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JP2010078289A - 熱交換器及びこの熱交換器を備えた空気調和機 - Google Patents

熱交換器及びこの熱交換器を備えた空気調和機 Download PDF

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JP2010078289A JP2008250525A JP2008250525A JP2010078289A JP 2010078289 A JP2010078289 A JP 2010078289A JP 2008250525 A JP2008250525 A JP 2008250525A JP 2008250525 A JP2008250525 A JP 2008250525A JP 2010078289 A JP2010078289 A JP 2010078289A
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fin
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tube
plate
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Soubu Ri
相武 李
Akira Ishibashi
晃 石橋
Takuya Matsuda
拓也 松田
Masanori Aoki
正則 青木
Makoto Saito
信 齋藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】伝熱管を細径化するとともに形状パラメータを最適化することにより、伝熱性能が高い熱交換器およびこの熱交換器を用いる空気調和機を提供する。
【解決手段】所定の間隔で並べて配置され該間隔を流体が通過する複数の板状フィン1と、板状フィンに直交する方向に挿通され、内部を冷媒が流れる複数の円形の伝熱管2とを備え、伝熱管2は、外径が4〜6mmであり、管内面には深さが0.1〜0.2mmである螺旋状の溝4が形成されており、冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と溝4が延びる方向とがなす角度を10〜20°とし、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と溝4が延びる方向とがなす角度を0〜10°とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器及びこの熱交換器を備えた空気調和機に関するものである。また、本発明は、主に天井埋め込み型の空気調和機に適用されるものであるが、他の空気調和機、例えば壁掛け型や床据付型等の空気調和機にも適用することができるものである。
例えば、従来のフィンチューブ型の熱交換器は、互いに平行に一定間隔をあけて配置された複数枚の板状フィンと、板状フィンを法線方向に貫通する伝熱管と、から構成され、板状フィンの間を流れる空気と伝熱管の内部を流れる冷媒との間で熱交換が実行されるものである。
近年、地球温暖化防止の観点から空気調和機の消費エネルギーの低減や作動流体として使用する冷媒量の削減が強く求められ、当該装置に装備される熱交換器にも高性能化と内容積の小型化が要求されている。
一方、快適性を確保するため騒音増加抑制の観点から気体の通過速度は低く抑えられているため、伝熱管内部の熱伝達率に対して空気側の熱伝達は低いままであった。そこで、空気側の伝熱面積を増加させることにより、空気側の伝熱向上が図られている。
すなわち、熱交換器の小型化の要求や設置スペースの限界から、熱交換器の空気流れ方向(段方向)の設置数を増やしたり、伝熱管の板状フィンの積層方向の長さ(直管部の長さに同じ)を延長したりして熱交換器を大型化することによって、伝熱面積を増加させるのではなく、伝熱管径を小さくしたり、フィンピッチを狭めるか伝熱管の列方向の設置列数を増加させたりすることによって、熱交換器の伝熱面積を増加させる手法が採用される。例えば、以前は、伝熱管径は10mm程度、フィンピッチは1.5mm程度まで、また列数は2列の熱交換器が製品化されていたが、最近では伝熱管径は7mm程度まで、フィンピッチは1.1mm程度まで狭められており、また列数も3列以上の熱交換器が製品化されている。
そして、伝熱管外径Dが3mm≦D≦7.5mmの範囲であって、
1.2D≦Lp≦1.8D
2.6D≦Dp≦3.5D
このとき、Lp:伝熱管の気体通過方向の列ピッチ
