[go: up one dir, main page]

JP2010163380A - 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010163380A
JP2010163380A JP2009005434A JP2009005434A JP2010163380A JP 2010163380 A JP2010163380 A JP 2010163380A JP 2009005434 A JP2009005434 A JP 2009005434A JP 2009005434 A JP2009005434 A JP 2009005434A JP 2010163380 A JP2010163380 A JP 2010163380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxylic acid
aromatic carboxylic
liquid
water
crude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009005434A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Fukui
勝彦 福井
Koki Minemoto
紘毅 峯元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2009005434A priority Critical patent/JP2010163380A/ja
Publication of JP2010163380A publication Critical patent/JP2010163380A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】長期安定連続運転が可能で、製品品質が安定した高純度芳香族カルボン酸を得ることが可能な芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】液状物調製装置、加熱装置、及び、水素化反応装置を有する芳香族カルボン酸の製造装置であって、液状物調製装置の水供給管と排出管の少なくともいずれか一方に、最大長径6mmを超える塊状物を除去する異物除去装置を備える芳香族カルボン酸の製造装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法に関する。より詳しくは、製造工程の安定化、製品の品質安定化が可能な高純度芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法に関する。
芳香族カルボン酸の代表例であるテレフタル酸は、酢酸などの脂肪族カルボン酸を含む溶媒を用いて、コバルト、マンガンなどを主体とする重金属触媒及び臭素化合物の存在下、原料であるパラキシレンを、分子状酸素を含有するガスによって、加圧下に液相酸化して製造する方法が工業的に行われている。このようにして得られたテレフタル酸は副生成物等の不純物を含み、一般に粗製テレフタル酸と呼ばれることがある。
テレフタル酸の商業的用途(ポリエステル樹脂の製造など)からの要求で微量不純物を極力削減するために、さらに高温、高圧での追酸化反応工程を設けたり、酸化反応後のテレフタル酸スラリーを分離、乾燥した後に高温、高圧で水などの溶媒に溶解させて触媒存在下に水素化、次いで分離、精製する工程を設けたりする方法などが行われており、特に高純度を必要とする場合にはこの水素化による精製方式が一般的に実施されている。水素化触媒としては、活性炭に担持させたパラジウム触媒などの貴金属触媒が主に用いられている。該精製方式の主たる狙いは、4−カルボキシベンズアルデヒドなどの不純物を還元して水溶性を高め、固体であるテレフタル酸と分離して高純度化することや、テレフタル酸の結晶析出状態を一定化することなどにより、テレフタル酸結晶の品質や粉体特性などを一定に維持することである。このようにして得られたテレフタル酸は、一般に高純度テレフタル酸と呼ばれる。
高純度テレフタル酸を得るためには、水素化精製方式による製造工程全体において、原料供給、反応、結晶析出、固液分離及び工程内の移送などが安定的に実施されることが必要となる。特に、原料である粗製テレフタル酸を一定濃度で供給することが重要である。しかしながら、当該水素化精製方式の製造工程内で、テレフタル酸は、固体、溶液、スラリー、固体と状態変化を繰り返し、温度・圧力も広範囲に変動するので、反応器や配管内で付着物・塊状物が生成しがちで、局部的に配管等が閉塞したり、スラリー濃度もしくは溶液濃度が変動したりして、連続安定運転を長期的に維持するのが困難である。
また、資源の有効利用を目指して、製造工程から排出される洗浄水、固液分離液、凝縮液、蒸留塔還流液などを溶媒として再利用すると、溶媒中に混在する固形分により局部的な移送配管の閉塞が起こり、さらに安定運転への悪影響が起きることもある。
このような閉塞現象が発生することにより、工程の安定的な運転が損なわれ、スラリー濃度や溶液濃度の変動が起こり、これが得られる製品としての高純度テレフタル酸の品質面、特に結晶性状のばらつきをもたらす。また、品質の安定化が維持できなくなるだけではなく、閉塞現象に対して製造工程の運転を停止して対処しなければならない事態も発生し、品質面のみではなく経済的にも損失発生の一因となっている。このような背景のもと、高純度芳香族カルボン酸の製造工程における品質安定化及び工程の連続運転安定化のための方策として、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、テレフタル酸水溶液の濃度を水素化反応時の反応温度における飽和溶解濃度に近い一定値に維持するために、液状物調製槽の外部に備えた循環管でテレフタル酸水溶液の濃度を測定し、水を供給して濃度調整する方法が提案されている。しかしながら、当該提案は効率的にテレフタル酸結晶を得ることが主たる狙いであって、工程の連続運転安定化に関する問題点を解消するには不十分である。
また、特許文献2には、スラリー用攪拌槽において、攪拌効率向上のために設置してあるバッフルに固形分が衝突して液面上に付着、成長し、塊状物になることを防止するために、液面をバッフルの上端もしくは上方に保持しながら、スラリー供給口及び排出口を液面下に設けることが提案されている。しかしながら、本提案は工程途中で発生する固形分の生成を抑制するのみであり、効果は十分とはいえず、様々な要因で発生する閉塞現象を完全に解消できるものではない。
また、特許文献3では、粗製芳香族カルボン酸粉末を水溶媒と混合する際に、水との親和性を改良するために、混練装置で高濃度の予混合物を形成した後に水と混合してスラリーを形成し、水素化処理を行う方法が提案されている。しかしながら、当該方法は、設備コストの点で経済的に実用に供しない程度の負担増となる。
さらに、特許文献4では、粗製芳香族カルボン酸結晶の貯槽で生成する塊状物により粗製芳香族カルボン酸の精製反応が阻害されることを防止する方策として、攪拌機を有するスラリー貯槽を設けて温度とスラリー濃度を制御するとともに、貯槽出口にフィルターを設置して、平均粒子径24mm以上の大粒子を捕集する方策を提案している。本提案ではスラリーの加熱溶解工程に平均粒子径24mm以上の大粒子が流入することは防止できるものの、捕集された24mm以上の大粒子はスラリー貯槽内に蓄積されて残留するので、運転を停止して抜き出す操作が必要になる。
以上のように、高純度芳香族カルボン酸の製造工程に関する上記公知技術は問題点が未だ多く、特に水素化工程へ供給する原料の調製を安定的に実施できる方法が求められている。
特開平8−143504号公報 特開2004−168673号公報 特開2000−1456号公報 米国特許第6245939号明細書
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、長期安定連続運転が可能で、製品品質が安定した高純度芳香族カルボン酸を得ることが可能な芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。特に、粗製芳香族カルボン酸を水素化によって精製して高純度芳香族カルボン酸を製造するに際し、長期安定連続運転が可能で、製品品質が安定した高純度芳香族カルボン酸を得ることが可能な芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解消するべく鋭意検討した結果、特定の装置を設けることでスラリー濃度及び溶液濃度を安定させることができ、ひいては長期連続運転や製品品質の安定化ができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の第一の態様は、粗製芳香族カルボン酸と水とを含有する液状物を調製するための液状物調製装置、液状物を加熱して粗製芳香族カルボン酸溶液を調製するための加熱装置、及び、粗製芳香族カルボン酸溶液を水素化するための水素化反応装置、を有する芳香族カルボン酸の製造装置であって、液状物調製装置は、該液状物調製装置に粗製芳香族カルボン酸を供給する芳香族カルボン酸供給管と、該液状物調製装置に水を供給する水供給管と、該液状物調製装置から液状物を排出する排出管と、それぞれ連結されており、水供給管と排出管の少なくともいずれか一方に、最大長径6mmを超える塊状物を除去する異物除去装置を備えることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造装置を提供して前記課題を解決するものである。
