JP2010032396A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査液中の被検査物質を広い濃度範囲にて高精度に測定でき、且つ容易に安価に製造できるバイオセンサを提供する。
【解決手段】被検査液を展開する展開層に、前記被検査液中の検査対象物質を標識する標識試薬を保持した標識試薬部と、前記検査対象物質を固定化するための固定化試薬を保持した固定化試薬部とが少なくとも設けられたバイオセンサにおいて、前記標識試薬は不溶性粒状マーカーを含んでおり、前記不溶性粒状マーカーは、別途に作成され粒度分布の異なる少なくとも2つの粒子群が混合されてなることを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】被検査液を展開する展開層に、前記被検査液中の検査対象物質を標識する標識試薬を保持した標識試薬部と、前記検査対象物質を固定化するための固定化試薬を保持した固定化試薬部とが少なくとも設けられたバイオセンサにおいて、前記標識試薬は不溶性粒状マーカーを含んでおり、前記不溶性粒状マーカーは、別途に作成され粒度分布の異なる少なくとも2つの粒子群が混合されてなることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、被検査液中の被検査物質を定性あるいは定量的に検出するバイオセンサに関するものである。
近年、在宅医療や地域医療の充実、早期診断の要求、緊急性の高い臨床検査の増加などに伴い、臨床検査の専門家でなくとも高精度の測定を簡易かつ迅速に実施できる機器が要望されている。そして、煩雑な操作を要さず短時間で信頼性の高い測定を行えるPOCT(POINT OF CARE TESTING)向けの小型分析装置が脚光をあびている。
POCTとは一般に、診察室、病棟などの「患者の近いところ」で行われる検査の総称であり、医師が検査結果を即座に判断し、迅速な処置を施し、治療の過程や予後のモニタリングまでを行う、という診療の質の向上に大きく役立つものとして注目されている。POCTでの小型分析装置による検査は、検査室での検査に比べて、検体の運搬や設備などにかかる費用を抑え、トータルの検査費用の削減が可能になるといわれ、POCT市場は、病院経営合理化の進む米国で急速に拡大してきており、世界的にみても成長市場となっていくことが予想される。
POCTの普及と共に、定量測定可能なイムノクロマトグラフィ試験片などが商品として市場に流通してきている。イムノクロマトグラフィ試験片に代表される乾式分析素子は、試薬の調整を必要とせず、血液や尿などの被検査液を当該分析素子上に滴下するなどの簡単な操作のみでその中の検査対象物質を分析することが可能なものであり、検査対象物質を簡便かつ迅速に分析するのに非常に有用であるため、POCT向けに今日、多数実用化されている。
イムノクロマトグラフィ試験片は一般に、展開層の一部に抗体が固定化されるとともに、その抗体固定化部分よりも点着部寄りの位置に標識抗体が被検査液によって溶出可能な乾燥状態で保持された構成である。被検査液を点着部に必要量添加すると展開層を浸透していき、被検査液中に検査対象物質が含まれているときには、その検査対象物質が標識抗体に結合しさらに固定化抗体に結合するので、抗体固定化部分への標識抗体の結合を検出することで検査対象物質を検出することが可能である。標識抗体を構成する標識物の一例は金コロイド粒子であり、金コロイド粒子による呈色反応によって目視可能となるので、その呈色度合いより、被検査液中における検査対象物質の有無および濃度を検出(測定)することができる。
以上は標識抗体を用いた抗原抗体反応のサンドイッチ反応を測定原理とした場合であるが、競合反応を測定原理としても同様に、抗体固定化部分への標識試薬の結合による呈色状態によって検査対象物質の有無および濃度を検出できる。標識物としては、上記の金コロイドのほか、ラテックスが一般的であるが、磁性粒子、酵素、金コロイド以外の金属コロイド等、種々に使用されている。標識物が酵素である場合などは、使用者が測定時に酵素基質や反応停止試薬を加える操作などが必要となることもある。使用者が被検査液を点着する操作のみで測定がなされるイムノクロマトグラフィ試験片は、ワンステップイムノクロマトグラフィ試験片と呼ばれている。
POCTの市場からは、いつでもどこでも誰でも測定できることに加え、より高い分析精度が要求されている。つまり、より高感度かつ簡単迅速に、更には広い濃度範囲を測定できるようにすることが求められている。しかしリガンドとレセプターとの結合を利用する分析、特にイムノクロマトグラフィ試験片を用いる分析では、被検査液中に検査対象物質が過剰に存在する場合にプロゾーン現象が生じる。イムノクロマト法におけるプロゾーン現象とは、本来は標識抗体が検査対象物質を介して固定化抗体に捕捉されるのに、検査対象物質が多量に存在すると、標識抗体に反応しきれなかった遊離の検査対象物質が固定化抗体に対して競合し、結果として標識抗体で標識された検査対象物質の固定化抗体への結合が妨げられることをいう。これに対処するものとして、被検査液中の被検査物質への親和性が異なる固定化試薬を展開層上に複数段に配置することにより、広範囲の濃度を高精度で定量可能としたイムノクロマトグラフィ試験片が開発されている(特許文献1参照)。
WO03/014740公報
特許文献1のイムノクロマトグラフィ試験片では、当然に、被検査液中の測定対象物(被検査物質)に対して親和性の相違する複数の固定化試薬を用意しなければならない。イムノクロマトグラフィ試験片における反応は、語源からみても本来は免疫反応であり、特に抗原抗体反応が利用されることが多い。そして多くの場合、被検査物質に親和性を持った抗体が固定化試薬として用いられるため、親和性の異なる複数の抗体を用意する必要がある。
しかし抗体の作製時に抗原に対する親和性を制御することは困難である。目的とする被検査物質を抗原として検出するのに必要な測定範囲をカバーできる複数の抗体、つまり前記測定範囲をカバーできるような組み合わせの親和性を持った複数の抗体を用意しなければならない。そのために、親和性の異なる多数の抗体を作製し、その中から選別しなければならない。親和性の異なる多数の抗体を作製するには、多大な労力と時間、更には多くのコストが必要であり、希望する組み合わせを実現できる親和性を持った抗体を見つけることは容易ではない。抗体でなく抗原を固定化試薬に用いることを考えても同様である。
本発明は上記問題を解決するもので、被検査液中の被検査物質を広い濃度範囲にて高精度に測定でき、且つ容易に安価に製造できるバイオセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のバイオセンサは、被検査液を展開する展開層に、前記被検査液中の検査対象物質を標識する標識試薬を保持した標識試薬部と、前記検査対象物質を固定化するための固定化試薬を保持した固定化試薬部とが少なくとも設けられたバイオセンサにおいて、前記標識試薬は不溶性粒状マーカーを含んでおり、前記不溶性粒状マーカーは、別途に作成され粒度分布の異なる少なくとも2つの粒子群が混合されてなることを特徴とする。
不溶性粒状マーカーの各粒子群における粒度分布の主ピークが平均粒径1から100nmの範囲にあることを特徴とする。
本発明において、不溶性粒状マーカーとは、被検査液中で不溶な粒状マーカーを言う。粒子群とは、一度に製造された粒子溶液に含まれる一群の粒子を言い、粒度分布とは、前記粒子群の粒径を、顕微鏡での観察や、光散乱法などの計数法、比重天秤法、光透過法、沈降法、ふるいわけ法などの任意の解析手法によって測定した時に得られる、粒径の頻度分布もしくは積算分布を言う。各粒子群における粒度分布の主ピークとは、当該粒子群における前記粒径の頻度分布もしくは積算分布の最大ピークを言う。各粒子群において、第2ピークや第3ピークやそれ以下のピークの平均粒径はいずれの範囲にあっても何ら問題ない。粒度の分布が1以下もしくは100nm以上にあっても構わない。
