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JP2010019562A - レーザ光を用いた2次元分布計測装置 - Google Patents

レーザ光を用いた2次元分布計測装置 Download PDF

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JP2010019562A JP2008177628A JP2008177628A JP2010019562A JP 2010019562 A JP2010019562 A JP 2010019562A JP 2008177628 A JP2008177628 A JP 2008177628A JP 2008177628 A JP2008177628 A JP 2008177628A JP 2010019562 A JP2010019562 A JP 2010019562A
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Kazumi Yasuda
和巳 安田
Kazuhiro Oshiryoji
一浩 押領司
Kenji Yamamoto
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Abstract

【課題】被計測分子の濃度偏差が大きな計測場においても濃度分布を高精度に計測できるレーザを用いた2次元計測装置を提供する。
【解決手段】シート状のレーザ光を出力し計測場の被計測分子に照射するビームエキスパンダと、上記ビームエキスパンダと計測場の間に設けられ内部に蛍光物質が封入され上記レーザ光を通過させるセルと、前記セル内の蛍光物質が発する蛍光の蛍光強度及び計測場の被計測分子が発する蛍光の蛍光強度を測定する蛍光測定手段と、前記セルの位置情報と前記計測場の位置情報を用いて、前記計測場の蛍光強度を前記セル内の蛍光強度で正規化して濃度分布を高精度に計測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ誘起蛍光法を用いた被計測分子の濃度、温度などの特性に関する2次元分布を計測するレーザ光を用いた計測装置に関する。
被計測分子の濃度や温度の2次元分布を計測する方法として、2次元のシート状のレーザ光を用いたレーザシート法とレーザ誘起蛍光法(LIF:Laser Induced Fluorescence)を組み合わせた計測手法、Planer− LIF(以下P−LIFと略す)が従来用いられている。
図6に、一般的なP−LIFを用いた2次元濃度計測装置の概略構成を示す。本計測装置において、励起用パルスレーザ装置1から発振したレーザは波長可変色素レーザ装置2に入力され、被計測分子の電子励起エネルギーに対応した波長に変換されたビーム状のレーザ光11を発振する。レーザ光11はビームエキスパンダ13で厚さ1mm前後のシート状に広げられ、凸面レンズ20で射出方向に平行な幅を持つレーザシート光12に整形されて、被計測分子を含む計測場10に照射される。図のレーザシート光の拡がりは紙面とほぼ平行である。
計測場10の被計測分子はレーザシート光12の一部を吸収して励起状態になり、基底状態に戻るときに特定の波長を持った蛍光を発する。この蛍光をレーザシート光に対しほぼ直交する方向あるいは斜め方向からレンズ5で集光してCCDカメラ4で蛍光強度の2次元分布データとして計測する。計測場10とレンズ5の間には光学フィルタ6を設置し、光学フィルタ6によってレーザシート光12の散乱光などの迷光を低減し被計測分子の蛍光を選択的にレンズ5に導く。計測したデータはライン8で制御装置である制御コンピュータ3に取り込む。また制御コンピュータ3に設けた同時計測手段により同期ライン9で励起用パルスレーザ装置1の発振とCCDカメラ4の露光タイミングを調整する。
P−LIFでは、蛍光強度は被計測分子の濃度とレーザシート光の強度の積に比例する。レーザシート光は一般に不均質な強度分布を持っており、計測する全領域において一様な強度分布のレーザシート光12を照射することは困難である。したがって被計測分子の濃度すなわち蛍光強度を正確に計測するためには、CCDカメラ4で計測した蛍光強度からレーザシート光12の強度分布の変化による影響を除去する必要がある。
レーザシート光12の強度を計測する方法として、計測場10での測定前に、均一な所定濃度の蛍光物質を封入したセル7を計測場10に挿入してレーザシート光によるセル7の蛍光強度を計測する方法が知られている。セル7に封入した蛍光物質の濃度は均一でありセル7の蛍光強度はレーザシート光12の強度に比例する。上記のようにあらかじめ計測したレーザシート光の蛍光強度を用いて計測場10の蛍光強度を除算することにより計測値を正規化し、レーザシート光の強度分布の影響を除去し計測場10の被計測分子濃度を正確に計測する。
また、特許文献1には、計測場とビームエキスパンダの間に蛍光物質を封入したセルを設置し、計測場の蛍光を計測するCCDカメラとは別に、セル中の蛍光物質が発する蛍光を計測するCCDカメラを設置し、2つのCCDカメラで計測場とセルの蛍光強度分布を同時に計測し、セルの蛍光強度分布で計測場の蛍光強度分布を除算して計測値を正規化する計測装置が示されている。
