JP2010026498A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色した偏光子の両面に保護フィルムを備える偏光板であって、該偏光子断面の厚み方向中心部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲における最大ピーク強度T1と、該偏光子の厚み方向端部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲における最大ピーク強度T2との比がT2/T1が、0.920〜0.985である偏光板によって上記課題が解決される。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色した偏光子の両面に保護フィルムを備える偏光板であって、該偏光子断面の厚み方向中心部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲の最大ピーク強度T1と、該偏光子の厚み方向端部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲の最大ピーク強度T2との比が、下記関係を満たす偏光板に関する。
0.920≦T2/T1≦0.985
本発明の偏光板の製造方法においては、ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくともヨウ素染色工程および架橋工程をこの順で施して偏光子を得る工程、得られた偏光子に保護フィルムを積層する工程、を有し、ヨウ素染色工程における染色浴浸漬時間(tB)と、架橋工程における架橋浴浸漬時間(tC)の比(tC/tB)が1.30〜3.90であることが好ましい。
本発明の偏光板を構成する偏光子としては、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系偏光子を用いる。偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものがあげられる。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜10000程度が好ましく、1000〜10000であることがより好ましく、1000〜8000であることがさらに好ましく、2000〜6000であることが特に好ましい。ケン化度は80〜100モル%程度のものが好適に用いられる。
このような偏光子の製造方法は特に限定されないが、少なくとも、前記ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素および/またはヨウ素イオンを含む溶液(染色浴)に浸漬する工程(以下、「ヨウ素染色工程」と称する場合がある)および、ヨウ素染色工程の後に、ホウ酸等の架橋剤を含む溶液(架橋浴)に浸漬する工程(以下、「架橋工程」と称する場合がある)を含み、ヨウ素染色工程における染色浴浸漬時間tBと、架橋工程における架橋浴浸漬時間tCの比tC/tBが1.30〜3.90であることが好ましく、1.40〜3.00であることがより好ましく、1.50〜2.60であることがさらに好ましい。
ヨウ素染色工程は、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素および/またはヨウ素イオンを吸着・配向させることにより行うことができる。染色は、上記ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素溶液を有する染色浴に浸漬することにより行われる。ヨウ素溶液として用いられるヨウ素水溶液は、ヨウ素、およびヨウ化カリウム等の溶解助剤により、ヨウ素イオンを含有させた水溶液などが用いられる。ヨウ素濃度は0.01〜0.5重量%程度であることが好ましく、0.02〜0.4重量%であることがさらに好ましい。また、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10重量%程度であることが好ましく、0.02〜8重量%であることがさらに好ましい。
前記ヨウ素染色工程に供する前に、必要に応じて、ポリビニルアルコール系フィルムを水等に浸漬して膨潤させることもできる。このような膨潤工程によって、ポリビニルアルコール系フィルムが水洗され、フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができる。そのほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで、染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。
染色処理したポリビニルアルコール系フィルムは、架橋処理することが好ましい。架橋処理を行なう架橋溶液としては、通常、ホウ酸、ホウ砂、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の架橋剤を単独又は混合した架橋剤の濃度が、1〜15重量%の水溶液を用いることが好ましく、2〜10重量%の水溶液を用いることがより好ましく、2〜7重量%の水溶液を用いることがさらに好ましく、3〜6重量%の水溶液を用いることが特に好ましい。架橋剤の濃度は、光学特性やポリビニルアルコール系フィルムに発生する延伸力により生じる偏光板収縮のバランスを考慮して決定することができる。
また、ヨウ素吸着配向処理を施したポリビニルアルコール系フィルムは、さらに、ヨウ化カリウム等のヨウ化物水溶液(ヨウ素含浸浴)に浸漬する、色相調整工程に供することが好ましい。含浸浴に用いるヨウ化物は、ヨウ化カリウムであることが好ましい。また、含浸を十分に行う観点から、ヨウ化カリウム濃度は、1〜5重量%であることが好ましく、2〜4重量%であることがさらに好ましい。ヨウ素含浸浴における液温は、通常10〜60℃であり、好ましくは15〜40℃程度であり、より好ましくは20〜30℃である。また、含浸浴の浸漬時間は、1秒〜60秒間であることが好ましく、1〜30秒間であることがより好ましく、3〜30秒間であることがさらに好ましく、3〜15秒間であることが特に好ましい。含浸浴の浸漬時間や、ヨウ化物濃度を前記範囲とすることは、偏光板を直交配置した場合における色相調整の観点において好ましい。
このように得られた偏光子は、最終的に、乾燥工程を施すことが好ましい。乾燥工程は、得られる偏光子に必要とされる水分率に応じて、適宜に、乾燥時間と乾燥温度が設定される。乾燥温度は、通常、20〜150℃の範囲であるが、40〜100℃の範囲であることが好ましい。乾燥温度が低すぎると、乾燥時間が長くなり、製造効率が低下する場合がある。乾燥温度が高すぎると得られる偏光子が劣化し、光学特性および色相が不十分となる場合がある。加熱乾燥時間は、通常、1〜5分間程度である。
