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JP2010083803A - 金微粒子とその製造方法、およびその用途 - Google Patents

金微粒子とその製造方法、およびその用途 Download PDF

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JP2010083803A JP2008254675A JP2008254675A JP2010083803A JP 2010083803 A JP2010083803 A JP 2010083803A JP 2008254675 A JP2008254675 A JP 2008254675A JP 2008254675 A JP2008254675 A JP 2008254675A JP 2010083803 A JP2010083803 A JP 2010083803A
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琢郎 新留
Yasuro Niitome
康郎 新留
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健 森
Yoshiki Katayama
佳樹 片山
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Kyushu University NUC
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Abstract

【課題】特定の有機物が結合したロッド形状の金微粒子と、該金微粒子を目標部位へ集積させる方法とその応用技術を提供する。
【解決手段】分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的物質と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているナノサイズのロッド形状の金微粒子(金ナノロッド)、および、ペプチドが標的物質により認識され、特異的に結合することにより、標的物質の発現している特定部位に該金微粒子を凝集させる方法、および該方法を利用した治療方法等。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているロッド形状の金微子(金ナノロッド)と、その製造方法と、その集積方法、およびその用途に関する。
本発明は、より具体的には、分散媒に相溶する部位を含み分子量の異なる2種の高分子で金ナノロッドを修飾して分散媒中で金ナノロッドを安定に分散するものであり、分子量の大きな高分子にペプチドを導入しておくことで、高分子中へのペプチド部位の埋没を防ぎ、ペプチドが標的物質から認識される確率を高めた金ナノロッドとその製造方法であり、標的物質に結合し金ナノロッドが集積することを利用した標的物質の検出方法と金ナノロッドの標的部位への集積方法、金ナノロッドが集積した部位のフォトサーマル治療やバイオイメージング、そして標的物質が存在する部位への薬物輸送方法として有用である。
溶媒中に分散した金属微粒子に光を照射すると局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon resonance:LSPR)と呼ばれる共鳴吸収現象が生じる。この吸収現象は金属の種類と形状、そして金属微粒子周囲における媒体の屈折率によって吸収波長が決定される。例えば、球状の金微粒子が水に分散した場合は530nm付近に吸収域を持ち、金微粒子の形状を短軸10nm程度のロッド状(金ナノロッド)にすると、ロッドの短軸に起因する530nm付近の吸収の他に、ロッドの長軸に起因する長波長側の吸収を有することが知られている(非特許文献1)。
これらの金属微粒子分散液は、低分子化合物や高分子化合物を保護剤として金属微粒子表面に吸着ないし結合させることによって、金属微粒子が凝集することなく安定に溶媒に分散させることができる。特に金ナノロッドは形状の変化や凝集状態変化、金ナノロッド周辺の環境によって分光特性が変化する特異な金微粒子であり(非特許文献2、3、4)、近赤外光をプローブとして用いる新しい分光分析の材料として可能性がある。
金ナノロッドはアスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)が1より大きいロッド状のナノサイズの金微粒子であり、例えば、カチオン性界面活性剤である第四級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)に溶解した水中で合成され、CTAB水溶液中の金イオンを化学還元、電気還元、光還元などによって合成することが可能であり、合成した金ナノロッドはCTABの保護作用によって水中で安定に分散している(特許文献1、2、3、4)。
近年、金ナノロッドにアビジン−ビオチン、抗原−抗体などの相互作用による目的物質への特異的な吸着反応を利用した研究が報告されており、抗体を介してがん細胞に金ナノロッドを取り込ませることによって、金ナノロッドの二光子発光によるがん細胞のイメージングが可能であることが報告されている(非特許文献5)。
また、αvβ3インテグリンに特異的に認識されるペプチドについて、環状RGD(アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D))ペプチドが高い選択性を示すことが報告されている(非特許文献6、特許文献5、6、7、8、9、10)。さらに、金微粒子、RGDペプチド、インテグリンの組成物が報告されている(特許文献11)。
