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JP2010091321A - バイオセンシング用基板 - Google Patents

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JP2010091321A JP2008259655A JP2008259655A JP2010091321A JP 2010091321 A JP2010091321 A JP 2010091321A JP 2008259655 A JP2008259655 A JP 2008259655A JP 2008259655 A JP2008259655 A JP 2008259655A JP 2010091321 A JP2010091321 A JP 2010091321A
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Kotaro Kajikawa
浩太郎 梶川
Syahir Bin Amir Hamzah Amir
シャヒル ビン アミル ハムザー アミル
Hisakazu Mihara
久和 三原
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Tokyo Institute of Technology NUC
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Abstract

【課題】蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供する。
【解決手段】本発明に係るバイオセンンシング用基板10は、金属又は合金からなる基板下層5と、基板下層5上に形成された誘電体薄膜4と、誘電体薄膜4上に形成された異常反射を生じる金属薄膜又は合金薄膜3とを備える。異常反射を用いることにより、単純な反射でバイオセンシングができ、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はバイオセンシング用基板に関する。詳しくは、金属絶縁体金属(MIM)構造を用いた高感度バイオセンシング用基板に関する。
図13はバイオセンシングの原理を説明するための図である。DNAや蛋白質などのバイオセンシングでは、検出対象分子(アナライト)2に特異的な相互作用を有するリガンド6を金などの基板7や微粒子上に塗布し、リガンド6へのアナライト2の結合の有無を検出する。アナライト2の結合量は1ng/mm以下であり非常に少ない。結合に伴う反射率変化は小さく、通常の光学的な手法でそれを検出することは困難である。そのため、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance:SPR)装置や金ナノ微粒子中の局在プラズモン共鳴(localized surface plasmon resonance:LPR)などを用いて、増感を行ってきた。
図14はSPRを用いたバイオセンシングを説明するための図である。図14(a)にSPRを用いた全反射減衰法(attenuated total reflection:ATR)による測定方法を示す(以下ATR−SPRと呼ぶ)。ATR−SPRでは、プリズム11の底面に堆積された金属薄膜12中に生じる伝搬型表面プラズモンSPs(surface plasmons)を励起する。図14(b)に光の反射率の入射角θ依存性を示す。p−偏光の光の反射率は、共鳴角θrで最小となり、入射光13のエネルギーは薄膜中のSPsに変換される。反射光14から反射率が求められる。共鳴角θrは金属薄膜12近傍の屈折率や物質の有無に敏感であるため、その表面をあらかじめリガンド6で修飾しておけばアナライト2の結合をθrの変化として読み取ることができる。空気中で1ng/mmの分子の結合によりATR−SPRでは最大12%の変化を得ることができる。この方法を利用したバイオセンサはすでに市販品も多く、現在では生化学や遺伝子工学の分野では欠くことのできないツールとなっている。
他方、LPRは金ナノ微粒子や粗い金属表面などに励起されるSPsである。ATR−SPRとは異なり、LPRを励起するためには微粒子に光を照射すればよい。特定の入射角で光を入射する必要がないため光学系を組む必要がなく、市販の分光器を用いて透過や反射、散乱スペクトル測定を行うことによりセンシングすることができるなどの利点ある。
このような状況下、数年前に発明者達は、青や紫の光に対する金表面の反射率が50%以下となることを利用して、単純な反射測定でDNAや蛋白質の検出が可能であることを示した。金は金属であるが、光学的には青や紫の光に対しては誘電体的な性質を示す。そのため、青や紫の光に対する反射率は50%程度であり、それゆえ黄色がかった色を呈している。これらの波長の光に対する金表面の反射率は、物質の吸着や結合に伴い比較的大きく低下する。これを金の異常反射(anomalous reflection:AR)という。ARを利用すると、空気中で金の表面は波長470nmの光に対して物質の吸着や結合により反射率変化を与えられる可能性がある。銀やアルミニウムなどの金属の場合にはこの現象はおきない。ARは、垂直入射でも斜め入射でもよく、金薄膜の膜厚制限も無い。そのため、垂直入射での単純な反射率測定により金表面に結合・吸着した微量物質の量を計測することが可能である。入射光の単色性もあまり問題とならないため発光ダイオード(light emitting diode:LED)などのインコヒーレント光源を利用することができるので、分光測定も容易である。金を用いた場合には感度はSPRと比べて物足りないが、単純な光学系を用いるため様々な使い方が可能である。(非特許文献1参照)
S.Watanabe,K.Usui,K.−Y.Tomizaki,K.Kajikawa,H.Mihara,"Anomalous Reflection of Gold Applicable for a Practical Protein−Detecting Chip Platform" Mol.BioSystems 1 (2005)363−365.