第一の態様において、異物除去装置は、篩機能を備え、かつ該篩機能の目詰まりを除去する掻きとり機能を備えてなるものであることが好ましく、掻きとり機能は、異物除去装置に備えられたブラシによるものであることが好ましい。また、異物除去装置は、異物排出機能を有するものであることも好ましい。
また、第一の態様において、製造装置は、液状物調製装置より前に、更に、アルキル芳香族化合物を酸化して粗製芳香族カルボン酸を含有する酸化反応処理液を得るための酸化反応装置と、酸化反応処理液から粗製芳香族カルボン酸を固液分離するための固液分離装置とを有することが好ましい。
また、第一の態様において、水供給管から液状物調製装置へ供給される水は、酸化反応装置の反応器塔頂部から排出されて蒸留分離された水、固液分離装置で固液分離した粗製芳香族カルボン酸を水で洗浄した際の洗浄液、水素化反応装置で粗製芳香族カルボン酸を水素化した後に回収した水、から選ばれる少なくとも1種以上を含有するものであることが好ましい。
また、第一の態様において、芳香族カルボン酸供給管が、最大長径10mmを超える粗製芳香族カルボン酸を篩別する篩を備えていることも好ましい。
本発明の第二の態様は、液状物調製装置にて粗製芳香族カルボン酸と水とを含有する液状物を調製する液状物調製工程、液状物を加熱して粗製芳香族カルボン酸溶液を調製する加熱工程、及び、粗製芳香族カルボン酸溶液を水溶媒中で水素化する水素化反応工程、を有する芳香族カルボン酸の製造方法であって、液状物調製装置は、該液状物調製装置に粗製芳香族カルボン酸を供給する芳香族カルボン酸供給管と、該液状物調製装置に水を供給する水供給管と、該液状物調製装置から液状物を排出する排出管と、それぞれ連結されており、水供給管と排出管の少なくともいずれか一方に、最大長径6mmを超える塊状物を除去する異物除去装置を備えることを特徴とする、芳香族カルボン酸の製造方法を提供して前記課題を解決するものである。
第二の態様において、異物除去装置は、篩機能を備え、かつ該篩機能の目詰まりを除去する掻きとり機能を備えてなるものであることが好ましく、掻きとり機能は、異物除去装置に備えられたブラシによるものであることが好ましい。また、異物除去装置は、異物排出機能を有することも好ましい。
また、第二の態様の製造方法は、液状物調製工程より前に、更に、アルキル芳香族化合物を酸化して粗製芳香族カルボン酸を含有する酸化反応処理液を得る酸化反応工程と、酸化反応処理液から粗製芳香族カルボン酸を固液分離する固液分離工程とを有することが好ましい。
また、第二の態様において、水供給管から液状物調製槽へ供給される水は、酸化反応工程から排出されて蒸留分離された水、固液分離工程で固液分離した粗製芳香族カルボン酸を水で洗浄した際の洗浄液、水素化反応工程で粗製芳香族カルボン酸を水素化した後に回収した水、から選ばれる少なくとも1種以上を含有するものであることが好ましい。
また、第二の態様において、芳香族カルボン酸供給管が、最大長径10mmを超える粗製芳香族カルボン酸を篩別する篩を備えていることも好ましい。
また、第二の態様において、芳香族カルボン酸供給管の内壁温度は、液状物調製装置内の液状物温度より10〜50℃高くされることが好ましい。
また、第二の態様において、液状物調製装置は、撹拌翼を備え、かつ攪拌動力が0.3kW/m以上であることが好ましい。
本発明によれば、粗製芳香族カルボン酸と水とからなるスラリー中の塊状物の生成が抑制され、配管の閉塞、ポンプのキャビテーションがなくなり、その結果、安定した長期連続運転が可能となる。また、水素化反応装置へ供給する溶液濃度が安定するため、得られる高純度芳香族カルボン酸の製品品質が安定し、経済的損失も減少する。
以下、図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1は、本発明に係る芳香族カルボン酸の製造装置の一実施形態を示す概略図である。図1に示されるカルボン酸製造装置500は、酸化反応装置10、固液分離洗浄乾燥装置20、液状物調製装置30、加熱装置40、水素化反応装置50、晶析装置60、及び固液分離洗浄乾燥装置70を備えている。これを用いた本発明の芳香族カルボン酸の製造方法は、
(1)酸化反応工程:酸化反応装置10にて、アルキル芳香族化合物1を脂肪族カルボン酸を含む溶媒2を用いて、触媒4の存在下、分子状酸素3を含有する気体によって加圧下に液相酸化し、スラリー状の酸化反応生成物6を得る工程
(2)固液分離工程:スラリー状の酸化反応生成物6を固液分離洗浄乾燥装置20で固液分離・洗浄・乾燥して粗製芳香族カルボン酸結晶7を得る工程
(3)液状物調製工程:液状物調製装置30にて粗製芳香族カルボン酸結晶7を水を主体とする溶媒5と混合し、粗製芳香族カルボン酸スラリー8を調製後、加熱装置40にて加熱溶解して粗製芳香族カルボン酸溶液9を得る工程
(4)水素化反応工程:粗製芳香族カルボン酸溶液9を、固定相触媒を有する水素化反応装置50へ水素13と共に供給して水素化反応液10を得る工程
(5)晶析工程:水素化反応液10を晶析装置60にて晶析し、得られた高純度芳香族カルボン酸スラリー11を引き続いて固液分離洗浄乾燥装置70にて固液分離・洗浄・乾燥し、製品としての高純度芳香族カルボン酸12を得る工程
の5工程を有しており、本発明は特に(3)液状物調製工程に特徴を有する。
以下、図1に従い(1)酸化反応工程〜(5)晶析工程の各工程について順に説明しつつ、本発明について詳細に説明する。
<(1)酸化反応工程>
(1)酸化反応工程では、酸化反応装置10において、原料のアルキル芳香族化合物1を、常圧を上回る圧力下で、溶媒2中、触媒4の存在下、分子状酸素3を含む気体で液相酸化し、粗製芳香族カルボン酸を含有するスラリー状の酸化反応生成物6を得る。
芳香族カルボン酸を製造するための原料であるアルキル芳香族化合物1は特に限定されず、アルキル芳香族化合物1を構成する芳香環は単環であっても、多環であってもよい。
アルキル芳香族化合物1が有するアルキル基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等を挙げることができる。また、アルキル芳香族化合物1が有する各アルキル基は一部酸化されていてもよい。一部酸化されたアルキル基とは、アルキル芳香族化合物1におけるアルキル基が酸化されて、アルデヒド基、アシル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基等に酸化されているものの、カルボン酸にまでは酸化されていない基である。
本発明において原料となるアルキル芳香族化合物1の具体的なものとしては、例えばm−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、m−シメン、p−シメン、m−キシレン、p−キシレン、トリメチルベンゼン類などの炭素数1〜4のアルキル基を2〜4個有するアルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、アルキルビフェニル類などが挙げられる。また、一部酸化されたアルキル基を有するアルキル芳香族化合物1の具体的なものとしては、例えば3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、m−トルイル酸、p−トルイル酸、3−ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸、および2−メチル6−ホルミルナフタレン類等を挙げることができる。これらの原料は単独で又は2種以上を併用して用いられる。
反応溶媒2としては、酢酸、プロピオン酸、蟻酸、酪酸などの脂肪族カルボン酸が好ましく用いられるが、酢酸を主成分とする溶媒が特に好ましい。酢酸を主成分とする溶媒としては、酢酸と水との混合物が好ましく、通常、酢酸100質量部に対して水1〜20質量部、好ましくは5〜15質量部を混合した混合物である。反応によって水が副生することから、反応溶媒2中の水分は、後述する酸化反応装置10からの反応ガスを凝縮して得られる凝縮液の一部を系外にパージすることで調節される。溶媒2の使用量は、例えばテレフタル酸の製造工程の場合、原料のパラキシレンに対して2〜6質量倍であることが好ましく、2〜4質量倍であることがより好ましい。溶媒2の量が少なすぎると、反応スラリー温度が高すぎて閉塞等のトラブルを招くことがあり、一方多すぎると、製品生産量に対する系内溶媒量が多量となり、設備の大型化の必要性が生じて経済的に好ましくない。
