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JP2010009761A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池 Download PDF

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JP2010009761A JP2008164249A JP2008164249A JP2010009761A JP 2010009761 A JP2010009761 A JP 2010009761A JP 2008164249 A JP2008164249 A JP 2008164249A JP 2008164249 A JP2008164249 A JP 2008164249A JP 2010009761 A JP2010009761 A JP 2010009761A
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Yukihiro Shintani
幸弘 新谷
Daisuke Yamazaki
大輔 山崎
Nobuhiro Tomosada
伸浩 友定
Atsushi Kimura
篤史 木村
Tomomi Akutsu
智美 阿久津
Saaya Sato
紗綾 佐藤
Makoto Kawano
誠 川野
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Yokogawa Electric Corp
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Abstract

【課題】固体高分子型燃料電池起電力を向上させる電極構成を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜1の両面にアノード極7およびカソード極6を配置する固体高分子型燃料電池セル11において、アノード極側触媒層3及びカソード極側触媒層2のそれぞれの三相界面に含まれる芳香族炭化水素系高分子スルホン化物であるイオノマーを異なる化学種とし、各イオノマーPH値を支配する官能基の濃度を変えることで両極のPH値を制御し、理論起電力が1.23Vよりも大きいことを特徴とする電極構成。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質膜とイオノマーを含有する触媒層とを備える固体高分子型燃料電池に関し、特に、起電圧の向上に関する。
従来から、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell; PEFC)は、たとえば、電気自動車、定置コジェネレーションシステム、携帯機器用の電源として研究開発が進められている。この固体高分子型燃料電池は、固体高分子型燃料電池セルが複数枚積層(電気的に直列接続)されて構成されるものであり、触媒を介した酸化還元反応を利用して発電する。
このような固体高分子型燃料電池に関連する先行技術文献としては、次のようなものがある。
特許第3954793号 特開2007−165005号公報 特開2001−118579号公報 特開2006−155965号公報
特許文献1には従来の固体高分子型燃料電池に関する技術が記載されている。図3は従来の固体高分子型燃料電池セルの一例を示す分断構成図である。図3において、従来の固体高分子型燃料電池セルでは、固体高分子電解質膜1の両面に貴金属(たとえば、白金)を含むカソード極側触媒層2とアノード極側触媒層3とが接合された膜電極接合体が使用される。
またカソード極側ガス拡散層4はカソード極側触媒層2を介して固体高分子電解膜1と対向するように配置され、アノード極側触媒層3はアノード極側ガス拡散層5を介して固体高分子電解膜1と対向するように配置される。
カソード極側触媒層2とカソード極側ガス拡散層4はカソード極6を構成し、アノード極側触媒層3とアノード極側ガス拡散層5はアノード極7を構成する。
なお、カソード極側ガス拡散層4およびアノード極側ガス拡散層5は、それぞれ酸化剤ガス(おもに酸素または空気など)および燃料ガス(おもに水素など)を通過させて、電流を外部に伝える働きをする。
両面に複数の溝8aおよび溝9aが形成されたセパレータ10aは、カソード極側触媒層2またはカソード極側ガス拡散層4と接合され、両面に複数の溝8aおよび溝9aが形成されたセパレータ10bは、アノード極側触媒層3またはアノード極側拡散層5と接合される。すなわち一組のセパレータは膜電極接合体を挟持するように配置される。
なお、セパレータ10aがカソード極側触媒層2またはカソード極側ガス拡散層4と接合されることにより、溝8aの開口部分はカソード極6で覆われて反応ガス流通用のガス流路FP1が構成される。
またセパレータ10bがアノード極側触媒層3またはアノード極側ガス拡散層5と接合されることにより、溝8bの開口部分はアノード極7で覆われて反応ガス流通用のガス流路FP2が構成される。
