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JP2010188375A - 金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 - Google Patents

金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法 Download PDF

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Tadahira Ishida
匡平 石田
Noriko Kubo
典子 久保
Shunichi Kamezaki
俊一 亀崎
Kazunari Ishino
和成 石野
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Abstract

【課題】 溶鋼などの溶融金属を連続鋳造する際に、実機連続鋳造機の鋳型設備のような大型の設備であっても、鋳型銅板の内壁面に鋳造方向に沿った振動の進行波を形成させることができ、その結果、凝固シェルと鋳型銅板の内壁面との潤滑性が確保され、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレークアウトなどを発生させずに安定して連続鋳造する。
【解決手段】 本発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、二対の鋳型銅板2,3で矩形の鋳造空間を形成する連続鋳造用鋳型設備1であって、前記鋳型銅板の内壁面を鋳片引抜き方向と直交する方向に変形させるためのアクチュエーター4が複数配置されていて、該アクチュエーターによって形成される鋳型銅板内壁面での変形の変位が、鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播するように構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属の連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法に関し、詳しくは、凝固シェルと鋳型銅板の内壁面との間の体積変化が鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播するように、凝固シェルとの接触面側となる鋳型銅板の内壁面に鋳片引抜き方向と直交する方向に周期的な変形が形成される連続鋳造用鋳型設備に関し、また、この鋳型を用いた連続鋳造方法に関するものである。
溶鋼などの溶融金属を連続鋳造する際には、鋳型銅板の内壁面(以下、単に「鋳型内壁面」とも記す)と接触して冷却され、生成する凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳片に表面割れやブレークアウトなどを発生させずに安定して連続鋳造するために、鋳型を正弦波形などの波形により数mm〜十数mmの振動ストロークで鋳片引抜き方向に沿って往復運動(この往復運動を「オシレーション」と呼ぶ)させるとともに、この鋳型内壁面には連続的または断続的に潤滑剤を供給している。溶鋼の場合には、酸化物や炭酸塩及び弗化物などからなるモールドパウダーを鋳型内の溶鋼湯面上に添加し、溶鋼の熱により溶融させたモールドパウダーを鋳型内壁面と凝固シェルとの間に流入させ、潤滑剤として使用している。尚、ブレークアウトとは、凝固シェルの破断や亀裂などにより未凝固の溶湯が流出する現象であり、振動ストロークとは往復運動の上限と下限との巾、つまり振幅の2倍である。
また、ブレークアウトや鋳片表面性状をより一層改善するために、超音波振動や高周波振動を適用して、モールドパウダーの流入量を制御する技術も報告されている。例えば、特許文献1には、複数個の超音波振動子により鋳型内の溶湯湯面近傍の鋳型内壁面を数kHzの振動数で振動させて連続鋳造する方法が開示され、特許文献2には、振幅が10〜500μm、振動数が1000〜10000cpmの高周波振動で鋳型を鋳片の引抜き方向と直交する方向に振動させて連続鋳造する方法が開示され、また、特許文献3には、対向する2対の鋳型銅板から構成される鋳型において、鋳型全体を鋳片引抜き方向にオシレーションさせながら、一対の鋳型銅板に高周波振動を付与しつつ、鋳型オシレーションの振動サイクルに対応させて一対の鋳型銅板を水平方向に振動させて連続鋳造する方法が開示されている。
また更に、特許文献4及び特許文献5には、鋳型内壁面に、鋳片引抜き方向へ向かって伝播する振動が形成されるように、鋳型の上部及び下部に振動子を設置し、上部で付与した振動エネルギーを下部で吸収し、鋳型内壁面に振動の進行波を形成させ、潤滑性を確保する技術が開示されている。
特開平1−122645号公報 特開平3−210942号公報 特開平5−76997号公報 特開昭62−9750号公報 特開2002−321044号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
