JP2010090470A - 鉄系焼結合金およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度・高靭性であって、且つ長時間の焼結や特別な高温焼結を行うことなく安価に製造することができる鉄系焼結合金を提供する。
【解決手段】鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であって、前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有する。フェライト組織とマルテンサイト組織とからなる二相組織を有するので高強度かつ高靭性であり、しかも長時間の焼結や特別な高温焼結を行うことなく安価に製造することができる。
【選択図】なし
【解決手段】鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であって、前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有する。フェライト組織とマルテンサイト組織とからなる二相組織を有するので高強度かつ高靭性であり、しかも長時間の焼結や特別な高温焼結を行うことなく安価に製造することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、粉末冶金による鉄系焼結合金、特に自動車用高強度焼結部品に好適な鉄系焼結合金とその製造方法に関する。
機械部品などに使用される鉄系焼結合金は、鉄粉や合金鋼粉を主体とする原料粉末を金型で加圧成形した後、焼結することにより製造され、通常5.0〜7.2g/cm3程度の密度を有する。
機械部品のなかでも、特に自動車用ギヤなどには高強度、高靭性や高疲労強度が要求される。これらの部品を粉末冶金法で製造する場合には、強度、靭性および疲労特性を向上させるために、合金成分を添加する方法が一般的である。例えば、特許文献1では、純鉄粉にNi、Cu、Moなどの粉末を拡散付着させることによって合金化成分を添加している。
機械部品のなかでも、特に自動車用ギヤなどには高強度、高靭性や高疲労強度が要求される。これらの部品を粉末冶金法で製造する場合には、強度、靭性および疲労特性を向上させるために、合金成分を添加する方法が一般的である。例えば、特許文献1では、純鉄粉にNi、Cu、Moなどの粉末を拡散付着させることによって合金化成分を添加している。
また、特許文献2では、合金鋼粉末、鉄粉、炭素質粉末を混合調整してなる原料混合粉末において、C:0.10mass%以下、Si:5.0mass%以下、Mn:3.0mass%以下、Cr:3.0〜20mass%、O:1.0mass%以下の合金鋼粉末を用い、酸素量の低い高衝撃値の焼結体を得ている。
また、特許文献3では、焼結体の原料粉末として、粒度および組成の異なる2種類以上の鉄系粉末を用い、相対的に粒径の大きな粒子間に粒径の小さな粒子が充填され、ネック部(粒子間の結合部)の強度が高くなるようにするとともに、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化させるようにしている。
特公昭45−9649号公報
特開昭61−52302号公報
特開2006−233331号公報
また、特許文献3では、焼結体の原料粉末として、粒度および組成の異なる2種類以上の鉄系粉末を用い、相対的に粒径の大きな粒子間に粒径の小さな粒子が充填され、ネック部(粒子間の結合部)の強度が高くなるようにするとともに、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化させるようにしている。
しかしながら、特許文献1の製法で用いる原料粉は圧縮性に優れているが、合金元素(とりわけNi)の拡散が遅いことから、合金元素を鉄基地中に十分拡散させるためには、長時間の焼結が必要となる問題点がある。
また、特許文献2では、合金鋼粉末のCr量が3.0mass%以上と多く、且つ酸素量も高いため、焼結体の酸素量を低減するためには真空中での高温焼結が必要であること、また、焼結後に焼入れしているため組織が全部マルテントサイトになり、高靭性が得られないこと、などの問題がある。
また、特許文献3の焼結体は、微細な鉄系粉末を用いる必要があるため製造コストが高くなる。また、粒度の異なる粉末の偏析が生じる可能性があり、強度にバラツキを生じる一因となる。
また、特許文献2では、合金鋼粉末のCr量が3.0mass%以上と多く、且つ酸素量も高いため、焼結体の酸素量を低減するためには真空中での高温焼結が必要であること、また、焼結後に焼入れしているため組織が全部マルテントサイトになり、高靭性が得られないこと、などの問題がある。
また、特許文献3の焼結体は、微細な鉄系粉末を用いる必要があるため製造コストが高くなる。また、粒度の異なる粉末の偏析が生じる可能性があり、強度にバラツキを生じる一因となる。
