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JP2010192208A - 燃料電池装置および燃料電池装置の燃料制御方法 - Google Patents

燃料電池装置および燃料電池装置の燃料制御方法 Download PDF

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JP2010192208A JP2009034204A JP2009034204A JP2010192208A JP 2010192208 A JP2010192208 A JP 2010192208A JP 2009034204 A JP2009034204 A JP 2009034204A JP 2009034204 A JP2009034204 A JP 2009034204A JP 2010192208 A JP2010192208 A JP 2010192208A
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Terumasa Nagasaki
央雅 長崎
Takahiro Suzuki
貴博 鈴木
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】濃度センサを用いることなく、発電に適した燃料濃度の燃料を供給することができ、出力の安定化および製造コストの低減を図ることが可能な燃料電池装置およびその燃料制御方法を提供する。
【解決手段】燃料電池装置は、アノード37、カソード36を有し化学反応により発電する起電部12と、水と燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンク28と、混合タンクから起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系22と、起電部のカソードに空気を供給するカソード流路24と、燃料を収容する燃料タンク14と、燃料タンクから混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプ26と、起電部の発熱量の目標値を記憶し、起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および燃料ポンプの流量から、起電部の発熱量を算出し、算出された起電部の発熱量が目標値となるように燃料ポンプの駆動を制御する電池制御部16と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器等の電源として用いられる燃料電池装置および燃料電池装置の燃料制御方法に関する。
現在、携帯可能なノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ノートPCと称する)、モバイル機器等の電子機器の電源としては、主に、リチウムイオンバッテリなどの二次電池が用いられている。近年、これら電子機器の高機能化に伴う消費電力の増加や更なる長時間使用の要請から、高出力で充電の必要のない小型燃料電池が新たな電源として期待されている。燃料電池には種々の形態があるが、特に、燃料としてメタノール溶液を使用するダイレクトメタノール方式の燃料電池(以下、DMFCと称する)は、水素を燃料とする燃料電池に比べて燃料の取扱いが容易で、システムが簡易であることから、電子機器の電源として注目されている。
通常、DMFCは、起電部として、それぞれアノードおよびカソードを有した複数の単セルを積層したセルスタックと、セルスタックのアノードに燃料と水とを含む液体混合燃料を供給するアノード循環系と、セルスタックのカソードに空気を供給するカソード流路と、を備えている。アノード循環系は、燃料濃度を調整する混合タンクと、混合タンクから液体混合燃料をセルスタックに供給する循環ポンプと、を有し、混合タンクからセルスタックに供給された液体混合燃料は、セルスタックで発電に使用された後、混合タンクに戻される。また、アノード循環系には、高濃度燃料を収容した燃料タンク、および燃料タンクから混合タンクに高濃度燃料を供給する燃料ポンプが設けられている。
液体混合燃料中の燃料は、セルスタック内で消費されるため、燃料電池の稼動に伴い、混合タンク内の液体混合燃料の燃料濃度は徐々に低下していく。燃料電池の出力電流は、液体混合燃料中の燃料の濃度に依存するため、燃料濃度が低下すると、出力も低下してしまう。そのため、燃料ポンプにより燃料タンクから高濃度燃料を混合タンクに補充し、液体混合燃料の燃料濃度を発電に最適な濃度に保っている。
このような高濃度燃料の補充を制御するため、アノード循環系にメタノール濃度センサが設けられ、その測定値に基づいて燃料ポンプの駆動を制御し、高濃度燃料の補充を行っている(特許文献1)。
特開2006−286239号公報
