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JP2010181558A - コーティング液、光学積層体の製造方法及び光学積層体 - Google Patents

コーティング液、光学積層体の製造方法及び光学積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い二色比を有する偏光膜を形成することができるコーティング液と、該コーティング液を用いて偏光膜などの光学積層体を製造する方法と、該製造方法により製造される光学積層体と、を提供する。
【解決手段】有機色素と溶媒を含み、等方相−液晶相転移濃度で等方相から液晶相に転移するコーティング液であって、前記有機色素の濃度は前記等方相−液晶相転移濃度よりも1〜3重量%低くされるとともに、有機色素はコーティング液中で会合体を形成していることを特徴とするコーティング液。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光膜を生成するコーティング液、基材上でコーティング液から偏光膜を形成して光学積層体を製造する方法、及びその製造方法によって製造された光学積層体に関する。
従来、有機色素と溶媒とを含むコーティング液を基材上に塗布し、乾燥する過程で液晶相を発現させて、有機色素を配向させることにより、偏光膜を得る方法が知られている(特開2004-020658号公報)。
特開2004-020658号公報の段落0094
しかしながら、前記方法より得られる偏光膜は、配向の度合いが低い(二色比が小さい)課題がある。
ここに、前記特許文献1に記載された偏光膜の生成方法では、溶媒、有機色素及び界面活性剤を相互に溶解してなる溶液を使用しているが、この溶液における有機色素の濃度は5重量%以下であり、有機色素相互は溶液中で会合体を形成しておらず比較的希釈された状態にある。
一般的に、溶液中ある濃度になると分子間の相互作用によって会合体を形成し、さらに会合体間の相互作用によって液晶性を呈するものを、リオトロピック液晶という。例えば、有機色素を含有する溶液では、有機色素の濃度が所定濃度になると、有機色素分子間の相互作用に基づき液晶性を発現し、リオトロピック液晶の性質を有する。
かかる溶液を配向処理した基材上に塗布して偏光膜を形成する場合、濃度が低いことに起因して有機色素は基材による配向規制力を受けにくく、また塗布後、液晶性を呈するまでに比較的長い時間がかかる。よって、この配向規制力を受けにくい溶液が長時間基材と接することにより、基材の配向規制力は弱くなってしまう。これにより、特許文献1に記載された偏光膜の生成方法で生成される偏光膜は、その二色比が低下してしまうものと考えられる。
これに対して、溶液状態で既に有機色素相互が会合して会合体を生成するとともに液晶相を発現している溶液を使用して偏光膜を生成する場合、その溶液の濃度は比較的高濃度である。かかる溶液を基材に塗布すると、その塗布の際に会合体間の相互作用に起因して会合体相互が大きなドメインを形成しながら流動配向し、ドメイン間で会合体の向きが乱れてしまう。これにより、比較的高濃度の溶液から生成される偏光膜は、その二色比が低下してしまうものと考えられる。
本発明者等は、有機色素を含有する溶液について鋭意検討した結果、溶液における等方相−液晶相転移濃度よりも1〜3重量%低い濃度を有し、且つ、その濃度において有機色素分子相互が会合体を形成している溶液から形成された偏光膜は高い二色比を保持することを見出した。
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされ、高い二色比を有する偏光膜を得ることが可能なコーティング液、コーティング液を用いて基材上に偏光膜を形成して光学積層体を製造する製造方法及びその製造方法により製造される光学積層体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るコーティング液は、有機色素と溶媒を含み、等方相−液晶相転移濃度で等方相から液晶相に転移するコーティング液であって、前記有機色素の濃度は前記等方相−液晶相転移濃度よりも1〜3重量%低くされるとともに、有機色素はコーティング液中で会合体を形成していることを特徴とする。
更に、請求項2に係るコーティング液は、請求項1のコーティング液において、前記有機色素がアゾ化合物であることを特徴とする。
また、請求項3に係る光学積層体の製造方法は、基材と偏光膜とを有する光学積層体の製造方法であって、配向処理を施した前記基材上に、請求項1又は請求項2に記載のコーティング液を塗布した後、前記溶媒を蒸発させることにより偏光膜を得る工程を含むことを特徴とする。
