JP2010079246A - 光波形再生器および光波形再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で光3R再生を実現する光波形再生器および光波形再生方法を提供すること。
【解決手段】入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生手段と、前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合手段と、前記信号混合手段で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入力し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生手段と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生手段と、前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合手段と、前記信号混合手段で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入力し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生手段と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバ通信システムに用いられる、非線形媒体の非線形現象を利用した光波形再生器および光波形再生方法に関するものである。
従来、光ファイバ通信システムにおいて、光信号を長距離伝送させる場合、光ファイバ伝送路途中に設けられる光ファイバ増幅器により光信号を光増幅する際に生じる自然放出光(Amplified Spontaneous Emission:ASE)雑音の蓄積や、光ファイバの分散特性、光ファイバの非線形特性などの要因により、伝送後における光信号の波形が歪み、伝送品質の劣化(ビット誤り率の増加)を招いていた。この伝送品質の劣化は、光信号の伝送ビットレートが40Gbit/s以上の場合に特に顕著となっていた。
近年、高速な光信号を高い伝送品質で長距離伝送し、光通信システムを柔軟に構築するため、光の品質を復元させる光3R再生が極めて有効であり、この光3R再生技術が検討されている。特に、光信号を光のまま再生処理する全光3R再生の検討が進められている。光3R再生技術とは、長距離伝送後の減衰した光信号を光増幅するReamplification、光信号の雑音やゆらぎを抑制して波形を整形するReshaping、光信号の時間的な揺らぎ(タイミングジッタ)を補正するRetimingを実現する技術である。また、光3R再生技術のうち、Retimingを除いたReamplificationとReshapingのみを実現するものを光2R再生技術という。
非特許文献1では、光2R再生器を構成するために、光増幅器、非線形光ファイバ、帯域通過光フィルタ(Optical band-pass fiber:OBPF)を用いてReamplificationとReshapingの機能を実現している。
非特許文献2および3では、信号光とポンプ光を混合して非線形効果を発生させるための光ファイバに入射し、光ファイバで発生する非線形効果を通じて発生する利得の飽和にもとづいて、信号光の振幅揺らぎを安定化させることで光2R再生器を実現している。
非特許文献4では、ビットレートが160Gbit/sの信号に対して、モードロックレーザーなどの短パルス光源を信号から抽出したクロックに同期させて駆動し、発生した短パルスクロック光と信号光との光論理積演算(光ANDゲート)動作を行うことでRetimingを実現し、その後波形のひずんでいる信号に対するReshapingを実現させるために非特許文献1の方法を採用し、全体として光3R再生器として機能させている。このような方法を用いることで、超高速光信号に対して電気信号処理を直接作用させることなく、動作速度にほぼ制限のない高速光3R動作を実現することができる。
非特許文献5では、シリコンチップにポンプ光と信号光を入射し、そこで発生する非線形効果を用いることで、ReshapingやRetimingの機能をそれぞれ別個の構成で実現している。
従来の光波形再生器900の構成を図47に示す。この光波形再生器900においては、Retiming部においてRetimingを実現する機能を持つ機器は、例えば光分波器901、クロック抽出器910、短パルス光源920、信号混合部903、そして非線形光ファイバなどの非線形媒体904a、帯域透過光フィルタ905aとからなる光論理積演算器から構成されている。次に、その後段において、非特許文献1に開示されている技術等にもとづくReamplificationとReshapingとを実現するため、例えば非線形光ファイバなどの非線形媒体904b、帯域通過光フィルタ905bを用いて光2R再生器を構成し、それらを組み合わせて光3R再生器を実現させている。
P.V.Mamyshev,"All-Optical Data Regeneration Based On Sel-Phase Modulation Effect" ECOC1998, p.475.
K.Inoue,"Optical level equalization based on gain saturation in fibre optical parametric amplifier," Electron. Lett., vol.36, p.1016(2000).
E.Ciaramella,"All-Optical Signal Reshaping via Four-Wave Mixing in Optical Fibers," Photon. Technol. Lett., vol.12, p.849(2000).
S.Watanabe et al.,"160 Gbit/s Optical 3R-Regenerator in a Fiber Transmission Experiment" OFC2003, PD16.
R.Salem et al.,"Signal regeneration using low-power four-wave mixing on silicon chip" Nature Photon., vol.2, p.35(2008).
このように従来の構成では、ReshapingとRetimingを同時に実現する方法は知られておらず、それぞれの機能を実現するデバイスを別個に用意する必要が生じ、全体としてその構成が著しく複雑になり、部品点数やサイズ、そしてコストが増加していた。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、部品点数やサイズやコストを削減した簡易な構成で光3R再生を実現する光波形再生器および光波形再生方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光波形再生器は、入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生手段と前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合手段と、前記信号混合手段で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入力し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る光波形再生方法は、入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生工程と、前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合工程と、前記信号混合工程で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入射し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で光3R再生を実現できるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態における光波形再生器の構成及びその光波形再生方法について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の実施の形態に係る光波形再生器を、図1を用いて以下に説明する。図1は、光波形再生器の構成を説明する図である。
図1に示すように、光波形再生器100は、信号光を分波する光カプラなどの光分波器101と、光分波器101が分波した一方の信号光に基づいて、信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ信号光と同期しているポンプ光であるビート光を発生するビート光発生部102と、ビート光発生部102で生成したビート光と光分波器101が分波したもう一方の信号光とを混合する信号混合部103と、信号混合部103で混合した信号を非線形媒体104に入力し、ビート光と信号光との間で非線形現象を発生させて信号の光3R再生を行うとともに帯域通過光フィルタ105によって光3R再生を行った信号光を取り出す、光波形再生手段としての光3R再生部110の3つの要素で主に構成される。ここで、ビート光とは、波長(周波数)の異なる二つの光波を重ね合わせて生成される光のことであり、ビート光の強度が時間的に変化する様子は、ビート光を構成する二つの光波の周波数差をビート周波数(繰り返し周波数)として持つ正弦波形状で表される。
なお、ここで、正弦波形状であるビート光を、信号光のビットレートにより規定されるタイムスロットの半分のパルス幅を持つ光パルス列とみなすこともできる。以下、信号光のビットレートにより規定されるタイムスロットを適宜ビットスロットと記載する。
強度が信号光と同期しているビート光(同期ビート光)発生部102については、特許文献1で開示されている機構を採用しても良いし、他の例として、外部クロックに同期可能なモードロックレーザーなどの短パルス光源より得られる出力光をOBPFなどによって帯域制限する機構などを採用しても良い。
ポンプ光の形状としては上記のビート光に限る必要はなく、ガウス型などのパルス形状でもよい。しかしビート光を採用することで、以下の利点が得られる。すなわち、信号光が40Gbit/sを超えるビットレートの超高速信号である場合、信号光と同じ繰り返し周波数を持つパルス列を生成させるのは必ずしも容易ではない。例えば、信号光のビットレートが160Gbit/sである場合、信号光に同期したパルス形状のポンプ光を発生させることは、パルス幅がビットスロットの半分より小さい値である3ps以下であり、繰り返し周波数が160GHzであるパルス列を発生させることを意味するが、そのようなパルス列を電気的に駆動されるデバイスで直接発生する方法はなく、一般的に容易ではない。これに対して、繰り返し周波数が160GHzもしくはそれ以上のビート光は容易に発生させられる。例えば、発振周波数が160GHzだけ異なる二つのレーザー光を合波したり、あるいは連続光に対して160GHzの整数分の一(例えば40GHz)の周波数で強度変調もしくは位相変調を施し、発生した高調波成分をArrayed waveguide grating(AWG)やファブリペローフィルタ等で切り出したりする方法が考えられ、いずれも容易である。
入力する信号光の変調フォーマットとしては、光時分割多重(Optical time‐division multiplexing:OTDM)等の方法によって生成された、Return‐to‐zero(RZ) on‐off keying(OOK)方式などを用いることができる。なおRZ型であればOOK方式に限らず、phase‐shift keying (PSK)方式の信号に対しても本発明の方法は適用可能である。
ここで、信号光とビート光が時間的に同期しているとは、次のように説明される。まず信号光としての光パルス列の各パルスに対する規定時間を定義する。すなわち、あるパルスの中心(強度の中心)が存在する時間をt=0[ps]とおき、そこからパルス時間間隔Δt(繰り返し周波数が160GHzの場合はΔt=6.25[ps])の整数倍離れた時間(整数mを用いてm×Δtと表現される)を規定時間とする。パルス列がタイミング揺らぎを持たない場合、すべてのパルスの中心は規定時間に存在することになる。逆に、パルス列がタイミング揺らぎを持っているということは、各パルスの中心位置が規定時間から正負にランダムにずれているが、ずれの量を十分大きなサンプル数で平均化すると0になるということである。以上の定義を用いてビート光が信号光に時間的に同期している状況を説明すると、信号光とビート光が時間的に同期しているとは、ビート光強度のピーク値が信号光のパルス列の各パルスの規定時間に一致するということである。
次に、光カプラなどの信号混合部103でビート光と信号光を同期するように混合させた後、光3R再生部110に入力する。なお、信号混合部103と光3R再生部110の間に、光増幅のためにErbium−doped fiber amplifier(EDFA)等の光増幅器を配置してもよい。光3R再生部110においては、信号入力端に非線形媒体104が配置され、非線形媒体104においてビート光と信号光との間で非線形現象を発生させて光波形再生を行う。非線形媒体104としては、低損失であり、非線形効果を効率的に発生させる高非線形特性を有する光ファイバが好ましい。例えば、一般に非線形定数γが5[1/W/km]以上である高非線形光ファイバ(Highly nonlinear optical fiber;以下HNLFと言う)や、穴あき構造を持ち、材料としてシリカガラスの他にテルライトや鉛ガラスなどのソフトガラス、あるいはカルコゲナイドガラスなどが採用された、穴あき光ファイバなどを用いることが考えられる。そのほかでは、各種の半導体デバイスやLN(ニオブ酸リチウム、LiNbO3)、LT(タンタル酸リチウム、LiTaO3)、BGO(ゲルマニウム酸ビスマス、Bi12GeO20)などの非線形結晶等を用いることも可能である。
