JP2010082663A - レーザ加工機 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工対象物の表面を簡便に且つ迅速に加工可能なレーザ加工機を提供する。
【解決手段】ガルバノスキャナで走査したレーザ光を、テレセントリック型fθレンズで被加工対象物に照射して表面を加工する。ガルバノスキャナの上流側からレーザ光の光軸に沿って光を入射し、被加工対象物の表面で反射してレーザ光の光軸に沿って戻ってきた光を受光することによって、表面までの距離を検出する。こうすれば、ガルバノスキャナの上流側から被加工対象物の表面までの間では、レーザ光の光軸と、距離検出用の光軸とが一致するので、常に正確に、レーザ光の照射位置までの距離を検出できる。その結果、面倒な光軸調整が不要となり、加えて、ガルバノスキャナでレーザ光を走査することで、迅速な加工が可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】ガルバノスキャナで走査したレーザ光を、テレセントリック型fθレンズで被加工対象物に照射して表面を加工する。ガルバノスキャナの上流側からレーザ光の光軸に沿って光を入射し、被加工対象物の表面で反射してレーザ光の光軸に沿って戻ってきた光を受光することによって、表面までの距離を検出する。こうすれば、ガルバノスキャナの上流側から被加工対象物の表面までの間では、レーザ光の光軸と、距離検出用の光軸とが一致するので、常に正確に、レーザ光の照射位置までの距離を検出できる。その結果、面倒な光軸調整が不要となり、加えて、ガルバノスキャナでレーザ光を走査することで、迅速な加工が可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ光を照射することにより、被加工対象物の表面を加工する技術に関する。
レーザ光は、大きな光強度が得られるだけでなく、光の波長や位相が揃っているために光学系を用いて極めて小さな領域に集光することが可能である。そこで、レーザ光を、被加工対象物の表面の小さな領域に集光して照射することにより、レーザ光のエネルギーを用いて被加工対象物を切断したり、穴を空けたり、溝を掘るといった各種の加工を行うレーザ加工装置が知られている。また、レーザ光を集光して被加工対象物の最表面だけを加工することにより、文字や、図形、記号などを刻印するレーザ加工機も存在する。
これらのレーザ加工機では、加工の原理上、被加工対象物の表面にレーザ光を正確に集光することが重要となる。そこで、レーザ光を収束して出射するための対物レンズと被加工対象物との距離(ワーク間距離)を測定し、その測定結果に基づいて、被加工対象物に対してレーザ加工機を動かしたり(特許文献1)、逆にレーザ加工機に対して被加工対象物を動かしたり(特許文献2)、更には、レーザ加工機がレーザ光を集光する際の焦点距離を調整することによって(特許文献3)、被加工対象物の表面に正確にレーザ光を集光できるようにした技術が提案されている。
しかし、レーザ加工機の対物レンズと被加工対象物の表面との距離(ワーク間距離)を正確に測定することは、それほど容易なことではなく、従って、被加工対象物を精度良く加工することは、それほど容易ではないという問題があった。すなわち、ワーク間距離を正確に測定するためには、被加工対象物の表面で距離を測定する位置を、加工しようとする位置に正確に一致させなければならず、このため、距離を測定する機器側でたいへんに面倒な調整が必要となる。
また、加工位置を移動させようとしてレーザ加工機を移動させる際には、距離計も同時に移動させなければならないので、大掛かりな移動機構が必要になるとともに、移動に時間がかかるために迅速な加工を行うことが困難となる。もちろん、被加工対象物を移動させるのであれば、レーザ加工機および距離計は移動させる必要はないが、この場合でも、被加工対象物を安定に保持した状態で正確に移動させるための大掛かりな移動機構が必要になるため、同様の問題が生じる。
この発明は上記のような事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、被加工対象物の表面を、簡便にしかも迅速に加工することが可能なレーザ加工機を提供するところにある。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明のレーザ加工機は次の構成を採用した。すなわち、
レーザ光源から出射されるレーザ光を被加工対象物の表面に照射することによって、該被加工対象物を加工するレーザ加工機において、
互いに異なる向きに回転可能な一対の反射ミラーを含んで構成され、該各々の反射ミラーの回転位置を制御することにより、前記レーザ光源からのレーザ光を、前記被加工対象物の表面上で二次元的に走査させるガルバノスキャナと、
前記被加工対象物の表面に加工すべき加工データを記憶しておく加工データ記憶手段と、
前記加工データに基づいて前記ガルバノスキャナを制御することにより、前記被加工対象物の表面上での照射位置を走査させる走査制御手段と、
前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記被加工対象物の上に収束させるレンズであって、該ガルバノスキャナが該レーザ光を走査することによる入射角度に関係なくレンズ中心軸に沿った出射角度でレーザ光を出射するfθレンズと、
前記レーザ光源と前記ガルバノスキャナとの間に設けられて、前記レーザ光のビーム径を変更することにより、前記fθレンズによって該レーザ光が収束される焦点位置を、該レーザ光の光軸方向に移動させる焦点位置移動手段と、
前記ガルバノスキャナよりも前段で、前記レーザ光の光軸と同軸上に光を入射し、前記被加工対象物の表面で反射して該レーザ光の光軸と同軸上に戻ってきた光を受光することにより、該被加工対象物の表面までの距離に関する距離情報を検出する距離情報検出手段と、
前記被加工対象物の加工に先立って、前記レーザ光の照射位置を走査させながら前記距離情報検出手段を用いて前記距離情報を検出することにより、該レーザ光を走査する経路上での該距離情報である距離情報データを生成する距離情報データ生成手段と、
前記焦点位置移動手段に前記距離情報データを供給して前記レーザ光の焦点位置を変更しながら、前記走査制御手段に前記加工データを供給して前記レーザ光を走査することにより、前記被加工対象物の表面を加工する表面加工手段と
を備えることを特徴とする。
レーザ光源から出射されるレーザ光を被加工対象物の表面に照射することによって、該被加工対象物を加工するレーザ加工機において、