本発明において、不溶性粒状マーカーとは、被検査液中で不溶な粒状マーカーを言う。粒子群とは、一度に製造された粒子溶液に含まれる一群の粒子を言い、粒度分布とは、前記粒子群の粒径を、顕微鏡での観察や、光散乱法などの計数法、比重天秤法、光透過法、沈降法、ふるいわけ法などの任意の解析手法によって測定した時に得られる、粒径の頻度分布もしくは積算分布を言う。各粒子群における粒度分布の主ピークとは、当該粒子群における前記粒径の頻度分布もしくは積算分布の最大ピークを言う。各粒子群において、第2ピークや第3ピークやそれ以下のピークの平均粒径はいずれの範囲にあっても何ら問題ない。粒度の分布が1以下もしくは100nm以上にあっても構わない。
不溶性粒状マーカーは、検査対象物質に対して特定の親和性を持った特異的タンパク質を標識して複合体を形成していることを特徴とする。特異的タンパク質は、タンパク質に対する親和性を持つタンパク質や、任意の基質に対する酵素、任意のホルモンに対する受容体、及び任意のビタミンや任意の毒素に親和性を持つタンパク質など任意の低分子と結合するタンパク質、DNA結合性タンパク質やRNA結合性タンパク質など核酸と結合するタンパク質など、任意の物質に対し特定の親和性を持ったタンパク質であればよい。
特異的タンパク質は免疫反応に関与する物質であることを特徴とする。免疫反応に関与する物質とは、補体とその捕捉物質、T細胞受容体とそれが特異性を持った物質、サイトカインとその受容体など、免疫反応に関与する物質であればなんら制限されない。
免疫反応が抗原抗体反応であることを特徴とする。抗原抗体反応にかかる抗原は、本発明においては目的とする被検査物質であり、たとえば、免疫グロブリン、ホルモン、酵素、ペプチドなどのタンパク質及びタンパク質誘導体;細菌、ウイルス、真菌類、マイコプラズマ、寄生虫、ならびにそれらの産物及び成分などの感染性物質;治療薬、乱用薬物などの薬物;腫瘍マーカー;ビタミンや毒素などの低分子物質などがある。抗体は、一本鎖抗体やFab、F(ab’)2などの修飾された抗体、さらにscFv、dsFv、diabody、mSEA−diabody及びminibodyなどの組み換え抗体など、抗原に対して特異性を有していれば、どのような形状を有していてもよい。
不溶性粒状マーカーとして例えば金属コロイドを使用できる。金属コロイドとは、溶液中にコロイド状に分散する、金属や合金で構成された任意の粒子を言う。金属コロイドのほか、ラテックス粒子などの着色重合体ビーズ、重合染料粒子、磁性粒子なども、不溶性粒状マーカーとして、なんら制限なく使用可能である。金属コロイドの内の好ましい例は金コロイドである。ほかに、銀、銅、白金などのコロイドも使用可能である。
展開層が単層または複数層の多孔性担体からなることを特徴とする。展開層は被検査液により湿潤可能であればよく、濾紙、不織布、メンブレン、布、ガラス繊維などの任意の多孔性材料からなる担体を使用することができる。
本発明のバイオセンサは、イムノクロマトグラフィ試験片として構成することができる。
本発明のバイオセンサは、標識試薬を構成する不溶性粒状マーカーとして、粒度分布の異なる少なくとも2つの粒子群を混合して用いるという簡易な構成により、被検査液中の被検査物質を広い濃度範囲にて高精度に測定することが可能になったものであり、その製造も容易に安価に行える。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形態1のバイオセンサであるイムノクロマトグラフィ試験片の分解図および斜視図である。(b)では一部を透視した状態で示している。
(実施の形態1)
図1(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形態1のバイオセンサであるイムノクロマトグラフィ試験片の分解図および斜視図である。(b)では一部を透視した状態で示している。
図1において、2は展開層を示し、ニトロセルロースを主材とするメンブレンフィルタ(合成高分子膜)で構成されている。ニトロセルロースメンブレンに限らず、被検査液により湿潤可能な材料であれば、他のメンブレン、濾紙、不織布、布、ガラス繊維等、任意の多孔質な材料で構成できる。単層であっても多層であっても構わない。
4は標識試薬部を示し、被検査液中の検査対象物質を標識可能な標識試薬、ここでは金コロイドで標識した標識抗体(以下、金コロイド標識抗体ともいう)が、乾燥状態で、被検査液により溶出可能な状態で保持してある。
金コロイド標識抗体は、粒度分布が異なった数種類の金コロイドの粒子群を用いて構成される。たとえば、主ピークの平均粒径が20nmの金コロイド標識抗体、30nmの金コロイド標識抗体、40nmの金コロイド標識抗体を1:1:1で混合する。ただし配合比率は任意であり、配合比率によって各被検査対象物質に応じた測定範囲への対応が可能である。20nm、30nm、40nmの粒子に限らず、1〜100nmの範囲の粒子を用いることが可能である。
5は試薬固定化部を示し、被検査液中の検査対象物質を捕捉可能な固定化試薬、ここでは検査対象物質に対する抗体が、検査対象物質,標識試薬と複合体が形成できるよう、乾燥状態で固定化してある。使用する抗体は、標識試薬および検査対象物質と3元複合体を形成できればよく、検査対象物質に対するエピトープが標識試薬の抗体と同じであっても異なっていてもよい。
図中では試薬固定化部5を1箇所設けた例を示しているが、必ずしも1箇所である必要はなく、1箇所以上であればその目的に応じて自在に選択すればよい。また試薬固定化部5をライン状(帯状)とした例を示しているが、必ずしもライン状である必要はなく、スポット状、文字形、鍵型など、自在に選択できる。
上述の標識試薬部4の標識試薬は、この試薬固定化部5での検査対象物質の固定を検出するために選択されるものであり、マーカーとしての金コロイドは一例に過ぎず、他の金属コロイド、合金、ラテックス粒子などの着色重合体ビーズ、重合染料粒子、磁性粒子などの不溶性粒状マーカーを使用者の必要に応じて任意に選択可能である。
6は液体不透過性シートを示し、PETで構成されている。この液体不透過性シート6は、展開層2の表面を被検査液の展開方向に沿った始端部分と終端部分とを除いて密着被覆することにより、被覆部分を被検査液の接触から遮断し保護すると共に外部からの汚染を防止する。外部からの汚染とは、被検査液の不用意な接触や、被験者が手などで直接に接触することなどを指す。より高精度な測定を必要とする場合には、液体不透過性シート6が、展開層2の上面、特に標識試薬部4から試薬固定化部5にわたる上面を密着密閉し、かつ、両側面を密着密閉する構造をとればよい。液体不透過性シート6の材料は、上述のPETに限らず、展開層2を覆うことができ且つ液体不透過性であれば任意に選択できる。試薬固定化部5を覆う部分は少なくとも、試薬固定化部5の状態を透過して確認できるように透明材料を用いるのが好ましい。3は展開層2における開放部、つまり液体不透過性シート6によって被覆していない終端部分を示している。
7は展開層2を支持する基板を示す。この基板7は展開層2を補強する役割を持つとともに、血液、唾液、尿など、感染の危険性のある被検査液を用いる場合にそれを遮断する役割を持つもので、シートあるいはフィルムと呼ばれる厚みであってよい。展開層2が湿潤すると光透過性を帯びるものである場合などは、この基板7に、光を遮断する効果を持たせることも可能である。白色PETを材料とするのが好ましいが、上記の効果を持つものであれば特に制限はない。
8は微細空間形成材を示し、液体不透過性シート6によって被覆していない展開層2の始端部分上に、被検査液が毛細管現象により流入する微細空間1を形成する役割、および、被検査液の点着後の取り扱い時に外部を汚染から保護する役割を持つ。ここでの保護とは被検査液の不用意な飛散や付着を言う。この微細空間形成材8は、ABS、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料、金属、ガラスなど、液体不透過性の任意の材料で構成することができる。透明もしくは半透明が好ましいが、有色、不透明でも構わない。
