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JP2010186124A - 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置 - Google Patents

光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置 Download PDF

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JP2010186124A
JP2010186124A JP2009031065A JP2009031065A JP2010186124A JP 2010186124 A JP2010186124 A JP 2010186124A JP 2009031065 A JP2009031065 A JP 2009031065A JP 2009031065 A JP2009031065 A JP 2009031065A JP 2010186124 A JP2010186124 A JP 2010186124A
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Japan
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film
optical film
cellulose
hard coat
polarizing plate
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JP2009031065A
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Inventor
Hiroshi Betsumiya
啓史 別宮
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Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、薄膜であってもカール発生や、クラックや割れ、表面収縮による皺の発生がなく、かつ格段に高硬度であるハードコート層を有する光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置を提供することにある。
【解決手段】平均繊維径4〜200nmのセルロースナノファイバーを含有するハードコート層を支持体に積層してなることを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置に関する。
表示デバイスの表面には、反射防止特性や防眩性などを付与するために通常光学フィルムが設けられている。このような光学フィルムは通常薄膜であり硬度が低く傷つきやすいため、硬度を持たせるためにハードコート層が施されることが多い。光学フィルムの光学特性は精密さを要求され、光学特性を安定して発揮するためには、高い硬度安定性が要求される。
ハードコート層の技術として特許文献1には透明支持体上にハードコート層を有する光学フィルムを薄膜にするために、支持体を薄膜化するとカールが発生するのを、2種の特定のアクリレート化合物を含む組成物を硬化させたハードコート層として解消する技術が開示されているが、鉛筆硬度がH程度であり、現在は更に高い鉛筆硬度が要求されている。
高硬度化のためにハードコート層を厚膜化する手段があるが、厚膜化によりハードコート層と支持体の収縮性の差からカールが発生したり、更に同様な理由からクラックや割れの発生、表面収縮による皺が発生したりするなど、実用上の問題があることが分かった。
特に液晶表示装置に用いられる偏光板保護フィルムや位相差フィルムに高硬度のハードコート層を付与した場合には、表示装置の電源のオンオフが頻繁に行われ、温度変動によるクラックや透明性劣化が現れやすいという課題があった。
特開2005−103973号公報
従って本発明の目的は、薄膜であってもカール発生や、クラックや割れ、表面収縮による皺の発生がなく、かつ格段に高硬度であるハードコート層を有する光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置を提供することにある。特に温度変動によるクラックや透明性劣化が現れにくい硬度の高い偏光板保護フィルム、位相差フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.平均繊維径4〜200nmのセルロースナノファイバーを含有するハードコート層を支持体に積層してなることを特徴とする光学フィルム。
2.前記セルロースナノファイバーの非晶領域が3%〜60%であることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
3.前記ハードコート層が微粒子を含有していることを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
4.前記ハードコート層が分散剤を含んでいることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
5.前記分散剤のHLB値が5〜15であることを特徴とする前記4に記載の光学フィルム。
6.前記分散剤が酸価・アミン価両方を有することを特徴とする前記4に記載の光学フィルム。
7.全光線透過率が80%以上であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
8.偏光子とそれを挟む2枚の偏光板保護フィルムからなる偏光板であって、該2枚の偏光板保護フィルムのうちの一枚が前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
9.前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム、または前記8に記載の偏光板を用いたことを特徴とする表示装置。
10.前記支持体が、組成物としてセルロースエステルを含有していることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
本発明によれば、薄膜であってもカール発生や、クラックや割れ、表面収縮による皺の発生がなく、かつ格段に高硬度であるハードコート層を有する光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、表示装置を提供できる。特に温度変動によるクラックや透明性劣化が現れにくい硬度の高い偏光板保護フィルム、位相差フィルムを提供することができる。
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、本発明者らは、セルロースナノファイバーは径が細く弾性率が大きく線膨張係数が小さいことに着目し、これを用いれば細径であるから透明性は損なわず、弾性によってカールを抑え、膨張率の低さが寸法安定性に寄与するだろうと考え、ハードコート層に採用したところ、カール発生や、クラック、割れ、皺の発生を抑えられることを見出し、本発明に至ったものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈セルロースナノファイバー〉
本発明に係るセルロースナノファイバーとは、繊維として、好ましくは平均繊維径4〜200nmであるセルロース系繊維をいう。この繊維は、単繊維が、引き揃えられることなく、離隔して存在するものより成ってもよい。この場合、平均繊維径は単繊維の平均径となる。また、本発明に係る繊維は、複数(多数であってもよい)本の単繊維が束状に集合して1本の糸条を構成しているものであってもよく、この場合、平均繊維径は1本の糸条の径の平均値として定義される。
本発明において、繊維の平均繊維径が200nmを超えると、可視光の波長に近づき、ハードコート層との界面で可視光の屈折が生じ易くなり、透明性が低下することとなるため、本発明で用いる繊維の平均繊維径の上限は200nmであることが好ましい。平均繊維径4nm未満の繊維は製造が困難であるため、本発明で用いる繊維の平均繊維径の下限は4nmである。本発明で用いる繊維の平均繊維径は、好ましくは4〜100nmであり、より好ましくは4〜60nmである。
なお、本発明で用いる繊維は、平均繊維径が4〜200nmの範囲内であれば、繊維中に4〜200nmの範囲外の繊維径のものが含まれていても良いが、その割合は全体の30質量%以下であることが好ましく、望ましくは、すべての繊維の繊維径が200nm以下、特に100nm以下、とりわけ60nm以下であることが望ましい。
なお、繊維の長さについては特に限定されないが、平均長さで100nm以上が好ましい。繊維の平均長さが100nmより短いと、ハードコート層の補強効果が低く、硬度が不十分となるおそれがある。なお、繊維中には繊維長さ100nm未満のものが含まれていても良いが、その割合は30質量%以下であることが好ましい。
上記繊維径、繊維長の測定は市販の顕微鏡、電子顕微鏡により測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡により2000倍にセルロースナノファイバーを拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のセルロースナノファイバーを使用して繊維径、繊維長の平均値を求めることができる。
