JP2010028934A - 受電制御装置、受電装置および無接点電力伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 無接点電力伝送システムにおいて、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に過度の負担を与えることなく、送電装置が、確実に、異物挿入を検出できるようにする。
【解決手段】 受電制御回路52は、通常送電期間中において、1次コイルの駆動クロックDRCKをタイミングの基準として用いて、負荷変調部46を制御することによって、010のパターンを含む定期認証データを送電装置に送信させる。定期認証データの1ビットの期間は、例えば1次コイルの駆動クロック16個に相当する期間とし、通信パケットの1ビットの期間は、例えば、1次コイルの駆動クロックの32個に相当する期間とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 受電制御回路52は、通常送電期間中において、1次コイルの駆動クロックDRCKをタイミングの基準として用いて、負荷変調部46を制御することによって、010のパターンを含む定期認証データを送電装置に送信させる。定期認証データの1ビットの期間は、例えば1次コイルの駆動クロック16個に相当する期間とし、通信パケットの1ビットの期間は、例えば、1次コイルの駆動クロックの32個に相当する期間とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、受電制御装置、受電装置、無接点電力伝送システム等に関する。
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている。この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話機や家庭用機器(例えば電話機の子機)の充電などが提案されている。
1次コイルと2次コイルを用いた無接点電力伝送装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載される無接点電力伝送システムでは、送電装置から受電装置に、周波数変調によってデータを送信することができる。また、受電装置から送電装置に、負荷変調によってデータを送信することができる。
特許文献1に記載される受電装置は、可変負荷部(負荷変調部)を有しており、可変負荷部(負荷変調部)に設けられる負荷変調のためのMOSトランジスタをオン/オフし、これによって、2次コイルおよび1次コイルを経由して、送電装置にデータを送信する。
MOSトランジスタのオン/オフによって受電装置の負荷状態が変化すると、例えば、1次コイルのコイル端の電圧振幅が増減する。よって、送電装置は、1次コイルのコイル端電圧をモニタし、例えば、コイル端電圧の振幅としきい値とを比較することによって、受電装置から送られてくるデータの“0”,“1”を区別することができる。
特開2006−60909号公報
送電装置が受電装置に対して通常送電を開始した後、1次コイルと2次コイルとの間に、例えば、導電性異物(例えば、大面積の薄い金属板)が挿入されると、送電電力のほとんどが導電性異物において消費される。このため、送電装置がその導電性異物を負荷とみなして通常送電を継続する状態(乗っ取り状態)が生じる。乗っ取り状態が生じると、導電性異物が発熱するため、安全上、好ましくない。
従来の無接点電力伝送システムでは、送電装置は、乗っ取り状態を正確に検出することができない。よって、効果的な対策が求められる。
乗っ取り状態の検出は、通常送電期間中に実行される必要がある。よって、乗っ取り状態の検出に際しては、通常送電を阻害しないように、かつ、送電装置や受電装置に過度の負担がかからないように、十分に配慮する必要がある。
また、送電装置が、乗っ取り状態を確実に検出できることが重要である。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものである。本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に過度の負担を与えることなく、送電装置が、確実に、異物挿入(特に乗っ取り状態)を検出することができる。
(1)本発明の受電制御装置の一態様では、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、また、送電期間中において、前記受電装置に含まれる負荷変調部が受電装置の負荷を変調することによって、負荷変調信号を前記送電装置に送信する無接点電力伝送システムにおける、前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、前記受電装置の動作を制御する受電制御回路を含み、前記受電制御回路は、前記送電期間中において、前記負荷変調部を制御することによって、定期的な前記受電装置の負荷の変調を実行させ、これによって、010のパターンを含む定期認証データを前記送電装置に送信させる。
通常送電期間において、受電制御装置は、受電装置に設けられている負荷変調部を制御し、負荷変調信号を、定期的(周期的)に送電装置に向けて送信させる。1次コイルと2次コイルとの間に異物(導電性異物)が挿入されると、その異物によって通信が遮断されるため、送電装置は、定期的に受電装置から送信される負荷変調信号を受信することができない。したがって、送電装置は、定期的に受電装置から送信される負荷変調信号を受信できれば、異物の挿入は無いと判断して通常送電を実行することができ、受信できなければ、異物が挿入されたと判断して、例えば、通常送電を停止する等の対策を採ることができる。
受電装置が定期的に送信する負荷変調信号は、010(あるいは101)のデータパターンを含む。この定期的に送信される負荷変調信号は、1次コイルと2次コイルとの間に挿入される異物(導電性異物)を検出するための通信信号(通信データ)である。本明細書では、異物検出のための、010(あるいは101)のデータパターンをもつ通信信号を、「定期認証データ」という場合がある。定期認証データの、受電側から送電側への送信は、例えば、1秒毎に行うことができる。
定期認証データは、010(あるいは101)のデータパターンを含む。例えば、受電装置の負荷が重い状態(負荷電流が多い状態)に「1」が対応し、受電装置の負荷が軽い状態(負荷電流が少ないあるいは負荷電流がゼロである状態)に「0」を対応させる。この逆であってもよい。010のパターンと101のパターンは等価である。
定期認証データは、例えば、「010(あるいは101)」の単独パターン(孤立パターン)で構成することができ、また、「010(あるいは101)」をk回(kは2以上の整数)繰り返すパターンであってもよい。例えば、k=2のとき、「01010」あるいは「010010」のパターンを採用することもできる。
また、定期認証データのパターンとしては、010(あるいは101)のパターンを応用したパターンを採用することができる。例えば、「0101000010」というような、特殊なパターンを採用することもできる。
無接点電力伝送システムの受電装置は、本来、通常送電中に負荷変調による通信を行うことができる。本態様では、この通信機能を、異物検出のために利用する。よって、特別な回路を追加することもなく、実現が容易であり、コスト上昇の問題も生じない。