このように、固体高分子型燃料電池セル11が構成される。また、このような固体高分子型燃料電池セル11を複数枚積層(電気的に直列接続)して、燃料電池スタックを構成することができる。この燃料電池スタックでは、個々のセルで得られる電圧よりも高い電圧を取り出すことができる。
従来の固体高分子型燃料電池セルの動作について説明する。酸化ガス(たとえば酸素、空気など)は図示しない供給口を介してガス流路FP1に供給される。燃料ガス(たとえば水素など)は図示しない供給口を介してガス流路FP2に供給される。
アノード極では、水素分子を水素イオン(H+)と電子に分解するアノード極反応が行われる。またカソード極では、固体高分子電解質膜1を伝播してきた水素イオン(H+)と酸素分子が電子(e)から水(H2O)を生成する電気化学反応が行われる。いいかえれば以下の電気化学反応がそれぞれ行われている。
アノード極側: H2→2H++2e ・・・(1)
カソード極側: 2H++(1/2)O2+2e→H2O ・・・(2)
全体 : H2+(1/2)O2→H2O ・・・(3)
このとき、カソード極側とアノード極側(具体的にはセパレータ10aと10b)との間に外部負荷を接続することにより、アノード極側で発生した電子(e)を取り出すことができる。言い換えれば、電流を取り出すことができる。

燃料電池の理論電圧は、カソード極側とアノード極側の理論的な電位差Er、つまり水の生成反応のギブス自由エネルギーから求められ、理論起電力(開回路電圧)としては約1.23Vである。これは以下のネルンストの式(式(4))より求められる。ここでE0は標準電位、Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数である。
r=E0+(2.3RT/nF)log(PH2・PO 2 0.5/PH 2 O) ・・・(4)
一方、特許文献2には、固体高分子型燃料電池で使用される電極触媒として、白金担持カーボン触媒電極(Pt/C触媒電極)の従来例が記載されている。白金担持カーボン触媒電極は、カーボンブラックなどの導電体微粒子からなる担体に白金を主体とする活性金属を担持させた構造である。
発電能を向上させる目的でイオノマー(ionomer;有機溶剤に可溶な水素イオン導電性高分子材料)が白金担持カーボン触媒に添加されている。固体高分子電解質膜にはナフィオン膜を使用し、触媒中のイオノマーにはナフィオン粒子を使用するのが典型である。つまり固体高分子電解質膜と両電極のイオノマーは同一化学種であり、一方のイオノマーは膜状、他方のイオノマーは分散粒子状として供される。
すなわち、白金担持カーボン触媒電極は、反応ガスである水素や酸素などのガス相と、電子が移動する触媒電極相と、イオンが移動するイオノマー相の3種類の異相により構成され、電気化学反応はこれら異相が接触する三相界面で進行する。
また特許文献3には、固体高分子型燃料電池における電極触媒の製造方法について記載されている。
しかしながら、従来の固体高分子型燃料電池セルでは、実際の発電時には電位損失が燃料電池内部で発生するので、電池外部に取り出すことができる電圧Eは理論電圧Erよりも低い値となってしまう(式(4)参照)。
発電により得られる電池電圧は電流が増加するにつれて低下し、この電圧低下分および開回路電圧での理論値1.23Vとセルの実測値との差をあわせて以下「過電圧」という。過電圧の種類には、反応活性に対応する活性化過電圧ηact 、電子やイオンの抵抗電圧降下に対応する濃度過電圧ηrの2種類があり、これらの関係は、式(5)で表される。
E=Er―ηact―ηr・・・(5)
なお、特許文献4には、このような過電圧を表す式(5)や、上述のネルンストの式(式(4))などが記載されている。
これにより、実際に出力される電池電圧値Eは、理論起電圧から過電圧を減じた値となる。具体的には、従来の固体高分子型燃料電池では約0.95〜1V程度の開回路電圧が得られる。このため従来の燃料電池では電池電圧値を向上させることが求められている。
このような問題に対しては、電池電圧を向上させるために過電圧値を抑制する方法が種々検討されているものの、未だ十分ではない。
また、式(5)に基づき、電池電圧値Eを向上させる方法として理論電圧値Erを増加させる方法があり得るが、この種の検討はなされていなかった。
本発明は上述の問題点を解決するものであり、その目的は、固体高分子型燃料電池の起電力を向上させることにある。
また本願発明者は、アノード極とカソード極のpH(水素イオン指数)値と各々の電極電位との関係に着眼し、両電極のpH値に差を持たせて起電圧の向上を図ることができるという燃料電池の特性を新たに見出している。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
固体高分子電解質膜の両面にアノード極およびカソード極が配置された固体高分子型燃料電池において、
アノード極とカソード極のpH値が異なることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の固体高分子型燃料電池において
前記アノード極と前記カソード極の三相界面に含まれるイオノマーは、異なる化学種の組合せの水素イオン導電性高分子であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項1または請求項2記載の固体高分子型燃料電池において、
