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JP2010083080A - ハニカムコア積層体及びその製造方法 - Google Patents

ハニカムコア積層体及びその製造方法 Download PDF

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JP2010083080A
JP2010083080A JP2008256627A JP2008256627A JP2010083080A JP 2010083080 A JP2010083080 A JP 2010083080A JP 2008256627 A JP2008256627 A JP 2008256627A JP 2008256627 A JP2008256627 A JP 2008256627A JP 2010083080 A JP2010083080 A JP 2010083080A
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carbon
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Momoe Nanba
百江 難波
Koji Kiuchi
孝司 木内
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】 機械強度、耐水性に優れたハニカムコア積層体と、その生産性の高い製造方法を提供する。
【解決手段】 シクロオレフィンポリマーと架橋剤とを含んでなる繊維強化樹脂層を、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に接合することにより、機械強度、耐水性に優れたハニカムコア積層体を製造できる。また、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、及び架橋剤を含んでなる重合性組成物を強化繊維存在下で重合して得られるプリプレグをハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に積層した後に架橋させることにより、機械強度、耐水性に優れたハニカムコア積層体を、生産性よく製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカムコアと繊維強化樹脂層からなるハニカムコア積層体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ハニカムコアと、強化繊維にシクロオレフィンポリマーと架橋剤とを含んでなるプリプレグとを積層、架橋して得られるハニカムコア積層体及びその生産性に優れる製造方法に関する。
エポキシ樹脂等の樹脂を炭素繊維等の機械強度に優れる繊維材料で強化した繊維強化樹脂は、自動車や航空機等の乗物用構造体用途、一般産業用途までの幅広い用途で用いられている。
航空機用構造材料や内装材においては、軽量化の観点から、特に中空セルの集合体であるハニカムコアの両面に、繊維強化樹脂のスキンパネルを設けたハニカムサンドイッチパネルが用いられてきている。
これらハニカムサンドイッチパネルのハニカムコアとしては、アラミドハニカム、ガラスハニカム、アルミニウムハニカム等が使用される。ハニカムサンドイッチパネルは、ハニカムコアの両面に、プリプレグを積層、硬化することにより、プリプレグとハニカムコアとの接着を同時に行う、コキュア成形によって製造することが一般的に行われている。
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と硬化剤とを含んでなる樹脂組成物フィルムを炭素繊維に両面から貼り合わせてプリプレグを製造し、次いで該プリプレグを接着剤を介してアルミハニカムに積層した後に硬化してハニカムコア積層体を製造する方法が開示されている。しかし、本法では、得られるハニカムコア積層体が高温高湿時の密着性に劣る問題があり、また、硬化反応が二段階加熱によりプリプレグを硬化させているため、成形時間が長くなり、生産性が劣ってしまう問題等があった。
また、特許文献2では、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂、及び硬化剤を含んでなる樹脂組成物を、炭素繊維に含浸した後、重合してなるプリプレグ、及びこのプリプレグとアラミドハニカムコアとを積層したハニカムサンドイッチパネルが開示されている。本法では、一段階加熱によりプリプレグを硬化させているが、成形時間はやはり長いという問題があった。
特開2007−099966号公報 特開2004−292594号公報
本発明は、ハニカムコアと、強化繊維とシクロオレフィンポリマーの架橋体とを含んでなる繊維強化樹脂層とからなり、機械強度、外観及び高温高湿時の密着性に優れたハニカムコア積層体及びそのハニカムコア積層体の生産性に優れた製造方法を提供することにある。
本発明者らの知見によると、特許文献1および2で得られるプリプレグにおいて、特に強化繊維の中でも一方向に引き揃えられ強化繊維を用いた時、プリプレグ中の樹脂が硬化前で、非常に脆く、プリプレグの端からひび割れが起き、硬化後のハニカムサンドイッチパネルの強度が低下し、また外観が悪くなるという問題があることを発見した。また得られるハニカムサンドイッチパネルの高温高湿時の密着性に劣る問題を発見した。本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、強化繊維、及びマトリックス樹脂としてシクロオレフィンポリマーの架橋体を用いた繊維強化樹脂層を、金属や繊維強化樹脂などのハニカムコアの少なくとも一面に積層したハニカムコア積層体を製造したところ、該ハニカムコア積層体は、機械強度、外観、及び高温高湿時の密着性等の特性に優れることを見出した。また、かかる機械強度、外観、及び高温高湿時の密着性等の特性に優れるハニカムコア積層体が、シクロオレフィンポリマー、架橋剤及び強化繊維を含んでなるプリプレグをハニカムコアに積層し、次いで架橋させることにより、特に、シクロオレフィンモノマー、重合触媒及び架橋剤を含む重合性組成物を強化繊維存在下に重合してなるプリプレグをハニカムコアに積層し、次いで架橋させることにより、非常に生産性よくハニカムコア積層体を製造できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(4)が提供される。
(1) 強化繊維とシクロオレフィンポリマーの架橋体とを含む繊維強化樹脂層を、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に設けてなるハニカムコア積層体。
(2) シクロオレフィンポリマー、架橋剤及び強化繊維を含んでなるプリプレグを、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に積層した後に架橋させることを特徴とするハニカムコア積層体の製造方法。
(3) 前記プリプレグが、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、及び架橋剤を含んでなる重合性組成物を強化繊維存在下で重合してなるものである(2)記載のハニカムコア積層体の製造方法。
(4) 前記シクロオレフィンモノマーが、分子内に炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するシクロオレフィンモノマーを含んでなるものである(3)記載のハニカムコア積層体の製造方法。