更に、請求項4に係る光学積層体は、請求項3の製造方法により製造されたことを特徴とする。
請求項1に係るコーティング液では、有機色素の濃度は等方相−液晶相転移濃度よりも1〜3重量%低くされるとともに、有機色素はコーティング液中で会合体を形成している。このコーティング液は、図1Aに示すように、複数の有機色素分子1が会合して形成された会合体2相互は充分に配向しておらず、未だ液晶相は生成されていない。従って、基材への塗布時には会合体2の流動性は充分確保されている一方、会合体2相互の配向力とも相まって会合体2がランダムに流動配向することはない。しかも会合体2相互は適度に成長していることから、溶媒が蒸発して有機色素1の濃度が高くなると、短時間で等方相−液晶相転移濃度を超え、図1Bに示すように、液晶性を呈する。この結果、格段に高い二色比を有する偏光膜を得ることができる。
前記有機色素は、アゾ化合物から構成されていることが望ましい。
(1)コーティング液
以下、本発明に係るコーティング液等について、本発明を具体化した実施形態に基づき説明する。
本実施形態に係るコーティング液は、有機色素と溶媒とを含み、等方相−液晶相転移濃度で等方相から液晶相に転移するコーティング液であって、有機色素の濃度は、等方相−液晶相転移濃度から1〜3重量%低くされるとともに、有機色素はコーティング液中で会合体を形成している。なお、等方相−液晶相転移濃度は、偏光顕微鏡で観察される光学模様により、確認、識別できる。
上記コーティング液の濃度は、好ましくは8重量%〜10重量%である。
上記コーティング液は、有機色素と溶媒とを含むものであれば、界面活性剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤など任意の添加剤を含有しうる。
(2)有機色素・会合体
本実施形態のコーティング液に用いられる有機色素は、特定の濃度の溶液中で液晶性を呈するもの、すなわち、リオトロピック液晶性を示すものである。
上記有機色素は、本実施形態のコーティング液において会合体を形成する。会合体の長さは、好ましくは30Å以上であり、さらに好ましくは30Å〜70Åである。この長さは、液晶性を呈する濃度に調整した溶液における会合体の長さ(用いる有機色素の分子構造にもよるが、通常80Å以上)よりも短い。一方、等方相−液晶相転移濃度よりも6重量%低い濃度に調整した溶液では、会合体は形成されない。
上記リオトロピック液晶性を示す有機色素としては、アゾ化合物が好ましく、さらに、スルホン酸塩基と、2以上のアゾ基とを有する芳香族アゾ化合物が好ましい。例えば、特開2007−126628号公報や、特開2006−323377号公報に記載されているものが用いられる。
上記有機色素は、さらに、下記一般式(I)により表されるアゾ化合物が好ましい。
Figure 2010181558
このようなアゾ化合物は、溶媒に溶解して等方相−液晶相転移濃度よりも若干低い濃度で会合体を形成するとともに、等方相−液晶相転移濃度よりも高い濃度で液晶性を示し、偏光膜中で良好に配向する。さらに、上記アゾ化合物は、-SOM基を特定の位置に有することで、-SOM基同士の立体障害が小さくなり、分子の直線性が維持されるため、偏光度の高い偏光膜が得られる。
上記一般式(I)中、Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アセチル基、置換若しくは非置換のベンゾイル基、置換若しくは非置換のフェニル基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は-SOM基を表す。Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、又は金属イオンを表す。
上記一般式(I)で表されるアゾ化合物は、例えば、細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日、技報堂発行 135項-152項)に従って、アニリン誘導体とナフタレンスルホン酸誘導体とをジアゾ化及びカップリング反応させ、モノアゾ化合物とした後、さらにジアゾ化し、アミノナフトールジスルホン酸誘導体とカップリング反応させて、得ることができる。
(3)溶媒
本実施形態に用いられる溶媒としては、上記有機色素を溶解するものであれば、特に制限はない、上記溶媒は、好ましくは親水性溶媒であり、例えば、水、アルコール類、セロソルブ類、及びそれらの混合溶媒である。
(4)偏光膜
本実施形態に係るコーティング液より得られる偏光膜は、好ましくは、可視光領域(波長380nm〜780nm)の少なくとも一波長で、吸収二色性を示す。上記偏光膜の厚みは、好ましくは0.1μm〜5μmである。