よって、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に負担を与えることなく、送電装置が、確実に異物を検出することができる。よって、乗っ取り状態が生じたときは、送電装置は、通常送電を停止する(あるいは通常送電のパワーを低パワーにする)等の対策を確実に採ることができ、無接点電力伝送システムの信頼性が向上する。
(2)本発明の受電制御装置の他の態様では、前記定期認証データは、010または101の単独のパターンで構成される。
本態様では、定期認証データのパターンとして、最も単純なパターンを採用する。送電装置による定期認証データの検出処理を簡単化するためには、定期認証データはできるだけシンプルなパターンであることが望ましい。
定期認証データは、2次コイルならびに1次コイルを経由して受電装置から送電装置に送信されるため、定期認証データが送電装置により正確に受信可能となるまでには、ある程度の待ち時間(遅延時間)が必要となる。また、1次コイルのコイル端の電圧は歪んだ波形となるため、送電装置は、慎重に定期認証データを検出する必要がある。
定期認証データが長い場合や複雑な場合は、送電装置における、定期認証データの検出負担が増え、また、検出までの時間が長くなる傾向がある。
そこで、本態様では、定期認証データのパターンとして、010または101の単独(孤立)パターンを採用する。つまり、定期認証が実行される期間では、010が1回だけ受電側から送電側に送信される。定期認証データのパターンがシンプル化されているため、送電装置における定期認証データの検出処理が容易であり、定期認証データの検出に要する時間も最短の時間とすることができる。
(3)本発明の受電制御装置の他の態様では、前記受電側制御回路は、前記2次コイルのコイル端電圧またはコイル電流に基づいて再生される前記1次コイルの駆動クロックをタイミングの基準として用いて、前記負荷変調部に含まれる負荷変調スイッチをオン/オフする。
送電装置による定期認証データの検出処理は、例えば、1秒ごとに実行される。送電装置が、定期認証データを受信するタイミングを予測することができれば、定期認証データの受信処理が容易化され、また、検出された定期認証データの信頼性も高くなる。
そこで、本態様では、受電制御装置は、1次コイルの駆動クロック(送電側で用いられる、1次コイルの駆動信号)をタイミングの基準として用いて、負荷変調スイッチをオン/オフ制御する。
すなわち、1次コイルが駆動クロックによって交流駆動されると、2次コイルのコイル端電圧(コイル電流)も、1次コイルの駆動クロックに同期して変動する。したがって、受電側において、2次コイルのコイル端電圧(コイル電流)に基づいて、1次コイルの駆動クロックを再生することができる。受電制御装置は、この再生された1次コイルの駆動クロックに基づいて(つまり、その駆動クロックに同期して、あるいは、その駆動クロックに基づいて生成されるクロックに同期して)、負荷変調スイッチをオン/オフ制御する。これにより、1次コイルの駆動クロックに基づいて決定されるタイミングで、定期認証データが受電側から送電側に送信される。
定期認証データは、ある程度の遅延時間経過後において送電側にて検出されるが、その遅延時間は予測することができる。また、送電装置にとって、1次コイルの駆動クロックのタイミング(例えば、ポジティブエッジのタイミング)は既知である。よって、送電側は、1次コイルの駆動クロックのタイミングに基づいて、定期認証データが受信されるタイミングを予測することが可能である。
よって、送電装置における定期認証データの受信処理が容易化され、また、検出された定期認証データの信頼性も高くなる。また、受電側と送電側との間で通信の同期をとるために、特別な制御信号を用いる必要がなく、実現が容易である。
(4)本発明の受電制御装置の他の態様では、前記受電側制御回路は、前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して前記定期認証データを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のp倍(pは1以上の整数)の時間に設定し、また、前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して通信パケットを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のq倍(qは1以上の整数であり、かつ、p≠q)に設定する。
通常送電期間中において、受電側から送電側に通信パケットが送信される場合がある。例えば、給電対象の負荷の充電状態を示す情報を、受電側から送電側に不定期に送信する場合がある。したがって、定期認証期間と通信パケットの送信期間とが重なる場合もあり得る。
よって、送電装置は、受信したデータが、通信パケットであるか定期認証データであるかを区別する必要がある。例えば、受信したデータが010である場合、その010のデータが通信パケットであるのか、定期認証データであるのかを、送電側で区別できることが重要である。
そこで、本態様では、1ビットの期間(1ビット長)を変えることによって、送電側が、定期認証データと通信パケットを区別できるようにする。つまり、定期認証データに関しては、1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のp倍(pは1以上の整数)の時間に設定する。また、通信パケットに関しては、1ビットの“0”または“1”の期間を、1次コイルの駆動クロックの1周期のq倍(qは1以上の整数であり、かつ、p≠q)に設定する。
送電側では、ビット同期を確立してデータを受信すると、1ビットの期間が、1次コイルの駆動クロックの周期のp倍の期間継続するか、q倍の期間継続するかを検出する。これによって、送信側は、受信したデータが通信パケットであるのか、あるいは定期認証データであるのかを区別することができる。
(5)本発明の受電制御装置の他の態様では、前記受電側制御回路は、前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して通信パケットを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のq倍(q=β×p、βは2以上の整数)に設定する。
本態様では、送信パケットの1ビット期間を、定期認証データの1ビット期間のβ倍(βは2以上の整数)に設定する。送信側では、定期認証データの1ビット期間を1単位時間とし、1ビットが、その単位時間だけ継続するか、あるいは、その単位時間のβ倍の期間だけ継続するかを検出する。これによって、送電側は、定期認証データと通信パケットを区別できる。送電側では、定期認証データの1ビット期間を1単位時間として受信処理を行うことができるため、データの受信処理が簡単化される。
(6)本発明の受電制御装置の他の態様では、p=16、q=32(したがってβ=2)である。
1ビットの期間をあまり長くすると、1ビットの受信データを確定するために要する時間が長くなる。そこで、本態様では、β=2に設定する。
(7)本発明の受電制御装置の他の態様では、前記受電制御回路は、前記定期的な負荷変調を実行させる場合、まず、給電対象の負荷への給電を一時的に軽減あるいは停止させ、前記給電対象の負荷への給電が一時的に軽減あるいは停止されている期間において、前記負荷変調部を制御することによって定期的な前記受電装置の負荷の変調を実行させる。