しかしながら、上記のような濃度センサを設置する場合、その設置空間を燃料電池装置内に確保する必要があり、システム全体の小型化、軽量化を図る上で障害となる。また、濃度センサ自体が高価であるため、濃度センサを使用することにより燃料電池装置の製造コスト増加に繋がる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、濃度センサを用いることなく、発電に適した燃料濃度の燃料を供給することができ、出力の安定化および製造コストの低減を図ることが可能な燃料電池装置およびその燃料制御方法を提供することにある。
この発明の態様に係る燃料電池装置は、アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、水と燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、前記起電部の発熱量の目標値を記憶し、前記起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、前記算出された前記起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する電池制御部と、を備えている。
この発明の他の態様に係る燃料電池装置の燃料制御方法は、アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、水と燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、を備えた燃料電池装置の燃料制御方法であって、前記起電部の発熱量の目標値を記憶し、前記起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、前記算出された前記起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する燃料制御方法である。
上記構成によれば、起電部の発熱量に応じて燃料の供給を制御することにより、濃度センサを用いることなく、発電に適した燃料濃度の燃料を供給することができ、出力の安定化および製造コストの低減を図ることが可能な燃料電池装置およびその燃料制御方法を提供することができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る燃料電池装置の循環系を示す図。 図2は、前記燃料電池装置のセルスタックを示す断面図。 図3は、前記セルスタックの単セルを概略的に示す図。 図4は、前記セルスタックから出力される電力と発熱量の関係を表した図。 図5は、前記セルスタックの温度および負荷電流が一定の場合の、燃料濃度と、セルスタックの発熱量との関係を示す図。 図6は、前記セルスタックの温度が一定の場合の、負荷電流、燃料濃度と、セルスタックの発熱量との関係を示す図。 図7は、この発明の第1の実施形態における、電池制御部による燃料ポンプの制御方法を示すフローチャート。 図8は、複数の負荷電流、および複数のスタック温度とこれらに適した複数の発熱量の目標値との関係を示すテーブル。 図9は、この発明の第2の実施形態における、電池制御部による燃料ポンプの制御方法を示すフローチャート。 図10は、この発明の第3の実施形態における、電池制御部による燃料ポンプの制御方法を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、この発明の第1の実施形態に係る燃料電池装置について詳細に説明する。
図1は燃料電池装置の循環系構成を概略的に示している。図1に示すように、燃料電池装置10は、メタノールを液体燃料としたDMFCとして構成されている。燃料電池装置10は、起電部を構成するセルスタック12、燃料タンク14、およびセルスタック12に燃料および空気を供給する循環系20、燃料電池装置全体の動作を制御する電池制御部16を備えている。電池制御部16はマイクロコンピュータ(CPU)等を有し、セルスタック12に電気的に接続されている。そして、電池制御部16は、セルスタック12で発生した電力をノートPC、携帯電話機等の電子機器17に供給する。電池制御部16は、同時に、セルスタック12の出力電圧および電子機器17からセルスタック12への負荷電流を測定している。
燃料タンク14は密閉構造を有し、その内部には液体燃料として高濃度のメタノールが収容されている。燃料タンク14は、燃料電池装置10に対して脱着自在な燃料カートリッジとして形成してもよい。
循環系20は、燃料タンク14の燃料供給口14aから供給された燃料をセルスタック12を通して循環させるアノード流路(燃料流路)22、およびセルスタック12を通して空気を含む気体を流通させるカソード流路(空気流路)24、アノード流路内およびカソード流路に設けられた複数の補機を有している。アノード流路22およびカソード流路24は、それぞれ配管等によって形成されている。
