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JP2010002012A - 旋回軸受 - Google Patents

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JP2010002012A
JP2010002012A JP2008162403A JP2008162403A JP2010002012A JP 2010002012 A JP2010002012 A JP 2010002012A JP 2008162403 A JP2008162403 A JP 2008162403A JP 2008162403 A JP2008162403 A JP 2008162403A JP 2010002012 A JP2010002012 A JP 2010002012A
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Japan
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rolling element
sintered body
rolling
sialon
slewing bearing
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Application number
JP2008162403A
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Katsutoshi Muramatsu
勝利 村松
Michio Hori
径生 堀
Atsushi Kuwabara
温 桑原
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】 転動体と軌道輪との接触部における滑り摩耗およびフレッティング損傷が抑制され、軸受の軽量化を図ることができる旋回軸受を提供する。
【解決手段】 内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2の各軌道面1a,1b,2a,2b間で転動自在な複数の転動体3とを備える。転動体3は耐衝撃性に強いセラミックス製である。セラミックスは、βサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体、またはβサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体から構成されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば風力発電装置等の旋回部分に用いられる大型または超大型の旋回軸受に関する。
図7および図8は風力発電装置の1例を示す。この風力発電装置11は、支持台12上にナセル13を水平旋回自在に設け、このナセル13のケーシング14内に主軸15を回転自在に支持し、この主軸15のケーシング14外に突出した一端に、旋回翼であるブレード16を取付けてなる。主軸15の他端は増速機17に接続され、増速機17の出力軸18が発電機19のロータ軸に結合されている。
風力発電装置は規模が非常に大きく、1枚のブレード16の長さが数10メートル、中には100メートルを超えるものもある。そのため、ブレード16が主軸15回りに回転する際に、その回転位置、例えば主軸15よりも上側の位置と下側の位置とで、ブレード16が受ける風の風速が異なる。風速が違っていても各ブレード16が同じ荷重を受けるように、ブレード16が回転する間に、風速に応じて各ブレード16の風に向かう角度を調整する。また、常に各ブレード16が正面から風を受けるように、風向きの変化に応じてナセル13の向きを変える(ヨー)。なお、風速が速過ぎて多大な荷重を受ける恐れがある場合には、ナセル13の向きを通常の逆にして、風が抜けるようにすることもある。
このように、風力発電装置では、風の状態に合わせてブレード16の角度およびナセル13の向きを随時変える必要があるため、ブレード16およびナセル13はそれぞれ旋回軸受21,22により旋回自在に支持され、図示しない駆動手段により旋回させるようになっている。風力発電装置の旋回軸受の特徴としては、寸法が非常に大きいこと、旋回の揺動角が比較的小さいこと、変動荷重を受けることが挙げられる。
寸法に関しては、ブレード用で外輪外径1000〜3000mm、ヨー用で同1500〜3500mmである。揺動角に関しては、ブレード用で最大約90°、ヨー用で最大360°である。変動荷重に関しては、ブレード用およびヨー用のいずれについても変動荷重を受けるが、特にブレード用が急激な変動荷重を受けることが多い。
建設機械、工作機械等の幅広い分野において、旋回軸受として、4点接触玉軸受が用いられている(例えば特許文献1,2)。4点接触玉軸受は、内輪および外輪の各軌道面をそれぞれ2つの曲面で形成し、これらの軌道面間に複数のボールを転動自在に介在させたものであり、転動体としてのボールが両軌道面間にしっかりと挟持され、かつ内外輪の剛性も高いので、簡単な構成で大きな負荷容量が得られる。
特開2002−339981号公報 特開2003−13963号公報
そこで、大型または超大型であり、大きな負荷容量を必要とする風力発電装置の旋回軸受についても、4点接触玉軸受の採用を検討することにした。なお、JIS B 0104-1991によると、大型軸受は外輪外径が180〜800mmのものと定義されている。