給電対象の負荷(例えば2次電池等のバッテリ)に供給する電流が多い状態において、受電側が負荷変調を実行した場合、負荷変調によって変化する電流量が、給電対象の負荷に供給されている電流量に対して小さいために、送電側が、負荷変調信号を検出することが困難となる場合がある。
そこで、本態様では、受電側が負荷変調を実行する際、受電制御装置は、例えば、給電経路に設けられた電力制御スイッチを制御して、給電対象の負荷への給電を一時的に軽減(給電電流を少なくすること)あるいは停止させる。これによって、給電対象の負荷の状態に関係なく、送電側は、負荷変調信号を、常に確実に検出することができる。よって、無接点電力伝送システムの信頼性が、さらに向上する。
(8)本発明の受電装置の一態様は、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して送電装置から伝送される電力を受け、かつ、受電期間中に、負荷変調信号を前記送電装置に送信する受電装置であって、前記2次コイルと、整流回路を含む受電部と、前記受電装置の負荷を変調して前記負荷変調信号を生成する負荷変調部と、給電対象への負荷への給電を制御する給電制御部と、上記いずれかに記載の受電制御装置と、を含む。
これによって、確実な異物検出を可能とする、信頼性が高い受電装置が実現される。
(9)本発明の無接点電力伝送システムの一態様は、1次コイルと、2次コイルと、前記1次コイルを駆動して電力を伝送する送電部と、送電部の動作を制御する送電制御装置と、を有する送電装置と、上記の受電装置と、を含む。
これによって、異物を確実に検出可能であり、かつ、安全性ならびに信頼性が高い無接点電力伝送システムが実現される。
(10)本発明の無接点電力伝送システムの一態様では、送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信に失敗した場合に、前記受電装置への送電を停止し、あるいは送電パワーを低減する。
通常送電期間において、定期的に異物検出を行い、異物が検出されると送電が停止され、あるいは送電パワーが低減される。これにより、導電性異物の発熱等の問題が生じず、無接点電力伝送システムの信頼性が格段に向上する。
なお、異物が検出されたときの対策としては、送電停止と送電パワーの低減のいずれを実行することもできる。但し、送電を停止することによって、異物の発熱の問題は完全に解消される。2次電池の充電よりも、無接点電力伝送システムの信頼性の確保を優先させるのであれば、送電を停止するという対策を採る方が好ましい。
(11)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信に、n回(nは2以上の整数)連続して失敗した場合に、前記受電装置への送電を停止し、あるいは、送電パワーを低減する。
受電側から送電側に定期認証データを送信しているときに、例えば偶発的にノイズが発生し、送電側で、定期認証データを受信できない事態が生じ得る。
したがって、本態様では、送電側は、n回(nは2以上の整数)連続で定期認証データの受信に失敗したときに、受電装置への通常送電を停止し、あるいは、通常送電のパワーを軽減する。これによって、異物が挿入されていないにもかかわらず、誤って、通常送電が停止される等の不都合が生じない。
(12)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、n=3である。
nの値が大き過ぎると、迅速な異物対策が実行できない。一方、n=2の場合、例えば、ノイズが発生し易い状態が継続していて、2回連続で、正確な受信ができない事態も生じ得る。そこで、本態様では、n=3に設定する。送電装置側の受信処理は、例えば、1秒間隔で実行される。ノイズが多い状態がある程度の時間、継続したとしても、そのノイズが原因で、例えば1秒間隔で実行される負荷変調信号の受信に3回連続で失敗する確率は低いと考えられる。すなわち、3回連続して定期負荷変調信号の受信に失敗する事態が生じたときは、1次コイルと2次コイルとの間に導電性異物が挿入された可能性が高いと判断することができる。したがって、異物挿入の正確な検出と、迅速な検出と、を両立することができる。
(13)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信処理をX回(Xは2以上の整数)実行し、その結果、前記負荷変調信号の受信にY回(Yは、1≦Y≦Xを満足する整数)失敗すると、前記受電装置への送電を停止し、あるいは送電パワーを低減する。
本態様では、所与の受信処理回数に対する受信失敗回数が所与の値に達すると、送電装置は、異物が挿入されたものと判断して、送電の停止あるいは送電パワーの低減を実行する。例えば、送電装置は、定期負荷変調信号の受信処理を10回実行する。この一連の10回の受信処理中、例えば5回、受信に失敗したとき、送電装置は、送電の停止や送電パワーの低減を実行する。
例えば、1次側と2次側の相対的な位置関係に起因して、1次側が、定期負荷変調信号を検出しにくくなる場合があり得る。このような場合、受信の失敗が、異物によるものなのか、あるいは、1次側と2次側の相対的な位置関係によるものなのかの判定がむずかしい場合もあり得る。しかし、判定対象の受信処理回数をある程度、増やせば、受信失敗の原因を区別できる確率が高まり、異物検出の精度が向上する。よって、本態様によれば、信頼性の高い異物検出が実現される。
このように、本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に過度の負担を与えることなく、送電装置が、確実に、異物挿入(特に乗っ取り状態)を検出することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、無接点電力伝送システムの構成例と主要な動作、定期認証、定期認証データと通信パケットとを区別するためのデータ構成等について説明する。
本実施形態では、無接点電力伝送システムの構成例と主要な動作、定期認証、定期認証データと通信パケットとを区別するためのデータ構成等について説明する。
(電子機器の構成)
図1(A)〜図1(C)は、無接点電力伝送システムの一例の構成を示す図である。図1(A)に本実施形態の無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例を示す。電子機器の1つである充電器500(クレードル)は送電装置10を有する。また電子機器の1つである携帯電話機510は受電装置40を有する。また携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
図1(A)〜図1(C)は、無接点電力伝送システムの一例の構成を示す図である。図1(A)に本実施形態の無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例を示す。電子機器の1つである充電器500(クレードル)は送電装置10を有する。また電子機器の1つである携帯電話機510は受電装置40を有する。また携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
充電器500にはACアダプタ502を介して電力が供給され、この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40に送電される。これにより、携帯電話機510のバッテリを充電したり、携帯電話機510内のデバイスを動作させたりすることができる。