本発明によれば、機械強度、外観及び高温高湿時の密着性に優れるハニカムコア積層体が生産性よく容易に製造できる。また、本発明のハニカムコア積層体は、機械強度、外観及び高温高湿時の密着性に優れるので、自動車や航空機などの乗物用部材、及びスポーツ、土木、建築などの分野において好適に使用することができる。
(ハニカムコア積層体)
本発明において、ハニカムコア積層体とは、シクロオレフィンポリマーの架橋体を用いた繊維強化樹脂層を、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に接合されてなるものである。かかるハニカムコア積層体は、プリプレグをハニカムコアの開口端面の少なくとも1面に重ねた後に、接合、及び架橋して得られるものである。図1は、ハニカムコア積層体の一例として、ハニカムコアの開口端面の両面に繊維強化樹脂層(破線)が接合されている様子を示している。
接合、及び架橋の方法は、常法に従えばよく、例えば、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機、オートクレーブ、及びオーブンなどを用いる方法が挙げられる。圧力としては、通常0.01〜1MPa、好ましくは0.05〜0.5MPaである。また、熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。加熱温度は、後述の架橋剤により架橋反応が誘起される温度以上であり、典型的には100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。架橋剤として、ラジカル発生剤を用いる場合は、該ラジカル発生剤の1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。加熱時間は、0.1〜180分、好ましくは1〜120分、より好ましくは2〜20分の範囲である。
(ハニカムコア)
本発明に使用されるハニカムコアは、前記ハニカムコア積層体を構成するものであり、中空セルが外周方向へ隣り合わせに連続的に形成された板状物である。その中空セルの形状は、格別な限定はなく、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、台形、不等辺多角形などの多面体、円形、楕円形などの円形体が挙げられる。これらの中でも、多面体が好ましく、特に六角形が好ましい。
本発明に使用されるハニカムコアの材質としては、格別な限定はなく、金属、ペーパー、難燃化ペーパー、樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス、セラミックスペーパー等が挙げられ、好ましくは、金属、樹脂、繊維強化樹脂であり、より好ましくは、繊維強化樹脂である。
金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、ステンレス、スチール等が挙げられ、これらの中でもアルミニウムが好ましい。
ペーパーとしては、クラフト紙、パルプ等の植物繊維若しくはポリエステル、ポリアミド、レーヨン、ポリビニルアルコール等の合成繊維からなるペーパー、アラミドペーパー、グラファイトペーパー、ガラスペーパー等の有機質もしくは無機質繊維からなるペーパーなどが挙げられる。
難燃化ペーパーとしては、上記ペーパーに使用される繊維質原料に珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、リン化合物、ハロゲン化合物、ホウ素化合物等をペーパー化の際に混合、添加した難燃化ペーパー、または、ペーパー化した後あるいはハニカム化した後に、後含浸するかして得られた難燃化ペーパー等が挙げられる。
樹脂としては、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。
繊維強化樹脂としては、上記各種ペーパー及び/またはガラス、グラファイト、アラミド、熱可塑性ポリエステル、レーヨン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、パルプ、等の無機及び有機繊維の織布または不織布に、フェノール、ポリイミド、ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、またはナイロン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂を含浸させた複合材で、例えば、アラミドペーパーにフェノール樹脂を含浸させた樹脂含浸ハニカムコアなどが挙げられる。
セラミックスとしては、コージェライト、ムライト等が挙げられ、セラミックスペーパーとしては、アルミナ、アルミナシリカ繊維等からなるペーパーが挙げられる。
本発明に使用されるハニカムコアの中空セルサイズは、使用目的及び構造に応じて適宜選択されるが、通常0.1〜100mm、好ましくは0.5〜50mm、より好ましくは1〜20mmの範囲である。
本発明に使用されるハニカムコアの空隙率は、(ハニカムコアが占める容積−ハニカムコアの隔壁材料の容積)÷ハニカムコアが占める容積の計算値で表され、通常80〜99.9%、好ましくは90〜99%の範囲である。
本発明に使用されるハニカムコアの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜150mm、好ましくは5〜100mm、より好ましくは5〜50mmの範囲である。
(繊維強化樹脂層)
本発明に使用される繊維強化樹脂層は、ハニカムコアと接合され、ハニカムコア積層体を構成するものである。また、繊維強化樹脂層は、強化繊維、及びシクロオレフィンポリマーの架橋体を含んでなるものであり、繊維強化成形体を前記架橋条件に従って加熱して得られるものである。
(強化繊維)
本発明に使用される強化繊維としては、格別な制限はないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維などの無機繊維などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維、ガラス繊維、および炭素繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。特に、炭素繊維は、シクロオレフィンポリマーの架橋体との相溶性に優れ、得られるハニカムコア積層体の機械強度、外観、高温高湿時の密着性、及び耐熱性等の特性を高度に向上させることができ好適である。炭素繊維の種類としては、格別な限定はなく、例えば、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系等の各種の従来公知の方法で製造される炭素繊維が使用でき、中でも、アクリル繊維(ポリアクリロニトリル繊維)を原料として製造される炭素繊維であるアクリル系炭素繊維がメタセシス重合の阻害を起こさず、機械強度、靭性、耐熱性等の特性を向上でき、好適である。
本発明に使用される強化繊維の強度特性は、格別な限定はなく使用目的に応じて適宜選択される。引張強度としては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張強度で、通常0.5〜50GPa、好ましくは1〜10GPa、より好ましくは2〜8GPaの範囲である。引張弾性率としては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張弾性率で、通常100〜1,000GPa、好ましくは200〜800GPa、より好ましくは300〜700GPaの範囲である。伸びとしては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張伸びで、通常0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、より好ましくは1〜3%の範囲である。強化繊維の強度特性がこれらの範囲にあるときに、得られるハニカムコア積層体の機械強度と外観の特性が高度にバランスされ好適である。