しかしながら、ATR−SPRを用いる場合には、固定化された光学系が必要であり全反射減衰法を用いなければならず他の測定手法との組み合わせに制限があること、金の膜厚が45−55nmの間でなければ感度の高い測定が難しいなどの改良すべき点も多く、これらの点を解決することは容易ではないという問題があった。また、LPRを用いる場合には、定量的な測定をするためには、あらかじめ検量線を作る必要がある、分子のサイズにより感度の補正が必要であるなどの点で物足りないという問題があった。
発明者達は、高い感度を持つ異常反射を利用したAR基板の誘電率をシミュレーションにより求め、金と他の物質(銀等)を混合することにより基板の誘電率を変えて高い感度を持つ基板を発明した(特許願2007−223950)(以下、比較例という)。その結果、金と銀の合金薄膜をUV−オゾン処理することにより、空気中で1ng/mmの分子の結合により異常反射率の変化1.3%が得られ、従来の数倍の感度の改善がはかられた基板を開発することができた。これにより、従来のATR−SPRを用いる測定やLPRを用いる測定に置き換えて、異常反射を利用した測定を提供できた。
本発明は、異常反射を利用したAR基板について、比較例のような単一媒質からなる基板構造に比して、これを上回る高感度の基板構造の開発を目指すこととした。
本発明は、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るバイオセンンシング用基板10は、例えば図1に示すように、金属又は合金からなる基板下層5と、基板下層5上に形成された誘電体薄膜4と、誘電体薄膜4上に形成された異常反射を生じる金属薄膜又は合金薄膜3とを備える。
ここにおいて、基板下層5とはその上に誘電体薄膜4及び金属薄膜又は合金薄膜3を形成するための基板構成要素であって、基板下層5がガラスチップ、プラスチックチップ等の支持板上に形成されていても良い。異常反射とは、金のように、光学的には青や紫の光に対しては誘電体的な性質を示す金属又は合金において、青や紫の光に対する反射率が低下し、さらに、この反射率が物質の吸着や結合に伴い比較的大きく低下する現象をいう。この態様のように構成すると、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供できる。また、異常反射を用いることにより、単純な反射でバイオセンシングができ、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。これにより、既存の表面プラズモン共鳴を用いるバイオセンシング手法に置き換えられる可能性がある。
また、本発明の第2の態様に係るバイオセンンシング用基板10は、第1の態様において、金属薄膜又は合金薄膜3が金又は銅を主体とする。このように構成すると、金又は銅は異常反射を生じるので、異常反射による反射率変化を実現できる。
また、本発明の第3の態様に係るバイオセンンシング用基板10は、第1又は第2の態様において、誘電体薄膜4が透明である。ここにおいて、透明な誘電体薄膜4として、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ガラス、SiO,MgFを使用できる。この態様のように構成すると、誘電体薄膜が共振器のように作用し、異常反射による反射率変化を大きくできる。
また、本発明の第4の態様に係るバイオセンンシング用基板10は、第1ないし第3の態様のいずれかにおいて、例えば図3又は図7に示すように、入射光に対する反射率が、検出対象分子2が無いときをR、有るときをRとすると、Rが0.5%以上であり、R/Rが0.97%以下又は1.03%以上である。このように構成すると、実用上、異常反射によるバイオセンンシングに適している。
また、本発明の第5の態様に係るバイオセンンシング用基板10は、第1ないし第3の態様のいずれかにおいて、例えば図4又は図8に示すように、金属薄膜又は合金薄膜3の膜厚d(nm)及び誘電体薄膜4の膜厚d(nm)が、(d、d)座標系において、(8,18)、(8,52)、(13,57)、(17,57)、(17,28)、(12,18)で囲まれた第1の領域、又は(8,63)、(8,72)、(12,72)、(12,63)で囲まれた第2の領域内にある。このように構成すると、実用上、異常反射によるバイオセンンシングに適している。
本発明によれば、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供できる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1に、本発明の第1の実施の形態によるバイオセンシング用基板10の構成例を示す。本実施の形態は、金属−絶縁体−金属構造で、金−PMMA−金薄膜の組み合わせで、周辺媒質1が空気の例を示す。図1において、媒質1は通常空気又は水であり、本実施の形態では空気とし、屈折率をn(=1)とする。媒質2はバイオセンシングの検出対象分子(アナライト、DNAや蛋白質など)であり、屈折率nの連続誘電体媒質とみなす。媒質3は屈折率nの金属薄膜であり、屈折率nは複素数となる。また、その厚さをdとする。媒質4は誘電体薄膜であり、屈折率をn、その厚さをdとする。媒質5は屈折率nの基板下層であり、屈折率nは複素数となる。媒質3と媒質5は同じ金属である必要はない。媒質3から媒質5までがバイオセンシング用基板10を構成している。基板10は金属で誘電体(絶縁体)を挟んだ構成をしており、金属−絶縁体−金属(Metal−Insulator−Metal:MIM)構造とよぶことにする。13は入射光、14は反射光である。