したがって本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、高強度・高靭性であって、且つ長時間の焼結や特別な高温焼結を行うことなく安価に製造することができる鉄系焼結合金を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような鉄系焼結合金を安定的に製造することができる製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような鉄系焼結合金を安定的に製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、鉄粉と所定の合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形および焼結することで、鉄粉によりフェライト組織が、鉄系合金鋼粉によりマルテンサイト組織がそれぞれ形成されるようにすること、すなわち、フェライト−マルテンサイト二相組織となるようにすることにより、高強度かつ高靭性の鉄系焼結合金が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であって、前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有することを特徴とする鉄系焼結合金。
[2]上記[1]の鉄系焼結合金において、面積分率でフェライト組織が10〜60%、マルテンサイト組織が90〜40%であることを特徴とする鉄系焼結合金。
[3]上記[1]または[2]の鉄系焼結合金の製造方法であって、鉄粉と、焼結後の冷却でマルテンサイト組織になる合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することを特徴とする鉄系焼結合金の製造方法。
[1]鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であって、前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有することを特徴とする鉄系焼結合金。
[2]上記[1]の鉄系焼結合金において、面積分率でフェライト組織が10〜60%、マルテンサイト組織が90〜40%であることを特徴とする鉄系焼結合金。
[3]上記[1]または[2]の鉄系焼結合金の製造方法であって、鉄粉と、焼結後の冷却でマルテンサイト組織になる合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することを特徴とする鉄系焼結合金の製造方法。
本発明の鉄系焼結合金は、鉄粉により形成されるフェライト組織と、鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織とからなる二相組織を有するので高強度かつ高靭性であり、しかも長時間の焼結や特別な高温焼結を行うことなく安価に製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、そのような鉄系焼結合金を安定的に製造することができる。
本発明の鉄系焼結合金は、鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む(さらに必要に応じて、黒鉛粉などを含む)原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であり、前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有するものである。このような金属組織を有することにより、高強度かつ高靭性の鉄系焼結合金とすることができる。
さきに挙げた特許文献3は、焼結体の原料粉末として、粒度および組成の異なる2種類以上の鉄系粉末を用いる技術であるが、この技術の狙いは、相対的に粒径の大きな粒子間に粒径の小さな粒子が充填され、ネック部(粒子間の結合部)の強度が高くなるようにするとともに、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化させることにある。したがって、本発明のように、鉄粉により形成されるフェライト組織と、鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織とからなる二相組織の焼結合金を得るものではない。
さきに挙げた特許文献3は、焼結体の原料粉末として、粒度および組成の異なる2種類以上の鉄系粉末を用いる技術であるが、この技術の狙いは、相対的に粒径の大きな粒子間に粒径の小さな粒子が充填され、ネック部(粒子間の結合部)の強度が高くなるようにするとともに、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化させることにある。したがって、本発明のように、鉄粉により形成されるフェライト組織と、鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織とからなる二相組織の焼結合金を得るものではない。