図2はセルスタック12の積層構造を示し、図3は各セルの発電反応を模式的に示している。図2および図3に示すように、セルスタック12は、複数、例えば、4つの単セル140と、5枚の矩形板状のセパレータ142と、を交互に積層して構成された積層体、および積層体を支持した枠体145を有している。各単セル140は、それぞれ触媒層とカーボンペーパとで構成されたほぼ矩形板状のカソード(空気極)36およびアノード(燃料極)37、これらカソード、アノード間に挟持されたほぼ矩形状の高分子電解質膜144とを一体化した膜・電極接合体(MEA)を備えている。高分子電解質膜144は、アノード37およびカソード36よりも大きな面積に形成されている。
3つのセパレータ142は、隣合う2つの単セル140間に積層され、他の2つのセパレータは、積層方向両端にそれぞれ積層されている。セパレータ142および枠体145には、各単セル140のアノード37に燃料を供給する燃料流路146、および各単セルのカソード36に空気を供給する空気流路147が形成されている。
図3に示すように、供給された燃料および空気は、アノード37とカソード36との間に設けられた電解質膜144で化学反応し、これにより、アノードとカソードとの間に電力が発生する。セルスタック12で発生した電力は、電池制御部16を介して電子機器17に供給される。
図1に示すように、アノード流路22には、燃料供給部として機能する燃料ポンプ26が接続されている。この燃料ポンプ26は、燃料タンク14の燃料供給口に配管接続されている。燃料ポンプ26は電池制御部16により駆動電圧あるいは回転数が制御され、燃料タンク14からアノード流路22および後述の混合タンク27に供給する高濃度燃料の流量を調整する。
アノード流路22には、燃料と水とを混合した所望の濃度の液体混合燃料、ここでは、メタノール水溶液を貯溜する混合タンク28が接続され、燃料ポンプ26の出力部に配管を介して接続されている。アノード流路22において、混合タンク28とセルスタック12との間には循環ポンプ30が設けられ、混合タンク28の出力部に接続されている。循環ポンプ30の出力部はアノード流路22を介してセルスタック12のアノード37に接続されている。これにより、循環ポンプ30は、混合タンク28から供給されたメタノール水溶液をアノード37に供給する。循環ポンプ30は、電池制御部16により駆動電圧あるいは回転数が制御され、アノード流路22を流れる燃料の流量を調整する。
セルスタック12のアノード37の出力部はアノード流路22を通して混合タンク28の入力部に接続されている。セルスタック12の出力部と混合タンク28との間でアノード流路22には気液分離器32が設けられている。アノード37から排出される排出流体、つまり化学反応に用いられなかった未反応メタノール水溶液および生成された二酸化炭素(CO)を含む気液2相流は、気液分離器32に送られ、ここで、二酸化炭素が分離される。分離されたメタノール水溶液はアノード流路22を通して混合タンク28に戻され、再度、アノード37へ供給される。混合タンク28は、セルスタック12内での発電反応後に排出される液体や気体の圧力上昇変動を一時的に緩和する働きを果たす。気液分離器32により分離された二酸化炭素は、図示しない浄化フィルタを通して外気に排気される。
一方、カソード流路24の吸気口24aおよび排気口24bは、それぞれ大気に連通している。カソード流路24に設けられた補機は、セルスタック12の上流側でカソード流路24の吸気口24a近傍に設けられたエアフィルタ40、セルスタック12とエアフィルタとの間でカソード流路に接続された送気ポンプ42、セルスタック12の下流側でセルスタックと排気口24bとの間に設けられた図示しない排気フィルタを含んでいる。
送気ポンプ42を作動させることにより、吸気口24aから空気がカソード流路24に給気される。給気された空気は、エアフィルタ40を通過した後、セルスタック12のカソード36に給気され、ここで、空気中の酸素が発電に利用される。カソード36から排出された空気は、カソード流路24および排気フィルタを通り、排気口24bから大気に排出される。
エアフィルタ40は、カソード流路24に吸い込まれた空気中のゴミ、および二酸化炭素、蟻酸、燃料ガス、蟻酸メチル、ホルムアルデヒド等の不純物、有害物質等を捕獲し除去する。排気フィルタは、カソード流路24から外部へ排気される気体中の副生成物を無害化するとともに、排気中の含まれている燃料ガス等を捕獲する。
セルスタック12には、温度センサ34が設けられている。温度センサ34は、セルスタック12の温度を検出し、その検出結果を電池制御部16に出力する。
上記のように構成された燃料電池装置10を電源として用いる場合、電池制御部16の制御の下、燃料ポンプ26、循環ポンプ30および送気ポンプ42を作動させる。