本発明に係るセルロースナノファイバーとは、植物細胞壁の基本骨格等を構成するセルロースのミクロフィブリル又はこれの構成繊維をいい、繊維径4〜200nmの単位繊維の集合体である。このセルロース繊維は、結晶領域を40%以上含有するものが、高い強度と低線膨張係数を得る上で好ましい。
上記結晶領域以外は非晶領域となり、木材パルプで40〜50%程度、バクテリアセルロースで30%程度存在すると言われている。本発明では、非晶領域の存在は、ミクロフィブリルをしなやかにして硬くなるが脆くならない性質を付与し、非晶領域の割合として3〜60%存在するセルロースナノファイバーを用いることが本発明の効果を得る上でより好ましいことを見出した。非晶領域が60%より大きいとセルローナノファイバーの高い弾性率や低線膨張係数等の特性が維持できなくなり、硬度においても十分に発揮できにくくなる。また、非晶領域が3%より小さいものは植物由来・バクテリア由来共に製造が困難であり、得ることができない。
ここで、結晶領域とはセルロース系繊維が一定の繰り返し構造からなる状態をいい、非晶領域とは特定の周期構造が規定されないアモルファスの状態をいう。
上記状態は、セルロースナノファイバーを、X線回折や、高分解能電子顕微鏡観察による分子鎖の構造解析や、固体NMRの測定から得られるグルコース環の立体構造解析から解析することができる。具体的には以下のような方法が挙げられる。
製造されたセルロースナノファイバーをサンプルホルダーに装着し、X線回折の回折角度を10°〜32°まで操作して測定した。得られたX線回折図からバックグラウンド散乱を除去した後、X線回折曲線上の10°、18.5°、32°を直線で結んだ面積が非晶領域となり、それ以外が結晶領域となる。非晶領域の割合は、下記の式により算出した。
非晶領域の割合=(非晶領域の面積)/(X線回折図全体の面積)×100(%)
本発明のセルロースナノファイバーに用いるセルロース系繊維は、植物から分離されるものであっても、バクテリアセルロースによって産生されるバクテリアセルロースであっても好適に用いることができる。
本発明のセルロースナノファイバーの原料として用いられるパルプは、機械的方法で得られたパルプ(砕木パルプ、リファイナ・グランド・パルプ、サーモメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプなど)、または化学的方法で得られたパルプ(クラフトパルプ、亜硫酸パルプなど)などが使用できる。パルプとしては、通常、木材パルプやリンターパルプ、古紙パルプなどが使用される。また、セルロースを含有する材料が広く使用でき、例えば、竹パルプ、バガスパルプのような脱リグニン処理を施した精製パルプであったり、またはコットン繊維、コットンリンター、麻繊維のようなセルロース系天然繊維であったり、またはそれらに脱リグニン処理を施した精製天然繊維であったり、またはビスコースやレーヨン、テンセル、ポリノジック繊維などの再生セルロース成形物であったり、または穀物又は果実由来の食物繊維(例えば、小麦フスマ、えん麦フスマ、とうもろこし外皮、米ぬか、ビール粕、大豆粕、えんどう豆繊維、おから、リンゴ繊維など)であったり、または木材や稲ワラに代表されるようなリグノセルロース材料であったりする。
また、非木材繊維である、ケナフ、シオグサ、エスパルト、楮、三椏、雁皮、ラミーなどを用いても良く、バロニアセルロース、ホヤセルロースなども使用できる。
上記の中では木材パルプを主原料とすることが好ましく、例えば、広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械パルプ等が挙げられる。また、パルプは未漂白パルプ、漂白パルプの区別及び叩解、未叩解の区別なく使用可能である。品質とコストから広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKPともいう)、或いは針葉樹晒クラフトパルプが最も適している。木材パルプとしてはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LDP,NDP,LUKP,NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBSP,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
本発明では上記原料よりセルロース繊維を得るのに分散助剤を配合することもできる。分散助剤として、グルコース、ブドウ糖、庶糖、果糖、乳糖、麦芽糖、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、マルトトリオース、フラクトース、キシロース、各種オリゴ糖、ソルビット、デキストリン類、デンプン類、ソルボース、ガム分解物、各種ガム類、プルラン、カードラン、寒天、ペクチン、デキストラン、ゼラチン、セルロース誘導体、アルギン酸、ファーセレラン、マルメロ、等の水溶性物質又は水膨潤性物質等が使用できる。
また、リン酸塩等による処理を用いることができ、これは植物細胞壁等の表面をリン酸エステル化することにより、セルロース繊維間の結合力を弱め、次いで、リファイナー処理を行うことにより、繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。
また、セルロースナノファイバーの原料とされる繊維は、前記セルロース繊維を化学修飾及び/又は物理修飾して機能性を高めたものであっても良い。ここで、化学修飾としては、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、エーテル化、イソシアネート化等によって官能基を付加させること、シリケートやチタネート等の無機物を化学反応やゾルゲル法等によって複合化や被覆化させること等が挙げられる。
本発明のセルロースナノファイバーは、バクテリアからの産生物をアルカリ処理してバクテリアを溶解除去して得られるものを離解処理することなく用いることもできる。
本発明のセルロースナノファイバーは、前記セルロース繊維を複数の粉砕手段を用いて微細化することが好ましい。粉砕手段は限定されないが、本発明の目的に合う粒径まで微細に粉砕するためには、高圧ホモジナイザーや媒体ミル、砥石回転型粉砕機、石臼式グラインダーのような強い剪断力が得られる方式が好ましく用いられる。例えば、特開平4−82907号では、乾燥状態で天然セルロース繊維の短繊維を解砕させることによりフィブリル化天然セルロースを製造する方法を提案している。さらに特開平06−10286号では、ガラス、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、スチール、チタニア等の材質のビーズまたはボールを粉砕媒体として用いた振動ミル粉砕装置によって、繊維状セルロースの懸濁液に湿式粉砕処理を施す微細繊維状セルロースの製造方法が開示されている。
高圧ホモジナイザーとは、加速された高流速によるせん断力、急激な圧力降下(キャビテーション)および高流速の粒子同士が微細オリフィス内で対面衝突することによる衝撃力によって磨砕を行う装置であり、市販されている装置としては、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製)等を用いることができる。
このようにして得られたセルロースナノファイバーは、直接、または分散液としてハードコート層塗布組成物に添加されるが、その組成物中の含有量は0.1から50質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは5〜50質量%であり、特に10〜40質量%が好ましい。
セルロースナノファイバーの組成物中の含有量が0.1質量%未満では、ハードコート層の鉛筆硬度を十分に向上させる効果が不十分となる傾向があり、50質量%を超えると透明度の低下や強度、表面の平坦性が低下するおそれがある。
〈ハードコート層〉
本発明の光学フィルムは、支持体上にハードコート層を有し、活性線硬化樹脂、または熱硬化性樹脂を含有する層として設けることが好ましい。
本発明で活性線硬化樹脂は、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいい、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含むものが好ましく用いられ、紫外線照射によって硬化する樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
具体例としては、例えば、特開2006−146027号公報、特開2006−285217号公報、特開2006−293201号公報、特開301169号公報、特開2007−3767号公報等に記載の化合物を用いることができる。
また、紫外線硬化性樹脂を用いる際に光重合開始剤を用いることも好ましく、上記文献に記載の光重合開始剤を用いることができる。
紫外線硬化性樹脂を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm以上が好ましく、更に好ましくは、20mJ/cm〜10000mJ/cmであり、特に好ましくは、50mJ/cm〜2000mJ/cmである。
