[go: up one dir, main page]

JP2010017128A - 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用 - Google Patents

培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2010017128A
JP2010017128A JP2008180547A JP2008180547A JP2010017128A JP 2010017128 A JP2010017128 A JP 2010017128A JP 2008180547 A JP2008180547 A JP 2008180547A JP 2008180547 A JP2008180547 A JP 2008180547A JP 2010017128 A JP2010017128 A JP 2010017128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cultured
layer
cells
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008180547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4553038B2 (ja
Inventor
Hideaki Fujita
英明 藤田
Kazunori Shimizu
一憲 清水
Eiji Nagamori
英二 長森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2008180547A priority Critical patent/JP4553038B2/ja
Publication of JP2010017128A publication Critical patent/JP2010017128A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4553038B2 publication Critical patent/JP4553038B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/14Scaffolds; Matrices

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】培養により得られた培養細胞層の培養基材からの剥離操作を回避することができる培養細胞のハンドリング体を提供する。
【解決手段】、温度応答性ポリマーを含有するマトリックス4からなる成形体2と、成形体2の表面の少なくとも一部において細胞が接着可能な細胞接着領域8と、を備える、培養細胞のハンドリング体10とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、培養細胞をハンドリングするための部材であるハンドリング体、その製造方法及びその利用に関する。
近年、動物等から採取した細胞を生体外で培養してシート状等の細胞構造体を構築することが行われている。こうした細胞構造体を、再生医療などの医療分野をはじめとして細胞や組織の機能を生体内あるいは生体外で実現するデバイスとして利用することが試みられている。
例えば、細胞を培養して構築されるシート状等の細胞構造体は、プラスチックディッシュ等の表面で細胞を培養してシート化し、その後、培養した細胞を接着面から剥離することで得られる。剥離する際には、通常はトリプシン等のタンパク質分解酵素や化学薬品による処理が行われる。しかし、このような方法では、細胞がディッシュ表面においてシート状等の一定の構造体を形成しても、その構造体の維持は極めて困難であり、個々の細胞はバラバラになり、浮遊する単細胞の状態で回収されることになる。このため、せっかく細胞同士の接着状態により得られていた細胞同士の相互作用やこれに伴う細胞集団としての機能が失われてしまう。こうした構造体の崩壊は、酵素処理等により、細胞外マトリックスなどの細胞接着因子が分解されるほか、細胞に対してもダメージが生じるからであると考えられている。
このため、プラスチックディッシュ等の培養基材の表面に対してポリ−N−イソプロピルアクリルアミドなどの温度応答性ポリマーをグラフト重合し、ナノメーターレベルの温度応答性ポリマー層を形成し、当該ポリマー層上で細胞を培養する技術が知られている(特許文献1)。この種の温度応答性ポリマーは、ある温度域において水に溶解しないが、ある温度で完全に水に溶解する(完全に溶解する温度を、下限又は上限臨界溶解温度という。)という温度応答性を有している。したがって、環境温度により温度応答性ポリマーが付与された培養基材表面の親水性及び疎水性をコントロールすることができる。そして、上記臨界溶解温度(例えば、上限臨界溶解温度として32℃)に到達しない37℃で温度応答性ポリマーのグラフト層上に細胞を播種して細胞培養を行いシート化した後、32℃以下とすることで培養した細胞を酵素処理などすることなく剥離させることができる。
また、温度応答性ポリマーとコラーゲンとを混合し、これを培養基材上で乾燥させて密着皮膜とし、この皮膜上で細胞培養し、上記臨界溶解温度に到達させることにより、培養細胞を剥離する技術も知られている(特許文献2)。温度応答性ポリマーとコラーゲンとを混合することで、細胞間の結合を損なうことなく細胞を基材から分離できることが記載されている。
細胞構造体として所定の機能を発現させる場合、細胞構造体における細胞の配向性が重要な場合がある。例えば、筋細胞は一定の配向性で配列させないと筋繊維としての本来の機能を発揮できないと考えられる。そこで、細胞培養基材表面にMEMS技術によって凹凸を形成してその凹凸に沿って細胞を配列させることで配向性を付与することが行われている(非特許文献1)。
特開平2−211865号公報 特開平3−292882号公報 Charestら、Biomaterials,2007,28,2202−2210)
上記特許文献1及び2に記載の方法によれば、いずれも培養基材に対して温度応答性ポリマーを固着させて、温度応答性ポリマー含有層を培養基材からの細胞の剥離のための層として用いている。これらの方法によれば、単層状の培養細胞層を培養基材上に得て、温度応答性ポリマーの溶解により細胞シートを得ることができる。しかしながら、得られる単層の細胞シートは力学的には非常に弱くハンドリングが極めて困難であり、剥離に先立って別に用意した疎水性膜に細胞を付着させておき、所定の適用部位に供給後に疎水性膜を剥離する必要があった。
また、非特許文献1に記載されるように、培養基材表面において細胞を配向制御して培養することはできる。しかしながら、細胞の配列状態は、培養基材の表面形状に倣って形成されているものである以上、培養基材から細胞構造体を剥離する際、その配向性が失われる可能性が大きい。実際、現時点では、配向制御された状態で培養された細胞をその配向状態を維持して培養基材から剥離する技術も報告されておらず、配向制御した細胞構造体を得られていない。
以上のように、細胞培養に用いた培養基材から培養細胞層を剥離することは、依然として、細胞培養によって得られた細胞構造体のハンドリング性や安定性のほか細胞の配向性の低下を促進する原因であった。また、機能的に優れた細胞構造体を得られない原因であった。
本発明は、培養により得られた培養細胞層の培養基材からの剥離操作を回避することができる培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、温度応答性ポリマーを細胞構造体の培養基材からの分離に用いるというよりもむしろ、細胞培養時にはスキャホールドとして機能するとともに細胞培養後は必要時まで細胞構造体を支持してハンドリングを容易にする細胞支持体の構成材料として利用できることを見出した。また、温度応答性ポリマーを含有する細胞支持体表面に所定の凹凸を形成することで培養細胞に配向性を付与できるテンプレートとして利用できるという知見を得た。本発明によれば、これらの知見に基づき以下の手段が提供される。
本発明によれば、温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる成形体と、前記成形体の表面の少なくとも一部において細胞が接着可能な細胞接着領域と、を備える、培養細胞のハンドリング体が提供される。このハンドリング体において、前記細胞接着領域は、細胞外マトリックス成分を含有していてもよいし、前記成形体は、異種組成の2種類以上の層構造を有しており、最表面の層が前記細胞接着領域を含むものであってもよい。また、前記細胞接着領域は、細胞を配向して培養可能な凹凸形状を有してもよく、5μm以上50μm以下の幅の直線状の凹部を含んでいてもよい。また、前記細胞接着領域は、Rzが2μm以上で凹凸形状が形成された領域を含むものであってもよい。前記細胞接着領域は、金属表面を一方向に研削して得られる表面形状を反転して得られる凹凸形状を有することもできる。
本発明のハンドリング体は、前記細胞接着領域に接着させた培養細胞層を2層以上積層して細胞構造体を形成する細胞構造体の積層造形用とすることが好ましい。
本発明によれば、温度応答性ポリマーと細胞外マトリックス成分とを含有するポリマー組成物をその硬化物を剥離可能な非親和性表面に供給し硬化させて成形体を作製する工程、を備えて、前記温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる成形体と、前記成形体の表面の少なくとも一部において細胞が接着可能な細胞接着領域と、を備える、培養細胞のハンドリング体の製造方法が提供される。
この製造方法において、前記成形体の作製工程は、第1の温度応答性ポリマーと細胞外マトリックス成分とを含有する第1のポリマー組成物をその硬化物を剥離可能な非親和性表面に供給し硬化させて第1の硬化層を得、その後、第2の温度応答性ポリマーを含有し細胞外マトリックス成分を含有しない第1のポリマー組成物を前記第1の硬化物に重層して硬化させて第2の硬化層を得て前記成形体を作製する工程であってもよい。また、前記成形体の作製工程は、前記成形体の前記非親和性表面との接触側に細胞を配向して培養可能な凹凸形状を付与することを含むものであってもよい。さらに、前記非親和性表面は、前記凹凸形状を成形するための表面形状を有するものであってもよい。さらにまた、前記凹凸形状は、金属表面を一方向に研削して得られる研削表面形状を反転した形状であり、前記研削表面形状に一致する表面形状を有する前記非親和性表面を準備するようにしてもよい。
本発明によれば、温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる支持体層と、前記支持体層の表面の少なくとも一部に培養細胞が相互に結合して支持された培養細胞層と、を有する1又は2以上のユニットを備える、培養細胞−支持体層の複合体が提供される。この複合体においては、少なくとも一つの前記ユニットにおいて、前記培養細胞層の少なくとも一部において培養細胞が一定方向に配向されていることが好ましい。また、前記支持体層を介して2つの培養細胞層が重層された複層構造を有するものであってもよい。さらに、2つ以上の前記ユニットが前記支持体層と前記培養細胞層とが交互になるよう重層した複層構造を有するものであってもよく、前記支持体層を介して重層された前記培養細胞層のそれぞれの少なくとも一部において培養細胞がほぼ同一方向に配向されていることが好ましい。前記培養細胞は、筋芽細胞、筋管細胞、平滑筋細胞及び心筋細胞からなる群から選択される1種又は2種以上とすることができる。