本発明に使用される強化繊維の断面形状は、格別な限定はないが、実質的に円形であるものが好ましい。断面形状が円形であると、後述のシ重合性組成物を含浸させる際、フィラメントの再配列が起こりやすくなり、繊維間への重合性組成物の浸み込みが容易になるからである。さらに、繊維束の厚みを薄くすることが可能となるため、ドレープ性に優れたプリプレグを得やすい利点がある。なお、断面形状が実質的に円形であるとは、その断面の外接円半径Rと内接円半径rとの比(R/r)を変形度として定義した場合に、この変形度が1.1以下であるものを意味する。
本発明に使用される強化繊維の長さは、格別な限定無く使用目的に応じて適宜選択され、短繊維、長繊維のいずれをも用いることができるが、より高い機械強度と靭性を有するハニカムコアを得たい場合は、繊維の長さが1cm以上、好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、もっとも好ましくは連続繊維とするのがよい。
本発明に使用される強化繊維の形態は、特に限定されず、強化繊維を一方向に引き揃えた一方向材、織物、ニット、組み紐、ロービング等の長繊維の他、短繊維、及びその加工品のチョップド、ミルド、不織布、マット等から適宜選択できる。これらの中でも、靭性と耐衝撃性がより高い水準にある繊維強化樹脂を得るためには、一方向材、織物、ロービング等連続繊維の形態であるのが好ましい。
織物形態としては、従来公知のものが利用でき、例えば、平織、繻子織、綾織、3軸織物などの繊維が交錯する織り構造の全てが利用できる。また、織物形態としては、2次元だけでなく、織物の厚み方向に繊維が補強されているステッチ織物、3次元織物等も利用できる。
本発明に使用される炭素繊維は、織物等で使用する場合は繊維束糸条として利用する。その場合の繊維束糸条1本中のフィラメント数は、格別な限定はないが、好ましくは1,000〜100,000本、より好ましくは5,000〜50,000本、さらに好ましく波10,000〜30,000本の範囲である。
これらの強化繊維は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
き、その使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、得られるプリプレグ中あるいは繊維強化樹脂層中の強化繊維含有量が、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲になるように選択される。強化繊維含有量がこの範囲にあるときに機械強度、靭性の特性が高度にバランスされ好適である。
(シクロオレフィンポリマーの架橋体)
本発明に使用されるシクロオレフィンポリマーの架橋体は、シクロオレフィンポリマーの分子鎖どうしを架橋したものであり、溶媒に溶解しないものである。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;のなどの溶媒から適宜選択される。架橋の方法は、ラジカル架橋、イオン架橋、またはメタセシス架橋などをいずれも採用することができ、限定されないが、ラジカル架橋が好ましい。
(繊維強化成形体、及びプリプレグ)
本発明に使用されるハニカムコア積層体は、以下に示す繊維強化成形体をハニカムコア上で、加熱、圧着し、図1のような形態で製造される。繊維強化成形体は、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、多角柱状等の任意の形状の成形体であり、強化繊維にシクロオレフィンポリマーが含浸されてなるものである。特に、繊維強化成形体がシート状である時、これをプリプレグとする。繊維強化成形体がプリプレグである時、得られるハニカムコア積層体の機械強度が向上し、好ましい。また、特に、シクロオレフィンポリマー、強化繊維に加えて、さらに架橋剤を含んでなる繊維強化成形体を使用した時、得られるハニカムコア積層体の機械強度、外観及び高温高湿時の密着性が優れ、好ましい。また、本発明に使用される繊維強化成形体は、重合性組成物を強化繊維存在下に重合して得ることが好ましい。重合方法は特に限定されないが、塊状重合とするのが好適である。塊状重合により、種々の形状の繊維強化樹脂を得ることができる。ここで、「存在下に」とは、強化繊維と重合性組成物とが接触する状態で重合を行うことをいう。具体的には、強化繊維が織物である場合には、強化繊維に重合性組成物を含浸し、次いで塊状重合を行う方法が挙げられる。強化繊維への重合性組成物の含浸は、型内で行うことができ、繊維強化成形体がプリプレグである時、通常型内または保護フィルム上で行うことができるが、保護フィルム上で行うことが好ましい。
含浸を保護フィルム上で行う場合は、例えば、重合性組成物の所定量を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法により強化繊維に塗布し、所望によりその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。重合性組成物を強化繊維に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱することにより、重合性組成物を塊状重合させることができ、これによりプリプレグが得られる。ここで用いる保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ナイロンなどの樹脂;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀などの金属材料;などからなるものが挙げられる。
含浸を型内で行う場合は、型内に強化繊維を設置し、該型内に重合性組成物を注ぎ込むことで行うことができる。この方法によれば、プリプレグを含めた任意の形状の繊維強化成形体を得ることができる。その形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、多角柱状等が挙げられる。ここで用いる型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とする繊維強化成形体の形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。また、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に重合性組成物を注入し、該型内で重合を行うことにより、プリプレグを得ることもできる。
かくして得られる繊維強化成形体の強化繊維量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲である。
本発明に使用される繊維強化成形体がプリプレグである時のプリプレグの厚さは、使用目的の応じて適宜選択されるが、通常0.001〜10mm、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.05〜0.5mmの範囲である。この範囲であるときに、積層するハニカムコア形状への追従が容易になり、また機械強度やエネルギー吸収等の特性が充分に発揮され好適である。
本発明に使用される繊維強化成形体の揮発成分量は、200℃、1時間で揮発される量で、通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。繊維強化成形体の揮発成分量が過度に多いと、繊維強化成形体のベタ付きが発生し操作性が悪くなり、また、架橋後の繊維強化樹脂層にボイドが発生し機械強度が低下したり、ブリードや耐熱性の低下等の問題が生じるおそれがある。かかる揮発成分量が少なく且つボイドの少ない繊維強化成形体は、前記の直接重合法によって容易に得ることができる。ウェット法では、揮発成分及びボイドともに多量に残存する場合がある。また、ホットメルト法でも多量のボイド量が残存する場合がある。