Dp:伝熱管の気体通過方向に対して直角方向(段方向)の段ピッチ
とすることによって伝熱性能を向上させ、さらに、板状フィンの両面に突出するスリットフィンを、気体通過方向に対して直角方向で、段方向に複数列「切り起こし」によって形成し、切り起こし部における伝熱性能の向上や気体の混合の促進を図る発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−3188号公報(第2−3頁、第3図、第4図)
特許文献1の熱交換器においては、伝熱管に円管を用いて、伝熱管外径D、列ピッチLp、および段ピッチDpを上記のように規定することで、伝熱管部における通風抵抗や伝熱管の後流側に生じる死水域を抑えているが、熱交換器の伝熱性能をさらに高めるためにはもう一段の工夫が必要である。
また、従来は、熱交換器の高性能化を目的として、冷媒側では伝熱管内の溝形状の高さを高くすること、空気側ではフィン形状を工夫することで熱交換性能を改善しているが、さらに現状以上に高性能化するためには、伝熱管を細径化することが考えられる。しかしながら、伝熱管を細径化することにより、管内熱伝達率が増大するのに対して圧力損失が増大するため、これらを最適化することが必要になる。
また、通常、伝熱管内を通流する冷媒中には、圧縮機用の潤滑剤である冷凍機油が含まれており、単に伝熱管の内面に溝を形成しただけでは、圧力損失が増加して、十分な管内(凝縮・蒸発)性能が得られない。このような圧力損失の増加は、冷媒中の冷凍機油含有量が高い程著しい。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、伝熱管を細径化するとともに形状パラメータを最適化することにより、伝熱性能が高い熱交換器、およびこの熱交換器を用いる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器は、所定の間隔で並べて配置され該間隔を流体が通過する複数の板状フィンと、前記板状フィンに直交する方向に挿通され、内部を冷媒が流れる複数の円形の伝熱管とを備え、前記伝熱管は、外径が4〜6mmであり、管内面には深さが0.1〜0.2mmである螺旋状の溝が形成されており、冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と前記溝が延びる方向とがなす角度を10〜20°とし、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と前記溝が延びる方向とがなす角度を0〜10°とするものである。
本発明においては、冷媒質量流量が5〜20kg/hである冷媒を使用した場合には、外径を4〜6mm、溝深さを0.1〜0.2mm、管内面における管軸方向に平行な直線と溝が延びる方向とがなす角度を10〜20°とし、冷媒質量流量が20〜45kg/hである冷媒を使用した場合には、外径を4〜6mm、溝深さを0.1〜0.2mm、管内面における管軸方向に平行な直線と溝が延びる方向とがなす角度を0〜10°としているため、圧力損失を増加させずに、熱伝達率を向上させることができ、伝熱性能に優れた熱交換器および空気調和機を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
実施の形態1.
図1(a)は本発明の実施の形態1に係るフィンアンドチューブ型熱交換器100の伝熱管における管軸方向に水平な断面を示す断面図であり、隣り合う伝熱管2の断面とその間の板状フィン1を示している。図1(b)は熱交換器100を鉛直方向に切断した側面断面図で、管内面の溝形状の一部を拡大した拡大図を付記してある。
本実施形態の熱交換器100は、所定の間隔で並べて配置された複数の板状フィン1と、板状フィン1に直交する方向に挿通され、内部を冷媒が流れる複数の伝熱管2とから構成されている。板状フィン1は、銅又は銅合金、もしくはアルミ又はアルミ合金等の金属材料からなり(他の実施の形態においても同様である)、これらの板状フィン1の間を空気や水等の流体が通過する。
伝熱管2は、外径Dの円形管で、銅又は銅合金、もしくはアルミ又はアルミ合金等の金属材料からなる(他の実施の形態においても同様である)。また、伝熱管2の内面には螺旋状に溝4が形成されており、管内面における管軸方向に平行な直線と溝4が延びる方向とがなす角度(ねじれ角という)を持つ。熱交換器の圧力損失を低減するには、パス数の増加効果よりねじれ角の低下効果が大きいことで、ねじれ角が小さい伝熱管2を用いた熱交換器100を搭載することにより、天井埋め込み型空気調和機等の空気調和機が構成される。