本発明によれば、上記いずれかに記載の培養細胞−支持体層の複合体の製造方法であって、上記いずれかに記載の培養細胞のハンドリング体の前記細胞接着領域で細胞を培養して前記一つのユニットを作製する工程、を備える、製造方法が提供される。この製造方法は、さらに、前記ユニット作製工程において作製したユニットを、当該ユニットの前記支持体層が別に準備された培養細胞層に接触するように積層する工程を備えることができ、前記別に準備された培養細胞層は、別途作製された別の前記ユニットの前記培養細胞層であってもよい。
本発明によれば、温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる支持体層と、前記支持体層の表面の少なくとも一部に培養細胞が相互に結合して支持された培養細胞層と、を有する1又は2以上のユニットを備える、培養細胞−支持体層の複合体を準備する工程と、前記複合体の前記支持体層を前記温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を付与して崩壊させる工程と、を備える、細胞構造体の製造方法が提供される。この製造方法において、前記崩壊工程は、前記複合体が備える2以上の前記支持体層を同時に除去する工程としてもよい。
本発明によれば、培養細胞が所定の配向で配列された培養細胞の複層構造を備える細胞構造体が提供される。この細胞構造体は、上記いずれかの細胞構造体の製造方法によって得られるものであることが好ましい。
本発明は、培養細胞のハンドリング体及びその製造方法、当該ハンドリング体に培養細胞を保持する培養細胞−支持体層の複合体及びその製造方法、細胞構造体及びその製造方法等に関する。本発明の各種実施形態においては、本発明の培養細胞のハンドリング体、すなわち、温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる成形体の表面の細胞接着領域で細胞を培養することで、成形体に培養細胞層を一体化し、この複合形態を維持してその後ハンドリングすることに基づく。このため、培養基材からの剥離を伴うことなく培養細胞層を培養系から分離し取り扱うことが可能となる。また、こうした複合体とすることで、培養細胞層は成形体によって支持され、その細胞相互の相互作用による構造の崩壊が抑制又は回避できる。
また、本発明のハンドリング体における成形体は、温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなるため、例えば、他の培養細胞に重層した場合など、培養細胞層を接着あるいは重層等すべき部位に適用した際には、臨界溶解温度条件に基づいて適切な温度条件を付与することによりマトリックス中の温度応答性ポリマーを水溶化し、マトリックスを崩壊させることができる。培養細胞層は、フリーの状態でなく適用部位に極めて近接されるかあるいは密接されるため容易に当該適用部位に接着又は重層等が可能である。また、このため、マトリックス崩壊による培養細胞層の収縮や変形を抑制又は回避することができる。さらに、かかる状態でマトリックスを崩壊させることで支持体層上の培養細胞が一定の配向性で配列されている場合には、マトリックス崩壊による配向性の低下を抑制又は回避することができる。
以下、本発明の各種実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のハンドリング体から複合体を経て細胞構造体を得る工程の一例を示す図であり、図2は、本発明のハンドリング体の一態様を示す図であり、図3は、本発明のハンドリング体の製造工程の一例を示す図であり、図4は、本発明の複合体の各種態様を示す図であり、図5は、本発明の複合体の製造工程の一例を示す図であり、図6は、本発明の細胞構造体の一例を示す図である。なお、これらの図面は、各種実施形態の説明のための一例を示すものであって本発明を限定するものではない。
(培養細胞の支持体)
(細胞)
本発明の培養細胞のハンドリング体10は、接着性の細胞を培養してその培養細胞の構造体を構築するのに有用である。本発明のハンドリング体10を適用する細胞としては、接着性の細胞であれば特に限定されないが、好ましくはヒトあるいは非ヒト動物に由来する細胞が挙げられる。接着性の細胞としては、例えば、線維芽細胞、筋芽細胞、筋管細胞、角膜細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、真皮細胞、表皮細胞、粘膜上皮細胞、間葉系幹細胞、ES細胞、iPS細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞、毛根細胞、歯髄幹細胞、ベータ細胞、肝細胞等が挙げられる。なお、本発明において細胞とは、個々の細胞を意味するほか、生体から採取されて組織を構成している状態の細胞を含んでいる。
こうした細胞は、ヒトなどにおける再生医療等における利用を考慮したとき、自家細胞を用いることが好ましいが、許容される免疫適合性を備える限り異種動物由来の細胞であってもよいし、同種細胞における他家細胞であってもよいし、自家細胞であってもよい。
(成形体)
本発明の培養細胞のハンドリング体10は、図1及び図2に示すように、温度応答性ポリマーを含有するマトリックス(以下、温度応答性マトリックスともいう。)4からなる成形体2を備えている。成形体2は、ハンドリング体10におけるハンドリング性を確保するのに十分な剛性や強度を有する。具体的には、成形体2は、自立型の成形体である。本明細書において、自立型の成形体とは、別途支持体を伴わなくても取り扱い可能な独立した成形体を意味している。このような自立型の成形体2を用いることにより、温度応答性マトリックス4を、ディッシュやプレート等の培養装置と培養細胞層との分離層として用いるのでなく、培養細胞層を支持して取り扱い可能なハンドリング用として用いることができるようになる。
成形体2は、特に限定されないで、所望の大きさ及び所望の三次元形状を備えることができる。成形体2は、例えば、各種平面形態を有するシート状、柱状、管状、球状のほか、各種の三次元形状とすることができる。成形体2の形状は、本発明のハンドリング体10を用いて構築しようとする細胞構造体100に基づいて設定することができる。
成形体2は、シート状とすることが有利な場合がある。例えば、図1に示すように、成形体2を可撓性を有するシート状体としたとき、当該ハンドリング体10から得られた培養細胞−支持体複合体50は、適宜変形させることが可能となる。このため、管状あるいは適宜折りたたんだ三次元形状の複合体50を得ることができる。シート状体に可撓性を付与するには、温度応答性ポリマーの選択やマトリックス4の組成にもよるが、成形体2の適当な部位に脆弱部位を付与して屈曲性を付与してもよい。
また、後述する複合体50を、成形体2からなる支持体層を介して2つの培養細胞層60が重層された複層構造とするには、重層に適しているという観点から、成形体2をシート状体とすることが好ましい。シート状の成形体2の平面形態は、特に限定されず、得ようとする細胞構造体100の断面に一致する必要は必ずしもなく、それよりも大きい形態であってもよいし当該断面100又はその一部の平面形態とすることもできる。
成形体2はそれ自体の自立性、ハンドリング性や重層性を考慮すると、その厚みは1μm以上1mm以下であることが好ましい。1μm未満であると、自立性を維持しにくくハンドリング性も低下しすぎてしまうし、1mmを超えると適用部位への追従性、配置容易性や重層容易性等が低下しすぎるからである。より好ましくは、10μm以上150μm以下である。
成形体2は、温度応答性ポリマーを含有するマトリックス4からなる。本発明において用いることのできる温度応答性ポリマーは、細胞へのストレスを考慮すると、上限臨界溶解温度又は下限臨界溶解温度が0℃以上80℃以下であることが好ましく、より好ましくは、20℃以上50℃以下であり、さらに好ましくは25℃以上35℃以下である。好ましくは、昇温すると水に難溶化する下限臨界溶解温度を有するポリマーである。温度応答性ポリマーとしては、特に限定しないで公知のホモポリマー又はコポリマーを問わず各種温度応答性ポリマーを用いることができる。また、これらは適宜架橋されていてもよい。こうした温度応答性ポリマーとしては、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)、ポリ−N,N’−ジエチルアクリルアミドなどの各種のポリアクリルアミド誘導体が挙げられるほか、特許文献1(特開平2−211865号公報)に記載のポリマーが挙げられる。
温度応答性マトリックス4は、実質的に温度応答性ポリマーからなっていてもよいし、温度応答性ポリマー以外の成分を含有していてもよい。温度応答性ポリマーのみからなり、他のポリマー成分(後述するECM成分を除く)を含有しない場合には、本発明のハンドリング体10を用いた複合体50を適用部位に配置し接着等する場合において、温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を付与することで成形体2の全体が崩壊し除去して適用部位に不要な材料が残留するのを抑制又は回避できる点において好ましい。なお、温度応答性ポリマーのみからなるとは、製造上不可避な不純物を含有することまで排除するものではない。
温度応答性ポリマー以外の成分としては、細胞外マトリックス(ECM)成分を含有することができる。ECM成分を含有することで、細胞に対する親和性及び接着性を向上させることができて、細胞培養時において成形体2の細胞増殖促進作用を向上させてスキャホールドとしての機能を高めることができる。また、複合体50において温度応答性ポリマーを水溶化して温度応答性マトリックス4を崩壊させるときには、ECM成分は培養細胞に結合した状態で保持されやすく、このため、適用部位への配置性及び接着性を促進することができる。また、これにより、培養細胞が一定の配向性が付与されているときに、温度応答性マトリックス4の崩壊時における配向性の低下をより効果的に抑制又は回避することができる。なお、本明細書においてECM成分としては、ECMに存在する分子のほか細胞接着性ペプチドも含めるものとする。
こうしたECM成分としては、特に限定しないで公知の各種成分を用いることができる。例えば、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、グルコサミノグリカン(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等)、フィブロネクチン、ラミニン、ヒドロネクチン、ゼラチン等が挙げられる。また、例えば、RGDペプチド、RGDSペプチド、GRGDペプチド、GRGDSペプチドが挙げられる。
温度応答性マトリックス4は、異なる組成の2種類以上の層構造を有していてもよい。すなわち、異種組成のマトリックスの複層構造を有していてもよい。マトリックス4の組成が異なるとは、例えば、図2に示すように、マトリックス4が第1の層6aと第2の層6bとの複層構造の場合、層6a、6bのマトリックス間で少なくとも一つの成分の濃度(成分の有無も含む)が相違していればよい。例えば、同一の温度応答性ポリマーについて異なる濃度したり、異なる種類の温度応答性ポリマーを用いるほか、ECM成分について異なる濃度又は組成とすることができる。
温度応答性マトリックス4は、ECM成分濃度が高いほど、親水性及び細胞接着性が向上する傾向があり、また、温度応答性ポリマー濃度が高いほど、剛性が向上し、臨界溶解温度条件での崩壊性が向上する傾向がある。例えば、図2において、層6aと層6bとの間で、層6aでECM成分濃度をより高めると、層6aで細胞接着性が向上する、この結果、成形体2は、層6aにより細胞培養時には良好なスキャホールドとして機能する。同時に、成形体2の層6bにおいて、相対的に温度応答性ポリマー濃度が高くなりより良好なハンドリング性やハンドリング体10自体の形状維持性及び培養細胞層の形態維持性を得ることができる。このような複層構造は、複雑な三次元形状の組織の細胞構造体100を得るための複合体50の構築において有利である。