9は細胞収縮試薬(細胞成分収縮剤)であり、微細空間1に配置している。細胞収縮試薬9は、細胞を収縮する効果があればよく、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム等の塩類や、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、プロリン等のイミノ酸、グルコース、スクロース、トレハロースなどの糖類、グルシトール等の糖アルコールなど用いることができる。この様な細胞収縮試薬9を含む系は、全血を被検査液とする場合に特に有効であり、細胞成分を含まない被検査液を意図する場合には特に必要ではない。
上記バイオセンサによる検査方法について説明する。
微細空間1の端部(以下、導入部という)に被検査液を接触させると、毛細管現象によって自然に微細空間1内に流入し、被検査液中の細胞成分が細胞収縮試薬9によって収縮されつつ展開層2を浸透していく。被検査液の流入量が十分であるかどうかは、透明な微細空間形成材8を透して確認できる。被検査液の添加量に制限がある場合、たとえば一定量が必要である場合には、予め微細空間1の体積を一定体積とすることで精度良く添加量を制限できる。被検査液の必要量に応じて微細空間1の体積を調整すればよい。
微細空間1の端部(以下、導入部という)に被検査液を接触させると、毛細管現象によって自然に微細空間1内に流入し、被検査液中の細胞成分が細胞収縮試薬9によって収縮されつつ展開層2を浸透していく。被検査液の流入量が十分であるかどうかは、透明な微細空間形成材8を透して確認できる。被検査液の添加量に制限がある場合、たとえば一定量が必要である場合には、予め微細空間1の体積を一定体積とすることで精度良く添加量を制限できる。被検査液の必要量に応じて微細空間1の体積を調整すればよい。
被検査液が標識試薬部4に到達すると標識試薬の溶出が開始され、被検査液中に検査対象物質が存在する場合は、溶出した標識試薬と反応して「標識試薬−検査対象物質」複合体を形成しながら浸透が進み、試薬固定化部5に到達するとその量に応じて「固定化試薬−検査対象物質−標識試薬」複合体を形成して捕捉され、標識試薬に含まれる金コロイドによる呈色反応が示される。
一方、被検査液中に検査対象物質が存在しないか、検出感度以下の量である場合には、上述のいずれの複合体も形成されず、標識試薬はその大半が結合することなく通過する。検査対象物質が存在しない場合も存在する場合も、展開層2を浸透して開放部3に到達した被検査液はここで次第に揮発もしくは蒸発する。被検査液が開放部3に滲み出す場合もあるが、当該開放部3における展開層2上にのみであり、微細空間1内の展開層2上の被検査液と同じ高さ、もしくは準じた高さまでである。
このように、開放部3を備えることで、展開層2での被検査液の浸透及び浸透方向は測定中一定方向に制御される。一般には展開層2に開放部3に代わる吸水部を設けることが多く、その吸水部に、展開層2の反応部分に使用する材料よりも湿潤効果、吸水効果の高い多孔質材料を用いることで、被検査液を吸水及び吸引して展開層上を通過させる働きや測定時間を短縮する働きを持たせる。ここでの開放部3はかかる吸水部と同様の効果を奏する。開放部3や微細空間1を設けることは、指先の穿刺による血液など、被検査液が極微量の場合に特に適している。
検査結果は、試薬固定化部5での標識試薬の結合による呈色状態を確認することで得る。検査対象物質の有無を調べる定性目的であれば目視による判定も可能である。精度の高い測定が必要な場合は、拡散電磁放射線の反射光や透過光、画像による光学的手段によって、呈色度合いや標識物の結合量を測定することで、定量的な結果を得ることができる。このことについては後述する。
ここでの電磁放射線は可視領域もしくは近可視領域であることが好ましく、電磁放射線源としては、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、LD(Laser Diode;レーザーダイオード)など、使用者の必要に応じて選択可能である。画像による光学的手段とは、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどにより画像を取り込んでの任意の解析手段をいう。
以上は抗原抗体反応におけるサンドイッチ反応について述べたが、被検査液中の被検査物質と競合的に反応する試薬を用いて競合反応とすることもできる。抗原抗体反応以外にも、特異的な結合を形成する反応系を利用することが可能である。
(実施の形態2)
図2(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形態2のバイオセンサであるイムノクロマトグラフィ試験片の分解図および斜視図である。(b)では一部を透視した状態で示している。
図2(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形態2のバイオセンサであるイムノクロマトグラフィ試験片の分解図および斜視図である。(b)では一部を透視した状態で示している。
このイムノクロマトグラフィ試験片には、試薬固定化部5のほかに、試薬固定化部10、試薬固定化部11が設けられていて、その各々に、被検査液中の被検査物質に対する抗体が、被検査物質および標識試薬と複合体が形成できるよう、乾燥状態で固定化されている。その他は、上述した実施の形態1のものと同様である。
試薬固定化部5に用いる抗体と、試薬固定化部10に用いる抗体及び試薬固定化部11に用いる抗体とは、被検査物質に対する親和性が異なるように選定されている。被検査液の点着部寄り(上流側)ほど被検査液及び被検査物質に早く接触するので、上流側に、被検査物質に対する親和性が高い抗体が選定される。
試薬固定化部5、10、11に使用する抗体は、標識試薬および被検査物質と3元複合体を形成できればよいのであって、被検査物質に対するエピトープが標識試薬の抗体と同じであっても異なっていてもどちらでもよい。
図中では、試薬固定化部5、10、11という3箇所の試薬固定化部を設けているが、必ずしも3箇所である必要はなく、2箇所以上であれば、その目的に応じて自在に配置できる。3箇所以上に配置する場合は、上述のように全ての箇所に親和力の異なる固定化試薬を用いてもよいし、あるいは、親和力の異なる2種類の固定化試薬を用いた箇所を組み合わせてもよく、その場合の組み合わせは使用者の目的に応じて自由に選択可能である。
また試薬固定化部5、10、11は、図示したようなライン状である必要はなく、スポット形状、もしくは、文字形状、鍵型形状など自在に選択できる。図示したように必ずしも離れている必要もなく、見かけ上一本のライン状に見える様に接触させることも可能である。金コロイドは不溶性粒状マーカーの一例にすぎず、他の金属、合金、着色重合体ビーズ、重合染料粒子、磁性粒子などの不溶性粒状マーカーを、使用者の必要に応じて任意に選択可能である。
上記のバイオセンサによる検査方法について説明する。
微細空間1の端部(以下、導入部という)に被検査液を接触させると、実施の形態1で説明したのと同様にして展開層2を浸透していき、被検査液中に検査対象物質が存在する場合は、標識試薬部4で溶出した標識試薬と反応して「標識試薬−検査対象物質」複合体を形成しながら浸透が進む。
微細空間1の端部(以下、導入部という)に被検査液を接触させると、実施の形態1で説明したのと同様にして展開層2を浸透していき、被検査液中に検査対象物質が存在する場合は、標識試薬部4で溶出した標識試薬と反応して「標識試薬−検査対象物質」複合体を形成しながら浸透が進む。
