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JP2010083977A - プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック成形体およびその製造方法 - Google Patents

プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック成形体およびその製造方法 Download PDF

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JP2010083977A JP2008253666A JP2008253666A JP2010083977A JP 2010083977 A JP2010083977 A JP 2010083977A JP 2008253666 A JP2008253666 A JP 2008253666A JP 2008253666 A JP2008253666 A JP 2008253666A JP 2010083977 A JP2010083977 A JP 2010083977A
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plastic
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waste material
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Yasuhiko Uchiumi
康彦 内海
Eiichiro Nishio
英一郎 西尾
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減し、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材に、ゴム成分および/または難燃剤を添加する工程、または、ポリスチレン系樹脂を混合する工程を含むプラスチック廃材の再資源化方法、ならびに当該再資源化方法を含むプラスチック成形体の製造方法、それで得られたプラスチック成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック成形体およびその製造方法
に関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴ない、エアコンディショナ(本明細書において、以下、「エアコン」とも記載する。)、テレビジョン受信機(本明細書において、以下、「テレビ」とも記載する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品などの廃材の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行われる場合が多かった。
しかし、近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少し、プラスチックからなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチックは、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を発揮し、軽量で、耐久性が高いなどの多くの利点を有するためである。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃材は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なくなり、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチックからなる部材の割合が多くなっている。また、従来の鉄くずの回収ルートでは、このような廃材を再資源化しても採算が取れないため、対応が難しい状況になりつつある。
これらのプラスチックからなる部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチックからなる部材の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含むプラスチックの焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチックを含む廃棄物の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらのプラスチックからなる部材を備えた製品の廃棄物の再資源化が重要かつ緊急の課題となってきつつある。なお、本明細書においては、プラスチックからなる部材を、「プラスチック部材」とも呼称する。また、本明細書においては、プラスチック部材の廃棄物を「プラスチック廃材」とも呼称する。
上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。家電リサイクル法においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機の家電製品4品目のリサイクルが義務付けられ、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
そして、上記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック廃材の回収は進みつつある。回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用する、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、回収されたプラスチック廃材から、たとえば手作業で解体し、プラスチックの系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、上記のサーマルリサイクルと対比して、「マテリアルリサイクル」と言われている。
上述のようにしてプラスチックの系統ごとに分離されたプラスチック部材は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めることを目的として、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行なわれている。
しかしながら、プラスチック廃材、特に、家電製品および事務用機器などに使用されていたプラスチック廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点ですでに特性が低下しており、変色または退色などの外観上の特性の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下し、耐久性に乏しい材料になっていることが多い。そのため、プラスチック廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるプラスチックのバージン材の代替とはならず、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。