前述のように、風力発電装置の旋回軸受は、変動荷重により比較的狭い旋回範囲内で頻繁に揺動するため、フレッティングが生じやすい。フレッティングを防止するには、内部すきまを負すきまにして、転動体と軌道輪との滑りを抑えるのが有効である。しかし、4点接触玉軸受で負すきまにすると、4点接触状態でボールが転動することにより滑り摩耗が発生する問題がある。また、負すきまにしても、変動荷重によるフレッティングを完全に防ぐことは困難であるため、フレッティング損傷を極力少なくすることが重要な課題であることに変わりない。さらに、大型または超大型である風力発電装置の旋回軸受では、軸受の軽量化も重要な課題である。これらの問題や課題は、4点接触玉軸受である場合だけに限らず、他の形式の軸受についても言えることである。例えば、アキシアル荷重を受ける円筒ころとラジアル荷重を受ける円筒ころを組み合わせた3列円筒ころ軸受がそうである。
上記滑り摩耗およびフレッティング損傷に対しては、従来、軸受に封入するグリースの量を調整することや、グリースに二酸化モリブデン等の添加剤を添加することによる対策がとられていた。これらの方法によっても、ある程度の効果は期待できるが、さらに根本的な解決策が求められている。
この発明の目的は、転動体と軌道輪との接触部における滑り摩耗およびフレッティング損傷が抑制され、軸受の軽量化を図ることができる旋回軸受を提供することである。
この発明にかかる旋回軸受は、内輪と、外輪と、これら内外輪の各軌道面間で転動自在な複数の転動体とを備え、前記転動体が耐衝撃性に強いセラミックス製であることを特徴とする。
転動体をセラミックス製とすれば、以下の作用効果が得られる。
・ 焼結体であるセラミックスは保油性が良好である。このため、転動体に含浸している油が転動体と内外輪の軌道間に滲み出て潤滑油として作用し、両者の滑り摩耗およびフレッティング損傷が抑制される。
・ セラミックスは、鋼に比べて密度が小さい。このため、転動体の軽量化が図れ、軸受全体の軽量化を図れる。
・ セラミックスは耐食性が高く、絶縁性を有する。このため、腐食や電食により転動体が損傷することを抑制できる。
前記セラミックスは、βサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体から構成されたものとすることができる。その場合、前記セラミックスは、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たすβサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体から構成され、ヤング率が180GPa以上270GPa以下であるのが好ましい。
また、前記セラミックスは、βサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体から構成されたものとしてもよい。その場合、前記セラミックスは、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たすβサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体から構成され、ヤング率が180GPa以上270GPa以下であるのが好ましい。
以後、これらのβサイアロンを主成分とする焼結体を「サイアロン焼結体」とする。
この発明の発明者は、サイアロン焼結体からなる転動体の転動疲労寿命と、転動体の構成との関係を詳細に調査した。その結果、以下の知見が得られ、この発明に想到した。
すなわち、上述のβサイアロンは、燃焼合成を含む製造工程を採用することにより、上記のzの値(以下、z値という)が0.1以上となる種々の組成を有するものが、製造可能である。そして、一般の転動疲労寿命に大きな影響を与える硬度は、製造の容易なz値4.0以下の範囲において、ほとんど変化しない。しかしながら、βサイアロンを主成分とする焼結体からなる転動体の転動疲労寿命とz値との関係を詳細に調査したところ、z値が3.5を超えると転動体の転動疲労寿命が大幅に低下することが分かった。
より具体的には、z値が0.1以上3.5以下の範囲においては、転動疲労寿命はほぼ同等で、旋回軸受の運転時間が所定時間を超えると、転動体の表面に剥離が発生して破損する。これに対し、z値が3.5を超えると転動体が摩耗しやすくなり、これに起因して転動疲労寿命が大幅に低下する。つまり、z値が3.5となる組成を境界として、サイアロン焼結体からなる転動体の破損モードが変化し、z値が3.5を超えると転動疲労寿命が大幅に低下するという現象が明らかとなった。したがって、サイアロン焼結体からなる転動体において、安定して十分な寿命を確保するためには、z値を3.5以下とする必要がある。
一方、上述のように、βサイアロンは、燃焼合成を含む製造工程により製造することにより、安価に製造することができる。しかし、z値が0.1未満では、燃焼合成の実施が困難となることが分かった。そのため、サイアロン焼結体からなる転動体を安価に製造するには、z値を0.1以上とする必要がある。
また、転動体のヤング率が高くなると、転動体を構成する素材の強度が上昇する傾向にある。しかし、その反面、転動体のヤング率が高くなると、転動体が弾性変形しにくくなるため、転動体と軌道輪との接触面積が小さくなり、接触面圧が高くなる。その結果、負荷される荷重が急激に上昇した場合、転動体に損傷が発生しやすくなる。一方、転動体のヤング率が低くなると、転動体が弾性変形しやすくなるため、転動体と軌道輪との接触面積が大きくなり、接触面圧が低くなる。しかし、その反面、転動体のヤング率が低くなると、これに伴って転動体を構成する素材の強度が低下する傾向にある。そのため、転動体のヤング率は、転動体を構成する素材の強度と転動体と軌道輪との接触面圧の低減とのバランスを確保可能な範囲とすることが必要である。
