(第1実施形態)
(1)基板処理装置の構成
まず、本実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図3,4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置のウェハ搬送時における断面構成図であり、図3は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置のウェハ処理時における断面構成図である。
<処理室>
図3,4に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理装置は、処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのウェハ200を処理する処理室201が構成されている。
処理室201内には、ウェハ200を支持する支持台203が設けられている。ウェハ200が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO2)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al2O3)、又は窒化アルミニウム(AlN)などから構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウェハ200を加熱する加熱手段としてのヒータ206が内蔵されている。なお、支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
処理室201の外部には、昇降機構207bが設けられている。この昇降機構207bを作動させることにより、サセプタ217上に支持されるウェハ200を昇降させることが可能となっている。支持台203は、ウェハ200の搬送時には図4で示される位置(ウェハ搬送位置)まで下降し、ウェハ200の処理時には図3で示される位置(ウェハ処理位置)まで上昇する。なお、支持台203の下端部、及び昇降機構207bの周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
また、処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に設けられている。また、支持台203には、かかるリフトピン208bを貫通させるための貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン208bの上端部が支持台203の上面から突出して、リフトピン208bがウェハ200を下方から支持するように構成されている。また、支持台203をウェハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没して、支持台203上面に設けられたサセプタ217がウェハ200を下方から支持するように構成される。なお、リフトピン208bは、ウェハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
<ウェハ搬送口>
処理室201の内壁側面には、処理室201の内外にウェハ200を搬送するためのウェハ搬送口250が設けられている。ウェハ搬送口250にはゲートバルブ251が設けられており、ゲートバルブ251を開けることにより、処理室201内と搬送室(予備室)271内とが連通するように構成されている。搬送室271は密閉容器272内に形成されており、搬送室271内にはウェハ200を搬送する搬送ロボット273が設けられている。搬送ロボット273には、ウェハ200を搬送する際にウェハ200を支持する搬送アーム273aが備えられている。支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ251を開くことにより、搬送ロボット273により処理室201内と搬送室271内との間でウェハ200を搬送することが可能なように構成されている。処理室201内に搬送されたウェハ200は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。
<排気系>
処理室201の内壁側面であって、ウェハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には排気管261が接続されており、排気管261には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器262、原料回収トラップ263、及び真空ポンプ264が順に直列に接続されている。主に、排気口260、排気管261、圧力調整器262、原料回収トラップ263、真空ポンプ264により排気系(排気ライン)が構成される。
<ガス導入口>
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に各種ガスを供給するためのガス導入口210が設けられている。なお、ガス導入口210に接続されるガス供給系の構成については後述する。
<シャワーヘッド>
ガス導入口210と、ウェハ処理位置におけるウェハ200との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、ガス導入口210から導入されるガスを分散させるための分散板240aと、分散板240aを通過したガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウェハ200の表面に供給するためのシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面及びシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウェハ200と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、ガス導入口210から供給されるガスを分散させるための分散室(第1バッファ空間)240c、および分散板240aを通過したガスを拡散させるための第2バッファ空間240dとしてそれぞれ機能する。
<排気ダクト>
処理室201の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウェハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウェハ200を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を開けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成される。
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられる。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるためのプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
支持台203がウェハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウェハ処理位置まで上昇する。その結果、ウェハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。なお、このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204及びロワープレート205)及び支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室下部と、に仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
ここで、ウェハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。まず、ガス導入口210からシャワーヘッド240の上部へと供給されたガスは、分散室(第1バッファ空間)240cを経て分散板240aの多数の孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの多数の孔を通過して処理室201内に供給され、ウェハ200上に均一に供給される。そして、ウェハ200上に供給されたガスは、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウェハ200に接触した後の余剰なガスは、支持台203の外周に設けられた排気ダクト259上(すなわちコンダクタンスプレート204上)を、ウェハ200の径方向外側に向かって放射状に流れ、排気ダクト259上に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。以上の通り、処理室201の下部への、すなわち支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
続いて、上述したガス導入口210に接続されるガス供給系の構成について、主に、図1,6,7を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系(ガス供給ライン)の構成図であり、図6は、本発明の第1実施形態にかかる気化器の概略構成図であり、図7は、図6の気化器の噴霧ノズルの噴霧口周辺の部分拡大図である。
本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置の有するガス供給系は、液体原料を気化する気化部と、気化部に液体原料を供給する液体原料供給系と、気化部にキャリアガスを供給するキャリアガス供給系と、気化部にパージガスを供給するパージガス供給系(気化部用)と、気化部に洗浄液(溶媒)を供給する洗浄液供給系(溶媒供給系)と、気化部にて液体原料を気化させた原料ガスを処理室201内に供給する原料ガス供給系と、原料ガスとは異なる反応ガスを処理室201内に供給する反応ガス供給系と、を有している。さらに、本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置は、パージガス供給系(配管、処理室用)と、ベント(バイパス)系とを有している。以下に、各部の構成について説明する。
<液体原料供給系>
処理室201の外部には、液体原料としてのSr(ストロンチウム)元素を含む有機金属液体原料(以下第1液体原料という)を供給する第1液体原料供給源220s、Ba(バリウム)元素を含む有機金属液体原料(以下第2液体原料という)を供給する第2液体原料供給源220b、及びTi(チタニウム)元素を含む有機金属液体原料(以下第3液体原料という)を供給する第3液体原料供給源220tが設けられている。第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220tは、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)としてそれぞれ構成されている。なお、Sr,Ba,Ti元素を含む各有機金属液体原料は、例えば、ECH(エチルシクロヘキサン)やTHF(テトラヒドロフラン)などの溶媒(ソルベント)により0.05mol/L〜0.2mol/Lに希釈されてから、タンク内にそれぞれ収容される。
ここで、第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220tには、第1圧送ガス供給管237s、第2圧送ガス供給管237b、及び第3圧送ガス供給管237tがそれぞれ接続されている。第1圧送ガス供給管237s、第2圧送ガス供給管237b、及び第3圧送ガス供給管237tの上流側端部には、図示しない圧送ガス供給源が接続されている。また、第1圧送ガス供給管237s、第2圧送ガス供給管237b、及び第3圧送ガス供給管237tの下流側端部は、それぞれ第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220t内の上部に存在する空間に連通しており、この空間内に圧送ガスを供給するように構成されている。なお、圧送ガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばArガスやN2ガス等の不活性ガスが好適に用いられる。
また、第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220tには、第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、及び第3液体原料供給管211tがそれぞれ接続されている。ここで、第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、及び第3液体原料供給管211tの上流側端部は、それぞれ第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220t内に収容した液体原料内に浸されている。また、第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、及び第3液体原料供給管211tの下流側端部は、液体原料を気化させる気化部としての気化器229s,229b,229tにそれぞれ接続されている。なお、第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、及び第3液体原料供給管211tには、液体原料の供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量コントローラ(LMFC)221s,221b,221tと、液体原料の供給を制御する開閉バルブvs1,vb1,vt1と、がそれぞれ設けられている。