分子状酸素3を含む気体としては、例えば空気、不活性ガスで希釈された酸素、酸素富化空気等の分子状酸素を含んだガスが用いられる。供給量は原料に対し、分子状酸素3として3〜100倍モルで、実用的には空気が好ましく用いられる。入り口での空気の酸素含有率は21体積%である。そして、酸化反応装置10から排出される排ガス中の酸素濃度は1〜8体積%、好ましくは1.5〜3体積%になるように供給する。
触媒4としては、アルキル芳香族化合物1を酸化し、芳香族カルボン酸に変換する能力を有するものであれば特に制限はないが、通常、重金属化合物が使用され、必要に応じて触媒助剤として臭素化合物を用いてもよい。重金属化合物における重金属としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、銅、鉛、ハフニウム、セリウム等を挙げることができる。これらは単独で、又は組み合わせて用いることができる。特にコバルトとマンガンを組み合わせて用いるのが好ましい。このような重金属の化合物としては、例えば酢酸塩、硝酸塩、アセチルアセテート塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、臭化物等を挙げることができるが、特に酢酸塩、臭化物が好ましい。
また、臭素化合物としては、例えば、分子状臭素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバルト、臭化マンガン等の無機臭素化合物や、臭化メチル、臭化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモエタン等の有機臭素化合物などを挙げることができる。これらの臭素化合物も単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
本発明の製造方法で製造される芳香族カルボン酸がテレフタル酸の場合、原料パラキシレンを酸化する際に用いる触媒4としては、具体的にはコバルト、マンガン及び臭素の組み合わせが好ましく挙げられ、特に酢酸コバルト、酢酸マンガン及び臭化水素の組み合わせが好ましい。
本発明において、触媒4が重金属化合物と臭素化合物との組み合わせからなる場合には、重金属1モルに対して臭素原子は0.05〜10モル、好ましくは0.1〜5モルが望ましい。このような触媒4は、反応溶媒2中の重金属触媒として、通常10〜10000質量ppm、好ましくは10〜3000質量ppmの範囲で用いられる。
酸化反応温度は、通常140℃〜250℃であり、好ましくは150℃〜230℃である。反応温度が低すぎると、反応速度が低下し、温度が高すぎると反応溶媒2の燃焼による損出量が増大する。反応圧力は、少なくとも反応温度において混合物が液相を保持できる圧力以上である必要があり、常圧を上回る圧力である必要がある。具体的には0.2〜6MPa(絶対圧)が好ましく、0.4〜3MPa(絶対圧)がより好ましい。生成するスラリー状の酸化反応生成物6を移送しやすくするには、圧力が高いほうがよく、副反応の抑制にもつながる。一方、酸化反応装置10の耐圧強度、設備経費などの点からは、圧力が低いほうが好ましい。
反応は、通常連続的に実施され、その反応時間(平均滞留時間)は通常30〜300分であり、好ましくは40〜150分である。反応時間が短すぎると反応進行が不十分で、目標製品品質が得られないことがあり、一方、長すぎると反応溶媒2の燃焼による損失量が増大し、また酸化反応装置10の容量が増大するため経済的ではない。
酸化反応装置10の構造は、攪拌槽の例が多いが、気泡塔タイプのものでもよい。気泡塔の場合、気泡塔下部から供給された分子状酸素3は、酸化反応に利用された後、多量の溶媒蒸気を同伴した反応ガスとして気泡塔から抜き出される。
抜き出された反応ガスは、溶媒やエネルギーを回収して再利用するための処理が行われることが好ましい。例えば、酸化反応装置10上部に設置した凝縮器(図示せず)で反応ガスを凝縮させ、得られた溶媒を主とする凝縮液を酸化反応装置10に戻す一方、残りの排ガス中に含まれる水、脂肪族カルボン酸なども分離して再利用する。溶媒などを回収した後、吸収塔上部から排出される排ガスは、依然として高圧状態を維持しているため、エネルギーを回収した後に無害化して放出される。攪拌槽での反応の場合も反応ガスの処理は同様に行われる。
別の好ましい実施態様としては、凝縮器に代えて酸化反応装置10上部に高圧蒸留塔を直結させて、後述する(5)晶析工程で固液分離した水を主成分とする分離母液を、該高圧蒸留塔上部に導入して、酸化反応装置10の反応ガスと接触させて、分離母液中の酸化中間体を酸化して再利用を図るとともに、脂肪族カルボン酸、副生物及び水などを分離し、再利用することもできる。
(1)酸化反応工程では、必要に応じて追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理とは、上記の酸化反応で得られた反応混合物を、引き続き低温条件、又は高温条件で、原料アルキル芳香族化合物1を供給せずに、分子状酸素の存在下、1回以上酸化することをいう。その場合は、別の酸化反応装置(図示せず)を追加する。酸化反応によって得られたスラリー状の酸化反応生成物6は、次の(2)固液分離工程に送られる。
<(2)固液分離工程>
スラリー状の酸化反応生成物6は、固液分離洗浄乾燥装置20にて固液分離し、洗浄・乾燥することによって粗製芳香族カルボン酸結晶7とされる。粗製芳香族カルボン酸結晶7を回収するに先立ち、晶析槽を複数段設けて、酸化反応時よりも低圧にして、放圧蒸発することにより冷却させ、析出量の増加したスラリー状の酸化反応生成物6から固液分離することもできる。この場合、晶析槽は複数段設置するほうが好ましい。運転は、回分又は連続いずれでもよいが、通常は2段以上で連続的段階的に降圧させることが好ましい。段数は好ましくは6段以下、より好ましくは5段以下である。放圧圧力は最終的には常圧にて実施しても構わない。
固液分離は常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができる。加圧分離の場合、圧力は通常0.01MPa以上とし、好ましくは0.03MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上とする。上限は20MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下で、特に好ましくは2MPa以下とする。
固液分離装置としては、スクリーンボウルデカンター、ソリッドボウルセパレーター、ロータリー加圧フィルター、ロータリーバキュームフィルター、水平ベルトフィルター等が採用できる。なお、本実施態様では、固液分離、洗浄、乾燥の操作に対し、固液分離、洗浄及び乾燥を一つの装置で行える固液分離洗浄乾燥装置20が図示されているが、固液分離と洗浄及び乾燥とを別の装置で実施することもできる。
洗浄液としては、固液分離洗浄乾燥装置20中の圧力、温度条件で、液体を保持する条件で存在すれば、特に制限はされない。酸化反応装置10で使用する溶媒と相溶性があるものが好ましいが、一般的には水が用いられる。
固液分離され、洗浄されたケーキの含液率は通常50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。
また、固液分離装置として、固液分離と洗浄が一体となった装置を使用して、ケーキ中に含まれる溶媒を水で置換する場合は、乾燥装置を経ずにそのまま水を含有する粗製芳香族カルボン酸結晶7として得てもよい。乾燥装置を経ない場合は、水を含有する粗製芳香族カルボン酸結晶7を、次工程において、芳香族カルボン酸供給管31を経由して液状物調製装置30に投入する。
分離された母液は、(1)酸化反応にリサイクルされることが好ましいが、品質保持の観点から一部パージすることが好ましい。その場合、常圧を上回る圧力を維持したまま、リサイクル母液及びパージ母液に分岐される。「常圧を上回る圧力を維持したまま」とは、固液分離の操作圧力を実質的に維持した圧力である。別の実施態様として酸化反応時の温度圧力を維持したまま、固液分離し、リサイクルする方法をとると、さらにエネルギー節約になり好ましい。リサイクル母液とパージ母液との分岐割合は、製造工程全体の状況に応じて任意に調節できるが、通常、リサイクル率{リサイクル母液質量×100/(リサイクル母液質量+パージ母液質量)}の下限値は、好ましくは50質量%、より好ましくは70質量%である。このような範囲にすると、パージ母液の量が減り、結果的に母液のロスを削減できる利点がある。さらに下限値を高くすると、酸化反応装置排ガス中の臭化メチル濃度を低くできる利点がある。またリサイクル率の上限値は好ましくは95質量%、より好ましくは90質量%である。このような範囲にすることによって、系内への不純物の蓄積を抑えることができ、製品の品質を向上できる。