より具体的には、サイアロン焼結体からなる転動体のヤング率が180GPa未満の場合、転動体を構成する素材の強度低下の影響が接触面圧の低減の効果を上回り、転動体の転動疲労寿命が低下する。また、転動体と軌道輪との接触面積が増大することに伴い、転動体と軌道輪間に作用する摩擦力が増加し、軸受トルクが上昇するという問題も発生する。したがって、サイアロン焼結体からなる転動体のヤング率は、180GPa以上であることが必要である。
一方、サイアロン焼結体からなる転動体のヤング率が270GPaを超えると、接触面圧の増加の影響が転動体を構成する素材の強度上昇の効果を上回り、負荷される荷重が増加した場合、軌道輪と接触する面である転走面に変形等の損傷が発生しやすくなる。その結果、サイアロン焼結体からなる転動体の転動疲労寿命が低下する。したがって、負荷される荷重が急激に変化するような用途に用いられる場合、サイアロン焼結体からなる転動体のヤング率は、270GPa以下であることが必要である。
これに対し、この発明の一の局面における転動体は、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たすβサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体から構成されており、ヤング率が180GPa以上270GPa以下となっているため、安価でありながら、十分な耐久性を安定して確保することが可能であるとともに、負荷される荷重が急激に変化するような用途に用いることが可能である。例えば、風力発電装置の旋回軸受の転動体に適する。
なお、負荷される荷重が比較的大きい用途で用いられる場合、転動体のヤング率は220GPa以上であることが望ましい。一方、外部からの衝撃が負荷される場合等、負荷される荷重の変化が特に大きい環境下で使用される場合、転動体のヤング率は260GPa以下であることが望ましい。
また、この発明の他の局面における転動体は、基本的には上記この発明の一の局面における転動体と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、この発明の他の局面における転動体では、転動体の用途等を考慮し、焼結助剤を含む点で上記この発明の一の局面における転動体とは異なっている。この発明の他の局面における転動体は、焼結助剤の採用により、サイアロン焼結体の気孔率を低下させやすくなり、十分な耐久性を安定して確保することが可能である。
なお、焼結助剤としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、チタン(Ti)、希土類元素の酸化物、窒化物、酸窒化物のうち少なくとも1種類以上を採用することができる。また、焼結助剤は、焼結体のうち20質量%以下とすることが望ましい。
サイアロン焼結体は、低圧、例えば1MPa以下の圧力下で焼結されるため、10MPa以上の圧力下で加圧焼結する一般的なセラミックス、例えば窒化珪素を主成分とする焼結体(以下、「窒化珪素焼結体」とする)に比べて、製造コストを低く抑えることができる。
サイアロン焼結体は窒化珪素焼結体よりも、ヤング率が小さい。窒化珪素焼結体のヤング率は310GPaであるのに対し、サイアロン焼結体のヤング率は上述したように180GPa以上270GPa以下である。そのため、サイアロン焼結体製の転動体は、窒化珪素焼結体製の転動体よりも、荷重を受けたときに転動体が内外輪の軌道面と接触する面積が大きく、負荷容量が大きい。また、サイアロン焼結体製の転動体は、内外輪の軌道面と広い面積で接触するため、軌道面に対する攻撃性が小さく、軌道面を傷付けにくい。
前記転動体は、前記内外輪と接触する面である転走面を含む領域に、内部よりも緻密性の高い層である緻密層が形成されているのが好ましい。
サイアロン焼結体からなる転動体においては、その緻密性が、転動体において最も重要な耐久性の1つである転動疲労寿命に大きく影響する。上記のように、転走面を含む領域に緻密層が形成されている転動体は、転動疲労寿命が向上し、十分な耐久性を安定して確保することが可能である。
ここで、緻密性の高い層とは、焼結体において空孔率の低い(密度の高い)層であって、例えば以下のように調査することができる。まず、転動体の表面に垂直な断面において転動体を切断し、当該断面を鏡面ラッピングする。その後、鏡面ラッピングされた断面を光学顕微鏡の斜光(暗視野)にて、例えば50〜100倍程度で撮影し、300DPI(Dot Per Inch)以上の画像として記録する。このとき、白色の領域として観察される白色領域は、空孔率の高い(密度の低い)領域に対応する。したがって、白色領域の面積率が低い領域は、当該面積率が高い領域に比べて緻密性が高い。そして、画像処理装置を用いて記録された画像を輝度閾値により2値化処理した上で白色領域の面積率を測定し、当該面積率により、撮影された領域の緻密性を知ることができる。
つまり、上記本発明の旋回軸受の転動体では、転走面を含む領域に内部よりも白色領域の面積率の低い層である緻密層が形成されている。なお、上記撮影は、ランダムに5箇所以上で行い、上記面積率は、その平均値で評価することが好ましい。また、転動体の内部における上記白色領域の面積率は、例えば15%以上である。また、転動体の転動疲労寿命を一層向上させるためには、上記緻密層は100μm以上の厚みを有していることが好ましい。
前記緻密層の断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は7%以下であるのが好ましい。
白色領域の面積率が7%以下となる程度に上記緻密層の緻密性を向上させることで、転動体の転動疲労寿命がより向上する。したがって、上記構成により、転動体の転動疲労寿命を一層向上させることができる。