現在のところ、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケードリサイクルが主流となっている。そのため、プラスチック廃材から再生されるプラスチック成形体の用途が限られてしまい、サーマルリサイクルされているプラスチック廃材が大量にあるという問題がある。ここで、本明細書において、「バージン材」とは、未使用のプラスチックのことを意味するものとする。また、本明細書において、特性の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるバージン材の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、「カスケードリサイクル」と記載するものとする。
このような問題を克服するため、プラスチック廃材からのマテリアルリサイクルにより得られるプラスチック成形体の特性を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発がなされている。たとえば、プラスチック廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材を混合することによって特性を保持する方法が、数多く提案されている(たとえば、特開2000−159900号公報(特許文献1)、特開2001−26719号公報(特許文献2)、特開2003−160724号公報(特許文献3)などを参照。)。しかしながら、特許文献1〜3に開示されたようなマテリアルリサイクル方法においては、プラスチック廃材よりも多量のバージン材を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難い。
また、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のバージン材と、市場から回収されたスチレン系樹脂とを混合してなる成形体およびその造方法について提案がなされている(たとえば特開2003−49065号公報(特許文献4)、特開2006−137808号公報(特許文献5)、特開2006−297620号公報(特許文献6)などを参照。)。しかし、これらの提案においては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂はバージン材を使用すること、および、市場から回収されたスチレン系樹脂以外にスチレン系樹脂のバージン材も混合することから、バージン材の使用比率は多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難い。
特開2000−159900号公報 特開2001−26719号公報 特開2003−160724号公報 特開2003−49065号公報 特開2006−137808号公報 特開2006−297620号公報
上記のように、市場から回収されたプラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルによる再資源化方法であって、得られるプラスチック成形体の用途が広く、プラスチック部材またはその原料としても使用可能な特性を有するプラスチック成形体を得ることができる方法が望まれている。また、効率的かつ低コストのプラスチック廃材の再資源化方法の開発が強く望まれている。しかしながら、そのような再資源化方法は未だ知られていない。
また、最近は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display:FED)、電子ペーパーなどのフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)が身の回りの製品に搭載されてきており、たとえば、テレビ、パーソナルコンピュータ、モニター、ビデオ、カメラ、携帯電話、カーナビゲーション、情報携帯端末、小型ゲーム機など、様々な分野で幅広く利用されてきている。FPDの市場規模はその省電力、省スペース、軽量といった特性から、近年の高度情報化社会の進展に伴い急激に増加している。これに伴い、これらFPDの廃棄量も年々増加していくことが予想され、リサイクル活動などの環境活動において、リサイクル性向上等の要求が強くなってきている。
ところが、これらFPDは比較的新しい製品であること、また、現状は比較的廃棄物の量が少ないこともあり、ブラウン管テレビのようなリサイクルは実用化されていない。廃棄されたFPDは廃棄物の処理施設で破砕されて、シュレッダーダストとともに埋め立て処理あるいは焼却処理されているのが現状である。
加えて液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに代表される薄型テレビにおいては、近い将来、家電リサイクル法の適用品目として追加される動きもある。この場合、資源の有効活用や再商品化率向上などの観点から、当該製品のキャビネットなどに使用されているプラスチック廃材の再資源化方法の開発についても強く望まれている。しかしながら、上述したようにFPD製品や薄型テレビ製品は比較的新しい製品であり、その部品であるキャビネットのリサイクル技術についてもまだ確立されていないという状況にある。
たとえば、薄型テレビの一例である液晶テレビのキャビネットにおいては、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ材(アロイ樹脂)である変性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE+PS樹脂)がよく使用されている。この変性ポリフェニレンエーテル樹脂は耐久性、耐熱性、自消性に富み、機械的特性も非常に優れた材料の1つである。また、液晶テレビのキャビネット材料として使用されている変性ポリフェニレンエーテル樹脂には、比較的使用温度が高くなることから、発火防止、消火のための難燃化、成型加工性向上のための可塑化を目的として、主にリン酸エステル系難燃剤が添加されている。
液晶テレビのキャビネットには、変性ポリフェニレンエーテル樹脂の他にも、たとえばポリカーボネート樹脂およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂のアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)などが用いられる。これらの中で、PC+ABS樹脂は、主材の一つであるポリカーボネート樹脂が炭酸エステル構造を有しており、化学構造上加水分解を起こしやすく、特に、リン酸エステル系難燃剤との組み合わせにおいてはその性質が顕著となるため、バージン材と同等に特性を改善するのは難しい材料である。また、ABS樹脂およびHIPS樹脂は難燃剤として臭素系難燃剤を使用しているものが多いが、臭素系難燃剤はグレードによって非常に劣化しやすいため、リサイクルを考慮した場合、非常に難しい材料である。
一方、変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、湿熱環境化においても耐久性があり、樹脂そのものの劣化が非常に少ないため、リサイクルを考えた場合、バージン材を混合する必要がなく、ゴム成分や難燃剤の添加のみといった少ない労力で物性回復するため、非常にリサイクルに適した材料である。
しかしながら、上述したゴム成分や難燃剤などの添加剤として何を添加しても良いわけではなく、変性ポリフェニレンエーテル樹脂に相性がよく、また、リサイクル工程で扱い易い形状であることが望まれている。