上記構成により、開閉バルブvs1,vb1,vt1を開けるとともに、第1圧送ガス供給管237s、第2圧送ガス供給管237b、及び第3圧送ガス供給管237tから圧送ガスを供給することにより、第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、及び第3液体原料供給源220tから気化器229s,229b,229tへと液体原料を圧送(供給)することが可能となる。主に、第1液体原料供給源220s、第2液体原料供給源220b、第3液体原料供給源220t、第1圧送ガス供給管237s、第2圧送ガス供給管237b、第3圧送ガス供給管237t、第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、第3液体原料供給管211t、液体流量コントローラ221s,221b,221t、開閉バルブvs1,vb1,vt1により液体原料供給系(液体原料供給ライン)が構成される。
<キャリアガス供給系>
処理室201の外部には、キャリアガスとしてのN2ガスを供給するためのN2ガス供給源230nが設けられている。N2ガス供給源230nには、キャリアガス供給管218の上流側端部が接続されている。キャリアガス供給管218の下流側は、3本のライン、すなわち、第1キャリアガス供給管218s、第2キャリアガス供給管218b、第3キャリアガス供給管218tに分岐している。第1キャリアガス供給管218s、第2キャリアガス供給管218b、第3キャリアガス供給管218tの下流側端部は、気化器229s,229b,229tにそれぞれ接続されている。なお、第1キャリアガス供給管218s、第2キャリアガス供給管218b、第3キャリアガス供給管218tには、N2ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)225s,225b,225tと、N2ガスの供給を制御する開閉バルブvs7,vb7,vt7とが、それぞれ設けられている。主に、N2ガス供給源230n、キャリアガス供給管218、第1キャリアガス供給管218s、第2キャリアガス供給管218b、第3キャリアガス供給管218t、流量コントローラ225s,225b,225t、開閉バルブvs7,vb7,vt7によりキャリアガス供給系(キャリアガス供給ライン)が構成される。なお、キャリアガスとしてはN2ガス以外にArガス等の不活性ガスを用いるようにしてもよい。
<パージガス供給系(気化部用)>
処理室201の外部に設けられたN2ガス供給源230nは、気化部としての気化器の構成部品をパージするパージガスの供給源も兼ねている。N2ガス供給源230nには、キャリアガス供給管218を介してパージガス供給管219が接続されている。パージガス供給管219の下流側は、3本のライン、すなわち、第1パージガス供給管219s、第2パージガス供給管219b、第3パージガス供給管219tに分岐している。第1パージガス供給管219s、第2パージガス供給管219b、第3パージガス供給管219tの下流側端部は、気化器229s,229b,229tにそれぞれ接続されている。なお、第1パージガス供給管219s、第2パージガス供給管219b、第3パージガス供給管219tには、N2ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)226s,226b,226tと、N2ガスの供給を制御する開閉バルブvs8,vb8,vt8とが、それぞれ設けられている。主に、N2ガス供給源230n、パージガス供給管219、第1パージガス供給管219s、第2パージガス供給管219b、第3パージガス供給管219t、流量コントローラ226s,226b,226t、開閉バルブvs8,vb8,vt8によりパージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。なお、パージガスとしてはN2ガス以外にArガス等の不活性ガスを用いるようにしてもよい。
<気化部>
液体原料を気化する気化部としての気化器229s,229b,229tは、図6に、その内部構造を示すように、主に、気化室51s,51b,51tと、ヒータ61s,61b,61tと、噴霧ノズル31s,31b,31tと、混合配管部21s,21b,21tと、低温プレート11s,11b,11tと、ノズルカバー41s,41b,41tと、を有している。
気化室51s,51b,51tは液体原料を加熱し気化させて原料ガスを発生させる室であり、気化容器としての気化管52s,52b,52t内に形成される。気化管52s,52b,52tの周囲には加熱手段(加熱機構)としてのヒータ61s,61b,61tが設けられており、気化室51s,51b,51t内に噴霧された液体原料を加熱し気化させるように構成されている。気化管52s,52b,52tには、気化室51s,51b,51t内に液体原料やキャリアガスやパージガスを導入するインレット53s,53b,53tと、この気化室51s,51b,51t内で発生させた原料ガスを原料ガス供給管213s,213b,213t内へ排出するアウトレット54s,54b,54tと、が設けられている。
気化管52s,52b,52tのインレット53s,53b,53tには噴霧部としての噴霧ノズル31s,31b,31tが設けられており、噴霧ノズル31s,31b,31tは、気化室51s,51b,51t内に液体原料を噴霧させるように構成されている。噴霧ノズル31s,31b,31tは、本体部32s,32b,32tと、先端部33s,33b,33tと、最先端部34s,34b,34tとを有している。先端部33s,33b,33tと最先端部34s,34b,34tとにより噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分が構成されている。本体部32s,32b,32tは、噴霧ノズル31s,31b,31tの根元部分から先端部分に至るまでの部分である。最先端部34s,34b,34tは、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分の中央最先端部に設けられた突起部(凸部)として構成されている。本体部32s,32b,32tの外形は円柱形状であり、先端部33s,33b,33tの外形は略円錐形状であり、最先端部34s,34b,34tの外形は円柱形状である。すなわち、本体部32s,32b,32tは外径が一定となるように構成されており、先端部33s,33b,33tは先端側に行くほど外径が小さくなるように構成されており、最先端部34s,34b,34tは外径が一定となるように構成されている。なお、最先端部34s,34b,34tの外径は、本体部32s,32b,32tの外径よりも遥かに小さい。噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分、すなわち、先端部33s,33b,33tと最先端部34s,34b,34tは、気化管52s,52b,52t(気化室51s,51b,51t)内に突出しないように配置されている。
噴霧ノズル31s,31b,31t内には、液体原料とキャリアガスとを混合した流体を流す流体流路35s,35b,35tが設けられている。この流体流路35s,35b,35tは先端側で絞られており、先端側には細管部36s,36b,36tが設けられている。このように、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端側に流体流路35s,35b,35tの内径よりも内径の小さい細管部36s,36b,36tを設けることで、流体流路35s,35b,35t内と気化室51s,51b,51t内との間に所定の圧力差を設けるようにし、溶媒先飛び現象による噴霧ノズル31s,31b,31tの閉塞を防止するようにしている。この圧力差は、図8に示すように、細管部36s,36b,36tの長さ、径を変えることで調整できる。図8(a)は細管部36s,36b,36tの長さを短くした例を示しており、図8(b)は細管部36s,36b,36tの長さを長くした例を示している。なお、図8は、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分とその周辺部分だけを抜き出した図である。また、図6および図8(a)の例では、流体流路35s,35b,35tは、本体部32s,32b,32tと、先端部33s,33b,33tと、最先端部34s,34b,34tの一部に対応する部分に設けられており、細管部36s,36b,36tは、最先端部34s,34b,34tの一部に対応する部分に設けられている。また、図8(b)の例では、流体流路35s,35b,35tは、本体部32s,32b,32tと、先端部33s,33b,33tの一部に対応する部分に設けられており、細管部36s,36b,36tは、先端部33s,33b,33tの一部と、最先端部34s,34b,34tに対応する部分に設けられている。本体部32s,32b,32tと最先端部34s,34b,34tは円筒状であるとも言える。細管部36s,36b,36tにより、噴霧ノズル31s,31b,31tの噴霧口が構成されている。すなわち、噴霧口は、突起部としての最先端部34s,34b,34tの先端面に形成されることとなる。
噴霧ノズル31s,31b,31tの上部には、混合部としての混合配管部21s,21b,21tが設けられており、混合配管部21s,21b,21tは、液体原料とキャリアガスとを混合して、混合した流体を噴霧ノズル31s,31b,31t内に導入するように構成されている。混合配管部21s,21b,21tには、液体原料を供給する液体原料配管22s,22b,22tと、キャリアガスを供給するキャリアガス配管23s,23b,23tと、液体原料配管22s,22b,22tとキャリアガス配管23s,23b,23tとが合流してなる混合配管25s,25b,25tと、が設けられている。液体原料配管22s,22b,22tには、液体原料供給管211s,211b,211tが接続されており、キャリアガス配管23s,23b,23tには、キャリアガス供給管218s,218b,218tが接続されている。また、混合配管25s,25b,25tには、噴霧ノズル31s,31b,31tの流体流路35s,35b,35tが接続されている。液体原料は液体原料供給管211s,211b,211tから液体原料配管22s,22b,22tを経由して混合配管25s,25b,25t内に供給され、キャリアガスはキャリアガス供給管218s,218b,218tからキャリアガス配管23s,23b,23tを経由して混合配管25s,25b,25t内に供給される。液体原料とキャリアガスは、第1混合部24s,24b,24tで混合されて混合配管25s,25b,25t内に供給され、噴霧ノズル31s,31b,31tの流体流路35s,35b,35t内に導入される。
混合配管部21s,21b,21tの下方であって噴霧ノズル31s,31b,31tの本体部32s,32b,32tの周囲には、冷却手段(冷却機構)としての低温プレート11s,11b,11tが設けられている。冷却部材である低温プレート11s,11b,11tは、混合配管部21s,21b,21tおよび噴霧ノズル31s,31b,31tの両方と接触するように設けられている。低温プレート11s,11b,11tは、例えば内部に冷却水を循環させるように構成されており、噴霧ノズル31s,31b,31tや混合配管部21s,21b,21tを冷却して、噴霧ノズル31s,31b,31t内や混合配管部21s,21b,21t内の液体原料や溶媒が沸騰したり熱分解したりしないような温度に設定するよう構成されている。なお、その設定温度は原料気化のために設定する気化管温度よりも低いため、噴霧ノズル31s,31b,31tの温度は気化管52s,52b,52tの内面温度よりも低くなる。
低温プレート11s,11b,11tの下方かつ気化室51s,51b,51tおよびヒータ61s,61b,61tの上方であって噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分側の周囲には、カバー(被覆部材)としてのノズルカバー41s,41b,41tが設けられている。ノズルカバー41s,41b,41tは、噴霧ノズル31s,31b,31tの本体部32s,32b,32tの一部と、先端部分(先端部33s,33b,33tと最先端部34s,34b,34t)の一部とを覆うように設けられている。また、ノズルカバー41s,41b,41tは、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分の表面の一部を気化室51s,51b,51tから隔離するように覆っており、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分の表面形状に沿うように構成されている。なお、ノズルカバー41s,41b,41tの噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの先端面に対応する部分は開放されており、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの側面はノズルカバー41s,41b,41tにより覆われている。このように、ノズルカバー41s,41b,41tは、気化室51s,51b,51tに露出される噴霧ノズル31s,31b,31tの面積を最小限に抑えるようにしている。なお、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの先端面と、ノズルカバー41s,41b,41tの底面は同一平面上に設けられている。