被検査液が試薬固定化部5に到達すると、検査対象物質の量に応じて「固定化試薬−検査対象物質−標識試薬」複合体が形成され、標識試薬を構成している金コロイドによる呈色反応が示される。
被検査液が試薬固定化部10に到達すると、検査対象物質(残存している場合)の量に応じて「固定化試薬−被検査物質−標識試薬」複合体が形成され、標識試薬を構成している金コロイドによる呈色反応が示される。
被検査液が試薬固定化部11に到達すると、被検査物質(残存している場合)の量に応じて「固定化試薬−被検査物質−標識試薬」複合体が形成され、標識試薬を構成している金コロイドによる呈色反応が示される。
被検査液中に検査対象物質が存在しないか、検出感度以下の量である場合には、上述のいずれの複合体も形成されず、標識試薬はその大半が結合することなく通過し、展開層2を浸透して開放部3に到達した被検査液は、ここで次第に揮発もしくは蒸発するか、開放部3に滲み出して当該開放部3における展開層2上にのみ溜まる。
検査結果は、試薬固定化部5、10、11での標識試薬の結合による呈色状態を確認することで得る。定性目的であれば目視による判定も可能である。精度の高い測定が必要な場合は、拡散電磁放射線の反射光や透過光、画像による光学的手段(前掲)によって、呈色度合いや標識物の結合量を測定することで、定量的な結果を得ることができる。このことについては後述する。試薬固定化部5を被検査物質の濃度検出に用い、試薬固定化部10、11(親和性の低い抗体を用いる)をプロゾーンの検出に用いることも可能である。
以上は抗原抗体反応におけるサンドイッチ反応について述べたが、被検査物質と競合的に反応する試薬を用いて競合反応とすることもできる。抗原抗体反応以外にも、特異的な結合を形成する反応系を利用することが可能である。
以下に具体的な実施例を挙げて本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明を限定する意図のものではない。
(実施例1)
上述の図1のイムノクロマトグラフィ試験片を以下のようにして製造した。展開層2にニトロセルロースを主材とする膜を用い、試薬固定化部5に抗CRP抗体Aを用い、標識試薬部4に抗CRP抗体Bと金コロイドとの複合体を用いている。
(実施例1)
上述の図1のイムノクロマトグラフィ試験片を以下のようにして製造した。展開層2にニトロセルロースを主材とする膜を用い、試薬固定化部5に抗CRP抗体Aを用い、標識試薬部4に抗CRP抗体Bと金コロイドとの複合体を用いている。
a)抗体固定化ニトロセルロース膜の調製
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗CRP抗体A溶液を準備し、この抗体溶液を溶液吐出装置にてニトロセルロース膜上に塗布して抗体固定化ライン(試薬固定化部)を設けた。このニトロセルロース膜を乾燥後、1%スキムミルクを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して30分間緩やかに振った。30分後に、膜をTris−HCl緩衝溶液中に移し、10分間緩やかに振り、別のTris−HCl緩衝溶液中にて更に10分間緩やかに振ることで、洗浄した。この膜を0.05%スクロースモノラウレートを含んだTris−HCl緩衝液中にて10分間穏やかに振ることで、界面活性剤処理した。界面活性剤処理を終えた膜を取り出し、室温で乾燥させた。
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗CRP抗体A溶液を準備し、この抗体溶液を溶液吐出装置にてニトロセルロース膜上に塗布して抗体固定化ライン(試薬固定化部)を設けた。このニトロセルロース膜を乾燥後、1%スキムミルクを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して30分間緩やかに振った。30分後に、膜をTris−HCl緩衝溶液中に移し、10分間緩やかに振り、別のTris−HCl緩衝溶液中にて更に10分間緩やかに振ることで、洗浄した。この膜を0.05%スクロースモノラウレートを含んだTris−HCl緩衝液中にて10分間穏やかに振ることで、界面活性剤処理した。界面活性剤処理を終えた膜を取り出し、室温で乾燥させた。
b)20nm金コロイド標識抗体の調製
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.03%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、粒度分布のピークは19.1nmであった。この平均粒径19.1nmのピークを持った金コロイド粒子群を20nm金コロイドと呼ぶ。
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.03%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、粒度分布のピークは19.1nmであった。この平均粒径19.1nmのピークを持った金コロイド粒子群を20nm金コロイドと呼ぶ。
pH9に調製した前記20nm金コロイドに抗CRP抗体Bを加えて5分間攪拌し、さらにpH9に調整した10%BSA(牛血清アルブミン)溶液を最終1%になるように加えて攪拌することで、20nm金コロイド−抗体複合体(標識抗体)を調製した。この標識抗体溶液を4℃、20100Gで50分間遠心し、分離物を1%BSA・5%スクロース(pH8.9)液中に懸濁し、再び前記の遠心を行うことで、標識抗体を洗浄単離した。この標識抗体を0.45μmのフィルタにて濾過した後に、520nmの吸光度が150になるように1%BSA・5%スクロース(pH8.9)液で希釈し、これを20nm金コロイド標識抗体として4℃で保存した。
c)30nm金コロイド標識抗体の調製
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.023%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、粒度分布のピークは29.4nmであった。この平均粒径29.4nmのピークを持った金コロイド粒子群を30nm金コロイドと呼ぶ。pH9に調製した前記30nm金コロイドを用いて、上述の20nm金コロイドと同様に、30nm金コロイド−抗体複合体(標識抗体)を調製し、洗浄単離(4℃、15000Gで50分間遠心)、濾過、希釈を経て、30nm金コロイド標識抗体として4℃で保存した。
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.023%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、粒度分布のピークは29.4nmであった。この平均粒径29.4nmのピークを持った金コロイド粒子群を30nm金コロイドと呼ぶ。pH9に調製した前記30nm金コロイドを用いて、上述の20nm金コロイドと同様に、30nm金コロイド−抗体複合体(標識抗体)を調製し、洗浄単離(4℃、15000Gで50分間遠心)、濾過、希釈を経て、30nm金コロイド標識抗体として4℃で保存した。
d)40nm金コロイド標識抗体の調製
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.015%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、散乱光強度のピークは2つあり、主ピークは42.5nmであった。この平均粒径40nm付近に主ピークを持った金コロイド粒子群を40nm金コロイドと呼ぶ。pH9に調製した前記40nm金コロイドを用いて、上述の20nm金コロイドと同様に、40nm金コロイド−抗体複合体(標識抗体)を調製し、洗浄単離(4℃、8000Gで50分間遠心)、濾過、希釈を経て、40nm金コロイド標識抗体として4℃で保存した。