なお、本実施形態が適用される電子機器は携帯電話機510に限定されない。例えば腕時計、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピュータ、ハンディターミナル、携帯情報端末、電動自転車、或いはICカードなどの種々の電子機器に適用できる。
図1(B)に模式的に示すように、送電装置10から受電装置40への電力伝送は、送電装置10側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電装置40側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
なお、図1(B)では1次コイルL1、2次コイルL2は、平面上でスパイラル状にコイル線を巻くことで形成された例えば空芯の平面コイルになっている。しかしながら、本実施形態のコイルはこれに限定されず、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて電力を伝送できるものであれば、その形状・構造等は問わない。
例えば図1(C)では、磁性体コアに対してX軸回りでコイル線をスパイラル状に巻くことで1次コイルL1が形成されている。携帯電話機510に設けられた2次コイルL2も同様である。図1(C)のようなコイルにも本実施形態は適用可能である。なお図1(C)の場合に、1次コイルL1や2次コイルL2として、X軸回りにコイル線を巻いたコイルに加えて、Y軸周りにコイル線を巻いたコイルを組み合わせてもよい。
(無接点電力伝送システムの構成の一例)
図2は、無接点電力伝送システムの構成の一例を示す図である。送電装置10は、1次コイルL1と、送電部12と、送電制御装置(送電制御IC)20と、を有する。送電制御装置20は、波形モニタ回路14と、波形検出回路28と、送電装置の動作を制御する送電側制御回路22と、ドライバ制御回路26と、を有する。
図2は、無接点電力伝送システムの構成の一例を示す図である。送電装置10は、1次コイルL1と、送電部12と、送電制御装置(送電制御IC)20と、を有する。送電制御装置20は、波形モニタ回路14と、波形検出回路28と、送電装置の動作を制御する送電側制御回路22と、ドライバ制御回路26と、を有する。
また、受電装置40は、2次コイルL2と、受電部42と、負荷変調部46と、給電制御部48と、受電制御装置(受電制御IC)50と、を有する。
受電部42は、整流回路43と、平滑コンデンサCB1と、分圧抵抗RB4およびRB5と、を有する。
負荷変調部46は、負荷変調トランジスタ(負荷変調スイッチ)M1と、電流制限用の抵抗RB3と、を有する。負荷変調トランジスタ(負荷変調スイッチ)M1のオン/オフは、受電側制御回路52から出力される負荷変調信号P3Qによって制御される。
給電制御部48は、レギュレータ(LDO)49と、給電制御トランジスタM2と、バイアス抵抗RU2と、を有する。
受電制御装置(受電制御IC)50は受電側制御回路52を有する。受電側制御回路52は、受電装置40の動作を制御する。
受電側制御回路52には、2次コイルL2のコイル端電圧を、分圧抵抗RB1およびRB2によって分圧して得られる電圧が供給される。また、受電側制御回路52には、整流電圧VDCを、分圧抵抗RB4およびRB5によって分圧して得られる電圧VD4が供給される。
また、受電側制御回路52は、監視線LP1を経由して、レギュレータ(LDO)49の出力ノードの電圧VD5を監視する。また、受電側制御回路52は、制御線LP3に負荷変調信号P3Qを出力し、これによって、負荷変調トランジスタ(負荷変調スイッチ)M1のオン/オフを制御する。
また、受電側制御回路52は、端子TA3および端子TA4を経由して、充電装置90に電力供給制御信号(ICUTX)を供給する。電力供給制御信号(ICUTX)がアクティブエベル(Hレベル)になると、給電対象の負荷(2次電池)94への給電が一時的に停止される。あるいは、給電対象の負荷(2次電池)94への給電電流を一時的に低減することもできる。
充電装置(チャージャ)90は、給電対象の負荷(ここでは2次電池94)への充電を管理する。充電装置90は、電力供給制御トランジスタ(電力供給制御スイッチ)M3と、プルダウン抵抗R16と、充電制御装置(充電制御IC)92と、給電制御トランジスタM5と、電流センス抵抗R15と、を有する。
受電側制御回路52が出力する電力供給制御信号(ICUTX)が非アクティブレベル(Lレベル)のとき、電力供給制御トランジスタ(電力供給制御スイッチ)M3はオン状態であり、給電対象の負荷94への給電が可能である。電力供給制御信号(ICUTX)がアクティブレベル(Hレベル)のとき、電力供給制御トランジスタ(電力供給制御スイッチ)M3はオフ状態となり、給電対象の負荷94への給電が一時的に停止され、あるいは、給電電流が低減される。
受電装置40は、通常送電(2次側機器の認証後の連続送電)中に負荷変調を行い、送電装置10に対して、異物検出のための定期認証データPT1を定期的(周期的)に送信する。送電制御装置20に含まれる送電側制御回路22は、通常送電中に受電装置40側から送信される負荷変調信号PT1を検出する。送電側制御回路22は、負荷変調信号PT1を検出できないとき、異物ARが挿入されたと判定して、通常送電を停止する(あるいは、通常送電のパワーを低下させることもできる)。
(送電装置と受電装置との間の通信方式と定期認証)
図3(A),図3(B)は送電装置と受電装置との間のデータ通信について説明するための図である。
図3(A),図3(B)は送電装置と受電装置との間のデータ通信について説明するための図である。
図3(A)に示すように、送電装置は、送電側制御回路22を内蔵する送電制御装置20と、ドライバ制御回路26と、送電部(送電ドライバ)12と、波形モニタ回路14と、1次コイルL1と、1次コイルL1に直列に接続されるコンデンサC1と、を有する。送電制御装置20は、送電装置の動作を統括的に制御する。送電制御装置20に含まれる送電側制御回路22は、各種の判断処理を実行し、その結果に基づき、ドライバ制御回路26の動作を制御し、また、受電装置から送られてくるデータの判定処理を実行する。送電部(送電ドライバ)12は、1次コイルの駆動クロック(以下、単に駆動クロックという場合があり、あるいはドライバクロックという場合がある)DRCKに基づいて、1次コイルL1を交流駆動する。
送電装置から受電装置への通信は、周波数変調(駆動クロックの周波数をf1とf2の間で切り換えること)によって行われる。一方、受電装置から送電装置への通信は、負荷変調(受電装置の負荷状態を強制的に変化させること)によって実行される。
受電装置に含まれる周波数検出回路60は、駆動クロック(DRCK)再生部61を有する
図3(A)において、受電部42は、2次コイルのコイル端電圧を、分圧抵抗RB1,RB2によって分圧する。分圧抵抗RB1,RB2の共通接続点からは、駆動クロックDRCKの周波数と同じ周波数をもつ正弦波が得られる。その正弦波は、DRCK再生部61によって波形整形され、これによって駆動クロックが再生される。図3(A)中、再生された駆動クロックは、DRCK(RE)と表記されている。
図3(A)において、受電部42は、2次コイルのコイル端電圧を、分圧抵抗RB1,RB2によって分圧する。分圧抵抗RB1,RB2の共通接続点からは、駆動クロックDRCKの周波数と同じ周波数をもつ正弦波が得られる。その正弦波は、DRCK再生部61によって波形整形され、これによって駆動クロックが再生される。図3(A)中、再生された駆動クロックは、DRCK(RE)と表記されている。