互いに異なる向きに回転可能な一対の反射ミラーを含んで構成され、該各々の反射ミラーの回転位置を制御することにより、前記レーザ光源からのレーザ光を、前記被加工対象物の表面上で二次元的に走査させるガルバノスキャナと、
前記被加工対象物の表面に加工すべき加工データを記憶しておく加工データ記憶手段と、
前記加工データに基づいて前記ガルバノスキャナを制御することにより、前記被加工対象物の表面上での照射位置を走査させる走査制御手段と、
前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記被加工対象物の上に収束させるレンズであって、該ガルバノスキャナが該レーザ光を走査することによる入射角度に関係なくレンズ中心軸に沿った出射角度でレーザ光を出射するfθレンズと、
前記レーザ光源と前記ガルバノスキャナとの間に設けられて、前記レーザ光のビーム径を変更することにより、前記fθレンズによって該レーザ光が収束される焦点位置を、該レーザ光の光軸方向に移動させる焦点位置移動手段と、
前記ガルバノスキャナよりも前段で、前記レーザ光の光軸と同軸上に光を入射し、前記被加工対象物の表面で反射して該レーザ光の光軸と同軸上に戻ってきた光を受光することにより、該被加工対象物の表面までの距離に関する距離情報を検出する距離情報検出手段と、
前記被加工対象物の加工に先立って、前記レーザ光の照射位置を走査させながら前記距離情報検出手段を用いて前記距離情報を検出することにより、該レーザ光を走査する経路上での該距離情報である距離情報データを生成する距離情報データ生成手段と、
前記焦点位置移動手段に前記距離情報データを供給して前記レーザ光の焦点位置を変更しながら、前記走査制御手段に前記加工データを供給して前記レーザ光を走査することにより、前記被加工対象物の表面を加工する表面加工手段と
を備えることを特徴とする。
このような本発明のレーザ加工機においては、被加工対象物の表面までの距離に関する情報(距離情報)を検出してレーザ光を被加工対象物に照射することにより、被加工対象物の表面上に正確にレーザ光を集光させて、適切に被加工対象物を加工することができる。ここで、距離情報を検出するに際しては、ガルバノスキャナよりも前段から、レーザ光の光軸と同軸上に光を入射し、被加工対象物の表面で反射してレーザ光の光軸と同軸上に戻ってきた光を受光することによって、距離情報を検出する。また、被加工対象物の表面を加工するに際しては、ガルバノスキャナを制御して被加工対象物の表面上での光の照射位置を走査しながら距離情報を検出することにより、加工経路上での距離情報である距離情報データを検出しておく。そして、こうして得られた距離情報データを用いてレーザ光の焦点位置を調整しながら、加工データに従ってガルバノスキャナを制御して、レーザ光を走査することによって、被加工対象物の表面を加工する。
このようにすれば、ガルバノスキャナの上流側から被加工対象物の表面までの間では、レーザ光の光軸と、距離情報を検出するために入射した光の光軸とが一致するので、ガルバノスキャナを用いてレーザ光をどのように走査した場合でも、レーザ光が照射される表面までの距離に関する距離情報を、常に正確に検出することができる。すなわち、面倒な光軸調整を行わなくても、レーザ光が照射される正確な加工位置までの距離(距離情報)を検出することができるので、検出結果に基づいて焦点位置を移動させることにより、被加工対象物の表面に正確にレーザ光を集光させて、被加工対象物を適切に加工することが可能となる。
更に、被加工対象物を加工するに先立って、被加工対象物の表面を走査して距離情報データを生成することができるので、被加工対象物の表面形状を示すような3次元データを予め作成しておく必要がない。また、実際の被加工対象物には、寸法差や公差が存在しているため、3次元データに基づいて加工しても、意図した通りの結果が得られない場合が起こり得る。更には、レーザ加工機に被加工対象物が設置される位置精度あるいは高さにも誤差が発生し得る。このため、如何に精度の高い3次元データに基づいて加工しても、意図したとおりの加工ができない場合が起こり得る。こうしたことを避けようとすると、被加工対象物を正確に位置決めしてレーザ加工機に設置する必要があり、煩雑な作業が必要となる。この点で、本発明のレーザ加工機では、実際に加工しようとする被加工対象物を用いて距離を測定しているので、被加工対象物を正確に位置決めするなどの煩雑な作業を要することなく、正確な加工を行うことが可能となる。
加えて、加工位置は、ガルバノスキャナを用いて変更することができるので、極めて迅速に距離情報を検出することが可能であるとともに、極めて迅速に被加工対象物を加工することも可能である。更に、ガルバノスキャナと被加工対象物との間には、レーザ光を走査することによる入射角度に関係なくレンズ中心軸に沿った出射角度でレーザ光を出射するタイプのfθレンズが設けられている。そのため、距離情報を検出する位置によらず、被加工対象物の表面に対して常に同じ角度で光を入射するとともに、常に同じ角度で反射した光を受光して距離情報を検出することができる。その結果、より一層正確に距離情報を検出することが可能となり、延いては、被加工対象物の表面に正確にレーザ光を集光させて、適切に加工することが可能となる。もちろん、加工時にも上述したfθレンズを介してレーザ光が収束されるので、被加工対象物の表面には、加工位置によらず常に同じ角度でレーザ光が照射されることになって、安定した加工を行うことが可能となる。
また、上述した本発明のレーザ加工機においては、被加工対象物の表面までの距離情報を、次のようにして検出しても良い。先ず、距離情報を検出するための光を、焦点位置移動手段よりも前段で、レーザ光の光軸と同軸上に入射する。そして、被加工対象物の表面で反射して、レーザ光の光軸と同軸上に戻ってきた光を、焦点位置移動手段を介して検出する。このとき、焦点位置移動手段を用いて焦点位置を移動させることにより、検出される光の強度が最大となる焦点位置を、距離情報として検出することとしてもよい。
こうすれば、入射された光が被加工対象物の表面で集光された時に、検出される光の強度が最大となるので、その時の焦点位置を、距離情報として用いることができる。そして、距離情報を検出するために用いた焦点位置移動手段その物を用いて、被加工対象物の表面にレーザ光を集光させることができるので、距離情報の検出結果を用いて、レーザ光を極めて正確に被加工対象物の表面に集光させることができる。その結果、被加工対象物を、より一層適切に加工することが可能となる。