前記アノード極と前記カソード極の三相界面に含まれるイオノマーは、pH値を支配する官能基の密度が異なる組合せの水素イオン導電性高分子であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項1または請求項2記載の固体高分子型燃料電池において、
前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に配置されるカソード極側触媒層と、
前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に配置されるアノード極側触媒層とを備え、
前記カソード側触媒層に含有されるイオノマーと前記アノード側触媒層に含有されるイオノマーは異なる化学種であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
請求項1〜請求項3いずれかに記載の固体高分子型燃料電池において、
前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に配置されるカソード極側触媒層と、
前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に配置されるアノード極側触媒層とを備え、
前記カソード側触媒層に含有されるイオノマーと前記アノード側触媒層に含有されるイオノマーpH値を支配する官能基の密度が異なることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、
請求項1〜請求項5いずれかに記載の固体高分子型燃料電池において、
前記各pH値が制御され、理論起電力が1.23Vよりも大きいことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、
請求項1〜請求項6いずれかに記載の固体高分子型燃料電池において、
前記イオノマーは、芳香族炭化水素系高分子スルホン化物であることを特徴とする。
本発明に係る固体高分子型燃料電池によれば、起電力を向上させることができる。
本願発明者は、上述の式(4)(ネルンストの式)で表される起電力と両電極電位との関係、すなわちアノード極とカソード極のpH値と各々の電極電位との関係に着眼し、両電極のpH値に差を持たせることにより起電圧の向上を図ることができる点を見出した。
そして本願発明者は、この点を考慮しイオノマーを異なる材料とすることで容易かつ安定的に両電極のpH値が制御できることを新たに見出した。以下、このようなpH制御が可能な固体高分子型燃料電池セルの実施例について説明する。
図1は本発明に係る固体高分子型燃料電池セルの一実施例を示す構成図であり、図3と共通する部分には同一の符号を付けて適宜説明を省略する。図1と図3との相違点は、図1では、カソード極6とアノード極7とに添加されるイオノマーを異種材料または官能基密度が異なる同一化学種とする点である。なお異種材料とは異なる化学種のイオノマーをも含む総称として以下説明する。
また本願中の官能基の密度とは、1分子中の官能基数(官能基数/分子数)、もしくは単位体積中の官能基数(官能基数/mm3)を指す。具体的にはナフィオン(登録商標)がイオノマー材料に用いられる場合には硫酸基(SO3H)が官能基(以下の化学式(1)参照)となる。この場合の官能基の密度は、たとえばカソード極側触媒層2に被覆されたナフィオン分子数がX個で官能基数がY個とすれば(Y/X(官能基数/分子数))となる。一方カソード極側触媒層2に被覆されたナフィオンの体積がZmm3とすれば(Y/Z(官能基数/mm3))となる。
Figure 2010009761
図1において、図示しないイオノマーIO200がカソード極側触媒層2の表面に分散粒子状に被覆され、イオノマーIO300がアノード極側触媒層3の表面に分散粒子状に被覆される。このイオノマーIO200とイオノマーIO300とは異種材料のものである。
これらイオノマーIO200、IO300は、カソード極(酸素極)側のpH値をa、アノード極(水素極)側のpH値をb(但し、a≠b)とするような異種材料のものである。
本発明に係る固体高分子型燃料電池セルの動作について説明する。酸化ガス(たとえば酸素または空気など)がガス流路FP1に供給され、燃料ガス(たとえばr水素など)がガス流路FP2に供給される。
アノード極6、カソード極7では、上述の式(1)、(2)で表される電気化学反応が行われ、燃料電池セル全体では式(3)のような電気化学反応が行われている。以下改めて式(1)、(2)、(3)を記載する。
アノード極側: H2→2H++2e ・・・(1)
カソード極側: 2H++(1/2)O2+2e→H2O ・・・(2)
全体 : H2+(1/2)O2→H2O ・・・(3)
このとき、カソード極6とアノード極7との間に外部負荷を接続することにより、アノード極側で発生した電子(e)を取り出すことができる。