非線形媒体104の後段には、非線形現象を発生させて光波形再生を行った信号光を取り出す帯域通過光フィルタ105が配置されている。また、帯域通過光フィルタ105については、中心周波数の異なるものを用いることで、信号光だけでなく、非線形現象を発生させる際に同時に発生するアイドラ光を取り出すことも可能である。帯域通過光フィルタ105は、誘電体多層膜フィルタや、FBG(Fiber Bragg Grating)、AWG、マッハツェンダー干渉計などを用いることができる。さらに、帯域通過光フィルタ105の代わりに、高域通過光フィルタや低域通過光フィルタなどを使用することも可能である。
以下に本発明において同時に実現されるReshaping動作原理および、Retiming動作原理を説明していく。はじめに、動作原理説明のために扱う信号光と、ポンプ光の一例としてビート光を考えたときの時間波形と強度波形について説明する。
信号光電場の複素振幅時間波形は、以下の式(1)のように時間tの関数で表現される。
また、信号光の強度(パワー)に関する時間波形(以下、強度時間波形という)は、以下の式(2)のように時間tの関数で表現される。
次に、信号光と異なる波長(中心周波数)を持ち、信号光のビットレートfBと同じ繰り返し周波数を持つビート光の電場の複素振幅時間波形は以下の式(3)のように、時間tの関数で表現される。
また、ビート光の強度時間波形は、以下の式(4)のように時間tの関数で表現される。
ここで、式(1)〜(4)において、fpおよびfsはそれぞれビート光と信号光の中心周波数を表し、As(t)は時間に対して変化する信号光の複素包絡線振幅、そしてAはビート光の複素包絡線振幅のピーク値を表している。
また、信号光のビットレートfBについては、|fp−fs|>>fBなる関係が成立するものとする。
次に、図2、図3を用いて、Reshaping動作原理およびRetiming動作原理について説明する。ここでは、非線形媒体として、高非線形特性を有する光ファイバを用い、光ファイバの非線形現象として、四光波混合(Four−Wave mixing:FWM)を利用した場合について説明する。
まず、図2を用いて、FWMによって生じる現象を簡単に説明する。図2はポンプ光と信号光が連続光(Continuous Wave;CW)の場合にFWMが発生しスペクトラムが変化する様子を説明する図である。なお、図2において、横軸は周波数を表している。
図2(a)のように、周波数がfp(波長λp=c/fp、ただしcは真空中の光速)であるポンプ光310と、周波数がfs(波長λs=c/fs、ただしcは真空中の光速)の信号光320を考える。
周波数がfpであるポンプ光310のパワーと、光ファイバの長さおよびポンプ光310の周波数fpにおける群速度分散値を適切に設定することで、FWMにより周波数がfsの信号光320は増幅される。その結果、ポンプ光310のパワーは減少し、図2(b)のポンプ光310aのようになり、信号光320のパワーが増加して信号光320aのようになる。さらに周波数が2fp−fsの一次アイドラ光330や後で詳述する高次アイドラ光331、332も発生する。FWMに起因したこれらの過程をパラメトリックプロセスと言い、このパラメトリックプロセスによる光増幅をパラメトリック増幅と言い、このパラメトリック増幅により信号光やアイドラ光が得る利得をパラメトリック利得と言う。FWMのポンプ光として通常用いられるのは、振幅が時間的に一定な連続光であり、パラメトリックプロセスによって生じる信号光の利得も通常、時間的に一定で変化しない。
一方、本実施の形態ではポンプ光としてビート光を用いており、このポンプ光(ビート光)の強度が時間的に変化していることから、パラメトリック利得もポンプ光(ビート光)の強度に応じて時間的に変化する。その結果、信号光がタイミング揺らぎを持っていたとしても、時間に依存するパラメトリック利得によって補正されるというRetiming効果が得られる。
次に、図3を用いて、Retiming動作を詳しく説明する。図3は、Retiming動作原理について、160Gbit/s信号のビート光(ポンプ光)から与えられる利得によって、信号光の時間ずれが補正される様子を説明する図である。図3の横軸は、時間を表し、縦軸は、ビート光(ポンプ光)のビークパワー強度を1としたときの、各光の相対強度を表している。
波形401は、繰り返し周波数が160GHzであるビート光を示している。また、波形401の振幅強度のピークが存在する時間をt=0[ps]と規定する。波形402は、時間幅(電力半値幅Full−width at half maximum:FWHM)が2.1psであるガウス型パルスであり、そのピークが、波形401の振幅強度のピークから、0.8ps(図中符号Ta)だけ時間がずれているときの信号光を示している。このずれは信号が伝送された際に発生し得るタイミング揺らぎを模擬している。波形403は、FWMによりビート光(ポンプ光)から与えられる利得によって、信号光の時間ずれが補正された後の信号光を示している。
波形401はビート光の強度|Ep(t)|2=1+cos(2πfBt)を表し、信号光の強度はFWMの効果によりG(t)=1+|Ep(t)|4で表される利得をビート光から受ける。このとき、信号光であるパルスの成分のうちt=0[ps]に近い成分は、その時間におけるビート光の強度が大きいため大きな利得を受けるが、一方で時間がt=0[ps]から離れるにしたがって受ける利得が小さくなる。このような利得の時間的な分布によって、信号光の波形は、時間軸上でそのピークがビート光のピークに近づくように整形される。結果として、波形403で示されているように、信号光の中心位置の規定時間からのずれが0.58ps(図中符号Tb)へと減少する。なお、パラメトリックプロセスによって発生したアイドラ光についても、時間ずれが補正された信号光として得ることができる。
このように、同期ビート光によって発生するパラメトリックプロセスは、従来電気クロックによって駆動された強度変調器を用いて行われていた、同期変調と呼ばれるRetiming動作を光領域で行ったことに相当し、従来問題となっていた動作速度の上限なしでRetiming効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、パラメトリックプロセスを発生させた後、ポンプ光やアイドラ光を除去して信号光のみを得るために、帯域通過光フィルタ(OBPF)を用いている。本実施の形態のRetiming動作においては、上記の動作原理に加えて、OBPFの特性が重要な役割を持つ。以下にその内容について示す。
ポンプ光と信号光の間でFWMが発生する際、同時に相互位相変調(Cross−phase modulation;以下XPMと言う)によって信号光の位相が変調される。時間軸上で信号光に対する位相変調度は、ポンプ光の強度に比例する。ポンプ光がCWでなく、強度が時間で変化している場合、信号光の位相も時間によって変化する。その結果、ポンプ光の強度時間波形の時間微分に−1をかけた量に比例して信号光の瞬時周波数が変化する。図4はポンプ光がビート光である場合に、ビート光の強度を左の縦軸に破線で、信号光の瞬時周波数変化量を右の縦軸に実線で示し、それぞれピーク値を1とおいた図である。なお、横軸は、ビート光強度のピークが存在する時間をt=0psとした時間を示している。信号光の成分のうち、ビート光よりも先行している部分(t=0psを信号光の中心とおいた場合はt<0psの部分)の瞬時周波数は減少し、遅延している成分(同じくt>0psの部分)の瞬時周波数は増大する。信号光を切り出すOBPFの中心周波数は信号光の中心周波数に一致しているため、信号光の成分のうち瞬時周波数が大きく変化した成分は、OBPFを通過する際の損失が大きくなる。したがって、結局信号光成分のうち、ビート光との相対時間差が大きい成分はOBPFによって出力が抑圧されるので、切り出された信号光の強度時間波形のエネルギーの重心は信号光の中心(t=0ps)に収束し、Retiming効果が得られることになる。またその効果は、OBPFの通過帯域が狭いほど顕著である。
以上のように、ビート光をポンプとするパラメトリックプロセスにおいて、時間依存のパラメトリック増幅と、XPMによる位相シフトおよびOBPFによる通過帯域制限が複合して、タイミング揺らぎを持つ信号光に対するRetiming効果が得られる。
次に、図2に戻って、Reshaping動作原理について詳しく説明する。なお以下では、ポンプ光と信号光がCWである場合について述べるが、信号光がたとえばパルス形状で、ポンプ光がたとえばビート光の形状をしていても、同様の議論が可能である。
ポンプ光の入力パワーが既定で、光ファイバのパラメータが長手方向で変化しないという条件のもとで得られるパラメトリック利得は、ファイバ長が短い間はファイバ長に応じて利得が大きくなる。ところがファイバ長が長くなると、パラメトリック利得は飽和して減少に転ずる。これは定性的には、次の二通りの現象の複合により説明される。
第一に、周波数fpのポンプ光310と周波数fsの信号光320の間でFWMが発生する際、信号光320がポンプ光310から利得を受け信号光320aのように増幅され、さらに周波数が2fp−fsである一次アイドラ光330が発生する。そのため、信号光320aや一次アイドラ光330にエネルギーを供給するためにポンプ光310のパワーが減少し、ポンプ光310aへと変化する。さらに、ポンプ光310aのパワーが減少すると、信号光320aに対する利得も減少していくため、結果的に信号光が得る利得の飽和を生じる。
そして第二に、パラメトリックプロセスの成長に伴って一次アイドラ光330のみならず、周波数が3fp−2fsに発生する高次アイドラ光331や、周波数が2fs−fpに発生する高次アイドラ光332等で表される、高次のアイドラ光成分のパワーも成長することになる。このとき信号光320aが高次のアイドラ光成分に対してポンプ光の役割を果たすようになり、信号光320aがポンプ光310aから利得を得る割合よりも、高次のアイドラ光成分に対してエネルギーを供給する割合が高まってくる。そのため、結果として信号光310aのエネルギーは飽和した後、減少に転ずるのである。
このように、FWMによって信号光の利得が飽和する際、出力信号光のパワーが入力信号光のパワーに依存しないという領域が存在する。したがって、このような飽和領域となる条件を適用することで、信号振幅の揺らぎを抑圧し、振幅を安定化するReshapingとして利用できる。このとき、出力された信号光および新たに発生した一次アイドラ光はともに、入力信号光の位相情報を保持しているため、OOK信号のみならず、PSK信号にも適用可能である。なおこの方法は、非特許文献2および3により開示されているものである。
次に、このReshaping動作に関して、信号光の変調フォーマットの違いによる効果について説明する。パルスの「ある」「なし」を信号の「マーク」「スペース」に対応させるRZ‐OOK信号に対してReshaping動作を行う場合、Reshaping機能としては、「マーク」を表すパルスの振幅を一定値に収束させる安定化機能に加え、「スペース」を表す、パルスが本来存在しない時間スロットにおける雑音成分を除去する機能も備えていることが理想的である。
しかし、信号品質を劣化させる最も大きな要因は、信号光と光増幅器等で発生するASEとの間におけるビート雑音と呼ばれる現象であり、これによって「マーク」に相当するパルスの振幅が揺らぐことである。よって、「スペース」における雑音は無視して、「マーク」における雑音成分すなわち振幅揺らぎだけを除去したとしても、信号品質は大きく改善されることになる。このため、条件によっては「スペース」における雑音除去機能は必ずしも必要ではなく、振幅安定化機能だけを実現したとしても大きなReshaping効果が期待できる。ただし前述の通り、RZ‐OOK信号に対しては、「マーク」と「スペース」両方に対する雑音除去機能を備えていることが理想的である。一方、RZ‐PSK信号のReshapingを考える場合は、「マーク」と「スペース」をパルスの位相により表現し、すべての時間スロットにパルスが存在するため、振幅安定化をすることが、必要十分なReshaping機能を実現することとなる。なお「スペース」部分の雑音を抑圧する方法として、非特許文献1で開示されている方法や、半導体可飽和吸収ミラー(SESAM)やカーボンナノチューブで構成される可飽和吸収体デバイス、あるいは非線形光ループミラー(NOLM)などのデバイスを使用することが考えられる。これらの方法を本実施の形態の波形再生器に追加して適用することにより、OOK方式の信号に対して完全なReshaping機能が実現され、同時に完全な光3R再生機能が実現される。なお、非特許文献3で開示されているように、パラメトリックプロセスによって発生する高次アイドラ光を出力として用いることで、「スペース」部分の雑音を抑圧することができ、これを本実施の形態に適用することも可能であるが、信号光から高次アイドラ光へのエネルギー変換効率は著しく低く、発生した高次アイドラ光のパワーが小さいことから、その後光増幅する際に信号対雑音比が劣化するのは免れず、望ましくない。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、同期ビート光をポンプ光とするパラメトリックプロセスによってReshaping効果とRetiming効果が得られ、さらにパラメトリックプロセスに先立って光増幅によるReamplificationが行われることから、光3R再生機能が実現されることになる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、動作原理が比較的単純なビート光発生部102と光3R再生部110を基本として、一層簡易な構成でReshapingとRetimingを同時に実現することができる。よって、光3R再生器としての構成を著しく簡略化し、コストやサイズを低減することが可能である。
