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JP2010001430A - 変性ポリマーの製造方法 - Google Patents

変性ポリマーの製造方法 Download PDF

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JP2010001430A
JP2010001430A JP2008163363A JP2008163363A JP2010001430A JP 2010001430 A JP2010001430 A JP 2010001430A JP 2008163363 A JP2008163363 A JP 2008163363A JP 2008163363 A JP2008163363 A JP 2008163363A JP 2010001430 A JP2010001430 A JP 2010001430A
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JP
Japan
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polymer
radical
reaction
meth
modified polymer
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Application number
JP2008163363A
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English (en)
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Makoto Ashiura
誠 芦浦
Tetsuji Kawamo
哲司 川面
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】ポリマー(A)、ニトロキシドラジカル化合物(B)、ラジカル開始剤(C)、ラジカル重合性モノマー(D)を反応させるにあたり、ゲル化やポリマー主鎖の劣化を抑制する変性ポリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】(A)〜(C)成分を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、次に(D)成分を反応させて(A)成分に(D)成分をグラフトさせる第2工程とを有し、第1工程の混合反応条件が、下記要件(1)および(2)を満たす方法。(1)下記式により(C)成分の反応時間tからt+Δtまでのスプリット間分解率ΔXを求め、ΣΔXが0.985になるまで混合反応を続ける。(2)ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない。ΔX=exp(−k・t){1−exp(−k・Δt)}(kは(C)成分の反応速度定数。)
【選択図】図2

Description

本発明は変性ポリマーの製造方法に関し、詳しくは、ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、次にラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる第2工程とを有する変性ポリマーの製造方法において、ゲル化の促進やポリマー主鎖の劣化を抑制することのできる変性ポリマーの製造方法に関する。
ブチルゴムやエチレン−プロピレン共重合体(EPM)などの熱可塑性ポリマーやジエン系ゴム、また、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂は、極性が低いため、ポリアミドやポリエステルなどの樹脂に対し相溶性が低く、またガラスなどへの接着性も劣るという問題がある。
そこで本出願人は、特許文献1において、ポリマーの極性を高めたり、界面での反応を発現させたりするなどの機能付与を行なう方法として、第1工程としてポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)およびラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させ、次いで第2工程としてラジカル重合性モノマー(D)を混合反応させ、ポリマー(A)にモノマー(D)をグラフトさせるポリマーの変性方法を提案している。
特開2006−199745号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、第1工程でラジカル開始剤(C)が系内に残存してしまうと、続く第2工程でゲル化が促進されたり、ポリマー主鎖の分解により分子量が低下してしまうなどの問題点がある。また、第1工程においてラジカル開始剤(C)をすべて消費させるために混合反応時間を長くすると、熱履歴が増大し、ポリマー主鎖の劣化を進めてしまうという相反する問題点もある。
したがって本発明の目的は、ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、次にラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる第2工程とを有する変性ポリマーの製造方法において、ゲル化の促進やポリマー主鎖の劣化を抑制することのできる前記製造方法を提供することにある。
本発明は以下の通りである。
1.ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、
次にラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる第2工程とを有する変性ポリマーの製造方法において、
前記第1工程の混合反応条件が、下記要件(1)および(2)をすべて満たすことを特徴とする変性ポリマーの製造方法。
(1)下記式1により、前記ラジカル開始剤(C)の反応時間tからt+Δtまでのスプリット間分解率ΔXを求め、少なくともΣΔXが0.985になるまで前記混合反応を続ける。