また、上述した本発明のレーザ加工機においては、被加工対象物の表面に加工すべき加工データに基づいてガルバノスキャナを制御して、被加工対象物の表面上で照射位置を走査させながら、距離情報を検出することによって、距離情報データを生成してもよい。そして、加工データに従ってレーザ光を走査しながら、距離情報データに従ってレーザ光の焦点位置を補正することによって、被加工対象物の表面を加工することとしてもよい。
こうすれば、レーザ光を用いて加工する経路上での距離情報だけを検出することができるので、距離情報のデータが必要最小限で済み、迅速に距離情報を検出して、被加工対象物の表面を迅速に加工することが可能となる。また、前述したように、加工時のレーザ光の光軸と、距離情報検出用の光の光軸とは、少なくともガルバノスキャナから被加工対象物の表面までの間では完全に一致しているので、正確に加工経路上だけの距離情報を、極めて簡単に且つ迅速に検出することができる。その結果、被加工対象物の表面を、簡便にしかも迅速に加工することが可能となる。
また、上述した本発明のレーザ加工機においては、レーザ光源から出射されるレーザ光の光強度を減衰させた後、減衰されたレーザ光を用いて、距離情報を検出することとしてもよい。
こうすれば、被加工対象物を加工する際のレーザ光の光軸と、被加工対象物の表面までの距離情報を検出する際のレーザ光の光軸とを完全に一致させることができるので、何ら光軸調整を行わなくても、常に正確に、被加工対象物の表面までの距離情報を検出することが可能となる。また、各種ミラーでの反射率や、光学レンズなどの焦点位置は、厳密に言えば、光の波長に応じて少しずつ異なっている。従って、加工用のレーザ光を用いて距離情報を検出すれば、こうした波長の違いによる影響を全く受けることなく正確な距離情報を検出することができるので、被加工対象物の表面により一層正確にレーザ光を集光させて、加工を行うことができる。加えて、加工用のレーザ光源とは別に、距離情報を検出するための光源を備える必要がないので、レーザ加工機の構造を簡単にすることができると同時に、レーザ加工機を小形化することが可能となる。
また、光強度を減衰させたレーザ光を用いて距離情報を検出する本発明のレーザ加工機においては、レーザ光源を制御することにより、レーザ光源が出射するレーザ光の光強度を減衰させるようにしても良いが、次のようにしてレーザ光の光強度を減衰させるようにしても良い。すなわち、レーザ光源の後段に光強度減衰器を設けておき、レーザ光源から出射されたレーザ光の光強度を光強度減衰器で減衰させた後、出射するようにしても良い。
こうすれば、レーザ光源の動作条件を変える必要がないので、レーザ光源を常に安定した状態で、且つ、効率よく動作させてレーザ光を出射することができる。その結果、被加工対象物を、安定して効率よく加工することが可能となる。
また、上述した本発明のレーザ加工機においては、次のようにしても良い。すなわち、距離情報検出手段によって検出される距離情報が、焦点位置移動手段による焦点位置の移動可能な範囲から外れる場合には、その旨を報知するようにしてもよい。
例えば、被加工対象物がレーザ加工機に適切に搭載されていない場合や、誤って異なる被加工対象物を搭載した場合などには、被加工対象物の表面までの距離が遠すぎて、あるいは近すぎて、レーザ光の焦点位置を調整できない場合が生じ得る。このような場合に、被加工対象物の表面が、焦点位置を移動可能な範囲から外れる旨を報知してやることで、不適切な加工を行ってしまうことを未然に回避することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.レーザ加工機の構成:
B.距離情報の検出原理:
C.レーザ加工方法:
D.変形例:
D−1.第1変形例:
D−2.第2変形例:
A.レーザ加工機の構成:
B.距離情報の検出原理:
C.レーザ加工方法:
D.変形例:
D−1.第1変形例:
D−2.第2変形例:
A.レーザ加工機の構成 :
図1は、本実施例のレーザ加工機100の構成を示した説明図である。一般に、レーザ加工機は、レーザ光源から出射されたレーザ光を被加工対象物Wの表面に照射することによって、被加工対象物Wの加工を行う。ここで、図示されているように、本実施例のレーザ加工機100は、図中に一点鎖線で示したレーザ光の光軸上に、レーザ光のビーム径を変更するビームエキスパンダ120と、一対の反射ミラーを用いて被加工対象物Wの表面でレーザ光を二次元的に走査させるガルバノスキャナ130と、ガルバノスキャナ130によって操作されたレーザ光を被加工対象物Wの表面上に収束させるレンズ系140などが設けられている。尚、図1に示した例では、ビームエキスパンダ120とガルバノスキャナ130との間に設けられた反射ミラー114によって、レーザ光の光軸が一旦、曲げられているが、これはレーザ加工機100全体をコンパクトにまとめるためであって、反射ミラー114を用いない構成とすることも可能である。
図1は、本実施例のレーザ加工機100の構成を示した説明図である。一般に、レーザ加工機は、レーザ光源から出射されたレーザ光を被加工対象物Wの表面に照射することによって、被加工対象物Wの加工を行う。ここで、図示されているように、本実施例のレーザ加工機100は、図中に一点鎖線で示したレーザ光の光軸上に、レーザ光のビーム径を変更するビームエキスパンダ120と、一対の反射ミラーを用いて被加工対象物Wの表面でレーザ光を二次元的に走査させるガルバノスキャナ130と、ガルバノスキャナ130によって操作されたレーザ光を被加工対象物Wの表面上に収束させるレンズ系140などが設けられている。尚、図1に示した例では、ビームエキスパンダ120とガルバノスキャナ130との間に設けられた反射ミラー114によって、レーザ光の光軸が一旦、曲げられているが、これはレーザ加工機100全体をコンパクトにまとめるためであって、反射ミラー114を用いない構成とすることも可能である。
ここで、レーザ光源110としては、十分な光強度のレーザ光を出射することができれば、パルス発振型の光源、また連続発振型の光源の何れを用いることも可能である。また、レーザ媒質についても、気体、固体、液体など種々のレーザ媒質のレーザ光源110を用いることが可能であり、更には、半導体レーザを用いることもできる。
ビームエキスパンダ120は、少なくとも2枚の光学レンズによって構成されており、それら光学レンズ間の距離を変更可能となっている。そして、ビーム状のレーザ光を上流側の光学レンズで拡散光に変換した後、下流側の光学レンズで拡散光を平行光に収束させて、再びビーム状のレーザ光を得ることができる。従って、上流側および下流側の光学レンズ間の距離を調整することによって、レーザ光のビーム径を拡大したり、逆に縮小したりすることが可能となっている。