また、紫外線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、さらに好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによって平面性が優れたハードコート層を有する光学フィルムを得ることができる。
本発明で用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、特開2005−164890号公報、2007−25040号公報、特開2007−298916号公報等に記載の化合物を好ましく用いることができる。
熱硬化性樹脂への加熱方法は、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、或いは熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、フィルム搬送に用いられるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定出来ないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
更に、ハードコート層には耐傷性、滑り性を調整するために無機化合物または有機化合物の微粒子を含んでもよい。
ハードコート層に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることができる。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、さらには、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましい。ハードコート層塗布組成物と微粒子の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
これらのハードコート層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法で塗設することができる。塗布後、加熱乾燥し、硬化処理を行う。
ハードコート層塗布液の塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.1〜30μm、好ましくは1〜20μmである。
ハードコート層塗布液には溶媒が含まれていてもよく、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであってもよい。塗布液に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒の中から適宜選択し、またはこれらを混合し利用できる。プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以上、より好ましくは5〜80質量%以上含有する上記有機溶媒を用いることが好ましい。
本発明では、セルロースナノファイバーをハードコート層塗布液に添加する方法に特に制限はないが、予めセルロースナノファイバーを分散した分散液として添加することが好ましい。
セルロースナノファイバーを含有する分散液を調製する方法は特に制限はないが、セルロースナノファイバーと親和性がある溶媒、またはバインダー中にセルロースナノファイバーを添加し、公知の分散機、方法によって分散することができる。
溶媒としては、水、メチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセト酢酸メチル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、蟻酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、アセト酢酸メチル等が好ましい。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
バインダーとしては、分散液中に水溶性ポリマーを存在させることによって分散性は向上して、ヘイズを低下させることができる。ここでいう水溶性ポリマーとはデンプン類、マンナン類、ガラクタンやアルギン酸ナトリウムなどの海藻類、トラガントゴムやアラビアゴムやデキストランなどの植物粘質物、ゼラチンやカゼインなどのタンパク質、メチルセルロースやヒドロキシセルロースやカルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどの合成ポリマーなどが含まれる。
これらの水溶性ポリマーの分子量は小さ過ぎると分散性向上に効果が認められないため、分子量は1万以上であることが好ましく、より好ましくは3万から20万のものである。分子量の測定は、粘度法、拡散法、光散乱法、ゲル濾過法、高速液体クロマト法等があるが、特にゲル濾過法や高速液体クロマト法が好ましく適用される。
上記の水溶性ポリマーは分散するセルロースナノファイバーに対し、質量比で0.05から30倍の範囲で添加するのが好ましく、水溶液としては1質量%から20質量%の範囲にあるのが好ましい。
また、分散に際し、種々の界面活性剤を用いることも有用な方法である。界面活性剤としてはアニオン性、カチオン性、両性、非イオン性など何れを用いることも可能であるが、アニオン性および非イオン性界面活性剤が好ましく、特にアニオン性界面活性剤が好ましい。また、pHを調整する際は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸、クエン酸、リン酸、硫酸などの一般的な酸アルカリの水溶液、好ましくは緩衝液が用いられる。
本発明のセルロースナノファイバーはハードコート層塗布液中に、分散剤を用いて添加されることが好ましい。その場合該分散剤のHLB値が3〜18、より好ましくはHLB値が5〜15、更に好ましくは9〜15である分散剤を用いることが好ましい。
HLB値とは、Hydrophile−Lipophile−Balance、親水性−親油性−バランスのことであり、化合物の親水性又は親油性の大きさを示す値である。HLB値が小さいほど親油性が高く、値が大きいほど親水性が高くなる。
また、HLB値は以下のような計算式によって求めることができる。
HLB=7+11.7Log(Mw/Mo)
式中、Mwは親水基の分子量、Moは親油基の分子量を表し、Mw+Mo=M(化合物の分子量)である。
或いはグリフィン法によれば、HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量(J.Soc.Cosmetic Chem.,5(1954),294)等が挙げられる。
HLB値が3〜18の化合物の具体的化合物を下記に挙げるが、本発明はこれに限定されるものでない。( )内はHLB値を示す。
花王株式会社製:エマルゲン102KG(6.3)、エマルゲン103(8.1)、エマルゲン104P(9.6)、エマルゲン105(9.7)、エマルゲン106(10.5)、エマルゲン108(12.1)、エマルゲン109P(13.6)、エマルゲン120(15.3)、エマルゲン123P(16.9)、エマルゲン147(16.3)、エマルゲン210P(10.7)、エマルゲン220(14.2)、エマルゲン306P(9.4)、エマルゲン320P(13.9)、エマルゲン404(8.8)、エマルゲン408(10.0)、エマルゲン409PV(12.0)、エマルゲン420(13.6)、エマルゲン430(16.2)、エマルゲン705(10.5)、エマルゲン707(12.1)、エマルゲン709(13.3)、エマルゲン1108(13.5)、エマルゲン1118S−70(16.4)、エマルゲン1135S−70(17.9)、エマルゲン2020G−HA(13.0)、エマルゲン2025G(15.7)、エマルゲンLS−106(12.5)、エマルゲンLS−110(13.4)、エマルゲンLS−114(14.0)、エマルゲンMS−110(12.7)、エマルゲンA−60(12.8)、エマルゲンA−90(14.5)、エマルゲンA−500(18.0)、エマルゲンB−66(13.2)、ラテムルPD−420(12.6)、ラテムルPD−430(14.4)、ラテムルPD−430S(14.4)、ラテムルPD−450(16.2)、レオドールSP−L10(8.6)、レオドールSP−P10(6.7)、レオドールSP−S10V(4.7)、レオドールSP−S20(4.4)、レオドールSP−O10V(4.3)、レオドールスーパーSP−L10(8.6)、レオドールAS10V(4.7)、レオドールAO−10V(4.3)、レオドールAO−15V(3.7)、エマゾールL−10V(8.6)、エマゾールP−10V(6.7)、エマゾールS−10V(4.7)、エマゾールO−10V(4.3)、レオドールTW−L120(16.7)、レオドールTW−L106(13.3)、レオドールTW−P120(15.6)、レオドールTW−S120V(14.9)、レオドールTW−S106V(9.6)、レオドールTW−S320V(10.5)、レオドールTW−O120V(15.0)、レオドールTW−O106V(10.0)、レオドールTW−O320V(11.0)、レオドールスーパーTW−L120(16.7)、レオドール430V(10.5)、レオドール440V(11.8)、レオドール460V(13.8)、レオドールMS−60(3.5)、レオドールMS−165V(11.0)、エキセルT−95(3.8)、エキセルVS−95(3.8)、エキセルO−95R(3.5)、エキセル200(3.5)、エキセル122V(3.5)、エマノーン1112(13.7)、エマノーン4110(11.6)、エマノーンCH−25(10.7)、エマノーンCH−40(12.5)、エマノーンCH−60(K)(14.0)、エマノーンCH−80(15.0)、アミート102(6.3)、アミート105(9.8)、アミート105A(10.8)、アミート302(5.1)、アミート320(15.4)、アミノーンPK−02S(5.5)、アミノーンL−02(5.8)