金コロイドは、0.01%塩化金酸の還流中の100℃溶液に1%クエン酸溶液を終濃度0.015%になるように加えることによって調製した。還流を25分間続けた後、室温放置にて冷却を行った。こうして得られた金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布である粒度分布を測定したところ、散乱光強度のピークは2つあり、主ピークは42.5nmであった。この平均粒径40nm付近に主ピークを持った金コロイド粒子群を40nm金コロイドと呼ぶ。pH9に調製した前記40nm金コロイドを用いて、上述の20nm金コロイドと同様に、40nm金コロイド−抗体複合体(標識抗体)を調製し、洗浄単離(4℃、8000Gで50分間遠心)、濾過、希釈を経て、40nm金コロイド標識抗体として4℃で保存した。
e)混合金コロイド標識抗体Iの調製
上述の30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを液量にて1:1になるように混合し、よく攪拌したうえで、混合金コロイド標識抗体Iとして4℃で保存した。
上述の30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを液量にて1:1になるように混合し、よく攪拌したうえで、混合金コロイド標識抗体Iとして4℃で保存した。
f)混合金コロイド標識抗体IIの調製
上述の20nm金コロイド標識抗体と30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを液量にて1:1:1になるように混合し、よく攪拌したうえで、混合金コロイド標識抗体IIとして4℃で保存した。
上述の20nm金コロイド標識抗体と30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを液量にて1:1:1になるように混合し、よく攪拌したうえで、混合金コロイド標識抗体IIとして4℃で保存した。
g)金コロイド標識抗体の塗布
上述の5種類の金コロイド標識抗体溶液をそれぞれ溶液吐出装置にセットし、上述のニトロセルロース膜にその試薬固定化部よりも被検査液導入部寄りとなるように塗布し、塗布後のニトロセルロース膜を真空凍結乾燥させた。これにより、試薬固定化部と標識試薬部とを持った5種類の展開層を得た。
上述の5種類の金コロイド標識抗体溶液をそれぞれ溶液吐出装置にセットし、上述のニトロセルロース膜にその試薬固定化部よりも被検査液導入部寄りとなるように塗布し、塗布後のニトロセルロース膜を真空凍結乾燥させた。これにより、試薬固定化部と標識試薬部とを持った5種類の展開層を得た。
h)組立て
上述の5種類の展開層をそれぞれ厚さ0.5mmの白色PETからなる基板上に貼り付け、2.0mmの幅で裁断し、裁断後の各片について、標識試薬部よりも始端部寄りの位置から試薬固定化部よりも終端部寄りの位置までの所定範囲を厚さ100μmの透明テープを巻き付けて覆い、透明テープで覆わない始端部に微細空間を形成する微細空間形成材を貼り付けることにより、5種類のイムノクロマトグラフィ試験片を複数個ずつ得た。なお微細空間形成材は、あらかじめ1.5Mに調整した塩化カリウム水溶液を点着した後に、液体窒素にて直ちに凍結し、凍結乾燥を行うことにより、塩化カリウムが乾燥状態で保持された収縮剤保持部を持たせた。各イムノクロマトグラフィ試験片を、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片1A、混合金コロイド標識抗体試験片2Aと呼ぶ。
上述の5種類の展開層をそれぞれ厚さ0.5mmの白色PETからなる基板上に貼り付け、2.0mmの幅で裁断し、裁断後の各片について、標識試薬部よりも始端部寄りの位置から試薬固定化部よりも終端部寄りの位置までの所定範囲を厚さ100μmの透明テープを巻き付けて覆い、透明テープで覆わない始端部に微細空間を形成する微細空間形成材を貼り付けることにより、5種類のイムノクロマトグラフィ試験片を複数個ずつ得た。なお微細空間形成材は、あらかじめ1.5Mに調整した塩化カリウム水溶液を点着した後に、液体窒素にて直ちに凍結し、凍結乾燥を行うことにより、塩化カリウムが乾燥状態で保持された収縮剤保持部を持たせた。各イムノクロマトグラフィ試験片を、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片1A、混合金コロイド標識抗体試験片2Aと呼ぶ。
図3に、20nm金コロイド、30nm金コロイド、40nm金コロイドについて、動的光散乱計(ゼーターナノZS、シスメックス株式会社)にて粒径の分布(粒度分布)を調べた結果を示す。
[試験例1]
a)試料の調製
抗凝固剤としてEDTA・2Kを加えたヒト血液をヘマトクリット値40%になるように調整し、調整後の血液(血漿)にCRP溶液を加えて、CRP濃度が0.03mg/dl、0.06mg/dl、0.1mg/dl、0.3mg/dl、0.6mg/dl、1.0mg/dl、3.0mg/dl、6.0mg/dl、10.0mg/dlである血液試料を調製した。各血液試料のCRP濃度は、ラテックス免疫凝集法を用いた市販装置(7020型生化学自動分析装置 日立製作所製)及び試薬を用いて確認した。
[試験例1]
a)試料の調製
抗凝固剤としてEDTA・2Kを加えたヒト血液をヘマトクリット値40%になるように調整し、調整後の血液(血漿)にCRP溶液を加えて、CRP濃度が0.03mg/dl、0.06mg/dl、0.1mg/dl、0.3mg/dl、0.6mg/dl、1.0mg/dl、3.0mg/dl、6.0mg/dl、10.0mg/dlである血液試料を調製した。各血液試料のCRP濃度は、ラテックス免疫凝集法を用いた市販装置(7020型生化学自動分析装置 日立製作所製)及び試薬を用いて確認した。
b)測定
上述の5種類のイムノクロマトグラフィ試験片、すなわち、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、本発明にかかる混合金コロイド標識抗体試験片1A及び混合金コロイド標識抗体試験片2Aの各々の試料導入部に、各濃度の血液試料5μLを添加し、添加から5分後に試薬固定化部の呈色状況を反射吸光度測定器(CS9300 島津製作所製)を用いて635nmの反射吸光度を測定した。測定は各濃度あたり5回行い、平均値をとった。
上述の5種類のイムノクロマトグラフィ試験片、すなわち、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、本発明にかかる混合金コロイド標識抗体試験片1A及び混合金コロイド標識抗体試験片2Aの各々の試料導入部に、各濃度の血液試料5μLを添加し、添加から5分後に試薬固定化部の呈色状況を反射吸光度測定器(CS9300 島津製作所製)を用いて635nmの反射吸光度を測定した。測定は各濃度あたり5回行い、平均値をとった。
c)結果
図4は測定結果を示す。横軸はCRP濃度を対数で示しており、縦軸は吸光度を対数で示している。菱形プロットは20nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、四角プロットは30nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、三角プロットは40nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、白丸プロットは混合金コロイド標識抗体試験片1Aで得られた結果、黒丸プロットは混合金コロイド標識抗体試験片2Aで得られた結果である。各試験片でCRPに対するレスポンスが明らかに異なっている。
