造する際に、その磁気特性が損なわれるのを防止しつつ、複数枚の電磁鋼板10がロータ回転軸方向に積層されることにより形成されたステータコア2の形態を安定して維持できるという利点がある。
すなわち、上記のように複数枚の電磁鋼板10を摩擦撹拌接合することにより、各電磁鋼板10をその積層方向に沿って一体化するように構成したため、上記特許文献1〜3に開示されているように複数枚の電磁鋼板10の外周面部をアーク溶接またはレーザ溶接することにより各電磁鋼板10を一体化した場合のように、上記溶接時の熱影響により各電磁鋼板10に残留応力が生じて磁気特性が損なわれる等の事態が生じるのを効果的に防止することができる。したがって、上記各電磁鋼板10の磁気特性を良好状態に維持しつつ、複数枚の電磁鋼板10をその積層方向に一体化することにより安定した形態のステータコア2を作成することができ、このステータコア2のティース部7にコイル9を巻掛けることにより構成されたステータ2を回転電機のケース1内に圧入して固定する際等に、各電磁鋼板10がその軸方向または径方向に位置ずれが生じるのを防止することができる。これにより、上記ステータコア2が有する磁気特性を良好状態に維持して上記回転電機の電気エネルギーと回転力との変換効率を効果的に向上できるという利点がある。
なお、複数枚の電磁鋼板10が積層されることにより形成された上記積層体11の両端部および外周面部をそれぞれ摩擦撹拌接合するように構成してなる上記第1実施形態に代え、図5に示すように、上記積層体11の両端部を治具板16により保持しつつ、回転ツール13を積層体11の一端部側から他端部側に向けて真っ直ぐに移動させる等により、図6に示すように上記積層体11を構成する各電磁鋼板10の外周部をロータ回転軸方向に沿って延びる一直線状の摩擦撹拌接合部17を形成することもできる。
図5および図6に示す第2実施形態のように、各電磁鋼板10の外周部をロータ回転軸方向に沿って延びる一直線状の摩擦撹拌接合部17を形成した場合には、上記積層体11の両端部に回転ツール13を適正状態で圧接させることが困難である。このため、上記摩擦接合部17を形成する際に、上記回転ツール13の圧接力に応じて積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10が大きく変形したり、上記積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10とこれに隣接した電磁鋼板10との接合強度が不足したりする可能性がある。
これに対して図3および図4に示す第1実施形態のように、複数枚の電磁鋼板10が積層された積層体11の両端部および外周面部をそれぞれ摩擦撹拌接合するように構成した場合には、積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10の変形を防止しつつ、この電磁鋼板10をこれに隣接する電磁鋼板10に適正状態で接合することができる。しかも、上記積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10の接合作業と、上記積層体11の中間部に位置する各電磁鋼板10の接合作業とを略連続して容易に行うことができる。したがって、上記積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10とこれに隣接した電磁鋼板10との接合強度が不足し、あるいは上記回転ツール13の圧接力に応じて積層体11の両端部に位置する電磁鋼板10が大きく変形する等の弊害を生じることなく、複数枚の電磁鋼板10を適正に一体化して優れた磁気特性等を有するステータコア2を容易に作成できるという利点がある。
図7は、本発明に係る回転電機の第3実施形態を示している。この第3実施形態に係る回転電機のステータコア2を作成するには、まずロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板10が積層することによりステータコア2を形成するとともに、ロータ回転軸方向に所定幅を有する電磁鋼板18からなる帯状体を複数層に亘って巻回し、その始端部および終端部をそれぞれ点溶接等で固定する等により、電磁鋼板18がロータ半径方向に積層された補助コア19を形成する。このようにして二個の補助コア19を形成した後、上記ステータコア2のロータ回転軸方向の両端部に補助コア19をそれぞれ位置決めして配設した状態で、上記ステータコア2の一端部側に位置する補助コア19の外周面部から上記ステータコア2の外周面部に沿って回転ツール13をロータ回転軸方向に直線的に移動させることにより一本の連続した摩擦撹拌接合部20を形成する。