本発明では、所望により前記プリプレグを複数枚積層し、架橋することにより繊維強化樹脂層を得ることもできる。このような場合には、あらかじめ架橋前に複数枚のプリプレグを重ねて、加熱プレス機、成形機等により圧着し、シクロオレフィンポリマーの溶融を利用してプリプレグ間を相互に密着させたプリプレグの積層体を作製しておくことが好ましい。加熱温度は通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃、より好ましくは140〜160℃の範囲である。加熱時間は、通常1〜30分、好ましくは2〜20分、より好ましくは5〜15分の範囲である。加熱温度、及び時間がこの範囲にある時、架橋反応が進行せず、かつ層間の密着性が向上する。
また本発明において、プリプレグに用いられる強化繊維が一方向材である時、プリプレグは4層または8層の積層体として使用されるのが好ましい。各層を構成するプリプレグは、それぞれの強化繊維の向きを、積層体の他の層を構成するプリプレグに対し、角度をずらして積層される。プリプレグの積層体が4層である場合には、基準となる線を一つ採り、基準線と各層の強化繊維とのなす角度(小さい方)をθとして、順にθ=−45°、45°、45°、−45°と積層することが好ましい。また、プリプレグの積層体が8層である場合には、順にθ=0°、90°、−45°、45°、45°、−45°、90°、0°と積層することが好ましい。プリプレグの積層体の各層が、上記のように構成される時、プリプレグの積層体、及びハニカムコア積層体に反りがなく、機械強度の異方性がなくなり好ましい。
(シクロオレフィンポリマー)
本発明に使用されるシクロオレフィンポリマーは、繊維強化成形体を構成するものであり、シクロオレフィンモノマーの重合体である。具体的には、シクロオレフィンモノマーの開環重合体、付加重合体、シクロオレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーとの付加共重合体、およびこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、開環重合体または付加重合体が好ましく、開環重合体がより好ましい。また、重合方法には溶液重合と塊状重合があるが、溶媒の乾燥、重合体の精製等の工程を必要とせず、重合と同時に成形することが可能な塊状重合が、生産性に優れ好ましい。本発明において、シクロオレフィンポリマーは、架橋構造を有さず、溶媒に溶解するものである。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素のなどの溶媒から適宜選択される。
シクロオレフィンポリマーの分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定されるテトラヒドロフラン溶液のポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
(架橋剤)
本発明で使用される架橋剤は、本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られるシクロオレフィンポリマーにおいて架橋反応を誘起する目的で使用される。従って、該シクロオレフィンポリマーは、後架橋可能な熱可塑性樹脂となる。本発明において架橋剤としては、通常、ラジカル発生剤が好適に用いられる。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、及び非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、好ましくは有機過酸化物、及び非極性ラジカル発生剤である。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサンなどの環状ペルオキシド類;が挙げられる。特に、重合触媒としてメタセシス重合触媒を使用する場合には、メタセシス重合反応の阻害が少ない点で、重合反応に対する障害が少ない点で、環状ペルオキシド類、ジアルキルペルオキシド類、およびペルオキシケタール類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
本発明に使用される架橋剤がラジカル発生剤の場合の1分間半減期温度は、硬化(シクロオレフィンポリマーの架橋)の条件により適宜選択されるが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃の範囲である。ここで1分間半減期温度は、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、例えば日本油脂株式会社のホームページにて紹介される製品カタログ(http://www.nof.co.jp/upload_public/sogo/B0100.pdf)を参照すればよい。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
(重合性組成物)
本発明に使用される繊維強化成形体は、好ましくは以下に示す重合性組成物より重合、及び成形して、製造されることが好ましい。重合性組成物は、典型的にはシクロオレフィンモノマー、重合触媒、及び架橋剤を含んでなるものである。また重合性組成物は、シクロオレフィンポリマーを溶媒に溶かした溶液に架橋剤を含んでなるものであってもよい。重合性組成物には、所望により、重合調整剤、重合反応遅延剤、連鎖移動剤、架橋助剤、充填剤、老化防止剤、エラストマー材料、及びその他の配合剤を添加することができる。
本発明の重合性組成物は、従来のエポキシ樹脂の溶液等と比較して低粘度であり、強化繊維に対する含浸性に優れるので、重合で得られる樹脂を強化繊維に均一に含浸させることができる。
また、塊状重合を行う場合には、重合性組成物は反応に関与しない溶媒等の含有量が少ないので、強化繊維に含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、残存溶媒による臭気やフクレ等も生じず、耐熱性が優れる。
強化繊維がチョップドなどの短繊維である場合には、強化繊維を重合性組成物に混合し、次いで重合を行う方法が挙げられる。炭素繊維は、モノマー液と触媒液を混合する前にモノマー液、及び/又は触媒液に添加してもよいし、モノマー液と触媒液とを混合した後に添加してもよい。重合の方法としては、上記と同様に型内で塊状重合を行う方法が挙げられる。また、短繊維と長繊維とを併用し、短繊維の強化繊維を含む重合性組成物を、上記と同様に長繊維に含浸させてから重合してもよい。
上記いずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜220℃の範囲である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から20分間、好ましくは5分間以内である。重合組成物をこの範囲の条件にて加熱することにより、未反応モノマーの少ない繊維強化成形体が得られるので好適である。
(シクロオレフィンモノマー)
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(開環重合)可能な炭素−炭素二重結合をいう。開環重合には、イオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、メタセス開環重合をいう。