日信化学工業株式会社製:サーフィノール104E(4)、サーフィノール104H(4)、サーフィノール104A(4)、サーフィノール104BC(4)、サーフィノール104DPM(4)、サーフィノール104PA(4)、サーフィノール104PG−50(4)、サーフィノール104S(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(8)、サーフィノール465(13)、サーフィノール485(17)、サーフィノールSE(6)、サーフィノールSE−F(6)、サーフィノール61(6)、サーフィノール604(8)、サーフィノール2502(8)、サーフィノール82(4)、サーフィノールDF110D(3)、サーフィノールCT111(8〜11)、サーフィノールCT121(11〜15)、サーフィノールCT136(13)、サーフィノールTG(9)、サーフィノールGA(13)、オルフィンSTG(9〜10)、オルフィンE1004(7〜9)、オルフィンE1010(13〜14)
信越化学工業株式会社製:X−22−4272(7)、X−22−6266(8)、KF−351(12)、KF−352(7)、KF−353(10)、KF−354L(16)、KF−355A(12)、KF−615A(10)、KF−945(4)、KF−618(11)、KF−6011(12)、KF−6015(4)、KF−6004(5)
HLB値が3〜18の分散剤は、分散液の固形分中の0.01質量%以上、50質量%未満で用いることが好ましい。
また、本発明に用いる分散剤としては、酸価とアミン価を有する分散剤を用いることも好ましい。本発明でいう酸価或いはアミン価は電位差滴定等の公知の方法で求めることができる。例えば、色材協会誌61,[12]692−698(1988)に記載の方法等で測定することができる。
酸価とアミン価を有する分散剤としては、楠本化成社製DA−234、DA−325、DA−703−50、DA−7300、味の素ファインテクノ社製PB822、PB821、エフカアディティブズ社製EFKA−4300、EFAK−7411、EFKA−7476、EFKA−5244、EFKA−6220、EFKA−6225、EFKA−7544、EFKA−7564、ビックケミー社製Disperbyk−109、Disperbyk−108、Disperbyk−106、Disperbyk−161、川研ファインケミカル社製ヒノアクトT−8000、ヒノアクトT−6000等が挙げられ、さらに酸価がアミン価よりも大きな分散剤が好ましい。
分散剤のアミン価、酸価は以下のようにして求めた。
〈分散剤のアミン価の測定〉
分散剤をメチルイソブチルケトンに溶解し、0.01N過塩素酸メチルイソブチルケトン溶液で電位差滴定を行い、KOHmg/g換算したものをアミン価とした。電位差滴定は平沼産業株式会社製自動滴定装置COM−1500を用いて測定した。
〈分散剤の酸価の測定〉
分散剤をメチルイソブチルケトンに溶解し、0.01Nカリウムメトキシド−メチルイソブチルケトン/メタノール(4:1)溶液で電位差滴定を行い、KOHmg/g換算したものを酸価とした。電位差滴定は平沼産業株式会社製自動滴定装置COM−1500を用いて測定した。
酸価とアミン価を有する分散剤を用いると、セルロースナノファイバー表面の酸的な部位、塩基的な部位の両方に有効に吸着でき、有利であると推測している。
セルロースナノファイバーを分散する際に用いられる分散機としては、例えば、遠心方式分散機(フロージェットミキサー、ファインフローミル等)、メディア型分散機(ボールミル、サンドミル等)、超音波分散機、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等が挙げられるが、中でも、遠心方式分散機やメディア型分散機が好ましい。
さらにハードコート層には、シリコーン系界面活性剤或いはポリオキシエーテル化合物を含有させることが好ましい。これらは塗布性を高め、これらの成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
また、ハードコート層は、2層以上の重層構造を有していてもよい。その中の1層は例えば導電性微粒子、または、イオン性ポリマーを含有する所謂帯電防止層としてもよいし、また、種々の表示素子に対する色補正用フィルターとして色調調整機能を有する色調調整剤(染料もしくは顔料等)を含有させてもよいし、また電磁波遮断剤または赤外線吸収剤等を含有させそれぞれの機能を有するようにすることは好ましい。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアハードコート層か、または微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であることが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
また、ハードコート層を有する光学フィルムの全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率は、スペクトロフォトメーターU−3200(日立製作所製)を用いて、該光学フィルムの可視光域の分光透過率を測定、次いで平均し、全光線透過率(%)とする。
〈支持体〉
本発明に用いられる支持体は、製造が容易であること、硬化性樹脂層との接着性が良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であることが好ましい要件として挙げられ、長尺状のフィルムであることが好ましい。
本発明でいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
特にセルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
以下、本発明に特に好ましく用いられるセルロースエステルフィルムについて更に詳細に説明する。
(セルロースエステルフィルム)
本発明に用いられるセルロースエステルとしては例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号公報、同08−231761号公報、米国特許第2,319,052号明細書等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。特に好ましくはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることができる。分子量は数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、100000〜200000のものが更に好ましい。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。
式(I) 2.0≦X+Y≦2.6
式(II) 0.1≦Y≦1.2
更に2.4≦X+Y≦2.6、1.4≦X≦2.3のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。中でも2.4≦X+Y≦2.6、1.7≦X≦2.3、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることができる。特に綿花リンターから合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが好ましい。
(可塑剤)
本発明に用いられる支持体にセルロースエステルフィルムを用いる場合、可塑剤を含有するのが好ましく、可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
(紫外線吸収剤)
本発明に用いる支持体には、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で好ましく用いられる上記の紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
(微粒子)
本発明において、セルロースエステルフィルム中に微粒子を含有していることが好ましく、微粒子としては、ハードコート層に用いるものと同様なものが挙げられる。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメチル基を有するアルコキシシラン類)、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜16nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル社製のAEROSIL(アエロジル)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることが出来、好ましくはAEROSIL(アエロジル)200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。
