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JP2010163099A - タイヤばね定数推定方法およびタイヤのばね定数を推定可能な車両用サスペンションシステム - Google Patents

タイヤばね定数推定方法およびタイヤのばね定数を推定可能な車両用サスペンションシステム Download PDF

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JP2010163099A JP2009007989A JP2009007989A JP2010163099A JP 2010163099 A JP2010163099 A JP 2010163099A JP 2009007989 A JP2009007989 A JP 2009007989A JP 2009007989 A JP2009007989 A JP 2009007989A JP 2010163099 A JP2010163099 A JP 2010163099A
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Yoshio Kudo
佳夫 工藤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車体の振動と車体と車輪との相対振動との一方である対象振動の強度に基づくタイヤばね定数推定方法およびその方法を実行可能な車両用サスペンションシステム。
【解決手段】車輪と車体との間に配設された装置に特定接近離間力f0を発生させる工程(S12)と、その接近離間力によって生じる対象振動の強度ΔVuを検出する工程(S19)と、その検出された振動の強度に基づいて、接近離間力と対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、タイヤのばね定数KTを推定する工程(S20)とを含む推定方法において、伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値の変化に伴って接近離間力と対象振動の強度との関係が変化するようにされており、伝達関数での接近離間力が特定接近離間力とされた場合の対象振動の強度が、検出される対象振動の強度となるような上記係数の値をタイヤのばね定数として推定するように構成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両に生じる上下方向の振動の強度に基づいてタイヤのばね定数を推定する方法およびその方法によってタイヤのばね定数を推定可能な車両用サスペンションシステムに関する。
タイヤの空気圧は、経時的な劣化,パンク等によって変化し易く、タイヤの空気圧が低下すれば、燃費の低下,乗り心地の悪化等を招く虞がある。このため、タイヤの空気圧の低下を監視することは望ましく、下記特許文献には、タイヤの空気圧の低下を監視すべく、車両に生じる振動の強度、つまり、振動の強さを示すもの、例えば、振動の振幅,振動の上下方向の速度等に基づいてタイヤのばね定数を推定する方法に関する技術が記載されている。
特開平7−98268号公報
上記特許文献に記載のタイヤのばね定数の推定方法では、車体の上下方向の振動の速度、いわゆるばね上絶対速度と、車輪の上下方向の振動の速度、いわゆるばね下絶対速度とに基づいてタイヤのばね定数が推定されている。つまり、2種類の振動の強度に基づいてタイヤのばね定数が推定されており、2種類の振動の強度を取得するためには、複数の種類のセンサを設ける必要がある。振動の強度を検出するためのセンサは高価であることから、車両への搭載数はできるだけ少ないことが望ましい。また、そのようなセンサはデリケートであることから、ばね下部に搭載されることは望ましくない。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、ばね下部に振動の強度を検出するためのセンサを搭載することなくタイヤのばね定数を推定する方法、および、その方法を実行可能な車両用サスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のタイヤばね定数推定方法は、タイヤを有する車輪と、車体と、サスペンションスプリングと、電磁モータの力によって車体と車輪とを接近・離間させる方向の力(以下、「接近離間力」という場合がある)を制御可能に発生させる接近離間力発生装置とを備えた車両において、接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させる特定接近離間力発生工程と、その接近離間力によって生じる車輪と車体との相対振動と車体の振動との一方である対象振動の強度を検出する振動強度検出工程と、その振動強度検出工程において検出される対象振動の強度に基づいて、接近離間力と対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定工程とを含む推定方法であって、その伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、タイヤばね定数推定工程が、伝達関数での接近離間力が上記特定の大きさの接近離間力とされた場合の対象振動の強度が、振動強度検出工程において検出される対象振動の強度となるような上記係数の値をタイヤのばね定数として推定するように構成する。
また、上記課題を解決するために、本発明の車両用サスペンションシステムは、サスペンションスプリングと、接近離間力を制御可能に発生させる接近離間力発生装置と、対象振動の強度を検出する振動強度検出装置と、接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させた場合に振動強度検出装置によって検出される対象振動の強度である特定時振動強度に基づいて、接近離間力と対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定装置とを備えたシステムであって、伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、タイヤばね定数推定装置が、伝達関数での接近離間力が上記特定の大きさの接近離間力とされた場合の対象振動の強度が、上記特定時振動強度となるような上記係数の値をタイヤのばね定数として推定するように構成する。
本発明のタイヤばね定数推定方法においては、車体の振動と車体と車輪との相対振動とのいずれかの振動の強度に基づいてタイヤのばね定数を推定することが可能である。したがって、本発明のタイヤばね定数推定方法によれば、ばね下部に振動の強度を検出するためのセンサを搭載することなくタイヤのばね定数を推定することが可能となる。また、本発明の車両用サスペンションシステムにおいては、例えば、ばね上縦加速度センサ、若しくは、ストロークセンサを設けることでタイヤのばね定数を推定することが可能となる。したがって、本発明のシステムによれば、ばね下部にセンサを搭載することなくタイヤのばね定数を推定することが可能となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、請求項1に(2)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項1に(3)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項3に、(4)項が請求項4に、請求項4に(7)項および(8)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項5に、それぞれ相当する。
(1)(a)タイヤを有する車輪と、(b)車体と、(c)前記車輪と前記車体との間に配設されたサスペンションスプリングと、(d)そのサスペンションスプリングと並列的に配設され、電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して前記車輪と前記車体とを接近・離間させる方向の力である接近離間力を発生させる接近離間力発生装置とを備えた車両において、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定方法であって、