本発明の鉄系焼結合金の原料粉末は、鉄系粉末として鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む。このうち鉄粉は鉄および不可避的不純物からなるので、焼結後の冷却において、その全部または主たる部分がフェライト組織となる。また、鉄系合金鋼粉は、焼結後の冷却でマルテンサイト組織となるような成分組成を有するので、焼結後の冷却において、その全部または主たる部分がマルテンサイト組織となる。
なお、原料粉末を構成する鉄粉および鉄系合金鋼粉や、原料粉末中に必要に応じて添加される黒鉛粉などの詳細については、鉄系焼結合金の製造方法の説明において詳述する。
なお、原料粉末を構成する鉄粉および鉄系合金鋼粉や、原料粉末中に必要に応じて添加される黒鉛粉などの詳細については、鉄系焼結合金の製造方法の説明において詳述する。
本発明の鉄系焼結合金の金属組織は、面積分率でフェライト組織(フェライト相)が10〜60%、マルテンサイト組織(マルテンサイト相)が90〜40%であることが好ましい。面積分率でフェライト組織が10%未満またはマルテンサイト組織が90%超では靱性が低下し、一方、フェライト組織が60%超またはマルテンサイト組織が40%未満では強度が低下する。
また、他の金属組織として、主として鉄系粉末(鉄粉、鉄系合金鋼粉)どうしの界面においてベイナイト相、パーライト相などが不可避的に生じる場合があり、このようなフェライト相とマルテンサイト相以外の金属組織の存在も少量であれば許容されるが、面積分率の合計で5%を上限とすることが好ましい。
金属組織の面積分率は、焼結合金の研磨断面のエッチング(例えば、3%ナイタールによるエッチング)した組織を、画像解析することにより測定することができる。
また、他の金属組織として、主として鉄系粉末(鉄粉、鉄系合金鋼粉)どうしの界面においてベイナイト相、パーライト相などが不可避的に生じる場合があり、このようなフェライト相とマルテンサイト相以外の金属組織の存在も少量であれば許容されるが、面積分率の合計で5%を上限とすることが好ましい。
金属組織の面積分率は、焼結合金の研磨断面のエッチング(例えば、3%ナイタールによるエッチング)した組織を、画像解析することにより測定することができる。
次に、本発明の鉄系焼結合金の製造方法について説明する。
この製造方法では、鉄粉と、焼結後の冷却でマルテンサイト組織になる合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含み、さらに必要に応じて黒鉛粉などを含む原料粉末を加圧成形した後、焼結する。
前記鉄粉は鉄および不可避的不純物からなり、例えば、水アトマイズ鉄粉、還元鉄粉、電解鉄粉などを用いることができるが、なかでも水アトマイズ鉄粉が圧縮性に優れるので好ましい。
前記鉄系合金鋼粉は、例えば、所定量の合金元素を含有する溶鋼を溶製し、これを水アトマイズして合金鋼粉(予合金化水アトマイズ合金鋼粉)としたものを用いることができる。水アトマイズの方法などに特別な制限はなく、公知の方法および装置を用いて行えばよい。水アトマイズして得られた合金鋼粉には、通常、水素中または真空中での還元処理、粉砕処理が施される。
この製造方法では、鉄粉と、焼結後の冷却でマルテンサイト組織になる合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含み、さらに必要に応じて黒鉛粉などを含む原料粉末を加圧成形した後、焼結する。
前記鉄粉は鉄および不可避的不純物からなり、例えば、水アトマイズ鉄粉、還元鉄粉、電解鉄粉などを用いることができるが、なかでも水アトマイズ鉄粉が圧縮性に優れるので好ましい。
前記鉄系合金鋼粉は、例えば、所定量の合金元素を含有する溶鋼を溶製し、これを水アトマイズして合金鋼粉(予合金化水アトマイズ合金鋼粉)としたものを用いることができる。水アトマイズの方法などに特別な制限はなく、公知の方法および装置を用いて行えばよい。水アトマイズして得られた合金鋼粉には、通常、水素中または真空中での還元処理、粉砕処理が施される。
予合金化水アトマイズ合金鋼粉などの鉄系合金鋼粉は、焼結後の冷却速度でマルテンサイト組織となるような組成とする。一般的なベルト焼結炉は、焼結後の冷却速度が10〜60℃/分程度なので、鉄系合金鋼粉の成分組成としては、Cr:0.5〜3.5mass%、Mn:0.05〜0.25mass%、Mo:0.1〜0.5mass%、V:0.2〜0.4mass%、O:0.3mass%以下が好ましい。
以下、この組成の限定理由について説明する。
・Cr:0.5〜3.5mass%
Crは、焼入性を向上させる元素であり、焼結後の冷却によりマルテンサイト変態させやすくし、引張強度を向上させる効果がある。この効果を得るためには、含有量は0.5mass%以上とすることが好ましい。しかし、3.5mass%を超えて含有させると圧縮性が低下し、一方において、3.5mass%を超えて含有させても強度向上効果が飽和し、却ってコスト上昇を招く。