受電側制御回路52は、再生された駆動クロックDRCK(RE)のエッジタイミングに同期して、負荷変調部46の負荷変調トランジスタ(NMOSトランジスタ)M1をオン/オフさせる。負荷変調トランジスタM1がオンすると、抵抗RB3および負荷変調トランジスタM1を経由して負荷変調電流Imod電流が流れ、受電装置の負荷状態が重くなる。負荷変調トランジスタM1がオフすると、負荷変調電流Imodが流れなくなり、受電装置の負荷状態は軽くなる。
図3(A)の下側に示されるように、受電装置が低負荷状態から高負荷状態となると、例えば、1次コイルのコイル端電圧CSGの電圧振幅が増大する。波形モニタ回路14は、1次コイルのコイル端電圧CSGと閾値電圧Vthとを比較することによって、受電装置の負荷状態を検出することができる。例えば、受電装置の低負荷状態をデータ“0”に対応させ、高負荷状態をデータ“1”に対応させれば、受信したデータの“0”,“1”の判定が可能である。但し、コイル端のピーク電圧を検出する検出方式の他、電圧と電流の位相差に着目した検出方式を使用することもできる。
なお、受電装置40の負荷の変調によって、受電装置40の負荷状態が変化したとき、受電装置40の負荷状態の変化のタイミングから、送電装置が前記受電装置の負荷状態の変化を安定的に検出することが可能となるまでに、m個(mは1以上の整数)の1次コイルの駆動クロックに相当するデータ不定期間が存在するのが一般的である。
例えば、図3(B)において、時刻t1に、受電装置内の負荷変調トランジスタTB3がオフ状態からオン状態に変化する。しかし、1次コイルL1のコイル端電圧CSGの振幅は、時刻t1から時刻t6にわたって徐々に増大する。時刻t6以降は、コイル端電圧の変化は安定し、この結果、信頼性の高いデータ判定が可能である。時刻t1から時刻t6までの期間は、データが確定しない不定期間である。図3(B)における、×××××の表記は、駆動クロック5個分の期間に得られた5個のデータは不定であることを示している。時刻t6以降、受信データは安定し、送電制御装置20は、受電データを“1”と正確に判定することができる。
このように、本実施形態では、通常送電期間において、受電制御装置(具体的には受電側制御回路)50は、受電装置40に設けられている負荷変調部46を制御し、負荷変調信号(図2のPT1)を、定期的(周期的)に送電装置10に向けて送信させる。1次コイルL1と2次コイルL2との間に異物(導電性異物または非導電性異物)が挿入されると、その異物によって通信が遮断されるため、送電装置10は、定期的に受電装置から送信される負荷変調信号を受信することができない。したがって、送電装置は、定期的に受電装置から送信される負荷変調信号を受信できれば、異物の挿入は無いと判断して通常送電を実行することができ、受信できなければ、異物が挿入されたと判断して、例えば、通常送電を停止する等の対策を採ることができる。
ここで、受電装置が定期的に送信する負荷変調信号は、010(あるいは101)のデータパターンを含む。この定期的に送信される定期認証データ(負荷変調信号)は、1次コイルL1と2次コイルL2との間に挿入される異物(導電性異物または非導電性異物)を検出するための通信データである。
定期認証データは、010(あるいは101)のデータパターンを含む。例えば、受電装置40の負荷が重い状態(負荷電流が多い状態)に「1」が対応し、受電装置の負荷が軽い状態(負荷電流が少ないあるいは負荷電流がゼロである状態)に「0」を対応させる。この逆であってもよい。010のパターンと101のパターンは等価である。
定期認証データは、例えば、「010(あるいは101)」の単独パターン(孤立パターン)で構成することができ、また、「010(あるいは101)」をk回(kは2以上の整数)繰り返すパターンであってもよい。例えば、k=2のとき、「01010」あるいは「010010」のパターンを採用することもできる。
また、定期認証データのパターンとしては、010(あるいは101)のパターンを応用したパターンを採用することができる。例えば、「0101000010」というような、特殊なパターンを採用することもできる。
無接点電力伝送システムの受電装置40は、本来、通常送電中に負荷変調による通信を行うことができる。本実施形態では、この通信機能を、異物検出のために利用する。よって、特別な回路を追加することもなく、実現が容易であり、したがって、コスト上昇の問題も生じない。
よって、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に負担を与えることなく、送電装置が、確実に異物を検出することができる。よって、乗っ取り状態が生じたときは、送電装置10は、通常送電を停止する(あるいは通常送電のパワーを低パワーにする)等の対策を確実に採ることができる。よって、無接点電力伝送システムの信頼性が向上する。
また、定期認証データは、010または101の単独のパターン(孤立したパターン)で構成することができる。つまり、定期認証データのパターンとして、最も単純なパターンを採用することができる。送電装置による定期認証データの検出処理を簡単化するためには、定期認証データはできるだけシンプルなパターンであることが望ましい。
定期認証データは、2次コイルL2ならびに1次コイルL1を経由して受電装置から送電装置に送信されるため、定期認証データが送電装置により正確に受信可能となるまでには、ある程度の待ち時間(遅延時間)が必要となる。また、1次コイルのコイル端の電圧は歪んだ波形となるため、送電装置は、慎重に定期認証データを検出する必要がある。
定期認証データが長い場合や複雑な場合は、送電装置における、定期認証データの検出負担が増え、また、検出までの時間が長くなる傾向がある。
したがって、定期認証データのパターンとして、010または101の単独(孤立)パターンを採用するのが好ましい。つまり、定期認証が実行される期間では、010が1回だけ受電側から送電側に送信される。この場合、定期認証データのパターンがシンプル化されているため、送電装置における定期認証データの検出処理が容易であり、定期認証データの検出に要する時間も最短の時間とすることができる。
また、本実施形態では、上述のとおり、2次コイルL2のコイル端電圧またはコイル電流に基づいて再生される1次コイルの駆動クロックをタイミングの基準として用いて、負荷変調部46に含まれる負荷変調スイッチ(負荷変調トランジスタ)M1をオン/オフする。
送電装置10(具体的には送電側制御回路22)による定期認証データの検出処理は、例えば、1秒ごとに実行される。送電装置10が、定期認証データを受信するタイミングを予測することができれば、定期認証データの受信処理が容易化され、また、検出された定期認証データの信頼性も高くなる。そこで、受電制御装置50は、1次コイルの駆動クロックDRCKをタイミングの基準として用いて、負荷変調スイッチ(負荷変調トランジスタ)M1をオン/オフ制御する。
すなわち、1次コイルL1が駆動クロックDRCKによって交流駆動されると、2次コイルL2のコイル端電圧(コイル電流)も、1次コイルの駆動クロックDRCKに同期して変動する。したがって、図3(A)に示されるDRCK再生部61は、2次コイルL2のコイル端電圧(コイル電流)に基づいて、1次コイルの駆動クロックDRCKを再生することができる。受電制御装置50は、この再生された1次コイルの駆動クロック(DRCK(RE))に基づいて(つまり、その再生された駆動クロックに同期して、あるいは、その駆動クロックに基づいて生成されるクロックに同期して)、負荷変調スイッチ(負荷変調トランジスタ)M1をオン/オフ制御する。これにより、1次コイルの駆動クロックDRCKに基づいて決定されるタイミングで、定期認証データが受電側から送電側に送信される。