温度応答性マトリックス4が異種組成の複層構造を有するとき、各層に異なる厚みを付与してもよい。層厚が厚ければ、剛性は向上し崩壊性は低下し、層厚が薄ければ、追従性及び変形性が向上し崩壊性が向上する。例えば、図2に示す複層構造において、ECM成分濃度がより高く温度応答性ポリマー濃度がより低い層6aの厚みを薄くし、ECM成分濃度がより低く(あるいは含まない)温度応答性ポリマー濃度がより高い層6bの厚みを厚くすることで、少ない量のECM成分で低コストで良好な細胞接着領域8を形成でき、良好なハンドリング性と剛性とを層6bで十分確保することができる。なお、温度応答性ポリマーとECM成分とを含むポリマー水溶液は乾燥時間が長くかかるため、層6aの厚みを薄くすることで工程を迅速化することができるという工程上のメリットもある。
また、ECM成分濃度がより高く温度応答性ポリマー濃度がより低い層6aの厚みを薄くすることで、ハンドリング体10で細胞を培養して得られる複合体10を重層し又は所望の部位に生着させるとき、ECM成分による重層部位における培養細胞層間の生物学的結合や適用部位における生着の遅れを抑制又は回避できる。すなわち、細胞接着に十分量のECM成分を含む温度応答性マトリックスがハンドリング体10の剛性を確保する程度の厚みを有していると、温度応答性マトリックス4を崩壊させたときに、多量のECM成分が重層部位又は生着部位に残留することになり、他の培養細胞層の生物学的結合や適用部位への生着を妨げる場合が存在するからである。
なお、図2に示すように、ECM成分をより高濃度で含有し温度応答性ポリマーをより低濃度で含有する層6aとECM成分をより低濃度で含有し(又は含まない)温度応答性ポリマーをより高濃度で含有する層6bを備えるとき、層6aは、0.01μm以上50μm以下であることが好ましい。この範囲内であると適量のECM成分濃度範囲で良好な細胞接着領域8を得ることができる。0.01μm未満であると、細胞接着領域8に存在するECM成分が少なくなり過ぎて細胞接着性が低下するからである。なお、ECM成分を高濃度化すると、ECM成分が析出してしまい膜化できなくなるため、高濃度化は困難である。また、50μmを超えると、使用するECM成分量の割りには細胞接着領域8に露出されて細胞接着性に寄与するECM成分が少なく、無駄が多いほか、膜化するのにかかる時間が長くなりすぎるからである。より好ましくは、0.05μm以上5μm以下である。また、層6bは、成形体2はそれ自体の自立性、複合体10のハンドリング性や重層性を考慮すると1μm以上1mm以下であることが好ましい。1μm未満であると、自立性を維持しにくくハンドリング性も低下しすぎてしまうし、1mmを超えると適用部位への追従性、配置容易性や重層容易性等が低下しすぎるからである。より好ましくは、10μm以上100μm以下である。
(細胞接着領域)
本発明のハンドリング体10は、成形体2の表面の少なくとも一部に細胞接着領域8を備えている。細胞接着領域8は、既に説明したECM成分を含んだ温度応答性マトリックス4の表面としてもよいし、成形体2の表面にECM成分をコーティングした領域であってもよい。細胞接着性を向上させる物理的及び/又は化学的処理が施された表面を当該領域12としてもよい。このような処理としては、ECM成分のコーティング、適度な粗面化処理などが挙げられる。細胞接着性を付与する各種手法は1種類のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、図2に示す例では、層6aのマトリックスにECM成分を含有させることで、層6aの表面を良好な細胞接着領域8として利用できる。
成形体2がシート状であるとき、その厚み方向に対峙する表面の全体を細胞接着領域8としてもよいし一部のみを細胞接着領域8としてもよい。また、形成したい培養細胞層の平面形態に応じて細胞接着領域8がパターニングされていてもよい。このような特定パターンの細胞接着領域8は、部位選択的なECM成分のコーティングやECM成分を含有するマトリックスの形成や化学的及び/又は物理的処理によって得ることができる。
細胞接着領域8には、細胞を配向して培養可能な凹凸形状を備えることができる。かかる凹凸形状を備えることで、培養細胞層の細胞を機能的に配向させることができる。かかる凹凸形状は、培養細胞に付与したい配向性や配列に応じて適宜設定できる。なお、本明細書において、「細胞を配向する」とは、細胞に所望の向きを付与することであるが、さらに所望の細胞の配列状態を付与するものも含めた意味としても用いる場合がある。
例えば、培養細胞に所望の向きを付与したい場合には、当該向きに沿った凹状部(長さは短くてよい)等を備えることができる。さらに一定の配列状態を付与したい場合、例えば、所望の向きで全体として直線状に配列させたい場合には、所望の向きで細胞接着領域8の全体を横断するような直線状の凹状部等を備えていてもよい。
このような凹凸形状は、半導体における各種エッチング技術やMEMSによって直接細胞接着領域8に付与することもできるし、このような技術によって形成された型を用いて成形体により細胞接着領域8に付与することもできる。このような手法によって得られる凹凸形状は、規則性が高い点において好ましい。こうした手法によって得られる凹状部の好ましい形態としては、その短手方向の幅が5μm以上100μm以下の長溝が挙げられる。前記幅が5μm未満であると、細胞が配向されないし配列もされない。また、100μmを超えると凹部の長軸方向に細胞が配向しにくいからである。より好ましくは5μm以上50μm以下である。
他の凹凸形状として、金属表面を一方向に研削して得られる擦過傷状の表面形状を利用したものであってもよい。こうした凹凸形状は、それ自体MEMS技術等によるよりも規則性が低いが良好な細胞配向性を発揮する。金属研削表面形状を凹凸状部としての利用形態としては、金属研削表面形状に一致した表面形状を凹凸形状として利用する形態が挙げられる。また、金属研削表面形状を反転した表面形状を凹凸形状として利用する形態が挙げられる。金属研削表面形状を反転した凹凸形状は、金属研削表面形状と同一の凹凸形状よりも、細胞を効果的に配向しやすい傾向がある。このような凹凸形状を形成する方法は、後段にて詳述する。
こうした金属研削表面を利用した凹凸形状形成領域の表面粗さ(Rz)は、平均して2μm以上であることが好ましい。2μm未満であると、細胞を配向させることが困難になる。また、上限は、20μm以下であることが好ましく、より好ましくは、15μm以下である。なお、表面粗さ(Rz)は、十点平均高さとして定義されるパラメーターである。基準長さは、表面粗さに応じて適宜設定される。好ましくは、2点以上の複数点の平均値として得るようにする。
培養細胞が、心筋細胞、筋芽細胞、筋管細胞、平滑筋細胞等、細胞の配向性や配列状態が細胞の分化や機能の発現に関与する細胞については、かかる凹凸形状を備える細胞接着領域8とすることが好ましい。
以上説明した本発明の培養細胞のハンドリング体10によれば、細胞接着領域8に細胞を播種したり組織片等を供給したりすることで適当な培地の存在下で細胞を接着させその場で培養することができる。そして、液体培地等を貯留する細胞培養装置等の細胞培養系から、培養細胞層60をハンドリング体10とともに後述する複合体50として、細胞培養層60を培養装置から剥離することなく取り出してハンドリング等することが可能となる。このため、培養細胞層の剥離に伴う、培養細胞層の変形、収縮、配向性の低下を抑制又は回避できるとともに、剥離に伴う面倒な作業を回避することができる。さらに、培養細胞領域12に培養細胞を配向性や配列を付与できる凹凸形状を有する場合には、培養細胞を配向し及び/又は配列させて培養することができ、その状態を培養終了後から、搬送、保存及び加工等などの操作や状況を経て必要時まで安定して維持することができる。さらに、複合体50を得られることで、所望の部位において所望の形態の細胞構造体100を容易に構築できるようになる。すなわち、本発明のハンドリング体10は、細胞構造体の造形用(特に積層造形用)に用いることができる。
(培養細胞のハンドリング体の製造方法)
本発明の培養細胞のハンドリング体の製造方法は、温度応答性ポリマーを含有するポリマー組成物を準備する工程と、当該ポリマー組成物を硬化させて成形体を作製する工程と、を備えることができる。本発明において作製するハンドリング体における成形体は、既に説明した本発明の培養細胞の支持体10における成形体について既に説明した各種実施態様がそのまま適用される。本発明によれば、このようなハンドリング体の製造方法によって得られるハンドリング体も提供される。以下、図2に例示のハンドリング体10を製造するのに好適な製造工程の一例である図3を適宜参照しながら説明する。
(ポリマー組成物の準備工程)
本発明のハンドリング体の製造方法では、温度応答性ポリマーを含有するポリマー組成物を準備する。ポリマー組成物は、適宜調製してもよいし、適宜入手してもよい。支持体10を作製するためのポリマー組成物の準備にあたり、公知の温度応答性ポリマーから適宜1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。温度応答性ポリマーについては支持体10について既に説明した各種実施態様がそのまま適用される。ポリマー組成物には、温度応答性ポリマーほか、ECM成分等を含めることができる。ECM成分については、支持体10について既に説明した各種実施態様がそのまま適用される。
ポリマー組成物は、成形体2の温度応答性マトリックス4の組成や成形体2の形状や成形方法に応じた組成とすることができる。例えば、ポリマー組成物における温度応答性ポリマーの濃度範囲は0.01(w/v)%以上20(w/v)%以下とすることができる。このような範囲であると、乾燥により温度応答性ポリマーが高濃度に含有するようになることで、比較的容易に所望のシート状等の自立性の成形体を得ることができる。ポリマー組成物における温度応答性ポリマーの濃度が20(w/v)%を超えると、ポリマー組成物の粘性が高くなりすぎて、操作性が悪くなる。また、同濃度が0.01(w/v)%未満であると、乾燥によるポリマー組成物の硬化に非常に時間がかかるようになり操作性が低下しすぎる。より好ましくは、0.5(w/v)%以上10(w/v)%以下である。この範囲であると、自立型の成形体2として好ましい厚み範囲のシート状体を容易に成形することができる。さらに好ましくは、0.5(w/v)%以上5(w/v)%以下である。
こうしたポリマー組成物は、適当な溶媒を用いて調製できる。典型的には水、水と相溶するアルコールなどの有機溶媒、水とこうした有機溶媒との混液等が挙げられる。なお、通常、ポリマー組成物の調製は、温度応答性ポリマーが溶解媒体に溶解する温度域で行うようにする。
ポリマー組成物におけるECM成分濃度は特に限定されない。1種又は2種類以上のECM成分の総量として0.1μg/ml以上1mg/ml以下とすることができる。この範囲であると、良好な細胞接着性を得ることができ、ポリマー組成物の成形体の表面は良好な細胞接着領域となる。また、好ましくは、1μg/ml以上100μg/ml以下とする。この範囲であると、特に、筋芽細胞、筋管細胞、平滑筋細胞等の細胞運動に関連する細胞を接着しやすくなる。
成形体2を作製するのにあたって異種の層6a、6bの組合せとするときには、異種のマトリックス組成に応じた2種以上のポリマー組成物を準備する。例えば、温度応答性ポリマーと細胞外マトリックス成分とを含有する第1のポリマー組成物と、温度応答性ポリマーを含有し細胞外マトリックス成分を含有しない第2のポリマー組成物とを準備すればよい。
(ポリマー組成物の硬化・成形工程)
ポリマー組成物を成形して成形体2とする成形方法は特に限定されないで、成形体2について得ようとする三次元形状や大きさ等を考慮して公知の樹脂成形法から適宜選択して用いることができる。例えば、シート状体を成形するには、適当な型あるいは平板上にポリマー組成物をキャスティングする方法が挙げられる。