さらに、α−メトキシ−ω−メルカプトポリエチレングリコールを修飾した金ナノロッドをバイオマーカーとしてマウスに注入し、一定時間経過後に血中や各器官を分別採取しそれぞれの部位における金ナノロッドの濃度を測定することによって、ポリエチレングリコール(PEG)修飾した金ナノロッドの血液中での分散安定性が報告されている(非特許文献7)。また、チオプロニン保護した金微粒子にPEG部位を有する分子鎖を介してRGD配列を含むGRGDSPペプチドを導入し、分子鎖の化学構造の違いによる細胞への結合挙動が報告されている(非特許文献8)。
S.Link,M.B.Mohamed,M.A.El-Sayed,J.Phys.Chem.B,103,p3073(1999) K.Honda,Y.Niidome,N.Nakashima,H.Kawazumi,S.Yamada,Chem.Lett.,35,p854(2006) Y.Niidome,H.Takahashi,S.Urakawa,K.Nishioka,S.Yamada,Chem.Lett.,33,p454(2004) S.Link,M.A.El-Sayed,J.Phys.Chem.B,109,p10531(2005) N.J.Durr,T.Larson,D.K.Smith,B.A.Korgel,K.Sokolov,A.Ben-Yakar,Nano Letters,7,p941(2007) S.Oishi,YAKUGAKU ZASSHI,124,p269(2004) T.Niidome,M.Yamagata,Y.Okamoto,Y.Akiyama,H.Takahashi,T.Kawano,Y.Katayama,Y.Niidome,J.Control.Release,114,p343(2006) J.M.de la Fuente,C.C.Berry,M.O.Riehle,A.S.G.Curtis,Langmuir,22,p3286(2006) 特開2004−292627号公報 特開2005−97718号公報 特開2006−169544号公報 特開2006−118036号公報 特表2008−531677号公報 特表2008−504235号公報 特表2006−528168号公報 特表2007−537243号公報 特表2005−532252号公報 特表2001−526570号公報 WO2005/073385
特許文献1〜4などの方法で合成された金ナノロッドはCTABに被覆された状態で水中に分散しているが、特定部位で集積する機能は有していない。
非特許文献5は、金ナノロッドをポリスチレンスルホネートで表面処理後に抗体と結合させているが、金ナノロッドの二光子発光を測定するための処理方法であり、金ナノロッドのLSPRをセンシング技術やバイオイメージングに応用したものではない。
非特許文献6と特許文献5〜10は、αvβ3インテグリンが特異的に環状RGDペプチドを認識することを報告したものであり、金微粒子の分散安定性を保持しつつ、環状RGDペプチドを修飾する方法は報告していない。また、金微粒子に修飾された環状RGDペプチドがαvβ3インテグリンに認識されやすいよう設計する技術は報告していない。
非特許文献7は、PEG修飾による金ナノロッドは血液中で分散安定性が高まることが報告されているが、PEG鎖中に反応性の官能基がないため、他の化合物と反応させることはできない。
特許文献11の組成物は、DNAなどの細胞への導入効率を上昇させるための組成物であって、金微粒子へRGDペプチドを修飾する技術や、インテグリンとRGDペプチドの特異的結合を金微粒子の集積に利用した技術を報告したものではない。
非特許文献8は、近赤外域における金微粒子のLSPRによるバイオイメージングを検討した技術ではない。また、金微粒子に修飾された環状RGDペプチドがαvβ3インテグリンに認識されやすいよう設計する技術は報告されていない。
本発明は従来の上記技術では知られていない金ナノロッドの新規技術を提供する。具体的には、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ吸着するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているロッド形状の金微粒子(金ナノロッド)であって、ペプチドが標的物質によって高い確率で認識される金微粒子と、その製造方法、その集積方法、およびその用途を提供する。
本発明は、以下に示す構成を有する金微粒子に関する。
〔1〕分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的物質と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているロッド形状の金微粒子。
〔2〕有機物(B)の分散媒に相溶する部位の重合平均分子量が、有機物(A)の分散媒に相溶する部位の重合平均分子量より2000以上大きい上記[1]の金微粒子。
〔3〕分散媒に相溶する部位が水溶性高分子である上記[1]または上記[2]の金微粒子。
〔4〕有機物(B)の分散媒に相溶する部位が重合平均分子量40000以下のポリエチレングリコールである上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する金微粒子。
〔5〕リンカーがチオール基であることを特徴であることをする上記[1]〜上記[4]に記載する金微粒子。