上記の現状に基づき、本発明が解決しようとする課題は、マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減し、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することである。
さらに、本発明の別の課題は、プラスチック廃材から、マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を提供することにある。
本発明者らは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂の耐久性に着目し、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のバージン材を用いることなく、ゴム成分や難燃剤などの添加剤の添加のみで、十分にバージン材と同等の物性に回復することを確認した。さらに、添加するゴム成分や難燃剤においては、耐久性があり、かつ、リサイクル工程においても取り扱いやすい形状のものを添加することで、繰り返しマテリアルリサイクルが可能であることを見出し、プラスチック廃材の再資源化方法を開発すべく物性についての実験を行ない鋭意検討を重ねた。すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材に、ゴム成分および/または難燃剤を添加する工程を含むことを特徴とする(以下、当該方法を「第1の再資源化方法」と呼称する。)。
本発明の第1の再資源化方法におけるゴム成分は、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体であることが好ましい。この場合、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体は、スチレン成分5〜60重量%に対し、エチレン・ブチレン成分95〜40重量%の重量比率であることがより好ましい。
本発明の第1の再資源化方法においては、プラスチック廃材100重量部に対し1〜10重量部となる割合で前記ゴム成分を添加することが好ましい。
また本発明の第1の再資源化方法における難燃剤は、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤であることが好ましい。この場合、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤は常温で固体状であることが好ましい。
本発明の第1の再資源化方法においては、プラスチック廃材100重量部に対し1〜30重量部となる割合で前記難燃剤を添加することが好ましい。
本発明はまた、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材にポリスチレン系樹脂を混合する工程を含む、プラスチック廃材の再資源化方法についても提供する(以下、当該方法を「第2の再資源化方法」と呼称する。)。
本発明の第2の再資源化方法において、アロイ樹脂に混合させるポリスチレン系樹脂は、バージン材、プラスチック廃材から得られたもののいずれであってもよい。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、アロイ樹脂の廃材およびポリスチレン系樹脂の廃材の少なくともいずれかが、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかであるか、または、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品であることがより好ましい。また、フラットパネルディスプレイが搭載された製品は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることが、好ましい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を含む、プラスチック成形体の製造方法についても提供する。
本発明はさらに、上述した本発明のプラスチック成形体の製造方法により製造された、プラスチック成形体についても提供する。本発明のプラスチック成形体は、マテリアルリサイクルされる製品に用いられることが好ましく、この場合、マテリアルリサイクルされる製品は、家電製品と、OA機器と、電機電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかであるか、または、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品であることが好ましい。また、フラットパネルディスプレイが搭載された製品は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることがより好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のバージン材を配合する必要がないため、新たな化石資源の使用削減に寄与できる。また、マテリアルリサイクルを行うため、サーマルリサイクルと異なり、温暖化ガス発生の抑制にもつながる。また、添加剤の処方で繰り返しマテリアルリサイクルが可能であるため、少ない労力で安定的なリサイクル継続が可能であり、資源有効利用の促進が可能となる。そして、本発明のプラスチック成形体の製造方法により、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有するプラスチック成形体を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい一例のプラスチック廃材の再資源化方法を示すフローチャートである。ここで、本発明の第1の再資源化方法は、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂で形成されたプラスチック廃材(以下、「変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材」とも呼称する)に、ゴム成分および/または難燃剤を添加する工程を含むことを特徴とする。また本発明の第2の再資源化方法は、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材に、ポリスチレン系樹脂を混合する工程を含むことを特徴とする。なお、本発明における変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材に含まれるポリスチレン系樹脂、ならびに、第2の再資源化方法において添加されるポリスチレン系樹脂は、汎用ポリスチレン(GPPS)樹脂および/または耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂が好ましい。