次に、ポンプ光と信号光がCWである場合のパラメトリックプロセスについて、信号光が得る利得が飽和する現象について以下に数式と具体的な数値を用いて詳しく述べ、信号光の振幅安定化動作を最適化する条件を導出する方法について論じる。光ファイバの分散性を考えない場合、FWMによってポンプ光、信号光、そしてすべてのアイドラ光各成分のパワーが変化する様子を解析的に記述することができ、以下に説明する。
まず、ポンプ光と信号光とを混合した光ファイバへの入力光の複素包絡線振幅を、下記の式(5)のように、
とおく。式(5)において、ポンプ光の振幅をAとし、ポンプ光に対する信号光の振幅比をαとした場合、周波数がfpであるポンプ光Ep(t)と、周波数がfsである信号光Es(t)は、それぞれ、下記式(6)のように、
で記述できる。したがって、混合した入力光は、下記式(7)のように、
と記述できる。ただし、式(7)において、Δfは信号光とポンプ光の周波数の差Δf=fs−fpを表している。Δfが小さすぎると、ポンプ光と信号光、さらにはパラメトリックプロセスの後に発生するアイドラ光との間でクロストークが発生して好ましくないため、クロストークが発生しないある一定値以上の大きな値に設定すべきである。なおこのことを「ガードバンドを設ける」と言う。
次に、光ファイバの分散性を考えない場合、非線形定数γ[1/W/m]、長さL[m]の光ファイバを伝搬した後の出力光の複素包絡線振幅は、下記式(8)のように、
と記述される。この式(8)を解くことで、mを任意の整数として周波数fp+mΔfを持つCW成分(なお、mの値により、ポンプ光、信号光、そして発生したアイドラ光のいずれかを表す)の振幅をそれぞれ得ることができる。
このうち、m=0の場合のポンプ光の強度Ppump(x)、m=1の場合の信号光の強度Psignal(x)、そしてm=−1の場合の一次アイドラ光成分の強度Pidler(x)は、n次の第一種ベッセル関数Jnを用いて表現すると、それぞれ、下記式(9)〜(11)のように、
式(9)〜式(11)の結果は、すべての高次アイドラ光の成長も勘案して、ポンプ光、信号光、一次アイドラ光のパワーがどのように発展するかを厳密に記述したものである。
式(9)〜式(11)で得られたPpump(x)、Psignal(x)、Pidler(x)について、xの値が変化した時のそれぞれの値の計算結果を図5に示す。このときの計算条件として、ポンプ光の振幅AをA=1、ポンプ光に対する信号光の振幅比αをα=0.5としており、図5の横軸はx、縦軸は各成分のパワーを表している。なお、αの値を定数とおいているので、xの値を変化させることは、φpを変化させることと同じである。またφpを変化させることは、γ,A,Lのいずれかあるいは複数を変化させることであるが、Aの値を変化させたときに限って、図5の縦軸の数値が変化する。
図5の結果より、信号光およびアイドラ光のパワーはそれぞれx=1.5付近およびx=2付近でそれぞれ飽和しているのがわかる。通常は光ファイバの非線形定数γを固定して考えるため、xに対してPsignal(x)とPidler(x)が飽和するということは、あるαに対して、信号光またはアイドラ光の出力パワーが飽和し得るポンプ光パワーA2あるいはファイバ長Lが存在するものと解釈できる。
次に、式(10)、式(11)で得られたPsignal(x)、Pidler(x)の信号強度関数を用い、パラメトリック利得の飽和にもとづく信号光振幅安定化の動作を最適化するための条件を得る方法について説明する。
ここでは、ポンプ光の入力パワーA2と、使用する光ファイバの非線形定数γおよび長さLを決めることによってφp=γA2Lがある値に固定され、パラメトリックプロセス後の出力信号光およびアイドラ光の出力パワーは、入力する信号光とポンプ光の振幅比αの関数としてそれぞれPsignal(α)=A2[α2J0 2(2φpα)+J1 2(2φpα)]およびPidler(α)=A2[J1 2(2φpα)+α2J2 2(2φpα)]と書けることを利用して説明する。
様々な値のφpについて、出力信号光のパワーであるPsignal(α)を計算した結果を図6に示す。図6の横軸はα、縦軸は信号光のパワーPsignal(α)を表している。
ここで、ポンプ光の振幅が一定であると考えた場合、αと信号光の振幅値が一対一の関係をなし、αの値の揺らぎがそのまま信号光の振幅揺らぎを意味することになる。つまり、図6でPsignal(α)をαで微分したdPsignal(α)/dαの値が0であれば、入力信号光の振幅が揺らいでいても、出力信号光のパワーは一定値として得られ、パラメトリックプロセス後の信号光の振幅は安定化されることになる。
ここで、α>0でdPsignal(α)/dα=0を与える最小のαをα0と定義する。図6の結果より、φp=0.5[rad]のとき、α0は0<α<1の領域には存在せず、この条件では振幅安定化の効果は得られない。なお図示しないが、φp=0.5[rad]の場合にα>1の条件ではα0=1.35が存在するが、この値を用いて信号光の振幅を決めた場合、非線形媒体(光ファイバ)への入力信号光パワーがポンプ光に対して大きくなる。信号光そのものに自己位相変調などの非線形効果が発生することは好ましくないため、信号光の振幅はポンプ光よりも小さくする方が望ましく、それゆえαは1以下の小さい値である方が好ましい。
一方、φp=1.0、1.5、2.5、3.5 [rad]のとき、0<α<1の領域でdPsignal(α)/dα=0となるα0がそれぞれα0=0.768、0.555、0.354、0.258として存在する。なお図示しないがφp=0.7[rad]のときα0=1.02が存在する。したがって、それぞれのφpについて、式(10)を計算して得られるα0をポンプ光と信号光の振幅比として採用することで、パラメトリック増幅による振幅安定化機構を最適化することができる。この際、φpは大きい方がα0は小さくなり、信号光の入力パワーも小さくなるので、信号光そのものに発生する非線形効果を抑圧する際には望ましい。
つぎに、図6で得られた、それぞれのφpに対する出力信号光パワーPsignal(α)の計算結果について、横軸をαの代わりに規格化入力パワー(α/α0)2とし、さらに縦軸の出力信号光パワーをピーク値であるPsignal(α0)で規格化した結果を図7に示す。
図7の結果より、それぞれのφpの場合について、規格化入力信号パワーに対する規格化出力信号パワーがほぼ一致している結果が得られているが、これはどのφpを選んでも、原理的には振幅安定化の特性に差がないことを意味している。具体的には、信号光の振幅の規定値としてポンプ光の振幅のα0倍の値を設定しておけば、仮に伝送によって信号光の振幅に揺らぎが生じたとしても、振幅安定化を行う前の信号光の振幅が(α/α0)2の値で0.8から1.2の範囲内の条件に収まっている限り、出力として得られる信号光のパワーが規定値の1〜0.97倍の範囲(図中の範囲R)に収まって振幅が安定化されるという特性が、それぞれのφpの場合において同等に得られるということである。
パラメトリック利得の飽和にもとづく振幅安定化動作を実際に行なう際は、帯域通過光フィルタ等でポンプ光やアイドラ光を除去して信号光のみを取り出す必要がある。一方、ポンプ光と信号光、高次のアイドラ光を除去し、一次のアイドラ光のみを取り出しても、入力信号光の振幅が安定化された出力光として得ることができる。
φp=1.5[rad]の場合にPsignal(α)およびPidler(α)を計算した結果を図8に示す。図8で横軸はα、縦軸はパラメトリックプロセス後に出力された信号光および一次アイドラ光のパワーを表している。Psignal(α)については図6に示したものと同じである。
図8の結果より、一次アイドラ光を取り出した際に入力信号光に対する振幅安定化機能が得られるα0の値は、先に述べたPsignal(α)に関するα0の値と異なることが確認できる。一例として、アイドラ光の出力パワーPidler(α)についてα0は0.736であり、Psignal(α)の場合のα0=0.555と異なる値となる。したがって、振幅が安定化された出力信号光を得る際に、信号光をそのまま取り出すか、一次アイドラ光を取り出すかによって、振幅安定化を図る上で最適なαの値すなわちα0が異なることとなる。
上述したように、非線形媒体の非線形定数γ、長さL、ポンプ光の振幅A、そしてポンプ光と信号光の振幅比αを適切に選択することにより、信号光の振幅を安定化する動作を最適化することが可能となる。
以上のように得られた条件は、ポンプ光と信号光がともにCWである場合のものであるが、本実施の形態のようにポンプ光がビート光で、信号光がパルス形状の場合など、パラメトリックプロセスを用いた振幅安定化を一般的に考える上でも有効である。このことを確認するため、信号光がガウス型パルスでポンプ光が同期ビート光である際に生じるパラメトリックプロセスの様子を、式(8)を用いた数値解析により調べる。
まず、ポンプ光としてピークパワーがP=A2=250mW(約24dBm)、中心波長が1550nmで、繰り返し周波数がfB=160GHzのビート光を考え、時間軸における電場の複素包絡線振幅を式(3)のようにおく。また信号光の複素振幅として式(1)を考え、複素包絡線振幅AS(t)として、下記式(13)に示す電力半値幅がΔTFWHM=2.1psである単一のガウス型パルス
を考える。ここでαは、ポンプ光に対する信号光のピーク振幅比である。また信号光とポンプ光の中心周波数の差をΔf=fs−fp=2[THz]とおくと、信号光の中心波長はおよそ1534.1nmとなる。なお、ビート光と信号光はともにt=0でピーク振幅を持ち、両者の中心位置に相対時間差はないものとする。一方、パラメトリックプロセスを発生させるための光ファイバとして、高非線形光ファイバと呼ばれるファイバを用いることを想定し、非線形定数はγ=12[1/W/km]、長さがL=0.5[km]、そして波長1550nmにおける分散値は零であるとする。なおγの値として通常の伝送用光ファイバより大きな値を持つ高非線形光ファイバを用いることは、パラメトリックプロセスの発生効率を高め、光3R再生器としてのサイズを小さくしたり、非線形媒体への必要な光パワーの値を低減したりするのに有効である。
これらの条件が決まると、φp≡γA2L=1.5[rad]となるから、信号光の振幅を安定化させるために設定すべき入力信号光とポンプ光との振幅比の最適値α0は、上に述べた通りα0=0.555である(より正確な値は0.55496)。よって信号光のピークパワーは(Aα0)2=77.0[mW]とすればよい。
以上の条件の下で、光ファイバへの入力光を式(5)のようにE0(t)=Ep(t)+Es(t)とおいて式(8)を数値解析により計算し、ビート光であるポンプ光とガウス型パルスである信号光が上記の光ファイバに入射されて距離(ファイバ長)Lだけ伝搬した際のパラメトリックプロセスの様子を調べる。ポンプ光と信号光、そして発生した一次アイドラ光のピークパワーPpump(L)、Psignal(L)、Pidler(L)の値は、それぞれの周波数帯を中心として通過幅がΔfである矩形の理想フィルタを適用して得られるものとする。また、ポンプ光と信号光がCWである場合の結果と比較するため、式(9)、(10)、(11)でA2=250mW、α=0.55496とおき、Ppump(L)、Psignal(L)、Pidler(L)の理論値も計算する。これらの結果を図9に示す。
図9で横軸は光ファイバの長手方向の距離L、縦軸はポンプ光、信号光、一次アイドラ光のピークパワーを表している。ここで三角、白丸、黒丸の記号で示した点はポンプ光がビート光で、信号光がガウス型の単一パルスであるときに式(8)を直接計算して得られた結果を示しており、また実線および長短破線は、ポンプ光とビート光がCWであるとして式(9)−(11)を計算して得られた結果を示している。なお横軸の距離Lに関しては、ファイバ長としてあらかじめ設定した値0.5kmを超えて、0.8kmとした場合の結果まで示している。ファイバ長Lに対する信号光および一次アイドラ光のピークパワーPsignal(L)およびPidler(L)の値は、記号と線で示されている結果がよい精度で一致している。このことから、本実施の形態のようにポンプ光をビート光、信号光をガウス型パルス形状とした場合であっても、それらがCWである場合と同様に、パラメトリック利得の飽和による振幅安定化の効果を望むことができ、さらに数値的な挙動もほぼ一致することがわかった。ただし、式(9)−(11)においてαの最適条件α0を得る際、A2としてビート光の平均パワーではなくピークパワーを用い、さらにαをビート光と信号光のピーク振幅比として適用しなければならないことに注意が必要である。
本実施の形態における信号光の振幅安定化効果をより明確にするため、信号光ピークパワーの初期値については、規定値である(Aα0)2=77.0[mW]に対して70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%という割合で変化させ、信号光ピークパワーの初期値以外は上記と同条件としたときに発生するパラメトリックプロセスの様子を、式(8)により計算する。なお、入力信号光ピークパワーを規定値に対してある割合(たとえば70%)に定め、パラメトリックプロセスの結果を得ることを本計算における一つの試行とする。各試行について、ファイバ長がL[km]の際に出力される信号光のピークパワーの値を図10に示す。図10で横軸はファイバ長L、左側の縦軸は信号光のピークパワーを表しており、実線はピークパワーの初期値が規定値77.0mWの場合の結果を示している。また、他の線は、L=0kmにおいて、下から順に、規定値の70%、80%、90%、110%、120%、130%の割合の場合を示している。ファイバ入射時のL=0kmにおいては、信号光のピークパワーは各割合の通り、大きく異なる値をとっているが、振幅安定化のため最初に設定したファイバ長であるL=0.5kmの付近では、出力信号光のピークパワーがほぼ一定値に収束していることがわかる。このことから、振幅安定化の効果が直接確認できる。また図10では、ファイバ長がLのときの出力信号光ピークパワーに関して、すべての試行結果の標準偏差σPの値も、右側の縦軸に示している。標準偏差σPはファイバ長がL=0.52kmのときに最小値の1.66mWであり、初期値のおよそ1/8となっている。この結果は、入力信号光の振幅が広範囲にわたって規定値から揺らいでいても、L=0.5km付近においては一定値に近い範囲に収束し、入力信号の振幅揺らぎが劇的に改善されるという、本実施の形態の効果を示している。