ここで、熱交換器100を構成する内面溝付きの伝熱管2の外径Dは4〜6mmであり、溝4の深さ、即ち、山5の高さhは0.1〜0.2mmであり、熱交換器100に組み込まれ、その内部に流れる冷媒の冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と溝4が延びる方向とがなす角度が10〜20°で、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と溝4が延びる方向とがなす角度が0〜10°である。
次に、本実施形態の内面溝付き伝熱管2における数値限定理由について説明する。
(1)外径D:4〜6mm
伝熱管2の外径Dが4mm未満であると熱伝達率の増加量よりも圧力損失の増加量の方が多くなり、結果として、管内性能が低下する。一方、外径Dが6mmを超えると、列ピッチ(流体通過方向の伝熱管列の中心間隔をいう)が大きくなり、熱交換器とファンとの距離が近くなり、騒音が発生する。
よって、本実施形態の内面溝付き伝熱管2においては、外径Dを4〜6mmとする。
(2)山高さh:0.1〜0.2mm
本実施形態の内面溝付き伝熱管2においては、溝4の深さ、即ち、山高さhが高い程、その熱伝達率も高くなる。しかしながら、山高さhが0.2mmを超えると、熱伝達率の増加量よりも圧力損失の増加量の方が多くなり、結果として、管内性能が低下する。一方、山高さhが0.1mm未満の場合、熱伝達率が向上しない。
よって、本実施形態の内面溝付き伝熱管2においては、山高さhを0.1〜0.2mmとする。
(3)ねじれ角θ:10〜20°(但し、冷媒質量流量5〜20kg/hのとき)、又は0〜10°(但し、冷媒質量流量20〜45kg/hのとき)
冷媒質量流量によって、内面溝付き伝熱管2の管内性能へのねじれ角θによる影響が異なる。図2は冷媒質量流量によってねじれ角θと熱交換率との関係を示す線図である。
冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、ねじれ角θが10°未満の場合、従来使用されていた外径7mmの溝付管と同等性能しか得られない。一方、ねじれ角θが20°を超えると、内面溝を乗り越えて冷媒が流れ、管内圧力損失が増加し、熱交換率を向上させることができない。冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、ねじれ角θが10°を超えると、内面溝を乗り越えて冷媒が流れ、管内圧力損失が増加し、熱交換率を向上させることができない。
よって、本実施形態の内面溝付き伝熱管2におけるねじれ角θは、冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、ねじれ角θを10〜20°とし、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、ねじれ角θを0〜10°とする。
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2に係る熱交換器100を鉛直方向に切断した側面断面図、図4は伝熱管内面溝の条数と熱交換率との関係を示す線図である。なお、実施の形態2において、伝熱管2の外径D、溝4の深さ、即ち山高さh、および溝4のねじれ角θについては実施の形態1と同様である。
図4に示すように、内面溝付き伝熱管2は、溝4の条数が40より小さくなると熱交換器製造時の加工性が著しく低下し、熱交換率が低下する。一方、条数が65を超えると、溝部断面積が小さくなり、溝4から冷媒液膜が溢れて山頂部まで冷媒液膜に覆われてしまうため、熱伝達率が低下する。
よって、本実施形態2の内面溝付き伝熱管2においては、溝4の条数が40〜65であることが好ましい。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3に係る熱交換器100を鉛直方向に切断した側面断面図で、管内面の溝形状の一部を拡大した拡大図を付記してある。なお、実施の形態3において、伝熱管2の外径D、溝4の深さ、即ち山高さh、および溝4のねじれ角θについては実施の形態1と同様である。
図5に示すように、内面溝付き伝熱管2は、溝4底の管肉厚tが0.19mmより小さくなると伝熱管製造時の加工性が著しく低下し、伝熱管の耐圧が低下する。一方、溝4底の管肉厚tが0.23mmを超えると、山部の頂部が潰れ、伝熱管とフィンとの密着性が落ちてしまうため、熱伝達率が低下する。
よって、本実施形態3の内面溝付き伝熱管2においては、溝底の管肉厚tを0.19〜0.23mmとする。
実施の形態4.
