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JP2010025199A - 冠型保持器 - Google Patents

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Tomoyuki Aida
友之 合田
Mitsuru Ueda
満 上田
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JTEKT Corp
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Abstract

【課題】潤滑油不足を解消することができ、玉を良好な状態で保持することができる冠型保持器を提供する。
【解決手段】玉軸受の複数の玉3を転動自在に保持すべく、軸方向一方側に開口しているポケット7が周方向に複数形成されている。ポケット7の内面9の少なくとも内周側部分に、潤滑油を溜めるための凹部7が複数形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、玉軸受用の冠型保持器に関する。
一般的な玉軸受として、外輪と、内輪と、外輪軌道面および内輪軌道面を転動する複数の玉と、これら複数の玉を転動自在として保持している合成樹脂製の冠型保持器(以下、保持器ともいう)とを備えたものがある。図6(a)は、従来の保持器40の一部を示した斜視図であり、図6(b)は、玉軸受内に取り付けられた状態にある従来の保持器40の断面図である。図6(a)において、この保持器40には、複数の玉41を転動自在に保持するために、ポケット42が周方向に等間隔で複数形成されている。ポケット42は軸方向一方側(図6(a)では上方側)に開口して形成されている。また、ポケット42が形成されている部分には、対向する対の爪部43が設けられており、これら対の爪部43によってポケット42内に配置した玉41が抜け出ることを防止している。
玉軸受が回転すると、これに伴って保持器40も回転し、保持器40に遠心力が作用する。特に玉軸受の回転数が高く(例えば内径30mmの玉軸受で3万rpm)、高温(例えば100℃)の環境で使用される場合、例えば、エンジンの補機用として使用される場合、保持器40は合成樹脂製であって、保持器40の爪部43側は、環状となっている基部46に比べて剛性が低い形状となっているため、前記遠心力により、図6(b)の破線で示しているように、爪部43側は径方向外方(外輪49側)へ変形する。これに対し玉41は玉軸受内でピッチ円上に配置されたままであることから、前記変形によって、両側の爪部43それぞれの内周部44は玉41に接近しさらに局部的に接触し、両側の内周部44によって、玉41に形成されている油膜(潤滑油)が掻き取られるおそれがある。このため玉41表面の潤滑油が不足し、玉軸受における潤滑状態が悪化し、玉軸受が焼き付くおそれがある。
そこで、このような問題点を解消するために、保持器のポケットを内径側へ向かって漸次広くなるように形成したものがある(特許文献1参照)。
特開2001−116051号公報(図2参照)
特許文献1に記載の保持器によれば、潤滑油が内径側からポケットへ入りやすい構成となるが、玉を、主に保持器の外周側の部分で保持するため、当該外周側の部分が偏って摩耗するおそれがあり、また、ポケットの内面は、玉の外周面(球面)に沿った形状でないことから、保持器全体として玉を保持する機能が弱いという問題点がある。
そこで、本発明は、潤滑油不足を解消することができ、玉を良好な状態で保持することができる冠型保持器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の冠型保持器は、玉軸受の複数の玉を転動自在に保持すべく、軸方向一方側に開口しているポケットが周方向に複数形成された冠型保持器において、前記ポケットの内面の少なくとも内周側部分に、潤滑油を溜めるための凹部が複数形成されている。
本発明によれば、玉軸受が回転すると冠型保持器も回転し、冠型保持器に遠心力が作用する。この遠心力によって冠型保持器が変形することで、ポケットの内面の内の内周側部分が玉に接触したとしても、当該内周側部分に形成された凹部に潤滑油を溜めることができるので、この凹部内に溜められた潤滑油が玉との間に供給され、玉における潤滑油切れを防止することができる。さらに、前記遠心力によって、ポケットの内周側部分と玉とが接触したとしても、当該内周側部分に凹部が形成されていることから、玉との接触面積を減らすことができ、摩擦抵抗の増加を防止することができる。このように、玉との間の潤滑油切れを防止することができると共に、玉との間で生じる摩擦抵抗の増加を防止することができるので、玉を良好な状態で保持することができる。
また、前記ポケットの内面は、保持する前記玉を中心とし当該玉の半径よりも大きい半径を有する球面に沿って形成され、かつ、当該ポケットの内面は、前記玉の内の径方向外側の半球部の一部と対向する外周側球面と、当該玉の径方向内側の半球部の一部と対向する内周側球面とを有し、当該内周側球面の面積は当該外周側球面の面積よりも狭くなっているのが好ましい。