以下、この組成の限定理由について説明する。
・Cr:0.5〜3.5mass%
Crは、焼入性を向上させる元素であり、焼結後の冷却によりマルテンサイト変態させやすくし、引張強度を向上させる効果がある。この効果を得るためには、含有量は0.5mass%以上とすることが好ましい。しかし、3.5mass%を超えて含有させると圧縮性が低下し、一方において、3.5mass%を超えて含有させても強度向上効果が飽和し、却ってコスト上昇を招く。
・Mn:0.05〜0.25mass%
Mnは、焼入性を向上させる元素であり、焼結後の冷却によりマルテンサイト変態させやすくし、引張強度を向上させる効果がある。この効果を得るためには、含有量は0.05mass%以上とすることが好ましい。しかし、0.25mass%を超えて含有させると圧縮性が低下するとともに、酸化物の生成が多くなって焼結を阻害し、強度を低下させる。
・Mo:0.1〜0.5mass%
Moは、焼入性向上、固溶強化、析出強化などによって、鋼の強度を向上させる元素であるが、含有量が0.1mass%未満ではその効果は小さく、一方、0.5mass%を超えると圧縮性が低下するため高密度が得られず、焼結体強度が低下する。
・V:0.2〜0.4mass%
Vは、析出硬化によって強度を向上させる元素であるが、含有量が0.2mass%未満ではその効果は小さい。一方、0.4mass%を超えると析出物が粗大化するため強度が低下する。
・O:0.3mass%以下
Oが0.3mass%を超えると、原料粉末の粒子表面の酸化膜が焼結を阻害し、強度と靱性を低下させる。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
Mnは、焼入性を向上させる元素であり、焼結後の冷却によりマルテンサイト変態させやすくし、引張強度を向上させる効果がある。この効果を得るためには、含有量は0.05mass%以上とすることが好ましい。しかし、0.25mass%を超えて含有させると圧縮性が低下するとともに、酸化物の生成が多くなって焼結を阻害し、強度を低下させる。
・Mo:0.1〜0.5mass%
Moは、焼入性向上、固溶強化、析出強化などによって、鋼の強度を向上させる元素であるが、含有量が0.1mass%未満ではその効果は小さく、一方、0.5mass%を超えると圧縮性が低下するため高密度が得られず、焼結体強度が低下する。
・V:0.2〜0.4mass%
Vは、析出硬化によって強度を向上させる元素であるが、含有量が0.2mass%未満ではその効果は小さい。一方、0.4mass%を超えると析出物が粗大化するため強度が低下する。
・O:0.3mass%以下
Oが0.3mass%を超えると、原料粉末の粒子表面の酸化膜が焼結を阻害し、強度と靱性を低下させる。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
前記鉄粉と鉄系合金鋼粉の配合比は、フェライト相とマルテンサイト相の所望の面積分率比に応じて決定すればよい。
黒鉛粉は、Cを鉄中に固溶させて強度を高めるために添加する。その配合量は0.2〜1.0mass%とするのが好ましい。黒鉛粉の配合量が0.2mass%未満ではその添加効果が少なく、一方、配合量が多すぎると鉄粉によるフェライト組織が得られにくくなり、特に1.0mass%を超えると粗大なセメンタイトが析出しやすく、強度、靭性ともに低下する。
原料粉末には、さらに必要に応じて、他の合金用粉末、潤滑剤などを配合することができる。
他の合金用粉末としては、例えば、銅粉、燐化鉄粉、ニッケル粉などが挙げられる。
また、潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、オレイン酸、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド等のような公知の潤滑剤が好適である。潤滑剤の配合量は、0.2〜1mass%程度とするのが好ましい。
黒鉛粉は、Cを鉄中に固溶させて強度を高めるために添加する。その配合量は0.2〜1.0mass%とするのが好ましい。黒鉛粉の配合量が0.2mass%未満ではその添加効果が少なく、一方、配合量が多すぎると鉄粉によるフェライト組織が得られにくくなり、特に1.0mass%を超えると粗大なセメンタイトが析出しやすく、強度、靭性ともに低下する。
原料粉末には、さらに必要に応じて、他の合金用粉末、潤滑剤などを配合することができる。
他の合金用粉末としては、例えば、銅粉、燐化鉄粉、ニッケル粉などが挙げられる。
また、潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、オレイン酸、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド等のような公知の潤滑剤が好適である。潤滑剤の配合量は、0.2〜1mass%程度とするのが好ましい。