その接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させるように前記電磁モータを作動させる特定接近離間力発生工程と、
その接近離間力によって生じる前記車輪と前記車体との相対振動と前記車体の振動との一方である対象振動の強度を検出する振動強度検出工程と、
その振動強度検出工程において検出される前記対象振動の強度に基づいて、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力と前記対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定工程とを含み、
前記伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と前記対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、
前記タイヤばね定数推定工程が、
前記伝達関数での接近離間力が前記特定の大きさの接近離間力とされた場合の前記対象振動の強度が、前記振動強度検出工程において検出される対象振動の強度となるような前記係数の値を前記タイヤのばね定数として推定する工程であるタイヤばね定数推定方法。
タイヤの空気圧は、経時的な劣化,パンク等によって変化し易く、タイヤの空気圧が低下すれば、燃費の低下,乗り心地の悪化等を招く虞があるため、タイヤの空気圧の低下を監視することは望ましい。タイヤの空気圧の低下を監視するべく、タイヤのばね定数を推定することができれば便利であり、車両に生じる振動の強度、言い換えれば、振動の強さを示すもの、例えば、振動の振幅,振動の上下方向の速度等に基づいてタイヤのばね定数を推定する方法が検討されている。現在検討されているタイヤのばね定数の推定方法では、例えば、車体の上下方向の振動の速度、いわゆるばね上絶対速度,車輪の上下方向の振動の速度、いわゆるばね下絶対速度等の2種類以上の振動の強度に基づいてタイヤのばね定数が推定されている。2種類以上の振動の強度を取得するためには、複数の種類のセンサを設ける必要がある。ただし、振動の強度を検出するためのセンサは高価であることから、車両への搭載数はできるだけ少ないことが望ましい。また、そのようなセンサはデリケートであることから、埃,飛び石等の多いばね下部に搭載されることは望ましくない。
本項に記載されたタイヤばね定数推定方法においては、車体の振動と車体と車輪との相対振動とのいずれかの振動の強度に基づいてタイヤのばね定数を推定することが可能であり、本項に記載のタイヤばね定数推定方法によれば、ばね下部に振動の強度を検出するためのセンサを搭載することなく、1種類の振動の強度に基づいてタイヤのばね定数を推定することが可能となる。
本項に記載の「タイヤばね定数推定工程」においては、振動強度検出工程において検出された振動の強度を伝達関数に入力することで、その伝達関数のタイヤのばね定数としての係数を演算して、その演算された係数をタイヤのばね定数として推定してもよく、また、上記伝達関数での接近離間力を上記特定の大きさの接近離間力とした場合の対象振動の強度とタイヤのばね定数としての係数との関係を予め設定しておいて、それらの関係に従ってタイヤのばね定数を推定してもよい。本項に記載の「伝達関数」は、車体と車輪とに入力される接近離間力を対象振動の強度として出力するための関数であり、例えば、入力のラプラス変換に対する出力のラプラス変換の比で定義される関数である。
(2)前記対象振動が、前記車体の振動であって、
前記振動強度検出工程が、前記車体の振動の上下方向の振動の最高の速度を検出する工程である(1)項に記載のタイヤばね定数推定方法。
(3)前記対象振動が、前記車輪と車体との相対振動であって、
前記振動強度検出工程が、前記車輪と車体との相対振動の最大の振幅を検出する工程である(1)項に記載のタイヤばね定数推定方法。
上記2つの項に記載のタイヤばね定数推定方法においては、対象振動および対象振動の強度が具体的に限定されている。前者の項に記載の推定方法においては、例えば、ばね上部の上下方向の振動の強度を検出可能なセンサ、具体的には、ばね上加速度センサを設け、そのセンサによって検出されるばね上縦加速度を演算することで、対象振動の強度を検出することが可能となる。また、後者の項に記載の推定方法においては、例えば、車体と車輪との相対振動の強度を検出可能なセンサ、例えば、ストロークセンサを設ければ、対象振動の強度を検出することが可能となる。したがって、上記2つの項に記載の推定方法によれば、車輪等のばね下部に振動の強度を検出するためのセンサを搭載することなくタイヤのばね定数を推定することが可能となる。
(4)タイヤを有する車輪と車体との間に配設されたサスペンションスプリングと、
そのサスペンションスプリングと並列的に配設され、電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して車輪と車体とを接近・離間させる方向の力である接近離間力を発生させる接近離間力発生装置と、
車輪と車体との相対振動と車体の振動との一方の振動である対象振動の強度を検出する振動強度検出装置と
を備えた車両用サスペンションシステムであって、
当該車両用サスペンションシステムが、
前記接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させた場合に前記振動強度検出装置によって検出される前記対象振動の強度である特定時振動強度に基づいて、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力と前記対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定装置を備え、
前記伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と前記対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、
前記タイヤばね定数推定装置が、
前記伝達関数での接近離間力が前記特定の大きさの接近離間力とされた場合の前記対象振動の強度が、前記特定時振動強度となるような前記係数の値をタイヤのばね定数として推定するように構成された車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムは、上記本発明のタイヤばね定数推定方法を実現するためのシステムに関するものである。本項に記載の「接近離間力発生装置」の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、車体に連結される車体側ユニットと、車輪に連結される車輪側ユニットとを有し、車体と車輪との接近離間に伴ってそれら2つのユニットが相対移動することで伸縮可能とされ、電磁モータが発生させる力に依拠して2つのユニットを相対移動させる方向の力を発生させるとともに、その力を接近離間力として作用させるような構成であってもよい。つまり、接近離間力発生装置として、いわゆる電磁式のショックアブソーバを採用してもよい。また、車体と車輪との一方に連結される弾性体とその弾性体を変形させるアクチュエータと備え、アクチュエータの発生させる力を弾性体に作用させるとともに、その力を接近離間力として発生させるような構成であってもよい。つまり、接近離間力発生装置を、いわゆる左右独立型のスタビライザ装置の一構成要素とすることが可能である。
(5)前記対象振動が、車体の振動であり、
前記対象振動検出装置が、車体の振動の上下方向の最高の速度を検出するものである(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(6)前記対象振動が、車輪と車体との相対振動であり、
前記対象振動検出装置が、車輪と車体との相対振動の最大の振幅を検出するものである(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、上記(2)項若しくは(3)項に記載の技術的特徴を適用することが可能である。