上記コーティング液より得られる偏光膜の二色比は、好ましくは40以上であり、従来のコーティング液から得られるものよりも、好ましくは二色比が10以上高い。
(5)光学積層体の製造方法
本実施形態の光学積層体の製造方法は、配向処理を施した基材上に、上記コーティング液を塗布した後、溶媒を蒸発することにより偏光膜を得る工程を含む。
上記基材としては、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム、石英基板、アルミや鉄などの金属板、セラミックス基板、シリコンウェハー等が使用可能である。上記基材の表面には、ポリイミドなどの有機配向膜が設けられていてもよい。
上記基材に施す配向処理は、特に制限はなく、ラビング処理や光配向処理等が挙げられる。上記配向処理として、ラビング処理が用いられる場合は、有機色素の会合体は、代表的にはラビング方向に対して平行に配向する。
上記コーティング液を塗布する手段は、特に制限はなく、任意のコータを用いた方法が採用され得る。上記溶媒を蒸発させる手段は、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が採用され得る。上記偏光膜は、該偏光膜の総重量に対して、残存水分量が35重量%以下となるように乾燥されることが好ましい。
(6)用途
本発明のコーティング液により得られる偏光膜、及び光学積層体は、液晶表示装置に使用して好適である。液晶表示装置としては、パソコンモニタ、ノートパソコン、液晶テレビ、コピー機などのディスプレイに使用されるものが挙げられる。
(7)実施例
本発明について、以上の実施例および比較例を持いて更に検討する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
4-ニトロアニリンと8-アミノ−2−ナフタレンジスルホン酸とを、定法(細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日、技報堂発行 135項-152項)に従って、ジアゾ化及びカップリング反応させて、モノアゾ化合物を得た。このモノアゾ化合物を、同様に定法によりジアゾ化し、さらに1−アミノ−8−ナフトール2,4ジスルホン酸リチウム塩とカップリング反応させて、下記構造式(II)のアゾ化合物を含む粗生成物を得、これを塩化リチウムで塩析することにより、下記構造式(II)のアゾ化合物を得た。
Figure 2010181558
上記構造式(II)のアゾ化合物をイオン交換水に溶解させ、20重量%の水溶液を調整した。この水溶液をポリスポイトで採取し、2枚のスライドグラスの間に挟みこんで、室温23℃において、偏光顕微鏡で観察したところ、上記アゾ化合物の濃度が11重量%のところで、等方相−ネマチック液晶相転移が観察された。
上記水溶液にイオン交換水を加えて9重量%まで希釈し、コーティング液を調整した。この溶液は、そのままでは液晶性を示さず、溶液中で会合体を形成する。上記コーティング液を、ラビング処理とコロナ処理(親水化処理)を施した厚み100μmのオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製 商品名「ゼオノア」)の表面に、バーコータ(BUSHMAN社製 製品名「Mayer rot HS4」)を用いて塗布し、23℃、湿度50%RHの恒温室内で自然乾燥させて、基材と、該基材上に形成されたアゾ化合物の配向層(厚み0.4μm)からなる偏光膜(透過率44%)の光学積層体を作製した。この偏光膜の特性を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1のコーティング液をイオン交換水で希釈して、アゾ化合物の濃度を1重量%とした以外は実施例1と同様の方法で、偏光膜及び光学積層体を作製した。この偏光膜の特性を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1のコーティング液を濃縮して、アゾ化合物の濃度を16重量%とした以外は実施例1と同様の方法で、偏光膜及び光学積層体を作製した。この偏光膜の特性を表1に示す。
Figure 2010181558
また、実施例1のコーティング液を希釈又は濃縮して、アゾ化合物の濃度を1、5、8、10、15重量%とした各溶液を作製し、それぞれの溶液中におけるアゾ化合物の会合体の長さを求めた。その結果を図2に示す。
ここに、表1と図2において、等方相−液晶相転移濃度はTで表されており、また、等方相−液晶相転移濃度よりも低い濃度はTから低い濃度分を差し引いて示される(例えば、T−1)とともに等方相−液晶相転移濃度よりも高い濃度はTに高い濃度分を加えて示されている(例えば、T+5)。
尚、等方相−液晶相転移濃度は、前記したように、11重量%である。