このように本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、上述した第1の再資源化方法、第2の再資源化方法に応じて、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂で形成されたプラスチック廃材に、ゴム成分および/または難燃剤(第1の再資源化方法)、または、ポリスチレン系樹脂(第2の再資源化方法)を混合する工程(図1に示す例では、混合工程(ステップS8))を少なくとも含んでいればよい。図1には、この混合工程(ステップS8)の前に、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材回収工程(ステップS1)と、異材質物の除去工程(ステップS2)と、破砕工程(ステップS3)と、洗浄工程(ステップS4)と、乾燥工程(ステップS5)と、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材のロット検査工程(ステップS6)と、特性改善処方決定工程(ステップS7)とをこの順で含み、また、混合工程(ステップS8)の後に、ペレット製造工程(ステップS9)と、成形体製造工程(ステップS10)を示している。たとえば、廃液晶テレビキャビネットから、上記プラスチック廃材を得た場合、再び、同一部材に再資源化するなど高度なリサイクルを行う場合、このプラスチック廃材は同材質のバージン材同等の高い特性が要求されることから、本発明の再資源化方法は、図1に示す例のような各ステップを含むことが好ましい。以下、図1に示す場合を例に挙げて、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法について詳細に説明する。
図1に示す例では、まず、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材回収工程(ステップS1)において、該廃材を回収する。該廃材は、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。また、最近、拡大基調にあるフラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなど)が搭載された製品から回収されるプラスチック廃材にも適用でき、効率的なプラスチック廃材の再資源化を図ることができる。家電製品としては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機などからなる群から選ばれる製品が挙げられ、特に、液晶テレビ、複写機などに使用される難燃剤を使用するプラスチックからなる部材も含まれる。また、フラットパネルディスプレイが搭載された製品としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。
該廃材は、液晶テレビのキャビネットとして用いられていることが多い。この場合、キャビネットは通常、複数本のビスで固定されているため、ドライバーを用いてビスを外すことにより筐体を取り外すことができる。
次に、異材質物除去工程(ステップS2)において、キャビネットとは異なる材質のもの(以下、「異材質物」と呼称する)を除去する。異材質物としては、たとえば、キャビネットに取り付けられたシール、ロゴバッチ、振動防止用テープ、コード結束用バンドなどが挙げられる。また前部のキャビネットには塗装が施されていることが多いが該塗膜も異材質物である。これら異材質物の混入は物性低下要因となるため除去することが好ましい。キャビネットから異材質物を除去する方法としては、切削、研磨などの機械的方法や、薬品を用いた除去など、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。
続く破砕工程(ステップS3)では、キャビネットを10mm程度に破砕する)。その後、洗浄工程(ステップS4)において、キャビネット破砕物を洗浄し、付着している汚れ、埃、異物などを除去する。該キャビネット破砕物を洗浄する方法は、破砕した樹脂同士をこすり合わせることにより異物などを除去する乾式方法や、水洗浄などの湿式方法が挙げられるが、その方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。
次に、乾燥工程(ステップS5)において、洗浄したキャビネット破砕物を乾燥する。変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂は、湿熱環境に耐性があり、水分を含んでいても物性低下を起こすことは少ないが、外観仕上がりを考慮した場合、乾燥を行うことが好ましい。乾燥条件としては、たとえば、80℃で3〜5時間程度であるが特に限定はされない。また、乾燥設備についても、恒温器、除湿乾燥機、熱風乾燥機などが挙げられるが、これについても特に限定はされない。
続くロット検査工程(ステップS6)では、上記乾燥工程(ステップS5)を経た変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材について、少量を抜き取りロット検査を行う。これにより、廃材の特性を把握し、特性改善処方を組むことが可能となる。検査項目としては、たとえば引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などの機械物性や流動特性、難燃特性などが挙げられる。変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂は、樹脂自体劣化しにくいため、廃材の機械物性低下は少ないが、ゴム成分、難燃剤などの添加剤の劣化の可能性はあることから、上述したような検査項目によって総合的に特性把握をしておくことが好ましい。
次に、特性改善処方決定工程(ステップS7)において、上記ロット検査工程(ステップS6)における検査結果に応じて、特性改善処方を決定する。ここで、上述した第1の再資源化方法の場合、特性改善処方において添加する添加剤としてゴム成分および/または難燃剤を用いる。
第1の再資源化方法において用いられるゴム成分としては、スチレンとブタジエンの共重合体に水素を添加したスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体であることが好ましい。スチレンとブタジエンの共重合体はブタジエンの二重結合部が製品の長期使用により劣化し、ゴムの特性である衝撃特性が低下してしまう。一方、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体の場合は、二重結合部が水素添加により飽和されているため、耐熱性、耐候性に非常に優れたゴム成分であり、繰り返しマテリアルリサイクルを考慮した場合も有効である。このようなゴム成分としては、たとえば、タフテックH1272(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1221(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1062(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1043(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1052(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1053(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1041(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1051(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1031(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックH1141(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックM1911(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックM1913(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックM1943(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックP1000(旭化成ケミカルズ株式会社製)、タフテックP200(旭化成ケミカルズ株式会社製)などが挙げられるが、これらはほんの一例であって、これらに限定されるものではない。