シクロオレフィンモノマーの環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環、及びこれらの組み合わせ多環などが挙げられる。各環構造を構成する炭素数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
シクロオレフィンモノマーは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基、又は酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよいが、得られるハニカムコア積層体の耐水性を向上する観点から、極性基を持たない、すなわち、炭素原子と水素原子のみで構成されるものが好ましい。
シクロオレフィンモノマーとしては、単環のシクロオレフィンモノマーと多環のシクロオレフィンモノマーのいずれをも用いることができる。得られるハニカムコア積層体の耐熱性、機械強度、及び耐水性を高度にバランスさせる観点から、多環のシクロオレフィンモノマーが好ましい。多環のシクロオレフィンモノマーとしては、特にノルボルネン系モノマーが好ましい。「ノルボルネン系モノマー」とは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。
シクロオレフィンモノマーは、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないものと、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものとに分けられる。本明細書において「架橋性の炭素−炭素不飽和結合」とは、開環重合には関与せず、架橋反応に関与可能な炭素−炭素不飽和結合をいう。架橋反応とは橋架け構造を形成する反応であり、縮合反応、付加反応、ラジカル反応、メタセシス反応など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、ラジカル架橋反応又はメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合としては、芳香族炭素−炭素不飽和結合を除く炭素−炭素不飽和結合、すなわち、脂肪族炭素−炭素二重結合又は三重結合が挙げられ、本発明においては、通常、脂肪族炭素−炭素二重結合をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー中、不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で形成される環構造内の他、該環構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテンなどの単環シクロオレフィンモノマー;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーである。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンモノマー;5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−アリルノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーである。
これらのシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーとしては、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーを含むものが、得られるハニカムコア積層体において機械強度が向上し、好適である。
本発明の重合性組成物に配合するシクロオレフィンモノマー中、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーと架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとの配合割合は所望により適宜選択されるが、重量比(架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー/架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマー)で、通常、5/95〜100/0、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは15/85〜70/30の範囲である。当該配合割合がかかる範囲にあれば、得られるハニカムコア積層体において機械強度、層間密着性、及び耐水性等の特性が高度にバランスされ、好適である。
(重合触媒)
本発明に使用される重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーを重合できるものであれば特に限定はないが、本発明の重合性組成物は、繊維強化成形体の製造において、直接塊状重合に供して用いるのが好適であり、通常、メタセシス重合触媒を用いるのが好ましい。
メタセシス重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合可能である、通常、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン、及び化合物などが結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、第5族、第6族及び第8族(長周期型周期表による。以下、同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、第5族の原子としては、例えば、タンタルが挙げられ、第6族の原子としては、例えば、モリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、例えば、ルテニウムやオスミウムが挙げられる。遷移金属原子としては中でも、第8族のルテニウムやオスミウムが好ましい。すなわち、本発明に使用されるメタセシス重合触媒としては、ルテニウム又はオスミウムを中心原子とする錯体が好ましく、ルテニウムを中心原子とする錯体がより好ましい。ルテニウムを中心原子とする錯体としては、カルベン化合物がルテニウムに配位してなるルテニウムカルベン錯体が好ましい。ここで、「カルベン化合物」とは、メチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子(カルベン炭素)を持つ化合物をいう。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、本発明の重合性組成物を塊状重合に供して繊維強化成形体を得る場合、得られる繊維強化成形体には未反応のモノマーに由来する臭気が少なく、生産性良く良質な繊維強化成形体が得られる。また、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも使用可能である。
前記ルテニウムカルベン錯体としては、得られる繊維強化成形体、及びハニカムコア積層体の機械強度と耐衝撃性とが高度にバランスされ得ることから、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として少なくとも1つ有するものが好ましい。ヘテロ環構造を構成するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子等が挙げられ、好ましくは窒素原子である。また、ヘテロ環構造としては、イミダゾリン環構造又はイミダゾリジン環構造が好ましい。かかるヘテロ環構造を有する化合物の具体例としては、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