成形体2を容易に得るには、図3に示すように、ポリマー組成物の硬化物を剥離可能な非親和性表面20に、ポリマー組成物を供給して前記ポリマー組成物を硬化させることが好ましい。こうすることで薄膜状の成形体2であっても容易に得ることができる。このような非親和性表面20は、キャビティを有する成形型の成形面であってもよいし、図3に例示するような平板上の表面であってもよい。また、非親和性表面20を構成する材料は、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有ポリマー等を適宜用いることができる。なお、複層構造の成形体2を得る場合には、最初に硬化させた層に対して重層する層のポリマー組成物を重ねてキャスティングするなどの方法を採用できる。
ポリマー組成物を硬化して成形体2とするには、温度応答性ポリマーの硬化に適用される公知の各種方法を利用できるが、例えば、温度応答性ポリマーがその溶解媒体に溶解する条件下で乾燥して溶解媒体を蒸発させることによってもよい。
成形体2に細胞接着領域8を形成するには、図3(a)に例示するように、ポリマー組成物にECM成分を必要量含有させてもよいし、また、得られた成形体2の表面にECM成分のコーティング層を形成してもよいし、他の化学的処理等を施してもよい。細胞接着領域8は、細胞を培養して培養細胞層を形成する領域に一致させることが好ましい。このため、最終的に得ようとする細胞構造体100の形態を考慮して必要な形態をパターニングしてもよい。このようなパターニングは、異種のポリマー組成物をキャストすることによっても実現することもできるが、成形体2の表面へのコーティング層や化学処理などによるのが簡易である。
次に、成形体2の細胞接着領域8に細胞を配向させて培養するための凹凸形状の形成方法について説明する。かかる凹凸形状については、既に説明した各種実施態様がそのまま適用され、既に説明したように各種方法が利用可能である。なかでも、当該凹凸形状を成形するための表面形状を有する非親和性表面にポリマー組成物を供給して硬化させることが好ましい。より好ましくは、図3に例示するように、既に説明した金属研削表面形状を利用して形成する。金属研削表面形状を利用することで、エッチング技術やMEMSのための大規模な装置を必要とせずに、簡易に凹凸形状を付与できるとともに、大面積にも凹凸形状を容易に付与できる。また、金属研削表面形状に一致あるいは判定した凹凸形状を有する非親和性表面20を準備することで、細胞配向に効果的な凹凸形状を成形体2に効率的に付与できる。
金属研削表面形状を利用して凹凸形状を形成するには、典型的には、以下の手法を採用することができる。例えば、図3に示すように、金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する成形体2を製造する場合には、図3(l)に示すように、金属表面を適用な研削材、例えば、サンドペーパーで一定方向に擦過して研削した後、図3(m)に示すように、当該研削表面を鋳型として、当該研削表面を成形可能な非親和性表面を有する成形型又はプレートを作製する。さらに、図3(n)に示すように、当該成形型等を鋳型として非親和性表面を形成なポリマー組成物をキャストして、当該研削表面形状に一致する凹凸形状の非親和性表面20を備える成形型を得る(図3(o))。そして、図3(a)に示すように、の非親和性表面20にECM成分及び温度応答性ポリマーを含有するポリマー組成物をキャスト等することで、金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する細胞接着領域8を備える成形体2を得ることができる。
一方、金属研削表面形状に一致する凹凸形状を形成するには、金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する非親和性表面20を作製し、これに対してECM成分及び温度応答性ポリマーを含有するポリマー組成物をキャスト等すればよい。
なお、こうした非親和性表面20を準備するのに用いられる金属は、特に限定しないで、研削に用いる研削材よりやわらかい金属をもちいればよい。例えば、鉄やアルミ等を用いることができる。また、研削する研削材も公知の研削材から適宜選択して用いることができるが、金属ヤスリやいわゆるサンドペーパーから好ましい番手を適宜選択して用いることができる。また、研削する手法は特に限定しないが、研削方向及び研削時の荷重を調節できるものであることが好ましい。
なお、かかる凹凸形状は、得ようとする培養細胞層60や細胞構造体100における細胞に付与したい配向性に応じて形成される。ほぼ一方向に配向しかつ直線状に配列には、一方向に研削すればよいし、その他、構築しようとする細胞構造体100等に応じて研削すればよい。
以上説明した本発明のハンドリング体の製造方法によれば、簡易に本発明の支持体10を製造することができる。特に、所定の非親和性表面にポリマー組成物を供給してポリマー組成物を硬化させて成形体を得ることで、複層構造の成形体2を有するハンドリング体10や、細胞を配向して培養可能な凹凸形状を備えるハンドリング体10を効率的に製造することができる。
(培養細胞層と支持体層との複合体)
本発明の培養細胞−支持体層の複合体(以下、単に複合体という。)50は、図4に示すように、温度応答性マトリックス4からなる本発明のハンドリング体10である支持体層10(同一部材であるため同一の符号を用いるものとする。)と、こうした支持体層10の少なくとも一部に培養細胞が相互に結合して支持された培養細胞層60と、を有するユニット70を備えることができる。本発明の複合体50は、細胞培養層60を支持体層10で支持して支持体層10と一体にハンドリングできる。このため、培養終了後から、種々の過程を経て必要時まで細胞培養層60の構造や配向性を安定して維持できる。また、培養細胞層60を所定の配置部位、重層部位及び生着部位などの適用部位へ搬送し配置するのも容易となる。さらに、適用部位において重層される細胞間に生物学的な結合を発生させる場合には、支持体層10の温度応答性マトリックス4を温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を付与して当該マトリックス4を崩壊させることで意図した箇所に確実にかつ細胞の配向等を維持して接着させることができる。本発明の複合体50は、細胞構造体100の造形用(特に積層造形用)として用いることができる。以下、図4に示す本発明の複合体50の各種態様を適宜参照しながら説明する。
また、本発明の複合体50は、より厚みのある、あるいはより大きな、あるいはより複雑な三次元形状の複合体50を構築するためのユニットを提供することができる。特に、複合体50が、支持体層10がシート状であることなどによりシート状体であるときには、こうしたシート状の複合体50を積層してより厚みのある、より大きな又はより複雑な三次元形状の複合体50を容易に造形でき、こうした細胞構造体100を提供するのに利用できる。
本発明の複合体50における支持体層10は、本発明のハンドリング体10であることから、本発明のハンドリング10において既に説明した各種実施態様をそのまま適用することができる。
図4(a)に示すように、本発明の複合体50は、ユニット70を構成する支持体層10の全面に培養細胞層60を備えている必要はない。支持体層10の表面のその少なくとも一部、例えば、細胞接着領域8等によって規定された領域等において任意のパターンで培養細胞層60を備えていればよい。支持体層10上の培養細胞層60以外の領域を、ピンセットなどによる把持部機能あるいは他の培養細胞層62との接着機能を確保するほか、ハンドリング性を確保する領域として利用できる。
本発明の複合体50は、図4(a)に示すように、一つの支持体層10と一つの培養細胞層60とからなる一つのユニット70のみからなるものであってもよいし、図4(b)及び図4(c)に示すように、一つの支持体層10を介して2つの培養細胞層60が重層された複層構造を有していてもよい。かかる複層構造によれば、支持体層10の温度応答性マトリックス4を崩壊させることで、支持体層10を介して重層される細胞が生物学的に結合される。このような複層構造体は、より具体的には、例えば、図4(b)に示すように、2つ以上のユニット70を支持体層10と培養細胞層60とが交互になるよう重層した複層構造としてもよい。また、図4(c)に示すように、ユニット70を構成していない別の細胞培養層62に対して1つ又は2つ以上のユニット70を重層した複層構造としてもよい。
本発明の複合体50は、培養細胞層60同士が直接重層された複層構造を有していてもよい。細胞培養層60同士の生着を速やかに行う必要があるときにはかかる複層形態が好ましい。例えば、図4(d)に示すような複層構造や図4(e)に示すように、別の培養細胞層62に対して培養細胞層60を直接重層した複層構造を採ることができる。
なお、複合体50が複層構造を有する場合の細胞培養層60等の重層形態は、重層される培養細胞層60間又は培養細胞層60と他の培養細胞層62との間において互いに重複して重層される領域があれば足り、一つの培養細胞層60の全体が他の培養細胞層60,62に重複して重層されることに限定するものではない。
本発明の複合体50においては、培養細胞層60の少なくとも一部において培養細胞が一定方向に配向されていることが好ましい。培養細胞が配向されていることが分化や機能発現に必要な場合があるからである。配向された培養細胞は、一つのユニット70の培養細胞層60にのみにあってもよいが、複数のユニット70において存在していてもよい。好ましくは複数の細胞培養層60にわたって、ほぼ同一方向に配向された培養細胞を備えている。例えば、図4(f)に示すように、連続して重層される2以上のユニット70の培養細胞層60において、ほぼ同一方向に配向された培養細胞を備えていることが好ましい。
本発明の複合体50においては、同一種類の培養細胞からなる培養細胞層60を有するユニット70の単層又は複層構造であってもよいし、重層される培養細胞層60がそれぞれ異なる培養細胞からなる複層構造であってもよい。本発明の複合体50においては、重層される培養細胞層60が異種細胞で構成されていても、支持体層10を介して重層構造となっているため、複合化が容易である。また、同一の培養細胞層60において、2種類以上の細胞が培養されたものであってもよい。本発明の複合体50は、重層される2以上のユニット70における培養細胞層60が互いに同一又は相違する平面形態であってもよい。
複合体50がシート状の支持体層10を備えて全体としてシート状の場合、複合体50が単層構造であるか複層構造であるかを問わず、複合体50を適宜変形したものであってもよい。例えば、シート状の複合体50を丸めて円筒状等の筒状体とすることができる。複合体50が、得ようとする細胞構造体100をスライスして得られる断面形状に対応するパターンの培養細胞層60を有するユニット70を積層して得られるものである場合、支持体層10は、適当な温度条件で崩壊し除去されるため、細胞構造体100を、所望の外形形状と内部形状とを備える複雑な三次元形状の細胞構造体100として構築可能である。したがって、かかる複合体50は、細胞の機能を利用又は代替する生体外及び生体内デバイス用の前駆体として有利である。さらにこれらの培養細胞層60において配向が制御されており、重層される培養細胞層60等において、その配向がほぼ同一である場合には、心筋細胞、筋芽細胞、筋管細胞、平滑筋細胞等による機能を利用又は代替する生体外及び生体内デバイス用の前駆体として一層有利である。
(複合体の製造方法)
本発明の複合体50の製造方法は、本発明のハンドリング体10の細胞接着領域8で細胞を培養して一つのユニット70を作製する工程を備えることができる。本発明の製造方法によれば、細胞構造体100を構築可能であってハンドリング可能な前駆体を簡易に製造できる。また、ユニット70を積層単位として用いることで正確かつ複合体50としても培養細胞層60としても安定性のよい積層状態を形成できる。本発明によれば、このような複合体の製造方法によって得られる複合体も提供される。