また、市場でキャビネット用材料として実績のある変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂と相性の良いスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体としては、前記スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体が、スチレン成分5〜60重量%に対し、エチレン・ブチレン成分95〜40重量%の重量比率であることが好ましい。スチレン成分が60重量%を超え、エチレン・ブチレン成分が40重量%未満の場合、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂の主材の一つであるポリスチレン系樹脂との相溶性は良いが、相対的にゴム成分であるエチレン・ブチレン成分比が少なくなるため、所望の衝撃特性が得られない場合がある。一方、スチレン成分が5重量%未満で、エチレン・ブチレン成分比が95重量%を超える場合、今度は逆に、ゴム成分が過多となり、剛性が低下する可能性およびスチレン成分が少なすぎるため、主材の一つであるポリスチレン系樹脂との相溶性が悪くなる虞がある。
これら剛性、衝撃特性、相溶性など、全体の物性を考慮した場合、前記スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体の重量比率が、スチレン成分が略42重量%に対し、エチレン・ブチレン成分が略58重量%であることがなお好ましい。
また、上述したゴム成分(好ましくはスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体)は、上記変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材100重量部に対し1〜10重量部となる割合で上記ゴム成分を添加することが好ましい。ゴム成分の添加量が廃材100重量部に対し1重量部未満では、衝撃特性向上の効果が少なく、また、ゴム成分の添加量が廃材100重量部に対し10重量部を超えると、過剰添加により剛性が低下してしまう傾向にあり、また経済的にも有効ではない。なお、剛性、衝撃特性、経済面など総合的な観点からは、廃材100重量部に対し、1〜3重量部となる割合で上記ゴム成分(好ましくはスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体)に添加することが好ましい。
また第1の再資源化方法において用いられる難燃剤としては、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤が好ましい。ここで、現在、市場でキャビネット用材料として実績のある変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材に元々(バージン材)から添加されている難燃剤は芳香族縮合リン酸エステル系の中でも、常温で液体状態であるものがほとんどである。元々(バージン材)から添加されている難燃剤は例えば、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェートが挙げられる。具体的には、CR−733S(大八化学工業株式会社製)、CR−741(大八化学工業株式会社製)が挙げられる。これらは、従来リン系難燃剤としてよく用いられていたトリフェニルフォスフェートやトリキシレニルフォスフェートなどと比べ、耐熱性、耐加水分解性に優れるが、常温で粘性の高い液体であるため、ハンドリングや添加(混合)工程で扱いにくいといった課題が残る。また、繰り返しマテリアルリサイクルを考慮した場合、耐熱性、耐加水分解性など、耐久性においては必ずしも十分とはいえない。
ここで、リサイクル工程での取扱を考慮した場合、第1の再資源化方法において用いられる難燃剤としては、常温で固定である芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤が好ましい。このように常温で固定である芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤として、たとえば、1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、4,4’−ビフェニレン−テスラキス〔2,6−ジメチルフェニル〕ホスフェートなどを挙げることができる。具体的には、PX−200(大八化学工業株式会社製)、PX−201(大八化学工業株式会社製)、PX−202(大八化学工業株式会社製)などが挙げられる。
さらに、耐加水分解性など、耐久性を考慮した場合には、4,4’−ビフェニレン−テスラキス〔2,6−ジメチルフェニル〕ホスフェートを用いることが特に好ましい。但し、これはほんの一例であって、特に限定されるものではない。
また上述した難燃剤は、上記変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材100重量部に対し1〜30重量部となる割合で上記ゴム成分を添加することが好ましい。難燃剤の添加量が廃材100重量部に対し1重量部未満である場合には、難燃特性向上の効果が少ない虞があるためであり、また、難燃剤の添加量が廃材100重量部に対し30重量部を超えると、可塑傾向が過剰になり剛性や耐熱性が低下してしまう傾向にあり、また、経済的にも有効ではない。
また、上述した第2の再資源化方法においては、ゴム成分、難燃剤に代えて、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材にポリスチレン系樹脂を混合する。変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂はポリフェニレン樹脂とポリスチレン系樹脂が完全相溶しており、ポリスチレン系樹脂とは非常に相性が良い。これまでも、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂バージン材とポリスチレン系樹脂の混合例は多数あったが、このように、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材とポリスチレン系樹脂の混合例はこれまで見られなかった。