(2)ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない。
ΔX=exp(−k・t){1−exp(−k・Δt)} ・・・ 式1
(式1中、kはアレニウスの式から求めた前記ラジカル開始剤(C)の反応速度定数である)
2.前記ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)が、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカルまたはその誘導体であることを特徴とする前記1に記載の変性ポリマーの製造方法。
3.前記ポリマー(A)が、その構成単位中にイソモノオレフィンユニットを有するポリマーであることを特徴とする前記1または2に記載の変性ポリマーの製造方法。
4.前記ラジカル重合性モノマー(D)がアクリル系モノマーもしくは芳香族ビニル系モノマーであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の変性ポリマーの製造方法。
本発明によれば、ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、次にラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる第2工程とを有する変性ポリマーの製造方法において、前記第1工程の混合反応条件を適切に制御することができるので、ゲル化が促進したりポリマー主鎖が劣化したりすることなく、ポリマー鎖中に所望の官能基を有する変性ポリマーを簡便に得ることができる。
本発明の製造方法を模式的に示せば大略は以下の通りである。なお、以下は、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)として2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)誘導体を使用した例である。
Figure 2010001430
第1工程において、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)の分解により生じたパーオキシラジカルの存在下、ポリマー(A)と(B)成分としてのTEMPO誘導体とを非溶媒系で混練機中で混合反応させる。
続いて第2工程において、(D)成分としてのモノマーMをさらに反応させ、ポリマー(A)にモノマーMをグラフトさせ、変性ポリマーの製造する。
本発明に従って変性することができるポリマー(A)としては、例えばポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、ハロゲン化ブチルゴム、臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ芳香族ビニル、ポリオレフィン、ポリイソプレン、各種スチレン−ブタジエン共重合体、各種ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エピクロロヒドリンゴム、各種ポリメタクリル酸エステル、各種ポリエーテル、各種ポリスルフィド、各種ポリビニルエーテル、各種ポリエステル、各種ポリアミド、セルロース、デンプン、各種ポリウレタン、各種ポリウレア、各種ポリアミンなどを挙げることができる。
本発明では、ポリマー(A)が、その構成単位中にイソモノオレフィンユニットを有するポリマーが好ましい。
本発明において使用することができる、ニトロキシドラジカル(−N−O・)を分子中に有する化合物(B)としては、酸素が存在していても常温で安定な化合物が好ましく、以下の化合物を例示することができる。なお、これら化合物の添加量は、ポリマー(A)100質量部に対し、0.01〜40質量部であるのが好ましく、0.05〜30質量部であるのが更に好ましい。
Figure 2010001430
Figure 2010001430
(上記式(1)〜(6)において、Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリル基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、チオール基、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、カルボキシル基、カルボニル基含有基(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物)、アミド基、エステル基、イミド基、ニトリル基、チオシアン基、炭素数1〜20のアルコキシ基、シリル基、アルコキシシリル基、ニトロ基などの官能基を含む有機基を示す。)
Figure 2010001430
Figure 2010001430
その他の例をあげれば以下の通りである。
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
Figure 2010001430
前記ポリマーに炭素ラジカルを発生させる手段としては、ラジカル開始剤(C)を反応系に添加する。本発明において使用することができるラジカル開始剤(C)としては、例えば1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(Z)、ジクミルパーオキサイド(DCP)、t−ブチルクミルパーオキサイド(C)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(D)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(2,5B)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3−ヘキシン(Hexyne−3)、2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド(DC−BPO)、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジ−イソプロピルベンゼン(P)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン(3M)、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどの有機過酸化物が挙げられる。これらはポリマーと前記のようなニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物との反応系(混合系、接触系)に添加することによって、ポリマーに炭素ラジカルを発生させることができる。ラジカル開始剤(C)の添加量は、ポリマー(A)100質量部に対し、好ましくは0.001〜30質量部、更に好ましくは0.002〜25質量部である。