特許文献1〜3に開示された、鋳型銅板全体を同一位相の超音波で振動させる技術は、単に超音波振動のみで鋳型を振動させた場合には、振動数が大きい反面、振幅が小さく、焼き付きやブレークアウトに対してほとんど効果は得られないが、従来の正弦波形などの波形で鋳型をオシレーションさせた場合に併用すれば、従来の正弦波形などの波形のみで鋳型をオシレーションさせた場合に比較して、それなりの効果は得られる。しかしながら、設備改造に見合うほどの、つまり期待するほどの効果は得られない。
これに対して、特許文献4〜5に開示された、鋳型内壁面に振動の進行波を形成させる技術は、前記進行波とともにモールドパウダーが強制的に移送され、モールドパウダーの流入量が増加して、目的とする効果が得られる。特に、従来の正弦波形などの波形で鋳型をオシレーションさせた場合に併用すれば、十分な効果が発現される。しかしながら、特許文献4〜5に開示された技術では、上下一対の振動子の機械・電気特性及び鋳型の振動特性を厳密に適合させた上で、振動子の制御を事前に計算し、更に、超音波領域での正確な駆動が必要となる。それ故、実機連続鋳造機の鋳型設備のような大型の設備で上記技術を実現させることは極めて困難であるといわざるを得ない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶鋼などの溶融金属を連続鋳造する際に、実機連続鋳造機の鋳型設備のような大型の設備であっても、鋳型銅板の内壁面に鋳造方向に沿った振動の進行波を形成させることができ、その結果、凝固シェルと鋳型銅板の内壁面との潤滑性が確保され、凝固シェルと鋳型内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳片表面の割れやブレークアウトなどを発生させずに安定して連続鋳造することができる連続鋳造用鋳型設備及び連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、二対の鋳型銅板で矩形の鋳造空間を形成する連続鋳造用鋳型設備であって、前記鋳型銅板の内壁面を鋳片引抜き方向と直交する方向に変形させるためのアクチュエーターが複数配置されていて、該アクチュエーターによって形成される鋳型銅板内壁面での変形の変位が、鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播するように構成されていることを特徴とするものである。
第2の発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1の発明において、前記アクチュエーターは0.1Hz〜500Hzで周期的動作を行い、且つ、鋳片引抜き方向の順に位置するアクチュエーターの位相が、順次進んでいるか、または順次遅れていることを特徴とするものである。
第3の発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1または第2の発明において、前記アクチュエーターの動作方向は、鋳片引抜き方向と直交する方向であり、前記アクチュエーターの一端が前記鋳型銅板に接続していることを特徴とするものである。
第4の発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1または第2の発明において、前記アクチュエーターの動作方向は、鋳片引抜き方向と平行な方向であり、前記アクチュエーターの両端部が前記鋳型銅板に接続していることを特徴とするものである。
第5の発明に係る金属の連続鋳造用鋳型設備は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記アクチュエーターは、油圧シリンダーまたは圧電素子からなることを特徴とするものである。
第6の発明に係る金属の連続鋳造方法は、第1ないし第5の発明の何れか1つに記載の連続鋳造用鋳型設備を用い、前記アクチュエーターによって鋳型銅板の内壁面を鋳片引抜き方向と直交する方向に変形させながら前記鋳造空間に溶融金属を注入することを特徴とするものである。
第7の発明に係る金属の連続鋳造方法は、第6の発明において、更に、正弦波形または偏倚正弦波形で前記連続鋳造用鋳型設備をオシレーションさせることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶鋼などの溶融金属を連続鋳造する際に、凝固シェルと鋳型銅板内壁面との焼き付きやスティッキングを防止し、鋳片に表面割れやブレークアウトなどを発生させずに安定して連続鋳造することができ、その結果、製造コストの大幅な削減が達成され、工業上有益な効果がもたらされる。