前記のとおり遠心力によって冠型保持器が変形すると、従来の保持器では、ポケットの内面の内周側部分は、玉と接近する方向へ変形するが、本発明によれば、内周側球面の面積を外周側球面の面積よりも狭くしているので、前記遠心力によって玉と接近する部分を減らすことができ、内周側球面によって潤滑油が掻き取られにくくすることができる。さらに、狭くする内周側球面に対して外周側球面を広くしていることで、ポケットの内面の総面積を確保しつつ、ポケットの内面は、保持する玉を中心としかつ当該玉よりも半径が大きい曲面に沿って形成されているので、玉をポケット内面の全体で保持することができ、玉を保持する機能の低下を防ぐことができる。
本発明によれば、ポケットの内面の内周側部分に形成された凹部により、玉との間の潤滑油切れを防止することができると共に、玉との間で生じる摩擦抵抗の増加を防止することができるので、玉を良好な状態で保持することができる。この結果、玉軸受および冠型保持器の寿命が短くなることを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の冠型保持器が取り付けられた状態にある玉軸受の断面図である。この玉軸受は、外輪1と、この外輪1と同心上に設けられている内輪2と、外輪1および内輪2の間に設けられた複数の玉3と、これら複数の玉3を等間隔で保持する冠型保持器4(以下、保持器4という)とを備えている。
外輪1の内周面に外輪軌道面11が形成されており、内輪2の外周面に内輪軌道面12が形成されている。複数の玉3それぞれの中心は、玉軸受の軸心Cを中心とする一つのピッチ円P上に配置されており、これらの玉3は、外輪軌道面11および内輪軌道面12を転動する。そして、保持器4は、ピッチ円P上にあるこれら複数の玉3を転動自在として保持している。なお、玉3は全て同じものである。
図2は保持器4の斜視図である。図1および図2に示しているように、保持器4には、複数(図例では10個)の前記玉3を転動自在に保持するポケット7が周方向に複数(図例では10個)形成されており、ポケット7は、軸方向の一方側(図1および図2では左側)に開口している。保持器4の全体形状は環状となっていて、いわゆる冠型として構成されている。また、保持器4は合成樹脂製である。複数の玉3それぞれを、ポケット7内に押し入れる際に、玉3によってポケット7の開口端18a,18bの間が弾性的に押し広げられる。
保持器4は、円環状の基部6と本体部8とを有している。本体部8は、ポケット7が形成されている部分であり、基部6は、外輪1と内輪2との間に設けられている複数の玉3よりも軸方向の他方側(図1および図2では右側)に配置されている部分である。本体部8は、柱部14を周方向に複数有していて、各柱部14は環状の基部6から軸方向の一方側(図2では左側)へ突出している。そして、周方向に隣り合う柱部14間が前記ポケット7となる。柱部14それぞれの軸方向の一方側には、対の爪部17a,17a(17b,17b)が当該一方側へさらに突出して設けられている。そして、ポケット7を挟んで対向する爪部17a,17bが、当該ポケット7内に配置した玉3が抜け出ることを防止する。爪部17a,17bの内面側の先端がポケット開口端18a,18bとなる。
図3は、保持器4のポケット7およびその周辺部を、ポケット7の開口部側から見た拡大図であり、図4はその断面図(図3のIV矢視の断面図)である。ポケット7の内面(以下、ポケット内面9という)は、一点C0を中心とし、玉3の曲率半径r1よりも若干大きな曲率半径r2を有する球面に沿った形状である。保持器4が回転していない状態で、ポケット7の前記一点(ポケット7の中心点)C0は、ピッチ円P上に配設され、ポケット7に転動自在として収容させた玉3の中心点と一致する。
図4において、本発明の保持器4では、各ポケット内面9の少なくとも内周側部分に凹部10が複数形成されている。ポケット内面9について、および、凹部10の位置について具体的に説明すると、各ポケット内面9は、その全ての範囲において、(前記のとおり)保持する玉3を中心としかつ当該玉3の半径よりも僅かに大きい半径を有する球面に沿って形成されている。そして、このポケット内面9は、玉3の内のピッチ円Pよりも外周側(径方向外側)の半球部3aの一部と対向する外周側球面21と、当該玉3のピッチ円Pよりも内周側(径方向内側)の半球部3bの一部と対向する内周側球面22とを有している。これら外周側球面21および内周側球面22によって、一つのポケット内面9が構成されている。そして、このポケット内面9の内の内周側球面22に、前記凹部10が形成されている。
凹部10は、ポケット内面9の内周側縁部に並んで形成されている。各凹部10は、玉3(半球部3b)に向かって開口している凹溝からなり、溝方向は保持器4の外周側へ向かう方向である。凹部(凹溝)10の内径側端部10bは、保持器内周面31で開口しているが、凹部(凹溝)10の外径側端部10aは、前記外周側球面21まで達しておらず、前記内周側球面22の範囲内に存在している。また、図4において、複数の凹部10が内周側球面22に並んで設けられているが、この内周側球面22の内の少なくとも前記爪部17a(17b)の内面に、凹部10は形成されていればよい。なお、図4の形態では、柱部14の内面にも、凹部10が形成されている。