図4は測定結果を示す。横軸はCRP濃度を対数で示しており、縦軸は吸光度を対数で示している。菱形プロットは20nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、四角プロットは30nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、三角プロットは40nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、白丸プロットは混合金コロイド標識抗体試験片1Aで得られた結果、黒丸プロットは混合金コロイド標識抗体試験片2Aで得られた結果である。各試験片でCRPに対するレスポンスが明らかに異なっている。
図4の測定結果を図5に模式的に示す。図5から明らかなように、各試験片はCRPに対するレスポンスが異なる結果、測定レンジが異なっている。
図中の濃度Aでは混合金コロイド標識抗体試験片1Aからのみシグナルが得られており、この濃度Aについては、混合金コロイド標識抗体試験片1Aでのみ測定が可能である。濃度Bでは混合金コロイド標識抗体試験片1Aでシグナルが得られ、また40nm金コロイド標識抗体試験片から測定器の測定限界付近のシグナルが得られており、これらの2試験片で濃度Bについての測定が可能である。
図中の濃度Aでは混合金コロイド標識抗体試験片1Aからのみシグナルが得られており、この濃度Aについては、混合金コロイド標識抗体試験片1Aでのみ測定が可能である。濃度Bでは混合金コロイド標識抗体試験片1Aでシグナルが得られ、また40nm金コロイド標識抗体試験片から測定器の測定限界付近のシグナルが得られており、これらの2試験片で濃度Bについての測定が可能である。
濃度Cについては、同様に、混合金コロイド標識抗体試験片1A、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片2Aで測定が可能である。濃度Dについては、同様に、混合金コロイド標識抗体試験片1A、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片2A、30nm金コロイド標識抗体試験片で測定が可能である。濃度Eについては、同様に、混合金コロイド標識抗体試験片1A、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片2A、30nm金コロイド標識抗体試験片、20nm金コロイド標識抗体試験片で、つまり全ての試験片で測定が可能である。
濃度Fになると、全ての試験片でシグナルが得られているが、混合金コロイド標識抗体試験片1A、40nm金コロイド標識抗体試験片でのシグナルは直線回帰の可能な領域にはなく、すでにプロゾーン領域に入っているものと考えられる。したがってこの濃度Eについては、混合金コロイド標識抗体試験片1A、40nm金コロイド標識抗体試験片を除いた試験片、つまり、混合金コロイド標識抗体試験片2A、30nm金コロイド標識抗体試験片、20nm金コロイド標識抗体試験片でのみ、測定が可能である。
濃度Gについても同様に、30nm金コロイド標識抗体試験片、20nm金コロイド標識抗体試験片でのみ、測定が可能である。濃度Hについても同様に、20nm金コロイド標識抗体試験片のみ、測定が可能である。
言い換えると、20nmコロイド標識抗体試験片では濃度E〜H(およびそれ以上)、30nm金コロイド標識抗体試験片では濃度D〜H、40nm金コロイド標識抗体試験片では濃度B〜F、混合金コロイド標識抗体試験片1Aでは濃度A〜F、混合金コロイド標識抗体試験2Aでは濃度C〜Gの範囲が測定可能である。
試験片に担持させた標識試薬の種類によって、つまり各標識試薬を構成している金コロイドの粒径によって、測定可能な濃度範囲が異なる結果となっている。粒径が大きくなるにつれて測定可能範囲は低濃度側に移動(シフト)している。
一方、金コロイド粒径と移動度との関係は一定ではない。第1に、20nm金コロイド標識抗体試験片(以下、金コロイド標識抗体試験片を単に金コロイド試験片と呼ぶ。)、30nm金コロイド試験片、40nm金コロイド試験片での測定限界濃度B、D、Eについて見ると、30nm金コロイド試験片の測定限界濃度Dは濃度Bと濃度Eとの中間点になると予想されるが、実際には濃度Eにより近い。
第2に、混合金コロイド試験片1Aについては、30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体との1:1の混合溶液を固定化してあるので、その測定限界濃度Aは、30nm金コロイド試験片と40nm金コロイド試験片の各々の測定限界濃度D、Eの中間点になると予想される。しかし実際の測定限界濃度Aは40nm金コロイド試験片の測定限界濃度Bを大きく下回っており、低濃度側へと測定範囲が広がっている。
第3に、混合金コロイド試験片2Aについては、20nm金コロイド標識抗体と30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体との1:1の混合溶液を固定化してあるので、30nm金コロイド試験片での測定限界濃度Dの付近であると予想される。しかし実際の測定限界濃度Cは濃度D付近ではなく、より低濃度側、つまり40nm金コロイド試験片の測定限界濃度Bに近くなっている。
金コロイド調製法として、上述した塩化金酸とクエン酸とを用いる方法が、粒径の制御が容易であるため従来から一般に広く使用されているのであるが、粒度分布の制御を行うことは容易ではない。第1の結果はこのことに起因していると推測される。
第2、第3の結果は、本発明にかかる混合金コロイド試験片1A,2Aによれば、理論上は同じ平均粒径を持った金コロイド標識抗体を用いる場合よりもCRP濃度−吸光度曲線を低濃度側にシフトさせて、測定範囲を低濃度側に広げることが可能であることを示している。
(実施例2)
上述の図2のイムノクロマトグラフィ試験片を以下のようにして製造した。展開層2にニトロセルロースを主材とする膜を用い、標識試薬部4に抗CRP抗体Bと金コロイドとの複合体を用い、試薬固定化部5に抗CRP抗体Aを用い、試薬固定化部10に抗CRP抗体Aよりも親和力が低い抗CRP抗体Cを用い、試薬固定化部11に抗CRP抗体Cよりも親和力が低い抗CRP抗体Dを用いている。
上述の図2のイムノクロマトグラフィ試験片を以下のようにして製造した。展開層2にニトロセルロースを主材とする膜を用い、標識試薬部4に抗CRP抗体Bと金コロイドとの複合体を用い、試薬固定化部5に抗CRP抗体Aを用い、試薬固定化部10に抗CRP抗体Aよりも親和力が低い抗CRP抗体Cを用い、試薬固定化部11に抗CRP抗体Cよりも親和力が低い抗CRP抗体Dを用いている。
a)抗体固定化ニトロセルロース膜の調製
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗CRP抗体A溶液を準備し、この抗体溶液を溶液吐出装置にてニトロセルロース膜上に塗布して抗CRP抗体Aの固定化ラインを設けた。同様にして、それより2mm下流側に抗CRP抗体Cの固定化ライン、更にそれより2mm下流に抗CRP抗体Dの固定化ラインを設けた。
リン酸緩衝溶液にて希釈して濃度調整をした抗CRP抗体A溶液を準備し、この抗体溶液を溶液吐出装置にてニトロセルロース膜上に塗布して抗CRP抗体Aの固定化ラインを設けた。同様にして、それより2mm下流側に抗CRP抗体Cの固定化ライン、更にそれより2mm下流に抗CRP抗体Dの固定化ラインを設けた。
このニトロセルロース膜を乾燥後、1%スキムミルクを含有するTris−HCl緩衝溶液中に浸漬して30分間緩やかに振った。30分後に、膜をTris−HCl緩衝溶液中に移し、10分間緩やかに振り、別のTris−HCl緩衝溶液中にて更に10分間緩やかに振ることで、洗浄した。この膜を0.05%スクロースモノラウレートを含んだTris−HCl緩衝液中にて10分間穏やかに振ることで、界面活性剤処理した。界面活性剤処理を終えた膜を取り出し、室温で乾燥させた。
b)金コロイド標識抗体の塗布