パージされる分離母液・洗浄液中には、芳香族カルボン酸、未反応原料、副生物、触媒、溶媒、水など多くの成分が含有されている。したがって、これら有価成分は回収して再利用することが好ましい。再利用可能物の回収・再利用方法は、回収対象の物性、性状に応じて複数の回収方法が組み合わせて用いられる。具体的には、揮発性を利用してまず揮発性物質を蒸発器で不揮発性物質と分離した後に、揮発分及び蒸発器釜残から、それぞれにさらに分離する方法、有機溶媒抽出により有機溶媒可溶成分及び不溶成分を有機溶媒側、水側に分離し、それぞれさらに分離処理をする方法、など多くの方法が公知化されており、任意の方法が採用できる。
なお、本実施形態においては、粗製芳香族カルボン酸結晶7を得る(1)酸化反応工程および(2)固液分離工程は、後述する(3)液状物調製工程以降の工程と連続されているが、分割されていてもよい。すなわち、予め(1)酸化反応工程および(2)固液分離工程を経て粗製芳香族カルボン酸結晶7を得ておき、これを輸送、貯蔵等した後、(3)液状物調製工程におけるホッパー21などに供給してもよい。
<(3)液状物調製工程>
(3)液状物調製工程は、上記(2)固液分離工程で得られた粗製芳香族カルボン酸結晶7を、水を主体とする溶媒5とを混合して粗製芳香族カルボン酸スラリー8(以下単にスラリー8ともいう。)を生成したのち、さらに(4)水素化反応工程の水素化反応装置50に溶液状態で供給するために加熱装置40でスラリー8を加熱して、粗製芳香族カルボン酸溶液9を生成する工程である。
溶媒5の種類は特に限定されないが、有機物の溶解性、沸点などの点から水を含むことが望ましく、より好ましくは90質量%以上が水、さらに好ましくはほぼ100質量%が水であることが好ましい。
溶媒5に使用される水としては、水の消費量を抑制するために、本発明の高純度芳香族カルボン酸製造工程内で生成する水を再利用することが好ましい。例えば、上記(1)酸化反応工程の酸化反応装置にて蒸留分離された蒸留塔又は脱水塔などの塔頂水や、塔上部への還流水からの抜き出し水、上記(2)固液分離工程の固液分離乾燥洗浄装置20において固液分離した粗製芳香族カルボン酸7を水で洗浄した際の洗浄液、後述する(4)水素化反応工程で粗製芳香族カルボン酸溶液9を水溶媒中で水素化した後に水素化反応装置50から回収した水、などが好ましく利用できる。また、後述する(5)晶析工程において高純度芳香族カルボン酸12を固液分離した後に得られる母液中に溶存する酸化中間体などの有機物を再度、晶析分離し、必要に応じてさらに抽出処理などにより回収した後に、該処理液の一部を溶媒として利用することもできる。さらに、該母液の一部をイオン交換樹脂、逆浸透膜システムなどを用いて含有される触媒及び溶存有機物などの微量不純物を吸着・濃縮して除去し、透過水を溶媒として再利用することもできる。その他、製造工程内で生成する水の再利用については、例えば、EP498591号公報、WO94/19082号公報、WO97/27168号公報、WO96/11899号公報、WO06/102459号公報、WO01/12302号公報、特開平11−349529号公報などに記載されている。
(3)液状物調製工程においては、まず、粗製芳香族カルボン酸結晶7が芳香族カルボン酸供給管31を経由して、水を主体とする溶媒5が水供給管32を経由して、それぞれ液状物調製装置30に投入され、混合されることによって粗製芳香族カルボン酸スラリー8が調製される。芳香族カルボン酸製造全工程の長期安定運転を確保し、芳香族カルボン酸の製品品質を安定的に維持するためには、このスラリー8中の塊状物の粒径を制御することが最も重要である。
スラリー8調製時に大きな塊状物が存在すると、スラリー8を液状物調製装置30から排出するための排出管33や加圧ポンプ80が閉塞するおそれがある。また、スラリー8中の塊状物の粒子径が大きすぎると、次の加熱装置40で加熱溶解する工程でスラリー8の溶解速度が遅くなって完全溶解できなくなったり、加圧ポンプ80や液状物調製装置30から水素化反応装置50までの間の移送配管中で一部閉塞気味の運転となって溶液濃度が目標値を下回る事態が発生し、製品の高純度芳香族カルボン酸12の品質管理上問題が発生したりする。さらに、スラリー8が大きな塊状物を有して加熱装置40で完全に溶解しきれない場合、(4)水素化反応工程で固形分の内部に残留する不純物に対して水素化反応が進行せず精製効果が発揮されないばかりか、触媒層の流路阻害が発生して反応が十分に進行しない事態も発生する。
これらの問題を回避するために必要なスラリー8の最大粒子径を種々検討した結果、排出管33における加圧ポンプ80の入り口上流で、スラリー8が含有する塊状物の最大長径が6mm以下であることが好ましく、さらには5mm以下、特には4mm以下であることが好ましいことが明らかになった。そして、スラリー8が含有する塊状物の最大長径を上記範囲とするために、液状物調製装置30の出口である排出管33に、塊状物を除去するための異物除去装置200を設置して、前記記載の最大長径を超過する大粒子を分離することが有効であることが明らかになった。なお、本発明において「最大長径が特定値以下である粒子」とは、その特定値を目開き径とする篩を通過する粒子をいうものとする。
異物除去装置200としては、スラリー8中の塊状物を除去できる装置であればよいが、異物除去装置200は篩機能を備えており、かつ該篩機能の目詰まりを除去する掻きとり機能を有していることが好ましい。具体的には、切り替え方式手動ストレーナー、自動ストレーナーなどが用いられ、自動式としては、自動洗浄ストレーナー、自動ロータリーストレーナー、自動かきとり式ストレーナーなどが用いられるが、この中でも自動掻きとり式ストレーナーが好ましい。
本発明に適用される好ましい異物除去装置200の概略図を図2に示す。本実施態様の異物除去装置200は自動掻きとり式ストレーナーであり、スラリー8は、液状物入り口203から導入され、円筒形のストレーナー内部に固定された円筒型の固定エレメントスクリーン201内側から外側に通過し、液状物出口204から出て行く。エレメントスクリーン201の内側には、回転軸に固定されたブラシ・スクレーパー202が近接して設置してあり、エレメントスクリーン201の内側に目詰まりした塊状物を含むスラッジを、常時10rpm程度の低速で回転するブラシ・スクレーパー202で自動的に掻きとり、下部スラッジポットに送り、スラッジ排出口205から排出弁で外部に自動的に排出する。本発明に用いられる異物除去装置における塊状物の除去方法は限定されないが、異物排出機能を有することが好ましい。該異物排出機能としては、掻きとり吸入方式であることが好ましく、例えば、掻きとった塊状物を回転するブラシ・スクレーパー202に吸込み口を設けて吸込み、下部スラッジポットに送る方式であることが好ましい。このように、掻きとり機能を備え、さらに掻きとり吸入方式とすることによって、異物除去装置200で除去された塊状物が篩の上流側に貯留されることなく排出される。そのため、本発明の芳香族カルボン酸の製造装置を一時的に停止して塊状物を除去することなく連続運転を行うことができる。
自動掻きとり式ストレーナー200におけるストレーナー形状は、液流の方向から一直線に流れるストレート形、直角に曲がるT形、Y字形に曲がるY形などがある。また、スクリーンは、スリット形、ウェッジワイヤー形などが使用され、スクリーンの種類としては、スラッシュスクリーン、スリットグリル、ウェッジワイヤー、パンチングメタル、フラットメッシュ等が挙げられる。スクリーンの目開きは、スラリー8が含有する粗大な塊状物を除去するために、6mm以下であることが必須であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下である。目開きが大きすぎるとスラリー8が含有する塊状物が大きすぎ、加圧ポンプ80入口でキャビテーションが起きたり、閉塞したりして運転に支障をきたす。一方、スクリーンの目開きが小さすぎるとスクリーンが目詰まりしやすくなり、非効率になるため、スクリーンの目開きは、100μm以上、さらには500μm以上であることが好ましい。ブラシ・スクレーパー202の形状は、ブラシ形、かきとり板形などあるが、ブラシ形が適切である。回収した塊状物を含むスラッジは、前記(1)酸化反応工程へリサイクルして再利用してもよい。
なお、異物除去装置200の設置箇所は、液状物調製装置30と水素化反応装置50との間の任意の位置に設けられるが、加熱装置40よりも上流側であることが好ましく、加圧ポンプ80よりも上流側であることがさらに好ましい。加熱装置40よりも上流側に異物除去装置200を設けておけば、異物除去装置200を通過した塊状物を加熱によって更に微粒子化又は溶解することができる。また、加圧ポンプ80よりも上流側に異物除去装置200を設けておけば、加圧ポンプ80の閉塞や過負荷によるトラブルを防止することができる。
異物除去装置200は、液状物調製装置30と水素化反応装置50との間の任意の位置に2つ以上設けてもよい。例えば、加圧ポンプ80よりも上流側に一機設け、加熱装置40よりも下流側に一機設け、後者でより細かな異物を除去することによって、より安定的に(4)水素化反応工程を行うことができる。