上記のように構成された燃料電池装置10を電子機器17の電源として動作させる場合、電池制御部16の制御の下、燃料ポンプ26、循環ポンプ30および送気ポンプ42を作動させるとともに、図示しない各開閉弁を開放する。燃料ポンプ26により、燃料タンク14から混合タンク28へ高濃度のメタノールが供給され、混合タンク内で水と混合され所望濃度のメタノール水溶液が形成される。また、循環ポンプ30により、混合タンク28内のメタノール水溶液がアノード流路22を通してセルスタック12のアノード37に供給される。
送気ポンプ42により、カソード流路24の吸気口24aからカソード流路内に外気、つまり、空気が吸い込まれる。この空気はエアフィルタ40を通り、ここで、空気中のゴミ、不純物が除去される。エアフィルタ40を通過した後、空気はセルスタック12のカソード36へ供給される。
セルスタック12に供給されたメタノールおよび空気は、アノード37とカソード36との間に設けられた電解質膜144で電気化学反応し、これにより、アノード37とカソード36との間に電力が発生する。セルスタック12で発生した電力は、電池制御部16を介して電子機器17へ供給される。
電気化学反応に伴い、セルスタック12には反応生成物として、アノード37側に二酸化炭素、カソード36側に水が生成される。アノード37側に生じた二酸化炭素および化学反応に供されなかった未反応メタノール水溶液はアノード流路22を通して気液分離器32に送られ、ここで、二酸化炭素とメタノール水溶液とに分離される。分離されたメタノール水溶液は、気液分離器32からアノード流路22を通して混合タンク28へ回収され、再度、発電に用いられる。分離された二酸化炭素は、気液分離器32から大気に排出される。
セルスタック12のカソード36側に生じた水は、その大部分が水蒸気となり空気とともにカソード流路24に排出される。排出された空気および水蒸気を含む気体は、排気フィルタに送られ、ここで、ゴミ、不純物が除去された後、カソード流路24の排気口24bから外部に排気される。
上述した発電動作の間、電池制御部16は、セルスタック12の発熱量に応じて燃料ポンプ26の動作状態を制御することにより高濃度メタノールの供給量を調整し、メタノール水溶液の燃料濃度の最適化および発電動作の最適化を図っている。
図4は、セルスタック12から出力される電力と発熱量の関係を表した図である。この図に示すように、純メタノール1(cc)の持つエネルギーは5(Wh/cc)であるが、セルスタック12の内部抵抗による損失と、燃料のメタノールがアノードからカソードへ透過してカソードで酸化する現象(メタノールクロスオーバー)により電力として取り出せなかったエネルギーと、が熱として放出される。本願では、このセルスタック12からの発熱に相当するエネルギーを発熱量と定義する。
従って、燃料電池装置10では、燃料タンク14からアノード循環系に、電力+発熱量(W )に相当する燃料を供給する必要がある。そこで、本実施形態に係る燃料電池装置10では、発熱量とセルスタック12へ供給されるメタノール水溶液濃度との関係を用いて、セルスタック12を発電に最適な状態に保つように燃料供給量を制御する。
図5は、セルスタック12の温度および負荷電流が一定の場合の、セルスタック12に供給されるメタノール水溶液の濃度(燃料濃度)と、セルスタックの発熱量との関係を示している。DMFCのセルスタック12は、通常、供給される燃料の濃度が一定濃度(Cmin )以下であると燃料不足に陥りセルが破壊されるという性質を持っている。そのため、燃料電池装置では、燃料濃度をCmin以上に保つ必要がある。一方、燃料濃度が高くなると発電効率が悪化し発熱量が増加する。そのため、セルスタック12の発熱量Qを放熱可能な限界Qmax以下に発熱量を抑える必要がある。そこで、本実施形態では、燃料濃度と発熱量とに図5に示すような関係があることに着目し、稼動時のセルスタック12の発熱量が
min≦Qstack≦Qmaxの関係を満たす目標発熱量Qstackとなるように、燃料供給量を制御する。
セルスタック12に供給されるメタノール水溶液の濃度(燃料濃度)と、セルスタックへの負荷電流Iおよびセルスタックの発熱量Qとの間には、図6に示すような相関がある。例えば、発電に最適な燃料濃度をC1(mol/l)とした場合、負荷電流I1(A)のときは発熱量をQ1(W)に、負荷電流I2(A)のときは発熱量をQ2(W)に、負荷電流I3(A)のときは発熱量をQ3(W)に制御することにより、濃度センサを用いることなく、燃料濃度を最適な状態に保つことができる。
セルスタック12の発熱量Qは、セルスタック12の電圧、負荷電流、燃料ポンプ26の流量が分かっていれば、以下の式(1)で算出される。(燃料タンク14内の燃料が純メタノールの場合)
発熱量(W)=
燃料ポンプ流量(cc/min)×5 (Wh/cc)×60 (min/h)−スタック電圧(V)×負荷電流(A)
----(1)
5 (Wh/cc):純メタノール1ccがもつエネルギー