〔6〕標的物質に特異的に結合するペプチドが環状RGDペプチドである上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する金微粒子。
〔7〕標的物質がインテグリンであることを特徴とする上記[6]に記載する金微粒子。
〔8〕インテグリンがαvβ3インテグリンであることを特徴とする上記[7]に記載する金微粒子。
〔9〕環状RGDペプチドがαvβ3インテグリンにより特異的に認識され、αvβ3インテグリンの発現している特定部位に該金微粒子が集積することを特徴とする上記[1]〜上記[8]の何れかに記載する金微粒子。
〔10〕長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nmの範囲である上記[1]〜上記[9]の何れかに記載する金微粒子。
また、本発明は、以下に示す構成を有する上記金微粒子の製造に関する。
〔11〕分散媒に相溶する部位とペプチドを含む有機物を合成し、該有機物にリンカーを導入し、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)を合成する工程、該有機物(B)と、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)をロッド形状の金微粒子に結合させる工程を有する表面修飾金微粒子の製造方法。
〔12〕保護されたアミノ基とN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)を両末端に含むポリエチレングリコールのNHSと環状RGDペプチドのアミノ基を反応して、環状RGDペプチドとポリエチレングリコールを含む有機物を合成し、該有機物の脱保護したアミノ基と、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートを反応して2−ピリジル−ジスルフィド基を導入し、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンと反応してジスルフィド結合を還元切断して得られた有機物(B)と、有機物(B)のポリエチレングリコールより重合平均分子量の小さなポリエチレングリコールを含む方末端がチオール基の有機物(A)をロッド形状の金微粒子に表面処理する上記[11]に記載する表面修飾金微粒子の製造方法。
さらに本発明は、以下に示す構成を有する金微粒子の集積方法、およびこれを利用した検出方法、治療方法などに関する。
〔13〕上記[9]に記載する集積によって特定部位にロッド形状の金微粒子を集めることを特徴とする金微粒子の集積方法。
〔14〕上記[9]または上記[13]に記載する金微粒子の集積によって生じる局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルで検出物質を検出することを特徴とする標的物質の検出方法。
〔15〕上記[9]または上記[13]に記載する金微粒子の集積によって生じる局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルを観察することを特徴とするバイオイメージング。
〔16〕上記[9]または上記[13]に記載する集積方法によって生じる金微粒子の集積部位に、700〜2000nmの近赤外線を照射し、集積部位周辺の細胞を該金微粒子の光熱変換により発生した熱で死滅させることを特徴とするフォトサーマル治療。
〔17〕上記[9]または上記[13]に記載する集積方法によって生じる金微粒子の集積部位に、700〜2000nmの近赤外線を照射し、集積部位周辺の細胞を該金微粒子の光熱変換によって発生した熱で該金微粒子に担持させた薬物を放出させることを特徴とするドラッグデリバリーシステム(DDS)。
本発明の金微粒子は、分散媒に相溶する部位を含む分子量の異なる2種の有機物(A)(B)で修飾されており、ペプチドが導入されている有機物(B)の分子量を大きくすることによって、金微粒子の分散安定性を損なうことなく高分子中へのペプチド部位の埋没を防止できるため、標的物質に認識される確率を高めることができる。
本発明の金微粒子の製造方法は上記有機物(A)(B)を金微粒子(金ナノロッド)に修飾する方法であり、金ナノロッドに結合するリンカーとして、例えば、末端にチオール基を有するものを用いることによって、チオール基末端から優先的に金ナノロッドに結合させることができる。
本発明の金微粒子に修飾されたペプチドは、標的物質から高い確率で認識され標的物質へ特異的に結合するため、標的物質が存在する部位へ集積することができる。
本発明の金微粒子は、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nmの範囲の金ナノロッドを用いているので、集積によってLSPRの分光特性が変化することを利用して、ペプチドと特異的に結合する標的物質を検出することができる。
さらに、金ナノロッドは光熱変換機能を有するので、金ナノロッドを集積させた標的部位周辺組織へのフォトサーマル治療、バイオイメージング、そしてドラックデリバリーシステムの構築が可能である。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、濃度の%は特に示さない限り質量%である。
本発明の金微粒子は、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているロッド形状の金微粒子であって、上記有機物がリンカーで結合していることを特徴とする金微粒子である。