この場合、ポリスチレン系樹脂はバージン材であっても、プラスチック廃材から得られたものであってもよいが、資源有効利用の観点からすれば、ポリスチレン系樹脂は廃材であることが好ましい。ポリスチレン系樹脂は成形性、外観特性が非常に良く、様々な製品の筺体に使用されているため、廃材としては多岐にわたるが、たとえば、家電製品、OA機器、電気電子部品の筺体などに多く用いられている。また、最近拡大基調にある、FPD製品においては、液晶テレビやプラズマテレビの筺体などにも多く用いられており、これら筺体などからポリスチレン系樹脂廃材を十分に回収可能である。
ここで、ポリスチレン系樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材100重量部に対し、どのような割合で混合しても構わない。ポリフェニレンエーテル成分とポリスチレン系成分はどのような割合で混合しても相溶するため、混合割合を特定する必要はない。たとえば耐熱性をより重視するのであれば、ポリフェニレンエーテル成分の割合を増やすように混合すればよい。また、たとえば、樹脂の成型性を重視するのであれば、ポリスチレン成分の割合を増やすように混合すればよい。
次に、混合工程(ステップS8)において、上記特性改善処方決定工程(ステップS7)において決定した特性改善処方に基づいて、変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材に、ゴム成分および/または難燃剤(第1の再資源化方法の場合)、ポリスチレン系樹脂(第2の再資源化方法の場合)を混合する。
続くペレット製造工程(ステップS9)では、上述した混合工程(ステップS8)で混合した変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂廃材と、ゴム成分および/または難燃剤(第1の再資源化方法の場合)、ポリスチレン系樹脂(第2の再資源化方法の場合)との混合物を加熱溶融し、ペレット状の成形用樹脂原料を製造する。ペレット製造は、押出成形機により行なうことができる。押出成形機は、特に限定されるものではなく、たとえば単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などを好ましく使用することができる。
混合工程(ステップS8)で得た混合物をペレット状に成形してマテリアルリサイクルする場合には、押出成形した後に、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法により造粒することができる。また、後で射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑に行なえ、大量に処理できる点で、アンダーウォーターカット法が特に好ましい。
ペレットの粒径は1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。また、ペレットの粒径は8mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下しやすく、ペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダ内で充分に溶融しないため、均一な混練が困難になりやすい。
上述した成形用樹脂原料の形状は、ペレット状に限定されず、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形態とすることができる。したがって、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定することができる。また、上述した成形用樹脂原料には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加することができる。
なお、プラスチック部材の製造工程を簡略化するため、ペレット状などに成形することなく、破砕したプラスチックなどを射出成形機にそのまま投入し、プラスチック部材を直接作製することもできるが、ゴム成分や難燃剤などを混合する場合は、押出加工を行う方が均一にブレンドできるため、押出加工によるペレット製造を行うことが好ましい。
次に、成形体製造工程(ステップS10)において、上述したペレット製造工程(ステップS9)で製造したペレット状の樹脂原料を射出成形機で加熱溶融し、プラスチック成形体を製造する。射出成形機としては、特に限定されるものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機またはプランジャ式射出成形機などが挙げられる。
本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を含むプラスチック成形体の製造方法についても提供する。本発明のプラスチック成形体の製造方法における上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法以外の工程は、適宜公知の工程を組み合わせることができ、特に制限されるものではない。さらに、本発明は、上述した本発明のプラスチック成形体の製造方法により製造されたプラスチック成形体についても提供する。
本発明のプラスチック成形体は、マテリアルリサイクルされる製品に用いられるものであることが好ましく、この場合、マテリアルリサイクルされる製品は、家電製品と、OA機器と、電機電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。またマテリアルリサイクルされる製品は、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品であってもよく、この場合、フラットパネルディスプレイが搭載された製品は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることが、好ましい。
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1:スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体の成分比率検討>
現在、液晶テレビのキャビネット材などに使用されている、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂からなるアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂は、市場されてからほとんど時間が経過していない(1年程度)。よって、ユーザー使用による経年劣化はほとんどないと予想されるため、本発明者らはプラスチック廃材を下記手順で擬似的に作製した。
まず、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂からなるアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE+PS)のバージンペレット(ザイロンTV08J(旭化成ケミカルズ株式会社製):以下、「PPE+PSバージン材」)を用意し、80℃にて3時間、除湿乾燥機((株)松井製作所製)にて乾燥後、10トン射出成形機(日精樹脂工業(株)製)にて、成形温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で、成形体を作製した。
