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JP2010018758A - 親水性成型品 - Google Patents

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Yoshikatsu Mizukami
義勝 水上
Eiji Akiba
英治 秋庭
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Kuraray Living Co Ltd
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Kuraray Living Co Ltd
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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は疎水性のポリプロピレンなどの疎水性プラスチックの繊維やフィルムなどの成型品に優れた帯電防止性や親水性を付与し、一般製造設備で廉価に供給することである。
【解決手段】
本発明は結晶構造が異なり、共晶する2種類以上のポリアルキレンオキサイド0.5重量%以上が混在し、成型品表面に連続してブリードアウトした結晶性ポリマー成型品である。また、共晶し、混在するポリアルキレンオキサイドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの変性物からなる2種類以上からなるポリマー成型品である。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙おむつなどの吸水性不織布、電池用セパレーター、吸水パッド、ワイパーなどの親水性成形品に関する。
ベルググライターらは非特許文献1でHDPEの表面を改質するためPEとPEGのブロックコポリマーをブレンドしたところ、ブロックコポリマーは固化される際にブリードアウトして、親水基であるPEG部分が外向きになってHDPE表面に配位することを見出した。
フィラメントやステープル繊維を製造する際には一般的には紡糸油剤を0.3から3W%繊維表面にローラーなどで塗布するので、疎水性繊維であるポリプロピレン繊維も親水化される。しかし、不織布、射出成型品、フィルムなどは一般的には製造工程に親水化油剤を付与する工程がないため、成型品となってから後で加工することになり、工程数が増加するため経済的に割高となり、また、付着斑となりやすい欠点がある。
特許文献1には、長鎖アルコールなどの疎水性基とPEGなどの親水基からなる防曇剤(界面活性剤)が農業用ポリオレフィンフィルムにブレンドされて一般的に使用されることが開示されている。フィルムに防曇剤はフィルム総重量に対して0.5から1W%が配合されている。しかし、繊維表面積はフィルム表面積の10倍以上であり、同様にして繊維表面にこのような界面活性剤層を形成させるためには5から10W%の界面活性剤を配合する必要に計算上なる。一方、例えば通常のポリプロピレン繊維では5W%もの多量の界面活性剤を配合して紡糸することは糸切れなどにより操業不可能である。
特許文献2にポリプロピレン紡糸実施例として3W%の界面活性剤を含有したかのような記載があるが、良く読むと、界面活性剤は予めExxonPolybond3155(相溶化剤ブロックコポリマー)をゴムマトリックスとして使用した添加剤として製造されている。従って、このような高価なゴム状の相溶化剤ブロックコポリマーを使用せずにポリプロピレンにこのような多量の界面活性剤を配合して紡糸することはできない。また、このような相溶化剤ブロックコポリマーは界面活性剤を多量に含有することができるため、逆にポリプロピレン繊維表面にブリードする界面活性剤量が少なくなり、結果としてより多量に界面活性剤の配合が必要となり、相溶化剤ブロックコポリマー配合による原料費アップと重なり経済的に不利になる。
Macromolecules25(1992年),636−643 USP5,262,233号公報 特表2004−523666号公報
本発明が解決しようとする課題は疎水性のポリプロピレンなどの疎水性プラスチックの繊維やフィルムなどの成型品に優れた帯電防止性や親水性を付与し、一般製造設備で廉価に供給することである。
本発明は結晶構造が異なり、共晶する2種類以上のポリアルキレンオキサイド0.5重量%以上が混在し、成型品表面に連続してブリードアウトした結晶性ポリマー成型品である。また、共晶し、混在するポリアルキレンオキサイドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの変性物からなる2種類以上からなるポリマー成型品である。