また、本発明の保持器4は、当該保持器4の板厚中心線Q(図3参照)が、玉3のピッチ円Pに対して外周側に位置ずれしている。すなわち、図3において、玉3のピッチ円Pから保持器内周面31までの距離aは、ピッチ円Pから保持器外周面32までの距離bよりも小さく設定されている(a<b)。この構成により、ポケット内面9の内の内周側球面22の面積は、外周側球面21の面積よりも狭くなり、また、ポケット開口端18a,18bにおいて、内径側の開口寸法Eは、外径側の開口寸法Fよりも大きくなっている(E>F)。
この実施の形態によれば、玉軸受が回転すると保持器4も回転し、保持器4に遠心力が作用する。この遠心力によって、保持器4が外周側へ変形することでポケット内面9の内周側球面22が玉3に接触したとしても、当該内周側球面22に形成された凹部10に、玉軸受内に供給されている潤滑油(グリース)を溜めることができるので、この凹部10内に溜められた潤滑油が玉3との間に供給され、玉3における潤滑油切れを防止することができる。さらに、前記遠心力によって、ポケット内面9の内周側球面22と玉3とが接触したとしても、当該内周側球面22には凹部10が形成されていることから、玉3との接触面積を減らすことができ、摩擦抵抗の増加を防止することができる。このように、玉3との間の潤滑油切れを防止することができると共に、玉3との間で生じる摩擦抵抗の増加を防止することができるので、玉3を良好な状態で保持することができる。
図6(a)に示しているように、従来の保持器40では、ポケット内面の内周側部分は、径方向外側を向く部分50を広く有しているため、遠心力によって保持器40が拡径するように変形すると、この径方向外側を向く部分50は玉41と接近するが(接触しようとするが)、本発明の前記実施形態によれば(図3参照)、内周側球面22の面積を外周側球面21の面積よりも狭くしていることで、径方向外側を向く部分は狭く(ほとんど無く)、遠心力によって玉3と接近する部分を減らすことができ、ポケット7の内周側球面22によって潤滑油が掻き取られにくくすることができる。
さらに、狭くする内周側球面22に対して外周側球面21を広くしていることで、ポケット内面9の総面積を確保しつつ、ポケット内面9は、保持する玉3を中心としかつ当該玉3よりも半径が僅かに大きい曲面に沿って形成されているので、玉3をポケット内面9の全体で保持することができ、玉を保持する機能の低下を防ぐことができる。
以上より、玉軸受が高速で回転(例えば内径30mmの玉軸受で3万rpm)し、高温(例えば100℃)の環境で使用される場合であっても、従来のように(図6参照)、対の爪部43の内周部44が玉41に局部的に接触し、玉41に形成されている油膜が掻き取られ、玉軸受における潤滑状態が悪化することを防止することができる。この結果、本発明によれば、保持器4が局部的に摩耗したり玉軸受が焼き付いたりするのを防止することができ、玉軸受および保持器4の寿命が短くなることを防ぐことができる。
また、本発明の冠型保持器は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。本発明では、ポケット内面9の内周側部分(内周側球面22)に凹部10が複数形成されている場合を説明したが、この凹部10は、ポケット内面9の少なくとも内周側部分(内周側球面22の一部)に形成されていればよく、(図示しないが)凹部10(凹溝)は、内周側球面22から外周側球面21の一部にまで延びて形成されていれもよい。この場合、(図3と図4を参考にして説明すると)凹部(凹溝)10の内径側端部10bは、前記実施形態と同様に、保持器内周面31で開口しており、外径側端部10aは、前記保持器外周面32まで達しておらず、前記外周側球面21の途中部に存在している。
また、前記凹部10を凹溝によって構成する以外として、図5に示しているように、凹部10をスリットによって構成してもよい。つまり、スリットである凹部10は、保持器内周面31で開口していると共に、爪部17a(17b)をポケット7の内外で貫通している。なお、図5では、ポケット内面9の内の爪部17a(17b)の内面に形成されている凹部10が、スリットによって構成されていて、ポケット内面9の内の柱部14の内面に形成されている凹部10は、凹溝によって構成されている。
本発明の冠型保持器が取り付けられた状態にある玉軸受の断面図である。 保持器の斜視図である。 保持器のポケットおよびその周辺部を、ポケットの開口部側から見た拡大図である。 図3のIV矢視の断面図である。 他の実施形態の冠型保持器の断面図である。 従来の保持器の説明図である。
符号の説明
3 玉
3a 径方向外側の半球部
3b 径方向内側の半球部
4 冠形保持器
7 ポケット
9 ポケット内面
10 凹部
21 外周側球面
22 内周側球面

Claims (2)

  1. 玉軸受の複数の玉を転動自在に保持すべく、軸方向一方側に開口しているポケットが周方向に複数形成された冠型保持器において、
    前記ポケットの内面の少なくとも内周側部分に、潤滑油を溜めるための凹部が複数形成されていることを特徴とする冠型保持器。
  2. 前記ポケットの内面は、保持する前記玉を中心とし当該玉の半径よりも大きい半径を有する球面に沿って形成され、かつ、当該ポケットの内面は、前記玉の内の径方向外側の半球部の一部と対向する外周側球面と、当該玉の径方向内側の半球部の一部と対向する内周側球面とを有し、当該内周側球面の面積は当該外周側球面の面積よりも狭くなっている請求項1に記載の冠型保持器。
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