本発明の集積方法は、上記金ナノロッドを修飾している有機物に導入されたペプチドの標的物質への特異的結合を利用したものであり、ペプチドが標的物質に認識されると金ナノロッドが標的物質の存在する部位に集積することを利用したものである。
本発明の標的物質の検出方法は、上記金ナノロッドの集積方法を利用したものであり、金ナノロッドの集積によってLSPRの分光特性や散乱光強度が変化することを利用して標的物質を検出するものである。
本発明のフォトサーマル治療は、上記金ナノロッドがLPSRに相当する光を吸収して熱に変換する光熱変換機能を利用し、該金ナノロッドが集積している標的物質が存在する部位周辺の細胞(腫瘍細胞など)を発生した熱で死滅させるものである。本発明のDDSは、上記金ナノロッドに薬物を担持させて生体内に投与し、標的物質が存在する部位で金ナノロッドが集積するのを利用して特定部位に薬物を集中投与するシステムである。
また、本発明のバイオイメージングは、上記金ナノロッドが集積している部位を金ナノロッドのLSPRを測定して画像化することによって確認するものである。なお、本発明における吸収スペクトルの変化とは、金ナノロッドの集積に伴うLSPRの最大吸収波長の吸光度の低下や吸収スペクトル形状の変化を意味する。また、本発明のRGDとは、アミノ酸配列(Arg−Gly−Asp;アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D))をいう。
〔修飾有機物〕
本発明の金微粒子(金ナノロッド)は2種の有機物(A)(B)によって修飾されたものである。有機物(A)は、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する。有機物(B)は、分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有し、該有機物(B)の分散媒相溶部位の重量平均分子量は有機物(A)の分散媒相溶部位の重量平均分子量より大きいものが用いられる。
分散媒に相溶する部位としては水溶性高分子を用いることができる。また、リンカーとしては、チオール基を用いることができる。ペプチドとしては、環状RGDペプチドを用いることができる。金ナノロッドとしては、長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nmの範囲の金ナノロッドが使用できる。
金ナノロッドに結合させる上記有機物(A)(B)において、分散媒に相溶する部位の水溶性高分子としては、水と相溶して金ナノロッドを分散媒中で安定に分散させることができるような水溶性高分子であれば制限なく使用でき、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸などが挙げられる。以下では、PEGの例について説明する。
分散媒に相溶する部位に使用するPEGとしては、重量平均分子量40000以下のPEGを使用することができる。PEGの重合平均分子量は1000〜20000のものが好ましい。重合平均分子量が1000より小さいと分散媒中での分散安定性が不足し、一方、重合平均分子量が40000より大きいと分散安定性に変化はなく、コスト的に不利である。
本発明の有機物(B)に用いるPEGの重合平均分子量は、有機物(A)に用いるPEGよりも大きな重合平均分子量であることが適当である。ペプチドが導入されている有機物(B)に用いるPEGの重合平均分子量の方が大きいため、PEG鎖中にペプチド部位が埋没するのを防止することができ、ペプチドが標的物質により高い確率で認識され、特異的に結合することが可能となるため、標的物質が存在する特定部位へ効率よく金ナノロッドを集積させることができる。両有機物のPEGの重合平均分子量の差は、少なくとも2000以上が好ましい。重合平均分子量が2000未満の場合、ペプチド部位がPEG中へ埋没する確立が高くなり、ペプチドが標的物質から認識され難い。
本発明の有機物(A)の一方の末端は、金ナノロッドへ結合するリンカーを有しており、リンカーとしてはチオール基を使用できる。チオール基は金と共有結合を形成するので、有機物(A)はチオール基末端から優先的に金ナノロッドに結合する。有機物(A)の他方の末端は金と結合を起こさない化学構造であるメトキシ基が好ましい(mPEG−SH)。
本発明の有機物(B)の一方の末端は、標的物質から認識され特異的に結合するペプチドを有しており、他方の末端は金ナノロッドへ結合するリンカーを有しており、リンカーとしてはチオール基を使用できる。チオール基は金と共有結合を形成するので、有機物(B)はチオール基末端から優先的に金ナノロッドに結合する。
本発明の金ナノロッドに結合させる有機物(B)に使用するRGDペプチドとしては、RGD配列(アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D))を有するペプチドを使用できる。特に標的物質であるインテグリンはRGD配列を認識するため、RGDペプチドを修飾した金ナノロッドは、インテグリンが発現している部位で認識され、特異的結合が得られる。特に、αvβ3インテグリンは環状構造を有するRGDペプチドを強く認識するため、環状RGDペプチドを修飾した金ナノロッドはαvβ3インテグリンが発現している部位(腫瘍細胞など)で高い集積効果が得られる。環状RGDペプチドは、アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸を連続的に含む環状構造を有するペプチドであり、Fmoc固相合成法などによって合成することができる。
〔有機物(B)の合成〕