ここで燃料電池の起電圧は、カソード極6とアノード極7との電位差である。両極では以下の式(6)、(7)で示す電気化学反応によりアノード極(水素極)の平衡電位EH2、カソード極(酸素極)の平衡電位EO2を生じている。なおRは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数、aHは水素イオンの活量、EHはaH=1の場合の水素電極電位(0V)、EOはaH=1の場合の酸素電極電位(1.23V)とする。また「水素イオン活量」と「水素イオン濃度」の定義は厳密には異なるものであるが、本願明細書では両語を同義の言葉として用いる。
H2=EH+(RT/F)×ln(aH)=EH−(RT/F)×pH ・・・(6)
O2=EO+(RT/F)×ln(aH)=EO−(RT/F)×pH ・・・(7)
図2はカソード極(酸素極)およびアノード極(水素極)の平衡電位EO2、EH2とpH値との関係図であり、上述の式(6)と式(7)を図示したものである。点線がカソード極6の平衡電位、2点鎖線がアノード極7の平衡電位を示している。
この図2によれば、pH値が増加するにつれ、いいかえれば、水素イオン濃度が低下するにつれて各極の電位は低下する。またカソード極6の平衡電位線とアノード極7の平衡電位線は平行関係であり、それぞれのpH値における両極間の電位差、すなわち、起電力は1.23Vで一定である。
このとき、アノード極(水素極)側のpH値をb、カソード極(酸素極)側のpHがa(但し、a≠b)の場合、起電力β=Voa―Vhb>1.23Vとなる。
このように、本発明に係る固体高分子型燃料電池セルは、アノード極(水素極)とカソード極(酸素極)の両極間にpH値に差を持たせることにより、高起電力を得ることができる。
いいかえれば、三相界面のイオノマーの種類を変えてpHを制御し、水素極と酸素極の水素イオン濃度を異値とさせることにより、その差に起因して起電圧を向上させることができる。
また、本発明に係る固体高分子型燃料電池セルを単セルとして用いて燃料電池スタックを構成すれば、要求される電圧を出力するために必要となる単セル数の低減を図ることができ、電源装置の小型化やスタック製造コストの低減化などに効果が期待できる。
従来の燃料電池と本発明の燃料電池における起電圧の差について比較検討する。従来の固体高分子型燃料電池では、当然のようにして電解質膜、アノード極のイオノマーおよびカソード極のイオノマーとで共通の高分子材料が使用されているので、両電極のpH値に差を持たせるというようなpHの制御は困難であり、起電圧の向上を図ることができなかった。
たとえば従来の燃料電池ではイオノマー材料、電解質材料共にナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロ系樹脂が使用されている。ナフィオン(登録商標)のpHは、pH1程度とされているので従来の燃料電池の電極間領域のpHは1と考えられる。
図3より、pHが1の場合では、カソード極(酸素極)の電位はVo、アノード極(水素極)の電位はVhとなり、起電力αはα=Vo―Vh=1.23となる。
また図3は、アノード極(水素極)とカソード極(酸素極)の電極間領域で均一なpH値であれば、起電圧の理論値は1.23Vとなることを示している。つまりナフィオンのpHが1ではなくても起電力αは1.23Vとなることになる。
これに対して、本発明に係る固体高分子型燃料電池セルは、両極のイオノマーを異なる材料を使用し、カソード極(酸素極)とアノード極(水素極)のpH値に差違を持たせることにより、起電力β=Voa―Vhb>α(1.23V)となる。
このため、本発明に係る固体高分子型燃料電池は、従来の固体高分子型燃料電池よりも高い起電圧を得ることができる。
なお、イオノマーIO200、IO300として使用する材料は、pHを異とする材料の組み合わせであれば、どのようなものでもよい。たとえば、パーフルオロ系プロトン伝導性ポリマー(商品名としては、ナフィオン膜、フレミオン、アシプレックスなど)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)スルホン化物、ポリエーテルスルホン(PES)スルホン化物、ポリエーテルイミド(PEI)スルホン化物、ポリイミド(PI)スルホン化物、ポリフェニレンオキシド(PPO)スルホン化物、ポリフェニレンサルファイド(PPS)スルホン化物、ポリスルホン(PSF)スルホン化物などの芳香族炭化水素系高分子スルホン化物、スルホン化ポリサルホン、炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーからなる共重合体とスルホン酸基を有する芳香族系炭化水素からなるスルホン酸型ポリスチレンーグラフトーエチレンーテトラフルオロエチレン共重合体、スルホン酸型ポリスチレンーグラフトーエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE-g-PSt)、スチレンー(エチレンーブチレン)―スチレンスルホン化物、フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合体、陽イオン交換基導入型スチレンージビニルベンゼン共重合体、陰イオン交換基導入型スチレンージビニルベンゼン共重合体、ポリオレフィン系高分子、末端スルホン酸基を有するハイパーブランチポリマー(HBPES)と直鎖芳香族高分子(PEEES)との共重合体、その他の水素イオン伝導性を有する炭化水素系高分子のいずれかの組み合わせを用いることで、本発明が供する固体高分子型燃料電池を構築することができる。