本発明において使用することができるラジカル重合性モノマー(D)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メトキシスチレン、o−クロロスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物類;メチル(メタ)アクリレート(ここでメチル(メタ)アクリレートという表記はメチルメタアクリレート及びメチルアクリレートの両方を含んでいる。以下、化合物が変わっても同様)、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリシロキサンジ(メタ)アクリレート、各種ウレタン(メタ)アクリレート、各種金属(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチルなどの不飽和モノカルボン酸エステル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレートなどのフロオロアルキル(メタ)アクリレート類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクロイルプロピルジメチルシリルエーテルなどのシロキサニル化合物類;3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、ビニルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコールのモノ−またはジ−(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;シアノエチル(メタ)アクリレート、シアノプロピル(メタ)アクリレートなどのシアノアルキル(メタ)アクリレート類及びアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ化合物類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;(メタ)アリルアルコールなどの不飽和アルコール類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和(モノ)カルボン酸類;(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ポリカルボン酸(無水物)類;及びこれらのモノ、ジエステル類;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートなどのイソシアネート化合物類;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物ならびにこれらをチイランに誘導したチイラン基含有不飽和化合物;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物類などをあげることができる。モノマー(D)の添加量には特に限定はないが、ポリマー(A)100質量部に0.01〜100質量部反応させるのが好ましい。
ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)とラジカル重合性モノマー(D)の添加量比は、(D)/(B)=0.005〜100(モル比)であることが好ましい。この比率が0.005より小さいと官能基導入の効果が発現しないおそれがあり、逆にこの比率が100より大きいとホモポリマーの生成が懸念されるため好ましくない。さらに、ポリマー中に導入された(B)部分1箇所に対して、1分子程度の(D)が装入されればよく、またコスト的な点からも(D)/(B)=0.005〜1(モル比)であることがさらに好ましい。
次に本発明の製造方法についてさらに詳しく説明する。
本発明の製造方法の第1工程は、ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる工程である。
そして前記第1工程の混合反応条件が、下記要件(1)および(2)をすべて満たすことが必要である。
(1)下記式1により、前記ラジカル開始剤(C)の反応時間tからt+Δtまでのスプリット間分解率ΔXを求め、少なくともΣΔXが0.985になるまで前記混合反応を続ける。
(2)ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない。
ΔX=exp(−k・t){1−exp(−k・Δt)} ・・・ 式1
(式1中、kはアレニウスの式から求めた前記ラジカル開始剤(C)の反応速度定数である)
図1は、ポリマー(A)としてブチルゴムを、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)としてOH−TEMPOを、ラジカル開始剤として1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを用い、密閉型バンバリーミキサー中で混練しながら温度を上昇させ、所定時間混練したときの、有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである(下記実施例の変性IIR組成物の調製例3に相当)。また図2は、混練時間が720秒から1140秒までの図1の拡大図である。なお、OH−TEMPOはポリマー(A)100質量部に対し9.2質量部、有機過酸化物はポリマー(A)100質量部に対し17.3質量部使用した。