本発明に係る連続鋳造用鋳型設備を鋳型短辺銅板の方向から見た側断面概略図である。 本発明に係る連続鋳造用鋳型設備を鋳型長辺銅板の方向から見た側断面概略図である。 本発明に係る連続鋳造用鋳型設備の平面概略図である。 アクチュエーターの位相を鋳片引抜き方向の順に進めたときの時間経過に伴う鋳型長辺銅板の変形状況の模式図である。 アクチュエーターの動作方向を鋳片引抜き方向と平行な方向とする一例を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1〜3は、本発明に係る連続鋳造用鋳型設備の概略図であり、図1は、鋳型短辺銅板の方向から見た側断面概略図、図2は、鋳型長辺銅板の方向から見た側断面概略図、図3は平面概略図である。
図1〜3において、符号1は連続鋳造用鋳型設備、2は鋳型銅板のうちの鋳型長辺銅板、3は鋳型銅板のうちの鋳型短辺銅板、4はアクチュエーター、5は固定架台、6は浸漬ノズル、7は吐出孔、8は溶鋼、9は凝固シェル、10はモールドパウダーであり、連続鋳造用鋳型設備1は、相対する一対の鋳型長辺銅版2と、相対する一対の鋳型短辺銅板3とで構成され、合計二対の鋳型銅板で矩形の鋳造空間が形成されている。鋳型短辺銅板3は、鋳型長辺銅板2に挟まれており、この挟まれる位置を変更することで、鋳造される鋳片の幅が変更できるようになっている。鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3は、通常の鋳型オシレーション、つまり、数mm〜十数mmの振動ストローク(=振幅の2倍)で鋳片引抜き方向に沿って往復運動できるように構成されており、また、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3は、冷却水によって冷却される水冷構造となっている。
鋳型オシレーションの波形は、通常行われている正弦波形や偏倚正弦波形を採用することが最適である。ここで、偏倚正弦波形とは、正弦波形に対して、鋳型振動の1サイクル中で鋳型が上昇した時の最大変位をとる時間が正弦波形の場合よりも後半にずれ、且つ、鋳型が下降した時の最大変位をとる時間が正弦波形の場合よりも前半にずれた波形となったものである。
鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の背面には、一端をこれらの鋳型長辺銅板2または鋳型短辺銅板3と接続し、他端を連続鋳造用鋳型設備1に固定されて配置される固体架台5と接続するアクチュエーター4が設置されている。アクチュエーター4は、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の幅方向及び鋳片引抜き方向に、複数個配置されている。この場合、鋳片引抜き方向では、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3において、幅方向の同一箇所に並んで配置されている。尚、図1〜3では、アクチュエーター4の設置数は、鋳造方向に4箇所、幅方向には鋳型長辺銅板2では4箇所、鋳型短辺銅板3では2箇所であるが、これは一例を示すものであり、図1〜3に限定されるものではない。
アクチュエーター4を鋳片引抜き方向と直交する方向に動作させることにより、つまり、アクチュエーター4の軸4aが鋳片引抜き方向と直交する方向に伸縮するように、アクチュエーター4を動作させることにより、アクチュエーター4の一方の端部は固定架台5によって固体されていることから、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3は、アクチュエーター4の動作に応じて、鋳片引抜き方向と直交する方向に振動するように変形する。この鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の変形の振幅は、一般に鋳型銅板と凝固シェルとの間隙のモールドパウダー10の厚みが200μm程度であるので、50μm程度を上限とすればよい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型設備1においては、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面における変形の変位が、鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播するように構成されている。連続鋳造時、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3を鋳片引抜き方向と直交する方向に振動するように変形させると、鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙の体積並びに鋳型短辺銅板3と凝固シェル9との間隙の体積は変化する。ここで、上記の「鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面における変形の変位が、鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播する」とは、「前記体積変化が鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播する」と同等の意味である。尚、後述するように、体積変化の進行方向は、変形の変位の進行方向とは逆方向になる。