すなわち、支持体層10で支持された培養細胞層60を積層する場合には、支持体層10で培養細胞層60の形態及び細胞の配向性が維持されるとともに、培養細胞層60に対するストレスが低減されるため、培養細胞層60を良好な状態を保って生物学的に結合するのに適した状態で積層できる。また、特にシート状の支持体層10上に配向性が制御された状態で培養細胞層60が支持されているため、配向が制御された培養細胞層60を積層するときには、支持体層10の向きに留意することで容易に細胞の配向性を制御して培養細胞層60を積層できる。
本発明の複合体50を作製するのにあたっては、本発明のハンドリング体10の細胞接着領域8で細胞を培養する。典型的には、本発明のハンドリング体10を、液体培地等を貯留可能な培養装置内に配置して、培地の存在下、細胞あるいは組織片を細胞接着領域8に供給して培養する。培養条件は、用いる細胞の種類等に応じて当業者であれば適宜設定することができる。本発明のハンドリング体10の温度応答性マトリックス4に用いられる温度応答性ポリマーの上限又は下限臨界温度に基づき、当該マトリックス4を構成する温度応答性ポリマーが溶解しない温度を培養条件として設定する。
複層構造の複合体50を得るにあたって、図4(b)及び図4(d)に示すように、本発明の複合体50は2以上のユニット70を重層した複層構造を有しているときは、図5左に示すように、複数個のユニット70を作製あるいは入手することにより準備し、その支持体層10が他のユニット70の培養細胞層60に接触するように積層することにより得ることができる。また、図4(c)及び図4(e)に示すように、ユニット70を構成しない他の培養細胞層62に積層する複層構造を有ししているときには、図5右に示すように、他の培養細胞層62に積層する。なお、他の培養細胞層62は、後述するようにユニット70から既に支持体層10を崩壊させて除去して残った培養細胞層60であってもよい。
2以上の培養細胞層60がほぼ同一方向に配向した細胞を備えている複合体50の場合には、好ましくは、培養細胞の配向制御可能な凹凸形状を備える細胞接着領域8を備える支持体10で細胞を培養して得られたユニット70を複数個準備し、これらのユニット70を、その配向性がほぼ同一となるように積層する。ユニット70は支持体層10により支持されているため、2以上の培養細胞層60において同一方向に培養細胞を配向させるように、確実に積層できる。
なお、複合体50の製造は、図5にも示すように、インビトロでもインビボでも可能である。複合体50から最終的に得ようとする細胞構造体100の用途に応じて適宜選択できる。例えば、複合体50の作製時と使用部位とが異なり作製部位から移動させたい場合には、既に説明したPDMS等からなる非親和性表面20としてもよい。こうすることで、複合体50を、作製部位から剥離しやすく、培養細胞層60にもストレスがかかりにくい。例えば、インビトロの例として、本発明のハンドリング体10を製造した非親和性表面20に成形体(ECM成分を含む単層状の成形体2の場合などが挙げられる。)2を成形時の状態を維持した載置させたまま、成形体2の表面で細胞を培養して培養細胞層60を形成してもよい。また、別に複合体50の作製用に準備された非親和性表面20で複合体50を形成してもよい。
インビボの例として、ヒトあるいは非ヒト動物の生体組織など細胞構造体100を生着させたい部位でハンドリング体10を配置しその場で細胞を培養し、さらにハンドリング体10を積層し細胞を培養してもよいし、別の場所で作製した複合体50を積層してもよい。また、生着部位等において別で準備した複合体70を配置してさらに他の複合体50を積層してもよいし、生着部位に配置した複合体70上にハンドリング体10のみを積層して当該ハンドリング体10上で細胞を培養してもよい。すなわち、複合体50は生着部位においてその場生成してもよい。
(細胞構造体の製造方法)
本発明の細胞構造体の製造方法は、本発明の複合体50を準備する工程と、複合体50の支持体層10を温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件で崩壊させる工程と、を備えることができる。本発明の細胞構造体の製造方法によれば、本発明の複合体にある支持体層を崩壊させることで、培養細胞層を生着部位や他の培養細胞層に生物学的に結合させて培養細胞層の構造や配向等を維持した細胞構造体を得ることができる。特に、複合体50が複層構造の場合には、複合体50内に介在される支持体層を崩壊させることで、2以上の培養細胞層60の形態や細胞の配向を維持して確実に一体化することができる。したがって、培養細胞層そのものを直接積層するのに比較して、構造安定性及び配向性に優れた細胞構造体を得ることができる。さらに、本発明の製造方法によれば、細胞又は組織の機能を利用又は代替する生体外デバイス又は生体内デバイスを容易に製造できる。本発明によれば、このような細胞構造体の製造方法によって得られる細胞構造体も提供される。
本発明の製造方法において準備される複合体50、その支持体層10及び温度応答性ポリマーについては、既に説明した本発明の複合体50、支持体層10及び温度応答性ポリマーの各種実施態様が適用される。
複合体50は、1又は2以上の細胞培養層60と、1又2以上の支持体層10と、を備えている(図4)。複合体50の支持体層10を崩壊させるには、温度応答性マトリックス4を構成する温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を複合体50に付与する。かかる温度条件は、用いる温度応答性ポリマーに固有の上限又は下限臨界溶解温度より高い又は低い温度とすることができる。崩壊を促進するためには、上限又は下限臨界溶解温度よりも大きく高い又は低い温度とすればよい。かかる温度条件は、温度応答性ポリマーの臨界溶解温度、温度応答性マトリックス4を構成する他のECM成分の種類や量のほか、細胞構造体100を作製する部位や構成する培養細胞を考慮して適宜設定することができる。
温度条件を複合体50に付与する方法は特に限定されない。最も簡易には、図6に示すように、複合体50の存在する環境雰囲気温度の調節により支持体10を崩壊させることができる。また、温度を調節したガスを複合体50に供給して、複合体50又はその一部の支持体層10に選択的に所望の温度条件を付与することもできる。
支持体層10の崩壊による細胞構造体100の作製は、複合体50の場合と同様、インビトロでもインビボでも可能であるが、細胞構造体100の用途に応じて適宜選択できる。細胞構造体100の安定性等を考慮すると、細胞構造体100の作製は、細胞構造体100の使用部位に複合体50を配置して実施することが好ましい。すなわち、細胞構造体100の使用部位(インビボ又はインビトロ)に複合体50を配置した上で、その場で支持体層10を崩壊させることが好ましい。こうすることで、細胞構造体100自体をハンドリングすることを回避して、細胞構造体100の構造崩壊や細胞の配向性低下を回避又は抑制できる。
なお、支持体層10の崩壊後に得られる細胞構造体100のハンドリング性が期待できる場合等には、特に細胞構造体100を適用すべき部位で支持体層10を崩壊する必要は必ずしもない。また、支持体層10崩壊後の細胞構造体100を支持できる適当な担体上で支持体層10を崩壊させてもよい。なお、使用部位以外において複合体50の支持体層10を崩壊させる場合には、細胞構造体100の当該部位からの搬送やハンドリングが容易であるように、本発明の支持体10を作製するのに用いた非親和性表面上で実施することが好ましい。
例えば、インビトロでの作製例として、細胞構造体100を、時間を置いてあるいは作製部位とは異なる部位で使用する場合、非親和性表面20上で細胞構造体100を作製することができる。なお、細胞構造体100が複層構造の場合には、複層化により全体の強度が向上されているので取り扱いやすくなっている。また、細胞構造体100を収容可能な容器(保存用であってもよいし運搬用であってもよい。)の中で細胞構造体100を作製してもよい。こうすることで細胞構造体100に対するストレスを抑制又は回避できる。
また、例えば、インビボの作製例として、既に説明したように、複合体50を生着させたい部位で作製し、その後、そのままその場で支持体10を崩壊させてもよい。また、他の場所で作製した複合体50を、生着部位等に配置してその場で支持体層10を崩壊させてもよい。
本発明の製造方法において、複合体50が2以上のユニット70を含む複層構造を有する場合には、複合体50が備える複数の支持体層10を同時に除去することにより一挙に細胞構造体100を得ることができる。また、複合体10に対して部位選択的に温度条件を付与することにより、特定部位の支持体層10を崩壊させ、特定部位近傍の培養細胞層60を結合させ、その後他の支持体層10を崩壊させて他の培養細胞層60を結合させてもよい。
複合体50が、得ようとする細胞構造体100をスライスして得られる断面形状に対応するパターンの培養細胞層60を有するユニット70を積層して得られるものである場合、支持体層10の崩壊により、所望の外形や大きさを有し、貫通部や中空部を有するなど複雑な三次元形状の細胞構造体100も構築可能である。培養細胞層60において培養細胞が配向されている場合には、さらに、配向された細胞を備える細胞構造体100となる。
こうして得られる細胞構造体100には、さらに本発明の複合体50の支持体層10を接触するように積層することで、より複雑な三次元形状の細胞構造体100を構築できる。
以上説明したように、本発明の細胞構造体100の製造方法によれば、従来と異なり、支持体層10を含む複合体50の支持体層10を崩壊させることにより細胞構造体100を得るため、支持体層10によって安定的に維持された培養細胞層60を結合させることができるため、所望の形態で安定した細胞構造体100を製造できる。
(細胞構造体)
本発明の細胞構造体100は、図1及び図6に示すように、培養細胞が所定の配向性で配列された培養細胞が重層された構造を有することができる。こうした細胞構造体100によれば、細胞の配向性が分化や機能発現に重要な要素である生体外デバイス又は生体内デバイス用の細胞構造体として有用である。特に、特に細胞の配向が重要な平滑筋組織等の筋組織の機能を利用又は代替する生体外又は生体内デバイスとして有用である。
本発明の細胞構造体100の三次元形態は特に限定されない。全体としてシート状体とすることもできる。シート状体とする場合には、種々の形態で使用できしかも適用部位に追従させることも容易であるという利点がある。本発明の細胞構造体100は、中空部や貫通部など複雑な三次元形状を備えることができる。機能上かかる構造が重要あるいは必須である場合には本発明の細胞構造体100は有用である。
本発明の細胞構造体100は、ヒトあるいは非ヒト動物における各種細胞、組織、器官及び臓器の代替を目的とする再生医療等に用いることができる。特に、細胞の配向が重要である心筋の一部を再生材料として用いることができる。また、本発明の細胞構造体100は、骨格筋等の機能を生体外で利用するアクチュエータなどに用いることができる。
以下、本発明の具体例を、実施例を挙げて説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(ハンドリング体の作製及び複合体の作製)
本実施例では、培養細胞をハンドリングするためのハンドリング体及びこのハンドリング体を用いた培養細胞−ハンドリング体の複合体を作製した。まず、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドPNIPAAm(下限臨界溶解温度:32℃)の0.25(w/v)%水溶液を準備し、コラーゲンIVの最終濃度が14μg/ml、ラミニンの最終濃度が10μg/mlとなるようにしてECM成分含有ポリマー組成物Aを調製した。このポリマー組成物Aを、ポリジメチルシロキサン(PDMS)製のプレートの表面に100μg/cm2となるように長方形状にキャストし、4℃で18時間乾燥させた。