本発明では、反応時間tからt+Δtまでの差分、すなわちΔtを「スプリット間」と定義する。図1および2の形態では、スプリット間は60秒である。スプリット間分解率ΔXは、図2に示すように、スプリット間における有機過酸化物の分解率の増加分である。
本発明において、スプリット間は、1〜180秒が好ましい。
スプリット間が一定温度(T)と考えると、次の式1が得られる。
ΔX=exp(−k・t){1−exp(−k・Δt)} ・・・ 式1
上記式1について説明する。
分解した有機過酸化物量をx、反応速度定数をk、時間t、有機過酸化物初期濃度をaとすると
dx/dt=k(a-x) ⇔ dx/(a-x)=kdx ⇔ -ln(a-x)=kt+C
t=0 のとき x=0 だから C=-lna
lna-ln(a-x)=kt (1)
ここで、X=x/a(分解率)と置くと、
ln{1/(1-X)}=kt ⇔ 1/(1-X)=exp(k・t) ⇔ X=1-1/exp(k・t) (2)
時間Δtの間に、有機過酸化物分解量がΔx増加したとすると、スプリット分解率ΔXは、
Δx/a=ΔX= 1-1/exp{k・(t+Δt)}-{1-1/exp(k・t)}=exp(-k・t){1-exp(-k・Δt)}
となる。
ただし、
k=A exp(−ΔE/RT) (式中、Aは頻度因子、ΔEは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは温度(K)である)である。
したがって、スプリット間をあらかじめ決定しておき、スプリット間の平均温度を測定すれば、有機過酸化物の反応速度定数kをもとにして、上記式1からΔXが求められる。なお、本発明でいうスプリット間平均温度とは、スプリット間の起点の温度と、終点(すなわち次のスプリット間の起点)の温度の平均温度である。
本発明者らの検討によれば、少なくともΣΔXが0.985になるまで前記混合反応を続け、かつ、ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない、という条件によって、ゲル化の促進やポリマー主鎖の劣化を抑制できることを見出した。上記のように、ΔXはスプリット間の平均温度を測定することだけで把握できる。
さらに好ましくは、少なくともΣΔXが0.990になるまで前記混合反応を続け、かつ、ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない、という条件である。なお、ΣΔXが1.000になったときに有機過酸化物は完全に分解したことになるが、式1により算出されるΔXは近似値であるために、計算上はΣΔXが1.000を超える場合がある。
本発明における第2工程は、ラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる工程である。グラフト反応条件にとくに制限はなく、使用する各成分を考慮して公知の手段および条件を適宜選択すればよい。第1工程では、有機過酸化物の反応量等、その混合反応条件が適切に制御されているので、ポリマー鎖中に所望の官能基を有するとともに所望の物性を有する変性ポリマーを簡便に得ることができる。
第1工程および第2工程で使用される混練機は、例えば密閉型混練機(バンバリー、ニーダー、ブラベンダー)、二軸混練機、一軸混練、ロールなどを用いて行なうことができる。
また、第1工程と第2工程は、連続的であっても、連続的でなくても良い。
本発明に従って、ポリマーの変性によってポリマー中に導入される有機基としては、例えば炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、カルボキシル基、カルボニル基含有基(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物)、アミド基、エステル基、イミド基、ニトリル基、チオシアン基、炭素数1〜20のアルコキシ基、シリル基、アルコキシシリル基などが例示される。
本発明により製造された変性ポリマーには、ジエン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、熱可塑性TPE、ポリオレフィン、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などのポリマー、カーボンブラックやシリカなどの補強性充填剤、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤などの一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1および比較例1〜2
実施例および比較例において以下の原料を用いた。
IIR:ブチルゴム〔バイエル(株)製、BUTYL301〕
パーカドックス14−40:1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ(株)製)
OH−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシル〔旭電化工業(株)製、LA7RD〕
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(サートマー(株)製SR−355)
カーボンブラック(旭カーボン社製#35)
変性IIR組成物の調製例1(IIR−1)
IIRを100質量部、パーカドックス14−40を17.3質量部、OH−TEMPOを9.2質量部、カーボンブラックを40質量部配合し、60℃に温度を設定した密閉型バンバリーミキサーに入れ10分間混合した。続いて、スチームで加温し、密閉型バンバリーミキサー中で混練しながら1分間窒素置換した。その後、25分間混練した。なお、本調製例1では、ΣΔXが1.000以上の状態で7分間混練している。
Δtは、60秒に設定した。
パーカドックス14−40の反応速度定数kは、8.58×1015×exp(−1.877×10×(1/T))である。
続いて、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを6.4質量部ならびにカーボンブラック20質量部を添加して混練しながら1分間窒素置換した。その後、20分間混練し、得られたポリマーを排出した。