本発明の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金ナノロッドへ結合するリンカーを有する有機物(B)は、保護されたアミノ基とN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)を両末端に含むPEG(Boc−PEG−NHS)を用いて合成できる。炭酸水素ナトリウム溶液に溶解したBoc−PEG−NHSと環状RGDペプチド(cRGD)を混合して攪拌すると、Boc−PEG−NHSはcRGDのアミノ基とアミド結合を形成し、PEGとcRGDを含む有機物(Boc−PEG−cRGD)が得られる。Boc−PEG−cRGDを凍結乾燥し、トリフルオロ酢酸によりアミノ基の脱保護を行い(NH2−PEG−cRGD)、得られたNH2−PEG−cRGDを炭酸水素ナトリウム溶液に溶解し、アセトニトリルに溶解したN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートと混合して攪拌すると、脱保護したアミノ基とスクシンイミジル基が反応して、2−ピリジル−ジスルフィド基がアミド結合を介して導入される(SS−PEG−cRGD)。得られたSS−PEG−cRGDを、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンと反応してジスルフィド結合を還元切断すると、cRGDとチオール基を末端に有する有機物(B)が得られる(SH−PEG−cRGD)。
本発明の金ナノロッドに結合させた有機物(B)に導入したcRGDは、標的物質であるαvβ3インテグリンにより認識され、特異的に結合する。本発明の金ナノロッドは、αvβ3インテグリンの他にもcRGDが認識され特異的結合を示す標的物質であれば、際限なく適用できる。
〔金ナノロッド〕
本発明で使用する金ナノロッド(NRs)は、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド形状の金微粒子が好ましい。具体的には、LSPRの最大吸収波長が波長700〜2000nmの範囲内にあるアスペクト比の金ナノロッドが適当である。また金ナノロッドの長軸長さは200nm以下がより好ましい。長軸長さがこより長いと、金ナノロッドが沈降しやすくなる傾向があり、分散媒中での分散安定性が失われる。
金ナノロッドは次式[I]で示される4級アンモニウム塩が溶解した水溶液中で金イ
オンを還元することによって合成することができる。例えば、n=15のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を使用することによって、CTABが表面に吸着した金ナノロッドを得ることができる。この金ナノロッドはCTABが吸着した状態で水中に安定に分散している。
CH3(CH2)n+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …[I]
上記金ナノロッド水分散液は、水中に存在する余剰の界面活性剤CTABを除去して使用するとよい。具体的には、金ナノロッド水分散液を遠心分離して金ナノロッドを遠沈管の底に沈降させ、CTABを含む上澄みを除去する。沈降した金ナノロッドは水を添加して再分散させる。この操作を1〜3回繰り返すことによって余剰なCTABを除去することができる。なお、CTABを過剰に除去すると金ナノロッドが凝集して水に再分散しなくなる。
〔表面処理〕
余剰のCTABを除去した金ナノロッド(NRs)水分散液と、有機物(A、 mPEG−SH)と有機物(B、cRGD−PEG−SH)を混合して攪拌すると、mPEG−SHとcRGD−PEG−SHがそれぞれのリンカー(チオール基)で金ナノロッドに結合し、溶媒に安定に分散し、cRGDが導入された金ナノロッド(cRGD−NRs)が得られる。金ナノロッドに未結合のmPEG−SHとRGD−PEG−SHは透析処理などで除去すればよい。
金ナノロッドに対するmPEG−SHとSH−PEG−cRGDの混合比は、適宜調整可能である。例えば、金1molに対し、mPEG−SHが0.1mol、SH−PEG−cRGDが0.01molとなるように混合すればよい。
〔金ナノロッドの集積〕
上記有機物(A)と有機物(B)によって修飾されたcRGD−NRsは、αvβ3インテグリンによりcRGDペプチドが選択的に認識され特異的に結合するため、αvβ3インテグリンが発現している部位で集積させることができる。
cRGD−NRs水分散液をαvβ3インテグリンの発現している部位へ接触し、37℃で24時間以上インキュベートすることで、金ナノロッドの高い集積が得られる。インキュベートする時間が24時間より短いと充分な金ナノロッドの集積が確認されない。
αvβ3インテグリンの発現している量によっても金ナノロッドの集積量は変化する。αvβ3インテグリンが発現している部位にcRGD−NRs水分散液を接触した場合、αvβ3インテグリンの発現量が多いと金ナノロッドの集積が確認され、αvβ3インテグリンの発現量が少ないと金ナノロッドの集積が確認されない。
〔検出方法・治療方法等〕
本発明に使用する金ナノロッドは、700〜2000nmにLSPRの吸収ピークを有しており、金ナノロッドの集積はLSPRの吸収ピークを分光測定することで確認できる。例えば、金ナノロッドのLSPRの吸収ピークが900nmの場合、αvβ3インテグリンの発現部位に一定量の金ナノロッドが集積すると、集積部位に900nm付近のピークが分光特性として得られる。