スラリー8を調製するための溶媒5として、上述したような製造工程内で発生する水類を再利用する場合には、液状物調製装置30への水供給管32にも、上記異物除去装置200と同様の装置300を設置することが好ましい。製造工程内で発生する水類中に固形分が混入している場合、それに起因する配管の閉塞を引き起こすのを防止することができる。その際の好ましい形状や方式、スクリーンの目開き径、設置する効果も、排出管33に設置される異物除去装置200と同様である。
上記異物除去装置200、300で塊状物を除去することによって製造工程の長期連続安定運転が可能となるが、さらに長期的に安定運転を確保し、より製品品質を安定的に維持するには、以下のような塊状物に対する様々な方策も併せてとることが好ましい。
(3)液状物調製工程では、粗製芳香族カルボン酸結晶7は、ホッパー21などから芳香族カルボン酸供給管31(以下単に供給管31ともいう。)を経由して液状物調製装置30に供給されるが、供給管31内で粗製芳香族カルボン酸結晶7が凝集して供給管31壁に付着し、塊状物が生成する場合がある。この塊状物は、液状物調製装置30内から蒸発した水蒸気が供給管31内壁面で凝縮して水滴となり、これに粗製芳香族カルボン酸結晶7が付着し、さらに水分及び粗製芳香族カルボン酸結晶7が抱き込まれて行くことにより、付着物が成長したものである。供給管31壁の塊状物が大きくなると、供給管31が閉塞して運転停止となるので、回避策として、一時的に粗製芳香族カルボン酸結晶7の供給を停止して、間欠的に付着物を除去し、槽内に落とし込む操作などが行われる。その間、液状物調製装置30内のスラリー濃度が低下することになり、品質管理上問題である。
この供給管31の閉塞を防止するための方策として、内壁面に水滴が凝縮しないように供給管31の内面温度を液状物調製装置30内温度以上に維持することが好ましい。具体的には、供給管31の内面温度を、液状物調製装置30内のスラリー8の温度よりも10℃〜50℃高い範囲で保持するのが好ましい。このためには、例えば、供給管31を二重管として内側に粗製芳香族カルボン酸結晶7、外側に熱媒を通じて配管を保温する方法が挙げられる。熱媒は蒸気、ホットオイルなど、供給管31内面温度を上記温度範囲内に加熱できるものであれば特に限定されない。いわゆるトレース配管を供給管31の周囲に設置して、蒸気又はホットオイルなどを熱媒として通し、保温する方法、又は電気トレース法で、通電により温度調整を行いつつ保温する方法、なども考えられるが、配管周辺の温度分布が偏在しがちであるため、二重管を用いる方法が特に好ましい。配管の形状としては、直管が最も好ましく、曲がりを極力少なくすることが望ましい。
また、粗製芳香族カルボン酸結晶7がサイロやホッパー21などに貯蔵されていた場合、一部塊状物が形成されてしまうことがある。この塊状物が液状物調製装置30に供給されると、液状物調製装置30内で十分に分散されずに、液状物調製装置30のスラリーの排出口や排出管33にて閉塞する現象が発生することがある。この塊状物はホッパー21などでの貯蔵中に、固形分中の残存水分により、貯槽内壁面に付着し、乾燥して固化したものなどが剥離したものであり、これらは非常に硬く、人力では容易には割れないほど、硬化しているのが通常である。したがって、このような塊状物が液状物調製装置30へ進入するのを防止する方策として、ホッパー21の下流、液状物調製装置30への供給管31に、大粒子分離装置400を設置して、塊状物を分離除去することが好ましい。大粒子分離装置400としては、粗製芳香族カルボン酸結晶7の大粒子を篩別することのできる篩が好ましく、振動篩、旋動篩、動揺篩、回転篩などが挙げられるが、処理効率及び処理能力の面から振動篩が特に好ましい。篩分けに使用する篩面は、打ち抜き板、篩網などが使用できる。材質としてはリン青銅,黄銅、鋼、ステンレス鋼などの金属網が主として用いられ、ナイロンなどの樹脂類を用いることもある。篩目の形は、正方形、長方形及び円形などであるが、正方形が好ましく用いられる。篩目の織り方は、平織、綾織の他特殊な織り方があるが、本発明では平織が望ましい。
上記の通り、粗製芳香族カルボン酸結晶7は大粒子が除去されていることが好ましく、その最大長径は、10mm以下、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。このため、大粒子分離装置400における篩の目開きは、10mm以下、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。粒子径が篩の目開きより大きい塊状物は篩で捕集され、液状物調製装置30に入るのを防止することができる。目開きが大きすぎると、液状物調製装置30への供給管31内もしくは液状物調製装置30出口で閉塞する。一方、目開きが小さすぎると、目詰まりが多くなり効率的でないため、目開きは、100μm以上、好ましくは500μm以上であることが好ましい。篩分けした大粒子は、上記(1)酸化反応工程に戻して再利用してもよい。
塊状物が液状物調製装置30へ進入するのを防止するために、大粒子分離装置400の代わりに粉砕機(図示せず)を設置し、大粒子を粉砕する対策も実施可能である。粉砕機としては圧縮型粉砕機、衝撃圧縮型粉砕機、せん断型粉砕機、摩擦粉砕型粉砕機などが挙げられる。
また、液状物調製装置30において、装置内のスラリーの濃度分布が偏在することにより液状物調製装置30下部ほど固形分が多く分布して、粗製芳香族カルボン酸結晶7が凝集し、これが成長して塊状物が生成したりする場合がある。またスラリー8の液状物調製装置30内壁面への付着に始まり、乾燥・成長により塊状物が形成され、これが槽内に落下する場合がある。これらの塊状物は、液状物調製装置30出口での閉塞や、排出管33の閉塞、加圧ポンプ80のキャビテーションなどの原因となる。液状物調製装置30内壁面への付着防止策及び閉塞防止策としては特許文献2に記載される方法、すなわち、バッフルと液面との位置関係に配慮し、液面をバッフルの上端、又は上方に保持しながら、液状物調製装置30の供給管31及び排出管33を、液面下に設けることにより、一部防止できるが、さらに液状物調製装置30内での分散力を高めないと固体粒子が沈降し、液状物調製装置30内のスラリー濃度の分布が不均一で、液状物調製装置30下部に大粒径固形分が蓄積しがちになる。本発明者らは、上記事態の解消のためには、攪拌能力強化による分散力の強化が特に有効であることを見出した。攪拌力強化の方策としては、攪拌翼の複数段設置、攪拌翼の適切な選択、及び攪拌動力の適切な設定が挙げられる。攪拌翼は二段以上設置するのが望ましいが、一段でも攪拌翼、攪拌動力との組み合わせで適切な分散力が保持できればよい。攪拌翼形状としてはプロペラ、タービン、平羽根、アンカー、ヘリカルリボンなどが採用できる。攪拌動力は単位体積あたり0.3kw/m以上であればよい。好ましくは0.4kw/m以上、より好ましくは0.5kw/m以上であり、また通常2.0kw/m以下、好ましくは1.5kw/m以下である。攪拌動力が小さすぎると、均一攪拌ができなくなり、また粒子の十分な攪拌効果が得られず粒子が部分的に沈降したりする。一方、攪拌動力が大きすぎると、電力消費が過剰になるので、槽内のスラリーの流動状態の均一性を勘案しつつ適切に設定する。
攪拌翼としては、好ましくはプロペラが用いられる。プロペラを用いた場合、回転数は、液状物調製装置30の形状や大きさに依存するため限定されないが、好ましくは30〜500rpm、より好ましくは50〜300rpm、さらに好ましくは70〜100rpmである。
(3)液状物調製工程においては、より確実に長期安定運転を確保し、製品品質を安定的に維持するには、上述のような塊状物に対する様々な方策と併せ、スラリー濃度及びスラリー濃度変動幅も調整されることが好ましい。
スラリー濃度は10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上で、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。低濃度では、装置が大型化して経済的ではなく、一方、高濃度になると、スラリー8の流動性が増大し、特殊機器が必要になって設備費が増加する。
スラリー濃度の好ましい制御範囲は、目標とするスラリー濃度の±1.5質量%以内で、好ましくは目標値±1.0質量%以内、特に好ましくは目標値±0.5質量%以内である。スラリー濃度の変動幅が大きいと、(4)水素化反応工程の反応が不均一反応となったり、(5)晶析工程で結晶性状の変動が大きくなり、粒径や粒形が安定化しなかったりする場合がある。その結果、製品である高純度芳香族カルボン酸12の品質が安定しない状態になり望ましくない。
液状物調製装置30内のスラリー滞留時間は、10〜60分間、特に15〜30分間とするのが好ましい。滞留時間が短すぎるとスラリー濃度の調製が不十分になる一方、長すぎると大きな設備を必要として経済的でない。