特許文献2には、ビームエキスパンダと計測場の間にレーザ光の一部を分岐するビームスプリッタを設け、ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を蛍光物質を塗布したガラス板に照射し、ガラス板の蛍光物質から発する蛍光強度を測定し、この蛍光強度分布で計測場の蛍光強度分布を除算することで正規化する計測装置が示されている。
特開平7-198611号公報 特開平9-210909号公報
しかしながら、上記の被計測分子の計測前にレーザシート光の強度をあらかじめ計測しておく方法では計測場10の蛍光強度とレーザシート光12の強度とを同時に計測できなかった。レーザシート光出力は時間的変動が大きく、そのため、時間的に同期のとれない複数の計測データについて蛍光強度を比較することが困難であった。
また、P−LIFでは、レーリー散乱や被計測分子を励起するための吸収により、レーザシート光の強度はレーザ装置から離れるに従って減衰し、その減衰量は被計測分子の濃度に比例する。したがって、特許文献1に記載の装置のように、計測場の蛍光強度を均一濃度の蛍光物質を封入したセルの一様な蛍光強度で除算すると、計測場とセル内部の蛍光物質の濃度分布が異なることに起因する計測誤差が生じる。また、特許文献1には、レーザシート光の減衰に対する補正は開示されていない。
特許文献2に記載の装置では、レーザシート光の幅方向の強度分布を補正することはできるが、レーザシート光の照射方向のレーザシート光の減衰については記載されていない。
また、特許文献1および特許文献2に記載の装置はいずれもレーザシート光が完全な平行光である必要があり、レーザシート光を平行にできないときや調整が不十分なときには、濃度を計測できなかったり計測誤差が生じたりする。さらに、上記のいずれの方法においても濃度の絶対値を計測することはできなかった。
本発明の目的は、計測場における被計測分子の濃度偏差が大きな計測場においても濃度分布を高精度に計測できるレーザを用いた2次元分布計測装置を提供することである。また、あわせて濃度の絶対値を計測できるレーザを用いた2次元分布計測装置を提供することである。
本発明は、レーザビームを出力するレーザ装置と、レーザビームをレーザシート光に変換するビームエキスパンダと、被計測分子を有する計測場と、前記計測場の被計測分子に照射されたレーザシート光による被計測分子の蛍光強度を測定する蛍光測定手段と、前記レーザ装置のレーザシート光照射時間と前記蛍光測定手段の測定時間のタイミングを調整する制御装置とを有する2次元分布計測装置において、前記レーザ装置と計測場の間に、内部に蛍光物質が封入されレーザシート光が照射されるセルを設け、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段と、セルの蛍光強度および位置情報と前記計測場の蛍光強度および位置情報を用いて計測場における被計測分子の蛍光強度を正規化する正規化手段とを設けたことを特徴とする。
また、前記正規化手段は、レーザシート光によるセルの蛍光強度により被計測分子の特性を求めて計測場におけるレーザシート光の強度を計算し、計測された被計測分子の蛍光強度を前記計測場におけるレーザ光の強度で正規化して計測場における被計測分子の特性分布を計算することを特徴とする。
また、前記正規化手段における被計測分子の特性は、被計測分子の吸光係数と、蛍光強度とレーザシート光強度に関する比例定数を含むことを特徴とする。
さらに、前記同時計測手段は、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を単一の蛍光測定手段によって同時に計測することを特徴とする。
さらに、上記ビームエキスパンダと計測場の間に設けられ前記シートレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザシート光と平行になるように前記ビームスプリッタにより分岐したレーザシート光を反射させるミラーと、ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を通過させる前記セルと、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を単一の蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とする。
さらに、上記ビームエキスパンダと計測場の間に設けられ前記シート状のレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザ光と平行になるように前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を反射させるミラーと、前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を通過させる前記セルと、前記セルの蛍光強度を測定するセル蛍光測定手段と、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を前記蛍光測定手段およびセル蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とする。