図6は本発明の実施の形態4に係る空気調和機の構成を示す図である。図6に示すように、空気調和機には、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により空気または水等を冷却する蒸発器51と、蒸発器51から排出された冷媒を圧縮し、高温にして凝縮器53に供給する圧縮機52と、冷媒の熱により空気または水等を加熱する凝縮器53と、凝縮器53から排出された冷媒を膨張させ、低温にして蒸発器51に供給する膨張弁54(絞り装置)とが順次配管によって接続され冷凍サイクルが形成されている。そして、本実施形態の空気調和機は、実施の形態1〜3に示した内面溝付き伝熱管2が、蒸発器51および凝縮器53を構成する熱交換器に組み込まれ、その内部には5質量%以下の冷凍機油を含有する冷媒が流される。
この冷凍機油は、圧縮機52用の潤滑剤であり、ベアリング及びシリンダ等の可動部の潤滑性を向上させると共に、摩擦により発生する熱を吸収することにより可動部を冷却して、圧縮機52を良好に稼働させるものである。しかしながら、冷媒中の冷凍機油含有量が5質量%を超えると、伝熱管2の溝22の山頂部へ移動する冷凍機油の量が多くなり、山頂部まで冷凍機油に覆われてしまい管内性能が低下する。
よって、本実施形態の内面溝付きの伝熱管内に通流させる冷媒の冷凍機油含有量は、5質量%以下とする。
上記の熱交換器は、冷媒として、HC単一冷媒、またはHCを含む混合冷媒、R32、R410A、R407C、テトラフルオロプロペン(例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)のいずれかが用いられ、これらの冷媒と空気との熱交換効率が向上する。
実施の形態5.
図7(a)、(b)は本発明の実施の形態5に係る熱交換器100の製造方法を示すもので、熱交換器100を鉛直方向に切断した正面断面図である。なお、室内機側の熱交換器および室外機側の熱交換器は、いずれも同様の手順により製作される。
図7に示すように、実施の形態1〜3に示した内面溝付き伝熱管2を、それぞれ長手方向の中央部で所定の曲げピッチでヘアピン状に曲げ加工し、複数のヘアピン管(図示せず)を製作する。次いで、これらのヘアピン管を、所定の間隔をおいて相互に平行に配置した複数枚の板状フィン1に直交する方向に挿通し、その後、ヘアピン管内に拡管玉60をロッド61により押し込む機械拡管方式により(図7(a)参照)、またはヘアピン管内に拡管玉60を流体62の液圧により押し込む液圧拡管方式により(図7(b)参照)、ヘアピン管を拡管して、各板状フィン1とヘアピン管すなわち伝熱管2とを接合する。このようにして、熱交換器100が製造される。
本実施形態5の熱交換器100においては、構成部材であるヘアピン管を、機械拡管方式あるいは液圧拡管方式により拡管するだけで、多数の板状フィン1とヘアピン管(伝熱管2)とが接合されるので、熱交換器100の製作が容易になる。
実施の形態6.
実施形態5においては、ヘアピン管の拡管によって板状フィン1とヘアピン管(伝熱管2)とを接合した場合を示したが、本実施の形態6ではさらに熱交換器100の伝熱管2の拡管率を規定したものである。
本実施形態6では、ヘアピン管を機械拡管方式あるいは液圧拡管方式により拡管する際の拡管率を、熱交換器100の伝熱管2で105.5%〜106.5%とする。これにより、熱交換器100の伝熱管2と板状フィン1との密着性を改善して、高効率の熱交換器100を得ることができる。しかしながら、熱交換器100の伝熱管2の拡管率が106.5%を超えると、溝の山頂部での潰れとフィンカラー割れが発生し、伝熱管2と板状フィン1との密着性が悪化する。一方、熱交換器100の伝熱管2の拡管率が105.5%未満の場合は、伝熱管2と板状フィン1の密着性が悪く、高い熱交換率が得られない。
よって、本実施形態6のヘアピン管を拡管する際の伝熱管2の拡管率を105.5%〜106.5%とする。
このように伝熱管2の拡管率を規定することにより、製品(熱交換器)にばらつきが発生しない。
なお、実施形態5及び6においては、伝熱管2の拡管のみによって板状フィン1とヘアピン管(伝熱管2)とを接合するようにしているが、接合後に、さらにロウ付けによって完全接着するようにしてもよく、これにより信頼性をさらに高めることができる。
実施の形態7.
