JP2010180279A - 無段変速機用潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潤滑油基油と、(A−1)Mwが20,000以上100,000以下で、Mw/Mnが1.5以上2.2以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤及び(A−2)Mwが300,000以上900,000以下で、Mw/Mnが1.0以上1.5以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤から選ばれる1種以上を、該潤滑油組成物全量に対して5質量%以上20質量%以下と、(B)塩基性Caスルホネート及び塩基性Caフェネートから選ばれる1種類以上を、該潤滑油組成物全量に対してCa量換算で450質量ppm以上700質量ppm以下と、を含有し、該潤滑油組成物の100℃における動粘度が6.5〜7.4mm2/sであり、かつ、粘度指数が205以上である無段変速機用潤滑油組成物。
【選択図】なし
Description
無段変速機用潤滑油の金属間摩擦係数を向上させる技術としては、スルホネートやフェネートといったアルカリ土類金属系清浄剤を潤滑油に配合する技術が知られている(例えば、特許文献3、4等)。
<1> 潤滑油組成物であって、
潤滑油基油と、
(A−1)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が20,000以上100,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.5以上2.2以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤及び(A−2)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300,000以上900,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.0以上1.5以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤から選ばれる1種以上を、該潤滑油組成物全量に対して5質量%以上20質量%以下と、
(B)塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を、該潤滑油組成物全量に対してカルシウム量換算で450質量ppm以上700質量ppm以下と、を含有し、
該潤滑油組成物の100℃における動粘度が6.5〜7.4mm2/sであり、かつ、粘度指数が205以上であることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。
<2> 前記潤滑油基油が、
(X)100℃における動粘度が1.5〜3.5mm2/s、流動点が−30℃以下、粘度指数が100以上、及び硫黄分が0.01質量%以下の基油成分と、
(Y)100℃における動粘度が4.0〜8.0mm2/s、粘度指数が120以上、及び硫黄分が0.01質量%以下の基油成分と、
を混合した基油であって、該基油全量に対する前記(X)の含有比率が20〜80質量%であることを特徴とする<1>に記載の無段変速機用潤滑油組成物。
<3> 前記(A−1)又は(A−2)のポリメタクリレート系粘度指数向上剤が非分散型粘度指数向上剤であり、
(C)下記一般式(1)で表される化合物を、該潤滑油組成物全量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下でさらに含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の無段変速機用潤滑油組成物。
(式(1)中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
〔1]基油
本発明に用いる基油としては、鉱油系基油、合成系基油、及びこれらの混合基油など、無段変速機用潤滑油の基油として用いられるものであれば特に制限はないが、無段変速機用潤滑油として適切な潤滑特性を得やすいという観点からは100℃における動粘度が3.5mm2/sから5.0mm2/sであることが好ましい。また、粘度温度特性確保の観点から粘度指数は110以上、酸化安定性確保の観点からは硫黄分は0.01質量%以下であることが好ましい。
これらの基油は、鉱油及び合成油から選ばれる1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせて混合して用いてもよい。
本発明では、粘度指数向上剤として、(A−1)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が20,000以上100,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.5以上2.2以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤及び(A−2)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300,000以上900,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.0以上1.5以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤から選ばれる1種以上を用いる。なお、本発明における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)とはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算である。