次に、この成形体を室温80℃、湿度95%RHに設定した恒温恒湿器(LH−113、エスペック(株)製)に800h投入し劣化を促進させた。これを擬似的なプラスチック廃材(以下、「PPE+PS廃材」)とし、破砕機にて破砕した。
次に、スチレンとエチレン・ブチレンの重量比率の異なるスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体を数種用意した。具体的には、(1)タフテックH1052(旭化成ケミカルズ株式会社製)(スチレン/エチレン・ブチレン重量比=20/80)、(2)タフテックH1041(旭化成ケミカルズ株式会社製)(スチレン/エチレン・ブチレン重量比=30/70)、(3)タフテックH1051(旭化成ケミカルズ株式会社製)(スチレン/エチレン・ブチレン重量比=42/58)、(4)タフテックH1043(旭化成ケミカルズ株式会社製)(スチレン/エチレン・ブチレン重量比=67/33)の4種を用意した。
次に、先程のPPE+PS廃材の破砕物1kgずつを袋に入れ、これを5袋用意した。これに上述したスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体((1)タフテックH1052、(2)タフテックH1041、(3)タフテックH1051、(4)タフテックH1043を、先程のPPE+PS廃材の破砕物1kgが入った袋に、1袋に1種類ずつ3重量部(30g)添加し、PPE+PS廃材の破砕物に均一に混ざるよう混合した(実施例1〜4)。何も添加していない1袋は比較サンプルとして用いた(比較例1)。
次に、この5サンプルについて、スクリュー径25mm、L/D=26の二軸溶融混練押出機((株)テクノベル製))を用いて、設定温度260℃で加熱溶融混練するとともに押出成形し、ペレタイザーを用いてカットし、ペレット状の成形用樹脂原料を得た。
最後に、上述した10トン射出成形機(日精樹脂工業(株)製)にて、成形温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で再成形し、ASTM準拠の物性測定用試験片を作製した。また、面衝撃強度測定のために、厚み3mmの物性測定用試験片も作製した。ここで、PPE+PSバージン材についても上述の試験片を作製し、比較サンプルとした(比較例2)。そして、これら各試験片を用いて、後述する引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、面衝撃強度を測定した。
<物性測定方法>
(1)引張強度(MPa)および伸び(%)
JIS K7113の規定に準拠して、引張破断点降伏強さ、引張破断点伸びとしてそれぞれ測定した。なお、「引張強度」、「伸び」とは、材料を一定の速度で引張、応力と歪との関係を求めるもので、伸長された材料は、はじめに弾性変形をし、その後塑性変形をはじめ、極大強度に達し、さらに降伏点を超えるとネッキングを生じ、破断に至る。応力の一番大きいところ(最大点応力)を「引張強度」、破断したときの歪(破断点伸び)を「伸び」としている。
(2)曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)
JIS K7203の規定に準拠してそれぞれ測定した。なお、「曲げ強度」、「曲げ弾性率」とは、2点で支えた試験片の中心に応力をかけることにより、応力と歪との関係を求めるものである。応力の一番大きいところを「曲げ強度」、応力−歪曲線の傾きを「曲げ弾性率」としている。
(3)ノッチ付アイゾット衝撃強度(KJ/m2
JIS K7110の規定に準拠して測定した。
(4)面衝撃強度(cm)
JIS K7211の規定に準拠して測定した。
実験例1の物性測定結果を表1に示す。表1から、タフテックH1051(スチレン/エチレン・ブチレン重量比=42/58)を添加したPPE+PS廃材が、物性のバランスが最も良く、最適であることがわかった。
Figure 2010083977
<実験例2:スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体の添加量検討>
次に、実験例1で用いたPPE+PS廃材と、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(タフテックH1051、旭化成ケミカルズ株式会社製)を用意し、その添加量について検討した。具体的方法は下記に示す。
まず、PPE+PS廃材の破砕物1kgずつを袋に入れ、これを5袋用意した。そして、上述のH1051を(1)1重量部(10g)、(2)3重量部(30g)、(3)5重量部(50g)、(4)10重量部(100g)の4種類用意し、先程のPPE+PS廃材1kgが入った袋に、1袋に1種類ずつ添加し、PPE+PS廃材の破砕物に均一に混ざるよう混合した(実施例5〜8)。何も添加していない1袋は比較サンプルとして用いた(比較例3)。その後は実験例1と同一の実験を行った。
実験例2の物性測定結果を表2に示す。結果、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体の添加量は1〜3重量部が物性バランスとして最適であることがわかった。また、添加量が5重量部および10重量部の場合については、曲げ弾性率の低下が大きくなりつつあった。
Figure 2010083977
<実験例3:難燃剤の混合作業検討>
次に、実験例1で用いたPPE+PS廃材の破砕物1kgずつを袋に入れ、これを2袋用意した。そして、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤であるPX−202(大八化学工業株式会社製)(常温で固体)およびCR−741(大八化学工業株式会社製)(常温で液体)を用意し、先程のPPE+PS廃材1kgが入った袋に、1袋に1種類ずつ3重量部(30g)添加し、袋を密封、株式会社プラテック製タンブラー(SKD−15)にて5分攪拌し混合した。結果、PX−202は常温で固体(粉体)のため、PPE+PS廃材の破砕物に均一に混合されたが、CR−741の方は粘性の高い液体であることもあり、均一に混ざっていない箇所が多く見られた。
<実験例4:難燃剤の耐加水分解性評価>
次に実験例1で用いたPPE+PSバージン材を使用し、難燃剤の耐加水分解性評価を実施した。難燃剤はPX−202(大八化学工業株式会社製)およびCR−741(大八化学工業株式会社製)を使用した。実験方法詳細を下記に示す。
まず、PPE+PSバージン材1kgずつを袋に入れ、これを2袋用意した。そして、(1)PX−202、(2)CR−741を先程のPPE+PSバージン材1kgが入った袋に、1袋に1種類ずつ10重量部(100g)添加し、手作業で均一に混ざるまで混合した(実施例9、10)。この2種類のサンプルについて、実験例1で用いた二軸溶融混練押出機((株)テクノベル製))を用いて設定温度260℃で加熱溶融混練するとともに押出成形し、ペレタイザーを用いてカットし、ペレット状の成形用樹脂原料2サンプルを得た。そして、この2サンプルについて、121℃、100%RH、2気圧、6時間にて、プレッシャークッカー試験を行った。プレッシャークッカー試験はEHS−410M(エスペック株式会社製)を使用した。プレッシャークッカー試験終了後、サンプルを取り出し、JIS K7210に準拠してメルトフローレート(MFR)を測定した(メルトフローテスター、CEAST製)。測定条件として、樹脂溶融温度を250℃とし、荷重錘を5kg一定とした。結果を表3に示す。結果、PX−202を添加したサンプルはCR−741のそれと比べ、MFRが小さくなった。これは、PX−202がCR−741よりも加水分解しにくく、耐久性があることに起因している。