液状物調製装置30で得られた粗製芳香族カルボン酸スラリー8は、加熱装置40に送られ、230℃以上に加熱・溶解されて粗製芳香族カルボン酸供給液9となり、加圧ポンプ80によって(4)水素化反応工程に送られる。加熱装置40は複数段の熱交換装置からなり、製造工程から回収された蒸気が利用される他、不足分はホットオイルなどで加熱される。
<(4)水素化反応工程>
(4)水素化反応工程は、上記(3)液状物調製工程で得られた粗製芳香族カルボン酸供給液9を水素添加反応装置50に供給して水素添加反応に供し、水素化反応液10を得る工程である。水素添加反応装置50に供給される粗製芳香族カルボン酸供給液9は完全溶解状態が望ましいが、水素添加反応装置50内部で触媒を担持した固定相に接触するまでに溶解できる構造になっていれば、微量の残留物は含まれてもよい。
水素13との反応温度は230〜320℃、好ましくは240〜300℃で、水素13の分圧は通常0.05〜2MPaであり、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム等の単独又は混合物等の第8属金属触媒と通常1〜100分間、接触する。これら第8属金属は、通常、芳香族カルボン酸熱水溶液に不溶性の担体、例えば、活性炭等に担持させて用いられる。これらの中では、精製効果の点からは、特に活性炭に担持させたパラジウムを固定床として用いるのが好ましい。反応時の圧力は、通常3MPa以上であり、好ましくは5MPa以上である。また通常20MPa以下であり、好ましくは15MPa以下、より好ましくは12MPa以下である。
(4)水素化反応工程によって、粗製芳香族カルボン酸溶液9中の不純物である酸化中間体、例えば4−カルボキシベンズアルデヒド、3−カルボキシベンズアルデヒドなどが、パラトルイル酸、メタトルイル酸などに還元される。上記トルイル酸等の還元物は、一般的にテレフタル酸やイソフタル酸などの芳香族カルボン酸より水溶性が高いので、後述する(5)晶析工程における固液分離操作で水素化反応液10から分離することができる。
<(5)晶析工程>
(5)晶析工程は、水素化反応液10を晶析して高純度芳香族カルボン酸スラリー11を得、次いで固液分離・洗浄・乾燥して高純度芳香族カルボン酸12を得る工程である。
晶析方法としては、溶媒である水の蒸発除去、及び冷却による方法や、放圧冷却する方法等が挙げられる。晶析装置60は、直列に接続した複数の晶析槽で構成され、段階的に冷却して晶析する。段数としては、通常2段以上、好ましくは3段以上である。また通常6段以下、好ましくは5段以下である。最終段での晶析圧力は、通常0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上、さらに好ましくは0.5MPa以上で、上限は好ましくは3MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.7MPa以下である。晶析の際に排出する高圧蒸気は、回収して熱エネルギーとして再利用することもできる。
晶析された高純度芳香族カルボン酸スラリー11は、固液分離洗浄乾燥装置70にて、結晶と母液及び洗浄液に分離され、結晶が乾燥されることにより、高純度芳香族カルボン酸12となる。母液・洗浄液からは、酸化中間体である有価物(例えばテレフタル酸が目的物の場合、パラトルイル酸、メタトルイル酸など)を晶析分離により回収して、上記(1)酸化反応工程に戻して芳香族カルボン酸原料としてリサイクルされることが好ましい。また、該母液の一部を溶媒として再利用したり、さらに該分離母液中に残留する微量不純物を逆浸透膜処理、イオン交換処理などにより濃縮し、透過水の一部を粗製芳香族カルボン酸の溶媒として再利用したりすると、水使用量及び排水量を低減できるため好ましい。
また、(1)酸化反応工程で説明したように、母液・洗浄液に含有されるパラトルイル酸、メタトルイル酸などの酸化中間体などを分離しないまま、上記(1)酸化反応工程の酸化反応装置10上部に設置される高圧蒸留塔にリサイクルして水使用量を削減し、排水量を削減することも可能である。
固液分離は常圧、減圧、加圧のいずれでも行いうる。加圧分離の場合は、圧力は通常0.01MPa以上とし、好ましくは0.03MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上とする。上限は20MPa以下、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下で特に好ましくは2MPa以下とする。
本実施態様では、固液分離、洗浄、乾燥の操作は、固液分離、洗浄及び乾燥を一つの装置で行える固液分離洗浄乾燥装70が図示されているが、固液分離と洗浄及び乾燥を別の装置で実施することもできる。固液分離装置としては、スクリーンボウルデカンター、ソリッドボウルセパレーター、ロータリー加圧フィルター、ロータリーバキュームフィルター、水平ベルトフィルター等が採用でき、乾燥装置としては放圧蒸発による加圧乾燥機、通常の流動乾燥機など公知の方法が採用できる。乾燥ケーキの乾燥が不十分な場合は、流動層乾燥機、回転乾燥機などを用いてさらに乾燥することが好ましい。
以上のような製造工程を実施することにより、芳香族カルボン酸製造工程の長期安定運転が確保でき、運転停止による損失も大幅に削減される。その結果、粒径、透過率などの品質が安定した高純度芳香族カルボン酸12を、時間的にも経済的にも効率的に製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。なお、本発明はその趣旨に反しない限り実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
高純度テレフタル酸の製造設備(生産量75ton/hr)において、液相酸化反応装置に連続的にパラキシレン及び、パラキシレンの約3質量倍の酢酸、触媒として酢酸コバルト、酢酸マンガン、臭化水素を供給し、温度185〜195℃、圧力1.0〜1.7MPa、反応時間(平均滞留時間)90分で酸化反応を行った。触媒使用量は、溶媒に対し、コバルト成分及びマンガン成分が金属換算で各々300質量ppm、臭素成分は700ppmとした。分子状酸素による酸化反応を行うためのガスとしては空気を用いた。この時空気の酸素含有率は21体積%であり、酸化反応装置から排出されるガス中の酸素濃度が3〜7体積%になるように、酸化反応装置中に圧縮空気を供給した。
次いで、酸化反応によって得られたスラリーを低温酸化反応装置に連続的に移送し、温度180〜195℃、圧力0.9〜1.7MPa、反応時間40〜60分で追酸化反応を行った。酸化反応を行うためのガスとして、圧縮空気(酸素含有率21体積%)を、排ガス中の酸素濃度が3〜7体積%になるように供給した。反応終了したスラリー状の酸化反応生成物の温度及び圧力を維持したまま、スクリーンボウルデカンターにより固液分離・洗浄し、粗製テレフタル酸ケーキを得た。洗浄には、酸化反応装置排ガスから凝縮されて得られた水を一部使用した。さらに蒸気乾燥機にて粗製テレフタル酸ケーキを乾燥して粗製テレフタル酸を得、次の液状物調製工程に移送する前に一旦液状物調製装置の上方に位置するサイロに貯蔵した。この時点での含水率(水分量)は0.1質量%であった。
サイロから液状物調製装置への芳香族カルボン酸供給管には、閉塞防止策として、付着した粗製テレフタル酸ケーキを機械的に落とし込むクリーニング装置を設置し、一時的に粗製テレフタル酸の供給を停止してクリーニング装置を間欠的に作動させた。
一方、溶媒として液状物調製装置へ供給する水としては、後述する晶析工程における固液分離工程から排出される分離母液及び、溶存有機物を回収した後の母液を含んだ水を再利用した。これらの水には固形物が混在するので、水供給管に異物除去装置(自動ストレーナー)を設置し、最大長径5mmを超える固形物を除去した。ここで用いた異物除去装置は図2で示される構造の、目開き5mmのスクリーンを有する、ブラシによって目詰まりを除去する掻きとり吸入方式の篩型装置であった。
使用した液状物調製装置は攪拌槽であり、攪拌翼の形状は傾斜パドル翼で、バッフルを5枚備えたものを用いた。バッフルの上端は液面よりもやや下部に位置させた。粗製テレフタル酸ケーキは液状物調製装置の上部から、水は液状物調製装置の側面で液面より下部から導入し、調製後の液状物は、同じく液面よりも下部で、水の導入口とは反対側の側面から抜き出した。攪拌軸の攪拌動力は0.5kw/mで運転した。
液状物調製装置の圧力は常圧で、温度は90℃であった。滞留時間は15分とした。該液状物調製装置の出口に図2で示される構造の、目開き5mmのスクリーンを有する自動ストレーナーを設置して、スラリー中の5mmを超える塊状物を自動的に除去した。液状物調製装置と水素化反応装置との間には加圧ポンプを設けた。加圧ポンプ入り口でのスラリーの濃度は30±0.5質量%で、最大長径は5mm以下であった。