(7)当該車両用サスペンションシステムが、
前記対象振動検出装置によって検出される前記対象振動の強度から、前記タイヤばね定数推定装置によって推定されたタイヤのばね定数を利用して、車輪の振動の上下方向の速度である車輪上下方向速度を推定する車輪上下方向速度推定装置を備えた(4)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載のサスペンションシステムにおいては、いわゆるオブザーバを利用してばね下絶対速度を推定することが可能とされている。オブザーバとは、後に詳しく説明するが、センサ等によって検出されていない情報を他の情報から推定するものである。したがって、オブザーバを利用することで、例えば、ばね上絶対速度からばね下絶対速度を推定することが可能となるのである。ただし、オブザーバを利用してばね下絶対速度を精度よく推定するためには、車両の諸元、具体的には、サスペンションスプリングのばね定数,車両のばね上質量,ばね下質量,タイヤのばね定数等の正確な数値が必要である。これら車両の緒元の数値の多くは、工場からの出荷時の数値とさほど変わらないが、タイヤのばね定数の数値は、経時的な劣化等によって変化し易い。このため、正確なタイヤのばね定数の数値を取得しなければ、精度よくばね下絶対速度を推定できない虞がある。したがって、本項に記載のシステムにおいては、タイヤのばね定数を推定する効果を充分に活かすことができる。
(8)当該車両用サスペンションシステムが、
前記接近離間力発生装置が有する前記電磁モータの作動を制御することで、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力を制御する接近離間力制御装置を備え、
その接近離間力制御装置が、
前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力の少なくとも一部が、前記車輪上下方向速度推定装置によって推定された車輪上下方向速度に応じた大きさの減衰力となるように、接近離間力を制御する車輪振動減衰制御部を有する(7)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載のサスペンションシステムにおいては、ばね下絶対速度に応じた大きさの減衰力を発生させる制御、いわゆる擬似的なグランドフックダンパ理論に基づく制御を実行することが可能とされている。本項に記載の「接近離間力制御装置」は、接近離間力がばね下部の振動に対する減衰力となるように接近離間力を制御するだけでなく、接近離間力の少なくとも一部がばね上部の振動に対する減衰力となるように接近離間力を制御してもよく、接近離間力の少なくとも一部が車体の姿勢変化、例えば、車体のロール,ピッチ等を抑制する姿勢変化抑制力となるように接近離間力を制御してもよい。このように複数の制御を並行して実行するような場合には、例えば、それら複数の制御の各々において発生させるべき接近離間力の成分の和を、接近離間力発生装置が発生させるべき接近離間力とする。
請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図1の車両用サスペンションシステムの備えるサスペンション装置を示す模式図である。 サスペンション装置の備える電磁式のアクチュエータを示す概略断面図である。 ばね上絶対速度からばね下絶対速度を推定するオブザーバのブロック線図である。 特定の大きさの接近離間力を発生させた場合の接近離間力およびばね上絶対速度の時間経過に対する変化を概略的に示すチャートである。 タイヤのばね定数と車体の振動の強度との関係を示すグラフである。 アクチュエータ制御プログラムを示すフローチャートである。 タイヤばね定数推定制御実行プログラムを示すフローチャートである。 車両用サスペンションシステムの制御を司る制御装置の機能を示すブロック図である。 特定の大きさの接近離間力を発生させた場合の車体と車輪との相対変位量の時間経過に対する変化を概略的に示すチャートである。 タイヤのばね定数と車体と車輪との相対振動の強度との関係を示すグラフである。
以下、請求可能発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<車両用サスペンションシステムの構成>
図1に、車両に搭載された実施例の車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本システム10は、前後左右4つの車輪12に対応して設けられた4つのサスペンション装置20と、それらサスペンション装置20の制御を担う制御装置とを含んで構成されている。転舵輪である前輪のサスペンション装置20と非転舵輪である後輪のサスペンション装置20とは、車輪を転舵可能とする機構を除き略同様の構成とみなせるため、説明の簡略化に配慮して、後輪のサスペンション装置20を代表して説明する。なお、車輪12は、ディスクホイール22とタイヤ24とから構成されている。
図2に示すように、サスペンション装置20は、独立懸架式のものであり、マルチリンク式サスペンション装置とされている。サスペンション装置20は、それぞれがサスペンションアームである第1アッパアーム30,第2アッパアーム32,第1ロアアーム34,第2ロアアーム36,トーコントロールアーム38を備えている。5本のアーム30,32,34,36,38のそれぞれの一端部は、車体に回動可能に連結され、他端部は、車輪12を回転可能に保持するアクスルキャリア40に回動可能に連結されている。それら5本のアーム30,32,34,36,38により、アクスルキャリア40は、車体に対して一定の軌跡に沿った上下動が可能とされている。
サスペンション装置20は、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング44と電磁式のアクチュエータ46とを備えており、それらは、それぞれ、車体の一構成部分であるタイヤハウジングに設けられたマウント部48と、車輪12を回転可能に保持する第2ロアアーム36との間に、互いに並列的に配設されている。つまり、車体と車輪12との間に配設されている。
電磁式のアクチュエータ46は、図3に示すように、ねじ溝が形成された雄ねじ部としてのねじロッド50と、ベアリングボールを保持してねじロッド50と螺合する雌ねじ部としてのナット52とを含んで構成されるボールねじ機構と、動力源としての電磁モータ54と、その電磁モータ54を収容するケーシング56とを備えている。そのケーシング56は、ねじロッド50を回転可能に保持するとともに、外周部において防振ゴム58を介してマウント部48に連結されている。
電磁モータ54は、ケーシング56の内周壁に沿って一円周上に固定して配置された複数のコイル60と、ケーシング56に回転可能に保持されたモータ軸62と、コイル60と向き合うようにしてモータ軸62の外周に固定して配設された永久磁石64とを含んで構成されている。電磁モータ54は、コイル60がステータとして機能し、永久磁石64がロータとして機能するモータであり、3相のDCブラシレスモータとされている。モータ軸62は中空形状とされており、そのモータ軸62には、それの内側を貫通して上端部においてねじロッド50が固定されている。つまり、電磁モータ54は、ねじロッド50に回転力を付与するものとなっている。なお、電磁モ−タ54には、モータ軸62の回転角度、すなわち、電磁モータ54の回転角度を検出するためのモータ回転角センサ66が設けられている。モータ回転角センサ66は、エンコーダを主体とするものであり、それによって検出されるモータ回転角は、電磁モータ54の制御に利用される。
また、アクチュエータ46は、有底円筒状のアウターチューブ70と、そのアウターチューブ70に嵌入してそれの上端部から上方に突出するインナチューブ72とを有している。アウターチューブ70は、それの下端部に設けられた取付ブシュ76を介して第2ロアアーム36に連結され、インナチューブ72は、上記ねじロッド50を挿通させた状態で上端部がケーシング56に固定されている。アウタチューブ70には、それの内底部にナット支持筒78が立設され、それの上端部の内側には、上記ナット52が、ねじロッド50と螺合させられた状態で固定されている。
