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JP2010013753A - 撥水性高調湿和紙シート材およびその製造方法 - Google Patents

撥水性高調湿和紙シート材およびその製造方法 Download PDF

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JP2010013753A JP2008173418A JP2008173418A JP2010013753A JP 2010013753 A JP2010013753 A JP 2010013753A JP 2008173418 A JP2008173418 A JP 2008173418A JP 2008173418 A JP2008173418 A JP 2008173418A JP 2010013753 A JP2010013753 A JP 2010013753A
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Fumio Watanabe
文雄 渡辺
Yohei Ishiune
洋平 石畝
Katsuhiko Goto
勝彦 呉藤
Sasagu Terao
奉 寺尾
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Maruwa Co Ltd
Fukui Prefecture
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Maruwa Co Ltd
Fukui Prefecture
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Abstract

【課題】 和紙の風合いや質感を有しつつ、薄い形状であっても中湿度域および高湿度域に亙って優れた調湿機能を備え、かつ、意匠性や施工性にも優れ、しかも、廃棄後も環境に優しい撥水性高調湿和紙シート材およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 主原料である麻繊維材に、これと略同径であって、かつ、絡み性が良好な副原料の天然繊維材を混合し、さらにこれら麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して抄造された基材紙層1と;この基材紙層1上に層着状態に抄造され、かつ、基材紙層1に含まれる麻繊維材と副原料の天然繊維材に、前記基材紙層1の繊維間隙に不透過な所定粒度の珪酸カルシウム水和物粉体を混入した調湿紙層2と;この調湿紙層2上に層着状態に抄造されて形成され、かつ、表面に撥水加工が施された通気性を有する化粧紙層3とを積層して一体に構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に内装に用いる調湿シート材の改良、詳しくは、室内空間の相対湿度を中湿度域(相対湿度50〜75%)から高湿度域(相対湿度75〜100%)に亘って自律的に調湿することを可能とし、かつ、薄くて丈夫で汚れ難く製造面でも非常に好都合な撥水性高調湿和紙シート材およびその製造方法に関するものである。
近年では、室内環境における不快な湿気や結露を防止するために中湿度域から高湿度域の調湿性を備えた内装用建材の利用が進んでおり、これらの調湿建材の主な共通課題として、いかに目的とする機能性無機粉体を効率よく基層に担持するかということがあり、その解決手段として有機エマルジョンや合成樹脂がバインダーとして用いられ、様々な組成や構造の調湿建材が提案されている。
そして、かかる調湿材料における調湿性能の一般的基準としては、調湿建材の信頼性確保を目的として、社団法人日本建材産業・住宅設備協会によって「調湿建材登録・表示規定」が制定されている(非特許文献1)。
この規定によると、相対湿度を50%から75%に変化させた際、12時間内に29g/m以上吸湿し、75%から50%の放湿過程では12時間内に吸湿量の70%の放湿量を有するものが調湿性能基準を満たすとされている。
前記の試験方法は「JIS A 1470−1」において詳細に定められているが、通常は、ボード類のように厚みのある製品でないとその認定基準に合格することは困難であり、壁紙のように薄い材料で基準を満たすものは現存していない。
従来、調湿和紙壁紙としては、パルプ繊維、不織布、フィルム等の可撓性を有する基材の表面に、無機多孔体が有機物エマルジョンをバインダーとして担持した吸放湿層が塗布形成された機能性壁紙や撥水調湿部材(特許文献1、2)が知られている。
しかしながら、それらの材料や方法は可撓性や製造コストの面では優れるものの、不織布や紙、プラスチックフィルム等からなる基材上に、調湿性などの機能を有する無機粉体を、有機エマルジョンで担持させた層に担わせているため、有機エマルジョンによる透湿性能の低下に加えて意匠の面でも制限されてしまい、和紙の質感を持つ軽薄なシート状壁材では、上記<非特許文献1>に記載されているような中湿度域における短時間での調湿性能基準を満足させることはできなかった。
また、<特許文献2>では、有機エマルジョンを用いつつ透湿性を確保するために、撥水性の粉体を用いることで有機エマルジョンが乾燥硬化しても通気を確保する方法が記載されているが、この場合においても基材への担持が塗布乾燥硬化法であるので、面積あたりの調湿性能を高めて認定基準を満たそうとすれば厚みが増して単位面積あたりの重量が重くなるし、また、施工時の継ぎ目が目立ってしまい、更に、和紙の質感を付与することができないこと等の欠点があった他、リサイクルが困難で廃棄後の環境負荷面においても問題があった。
そしてまた、機能層として抄造法で形成するものとしては、炭、アパタイト、ゼオライト等の調湿性に優れる粒状添加剤を中間層とし、その両側に和紙を積層したサンドイッチ構造の和紙(特許文献3)や、人工ゼオライト粉体とパルプ等天然繊維素材で凝集フロック状に担持させた消臭調湿紙(特許文献4)等が知られている。
しかしながら、<特許文献3>には、単にサンドイッチ構造が述べられているのみであり、通常の和紙製造法では、抄造する際に基層から粉体が流出したり、施工時の切断加工では端部の機能性粒子が脱落するという問題があり、粉体の調湿性能も低く、<非特許文献1>記載の基準を満足できなかった。
更にまた、<特許文献2、3>に見られるように調湿性能をゼオライトに依存した壁紙は、ゼオライトの吸湿特性は低湿度域での吸湿性は高いものの中湿度域や高湿度での吸湿や放湿能力は無いに等しいくらい僅かであるため、これもまた<非特許文献1>が求めるような性能確保はできない。
そのほか、調湿建材としてはロックウールボードに活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アロフェン等の吸放湿材料を配合し、抄造した後、フェノール樹脂を含浸させて一定の強度を持たせた調湿板材等も提案されている(特許文献5)。
しかしながら、<特許文献5>に見られるような板材や無機タイルでは、撓み性もなく切断作業や貼り付け作業等の施工性が悪いことや、単位面積当たりの重量が重いこと、また、工賃が紙材料を基本としたものよりも高価になるという問題があった。
なお、シートの中間層や表層に不織布や合成繊維を使用する場合は、和紙のように抄造成形では無機粉体を担持しにくく、パルプ繊維との絡みやなじみも悪く、抄造法では製造が困難なこと、あるいは和紙調の多様な意匠性を付与しにくいことが問題であり、<非特許文献1>の認定基準の満足もまた困難であった。
更にまた、従来の和紙を内装壁材として使用する場合、防汚性が大きな課題としてあったことから、近年は撥水処理することが求められ、一部商品化もされているが、従来の撥水コーティング法では、調湿性を阻害するという問題があった。
社団法人日本建材産業・住宅設備産業協会発行 「調湿建材登録・表示制度」に関する調湿建材登録・表示規定 特開2004−300648 特開2005−105433 特開2004−52152 特開2004−277982 特開2003−20734
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、和紙の風合いや質感を有しつつ、薄い形状であっても中湿度域および高湿度域に亙って優れた調湿機能を備え、かつ、意匠性や施工性にも優れ、しかも、廃棄後も環境に優しい撥水性高調湿和紙シート材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、主原料である麻繊維材に、これと略同径であって、かつ、絡み性が良好な副原料の天然繊維材を混合し、さらにこれら麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して抄造された基材紙層1と;
この基材紙層1上に層着状態に抄造され、かつ、基材紙層1に含まれる麻繊維材と副原料の天然繊維材に、前記基材紙層1の繊維間隙に不透過な所定粒度の珪酸カルシウム水和物(以下、「C−S−H」と略記する)粉体を混入した調湿紙層2と;
この調湿紙層2上に層着状態に抄造されて形成され、かつ、表面に撥水加工が施された通気性を有する化粧紙層3とを積層して一体に構成した点に特徴がある。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基材紙層1の麻繊維材を、乾燥重量割合で麻繊維材を少なくとも50%以上含むようにするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、調湿紙層2を、C−S−H粉体を乾燥重量割合が25〜70%で、麻繊維材と針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維からなる天然パルプ繊維を少なくとも乾燥重量割合で30%以上含み、それらを天然高分子バインダーによって結合形成するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基礎紙層1と調湿紙層2の上部の意匠層である化粧紙層3を、乾燥重量割合で麻繊維材80〜90%と針葉樹パルプを主原料とする繊維が10〜20%の乾燥重量割合で混合・抄造するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、化粧紙層3の表面凹凸の微細頭頂部において、点状に撥水剤が付着加工するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、調湿紙層2のC−S−H粉体を、粒径1μm以上で、かつ、加熱脱水処理されたものにするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基材紙層1および調湿紙層2の主原料における麻繊維材をマニラ麻繊維にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基材紙層1および調湿紙層2における副原料の天然繊維材を針葉樹パルプ繊維にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基材紙層1における間隙調整繊維材を広葉樹パルプ繊維にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、基材紙層1および調湿紙層2、化粧紙層3に、それぞれ天然高分子から成る植物性バインダー材料を混合するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、化粧紙層3の主原料を麻繊維材にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、麻繊維材を主原料とし、これと略同径であって、かつ、絡み性の良好な天然繊維材を副原料として、植物性バインダーとともに水中に遊離状に分散混合させ、更に前記麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して基材紙料液を調製し、この基材紙料液から前記各繊維を含む基材紙層を抄き取った後、この抄き取った前記基材紙層が乾燥する前に、主原料の麻繊維材および副原料の天然繊維材とを含む紙料液に前記基材紙層の繊維間隙に不透過な所定粒度のC−S−H粉体を混入して調製した調湿紙料液を抄き取って調湿紙層を層着せしめ、ついで、これら基材紙層および調湿紙層が乾燥する前に、この調湿紙層の上に、紙繊維材料からなる紙料液から紙繊維を抄き取って化粧紙層を層着形成して乾燥処理し、然る後、前記化粧紙層の表面に撥水加工を施すという技術的手段を採用することができる。
本発明においては、植物繊維の中でも中湿度域における優れた調湿性と高い強度とを兼ね備え、かつ、麻繊維材を主原料として基材紙層を抄造するとともに、基材紙層上には、基材紙層と同じく繊維が太めで粉体を担持するための適度な隙間が多く形成され易い麻繊維材を主原料とし、更にこれらの原料繊維に高湿度域での調湿性能が珪藻土に比べて約3倍高いC−S−H粉体を混入して調湿紙層を形成したことにより、中湿度域から高湿度域にわたって自律した高い調湿性能を示す和紙シート材を作製することが可能となり、しかも、珪藻土を用いて同レベルの調湿性能を実現した場合に比べてシート材の薄型化及び軽量化を図ることもできる。
また、基材紙層には、主原料の麻繊維材および副原料の天然繊維材に加えて、繊維径及び繊維長が小さい間隙調整用の繊維材を添加して繊維同士の隙間のサイズを小さくしたことにより、調湿紙層の抄造時において、微小なC−S−H粉体が基材紙層の繊維に引っかかり易くなってフィルター効果を奏するため、粉体の漏れ落ちが抑制され歩留りが改善されて製造コストを低減化できる。
また、本発明では、調湿紙層上に更に化粧紙層を形成することで意匠性を高めるとともに、この化粧紙層を介在させることによって調湿紙層のC−S−H粉体の外への飛び出しを防止でき、しかも、防汚効果を付与する撥水加工を化粧紙層の表面に行うことで、C−S−H粉体に直接撥水剤が付着する問題も解消される。
更に、本発明によれば、抄造段階で基材紙層は十分な強度を備えているため、調湿紙層となるスラリー中の粉体を歩留まりよく残留せしめ、調湿紙層は麻繊維材や針葉樹パルプ繊維などの天然パルプ繊維が中湿度域での調湿機能の発現と高湿度域を高めるための調湿粉体であるC−S−Hを強固に大量に担持することができる。
また、化粧紙層の表層は和紙の風合いを持つ多様な意匠が可能となり、化粧紙層の最表面に施した撥水処理によって、軽薄で調湿建材認定基準に合致した撥水性高調湿和紙シート材が得られるので、これを内装壁材として用いることで自立的調湿機能を発現し、室内空気の快適湿度環境を提供することが可能となる。
また、従来の内装用調湿壁材は、ボードやタイル状のものがほとんどであり、厚みがある分、継ぎ目が目立つという欠点があり、また、類似のシート状製品も同様の欠点があるが、本願発明の撥水調湿和紙シートは、化粧紙層が和紙の繊維材からなっているので、継ぎ目となる箇所を施工後に一様に均すことによって表層の繊維が重なり合って目立たなくすることができる。
さらに、本発明品は、繊維材やバインダーが天然原料主体であり、調湿粉体として使用する加熱脱水C−S−Hは化学成分が珪酸とカルシウムであるので、廃棄後も肥料や土壌改良材などとして利用することができるので、極めて環境に優しいという特徴がある。
また、本願発明は、従来技術にあるような粒子の粒径や繊維の長さのみを制御する方法ではなく、基材となる繊維を幅が太くて強度の強いマニラ麻を主原料とし、同様な繊維幅である針葉樹パルプやそれよりも繊維幅の細い広葉樹パルプ等を併せて用いることによって、抄造性と繊維の絡みがもたらす間隙の量と大きさを最適化し、調湿紙層を形成させるための粒子の透過防止フィルターとしての機能を付与することができ、かつ、製品強度の規定を満足せしめることもできる。
したがって、調湿建材としての調湿機能に優れるだけでなく、使用面や大量生産を前提とする製造面でも非常に有利な高調湿シート材を提供でき、更に、要に臨んで本シート材をタンスの中や下駄箱内に入れて吸湿や消臭するなどの広範囲に亙り使用することもできることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明を実施するための最良の形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
本発明の実施形態は、図1および図2に示される。図1中において、符号1で指示するものは基材紙層であり、符号2で指示するものは調湿紙層である。そして、符号3で指示するものは、化粧紙層である。
まず、基材紙層1について説明する。この基材紙層1は、主原料の麻繊維材に、この麻繊維材と略同径であって、かつ、この麻繊維材との良好な絡み性を有する副原料の天然繊維材を混合し、更にこれらの麻繊維材や天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長が小さい繊維材を間隙調整繊維材として添加した材料から形成されている。なお、主原料とは、混合材料の全重量に対して最大の重量部(特に50%以上)を占める原料をいう。
この基材紙層1(および後述する調湿紙層2)に用いる麻繊維材には、中湿度域での調湿機能に加えて強度が高く、繊維の絡みが良好で繊維間の細孔調整が可能であり、また後述する調湿紙層2の抄造行程(スラリー中)におけるC−S−Hの粉体を流失させないようにするために、繊維径が15〜40μmと天然繊維の中でも太くて丈夫なマニラ麻繊維を使用するとともに、、副原料の天然繊維材には、麻繊維材と同様に中湿度域の調湿機能を有して、かつ、繊維幅もマニラ麻繊維と略同じ10〜30μmであって、麻繊維材と非常に絡み易い針葉樹パルプ繊維を使用している。
なお、主原料の麻繊維材としては、マニラ麻以外のサイザル麻やケナフ、ジュートなどを使用することもでき、また、副原料の天然繊維材としては、調湿性を有しているものが望ましいが、基本的に麻繊維材に絡み易くて麻繊維材と同程度の長さと太さを持っているものならば、針葉樹パルプ繊維以外のものを使用することが可能である。
本実施形態では、副原料の針葉樹パルプ繊維は、主原料のマニラ麻繊維に対して約9:1の割合(wt%)で配合している。
また、基材紙層1に添加する間隙調整繊維材には、前記麻繊維材や針葉樹パルプ繊維に比べて中湿度域の調湿性能が高く、繊維径が5〜15μm程度と非常に細い広葉樹パルプ繊維を使用することが望ましい。
この間隙調整繊維材(特に広葉樹パルプ繊維)は、天然パルプの中でも最も繊維幅が細いうえ、叩解によって繊維に多くの分岐が発生することから繊維間の隙間も狭くまた粒子を捕捉するフィルター効果もいっそう高くすることができるが、多量に使用すると抄造段階での脱水(水抜け)も不良となるので、10wt%程度までに抑えることが望ましい。
また、この間隙調整繊維材についても調湿機能を有していることが好ましいが、麻繊維材や天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる(細く短い)繊維材ならば広葉樹パルプ繊維以外からでも適宜選択することができ、繊維径および繊維長の設定が容易な化合繊維を採用することもできる。
次に、調湿紙層2について説明する。この調湿紙層2は、上記基材紙層1上に設けられる層であって、繊維間に適度な隙間が形成される繊維の太さおよび長さの麻繊維材(本実施形態では、「マニラ麻繊維」)を主原料とし、この麻繊維材に絡み性を有する針葉樹パルプ繊維を副原料として混合して、更にこれらに粒度が1〜100μmのC−S−H粉体を加えて形成したものである。
このC−S−H粉体としては、粉体と繊維との絡みが良好で極めて高性能な調湿粉体が効果的であることから、加熱脱水処理されたC−S−Hを用いる。なお、詳しくは、参考文献「J.Ceram.Soc.JAPAN 113[11]736−742(2005)」に記載されている。
また、この加熱脱水処理されたC−S−Hは、従来の珪酸カルシウム系建材の構成物質や、一般的に使用されている無機粉体である珪藻土等の3倍以上の極めて高い調湿性能を有する物質である。
さらにこの物質は、粉砕物の形状が針状粒子の集合体となっていることから、抄造時に繊維と絡みやすい性質がある他、低廉に大量に製造可能であり、廃棄後も土壌改良材としての認定基準も満足しているなど、環境負荷の面からも問題がない。
なお、通常は結晶層間にナノレベルの間隙を持つ物質である110℃〜700℃の範囲で加熱脱水処理されたC−S−Hを用いるが、高い調湿機能を求める場合は高温域で加熱脱水処理されたC−S−Hを使用する方が好適であり、また、高い白色度を求める場合は不純物として含まれる鉄化合物の少ない原料で合成されたC−S−Hを用いるか、含まれている鉄化合物が酸化しない低温域で加熱脱水処理されたC−S−Hを使用することが望ましい。
この調湿紙層2において、中湿度域における短時間での高い調湿性能を確保するためには、マニラ麻繊維と針葉樹パルプ繊維とから成る混合繊維材料を内割で20wt%以上配合する必要がある。
また、C−S−H粉体と前記混合繊維材料との配合割合は、中湿度域と高湿度域との調湿機能のバランスを考慮して決定することが望ましい。なお、C−S−H粉体を25%以上含有させた場合には、調湿紙層2に難燃性を付与することもできる。
最後に、化粧紙層3について説明する。この化粧紙層3は、上記調湿紙層2上に設けられる層であって、麻繊維材と針葉樹パルプ繊維を材料とし、表面には撥水加工が施され、かつ、通気性を有している。
また、通気性を確保しつつ和紙の風合いを持ちながら多様な意匠を可能とするために、麻繊維材やコウゾ、ミツマタなどの比較的繊維長の長い和紙用天然繊維を主原料として用いることで意匠性と機能性を確保することができる。
なお、化粧紙層3には意匠性や機能性の観点から、天然パルプ繊維を主原料としつつ人造繊維や他の機能性粉体や着色用材等を混入することもできる。混入する繊維材料は、例えば、和紙の風合いや機能性の確保や、各層を強く一体化せしめる点に加えて、和紙としての強度を上げるとともに、前記調湿紙層への湿気の流通を良くして透気度を高めるためにも、天然繊維材料でも繊維が太くて長いマニラ麻繊維材やコウゾ等を主原料として、針葉樹パルプを内割で10〜20重量部配合することが望ましい。この際、他にレーヨン、着色繊維、着色顔料等を配合することもできるし、表面にエンボス加工などを施して意匠性を付与することもできる。
そしてまた、化粧紙層3の撥水加工に用いる撥水剤は、安全性と価格、環境負荷等の観点からシリコーン系の水系撥水剤を用いるのが好ましいが、非水系でも良く、油煙などからの防汚が必要な場合はフッ素系の撥水剤を使用してもよい。
以上のように構成される、機能及び役割の異なる基材紙層1及び調湿紙層2、化粧紙層3を順々に積層(本実施形態での各層の厚みの割合は、約1:3:1)して一体化することにより、中湿度域から高湿度域にわたって高い調湿機能を有し、かつ、薄くて丈夫な意匠性の高いシート材が形成される。
『シート材の製造方法』
本実施形態のシート材の製造方法について以下に詳しく説明する。まず、麻繊維材を主原料とし、この麻繊維材と略同径であって、かつ、この麻繊維材との絡み性の良好な天然繊維材を副原料として、バインダーとともに水中に遊離状に分散混合させる。
このバインダーとして吸放湿性を阻害しない天然高分子バインダーを用いる一方、混合・混練・水分調整し、得られたスラリー液を基層上に流して抄造脱水する。その後の工程によってC−S−H粒子は繊維同士の間隙に潜り込んで潰れ、両繊維材といっそう強く絡み合うことで有機エマルジョンを使わなくても強固に担持一体化せしめることができる。
この際、トロロアオイ等の天然高分子から成る植物性バインダーを採用すれば、シート材の調湿性能が更に向上するだけでなく、生分解性を有しているため各紙層の繊維材に植物繊維のみを使用すれば環境に非常に優しいシート材にすることができる。
そして、上記麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して基材紙料液を調製し、この基材紙料液から前記各繊維を含む基材紙層1を抄き取る。
なお、抄造時の脱水性は、細く細かい広葉樹パルプ繊維の配合量を増減して繊維間隙の大きさを変更することによって、適宜調整することができる。
この間隙調整繊維材として使用される広葉樹パルプ繊維は、天然パルプ繊維の中でも最も繊維幅が細いうえ、叩解によって繊維に多くの分岐が発生することから粒子を捕捉するフィルター効果も高いが、多量に使用すると抄造段階での基材紙層1の水抜けも不良となるので、配合割合は10wt%程度に抑えることが望ましく、叩解処理条件なども実験的に決定することが好ましい。
そして、抄き取った基材紙層1が乾燥する前に、主原料の麻繊維材と副原料の天然繊維材とを含む紙料液に粒度が1μm〜5mmのC−S−H粉体を混入して調製した調湿紙料液を抄き取って調湿紙層2を層着せしめる。この際、澱粉を調湿紙層2に添加することにより、C−S−H粉体と各繊維材との絡み性をより強化して、シートを施工する際における切断加工時の粉体の脱落を防止することができる。
調湿紙層2を抄造する際は、中湿度域における短時間内での高い調湿性発現のために、天然繊維としてマニラ麻と針葉樹パルプを主原料とする繊維材料を、調湿粉体に対して内割で20〜60%の重量割合で配合し、かつ、バインダーは吸放湿性能を阻害しない澱粉やトロロアオイ等の天然高分子バインダーを使用して抄造法で吸放湿層を形成することが望ましい。
この際、C−S−Hの粉体と繊維との配合量割合は、調湿機能が認定基準を上回ることに加えて、難燃性の認定基準をも満足できる範囲にすることが望ましいが、機能性向上のために、適宜、その他の難燃剤を併せて用いることもできる。
次いで、これら基材紙層1及び調湿紙層2が乾燥する前に、この調湿紙層2の上に、紙繊維材料からなる紙料液から紙繊維を抄き取って化粧紙層3を層着形成して、乾燥処理する。
その後、化粧紙層3の最表面に撥水剤をコーティングする。本実施形態では、均一な表面処理のために、撥水剤を含むスポンジ質のローラーに回転接触させることが好ましく、最表面の繊維だけに付着させて微細な点状に撥水処理することができる。なお、含浸やスプレー法も可能である。こうして本実施形態のシート材が完成する。
なお、このシート材は、靱皮繊維である麻を50%以上使用しており、かつ、天然高分子であるバインダー(所謂「ねり」)を使用して抄造されているため、「和紙」に分類されると云える。一方、洋紙は原料である木材パルプ繊維が50%以下である。
また、上記化粧紙層3を形成した後は、シート材全体を加圧して厚みが1〜5mmとなるようにプレス加工することができ、切断作業や継ぎ目処理等の施工や仕上げにおける簡便性も確保することができる。このプレス加工時に、C−S−H粉体を所要サイズに圧延または粉砕することもできる。更にまた、化粧紙層3の表面にエンボス加工を行うことで凹凸模様を形成して意匠性を付与することもできる。
上記製造方法によれば、基材紙層1において添加された間隙調整繊維材により繊維間の隙間のサイズを小さくするため、調湿紙層2の抄造時において、微小なC−S−H粉体が基材紙層1の繊維に引っかかり易くなって、粉体の漏れ落ちが抑制され歩留りが改善される。
以下に、本実施形態のサンプルの種々の物性についての各試験結果を示す。
<基材紙層1の繊維材料の調湿試験>
まず、本実施形態の基材紙層1に用いる繊維材料(マニラ麻繊維、針葉樹パルプ繊維)に関する調湿試験を行った。試験方法としては、一平方メートルあたりの乾燥繊維重量が1kgとなるように抄造作成した各試験体について、23℃、50%R.H.(Relative−Humidity:相対湿度)の恒温恒湿槽中で12時間平衡にさせた後、75%R.H.に変化させ、その条件を12時間保持した後の重量を計測する「JIS A 1470−1」に準拠した湿度応答法で中湿度域の吸湿試験を採用した。
その結果、マニラ麻は38g/m、針葉樹パルプは36g/mであり、中湿度域で優れた調湿性能を有していることが確認された。
<基材紙層1の抄造試験>
次に、基材紙層1の抄造工程において、C−S−H粉体が歩留まりよく調湿紙層2に担持される条件を探索するため、C−S−H粉体の粒度分析と繊維材料の繊維径の計測を行った。
その結果、(1)基材紙層1から漏れ落ちなかったC−S−H粉体の粒度は1μm以上がほとんどであったこと、(2)マニラ麻繊維を50%以上配合した場合には、製造に必要な湿潤強度が確保されること、(3)また副原料として針葉樹パルプを用い、かつ、広葉樹パルプは10%以下の配合にした場合には、抄造性も良好であり、絡み合った繊維の間隙がC−S−H粉体をほとんど通過させないことが確認できた。
<基材紙層1および調湿紙層2における繊維材料の配合比と吸湿量の関係>
また、基材紙層1および調湿紙層2の繊維材料とC−S−H粉体との最適な配合比率を確認するため、基材紙層1は、マニラ麻パルプを主原料(乾燥重量割合でマニラ麻90%とハウサンド社製の針葉樹パルプ10%の配合物)、その上部の調湿紙層2としてC−S−H粉体担持層を形成せしめる繊維も前記基材紙層1と同じ配合割合とし、その繊維量とC−S−H粉体との割合を、繊維量を20%〜100%の範囲で変化させる抄造試験を、天然高分子バインダー(矢沢化学工業(株)製「雅糊」)を用いて行った。また、これらを乾燥させた厚さ3.5mmの各試験体について、中湿度域(相対湿度50%〜75%)での吸湿量の測定を実施した。
また、前記の方法で得られた調湿和紙試験体に、水系のシリコーン撥水剤を用いてローラー塗布法によって撥水処理を行い、それらについても中湿度域(相対湿度50%〜75%)での吸湿量の測定を実施した。
具体的には、A4版のサイズに切り出した測定用のサンプルを、23℃、50%R.H.の恒温恒湿槽中で12時間平衡にさせた後、75%R.H.に変化させ、その条件を12時間保持した後の重量を計測し、重量変化とサンプル面積からから吸湿量を算出した。以下にその評価結果を示す。
Figure 2010013753
上記〔表1〕のデータを相関分析した結果、繊維配合量と中湿度域の吸湿量には強い正の相関が確認され、近似式から相対湿度を50%から75%に変化させた際、12時間内に29g/m以上吸湿する必要がある調湿建材としての認定基準を満たすには、繊維材料とC−S−H粉体とからなる調湿和紙の乾燥総重量が1mあたり1kgである場合、パルプの配合割合は内割りで29%以上必要であることが判明した。
また、撥水処理はローラー塗布の方法によって、撥水剤を均一に点状に付着させることができるので、吸湿性能への影響もわずかで、性能低下率は17〜18%にとどまることが確認できた。
<C−S−H粉体および天然高分子バインダーの性能比較>
次に、従来技術と本発明の3つのサンプル1〜3とを比較して、無機多孔質材料やバインダー材料の違いがシート材の中湿度域の調湿性能に与える効果を検証する。まず、上記抄造試験における〔表1〕中のNo.4の配合割合(パルプの配合比50%)を基準として、同様な方法でシート状の『本発明サンプル1』を作成して、吸放湿特性を測定した。
また、バインダー材料の違いと調湿性能について検証するために、無機多孔質体にはC−S−H粉体をそのまま使用し、バインダー材料には日信化学工業(株)製の「ビニブランTO−453N」(アクリル主成分、ガラス転移温度−26℃、有効成分48.7%)の有機エマルジョンを用いて、『本発明サンプル2』のシートを作成し、吸放湿特性の測定をした。
更にまた、無機多孔質材料の違いと調湿性能について検証するために、バインダーは天然高分子バインダーを使用し、無機多孔質体には合成ゼオライト(A型ゼオライト)であるナカライテスク(株)製の「モレキュラーシーブ4A」を使用して、『本発明サンプル3』のシートを作成し、吸放湿特性を測定した。
具体的な試験方法は、前記各サンプルを23℃、50%R.H.の恒温恒湿槽中で12時間平衡にさせて、次に75%R.H.に変化させ、12時間後の吸湿量を測定して、再び50%R.H.に戻して、12時間後の放湿量を測定した。以下にその測定結果を示す。
Figure 2010013753
上記〔表2〕から、シート材が中湿度域で高い調湿性能を得るには、無機多孔質体にC−S−H粉体を使用し、バインダー材料は天然高分子バインダーを使用することが好ましいことが確認された。
<難燃性の評価試験>
次に、内装壁材には難燃性も求められることから、その基準に合致するかどうか、繊維材料とC−S−H粉体との配合比率を変えたものについての燃焼試験を行った。
難燃性の評価方法としては、9.5mm厚の石膏ボードに壁紙用接着剤(矢沢化学工業(株)製、商品名「ウォールボンド100」)を用いて貼り付け乾燥した後、試験体を45度に傾けてライターの炎を1分間当てて燃え広がりを比較観察した。以下にその評価結果を示す。
Figure 2010013753
上記〔表3〕に示した天然パルプとC−S−Hとの各配合比は、シートに難燃性をも付与し、その効果は25%の配合物でも良好であった。
<吸放湿性能試験>
上記の難燃性測定試験において結果が良好であったNo.5の抄造条件(配合比 天然パルプ:C−S−H=75:25)で製造した撥水調湿和紙について、吸放湿性能を測定した結果を図2に示す。
このグラフによれば、本発明品が、調湿建材としての認定基準である吸湿量29g/mの基準を上回る吸湿量を有していることがわかる。
本発明は概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、基材紙層1および調湿紙層2、化粧紙層3の各主原料と副原料との重量割合および使用材料は、求める吸湿性能に応じて変更することができる。
また、基材紙層1および調湿紙層2、化粧紙層3の各層の厚みの割合は、1:3:1に限らず、種々の比率に変更することもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
本発明の実施形態の調湿和紙シート材の構造を表した破断斜視図である。 本発明品の吸放湿性能を示したグラフである。
符号の説明
1 基材紙層
2 調湿紙層
3 化粧紙層

Claims (12)

  1. 主原料である麻繊維材に、これと略同径であって、かつ、これと絡み性が良好な副原料の天然繊維材を混合し、さらにこれら麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して抄造された基材紙層1と;
    この基材紙層1上に層着状態に抄造され、かつ、主原料の麻繊維材と副原料の天然繊維材に対し、前記基材紙層1の繊維間隙に不透過な所定粒度の珪酸カルシウム水和物(C−S−H)粉体を混入した調湿紙層2と;
    この調湿紙層2上に層着状態に抄造されて形成され、かつ、表面に撥水加工が施された通気性を有する化粧紙層3とが積層されて一体に構成されていることを特徴とする撥水性高調湿和紙シート材。
  2. 基材紙層1の麻繊維材が、乾燥重量割合で少なくとも50%以上含まれていることを特徴とする請求項1記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  3. 調湿紙層2が、C−S−H粉体の乾燥重量割合が25〜70%で、麻繊維材と針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維からなる天然パルプ繊維が少なくとも乾燥重量割合が30%以上含まれ、それらが天然高分子バインダーによって結合形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  4. 化粧紙層3が、乾燥重量割合で麻繊維材80〜90%と針葉樹パルプを主原料とする繊維が10〜20%の乾燥重量割合で混合・抄造されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  5. 化粧紙層3の表面凹凸の頭頂部において、微細な点状に撥水剤が付着加工されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  6. 調湿紙層2のC−S−H粉体が、粒径1μm以上で、かつ、加熱脱水処理されたものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  7. 基材紙層1および調湿紙層2における主原料の麻繊維材がマニラ麻繊維であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  8. 基材紙層1および調湿紙層2における副原料の天然繊維材が針葉樹パルプ繊維であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  9. 基材紙層1における間隙調整繊維材が広葉樹パルプ繊維であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  10. 基材紙層1および調湿紙層2、化粧紙層3に、それぞれ天然高分子から成る植物性バインダー材料が混合されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  11. 化粧紙層3の主原料が麻繊維材であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載の撥水性高調湿和紙シート材。
  12. 麻繊維材を主原料とし、これと略同径であって、かつ、これと絡み性の良好な天然繊維材を副原料として、植物性バインダーとともに水中に遊離状に分散混合させ、更に前記麻繊維材および天然繊維材よりも平均繊維径および平均繊維長の小なる繊維材を間隙調整繊維材として添加して基材紙料液を調製し、この基材紙料液から前記各繊維を含む基材紙層を抄き取った後、この抄き取った前記基材紙層が乾燥する前に、主原料の麻繊維材および副原料の天然繊維材とを含む紙料液に、前記基材紙層の繊維間隙に不透過な所定粒度の珪酸カルシウム水和物(C−S−H)粉体を混入して調製した調湿紙料液を抄き取って調湿紙層を層着せしめ、ついで、これら基材紙層および調湿紙層が乾燥する前に、この調湿紙層の上に、紙繊維材料からなる紙料液から紙繊維を抄き取って化粧紙層を層着形成して乾燥処理し、然る後、前記化粧紙層の表面に撥水加工を施すことを特徴とする撥水性高調湿和紙シート材の製造方法。
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