つまり、本発明に係る連続鋳造用鋳型設備1においては、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面に振動の進行波が形成されるように構成されている。内壁面における振動進行波の形成は、鋳片引抜き方向に並んで配置されるアクチュエーター4を同一周波数で動作させ、且つ、各アクチュエーター4の位相を、鋳片引抜き方向の順に進ませるか、或いは遅らせることによって得ることができる。
ここで、位相を鋳片引抜き方向の順に進ませるとは、以下のとおりである。即ち、アクチュエーター4を正弦波形で動作させると、軸4aの先端の変位は、一般式であるAsin(2πft+α)(但し、Aは振幅、fは振動数、tは時刻である)で表される。時刻tのときに、鋳片引抜き方向の最も上側のアクチュエーター4の変位をAsin(2πft)とし、その直下のアクチュエーター4の変位をAsin(2πft-β)とし、その直下のアクチュエーター4の変位をAsin(2πft-2β)とするように、鋳片引抜き方向の順に所定値(ここではβ)だけ位相を順次小さくすることを、位相を進ませるという。位相を鋳片引抜き方向の順に遅らすとは、逆に、鋳片引抜き方向の順に所定値だけ位相を順次大きくすることをいう。
図4に、アクチュエーター4を正弦波形で動作させ、鋳片引抜き方向に配置されるアクチュエーター4の位相を鋳片引抜き方向の順に進めたときの時間経過に伴う鋳型長辺銅板2の変形状況の模式図を示す。図4の紙面向かって左から右に、つまり矢印の方向に時間が経過する。
図4に示すように、鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙には、鋳型内溶鋼上に添加され、溶融したモールドパウダー10が流入して充填されている。アクチュエーター4を動作させることにより、鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙の体積は変化する。アクチュエーター4の位相を鋳片引抜き方向の順に進めると、鋳型長辺銅板2の内壁面に形成される変形の変位は、鋳片引抜き方向の下流側から上流側に向かう方向に進行する。つまり、振動の進行波は鋳片引抜き方向の下流側から上流側に向かう方向に進行する。これにより、鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙の体積変化は、逆に、鋳片引抜き方向の上流側から下流側に向かう方向に進行する。図4では、間隙の体積変化を●印で表示している。間隙の体積変化が鋳片引抜き方向の上流側から下流側に向かうことで、モールドパウダー10も移送される。移送されるモールドパウダー10を補うために、モールドパウダー10の鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙への流入が促進され、鋳型長辺銅板2と凝固シェル9との間隙へのモールドパウダー10の流入量が増加する。
即ち、使用するモールドパウダー10の特性によって、モールドパウダー10の流入量が不足するときには、アクチュエーター4の位相を鋳片引抜き方向の順に進めることにより、モールドパウダー10の流入量が確保され、潤滑不良に起因する焼き付きやブレークアウトが防止される。一方、逆に、使用するモールドパウダー10の特性によって、モールドパウダー10の流入量が過多のときには、アクチュエーター4の位相を鋳片引抜き方向の順に遅らせることにより、モールドパウダー10の流入量が抑制され、適正量の流入量となり、鋳型内での不均一冷却が防止されて鋳片縦割れなどが減少する。尚、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の幅方向に並ぶアクチュエーター4では、鋳片引抜き方向の高さ位置が同じ位置では位相を同一にすればよい。
アクチュエーター4の振動数は0.1〜500Hz、望ましくは10Hz〜50Hzとすることが好ましい。0.1Hz未満では鋳型銅板の内壁面に形成される振動進行波の進行速度が遅く、発現される効果が少なく、一方、500Hzを越えると効果は飽和し、それ以上の周波数を発生させるための設備費が無駄になる。
図1〜4に示すアクチュエーター4は、油圧シリンダーにより構成されているが、圧電素子もアクチュエーター4として好適である。圧電素子は電圧を印加すると体積変化が起こるので、この体積変化を利用して鋳型銅板を変形させる。圧電素子は耐熱温度が200〜300℃であるので、鋳型背面で十分に使用可能である。