定期認証データは、ある程度の遅延時間経過後において受電側にて検出されるが、その遅延時間は、例えば、図3(A)に示されるように、予測可能である。また、送電装置10にとって、1次コイルの駆動クロックDRCKのタイミング(例えば、ポジティブエッジのタイミング)は既知である。よって、送電制御装置20(具体的には送電側制御回路)22は、1次コイルの駆動クロックDRCKのタイミングに基づいて、定期認証データが受信されるタイミングを予測することが可能である。
よって、送電制御装置20による定期認証データの受信処理が容易化され、また、検出された定期認証データの信頼性も高くなる。また、受電側と送電側との間で通信の同期をとるために、特別な制御信号を用いる必要がなく、実現が容易である。
(定期認証データと通信パケットの送受信)
図4(A)〜図4(D)は、定期認証データと通信パケットの送受信について説明するための図である。
図4(A)〜図4(D)は、定期認証データと通信パケットの送受信について説明するための図である。
受電装置は、通常送電期間中において、負荷変調を行って、通信パケットを送電装置に送信することができる。また、定期的(例えば、1秒毎)に、所定パターンの定期認証データを送信することができる。
送電制御装置は、受電装置から送られてきたデータが、定期認証データであるか、通信パケットであるかを区別して受信する必要がある。そこで、図4(A)〜図4(D)に示されるように、定期認証データと通信パケットの1ビットのビット長に差異を設ける。
すなわち、1ビットの期間(1ビット長)を変えることによって、送電側が、定期認証データと通信パケットを区別できるようにする。
定期認証データに関しては、1ビットの“0”または“1”の期間を、1次コイルの駆動クロックDRCKの1周期のp倍(pは1以上の整数)の時間に設定する。また、通信パケットに関しては、1ビットの“0”または“1”の期間を、1次コイルの駆動クロックDRCKの1周期のq倍(qは1以上の整数であり、かつ、p≠q)に設定する。
送電側では、ビット同期を確立してデータを受信すると、1ビットの期間が、1次コイルの駆動クロックの周期のp倍の期間継続するか、q倍の期間継続するかを検出する。これによって、送信側は、受信したデータが通信パケットであるのか、あるいは定期認証データであるのかを区別することができる。
図4(B)および図4(C)に示されるように、定期認証データは、010のパターンで構成される。そして、“1”または“0”が継続する期間は、16個の駆動クロックDRCKに相当する期間に設定される。上述のとおり、定期認証データが受信できない場合、送電装置10は、異物MEが挿入されたと判断して通常送電を停止する。
図4(D)に示すように、通信パケットを構成する1ビットのデータは、32個の駆動クロックDRCKに相当する期間、継続する。つまり、図3(D)の例では、1ビットのビット長が、定期認証データのビット長の2倍となっている。
図4(A)に示されるように、送電制御装置20は、波形モニタ回路14から得られる受信データの波形変化を検出し、最初の波形変化が検出されてから、駆動クロック16個分の期間を超えて、同じレベルが継続的に検出される場合には、通信パケットと判定し、駆動クロック16個分の期間を過ぎると、受信データのレベルが反転する場合には定期認証データであると判定する。このようにして、送電制御装置は、定期認証データと通信パケットとを区別して検出することができる。
上述のとおり、送信パケットの1ビット期間を、定期認証データの1ビット期間のβ倍(βは2以上の整数)に設定することができる。送信側では、定期認証データの1ビット期間を1単位時間とし、1ビットが、その単位時間だけ継続するか、あるいは、その単位時間のβ倍の期間だけ継続するかを検出する。これによって、送電側は、定期認証データと通信パケットを区別できる。送電側では、定期認証データの1ビット期間を1単位時間として受信処理を行うことができるため、データの受信処理が簡単化される。
但し、1ビットの期間をあまり長くすると、1ビットの受信データを確定するために要する時間が長くなる。そこで、図4の例では、β=2に設定している。
(通信パケットのデータ構造の一例)
図5は、通信パケットのデータ構造の一例を示す図である。通信パケットは、スタートコード、コマンドコード、データ(通信データ)、エラーコードを含むことができる。また、送電装置において、通信パケットの先頭を検出し易くするために、通信パケットの直前には、16ビットの“L(=0)”期間が設けられている。
図5は、通信パケットのデータ構造の一例を示す図である。通信パケットは、スタートコード、コマンドコード、データ(通信データ)、エラーコードを含むことができる。また、送電装置において、通信パケットの先頭を検出し易くするために、通信パケットの直前には、16ビットの“L(=0)”期間が設けられている。
(第2の実施形態)
本実施形態では、受電側において、定期認証データを送信する際に、給電対象の負荷への給電を一時的に停止する例、ならびに、送電装置が通常送電を停止する条件等について説明する。
本実施形態では、受電側において、定期認証データを送信する際に、給電対象の負荷への給電を一時的に停止する例、ならびに、送電装置が通常送電を停止する条件等について説明する。
給電対象の負荷(例えば2次電池等のバッテリ)94に供給する電流が多い状態において、受電側が負荷変調を実行した場合、負荷変調によって変化する電流量(図2に示す負荷変調電流Imod)が、給電対象の負荷94に供給されている電流量に対して小さいために、送電側が、負荷変調信号を検出することが困難となる場合がある。
そこで、本実施形態では、受電側が負荷変調を実行する際、受電制御装置50は、例えば、給電経路に設けられた電力制御トランジスタ(電力制御スイッチ:図2のM3)を制御して、給電対象の負荷94への給電を一時的に軽減(給電電流を少なくすること)あるいは停止させる。給電を一時的に停止させた場合、1次コイルのコイル端電圧は、負荷変調電流Imodのオン/オフのみに依存して変化する。よって、送電側は、受電側から送られてくる定期認証データ(負荷変調信号)を、より検出し易くなる。以下の説明では、受電側が、定期認証データを送信する際に、給電対象の負荷94への給電を一時的に停止する場合について説明する。
以下、図6を参照して具体的に説明する。図6は、定期認証処理の一例について説明するための図である。
図6の上側に示されるように、時刻t40〜時刻t43の期間において、受電側制御回路52から出力される電力供給制御信号ICUTX(図2参照)がアクティブレベル(Hレベルになる)。したがって、その期間では、図2に示される電力供給制御トランジスタ(電力供給制御スイッチ)M3がオフし、給電対象の負荷94への給電が一時的に停止される。なお、時刻t40〜時刻t43の期間は、例えば、1次コイルの駆動クロックDRCKの400個分に相当する。
時刻t41〜時刻t42の期間T2において、受電側制御回路52から出力される負荷変調信号P3Qがアクティブレベル(Hレベル)となる。時刻t41〜時刻t42の期間T2は、例えば、1次コイルの駆動クロックDRCKの16個分に相当する。