図7は、電池制御部16による燃料ポンプ26の制御方法を示している。電池制御部16は、燃料電池装置10の代表的な運転条件における(例えば、定格負荷電流、定格スタック温度における)セルスタックの発熱量Qを、セルスタックへの実際の負荷電流、セルスタック温度に関わらず、一定の目標値として予めメモリに記憶している。この場合、電池制御部16は1つの目標値を保存すればよく、データ量は少なくなるが、負荷電流の変動により燃料濃度も変化する。例えば、図6に示すように、負荷電流I2(A)のときに燃料濃度がC1(mol/l)となるように発熱量の目標値をQ2とした場合、セルスタック12の負荷電流がI1(A)のときは燃料濃度が目標の燃料濃度C1(mol/l)よりも薄くなり、負荷電流がI3(A)のときは燃料濃度が目標の燃料濃度がC1(mol/l)よりも濃くなる。
そこで、図7に示すように、電池制御部16は、まず、セルスタック12のスタック電圧およびセルスタックへの負荷電流Iを測定する(B1)。続いて、電池制御部16は、測定したスタック電圧、スタックへの負荷電流、および現在の燃料ポンプ26の流量からセルスタック12の発熱量を算出する(B2)。この発熱量は、例えば、前述した式(1)により算出される。
次いで、電池制御部16は、算出した発熱量と目標値とを比較し、大小関係を判定する(B3、B4)。発熱量=目標値の場合、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量を変更せず運転を続ける(B5)。
算出した発熱量が目標値未満の場合、電池制御部16は、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq1を算出する(B6)。流量変化量Δq1は例えば以下の式(2)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
流量変化量Δq1=(目標値(W)−発熱量(W))÷5 (Wh/cc)÷60(min/h) ---(2)
5 (Wh/cc):純メタノール1ccがもつエネルギー
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq1増えるように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B7)。これにより、セルスタック12の発熱量は、所定の目標値となり、最適な運転状態が得られる。
また、電池制御部16は、B3、B4において、算出した発熱量が目標値よりも大きい場合、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq2を算出する(B8)。流量変化量Δq2は例えば以下の式(3)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
流量変化量Δq2=(発熱量(W)−目標値(W))÷5 (Wh/cc)÷60(min/h) ---(3)
5 (Wh/cc):純メタノール1ccがもつエネルギー
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq2減るように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B9)。これにより、セルスタック12の発熱量は、所定の目標値となり、最適な運転状態が得られる。
電池制御部16は、燃料電池装置10の発電期間中、上述したB1〜B9を繰り返し実行することにより、セルスタック12の発熱量に基づいて、燃料ポンプ26の燃料供給量を制御し、運転に適した燃料濃度を設定する。
以上のように構成された燃料電池装置および燃料制御方法によれば、セルスタック12の発熱量に基づいて燃料供給量を制御することにより、濃度センサを用いることなく、発電に適した濃度の燃料を供給することができる。これにより、濃度センサを省略し、装置の小型化および製造コストの低減を図ることができるとともに、出力の安定化を図ることが可能となる。
次に、この発明の第2の実施形態に係る燃料電池装置の燃料制御方法について説明する。第2の実施形態によれば、セルスタックへの負荷電流、スタック温度に対応する発熱量の複数の目標値を予め記憶し、負荷電流、スタック温度の変動に応じて、目標値を選択し、選択された目標値となるように、燃料供給量を制御する。燃料電池装置10の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、その詳細な説明を省略する。
第1の実施形態のように、目標値を定数とした場合において、燃料濃度変動がセルスタック12の信頼性等の観点から許容できない場合や、意図的に燃料濃度を変動させたい場合は、セルスタックへの負荷電流、スタック温度に対応する発熱量の複数の目標値に基づいて、燃料供給量を制御する。