(透明保護フィルム)
得られた偏光子は、常法に従って、その両面に透明保護フィルムを積層して偏光板とすることができる。透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。なお、偏光子には、通常、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした表面処理を施したものであってもよい。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。上記の他、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤としては、紫外硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等があげられる。電子線硬化型偏光板用接着剤は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。特に、接着性を満足することが困難であったアクリル樹脂に対しても良好な接着性を示す。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護フィルム等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いうる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
(ラマンスペクトル測定用の試料調整)
ミクロトーム(ライカ製、RM2155)を用いて、偏光板の表面の法線方向にガラスナイフ(日新EM株式会社製、EM−25A型)を入れ、偏光板を切削して、平滑な断面を有する厚み約1mmの偏光板の薄片を得た。
得られた偏光板の薄片を支持体に貼りつけたものを顕微ラマン分光測定装置(RENISHAW社製)の試料台に載せて、ピントを合わせ、励起波長514.5nmのAr+レーザーによりラマンスペクトルの測定を行った。測定は、偏光子の厚み方向の両端部について、偏光子保護フィルムと偏光子の境界面(すなわち、偏光子の表面)から偏光子の厚み中心方向に2μmの位置、及び厚み方向の中心部の計3点でおこなった。各測定は、露光時間:1秒、積算回数:5回、レーザー出力:10%、測定径:2μmの条件でおこなった。
積分球付き分光光度計(日本分光製、V7100)を用いて、単体透過率Tsを求め、単体透過率Tsの測定値から表面反射を除くことにより、視感度補正した単体透過率Ts(Y)を算出した。
また、下記式により偏光板の二色比DRを算出した。下記式において、Ts(Y)は前記視感度補正した単体透過率(%)、Pは偏光度(%)を表す。
(偏光子の調製)
重合度2400、ケン化度99.9%、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中(膨潤浴)に浸漬し、膨潤させながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の2倍となるように自由端一軸延伸をおこなった。ついで、ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物(重量比1:16)の濃度が0.3重量%の水溶液(染色浴)に浸漬し、ポリビニルアルコールフィルム長さがの元長の3倍となるように自由端一軸延伸しながらフィルムを染色した。その後、ホウ酸3重量%、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(架橋浴1)中に浸漬しながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の4倍となるように延伸した後、60℃のホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液(架橋浴2)中で、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。その後、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥し、偏光子を得た。得られた偏光子の厚みは28μmであった。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製 商品名「フジタック TD80UL」)を用いた。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1200,ケン化度98.5モル%,アセトアセチル化度5モル%)100重量部に対し、メチロールメラミン32重量部を、30℃の温度条件下に、純水に溶解し、固形分濃度3.2重量%になるように調整した接着剤水溶液を調製した。
上記接着剤を用い、30℃の温度条件下で、偏光子の両面にトリアセチルセルロースフィルムをロール貼合機で貼り合わせた後、60℃で4分間乾燥させて、厚み188μmの偏光板を得た。
前記実施例1において、染色浴浸の漬時間tB、および架橋浴の浸漬時間tcを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。
Claims (5)
- ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色した偏光子の両面に保護フィルムを備える偏光板であって、該偏光子断面の厚み方向中心部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲の最大ピーク強度T1と、該偏光子の厚み方向端部のラマン分光法による105±5cm−1の範囲の最大ピーク強度T2との比T2/T1が、0.920〜0.985である偏光板。
- 請求項1記載の偏光板の製造方法であって、
ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくともヨウ素染色工程および架橋工程を、この順で施して偏光子を得る工程、
得られた偏光子に保護フィルムを積層する工程、
を有し、ヨウ素染色工程における染色浴浸漬時間tBと、架橋工程における架橋浴浸漬時間tCの比tC/tBが1.30〜3.90である、偏光板の製造方法。 - 架橋工程より後に、ヨウ化カリウム濃度が1〜5重量%である溶液に浸漬する工程を施すことを特徴とする、請求項2記載の偏光板の製造方法。
- 請求項1記載の偏光板が少なくとも1枚用いられていることを特徴とする光学フィルム。
- 請求項1記載の偏光板または請求項4記載の光学フィルムが用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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