次いで、PNIPAAmの5(w/v)%エタノール溶液をポリマー組成物Bとして準備し、乾燥・硬化させたポリマー組成物Aの表面に、50μl/cm2となるようにキャストし重層し、室温で乾燥させた。得られた硬化物をPDMSから剥離して長方形状のハンドリング体を得た。ハンドリング体は容易にPDMS表面から剥離できるとともに、ハンドリングに適した剛性及び強度を備えていた。
次に、10%FBS(Fatal Bovine Serum)を1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM(Dulbecco's modified Eagle Medium)培地の存在下、このハンドリング体のポリマー組成物Aの硬化した表面にマウス筋芽細胞株C2C12細胞を供給(2×103cells/cm2)して37℃で培養した。24時間培養後、細胞を観察したところ、細胞がポリマー組成物Aの硬化層に生着し及び増殖したことを確認した。ハンドリング体の硬化層表面に生着した培養細胞は、硬化層に一体化している状態では力学的強度が高く、これらを一体の複合体としてピンセット等で十分ハンドリングが可能であった。また、得られた複合体は、適度な可撓性を有しており、丸めてチューブ状体とすることができた。
(培養細胞の配向を制御した状態でハンドリング可能なハンドリング体の作製及び培養細胞の配向制御)
本実施例では、PNIPAAmの硬化層の表面に凹凸形状を付与し、細胞を培養した。
まず、ハンドリング体をキャストするPDMS表面に光リソグラフィー技術によって作製した凹凸を鋳型として凹凸形状を付与した。凹凸形状は、長さが200μm〜1000μm、高さが10〜100μm、幅が5μm〜200μm(5μm、10μm、20μm、30μm、50μm、100μm)でこれらの線幅の2倍の間隔で、種々異なる凹部をハンドリング体に形成可能な凸部を形成した。このような凸状部を持つPDMS表面に実施例1で調製したのと同様のポリマー組成物Aを同様にキャストし同一条件で硬化し、さらに、ポリマー組成物Bも実施例1と同様にキャストして複層構造のハンドリング体を作製した。
このハンドリング体のポリマー組成物Aの多数の凹部を有する硬化層表面に、実施例1と同様にしてマウス筋芽細胞株C2C12細胞を供給して37℃で培養し、細胞培養の過程を観察した。なお、観察には、培養細胞を、Lonza社製のCell TrackerによってDMEM中で30分間染色し、DMEMにて洗浄後、蛍光顕微鏡(キーエンス社製BZ−8000)を用いた。結果を図7〜図8に示す。
C2C12細胞は、凹部の幅が5μm未満では生着せず、100μm超では、配向しなかったが、凹部の幅が5μm以上100μm以下では、凹部の長軸方向に沿って配向していた。また、図7に示すように、C2C12細胞は、凹部に沿って突起を伸長し、凹部の長軸方向に向って運動しつつ分裂してくことがわかった。また、図8に示すように、この配向性は、細胞密度が密になるまで継続した。
以上のことから、培養細胞の配向を制御できる凹凸形状をPNIPAAm上にて設定できることがわかった。
(金属研削表面に基づく凹凸形状を備えるハンドリング体の作製及び複合体の作製)
本実施例では、ハンドリング体上で培養細胞の分化を促進可能な培養細胞の運動性に優れる凹凸形状について検討した。
鉄製のブロック表面をサンドペーパー(150番)で一方向に一定荷重で削って、この金属ブロックの研削表面を鋳型としてPDMSプレートを作製し、このPDMSプレートの表面上で実施例1のポリマー組成物A及びポリマー組成物Bをそれぞれ実施例1と同様にして供給し、硬化させることで、研削表面に一致する凹凸形状をポリマー組成物Aの硬化層表面に備えるハンドリング体1を作製した。
また、研削表面に一致する凹凸形状を有するPDMSプレートを作製し、このPDMSプレートの表面上で実施例1のポリマー組成物A及びポリマー組成物Bをそれぞれ実施例1と同様にして供給し、硬化させることで、研削表面を反転した凹凸形状をポリマー組成物Aの硬化層表面に備えるハンドリング体2を作製した。
これらの各ハンドリング体1,2の前記凹凸形状を有する硬化層表面に、実施例1と同様にしてマウス筋芽細胞株C2C12細胞を供給して37℃で培養し、細胞培養の過程を観察した。この硬化層の表面に対して、実施例1と同様にしてマウス筋芽細胞株C2C12細胞を供給して37℃で培養し、細胞培養の過程を観察した。なお、観察は、位相差顕微鏡(キーエンス社製BZ−8000)で観察するとともに、実施例2と同様にして行った。ハンドリング体2についての結果を図9に示す。
金属ブロックの研削表面に一致する凹凸形状を有するハンドリング体1で、細胞は生着し培養でき、さらに、凹部の形状に沿って細胞が配向した。また、図9に示すように、金属ブロックの研削表面を転写して得られる反転形状を有するハンドリング体2でも、細胞は生着し培養でき、さらに、凹部の形状に沿って細胞が配向し、その配向性は細胞密度が高くなっても維持された。
さらに、ハンドリング体2の表面で培養したC2C12細胞に対して、2%CS(Calf Serum)と1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM培地を供給し、CO2インキュベータ内(5%CO2、37℃)で培養して筋芽細胞を分化させた。培養後、PBSで洗浄した細胞(筋芽細胞、筋管)を、4%p−ホルムアルデヒドで固定した。その後、界面活性剤である0.2%TritonXで細胞を処理し、1mg/mlの牛血清アルブミン(BSA)を含むPBSでブロッキングを行った。ブロッキング後、核を、DAPI、f-アクチンを含むAlexa546-Palliioidin、アクチニンをマウス抗アクチニン抗体と二次抗体であるAlexa488-抗マウスIgG抗体を用いて染色した。蛍光顕微鏡観察にて観察を行い、アクチニンによって染色された細胞を筋管と判断した。結果を図10に示す。図10左に示すように、凹凸形状の方向に配向した筋細胞を得ることができた。得られた筋細胞は、多核の細胞を構成しており、筋肉としての特徴を持っていることがわかった。また、同図10右に示すように、筋細胞内部のアクチンフィラメントも凹凸形状の方向に沿って配向していることがわかった。
以上のことから、培養細胞の配向を制御可能な凹凸形状を、光リソグラフィー、ホットエンボスなど装置を必定とせず、簡易な方法でしかも成形法で作製できることがわかった。また、このような手法によれば、凹凸形状を付与できる材料も他種多様であるほか、凹凸形状を付与できる面積にも制約がなく、大きな面積で配向を制御した培養細胞層を作製できることがわかった。
(配向制御のための凹凸形状としての金属研削表面形状の検討)
本実施例では、培養細胞を配向制御するのに好適な金属研削表面形状を検討した。鉄製のブロックの表面を番手の異なる研削剤(プレート1:9μmのダイヤモンドサスペンション(米国ビューラー社製)、プレート2:サンドペーパー400番、プレート3:サンドペーパー150番、プレート4:サンドペーパー40番)で一方向に擦過してライン状の微小な凹凸形状を有し、4種類の異なる表面粗さRzの研削表面を形成し、これを鋳型にして、当該研削表面を反転した凹凸形状を有するPDMSプレート(プレート1〜4)を形成した。なお、金属研削表面における表面粗さRzの測定結果を以下の表に示す。表面粗さRzは、鉄製ブロックの異なる3箇所のRzを、HOMMEL TESTER LV15(MITUTOYO)を用いて測定した。
(表1)
種類 Rz(μm)
プレート1 0.3
プレート2 2
プレート3 6〜8
プレート4 13以上
このPDMSプレートの凹凸形状を有する表面に、ラミニンPBS溶液(10μg/ml)を供給・乾燥してラミニンコーティング層を形成し、実施例1と同様にマウス筋芽細胞株C2C12細胞を播種して培養した。なお、凹凸形状を有しないPDMSプレートをコントロールとして同様にラミニンコーティング層を形成し、C2C12細胞を培養した。結果を図11に示す。なお、可視化は、実施例3の筋芽細胞の観察と同様にして行った。
図11上段に示すように、プレート2〜4において筋芽細胞が凹凸形状に沿って配向したが、コントロール及びプレート1では、配向が認められなかった。また、図11下段に示すように筋管もプレート2〜4においてのみ配向し、コントロール及びプレート1では、筋管の配向が認められなかった。
以上のことから、筋芽細胞を配向させるには、凹凸形状に一定以上の大きさが必要であることがわかった。また、このような凹凸形状による筋芽細胞の配向制御により、同時に筋管細胞の配向制御も実現できることがわかった。
(複合体の積層による細胞構造体の造形)
本実施例では、一つの支持体層と一つの培養細胞層とを備えるユニットからなる複合体を積層し、支持体層を構成するマトリックスに含まれる温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を付与することで支持体を崩壊させるとともに、2つの培養細胞層を一体化して細胞構造体を造形した。
実施例1で作製したハンドリング体に、ラットの心筋細胞を播種して、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するMedium199内にて37℃、5%CO2環境下で培養したところ、研削方向に沿って心筋細胞が配向した培養心筋細胞層を有する培養細胞層−ハンドリング体の複合体を得た。こうして得られた2枚の複合体を、電極アレイ上で、培養心筋細胞層が上下に重複するように積層して、複層構造の複合体を得た。この複層構造の複合体を、用いた温度応答性ポリマーの臨界溶解温度(32℃)に基づき22℃下に12時間配置して、温度応答性マトリックスを崩壊させた。12時間経過後、22℃下で水を用いてこの複合体を洗浄し、室温にて観察したところ、培養心筋細胞層が互いに重複する部分で一体化しており、部分的に複層の心筋細胞構造体を形成していた。
この心筋細胞構造体を、電極アレイ上において、培養心筋細胞層の重複部分を挟んで対応する2箇所(一方は、下層側の培養心筋層にあり、他方は上層側の培養心筋層にある。)で心筋の自発活動電位を測定した。その結果、それぞれ箇所の自発活動電位の位相はそろっており、培養心筋細胞層の重複部分において生理的な結合が形成されていることがわかった。
以上のことから、温度応答性マトリックスの崩壊により重層された2つの培養心筋細胞層は生理的に結合することがわかった。
本発明のハンドリング体から複合体を経て細胞構造体を得る工程の一例を示す図である。 本発明のハンドリング体の一態様を示す図である。 本発明のハンドリング体の製造工程の一例を示す図である。 本発明の複合体の各種態様を示す図である。 本発明の複合体の製造工程の一例を示す図である。 発明の細胞構造体の一例を示す図である。 実施例2における細胞培養過程の写真を示す図である。 細胞が密になっても配向を維持している写真を示す図である。 金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する表面で培養した筋芽細胞の状態の写真を示す図である。 金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する表面で培養した筋芽細胞を分化させてえられた筋細胞の状態の写真を示す図である。 金属研削表面形状を反転した凹凸形状を有する表面で培養した筋芽細胞の状態の写真を示す図である。上段は、筋芽細胞が配向した状態を示し、下段は、筋管が配向した状態を示す図である。
符号の説明
2 成形体、4 マトリックス 6a、6b 層、8 細胞接着領域、10 ハンドリング体、12 20 非親和性表面、50 培養細胞−支持体層の複合体、60 培養細胞層、62 別の培養細胞層、70 ユニット、100 細胞構造体