前記緻密層の表面を含む領域には、前記緻密層内の他の領域よりもさらに緻密性の高い層である高緻密層が形成されているのがより好ましい。
緻密性のさらに高い高緻密層が緻密層の表面を含む領域に形成されることにより、転動体の転動疲労に対する耐久性がより向上し、転動疲労寿命が一層向上する。
前記高緻密層の断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は3.5%以下であるのが好ましい。
白色領域の面積率が3.5%以下となる程度に上記高緻密層の緻密性を向上させることで、転動体の転動疲労寿命がより向上する。したがって、上記構成により、転動体の転動疲労寿命を一層向上させることができる。
この発明の旋回軸受は、上記の各作用効果が得られるため、風力発電装置のブレードを主軸に対し、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持するためや、風力発電装置のナセルを支持台に対して旋回自在に支持するために好適に使用できる。
この発明の旋回軸受は、内輪と、外輪と、これら内外輪の各軌道面間で転動自在な複数の転動体とを備え、前記転動体が耐衝撃性に強いセラミックス製であるため、転動体と軌道輪との接触部における滑り摩耗およびフレッティング損傷が抑制され、軸受の軽量化を図ることができる。特に、セラミックスをサイアロン焼結体とした場合は、製造コストを低く抑えることができ、かつ軌道面を傷付けにくい。
この発明の実施形態を図1と共に説明する。この旋回軸受は、例えば、風力発電装置のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持する軸受、または風力発電装置のナセルを支持台に対して旋回自在に支持する軸受として使用される。
旋回軸受は、内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2の複列の軌道面1a,1b,2a,2b間にそれぞれ転動自在に介在する各列複数のボールからなる転動体3と、各列の転動体3をポケット4a内で別々に保持する保持器4とを備える。
内外輪1,2の軌道面1a,1b,2a,2bは、いずれも2つの曲面1aa,1ab,1ba,1bb,2aa,2ab,2ba,2bbで構成されている。これら2つの曲面は、それぞれ転動体3よりも曲率半径が大きく、曲率中心が互いに異なる断面円弧状である。各軌道面1a,1b,2a,2bを構成する一対の曲面間は、溝部1ac,1bc,2ac,2bcになっている。各転動体3は、その転走面3aが内輪軌道面1a,1bおよび外輪軌道面,2a,2bの前記各曲面に接して4点接触する。すなわち、この旋回軸受は4点接触複列玉軸受として構成されている。
内輪1および外輪2には、取付用ボルト孔5,6がそれぞれ設けられている。内外輪1,2間の軸受空間にはグリースが充填され、この軸受空間の軸方向の両端がシール部材7により密封されている。
転動体3は、サイアロン焼結体から構成されている。サイアロン焼結体は、βサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体、またはβサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体のことを言う。
βサイアロンは、セラミックスの一種であり、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たす物質である。不純物は、原料に由来するもの、あるいは製造工程において混入するものを含む不可避的不純物を含む。焼結助剤としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、チタン(Ti)、希土類元素の酸化物、窒化物、酸窒化物のうち少なくとも1種類以上を採用することができる。なお、焼結助剤は、焼結体のうち20質量%以下とすることが望ましい。
図2に、サイアロン焼結体からなる転動体3の製造方法を示す。
βサイアロン粉末準備工程S1は、βサイアロンの粉末を準備する工程である。例えば、燃焼合成法を採用することにより、安価にβサイアロンの粉末を製造することができる。
混合工程S2は、βサイアロン粉末準備工程S1において準備されたβサイアロンの粉末に、焼結助剤を添加して混合する工程である。焼結助剤を添加しない場合は、この工程を省略することができる。
成形工程S3は、βサイアロンの粉末、またはβサイアロンの粉末と焼結助剤との混合物を、転動体3の概略形状に成形する工程である。具体的には、βサイアロンの粉末、またはβサイアロンの粉末と焼結助剤との混合物に、プレス成形、鋳込み成形、押し出し成形、転動造粒等の成形手法を適用することにより、転動体3の概略形状に成形された成形体を作製する。
焼結前加工工程S4は、上記成形体を表面加工して、当該成形体が焼結後に所望の転動体3の形状により近い形状となるよう成形する工程である。具体的には、グリーン体加工等の加工手法を適用することにより、上記成形体が焼結後に転動体3の形状により近い形状となるように成形する。この焼結前加工工程S4は、成形工程S3において上記成形体が成形された段階で、焼結後に所望の転動体3の形状に近い形状が得られる状態である場合には省略することができる。
焼結工程S5は、上記成形体を1MPa以下の圧力下で焼結する工程である。具体的には、上記成形体を、ヒータ加熱、マイクロ波やミリ波による電波波加熱等の加熱方法により加熱して焼結することにより、転動体3の概略形状を有する焼結体を作製する。