また、ノズルカバー41s,41b,41tは、噴霧ノズル31s,31b,31tの本体部32s,32b,32tの一部と先端部分の周辺にパージガスを流し、そのパージガスを気化室51s,51b,51t内へ吐出するパージガス流路42s,42b,42tを形成するように構成されている。パージガス流路42s,42b,42tには、パージガス供給管219s,219b,219tが接続されている。パージガス流路42s,42b,42tの一部は、噴霧ノズル31s,31b,31tの本体部32s,32b,32tの一部の周囲にバッファ空間を形成するように構成されている。また、パージガス流路42s,42b,42tの他の一部は、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部33s,33b,33tの形状に略沿うように、また、最先端部34s,34b,34tの形状に沿うように構成されている。パージガス流路42s,42b,42tの最先端部34s,34b,34tの形状に沿う部分にパージガスを気化室51s,51b,51t内へ吐出する吐出部43s,43b,43tが形成されている。すなわち、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの側面とノズルカバー41s,41b,41との間の隙間に、パージガスを気化室51s,51b,51t内へ吐出する吐出部43s,43b,43tが形成されており、この吐出部43s,43b,43tに吐出口が構成されている。すなわち、パージガスの気化室51s,51b,51t内への吐出口は、ノズルカバー41s,41b,41の底面に形成されることとなる。なお、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの先端面と、ノズルカバー41s,41b,41tの底面は同一平面上に設けられていることから、吐出部43s,43b,43tの吐出口と噴霧ノズル31s,31b,31tの噴霧口は、同一平面上に設けられることとなる。さらに、パージガス流路42s,42b,42tは、吐出部43s,43b,43tに向かうにつれて流路が絞られており、吐出部43s,43b,43tにおける流路が最も狭くなるように構成されている。なお、図6の例では、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部33s,33b,33t表面と、それに隣接するノズルカバー41s,41b,41t内面とは平行ではなく、先端側に行くにつれ近づくように構成されているが、図8(a)の例や、図8(b)の例に示すように、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部33s,33b,33t表面と、それに隣接するノズルカバー41s,41b,41t内面とが平行となるように構成してもよい。なお、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34t表面と、それに隣接するノズルカバー41s,41b,41t内面については、図6、図8(a)、図8(b)のいずれの例においても、平行となるように構成されている。
パージガス流路42s,42b,42tの気化室51s,51b,51tへの吐出部43s,43b,43tは気化管52s,52b,52tのインレット53s,53b,53tに設けられている。図7に示すように、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部(吐出口)43s,43b,43tは、その流路断面形状がリング状(円環状)に形成されており、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの周囲に、最先端部34s,34b,34tおよび細管部(噴霧口)36s,36b,36tと同心円状に設けられている。噴霧ノズル31s,31b,31tの細管部36s,36b,36tと、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部43s,43b,43tは平行に設けられており、細管部36s,36b,36tを通ったキャリアガスが混合された液体原料と、吐出部43s,43b,43tを通ったパージガスは、それぞれ同じ方向に吐出されることとなる。なお、吐出部43s,43b,43tを通ったパージガスは、細管部36s,36b,36tから吐出されたキャリアガスが混合された液体原料の周りから吐出される。第1混合部24s,24b,24tでキャリアガスとしての不活性ガスと混合された液体原料は、この部分、すなわち、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部43s,43b,43tと噴霧ノズル31s,31b,31tの細管部36s,36b,36tとが設けられる気化管52s,52b,52tのインレット53s,53b,53tの部分で、パージガスとしての不活性ガスと混合されることとなる。すなわち、この部分は、第2混合部44s,44b,44tとして構成されることとなる。
ここで、パージガス流路42s,42b,42tにパージガスを流す作用について説明する。パージガス流路42s,42b,42tに流すパージガスには、気化器構成部品の熱遮断とパージの役割がある。
気化室51s,51b,51t、ヒータ61s,61b,61t、ノズルカバー41s,41b,41tは、原料を十分に気化させるために必要な高温度に保持されている。原料の気化温度にもよるが、これらの部材は例えば、100〜350℃の温度に保持される。一方、低温プレート11s,11b,11t、噴霧ノズル31s,31b,31t、混合配管部21s,21b,21tは、配管内、流路内での原料の熱分解や溶媒の先飛び現象による閉塞を抑制するため、上述のような原料を気化させるために必要な高温とはならない温度に保持されている。これらの部材は、例えば、20〜250℃の温度に保持される。なお、低温プレート11s,11b,11t、噴霧ノズル31s,31b,31t、混合配管部21s,21b,21tの温度は、気化室51s,51b,51t、ヒータ61s,61b,61t、ノズルカバー41s,41b,41tの温度よりも低い温度に保持される。このような構造においては、高温部材(気化室51s,51b,51t、ヒータ61s,61b,61t、ノズルカバー41s,41b,41t)から低温部材(低温プレート11s,11b,11t、噴霧ノズル31s,31b,31t、混合配管部21s,21b,21t)へ熱が移動してしまうことが考えられるが、高温部材と低温部材との間にパージガス流路42s,42b,42tを設け、このパージガス流路42s,42b,42tにパージガスを流通させることにより、高温部材から、低温部材へ向かう熱を遮断するようにしている。
また、噴霧ノズル31s,31b,31tは気化管52s,52b,52tの温度よりも低い温度とされているので、気化して気化管52s,52b,52t内に拡散している原料が逆流して噴霧ノズル31s,31b,31tに接触すると原料の再液化が生じるが、噴霧ノズル31s,31b,31tの周囲に設けられたパージガス流路42s,42b,42tにパージガスを流通させ吐出部43s,43b,43tより気化管52s,52b,52t内に吐出するようにしているので、気化した原料の逆流による噴霧ノズル31s,31b,31tへの接触、および、それによる原料の再液化、原料の析出を防止するようにしている。また、ノズルカバー41s,41b,41tにより、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの先端面に対応する部分以外の部分を完全に覆い、気化室51s,51b,51tに露出される噴霧ノズル31s,31b,31tの面積を最小限に抑えることで、パージガスによるパージ効果を有効に活用するようにしている。また、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tを気化管52s,52b,52t内に突出させないことで、パージガスによるパージ効果を損ねないようにしている。このパージガスによる噴霧ノズルのパージ機能と、上述のパージガスによる熱遮断機能により噴霧ノズルの目詰まりを防ぐことができる。
上述のように、パージガスには気化器構成部品の熱遮断とパージによる噴霧ノズルの目詰まり防止の役割があるが、それに加え、原料の気化管内への噴霧時に原料の粒径をより小さくする働きがある。以下、この作用について、気化器229s,229b,229tにおける気化動作とともに説明する。
液体原料(または溶液原料)が液体原料供給管211s,211b,211tから液体原料配管22s,22b,22t内に供給され、キャリアガスがキャリアガス供給管218s,218b,218tからキャリアガス配管23s,23b,23t内に供給されると、液体原料とキャリアガスは第1混合部24s,24b,24tで混合される。このとき、液体原料はキャリアガスに衝突し、これにより液が引きちぎられ、粒径が10μm〜200μm程度の二相流となる。二相流となった原料は、混合配管25s,25b,25tを経由して、噴霧ノズル31s,31b,31t内に運ばれ、噴霧ノズル31s,31b,31t内の流体流路35s,35b,35t、細管部36s,36b,36tを通って、気化室51s,51b,51t内に吐出(噴霧)される。同時に、パージガスがパージガス供給管219s,219b,219tからパージガス流路42s,42b,42t、吐出部43s,43b,43tを通って、気化室51s,51b,51t内に吐出される。二相流となった原料と、パージガスは、第2混合部44s,44b,44tにおいて混合される。このとき、二相流となった原料は、パージガスと衝突することで、更に粒径を小さくされ(粒径が10μm〜100μm程度となり)、真空高温下の気化室51s,51b,51t内に噴霧される。噴霧された原料はヒータ61s,61b,61tによって高温に保たれている気化管52s,52b,52t壁への衝突や気化管52s,52b,52t内壁からの放射熱を得て気化される。
このように、パージガスには、液体原料とキャリアガスを混合させることで粒径を小さくした原料の粒径を更に小さくする働きがある。すなわち、本実施形態における気化器では、液体原料の粒径を2段階で小さくしており、キャリアガス、パージガスは、それぞれ一段目キャリアガス(内部混合キャリアガス)、二段目キャリアガス(外部混合キャリアガス)として作用する。このように、液体原料の粒径を2段階で小さくして気化することにより、液体原料の粒径を1段階で小さくする場合に比べ、原料の粒径を微細にすることができ、気化不良を防ぎ、気化速度、気化効率を上げることができる。
なお、本実施形態では、図9(a)に示すように、噴霧ノズル31s,31b,31tの細管部36s,36b,36tと、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部43s,43b,43tとを平行に設けており、細管部36s,36b,36tから吐出される二相流となった原料と、吐出部43s,43b,43tから吐出されるパージガスは、それぞれ吐出方向が同じとなるように構成されている。この構成により、より効率的に原料の液が引きちぎられ粒径を小さくすることができる。すなわち、原料を気化管52s,52b,52t内に均一に流速を落とすことなく流すことができ、また、細管部36s,36b,36tから吐出された二相流となった原料に吐出部43s,43b,43tから吐出されたパージガスで均一なエネルギー(流速、流量)を与えることができ、より効率的に原料の粒径を小さくすることができる。
一方、例えば、図9(b)に示すように、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部43s,43b,43tが、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部33s,33b,33tの形状に沿う方向に向いており、細管部36s,36b,36tから吐出される二相流となった原料と、吐出部43s,43b,43tから吐出されるパージガスの吐出方向が交差している場合、原料の液は引きちぎられず、原料の流れを乱してしまうこととなる。原料の流れが乱れると、原料が均一に気化管52s,52b,52t壁に衝突しなくなり、気化斑が生じるものと考えられる。また、キャリアガス同士、すなわち、一段目キャリアガス(内部混合キャリアガス)としてのキャリアガスと、二段目キャリアガス(外部混合キャリアガス)としてのパージガスが衝突すると、流速が遅くなり、エネルギーが低下し、粒径を小さくできなくなる。このことからも、二相流となった原料とパージガスの吐出方向を同じとすることの優位性が窺える。