さらに、アクチュエータ46は、カバーチューブ80を有しており、そのカバーチューブ80が、上端部において防振ゴム82を介してマウント部48の下面側に、ケーシング56とアウタチューブ70とインナチューブ72とを挿通させた状態で連結されている。なお、このカバーチューブ80の上端部には、フランジ部84(上部リテーナとして機能する)が形成されており、そのフランジ部84と、アウタチューブ70の外周面に設けられた環状の下部リテーナ86とによって、コイルスプリング44が挟まれた状態で支持されている。
上述のような構造から、アクチュエータ46は、ねじロッド50,電磁モータ54,ケーシング56,インナチューブ72,カバーチューブ80等を含んでマウント部48に連結される車体側ユニットと、ナット52,アウタチューブ70,ナット支持筒78等を含んで第2ロアアーム36に連結される車輪側ユニットとを有する構造のものとなっており、それら2つのユニットは相対回転不能、かつ、車体と車輪との接近離間動作に伴って軸線方向に相対移動可能とされている。つまり、アクチュエータ46は伸縮可能な構造とされている。
アクチュエータ46の伸縮に伴って、ねじロッド50とナット52とが相対移動するとともに、ねじロッド50がナット52に対して回転するものとされている。アクチュエータ46の備える電磁モータ54は、ねじロッド50に回転力を付与することが可能とされていることから、アクチュエータ46は、その回転力に依拠して車体側ユニットと車輪側ユニット、つまり、車体と車輪とを接近・離間させる方向の力である接近離間力を発生させることが可能とされており、接近離間力発生装置として機能している。接近離間力は、車体と車輪との接近離間動作であるストローク動作を阻止する抵抗力として作用させることが可能であり、この抵抗力を減衰力として利用することにより、車体と車輪との相対振動を減衰することが可能である。また、アクチュエータ46は、車体と車輪とのストローク動作に対する推進力をも発生させることが可能とされており、いわゆるスカイフックダンパ理論等に基づく制御を実行すること、車両の旋回に起因する車体のロール,車両の加速・減速に起因する車体のピッチ等を効果的に抑制すること、車両の車高を調整すること等が可能とされているのである。
本サスペンションシステム10では、図1に示すように、4つのアクチュエータ46に対応する電子制御ユニット(ECU)100が設けられている。ECU100は、各アクチュエータ46、詳しくは、各電磁モータ54の作動を制御する制御装置であり、各電磁モータ54に対応する駆動回路としての4つのインバータ102と、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ103とを備えている(図8参照)。インバータ102の各々は、コンバータ104を介してバッテリ106に接続されており、対応するアクチュエータ46の電磁モータ54に接続されている。電磁モータ54は定電圧駆動され、電磁モータ54への供給電力は、供給電流量を変更することによって変更される。供給電流量の変更は、インバータ102がPWM(Pulse Width Modulation)によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって行われる。
コントローラ103には、上記モータ回転角センサ66とともに、操舵量としてのステアリング操作部材の操作量であるステアリングホイールの操作角を検出するためのステアリングセンサ110,車体に実際に発生している横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ112,車体に発生している前後加速度を検出する前後加速度センサ114,各車輪12に対応して設けらればね上縦加速度を検出する4つのばね上縦加速度センサ116,後述するところのタイヤ24のばね定数を再設定するためのばね定数再設定スイッチ118が接続されている。コントローラ103には、さらに、ブレーキシステムの制御装置であるブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という場合がある)120が接続されている。ブレーキECU120には、4つの車輪12のそれぞれに対して設けられてそれぞれの回転速度を検出するための車輪速センサ122が接続され、ブレーキECU120は、それら車輪速センサ122の検出値に基づいて、車両の走行速度(以下、「車速」という場合がある)を推定する機能を有している。コントローラ103は、必要に応じ、ブレーキECU120から車速を取得するようにされている。さらに、コントローラ103は、各インバータ102にも接続され、各インバータ102を制御することで、各アクチュエータ46の電磁モータ54を制御する。なお、コントローラ103のコンピュータが備えるROMには、後に説明する各アクチュエータ46の制御に関するプログラム,タイヤ24のばね定数を再設定するための制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
<車両用サスペンションシステムの制御>
i)アクチュエータの制御
本サスペンションシステム10では、4つのアクチュエータ46の各々を独立して制御することが可能となっている。それらアクチュエータ46の各々において、接近離間力が独立して制御されて、車体および車輪12の振動、つまり、ばね上振動およびばね下振動を減衰するための制御(以下、「振動減衰制御」という場合がある),車両の旋回に起因する車体のロールを抑制する制御(以下「ロール抑制制御」という場合がある),車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制する制御(以下、「ピッチ抑制制御」という場合がある)が実行可能とされている。振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御は、接近離間力を、それぞれ、減衰力,ロール抑制力,ピッチ抑制力として作用させることによって実行される。
詳しく言えば、振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御の各制御ごとの接近離間力である減衰接近離間力成分(減衰成分)fG,ロール抑制接近離間力成分(ロール抑制成分)fR,ピッチ抑制接近離間力成分(ピッチ抑制成分)fPを合計した目標接近離間力f*を決定し、アクチュエータ54が、その目標接近離間力f*を発生させるように制御されることで一元的に実行される。以下に、振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御の各々について、それら各々における接近離間力成分の決定方法を中心に詳しく説明するとともに、接近離間力を制御するための電磁モータ64の作動制御を詳しく説明する。なお、以下の説明において、接近離間力およびそれの成分は、車体と車輪とを離間させる方向(リバウンド方向)の力に対応するものが正の値,車体と車輪とを接近させる方向(バウンド方向)の力に対応するものが負の値となるものとして扱うこととする。
a)振動減衰制御
振動減衰制御では、車体および車輪12の振動を減衰するためにそれらの振動の速度に応じた大きさの接近離間力を発生させるべく、減衰成分fGが決定される。つまり、いわゆるスカイフックダンパ理論に基づいた制御と、擬似的なグランドフックダンパ理論に基づいた制御との両者を総合して行う制御である。詳しく言えば、車体のマウント部52の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね上絶対速度Vuと、車輪12の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね下絶対速度Vsとに基づいて、次式に従って、減衰成分fGが演算される。
G=Cu・Vu−Cs・Vs
ここで、Cuは、車体のマウント部48の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインであり、Csは、車輪12の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインである。つまり、Cu,Csは、いわゆるばね上,ばね下絶対振動に対する減衰係数と考えることができる。