図8は、複数の負荷電流、および複数のスタック温度とこれらに適した複数の発熱量の目標値との関係を示すテーブルを示している。燃料電池装置10の電池制御部16は、このテーブルを予め記憶している。電池制御部16は、運転に際して、図8に示すテーブルから現在の運転条件に近い目標値を選択する。例えば、温度センサ34により測定されたセルスタック12のスタック温度がT2以上T3未満、電池制御部により測定された負荷電流がI3以上I4未満である場合、Q23を発熱量の目標値に用いる。この場合、電池制御部に保存するデータ量は多くなるが、負荷電流の変動による燃料濃度変化を少なくすることができる。
図9は、電池制御部16による燃料ポンプ26の制御方法を示している。電池制御部16は、まず、スタック電圧、スタックへの負荷電流を測定する(B1)。続いて、電池制御部16は、測定したスタック電圧、負荷電流、および測定した燃料ポンプ26の流量からセルスタック12の発熱量を算出する(B2)。この発熱量は前述した式(1)から算出される。次いで、電池制御部16は、図8に示すテーブルから、スタック温度および負荷電流の少なくとも一方、例えば、負荷電流に対応する目標値を選択する(B3)。
電池制御部16は、算出された発熱量と選択された目標値とを比較し、大小関係を判定する(B4、B5)。発熱量=目標値の場合、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量を変更せず運転を続ける(B6)。
算出した発熱量が目標値未満の場合、電池制御部16は、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq1を算出する(B7)。流量変化量Δq1は例えば前述した式(2)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq1増えるように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B8)。これにより、セルスタック12の発熱量は、所定の目標値となり、最適な運転状態が得られる。
また、電池制御部16は、B4、B5において、算出した発熱量が目標値よりも大きい場合、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq2を算出する(B9)。流量変化量Δq2は例えば前述した式(3)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq2減るように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B10)。これにより、セルスタック12の発熱量は、選択された目標値となり、最適な運転状態が得られる。
電池制御部16は、上述したB1〜B10を繰り返すことにより、セルスタック12の発熱量に基づいて、燃料ポンプ26の燃料供給量を制御し、運転に適した燃料濃度を設定する。
以上のように構成された燃料電池装置および燃料制御方法によれば、セルスタック12の発熱量に基づいて燃料供給量を制御することにより、濃度センサを用いることなく、最適な燃料濃度を得ることができる。これにより、濃度センサを省略し、装置の小型化および製造コストの低減を図ることが可能となる。また、電池制御部に保存するデータ量は多くなるが、測定された負荷電流に対応する最適の発熱量に基づいて燃料濃度を調整することにより、負荷電流の変動による燃料濃度変化を低減し、最適な運転状態を維持することができる。
また、前述したテーブルにおいて、発電に最適なスタック温度より低いスタック温度のときの目標値を、発電に最適なスタック温度の目標値より大きい値に設置し、発電に最適なスタック温度より高いスタック温度のときの目標値を、発電に最適なスタック温度の目標値より小さい値に設定することにより、セルスタック12のスタック温度を発電に最適な温度に速やかに上昇させることができるとともに、セルスタック12の過熱を防止することができ、スタック温度を最適な状態に維持することができる。
図8に示すテーブルは、スタック温度、負荷電流両方の変化に対応した表となっているが、スタック温度および負荷電流のいずれか一方の変化にだけ対応するテーブルを用いることも可能である。例えば、負荷電流の変動に対応する燃料濃度の変動を抑制するが、スタック温度の管理は厳密に行い必要がない場合、負荷電流に対応する発熱量の目標値のみを用いればよい。また、負荷電流の変動による燃料濃度変化は許容できるが、スタック温度を安定させたい場合は、スタック温度に対応する発熱量の目標値のみを用いればよい。
図10は、第3の実施形態に係る電池制御部16による燃料ポンプ26の制御方法を示している。本実施形態によれば、発熱量の目標値をスタック温度に対応する目標値、あるいは、スタック温度および負荷電流の両方に対応する目標値、を選択して、燃料供給量を制御する方法を示している。