なお、本実施形態では、二相流となった原料とパージガスの吐出方向を同じとするために、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部33s,33b,33tよりも先端側に最先端部34s,34b,34tを設け、最先端部34s,34b,34tと平行に吐出部43s,43b,43tを設け、細管部36s,36b,36tと、吐出部43s,43b,43tとを平行に設けるようにしている。なお、図10(a)に示すように、吐出部43s,43b,43tの長さ、すなわち最先端部34s,34b,34tの長さを短くし、最先端部34s,34b,34tと平行な吐出部43s,43b,43tを僅かに設けるようにしても図6の場合と同様な効果が得られる。また、図10(b)に示すように略円錐状の先端部33s,33b,33tをなくし、本体部32s,32b,32tと最先端部34s,34b,34tだけで噴霧ノズル31s,31b,31tを構成するようにしてもよい。図10(b)も、最先端部34s,34b,34tの長さを短くし、最先端部34s,34b,34tと平行な吐出部43s,43b,43tを僅かに設けるようにした例である。なお、図10は、噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分とその周辺部分だけを抜き出した図である。
<原料ガス供給系>
上記の気化器229s,229b,229tの気化管52s,52b,52tのアウトレット54s,54b,54tには、処理室201内に原料ガスを供給する第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tの上流側端部がそれぞれ接続されている。第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tの下流側端部は、合流するように一本化して原料ガス供給管213となり、一本化した原料ガス供給管213は、ガス導入口210に接続されている。なお、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tには、処理室201内への原料ガスの供給を制御する開閉バルブvs3,vb3,vt3がそれぞれ設けられている。
上記構成により、気化器229s,229b,229tにて液体原料を気化させて原料ガスを発生させるとともに、開閉バルブvs3,vb3,vt3を開けることにより、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tから原料ガス供給管213を介して処理室201内へと原料ガスを供給することが可能となる。主に、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、原料ガス供給管213、開閉バルブvs3,vb3,vt3により、原料ガス供給系(原料ガス供給ライン)が構成される。
<洗浄液供給系(溶媒供給系)>
また、処理室201の外部には、洗浄液としての溶媒(ソルベント)であるECH(エチルシクロヘキサン)を供給する洗浄液供給源(溶媒供給源)220eが設けられている。洗浄液供給源220eは、内部に洗浄液を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されている。なお、洗浄液としては、ECHに限定されず、THF(テトラヒドロフラン)などの溶媒を用いることが出来る。
ここで、洗浄液供給源220eには、洗浄液圧送ガス供給管237eが接続されている。洗浄液圧送ガス供給管237eの上流側端部には、図示しない圧送ガス供給源が接続されている。また、洗浄液圧送ガス供給管237eの下流側端部は、洗浄液供給源220e内の上部に存在する空間に連通しており、この空間内に圧送ガスを供給するように構成されている。なお、圧送ガスとしては、ArガスやN2ガス等の不活性ガスが好適に用いられる。
また、洗浄液供給源220eには洗浄液供給管(溶媒供給管)212が接続されている。洗浄液供給管212の上流側端部は洗浄液供給源220e内に収容した洗浄液内に浸されている。洗浄液供給管212の下流側端部は、3本のライン、すなわち、第1洗浄液供給管212s、第2洗浄液供給管212b、及び第3洗浄液供給管212tに分岐するように接続されている。第1洗浄液供給管212s、第2洗浄液供給管212b、及び第3洗浄液供給管212tの下流側端部は、気化器229s,229b,229t手前の第1液体原料供給管211s、第2液体原料供給管211b、及び第3液体原料供給管211tにそれぞれ接続されている。なお、第1洗浄液供給管212s、第2洗浄液供給管212b、及び第3洗浄液供給管212tには、洗浄液の供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量コントローラ(LMFC)222s,222b,222tと、洗浄液の供給を制御する開閉バルブvs2,vb2,vt2とが、それぞれ設けられている。
上記構成により、洗浄液圧送ガス供給管237eから圧送ガスを供給するとともに、開閉バルブvs1,vb1,vt1を閉じ、開閉バルブvs2,vb2,vt2を開けることにより、気化器229s,229b,229t内の液体原料流路、すなわち液体原料配管22s,22b,22t、混合配管25s,25b,25t、噴霧ノズル31s,31b,31t内の流体流路35s,35b,35t、細管部36s,36b,36t内に洗浄液を圧送(供給)して、これら液体原料流路内を洗浄することが可能となる。主に、洗浄液供給源220e、洗浄液圧送ガス供給管237e、洗浄液供給管212、第1洗浄液供給管212s、第2洗浄液供給管212b、第3洗浄液供給管212t、液体流量コントローラ222s,222b,222t、開閉バルブvs2,vb2,vt2により、洗浄液供給系(溶媒供給系)、すなわち洗浄液供給ライン(溶媒供給ライン)が構成される。
<反応ガス供給系>
また、処理室201の外部には、酸素(O2)ガスを供給する酸素ガス供給源230oが設けられている。酸素ガス供給源230oには、第1酸素ガス供給管211oの上流側端部が接続されている。第1酸素ガス供給管211oの下流側端部には、プラズマにより酸素ガスから反応ガス(反応物)すなわち酸化剤としてのオゾンガスを生成させるオゾナイザ229oが接続されている。なお、第1酸素ガス供給管211oには、酸素ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)221oが設けられている。
オゾナイザ229oのアウトレット22oには、反応ガス供給管としてのオゾンガス供給管213oの上流側端部が接続されている。また、オゾンガス供給管213oの下流側端部は、原料ガス供給管213に合流するように接続されている。すなわち、オゾンガス供給管213oは、反応ガスとしてのオゾンガスを処理室201内に供給するように構成されている。なお、オゾンガス供給管213oには、処理室201内へのオゾンガスの供給を制御する開閉バルブvo3が設けられている。
なお、第1酸素ガス供給管211oの流量コントローラ221oよりも上流側には、第2酸素ガス供給管212oの上流側端部が接続されている。また、第2酸素ガス供給管212oの下流側端部は、オゾンガス供給管213oの開閉バルブvo3よりも上流側に接続されている。なお、第2酸素ガス供給管212oには、酸素ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)222oが設けられている。
上記構成により、オゾナイザ229oに酸素ガスを供給してオゾンガスを発生させるとともに、開閉バルブvo3を開けることにより、処理室201内へオゾンガスを供給することが可能となる。なお、処理室201内へのオゾンガスの供給中に、第2酸素ガス供給管212oから酸素ガスを供給するようにすれば、処理室201内へ供給するオゾンガスを酸素ガスにより希釈して、オゾンガス濃度を調整することが可能となる。主に、酸素ガス供給源230o、第1酸素ガス供給管211o、オゾナイザ229o、流量コントローラ221o、オゾンガス供給管213o、開閉バルブvo3、第2酸素ガス供給管212o、流量コントローラ222oにより反応ガス供給系(反応ガス供給ライン)が構成される。
<パージガス供給系>
また、処理室201の外部には、パージガスとしてのArガスを供給するためのArガス供給源230aが設けられている。Arガス供給源230aには、パージガス供給管214の上流側端部が接続されている。パージガス供給管214の下流側端部は、4本のライン、すなわち、第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214oに分岐するように接続されている。第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214oの下流側端部は、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、及びオゾンガス供給管213oの開閉バルブvs3,vb3,vt3,vo3の下流側にそれぞれ接続されている。なお、第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214oには、Arガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)224s,224b,224t,224oと、Arガスの供給を制御する開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4とが、それぞれ設けられている。主に、Arガス供給源230a、パージガス供給管214、第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214o、流量コントローラ224s,224b,224t,224o、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4によりパージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。なお、パージガスとしてはN2ガスを用いるようにしてもよい。
<ベント(バイパス)系>
また、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、及びオゾンガス供給管213oの開閉バルブvs3,vb3,vt3,vo3の上流側には、第1ベント管215s、第2ベント管215b、第3ベント管215t、第4ベント管215oの上流側端部がそれぞれ接続されている。また、第1ベント管215s、第2ベント管215b、第3ベント管215t、第4ベント管215oの下流側端部は合流するように一本化してベント管215となり、ベント管215は排気管261の原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。第1ベント管215s、第2ベント管215b、第3ベント管215t、第4ベント管215oには、ガスの供給を制御するための開閉バルブvs5,vb5,vt5,vo5がそれぞれ設けられている。
上記構成により、開閉バルブvs3,vb3,vt3,vo3を閉め、開閉バルブvs5,vb5,vt5,vo5を開けることで、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、及びオゾンガス供給管213o内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気することが可能となる。
また、第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214oの開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4よりも上流側であって流量コントローラ224s,224b,224t,224oよりも下流側には、第5ベント管216s、第6ベント管216b、第7ベント管216t、第8ベント管216oがそれぞれ接続されている。また、第5ベント管216s、第6ベント管216b、第7ベント管216t、第8ベント管216oの下流側端部は合流するように一本化してベント管216となり、ベント管216は排気管261の原料回収トラップ263よりも下流側であって真空ポンプ264よりも上流側に接続されている。第5ベント管216s、第6ベント管216b、第7ベント管216t、第8ベント管216oには、ガスの供給を制御するための開閉バルブvs6,vb6,vt6,vo6がそれぞれ設けられている。
上記構成により、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4を閉め、開閉バルブvs6,vb6,vt6,vo6を開けることで、第1パージガス供給管214s、第2パージガス供給管214b、第3パージガス供給管214t、及び第4パージガス供給管214o内を流れるArガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気することが可能となる。なお、開閉バルブvs3,vb3,vt3,vo3を閉め、開閉バルブvs5,vb5,vt5,vo5を開けることで、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、及びオゾンガス供給管213o内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気する場合には、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4を開けることにより、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、及びオゾンガス供給管213o内にArガスを導入して、各原料ガス供給管内をパージするように設定されている。また、開閉バルブvs6,vb6,vt6,vo6は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4と逆動作を行うように設定されており、Arガスを各原料ガス供給管内に供給しない場合には、処理室201をバイパスしてArガスを排気するようになっている。主に、第1ベント管215s、第2ベント管215b、第3ベント管215t、第4ベント管215o、ベント管215、第5ベント管216s、第6ベント管216b、第7ベント管216t、第8ベント管216o、ベント管216、開閉バルブvs5,vb5,vt5,vo5、開閉バルブvs6,vb6,vt6,vo6によりベント系(バイパス系)、すなわちベントライン(バイパスライン)が構成される。