アクチュエーター4の設置間隔が広過ぎると、鋳型銅板を十分に変形することができない。従って、アクチュエーター4の設置間隔は、数mm〜数十mmにすることが好ましい。また、鋳型銅板と凝固シェル9との間隙に存在するモールドパウダー10が固化してしまうと、モールドパウダー移送の効果が減じるので、アクチュエーター4を鋳型の下部まで配置する必要はなく、鋳型湯面から鋳型の引抜き方向中央部程度まで配置すればよい。また、鋳型短辺銅板3では、鋳型長辺銅板2に比べてモールドパウダー10の流入量が一般的に多いので、鋳型長辺銅板2のみにアクチュエーター4を配置してもよい。
以下、このように構成される本発明に係る連続鋳造用鋳型設備1を用いた溶鋼8の連続鋳造方法を説明する。
タンディッシュ(図示せず)に滞在する溶鋼8を、タンディッシュの底部に設置した浸漬ノズル6を介して、浸漬ノズル6の下部に設けた吐出孔7から、一対の鋳型長辺銅板2及び一対の鋳型短辺銅板3により形成される矩形の鋳造空間に注入する。その際に、使用するモールドパウダー10の特性に応じて、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面に形成される変形の変位が、鋳片引抜き方向の下流側から上流側に向かう方向またはその逆方向に進行するように、アクチュエーター4を動作させる。鋳型内の溶鋼8の上にはモールドパウダー10を添加する。この場合、従来の鋳型オシレーションを併用することにより、凝固シェル9の焼き付き及びスティッキングがより一層防止されるので、連続鋳造用鋳型設備1の全体を鋳片引抜き方向に沿ってオシレーションさせることが好ましい。
鋳造空間に注入された溶鋼8は鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面と接触して冷却され、鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面に沿って凝固シェル9を形成する。この凝固シェル9を連続鋳造用鋳型設備1の下方に設けたピンチロール(図示せず)により連続鋳造用鋳型設備1の下方側に連続的に引抜き、溶鋼8の連続鋳造を実施する。
このようにして溶鋼8を連続鋳造することにより、凝固シェル9と鋳型長辺銅板2及び鋳型短辺銅板3の内壁面との焼き付きやスティッキングが防止され、鋳片に表面割れやブレークアウトなどを発生させずに安定した連続鋳造が可能となる。
尚、図1〜4に示すアクチュエーター4は、アクチュエーター4の動作方向が鋳片引抜き方向と直交する方向であるが、図5に示すように、鋳片引抜き方向と平行な方向とすることもできる。図5は、アクチュエーター4の動作方向を鋳片引抜き方向と平行な方向とする例を示す概略図であり、アクチュエーター4の軸4aの両端が鋳型長辺銅板2と接続されている。
1 連続鋳造用鋳型設備
2 鋳型長辺銅板
3 鋳型短辺銅板
4 アクチュエーター
5 固定架台
6 浸漬ノズル
7 吐出孔
8 溶鋼
9 凝固シェル
10 モールドパウダー

Claims (7)

  1. 二対の鋳型銅板で矩形の鋳造空間を形成する連続鋳造用鋳型設備であって、前記鋳型銅板の内壁面を鋳片引抜き方向と直交する方向に変形させるためのアクチュエーターが複数配置されていて、該アクチュエーターによって形成される鋳型銅板内壁面での変形の変位が、鋳片引抜き方向またはその逆方向に向かって伝播するように構成されていることを特徴とする、金属の連続鋳造用鋳型設備。
  2. 前記アクチュエーターは0.1Hz〜500Hzで周期的動作を行い、且つ、鋳片引抜き方向の順に位置するアクチュエーターの位相が、順次進んでいるか、または順次遅れていることを特徴とする、請求項1に記載の金属の連続鋳造用鋳型設備。
  3. 前記アクチュエーターの動作方向は、鋳片引抜き方向と直交する方向であり、前記アクチュエーターの一端が前記鋳型銅板に接続していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属の連続鋳造用鋳型設備。
  4. 前記アクチュエーターの動作方向は、鋳片引抜き方向と平行な方向であり、前記アクチュエーターの両端部が前記鋳型銅板に接続していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属の連続鋳造用鋳型設備。
  5. 前記アクチュエーターは、油圧シリンダーまたは圧電素子からなることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の金属の連続鋳造用鋳型設備。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の連続鋳造用鋳型設備を用い、前記アクチュエーターによって鋳型銅板の内壁面を鋳片引抜き方向と直交する方向に変形させながら前記鋳造空間に溶融金属を注入することを特徴とする、金属の連続鋳造方法。
  7. 更に、正弦波形または偏倚正弦波形で前記連続鋳造用鋳型設備をオシレーションさせることを特徴とする、請求項6に記載の金属の連続鋳造方法。
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