表1に示されるように、有機色素の濃度が等方相−液晶相転移濃度Tよりも10重量%低い(T−10で表され1重量%)比較例1のコーティング液から得られた偏光膜では、29程度の低い二色比しか得られていない。このコーティング液では、液晶相は形成されていない。また、図2に示されるように、有機色素の会合体は、等方相−液晶相転移濃度Tよりも6重量%低い濃度(T−6で表され5重量%)以下では形成されない。
以上より、比較例1のコーティング液では、有機色素の初期濃度が低過ぎ、従って、有機色素相互は自由に可動することから配向性が低下し、二色比の高い偏光膜を得る事ができないことが分かる。
また、表1に示されるように、有機色素の濃度が等方相−液晶相転移濃度Tよりも5重量%高い(T+5で表され16重量%)比較例2のコーティング液から得られた偏光膜では、24程度の低い二色比しか得られていない。また、このコーティング液の有機色素の会合体は、長さは80Åであり、液晶相も形成されている。
このことから、比較例2のコーティング液では、有機色素の初期濃度が高過ぎ、従って、初期段階で形成される会合体が成長し過ぎて会合体相互のフレキシビリティが極めて小さくなることから、基材への塗布時における塗布条件に大きく左右されて配向性が低下してしまい、二色比の高い偏光膜を得ることができないことが分かる。
一方、有機色素の濃度が等方相−液晶相転移濃度Tよりも2重量%低い(T−2で表され9重量%)実施例の溶液から得られた偏光膜では、44程度の高い二色比が得られている(表1)。このコーティング液では、液晶相は形成されていない。
ここで、図2に示されるように、会合体が、未発達(長さ0Å)でも、成長しすぎ(長さ80Å以上)でもなく、成長途上にあるのは、溶液の濃度が、等方相−液晶相転移濃度Tよりも1〜3重量%低い(T−1〜T−3で表され、10〜8重量%)範囲にあるときであり、この場合の会合体の長さは60Åである。
すなわち、この濃度範囲のコーティング液では、会合体が適度に成長し、かつその適度なサイズに基づき、会合体相互が適度なフレキシビリティをもって可動性を有しているため、特に二色比の高い偏光膜を得ることができることが分かる。
〔実施例、比較例で用いた測定方法〕

1)液晶相の観察
各種濃度の水溶液のサンプルを準備し、2枚のスライドガラスに水溶液を少量挟みこみ、偏光顕微鏡(オリンパス社製 商品名「OPTIPHOT−POL」)を用いて観察した。
2)会合体の長さの測定
X線回析装置(リガク社製 製品名「RINT2500/PC」)を用いて、2θ=26度の回折ピークをシェラーの式を用いて解析して求めた。
3)二色比の測定
グラントムソン偏光子を備える分光光度計(日本分光社製 製品名「U−4100」)を用いて、直線偏光の測定光を入射させ、視感度補正したY値のk1及びk2を求め、下式により算出した。

式:二色比 = log(1/k2)/log(1/k1)

ここに、上記k1は最大透過率方向の直線偏光の透過率を表し、k2は最大透過率方向に直交する方向の直線偏光の透過率を表す。
以上のように、本発明に係るコーティング液を用いれば高い二色比を有する偏光膜及び光学積層体を製造することができるため、例えば、液晶表示装置の表示特性の向上に極めて有用である。
初期濃度においてコーティング液に含有される有機色素相互が会合体を形成している状態、及び、等方相−液晶相転移濃度を超えた状態でコーティング液に含有される有機色素相互により形成された会合体が液晶相を形成している状態を模式的に示す説明図である。 コーティング液に含有される有機色素の濃度と、そのコーティング液中で形成されている有機色素会合体の長さとの関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 有機色素と溶媒を含み、等方相−液晶相転移濃度で等方相から液晶相に転移するコーティング液であって、
    前記有機色素の濃度は前記等方相−液晶相転移濃度よりも1〜3重量%低くされるとともに、有機色素はコーティング液中で会合体を形成していることを特徴とするコーティング液。
  2. 前記有機色素は、アゾ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
  3. 基材と偏光膜とを有する光学積層体の製造方法であって、
    配向処理を施した基材上に、請求項1又は請求項2に記載のコーティング液を塗布した後、前記溶媒を蒸発させることにより偏光膜を得る工程を含むことを特徴とする光学積層体の製造方法。
  4. 請求項3の製造方法により製造されたことを特徴とする光学積層体。
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