バイオセンシングでは、媒質3の表面への、アナライト2としての誘電体分子の吸着や結合を検出することとなる。厚さd=1nmの分子層の吸着や結合は、密度を1とすれば1ng/mmの分子の結合に対応するから、このときの反射率変化ΔRの波長依存性を計算すれば、バイオセンシング用基板10の感度を求めることができる。媒質4としての誘電体薄膜の屈折率nを1.5とし、媒質3及び媒質5としての金属の屈折率n,nは文献(P.B.Johnson and R.W.Cristy,“Optical Constants of Noble Metals”,Phys.Rev.6 (1972)4730−4379.)に記載の値を用い、記載の無い波長での値は比例配分で求めた。
図2に、媒質3が金で、屈折率n=1.5、厚さ1nmの媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性の例を示す。媒質2が吸着・結合する前の反射率をR、吸着・結合後の反射率をRとし、R/Rをシミュレーションしプロットしたものである。計算条件は、周辺媒質1は空気(屈折率1)、媒質3は金属薄膜又は合金薄膜としての金薄膜、媒質4は屈折率1.5の誘電体薄膜、媒質5は金の基板下層とし、媒質3の厚さd及び媒質4の厚さdをパラメータとしていくつかの組み合わせについてシミュレーションを行った。媒質5は金薄膜でも100nm以上であれば十分厚いため、計算では半無限大として考えることができる。図2(a)には媒質3の厚さd=10nm、媒質4の厚さd=35nm〜70nmの例、図2(b)には媒質3の厚さd=15nm、媒質4の厚さd=55nm〜68nmの例、図2(c)には媒質3の厚さd=20nm、媒質4の厚さd=70nm〜80nmの例を示す。
図2(a)によれば、d=35nmの時には波長400nm〜500nmの広い波長領域でR/Rは95.0%前後の値をとる。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。また、d=40nmの時はR/Rは最小値で94.7%、d=45nmの時はR/Rは最小値で90.9%、d=50nmの時はR/Rは下に凸のピークを持ち、最小値で85.0%、d=55nmの時は同様に下に凸のピークを持ちR/Rは最小値で64.0%となる。また、d=60nmの時は上に凸のピークを持ち、波長約480nmにおいてR/Rは最大値で163%、d=65nmの時は最大値でR/R=116%、d=70nmの時は最大値でR/R=109%となる。dの値により様々なR/Rの極値が与えられ、大きな反射率変化が得られる場合もある。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。これは誘電体薄膜4が共振器のような作用をしていることを裏付けている。
図2(b)によれば、d=55nmの時はR/Rは波長480nm付近で最小値87.0%となり13%の反射率変化が起こっていることがわかる。また、d=60nmの時はR/Rは最小値で74%、d=62nmの時はR/Rは最小値で56%、d=63nmの時はR/Rは最小値で32.0%となる。また、d=65nmの時には上に凸のピークを持ち、R/Rは最大値で353%、同様にd=66nmの時はΔR/Rは最大値で180%、d=68nmの時はR/Rは最大値で132%となる。dの値により様々なR/Rが与えられ、いずれの場合も大きな反射率変化が得られる。しかしながら、必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図2(c)によれば、d=70nmの時はR/Rは下に凸の鋭いピークを持ち、最小値で73.0%となる。27%の反射率変化が起こっていることがわかる。さらに、d=72nmの時はR/Rは最小値で53%、d=73nmの時はR/Rは最小値で24%となる。また、d=76nmの時には、上に凸のピークとなり、R/Rは最大値で187%、d=78nmの時にはR/Rは最大値で140%、d=80nmの時にはR/Rは最大値で125%となる。dの値により様々なΔR/Rが与えられ、いずれの場合も大きな反射率変化が得られる。しかしながら、必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなり、図2(a)〜(c)を比較すると、dの値が増加するにつれて、同じdに対して最小値又は最大値を示す波長も長くなる。これは金薄膜3も共振器の作用に寄与していることを裏付けている。
バイオセンシング用基板の感度を表す一つの指標としてR/Rがあり、媒質2が吸着・結合した際に1に比べて十分小さい又は十分大きいことが求められる。金の異常反射では空気中でR/Rは約98.7%である。図2に示したように、MIM基板では大きな変化を得ることができる。しかしながら、このように大きなR/Rを与える基板であっても入射光13に対する反射率Rが小さければ、得られる信号は小さく良い結果が得られない。
図3に、媒質3が金で、周辺媒質1が空気の場合について、上述のdとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットしたものを示す。●はd=10nm、□はd=15nm、◇はd=20nmのデータであり、各d(nm)についてR/Rの値は最大値又は最小値をプロットした。例えば、d=40nmでR/R=94.7%、d=55nmでR/R=64.0%、d=65nmでR/R=116%、d=70nmでR/R=109%となる。ハロゲンランプ等のインコヒーレント光源を用いた場合、1秒程度の測定で十分なS/N比を確保するためには、少なくとも入射光強度の0.5%程度の反射率が必要である。そのため、R/Rが1に比べて十分小さい、又は、十分大きくても、R<0.5%では反射率が低過ぎ、バイオセンシング用基板として適当であるとは言い難い。また、厚さ1nmの媒質2が媒質3に吸着・結合した際の変化量は3%以上あれば、先行技術である異常反射や比較例のバイオセンシング用基板(反射率変化1.3%)に対して優位であると考えられるので、この2つの条件を満たす領域をハッチで示した。