本発明においてメタセシス重合触媒として使用される、好適なルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどの、配位子として、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物と、その他の中性電子供与体とを有するルテニウムカルベン錯体が挙げられる。ここで「中性電子供与体」とは、中心金属原子から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子をいう。なお、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物も中性電子供与体の一種である。
前記メタセシス重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。メタセシス重合触媒の使用量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)で、通常、1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は所望により、少量の不活性溶媒に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、テトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂環と芳香環とを有する炭化水素の使用が好ましい。
重合調整剤は、メタセシス重合活性を制御したり、メタセシス重合反応率を向上させたりする目的で配合されるものであり、例えば、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。これらの重合調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合調整剤の使用量は、例えば(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合調整剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
本発明に使用される重合性組成物は、重合反応遅延剤を含有していると、その粘度増加を抑制でき、重合性組成物を強化繊維に対し、均一に含浸できるので、好ましい。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等を用いることができる。
これら重合反応遅延剤の中でも、室温以下での重合反応の進行を抑制する効果が大きいので、ホスフィン化合物が好ましく、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィンおよびビニルジフェニルホスフィンがより好ましい。その配合量は、(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合反応遅延剤)のモル比で、通常1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.1〜1:5の範囲である。
連鎖移動剤は、開環重合に関与でき、本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体の末端に結合可能な脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。当該二重結合の例としては、末端ビニル基が挙げられる。連鎖移動剤は、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有していてもよい。
かかる連鎖移動剤の具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、アリルアミン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たない連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸ウンデセニル、アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレートなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有する連鎖移動剤;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシランなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する連鎖移動剤;などが挙げられる。これらの中でも、得られるハニカムコア積層体の機械強度、賦形性、及び層間密着性等の特性を高度にバランスさせる観点から、分子内に架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有する連鎖移動剤が好ましく、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有するものがより好ましい。かかる連鎖移動剤の中でも、ビニル基とメタクリル基とを1つずつ有する連鎖移動剤が好ましく、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、メタクリル酸ウンデセニルなどが特に好ましい。
これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の重合性組成物への連鎖移動剤の配合量としては、配合するシクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部の範囲である。
本発明においては、重合性組成物に架橋助剤を加えることにより、重合性組成物の強化繊維への含浸性を高度に向上でき、また架橋して得られるハニカムコア積層体の賦形性や機械強度を高度にバランスすることができ、好適である。架橋助剤としては、開環重合に関与せず、架橋剤により誘起される架橋反応に関与可能な架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する多官能性架橋助剤が好適に用いられる。かかる架橋性の炭素−炭素不飽和結合は、架橋助剤を構成する化合物中、例えば、末端ビニリデン基として、中でも、イソプロペニル基やメタクリル基として、特にメタクリル基として存在するのが好ましい。
架橋助剤の具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの、イソプロペニル基を2以上有する多官能性架橋助剤;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を2以上有する多官能性架橋助剤;などを挙げることができる。中でも、架橋助剤としては、メタクリル基を2以上有する多官能性架橋助剤が好ましい。メタクリル基を2以上有する多官能性架橋助剤の中では、特に、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を3つ有する多官能性架橋助剤がより好適である。
前記架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の重合性組成物への架橋助剤の配合量としては、配合するシクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