(アクリルポリマー)
このほか、特開2003−12859号公報記載のアクリルポリマーなどを含有させることも、リターデーションやヘイズの調整をする上で好ましい。
重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリルポリマーを含有することが好ましく、該アクリルポリマーは芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーであることが好ましい。
該ポリマーの重量平均分子量が500以上30000以下のもので該ポリマーの組成を制御することで、セルロースエステルと該ポリマーとの相溶性を良好にすることができる。
特に、アクリルポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリルポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリルポリマーについて、好ましくは重量平均分子量が500以上10000以下のものであれば、上記に加え、製膜後のセルロースエステルフィルムの透明性が優れ、透湿度も極めて低く、セルロースエステルフィルムとして優れた性能を示す。
そのようなポリマーの重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、或いは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができる。
更に、セルロースエステルフィルムは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有せず、親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、より好ましくは芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有しても良い。好ましくは、Xaは分子内に芳香環と親水性基を有しないアクリルまたはメタクリルモノマー、Xbは分子内に芳香環を有せず親水性基を有するアクリルまたはメタクリルモノマーである。
ポリマーXとポリマーYのセルロースエステルフィルム中での含有量は、下記式(i)、式(ii)を満足する範囲であることが好ましい。ポリマーXの含有量をXg(質量%=ポリマーXの質量/セルロースエステルの質量×100)、ポリマーYの含有量をYg(質量%)とすると、
式(i) 5≦Xg+Yg≦35(質量%)
式(ii) 0.05≦Yg/(Xg+Yg)≦0.4
式(i)の好ましい範囲は、10〜25質量%である。
ポリマーXとポリマーYは総量として5質量%以上であれば、リターデーション値Rtの低減に十分な作用をする。また、総量として35質量%以下であれば、偏光子PVAとの接着性が良好である。
ポリマーXとポリマーYは後述するドープ液を構成する材料として直接添加、溶解するか、もしくはセルロースエステルを溶解する有機溶媒に予め溶解した後ドープ液に添加することができる。
セルロースエステルフィルム中の上記可塑剤の総含有量は、固形分総量に対し、5〜20質量%が好ましく、6〜16質量%が更に好ましく、特に好ましくは8〜13質量%である。また、2種の可塑剤の含有量は各々少なくとも1質量%以上であり、好ましくは各々2質量%以上含有することである。
本発明に係る好ましい支持体であるセルロースエステルフィルムの製造は、溶液流延法でも溶融流延法のどちらでもよく、溶液流延法の場合は、例えば、特開2005−134609号公報、特開2005−156683号公報、2008−268568号公報等に記載の方法を挙げることができる。
セルロースエステルフィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが好ましく用いられる。特に膜厚は10〜70μmであることが特に好ましい。さらに好ましくは20〜60μmである。最も好ましくは35〜60μmである。また、共流延法によって多層構成としたセルロースエステルフィルムも好ましく用いることができる。
セルロースエステルフィルムは、幅1m以上であり、幅1.4〜4mのものが好ましく用いられる。特に好ましくは1.4〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。また、セルロースエステルフィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.001〜1μmの範囲であることが好ましい。
セルロースエステルフィルムは、23℃55%RHの環境下における下記式で表される面内リターデーションRoが0≦Ro≦50nm、かつ厚み方向のリターデーションRtが−400nm≦Rt≦400nmの範囲であることが好ましい。
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
〈機能性層〉
本発明のハードコート層を有する光学フィルム上に更に以下の機能性層を設けることができる。反射防止層、防汚層、バックコート層、アンチカール層、帯電防止層、下引き層、光散乱層、接着層等が挙げられる。
これらの中で、特にカールに有用なバックコート層について述べる。
〈バックコート層〉
本発明の光学フィルムでは、支持体のハードコート層を設けた側と反対側の面にはバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層は、硬化性樹脂層やその他の層を設けることで生じるカールを矯正するために設けられる。即ち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせることができる。なお、バックコート層は好ましくはブロッキング防止層を兼ねて塗設され、その場合、バックコート層塗布組成物には、ブロッキング防止機能を持たせるために微粒子が添加されることが好ましい。
バックコート層に添加される微粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子として珪素を含むものはヘイズが低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
バックコート層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に好ましくはジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートのようなセルロース系樹脂層である。
更に、本発明に係るセルロースナノファイバーを含有させることも好ましく、ハードコート層と同様な方法で含有させることができる。
〈偏光板〉
本発明の光学フィルムを用いた偏光板について述べる。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィルムがセルロースエステルフィルムの場合、フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる。もう一方の面に該光学フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは面内リターデーションRoが590nmで、20〜70nm、Rtが100〜400nmの位相差を有する光学補償フィルム(位相差フィルム)を用いることができる。これらは例えば、特開2002−71957号、特願2002−155395号記載の方法で作製することができる。または、さらにディスコチック液晶等の液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることもできる。例えば、特開2003−98348号記載の方法で光学異方性層を形成することができる。
また、もう一方の面に用いられる別の偏光板保護フィルムとして、Roが590nmで0〜5nm、Rtが−20〜+20nmの無配向フィルムも好ましく用いられる。
裏面側に用いられる偏光板保護フィルムとしては、市販のセルロースエステルフィルムを用いることができ、KC8UX2MW、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC4UEW、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC4FR−2(コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがあるがこれのみに限定されるものではない。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜30μm、好ましくは8〜15μmの偏光膜が好ましく用いられる。該偏光膜の面上に、本発明の光学フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
〈表示装置〉