また、上述の実施形態において、カソード極(酸素極)6とアノード極(水素極)7のイオノマーの材料を違えることで本提案の燃料電池セルが実現できるが、両極のpHを違えることができれば、両極のイオノマーとして同一化学種を使用するものでもよい。
具体的には、イオノマーとして同一化楽種を用いる場合にはpHの値を支配するような官能基(たとえばナフィオンでは硫酸基)の密度を各電極にて異なる密度にすることにより、両極のpH値に差を持たせるものでよい。
たとえば硫酸基密度が異なるナフィオン(パーフルオロ系プロトン伝導性ポリマー)を両電極のイオノマーに使用することで、両極のpH値に差を持たせるものでもよい。
また、上述の実施形態では、両極のpHを制御する方法として両極のイオノマー種を異ならせているが、特にこれに限定するものではなく、固体高分子電解質膜1のカソード極6とアノード極7に接する膜表面およびその近傍部位の化学構造を変化させてpHを制御するものであってもよい。
たとえば、固体高分子電解質膜1にナフィオン(登録商標)を使用し、カソード極6(酸素極)側面とアノード極7(水素極)側面の硫酸基密度を変化させて実現するものでよい。
ここで固体高分子電解質膜1の厚みは10〜50μmである。両表面の硫酸基密度が異なる電解質膜を安定的に生産することを鑑みると、両電極のpHの制御方法としては、三相界面のイオノマーの種類を変えてpHを制御する方法が特に好ましい。
以上に説明したように、本発明に係る固体高分子型燃料電池セルは、アノード極とカソード極におけるイオノマーの種類を変えてpHを制御することにより起電圧を向上させることができ、電気自動車、定置コジェネレーションシステム、携帯機器用の電源としての貢献が期待できる。
本発明に係る固体高分子型燃料電池セルの一実施例を示す構成図である。 カソード極(酸素極)およびアノード極(水素極)の平衡電位とpH値との関係図である。 従来の固体高分子型燃料電池セルの一例を示す分断構成図である。
符号の説明
1 固体高分子電解室膜
2 カソード極側触媒層
3 アノード極側触媒層
4 カソード極側ガス拡散層
5 アノード極側ガス拡散層
6 カソード極(酸素極)
7 アノード極(水素極)
8a、8b 溝(流路FP1、FP2)
9a、9b 溝
10a、10b セパレータ
11 固体高分子型燃料電池セル

Claims (7)

  1. 固体高分子電解質膜の両面にアノード極およびカソード極が配置された固体高分子型燃料電池において、
    アノード極とカソード極のpH値が異なることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 前記アノード極と前記カソード極の三相界面に含まれるイオノマーは、異なる化学種の組合せの水素イオン導電性高分子であることを特徴とする
    請求項1記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記アノード極と前記カソード極の三相界面に含まれるイオノマーは、pH値を支配する官能基の密度が異なる組合せの水素イオン導電性高分子であることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に配置されるカソード極側触媒層と、
    前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に配置されるアノード極側触媒層とを備え、
    前記カソード側触媒層に含有されるイオノマーと前記アノード側触媒層に含有されるイオノマーは異なる化学種であることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の固体高分子型燃料電池。
  5. 前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の一方の面に配置されるカソード極側触媒層と、
    前記イオノマーを含有し、前記固体高分子電解質膜の他方の面に配置されるアノード極側触媒層とを備え、
    前記カソード側触媒層に含有されるイオノマーと前記アノード側触媒層に含有されるイオノマーpH値を支配する官能基の密度が異なることを特徴とする
    請求項1〜請求項3いずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記各pH値が制御され、理論起電力が1.23Vよりも大きいことを特徴とする
    請求項1〜請求項5いずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
  7. 前記イオノマーは、芳香族炭化水素系高分子スルホン化物であることを特徴とする
    請求項1〜請求項6いずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
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