<コントローラ>
なお、本実施形態にかかる基板処理装置は、基板処理装置の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。コントローラ280は、ゲートバルブ251、昇降機構207b、搬送ロボット273、ヒータ206、圧力調整器(APC)262、気化器229s,229b,229t、オゾナイザ229o、真空ポンプ264、開閉バルブvs1〜vs8,vb1〜vb8,vt1〜vt8,vo3〜vo6、液体流量コントローラ221s,221b,221t、222s、222b、222t、流量コントローラ224s,224b,224t,225s,225b,225t,226s,226b,226t,221o,222o,224o等の動作を制御する。
(2)基板処理工程
続いて、本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の製造工程の一工程として、上述の基板処理装置を用いてALD法によりウェハ上に薄膜を形成する基板処理工程について、図5及び図2を参照しながら説明する。図5は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。また、図2は、本発明の第1実施形態にかかる基板処理装置が有する各バルブの開閉タイミングを示すタイミングチャートとしてのシーケンス図である。このタイミングチャートにおいて、Highレベルはバルブ開を、Lowレベルはバルブ閉を示している。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ280によって制御される。
<基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)>
まず、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図4に示すウェハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ251を開き、処理室201と搬送室271とを連通させる。そして、搬送ロボット273により搬送室271内から処理室201内へ処理対象のウェハ200を搬送アーム273aで支持した状態で搬入する(S1)。処理室201内に搬入したウェハ200は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。搬送ロボット273の搬送アーム273aが処理室201内から搬送室271内へ戻ると、ゲートバルブ251が閉じられる。
続いて、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図3に示すウェハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウェハ200は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される(S2)。
<圧力調整工程(S3)、昇温工程(S4)>
続いて、圧力調整器(APC)262により、処理室201内の圧力が所定の処理圧力となるように制御する(S3)。また、ヒータ206に供給する電力を調整し、ウェハ200の表面温度が所定の処理温度となるように制御する(S4)。
なお、基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)、圧力調整工程(S3)、及び昇温工程(S4)においては、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvs3,vb3,vt3,vo3を閉じ、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4を開けることで、処理室201内にArガスを常に流しておく(idle)。これにより、ウェハ200上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。
工程S1〜S4と並行して、第1液体原料(Sr元素を含む有機金属液体原料)を気化させた原料ガス(以下、第1原料ガスという)を生成(予備気化)させておく(Set up)。すなわち、開閉バルブvs2を閉めたまま、開閉バルブvs1を開けるとともに、第1圧送ガス供給管237sから圧送ガスを供給して、第1液体原料供給源220sから気化器229sに対して第1液体原料を圧送(供給)する。このとき、開閉バルブvs7を開けてN2ガス供給源230nから気化器229sに対してキャリアガス(N2ガス)を供給し、さらに開閉バルブvs8を開けてN2ガス供給源230nから気化器229sに対してパージガス(N2ガス)を供給する。キャリアガスの供給とパージガスの供給は、第1液体原料の供給よりも先行して行うことが好ましい。このようにして気化器229sにて第1液体原料を気化させて第1原料ガスを生成させておく。なお、開閉バルブvs7、開閉バルブvs8は、この後、気化器229sでの気化動作や洗浄動作に関わらず、常に開いた状態とし、キャリアガスとパージガスは、常に気化器229sに対して供給した状態とする。この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvs3を閉めたまま、開閉バルブvs5を開けることにより、第1原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。
また、工程S1〜S4と並行して、反応物としてのオゾンガスを生成させておく(Set up)ことが好ましい。すなわち、酸素ガス供給源230oからオゾナイザ229oへと酸素ガスを供給して、オゾナイザ229oにてオゾンガスを生成させておく。この際、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvo3を閉めたまま、開閉バルブvo5を開けることにより、オゾンガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。
気化器229sにて第1原料ガスを安定して生成させたり、あるいはオゾナイザ229oにてオゾンガスを安定して生成させたりするには所定の時間を要する。このため、本実施形態では、第1原料ガスあるいはオゾンガスを予め生成させておき、開閉バルブvs3,vs5,vo3,vo5の開閉を切り替えることにより、第1原料ガスやオゾンガスの流路を切り替える。その結果、開閉バルブの切り替えにより、処理室201内への第1原料ガスやオゾンガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
この予備気化工程の実施と同時に、開閉バルブvb2,vt2を開き、気化器229b,229tの液体原料流路内に洗浄液(溶媒)を供給して、気化器229b,229t内の洗浄を開始する。このとき、開閉バルブvb7,vt7を開けてN2ガス供給源230nから気化器229b,229tに対してキャリアガス(N2ガス)を供給し、さらに開閉バルブvb8,vt8を開けてN2ガス供給源230nから気化器229b,229tに対してパージガス(N2ガス)を供給する。キャリアガスの供給とパージガスの供給は、洗浄液の供給よりも先行して行うことが好ましい。なお、開閉バルブvb7,vt7、開閉バルブvb8,vt8は、この後、気化器229b,229tでの気化動作や洗浄動作に関わらず、常に開いた状態とし、キャリアガスとパージガスは、常に気化器229b,229tに対して供給した状態とする。なお、洗浄方法の詳細については後述する。
<第1原料ガスを用いたALD工程(S6)>
続いて、真空ポンプ264を作動させたまま、開閉バルブvs4,vs5を閉じ、開閉バルブvs3を開けて、処理室201内への第1原料ガスの供給を開始する(Sr)。第1原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給されて、ウェハ200表面に第1原料ガスのガス分子が吸着する。余剰な第1原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内への第1原料ガスの供給時には、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t、オゾンガス供給管213o内への第1原料ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における第1原料ガスの拡散を促すように、開閉バルブvb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvs3を開け、第1原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvs3を閉じ、開閉バルブvs4,vs5を開けて、処理室201内への第1原料ガスの供給を停止する。また、同時に、開閉バルブvs1を閉めて、気化器229sへの第1液体原料の供給も停止する。なお、開閉バルブvs7、開閉バルブvs8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229sへの供給は継続させる。
ここで、開閉バルブvs3を閉め、第1原料ガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留している第1原料ガスを除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PS1)。
また、開閉バルブvs1を閉め、第1液体原料の供給を停止した後は、気化器229s内の洗浄を開始する(PS1〜)。すなわち、洗浄液圧送ガス供給管237eから圧送ガスを供給するとともに、開閉バルブvs1を閉じたまま、開閉バルブvs2を開け、気化器229sの液体原料流路内に対して洗浄液を供給して、気化器の液体原料流路内を洗浄する。このとき開閉バルブvs1,vs3は閉、開閉バルブvs2,vs5は開とされるので、液体原料流路内に供給された洗浄液は、液体原料流路内を洗浄した後、気化室51s内へ供給されて気化される。このとき、液体原料流路内に残留していた第1液体原料及び溶媒も一緒に気化室51s内へ供給されて気化される。そして、気化された洗浄液、第1液体原料、及び溶媒は、第1原料ガス供給管213sを通り、処理室201内へ供給されることなく、ベント管215sより処理室201をバイパスして排気される。このときも、開閉バルブvs7、開閉バルブvs8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229sへの供給は継続させる。なお、気化器229sの洗浄は、例えば、次回の気化器229sへの第1液体原料の供給開始時まで(S9のTiまで)継続させる。
処理室201内のパージが完了したら、開閉バルブvo4,vo5を閉じ、開閉バルブvo3を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を開始する(OxS)。オゾンガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給され、ウェハ200表面に吸着している第1原料ガスのガス分子と反応して、ウェハ200上にSr元素を含む薄膜としてSrO膜を生成する。余剰なオゾンガスや反応副生成物は、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内へのオゾンガスの供給時には、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t内へのオゾンガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるオゾンガスの拡散を促すように、開閉バルブvs4,vb4,vt4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvo3を開け、オゾンガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvo3を閉じ、開閉バルブvo4,vo5を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を停止する。
開閉バルブvo3を閉め、オゾンガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留しているオゾンガスや反応副生成物を除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PS2)。