続いて、信号光がタイミング揺らぎ(時間軸上におけるランダムな位置ずれ)を持っている場合を想定し、時間軸上で信号光のピークを与える時間(以下、ピーク時間位置と言う)が、ビート光のピーク時間位置とずれている状況について考え、本発明による信号光のタイミング揺らぎ補正効果の検証と、その効果に対するポンプ光の形状による影響について検討する。
ポンプ光の形状として、上記で考察した繰り返し周波数fB=160GHzのビート光に加え、電力半値幅が2.5psもしくは1.5psであるガウス型パルスの三種類を考え、すべての場合でピークパワーの値を250mWとし、ピーク時間位置を0psとおく。信号光としては、上記と同様に電力半値幅が2.1psのガウス型単一パルスを考え、ピーク時間位置を0.5psとおく。このとき、ポンプ光と信号光それぞれのピークは0.5psの相対時間差を持つ。三種類のポンプ光のうちいずれか一つと、信号光とを混合して上記と同じ条件の光ファイバを伝搬させたときに発生するパラメトリックプロセスの様子を式(8)によって計算し、ファイバ長Lに対する信号光のピーク時間位置と、下記式(14)に示す一次モーメント
を得た。なお、一次モーメントは、時間軸上におけるパルスエネルギーの重心位置を意味し、信号受信時のビットエラー特性の改善を考える上で、タイミング揺らぎを定量的に評価する量として、ピーク時間位置よりも重要である。
ピーク時間位置と一次モーメントの計算結果をそれぞれ図11に示す。図11では、ピーク時間位置を実線で示し、一次モーメントを破線で示している。また、図11で(a)、(b)、(c)は、それぞれ、ポンプ光を、ビート光、電力半値幅2.5psのガウス型パルス、そして電力半値幅1.5psのガウス型パルスとしたときの結果を示している。また、横軸は伝搬したファイバの距離Lを示し、縦軸はピーク時間位置もしくは一次モーメントいずれかの位置である。図11(a)、(b)、(c)すべての場合について、ファイバ長Lが増すとともに信号光のピーク時間位置と一次モーメントの両方が0psに近づいていて、ポンプ光の形状によらず、信号光の時間ずれが本発明のパラメトリックプロセスによって補償されていることが確認できる。
図11で信号光のピーク時間位置と一次モーメントに注目すると、実線で示すピーク時間位置については(a)、(b)、(c)すべての場合でファイバ長が増すとともに大きく0psに近づいているが、破線で示す一次モーメントの変化量は比較的小さく、両者の値に差が発生している。パルスの時間波形がガウス型関数のように時間的に対称である場合、両者の差は0であるから、この差が大きいということは、信号光の波形がひずんでいて品質が低いことを意味する。なお、電力半値幅1.5psのガウス型パルスである(c)の場合はファイバ長Lに対する一次モーメントの変化量が(a)および(b)の場合と比較して小さく、ファイバ長L=0.5kmにおける一次モーメントとピーク時間位置の差は最も大きな値となっている。
信号光の波形ひずみを確認するため、ファイバ入射時(L=0km)およびファイバ長L=0.5kmのときの信号光の強度時間波形をそれぞれ図12に示す。なお、図12において(a)、(b)、(c)は図11の(a)、(b)、(c)に対応している。また、破線がL=0kmの場合を示し、実線がL=0.5kmの場合を示す。図12から、ファイバ入射時には時間軸上で対称な波形であった信号光が、光ファイバを0.5km伝搬した後では非対称な波形へと変化している。特に(c)の場合には、(a)、(b)よりも非対称になっている。信号光の品質を向上するという目的を考えると、波形が非対称であることは好ましくない。よって、信号光のタイミング揺らぎを補正する上で、高品質すなわち時間軸上で対称な出力信号光波形を得るためには、ビート光もしくは時間幅が比較的大きなパルス形状とすることが好ましい。
次に、入力信号光が振幅揺らぎとタイミング揺らぎの両方を持つことを想定し、それらがパラメトリックプロセスによって補正される際、信号光を抜き出すための帯域透過光フィルタ(OBPF)の形状が及ぼす影響について考察する。具体的には、これまでの検討で用いていた理想フィルタ(現実には存在しない)から、現実的なフィルタの一例として三通りの帯域幅を持つガウス型フィルタへと変更したときの結果を示す。
光ファイバの条件は上記検討におけるものと同様とする。ポンプ光は中心波長1550nm、繰り返し周波数fB=160GHz、ピークパワー250mWのビート光とする。信号光の条件として、形状は時間幅(FWHM)2.1psのガウス型単一パルスで、ピークパワーの規定値は振幅安定化の動作が最適となる77.0mWとする。光ファイバ入射時における信号光とポンプ光とのピーク時間位置の差を初期時間差Δtとし、Δtの値としてΔt=0,0.3,0.5,0.7,0.9psの計五通りを考える。信号光とポンプ光の周波数差はΔf=2THzとする。パラメトリックプロセスの後で信号光を切り出すOBPFの形状として、通過幅が2THzの理想フィルタと、3dB帯域幅Δf3dBが0.5,0.3,0.2THzであるガウス型フィルタの、計四通りを考える。それぞれの条件に対して、図10の場合と同様に、入力信号光のピークパワーを規定値の70,80,90,100,110,120,130%の割合で変化させ、式(8)を用いてそれぞれの場合のパラメトリックプロセスの様子を計算により求める。まず信号光とポンプ光の初期時間差Δtと、OBPFの種類をそれぞれ一つ選び、これを一つの条件とする。次に、入力信号光ピークパワーを規定値に対して上記したある割合で変化させ、パラメトリックプロセスの結果を得ることを本計算における一つの試行とする。一つの条件のもとでのすべての試行に対して、ファイバ長Lに対する出力信号光のピークパワーPと時間軸における一次モーメントtmを計算した上で、統計量としてPの標準偏差σPと平均値μPの比σP/μPと、tmの二乗平均の平方根<tm 2>1/2の値をそれぞれ評価する。なおOBPFの帯域幅が異なると、Pの平均値μPは異なる値となるが、σP/μPの初期値はすべての条件、すべての試行において0.2である。
図13は各条件について、ファイバ長Lに対するσP/μPおよび<tm 2>1/2の値を示す図である。また、図13(a),(b),(c),(d),(e)はそれぞれ、ポンプ光と信号光の初期時間差がΔt=0,0.3,0.5,0.7,0.9psの結果を示しており、それぞれの場合で四種類の線種は、信号光を切り出すためのOBPFとして理想フィルタおよび3dB帯域幅Δf3dBの異なる三種のガウス型フィルタを適用した場合の結果である。なお、(a)では、Δt=0なので、<tm 2>1/2も常に0である。
図13において、あるファイバ長における<tm 2>1/2の値についてフィルタの違いによる結果の差異に注目すると、(b)から(e)すべての場合で、帯域幅の小さいフィルタを用いた方が、<tm 2>1/2の値が小さくなっており、信号の時間位置ずれを補正する効果が高いと言える。この結果は、図4を用いて説明した通り、信号光に対して発生するXPMとOBPFによる帯域制限によってRetiming効果が得られ、さらにその効果はOBPFの帯域が狭い方が向上するとした考察内容を証明している。ただしOBPFの帯域幅を狭くしすぎると、信号光パルスの時間幅が広がって、時間軸で符号間干渉が発生するため好ましくなく、符号間干渉が発生しない範囲で帯域幅を狭くすることが重要である。また、(b)から(e)のすべての場合で、ファイバ長Lが長い方が、<tm 2>1/2の値は小さくなっていて、信号の時間位置ずれ補正効果を高めるには、ファイバ長を長く設定した方がよいことがわかる。
一方、振幅安定化効果の程度の尺度となるσP/μPの最小値について、OBPFの帯域幅の違いによる明確な差は見られないものの、Δtが大きくなるにつれて、σP/μPの最小値が得られるファイバ長が大きくなっている。具体的には、(a)のΔt=0psの場合には、図10の結果でも示したとおり、σP/μPが最小となるのがL=0.5km付近であり、信号光の振幅揺らぎを最小とすることを目的とした当初の設計と同じであるのに対し、(e)のΔt=0.9psの場合には、L=0.6km以上の値になっている。このことは、ポンプ光と信号光の初期時間差Δtが大きい場合には、XPMによる周波数シフト量が大きくなって、その後段のOBPFでパワーがより大きく除去されるため、大きな利得が必要であるという効果と、信号光のピークパワーを与える時間におけるポンプ光のパワーが小さいためにパラメトリック利得が小さくなるという効果との二つの効果のために、結果として十分なパラメトリック利得が得られるまでのファイバ長が長くなるためと考えられる。よって信号光がポンプ光と大きな初期時間差をもっている状況で振幅安定化を行うには、ファイバ長Lとして振幅安定化のみを考えて設定した値よりも大きな値を設定すべきである。なお、このことは本質的には、式(12)中のφp=γA2Lを大きくすることであるため、ファイバ長Lを大きくする代わりにファイバの非線形定数γや、ポンプ光のピークパワーA2を大きくしてもよい。
これまでの検討では、信号光として単一のパルスを考え、振幅揺らぎやタイミング揺らぎを模擬するために、振幅の規定値に対する割合や、ポンプ光と信号光それぞれのピーク時間位置の相対時間差をある値に決め、パラメトリックプロセスによってそれらが補正される様子の解析を行ってきた。以下では、入力信号光としてパルス列を考え、それぞれのパルスがランダムな振幅揺らぎやタイミング揺らぎを持つ際に、本実施の形態のReshaping効果とRetiming効果によってそれらの揺らぎが補正される様子を検討し、数値シミュレーションを用いて現実的な条件のもとで光波形再生器および光波形再生方法としての最適条件を得る方法について説明する。数値シミュレーションにおいて想定した条件は次の通りである。
ポンプ光として繰り返し周波数が160GHzのビート光を考え、ピークパワーはA2=250mW(約24dBm)、中心波長は1550nmであるとする。このとき、ビート光の平均パワーは125mW(約21dBm)である。
入力する信号光として繰り返し周波数が160GHzの同位相パルス列を考え、各パルスの時間波形は電力半値幅が2.1psのガウス型であり、中心波長は1534.1nmとする。このとき、信号光とポンプ光の周波数差は2THzである。ポンプ光であるビート光に対する、信号光パルスのピーク振幅比としてα0=0.555を用いることとし、信号光のピークパワー規定値μpをμp=(Aα0)2=77.0[mW]とおく。この規定値μpは、後に信号光パルスにランダムな振幅揺らぎを与えた際の平均値となる。そして、強度変調などによるデータ変調は行わないものとする。この入力信号のパルス列に対して、振幅揺らぎとタイミング揺らぎを与える。
振幅揺らぎに関しては、信号光ピークパワーの標準偏差σPがピークパワー平均値μPの10%である7.7mWとなるような正規分布乱数による揺らぎを与える。また、タイミング揺らぎに関しては、各パルスの中心位置(ピーク時間位置)を既定時間t0からランダムにずらすこととし、ずれの量として平均値が0ps、標準偏差がσT=0.5psとなるような正規分布乱数を用いる。
以上の条件のもとで、信号光にビート光を時間的に同期させて重ね合わせ、非線形媒体である、非線形定数γがγ=12[1/W/km]の光ファイバに入力した場合に、光ファイバを伝搬し、そこで生じたパラメトリックプロセスによって波形の再生された出力信号光の波形および各種パラメータの値を得るシミュレーションを行う。なお、パラメトリックプロセスの後でポンプ光とアイドラ光を除去し、信号光のみを切り出すために使用するOBPFの形状として、原則としてガウス型を適用するものとする。
まず、高非線形光ファイバのファイバ長Lを0kmから0.8kmまで変化させたときの、信号光の振幅およびタイミングの揺らぎ、そして信号品質が変化する様子をシミュレーションにより調べる。振幅揺らぎを定量的に評価する値として、パルスのピークパワーの標準偏差σPを平均値μPで割った値を採用すると、初期値はσP/μP=0.1である。またタイミング揺らぎを定量的に評価する値として、パルスの中心位置(ピークパワーを与える時間)の標準偏差σTを採用すると、初期値はσT=0.5psである。さらに、信号品質を表すパラメータとしてよく用いられるQ値を考えるが、いま信号光のフォーマットとして、OOK方式で適用される強度変調を行わない信号パルス列を考えているため、Q値を信号パルス列の規定時間t0における統計量として、パルス強度の平均値μPを標準偏差σPで割った値μP/σP|t=t0で定義する。なお、高非線形光ファイバのファイバ長Lを変化させるということは、式(9)〜式(12)におけるαを固定し、xのみを変化させることに相当する。よって、xの値が同じであれば、ファイバ長Lの代わりにポンプ光のピークパワーA2や光ファイバの非線形定数γを変化させても、同じ結果が得られる。
図14は、信号光を切り出すガウス型OBPFの帯域幅Δf3dBを三通りに変化させた場合の、横軸に示すファイバ長Lと、縦軸にそれぞれ示す、(a)パワー揺らぎを表すσP/μP、(b)タイミング揺らぎを表すσT、そして(c)Q値を表すμP/σP|t=t0の値との関係の、計算結果を示す図である。