実施例1で調製した20nm金コロイド標識抗体、30nm金コロイド標識抗体、40nm金コロイド標識抗体、混合金コロイド標識抗体I、混合金コロイド標識抗体IIの溶液をそれぞれ溶液吐出装置にセットし、上述のニトロセルロース膜にその試薬固定化部よりも被検査液導入部寄りとなるように塗布し、塗布後のニトロセルロース膜を真空凍結乾燥させた。これにより、試薬固定化部と標識試薬部とを持った5種類の展開層を得た。
実施例1で調製した20nm金コロイド標識抗体、30nm金コロイド標識抗体、40nm金コロイド標識抗体、混合金コロイド標識抗体I、混合金コロイド標識抗体IIの溶液をそれぞれ溶液吐出装置にセットし、上述のニトロセルロース膜にその試薬固定化部よりも被検査液導入部寄りとなるように塗布し、塗布後のニトロセルロース膜を真空凍結乾燥させた。これにより、試薬固定化部と標識試薬部とを持った5種類の展開層を得た。
c)組立て
上述の5種類の展開層を用いて、実施例1と同様にして、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、本発明にかかる混合金コロイド標識抗体試験片1Aおよび混合金コロイド標識抗体試験片2Aを組み立てた。
[試験例2]
a)試料および測定
実施例1で調製した、CRP濃度が0.03mg/dl、0.06mg/dl、0.1mg/dl、0.3mg/dl、0.6mg/dl、1.0mg/dl、3.0mg/dl、6.0mg/dl、10.0mg/dlである血液試料を用いた。各血液試料のCRP濃度は、ラテックス免疫凝集法を用いた市販装置(7020型生化学自動分析装置 日立製作所製)及び試薬を用いて確認した。
上述の5種類の展開層を用いて、実施例1と同様にして、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、本発明にかかる混合金コロイド標識抗体試験片1Aおよび混合金コロイド標識抗体試験片2Aを組み立てた。
[試験例2]
a)試料および測定
実施例1で調製した、CRP濃度が0.03mg/dl、0.06mg/dl、0.1mg/dl、0.3mg/dl、0.6mg/dl、1.0mg/dl、3.0mg/dl、6.0mg/dl、10.0mg/dlである血液試料を用いた。各血液試料のCRP濃度は、ラテックス免疫凝集法を用いた市販装置(7020型生化学自動分析装置 日立製作所製)及び試薬を用いて確認した。
実施例1と同様にして、上述の5種類のイムノクロマトグラフィ試験片、すなわち、20nm金コロイド標識抗体試験片、30nm金コロイド標識抗体試験片、40nm金コロイド標識抗体試験片、混合金コロイド標識抗体試験片1A、及び混合金コロイド標識抗体試験片2Aの各々の試料導入部に、各濃度の血液試料5μLを添加し、添加から5分後に試薬固定化部の呈色状況を反射吸光度測定器(CS9300 島津製作所製)を用いて635nmの反射吸光度を測定して調べた。測定は各濃度あたり5回行い、平均値をとった。
b)結果
図6は測定結果を示す。横軸はCRP濃度を対数で示しており、縦軸は吸光度を対数で示している。図6(a)は20nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(b)は30nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(c)は40nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(d)は混合金コロイド標識抗体試験片1Aで得られた結果、図6(e)は混合金コロイド標識抗体試験片2Aで得られた結果を示している。図6(a)〜(e)において、黒丸プロットは試薬固定化部I(図2での5)から得られた結果、黒三角プロットは前記試薬固定化部II(図2での10)、黒四角プロットは試薬固定化部III(図2での11)から得られた結果を示している。各試験片において、実施例1の試験片、つまり試薬固定化部が1箇所である試験片よりも、測定範囲が大幅に広がっている。
図6は測定結果を示す。横軸はCRP濃度を対数で示しており、縦軸は吸光度を対数で示している。図6(a)は20nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(b)は30nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(c)は40nm金コロイド標識抗体試験片で得られた結果、図6(d)は混合金コロイド標識抗体試験片1Aで得られた結果、図6(e)は混合金コロイド標識抗体試験片2Aで得られた結果を示している。図6(a)〜(e)において、黒丸プロットは試薬固定化部I(図2での5)から得られた結果、黒三角プロットは前記試薬固定化部II(図2での10)、黒四角プロットは試薬固定化部III(図2での11)から得られた結果を示している。各試験片において、実施例1の試験片、つまり試薬固定化部が1箇所である試験片よりも、測定範囲が大幅に広がっている。
図6(a)〜(e)の測定結果を図7(a)〜(e)に概略的に示す。図7から明らかなように、各試験片は、試薬固定化部Iと試薬固定化部II、試薬固定化部IIIとで異なるCRPレスポンスを示している。図7(a)〜(e)において、低濃度側の測定限界濃度(3箇所の試薬固定化部における最小の測定限界濃度)をA(A1、A2、A3、A4及びA5)と表した。高濃度側の測定限界濃度(3箇所の試薬固定化部のCRP濃度−吸光度曲線につき、直線回帰可能な限界濃度の最大値)をB(B1、B2、B3、B4及びB5)と表した。各試験片において、濃度A〜Bの範囲が測定範囲となる。
図7(a)〜(e)から明らかなように、各試験片によって測定範囲が相違している。この測定範囲の相違は、実施例1でも説明したように、低濃度側の測定範囲の相違によるものが大きい。40nm金コロイド標識抗体試験片および混合金コロイド標識抗体試験片1Aの試薬固定部IIIのシグナルは、CRP濃度−吸光度が相関性のある曲線形状を示さず、高濃度側は試薬固定化部IIでの測定限界をとったため、測定範囲3および測定範囲4がその他の測定範囲より狭まった結果となった。
図8に、図7(a)〜(e)で得られた測定範囲1〜5を黒塗りのバーとして並べて示す。横軸はCRP濃度を示している。横軸に記載されたA1〜A5、B1〜B5は、図7と同意義を有している。測定範囲3及び測定範囲4は上述した理由で狭まっている。測定範囲1、測定範囲2、測定範囲5は、高濃度側の測定限界濃度はほぼ近似しているが、低濃度側の測定限界濃度は異なっている。
混合金コロイド標識抗体試験片1Aは、20nm金コロイド標識抗体試験片及び30nm金コロイド標識抗体試験片に比べて低濃度側に大幅に測定範囲を広げることができたが、高濃度側の測定限界を犠牲する結果となった。これに対し、混合金コロイド標識抗体試験片2Aは、高濃度側の測定限界を犠牲にすることなく、低濃度側の測定限界を広げることができた。
実施例1、実施例2の結果によれば、30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを1:1で混合した本発明の混合金コロイド標識抗体試験片1Aによれば低濃度側の測定範囲が広がり;20nm金コロイド標識抗体と30nm金コロイド標識抗体と40nm金コロイド標識抗体とを1:1:1で混合した混合金コロイド標識抗体試験片2Aによれば低濃度側でも高濃度側でも測定範囲が広がり;いずれの試験片1A,2Aでも、20nm、30nm、40nmの金コロイド標識抗体から得られる測定範囲以上の測定範囲が得られる。また、いずれの混合金コロイド標識抗体を用いた試験片1A,2Aでの測定範囲も、20nm、30nm、40nmの金コロイド標識抗体で得られる測定範囲から平均的もしくは比例的に広がるのでなく、不均一に大きく広がる。これらの結果は、本発明の混合金コロイド標識抗体試験片1A,2Aのように、粒径の異なる金コロイド粒子群で構成した金コロイド標識抗体を混合することによって、より自由に測定範囲を設定可能となることを示している。