なお、第1原料ガスを用いたALD工程(S6)においては、第3液体原料(Ti元素を含む有機金属液体原料)を気化させた原料ガス(以下、第3原料ガスという)を予め生成(予備気化)させておく(PS1〜)。すなわち、開閉バルブvt7、開閉バルブvt8を開いたままとし、キャリアガスとパージガスの気化器229tへの供給を継続した状態で、開閉バルブvt2を閉じ、開閉バルブvt1を開けるとともに、第3圧送ガス供給管237tから圧送ガスを供給して、第3液体原料供給源220tから気化器229tへと第3液体原料を供給して、気化器229tにて第3液体原料を気化させて、第3原料ガスを生成させておく。第1原料ガスを用いたALD工程(S6)では、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvt3を閉めたまま、開閉バルブvt5を開けることにより、第3原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。このように、第3原料ガスを予め生成させておき、後述の第3原料ガスを用いたALD工程(S7)において開閉バルブvt3,vt5の開閉を切り替えることで、第3原料ガスの流路を切り替える。これにより、第3原料ガスを用いたALD工程(S7)において処理室201内への第3原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
<第3原料ガスを用いたALD工程(S7)>
続いて、真空ポンプ264を作動させたまま、開閉バルブvt4,vt5を閉じ、開閉バルブvt3を開けて、処理室201内への第3原料ガスの供給を開始する(Ti)。第3原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給されて、ウェハ200表面に第3原料ガスのガス分子が吸着する。余剰な第3原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内への第3原料ガスの供給時には、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、オゾンガス供給管213o内への第3原料ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における第3原料ガスの拡散を促すように、開閉バルブvs4,vb4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvt3を開け、第3原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvt3を閉じ、開閉バルブvt4,vt5を開けて、処理室201内への第3原料ガスの供給を停止する。また、同時に、開閉バルブvt1を閉めて、気化器229tへの第3液体原料の供給も停止する。なお、開閉バルブvt7、開閉バルブvt8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229tへの供給は継続させる。
ここで、開閉バルブvt3を閉め、第3原料ガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留している第3原料ガスを除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PT1)。
また、開閉バルブvt1を閉め、第3液体原料の供給を停止した後は、気化器229t内の洗浄を開始する(PT1〜)。すなわち、洗浄液圧送ガス供給管237eから圧送ガスを供給するとともに、開閉バルブvt1を閉じたまま、開閉バルブvt2を開け、気化器229tの液体原料流路内に洗浄液を供給して、液体原料流路内を洗浄する。このとき開閉バルブvt1,vt3は閉、開閉バルブvt2,vt5は開とされるので、液体原料流路内に供給された洗浄液は、液体原料流路内を洗浄した後、気化室51t内へ供給されて気化される。このとき、液体原料流路内に残留していた第3液体原料及び溶媒も一緒に気化室51t内へ供給されて気化される。そして、気化された洗浄液、第3液体原料、及び溶媒は、第3原料ガス供給管213tを通り、処理室201内へ供給されることなく、ベント管215tより処理室201をバイパスして排気される。このときも、開閉バルブvt7、開閉バルブvt8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229tへの供給は継続させる。なお、気化器229tの洗浄は、例えば、次回の気化器229tへの第3液体原料の供給開始時まで(S8のBaまで)継続させる。
処理室201内のパージが完了したら、開閉バルブvo4,vo5を閉じ、開閉バルブvo3を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を開始する(OxT)。オゾンガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給され、ウェハ200表面に吸着している第3原料ガスのガス分子と反応して、ウェハ200上にTi元素を含む薄膜としてTiO2膜を生成する。余剰なオゾンガスや反応副生成物は、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内へのオゾンガスの供給時には、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t内へのオゾンガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるオゾンガスの拡散を促すように、開閉バルブvs4,vb4,vt4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvo3を開け、オゾンガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvo3を閉じ、開閉バルブvo4,vo5を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を停止する。
開閉バルブvo3を閉め、オゾンガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留しているオゾンガスや反応副生成物を除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PT2)。
なお、第3原料ガスを用いたALD工程(S7)においては、第2液体原料(Ba元素を含む有機金属液体原料)を気化させた原料ガス(以下、第2原料ガスという)を予め生成(予備気化)させておく(PT1〜)。すなわち、開閉バルブvb7、開閉バルブvb8を開いたままとし、キャリアガスとパージガスの気化器229bへの供給を継続した状態で、開閉バルブvb2を閉じ、開閉バルブvb1を開けるとともに、第2圧送ガス供給管237bから圧送ガスを供給して、第2液体原料供給源220bから気化器229bへと第2液体原料を供給させ、気化器229bにて第2液体原料を気化させて、第2原料ガスを生成させておく。第3原料ガスを用いたALD工程(S7)では、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvb3を閉めたまま、開閉バルブvb5を開けることにより、第2原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。このように、第2原料ガスを予め生成させておき、後述の第2原料ガスを用いたALD工程(S8)において開閉バルブvb3,vb5の開閉を切り替えることにより、第2原料ガスの流路を切り替える。これにより、第2原料ガスを用いたALD工程(S8)において処理室201内への第2原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
<第2原料ガスを用いたALD工程(S8)>
続いて、真空ポンプ264を作動させたまま、開閉バルブvb4,vb5を閉じ、開閉バルブvb3を開けて、処理室201内への第2原料ガスの供給を開始する(Ba)。第2原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給されて、ウェハ200表面に第2原料ガスのガス分子が吸着する。余剰な第2原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内への第2原料ガスの供給時には、第1原料ガス供給管213s、第3原料ガス供給管213t、オゾンガス供給管213oへの第2原料ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における第2原料ガスの拡散を促すように、開閉バルブvs4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvb3を開け、第2原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvb3を閉じ、開閉バルブvb4,vb5を開けて、処理室201内への第2原料ガスの供給を停止する。また、同時に、開閉バルブvb1を閉めて、気化器229bへの第2液体原料の供給も停止する。なお、開閉バルブvb7、開閉バルブvb8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229bへの供給は継続させる。
ここで、開閉バルブvb3を閉め、第2原料ガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留している第2原料ガスを除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PB1)。
また、開閉バルブvb1を閉め、第2液体原料の供給を停止した後は、気化器229b内の洗浄を開始する(PB1〜)。すなわち、洗浄液圧送ガス供給管237eから圧送ガスを供給するとともに、開閉バルブvb1を閉じたまま、開閉バルブvb2を開け、気化器229bの液体原料流路内に洗浄液を供給して、液体原料流路内を洗浄する。このとき開閉バルブvb1,vb3は閉、開閉バルブvb2,vb5は開とされるので、液体原料流路内に供給された洗浄液は、液体原料流路内を洗浄した後、気化室51b内へ供給されて気化される。このとき、液体原料流路内に残留していた第2液体原料及び溶媒も一緒に気化室51b内へ供給されて気化される。そして、気化された洗浄液、第2液体原料、及び溶媒は、第2原料ガス供給管213bを通り、処理室201内へ供給されることなく、ベント管215bより処理室201をバイパスして排気される。このときも、開閉バルブvb7、開閉バルブvb8は、閉じることなく開いた状態とし、キャリアガスとパージガスの気化器229bへの供給は継続させる。なお、気化器229bの洗浄は、例えば、次回の気化器229bへの第2液体原料の供給開始時まで(次回のS7のTiまで)継続させる。
処理室201内のパージが完了したら、開閉バルブvo4,vo5を閉じ、開閉バルブvo3を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を開始する(OxB)。オゾンガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ200上に均一に供給され、ウェハ200表面に吸着している第2原料ガスのガス分子と反応して、ウェハ200上にBa元素を含む薄膜としてBaO膜を生成する。余剰なオゾンガスや反応副生成物は、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内へのオゾンガスの供給時には、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、第3原料ガス供給管213t内へのオゾンガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるオゾンガスの拡散を促すように、開閉バルブvs4,vb4,vt4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておくことが好ましい。
開閉バルブvo3を開け、オゾンガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブvo3を閉じ、開閉バルブvo4,vo5を開けて、処理室201内へのオゾンガスの供給を停止する。
開閉バルブvo3を閉め、オゾンガスの供給を停止した後は、開閉バルブvs4,vb4,vt4,vo4は開けたままとし、処理室201内にArガスを常に流しておく。これにより、処理室201内に残留しているオゾンガスや反応副生成物を除去し、処理室201内をArガスによりパージする(PB2)。
なお、第2原料ガスを用いたALD工程(S8)においては、第3液体原料(Ti元素を含む有機金属液体原料)を気化させた原料ガス(以下、第3原料ガスという)を予め生成(予備気化)させておく(PB1〜)。すなわち、開閉バルブvt7、開閉バルブvt8を開いたままとし、キャリアガスとパージガスの気化器229tへの供給を継続した状態で、開閉バルブvt2を閉じ、開閉バルブvt1を開けるとともに、第3圧送ガス供給管237tから圧送ガスを供給して、第3液体原料供給源220tから気化器229tへと第3液体原料を供給させ、気化器229tにて第3液体原料を気化させて、第3原料ガスを生成させておく。第2原料ガスを用いたALD工程(S8)では、真空ポンプ264を作動させつつ、開閉バルブvt3を閉めたまま、開閉バルブvt5を開けることにより、第3原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。このように、第3原料ガスを予め生成させておき、後述の第3原料ガスを用いたALD工程(S9)において開閉バルブvt3,vt5の開閉を切り替えることにより、第3原料ガスの流路を切り替える。これにより、第3原料ガスを用いたALD工程(S9)において処理室201内への第3原料ガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