この検出方法としては、金ナノロッドの吸収スペクトルの形状変化、吸光度の変化、散乱光強度の変化が挙げられる。特に波長800nm〜1200nmの近赤外光は水の吸収による影響が少なく(Near Infrared Window)、生体にも安全な波長域であり、生体外部から近赤外光を照射することによって、生体内に投与した金ナノロッドの分散状態や凝集状態による分光特性の変化を測定することが可能であり、近赤外光分析システムやバイオイメージングシステム(特定酵素部位の画像処理化など)を構築することができる。
αvβ3インテグリンの発現部位に集積させた金ナノロッドにLSPRに相当する光を照射すると、金ナノロッドの光熱変換機能により集積している部位周辺の温度が上昇する。特に、生体内で集積させた金ナノロッドに近赤外線を照射した場合、集積部位周辺の細胞(例えば腫瘍細胞)を発生した熱で死滅させることが可能であり、金ナノロッド集積部位をフォトサーマル治療用のターゲットマーカーとして使用することができる。
本発明の有機物で修飾した金ナノロッド(cRGD−NRs)に薬物を担持させて、生体内に投与した場合、αvβ3インテグリンの存在する特定部位で特異的に集積するため、薬物を効率よく輸送・放出することが可能である。例えば、αvβ3インテグリンは腫瘍細胞で過剰発現しており、投与されたcRGD−NRsは、腫瘍細胞部位のαvβ3インテグリンにて認識され特異的に結合し、金ナノロッドが集積することにより、薬物を集中投与可能となるため、cRGD−NRsを薬物担持キャリアーとするDDSが構築可能である。特に、金は生体に安全な材料であり、キャリアーとして有用である。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。また、比較例を示す。なお、以下の実施例は、金ナノロッドの主に900nm付近の波長域におけるLSPRの吸収波長シフトを測定しているが、金ナノロッドのアスペクト比を変更することによって700〜2000nmまでの波長域についても同様の吸収波長のシフトを測定することができる。
〔cRGDペプチドの合成〕
Fmoc固相合成法により、RGDのアミノ酸配列を含む環状RGDペプチドを合成した(分子量604;cyclo(−Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys−(アルギニン(Arg)、グリシン(Gly)、アスパラギン酸(Asp)、D−フェニルアラニン(D−Phe)、リジン(Lys))。式1にcRGDの分子内環化反応を示す。反応終了後、エーテル沈殿を行い、逆相HPLCにより精製して得られた。
〔cRGDの合成スキーム〕
Figure 2010083803
〔金ナノロッド水分散液の調製〕
400mMのCTAB水溶液中で合成された金ナノロッド水分散液を遠沈管に入れ、14000(×g)の相対遠心加速度(遠心加速度を地球の重力加速度で除したもの)で10分間遠心分離して金ナノロッドを遠沈管の底に沈降させた。上澄み液を別の遠沈管に入れ、沈降した金ナノロッドは水で再分散させた。別の遠沈管に入れた上澄み液は、再び14000(×g)で10分間遠心分離して金ナノロッドを沈降させ、この上澄み液を除去することにより余剰のCTABを除去した。沈降した金ナノロッドは水で再分散させ、前の再分散液と合わせて、金ナノロッド(CTAB−NRs)水分散液を得た。吸光度から金ナノロッド水分散液中の金原子濃度を求めた。
〔有機物(A)〕
有機物(A)としては、PEGの重合平均分子量が約5000であり、一方の末端がチオール基で、他方の末端はメトキシ基であるα−メトキシ−ω−メルカプトポリエチレングリコール(mPEG−SH)を使用した。
〔有機物(B)の合成〕
有機物(B)としては、PEGの重合平均分子量が約10000であり、一方の末端がチオール基で、他方の末端にcRGDである有機物を合成した。保護されたアミノ基とN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)を両末端に含む重合平均分子量10000のPEG(Boc−PEG−NHS)を炭酸水素ナトリウム溶液に溶解し、cRGDを混合して攪拌し、Boc−PEG−NHSとcRGDのアミノ基をアミド結合して、PEGとcRGDを含む有機物(Boc−PEG−cRGD)を合成した。Boc−PEG−cRGDを凍結乾燥し、トリフルオロ酢酸によりアミノ基の脱保護を行い(NH2−PEG−cRGD)、得られたNH2−PEG−cRGDを炭酸水素ナトリウム溶液に溶解し、アセトニトリルに溶解したN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートと混合して攪拌し、脱保護したアミノ基とスクシンイミジル基を反応させ、2−ピリジル−ジスルフィド基を導入した(SS−PEG−cRGD、式2)。得られたSS−PEG−cRGDを、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンと反応してジスルフィド結合を還元切断し、cRGDとチオール基を末端に有する有機物(B)を得た(SH−PEG−cRGD)。
〔SS−PEG−cRGDの合成スキーム〕
Figure 2010083803
金ナノロッド水分散液の分光特性は日本分光株式会社製品のV−670で測定した。ゼータ電位はMalverne社製測定器(Zeta-sizer Nano―ZS)を用いて測定した。
αvβ3インテグリンはガラスボトムディッシュでU−87MG(ヒトグリオブラストーマ:高αvβ3インテグリン発現)、MDA−MB−435(ヒト乳がん細胞:中αvβ3インテグリン発現)、そしてMCF−7(ヒト乳がん細胞:低αvβ3インテグリン発現)をそれぞれ、5×104cell/ml播種し、FBS(Fetal Bovine Serum)を10%と抗生物質を1%含む培地を与えて、37℃で24時間インキュベートして培養した。