さらに、前記レーザ装置と上記ビームエキスパンダとの間に設置され前記ビーム状のレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザ光と平行になるように前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を反射させるミラーと、前記ミラーによって反射したレーザ光をレーザシート光に変換して前記セルに照射するビームエキスパンダと、前記セルの蛍光強度を測定するセル蛍光測定手段と、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を前記蛍光測定手段およびセル蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とする。
さらに、前記セルに封入する蛍光物質を前記計測場の被計測分子と同一物質にしたことを特徴とする。
本発明によれば、被計測分子の濃度偏差が激しい計測場における蛍光強度を高精度に計測可能なレーザ光を用いた計測装置を実現できる。さらに2次元濃度分布などの複数の計測データの平均値や変動成分を高精度に統計処理できるレーザ光を用いた計測装置を実現できる。
また、上記の計測装置において、計測対象と同一物質をセルに封入することで計測場の絶対濃度を計測できる計測装置を実現できる。
以下に、本発明によるレーザ光を用いた計測装置について図を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について、全体の概略構成を図1に示す。本計測装置は、励起用パルスレーザ装置1と波長可変色素レーザ装置2からなるレーザ装置、ビームエキスパンダ13、蛍光測定手段であるCCDカメラ4、制御装置である制御コンピュータ3、セル7、計測場10で構成される。
励起用パルスレーザ装置1が発振したレーザは波長可変色素レーザ装置2にて被計測分子の電子励起エネルギーに対応した波長に変換されたビーム状のレーザ光11として発振される。レーザ光11はビームエキスパンダ13で紙面と平行に拡散するシート状のレーザシート光12に拡げられ、被計測分子と同一種類の分子からなる所定濃度の蛍光物質を封入したセル7を透過して被計測分子を含む計測場10に照射される。
セル7と計測場10で発光した蛍光をレンズ5で集光し、CCDカメラ4で蛍光強度の2次元分布を計測する。蛍光強度の2次元分布は、CCDカメラ4を構成するCCD画素数に対応した2次元のデジタルデータである。計測した蛍光強度の2次元分布データはライン8で制御コンピュータ3に取り込まれ処理される。また制御コンピュータ3は、同期ライン9で励起用パルスレーザ装置1の発振とCCDカメラ4の露光のタイミングを調整する。CCDカメラ4によって計測した蛍光強度の2次元分布データには、レーザ装置側にセル7の蛍光強度、レーザ装置から離れた領域に計測場10の蛍光強度が各々連続的に記録される。
計測場10とレンズ5との間には光学フィルタ6が設置され、レーザシート光12やその散乱光、そのほかの迷光を低減している。レーザ装置は励起用パルスレーザ装置1と波長可変色素レーザ装置2に替えてエキシマレーザなどの波長可変レーザを用いてもよい。また、レーザシート光12は図5と同様にビームエキスパンダと凸レンズを組み合わせて平行な幅を持つレーザシート光にしてもよい。
励起用パルスレーザ装置1のレーザ光のパルス幅は数ナノ秒であり、蛍光の発光持続時間は1マイクロ秒程度である。蛍光強度は励起レーザ光の照射後に指数関数的に減衰する。従ってCCDカメラ4の露光時間は数ナノから数百ナノ秒に設定するとよい。
〔被計測分子濃度の計算〕
上記により計測した計測場10の蛍光強度Iの2次元分布データは、計測場10の被計測分子の濃度Cとレーザシート光12の強度Iの積に比例している。すなわち、蛍光強度Iとレーザ光の強度Iとの間には次の関係がある。
= aCI ……(式1)
ここでaはCCDカメラ4や光学フィルタ6など計測装置の特性によって決まる比例定数である。したがって、被計測分子の濃度Cは、計測した蛍光強度Iをレーザシート光12の強度Iで除算することで求められる。被計測分子の2次元濃度分布を得るためには、CCDカメラ4の画素1点1点について、計測した各画素の蛍光強度Iを、各画素におけるレーザシート光の強度Iで除算する。各画素のレーザシート光の強度Iは、射出されるレーザシート光12の不均一性と被計測分子によるレーザシート光の吸収減衰の2つを考慮して計算する。
以下に各画素のレーザシート光強度Iの計算方法について図6により説明する。図2(a)にレーザシート光の拡がり方向に対し直交する方向から見た、CCDカメラ4の計測領域とレーザシート光12の照射方向の関係を示す。図2(b)にはレーザシート光12のある光線について、図2(a)のX方向に対応したレーザシート光の強度Iと蛍光強度Iの分布を示す。図2(c)に図2(a)のA−A断面におけるレーザシート光の強度Iと蛍光強度Iの分布を示す。
〔レーザ光の不均一性の補正〕