また、(A−1)又は(A−2)の粘度指数向上剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。(A−1)及び(A−2)を併用してもよい。なお、2種以上を併用する場合には、その合計の配合量が前記範囲である必要がある。
本発明では、塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を、潤滑油組成物全量に対してカルシウム量換算で450質量ppm以上700質量ppm以下を配合する。塩基性カルシウムスルホネートと塩基性カルシウムフェネートは、燃費改善のため組成物を低粘度化した場合に問題となりやすい、部品の摩耗を防止する効果を有する。また、これらはクラッチの湿式摩擦材での静摩擦係数やベルト−プーリー間での金属間摩擦を高め、その結果、クラッチの滑り防止性や省燃費性を向上させる効果を有する。ただし、(B)成分の配合量が多すぎると、クラッチ結合時のショックが生じやすくなるとともに、クラッチの湿式摩擦材での動摩擦係数を長期間維持しづらくなる。このような観点から、本発明では、塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる少なくとも1種類の配合量は、潤滑油組成物全量に対してカルシウム量換算で450質量ppm以上700質量ppm以下となる割合とする。この配合量は、好ましくは450質量ppm以上650質量ppm、より好ましくは480質量ppm以上600質量ppm以下である。
また、カルシウムスルホネートとカルシウムフェネートを併用しても良い。
本発明の潤滑油組成物は、クラッチ結合時のショックを改善するために、下記一般式(1)で表される化合物をさらに含むことが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、100℃における動粘度が6.5mm2/s以上7.4mm2/s以下であり、かつ、粘度指数が205以上であることが肝要である。
この動粘度の範囲は従来の動粘度に比べて大きく低粘度化したものではないが、同時に粘度指数を205以上とすることで、常温域(約20℃から80℃程度)や低温域(約0℃から−40℃程度)での粘度を従来の無段変速機用潤滑油よりも低く抑えることができ、結果として全温度域での省燃費性を向上させることができる。そして、従来の動粘度と比べて大きく低粘度化していないため、また、特定の粘度指数向上剤を使用しているため、せん断安定性が良好で粘度低下による耐摩耗・焼付き性も抑制でき、長期の部品耐久性を確保できる。なお、粘度指数は高い程望ましいが、粘度指数を高くするためには粘度指数向上剤の配合量が多量になるケースが多く、その結果としてせん断安定性が悪くなり、粘度の低下による耐摩耗・焼付き性の悪化が生じることがある。そのため、270以下程度が現実的な上限値である。
−40℃でのブルックフィールド粘度(BF粘度)は、省燃費性の観点から10,000mPa・s未満とすることが好ましい。
本発明の無段変速機用潤滑油は、上記成分のほかに、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、無灰型分散剤、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤、着色剤、自動変速機油用パッケージ添加剤、あるいはこれらのうち少なくとも1種を含有する各種潤滑油用パッケージ添加剤などを添加することができる。ただし、摩擦調整剤は、その種類によっては、摩擦係数を低下させ省燃費効果に影響する場合があるので、省燃費効果を妨げないものを選択するか、その配合量を極力抑えることが望ましい。
・基油A:水素化精製基油
(流動点:−50℃、粘度指数:105、硫黄分:0.0001質量%、100℃動粘度:3mm2/s)
・基油B:水素化精製基油
(流動点:−12℃、粘度指数:124、硫黄分:0.0006質量%、100℃動粘度:6mm2/s)
・基油C:水素化精製基油
(流動点:−12℃、粘度指数:124、硫黄分:0.0002質量%、100℃動粘度:4mm2/s)
・パッケージ添加剤1:無段変速機油用パッケージ添加剤(塩基価300の塩基性カルシウムスルホネートをカルシウム量で0.5質量%含有)
・パッケージ添加剤2:上記パッケージ添加剤1から塩基性カルシウムスルホネートを除外したもの
・スルホネート:塩基性カルシウムスルホネート(塩基価300、カルシウム含有量:11質量%)
・一般式(1)で表される化合物:一般式(1)で、R1が炭素数12のアルキル基のもの
・PMA1:重量平均分子量(Mw)が35,000でMw/Mnが1.8である非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤
・PMA2:重量平均分子量(Mw)が98,000でMw/Mnが2.1である非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤
・PMA3:重量平均分子量(Mw)が93,000でMw/Mnが2.5である非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤
・PMA4:重量平均分子量(Mw)が440,000でMw/Mnが1.2である非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤でアームを7本以上有する星型重合体
・PMA5:重量平均分子量(Mw)が300,000でMw/Mnが1.7である分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤
・流動点降下剤
100℃動粘度、0℃動粘度、及び粘度指数は、JIS K2283動粘度試験方法で測定した。なお、100℃から0℃の温度領域では、一般に温度と粘度がASTM線図上で直線性を有しており、100℃の粘度を約7mm2/sとした場合、0℃の粘度が低いほど常温域(約20℃から80℃程度)の粘度も低くなることから、0℃の粘度を常温域粘度の指標として用いた。この粘度が低いほど常温域粘度が低い。