本発明ポリマー成型品はフィルム、シート、射出成型品、繊維、スパンボンドまたはメルトブローン不織布などに一般的な方法で加工でき、紙オムツ、電池用セパレーター、吸水パッド、ワイパーなどに廉価で好適である。また、親水性表面が形成されるため、本発明成型物の制電性、防汚性、ワイピング性などが向上する。
本発明は結晶構造が異なり、共晶する2種類以上のポリアルキレンオキサイド0.5重量%以上が混在し、成型品表面に連続してブリードアウトした結晶性ポリマー成型品である。好ましくは共晶し、混在するポリアルキレンオキサイドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの変性物からなる2種類以上からなるポリマー成型品であり、また好ましくは結晶性ポリマーが付加重合物である。さらに好ましくはポリアルキレンオキサイドに共晶する界面活性剤を含有するポリマー成型品である。
ここで云う共晶は常温状態のみを意味するものではなく、各成分が別々に結晶化する温度以下で共晶するという意味であり、常温で少なくとも一成分が結晶化し、他の成分が結晶していなくてもよい。
マトリックスポリマーが非晶性であると親水性を示すポリアルキレンオキサイドが成型品表面にブリードアウトし難いので、本発明では結晶性ポリマーを使用する。結晶性ポリマーには例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポリスチレンおよびこれらの変性物、コポリマーなどの付加重合ポリマーがある。
マトリックス結晶性ポリマーの中でも結晶化度の大きいポリマーがポリアルキレンオキサイドの成型品表面ブリードアウトを促進するため好ましく、結晶化度の大きいHDPEがLDPEより好ましく、結晶化し易いポリプロピレンも好ましい。マトリックスポリマーに無機、有機の増核剤を添加して結晶化度を向上することは好ましい。
ポリアルキレンオキサイドは例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなど、およびポリエチレン・プロピレングリコール、ポリエチレン・ブチレングリコールなどのコポリマーがある。本発明では巨大結晶に成長させないため、共晶するポリアルキレンオキサイドを2種類以上使用する。
ポリアルキレンオキサイドの融点は概ね100℃未満であり、マトリックスポリマーの融点より低い。マトリックスポリマーと相溶性のないポリアルキレンオキサイドを混合溶融した後、冷却するとポリアルキレンオキサイドがマトリックスポリマー表面にブリードアウトする。ブリードアウトしたポリアルキレンオキサイドは固化し、結晶化する。結晶化する時、ポリアルキレンオキサイドは最初の結晶を核として成長する。したがって、マトリックスポリマー表面にポリアルキレンオキサイド微結晶が点在する分布状態となる。
このような表面状態であっても、フィルムの水との接触角は減少する。しかし、親水部分が点在し、不連続であるため、表面電気抵抗は減少しない。また、不織布の水浸透性も向上しない。
親水部分が連続するように本発明では微結晶ができるだけ成長しないように結晶構造の異なるポリアルキレンオキサイドを2種類以上使用する。2種類のポリアルキレンオキサイドはほぼ似通った融点、結晶化温度を持っているため、ほぼ同時に析出結晶化するが、別々に析出し共晶するため、微結晶サイズが大きくならない。微結晶サイズが大きくならないため、親水部分が占める表面積が大きくなり、結果として微結晶が連続する。微結晶が連続した結果、表面電気抵抗の減少、不織布の水浸透性向上などの親水効果が得られる。
ポリアルキレンオキサイドの分子量は小さいほど微結晶サイズが小さくなり、親水効果を向上するために好ましい。しかし、分子量が小さ過ぎるとポリアルキレンオキサイドは常温(20℃)液体であり、液滴となってしまい不連続となる。したがって、少なくとも1種のポリアルキレンオキサイドは常温固体であることが常温使用では好ましい。たとえばポリエチレングリコールの場合、4000以上の分子量で常温固体である。
ポリアルキレンオキサイドの配合量は0.5W%以上で本発明の期待する親水効果得られる。
未満では不足する。好ましくは1W%以上であり、さらに好ましくは1.5W%以上である。これは成形品の表面積によっても異なり、例えばフィルムより繊維は表面積が大きいため、多量に使用することが好ましい。
さらに親水効果を向上させるためには低分子量界面活性剤を配合する。このような界面活性剤としては例えばステアリルアルコール・エチレンオキサイド2モル付加物(Uniqema株製Atmer502「商標名」)などのノニオン系アルキル界面活性剤がある。フィルムの結露防止剤に使用されている界面活性剤が好適である。ノニオン部分はエチレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイド重合物である。エチレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイド2、3量体程度がより低配合量で優れた親水性が得られ好ましい。