本システム10において、上記ばね上絶対速度Vuは、車体のマウント部48に設けられたばね上縦加速度センサ116によって検出されるばね上縦加速度Guに基づき演算される。一方、車輪上下方向速度としてのばね下絶対速度Vsは、その演算されたばね上絶対速度Vuに基づいて、いわゆるオブザーバを利用して推定される。オブザーバは公知の技術であることから詳細な説明は省略するが、図4に示すブロック線図に従ってばね下絶対速度Vsが推定される。Yは演算されたばね上絶対速度Vuを含む行列式であり、Xcは、オブザーバによって推定される推定ばね下変位量xsc,推定ばね下絶対速度Vsc,推定ばね上変位量xuc,推定ばね上絶対速度Vucを含む行列式である。A,B,Dは、図に示す行列式であり、M1はばね下質量を、M2はばね上質量を、Kはコイルスプリング44のばね定数を、KTはタイヤ24のばね定数をそれぞれ意味している。また、fは、ばね上縦加速度Guが検出された際にアクチュエータ46が発生させた接近離間力であり、Lはリカッチ方程式の解より導かれるゲインを意味している。なお、1/Sは積分伝達関数を意味している。
b)ロール抑制制御
ロール抑制制御では、車両の旋回時において、その旋回に起因するロールモーメントに応じて、旋回内輪側のアクチュエータ46にバウンド方向の接近離間力を、旋回外輪側のアクチュエータ46にリバウンド方向の接近離間力を、それぞれ、ロール抑制力として発生させる。具体的に言えば、まず、車体が受けるロールモーメントを指標する横加速度として、ステアリングホイールの操舵角δと車両走行速度vに基づいて推定された推定横加速度Gycと、実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定され、
Gy*=KA・Gyc+KB・Gyr (KA,KB:ゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、ロール抑制成分fRが決定される。コントローラ103内には制御横加速度Gy*をパラメータとするロール抑制成分fRのマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、ロール抑制成分fRが決定される。
c)ピッチ抑制制御
ピッチ抑制制御では、車体の制動時に発生する車体のノーズダイブに対しては、そのノーズダイブを生じさせるピッチモーメントに応じて、前輪側に対応して設けられたアクチュエータ46にリバウンド方向の接近離間力を、後輪側に対応して設けられたアクチュエータ46にバウンド方向の接近離間力をそれぞれピッチ抑制力として発生させる。また、車体の加速時に発生する車体のスクワットに対しては、そのスクワットを生じさせるピッチモーメントに応じて、後輪側に対応して設けられたアクチュエータ46にリバウンド方向の接近離間力を、前輪側に対応して設けられたアクチュエータ46にバウンド方向の接近離間力をピッチ抑制力として発生させる。具体的には、車体が受けるピッチモーメントを指標する前後加速度として、実測された前後加速度Gzgが採用され、その実前後加速度Gzgに基づいて、ピッチ抑制成分fPが、次式に従って決定される。
P=KC・Gzg (KC:ゲイン)
d)電磁モータの作動制御
上述のように減衰成分fG,ロール抑制成分fR,ピッチ抑制成分fPが決定されると、振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御を一元化すべく、次式に従って目標接近離間力f*が決定される。
*=fG+fR+fP
そして、この決定された目標接近離間力f*を発生させるように電磁モータ54が制御される。
上記目標接近離間力f*を発生させるための電磁モータ54の作動制御は、インバータ102によって行われる。詳しく言えば、決定された目標接近離間力f*に基づいて、モータ力の発生方向およびモータ力の大きさに応じたデューティ比についての指令が、コントローラ103によってインバータ102に発令される、インバータ102は、自身が備えるスイッチング素子を指令に基づいて切り換えることで、電磁モータ54を駆動し、電磁モータ54は、その発令されたモータ力方向、および、デューティ比に応じた大きさの接近離間力を発生させるのである。
<タイヤのばね定数の再設定>
本サスペンションシステム10においては、ばね下加速度センサが設けられておらず、上述したように、ばね上絶対速度Vuに基づいて、上記オブザーバを利用してばね下絶対速度Vsが推定され、振動減衰制御が実行されている。上記オブザーバに用いられる行列式等には、ばね下質量M1,ばね上質量M2,コイルスプリング44のばね定数K,タイヤ24のばね定数KTが含まれており、それらの値は工場において予め設定されている。ただし、タイヤ24のばね定数KTは、経時的に変化し易いことから、予め設定されたタイヤ24のばね定数KTを使用し続けると、精度よくばね下絶対速度を推定することが困難になる虞がある。そこで、本システム10においては、運転者の意志に基づいて、タイヤ24のばね定数KTを再設定することが可能とされている。アクチュエータ46が特定の大きさの接近離間力を発生させ、その特定の大きさの接近離間力が車体に伝達される際のアクチュエータ46の伝達特性を利用して、タイヤ24のばね定数KTを推定し、ばね定数KTを再設定するのである。以下に、タイヤ24のばね定数KTを推定する方法について詳しく説明する。
まず、アクチュエータ46の伝達特性について詳しく説明する。時間tをパラメータとする接近離間力をf(t)とし、車輪12の上下方向における変位量をばね下変位量x1(t)とし、車体の上下方向における変位量をばね上変位量x2(t)とした場合において、車体に対する運動方程式は、次式によって示される。
2・d22(t)/dt2=−C・{dx2(t)/dt−dx1(t)/dt}
−K・{x2(t)−x1(t)}+f(t) ・・・(1)
ここで、Cはアクチュエータ46をショックアブソーバとして機能させた場合の減衰係数である。つまり、接近離間力を車体と車輪との相対振動に対する減衰力として作用させる場合の減衰係数である。その(1)式を、ラプラス演算子であるsをパラメータとしてラプラス変換することで、次式が求まる。
2・s2・X2(s)=−C・s・{X2(s)−X1(s)}
−K・{X2(s)−X1(s)}+F(s) ・・・(2)
なお、X1(s),X2(s),F(s)は、それぞれx1(t),x2(t),f(t)をラプラス変換した関数である。
一方、車輪12に対する運動方程式は、次式によって示される。
1・d21(t)/dt2=−C・{dx1(t)/dt−dx2(t)/dt}
−K・{x1(t)−x2(t)}−KT・x1(t)−f(t) ・・・(3)
その(3)式を、ラプラス演算子であるsをパラメータとしてラプラス変換することで、次式が求まる。
1・s2・X1(s)=−C・s・{X1(s)−X2(s)}
−K・{X1(s)−X2(s)}−KT・X1(s)−F(s) ・・・(4)
上記(2)式と(4)式とに基づいてX1(s)を消去すると、次式が求まる。
s・X2(s)/F(s)=
(M1・s3+KT・s)/[M1・M2・s4+(M1+M2)・C・s3
{M1・K+M2・(K+KT)}・s2+C・KT・s+K・KT] ・・・(5)
この(5)式によって、F(s)がs・X2(s)に変換されるのである。つまり、(5)式は、接近離間力が車体に入力された場合にばね上絶対速度が出力される伝達関数ということができる。
接近離間力とばね上絶対速度との関係を表す伝達関数である上記(5)式において、アクチュエータ46が特定の大きさの接近離間力である特定接近離間力f0を発生させた場合の接近離間力f(t)とばね上変位量をx2(t)を微分したもの、つまり、ばね上絶対速度Vuの時間経過に対する変化のようすを図5に示す。アクチュエータ46が特定接近離間力f0を発生させ、上記伝達関数の係数であるばね下質量M1,ばね上質量M2,減衰係数C,コイルスプリング44のばね定数K,タイヤ24のばね定数KTをそれぞれ特定の値とした場合には、図中の実線に示すように、ばね上絶対速度Vuが時間の経過とともに変化する。