図4に、金属薄膜又は合金薄膜3の膜厚d(nm)及び誘電体薄膜4の膜厚d(nm)が、(d、d)座標系において、上記バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを線Iで示す。これより、媒質3が金で、空気中では、d=10nmの場合には、d=20〜50nmまたは65〜70nmが好ましいことがわかった。また、d=15nmの場合には、d=30〜55nmが良い結果を与えることがわかった。マージンを含めると、(8,18)、(8,52)、(13,57)、(17,57)、(17,28)、(12,18)で囲まれた第1の領域(図では領域1と示す)内、又は(8,63)、(8,72)、(12,72)、(12,63)で囲まれた第2の領域(図では領域2と示す)内にある点が良い結果を与えると推定される。これ以外の場合にはRが小さく、実用に供するには、高感度の検出装置と理想的な構造の作製が必要である。なお、後述する図5(c)の測定点は×で示すように第1の領域に含まれる。
次に、本実施の形態におけるバイオセンシングの測定例について説明する。媒質3?媒質5で構成されるMIM構造を持つ基板10を作製し、その反射率測定を行うことにより、バイオセンシングを行う。上記基板10に媒質2としてのバイオ由来分子が結合すれば反射率の変化が生じ、この反射率変化を分光器等と検出器で構成される装置でモニターしてバイオ由来分子の検出を行う。簡単な光学系で単純な反射でバイオセンシングができるので、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。
まず、媒質3の金属薄膜又は合金薄膜として金薄膜を、媒質4の誘電体薄膜としてPMMA(ポリメチルメタクリレート)薄膜を、媒質5の基板下層としての金上にスピンコートしてバイオセンシング用基板10としてのMIM基板を作製した。
図5にMIM基板10に媒質2を吸着・結合したときの反射吸収スペクトルの測定例を示す。図5(a)に金薄膜の厚さd=10nm、PMMA薄膜の厚さd=20nmの例を示す。(1)(図中○内に1)は、AUT(アミノウンデカンチオール)のエタノール溶液に1時間浸漬し、リンスをして作製した媒質2の第1層としてのAUT自己組織化単分子膜(SAM)の反射吸収スペクトルを示す。測定は垂直入射で行った。AUT SAMは厚さ1.4nm、屈折率1.5の誘電体薄膜としてはたらくことがSPRやエリプソメトリの測定から知られている。なお、媒質4としてのPMMA薄膜の厚さdは、測定された反射吸収スペクトル(ARスペクトル)の結果とシミュレーション結果を比較することにより知ることができ、これにより、PMMA薄膜の厚さをd=20nmと見積もることができた。また(2)(図中○内に2)は、AUT SAMを形成した基板を媒質2の第2層としてのBiotin−OSUでビオチン化した時の反射吸収スペクトルを示す。(3)(図中○内に3)は、さらに、ビオチン化した基板を媒質2の第3層としての抗ビオチン抗体(IgG)(PBS中40μM)に1時間暴露し、PBSでリンスし乾燥させた時の反射吸収スペクトルを示す。このように、MIM基板10に媒質2を吸着・結合することにより、反射吸収スペクトルが変化することがわかる。
図5(b)に金薄膜の厚さd=10nm、PMMA薄膜の厚さd=55nmの例を示す。これは、高い反射率変化を与えた結果の例であり、反射率変化は大きいが、図4の領域外となる。上と同様に(1)(図中○内に1)はAUT SAMを形成した場合、(2)(図中○内に2)はビオチン化した場合、(3)(図中○内に3)はIgGが結合した場合の結果である。AUTにおいて大きな反射率変化が得られているが、IgGの結合による変化量は小さい。感度が高すぎると飽和してしまうためと考えられる。
図5(c)に金薄膜の厚さd=12nm、PMMA薄膜の厚さd=55nmの例を示す。これは図5(b)に比して、少し感度を落とした基板で測定した例である。反射率変化は大きく、かつ図4の第1の領域内となる。上と同様に(1)(図中○内に1)はAUT SAMを形成した場合、(2)(図中○内に2)はビオチン化した場合、(3)(図中○内に3)はIgGが結合した場合の結果である。IgGによる結合も良好に観測されていることがわかる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供できる。また、異常反射を用いることにより、単純な反射でバイオセンシングができ、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。これにより、既存の表面プラズモン共鳴や局在化表面プラズモン共鳴を用いるバイオセンシング手法に置き換えられる可能性がある。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、媒質3が金で、周辺媒質が水(屈折率n=1.33)の場合について説明する。バイオセンシングのその場観察では、水や緩衝溶液中での検出が主であるため、周辺媒質が水の場合を考える。基板の構造は第1の実施の形態と同様にMIM基板である。