まず、レーザシート光12が平行光でない場合について不均一性を補正する計算について説明する。図2(a)において、CCDカメラ4の計測領域30には、セル7の蛍光強度31および計測場10の蛍光強度32が計測されている。図1におけるレーザシート光12は、ビームエキスパンダ13の焦点に相当する、仮想的な光源33から拡がり角θで拡がりながら、計測領域30を照射しているとみなせる。以下、本図のY方向をレーザシート光12の幅方向、X方向をレーザシート光12の照射方向と呼ぶ。
レーザシート光12は、図1の波長可変色素レーザ装置2から発振したビーム状のレーザ光11をビームエキスパンダ13でシート状に広げて形成しているため、レーザシート光12の幅方向について強度は均一でない。CCDカメラ4の計測領域30において、セル7の蛍光強度31のレーザシート光12の幅方向A−A断面について図2(c)の実線に示すような蛍光強度Iの分布が得られる。セル7の蛍光物質の濃度Cは幅方向に一様であり、蛍光強度Iはレーザシート光12の強度Iに比例するため、蛍光強度Iの分布からレーザシート光12の幅方向A−A断面における強度Iの分布が得られる。
次に、セル7の蛍光強度31の分布から、レーザシート光12の拡がり角θとレーザシート光12の光源33の位置を計算する。レーザシート光12は光源33から光線34のように照射している。CCDカメラ4の計測領域30の任意の点におけるレーザシート光12の強度Iは、セル7の蛍光強度31と、シート光12の拡がり角θと光源33の位置、および光源33から計算する任意の点までの距離Lから計算する。
なお、セル7の蛍光強度31の分布データが不十分でレーザシート光12の光源33を計算できない場合には、ビームエキスパンダ13とセル7の位置関係、及びレーザシート光12の拡がり角から光源33を決めてもよい。また、レーザシート光12が完全な平行光である場合は、次に示すレーザの減衰補正のみを計算するとよい。
〔レーザ光の吸収減衰の補正〕
さらに、被計測分子によるレーザシート光12の吸収減衰を補正する計算について説明する。計測場10の蛍光強度32について、光源33から照射する一本の光線34について説明する。光線34の照射方向についてレーザシート光の強度Iと蛍光強度Iの分布を図2(b)に示す。実線はCCDカメラ4によって計測した蛍光強度Iの分布であり、一点鎖線は上記のレーザシート光12の拡がりのみを考慮して計算したレーザシート光12の強度分布であり、点線はさらに被計測分子による光の吸収のファクタを加えて計算したレーザシート光12の強度Iabsの分布を示す。
被計測分子の光の吸収に関する吸光計数εは、セル7に入射する前の光の強度Iが幅Lcellのセル7中を透過したときの光の強度をILcellとしたとき、セル7中の被計測分子の濃度Cを用いて以下の式で示される。
Log ( ILcell /I ) = εCLcell ……(式2)
本計測装置では、セル7の大きさLcell、被計測分子の濃度Cは既知であるから、セル7の蛍光強度31を用いて吸光係数εを計算する。なお、被計測分子の吸光係数εが既知である場合はその値を用いてもよい。
セル7の蛍光強度31から、レーザシート光12の強度Iと被計測分子の濃度Cに対する蛍光強度Iの関係式(1)により、比例定数aを計算する。
上記式(1)(2)によって計算した比例定数aおよび吸光係数εを用いて、計測場10の蛍光強度32について、CCDの画素ごとに光源33側から順に光源33から離れる照射方向に順に被計測分子による光の吸収を考慮したレーザシート光12の強度Iabsを計算する。レーザシート光12の強度Iabsと各画素の蛍光強度Iから濃度Cが計算できる。
上記の方法で得られた光源33に近い領域から離れる照射方向にしたがって被計測分子による光の吸収を考慮したレーザシート光12の強度Iabsの分布を用いることで、レーザシート光12の拡散による強度低下と被計測分子によるレーザシート光12の吸収による影響を低減した、高精度な被計測分子の濃度分布を得ることができる。上記の計算は制御コンピュータにおいて、所定のソフトウェアを用いて行われる。すなわち正規化手段、計算手段はこれらハードウェア、ソフトウェア上に構成される。
P−LIFでは高感度なCCDカメラで計測するが、ノイズを低減したり非定常な計測場における濃度の時間平均分布を計測するために、連続して計測した2次元蛍光強度分布データを平均化することが多い。しかしすでに述べたように、蛍光強度はレーザ光照射からの経過時間に強く依存し、レーザ光照射とCCDカメラの露光タイミングが僅かにずれるだけで計測する蛍光強度は大きく異なる。したがって、レーザパワーメータ等によるレーザ強度と計測された蛍光強度が比例しないことがある。
本実施形態では、計測場の計測と同時に同一計測場に設けた均一濃度のセルの蛍光を同時計測手段として用いる単一のCCDカメラで計測することで、照射するレーザ光の強度を高精度に補正することができる。CCDカメラ4で計測した蛍光強度の2次元分布データを単純に平均化するのではなく、上記の方法で正確に求めたレーザ光強度で被計測分子の蛍光強度を正規化して計算することにより高精度に2次元濃度分布データを得ることができる。