図10に示すように、電池制御部16は、まず、スタック電圧、スタックへの負荷電流を測定する(B1)。続いて、電池制御部16は、測定したスタック電圧、負荷電流、および測定した燃料ポンプ26の流量からセルスタック12の発熱量を算出する(B2)。この発熱量は前述した式(1)から算出される。また、電池制御部16は、温度センサ34によりセルスタック12のスタック温度を測定する(B3)。次いで、電池制御部16は、図8に示すテーブルから、測定されたスタック温度および測定された負荷電流に対応する目標値を選択する(B4)。
電池制御部16は、算出された発熱量と選択された目標値とを比較し、大小関係を判定する(B5、B6)。発熱量=目標値の場合、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量を変更せず運転を続ける(B7)。
算出した発熱量が目標値未満の場合、電池制御部16は、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq1を算出する(B8)。流量変化量Δq1は例えば前述した式(2)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq1増えるように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B9)。これにより、セルスタック12の発熱量は、所定の目標値となり、最適な運転状態が得られる。
また、電池制御部16は、B4、B5において、算出した発熱量が目標値よりも大きい場合、目標の発熱量を得るために必要な燃料ポンプ25の流量変化量Δq2を算出する(B10)。流量変化量Δq2は例えば前述した式(3)から算出される(燃料タンク内の燃料が純メタノールの場合)。
そして、電池制御部16は、燃料ポンプ26の流量がΔq2減るように、燃料ポンプ15の運転駆動電圧、駆動周波数等、を変更、制御し、燃料の供給量を調整する(B11)。これにより、セルスタック12の発熱量は、選択された目標値となり、最適な運転状態が得られる。
電池制御部16は、上述したB1〜B11を繰り返すことにより、セルスタック12の発熱量に基づいて、燃料ポンプ26の燃料供給量を制御し、運転に適した燃料濃度を設定する。
以上のように構成された燃料電池装置および燃料制御方法によれば、セルスタック12の発熱量に基づいて燃料供給量を制御することにより、濃度センサを用いることなく、最適な燃料濃度を得ることができる。これにより、濃度センサを省略し、装置の小型化および製造コストの低減を図ることが可能となる。また、測定されたスタック温度および負荷電流に対応する最適の発熱量に基づいて燃料濃度を調整することにより、スタック温度および負荷電流の変動による燃料濃度変化を低減し、最適な運転状態を維持することができる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記構成によれば、濃度センサを用いることなく、発電に適した燃料濃度の燃料を供給することができ、出力の安定化および製造コストの低減を図ることが可能な燃料電池装置およびその燃料制御方法が得られる。
10…燃料電池装置、12…セルスタック、14…燃料タンク、16…電池制御部、
20…循環系、22…アノード流路、24…カソード流路、28…混合タンク、
30…循環ポンプ、34…温度センサ、36…カソード(空気極)、
37…アノード(燃料極)

Claims (7)

  1. アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、
    水と燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、
    前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、
    前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、
    燃料を収容する燃料タンクと、
    前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、
    前記起電部の発熱量の目標値を記憶し、前記起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、前記算出された前記起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する電池制御部と、
    を備えた燃料電池装置。
  2. 前記電池制御部は、前記算出した発熱量が前記目標値より低い場合、前記起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの流量を増加し、前記算出した発熱量が前記目標値より高い場合、前記発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの流量を減らすように前記燃料ポンプの駆動状態を変化させる請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、