ガルバノスキャナ130は、レーザ光を全反射する一対の反射ミラーから構成され、それぞれの反射ミラーは、一端側がガルバノモータに取り付けられている。ガルバノモータは、極めて高い精度で所望の角度だけ軸回転させることが可能であり、各々のガルバノモータは、回転軸が互いに異なる方向に設けられている。従って、これらガルバノモータを制御してそれぞれの反射ミラーの角度を調整することにより、レーザ光を所望の方向に反射させて、被加工対象物Wの表面上を二次元的に走査することが可能となっている。
レンズ系140は、複数の光学レンズから構成されており、ガルバノスキャナ130からのレーザ光を被加工対象物Wの上に収束させる機能を有している。ここで、上述したようにガルバノスキャナ130は、レーザ光の反射角度を変えることによって被加工対象物Wの表面を走査しているから、レーザ光の走査に伴って、レンズ系140に入射する光軸の角度が変化する。一般的なレンズ系では、入射角度が大きく異なる条件では、たとえ同じ角度だけ光軸を動かした場合でも、被加工対象物Wの表面上でビームが移動する距離は異なったものとなる。本実施例のレンズ系140では、このようなレーザ光の入射角度の違いを吸収して、レーザ光の入射角度が同じ角度だけ変化したのであれば、レーザ光の焦点も被加工対象物Wの表面に沿って常に同じ距離だけ移動するような特殊なレンズ系(このようなレンズ系は、「fθレンズ」と呼ばれている)を採用している。そして、本実施例のレンズ系140は、fθレンズの中でも、特に「テレセントリック型fθレンズ」と呼ばれる特殊なレンズ系を使用している。このため、図1に示されるように、ガルバノスキャナ130からレンズ系140に入射されるレーザ光の入射角度が変わっても、レンズ系140からは、被加工対象物Wに対して常に同じ角度でレーザ光が照射されるようになっている。
また、図1に示すように、本実施例のレーザ加工機100には、レーザ光源110とビームエキスパンダ120との間の光軸上に、ハーフミラー112が設けられており、このハーフミラー112と組み合わせて光学式の距離計150が設けられている。本実施例のレーザ加工機100では、距離計150を用いて被加工対象物Wの表面までの距離を測定し、その結果を用いてレーザ光の焦点位置を調整することにより、被加工対象物Wの表面に正確にレーザ光を集光させることが可能である。そして、詳細には後述するが、本実施例のレーザ加工機100では、距離計150が被加工対象物Wの表面までの距離を測定するための光軸と、レーザ光を用いて被加工対象物Wを加工するための光軸とは、そのほとんどが共通化されているため、面倒な光軸あわせを行う必要がなく、被加工対象物Wの表面を簡単に加工することができる。加えて、ガルバノスキャナ130を用いてレーザ光を走査して加工することができるので、被加工対象物Wの表面を迅速に加工することが可能となる。
更に、本実施例のレーザ加工機100には、レーザ光源110や、ビームエキスパンダ120、ガルバノスキャナ130、距離計150とデータをやり取りすることにより、レーザ加工機100全体の動作を制御する制御部160も設けられている。制御部160は、各種の算術演算・論理演算を実行するCPUや、CPUが実行する各種のプログラムやデータを記憶しているROM、CPUがプログラムを実行する際に生じる各種のデータを一時的に蓄えるRAM、水晶発振器の出力をカウントすることにより計時を行うタイマーなどが、相互にデータをやり取り可能に接続されたマイクロコンピュータによって構成されている。
B.距離情報の検出原理 :
図2は、本実施例のレーザ加工機100に搭載された距離計150が、被加工対象物Wの表面までの距離を測定する様子を示した説明図である。図2(a)には、距離計150の内部構造、および距離計150を用いて被加工対象物Wの表面までの距離を測定する際の光軸が示されている。図示されるように、距離計150の内部には、測定用のレーザ光源152と、光強度を検出する検出器154と、ハーフミラー156とが設けられている。尚、ここでは、被加工対象物Wまでの距離を測定するためにもレーザ光を使用するものとして説明するが、距離を測定するためには特に強い光が必要なわけではないので、レーザ光源152の代わりに、他の一般的な光源を用いることも可能である。
図2は、本実施例のレーザ加工機100に搭載された距離計150が、被加工対象物Wの表面までの距離を測定する様子を示した説明図である。図2(a)には、距離計150の内部構造、および距離計150を用いて被加工対象物Wの表面までの距離を測定する際の光軸が示されている。図示されるように、距離計150の内部には、測定用のレーザ光源152と、光強度を検出する検出器154と、ハーフミラー156とが設けられている。尚、ここでは、被加工対象物Wまでの距離を測定するためにもレーザ光を使用するものとして説明するが、距離を測定するためには特に強い光が必要なわけではないので、レーザ光源152の代わりに、他の一般的な光源を用いることも可能である。
図1中に破線で示したように、レーザ光源152から出射された光は、ハーフミラー156を通過して距離計150から出射される。また、前述したように、加工用のレーザ光源110から出射されるレーザ光の光軸上には、ハーフミラー112が設けられている。距離計150から出射された測定用のレーザ光はハーフミラー112で反射されて、加工用のレーザ光の光軸上を進んで、ビームエキスパンダ120に入射される。そして、前述したようにビームエキスパンダ120でビーム径を拡大あるいは縮小された後、反射ミラー114、ガルバノスキャナ130、レンズ系140を経由して、被加工対象物Wに照射される。ハーフミラー112から被加工対象物Wまでの光軸は、レーザ光源110から出射される加工用のレーザ光の光軸と共通となっている。従って、被加工対象物Wを加工する際に、ガルバノスキャナ130を用いてレーザ光を走査するのと全く同じ制御を行うことにより、測定用のレーザ光源152から出射されたレーザ光も、被加工対象物Wの上を走査することができる。もちろん、レーザ光をどのように走査した場合でも、加工用のレーザ光の光軸と測定用のレーザ光の光軸とは、少なくともハーフミラー112から被加工対象物Wまでの間では完全に一致した状態となっている。
また、前述したように、本実施例のレーザ加工機100では、レンズ系140に、テレセントリック型fθレンズが用いられている。テレセントリック型fθレンズは、ガルバノスキャナ130で走査されることによるレーザ光の入射角度の変化を吸収する機能を有しているため、被加工対象物Wに対して常に同じ角度でレーザ光が照射される。そして、被加工対象物Wの表面で反射された光は、今度は光軸を、レンズ系140、ガルバノスキャナ130、ビームエキスパンダ120と逆に辿って、ハーフミラー112で反射され、更に距離計150内に設けられたハーフミラー156で反射されて、検出器154によって光強度が検出される。尚、検出器154の手前にはピンホール154pが設けられている。従って、ハーフミラー156で反射された光のうち、ピンホール154pを通過した光だけが、検出器154によって検出されるようになっている。