本発明の光学フィルムを少なくとも一方の面に用いた偏光板を液晶ディスプレイに組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の液晶ディスプレイを作製することができる。本発明の光学フィルムは前記偏光板に組み込まれ、反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型、OCB型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。
本発明の偏光板をVA型液晶ディスプレイであるシャープ製32型テレビAQ−32AD5の予め貼合されていた偏光板の替わりに用いたところ、優れた視認性を有し、かつ表面に傷の付きにくい高耐久性を示した。
本発明のセルロースナノファイバー含有ハードコート層付き光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして機械強度に優れるので、膜厚を薄くすることができ、これを用いた偏光板、その偏光板を用いた液晶ディスプレイも薄膜化が可能である。
また、本発明の光学フィルムは平面性に優れ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー等の各種表示装置にも好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<支持体の作製>
〈TACフィルム1の作製〉
実施例で用いたセルロースエステル、(メタ)アクリル系重合体、可塑剤、紫外線吸収剤を表1に示す。
(メタ)アクリル系重合体A:攪拌機、2個の滴下ロート、ガス導入管および温度計の付いたガラスフラスコに、表1記載の種類及び質量比率のモノマー混合液40g、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸3.0gおよびトルエン30gを仕込み、90℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートから、表1記載の種類及び比率のモノマー混合液60gを3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからトルエン14gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを3時間かけて滴下した。その後更に、トルエン56gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを2時間かけて滴下した後、更に2時間反応を継続させ、(メタ)アクリル系重合体Aを得た。
Figure 2010186124
該(メタ)アクリル系重合体Aの重量平均分子量は下記測定法により表1に示した。
(分子量測定)
重量平均分子量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
(微粒子分散液1)
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈インライン添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクにセルロースエステルAを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。
濾過後のセルロースエステル溶液を充分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、インライン添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースエステルA 4質量部
微粒子分散液1 11質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルAを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
(主ドープ液の組成)
メチレンクロライド 380質量部
エタノール 70質量部
セルロースエステルA 100質量部
可塑剤A 10質量部
紫外線吸収剤A 2質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ液を調製した。
製膜ライン中で日本精線(株)製のファインメットNFでドープ液を濾過した。インライン添加液ライン中で、日本精線(株)製のファインメットNFでインライン添加液を濾過した。濾過したドープ液を100質量部に対し、濾過したインライン添加液を2質量部加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、次いで、ベルト流延装置を用い、温度35℃、1.8m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が120%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルロースエステルのウェブを50℃で溶媒を蒸発させ、1.65m幅にスリットし、その後、テンターでTD方向(フィルムの搬送方向と直交する方向)に、温度130℃、延伸倍率1.15で延伸した。120℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、平均高さ10μmのナーリング加工を施し、平均膜厚が80μmのTACフィルム1を作製した。巻き取り長は5000mとした。
〈CAPフィルム1の作製〉
TACフィルム1のセルロースエステルAの替わりに表1に記載のセルロースエステルBを用いた以外は同様にして、平均膜厚80μm、巻き取り長5000mのCAPフィルム1を作製した。
〈アクリル樹脂フィルム1の作製〉
TACフィルム1の可塑剤Aの替わりに(メタ)アクリル系重合体Aを用いた以外は同様にして、平均膜厚80μm、巻き取り長5000mのアクリル樹脂フィルム1を作製した。
(主ドープ液の組成)
メチレンクロライド 380質量部
エタノール 70質量部
セルロースエステルA 100質量部
(メタ)アクリル系重合体A 10質量部
紫外線吸収剤A 2質量部
〈アクリル樹脂フィルム2の作製〉
(アクリル微粒子(C1)の調製)
内容積60リットルの還流冷却器付反応器に、イオン交換水38.2リットル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム111.6gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。APS0.36gを投入し、5分間攪拌後にMMA1657g、BA21.6g、およびALMA1.68gからなる単量体混合物を一括添加し、発熱ピークの検出後さらに20分間保持して最内硬質層の重合を完結させた。
次に、APS3.48gを投入し、5分間攪拌後にBA8105g、PEGDA(200)31.9g、およびALMA264.0gからなる単量体混合物を120分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに120分間保持して,軟質層の重合を完結させた。次に、APS1.32gを投入し、5分間攪拌後にMMA2106g、BA201.6gからなる単量体混合物を20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに20分間保持して最外硬質層1の重合を完結した。次いで、APS1.32gを投入し、5分後にMMA3148g、BA201.6g、およびn−OM10.1gからなる単量体混合物を20分間かけて連続的に添加し、添加終了後にさらに20分間保持した。ついで95℃に昇温し60分間保持して、最外硬質層2の重合を完結させた。
このようにして得られた重合体ラテックスを少量採取し、吸光度法により平粒子径を求めたところ0.10μmであった。残りのラテックスを3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、3層構造のアクリル微粒子(C1)を得た。
上記の略号は各々下記材料である。
MMA;メチルメタクリレート
BA;n−ブチルアクリレート
ALMA;アリルメタクリレート
PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200)
n−OM;n−オクチルメルカプタン
APS;過硫酸アンモニウム
(ドープ液の調製)
デルペット80N(MMAとMA(メチルアクリレート)の共重合体アクリル樹脂、旭化成ケミカルズ社製) 70質量部
セルロースエステルB 30質量部
上記調製したアクリル微粒子(C1) 20質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
(アクリル樹脂フィルム2の製膜)
上記作製したドープ液を、ベルト流延装置を用い、温度22℃、2m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したアクリル樹脂のウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1.6m幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に1.15倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は10%であった。テンターで延伸後130℃で5分間緩和を行った後、120℃、130℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径6インチコアに巻き取り、アクリル樹脂フィルム2を得た。ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。アクリル樹脂フィルム2の残留溶剤量は0.1%であり、膜厚は60μm、巻数は5000mであった。