仕上げ工程S6は、焼結工程S5において作製された焼結体に対して仕上げ加工を実施することにより、転動体3を完成させる工程である。具体的には、焼結工程S5において作製された焼結体の表面を研磨することにより、転動体3を完成させる。
ここで、上記焼結工程S5における焼結により、焼結体の表面から厚さ500μm程度の領域には、内部よりも緻密性が高く、断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は7%以下である緻密層が形成される。さらに、焼結体の表面から厚さ150μm程度の領域には、緻密層内の他の領域よりもさらに緻密性が高く、断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は3.5%以下である高緻密層が形成されている。したがって、仕上げ工程S6においては、除去される焼結体の厚みは、特に転走面となるべき領域において150μ以下とすることが好ましい。これにより、転動体3の転走面3aを含む領域に、高緻密層を残存させ、転動体3の転動疲労寿命を向上させることができる。
なお、上記焼結工程S5は、βサイアロンの分解を抑制するため、0.01MPa以上の圧力下で行うことが好ましく、低コスト化を考慮すると大気圧以上の圧力下で行うことがより好ましい。また、製造コストを抑制しつつ緻密層を形成するためには、焼結工程S5は1MPa以下の圧力下で行うことが好ましい。また、製造される転動体3のヤング率を180GPa以上270GPa以下の所望の値に調整するためには、例えばβサイアロン粉末準備工程S1において準備されるβサイアロン粉末のz値を0.1≦z≦3.5の範囲で調節すればよい。より具体的には、z値を増加させることにより、製造される転動体のヤング率を低下させることができる。
一般的なセラミックスの焼結では、熱間静水焼結法(Hot Isostatic Press;HIP)、ガス圧焼結法(Gas Pressured Sintering;GPS)等の加圧焼結法による焼結が採用される。これらの加圧焼結法は、通常10MPa以上の圧力下で焼結を行うため、製造コストが高くつく。これに対し、サイアロン焼結体からなる製品の製造方法は、前述したように1MPa以下の圧力下で焼結するため、製造コストを例えば1/10程度に低く抑えることができる。したがって、転動体3を安価に製造することができる。
内外輪1,2および保持器4の素材は特に限定されない。例えば、内外輪1,2は、鋼、具体的には、JIS規格SUJ2等の軸受鋼や、SCR420、SCM420等の浸炭鋼を採用することができる。保持器4は、鋼の他に、樹脂も使用できる。場合によっては、内外輪1,2および保持器4についても、転動体3と同様に、サイアロン焼結体を用いてもよい。
この旋回軸受は、軸受形式を4点接触玉軸受とし、かつ転動体3を複列に配置したため、構成が簡単でありながら定格荷重が大きい。単純計算で、単列の場合に比べて、静定格荷重が2倍である。転動体3が複列であると、保持器4の軸方向幅が広くなるが、単列である場合に比べて2倍になることはない。そのため、保持器4の軸方向幅をあまり広くすることなく、定格荷重を増加させることができる。転動体3は保持器4により確実に保持されるため、転動体3の進み遅れによって各転動体3が散らばることがなく、常に転動体3を等間隔に保持できる。
表1は、サイアロン焼結体と窒化珪素焼結体と軸受鋼(SUJ2)の特性を比較したものである。
Figure 2010002012
転動体3をサイアロン焼結体で構成したことにより、以下の作用効果が得られる。
・ サイアロン焼結体は、空孔が多く、保油性が良好である。このため、転動体3に含浸している油が、転動体3の転走面と内外輪1,2の軌道面1a,1b,2a,2bとの間に滲み出て潤滑油として作用し、両者の滑り摩耗およびフレッティング損傷が抑制される。
・ サイアロン焼結体は、鋼に比べて密度が小さい。このため、転動体3の軽量化が図れ、軸受全体の軽量化を図れる。
・ サイアロン焼結体は耐食性が高く、絶縁性を有する。このため、腐食や電食により転動体3が損傷することを抑制できる。
上記の各作用効果は、転動体3が他のセラミックス例えば窒化珪素焼結体である場合にも言える。サイアロン焼結体と窒化珪素焼結体とを比較した場合、サイアロン焼結体の方が窒化珪素焼結体よりも、ヤング率が小さいという特性がある。そのため、サイアロン焼結体製の転動体3は、窒化珪素焼結体製の転動体よりも、荷重を受けたときに転動体3が内外輪1,2の軌道面1a,1b,2a,2bと接触する面積が大きく、負荷容量が大きい。また、サイアロン焼結体製の転動体3は、内外輪1,2の軌道面1a,1b,2a,2bと広い面積で接触するため、軌道面1a,1b,2a,2bに対する攻撃性が小さく、軌道面1a,1b,2a,2bを傷付けにくい。
さらに、前述したように、サイアロン焼結体は他のセラミックスよりも低コストであるという利点がある。
以上の説明のように、この旋回軸受は、構成が簡単で定格荷重が大きく、耐久性に優れ、フレッティングが生じにくいことから、風力発電装置のブレード支持用の旋回軸受21(図7)またはナセルのヨー支持用の旋回軸受22(図8)に適する。風力発電装置以外では、油圧ショベル、クレーン等の建設機械、工作機械の回転テーブル、パラボラアンテナ等に適用できる。
上記実施形態では、転動体3を複列としたが、単列であってもよい。