また、上記伝達関数の係数の1つであるタイヤ24のばね定数KTを上記特定の値より小さくし、そのばね定数KT以外の係数M1,M2,C,Kを上記特定の値とした場合には、図中の点線に示すように、ばね上絶対速度Vuが時間の経過とともに変化する。なお、本システム10では、アクチュエータ46がショックアブソーバとしての機能をも有しているが、そのアクチュエータ46は特定の大きさの接近離間力f0のみを発生させている。つまり、アクチュエータ46は減衰力を発生させていないことから、上記伝達関数の係数である減衰係数Cは0とされている。
図から解るように、ばね上絶対速度Vuの振幅、つまり、車体が上方に向かう際のばね上絶対速度Vuの最高速度である上方最高速度VuUMAXと車体が下方に向かう際のばね上絶対速度Vuの最高速度である下方最高速度VuDMAXとの差であるばね上最高速度差ΔVu(VuUMAX−VuDMAX)は、タイヤ24のばね定数KTが小さくなるほど、大きくなる傾向にある。つまり、タイヤ24のばね定数KTが小さい場合のばね上最高速度差ΔVuSは、タイヤ24のばね定数KTが大きい場合のばね上最高速度差ΔVuBより大きく、タイヤ24のばね定数KTを順次変化させていくと、ばね上最高速度差ΔVuは、図6に示すように変化する。つまり、ばね上最高速度差ΔVuを検出すれば、図6に示すように設定されているマップデータを参照することで、タイヤ24のばね定数KTを推定することが可能となるのである。
そこで、本システム10においては、上記伝達関数から導き出されるタイヤ24のばね定数KTとばね上最高速度差ΔVuとの関係に従って、タイヤ24のばね定数KTを推定するタイヤばね定数推定制御が実行される。つまり、上記伝達関数を利用したタイヤばね定数推定制御が実行されるのである。タイヤばね定数推定制御は、あらかじめ設定された許容条件(以下、「設定許容条件」という場合がある)を充足する場合に実行が許容される。具体的には、車両が停止していることと、4輪の車体車輪間距離がある許容範囲内に揃っていることとが充足されると、タイヤばね定数推定制御の実行が許容される。したがって、この制御時には、アクチュエータ46が発生させる接近離間力を除いて、車体を振動させる力が作用しておらず、ばね上最高速度差ΔVuが上記伝達関数に従って変化すると考えられる。
タイヤばね定数推定制御においては、まず、アクチュエータ46に特定接近離間力f0を発生させる。そして、その特定接近離間力f0によって生じた対象振動である車体の振動の上方最高速度VuUMAXと下方最高速度VuDMAXとの差であるばね上最高速度差ΔVuを取得する。具体的には、車体のマウント部48に設けられたばね上縦加速度センサ116によってばね上縦加速度Guが検出され、その検出されたばね上縦加速度Guに基づいて、ばね上絶対速度VuがECU100のコントローラ103によって演算される。その演算されたばね上絶対速度Vuから上方最高速度VuUMAXと下方最高速度VuDMAXとを抽出し、それらの差であるばね上最高速度差ΔVuを演算する。本システム10においては、車体の振動の強度としてのばね上最高速度差ΔVuは、ばね上縦加速度センサ116とコントローラ103とによって取得されており、ばね上縦加速度センサ116とコントローラ103とによって振動強度検出装置が構成されている。そして、演算されたばね上最高速度差ΔVuに基づいて、図6に示すように設定されているマップデータを参照して、タイヤ24のばね定数KTが推定されるのである。なお、タイヤばね定数推定制御は、運転者のばね定数再設定スイッチ118の操作によって実行され、この制御によって推定されたばね定数KTが最新のタイヤのばね定数KTとして再設定されるのである。
<制御プログラム>
本システム10において、アクチュエータ46の発生させる接近離間力の制御が、図7にフローチャートを示すアクチュエータ制御プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいてコントローラ103により繰り返し実行されることによって行われる。また、タイヤ24のばね定数KTを推定するためのタイヤばね定数推定制御が、図8にフローチャートを示すタイヤばね定数推定制御実行プログラムが、運転者によってタイヤばね定数再設定スイッチ118が操作された場合にのみ、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいてコントローラ103により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、それぞれの制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。なお、アクチュエータ制御プログラムおよびタイヤばね定数推定制御実行プログラムは、各車輪12に対して設けられた4つのアクチュエータ46ごとに実行される。以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ46に対しての各プログラムによる処理について説明する。
i)アクチュエータ制御プログラム
アクチュエータ制御プログラムによる処理では、まず、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、マウント部48に設けられるばね上縦加速度センサ116によって検出されるばね上縦加速度Guに基づいてばね上絶対速度Vuが演算され、S2において、その演算されたばね上絶対速度Vuに基づいて、上記オブザーバを利用してばね下絶対速度Vsが推定される。そして、S3において、ばね上絶対速度Vuとばね下絶対速度Vsとに基づいて、上述したように、振動減衰制御のための減衰成分fGが決定される。次に、S4において、横加速度センサ112によって検出される実横加速度Gyrと上記推定横加速度Gycとに基づいて、制御横加速度Gy*が演算され、S5において、その制御横加速度Gy*に基づいて、ロール抑制制御のためのロール抑制成分fRが決定される。続いて、S6において、前後加速度センサ114によって前後加速度Gzgが検出され、S7において、その検出された前後加速度Gzgに基づいて、ピッチ抑制制御のためのピッチ抑制成分fPが決定される。そして、S8において、減衰成分fGとロール抑制成分fRとピッチ抑制成分fPとが合計されることによって、目標接近離間力f*が決定され、S9において、決定された目標接近離間力f*に基づく制御信号がインバータ102に送信される。以上の一連の処理の後、本プログラムの1回の実行が終了する。
ii)タイヤばね定数推定制御実行プログラム
タイヤばね定数推定制御実行プログラムに従う処理は、ばね定数再設定スイッチ118による指令が発令された場合にのみ実行される。本プログラムに従う処理では、まず、S11において、上述した許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S12において、特定接近離間力f0を発生させるべく、その特定接近離間力f0に基づく制御信号がインバータ102に送信される。つまり、S12は、特定の大きさの接近離間力f0を発生させる特定接近離間力発生工程として機能している。
そして、S13において、ばね上縦加速度センサ116によって検出されるばね上縦加速度Guに基づいてばね上絶対速度Vuが演算され、S14において、その演算されたばね上絶対速度Vuと車体が上方に向かう際の最高速度である上方最高速度VuUMAXとがそれぞれ比較判定される。演算されたばね上絶対速度Vuが上方最高速度VuUMAXより大きいと判定された場合には、S15において、演算されたばね上絶対速度Vuが上方最高速度VuUMAXとされる。また、S14において演算されたばね上絶対速度Vuが上方最高速度VuUMAX以下と判定された場合には、S16において、演算されたばね上絶対速度Vuが0より小さいか否かが判定される。演算されたばね上絶対速度Vuが0より小さいと判定された場合には、S17において、演算されたばね上絶対速度Vuと車体が下方に向かう際の最高速度である下方最高速度VuDMAXとがそれぞれ比較判定される。演算されたばね上絶対速度Vuが下方最高速度VuDMAXより小さいと判定された場合には、S18において、演算されたばね上絶対速度Vuが下方最高速度VuDMAXとされる。また、S17において演算されたばね上絶対速度Vuが下方最高速度VuDMAX以上と判定された場合には、S19において、上方最高速度VuUMAXと下方最高速度VuDMAXとに基づいて、ばね上最高速度差ΔVuが演算される。つまり、S13〜S19において、特定接近離間力発生時の車体の振動の強度である特定時振動強度としてのばね上最高速度差ΔVuが検出されており、S13〜S19が振動強度検出工程として機能している。