標的物質とcRGDの特異的結合は、αvβ3インテグリンを発現させたガラスボトムディッシュ(直径50mm)に、cRGD−NRs水分散液を添加して行った。一定時間経過後、NRs水分散液を除去して、ガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位について、マルチチャンネル分光器を用いて、露光時間100ms、積算回数5000回の条件で吸収スペクトルを測定した。なおベースラインは、50%グリセリンで満たしたガラスボトムディッシュの底(ガラス)とした。
〔実施例1〕
CTAB−NRs水分散液(金濃度1mM)1mlに、金原子:SH−PEG−cRGD:mPEG−SH=1:0.1:0.01のモル比になるように、mPEG−SHとSH−PEG−cRGDを添加し、ボルテックスミキサーで24時間攪拌した。攪拌終了後、透析処理によって金ナノロッドに未結合のmPEG−SHとSH−PEG−cRGDを除去し、mPEG−SHとSH−PEG−cRGDが結合した金ナノロッド(cRGD−NRs)を得た。得られたcRGD−NRsの分光特性を測定した結果、処理前の分光特性と大きな変化はなく、処理後も安定に分散可能であった(図1)。cRGD―NRs水分散液のゼータ電位を測定したところ、処理前のゼータ電位は+38mVであったが、処理後は−1.5mVであり、CTAB由来の正電荷から、電荷をもたないcRGDやPEGを構成部位とする有機物へ金ナノロッド表面が置換されたことが確認された。
〔実施例2〕
実施例1で得られたcRGD−NRs水分散液(金濃度5mM)を、FBSと抗生物質を含むDMEM(Dulbeccos Modified Eagles medium)で10倍に希釈し、U−87MGを培養したガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位に1ml添加し、37℃で24時間インキュベートした。インキュベート後、cRGD−NRs水分散液を除去し、αvβ3インテグリン発現部位をリン酸緩衝液で2回洗浄後、4%パラホルムアルデヒドを1ml添加し、室温で30分間静置した。4%パラホルムアルデヒドを除去し、PBSで2回洗浄後、50%グリセリンで浸した。得られた細胞サンプルをマルチチャンネル分光器で測定した結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークが観察され、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsが特異的に結合したことが確認された(図2)。
〔比較例1〕
SH−PEG−cRGDを添加しない以外は実施例1と同様に、mPEG−SHのみが結合した金ナノロッド(PEG−NRs)を得た。得られたPEG−NRsを実施例2と同様にU−87MGを培養したガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位に添加し、得られた細胞サンプルをマルチチャンネル分光器で測定した結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークは観察されず、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsの特異的な結合は確認されなかった(図3)。
〔比較例2〕
PEG部位がなくチオール基を有するcRGD(SH−cRGD)を用いて、CTAB−NRs水分散液(金濃度1mM)1mlに、金原子:SH−cRGD:mPEG−SH=1:0.1:0.01のモル比になるように、mPEG−SHとSH−cRGDを添加し、ボルテックスミキサーで24時間攪拌した。攪拌終了後、透析処理によって金ナノロッドに未結合のmPEG−SHとSH−cRGDを除去し、mPEG−SHとSH−cRGDが結合した金ナノロッドを得た。得られた金ナノロッドを実施例2と同様にU−87MGを培養したガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位に添加し、得られた細胞サンプルをマルチチャンネル分光器で測定した結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークは観察されず、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsの特異的な結合は確認されず、cRGD部位がPEG鎖に埋もれており、αvβ3インテグリンにより認識されないことが確認された。
〔参考例1〕
37℃で3時間インキュベートする以外は実施例2と同様に処理して、マルチチャンネル分光器で測定した。結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークが観察されず、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsが特異的に結合するための時間が不足していることが確認された(図4)。
〔参考例2〕
MCF−7を培養したガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位を用いる他は実施例2と同様に、得られた細胞サンプルをマルチチャンネル分光器で測定した結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークは観察されず、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsの特異的な結合は確認されなかった(図5)。