〈シクロオレフィン系樹脂フィルム1の作製〉
以下の要領で幅手方向に延伸したシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製した。
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン1.2部、ジブチルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPと略記)20部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)140部、及び8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下、MTDと略記)40部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100部に対して、シクロヘキサン270部を加え、更に水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間反応させ、DCP/MTF/MTD開環重合体水素化ポリマーを20%含有する反応溶液を得た。濾過により水素化触媒を除去した後、軟質重合体(クラレ社製;セプトン2002)、及び酸化防止剤(チバ・ジャパン社製;イルガノックス1010)を、得られた溶液にそれぞれ添加して溶解させた(いずれも重合体100部あたり0.1部)。次いで、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所製)を用いて除去し、水素化ポリマーを溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化して回収した。重合体中の各ノルボルネン系モノマーの共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、DCP/MTF/MTD=10/70/20でほぼ仕込み組成に等しかった。この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は31,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、水素添加率は99.9%、Tgは134℃であった。
得られた開環重合体水素添加物のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した。次いで、前記ペレットを、リップ幅1400mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機(三菱重工業株式会社製:スクリュー径90mm、Tダイリップ部材質は炭化タングステン、溶融樹脂との剥離強度44N)を用いて溶融押出成形して厚み50μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム1を製造した。押出成形は、クラス10000以下のクリーンルーム内で、溶融樹脂温度240℃、Tダイ温度240℃の成形条件にて行った。得られたフィルムを乾燥工程途中にてテンター装置を用い、幅手方向に延伸温度155℃にて1.50倍延伸し、得られた膜厚80μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム1は両耳をスリットし、幅1.5mに加工した。また、巻き取る際にプロテクトフィルムとしてポリエステルフィルムを一緒に巻き長5000mで巻き取った。
〈ポリカーボネートフィルム1の作製〉
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水152400部、25%水酸化ナトリウム水溶液84320部を入れ、HPLC分析で純度99.8%の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“ビスクレゾールフルオレン”と略称することがある)34848部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン9008部(以下“ビスフェノールA”と略称することがある)及びハイドロサルファイト88部を溶解した後、塩化メチレン178400部を加えた後撹拌下15〜25℃でホスゲン18248部を60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール177.8部を塩化メチレン2640部に溶解した溶液及び25%水酸化ナトリウム水溶液10560部を加え、乳化後、トリエチルアミン32部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、塩化メチレン相を濃縮、脱水してポリカーボネート濃度が20%の溶液を得た。この溶液から溶媒を除去して得たポリカーボネート(共重合体A)はビスクレゾールフルオレンとビスフェノールAとの構成単位の比がモル比で70:30であった(ポリマー収率97%)。また、このポリマーの極限粘度は0.674、Tgは226℃であった。
エタノールを4質量部含む、メチレンクロライドとエタノール混合溶媒75質量部に対して、前記ポリカーボネート25質量部を25℃で攪拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを得た。このドープを、乾燥空気を送風して露点を12℃以下に制御した100mステンレスベルト上に流延し、剥離した。その時の残留溶媒濃度は35%だった。剥離性は良好であり帯電も少ないことより目視観察ではフィルム表面に剥離段や剥離筋等は見られなかった。その後、残留溶媒濃度が2%のとき、幅保持をして乾燥させた。その後、残留溶媒濃度が1%以下になるまで乾燥し、膜厚80μm、巻き長5000mの芳香族ポリカーボネートフィルム1を得た。
<ハードコートフィルムの作製>
〈セルロースナノファイバー分散液1の調製〉
日本製紙ケミカル(株)の針葉樹クラフトパルプNDP−Tを高圧ホモジナイザーで平均繊維径1μm以下になるまで粉砕処理した後、グラインダー(栗田機械製作所製「KM1−10」)にて、この水懸濁液を、ほぼ接触させた状態の1200rpmで回転するディスク間を、中央から外に向かって通過させる操作を30回(30pass)行った。得られた縣濁液をいったん乾燥し、バルク上のセルロースをメチクロに投入し、高圧ホモジナイザーで解砕処理し、さらに平均粒径2μmのジルコニアビーズを用いたビーズ分散機で分散処理した。ジルコニアビーズを遠心分離とろ過により除去し、セルロースナノファイバーのメチクロ分散液を得た。この分散液の一部を取り出し、メチクロを蒸発させた後、100個のセルロースナノファイバーを電子顕微鏡観察し、平均繊維径60nm、平均繊維長450nmと測定された。得られた分散液を濃縮し、固形分濃度が50質量%になるように調整した。
また、セルロースナノファイバーをX線回折装置LabX XRD−6100((株)島津製作所製)を用いてX線の回折角度を調整して非晶領域の割合を測定したところ、10%であった。
(非晶領域の割合の測定)
セルロースナノファイバーをサンプルホルダーに装着し、X線回折の回折角度を10°〜32°まで操作して測定した。得られたX線回折図からバックグラウンド散乱を除去した後、X線回折曲線上の10°、18.5°、32°を直線で結んだ面積を非晶領域とした。非晶領域の割合は、下記の式により算出した。
非晶領域の割合=(非晶領域の面積)/(X線回折図全体の面積)×100(%)
〈セルロースナノファイバー分散液2〜6の調製〉
セルロースナノファイバー分散液1において、グラインダーの回転条件、高圧ホモジナイザーの解砕処理条件、ジルコニアビーズを用いたビーズ分散機での分散処理条件を変更し、表2に示す平均繊維径、非晶領域を有するセルロースナノファイバー2〜6を調製した。
Figure 2010186124
〈ハードコートフィルム1の作製〉
(ハードコート層塗布組成物1)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
ジエトキシベンゾフェノン光反応開始剤 6質量部
セルロースナノファイバー分散液1 80質量部
(セルロースナノファイバー固形分として 40質量部)
シリコーン系界面活性剤FZ2207((日本ユニカー製)10質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 固形分として 1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
メチルエチルケトン 75質量部
(バックコート層塗布組成物1)
アセトン 35質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 5質量部