以上の実施例1、実施例2は例示であって、20nm金コロイド標識抗体、30nm金コロイド標識抗体、40nm金コロイド標識抗体の混合比率は任意であり、混合比率を適宜に変更することで、各種の被検査物質に応じた測定範囲の設定が可能となる。また粒径が20nm、30nm、40nmの粒子に限らず、1〜100nmの範囲の粒子を用いて測定範囲の設定が可能である。
金コロイドの粒度分布は動的光散乱法を用いて測定したが、これに限られるものではなく、レーザー回析法、静的光散乱法などの光散乱法や、顕微鏡での測定、ふるいわけ法や比重天秤法、光透過法などの沈降法などほかの測定法を採用しても問題はない。標識試薬を構成する標識物としても、金コロイドに限られるものではなく、他の金属コロイド、合金、ラテックス粒子などの着色重合体ビーズ、重合染料粒子など、不溶性粒状マーカーであれば何でもよい。
測定目的に応じてより多数の試薬固定化部を設けること、また使用する抗体の親和力により各試薬固定化部の関係を変更するなど、必要に応じて変更可能であることは言うまでもない。測定に用いたシグナルは、試薬固定化部における、結合した標識試薬からの信号であり、その必要性により、目視で判定することも可能であるが、より正確に測定するためには、上述した吸光度測定器など任意の検出器を用いることが好ましい。
標識試薬部も必ずしも一箇所である必要はなく、複数の試薬固定化部と複数の標識試薬部の組合せにより構成することもできる。例えば複数の試薬固定化部で各々の上流側に標識試薬部を配した構成を取ることも可能である。製造上の工法は複雑になるが、任意の位置に任意の数で設置できる。
バイオセンサ(イムノクロマトグラフ試験片)は、ニトロセルロース膜上に標識試薬部と試薬固定化部とを設けた上述の構成に限られず、ニトロセルロースとは異なる材料、例えば不織布のような多孔質性担体に標識試薬を担持したものを支持体上に配しても何ら問題はない。
被検査液としては、例えば、水や、尿、血液、血漿、血清、唾液などの体液、固体及び粉体や気体を溶かした(水)溶液などがあり、尿検査、血液検査、便検査、水質検査や土壌分析などの環境分析、食品分析などに本発明のバイオセンサを利用可能である。
被検物質としてC反応性タンパク質(CRP)を例示したが、そのほかに、抗体、免疫グロブリン、ホルモン、酵素及びペプチドなどのタンパク質及びタンパク質誘導体や、細菌、ウイルス、真菌類、マイコプラズマ、寄生虫ならびにそれらの産物及び成分などの感染性物質、治療薬及び乱用薬物などの薬物及び腫瘍マーカーが挙げられる。具体例は、絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体ホルモン(LH)、甲状腺刺激ホルモン、濾胞形成ホルモン、副甲状腺刺激ホルモン、副腎脂質刺激ホルモン、エストラジオール、前立腺特異抗原、B型肝炎表面抗原、ミオグロビン、CRP、心筋トロポニン、HbA1c、アルブミン等である。
いずれにしても、バイオセンサを上述した構成とすることにより、高感度・高性能で、被検査物質の濃度の測定範囲が十分に広くなり、簡便かつ迅速に測定を実施することができ、製造も容易となる。
本発明にかかるバイオセンサは、臨床分野等の医療診断現場に限らず、食品衛生関連分野、環境計測分野などの様々な分野において、簡易、正確、かつ迅速な測定を行うものとして利用可能である。
1 微細空間
2 展開層
3 開放部
4 標識試薬
5 試薬固定化部
6 液体不透過性シート材
7 基板
8 微細空間形成材
9 細胞収縮試薬
10 試薬固定化部
11 試薬固定化部
2 展開層
3 開放部
4 標識試薬
5 試薬固定化部
6 液体不透過性シート材
7 基板
8 微細空間形成材
9 細胞収縮試薬
10 試薬固定化部
11 試薬固定化部
Claims (9)
- 被検査液を展開する展開層に、前記被検査液中の検査対象物質を標識する標識試薬を保持した標識試薬部と、前記検査対象物質を固定化するための固定化試薬を保持した固定化試薬部とが少なくとも設けられたバイオセンサにおいて、
前記標識試薬は不溶性粒状マーカーを含んでおり、前記不溶性粒状マーカーは、別途に作成され粒度分布の異なる少なくとも2つの粒子群が混合されてなることを特徴とするバイオセンサ。 - 不溶性粒状マーカーの各粒子群における粒度分布の主ピークが平均粒径1から100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
- 不溶性粒状マーカーは、検査対象物質に対して特定の親和性を持った特異的タンパク質を標識して複合体を形成していることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
- 特異的タンパク質は免疫反応に関与する物質であることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ。
- 免疫反応が抗原抗体反応であることを特徴とする請求項4記載のバイオセンサ。
- 不溶性粒状マーカーが金属コロイドであることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載のバイオセンサ。
- 金属コロイドが金コロイドであることを特徴とする請求項6記載のバイオセンサ。
- 展開層が単層または複数層の多孔性担体からなることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
- イムノクロマトグラフィ試験片であることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
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| JP2008195555A JP2010032396A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | バイオセンサ |
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| JP (1) | JP2010032396A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012013668A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Aisin Seiki Co Ltd | コロイド剤およびイムノクロマトグラフキット |
| WO2013002403A1 (ja) | 2011-06-30 | 2013-01-03 | 積水メディカル株式会社 | 免疫学的測定方法に用いられるコンジュゲート |
| CN106290863A (zh) * | 2016-08-11 | 2017-01-04 | 王勇 | 一种人类丙肝病毒(hcv)唾液/尿液抗体胶体金检测试剂盒及其制备方法 |
| WO2023276034A1 (ja) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 柴田科学株式会社 | 検体検査装置及び検体検査方法 |
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| CN115902199A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-04-04 | 圣湘生物科技股份有限公司 | 一种胶体金标记的处理方法及其应用 |
-
2008
- 2008-07-30 JP JP2008195555A patent/JP2010032396A/ja active Pending
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