〔参考例3〕
MDA−MB−435を培養したガラスボトムディッシュのαvβ3インテグリン発現部位を用いる他は実施例2と同様に、得られた細胞サンプルをマルチチャンネル分光器で測定した結果、金ナノロッド由来の900nm付近のピークは観察されず、αvβ3インテグリンとcRGD−NRsの特異的な結合は確認されなかった(図6)。
実施例1のRGD−NRsの分光特性(吸収スペクトル図) 実施例2のU−87MGの分光特性(吸収スペクトル図) 比較例1のU−87MGの分光特性(吸収スペクトル図) 参考例1のU−87MGの分光特性(吸収スペクトル図) 参考例2のMCF−7の分光特性(吸収スペクトル図) 参考例3のMDA−MB−435の分光特性(吸収スペクトル図)

Claims (17)

  1. 分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)と、有機物(A)より大きな重合平均分子量の分散媒に相溶する部位を含み、両末端に標的物質と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)によって修飾されているロッド形状の金微粒子。
  2. 有機物(B)の分散媒に相溶する部位の重合平均分子量が、有機物(A)の分散媒に相溶する部位の重合平均分子量より2000以上大きい請求項1の金微粒子。
  3. 分散媒に相溶する部位が水溶性高分子である請求項1または請求項2の金微粒子。
  4. 有機物(B)の分散媒に相溶する部位が重合平均分子量40000以下のポリエチレングリコールである請求項1〜3の何れかに記載する金微粒子。
  5. リンカーがチオール基であることを特徴であることをする請求項1〜4に記載する金微粒子。
  6. 標的物質に特異的に結合するペプチドが環状RGDペプチドである請求項1〜5の何れかに記載する金微粒子。
  7. 標的物質がインテグリンであることを特徴とする請求項6に記載する金微粒子。
  8. インテグリンがαvβ3インテグリンであることを特徴とする請求項7に記載する金微粒子。
  9. 環状RGDペプチドがαvβ3インテグリンにより特異的に認識され、αvβ3インテグリンの発現している特定部位に該金微粒子が集積することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載する金微粒子。
  10. 長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nmの範囲である請求項1〜9の何れかに記載する金微粒子。
  11. 分散媒に相溶する部位とペプチドを含む有機物を合成し、該有機物にリンカーを導入し、両末端に標的部位と特異的に結合するペプチドと金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(B)を合成する工程、該有機物(B)と、分散媒に相溶する部位を含み、片末端に金微粒子へ結合するリンカーを有する有機物(A)をロッド形状の金微粒子に結合させる工程を有する表面修飾金微粒子の製造方法。
  12. 保護されたアミノ基とN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)を両末端に含むポリエチレングリコールのNHSと環状RGDペプチドのアミノ基を反応して、環状RGDペプチドとポリエチレングリコールを含む有機物を合成し、該有機物の脱保護したアミノ基と、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートを反応して2−ピリジル−ジスルフィド基を導入し、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンと反応してジスルフィド結合を還元切断して得られた有機物(B)と、有機物(B)のポリエチレングリコールより重合平均分子量の小さなポリエチレングリコールを含む方末端がチオール基の有機物(A)をロッド形状の金微粒子に表面処理する請求項11に記載する表面修飾金微粒子の製造方法。
  13. 請求項9に記載する集積によって特定部位にロッド形状の金微粒子を集めることを特徴とする金微粒子の集積方法。
  14. 請求項9または請求項13に記載する金微粒子の集積によって生じる局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルで検出物質を検出することを特徴とする標的物質の検出方法。
  15. 請求項9または請求項13に記載する金微粒子の集積によって生じる局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルを観察することを特徴とするバイオイメージング。
  16. 請求項9または請求項13に記載する集積方法によって生じる金微粒子の集積部位に、700〜2000nmの近赤外線を照射し、集積部位周辺の細胞を該金微粒子の光熱変換により発生した熱で死滅させることを特徴とするフォトサーマル治療。
  17. 請求項9または請求項13に記載する集積方法によって生じる金微粒子の集積部位に、700〜2000nmの近赤外線を照射し、集積部位周辺の細胞を該金微粒子の光熱変換によって発生した熱で該金微粒子に担持させた薬物を放出させることを特徴とするドラッグデリバリーシステム(DDS)。
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