セル7には被計測分子と同一物質を用いると被計測分子濃度の絶対値を得ることができる。また同一物質に代えて別の蛍光物質を封入してもよい。この場合には、別途封入する蛍光物質と被計測分子が発する蛍光強度の比と、照射するレーザシート光の強度Iと蛍光Iとの比例定数を求めておくとよい。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、全体の概略構成を図3に示す。図においてレーザシート光は紙面に垂直な方向に拡がっている。基本的な動作は第1の実施形態と同様であり以下に異なる点を説明する。
ビームエキスパンダ13と計測場10との間にビームスプリッタ14を設置する。ビームスプリッタ14を透過したレーザシート光12と分岐したレーザシート光12’とが平行になるようにミラー15で調整する。CCDカメラ14の計測領域において光源側にセル7を配置する。レーザシート光12によって発光した被計測分子の蛍光をCCDカメラ4で計測しないように、レーザシート光12とセル7の間に遮光板16を設置してマスキングする。ビームエキスパンダ13と図示しない凸レンズを組み合わせてレーザシート光12およびレーザシート光12’は平行な幅を持つ平行光にするのが望ましい。
ビームスプリッタ14と計測場10との距離Lと、ビームスプリッタ14とセル7との距離L’およびセル7の蛍光強度を用いて、計測場10を照射するレーザシート光12の強度Iの分布を計算する。また、レーザシート光12の強度とレーザシート光12’の強度の比をあらかじめ計測しておくことで、第1の実施形態と同様にCCDカメラ4によって計測した蛍光強度分布から計測場10の濃度分布を計測できる。シート12および12’が平行光でない場合には、ビームエキスパンダ13からの距離を用いて、計測場10とセル7を照射するレーザシート光12の強度Iを補正するとよい。
本実施形態では、計測場10の近傍にセル7を設置できない場合においても、測定場10の蛍光強度とセル7の蛍光強度を、同時計測手段としての単一のCCDカメラで同時に計測できるため、被計測分子によるレーザシート光の吸収によるレーザシート光の減衰を考慮した高精度な2次元濃度分布データを得ることができる。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について、全体の概略構成を図4に示す。基本的な動作は第2の実施形態と同様であり以下に異なる点を説明する。
第2の実施形態と異なるのは、CCDカメラ4で計測場10を計測し、加えてセル蛍光測定手段としてセル専用のCCDカメラ4’、集光レンズ5’、光学フィルタ6’を別に設けてセル7を計測する点である。レーザ装置1とCCDカメラ4および4’は同期ライン9を介して制御コンピュータ3に設けた同時計測手段により発振と露光のタイミングを調整している。CCDカメラ4’で計測した蛍光強度分布データもライン8により制御コンピュータ3に取り込む。
CCDカメラ4と4’の露光時間を数ナノ秒以下の誤差で同期化することは難しいため絶対値の比較はできなくなるものの、本実施形態により、単一のCCDカメラ4の撮影範囲内にセル7を設置できない場合でも、被計測分子によるレーザシート光の吸収によるレーザシート光の減衰を考慮した、従来例に比較して高精度な相対濃度分布を計測できる。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について、全体の概略構成を図5に示す。基本的な動作は第3の実施形態と同様であり以下に異なる点を説明する。
第3の実施形態と異なるのは、ビームスプリッタ14をビームエキスパンダ13よりも可変長色素レーザ装置2側に設置した点と、ビームスプリッタ14によって分岐したレーザ光11’をシート状に広げるビームエキスパンダ13’を設置した点である。計測場10とビームエキスパンダ13との距離とセル7とビームエキスパンダ13’との距離を等しくする。ビームエキスパンダ13’の焦点距離はビームエキスパンダ13の焦点距離と等しくする。
上記の構成にすることで、計測場10と計測場10を照射するレーザシート光12と仮想的な光源33との相対的な位置関係を、セル7とセル7を照射するレーザシート光12’の光源33との相対的な位置関係と等しくすることができる。
したがって、CCDカメラ4’で計測したセル7の蛍光強度の分布から、第1の実施形態と同様にして求めたレーザシート光12’の強度を用いて、計測場10の蛍光強度から濃度分布を計算することができる。
CCDカメラ4と4’の露光時間を数ナノ秒以下の誤差で同期化することは難しいため絶対値の比較はできなくなるものの、測定場10の近くにセル7を設置できない場合でも、本実施形態により、被計測分子によるレーザシート光の吸収によるレーザシート光の減衰を考慮した高精度な相対濃度分布を計測できる。
本発明の第1の実施形態を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の蛍光強度分布を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態を示す模式図である。 従来のレーザ光を用いた2次元分布計測装置を示す模式図である。
符号の説明