Figure 2010083977
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、家電製品やOA機器や電気・電子部品から回収されたプラスチック廃材の再資源化方法に限定されるものではなく、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂からなるアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)樹脂)により構成される部材を備える製品であれば、どのような製品にも好適に適用可能である。
今回開示された実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材を効率よくマテリアルリサイクルすることができ、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることが可能となり、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のバージン材を配合する必要がないため、新たな化石資源の使用削減に寄与できる。また、マテリアルリサイクルを行うため、サーマルリサイクルと異なり、温暖化ガス発生の抑制にもつながる。また、添加剤の処方で繰り返しマテリアルリサイクルが可能であるため、少ない労力で安定的なリサイクル継続が可能であり、資源有効利用の促進が可能となる。そして、本発明のプラスチック成形体の製造方法により、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有するプラスチック成形体を提供することができる。
そして、本発明のプラスチック成形体の製造方法により、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有するプラスチック成形体を提供することができる。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を示すフローチャートである。

Claims (19)

  1. ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材に、ゴム成分および/または難燃剤を添加する工程を含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
  2. 前記ゴム成分が、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体である、請求項1に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  3. スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体が、スチレン成分5〜60重量%に対し、エチレン・ブチレン成分95〜40重量%の重量比率である、請求項2に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  4. プラスチック廃材100重量部に対し1〜10重量部となる割合で前記ゴム成分を添加する、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  5. 前記難燃剤が、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤である、請求項1に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  6. 前記芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤が常温で固体状である、請求項5に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  7. プラスチック廃材100重量部に対し1〜30重量部となる割合で前記難燃剤を添加する、請求項1、5、6のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  8. ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ樹脂である変性ポリフェニレンエーテル樹脂で形成されたプラスチック廃材にポリスチレン系樹脂を混合する工程を含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
  9. 前記アロイ樹脂に混合させるポリスチレン系樹脂がバージン材である、請求項8に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  10. 前記アロイ樹脂に混合させるポリスチレン系樹脂がプラスチック廃材から得られたものである、請求項8に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  11. 前記アロイ樹脂の廃材およびポリスチレン系樹脂の廃材の少なくともいずれかが、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜8、10のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  12. 前記アロイ樹脂の廃材およびポリスチレン系樹脂の廃材の少なくともいずれかが、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品である、請求項1〜8、10のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  13. 前記フラットパネルディスプレイが搭載された製品が、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかである、請求項12に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を含む、プラスチック成形体の製造方法。
  15. 請求項14に記載のプラスチック成形体の製造方法により製造された、プラスチック成形体。
  16. マテリアルリサイクルされる製品に用いられる、請求項15に記載のプラスチック成形体。
  17. マテリアルリサイクルされる製品が、家電製品と、OA機器と、電機電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項16に記載のプラスチック成形体。
  18. マテリアルリサイクルされる製品が、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品である、請求項16に記載のプラスチック成形体。
  19. フラットパネルディスプレイが搭載された製品が、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかである、請求項18に記載のプラスチック成形体。
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