送電側におけるモニタ波形は、時刻t40〜時刻t41の期間においてはLレベルであり、時刻t41〜時刻t42の期間T2においてはHレベルであり、時刻t42〜時刻t43の期間においてはLレベルである。しがって、異物が挿入されなければ、送電側は、010のパターンをもつ定期認証データを受信することができる。
連続L期間T1においては、受電側は低負荷状態である。1次側は、この期間において異物がないことを確認することができる。期間T2においては、受電側は高負荷状態となる。送電側は、モニタ波形のLレベルからHレベルへの変化を検出した場合(時刻t41)、受電側機器が存在することを検出することができる。
また、送電側は、モニタ波形のHレベルからLレベルへの変化を検出した場合(時刻t42)、モニタ波形がHレベルになっている期間が駆動クロックDRCKの16個分に相当することを、定期認証フローによって確認する。これによって、定期認証データを受信したことが検出される。1次側は、異物がないことを確認することができる。
なお、図6の上側に示されるように、受電装置40が010の定期認証データを出力するときは、電力供給制御信号(ICUTX)はアクティブレベルとなっており、それ以外の期間では、非アクティブレベルとなっている。したがって、送電装置10は、xxxxxx010xxxxxxという信号を受信することになる。ここで、xは、ICUTX信号が非アクティブレベルであることを示している。
また、送電側では、受信されたデータの1(=H)あるいは0(=L)を判定するに際して、いわゆる7連続一致判定を実行する。これによって、信頼度の高いデータ判定が可能となる。7連続一致判定処理は、1次コイルの駆動クロックDRCKの1周期毎に受信データの値を判定し、判定結果が7回連続で一致した場合に、受信したデータの値を確定するという判定方法である。図3(B)で説明したように、例えば、5クロック分のデータ不定期間が存在する。
しかし、7回連続で判定値が一致するということは、最低でも2回の、信頼性が高いデータに基づく判定が行われていることを意味する。また、7回連続で判定値が一致する場合には、コイル端電圧が確かにHレベル(Lレベル)になったこと(少なくとも、そのような傾向があること)が推定され得る。このような理由で、7連続一致判定を実行することによって、送電側は、受信データの値を確実に検出することができる。
図6では、時刻t41において、送電側は、受信したデータに対するビット同期を確立する。期間T2において、送電側は、7連続一致判定によって、受信したデータのH(=1)を検出する。また、期間T3において、送電側は、7連続一致判定によって、受信したデータのL(=0)を検出する。
なお、7連続一致判定は一例であり、一般的には、k連続一致判定を実行することによって、受信データの検出精度を高めることができる。図2(B)に示すように、mクロックに相当するデータ不定期間が存在する場合、kの値は、k=m+αに設定するのが好ましく、例えば、α=2あるいはα=3に設定することができる。
上述のとおり、送電装置10は、通常送電期間において、定期的に異物検出を行い、異物が検出されると送電を停止し、あるいは送電パワーを低減する。これにより、導電性異物の発熱等の問題が生じず、無接点電力伝送システムの信頼性が格段に向上する。なお、異物が検出されたときの対策としては、送電停止と送電パワーの低減のいずれを実行することもできる。但し、送電を停止することによって、異物の発熱の問題は完全に解消される。2次電池の充電よりも、無接点電力伝送システムの信頼性の確保を優先させるのであれば、送電を停止するという対策を採る方が好ましい。
次に、通常送電を停止する場合等の条件について、図6の下側の図を用いて説明する。
送電側が、定期認証データを受信して検出する期間において、例えば偶発的にノイズが発生し、送電側で、定期認証データを受信できない事態が生じ得る。したがって、送電側は、定期認証データの検出処理を慎重に行う必要がある。
そこで、本実施形態では、送電側は、n回(nは2以上の整数)連続で定期認証データの受信に失敗したときに、受電装置への通常送電を停止する。これによって、異物が挿入されていないにもかかわらず、誤って、通常送電が停止される等の不都合が生じない。
但し、nの値が大き過ぎると、迅速な異物対策が実行できない。一方、n=2の場合、例えば、ノイズが発生し易い状態が継続していて、2回連続で、正確な受信ができない事態も生じ得る。そこで、図6の例では、n=3に設定している。送電装置10の受信処理は、例えば、1秒間隔で実行される。ノイズが多い状態がある程度の時間、継続したとしても、そのノイズが原因で、例えば1秒間隔で実行される負荷変調信号の受信に3回連続で失敗する確率は低いと考えられる。すなわち、3回連続して定期負荷変調信号の受信に失敗する事態が生じたときは、1次コイルと2次コイルとの間に導電性異物ARが挿入された可能性が高いと判断することができる。したがって、異物挿入の正確な検出と、迅速な検出と、を両立することができる。
図6の下側の図において、1回目の定期認証データの検出期間(期間T11)においては、送電側は、定期認証データの検出に成功する。しかし、その後、送電側は、3回連続で定期認証データの検出に失敗している(第2回目の検出期間T12,第3回目の検出期間T13,第4回目の検出期間T14)。この場合、時刻t56において、送電装置10は、通常送電を停止する。
なお、上述のとおり、定期認証データの検出にn回連続で失敗したとき、送電装置は、通常送電のパワーを低減する対策を採ることもできる。但し、無接点電力伝送システムの安全性の確保は重要である。したがって、異物が検出された場合には、通常送電を停止するのが、より好ましい。
また、所与の受信処理回数に対する受信失敗回数が所与の値に達すると、送電装置10は、異物が挿入されたものと判断して、送電の停止あるいは送電パワーの低減を実行することも可能である。
例えば、送電装置10は、定期負荷変調信号の受信処理を10回実行する。この一連の10回の受信処理中、例えば5回、受信に失敗したとき、送電装置10は、送電の停止や送電パワーの低減を実行する。
例えば、1次側と2次側の相対的な位置関係に起因して、1次側が、定期負荷変調信号を検出しにくくなる場合があり得る。このような場合、受信の失敗が、異物によるものなのか、あるいは、1次側と2次側の相対的な位置関係によるものなのかの判定がむずかしい場合もあり得る。しかし、判定対象の受信処理回数をある程度、増やせば、受信失敗の原因を区別できる確率が高まり、異物検出の精度が向上する。よって、本実施形態によれば、信頼性の高い異物検出が実現される。
(無接点電力伝送システムの動作例)
図7は、無接点電力伝送システムの動作例を示す図である。送電装置は、受電側機器の着地(セッティング)を、例えば、0.3秒に1回、検出する(ステップS1)。受電側機器の着地(セッティング)が検出される(ステップS2)。
図7は、無接点電力伝送システムの動作例を示す図である。送電装置は、受電側機器の着地(セッティング)を、例えば、0.3秒に1回、検出する(ステップS1)。受電側機器の着地(セッティング)が検出される(ステップS2)。
次に、送電装置と受電装置との間で、種々の情報の交換が実行される(ステップS3)。例えば、7連続一致判定を実行することによって、送電装置は、受電装置から送られてくる情報を高精度に検出することができる。ID認証によって、受電装置が適切な送電対象であることが確認された後に、通常送電(充電)が開始される。