原料粉末(原料の混合粉)は、金型で加圧成形した後、焼結する。
加圧成形は400〜1000MPa程度の圧力で、常温(約20℃)〜約160℃の温度で行うことが好ましい。成形方法に特別な制限はなく、公知の方法で行えばよい。例えば、原料粉末を室温とし、金型を50〜70℃に加熱する方法は、粉末の取扱いが容易で且つ成形体の密度(圧粉体密度)が向上するため好適である。また、原料粉末、金型ともに120〜130℃に加熱する、いわゆる温間成形も実施することができる。
成形体の焼結は、1100〜1300℃程度の焼結温度で行うことが好ましい。また、経済的な観点からは、安価で量産可能なメッシュベルト炉を用い、1160℃以下、より望ましくは1140℃以下の焼結温度で焼結を行うことが好ましい。焼結時間は10〜60分程度が特に好適である。メッシュベルト炉の他に、例えば、トレープッシャー式の焼結炉などを用いることも可能である。
本発明では、フェライト組織を維持できるような或いはフェライト組織が残存できるような条件であれば、焼結後に焼入れ等の熱処理を行ってもよい。
加圧成形は400〜1000MPa程度の圧力で、常温(約20℃)〜約160℃の温度で行うことが好ましい。成形方法に特別な制限はなく、公知の方法で行えばよい。例えば、原料粉末を室温とし、金型を50〜70℃に加熱する方法は、粉末の取扱いが容易で且つ成形体の密度(圧粉体密度)が向上するため好適である。また、原料粉末、金型ともに120〜130℃に加熱する、いわゆる温間成形も実施することができる。
成形体の焼結は、1100〜1300℃程度の焼結温度で行うことが好ましい。また、経済的な観点からは、安価で量産可能なメッシュベルト炉を用い、1160℃以下、より望ましくは1140℃以下の焼結温度で焼結を行うことが好ましい。焼結時間は10〜60分程度が特に好適である。メッシュベルト炉の他に、例えば、トレープッシャー式の焼結炉などを用いることも可能である。
本発明では、フェライト組織を維持できるような或いはフェライト組織が残存できるような条件であれば、焼結後に焼入れ等の熱処理を行ってもよい。
表1に示す配合比の鉄粉および鉄系合金鋼粉(Fe−3mass%Cr−0.3mass%Mo−0.3mass%V)に、黒鉛粉:0.6mass%、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉:0.8mass%を添加し、Vブレンダーで混合して原料粉末(混合粉)とした。この原料粉末を成形圧力590MPaで成形し、この成形体に90%N2−10%H2雰囲気中において1130℃×20分の条件で焼結を施し、焼結体とした。得られた焼結体について、引張強さ、衝撃値、金属組織(フェライト相、マルテンサイト相の各面積分率)を調べた。それらの結果を表1に併せて示す。なお、金属組織の面積分率については、数%の気孔を除いて算出した。
表1によれば、比較例1はフェライト−パーライト組織であり、引張強度が400MPa未満と低い。比較例2はマルテンサイト組織であり、衝撃値が18J/cm2以下と低い。これに対して発明例1〜4はフェライト−マルテンサイト組織であり、引張強度、衝撃値ともに高い値が得られている。なかでも発明例1〜3は、高強度・高靭性がとくにバランス良く実現されている。
表1によれば、比較例1はフェライト−パーライト組織であり、引張強度が400MPa未満と低い。比較例2はマルテンサイト組織であり、衝撃値が18J/cm2以下と低い。これに対して発明例1〜4はフェライト−マルテンサイト組織であり、引張強度、衝撃値ともに高い値が得られている。なかでも発明例1〜3は、高強度・高靭性がとくにバランス良く実現されている。
Claims (3)
- 鉄粉と鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することにより得られる鉄系焼結合金であって、
前記鉄粉により形成されるフェライト組織と、前記鉄系合金鋼粉により形成されるマルテンサイト組織を有することを特徴とする鉄系焼結合金。 - 面積分率でフェライト組織が10〜60%、マルテンサイト組織が90〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系焼結合金。
- 請求項1または2に記載の鉄系焼結合金の製造方法であって、
鉄粉と、焼結後の冷却でマルテンサイト組織になる合金組成を有する鉄系合金鋼粉を含む原料粉末を加圧成形した後、焼結することを特徴とする鉄系焼結合金の製造方法。
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| JP2008264514A JP2010090470A (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 鉄系焼結合金およびその製造方法 |
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