このようにして検出器154で光強度を検出しながらビームエキスパンダ120を調整することにより、測定用のレーザ光を、被加工対象物Wの表面に正確に集光させることが可能となる。尚、本明細書中では、レーザ光が集光する位置を、「レーザ光の焦点位置」と称することがある。
今、ビームエキスパンダ120を調整して、測定用のレーザ光のビーム径を、図2(a)に斜線を付して示した太さに設定したときに、レーザ光の焦点位置が、ちょうど被加工対象物Wの表面と一致したものとする。この状態から、ビームエキスパンダ120のレンズ間距離を変更して、レーザ光のビーム径を太くすると、レーザ光の焦点位置は、被加工対象物Wの表面から奥側に移動する。図2(a)に示した細い一点鎖線は、ビーム径を太くしたために、焦点位置が被加工対象物Wの表面の奥に移動したレーザ光を表している。このように焦点位置が、被加工対象物Wの表面の奥側にある状態では、レーザ光は被加工対象物Wの表面の広い範囲を照射する。しかし、検出器154の手前にはピンホール154pが設けられているので、被加工対象物Wの表面の広い範囲で反射して戻ってきた光は、大部分がピンホール154pに遮られてしまい、検出器154で検出される光強度は低下する。すなわち、被加工対象物Wの表面上でレーザ光によって照らされている範囲が狭くなるほど、ピンホール154pを通過する比率が高くなって、検出器154で検出される光強度が高くなるのである。
以上は、レーザ光のビーム径を太くした場合について説明した。逆に、レーザ光のビーム径を細くした場合は、レーザ光の焦点位置が、被加工対象物Wの表面よりも手前側に移動する。しかし、表面よりも手前側でレーザ光が集光される結果、被加工対象物Wの表面では広い範囲が照らされることになる。このため、レーザ光のビーム径を細くし過ぎた場合にも、多くの光がピンホール154pで遮られて、検出器154で検出される光強度が低くなる。
図2(b)には、ビームエキスパンダ120による焦点位置の調整量(すなわち、ビーム径)と、検出器154で検出される光強度との関係が示されている。図示されるように、ビーム径が太すぎる場合は、レーザ光の焦点位置が被加工対象物Wの表面よりも奥側に来る結果、受光される光強度が低下し、逆に、ビーム径が細すぎる場合は、焦点位置が被加工対象物Wの表面よりも手前側に来るので光強度が低下する。結局は、検出器154の受光量が最大値となるように、ビームエキスパンダ120を調整してやれば、ちょうどその状態で、レーザ光の焦点位置が被加工対象物Wの表面に存在していることになる。従って、その時のビームエキスパンダ120の調整量を検出することにより、被加工対象物Wの表面までの距離を検出することができる。換言すれば、ビームエキスパンダ120の調整量が、被加工対象物Wの表面までの距離を示す情報(距離情報)となっている。
また、ガルバノスキャナ130を用いてレーザ光の照射位置を走査してやれば、被加工対象物Wの表面上のどのような位置であっても、同様にして距離情報(ビームエキスパンダ120の調整量)を求めることができる。前述したように、ガルバノスキャナ130で走査されたレーザ光は、テレセントリック型fθレンズを用いたレンズ系140で収束されるので、被加工対象物Wの表面上のどのような位置で測定する場合でも、被加工対象物Wの表面に対して常に同じ角度でレーザ光が照射される。このため、測定位置によらず、ほぼ同じレベルの受光量が得られるので、正確な距離情報(ビームエキスパンダ120の調整量)を求めることが可能となっている。
尚、レーザ光源152から出射される測定用のレーザ光のビーム径と、レーザ光源110から出射される加工用のレーザ光のビーム径とは、必ずしも一致するとは限らない。上述した説明から明らかなように、ビーム径が異なれば、被加工対象物Wの表面にレーザ光を集光させるためのビームエキスパンダ120の調整量も異なったものとなる。しかし、測定用のレーザ光のビーム径と、加工用のレーザ光のビーム径とを求めておけば、測定用のレーザ光で検出したビームエキスパンダ120調整量を、加工用のレーザ光を被加工対象物Wの表面に集光させるためのビームエキスパンダ120の調整量に換算することが可能である。
あるいは、レーザ光源152から出射される測定用のレーザ光のビーム径を調整して(若しくはビームエキスパンダなどを用いてビーム径を変換して)、測定用のレーザ光のビーム径を、レーザ光源110から出射される加工用のレーザ光のビーム径と一致させるようにしても良い。このようにしておけば、測定用のレーザ光を用いて求めたビームエキスパンダ120の調整量を、そのまま加工時のビームエキスパンダ120の調整量として用いることができる。このため、レーザ光源110からのレーザ光を、簡単にしかも正確に被加工対象物Wの表面上に集光させて、加工することが可能となる。
C.レーザ加工方法 :
次に、本実施例のレーザ加工機100を用いて、被加工対象物Wの表面を加工する方法について説明する。図3は、本実施例のレーザ加工機100で行われるレーザ加工処理を示すフローチャートである。この処理は、レーザ加工機100の操作者が、レーザ加工機100に被加工対象物Wをセットした状態で所定のスタートボタンを押すと、制御部160に搭載されたCPUが、制御部160内のROMに記憶されているプログラムを読み出すことによって実行される処理である。
次に、本実施例のレーザ加工機100を用いて、被加工対象物Wの表面を加工する方法について説明する。図3は、本実施例のレーザ加工機100で行われるレーザ加工処理を示すフローチャートである。この処理は、レーザ加工機100の操作者が、レーザ加工機100に被加工対象物Wをセットした状態で所定のスタートボタンを押すと、制御部160に搭載されたCPUが、制御部160内のROMに記憶されているプログラムを読み出すことによって実行される処理である。
図示されているように、レーザ加工処理を開始すると、制御部160のCPUは、先ず初めに、被加工対象物Wがセットされているか否かを判断する(ステップS100)。この判断は、被加工対象物Wをセットすべき位置に設けられた図示しない接点スイッチや、光学式あるいは電磁式の非接触センサなどの出力を検出することによって判断することができる。そして、被加工対象物Wがセットされていると判断された場合は(ステップS100:yes)、被加工対象物Wの表面に加工しようとする加工形状を示すデータ(加工形状データ)を、制御部160のROMあるいは外部のコンピュータから読み込む処理を行う(ステップS102)。図1を用いて前述したように、本実施例のレーザ加工機100は、ガルバノスキャナ130を用いてレーザ光を走査することにより、被加工対象物Wの表面を加工することができる。加工形状データとは、被加工対象物Wの表面でレーザ光を走査する形状を表す二次元データである。