得られたスラリーは、加圧ポンプを用いて複数の直列に連結した多管式熱交換器を通過させ、蒸気及び熱媒油(ホットオイル)で290℃、8.5MPaまで加熱加圧してテレフタル酸を完全に溶解させた。その後、パラジウム−活性炭を固定床とする水素化反応装置にテレフタル酸水溶液を水素と共に導入し、不純物の4−カルボキシベンズアルデヒドをパラトルイル酸に変えた。水素化反応後のテレフタル酸水溶液は連続的に晶析装置に送られ、4段の晶析工程で順次に放圧冷却及び晶析させた後、100℃で固液分離し、得られた高純度テレフタル酸ケーキを水洗、乾燥した。固液分離装置にはスクリーンボウルデカンターを用いた。乾燥機は放圧蒸発による加圧乾燥機、及び流動層乾燥機が用いられ、高純度テレフタル酸ケーキが75Ton/hrの収量で得られた。固液分離した母液にはパラトルイル酸などの酸化中間体が含有されているので、さらに冷却して結晶を析出させ、固液分離して固形分として回収し、液相酸化反応工程にリサイクルした。酸化中間体を固液分離後の母液の一部は、晶析工程の水溶媒として再利用した。
この方法で継続的に運転した結果、6ヶ月以上の長期にわたり、運転を停止することなく安定的に生産を続行することができ、運転安定化、製品品質の安定化が確認された。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた粗製テレフタル酸ケーキを一旦サイロに貯蔵した。実施例1で用いたクリーニング装置に代えて、サイロの下流に振動篩(目開き4mm)を設置して、サイロ壁面や蒸気乾燥機などで生成した塊状物を篩い分けし、通過した粗製テレフタル酸ケーキをコンベヤーで移送して、液状物調製装置にロータリーバルブで供給量を調節して供給した。液状物調製装置への粗製テレフタル酸の供給管は、閉塞防止のために二重管にして外側に蒸気を流し、供給管内壁温度を100℃に保持した。また、溶媒として使用する水の供給管には、実施例1と同様に自動ストレーナーを設置し、最大長径4mm以上の固形物を除去した。
液状物調製装置の構造、操作圧力、温度、滞留時間は実施例1と同様であるが、攪拌軸の回転数を上げることにより、実施例1よりも攪拌動力を増加して0.6kw/mで運転した。液状物調製槽出口に実施例1と同様に自動ストレーナーを設置して、スラリー中の4mmを超える塊状物を自動的に除去した。加圧ポンプ入り口でのスラリーの濃度は30±0.5質量%で、最大長径は4mm以下であった。実施例1の場合は間欠的にスラリー濃度が振れることがあったが、実施例2では全くなく、安定した。得られたスラリーを実施例1と同様に加熱加圧してテレフタル酸を完全に溶解させ、実施例1と同様に水素化反応、晶析、固液分離、水洗、乾燥することにより、高純度テレフタル酸ケーキが75Ton/hrの収量で得られた。
この方法で継続的に運転した結果、10ヶ月以上の長期にわたり、運転を停止することなく安定的に生産を続行することができ、運転安定化、製品品質の安定化が確認された。
(比較例1)
水の供給管と液状物調製装置出口の排出管下流に自動ストレーナーを設置しなかったことと、液状物調製装置における攪拌動力を0.3kw/mとした以外は実施例1と同様の製造方法で高純度テレフタル酸の製造を行った。
この結果、加圧ポンプ入り口上流におけるスラリー濃度は、30±2質量%であった。また、この方法で継続的に運転した結果、液状物調製装置の供給側もしくは出口側で2週間程度の間隔で閉塞が起こり、運転を一時停止して閉塞を解消する必要があった。閉塞物を確認した結果、最大粒子径が10〜30mm程度の粗製テレフタル酸の塊が存在した。
本発明に係る芳香族カルボン酸製造装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明に適用される好ましい異物除去装置200の概略図である。
10:酸化反応装置
20:固液分離洗浄乾燥装置
30:液状物調製装置
31:芳香族カルボン酸供給管
32:水供給管
33:排出管
40:加熱装置
50:水素化反応装置
60:晶析装置
70:固液分離洗浄乾燥装置
80:加圧ポンプ
200、300:異物除去装置
201:エレメントスクリーン
202:ブラシ・スクレーパー
400:大粒子分離装置
500:芳香族カルボン酸製造装置

Claims (16)

  1. 粗製芳香族カルボン酸と水とを含有する液状物を調製するための液状物調製装置、
    前記液状物を加熱して粗製芳香族カルボン酸溶液を調製するための加熱装置、
    及び、前記粗製芳香族カルボン酸溶液を水素化するための水素化反応装置、
    を有する芳香族カルボン酸の製造装置であって、
    前記液状物調製装置は、該液状物調製装置に前記粗製芳香族カルボン酸を供給する芳香族カルボン酸供給管と、該液状物調製装置に水を供給する水供給管と、該液状物調製装置から前記液状物を排出する排出管と、それぞれ連結されており、前記水供給管と前記排出管の少なくともいずれか一方に、最大長径6mmを超える塊状物を除去する異物除去装置を備えることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造装置。
  2. 前記異物除去装置が、篩機能を備え、かつ該篩機能の目詰まりを除去する掻きとり機能を備えてなる、請求項1に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  3. 前記掻きとり機能が前記異物除去装置に備えられたブラシによるものである、請求項2に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  4. 前記異物除去装置が異物排出機能を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  5. 前記液状物調製装置より前に、更に、アルキル芳香族化合物を酸化して粗製芳香族カルボン酸を含有する酸化反応処理液を得るための酸化反応装置と、前記酸化反応処理液から前記粗製芳香族カルボン酸を固液分離するための固液分離装置とを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  6. 前記水供給管から前記液状物調製装置へ供給される前記水が、前記酸化反応装置の反応器塔頂部から排出されて蒸留分離された水、前記固液分離装置で固液分離した前記粗製芳香族カルボン酸を水で洗浄した際の洗浄液、前記水素化反応装置で前記粗製芳香族カルボン酸を水素化した後に回収した水、から選ばれる少なくとも1種以上を含有する、請求項5に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  7. 前記芳香族カルボン酸供給管に、最大長径10mmを超える前記粗製芳香族カルボン酸を篩別する篩を備えてなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造装置。
  8. 液状物調製装置にて粗製芳香族カルボン酸と水とを含有する液状物を調製する液状物調製工程、
    前記液状物を加熱して粗製芳香族カルボン酸溶液を調製する加熱工程、
    及び、前記粗製芳香族カルボン酸溶液を水溶媒中で水素化する水素化反応工程、
    を有する芳香族カルボン酸の製造方法であって、
    前記液状物調製装置は、該液状物調製装置に前記粗製芳香族カルボン酸を供給する芳香族カルボン酸供給管と、該液状物調製装置に水を供給する水供給管と、該液状物調製装置から前記液状物を排出する排出管と、それぞれ連結されており、前記水供給管と前記排出管の少なくともいずれか一方に、最大長径6mmを超える塊状物を除去する異物除去装置を備えることを特徴とする、芳香族カルボン酸の製造方法。
  9. 前記異物除去装置が、篩機能を備え、かつ該篩機能の目詰まりを除去する掻きとり機能を備えてなるものである、請求項8に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  10. 前記掻きとり機能が前記異物除去装置に備えられたブラシによるものである、請求項9に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  11. 前記異物除去装置が異物排出機能を有する請求項8〜10のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  12. 前記液状物調製工程より前に、更に、アルキル芳香族化合物を酸化して粗製芳香族カルボン酸を含有する酸化反応処理液を得る酸化反応工程と、