また、高温高せん断粘度(HTHS粘度)はASTM D4683に準拠しTBS粘度計を用い、150℃、1×106s−1における粘度を測定した。なお、HTHS粘度は油膜保持性の指標であり、この値が大きいほど油膜保持性に優れる。
耐摩耗性評価として、JASO M358の高面圧法に準拠して荷重1112Nで30分間摺動させた後のブロックの摩耗幅を測定した。この値が小さいほど耐摩耗性が良好であり部品耐久性が良好である。これは、0.9mm以下を合格とした。
JASO M347−05に準拠して実施した。100℃粘度低下率が10%以下を判断基準とした。粘度低下率が10%を超えると、異常摩耗や部品損傷が懸念される。
社団法人 自動車技術会の自動車規格JASO M348「自動変速機油摩擦特性試験方法」で定めたSAE No.2試験装置を用いて、湿式摩擦材の摩擦特性を調べた。すなわち、JASO法で5000サイクルの試験を行い、JASO M348で規定されたサイクルでの、下記に示す測定条件で測定された各摩擦係数μ0、μd、及びμtから、湿式摩擦材の摩擦特性を下記基準で評価した。
・μd:
フリクションディスクを3600rpmで一定回転させたのち、動摩擦試験用電動機の駆動電源を切り、同時に押し荷重を加えて、慣性円盤をフリクションディスクとスチールプレートで発生する摩擦トルクで制動させるとき、制動開始後、回転数が1800rpmに達したときの摩擦トルクTdを下記式(x)の摩擦トルクTとして式(x)で算出される動摩擦係数値である。
フリクションプレートが停止する直前の200rpm以下での最大トルクT0を下記式(x)の摩擦トルクTとして式(x)で算出される動摩擦係数値である。
押し荷重を加えて、フリクションディスクとスチールプレートを挟んだ後、フリクションプレートを0.7rpmで一定回転させ、回転立ち上がりから2秒後の安定トルクTtを下記式(x)の摩擦トルクTとして式(x)で算出される静摩擦係数値である。
T :摩擦トルク(Nm)
n :フリクションディスク枚数
re:平均摩擦有効半径
P :押し付け荷重
A :摩擦面積
・μ0/μdの最大値:
湿式摩擦材の結合時ショックの指標。この値が低いほど結合時ショックが小さく良好であり、1.07以下を合格とした。
・μt(静摩擦係数)の最小値:
湿式摩擦材での動力伝達の指標。この値が高いほど湿式摩擦材での伝達トルク容量が良好であり、0.125以上を合格とした。
・μd変化率:
下記式(y)により求められる湿式摩擦材での摩擦特性安定性(動摩擦係数の安定性)の指標。この値が小さいほど湿式摩擦材での摩擦特性が安定して良好であるとし、7%以下を合格とした。
JASO M358に準拠して実施した。
評価は高面圧法で実施し、滑り速度0.25m/sでの摩擦係数μを測定した。この値が高いほどベルト−プーリー間の伝達トルク容量が良好であり、0.135以上を合格とした。
表1及び表2に、それぞれ実施例及び比較例の結果を示す。
また、組成物の100℃における動粘度が高い比較例3では、低温域での粘度が高く、省燃費性に劣る。一方、100℃における動粘度が低く、粘度指数も低い比較例4では、HTHS粘度が低く、高温域粘度が確保できず耐摩耗性に劣る。
また、塩基性カルシウムスルホネートを含有しない比較例5では耐摩耗性が劣る。また、塩基性カルシウムスルホネートを含有しない比較例5では上記の耐摩耗性の低下に加え、静摩擦係数と金属間摩擦係数も劣る。
一方、塩基性カルシウムスルホネートを過剰に含有する比較例6では、耐摩耗性は良好であるが、湿式摩擦材での摩擦特性が劣る。
Claims (3)
- 潤滑油組成物であって、
潤滑油基油と、
(A−1)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が20,000以上100,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.5以上2.2以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤及び(A−2)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が300,000以上900,000以下で、重量平均分子量/数平均分子量が1.0以上1.5以下であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤から選ばれる1種以上を、該潤滑油組成物全量に対して5質量%以上20質量%以下と、
(B)塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる1種類以上を、該潤滑油組成物全量に対してカルシウム量換算で450質量ppm以上700質量ppm以下と、を含有し、
該潤滑油組成物の100℃における動粘度が6.5〜7.4mm2/sであり、かつ、粘度指数が205以上であることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物。 - 前記潤滑油基油が、
(X)100℃における動粘度が1.5〜3.5mm2/s、流動点が−30℃以下、粘度指数が100以上、及び硫黄分が0.01質量%以下の基油成分と、
(Y)100℃における動粘度が4.0〜8.0mm2/s、粘度指数が120以上、及び硫黄分が0.01質量%以下の基油成分と、
を混合した基油であって、該基油全量に対する前記(X)の含有比率が20〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機用潤滑油組成物。
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