続いて、制御部160のCPUは、レーザ光源152から測定用のレーザ光を出射しながら、加工形状データに従ってガルバノスキャナ130を制御することにより、測定用のレーザ光を被加工対象物Wの表面で走査させる。そして、レーザ光が走査する経路上の複数箇所で、図2を用いて前述した原理による最適焦点位置を測定する(ステップS104)。
図4は、加工形状データに沿ってレーザ光を走査しながら、経路上の複数箇所で最適焦点位置のデータを測定する様子を示した説明図である。図4(a)には、加工形状データが例示されている。図示されるように、加工形状データは、ノードと呼ばれる複数の座標点と、各ノード間の接続情報(例えば、ノードが始点または終点か否か、あるいはノードがどのノードと接続されるかなどを示す情報)とによって構成されている。例えば、図4(a)に示した例では、6つのノードを接続情報に基づいて接続することによって、アルファベットの「A」という文字の形状が表現されている。
このような加工形状データに基づいてガルバノスキャナ130を制御することにより、被加工対象物Wの表面上で、レーザ光を走査しながら、走査経路上の所定間隔おきに、検出器154の光強度が最大値となるようにビームエキスパンダ120を調整して、最適焦点位置を検出する。図4(b)には、最適焦点位置の検出位置が、レーザ光の走査経路に沿って複数箇所に設けられている様子が示されている。また、図4(c)には、走査経路上のそれぞれの検出位置について、検出位置の座標点と、その座標点で検出された最適焦点位置(ビームエキスパンダ120の調整量)とが得られた様子が示されている。図3に示したレーザ加工処理のステップS104では、図4(c)に例示するような最適焦点位置のデータ(すなわち、距離情報データ)を測定する処理を行う。
尚、最適焦点位置のデータ測定中に、被加工対象物Wの表面がレンズ系140に近すぎて、あるいは遠すぎて、ビームエキスパンダ120での調整可能な範囲を超えてしまい、最適焦点位置を検出することができなくなった場合には、その旨のエラーメッセージを表示するようにしても良い。もちろん、正しい被加工対象物Wが、レーザ加工機100に正しくセットされているのであれば、このような事態が発生することはないが、例えば、何らかの理由で誤った被加工対象物Wがセットされた場合や、あるいは被加工対象物Wが適切にセットされていなかった場合には、このような事態も起こり得る。このような場合は、適切な加工は望むべくもない。従って、最適焦点位置を検出できなかった場合には、その旨のエラーメッセージを表示することで、正しい被加工対象物Wに変更したり、あるいは被加工対象物Wを正しくセットし直すことが可能となる。
以上のようにして、加工形状の経路上での最適焦点位置のデータが得られたら、今度は、レーザ光源110から加工用のレーザ光を出射する。そして、加工形状データに基づいてガルバノスキャナ130を制御することにより、被加工対象物Wの表面上で加工用のレーザ光を走査しながら、先に取得した最適焦点位置のデータに従ってビームエキスパンダ120を調整する。こうすることにより、加工用のレーザ光を、被加工対象物Wの表面に正確に集光させながら加工を進めることができる。
尚、被加工対象物Wの表面上で、レーザ光を照射して加工する座標点を正確に特定することができる場合は、それらの座標点についてだけ、測定用のレーザ光を照射して最適焦点位置のデータを測定するようにしても良い。こうすれば、必要な箇所についてだけ、正確な最適焦点位置のデータを測定することができるので、迅速に且つ正確な加工を行うことができる。もちろん、加工経路上の複数箇所で求められた最適焦点位置のデータから補間演算を行うことによって、実際に加工用のレーザ光を照射する座標点での最適焦点位置を算出することとしても良い。あるいは、加工経路を含む領域内で、格子状に複数の座標点での最適焦点位置を算出しておき、それら座標点での最適焦点位置に基づいて、加工経路上での最適焦点位置を補間演算することによって、加工経路上での最適焦点位置のデータを算出することも可能である。
また、レーザ加工処理の開始直後で、被加工対象物Wがセットされていないと判断された場合は(ステップS100:no)、上述した一連の処理を行うことなく、図示しない表示部にエラーメッセージを表示して(ステップS108)、図3のレーザ加工処理を終了する。
以上に詳しく説明したように、本実施例のレーザ加工機100では、加工用のレーザ光の光軸上に、距離測定用の光(上述した実施例ではレーザ光)を入射して、被加工対象物Wまでの距離に関する情報(上述した実施例では、ビームエキスパンダ120の調整量)を取得している。このため、レーザ光による加工位置と、距離の測定位置とを一致させるための面倒な調整を全く行うことなく、被加工対象物Wまでの距離を正確に検出し、その結果に基づいて、被加工対象物Wの表面に正確にレーザ光を集光させることにより、正確な加工を行うことができる。また、加工用のレーザ光の光軸と、距離測定用の光の光軸とが一致しているので、ガルバノスキャナ130を用いてレーザ光(あるいは測定用の光)を走査した場合でも、加工位置と距離の測定位置とがずれることがない。
加えて、上述した実施例では、ガルバノスキャナ130からの光は、テレセントリック型fθレンズを用いて被加工対象物Wの上に収束させており、また、被加工対象物Wまでの距離を検出する際には、被加工対象物Wの表面で反射した光を検出することによって距離を検出している。このため、被加工対象物Wの表面上で距離を測定する位置によらず、常に同じ角度で光を照射して、常に同じ角度で反射した光を検出して距離を測定することができるので、距離に関する情報を正確に測定することができる。加えて、被加工対象物Wの加工時にも、加工用のレーザ光を表面に正確に集光させることができるだけでなく、表面に対して常に同じ角度で照射することができる。このため、距離を正確に測定可能なことと相俟って、加工精度を大きく向上させることができる。