図6に、周辺媒質が水の場合、屈折率n=1.5、厚さ1nmの媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性を示す。計算条件で、第1の実施の形態と異なる点は、周辺媒質1の屈折率(水は1.33)が異なるだけである。図6(a)には媒質3の厚さd=10nm、媒質4の厚さd=35nm〜70nmの例、図6(b)には媒質3の厚さd=15nm、媒質4の厚さd=60nm〜70nmの例、図6(c)には媒質3の厚さがd=20nm、媒質4の厚さd=68nm〜75nmの例を示す。
図6(a)によれば、波長400nm以下の広い領域においてd=35nmの時はR/Rは95.5%となり4.5%の反射率変化が起こっていることがわかる。さらに、d=40nmの時はR/Rは最小値で93.9%、d=45nmの時は370nm付近に下に凸のピークが現れ、R/Rは最小値で90.1%、d=50nmの時はR/Rは最小値で84.9%、d=55nmの時は下に凸の鋭いピークとなり、R/Rは最小値で18.4%となる。また、d=60nmの時は上に凸のピークとなり最大値でR/R=116%、d=65nmの時は最大値でR/R=106%、d=70nmの時は最大値でR/R=104%となる。dの値により様々なR/Rの極値が与えられ、大きな反射率変化が得られる場合もある。しかしながら必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図6(b)によれば、波長500nm以下の領域において、d=60nmの時は波長475nm付近でR/Rは最小値で90.2%となり、9.8%の反射率変化が起こっていることがわかる。さらに、d=62nmの時はR/Rは最小値で83%、d=63nmの時はR/Rは最小値で71%となる下に凸のピークが現れた。また、d=65nmの時は上に凸のピークが現れ、R/Rは最大値で171%、d=70nmの時はR/Rは最大値で108%、となる。dの値により様々なR/Rが与えられ、いずれの場合も大きな反射率変化が得られる。しかしながら、必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図6(c)によれば、波長500nm付近の領域において、d=68nmの時は下に凸のピークが現れ、R/Rは最小値で86.9%となり13.1%の反射率変化が起こっていることがわかる。さらに、d=70nmの時はR/Rは最小値で68.2%となる。また、d=72nmの時はR/Rは最大値で157%、d=75nmの時はR/Rは最大値で110%となる。dの値により様々なR/Rが与えられ、いずれの場合も大きな反射率変化が得られる。しかしながら、必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなり、図6(a)〜(c)を比較すると、dの値が増加するにつれて、同じdに対して最小値又は最大値を示す波長も長くなる。
図7に、媒質1が水の場合について、上述のdとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットしたものを示す。●はd=10nm、□はd=15nm、◇はd=20nmのデータであり、各d(nm)についてR/Rの値は最大値又は最小値をプロットした。例えば、d=40nmでR/R=93.9%、d=70nmでR/R=104%となる。また、Rが0.5%以上、厚さ1nmの媒質2が媒質3に吸着・結合した際の変化量は3%以上の、バイオセンシング用基板として適当である領域をハッチで示した。
図8に、金属薄膜又は合金薄膜3の膜厚d(nm)及び誘電体薄膜4の膜厚d(nm)が、(d、d)座標系において、上記条件を満たす領域にある組み合わせを線Iで示す。これより、媒質1が水の場合には、d=10nmの場合にはd=35〜50nmまたは65〜70nm好ましいことがわかった。また、d=15nmの場合には、d=50〜55nmの場合にR=0.5%以上、R/R=0.95%程度となり、良い結果を与えることがわかった。マージンを含めると、(8,33)、(8,52)、(13,57)、(17,57)、(17,48)、(12,33)で囲まれた第3の領域(図では領域3と示す)、又は(8,63)、(8,72)、(12,72)、(12,63)で囲まれた第2の領域内にある点が良い結果を与えると推定される。なお、第3の領域は第1の領域に含まれ、第1の領域は空気中又は水中のいずれかで良い結果を与える領域でもある。
本実施の形態においても、MIM構造の基板を用いるので、第1の実施の形態と同様に、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供できる。また、異常反射を用いることにより、単純な反射でバイオセンシングができ、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では媒質5を銀にした場合について説明する。
図9に、媒質5が銀、周辺媒質1が空気の場合の反射吸収スペクトルのシミュレーション結果の例を示す。屈折率n=1.5、厚さ1nmの媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性の例である。媒質2が吸着・結合する前の反射率をR、吸着・結合後の反射率をRとし、R/Rをシミュレーションしプロットしたものである。計算条件は、周辺媒質1は空気(屈折率1)、媒質3は金属薄膜又は合金薄膜としての金薄膜、媒質4は屈折率1.5の誘電体薄膜、媒質5は銀の基板下層とし、媒質3の厚さd及び媒質4の厚さdをパラメータとしていくつかの組み合わせについてシミュレーションを行った。媒質5は銀薄膜でも100nm以上であれば十分厚いため、計算では半無限大として考えることができる。図9(a)には媒質3の厚さd=10nm、媒質4の厚さd=40nm〜70nmの例、図9(b)には媒質3の厚さd=15nm、媒質4の厚さd=40nm〜75nmの例、図9(c)には媒質3の厚さd=20nm、媒質4の厚さd=40nm〜75nmの例を示す。