充填剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば格別な限定はなく、無機系充填剤や有機系充填剤のいずれも用いることができが、好適には無機系充填剤である。無機系充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子、窒化アルミニウム、炭化ケイ素粒子やウィスカー等が挙げられる。有機系充填剤としては、例えば、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、塩化ビニル、廃プラスチック等の粒子化合物が挙げられる。これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、シクロオレフィンポリマー100重量部に対して、通常1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜350重量部の範囲である。
充填剤がこの範囲にあるときにハニカムコア積層体の機械強度、耐熱性、耐薬品性等の特性を格段に向上させることができ好適である。
また、老化防止剤として、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の老化防止剤を配合することは、架橋反応を阻害しないで、得られるハニカムコア積層体の耐熱性を高度に向上させることができ、好適である。これらの中でも、フェノール系老化防止剤とアミン系老化防止剤が好ましく、フェノール系老化防止剤がより好ましい。これらの老化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤の使用量は、所望により適宜選択されるが、配合するシクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲である。
本発明に使用される重合性組成物に、エラストマー材料を加えることにより、得られるハニカムコア積層体の靭性を向上させることができ好適である。エラストマー材料としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらの水素添加物が挙げられる。これらのエラストマー材料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、シクロオレフィンポリマー100重量部に対して、通常0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部の範囲である。エラストマー材料がこの範囲であるときに得られる繊維強化樹脂層の靭性を高度に向上させることができ好適である。その他の材料についても、使用目的に従い、重合性組成物に適宜加えることができる。
その他の配合剤としては、格別な限定はなく使用目的に応じて適宜選択されるが、難燃剤、着色剤、光安定剤、発泡剤、高分子改質剤などを挙げることができる。難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物などが挙げられる。着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。
本発明に使用される重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(触媒液)を、シクロオレフィンモノマー、及び架橋剤を含み、所望によりその他の添加剤を配合した液(モノマー液)に添加し、攪拌することによって調製することができる。
かくして得られる本発明のハニカムコア積層体は、機械強度、外観、及び高温高湿時の密着性に優れるので、例えば、OAやAV機器、自動車や鉄道などの乗物用部材、航空機内装部品などをはじめとして、ゴルフシャフトや釣竿等のスポーツ用途、その他一般産業用途に好適に用いられる。具体的の用途としては、例えば、釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、テニスラケット、スキーストック等のスポーツ用途;ディスプレイ、FDDキャリッジ、シャーシ、HDD、MO、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、ポータブルMD、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの電気・電子機器;電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、アイロン、ヘアドライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、掃除機、トイレタリー用品、レザーディスク、コンパクトディスク、照明、冷蔵庫、エアコン、タイプライター、ワードプロセッサーなどのオフィスオートメーション機器および家電機器;アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ドライブシャフト、ホイール、ホイールカバー、フェンダー、ドアミラー、ルームミラー、フェシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、トランクフード、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スピラーおよび各種モジュールなどの自動車部品;ランディングギアポッド、ウイングレッド、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリングなどの航空機部品およびパネルなどの建材などが挙げられる。これらの中でも、自動車や航空機などの乗物用部材として特に好適である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定、評価する。
(1)機械強度:得られたハニカムコア積層体について、温度25℃、湿度55%で一定に保たれた恒温恒湿槽内に24時間設置し、設置前後の機械強度(せん断強度)をMIL−STD−401に基づいて図3のW方向に対して測定し、その低下率を下記基準で判断する。
良好:低下率20%未満
不良:低下率20%以上
(2)外観:得られたプリプレグ及びハニカムコア積層体の外観を観察し、以下の基準で評価する。
良好:強化繊維の乱れ、樹脂流れ等が認められない
不良:強化繊維の乱れ、樹脂流れ等が認められる
(3)高温高湿時の密着性:得られるハニカムコア積層体を温度85℃、湿度85%の高温高湿試験機に72時間放置前後の繊維強化樹脂層とハニカムコアとの層間の密着性の変化を、ASTM D2344に従い、せん断強度変化を測定することにより、下記基準で評価する。
良好:低下率20%未満
不良:低下率20%以上
(4)生産性:プリプレグ(繊維強化成形体)の積層体の加熱に要する時間を下記基準で評価する。
良好:1時間30分未満
やや良好:1時間30分以上3時間未満
不良:3時間以上
(実施例1)
重合触媒としてベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、重合反応遅延材としてトリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製する。これとは別に、シクロオレフィンモノマーとしてジシクロペンタジエン(DCP)100部、連鎖移動剤としてアリルメタクリレート0.74部、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド(1分間半減期温度186℃)1.2部、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート15部、フェノール系老化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール1.0部を混合してモノマー液を調製する。ここに上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.12mlの割合で加えて撹拌して重合性組成物を調製する。