更に、上述した実施例では、加工用のレーザ光の焦点位置を調整するビームエキスパンダ120の上流側から、距離測定用の光を、レーザ光の光軸に沿って入射するとともに、被加工対象物Wで反射した光の強度を、ピンホール154pと組合せた検出器154で検出することによって、被加工対象物Wまでの距離を検出している。こうすれば、加工用のレーザ光の焦点位置を調整するビームエキスパンダ120、その物を用いて、被加工対象物Wまでの距離を検出することができる。このため、距離の検出時に焦点位置を合わせた条件とほとんど同じ条件で、加工用のレーザ光を集光することができるので、被加工対象物Wの表面に正確にレーザ光を集光して、正確に加工することが可能となる。
D.変形例 :
上述した実施例には、幾つかの変形例が存在している。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
上述した実施例には、幾つかの変形例が存在している。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
D−1.第1変形例 :
上述した実施例では、測定用のレーザ光を、ビームエキスパンダ120の上流側(レーザ光源110の側)から入射して、被加工対象物Wまでの距離に関する情報を取得するものとして説明した。しかし、測定用のレーザ光を、ビームエキスパンダ120の下流側(被加工対象物Wの側)から入射して、被加工対象物Wまでの距離を測定することも可能である。
上述した実施例では、測定用のレーザ光を、ビームエキスパンダ120の上流側(レーザ光源110の側)から入射して、被加工対象物Wまでの距離に関する情報を取得するものとして説明した。しかし、測定用のレーザ光を、ビームエキスパンダ120の下流側(被加工対象物Wの側)から入射して、被加工対象物Wまでの距離を測定することも可能である。
図5は、第1変形例のレーザ加工機100の構造を示す説明図である。図示されているように、第1変形例のレーザ加工機100では、ビームエキスパンダ120の下流側にハーフミラー112が設けられている。そして、距離計150から出射された光は、ハーフミラー112で反射して、加工用のレーザ光の光軸上を通って、被加工対象物Wの表面に照射されるようになっている。また、被加工対象物Wの表面で反射した光は、加工用のレーザ光の光軸に沿って戻って来た後、ハーフミラー112で反射して、距離計150に導かれるようになっている。従って、第1変形例のレーザ加工機100では、加工用のレーザ光源110から出射されたレーザ光の光軸と、距離計150から出射された光の光軸とは、ハーフミラー112から被加工対象物Wの表面までの間が共通化されていることになる。
図6は、第1変形例のレーザ加工機100において被加工対象物Wの表面までの距離を測定する原理を示した説明図である。第1変形例では、距離計150から被加工対象物Wの表面に向けてパルス光を発射して、表面で反射した光が戻ってくるまでにかかる時間を計測することによって、被加工対象物Wの表面までの距離を測定する。図6には、距離計150から発射されたパルス光が、ハーフミラー112で反射した後、レーザ光源110から出射される加工用のレーザ光の光軸上を、反射ミラー114、ガルバノスキャナ130、レンズ系140と進行して、被加工対象物Wの表面に照射される様子が模式的に示されている。そして、被加工対象物Wの表面で反射したパルス光は、再び同じ経路を通って、ハーフミラー112で反射して、距離計150で検出される。第1変形例の距離計150は、発射したパルス光が戻ってくるまでの時間を測定することによって、被加工対象物Wの表面までの距離を測定する。
このような第1変形例のレーザ加工機100においても、ハーフミラー112から被加工対象物Wの表面までの間では、レーザ光源110から出射される加工用のレーザ光の光軸と、距離計150から発射されるパルス光の光路とが一致している。このため、ガルバノスキャナ130によって加工用のレーザ光(あるいは測定用のパルス光)をどの位置に走査した場合でも、加工用のレーザ光が照射される位置までの距離を正確に測定することが可能である。加えて、第1変形例のレーザ加工機100においても、ガルバノスキャナ130で走査された光は、テレセントリック型fθレンズによって被加工対象物Wの表面に収束されている。このため、測定位置に拘わらず、被加工対象物Wの表面に対して常に同じ角度で(ほぼ直角に)パルス光を入射して、同じ角度で(ほぼ直角に)反射した光を検出することができるので、パルス光の強度をむやみに大きくしなくても、被加工対象物Wの表面までの距離を効率よく測定することが可能となる。
D−2.第2変形例 :
上述した実施例および変形例においては、加工用のレーザ光源110とは別に、距離測定用の光源を備えるものとして説明した。しかし、加工用のレーザ光源110から出射されるレーザ光を用いて、被加工対象物Wの表面までの距離を測定することとしてもよい。
上述した実施例および変形例においては、加工用のレーザ光源110とは別に、距離測定用の光源を備えるものとして説明した。しかし、加工用のレーザ光源110から出射されるレーザ光を用いて、被加工対象物Wの表面までの距離を測定することとしてもよい。
図7は、第2変形例のレーザ加工機100の構造を示した説明図である。図示されるように、第2変形例のレーザ加工機100は、図1を用いて前述したレーザ加工機100に対して、レーザ光源110から出射されたレーザ光が、アッテネータ170を介してビームエキスパンダ120に入射している点のみが異なっている。ここで、アッテネータ170とは、レーザ光の光強度を減衰させる機能を有する光学部品である。
被加工対象物Wの表面までの距離を測定する際には、表面が加工されない程度まで、アッテネータ170を用いてレーザ光の光強度を減衰させてから、ビームエキスパンダ120にレーザ光を入射する。こうして入射されたレーザ光は、前述したように、ハーフミラー112、ビームエキスパンダ120、反射ミラー114、ガルバノスキャナ130、レンズ系140を経由して、被加工対象物Wの表面に照射される。そして、表面で反射されたレーザ光は、同じ経路を逆に辿って、ハーフミラー112まで戻ってきた後、ハーフミラー112で反射されて距離計150で受光される。
第2変形例の距離計150が被加工対象物Wの表面までの距離を測定する方法としては、受光した光強度が最大となる焦点位置を検出することにより、図2を用いて前述した原理を用いて距離を測定することができる。あるいは、図6に示した原理に従って、パルス光を発射してから、被加工対象物Wの表面で反射した光が戻ってくるまでの時間を計測してもよい。すなわち、レーザ光源110からパルス状のレーザ光を発射して、ビームエキスパンダ120、ハーフミラー112、反射ミラー114、ガルバノスキャナ130、レンズ系140を介して被加工対象物Wの表面を照射し、表面で反射したパルス光が同じ経路を逆に辿って距離計150まで戻ってくるまでに要する時間を計測することにより、被加工対象物Wの表面までの距離を測定することとしても良い。また、このようにパルス光が戻ってくるまでの時間を測定する場合には、ビームエキスパンダ120とガルバノスキャナ130との間に、ハーフミラー112および距離計150を設けてもよい。