図9(a)によれば、d=40nmの時には波長330nm〜375nmの波長領域でR/Rは5%以上増加し、波長375nm〜450nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=45nmの時には波長350nm〜380nmの波長領域でR/Rは5%以上増加し、波長400nm〜450nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=50nmの時には波長370nm〜420nmの波長領域でR/Rは5%以上増加し、波長430nm〜450nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=55nmの時には波長400nm〜430nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=60nmの時には波長420nm〜440nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=65nmの時には波長430nm〜440nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。これは誘電体薄膜4が共振器のような作用をしていることを裏付けている。
図9(b)によれば、d=40nmの時には波長330nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=45nmの時には波長390nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=50nmの時には波長410nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=55nmの時には波長430nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=60nmの時には波長450nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=65nmの時には波長430nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=70nmの時には波長450nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=75nmの時には波長470nm〜480nmの波長領域でR/Rは5%以上増加している。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図9(c)によれば、d=60nmの時には波長470nm〜490nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=65nmの時には波長470nm〜490nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=70nmの時には波長480nm〜490nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=75nmの時には波長470nm〜480nmの波長領域でR/Rは5%以上増加する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなり、図9(a)〜(c)を比較すると、dの値が増加するにつれて、同じdに対して最小値又は最大値を示す波長も長くなる。これは金薄膜3も共振器の作用に寄与していることを裏付けている。
図10に媒質5が銀、周辺媒質1が水の場合の反射吸収スペクトルのシミュレーション結果の例を示す。屈折率n=1.5、厚さ1nmの媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性の例である。媒質2が吸着・結合する前の反射率をR、吸着・結合後の反射率をRとし、R/Rをシミュレーションしプロットしたものである。計算条件は、周辺媒質1は水(屈折率1.33)、媒質3は金属薄膜又は合金薄膜としての金薄膜、媒質4は屈折率1.5の誘電体薄膜、媒質5は銀の基板下層とし、媒質3の厚さd及び媒質4の厚さdをパラメータとしていくつかの組み合わせについてシミュレーションを行った。媒質5は銀薄膜でも100nm以上であれば十分厚いため、計算では半無限大として考えることができる。図10(a)には媒質3の厚さd=15nm、媒質4の厚さd=15nm〜40nmの例、図10(b)には媒質3の厚さd=20nm、媒質4の厚さd=45nm〜70nmの例、図10(c)には媒質3の厚さd=25nm、媒質4の厚さd=50nm〜80nmの例を示す。