図14(a)に示す結果より、初期値が0.1であった振幅揺らぎσP/μPの値は、BPFの帯域幅Δf3dBによらず、ファイバ長Lが約0.6kmのときに最小となっていて、図10に示した、タイミング揺らぎがない場合に振幅ゆらぎが最小化されるファイバ長である0.5kmよりも長くなっている。これは、図13に示すように、入力信号光が持つタイミング揺らぎが大きくなるにつれて、出力信号光の振幅揺らぎが最小化されるファイバ長が長くなるという結果を反映している。またΔf3dBが大きい方が、振幅揺らぎも小さくなっている。
一方、図14(b)に示す結果から、タイミング揺らぎσTについては、ファイバ長Lが長くなるにつれて、初期値である0.5psから減少する。ここで、Δf3dB=0.2THzの場合のσTの初期値が0.5psと異なる値であるが、これは符号間干渉に起因する数値計算誤差によるものであり、σTの値がファイバ長とともに小さくなると、この誤差は解消される。ファイバ長Lが0.4kmより大きいとき、Δf3dBが小さい方がσTも小さくなっており、OBPFの帯域幅が狭い方がタイミング揺らぎ補正能力が高いことがわかる。
最後に図14(c)に示す結果から、信号の総合的な品質を表すQ値については、いずれのΔf3dBの場合についても、ファイバ長が0.6km付近で最大となっていて、振幅揺らぎが最小化される条件と一致している。このことから、振幅揺らぎが最小化されるファイバ長よりも大きなファイバ長では、振幅揺らぎが大きく増大し、それが支配的な要因となってQ値も劣化する関係にあるということがわかる。また、Δf3dBが最も小さい0.2THzのときに、最大のQ値が得られているが、これは振幅揺らぎとタイミング揺らぎのΔf3dB依存性のうち、タイミング揺らぎの方がQ値に影響するためと考えられる。よって、再生された信号の品質を向上させるには、帯域幅の小さなOBPFを用いた方がよいと結論づけられる。
このように、現実的な条件のもとでの光波形再生器の最適設計の検討結果として、フィルタの帯域をなるべく小さくした上で、ファイバ長をいくつに設定すればよいかが判明した。一方、ファイバ長を一定値に固定した上で、ポンプ光のピークパワーや信号光のパワーを変化させて同様の計算を行うことで最適化を行うことも可能である。なお、ここで得られた最適条件は、入力信号光が持つ振幅揺らぎやタイミング揺らぎの程度によって、変動するものと考えられる。
上記でQ値が最大となる条件、すなわちファイバ長Lを0.6kmとし、信号光を切り出すOBPFの帯域幅Δf3dBを0.2THzとしたときに出力される信号光と、入力信号光の強度時間波形アイパターンを図15に示す。図15(a)が入力信号光のアイパターンであり、図15(b)が出力信号光のアイパターンである。
図15の結果より、図15(a)の入力信号光アイパターンでは、パルスの振幅とタイミングに大きな揺らぎ(ジッタ)が見られるが、図15(b)の出力信号光アイパターンに注目すると、振幅とタイミングの双方の揺らぎが大幅に抑圧されていることがわかる。
図15(b)の結果では、横軸の時間が±3ps付近で強度のばらつきが見られるが、その理由は、この時間でのポンプ光の強度はほぼ零であり、信号光の強度はパラメトリック増幅を受けないため増えも減りもせず、最初に与えられた振幅と時間の揺らぎがそのまま残留しているためである。別の実施例として示すような、信号光の代わりにアイドラ光をOBPFで切り出した場合には、ポンプ光の強度が零の時間においてはアイドラ光が発生しないため、時間が±3ps付近の強度は零となり、振幅の揺らぎが発生することはなく、より強力な波形整形効果と高品質な波形出力が期待される。
以下に示す図16および17に示す結果では、ポンプ光のピークパワーA2と信号光のピークパワー平均値μPをそれぞれ最適値から変化させた場合のQ値を計算し、ポンプ光と信号光のパワーが設計値からずれた場合の信号品質が変化する様子について確認する。
はじめに、高非線形光ファイバのファイバ長を0.6km、入力信号光のピークパワーの平均値μPを77.0mW、標準偏差σPを7.7mWに固定したときに、ポンプ光である同期ビート光のピークパワーA2を、設計値である250mW(約24dBm)から横軸に示すように変化させた場合に得られるQ値の計算結果を図16に示す。
図16に示す結果より、同期ビート光のピークパワーA2が設計値24dBm付近でQ値が最大となっており、設計値から±0.3dBの範囲ではQ値の変化がほぼ平坦であるが、それ以上の範囲ではQ値は著しく減少している。よって、同期ビート光のピークパワーA2の値に関しては、なるべく厳密に設計値どおりの値を設定すべきである。なお信号光のピークパワー平均値μPを固定して、ビート光のピークパワーA2を変化させることは、式(9)〜式(12)においてαとxの両方を変化させることに相当する。
次にファイバ長を0.6km、ビート光のピークパワーをA2=250mW(約24dBm)に固定し、信号光のピークパワー平均値μPを77.0mW(約18.9dBm)から横軸に示すように変化させた場合に得られるQ値の計算結果を図17に示す。ただし、信号光ピークパワーの標準偏差と平均値の比σP/μPは0.1に固定するものとし、平均値μPの値に応じて標準偏差σPの値も変化させる。
図17では、信号光のピークパワー平均値が設計値である18.9dBm付近でQ値が最大となっている。図17に示す結果から、信号光のピークパワー平均値が規定値から±0.3dB程度以上ずれるとQ値が急速に悪化するため、入力信号光のピークパワーの平均値に関してもポンプ光のピークパワーと同様、なるべく厳密に設計値どおりの値を設定すべきである。
上述した数値シミュレーション結果から、現実的な条件のもとで、ビート光と信号光との間で発生するパラメトリック増幅にもとづく光波形再生の効果が確認され、また、Retiming効果にReshaping効果の両方が最適となる動作条件について確認できた。なお、得られた結果では、ASE雑音などの白色雑音は考慮されていないが、これを考慮した場合でも同様の結果が得られることとなる。
続いて、現実的な条件における本発明の光波形再生動作に関して、ポンプ光の形状による影響について考察する。具体的には、ポンプ光の形状として上記検討に用いたビート光の正弦波形状に加え、ガウス型の逆位相パルス列の形状とした場合についての結果を示す。なお逆位相パルス列とは、隣り合ったパルスどうしがπラジアンだけ位相シフトしているパルス列である。
異なる形状のポンプ光を用い、信号光を切り出すための帯域通過光フィルタとして3dB帯域幅が0.2THzのガウス型フィルタを用いた場合の、ファイバ長Lに対する出力信号光のQ値を図18に示す。
図18では、ポンプ光の形状として、(a)繰り返し周波数がfB=160GHzであるビート光、(b)繰り返し周波数が160GHzで、電力半値幅ΔtFWHMが2.5psであるガウス型の逆位相パルス列、そして(c)繰り返し周波数が160GHzで、電力半値幅ΔtFWHMが1.5psであるガウス型の逆位相パルス列を用いている。なお、ポンプ光の形状とファイバ長以外の条件は、図15に示す結果を得たときのものと同じである。図18に示す結果から、(c),(b),(a)の順にQ値の最大値が大きいので、この結果だけを見れば、ポンプ光の形状としてはパルス型で時間幅の小さい方が、波形再生能力は高いように思えるが、以下に説明するように事実はそれとは異なる。
上記の三種類のポンプ光形状のそれぞれの場合について、図18で最大のQ値を与えるファイバ長において出力される信号光の強度時間波形アイパターンを図19に示す。なお、図19(a)、(b)、(c)は、それぞれ図18(a)、(b)、(c)に対応している。アイパターンから波形品質を評価するとき、Q値として定量化されるのは時間t=0psにおけるパワーの揺らぎである。図19において、t=0psにおけるパワー揺らぎに関して言えば、(c)の結果が最も良好であり、この事実は図18に示される大きなQ値として反映されている。しかしながら、t=0ps以外の時間におけるパワーの揺らぎを考慮すると、(a)のビート光を用いた場合の結果が最も良好である。総合的な信号品質を考えると、(a),(b),(c)の順に望ましい。時間幅の小さいパルス形状のポンプ光を用いた場合に、t=0ps以外の時間における強度揺らぎが大きくなる理由を以下に示す。
図20は、上記三種類のポンプ形状それぞれの場合について、パラメトリックプロセスの後に、3dB帯域幅が0.2THzのガウス型フィルタであるOBPFにより信号光を切り出したときの強度時間波形を示している。なお、図20(a)、(b)、(c)は、それぞれ図18(a)、(b)、(c)に対応している。また、実線はファイバ長LがL=0.5kmのときの信号光波形、点線はファイバ入射時(L=0km)での信号光波形を示している。したがって、点線で示されているファイバ入射時の波形は(a),(b),(c)すべての場合で同じである。
図20で、規定時間がt0=0psおよび6.25psであるパルスに注目すると、点線と実線とを比較すれば、(a),(b),(c)の順に波形が劣化していることがわかる。特に(c)の場合には、規定時間の谷間であるt=3ps付近における成分が大きくなっていて、規定時間がt0=0psおよび6.25psである二つのパルスを判別することはもはやできない。図19(c)でt=0ps以外の成分、つまりパルスどうしの谷間の成分が大きくなっているのは、このような現象によるものである。
この現象を調べるため、図20に示す場合において、OBPFを通過幅2THzの理想フィルタに換えた場合の結果を図21に示す。なお、図20と同様に、実線はファイバ長LがL=0.5kmのときの信号光波形、点線はファイバ入射時(L=0km)での信号光波形を示している。図21の実線で示されているL=0.5kmのときのそれぞれの波形について、規定時間がt0=0psおよび6.25psであるパルスに注目すると、波形ひずみが(a),(b),(c)の順に大きくなっている。
図21(c)における規定時間が0psおよび6.25psであるパルスのみを拡大して図22に示す。図22では、L=0.5kmにおける信号光、入射時の信号光、そして入射時のポンプ光の強度時間波形をそれぞれ実線、点線、そして破線で示している。パラメトリックプロセスが飽和に至るまでの条件では、ポンプ光の瞬時的な強度が大きいほど利得が大きく、逆にポンプ光強度が小さいと利得も小さい。つまり、ポンプ光の強度がピーク値を持つ規定時間において利得が最も大きく、規定時間から離れるにしたがって、利得は小さくなる。時間幅の短いポンプ光を用いた場合、ポンプ光強度の時間的な変化は急峻であり、規定時間からずれるにしたがってパラメトリック利得が急激に減少する。図22から、信号光が入射時に大きなタイミング揺らぎを持っている場合、信号光成分のうち、規定時間に近い一部分のみが利得を得て増幅され、一方で規定時間から離れた成分は利得を受けず変化しないため、結果的に信号光の波形がひずむことになる。
一方、図22と同様に、図21(a)における、規定時間が0psおよび6.25psであるパルスの部分のみを拡大し、さらに入射時のポンプ光波形を破線で示した結果を図23に示す。図23では、ポンプ光が正弦波形状のビート光であり、強度は規定時間をピークとして、時間的に緩やかに減少している。その結果、入射した信号光が大きな時間ずれを持っていたとしても、信号光成分全体としてパラメトリック利得を得ており、大きな波形ひずみは見られない。このような効果はポンプ光の時間幅が大きいほど得られ、またその効果は正弦波形状のビート光を用いたときが最大である。
図21〜23で示したように、ポンプ光の時間幅が短く、信号光が大きな時間揺らぎをもっているときに、信号光の波形がひずむことがわかった。ここで図20に示す結果に立ち返ると、ポンプ光の時間幅が短いときにひずんだ信号光の成分が、狭帯域OBPFを通過して帯域制限されることで、パルスどうしの谷間の成分に変換されたのがわかる。より詳細に言えば、ポンプ光の時間幅が短い場合、ポンプ光強度の時間的な変化の度合いが急峻であり、そのため時間揺らぎの大きな信号とポンプ光との間で発生するXPMによる位相シフトの時間変化も急峻となる。その結果、信号光のピーク時間位置における成分の瞬時周波数がより大きく変化して光スペクトラムが広がり、狭帯域のOBPFを通過する際に強度が大きく抑圧されるのである。一方、パルスの谷間の成分は、ポンプ光の強度がほぼ0であることからXPMの影響を受けず、そのままOBPFを通過する。よって信号光パルスどうしの谷間の成分はそのままで、ピーク時間位置の成分が抑圧され、結果として谷間の成分がピーク時間位置の成分より相対的に大きくなるのである。
以上のようなプロセスを経たことで、ポンプ光の時間幅が短い場合には、図19(c)に見られるような、パルスどうしの谷間での大きな揺らぎ成分が発生するのである。結局、現実的な条件のもとで本発明の波形再生方法を適用する際、総合的な波形品質を考えると、ポンプ光として正弦波形状のビート光を用いることが最良であると結論付けられる。
さらに、本発明の波形再生器へ入力する信号光の品質を考えたとき、ポンプ光の時間幅が大きいほどタイミング揺らぎの許容量が大きくなり、ポンプ光としてビート光を用いたときが最大となる。その結果、本発明の波形再生方法を適用して波形再生中継伝送を行う場合、時間幅の短いパルス形状のポンプ光を用いるよりも、ビート光を用いた方が中継間隔を増大させられるため、伝送システムのコストを考える上で経済的である。しかしながら、本発明で用いるポンプ光はビート光に限られるものではない。すなわち、21〜23に示す場合は、信号光が比較的大きな時間揺らぎをもっている場合であって、たとえば信号光のタイミング揺らぎが小さいときは、ポンプ光としてパルス幅の小さいパルスを用いた場合でも、ポンプ光としてビート光を用いた場合と同等の結果が得られるものと考えられる。したがって、想定される信号光のタイミングゆらぎを考慮し、ポンプ光の時間幅を適宜選択すればよい。