S20において、図6に示すように設定されているマップデータを参照し、演算されたばね上最高速度差ΔVuに基づいてタイヤ24のばね定数KTが推定される。つまり、S20は、車体の振動強度に基づいてタイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定工程として機能しているのである。そして、S21において、上方最高速度VuUMAXと下方最高速度VuDMAXとがそれぞれリセットされ、S22において、アクチュエータ46が発生させる接近離間力を0とする制御信号がインバータ102に送信される。このように、タイヤばね定数推定制御実行プログラムを実行することで、特定接近離間力発生工程と振動強度検出工程とタイヤばね定数推定工程とを含むタイヤばね定数推定方法によって、タイヤのばね定数を推定することができるのである。
<コントローラの機能構成>
上記2つのプログラムを実行するコントローラ103は、それの実行処理に鑑みれば、図9に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、コントローラ103は、上記アクチュエータ制御プログラムを実行する機能部、つまり、アクチュエータ46が発生させる接近離間力を制御する機能部として、接近離間力制御部130を、上記タイヤばね定数推定制御実行プログラムの処理を実行する機能部、つまり、タイヤばね定数推定制御を実行する機能部として、タイヤばね定数推定制御実行部132を、それぞれ備えている。ちなみに、接近離間力制御部130は接近離間力制御装置として機能しており、タイヤばね定数推定制御実行部132はタイヤばね定数推定装置として機能している。
なお、接近離間力制御部130は、S1,S3の処理を実行する機能部、つまり、車体の振動を減衰する機能部として、車体振動減衰制御部134を、S2,S3の処理を実行する機能部、つまり、車輪の振動を減衰する機能部として、車輪振動減衰制御部136を、S4〜S7の処理を実行する機能部、つまり、車体のロールおよびピッチを抑制して車体の姿勢変動を抑制する機能部として、姿勢変動抑制制御部138を、それぞれ有している。さらに、車輪振動減衰制御部136は、S2の処理を実行する機能部、つまり、ばね上絶対速度Vuに基づいてばね下絶対速度Vsを推定する機能部として、車輪上下方向速度推定部140を有している。ちなみに、この車輪上下方向速度推定部140は、車輪上下方向速度推定装置として機能しており、上述したオブザーバとして機能しているのである。
また、タイヤばね定数推定制御実行部132は、S12の処理を実行する機能部、つまり、特定の大きさの接近離間力を発生させる機能部として、特定接近離間力発生部142を、S14〜S19の処理を実行する機能部、つまり、車体の振動の強度であるばね上最高速度差ΔVuを検出する機能部として、振動強度検出部144を、S20の処理を実行する機能部、つまり、車体の振動の強度に基づいてタイヤのばね定数を推定する機能部として、タイヤばね定数推定部146を、それぞれ有している。
変形例
上記サスペンションシステム10においては、ばね上縦加速度センサ116が設けられ、そのばね上縦加速度センサ116によって検出されるばね上縦加速度を演算した車体の振動の強度に基づいて、タイヤ24のばね定数が推定されている。振動強度検出装置として、ばね上縦加速度センサの代わりにストロークセンサを設け、ストロークセンサによって検出される対象振動の強度、具体的に言えば、車体と車輪との相対振動時のそれらの相対変位量に基づいて、タイヤ24のばね定数を推定してもよい。つまり、特定の大きさの接近離間力f0が車体と車輪とに伝達される際のアクチュエータ46の伝達特性、言い換えれば、車体と車輪とに入力される接近離間力を車体と車輪との相対変位量に変換するための伝達関数を利用して、タイヤ24のばね定数KTを推定してもよい。
車体と車輪との相対変位量は、ばね上変位量x2(t)とばね下変位量x1(t)との差(x2(t)−x1(t))であることから、車体と車輪とに入力される接近離間力f(t)を車体と車輪との相対変位量に変換するための伝達関数G(s)は、次式のように示される。
G(s)={X2(s)−X1(s)}/F(s) ・・・(6)
また、上記(2)式と(4)式とをそれぞれ変形させることで、次式の関係式を導き出すことができる。
{X2(s)−X1(s)}/F(s)=
{(M1+M2)・C・s3+(M1+M2)・K・s2+C・KT・s+K・KT}/
[M1・M2・C・s5+{M1・M2・K+(M1+M2)・C2}・s4
+{2M1・K+M2・(2K+KT)}・C・s3
+{C2・KT+M1・K+M2・(K+KT)}・K・s2
+2C・K・KT・s+K2・KT] ・・・(7)
つまり、(7)式は、車体および車輪に入力される接近離間力を車体と車輪との相対変位量に変換するための伝達関数ということができる。
上記(7)式において、アクチュエータ46が特定接近離間力f0を発生させるとともに、その特定接近離間力による車体と車輪との相対振動が収束した後に、特定接近離間力f0の発生を停止させた場合の相対変位量(x2(t)−x1(t))の時間経過に対する変化のようすを図10に示す。図から解るように、特定接近離間力f0を発生させることで、車体と車輪とが相対振動して相対変位量が特定相対変位量f0/Kを中心に変動し、その相対振動が減衰されて相対変位量が特定相対変位量f0/Kに維持される。特定接近離間力f0を発生させた場合の最大の相対変位量を第1最大変位量L1MAXとし、最小の相対変位量を第1最小変位量L1minとすれば、車体と車輪との相対振動の強度である第1最大振幅ΔL1は、第1最大変位量L1MAXと第1最小変位量L1minとの差(L1MAX−L1min)となる。その最大振幅ΔL1も、先に説明したばね上最大速度差ΔVuと同様に、タイヤ24のばね定数KTを変化させると変化する。具体的には、最大振幅ΔL1は、タイヤ24のばね定数KTが小さくなるほど、大きくなる傾向にあり、タイヤ24のばね定数KTを順次変化させていくと、第1最大振幅ΔL1は、図11の実線に示すように変化する。つまり、特定接近離間力f0を発生させた場合の第1最大振幅ΔL1を検出すれば、図11の実線に示すように設定されているマップデータを参照することで、タイヤ24のばね定数KTを推定することが可能となるのである。
ちなみに、アクチュエータ46は、車体と車輪との相対振動を収束させるために、実際は、特定接近離間力f0に車体と車輪との相対振動に対する減衰力を加えた大きさの接近離間力を発生させている。具体的には、ストロークセンサによって検出される相対変位量に基づいて車体と車輪との相対速度Vrを演算する。そして、アクチュエータ46がその相対速度Vrに応じた減衰力を発生させるとともに、特定接近離間力f0を発生させるように、実際にアクチュエータ46が発生させる接近離間力frが次式に従って決定される。
fr=f0+C1・Vr
ここで、C1は、相対速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインであり、相対振動に対する減衰係数である。つまり、第1最大振幅ΔL1を取得する際に利用される上記伝達関数の係数の減衰係数Cは、C1とされている。
また、特定接近離間力f0による車体と車輪との相対振動が収束した後に、その特定接近離間力f0の発生を停止させた場合には、図10に示すように、車体と車輪とが再度相対振動して相対変位量が0を中心に変動し、その相対振動が減衰されて相対変位量が0に維持される。特定接近離間力f0の発生を停止させた場合の最大の相対変位量を第2最大変位量L2MAXとし、最小の相対変位量を第2最小変位量L2minとすれば、その場合の第2最大振幅ΔL2は、第2最大変位量L2MAXと第2最小変位量L2minとの差(L2MAX−L2min)となる。その最大振幅ΔL2も、上記最大振幅ΔL1と同様に、タイヤ24のばね定数KTが小さくなるほど、大きくなる傾向にあり、タイヤ24のばね定数KTを順次変化させていくと、第2最大振幅ΔL2は、図11の点線に示すように変化する。つまり、特定接近離間力f0の発生を停止させた場合の第2最大振幅ΔL2を検出することでも、タイヤ24のばね定数KTを推定することが可能である。