Claims (27)

  1. 温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる成形体と、
    前記成形体の表面の少なくとも一部において細胞が接着可能な細胞接着領域と、
    を備える、培養細胞のハンドリング体。
  2. 前記細胞接着領域は、細胞外マトリックス成分を含有する、請求項1に記載のハンドリング体。
  3. 前記成形体は、異種組成の2種類以上の層構造を有しており、最表面の層が前記細胞接着領域を含む、請求項1又は2に記載のハンドリング体。
  4. 前記細胞接着領域は、細胞を配向して培養可能な凹凸形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のハンドリング体。
  5. 前記細胞接着領域は、5μm以上50μm以下の幅の直線状の凹部を含む、請求項4に記載のハンドリング体。
  6. 前記細胞接着領域は、Rzが2μm以上で凹凸形状が形成された領域を含む、請求項4に記載のハンドリング体。
  7. 前記細胞接着領域は、金属表面を一方向に研削して得られる表面形状を反転して得られる凹凸形状を有する、請求項4又は6に記載のハンドリング体。
  8. シート状体である、請求項1〜7のいずれかに記載のハンドリング体。
  9. 前記細胞接着領域に接着させた培養細胞層を2層以上積層して細胞構造体を形成する細胞構造体の積層造形用である、請求項1〜8のいずれかに記載のハンドリング体。
  10. 温度応答性ポリマーと細胞外マトリックス成分とを含有するポリマー組成物をその硬化物を剥離可能な非親和性表面に供給し硬化させて成形体を作製する工程、
    を備えて、
    前記温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる成形体と、前記成形体の表面の少なくとも一部において細胞が接着可能な細胞接着領域と、を備える、培養細胞のハンドリング体の製造方法。
  11. 前記成形体の作製工程は、第1の温度応答性ポリマーと細胞外マトリックス成分とを含有する第1のポリマー組成物をその硬化物を剥離可能な非親和性表面に供給し硬化させて第1の硬化層を得、その後、第2の温度応答性ポリマーを含有し細胞外マトリックス成分を含有しない第1のポリマー組成物を前記第1の硬化物に重層して硬化させて第2の硬化層を得て前記成形体を作製する工程である、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記成形体の作製工程は、前記成形体の前記非親和性表面との接触側に細胞を配向して培養可能な凹凸形状を付与することを含む、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 前記非親和性表面は、前記凹凸形状を成形するための表面形状を有する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記凹凸形状は、金属表面を一方向に研削して得られる研削表面形状を反転した形状であり、前記研削表面形状に一致する表面形状を有する前記非親和性表面を準備する、請求項13に記載の製造方法。
  15. 温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる支持体層と、前記支持体層の表面の少なくとも一部に培養細胞が相互に結合して支持された培養細胞層と、を有する1又は2以上のユニットを備える、培養細胞−支持体層の複合体。
  16. 少なくとも一つの前記ユニットにおいて、前記培養細胞層の少なくとも一部において培養細胞が一定方向に配向されている、請求項15に記載の複合体。
  17. 前記支持体層を介して2つの培養細胞層が重層された複層構造を有する、請求項15又は16に記載の複合体。
  18. 2つ以上の前記ユニットが前記支持体層と前記培養細胞層とが交互になるよう重層した複層構造を有する、請求項15〜17のいずれかに記載の複合体。
  19. 前記支持体層を介して重層された前記培養細胞層のそれぞれの少なくとも一部において培養細胞がほぼ同一方向に配向されている、請求項15〜18のいずれかに記載の複合体。
  20. 前記培養細胞は、筋芽細胞、筋管細胞、平滑筋細胞及び心筋細胞からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項15〜19のいずれかに記載の複合体。
  21. 請求項15〜20のいずれかに記載の培養細胞−支持体層の複合体の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれかに記載の培養細胞のハンドリング体の前記細胞接着領域で細胞を培養して前記一つのユニットを作製する工程、
    を備える、製造方法。
  22. さらに、前記ユニット作製工程において作製したユニットを、当該ユニットの前記支持体層が別に準備された培養細胞層に接触するように積層する工程と、
    を備える、請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記準備された別の培養細胞層は、別途作製された別の前記ユニットの前記培養細胞層である、請求項22に記載の製造方法。
  24. 温度応答性ポリマーを含有するマトリックスからなる支持体層と、前記支持体層の表面の少なくとも一部に培養細胞が相互に結合して支持された培養細胞層と、を有する1又は2以上のユニットを備える、培養細胞−支持体層の複合体を準備する工程と、
    前記複合体の前記支持体層を前記温度応答性ポリマーの臨界溶解温度に基づく温度条件を付与して崩壊させる工程と、
    を備える、細胞構造体の製造方法。
  25. 前記複合体が備える2以上の前記支持体層を同時に除去する工程である、請求項24に記載の製造方法。
  26. 培養細胞が所定の配向で配列された培養細胞の複層構造を備える細胞構造体。
  27. 請求項24又は25のいずれかに記載の細胞構造体の製造方法によって得られる、請求項26に記載の細胞構造体。
JP2008180547A 2008-07-10 2008-07-10 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用 Expired - Fee Related JP4553038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008180547A JP4553038B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008180547A JP4553038B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010017128A true JP2010017128A (ja) 2010-01-28
JP4553038B2 JP4553038B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=41702639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008180547A Expired - Fee Related JP4553038B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4553038B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111562A1 (ja) * 2010-03-08 2011-09-15 国立大学法人大阪大学 三次元細胞集合体の作製方法およびそれに用いる細胞培養用三次元ゲル担体並びに三次元細胞集合体
JP2013005789A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Cellseed Inc 伸縮可能な温度応答性基材、製造方法及びその利用方法
WO2013137426A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 テルモ株式会社 シート状構造物の輸送用液体組成物
JP2015008701A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 独立行政法人理化学研究所 分化転換制御方法および基板
KR101586839B1 (ko) * 2015-07-29 2016-01-19 고려대학교 산학협력단 줄기세포 지지체를 이용한 근세포 혼합시트 및 그의 제조방법
WO2017082026A1 (ja) * 2015-11-10 2017-05-18 日機装株式会社 細胞支持複合体および細胞支持複合体の製造方法
WO2018116905A1 (ja) * 2016-12-22 2018-06-28 Dic株式会社 細胞培養基材
WO2020158481A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 王子ホールディングス株式会社 細胞シートの製造方法および細胞シート
CN114456935A (zh) * 2016-11-09 2022-05-10 尤尼沃尔塞尔斯股份公司 细胞生长基质

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7033095B2 (ja) * 2019-03-04 2022-03-09 日清食品ホールディングス株式会社 三次元筋組織とその製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003259862A (ja) * 2002-03-12 2003-09-16 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2004261533A (ja) * 2003-02-14 2004-09-24 Mitsuo Okano 高生着性角膜上皮代替細胞シート、製造方法及びその利用方法
JP2004261532A (ja) * 2003-02-06 2004-09-24 Mitsuo Okano 高生着性再生角膜上皮細胞シート、製造方法及びその利用方法
WO2005028638A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Keio University 細胞シートを作製するための支持体をコーティングするための組成物、細胞シート作製用支持体及び細胞シートの製造方法
JP2005110604A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
JP2005110537A (ja) * 2003-10-06 2005-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2006223106A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2006271252A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
JP2006288217A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
WO2007097120A1 (ja) * 2006-02-21 2007-08-30 Scivax Corporation 細胞培養構造体、細胞培養容器、スフェロイド付き構造体、スフェロイド付き容器およびこれらの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003259862A (ja) * 2002-03-12 2003-09-16 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2004261532A (ja) * 2003-02-06 2004-09-24 Mitsuo Okano 高生着性再生角膜上皮細胞シート、製造方法及びその利用方法