そして、上記補助コア19およびステータコア2の外周面部に沿って摩擦撹拌接合部20を形成する摩擦撹拌接合工程を繰り返し、複数本の摩擦撹拌接合部20を一定間隔で平行に形成することにより、補助コア19の外周面部と上記ステータコア2の外周面部とを一体化させてなるステータSTを作成することができる。また、上記摩擦撹拌接合部20を形成する際において、その最終端部、つまり上記ステータコア2の他端部側に位置する補助コア19の端部近傍に、上記回転ツール13が到達した時点でこれを補助コア19から離間させることにより、図8に示すように回転ツール13の突部12に対応してロータ半径方向に凹入した凹部21を形成することができる。
上記第3実施形態に示すように、位置決め工程で、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板10が積層されてなるステータコア2のロータ回転軸方向の両端部に、複数枚の電磁鋼板18がロータ半径方向に積層されてなる補助コア19をそれぞれ配設した後、摩擦撹拌接合工程で、一方の補助コア19から上記ステータコア2を経て他方の補助コア19に至るように、摩擦撹拌接合用の回転ツール13をロータ回転軸方向に沿って直線状に移動させることにより摩擦撹拌接合を行うように構成した場合には、上記ステータコア2の両端部に補助コア19がそれぞれ配設されてこれらが一体化されたステータSTを容易に製造することができる。
すなわち、上記摩擦撹拌接合を行う回転ツール13を、ステータコア2の一端部側に位置する一方の補助コア19から、上記ステータコア2を経て他方の補助コア19に至るようにロータ回転軸方向に沿って直線状に移動させることにより、上記一方の補助コア19から他方の補助コア19に至る直線状の工具移動軌跡を形成した場合には、上記回転ツール13の向きを変更することなく、その移動軌跡の最短距離に設定して、上記一対の補助コア19と、ステータコア2との連続体からなるステータSTを迅速かつ適正に作成することができる。
しかも、上記ステータコア2の両端部に配設された電磁鋼板10と、上記補助コア19を構成する電磁鋼板18とをロータ回転軸方向に連続させて配設することにより、上記ステータコア2の両端部に位置する電磁鋼板10を上記補助コア19の電磁鋼板18によって拘束した状態で、これらに回転ツール13を適正状態で圧接させて摩擦撹拌接合を行うことができるため、上記ステータコア2の両端部に位置する電磁鋼板10とこれに隣接した電磁鋼板10との接合強度が不足したり、これらの電磁鋼板10が上記回転ツール13の圧接力に応じて大きく変形したりする等の弊害を生じることなく、上記ステータコア2および補助コア19を構成する各電磁鋼板10,18を容易かつ適正に接合することができる。
また、上記第3実施形態に示すように、複数枚の電磁鋼板10からなるステータコア2のロータ回転軸方向の両端部に、複数枚の電磁鋼板18がロータ半径方向に積層されてなる補助コア19を配設した場合には、上記ステータコア2のティース部7にコイル9が巻掛けられることにより、上記ステータコア2のロータ回転軸方向両端部にコイル9の膨出部が形成されることに起因したデッドスペースが形成されるのを効果的に防止して、この部分の有効利用を図ることができる。すなわち、上記補助コア19をステータコア2のロータ回転軸方向の両端部に配設することにより、この部分に磁束の漏れが生じるのを効果的に抑制することができるため、上記回転電機の電気エネルギーと回転力との変換効率を、より効果的に向上できるという利点がある。
さらに、上記第3実施形態に示すように、摩擦撹拌接合部20の最終端部に回転ツール13が到達した時点でこれを補助コア19から離間させることにより、上記ステータコア2の他端部側に位置する補助コア19の端部、つまり補助コア19における上記工具移動軌跡の終端部近傍に、上記回転ツール13の突部12に対応した凹部21を形成した場合には、上記ステータコア2および補助コア19からなるステータSTをケース1内に位置決めして設置する際等に、上記凹部21を位置決め用の孔または回り止めピンの係合孔として利用できるという利点がある。
なお、上記摩擦撹拌接合時の工具移動軌跡を、一方の補助コア19から上記ステータコア2を経て他方の補助コア19に至るようにロータ回転軸方向に沿って直線状に形成してなる上記第3実施形態に代え、上記摩擦撹拌接合時の工具移動軌跡を、ロータ回転軸方向に対して所定角度で傾斜させた傾斜線状に形成してもよく、上記補助コア19およびステータコア2の周面に沿ったジグザク状に形成してもよい。
また、上記摩擦撹拌接合部10,17,20を形成する際の接合深さ、つまり各電磁鋼板10,18の一部を塑性流動させて摩擦撹拌接合する際に塑性流動状態となる部分の厚さは、上記回転ツール13の回転速度および移動速度と、上記突部12の押し込み深さとを制御することによって任意に調節可能である。上記摩擦撹拌接合部10,17,20の接合深さを電磁鋼板10,18の一枚分の厚さ以上に設定した場合には、各電磁鋼板10,18の接合強度を充分に確保して安定した接合状態に保持することができる。また、上記摩擦撹拌接合部14,17,20の接合深さを電磁鋼板10,18の10枚分の厚さ未満に設定することにより、その接合の際に塑性流動を受ける部分の体積を必要最小限に留め、塑性流動による結晶構造の破壊に起因した磁気特性の悪化を効果的に防止できるという利点がある。