以上が、本発明の光波形再生方法に関する現象の解明と、最適設計方法の説明である。ここで得られた知見を元に、以下ではビットレートが160Gbit/sであり、長距離光ファイバ伝送を行って品質が劣化した超高速光信号に対して本発明を適用した信号再生について、数値シミュレーションと実験によりその効果を確認する。
まず、数値シミュレーションの結果を示す。伝送させる信号は、ビットレートが160Gbit/sで、個々の光パルスは電力半値幅が2.1psのガウス型形状を持ち、RZ−OOKもしくはRZ−DPSK変調方式で擬似ランダム符号(Pseudo random bit stream;PRBS)によるデータ変調を行ったものである。波長1.55μmにおける群速度分散値が4.67ps/nm/km、分散スロープが0.05ps/nm2/km、伝搬損失が0.2dB/km、非線形定数が1.46W−1km−1である非零分散シフト光ファイバ68kmと、群速度分散値が−90ps/nm/km、分散スロープが−0.965ps/nm2/km、伝搬損失が0.2dB/km、非線形定数が2.03W−1km−1で長さが3.52kmの分散補償光ファイバで光伝送路の1スパンを構成し、合計3スパンからなる光伝送路を考える。光伝送路では1スパンごとに光増幅が適用されているものとし、各スパンへの光信号入力平均パワーを10dBmとする。
変調方式としてRZ−OOKを用いた際に3スパン伝送させた後の(a)光信号強度波形と、(b)フォトダイオードで受光して得られた電気信号の強度波形アイパターンを図24に示す。同様に、変調方式としてRZ−DPSKを用いた際のアイパターンを図25に示す。なお電気信号は、ビットレートの0.7倍の帯域を持つフォトダイオードで直接検波して得たものと仮定し、さらにRZ−DPSK信号については、1ビット遅延干渉計を経た後でバランス受信したものとする。図24から、RZ−OOK信号は長距離伝送によってタイミングジッタと振幅ジッタの両方を持つことがわかる。これらのジッタは主に光伝送路を構成する光ファイバの非線形効果に起因し、特にタイミングジッタはチャネル内XPM、振幅ジッタはチャネル内FWMと呼ばれる現象によるものと考えられる。図24(b)から得られるQ値は7.0である。一方、図25に示すRZ−DPSK信号の結果では、RZ−OOKの結果と比較してタイミングジッタは小さいが、大きな振幅ジッタが発生している。これは、RZ−DPSK信号の場合、すべてのビットスロットに光パルスが存在していて、タイミングジッタの原因となるチャネル内XPMは抑圧される一方で、振幅ジッタの原因となるチャネル内FWMが増大しているためと考えられる。図25(b)から得られるQ値は9.55である。
このように、ビットレートが160Gbit/sの超高速信号は、200kmを超える長距離伝送において、主に光ファイバの非線形効果によって品質が劣化する。この品質が劣化した信号に対して、パラメトリックプロセスにもとづく本実施の形態の光再生方法を適用し、品質を向上させる。パラメトリックプロセスを発生させるためのHNLFについて、非線形定数γを12W−1km−1、長さを0.5kmとする。ポンプ光は繰り返し周波数が160GHzの同期ビート光であり、HNLFへ入力する際の平均パワーを21dBmとする。このとき、ビート光のピークパワーは250mWである。信号光をHNLFへ入力する際の平均パワーを、変調方式がRZ−OOKのときは12.5dBm、RZ−DPSKのときは15.4dBmとし、これらの値は信号光パルスの規定時間におけるパワーの平均値が77.0mWとなるように設定したものである。HNLF,ポンプ光入力パワー、そして信号光入力パワーを以上の条件に設定することで、上記検討で述べたように、パラメトリックプロセスによる振幅安定化機構が最適化されることになる。なお図13の結果で示したように、信号光のタイミングジッタが大きければ、振幅安定化が最適化されるためのファイバ長を0.5kmより長く設定すべきであるが、今考えている信号光のタイミングジッタの大きさは比較的小さいため、ファイバ長を0.5kmのままとした。また、HNLFを伝搬後に信号光を切り出すOBPFとして、3dB帯域幅が0.3THzであるガウス型フィルタを用いる。
図26は、図24と対応させた、再生されたRZ−OOK信号の(a)光信号および(b)電気信号の強度時間波形アイパターンを示している。「マーク」を表す光パルスの規定時間における成分の揺らぎに注目すると、振幅ジッタとタイミングジッタの両方が大幅に抑圧されているのがわかる。図26(b)から得られるQ値は12.5であり、再生前の7.0から大幅に向上している。一方、「マーク」部分におけるパルスのピークパワーに対して、大幅に小さなパワーである「スペース」部分に注目し、図26と図24の結果を比較すると、規定時間において「マーク」部分に対する「スペース」部分の強度比が図26では増大していることがわかる。これは、光増幅の際に発生する自然放出光雑音や、チャネル内FWMによって発生する「ゴーストパルス」と呼ばれる成分が、同期ビート光とのパラメトリックプロセスによって利得を得て、成長したものである。このように増大した「スペース」の成分は、非特許文献1の方法などで知られている、「光スレショルダ」を適用することで抑圧可能である。しかし図26の結果では、そのようなスレショルダを適用しなくとも、「マーク」部分の揺らぎを大幅に抑圧したことで、再生前よりもQ値が大幅に向上するという結果が得られているのである。
一方、図27は、図25と対応させた、再生されたRZ−DPSK信号の(a)光信号および(b)電気信号の強度時間波形アイパターンを示している。図25で信号品質の劣化要因として支配的であった振幅ジッタは大幅に抑圧されていることがわかる。図27(b)から得られるQ値は28.4であり、再生前の9.55から大幅に向上している。なお、RZ−DPSK信号が大きなタイミングジッタを持つとき、同期ビート光によるパラメトリック利得を得る際、同時にXPMによる位相シフトも得ることになり、その大きさは時間ずれの大きさに依存する。つまり時間ずれが位相ずれへと変換され、さらにPSK信号では検波時に位相ずれが強度ずれに変換されるため、Q値の劣化あるいはビットエラーレートの増大へとつながる。しかし、図27(b)では、光信号の位相揺らぎが増大することで電気信号の強度揺らぎが増大する効果よりも、光波形の強度揺らぎを大幅に低減したことで電気信号の強度揺らぎを抑圧する効果の方が高く、結果的にQ値が大幅に向上するという結果が得られているのである。
RZ−DPSK信号を長距離伝送させる場合、光波形が図25(a)に示すように大きな振幅ジッタを持っていると、Gordon−Mollenauer効果と呼ばれる、振幅ジッタが伝送路中の非線形効果に起因する自己位相変調によって位相ジッタに変換される現象により、その後の伝送を通じて受光後の品質がさらに劣化することがある。そこで本実施の形態の光波形再生方法を適用すると、同期ビート光とのXPMによって信号光のタイミングジッタが変換されて位相ジッタが多少増大したとしても、振幅揺らぎを大幅に抑圧することによって、その後の光伝送において発生し得るGordon−Mollenauer効果を低減し、最終的に信号光が持つ位相ジッタを低減し、信号品質を高めることができると期待される。
以上の結果から、本実施の形態の効果が数値シミュレーションを用いて実証された。
次に、本発明の実施例としての光波形再生器を作製し、その光3R波形再生の効果を実験により確認した。以下では、信号光発生器を用いて信号光を発生させ、発生させた信号光に対して、実施例の係る光波形再生器を用いて、光3R波形再生を行なうこととする。図28は、160Gbit/sのOTDM信号を発生させる信号光発生器500の構成を説明する図である。図29は、発生させたOTDM信号に対して、光3R波形再生を行う実施例に係る光波形再生器200の構成を説明する図である。
図28に示すように、信号光発生器500は、信号発生器501から10Gbit/s(正確には9.95328Gbit/s)のデータ信号と、繰り返し周波数10GHz(正確には9.95328GHz)のクロック信号を生成させる。生成したクロック信号により、光パルス光源502を駆動し、中心波長が1545nm、パルス幅2.0[ps]で繰り返し周波数が10GHzの光パルス列を生成させる。
生成させた光パルス列とデータ信号をニオブ酸リチウム強度変調器503に入力させる。強度変調器503を、光パルス列の入力タイミングと同期しているパターン長が231−1の擬似ランダム符号(PRBS)であるデータ信号で駆動することによって、パルス幅2.0[ps]の10Gbit/sの信号光を発生させる。この信号光をOTDM多重器504で時分割多重させて、最終的に160Gbit/s のOTDM信号を発生させた。なお、本実験において採用したビットレートは正確には159.25Gbit/sであるが、通例に従い以下では160Gbit/sと記述する。
このOTDM信号の品質を故意に劣化させるために、160Gbit/sのOTDM信号を、光増幅器505とこの光増幅器505の後段に配置されるノンゼロ分散シフト光ファイバ(non-zero dispersion shifted optical fiber:NZ-DSF)506と分散補償光ファイバ(dispersion compensating optical fiber:DCF)507で構成される信号品質劣化部510に入力させる。なお、この信号品質劣化部510は合計3段接続し、OTDM信号を伝送する。
OTDM信号を伝送するNZ‐DSF506は標準のシングルモード光ファイバ(single mode optical fiber:SMF)に比較して分散値が波長1550nm帯において約1/4であるためにパルス波形がより歪みにくい。そのため、非線形光学効果による品質劣化がより起きやすいファイバである。
3段の信号品質劣化部510を伝送させた時の、信号品質劣化の効果を確認するために、帯域500GHz以上の光サンプリングオシロスコープでOTDM信号のアイパターンを測定した。測定した結果を図30に示す。図30(a)、(b)が信号品質劣化部510伝送前の信号波形とアイパターンを示していて、図30(c)、(d)が信号品質劣化部510伝送後の信号波形とアイパターンを示している。
図30に示す結果より、3段の信号品質劣化部510伝送後に、振幅ジッタとタイミングジッタの両方が増加しており、信号品質が劣化していることが確認できる。図30(b)、(d)のアイパターンを基にジッタ量を解析した結果、伝送前の信号の振幅ジッタ(σP/μP )、タイミングジッタ[ps]はそれぞれ0.083、0.209[ps]であり、信号品質劣化部510伝送後の信号の振幅ジッタ、タイミングジッタはそれぞれ0.124、0.414[ps]であった。定量的にも信号品質の劣化が確認された。
次に、図29に示す光3R波形再生を行う光波形再生器200に、図28に示す信号光発生器500で発生させた中心波長1545nmの160Gbit/sのOTDM信号を信号光として入力し、光増幅器であるEDFA270で増幅した後に、光カプラ201を用いて二分岐させる。
分岐した一方の信号は、可変光減衰器(variable optical attenuator:VOA)260、偏波制御器(polarization controller:PC)280を順次通った後、二つ目の光カプラ203に到達する。分岐した他方の信号は、光遅延器(optical delay line)230で時間遅延を経た後、160GHz同期ビート発生器(OPLL)202に入力される。この同期ビート発生器202は、特許文献1に記述されている構成の光源であり、入力した160Gbit/s信号に同期した中心波長1559.12nmの160GHz繰り返しビート光を発生する。この同期ビート光は偏波制御器240と帯域通過光フィルタ250を経て光信号混合部である二つ目の光カプラ203に到達する。
二つ目の光カプラ203に到達した同期ビート光と信号光は、光カプラ203によって混合される。ここで、混合される同期ビート光のパワーは80mWと一定であるのに対し、信号光のパワーは0mWから160mWの範囲でVOA260により調節される。混合された二つの信号はEDFA220で増幅された後に光3R再生部210の高非線形光ファイバ(HNLF)204aに入力される。
なお、光カプラ203において混合された同期ビート光と信号光間の強度波形の位相差は、揺らがず、一定の差が維持されなくてはならない。そのため、光カプラ201と光カプラ203の間の光経路において、経路長はできる限り短くし、かつ、位相ずれを発生させる経路長変動の要因となる光増幅器の挿入を避けている。ただし、同期ビート発生器202の内部の光経路における光増幅器の挿入はこの限りではない。なぜならば、同期ビート発生器202は、光増幅器等による同期ビート発生器202内の光経路長の変動があろうとも、常に入力信号光に同期したビート光を発生する装置であるからである。
HNLF204a内の非線形効果により信号が処理された後に、波長分割多重(wavelength division multiplexing:WDM)カプラなどの帯域通過光フィルタ205aにより、入力波長と同じ波長の信号光はC−band(1530nm-1560nm)ポートに、波長変換されたアイドラ信号光はL−band(1570nm-1600nm)ポートに分離され、それぞれ帯域波長幅4nmの帯域通過光フィルタ205b、205cを経て出力される。
本実験では、まず160GHz同期ビート発生器202の前段にある光遅延器230の光遅延量を変化させて、この光波形再生器200の光波形再生効果について確認する。パラメトリック増幅に基づく光3R波形再生の効果は、信号光の位相と同期ビート光の位相をある範囲内で一致させなければ、その効果が得られないことを確認するためである。