図3は、この発明の異なる実施形態を示す。この旋回軸受は、軸受形式が3列円筒ころ軸受であって、内輪31と、上下一対の外輪部材32A,32Bからなる外輪32と、3列の円筒ころからなる転動体33A,33B,33Cとを備える。転動体33A,33Bは、内輪31の外径側突出部31aの上下両面に形成された軌道面31aa,31abと、外輪部材32A,32Bの内径側突出部32aA,32aBに形成された軌道面32aa,32abとの間に転動自在に介在し、アキシアル荷重を受ける。転動体33Cは、前記内輪31の外径側突出部31aの外径面に形成された軌道面31acと、前記上側外輪部材32Aの内径面に形成された軌道面32cとの間に転動自在に介在し、ラジアル荷重を受ける。各転動体33A,33B,33Cは、前記同様のサイアロン焼結体から構成されている。
内輪31および外輪32には、取付用ボルト孔35,36がそれぞれ設けられている。内外輪31,32間の軸受空間にはグリースが充填され、この軸受空間の軸方向の両端がシール部材37により密封されている。
この旋回軸受は、複列の円筒ころからなる転動体33A,33Bによりアキシアル荷重を受ける構成であるため、定格荷重が大きい。また、この軸受形式が3列円筒ころ軸受である旋回軸受も、転動体33A,33B,33Cがサイアロン焼結体から構成されているため、前記軸受形式が4点接触玉軸受である旋回軸受の欄で記載したのと同じ作用効果が得られる。そのため、特に風力発電装置のナセルを支持するヨー軸受に適する。
z値が異なるサイアロン焼結体からなる転動体をそれぞれ備えた複数の旋回軸受を作製し、z値と転動疲労寿命(耐久性)との関係を調査する試験を行った。なお、本試験は一般の旋回軸受の転動体について行ったが、風力発電装置の旋回軸受の転動体についても適用できる。また、本試験は転動体をボールとしたが、転動体がころである場合も、類似する試験結果が得られることが予想される。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験軸受の作製方法について説明する。はじめに、燃焼合成法でz値と0.1〜4の範囲で作製したβサイアロンの粉末を用意し、前記図2に示す転動体の製造方法と同様の方法で、z値が0.1〜4である転動体を作製した。具体的な作製方法は以下のとおりである。まず、サブミクロンに微細化されたβサイアロン粉末と、焼結助剤としての酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP30)および酸化イットリウム(H.C.Starck社製、Yttriumoxide grade C)とをボールミルを用いて湿式混合により混合した。その後、スプレードライヤーにて造粒を実施し、造粒粉を製造した。当該造粒粉を金型で球形に成形し、さらに冷間静水圧成形(CIP)で加圧を行い、球形の成形体を得た。
引き続き当該成形体に対して1次焼結として常圧焼結を行った後、圧力200MPaの窒素雰囲気中でHIP(Hot Isostatic Press;熱間静水圧焼結)処理することで、焼結球体を製造した。次に、当該焼結球体にラッピング加工を行い、3/8インチセラミックス球(JIS等級 G5)とした。そして、別途準備した軸受鋼(JIS規格SUJ2)製の軌道輪と組み合わせて、JIS規格6206型番の軸受を作製した。(実施例A〜Hおよび比較例B,C)。また、比較のため、窒化珪素焼結体からなる転動体、すなわちz値が0である転動体を、上記サイアロン焼結体からなる転動体と同様の方法で作製し、同様に軸受に組立てた(比較例A)。
次に、試験条件について説明する。上述のように作製されたJIS規格6206型番の軸受に対し、最大接触面圧Pmax:3.2GPa、軸受回転数:2000rpm、潤滑:タービン油VG68(清浄油)の循環給油、試験温度:室温、の条件の下で運転する疲労試験を行った。そして、振動検出装置により運転中の軸受の振動を監視し、転動体に破損が発生して軸受の振動が所定値を超えた時点で試験を中止するとともに、運転開始から中止までの時間を当該軸受の寿命として記録した。また、試験中止後、軸受を分解して転動体の破損状態を確認した。
Figure 2010002012
表2に試験結果を示す。表2においては、各実施例および比較例における寿命が、比較例A(窒化珪素焼結体)における寿命を1とした寿命比で表されている。また、破損形態は、転動体の表面に剥離が発生した場合「剥離」、剥離が発生することなく表面が摩耗して試験が中止された場合「摩耗」と記載されている。
表2を参照して、z値が0.1以上3.5未満となっている本発明の実施例A〜Hでは、窒化珪素焼結体(比較例A)と比較して遜色ない寿命を有している。また、破損形態も窒化珪素焼結体の場合と同様に「剥離」となっている。これに対し、z値が3.5を超え、本発明の範囲外となっている比較例Bでは、寿命が大幅に低下するとともに、転動体に摩耗が観察される。すなわち、z値が3.8である比較例では、最終的には転動体に剥離が発生しているものの、転動体における摩耗が影響し、寿命が大幅に低下したものと考えられる。さらに、z値が4である比較例Cにおいては、極めて短時間に転動体の摩耗が進行し、軸受の耐久性が著しく低下している。
以上のように、z値が0.1以上3.5以下の範囲においては、サイアロン焼結体からなる転動体を備えた軸受の耐久性は、窒化珪素焼結体からなる転動体を備えた軸受とほぼ同等である。これに対し、z値が3.5を超えると転動体が摩耗しやすくなり、これに起因して転動疲労寿命が大幅に低下する。さらに、z値が大きくなると、サイアロン焼結体からなる転動体の破損原因が「剥離」から「摩耗」に変化し、転動疲労寿命が著しく低下することが明らかとなった。このように、z値を0.1以上3.5以下とすることにより、安価でありながら、十分な耐久性を安定して確保することが可能なサイアロン焼結体からなる軸受が提供可能であることが確認された。
なお、表2を参照して、z値が3を超える3.5の実施例Hにおいては、転動体には僅かな摩耗が発生しており、寿命も実施例A〜Gに比べて低下している。このことから、十分な耐久性をより安定して確保するためには、z値は3以下とすることが望ましいと言える。