ちなみに、特定の大きさの接近離間力f0の発生は停止されるが、車体と車輪との相対振動を収束させるために、アクチュエータ46は、車体と車輪との相対振動に対する減衰力を発生させている。具体的には、アクチュエータ46が相対速度Vrに応じた減衰力を発生させるように、接近離間力frが次式に従って決定される。
fr=C2・Vr
ここで、C2は、上記減衰係数C1より小さな値に設定された減衰係数であり、第2最大振幅ΔL2を取得する際に利用される上記伝達関数の係数の減衰係数Cは、C2とされている。
上述したように、特定の大きさの接近離間力f0を発生させた場合にタイヤ24のばね定数KTを推定するとともに、その接近離間力f0の発生を停止した場合にタイヤ24のばね定数KTを推定すれば、ばね定数KTの推定の精度を上げることが可能となる。また、それぞれの場合に上記伝達関数の係数の減衰係数Cを変化させることでも、ばね定数KTの推定の精度を上げることが可能となる。ちなみに、ばね上加速度センサの代わりにストロークセンサを設けた本システムでは、ストロークセンサによって検出される車体と車輪との相対変位量からオブザーバを利用してばね上絶対速度Vuとばね下絶対速度Vsとが推定され、それら推定された絶対速度Vu,Vsに基づいて振動減衰制御が実行される。このオブザーバは、上記システム10で利用したオブザーバと略同様であるため詳しい説明は省略するが、図4での行列式Dを次式に示したものに変更すれば、車体と車輪との相対変位量からばね上絶対速度Vuとばね下絶対速度Vsとを推定することが可能となる。
D=[−1 0 1 0]
なお、上述したように推定されたばね定数KTが、例えば、予め設定された設定閾値より小さい場合には、タイヤの空気圧が低下していると想定し、何らかの手段、例えば、警告表示灯等によって運転者にタイヤの空気圧の低下を知らせるように構成してもよい。このような構成とすることで、タイヤの空気圧の低下を監視することが可能となる。
10:車両用サスペンションシステム 12:車輪 24:タイヤ 44:コイルスプリング(サスペンションスプリング) 46:アクチュエータ(接近離間力発生装置) 48:マウント部(車体) 103:コントローラ(振動強度検出装置) 116:ばね上縦加速度センサ(振動強度検出装置) 130:接近離間力制御部(接近離間力制御装置) 132:タイヤばね定数推定制御実行部(タイヤばね定数推定装置) 136:車輪振動減衰制御部 140:車輪上下方向速度推定部(車輪上下方向速度推定装置) 142:特定接近離間力発生部(特定接近離間力発生工程) 144:振動強度検出部(振動強度検出工程) 146:タイヤばね定数推定部(タイヤばね定数推定工程)

Claims (5)

  1. (a)タイヤを有する車輪と、(b)車体と、(c)前記車輪と前記車体との間に配設されたサスペンションスプリングと、(d)そのサスペンションスプリングと並列的に配設され、電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して前記車輪と前記車体とを接近・離間させる方向の力である接近離間力を発生させる接近離間力発生装置とを備えた車両において、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定方法であって、
    その接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させるように前記電磁モータを作動させる特定接近離間力発生工程と、
    その接近離間力によって生じる前記車輪と前記車体との相対振動と前記車体の振動との一方である対象振動の強度を検出する振動強度検出工程と、
    その振動強度検出工程において検出される前記対象振動の強度に基づいて、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力と前記対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定工程とを含み、
    前記伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と前記対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、
    前記タイヤばね定数推定工程が、
    前記伝達関数での接近離間力が前記特定の大きさの接近離間力とされた場合の前記対象振動の強度が、前記振動強度検出工程において検出される対象振動の強度となるような前記係数の値を前記タイヤのばね定数として推定する工程であるタイヤばね定数推定方法。
  2. 前記対象振動が、前記車体の振動であって、
    前記振動強度検出工程が、前記車体の振動の上下方向の振動の最高の速度を検出する工程である請求項1に記載のタイヤばね定数推定方法。
  3. 前記対象振動が、前記車輪と車体との相対振動であって、
    前記振動強度検出工程が、前記車輪と車体との相対振動の最大の振幅を検出する工程である請求項1に記載のタイヤばね定数推定方法。
  4. タイヤを有する車輪と車体との間に配設されたサスペンションスプリングと、
    そのサスペンションスプリングと並列的に配設され、電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して車輪と車体とを接近・離間させる方向の力である接近離間力を発生させる接近離間力発生装置と、
    車輪と車体との相対振動と車体の振動との一方の振動である対象振動の強度を検出する振動強度検出装置と
    を備えた車両用サスペンションシステムであって、
    当該車両用サスペンションシステムが、
    前記接近離間力発生装置が特定の大きさの接近離間力を発生させた場合に前記振動強度検出装置によって検出される前記対象振動の強度である特定時振動強度に基づいて、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力と前記対象振動の強度との関係を表す伝達関数を利用して、前記タイヤのばね定数を推定するタイヤばね定数推定装置を備え、
    前記伝達関数が、タイヤのばね定数を係数として有しており、その係数の値を変化させることで接近離間力と前記対象振動の強度との関係が変化するように設定されており、
    前記タイヤばね定数推定装置が、
    前記伝達関数での接近離間力が前記特定の大きさの接近離間力とされた場合の前記対象振動の強度が、前記特定時振動強度となるような前記係数の値をタイヤのばね定数として推定するように構成された車両用サスペンションシステム。
  5. 当該車両用サスペンションシステムが、
    前記対象振動検出装置によって検出される前記対象振動の強度から、前記タイヤばね定数推定装置によって推定されたタイヤのばね定数を利用して、車輪の振動の上下方向の速度である車輪上下方向速度を推定する車輪上下方向速度推定装置と、
    前記接近離間力発生装置が有する前記電磁モータの作動を制御することで、前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力を制御する接近離間力制御装置とを備え、
    その接近離間力制御装置が、
    前記接近離間力発生装置が発生させる接近離間力の少なくとも一部が、前記車輪上下方向速度推定装置によって推定された車輪上下方向速度に応じた大きさの減衰力となるように、接近離間力を制御する車輪振動減衰制御部を有する請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
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