例えば、PCBN材(多結晶CBN焼結体)により形成された回転ツール13の直径Dを10mm、突部12の直径dを3mm、突部12の突出量Sを2mmに設定した回転ツール13を使用し、上記回転ツール13の回転数を500rpm、移動速度を50mm/minに設定するとともに、上記回転ツール13の押し込み深さを2.1mmに設定して上記摩擦撹拌接合を行うことにより、1枚の厚さが0.3mm程度に設定された電磁鋼板10,18により、図8に示すように、コア長さLが150mm、補助コア19の長さlが25mm、コア直径Wが200mmに設定されたステータコア2を製造する実験を行ったところ、各電磁鋼板10,18の接合深さを2.2mm程度として安定した接合状態が得られること等が確認された。
2 ステータコア
3 ロータ
4 回転軸
10,18 電磁鋼板
13 回転ツール(工具)
19 補助コア
21 凹部
3 ロータ
4 回転軸
10,18 電磁鋼板
13 回転ツール(工具)
19 補助コア
21 凹部
Claims (8)
- ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機であって、上記ステータコアを構成する各電磁鋼板は、その外周面部が相隣接する電磁鋼板の積層方向に沿って摩擦撹拌接合されることにより一体化されたことを特徴とする回転電機。
- 上記ステータコアのロータ回転軸方向の両端部には、複数枚の電磁鋼板がロータ半径方向に積層されてなる補助コアがそれぞれ配設され、この補助コアの外周面部とステータコアの外周面部とが摩擦撹拌接合されることにより一体化されたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 上記摩擦撹拌接合時の工具移動軌跡が、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るようにロータ回転軸方向に沿って直線状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
- 上記補助コアには、ロータ半径方向に凹入する凹部が、上記工具移動軌跡の終端部近傍に設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載の回転電機。
- 上記摩擦撹拌接合部の接合深さが、電磁鋼板の一枚分の厚さ以上に設定されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載に回転電機。
- ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアを有する回転電機の製造方法であって、上記ステータコアを構成する複数の電磁鋼板を位置決めする位置決め工程と、各電磁鋼板の外周面部を相隣接する電磁鋼板と積層方向に摩擦撹拌接合して一体化する摩擦撹拌接合工程とを備えたことを特徴とする回転電機の製造方法。
- 上記位置決め工程で、ロータ回転軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなるステータコアのロータ回転軸方向の両端部に、複数枚の電磁鋼板がロータ半径方向に積層されてなる補助コアをそれぞれ配設した後、上記摩擦撹拌接合工程で、補助コアの外周面部とステータコアの外周面部とを摩擦撹拌接合により一体化したことを特徴とする請求項6に記載の回転電機の製造方法。
- 上記摩擦撹拌接合工程で、一方の補助コアから上記ステータコアを経て他方の補助コアに至るように、摩擦撹拌接合用の工具をロータ回転軸方向に沿って直線状に移動させることにより摩擦撹拌接合を行うように構成したことを特徴とする請求項6または7に記載の回転電機の製造方法。
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| JP2008281247A JP2010110155A (ja) | 2008-10-31 | 2008-10-31 | 回転電機およびその製造方法 |
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-
2008
- 2008-10-31 JP JP2008281247A patent/JP2010110155A/ja active Pending
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