また、上記実験結果より、窒化珪素焼結体からなる転動体と同等以上の耐久性(寿命)を得るには、z値は2以下とすることが好ましく、1.5以下とすることが、より好ましい。一方、燃焼合成を採用した製造工程による、βサイアロン粉末の作製の容易性を考慮すると、十分に自己発熱による反応が期待できるz値である0.5以上とすることが好ましい。
サイアロン焼結体の断面における緻密層および高緻密層の形成状態の調査をする試験を行った。試験の手順は以下のとおりである。
はじめに、燃焼合成法で作製した組成がSiAlONであるβサイアロンの粉末(株式会社イスマンジェイ製、商品名メラミックス)を準備し、前記図2に示す転動体の製造方法と同様の方法で、一辺が約10mmの立方体試験片を作製した。具体的な製造方法は次のとおりである。まず、サブミクロンに微細化されたβサイアロン粉末と、焼結助剤としての酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP30)および酸化イットリウム(H.C.Starck社製、Yttriumoxide grade C)とをボールミルを用いて湿式混合により混合した。その後、スプレードライヤーにて造粒を実施し、造粒粉を製造した。当該造粒粉を金型で所定の形状に成形し、さらに冷間静水圧成形(CIP)で加圧を行い、成形体を得た。引き続き当該成形体を圧力0.4MPaの窒素雰囲気中で1650℃に加熱焼結することで、上記立法体試験片を製造した。
その後、当該試験片を切断し、切断された面をダイヤモンドラップ盤でラッピングした後、酸化クロムラップ盤による鏡面ラッピングを実施することにより、立方体の中心を含む観察用の断面を形成した。そして、当該断面を光学顕微鏡(株式会社ニコン製、マイクロフォト‐FAX)の斜光で観察し、倍率50倍のインスタント写真(フジフィルム株式会社製 FP−100B)を撮影した。その後、得られた写真の画像を、スキャナーを用いて(解像度300DP1)パーソナルコンピューターに取り込んだ。そして、画像処理ソフト(三谷商事株式会社製 WinROOF)を用いて輝度閾値による2値化処理を行って(本試験での2値化閾値:140)、白色領域の面積率を測定した。
次に、試験結果について説明する。図4は、試験片の上記観察用の断面を光学顕微鏡の斜光で撮影した写真である。また、図5は、図4の写真の画像を、画像処理ソフトを用いて輝度閾値により2値化処理した状態を示す一例である。また、図6は、図4の写真の画像を、画像処理ソフトを用いて輝度閾値により2値化処理する際に、画像処理を行う領域(評価領域)を示す図である。図4において、写真上側が試験片の処理側であり、上端が表面である。
図4および図5を参照して、図2に示す転動体の製造方法と同様の方法で作成された試験片は、表面を含む領域に内部よりも白色領域の少ない層が形成されていることがわかる。そして、図6に示すように、撮影された写真の画像を試験片の最表面からの距離に応じて3つの領域(最表面からの距離が150μm以内の領域、150μmを超え500μm以内の領域、500μmを超え800μm以内の領域)に分け、領域毎に画像解析を行って白色領域の面積率を算出したところ、表2に示す結果が得られた。表2においては、図6に示した各領域を1視野として、無作為に撮影された5枚の写真から得られる5視野における白色領域の面積率の、平均値と最大値とが示されている。
Figure 2010002012
表3を参照して、試験片における白色領域の面積率は、内部において18.5%であったのに対し、表面からの深さが500μm以下である領域においては3.7%、表面からの深さが150μm以下の領域においては1.2%となっていた。このことから、図2に示す転動体の製造方法と同様の方法で作成された試験片は、表面を含む領域に内部よりも白色領域の少ない緻密層および高緻密層が形成されていることが確認された。
この発明にかかる旋回軸受の転動体の転動疲労寿命を確認する試験を行った。なお、本試験は一般の旋回軸受の転動体について行ったが、風力発電装置の旋回軸受の転動体についても適用できる。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験軸受の作製方法について説明する。はじめに、燃焼合成法で作製した組成がSiAlONであるβサイアロンの粉末(株式会社イスマンジェイ製、商品名メラミックス)を準備し、前記図2に示す転動体の製造方法と同様の方法で、直径9.525mmの3/8インチセラミック球を作製した。具体的な製造方法は次のとおりである。まず、サブミクロンに微細化されたβサイアロン粉末と、焼結助剤としての酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP30)および酸化イットリウム(H.C.Starck社製、Yttriumoxide grade C)とをボールミルを用いて湿式混合により混合した。その後、スプレードライヤーにて造粒を実施し、造粒粉を製造した。当該造粒粉を金型で球体に成形し、さらに冷間静水圧成形(CIP)で加圧を行い、球状の成形体を得た。