1…励起用パルスレーザ装置、2…波長可変色素レーザ装置、3…制御コンピュータ、4…CCDカメラ、5…集光レンズ、6…光学フィルタ、7…セル、8…データ取り込みライン、9…同期ライン、10…計測場、11…レーザ光、12…レーザシート光、13…ビームエキスパンダ、14…ビームスプリッタ、15…ミラー、16…遮光板、20…凸レンズ

Claims (8)

  1. レーザビームを出力するレーザ装置と、レーザビームをレーザシート光に変換するビームエキスパンダと、被計測分子を有する計測場と、前記計測場の被計測分子に照射されたレーザシート光による被計測分子の蛍光強度を測定する蛍光測定手段と、前記レーザ装置のレーザシート光照射時間と前記蛍光測定手段の測定時間のタイミングを調整する制御装置とを有する2次元分布計測装置において、
    前記レーザ装置と計測場の間に、内部に蛍光物質が封入されレーザシート光が照射されるセルを設け、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段と、セルの蛍光強度および位置情報と前記計測場の蛍光強度および位置情報を用いて計測場における被計測分子の蛍光強度を正規化する正規化手段とを設けたことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  2. 請求項1記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記正規化手段は、レーザシート光によるセルの蛍光強度により被計測分子の特性を求めて計測場におけるレーザシート光の強度を計算し、計測された被計測分子の蛍光強度を前記計測場におけるレーザ光の強度で正規化して計測場における被計測分子の特性分布を計算することを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  3. 請求項2記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記正規化手段における被計測分子の特性は、被計測分子の吸光係数と、蛍光強度とレーザシート光強度に関する比例定数を含むことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記同時計測手段は、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を単一の蛍光測定手段によって同時に計測することを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記ビームエキスパンダと計測場の間に設けられ前記シートレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザシート光と平行になるように前記ビームスプリッタにより分岐したレーザシート光を反射させるミラーと、ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を通過させる前記セルと、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を単一の蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記ビームエキスパンダと計測場の間に設けられ前記シート状のレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザ光と平行になるように前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を反射させるミラーと、前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を通過させる前記セルと、前記セルの蛍光強度を測定するセル蛍光測定手段と、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を前記蛍光測定手段およびセル蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、
    前記レーザ装置と前記ビームエキスパンダとの間に設置され前記ビーム状のレーザ光を分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過し前記計測場に照射するレーザ光と平行になるように前記ビームスプリッタによって分岐したレーザ光を反射させるミラーと、前記ミラーによって反射したレーザ光をレーザシート光に変換して前記セルに照射するビームエキスパンダと、前記セルの蛍光強度を測定するセル蛍光測定手段と、前記計測場の被計測分子および前記セルの内部に封入した蛍光物質が発する蛍光を前記蛍光測定手段およびセル蛍光測定手段によって同時に計測する同時計測手段を備えたことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレーザ光を用いた2次元分布計測装置において、前記セルに封入する蛍光物質を前記計測場の被計測分子と同一物質にしたことを特徴とするレーザ光を用いた2次元分布計測装置。
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