次いで、得られた重合性組成物100部をポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ75μm)の上に流延し、その上に一方向に配列させた炭素繊維パイロフィルTR 30S 3L(三菱レイヨン社製)を敷いて、さらにその上に上記重合性組成物80部を流延し、その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムを被せ、ローラーを用いて重合性組成物を炭素繊維に含浸させる。次いで、これを130℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させることにより厚さ125μmのプリプレグを得る。得られるプリプレグ4枚のポリエチレンナフタレートフィルムを剥し、各層の炭素繊維が、下から順にθ=−45°/45°/45°/−45°となるように重ね、150℃5分間、3MPaにて加熱プレスすることにより、プリプレグの積層体を得る。
ハニカムコア ハニコーム−A AL−60(新日本フェザーコア社製)の開口端部に接着剤デナタイト(ナガセケムテックス)を塗布し、その両面にプリプレグの積層体を配置した後、オートクレーブにて、0.1MPa、6℃/分にて昇温を行い、200度で15分間加熱圧着し、同様に6℃/分にて降温行い、ハニカムコア積層体を得る。また、得られるハニカムコア積層体をクロロホルムに浸漬し、室温で30分間放置した後の重量変化はなく、十分な架橋が起こっていることを確認する。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
プリプレグの積層体と、ハニカムコアとの積層を、オートクレーブにて0.3MPa、180℃で30分間加熱する以外は実施例1と同様にしてハニカムコア積層体を得る。得られるハニカムコア積層体をクロロホルムに浸漬し、室温で30分間放置した後の重量変化はなく、十分な架橋が起こっていることを確認する。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
強化繊維として、炭素繊維織物パイロフィルTR 3110M(三菱レイヨン社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして250μmのプリプレグを得る。得られるプリプレグ2枚のポリエチレンナフタレートフィルムを剥して重ね、150℃5分間、3MPaにて加熱プレスすることにより、プリプレグの積層体を得る。
ハニカムコア ハニコーム−A AL−60(新日本フェザーコア社製)の開口端部に接着剤デナタイト(ナガセケムテックス)を塗布し、その両面にプリプレグの積層体を配置した後、オートクレーブにて、0.1MPa、6℃/分にて昇温を行い、200℃で15分間加熱圧着し、同様に6℃/分にて降温行い、ハニカムコア積層体を得る。また、得られるハニカムコア積層体をクロロホルムに浸漬し、室温で30分間放置した後の重量変化はなく、十分な架橋が起こっていることを確認する。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)47部、オキサゾリドン環骨格を有するエポキシ樹脂アラルダイトAER4152(旭化成社製)37部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1002(ジャパンエポキシレジン社製)28部、ポリフェニルメタン型エポキシ樹脂EPPN502H(日本化薬社製)20部、フェノキシ樹脂フェノトートYP70(東都化成社製)5部、硬化剤として(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア) DCMU99(保土ヶ谷化学社製)6部、およびジシアンジアミドDicy7(ジャパンエポキシレジン社製)4部からなる樹脂組成物を離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製する。次に、一方向に配列させた炭素繊維パイロフィルTR 30S 3L(三菱レイヨン社製)に該樹脂フィルムを炭素繊維の両面から重ね合わせ、加熱、加圧して樹脂を炭素繊維上に転写した後、離型紙と保護フィルムを張り合わせて厚さ125μmのプリプレグを得る。得られるプリプレグ4枚のポリエチレンナフタレートフィルムを剥し、各層の炭素繊維が、下から順にθ=−45°/45°/45°/−45°となるように重ね、100℃5分間、3MPaにて加熱プレスすることにより、プリプレグの積層体を得る。
ハニカムコア ハニコーム−A AL−60(新日本フェザーコア社製)の開口端部に接着剤デナタイト(ナガセケムテックス)を塗布し、その両面にプリプレグの積層体を配置した後、オートクレーブにて、0.3MPa、室温から80℃まで3℃/分にて昇温し、80℃で30分間保持し、さらに3℃/分にて130℃まで昇温した後、130℃で90分間加熱して、3℃/分にて降温を行い、接着剤を硬化させ、ハニカムコア積層体を得る。
(比較例2)
強化繊維として、炭素繊維織物パイロフィルTR 3110M(三菱レイヨン社製)を使用する以外は、比較例1と同様にして250μmのプリプレグを得る。得られるプリプレグ2枚のポリエチレンナフタレートフィルムを剥して重ね、3℃/分にて昇温し、100℃5分間保持し、3℃/分にて降温を行い、3MPaにて加熱プレスすることにより、プリプレグの積層体を得る。
ハニカムコア ハニコーム−A AL−60(新日本フェザーコア社製)の開口端部に接着剤デナタイト(ナガセケムテックス)を塗布し、その両面にプリプレグの積層体を配置した後、オートクレーブにて、0.3MPa、室温から80℃まで3℃/分にて昇温し、80℃で30分間保持し、さらに3℃/分にて130℃まで昇温した後、130℃で90分間加熱して、3℃/分にて降温を行い、接着剤を硬化させ、ハニカムコア積層体を得る。得られるハニカムコア積層体をクロロホルムに浸漬し、室温で30分間放置した後の重量変化はなく、十分な架橋が起こっていることを確認する。評価結果を表1に示す。
Figure 2010083080
ハニカムコア積層体の一例として、ハニカムコアの開口端面の両面に繊維強化樹脂層(破線)が接合されている様子を示している。

Claims (4)

  1. 強化繊維とシクロオレフィンポリマーの架橋体とを含む繊維強化樹脂層を、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に接合してなるハニカムコア積層体。
  2. シクロオレフィンポリマー、架橋剤及び強化繊維を含んでなるプリプレグを、ハニカムコアの開口端面の少なくとも一面に積層した後に、架橋させることを特徴とするハニカムコア積層体の製造方法。
  3. 前記プリプレグが、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、及び架橋剤を含んでなる重合性組成物を強化繊維存在下で重合して得られるものである請求項2記載のハニカムコア積層体の製造方法。
  4. 前記シクロオレフィンモノマーが、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ以上有するシクロオレフィンモノマーを含んでなるものである請求項3記載のハニカムコア積層体の製造方法。
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