    水と燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、
    前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、
    前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、
    燃料を収容する燃料タンクと、
    前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、
    前記起電部の温度を検出する温度センサと、
    前記起電部の温度および前記起電部の負荷電流の少なくとも一方にそれぞれ対応する前記起電部の発熱量の複数の目標値を予め記憶し、前記起電部の発生電圧、負荷電流、起電部の温度、および前記燃料ポンプの流量を測定し、測定された前記起電部の発生電圧、負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、前記測定された起電部の温度および負荷電流の少なくとも一方に対応する発熱量の目標値を前記予め記憶された目標値から選択し、前記算出された前記起電部の発熱量が前記選択された目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する電池制御部と、
    を備えた燃料電池装置。
  4. 前記電池制御部は、前記算出した発熱量が前記目標値より低い場合、前記起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの流量を増加し、前記算出した発熱量が前記目標値より高い場合、前記発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの流量を減らすように前記燃料ポンプの駆動状態を変化させる請求項3に記載の燃料電池装置。
  5. 前記起電部の温度にそれぞれ対応する複数の目標値において、前記起電部の発電に最適な温度よりも低い起電部温度に対応する目標値は、前記起電部の発電に最適な温度に対応する目標値よりも大きい値に設定され、前記起電部の発電に最適な温度よりも高い起電部温度に対応する目標値は、前記起電部の発電に最適な温度に対応する目標値よりも小さい値に設定されている請求項3又は4に記載の燃料電池装置。
  6. アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、水および燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、を備える燃料電池装置の燃料制御方法であって、
    前記起電部の発熱量の目標値を予め記憶し、
    前記起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および前記燃料ポンプの流量を測定し、
    測定された前記起電部の発生電圧、起電部への負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、
    前記算出された起電部の発熱量が前記目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する燃料電池装置の燃料制御方法。
  7. アノードおよびカソードを有するセルを備え、化学反応により発電する起電部と、水および燃料を含む液体混合燃料を収容する混合タンクと、前記混合タンクから前記起電部のアノードを通して液体混合燃料を循環させるアノード循環系と、前記起電部のカソードに空気を供給するカソード流路と、燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから前記混合タンクに燃料を供給する燃料ポンプと、を備える燃料電池装置の燃料制御方法であって、
    前記起電部の温度および前記起電部の負荷電流の少なくとも一方にそれぞれ対応する前記起電部の発熱量の複数の目標値を予め記憶し、
    前記起電部の発生電圧、負荷電流、起電部の温度、および前記燃料ポンプの流量を測定し、
    測定された前記起電部の発生電圧、負荷電流、および前記燃料ポンプの流量から、前記起電部の発熱量を算出し、
    前記測定された起電部の温度および負荷電流の少なくとも一方に対応する発熱量の目標値を前記予め記憶された目標値から選択し、
    前記算出された前記起電部の発熱量が前記選択された目標値となるように前記燃料ポンプの駆動を制御する燃料電池装置の燃料制御方法。
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