    前記酸化反応処理液から前記粗製芳香族カルボン酸を固液分離する固液分離工程とを有する請求項8〜11のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  13. 前記水供給管から前記液状物調製装置へ供給される前記水が、前記酸化反応工程から排出されて蒸留分離された水、前記固液分離工程で固液分離した前記粗製芳香族カルボン酸を水で洗浄した際の洗浄液、前記水素化反応工程で前記粗製芳香族カルボン酸を水素化した後に回収した水、から選ばれる少なくとも1種以上を含有する、請求項12に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  14. 前記芳香族カルボン酸供給管が、最大長径10mmを超える前記粗製芳香族カルボン酸を篩別する篩を備えている、請求項8〜13のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  15. 前記芳香族カルボン酸供給管の内壁温度を前記液状物調製装置内の液状物温度より10〜50℃高くすることを特徴とする、請求項8〜14のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  16. 前記液状物調製装置が撹拌翼を備え、かつ攪拌動力が0.3kW/m以上であることを特徴とする、請求項8〜15のいずれか1項に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
JP2009005434A 2009-01-14 2009-01-14 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法 Pending JP2010163380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009005434A JP2010163380A (ja) 2009-01-14 2009-01-14 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009005434A JP2010163380A (ja) 2009-01-14 2009-01-14 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010163380A true JP2010163380A (ja) 2010-07-29

Family

ID=42579854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009005434A Pending JP2010163380A (ja) 2009-01-14 2009-01-14 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010163380A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240925A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Sumitomo Chemical Co Ltd マイクロカプセル組成物の取得方法及びマイクロカプセル組成物
JP2015071155A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 三菱レイヨン株式会社 排水処理方法及びテレフタル酸の製造方法
KR20160105486A (ko) * 2013-12-30 2016-09-06 비피 코포레이션 노쓰 아메리카 인코포레이티드 방향족 카르복실산의 정제
CN111960941A (zh) * 2020-07-31 2020-11-20 贵州永润天泽化工有限公司 一种3,5-二甲基苯甲酸的提纯方法
WO2022153791A1 (ja) * 2021-01-13 2022-07-21 株式会社Boban 冷却方法および冷却装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240925A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Sumitomo Chemical Co Ltd マイクロカプセル組成物の取得方法及びマイクロカプセル組成物
JP2015071155A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 三菱レイヨン株式会社 排水処理方法及びテレフタル酸の製造方法
KR20160105486A (ko) * 2013-12-30 2016-09-06 비피 코포레이션 노쓰 아메리카 인코포레이티드 방향족 카르복실산의 정제
JP2017507112A (ja) * 2013-12-30 2017-03-16 ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド 加圧した粗芳香族カルボン酸供給混合物
KR102185028B1 (ko) 2013-12-30 2020-12-01 비피 코포레이션 노쓰 아메리카 인코포레이티드 방향족 카르복실산의 정제
CN111960941A (zh) * 2020-07-31 2020-11-20 贵州永润天泽化工有限公司 一种3,5-二甲基苯甲酸的提纯方法
WO2022153791A1 (ja) * 2021-01-13 2022-07-21 株式会社Boban 冷却方法および冷却装置
JP2022108586A (ja) * 2021-01-13 2022-07-26 株式会社Boban 冷却方法および冷却装置
JP7667968B2 (ja) 2021-01-13 2025-04-24 株式会社Boban 冷却方法および冷却装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1989165B1 (en) Carboxylic acid production process
WO2007103068A1 (en) Methods and apparatus for isolating carboxylic acid
JP2008503457A (ja) テレフタル酸濾液処理のための改良された濾液製造方法
WO2007103021A1 (en) Carboxylic acid production process
JP2010163380A (ja) 芳香族カルボン酸の製造装置及び製造方法
US7897810B2 (en) Optimized production of aromatic dicarboxylic acids
JP4837232B2 (ja) 晶析方法
JP2010202552A (ja) 芳香族カルボン酸の晶析装置
TWI343372B (en) Process for producing high-purity terephthalic acid
US7888530B2 (en) Optimized production of aromatic dicarboxylic acids
JP2017173241A (ja) 反応液スラリーの密度測定方法、酸化反応方法、及び芳香族カルボン酸の製造方法
CA2345448C (en) Improved process for producing highly pure aromatic carboxylic acids
JP2010528100A (ja) テレフタル酸の回収のための改善された方法
KR101426571B1 (ko) 다목적 산화 부산물 퍼지 방법
EA027339B1 (ru) Улучшение скорости фильтрования при очистке терефталевой кислоты регулированием % воды в суспензии, подаваемой в фильтр
TWI742248B (zh) 氧化生產芳族二羧酸之能量及環境整合方法
TWI719169B (zh) 對苯二甲酸之製造方法
TWI328002B (en) Process for producing high-purity terephthalic acid
JP2017095391A (ja) 芳香族ジカルボン酸の製造方法
TWI747831B (zh) 高純度對苯二甲酸之製造方法
EA030640B1 (ru) Увеличение скорости фильтрации очистки терефталевой кислоты путем регулировки процента воды в подаваемой на фильтр суспензии
EA027100B1 (ru) Улучшение скорости фильтрационной очистки терефталевой кислоты посредством регулирования процентного содержания воды в суспензии, подаваемой на фильтр
CN101005889A (zh) 芳族二羧酸的优化制备
JP2004202318A (ja) アンカー型攪拌翼を有する晶析槽
CN102892742A (zh) 通过催化加氢纯化羧酸

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20101101