前記ノニオン系アルキル界面活性剤のアルキル部分は炭素数10以上の直鎖状飽和炭化水素であることがPEと類似性が高く、分岐飽和炭化水素、または直鎖状不飽和炭化水素より好ましく、より好ましくは炭素数が12以上、さらに好ましくは14以上が界面活性剤の必要配合量が少なくなり、経済的である。また、アルキル部分の原料がアルコールであることがアルキル部分の原料がカルボン酸より、繊維への水浸透性を向上させ好ましい。
前記長鎖アルキルアルコールとしては例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどがある。これらは天然物に限らず合成品であっても良い。
また、グリセリンモノステアレートおよびそのエチレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイド2、3量体なども界面活性剤として好ましい。
本発明成形品の製造にはあらかじめマスターバッチを製造し、希釈して使用することもできる。マスターバッチの製造は通常の混練用2軸押し出し機を使用する。前記界面活性剤またはポリアルキレングリコールが液状である時はプランジャーポンプなどによるサイドインジェクションで定量的に供給する。ペレタイズはチルドローラーまたはコンベアーによるガット冷却後カットするか、ホットカッターを使用し、冷風で冷却することが操業性上好ましい。
マスターバッチには親水成分である界面活性剤およびポリアルキレングリコールの合計が50W%以上含有されることが好ましい。さらに好ましくは60W%以上である。
一般的にポリプロピレンには耐熱剤、耐光剤が配合され、添加剤総量は0.5から1W%になる。他の添加剤の配合量が少ない場合、内部に残留する前記界面活性剤量が大きくなる。従って、親水成分60W%マスターバッチの配合量は繊維径、原料ポリプロピレンに含有される添加剤総量、添加剤の種類によっても影響されるが、概ねメルトブローンでは5W%、スパンボンドでは3W%のマスターバッチ配合量を目安とすれば良く、適宜微調整すると良い。
本発明の1形態であるポリプロピレンスパンボンド、メルトブローン不織布の製造方法は一般的なマスターバッチを使用する製造方法および製造設備で良く、例えばスパンボンドはダイ温度250℃、メルトブローンダイ温度280℃で紡糸できる。ポリプロピレン・マルチフィラメント、フィラメント、テープヤーン、ステープルも同様に紡糸オイルを使用せずに製造することができる。また、紡糸の際に最終製品の組成で前記2軸押し出し機を一般的に使用されている紡糸用単軸押し出し機に変更し、紡糸し、本発明のポリプロピレン繊維を製造することも可能であるが、設備更新費用が高価であるため、マスターバッチを使用し、従来設備を使用する方が経済的である。
同様にして本発明の1形態であるポリプロピレンフィルムの製造方法は一般的なマスターバッチを使用する例えばTダイ法およびインフレーション法などの製造方法および製造設備で良く、ダイ温度250℃で製造できる。この場合、効果的に表面に前記ノニオン系アルキル界面活性剤を配分できるため、その配合量は従来法より大幅に軽減でき、より経済的である。
また、同様にして本発明の1形態である射出成型物の製造もマスターバッチを使用し、一般的な製造設備で製造することができる。かくして、本発明成型物に容易かつ廉価に帯電防止性能や、防汚性能を樹脂成型品に付与することができる。
また、本発明のポリプロピレン成型物の成型時、製品に影響ない内範囲で添加剤を加えて成型しても良い。添加剤としては光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等の安定剤、着色顔料、芳香剤、抗菌剤、防カビ剤等の機能付加剤、カーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどの粉末、アラミド繊維、合成繊維、天然繊維、再生繊維、紙パルプなどの補強剤、増量剤等がある。
親水性の評価方法として繊維製品は透水速度の測定をINDA IST 70.3(98)に準じ、9g食塩/リッター水の透過速度を秒単位で測定した。
ポリエチレングリコールの屈折率は1.45であり、ポリプロピレンの屈折率は1.50である。これらの屈折率が異なるため位相差顕微鏡で商店を表面に合わせてポリプロピレン中のポリエチレングリコールの分布状況を観察することができる。
表面漏洩抵抗はJIS L 1094-1997 参考法に準じ、印加電圧; 1000V、試験室の温湿度20℃、40%RHで測定した。
さらに詳細については実施例にて説明する。
実施例1