なお、図3は、本調製例1における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。
変性IIR組成物の調製例2(IIR−2)
IIRを100質量部、パーカドックス14−40を17.3質量部、OH−TEMPOを9.2質量部、カーボンブラックを40質量部配合し、60℃に温度を設定した密閉型バンバリーミキサーに入れ10分間混合した。続いて、190℃に加熱した密閉型バンバリーミキサー中で混練しながら1分間窒素置換した。その後、3分間混練した。なお、本調製例2では、ΣΔXが0.905の時点で次の工程に進んだ。
Δtは、60秒に設定した。
続いて、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを6.4質量部ならびにカーボンブラック20質量部を添加して混練しながら1分間窒素置換した。その後、10分間混練し、得られたポリマーを排出した。
なお、図4は、本調製例2における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。
変性IIR組成物の調製例3(IIR−3)
IIRを100質量部、パーカドックス14−40を17.3質量部、OH−TEMPOを9.2質量部、カーボンブラックを40質量部配合し、60℃に温度を設定した密閉型バンバリーミキサーに入れ10分間混合した。続いて、スチームで加温し、密閉型バンバリーミキサー中で混練しながら1分間窒素置換した。その後、17分間混練した。なお、本調製例3では、ΣΔXが1.000以上の状態で2分間混練している。
Δtは、60秒に設定した。
続いて、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを6.4質量部ならびにカーボンブラック20質量部を添加して混練しながら1分間窒素置換した。その後、10分間混練し、得られたポリマーを排出した。
なお、図1は、本調製例3における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。
下記表1に示す配合割合において、各成分を60℃で混練し、ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物に対し、破断伸びおよび破断強度を測定した。結果を併せて表1に示す。破断伸びおよび破断強度の測定方法は以下のとおりである。
破断伸びおよび破断強度:JIS K6251(3号ダンベル使用)に従い、室温にて引張試験を実施し、破断伸びと破断強度を測定した。
[表1]
(質量部)
Figure 2010001430
1)〜3) 上記調製例で合成した変性IIR
4) 日本タルク(株)製、タルクF
5) 日本油脂(株)製、ビーズステアリン酸YR
6) 正同化学(株)製、亜鉛華3号
7) 日本油脂(株)製ジクミルパーオキサイド、パークミルD−40
表1から分かるように、比較例1では第1工程でΣΔXが1.000以上の状態で7分間混練しており、本発明の範囲外であるので、実施例1に比べ、破断伸びおよび破断強度が劣っている。比較例2では、ΣΔXが0.905の時点で次の第2工程に進んているので、同様に破断伸びおよび破断強度が劣る結果となった。
以上の通り、本発明によれば、スプリット間の平均温度を測定することだけで、有機過酸化物の反応速度定数kをもとにして、第1工程の混合反応条件を決定することができるので、ゲル化の促進やポリマー主鎖の劣化を抑制でき、ポリマーに所望の官能基を所望の物性でもって導入することが可能となり、無機材料との接着性やフィラーとのぬれ性、また極性の高い(低い)ポリマーとの相溶性などを改良したポリマーの製造方法として有用である。
調製例3における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。 混練時間が720秒から1140秒までの図1の拡大図である。 調製例1における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。 調製例2における有機過酸化物の分解率と混練時間との関係、並びに、ミキサー内の温度を示したグラフである。

Claims (4)

  1. ポリマー(A)、ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)、有機過酸化物からなるラジカル開始剤(C)を非溶媒系で混練機中で混合反応させる第1工程と、
    次にラジカル重合性モノマー(D)を反応させて前記ポリマー(A)に前記ラジカル重合性モノマー(D)をグラフトさせる第2工程とを有する変性ポリマーの製造方法において、
    前記第1工程の混合反応条件が、下記要件(1)および(2)をすべて満たすことを特徴とする変性ポリマーの製造方法。
    (1)下記式1により、前記ラジカル開始剤(C)の反応時間tからt+Δtまでのスプリット間分解率ΔXを求め、少なくともΣΔXが0.985になるまで前記混合反応を続ける。
    (2)ΣΔXが1.000以上の状態で5分を超えて前記混合反応を続けることはない。
    ΔX=exp(−k・t){1−exp(−k・Δt)} ・・・ 式1
    (式1中、kはアレニウスの式から求めた前記ラジカル開始剤(C)の反応速度定数である)
  2. 前記ニトロキシドラジカルを分子中に有する化合物(B)が、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカルまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の変性ポリマーの製造方法。
  3. 前記ポリマー(A)が、その構成単位中にイソモノオレフィンユニットを有するポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の変性ポリマーの製造方法。
  4. 前記ラジカル重合性モノマー(D)がアクリル系モノマーもしくは芳香族ビニル系モノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の変性ポリマーの製造方法。
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