通常送電中において、満充電が検出されると、満充電通知が受電装置から送電装置に送信され、これを受信した送電装置は、通常送電を停止する(ステップS4)。そして、満充電検出後の待機フェーズに移行する(ステップS5)。
満充電検出後の待機状態では、例えば、5秒に1回の取り去り検出が実行され、また、10分に1回、再充電の要否の確認が実行される。満充電後に受電側機器が取り去られると、初期の待機フェーズに戻る(ステップS6)。また、満充電後に再充電が必要と判定されると、ステップS3に復帰する(ステップS7)。また、ステップ3の状態において、受電側機器の取り去りが検出された場合には、初期の待機状態に復帰する(ステップS8)。
以上説明したように、本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、通常送電を阻害することなく、かつ、送電装置や受電装置に過度の負担を与えることなく、送電装置が、確実に、異物挿入(特に乗っ取り状態)を検出することができる。
また、信頼性が高く、回路構成も簡素化された高性能な受電制御装置、受電装置ならびに無接点電力伝送システムを実現することができる。なお、本発明の実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
10 送電装置、22 送電側制御回路、40 受電装置、42 受電部、
46 負荷変調部、48 給電制御部、50 受電制御装置、52 受電側制御回路、
90 充電装置、94 充電対象の負荷、L1 1次コイル、L2 2次コイル、
M1 負荷変調トランジスタ(負荷変調スイッチ)、
M3 給電制御スイッチ(給電制御トランジスタ)、
DRCK 1次コイルの駆動クロック(ドライバクロック)
46 負荷変調部、48 給電制御部、50 受電制御装置、52 受電側制御回路、
90 充電装置、94 充電対象の負荷、L1 1次コイル、L2 2次コイル、
M1 負荷変調トランジスタ(負荷変調スイッチ)、
M3 給電制御スイッチ(給電制御トランジスタ)、
DRCK 1次コイルの駆動クロック(ドライバクロック)
Claims (13)
- 1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、また、送電期間中において、前記受電装置に含まれる負荷変調部が受電装置の負荷を変調することによって、負荷変調信号を前記送電装置に送信する無接点電力伝送システムにおける、前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、
前記受電装置の動作を制御する受電制御回路を含み、
前記受電制御回路は、
前記送電期間中において、前記負荷変調部を制御することによって、定期的な前記受電装置の負荷の変調を実行させ、これによって、010または101のパターンを含む定期認証データを前記送電装置に送信させる、
ことを特徴とする受電制御装置。 - 請求項1記載の受電制御装置であって、
前記定期認証データは、010または101の単独のパターンで構成されることを特徴とする受電制御装置。 - 請求項1または請求項2記載の受電制御装置であって、
前記受電側制御回路は、
前記2次コイルのコイル端電圧またはコイル電流に基づいて再生される前記1次コイルの駆動クロックをタイミングの基準として用いて、前記負荷変調部に含まれる負荷変調スイッチをオン/オフする、ことを特徴とする受電制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の受電制御装置であって、
前記受電側制御回路は、
前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して前記定期認証データを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のp倍(pは1以上の整数)の時間に設定し、
また、前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して通信パケットを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のq倍(qは1以上の整数であり、かつ、p≠q)に設定する、
ことを特徴とする受電制御装置。 - 請求項4記載の受電制御装置であって、
前記受電側制御回路は、
前記送電期間中に、前記負荷変調部を制御して通信パケットを送信させる場合には、送信される1ビットの“0”または“1”の期間を、前記1次コイルの駆動クロックの1周期のq倍(q=β×p、βは2以上の整数)に設定する、
ことを特徴とする受電制御装置。 - 請求項4または請求項5記載の受電制御装置であって、
p=16、q=32(したがってβ=2)であることを特徴とする受電制御装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の受電制御装置であって、
前記受電制御回路は、
前記定期的な負荷変調を実行させる場合、まず、給電対象の負荷への給電を一時的に軽減あるいは停止させ、前記給電対象の負荷への給電が一時的に軽減あるいは停止されている期間において、前記負荷変調部を制御することによって定期的な前記受電装置の負荷の変調を実行させる、
ことを特徴とする受電制御装置。 - 電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して送電装置から伝送される電力を受け、かつ、受電期間中に、負荷変調信号を前記送電装置に送信する受電装置であって、
前記2次コイルと、
整流回路を含む受電部と、
前記受電装置の負荷を変調して前記負荷変調信号を生成する負荷変調部と、
給電対象への負荷への給電を制御する給電制御部と、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の受電制御装置と、
を含むことを特徴とする受電装置。 - 1次コイルと、
2次コイルと、
前記1次コイルを駆動して電力を伝送する送電部と、送電部の動作を制御する送電制御装置と、を有する送電装置と、
請求項8記載の受電装置と、
を含むことを特徴とする無接点電力伝送システム。 - 請求項9記載の無接点電力伝送システムであって、
前記送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信に失敗した場合に、前記受電装置への送電を停止し、あるいは送電パワーを低減することを特徴とする無接点電力伝送システム。 - 請求項10記載の無接点電力伝送システムであって、
前記送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信に、n回(nは2以上の整数)連続して失敗した場合に、前記受電装置への送電を停止し、あるいは送電パワーを低減することを特徴とする無接点電力伝送システム。 - 請求項11記載の無接点電力伝送システムであって、
n=3であることを特徴とする無接点電力伝送システム。 - 請求項10記載の無接点電力伝送システムであって、
前記送電装置は、前記受電装置が定期的に送信する前記負荷変調信号の受信処理をX回(Xは2以上の整数)実行し、その結果、前記負荷変調信号の受信にY回(Yは、1≦Y≦Xを満足する整数)失敗すると、前記受電装置への送電を停止し、あるいは送電パワーを低減することを特徴とする無接点電力伝送システム。
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