ジアセチルセルロース 0.5質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル:200V、日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
上記作製したTACフィルム1の片面に、バックコート層塗布組成物1をウェット膜厚13μmとなるようにグラビアコートし、乾燥温度80±5℃にて乾燥させた。次いで、このTACフィルム1のもう1方の面にハードコート層塗布組成物1をウェット膜厚で15μmとなるように塗設し、乾燥温度90℃にて乾燥させた後、紫外線を150mJ/mとなるように照射して、乾燥膜厚で7μmのハードコート層を設け、ハードコートフィルム1を作製した。
〈ハードコートフィルム2〜17の作製〉
ハードコートフィルム1の作製と同様にして、支持体種類(TACフィルム1、CAPフィルム1、アクリル樹脂フィルム1、2、シクロオレフィン系樹脂フィルム1、ポリカーボネートフィルム1)、セルロースナノファイバー分散液の種類、添加量、分散剤の種類、バックコート層へのセルロースナノファイバーの添加有無、ハードコート層(表3中HC層)の膜厚、微粒子の添加有無を、各々表3の構成のように変更して、ハードコートフィルム2〜17を作製した。
尚、シクロオレフィン系樹脂フィルム1は表中COPフィルム1、ポリカーボネートフィルム1はPCフィルム1と記載した。
表中の分散剤は以下の化合物である。
エマルゲン404:花王株式会社製 HLB値8.8
D108 :ビッグケミー社製 Disperbyk−108
バックコート層(BC層)へセルロースナノファイバーを添加する際は、セルロースナノファイバー分散液2を上記バックコート層塗布組成物1に1質量部添加した。
ハードコート層に微粒子を添加する場合は、シリカ粒子の2%メタノール分散液(KE−P30、日本触媒株式会社製)を上記ハードコート層塗布組成物1の構成に20質量部添加した。
《評価》
以上作製したハードコートフィルム1〜17を用いて下記の評価を行った。
(透過率)
各試料を温度40℃、相対湿度55%の条件下で12時間、温度20℃、相対湿度55%の条件下で12時間の保存サイクルを7日間繰り返した後、スペクトロフォトメーターU−3200(日立製作所製)を用いて、ハードコートフィルムの可視光域の分光透過率を測定し、次いで平均し、全光線透過率(%)として、以下の基準で評価した。
◎:85%以上
○:80%以上84%未満
△:70%以上80%未満
×:70%未満
(鉛筆硬度)
作製したハードコートフィルムを温度25℃、相対湿度55%の条件で2時間調湿した後、各試料を温度40℃、相対湿度55%の条件下で12時間、温度20℃、相対湿度55%の条件下で12時間の保存サイクルを7日間繰り返した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した。下記の基準で評価した。
◎:4H以上
○:3H〜4H未満
△:2H〜3H未満
×:1H以下
(カール)
各試料を温度40℃、相対湿度55%の条件下で12時間、温度20℃、相対湿度55%の条件下で12時間の保存サイクルを7日間繰り返した後、ハードコートフィルムのカールの測定を、JIS K7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行った。ここで、カールがプラスとはフィルムのハードコート層塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。また、カールは以下の数式Aで表される。
〔数式A〕 カール=1/R Rは曲率半径(m)
測定結果のカール量により、以下のようにランク付した。
◎(非常に優れる):マイナス5〜プラス5
○(優れる):マイナス10〜マイナス5、プラス5〜プラス10
△(やや劣り、実用上問題が有る):マイナス15〜マイナス10、プラス10〜プラス15
×(劣る):マイナス15以下、プラス15以上
(割れ)
各試料を温度40℃、相対湿度55%の条件下で12時間、温度20℃、相対湿度55%の条件下で12時間の保存サイクルを7日間繰り返した後、可撓性の評価は、作製したハードコートフィルムを温度25℃、相対湿度55%の条件で2時間調湿した後、JIS P 8115:2001記載のMIT試験に準拠した方法により行い、90°の屈曲試験でクラックが入るかを目視で確認・評価した。
○:100回以上の屈曲試験でクラックが発生しない。
×:100回未満の屈曲試験でクラックが発生する。
(収縮皺)
作製したハードコートフィルムを温度50℃、相対湿度80%の条件で24時間調湿した後、ハードコートフィルムの表面で収縮皺が発生しているか目視で評価した。
○:収縮皺の発生が見た目でない
×:収縮皺の発生が見た目である
(防眩性)
各試料を温度40℃、相対湿度55%の条件下で12時間、温度20℃、相対湿度55%の条件下で12時間の保存サイクルを7日間繰り返した後、ハードコートフィルムを蛍光灯下に置き、蛍光灯の反射像について官能評価を行った。判定基準は以下の通りである。
蛍光灯の輪郭がぼけて写り込みが全く気にならないか、または蛍光灯の輪郭が僅かに認められるがあまり気にならない程度の防眩性を有する場合を○とした。
ハードコートフィルムの構成、及び上記評価結果を表3に示す。
Figure 2010186124
本発明のハードコートフィルム1〜13、16、17は、高温、低温の温度変動下で保存された後でも高い鉛筆硬度を有しながら、透過率、カール、割れ、収縮皺が、比較例に対し改善されていることが分かる。
実施例2
<偏光板および液晶表示装置の作製>
(アルカリケン化処理)
上記作製したハードコートフィルム1〜15、及びコニカミノルタタックKC8UCR−5(コニカミノルタオプト(株)製)を、下記に記載するアルカリケン化処理した。
ケン化工程 2.5M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量部HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃15分乾燥した。
〈偏光子の作製と貼り合わせ〉
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で6倍に製膜方向に延伸して偏光子を作った。
次に、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて、偏光子の透過軸とセルロースエステルフィルムの面内遅相軸が平行になるように、偏光子の片面に上記ハードコートフィルムを貼り合わせ、反対側の面にコニカミノルタタックKC8UCR−5(コニカミノルタオプト(株)製)を張り合わせ、偏光板101〜115を得た。
ハードコートフィルム16、17については、コニカミノルタタックKC8UCR−5を両面に貼合した偏光板の片面に、アクリル系粘着剤を用いて貼合し偏光板116、117とした。
本発明のハードコートフィルムを用いた偏光板は上記操作においてカールや傷の発生がなく、歩留まりが明らかに向上した。
<液晶表示装置の作製>
得られた偏光板はソニー株式会社製32型液晶テレビ“BRAVIA”KDL−32J5000にあらかじめ貼合されていた視認側の偏光板を注意深く剥がし、もともと貼ってあった偏光板の透過軸にあわせ、液晶セル側に粘着剤を介して貼り付け液晶表示装置を作製した。
本発明のハードコートフィルムを用いた偏光板を装着した液晶表示装置は、表面の平面性や傷に優れ、長時間鑑賞していても眼が疲れにくかった。

Claims (10)

  1. 平均繊維径4〜200nmのセルロースナノファイバーを含有するハードコート層を支持体に積層してなることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記セルロースナノファイバーの非晶領域が3%〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ハードコート層が微粒子を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記ハードコート層が分散剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記分散剤のHLB値が5〜15であることを特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記分散剤が酸価・アミン価両方を有することを特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
  7. 全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 偏光子とそれを挟む2枚の偏光板保護フィルムからなる偏光板であって、該2枚の偏光板保護フィルムのうちの一枚が請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム、または請求項8に記載の偏光板を用いたことを特徴とする表示装置。
  10. 前記支持体が、組成物としてセルロースエステルを含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
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