<第3原料ガスを用いたALD工程(S9)>
続いて、上述した第3原料ガスを用いたALD工程(S7)と同様の工程を再度実施して、ウェハ200上にTi元素を含む薄膜としてTiO2膜を生成する。
<繰り返し工程(S10)>
第3原料ガスを用いたALD工程(S9)の後、工程S6〜S9までを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すことにより、ウェハ200上に所望の膜厚のBST(チタン酸バリウムストロンチウム)薄膜、すなわち(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成する。
<基板搬出工程(S11)>
その後、上述した基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)に示した手順とは逆の手順により、所望膜厚の薄膜を形成した後のウェハ200を処理室201内から搬送室271内へ搬出して、本実施形態にかかる基板処理工程を完了する。
なお、薄膜形成工程をALD法により行う場合、処理温度を原料ガスが自己分解しない程度の温度帯となるように制御する。この場合、各原料ガスを用いたALD工程(S6〜S9)において各原料ガスを供給する際には、原料ガスは熱分解することなくウェハ200上に吸着する。また、オゾンガスを供給する際には、ウェハ200上に吸着している原料ガス分子とオゾンガスとが反応することにより、ウェハ200上に1原子層未満(1Å未満)程度の薄膜が形成される。なお、このとき、オゾンガスにより薄膜中に混入するC,H等の不純物を脱離させることが出来る。
なお、本実施の形態におけるウェハ200の処理条件としては、例えば(Ba,Sr)TiO3の薄膜を形成する場合、
処理温度:250〜450℃、
処理圧力:10〜200Pa、
第1液体原料Sr(C14O4H25)2(略称;Sr(METHD)2) 0.1mol/L ECH希釈)供給流量:0.01〜0.5cc/min、
第2液体原料Ba(C14O4H25)2(略称;Ba(METHD)2) 0.1mol/L ECH希釈)供給流量:0.01〜0.5cc/min、
第3液体原料Ti(C6O2H11)(C11O2H19)2(略称;Ti(MPD)(THD)2) 0.1mol/L ECH希釈)供給流量:0.01〜0.5cc/min、
反応物(オゾンガス)供給流量:500〜2000sccm(オゾン濃度20〜200g/Nm3)、
洗浄液(ECH)供給流量:0.05〜0.5cc/min、
気化器の高温部材温度:100〜350℃、
気化器の低温部材温度:20〜250℃、
気化室内圧力:数〜10Torr、
が例示される。なお、本実施形態では、各液体原料を希釈する溶媒、および洗浄液として、同一の物質(ECH)を用いている。
(3)第1実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、気化器229s,229b,229tの高温部材と低温部材との間にパージガス流路42s,42b,42tを設け、このパージガス流路42s,42b,42tにパージガスを流通させているので、高温部材から、低温部材へ向かう熱を遮断することができる。
また、本実施形態によれば、気化器229s,229b,229tの噴霧ノズル31s,31b,31tの先端部分をノズルカバー41s,41b,41tで覆い、噴霧ノズル31s,31b,31tの周囲に設けられたパージガス流路42s,42b,42tにパージガスを流通させ吐出部43s,43b,43tより気化管52s,52b,52t内に吐出するようにしているので、気化した原料の逆流による噴霧ノズル31s,31b,31tへの接触、および、それによる原料の再液化、原料の析出を防止することができる。なお、ノズルカバー41s,41b,41tにより、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tの先端面に対応する部分以外の部分を完全に覆い、気化室51s,51b,51tに露出される噴霧ノズル31s,31b,31tの面積を最小限に抑えているので、パージガスによるパージ効果を有効に活用することができる。また、噴霧ノズル31s,31b,31tの最先端部34s,34b,34tを気化管52s,52b,52t内に突出させないようにしているので、パージガスによるパージ効果を有効に活用することができる。
また、本実施形態によれば、上述のパージガスによる熱遮断効果と噴霧ノズルのパージ効果により、噴霧ノズル31s,31b,31tの目詰まりを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、気化器229s,229b,229tにおいて、一段目キャリアガスとして作用するキャリアガスと、二段目キャリアガスとして作用するパージガスにより、液体原料の粒径を2段階で小さくして気化することにより、原料の粒径を微細にすることができ、気化不良を防ぎ、気化速度、気化効率を上げることができる。
また、本実施形態によれば、二段目キャリアガスとして作用するパージガスを流すパージガス流路42s,42b,42tは、吐出部43s,43b,43tに向かうにつれて絞られており、吐出部43s,43b,43tにおける流路が最も狭くなるようにしているので、二段目キャリアガスとして作用するパージガスの流速を高めることができ、原料に与えるエネルギーを高めることができる。これにより、より効率的に原料の粒径を小さくすることができ、気化不良を防ぎ、気化速度、気化効率を上げることができる。
また、本実施形態によれば、気化器229s,229b,229tの噴霧ノズル31s,31b,31tの細管部36s,36b,36tと、パージガス流路42s,42b,42tの吐出部43s,43b,43tとを平行に設け、細管部36s,36b,36tから吐出される二相流となった原料と、吐出部43s,43b,43tから吐出されるパージガスの吐出方向が同じになるようにしているので、より効率的に原料の粒径を小さくすることができ、気化不良を防ぎ、気化速度、気化効率を上げることができる。
また、本実施形態によれば、気化器229s,229b,229tへの液体原料の供給停止時に気化器229s,229b,229tの液体原料流路内に液体原料を希釈する溶媒(ECH等)を供給して気化器229s,229b,229t内を洗浄しているので、液体原料流路内からの有機金属液体原料の除去が促進され、有機金属液体原料による液体原料流路内の閉塞が抑制される。なお、気化器229s,229b,229tの洗浄は、成膜中であって気化動作時以外の時に行うのでスループットに影響を与えることはない。また、洗浄に用いる溶媒の量は必要最小限としているので、溶媒を大量消費することもない。
<本発明の他の実施態様>
上述の実施形態では、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tの下流側端部は、合流するように一本化して原料ガス供給管213となり、一本化した原料ガス供給管213が、ガス導入口210に接続されているが、本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、第1原料ガス供給管213s、第2原料ガス供給管213b、及び第3原料ガス供給管213tの下流側端部が、シャワーヘッド240の上面(天井壁)にそれぞれ直接に接続されていても良い。
また、上述の実施形態では、オゾンガス供給管213oの下流側端部は、原料ガス供給管213に合流するように接続されているが、本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、オゾンガス供給管213oの下流側端部が、シャワーヘッド240の上面(天井壁)に直接に接続されていても良い。
また、上述の実施形態では、ウェハ200上にBST(チタン酸バリウムストロンチウム)薄膜、すなわち(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成する例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、ウェハ200上にSTO(チタン酸ストロンチウム)薄膜、すなわちSrTiO3薄膜を形成するようにしてもよく、更には他の膜を形成するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、各原料ガスの処理室201への1回の供給動作毎に(気化器229s,229b,229tへの各液体原料の1回の吐出動作毎に)、各気化器229s,229b,229t内を洗浄する場合について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。すなわち、気化器229s,229b,229t内の洗浄は、各原料ガスの複数回の供給動作(気化動作)毎に、例えば、2回の供給動作(気化動作)毎に行うこととしても良い。ただし、上述の実施形態のように1回の供給動作(気化動作)毎に洗浄を行う方が、各気化器229s,229b,229t内の洗浄が促され、液体原料の気化動作がより安定するため好ましい。
また、上述の実施形態では、各気化器229s,229b,229t内の洗浄動作を、気化動作を行う時以外の時は常に行うようにしているが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、各気化器229s,229b,229t内の洗浄動作は、液体原料流路内の有機金属液体原料が除去されれば、気化動作を行う時以外の時であっても停止してよい。
また、逆に、各気化器229s,229b,229t内の洗浄動作は、液体原料の気化動作を行う時以外の時だけでなく、液体原料の気化動作を行う時にも行うようにしてもよい。すなわち、液体原料の気化動作を行う時やそれ以外の時にかかわらず、常時、各気化器229s,229b,229t内に洗浄液を供給し続けるようにしてもよい。その場合、液体原料の気化動作を行う時に、液体原料流路内に供給する洗浄液は、液体原料を希釈する溶媒の一部としても機能することとなる。この場合、上述の実施形態のように、液体原料を希釈する溶媒と洗浄液とは同一の物質とするのが好ましい。なお、液体原料の気化動作中に洗浄液を供給する場合には、処理室201内へ供給される原料ガスの供給流量や濃度が所望の値になるように、液体原料、希釈溶媒、洗浄液の分量比率を適宜調整することが好ましい。その場合、例えば、液体原料の気化動作時に供給する洗浄液の流量よりも、液体原料の気化動作時以外の時に供給する洗浄液の流量の方が多くなるようにし、液体原料の気化動作時以外の時に積極的に洗浄を行うようにしてもよい。また、液体原料の気化動作時に供給する洗浄液の流量と液体原料の気化動作時以外の時に供給する洗浄液の流量を一定とし、液体原料の気化動作時以外の時であって、液体原料の気化動作を所定回数行う毎に、洗浄液の流量を液体原料の気化動作時に供給する洗浄液の流量よりも大流量とするフラッシング動作を行うようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、基板処理装置として1度に1枚の基板を処理する枚葉式のALD装置を用いて成膜する例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、基板処理装置として1度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型ALD装置を用いて成膜するようにしてもよい。以下、この縦型ALD装置について説明する。
図11は、第2実施形態で好適に用いられる縦型ALD装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は、処理炉302部分を縦断面で示し、(b)は、処理炉302部分を図11(a)のA−A線断面図で示す。
図11(a)に示されるように、処理炉302は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ307を有する。ヒータ307は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ307の内側には、ヒータ307と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ303が配設されている。プロセスチューブ303は、例えば石英(SiO2)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ303の筒中空部には処理室301が形成されており、基板としてのウェハ200を、後述するボート317によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
プロセスチューブ303の下方には、プロセスチューブ303と同心円状にマニホールド309が配設されている。マニホールド309は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド309は、プロセスチューブ303に係合しており、プロセスチューブ303を支持するように設けられている。なお、マニホールド309とプロセスチューブ303との間には、シール部材としてのOリング320aが設けられている。マニホールド309がヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ303は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ303とマニホールド309とにより反応容器が形成される。