JP2004261533A (ja) * 2003-02-14 2004-09-24 Mitsuo Okano 高生着性角膜上皮代替細胞シート、製造方法及びその利用方法
WO2005028638A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 Keio University 細胞シートを作製するための支持体をコーティングするための組成物、細胞シート作製用支持体及び細胞シートの製造方法
JP2005110537A (ja) * 2003-10-06 2005-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2005110604A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
JP2006223106A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2006271252A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
JP2006288217A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Kawamura Inst Of Chem Res 細胞培養基材及び細胞培養方法
WO2007097120A1 (ja) * 2006-02-21 2007-08-30 Scivax Corporation 細胞培養構造体、細胞培養容器、スフェロイド付き構造体、スフェロイド付き容器およびこれらの製造方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111562A1 (ja) * 2010-03-08 2011-09-15 国立大学法人大阪大学 三次元細胞集合体の作製方法およびそれに用いる細胞培養用三次元ゲル担体並びに三次元細胞集合体
JP2013005789A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Cellseed Inc 伸縮可能な温度応答性基材、製造方法及びその利用方法
WO2013137426A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 テルモ株式会社 シート状構造物の輸送用液体組成物
JPWO2013137426A1 (ja) * 2012-03-16 2015-08-03 テルモ株式会社 シート状構造物の輸送用液体組成物
JP2015008701A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 独立行政法人理化学研究所 分化転換制御方法および基板
KR101586839B1 (ko) * 2015-07-29 2016-01-19 고려대학교 산학협력단 줄기세포 지지체를 이용한 근세포 혼합시트 및 그의 제조방법
WO2017018629A1 (ko) * 2015-07-29 2017-02-02 고려대학교산학협력단 줄기세포 지지체를 이용한 근세포 혼합시트 및 그의 제조방법
US10870824B2 (en) 2015-11-10 2020-12-22 Nikkiso Co., Ltd. Cell support composite and method for producing cell support composite
JPWO2017082026A1 (ja) * 2015-11-10 2018-08-02 日機装株式会社 細胞支持複合体および細胞支持複合体の製造方法
WO2017082026A1 (ja) * 2015-11-10 2017-05-18 日機装株式会社 細胞支持複合体および細胞支持複合体の製造方法
CN114456935A (zh) * 2016-11-09 2022-05-10 尤尼沃尔塞尔斯股份公司 细胞生长基质
CN114456935B (zh) * 2016-11-09 2024-03-08 尤尼沃尔塞尔斯技术股份公司 细胞生长基质
WO2018116905A1 (ja) * 2016-12-22 2018-06-28 Dic株式会社 細胞培養基材
JPWO2018116905A1 (ja) * 2016-12-22 2018-12-20 Dic株式会社 細胞培養基材
US11499136B2 (en) 2016-12-22 2022-11-15 Dic Corporation Cell culture substrate
WO2020158481A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 王子ホールディングス株式会社 細胞シートの製造方法および細胞シート
JPWO2020158481A1 (ja) * 2019-01-28 2021-12-02 王子ホールディングス株式会社 細胞シートの製造方法および細胞シート
JP7192892B2 (ja) 2019-01-28 2022-12-20 王子ホールディングス株式会社 細胞シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4553038B2 (ja) 2010-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4553038B2 (ja) 培養細胞のハンドリング体、その製造方法及びその利用
JP4483994B1 (ja) 細胞培養担体及びその利用
Jiao et al. Thermoresponsive nanofabricated substratum for the engineering of three-dimensional tissues with layer-by-layer architectural control
Liu et al. Bioinspired 3D multilayered shape memory scaffold with a hierarchically changeable micropatterned surface for efficient vascularization
Kim et al. Guided three-dimensional growth of functional cardiomyocytes on polyethylene glycol nanostructures
Zhang et al. From cardiac tissue engineering to heart-on-a-chip: beating challenges
Nakayama et al. Aligned-braided nanofibrillar scaffold with endothelial cells enhances arteriogenesis
Limongi et al. Fabrication and applications of micro/nanostructured devices for tissue engineering
Xu et al. An anisotropically and heterogeneously aligned patterned electrospun scaffold with tailored mechanical property and improved bioactivity for vascular tissue engineering
JP5614471B2 (ja) 寸法が保持された細胞シート、その製造方法、及びそのための細胞培養担体
Suhaeri et al. Novel platform of cardiomyocyte culture and coculture via fibroblast-derived matrix-coupled aligned electrospun nanofiber
Haag et al. The synergy of biomimetic design strategies for tissue constructs
Jun et al. Creating hierarchical topographies on fibrous platforms using femtosecond laser ablation for directing myoblasts behavior
WO2013151755A1 (en) Systems and method for engineering muscle tissue
Wang et al. Differentiation of bMSCs on biocompatible, biodegradable, and biomimetic scaffolds for largely defected tissue repair
Shapira et al. Advanced micro-and nanofabrication technologies for tissue engineering
Chen et al. A spatiotemporal controllable biomimetic skin for accelerating wound repair
US10973957B2 (en) Patterned electrospun fibers for tissue engineering
Marques-Almeida et al. Tuning myoblast and preosteoblast cell adhesion site, orientation, and elongation through electroactive micropatterned scaffolds
Joshi et al. Self-assembled fibrinogen scaffolds support cocultivation of human dermal fibroblasts and hacat keratinocytes
Amiryaghoubi et al. Bioscaffolds of graphene based-polymeric hybrid materials for myocardial tissue engineering
Tian et al. Aligned nanofibrous net deposited perpendicularly on microridges supports endothelium formation and promotes the structural maturation of hiPSC-derived cardiomyocytes
de Laorden et al. Advances in human amniotic placenta membrane-derived mesenchymal stromal cells (hAMSCs) for regenerative medicine: Enhancing therapeutic potential with biomaterials and scaffolds
US20230087578A1 (en) Device and methods for engineering 3d complex tissues
KR102688071B1 (ko) 유연성 막 기반의 세포 시트를 이용한 세포 전사 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees