JP2010010022A - 放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光管内に水銀および希ガス、または希ガスが封入され、電極芯棒と、該電極芯棒の先端に位置する電極本体とを具備する電極が対向配置され、電極芯棒保持部を具備する放電ランプにおいて、前記電極芯棒の材料よりも熱伝導率の低い材料からなる伝熱抑制体が、前記電極芯棒保持部の端部から前記電極本体に向けて突出する該電極芯棒の外周に設けられ、ゲッター用金属部材が、該伝熱抑制体を介して、該電極芯棒とは離間して取り付けられていることを特徴とする放電ランプ。
【選択図】 図1
Description
また、ショートアーク型キセノン放電ランプは、映写機などにおいて可視光の光源として用いられる。近年ではデジタルシネマ用光源としても使用されている。
放電ランプ1の発光管10は石英ガラスよりなり、略球状の発光部11と、発光部11内に形成された、発光ガスが流通する空間Sと、発光部11の両端に形成された側管部12を具備する。側管部12には金属箔18が埋設されており、気密封止構造が形成される。空間内には、一対の電極をなす電極本体13Cと、電極本体13Aとが対向配置され、水銀と、キセノン等の希ガスが封入される。電極本体13Cと電極本体13Aとを各々支持する電極芯棒14は、封止部12内の金属板17、金属箔18、金属板19を介して外部リード21に電気的に接続されて外部から給電される。
空間内の電極本体13Cまたは電極本体13Aを支持する電極芯棒14の周囲にゲッター用金属15が直接取り付けられる。ゲッター用金属部材15の材料はタンタルであり、酸素、二酸化炭素等の不純物を吸蔵して捕捉することができる(特許3077538)。
ランプが大型化すると、発光管を構成する石英ガラス内に含まれるOH基の絶対量が増加する分、発光空間内の水素量も増加していると考えられる。発光空間内に設置されたタンタルやジルコニウムなどのゲッター用金属は、水素を吸蔵することが出来るが、これらのゲッター用金属は温度が上昇するに従って、その水素吸蔵量は少なくなるという性質を有する。したがって、従来のように電極芯棒に直接ゲッター用金属を取り付けた場合にあっては、水素量が過大であるにもかかわらず、ランプ点灯中のゲッター用金属の温度が高いためゲッターは水素吸蔵能力を十分には発揮できていないと考えられる。
ゲッター用金属部材が、該伝熱抑制体を介して、該電極芯棒とは離間して取り付けられていることにより、ゲッター用金属部材へ熱が伝わりにくくなり、ゲッター用金属部材の温度が従来に比して低温となり、水素吸蔵量が増加すると共に、ガスが頻繁に対流する空間内にゲッターを配置したことにより水素との接触の機会が増加し、水素を確実に吸蔵することができる。すなわち水素によるランプのチラツキという問題を確実に解決することが出来る。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る放電ランプの概略構成図である。
放電ランプ1の発光管10は石英ガラスよりなり、内部に発光ガスが存在する空間Sを有する略球状の発光部11と、発光部11の両端に連続して形成される略柱状の側管部12を具備する。発光部11の内部の空間Sには、電極本体13Cを具える陰極と電極本体13Aを具える陽極とよりなる対向配置された電極と、水銀と、アルゴンもしくはクリプトン、キセノンを含む希ガスが封入される。
ここで、電極芯棒保持部12Bとは、略球状の発光部11に直接隣接する、電極芯棒14の径方向への移動を制限しつつ軸方向への挿通は可能とする手段であって、例えば上記では、筒体の形状をした電極芯棒保持部12Bを挿入することによって実現しているが、その他の態様であっても電極芯棒保持部12Bとすることができる。図2には他の電極芯棒保持部の態様について示す。図2に示すような、側管部12と一体となった電極芯棒保持部12Bを形成することも出来る。
電極芯棒14の基端側(先端とは反対側)が側管部12内で、封止用閉塞体12Cの周囲に配置された、金属板17、金属箔18、金属板19を介して外部リード21に電気的に接続され、給電される。側管部12には金属箔18が埋設されており、気密封止構造が形成される。金属箔18は電流量を確保するために複数配置される。
電極本体13Aは電極芯棒14よりも大径の略円柱状であり、先端は円錐台状や略砲弾型により構成されている。陰極同様に、電極本体13Aは、電極芯棒14を嵌合することで支持してもよいし、これら電極本体13Aおよび電極芯棒14を一部材により一体に形成してもよい。
伝熱抑制体16は、石英ガラス、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、または酸化ジルコニウム(Zr2O3)のいずれかの材料よりなるものである。上記の物質は熱伝導率が低い材料であり、そのいずれもが常温で10W/m/K以下であって、電極芯棒14を構成する材料、例えばタングステン、よりも低い。さらに、これらの材料は高融点であり、ランプ点灯中に溶融することもない。
ゲッター用金属部材15の形状はどのようなものでもよく、例えば板状材を巻きつけることもできる。また、材料として、タンタル、ジルコニウム、ニオブなどが水素ゲッター用金属として好適に用いられる。
取り付け位置は陰極側か陽極側かを制限するものではなく、少なくとも一方または両方の位置に取り付けて効果を得ることができる。
ここで、図2を用いて説明する。図2において、矢印Aは水素の対流の一例を表すものである。このように、発光部11内で対流する水素は、発光管10の内壁に沿って下降した後、電極芯棒保持部12Bによって流路を遮られて、ゲッター用金属部材15と接触することとなる。
すなわち、ゲッター用金属部材15と水素との接触の機会が増加し、水素を確実に吸蔵することが出来る。
以上より、発光管10の内壁に水素成分が含まれていて、点灯時の高温によって空間S内に放出されたとしても、伝熱抑制体16によってゲッター用金属部材の15の温度上昇を抑制して温度を低下させ、水素吸蔵量を増加させることによって、当該水素を除去し、ランプのチラツキを低減することが出来る。
図4は、ゲッター用金属部材15を伝熱抑制体16に保持する方法を説明するための、伝熱抑制体近傍での拡大断面図である。
図4において、電極芯棒14の外周に取り付けられた伝熱抑制体16は、その一部を径方向に縮径させて縮径部16Aを設けている。通常、ゲッター用金属部材15は、伝熱抑制体16からずれることはないが、縮径部16Aを設けることで、ゲッター用金属部材15を確実に保持することができる。
このように伝熱抑制体を用いれば、様々なゲッター材に対応した保持機構を適宜設けることもできる。
図5は、伝熱抑制体16を、電極芯棒14に取り付ける方法を説明するための、伝熱抑制体近傍での拡大断面図であり、(a)は金属部材により保持する形態での拡大断面図、(b)は電極芯棒に加工を施した形態での拡大断面図、(c)は(b)における伝熱抑制体を構成する伝熱抑制部材の全体斜視図である。(d)は、電極芯棒保持部12Bを利用して伝熱抑制体を設ける態様の拡大断面図である。
図5(b)において、電極芯棒14には、径の細い縮径部141を設けてある。この縮径部141に対して、図5(c)のように伝熱抑制体16を半割りにした伝熱抑制部材161、162を嵌入し、互いに当接させて合体するとともに、これらをコイル状のゲッター用金属部材15を巻きつけて固定することもできる。
当該実施形態においては、前記第一の実施形態と前記伝熱抑制体の形状のみが相違するので、その他同一の構成については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
また、伝熱隘路16Nは以下のような方法によっても形成することができる。図6(b)において、電極芯棒14に取り付けられた伝熱抑制体16に対して、前記貫通孔とは異なる位置に、軸方向に沿って貫通する空間16S2を形成することにより、図6(c)のように、電極芯棒14からゲッター用金属部材15に向かう径方向の伝熱経路には、空間16S2によって挟まれた伝熱隘路16Nを有する。
放電ランプ2は、石英ガラスよりなる発光部22、および側管部23を具備する発光管20と、発光部22の内部において、互いに対向するよう設けられた陰極本体24および陽極本体25よりなる電極とから構成されている。
略球状をした発光部22の内部にはキセノンを主体とする希ガスが封入され、発光管22の両端には側管部23が一体に連設されている。陰極本体24および陽極本体25は、それぞれ電極芯棒26の先端に嵌合されている。側管部23の発光部22側の内部には、石英ガラスよりなる電極芯棒保持部27を有しており、陰極24および陽極25を支持する電極芯棒26が、電極芯棒保持部27の中心に形成された貫通孔に貫通される。当該電極芯棒保持部27は、例えば、それが位置する側管部23が加熱により絞り込み部を形成されることにより、発光管20に支持される。
また、一対の電極芯棒26は、段継ぎガラス28から放電ランプ2の外部に突出しており、その伸び出した部分に、図示しない給電機構が接続される。
なお、前記したゲッター用保持部材を保持する方法、伝熱抑制体を取り付ける方法などについても当然適用できうるものである。
実験に用いた放電ランプは以下の仕様のものである。
発光管内容積は、1×10−3m3、キセノン封入量は、8×104Pa、水銀封入量は、35mg/mm3、電極間距離は1×10−2mとした。
伝熱抑制体16の形状は円筒状であり、上端面165から下端面166までが10mm、貫通孔167の直径が8mm、径方向の肉厚が3mmである。
点灯は、陰極側を下方に位置させた垂直点灯方式であり、伝熱抑制体16は陰極にのみ取り付け、取り付け位置は、上端面165が電極の先端から軸方向に50mm離間する位置とした。ゲッター用金属15はコイル状のものを、伝熱抑制体16の側面外周の、上端面と下端面の中間点近傍に巻回してとりつけた。
水素を10Pa程度封入した、定格入力が12kwのランプにおいて、本発明の実施例の他に、比較例として従来のようにゲッター用金属を電極芯棒に直接取り付けたサンプルをそれぞれ用意した。
ゲッター用金属の種類については、それぞれの材料特性による水素吸蔵量に基づいて、一例としてタンタル(Ta)2.0gと、ジルコニウム(Zr)0.1gを取り付けたサンプルをそれぞれ用意した。
また、比較のために水素を封入しないサンプルについても同様の測定を行った。
まず、放電ランプを露光装置に取り付け、そのレチクル(マスク)面に照度計を設置した。次に放電ランプの照度が安定となるまで点灯した後、一定時間のあいだ照度を測定した。測定した1秒間の照度の最大値と最小値の差を平均値で除して、さらに100を乗ずることによって、照度変動率(%)を算出した。
図に示す結果より、まず、伝熱抑制体を用いないランプにおいては、いずれのゲッター用金属を用いた場合であっても、水素を封入しないランプに比して、水素を封入したランプは照度変動率が高くなった。これにより、チラツキの原因が水素であることがわかった。
そして、放電ランプの空間内に水素を封入したランプにおいては、いずれのゲッター用金属を用いた場合であっても、伝熱抑制体を用いたランプは照度変動率が低いことがわかった。
10 発光管
11 発光部
12 側管部
12B 電極芯棒保持部
12C 封止用閉塞体
12D 端部
13A 陽極本体
13C 陰極本体
14 電極芯棒
141 縮径部
15 ゲッター用金属部材
152 金属部材
16 伝熱抑制体
161 伝熱抑制部材
162 伝熱抑制部材
165 上端面
166 下端面
167 貫通孔
16A 縮径部
16B ゲッター用金属保持部
16N 伝熱隘路
16S1 凹所
16S2 空間
17 金属板
18 金属箔
19 金属板
21 外部リード
2 放電ランプ
20 発光管
22 発光部
23 封止部
24 陰極本体
25 陽極本体
26 電極芯棒
27 電極芯棒保持部
28 段継ぎガラス
S 空間
Claims (5)
- 発光管内に水銀および希ガス、または希ガスが封入され、
電極芯棒と、該電極芯棒の先端に位置する電極本体とを具備する電極が対向配置され、
電極芯棒保持部を具備する放電ランプにおいて、
前記電極芯棒の材料よりも熱伝導率の低い材料からなる伝熱抑制体が、前記電極芯棒保持部の端部から前記電極本体に向けて突出する該電極芯棒の外周に設けられ、
ゲッター用金属部材が、該伝熱抑制体を介して、該電極芯棒とは離間して取り付けられていることを特徴とする放電ランプ。 - 前記伝熱抑制体は、前記電極芯棒保持部と一部材により一体に構成されることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
- 前記伝熱抑制体は、石英ガラス、酸化アルミニウム、酸化チタン、または酸化ジルコニウムのいずれかよりなることを特徴とする請求項1または2に記載の放電ランプ。
- 前記伝熱抑制体は、該伝熱抑制体の外面に凹所、および/または内部に空間を設けることで形成された伝熱隘路を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の放電ランプ。
- 前記ゲッター用金属部材は、タンタル、ジルコニウム、ニオブのいずれかよりなる線状もしくは板状の金属部材からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の放電ランプ。
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