マニホールド309には、第1ガス導入部としての第1ノズル333aと、第2ガス導入部としての第2ノズル333bとが、マニホールド309の側壁を貫通するように、また、その一部が処理室301内に連通するように接続されている。第1ノズル333aと第2ノズル333bは、それぞれ水平部と垂直部とを有するL字形状であり、水平部がマニホールド309に接続され、垂直部が処理室301を構成している反応管303の内壁とウェハ200との間における円弧状の空間に、反応管303の下部より上部の内壁にウェハ200の積載方向に沿って設けられている。第1ノズル333a、第2ノズル333bの垂直部の側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bがそれぞれ設けられている。この第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bは、それぞれ下部から上部にわたって同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
第1ノズル333a、第2ノズル333bに接続されるガス供給系は、上述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1ノズル333aに原料ガス供給管213が接続され、第2ノズル333bにオゾンガス供給管213oが接続される点が、上述の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、原料ガス(第1原料ガス、第2原料ガス、第3原料ガス)と、オゾンガスとを、別々のノズルにより供給する。なお、さらに各原料ガスを別々のノズルにより供給するようにしてもよい。
マニホールド309には、処理室301内の雰囲気を排気する排気管331が設けられている。排気管331のマニホールド309との接続側と反対側である下流側には、圧力検出器としての圧力センサ345及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ342を介して、真空排気装置としての真空ポンプ346が接続されており、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ342は弁を開閉して処理室301の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して処理室301内の圧力を調整することができるよう構成されている開閉弁である。
マニホールド309の下方には、マニホールド309の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ319が設けられている。シールキャップ319は、マニホールド309の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ319は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ319の上面には、マニホールド309の下端と当接するシール部材としてのOリング320bが設けられる。シールキャップ319の処理室301と反対側には、後述するボート317を回転させる回転機構367が設置されている。回転機構367の回転軸355は、シールキャップ319を貫通して、ボート317に接続されており、ボート317を回転させることでウェハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ319は、プロセスチューブ303の外部に垂直に配置された昇降機構としてのボートエレベータ315によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート317を処理室301に対し搬入搬出することが可能となっている。
基板保持具としてのボート317は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなり、複数枚のウェハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート317の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなる断熱部材318が設けられており、ヒータ307からの熱がシールキャップ319側に伝わりにくくなるよう構成されている。なお、断熱部材318は、石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる複数枚の断熱板と、これら断熱板を水平姿勢で多段に保持する断熱板ホルダとにより構成してもよい。プロセスチューブ303内には、温度検出器としての温度センサ363が設置されており、温度センサ363により検出された温度情報に基づきヒータ307への通電具合を調整することにより、処理室301内の温度が所定の温度分布となるように構成されている。温度センサ363は、第1ノズル333a及び第2ノズル333bと同様に、プロセスチューブ303の内壁に沿って設けられている。
制御部(制御手段)であるコントローラ380は、APCバルブ342、ヒータ307、温度センサ363、真空ポンプ346、ボート回転機構367、ボートエレベータ315、気化器229s,229b,229t、オゾナイザ229o、開閉バルブvs1〜vs8、vb1〜vb8、vt1〜vt8、vo3〜vo6、液体流量コントローラ221s,221b,221t,222s,222b,222t、流量コントローラ224s,224b,224t,225s,225b,225t,226s,226b,226t,221o,222o,224o等の動作を制御する。
次に、上記構成にかかる縦型ALD装置の処理炉302を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、ALD法によりウェハ200上に薄膜を形成する基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、縦型ALD装置を構成する各部の動作は、コントローラ380により制御される。
複数枚のウェハ200をボート317に装填(ウェハチャージ)する。そして、図11(a)に示すように、複数枚のウェハ200を保持したボート317を、ボートエレベータ315によって持ち上げて処理室301内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ319はOリング320bを介してマニホールド309の下端をシールした状態となる。
処理室301内が所望の圧力(真空度)となるように、真空排気装置346によって真空排気する。この際、処理室301内の圧力を圧力センサ345で測定して、この測定された圧力に基づき、圧力調節器342をフィードバック制御する。また、処理室301内が所望の温度となるように、ヒータ307によって加熱する。この際、処理室301内が所望の温度分布となるように、温度センサ363が検出した温度情報に基づきヒータ307への通電具合をフィードバック制御する。続いて、回転機構367によりボート317を回転させることで、ウェハ200を回転させる。
その後、上述の第1実施形態と同様に、第1原料ガスを用いたALD工程(S6)、第3原料ガスを用いたALD工程(S7)、第2原料ガスを用いたALD工程(S8)、第3原料ガスを用いたALD工程(S9)を1サイクルとして、このサイクルを所定回数繰り返すことにより(S10)、ウェハ200上に所望の膜厚の(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成する。
その後、ボートエレベータ315によりシールキャップ319を下降させて、マニホールド309の下端を開口させるとともに、所望膜厚の薄膜が形成された後のウェハ200を、ボート317に保持させた状態でマニホールド309の下端からプロセスチューブ303の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済ウェハ200をボート317より取り出す(ウエハディスチャージ)。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、液体原料を気化する気化室と、前記気化室内を加熱するヒータと、液体原料とキャリアガスとを混合させる混合部と、前記混合部でキャリアガスと混合させた液体原料を前記気化室内に噴霧させる噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルと前記混合部とを冷却する冷却部材と、前記噴霧ノズルの先端部分の表面の一部を前記気化室から隔離するように覆うと共に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺にパージガスを流通させる流路を形成するカバーと、を有し、前記噴霧ノズルの前記先端部分の中央最先端部には突起部が設けられ、この突起部の先端面には噴霧口が形成され、前記カバーの前記突起部の前記先端面に対応する部分は開放されており、前記突起部の側面は前記カバーにより覆われており、前記突起部の側面と前記カバーとの間の隙間に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺に流通させたパージガスを前記気化室内に吐出する吐出口が設けられる気化器が提供される。
好ましくは、前記噴霧ノズルの前記突起部は円筒状である。
また好ましくは、前記噴霧ノズルの根元部分は円筒状であり、前記突起部は前記根元部分よりも外径が小さい円筒状である。
また好ましくは、前記噴霧ノズルの根元部分は外径が一定の形状であり、前記先端部分は先端側に行くほど外径が小さくなる形状であり、前記突起部は外径が一定の形状であり前記根元部分よりも外径が小さい。
また好ましくは、前記噴霧口と前記吐出口は、前記噴霧口から噴霧されるキャリアガスと混合させた液体原料の噴霧方向と、前記吐出口から吐出されるパージガスの吐出方向が同じになるように構成される。
また好ましくは、前記噴霧ノズルの前記突起部は、前記気化室内に突出しないように構成される。
また好ましくは、前記噴霧口と前記吐出口は、同一平面上に設けられる。
また好ましくは、前記カバーは前記噴霧ノズルの前記先端部分の表面形状に沿うように構成される。
本発明の他の態様によれば、基板を処理する処理室と、液体原料を気化する気化器と、前記気化器に液体原料を供給する液体原料供給系と、前記気化器にキャリアガスを供給するキャリアガス供給系と、前記気化器にパージガスを供給するパージガス供給系と、前記気化器で前記液体原料を気化させた原料ガスを前記処理室内に供給する原料ガス供給系と、前記原料ガスとは異なる反応ガスを前記処理室内に供給する反応ガス供給系と、を有し、前記気化器は、液体原料を気化する気化室と、前記気化室内を加熱するヒータと、液体原料とキャリアガスとを混合させる混合部と、前記混合部でキャリアガスと混合させた液体原料を前記気化室内に噴霧させる噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルと前記混合部とを冷却する冷却部材と、前記噴霧ノズルの先端部分の表面の一部を前記気化室から隔離するように覆うと共に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺にパージガスを流通させる流路を形成するカバーと、を有し、前記噴霧ノズルの前記先端部分の中央最先端部には突起部が設けられ、この突起部の先端面には噴霧口が形成され、前記カバーの前記突起部の前記先端面に対応する部分は開放されており、前記突起部の側面は前記カバーにより覆われており、前記突起部の側面と前記カバーとの間の隙間に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺に流通させたパージガスを前記気化室内に吐出する吐出口が設けられる基板処理装置が提供される。
本発明の更に他の態様によれば、処理室内に基板を搬入する工程と、液体原料を気化する気化室と、前記気化室内を加熱するヒータと、液体原料とキャリアガスとを混合させる混合部と、前記混合部でキャリアガスと混合させた液体原料を前記気化室内に噴霧させる噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルと前記混合部とを冷却する冷却部材と、前記噴霧ノズルの先端部分の表面の一部を前記気化室から隔離するように覆うと共に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺にパージガスを流通させる流路を形成するカバーと、を有し、前記噴霧ノズルの前記先端部分の中央最先端部には突起部が設けられ、この突起部の先端面には噴霧口が形成され、前記カバーの前記突起部の前記先端面に対応する部分は開放されており、前記突起部の側面は前記カバーにより覆われており、前記突起部の側面と前記カバーとの間の隙間に、前記噴霧ノズルの前記先端部分の周辺に流通させたパージガスを前記気化室内に吐出する吐出口が設けられる気化器を用い、前記気化室内に前記吐出口よりパージガスを吐出させつつ前記噴霧口よりキャリアガスと混合させた液体原料を噴霧させ、前記気化室内で液体原料を気化させる工程と、前記処理室内に前記気化器で液体原料を気化させた原料ガスを供給して基板を処理する工程と、処理済基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。