このような第2変形例のレーザ加工機100においては、被加工対象物Wの加工時にレーザ光が照射される光軸と、被加工対象物Wの表面までの距離を測定する際の光軸とが完全に一致している。このため、何ら光軸調整を行わなくても、レーザ光を照射して加工する正確な位置までの距離を、常に正確に測定することができる。
加えて、反射ミラー114や、ハーフミラー112、ガルバノスキャナ130などでの反射率(あるいは透過率)や、ビームエキスパンダ120やテレセントリック型fθレンズなどで用いられている各種光学レンズの焦点距離は、実際には、光の波長の関数となっている。従って、厳密に言えば、加工用のレーザ光と異なる波長の光を用いて検出した距離情報には、光の波長に相当する誤差が含まれていることになる。しかし、第2変形例のレーザ加工機100では、加工用のレーザ光を減衰させて、被加工対象物Wまでの距離情報を検出しているので、光の波長の違いに起因する僅かな誤差も含まれることがない。その結果、被加工対象物Wの表面に極めて正確にレーザ光を集光させて、より一層適切に加工を行うことが可能となる。
更に加えて、第2変形例のレーザ加工機100では、加工用のレーザ光源110の他には、何ら光源を備える必要がない。このため、レーザ加工機100の構造を簡単にすることができると同時に、レーザ加工機100をコンパクトにまとめることが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
100…レーザ加工機、 110…レーザ光源、 112…ハーフミラー、
114…反射ミラー、 120…ビームエキスパンダ、
120調整量…ビームエキスパンダ、 130…ガルバノスキャナ、
140…レンズ系、 150…距離計、 152…レーザ光源、
154…検出器、 154p…ピンホール、 156…ハーフミラー、
160…制御部、 170…アッテネータ、 W…被加工対象物
114…反射ミラー、 120…ビームエキスパンダ、
120調整量…ビームエキスパンダ、 130…ガルバノスキャナ、
140…レンズ系、 150…距離計、 152…レーザ光源、
154…検出器、 154p…ピンホール、 156…ハーフミラー、
160…制御部、 170…アッテネータ、 W…被加工対象物
Claims (6)
- レーザ光源から出射されるレーザ光を被加工対象物の表面に照射することによって、該被加工対象物を加工するレーザ加工機において、
互いに異なる向きに回転可能な一対の反射ミラーを含んで構成され、該各々の反射ミラーの回転位置を制御することにより、前記レーザ光源からのレーザ光を、前記被加工対象物の表面上で二次元的に走査させるガルバノスキャナと、
前記被加工対象物の表面に加工すべき加工データを記憶しておく加工データ記憶手段と、
前記加工データに基づいて前記ガルバノスキャナを制御することにより、前記被加工対象物の表面上での照射位置を走査させる走査制御手段と、
前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記被加工対象物の上に収束させるレンズであって、該ガルバノスキャナが該レーザ光を走査することによる入射角度に関係なくレンズ中心軸に沿った出射角度でレーザ光を出射するfθレンズと、
前記レーザ光源と前記ガルバノスキャナとの間に設けられて、前記レーザ光のビーム径を変更することにより、前記fθレンズによって該レーザ光が収束される焦点位置を、該レーザ光の光軸方向に移動させる焦点位置移動手段と、
前記ガルバノスキャナよりも前段で、前記レーザ光の光軸と同軸上に光を入射し、前記被加工対象物の表面で反射して該レーザ光の光軸と同軸上に戻ってきた光を受光することにより、該被加工対象物の表面までの距離に関する距離情報を検出する距離情報検出手段と、
前記被加工対象物の加工に先立って、前記レーザ光の照射位置を走査させながら前記距離情報検出手段を用いて前記距離情報を検出することにより、該レーザ光を走査する経路上での該距離情報である距離情報データを生成する距離情報データ生成手段と、
前記焦点位置移動手段に前記距離情報データを供給して前記レーザ光の焦点位置を変更しながら、前記走査制御手段に前記加工データを供給して前記レーザ光を走査することにより、前記被加工対象物の表面を加工する表面加工手段と
を備えることを特徴とするレーザ加工機。 - 請求項1に記載のレーザ加工機において、
前記距離情報検出手段は、前記焦点位置移動手段よりも前段で、前記レーザ光の光軸と同軸上に光を入射し、前記被加工対象物の表面で反射した光を該焦点位置移動手段を介して検出しながら、該焦点位置移動手段を用いて前記焦点位置を移動させることにより、該検出した光の強度が最大となる焦点位置を、前記距離情報として検出する手段であることを特徴とするレーザ加工機。 - 請求項1または請求項2に記載のレーザ加工機において、
前記距離情報データ生成手段は、前記加工形状データに基づいて前記照射位置を走査させながら、前記距離情報検出手段を用いて前記距離情報を検出することにより、前記距離情報データを生成する手段であることを特徴とするレーザ加工機。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のレーザ加工機において、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光の強度を減衰させる光強度減衰手段を備え、
前記距離情報検出手段は、前記光強度減衰手段によって光強度が減衰された前記レーザ光を用いて、前記距離情報を検出する手段であることを特徴とするレーザ加工機。 - 請求項4に記載のレーザ加工機において、
前記光強度減衰手段は、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を受け取ると、光強度を減衰させた該レーザ光を出射する手段であることを特徴とするレーザ加工機。 - 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載のレーザ加工機において、
前記距離情報検出手段によって検出される前記距離情報が、前記焦点位置移動手段による前記焦点位置の移動可能な範囲から外れる場合には、該焦点位置が移動可能範囲外である旨を報知する報知手段を備えることを特徴とするレーザ加工機。
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