図10(a)によれば、d=30nmの時には波長340nm〜360nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=35nmの時には波長360nm〜380nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=40nmの時には波長370nm〜390nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図10(b)によれば、d=60nmの時には波長440nm〜460nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=65nmの時には波長450nm〜470nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=70nmの時には波長460nm〜460nmの波長領域でR/Rは5%以上増加する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=75nmの時には波長470nm〜480nmの波長領域でR/Rは5%以上増加する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=80nmの時には波長480nm〜485nmの波長領域でR/Rは5%以上増加する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなる。
図10(c)によれば、d=70nmの時には波長470nm〜480nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=80nmの時には波長480nm〜485nmの波長領域でR/Rは5%以上減少する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。d=80nmの時には波長475nm〜485nmの波長領域でR/Rは5%以上増加する。すなわち、媒質2の結合により5.0%の反射率変化が起こっていることがわかる。しかしながら、後述するように必ずしも大きな反射率変化が得られる場合が実用上好ましいというわけではない。また、dの値が増加するにつれて最小値又は最大値を示す波長が長くなり、図10(a)〜(c)を比較すると、dの値が増加するにつれて、同じdに対して最小値又は最大値を示す波長も長くなる。これは金薄膜3も共振器の作用に寄与していることを裏付けている。
バイオセンシング用基板の感度を表す一つの指標としてR/Rがあり、媒質2が吸着・結合した際に1に比べて十分小さい又は十分大きいことが求められる。金の異常反射では空気中でR/Rは約98.7%である。図2に示したように、MIM基板では大きな変化を得ることができる。しかしながら、このように大きなR/Rを与える基板であっても入射光13に対する反射率Rが小さければ、得られる信号は小さく良い結果が得られない。
図11に、媒質5が銀の場合、上述のdとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットしたものを示す。図11(a)に周辺媒質1が空気の場合の例を、図11(b)に周辺媒質1が水の場合の例を示す。図11(a)及び図11(b)において、●はd=10nm、□はd=15nm、◇はd=20nmのデータであり、各d(nm)についてR/Rの値は最大値又は最小値をプロットした。ハロゲンランプ等のインコヒーレント光源を用いた場合、1秒程度の測定で十分なS/N比を確保するためには、少なくとも入射光強度の0.5%程度の反射率が必要である。そのため、R/Rが1に比べて十分小さい、又は、十分大きくても、R<0.5%では反射率が低過ぎ、バイオセンシング用基板として適当であるとは言い難い。また、厚さ1nmの媒質2が媒質3に吸着・結合した際の変化量は3%以上あれば、先行技術である異常反射や比較例のバイオセンシング用基板に対して優位であると考えられるので、この2つの条件を満たす領域をハッチで示した。
図12に、媒質5が銀の場合、(d、d)座標系において、バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを示す。図12(a)に周辺媒質1が空気の場合を、図12(b)に周辺媒質1が水の場合を示す。金属薄膜又は合金薄膜3の膜厚d(nm)及び誘電体薄膜4の膜厚d(nm)が、(d、d)座標系において、上記バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを線Iで示す。図12(a)より、空気中では、d=10nmの際には、d=40〜65nmが好ましいことがわかった。また、d=15nmの場合には、d=40〜75nmが良い結果を与えることがわかった。また、d=20nmの場合には、d=60〜75nmが良い結果を与えることがわかった。マージンを含めると、(8,52)、(8,72)、(13,77)、(17,77)、(22,62)、(22,48)、(17,43)、(13,38)で囲まれた第4の領域(図では領域4と示す)の中で(12,68)、(18,68)、(18,52)、(12,52)で囲まれた第5の領域(図では領域5と示す)をのぞいた部分にある点が良い結果を与えると推定される。これ以外の場合にはRが小さく、実用に供するには、高感度の検出装置と理想的な構造の作製が必要である。
また、12(b)より、水中では、d=15nmの際には、d=30〜40nmが好ましいことがわかった。また、d=20nmの場合には、d=60〜70nmが良い結果を与えることがわかった。また、d=25nmの場合には、d=75〜80nmが良い結果を与えることがわかった。マージンを含めると、(13,13)、(13,32)、(23,77)、(27,77)、(27,72)、(27,58)、(22,42)、(18,43)、(17,13)で囲まれた第6の領域(図では領域6と示す)の中で(17,57)、(23,57)、(23,73)、(17,73)で囲まれた第7の領域(図では領域7と示す)をのぞいた部分にある点が良い結果を与えると推定される。すなわち、水中でも空気中とほぼ同様の条件で良好な感度が得られる。これ以外の場合にはRが小さく、実用に供するには、高感度の検出装置と理想的な構造の作製が必要である。