このときの実験条件として、VOA260を調整して、二つ目の光カプラ203の入力における信号光パワーを同期ビート光パワーの半分の40mWに設定し、後段のEDFA220の出力パワーを27dBm(約500mW)とした。さらに、HNLF204aは、非線形定数γが10[1/W/km]であり、長さが100m、200m、200mと3つファイバで構成されるものを用い合計500mとした。
そして、同期ビート光の位相を調整するために同期ビート発生器202の前段に配置した光遅延器230の遅延量(Δt)を変化させながら、帯域通過光フィルタ205bが出力する信号光の波形を光サンプリングオシロスコープで測定した結果を図31に示す。図31に示す結果より、遅延量(Δt)の値に応じて信号光と同期ビート光の位相差が変化するため、位相差に応じて信号光の波形が変化することがわかる。
以下の実験では、信号光の位相を同期ビート光の位相と一致させるために、帯域通過光フィルタ205bが出力する信号光の波形のピーク値が最も大きくなりかつ波形の対称性が良くなるように光遅延器230の遅延量を調整した。なお、同期ビート発生器202の後段に配置した偏波制御器240は出力信号波形の強度が最も大きくなるように調整した。
次に、図31に示す出力信号波形測定と同時に、50GHz帯域のフォトダイオードと70GHz帯域の電気サンプリングオシロスコープを用いて測定した、帯域通過光フィルタ205cが出力するアイドラ信号光の波形を図32に示す。図31に示す場合と同様に、遅延量(Δt)に従い波形が変化しており、図31の出力信号波形のピーク値が高く対称性が高い時(たとえばΔt=0.0psの時)に、アイドラ信号光の波形の間隔が等間隔で、信号対雑音比が高くなっていることがわかる。図8で示すように、信号光を再生するために最適な状況が、アイドラ信号光に対しても最適な状況というわけではない。しかしながら、アイドラ信号光の波形は、信号光と同期ビート光の位相差を調整するうえでの良い指標となりうる。
なお、パラメトリック増幅に基づく光3R波形再生の原理を考察すると、光3R波形再生された信号光のパワーを最大にするためには、HNLF204aに入力される信号光と同期ビート光の偏波が一致していることが望ましい。ここでは、信号光と同期ビート光の偏波は、帯域通過光フィルタ205bが出力する信号光の波形を光サンプリングオシロスコープで測定しながら、波形の振幅が最大になるように、光カプラ203の前段において信号光もしくは同期ビート光の光経路に挿入した偏波制御器280もしくは偏波制御器240を調整した。この調整を通して、HNLF204aに入力される信号光と同期ビート光の偏波を一致させた。
なお、帯域通過光フィルタ205cが出力するアイドラ信号光の波形を再生信号として用いる場合は、帯域通過光フィルタ205cが出力するアイドラ信号光のパワー、もしくは、波形の振幅が最大になるように、光カプラ203の前段において信号光もしくは同期ビート光の光経路に挿入した偏波制御器280もしくは偏波制御器240を調整する。この調整を通して、HNLF204aに入力される信号光と同期ビート光の偏波を一致させる。
また、図33(a)は、HNLF204aの入力における信号光と同期ビート光のパワー比を1:2とし、EDFA220の出力を26dBm(約400mW)とした時の、HNLF204aの入力における光スペクトラムを示す。また、図33(b)〜(f)は、HNLF204aの入力における信号光と同期ビート光のパワー比を1:2は変えずに、EDFA220の出力をそれぞれ変化させた場合の、HNLF204aの出力における出力光スペクトラムを示す。EDFA220の出力を20dBm(約100mW)とした時の結果を図33(b)に、EDFA220の出力を22dBm(約160mW)とした時の結果を図33(c)に、EDFA220の出力を24dBm(約250mW)とした時の結果を図33(d)に、EDFA220の出力を26dBm(約400mW)とした時の結果を図33(e)に、EDFA220の出力を28dBm(約630mW)とした時の結果を図33(f)にそれぞれ示す。
図33に示す結果より、EDFA220の出力の増加に伴い、一次アイドラ信号光のパワーの増加に加え、高次アイドラ信号光の発生とパワーの増加が確認できる。また、信号光のパワーは飽和していることも確認できる。このことからも、高次アイドラ信号光の増加は、Reshaping効果に寄与しているものと考えられる。
パラメトリック増幅に基づく光3R波形再生の効果は、数値シミュレーションを用いた解析結果である図8より、信号光パワーと同期ビート光パワーの比率に関して最適値があることを示している。そこで、実験的に最適な比率を探索した。
以下の実験では、HNLF204aは、非線形定数γが10[1/W/km]のものを用い、長さは100m、200mのファイバ2つを接続して構成している。最適値探索の手順は次の通りである。
信号光と同期ビート光を混合する光カプラ203の後段に設置したEDFA220の出力パワーを25、26、27、または28dBmに保ちながら、VOA260を用いて信号光と同期ビート光の混合比率を変えて、帯域通過光フィルタ205bが出力する信号光のアイパターンを光サンプリングオシロスコープで測定した。測定したアイパターンから上記の各出力パワー、混合比率における振幅ジッタ(σP/μP)とタイミングジッタ[ps]および信号光のピークパワーを評価する。
各出力パワーに対する、横軸が示す混合比率に対する縦軸が示すタイミングジッタσT[ps]の評価結果を図34に示し、各出力パワーに対する、横軸が示す混合比率に対する左縦軸が示す振幅ジッタ(σP/μP)と右縦軸が示す信号光のピークパワーとの評価結果を図35に示す。図34、図35のそれぞれにおいて、(a)、(b)、(c)、(d)が、EDFA220の出力パワーをそれぞれ25、26、27、28dBmとした場合である。
なお。図8の結果は、同期ビート光の平均パワーを一定とした時の結果であるのに対して、図34、35はEDFA220の出力を一定とした時の結果であるため、同期ビート光の平均パワーは比率によって変化している。そのため、単純に図34、35と図8を比較できないことに注意されたい。さらに、実験結果と数値シミュレーション結果が定量的に一致しないのは、数値シミュレーションにおいてHNLF204aの分散値や偏波依存分散量(PMD)などの効果を考慮していないためである。
図34に示す結果より、タイミングジッタに関しては、EDFA220の出力パワーが26dBmの時において、信号光と同期ビート光のパワー比が小さい領域を除いて、すべてのEDFA220の出力パワー、信号の混合比率で、上述した入力信号光のタイミングジッタ0.414[ps]を下回っている。
また、図35に示す結果より、振幅ジッタに関しては、上述した入力信号光の振幅ジッタ0.124を下回るEDFA220の出力パワーと信号の混合比率が存在することが確認できた。
次に、EDFA220の出力パワーを28dBm、かつ信号光と同期ビート光の平均パワー混合比率が1:1とした時に、ピークパワーが最大値を持つ点(すなわち、図35(d)において混合比率が1.0であるところの点)の信号光波形とアイパターンを図36に、光スペクトラムを図37に示す。
図36(a)がEDFA270への入力信号光の波形を、図36(b)が帯域通過光フィルタ205bからの出力信号光の波形を示している。また、図36(c)が入力信号光のアイパターンを、図36(d)が出力信号光のアイパターンを示している。また、図37(a)がHNLF204aへの入力信号光の光スペクトラムを示し、図37(b)がHNLF204aからの出力信号光の光スペクトラムを示している。
図36(d)の解析結果より、出力信号光の振幅ジッタ(σP/μP)とタイミングジッタ[ps]はそれぞれ、0.0835、および0.255[ps]であることがわかった。入力信号光の振幅ジッタ、タイミングジッタは、それぞれ0.124、および0,414[ps]であるのに対して振幅ジッタ、タイミングジッタがそれぞれ約30%、38%削減されていることが確認できる。一方、図37に示す結果より、図33(f)に示す光スペクトラムと比較し、より高次アイドラ信号光のパワーが増加していることが確認できる。
さらにEDFA220の出力パワーが27dBmで、かつ信号光と同期ビート光の平均パワー混合比率が1:1の時の信号光波形とアイパターンを図38に示す。なお、図38(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ図36(a)、(b)、(c)、(d)と対応している。
図38(d)の結果より、振幅ジッタ(σP/μP)とタイミングジッタ[ps]はそれぞれ、0.103および、0.325[ps]である。したがって、入力信号光に対して振幅ジッタ、タイミングジッタがそれぞれ16%、21%削減されていることが確認できる。
以上のように、本実施例に係る光波形再生器によって、数値シミュレーションだけでなく、実験的にも、同期ビート光と信号光との間のパラメトリック増幅に基づく光3R波形再生の効果が確認できた。
(アイドラ光を切り出す場合について)
数値計算を用いて行ったこれまでの検討では、パラメトリックプロセスの後に帯域通過光フィルタでポンプ光とアイドラ光を除去して信号光のみを切り出し、これをもって再生された情報としていた。ここでは、OBPFによって信号光の代わりに一次アイドラ光を切り出し、これをもって再生された情報とする場合の結果を示す。
数値計算を用いて行ったこれまでの検討では、パラメトリックプロセスの後に帯域通過光フィルタでポンプ光とアイドラ光を除去して信号光のみを切り出し、これをもって再生された情報としていた。ここでは、OBPFによって信号光の代わりに一次アイドラ光を切り出し、これをもって再生された情報とする場合の結果を示す。
以下では、ポンプ光およびパラメトリックプロセスを発生させるための光ファイバの条件と、入力信号光のピークパワー以外の条件については、図10に示す結果を得たときのものと同様とする。
上記条件の中で、パラメトリックプロセスを発生させるためのファイバ長をL=0.5[km]としたときに、出力されるアイドラ光の振幅安定化動作を最適とする、ポンプ光と信号光のピーク振幅比α0は、先に述べた通り0.736(正確な値は0.73589)である。いま、ポンプ光のピークパワーを250mWとおいたので、入力信号光のピークパワーは135.4mWとすればよい。
つぎに、図10の場合と同様に、入力信号光のピークパワーを規定値である135.4mWに対して70,80,90,100,110,120,130%のいずれかの割合に変化させてからポンプ光と合波し、長さLの光ファイバを伝搬させた後、波長1566.2nm付近に発生したアイドラ光を通過帯域が2THzの理想フィルタで切り出した際のピークパワーPと、それらの標準偏差σPの値を式(8)から計算し、図39に示す。また図39では、図10の場合と同様に、ファイバ長がLのときのアイドラ光ピークパワーに関して、すべての試行結果の標準偏差σPの値も、右側の縦軸に示している。
図39で、アイドラ光のピークパワーはL=0の初期値で0であり、ファイバ長Lとともに増大するが、その割合は入力信号光ピークパワーの規定値に対する割合によって変化する。ところがファイバ長がL=0.5kmの位置では、アイドラ光のピークパワーはほぼ一定値に収束している。実際、L=0のときは0であったアイドラ光ピークパワーの標準偏差σPの値は、Lとともに増加した後、L>0.3kmで減少に転じ、L=0.52kmで最小値σP=0.83mWとなる。図10に示した、パラメトリックプロセスの後にOBPFで信号光を切り出した場合のσPの最小値1.66mWと比較すると、アイドラ光を切り出した場合のσPは、半分の値となっていることになる。このことから、入力信号の揺らぎをもった振幅を安定化させる性能は、パラメトリックプロセスの後に信号光を切り出したときよりも、アイドラ光を切り出したときの方が高いと言える。
つぎに、図11の結果を得たときと同様に、信号光とポンプ光の初期時間差を0.5psとおき、ポンプ光の形状を(a)ビート光、(b)FWHMが2.5psのガウス型、そして(c)FWHMが1.5psのガウス型のいずれかとしたときに、長さLのファイバを伝搬後にOBPFにより切り出されて出力されたアイドラ光のピーク時間位置と一次モーメントを、図40にそれぞれ実線と破線で示す。図40で破線で示している一次モーメントの値に注目すると、任意のLで(a)よりも(b)、(b)よりも(c)の方が0psに近い値となっている。つまり、パラメトリックプロセスの後にOBPFでアイドラ光を切り出す場合は、ポンプ光の時間幅の小さい方が、信号光の時間位置ずれ補正効果が高いことがわかる。
図40に示されているアイドラ光の一次モーメントと、図11に示されている、OBPFにより信号光を切り出した場合の一次モーメントを比較すると、アイドラ光の場合は信号光の場合よりも0psに近く、時間位置ずれを補正する効果は、信号光よりもアイドラ光を抜き出したときの方が高いことがわかる。また同様の比較において、L=0.5kmにおけるピーク時間位置と一次モーメントの差は、図11と図40との対応する(a),(b),(c)のすべての場合で、パラメトリックプロセスの後にアイドラ光を抜き出したときの方が小さい値であり、時間波形のひずみが小さいと言える。実際、図41はL=0.5kmにおけるアイドラ光の強度時間波形と、L=0kmにおける信号光の波形をそれぞれ実線と破線で示しているが、この結果と図12に示す結果を比較しても、OBPFでアイドラ光を抜き出したときの方が波形ひずみは小さいことがわかる。
また図41において、時間tが|t|>2psのときのアイドラ光強度がほぼ0mWとなっているのに対して、図12に示されている信号光は、|t|>2psのときにある程度の強度を持っている。信号のビットレートが160Gbit/sのとき、|t|=3.125psのときが時間軸上で隣り合うパルスの谷間である。アイドラ光発生の際にこの谷間の時間で強度が0になるということは、波形整形の効果が高いということを意味している。これに対して信号光を切り出した場合は、その効果は小さいと言える。よって、パラメトリックプロセスの後にOBPFでアイドラ光を切り出した場合の方が、波形整形効果が高い。特に、信号の変調フォーマットがオンオフキーイング(OOK)である場合、この谷間の時間における強度成分は0であることが望ましいので、アイドラ光を切り出す方がより好ましい。