マトリックスポリマーとして変性ポリプロピレン、プライムポリマー(株)製プライムポリプロ(商標名)MFR15、40重量部と明成化学(株)製ポリエチレングリコール(L6、商標名、分子量60,000)30重量部、竹本油脂(株)製グリセリンモノステアレート10重量部を高速回転2軸混練押し出し機のホッパーから定量供給し、常温液状の旭電化(株)製ポリプロピレングリコール(アデカカーポール、商標名)20重量部をプランジャーポンプで押し出し機の途中から定量的にサイドインジェクションし、スクリュー回転速度1,200回転/分、最高温度200℃、ダイ温度190℃で押し出し、ホットカッターでカット後、冷風で急冷し、親水性マスターバッチペレットを製造した。マスターバッチ製造時ポリプロピレングリコールのノズルからの噴出もなく、操業性にも問題はなかった。
前記マスターバッチを3重量部とMFR15のポリプロピレン97重量部をスパンボンド製造装置に定量供給し、紡糸温度250℃で繊維径約30ミクロン、目付30g/m2の本発明スパンボンド不織布ポリアルキレングリコール配合量1.5W%を製造した。この不織布の食塩水透過速度は1秒未満であり、紙オムツ表面材などに好適な透水速度を示した。この繊維表面の位相差顕微鏡観察により、前記ポリアルキレングリコールがネット状に連続していることが観察され、ポリエチレングリコールが単独で結晶成長せず共晶していることが確認された。
比較例1
実施例1と同様にし、実施例1で製造した前記マスターバッチを0.8重量部とプライムポリプロ(商標名)MFR15のポリプロピレン99.2重量部にのみ変更し、製造したポリアルキレングリコール配合量0.4W%の不織布の食塩水透過速度は60秒以上であり、紙オムツ表面材としては不十分な透水速度を示した。
実施例2
マトリックスポリマーとしてHDPEポリエチレン、日本ポリエチレン(株)製ノバテック(商標名)MFR5、40重量部と三洋化成(株)製ポリエチレングリコール(L6、商標名、分子量30,000)30重量部、を高速回転2軸混練押し出し機のホッパーから定量供給し、常温液状の旭電化(株)製ポリプロピレングリコール(アデカカーポール、商標名)15重量部、ステアリン酸エチレンオキサイド2モル付加物、ユニケマ(株)製Atmer502(商標名)15重量部をプランジャーポンプで押し出し機の途中から定量的にサイドインジェクションし、スクリュー回転速度1,200回転/分、最高温度200℃、ダイ温度190℃で押し出し、ホットカッターでカット後、冷風で急冷し、親水性マスターバッチペレットを製造した。マスターバッチ製造時ポリプロピレングリコールのノズルからの噴出もなく、操業性にも問題はなかった。
前記マスターバッチを3重量部と日本ポリエチレン(株)製ノバテック(商標名)MFR1のLDPEポリエチレン97重量部をインフレーションフィルム製造装置に定量供給し、ダイ温度220℃で厚さ約30ミクロンの本発明フィルム、ポリアルキレングリコール配合量1.5W%を製造した。このフィルムの表面電気抵抗はブランクと比較して2桁小さい抵抗値を示した。このフィルム表面の位相差顕微鏡観察により、前記ポリアルキレングリコールがネット状に連続していることが観察され、ポリエチレングリコールが単独で結晶成長せず共晶していることが確認された。
比較例2
実施例2と同様にしてマトリックスポリマーとしてHDPEポリエチレン、日本ポリエチレン(株)製ノバテック(商標名)MFR5、40重量部と三洋化成(株)製ポリエチレングリコール(L6、商標名、分子量30,000)60重量部をホッパーから供給し、スクリュー回転速度1,200回転/分、最高温度200℃、ダイ温度190℃で押し出し、ホットカッターでカット後、冷風で急冷し、親水性マスターバッチペレットを製造した。
前記マスターバッチを2.5重量部と日本ポリエチレン(株)製ノバテック(商標名)MFR1のLDPEポリエチレン97.5重量部をインフレーションフィルム製造装置に定量供給し、ダイ温度220℃で厚さ約30ミクロンの比較フィルム、ポリエチレングリコール配合量1.5W%を製造した。このフィルムの表面電気抵抗はブランクと変わらない抵抗値を示した。このフィルム表面の位相差顕微鏡観察により、前記ポリエチレングリコール結晶が個々に成長して分散していることが観察された。ポリエチレングリコールが不連続であるため、表面電気抵抗はブランクと変わらなかった。

Claims (4)

  1. 結晶構造が異なり、共晶する2種類以上のポリアルキレンオキサイド0.5重量%以上が混在し、成型品表面に連続してブリードアウトした結晶性ポリマー成型品。
  2. 共晶し、混在するポリアルキレンオキサイドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの変性物からなる2種類以上からなる請求項1のポリマー成型品。
  3. 結晶性ポリマーが付加重合物である請求項1および2のポリマー成型品。
  4. ポリアルキレンオキサイドに共晶する界面活性剤を含有する請求項1から3のポリマー成型品。
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