本実施の形態においても、MIM構造の基板を用いるので、第1及び第2の実施の形態と同様に、蛋白質やDNAなどが基板表面に結合・吸着した際に大きな反射率変化を与える新たな構造のバイオセンンシング用基板を提供できる。また、異常反射を用いることにより、単純な反射でバイオセンシングができ、バイオセンシングチップやその検出システムの低コスト化が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
例えば、以上の実施の形態では、媒質5が金の例を説明したが、その他の金属又は合金でも良い。また、基板下層5がガラスチップ、プラスチックチップ等の支持板上に形成されていても良い。また、媒質4がPMMAの例を説明したが、ガラス、SiO,MgF等その他の透明な誘電体を用いても良い。また、媒質3が金の例を説明したが、その他の異常反射を生じる金属又は合金、例えば金を主体とする合金又は銅を主体とする金属又は合金を用いても良い。また、媒質2を適宜選択可能であり、媒質2に対応して媒質1を空気又は水以外の気体又は液体でも良い。また、各媒質の膜厚、屈折率を適宜選択・調整可能である。
本発明は、バイオセンシングに利用される。
本発明におけるバイオセンシング用基板の構成例を示す図である。 媒質5が金で、周辺媒質が空気の場合、屈折率n=1.5の媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性の例を示す図である。 媒質5が金で、周辺媒質1が空気の場合について、dとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットした図である。 媒質5が金で、周辺媒質1が空気の場合、(d、d)座標系において、バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを示す図である。 MIM基板に媒質を形成したときの反射吸収スペクトルの測定例を示す図である。 媒質5が金で、周辺媒質が水の場合、屈折率n=1.5の媒質2が吸着した際の媒質3表面の反射率の波長依存性の例を示す図である。 媒質5が金で、周辺媒質1が水の場合について、dとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットした図である。 媒質5が金で、周辺媒質1が水の場合、(d、d)座標系において、バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを示す図である。 媒質5が銀、周辺媒質が空気の場合の反射吸収スペクトルのシミュレーション結果の例を示す図である。 媒質5が銀、周辺媒質が水の場合の反射吸収スペクトルのシミュレーション結果の例を示す図である。 媒質5が銀の場合、dとdの組み合わせに対してR/RとRの関係をプロットした図である。 媒質5が銀の場合、(d、d)座標系において、バイオセンシング用基板として適当である条件を満たす領域にある組み合わせを示す図である。 バイオセンシングの原理を説明するための図である。 表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンシングを説明するための図である。
符号の説明
1 周辺媒質(媒質1)
2 検出対象分子(アナライト、媒質2)
3 金属薄膜(媒質3)
4 誘電体薄膜(媒質4)
5 基板下層(媒質5)
6 リガンド
7 基板
10 バイオセンシング用基板
11 プリズム
12 金属薄膜
13 入射光
14 反射光
〜d 媒質2〜媒質4の膜厚
〜n 媒質1〜媒質5の屈折率
R 媒質2が存在する場合の反射率
媒質2が存在しない場合の反射率
SPs 伝搬型表面プラズモン
ΔR 反射率変化
θ 入射角
θr 共鳴角

Claims (5)

  1. 金属又は合金からなる基板下層と;
    前記基板下層上に形成された誘電体薄膜と;
    前記誘電体薄膜上に形成された異常反射を生じる金属薄膜又は合金薄膜とを備える:
    バイオセンンシング用基板。
  2. 前記金属薄膜又は合金薄膜が金又は銅を主体とする;
    請求項1に記載のバイオセンンシング用基板。
  3. 前記誘電体薄膜が透明である;
    請求項1又は請求項2に記載のバイオセンンシング用基板。
  4. 入射光に対する反射率が、検出対象分子の無いときをR、有るときをRとすると、Rが0.5%以上であり、R/Rが0.97%以下又は1.03%以上である;
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバイオセンンシング用基板。
  5. 前記金属薄膜又は合金薄膜の膜厚d(nm)及び誘電体薄膜の膜厚d(nm)が、(d、d)座標系において、(8,18)、(8,52)、(13,57)、(17,57)、(17,28)、(12,18)で囲まれた第1の領域、又は(8,63)、(8,72)、(12,72)、(12,63)で囲まれた第2の領域内にある;
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバイオセンンシング用基板。
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