つぎに、上記図13において、ポンプ光と信号光の初期時間差Δtを変化させて、パラメトリックプロセスの後で信号光を四種類のBPFで切り出した際の、ピークパワーの標準偏差σPと時間軸での一次モーメントの二乗平均の平方根<tm 2>1/2のファイバ長Lに対する値を示したが、同様にアイドラ光をフィルタで切り出した場合の結果を図42に示す。図13の場合と同様に、図42(a),(b),(c),(d),(e)はそれぞれ、ポンプ光と信号光の初期時間差がΔt=0,0.3,0.5,0.7,0.9psの結果を示しており、それぞれの場合で四種類の線種は、信号光を切り出すためのOBPFとして理想フィルタおよび3dB帯域幅Δf3dBの異なる三種のガウス型フィルタを適用した場合の結果である。図13と図42の結果を比較すると、σPが最小となるファイバ長L(L=0を除く)が、信号光とポンプ光の初期時間差Δtが増えるにつれて大きくなる点が共通している。一方、図13に示す結果では、任意のLにおける<tm 2>1/2の値がOBPFの形状に大きく依存していたのに対して、図42に示す結果ではOBPFの形状の依存性がほとんどない。また、図42のL=0.5kmにおける<tm 2>1/2の値は、図13で3dB帯域幅が最も小さい0.2THzのガウス型フィルタを用いた場合の結果にほぼ一致している。つまり、パラメトリックプロセスの後でOBPFにより信号光を切り出した場合は、時間位置ずれ補正効果はそのOBPFの帯域が狭いほうが良好であったが、アイドラ光を切り出した場合は、帯域の広いOBPFを用いたとしても、時間位置ずれ補正効果は変わりなく高いと言える。
以上の結果から、振幅安定化、時間位置ずれ補正、波形整形の性能は、パラメトリックプロセス終了後にOBPFで信号光を切り出すよりも、アイドラ光を切り出したほうがよいことがわかった。
次に、現実的な条件のもとでの数値シミュレーションを実行し、パラメトリックプロセスの後にOBPFでアイドラ光を切り出したときの波形再生の様子について検討する。図18は、ポンプ光の形状として(a)ビート光、(b)電力半値幅が2.5psの逆位相ガウス型パルス列、(c)電力半値幅が1.5psの逆位相ガウス型パルス列の三種類を考え、入力信号光パルス列における各パルスの振幅と時間位置にランダムな揺らぎを与えるという条件のもとで、パラメトリックプロセスの後に3dB帯域幅が0.2THzのガウス型BPFにより信号光を切り出した場合の、ファイバ長Lに対するQ値の計算結果を示したものであったが、同様な計算を、アイドラ光を抜き出した場合に対して行なった結果を図43に示す。なお、図43では、図18と同様に、ポンプ光の形状として、(a)繰り返し周波数がfB=160GHzであるビート光、(b)繰り返し周波数が160GHzで、電力半値幅ΔtFWHMが2.5psであるガウス型の逆位相パルス列、そして(c)繰り返し周波数が160GHzで、電力半値幅ΔtFWHMが1.5psであるガウス型の逆位相パルス列を用いている。
図43において、ポンプ光の形状がいずれの場合でも、ファイバ長L=0.52km付近で最大のQ値が得られている。Q値の最大値にのみ注目すると、(b)の場合が最良である。一方、ファイバ長L=0.52kmのときに出力されるアイドラ光の強度時間波形アイパターンを図44に示す。図44から、振幅揺らぎとタイミング揺らぎの両方を考慮に入れた場合、(c)の場合が最良であるように見える。これを確認するため、ファイバ長Lに対する出力アイドラ光のピーク振幅標準偏差σPと、ピーク時間位置標準偏差σTをそれぞれ図45および図46に示す。なお、図45,46の(a)、(b)、(c)は、いずれも図43の(a)、(b)、(c)に対応している。図45より、ファイバ長L=0.52kmにおいて、振幅揺らぎの度合いを意味するσPの大きさは(a)、(b)、(c)ほぼ同等であると言える。一方、図46から、時間揺らぎの度合いを意味するσTの大きさは、(c)の場合が明らかに小さく、タイミング揺らぎを大きく抑圧できていることがわかる。これらの結果から、パラメトリックプロセスの後にOBPFでアイドラ光を切り出す場合の総合的な信号品質は、ポンプ光がガウス型パルス形状で、時間幅が最も小さい1.5psである(c)の場合が最良である。
上述したように、パラメトリックプロセスの後に信号光を切り出す場合はポンプ光のパルス幅は大きい方がよいという結果が得られている。したがって、アイドラ光と信号光のいずれを切り出すかによって、ポンプ光のパルス幅をいくつに設定すべきかについての方向性が逆の結果となる。
このようなことが起こる理由は、既存の信号光に対する波形再生のプロセスと、強度零から発生するアイドラ光の成長プロセスが根本的に異なるためである。既存の信号光については、その波形が、ポンプ光とのパラメトリックプロセスと、XPMおよびOBPFによる帯域制限の効果により変形されるため、入力信号光の振幅および時間揺らぎが出力信号光のひずみへと変換され、波形再生の性能を劣化させることがある。特に、入力信号光のタイミング揺らぎの程度は、出力信号光の品質を大きく左右し得る。一方、後者については、アイドラ光がポンプ光と信号光が時間的に重なり合っている場所にのみ発生するので、入力信号光の時間揺らぎの影響を受けにくくなる。さらに、ポンプ光のパルス幅が小さい方が、よりタイミング揺らぎを抑圧できる。その結果、波形再生の効果が高まるのである。換言すると、ポンプ光の形状として最も時間幅が大きくなるのはビート光の場合であり、このときパルス幅はビットスロットの半分であるから、パラメトリックプロセスの後にOBPFでアイドラ光を切り出す場合には、パルス幅がビットスロットの半分以下であるパルス形状のポンプ光を用いることで、波形再生の効果が高まることになる。
100、200、900 光波形再生器
101、901 光分波器
102 ビート光発生部
103、903 信号混合部
104、904a、904b 非線形媒体
105、205a〜205c、250、905a、905b 帯域通過光フィルタ
110、210 光3R再生部
201、203 光カプラ
202 同期ビート発生器
204a HNLF
230 光遅延器
240、280 偏波制御器
260 VOA
220、270、505 EDFA
310、310a ポンプ光
320、320a 信号光
330 一次アイドラ光
331、332 高次アイドラ光
401〜403 波形
500 信号光発生器
501 信号発生器
502 光パルス光源
503 強度変調器
504 OTDM多重器
506 NZ‐DSF
507 DCF
510 信号品質劣化部
910 クロック抽出器
920 短パルス光源
R 範囲
101、901 光分波器
102 ビート光発生部
103、903 信号混合部
104、904a、904b 非線形媒体
105、205a〜205c、250、905a、905b 帯域通過光フィルタ
110、210 光3R再生部
201、203 光カプラ
202 同期ビート発生器
204a HNLF
230 光遅延器
240、280 偏波制御器
260 VOA
220、270、505 EDFA
310、310a ポンプ光
320、320a 信号光
330 一次アイドラ光
331、332 高次アイドラ光
401〜403 波形
500 信号光発生器
501 信号発生器
502 光パルス光源
503 強度変調器
504 OTDM多重器
506 NZ‐DSF
507 DCF
510 信号品質劣化部
910 クロック抽出器
920 短パルス光源
R 範囲
Claims (26)
- 入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生手段と、
前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合手段と、
前記信号混合手段で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入力し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生手段と、
を備えたことを特徴とする光波形再生器。 - 前記信号光の振幅揺らぎとタイミング揺らぎの両方が同時に抑圧されることを特徴とする請求項1に記載の光波形再生器。
- 前記非線形媒体は高非線形光ファイバであることを特徴とする請求項1または2に記載の光波形再生器。
- 前記発生させる非線形現象が時間依存のパラメトリック増幅、及び相互位相変調であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記非線形現象を発生させた後に前記光波形再生を行った信号光を抜き出す帯域通過光フィルタ手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記抜き出された信号光が入力時の位相情報を保持していることを特徴とする請求項5に記載の光波形再生器。
- 前記入力する信号光の振幅揺らぎを補正し、前記光波形再生を行った信号光の振幅が一定値に収束するよう、前記入力する信号光と前記ポンプ光の振幅比を設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記ポンプ光がビート光であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記非線形現象により発生したアイドラ光を抜き出す帯域通過光フィルタ手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記入力する信号光の振幅揺らぎを補正し、前記抜き出したアイドラ光の振幅が一定値に収束するよう、前記入力する信号光と前記ポンプ光の振幅比を設定したことを特徴とする請求項9に記載の光波形再生器。
- 前記ポンプ光の形状がビットレートにより規定されるタイムスロットの半分よりも時間幅の短いパルス形状であることを特徴とする請求項9または10に記載の光波形再生器。
- 前記帯域通過光フィルタ手段の帯域を、前記抜き出した信号光またはアイドラ光に符号間干渉が発生しない程度にまで小さくしたことを特徴とする請求項5〜11のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 前記信号混合手段で混合した信号光とポンプ光とを増幅してから前記非線形媒体に入力する光増幅手段を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の光波形再生器。
- 入力する信号光のビットレートと同じ繰り返し周波数および前記信号光の中心波長とは異なる中心波長を持ち、強度が時間的に変化し、かつ前記信号光と同期しているポンプ光を発生するポンプ光発生工程と、
前記ポンプ光と前記信号光とを混合する信号混合工程と、
前記信号混合工程で混合した信号光とポンプ光とを非線形媒体に入射し、前記ポンプ光と前記信号光との間で非線形現象を発生させて信号光の光波形再生を行う光波形再生工程と、
を含むことを特徴とする光波形再生方法。 - 前記信号光の振幅揺らぎとタイミング揺らぎの両方が同時に抑圧されることを特徴とする請求項14に記載の光波形再生方法。
- 前記非線形媒体は高非線形光ファイバであることを特徴とする請求項14または15に記載の光波形再生方法。
- 前記発生させる非線形現象が時間依存のパラメトリック増幅、及び相互位相変調であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 前記非線形現象を発生させた後に帯域通過光フィルタ手段を用いて前記光波形再生を行った信号光を抜き出すことを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 前記抜き出された信号光が入力時の位相情報を保持していることを特徴とする請求項18に記載の光波形再生方法。
- 前記入力する信号光の振幅揺らぎを補正し、前記光波形再生を行った信号光の振幅が一定値に収束するよう、前記入力する信号光と前記ポンプ光の振幅比を設定したことを特徴とする請求項14〜19のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 前記ポンプ光がビート光であることを特徴とする請求項14〜20のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 帯域通過光フィルタ手段を用いて前記非線形現象により発生したアイドラ光を抜き出すことを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 前記入力する信号光の振幅揺らぎを補正し、前記抜き出したアイドラ光の振幅が一定値に収束するよう、前記入力する信号光と前記ポンプ光の振幅比を設定したことを特徴とする請求項22に記載の光波形再生方法。
- 前記ポンプ光の形状がビットレートにより規定されるタイムスロットの半分よりも時間幅の短いパルス形状であることを特徴とする請求項22または23に記載の光波形再生方法。
- 前記帯域通過光フィルタ手段の帯域を、前記抜き出した信号光またはアイドラ光に符号間干渉が発生しない程度にまで小さくしたことを特徴とする請求項18〜24のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
- 前記信号混合工程で混合した信号光とポンプ光とを増幅してから前記非線形媒体に入力する光増幅工程を含むことを特徴とする請求項14〜25のいずれか一つに記載の光波形再生方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130813 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131210 |