次に、当該成形体に対して焼結後の加工代が所定の寸法となるようにグリーン加工を行い、引き続き当該焼結体を圧力0.4MPaの窒素雰囲気中で1650℃に加熱して焼結することで、焼結球体を製造した。次に、当該焼結球体にラッピング加工を行い、3/8インチセラミック球(転動体;JIS等級 G5)とした。そして、別途準備した軸受鋼(JIS規格SUJ2)製の軌道輪と組み合わせて、JIS規格6206型番の軸受を作成した。ここで、上記焼結球体に対するラッピング加工により除去される焼結球体の厚み(加工代)を8段階に変化させ、8種類の軸受を作製した(実施例A〜H)。一方、比較のため、窒化珪素および焼結助剤からなる原料粉末を用いて加圧焼結法により焼結した焼結球体(日本特殊陶業株式会社製 EC141)に対して、上述と同様にラッピング加工を行い、別途準備した軸受鋼(JIS規格SUJ2)製の軌道輪と組み合わせて、JIS規格6206型番の軸受を作製した(比較例A)。ラッピング加工による加工代は0.25mmとした。
次に、試験条件について説明する。上述のように作製されたJIS規格6206型番の軸受に対し、最大接触面圧Pmax:3.2GPa、軸受回転数:2000rpm、潤滑:タービン油VG68(清浄油)の循環給油、試験温度:室温、の条件の下で運転する疲労試験を行った。そして、振動検出装置により運転中の軸受の振動を監視し、転動体に破損が発生して軸受の振動が所定値を超えた時点で試験を中止するとともに、運転開始から中止までの時間を当該軸受の寿命として記録した。なお、試験数は実施例、比較例ともに15個ずつとし、そのL10寿命を算出した上で、比較例Aに対する寿命比で耐久性を評価した。
Figure 2010002012
表4に本試験の試験結果を示す。表4を参照して、実施例の軸受の寿命は、その製造コスト等を考慮するといずれも良好であるといえる。そして、加工代を0.5mm以下とすることにより転動体の表面に緻密層を残存させた実施例D〜Gの軸受の寿命は、比較例Aの寿命の1.5〜2倍程度となっていた。さらに、加工代を0.15mm以下とすることにより転動体の表面に高緻密層を残存させた実施例A〜Cの軸受の寿命は、比較例Aの寿命の3倍程度となっていた。このことから、サイアロン焼結体からなる転動体を備えた旋回軸受は、耐久性において優れていることが確認された。そして、サイアロン焼結体からなる転動体を備えた旋回軸受は、転動体の加工代を0.5mm以下として、表面に緻密層を残存させることにより寿命が向上し、転動体の加工代を0.15mm以下として、表面に高緻密層を残存させることにより寿命がさらに向上することが分かった。
この発明の実施形態にかかる旋回軸受の断面図である。 同旋回軸受の保持器の製造方法の概略を示す図である。 この発明の異なる実施形態にかかる旋回軸受の断面図である。 試験片の観察用の断面を光学顕微鏡の斜光で撮影した写真である。 図4の写真の画像を、画像処理ソフトを用いて輝度閾値により2値化処理した状態を示す一例である。 図4の写真の画像を、画像処理ソフトを用いて輝度閾値により2値化処理する際に、画像処理を行う領域(評価領域)を示す図である。 風力発電装置の一例の一部を切り欠いて表した斜視図である。 同風力発電装置の破断側面図である。
符号の説明
1,31…内輪
1a,1b,31aa,31ab…内輪軌道面
2,32…外輪
2a,2b,32aa,32ab…外輪軌道面
3,33A,33B,33C…転動体
3a…転走面
4…保持器
21,22…旋回軸受

Claims (11)

  1. 内輪と、外輪と、これら内外輪の各軌道面間で転動自在な複数の転動体とを備え、前記転動体が耐衝撃性に強いセラミックス製であることを特徴とする旋回軸受。
  2. 請求項1において、前記セラミックスは、βサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体から構成されている旋回軸受。
  3. 請求項2において、前記セラミックスは、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たすβサイアロンを主成分とし、残部不純物からなる焼結体から構成され、ヤング率が180GPa以上270GPa以下である旋回軸受。
  4. 請求項1において、前記セラミックスは、βサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体から構成されている旋回軸受。
  5. 請求項4において、前記セラミックスは、Si6−ZAl8−Zの組成式で表され、0.1≦z≦3.5を満たすβサイアロンを主成分とし、残部焼結助剤および不純物からなる焼結体から構成され、ヤング率が180GPa以上270GPa以下である旋回軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記転動体は、前記内外輪と接触する面である転走面を含む領域に、内部よりも緻密性の高い層である緻密層が形成されている旋回軸受。
  7. 請求項6において、前記緻密層の断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は7%以下である旋回軸受。
  8. 請求項6または請求項7において、前記緻密層の表面を含む領域には、前記緻密層内の他の領域よりもさらに緻密性の高い層である高緻密層が形成されている旋回軸受。
  9. 請求項8において、前記高緻密層の断面を光学顕微鏡の斜光にて観察した場合、白色の領域として観察される白色領域の面積率は3.5%以下である旋回軸受。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、風力発電装置のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持する旋回軸受。
  11. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、風力発電装置のナセルを支持台に対して旋回自在に支持する旋回軸受。
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