本実施の形態7は、空気調和機に本発明の実施の形態1〜6のいずれかの熱交換器100を用いたものである。
これにより、管内圧力損失が増加せず、伝熱性能に優れた熱交換器を用いた高効率の空気調和機を得ることができる。
実施の形態8.
図8〜図10は本発明の実施の形態8に係る熱交換器を説明するものであって、図8は熱交換器の一部分を示す平面図、図9は図8に示す熱交換器の正面視の断面図、図10の(a)は図8のA−A断面図、図10の(b)は図8のB−B断面図、図10の(c)は図8のC−C断面図、図10の(d)は図8のH−H断面図である。なお、以下の説明において、共通の内容を示すものについては、符号の添え字「a、b、c・・・」の記載を省略してある。
図8および図9において、空気調和機に配置される熱交換器(以下、「熱交換器」と称す)100は、互いに所定の間隔をあけて平行に配置され、前記間隔を空気が通過する複数の板状フィン1と、板状フィン1に対して垂直に挿通された複数の伝熱管21とを有し、板状フィン1の面上には空気の流れ方向に対向する複数のスリットフィン3が切り起こしによって形成されている。
(伝熱管)
図8および図9において、伝熱管21は、複数の直管部2sと、直管部2sの端部同士を連通させる複数の曲管部2rと、から形成されている。1列目の伝熱管21の直管部21a、21bは、空気の流れ方向に直角の方向(以下、「段方向」と称す)に配置され、実際には、段方向にさらに直管部21c、21d・・・(図示しない)が配置されている。同様に、2列目の伝熱管21の直管部22a・・・および3列目の伝熱管21の直管部23a、23b・・・が、それぞれ段方向に配置されている。なお、空気の流れ方向と平行な方向を「列方向」と称する。本実施形態の熱交換器100は、列方向には直管部2sが3列だけ配置されている。
そして、直管部21a、21b・・・と、直管部22a・・・と、直管部23a、23b・・・とは、互いに平行で千鳥状に配置され、それぞれに軸心同士の段方向の間隔である「段ピッチDp」と、列方向の間隔である「列ピッチLp]とが、伝熱管21の外径Dに対して「4mm≦D≦6mm、14mm≦Dp≦17mm、7mm≦Lp≦10mm」の関係にある。ここでは、D=5mm、Dp=15.3mm、Lp=8.67mm、として設計されている。
(板状フィン)
図8〜図10において、板状フィン1は矩形の板材であって、伝熱管21の直管部2sが貫通する貫通孔が千鳥状に複数形成されている。
さらに、直管部21aと直管部21bとの間には、空気の流れ方向に対向するように、板状フィン1の一方の面側に突出する第1スリットフィン3a、3c、3eと、他方の面側に突出する第2スリットフィン3b、3dと、がそれぞれ切り起こしによって交互に形成されている。
第1スリットフィン3a、3c、3eは、板状フィン1を一方の面側に切り起こしたものであって、第1スリットフィン平面32a、32c、32eと、これを支える支持脚部である第1スリットフィン斜面31a、31c、31eおよび第1スリットフィン斜面33a、33c、33eと、を有している。したがって、かかる切り起こしによって、板状フィン1には、第1スリットフィン溝34a、34c、34eが形成されている。また、支持脚部の第1スリットフィン斜面31a、31c、31eおよび第1スリットフィン斜面33a、33c、33eは、直管部21a、21bとほぼ同心円弧状をなすように傾斜面で形成されている。
また、同様に、第2スリットフィン3b、3dが、板状フィン1を他方の面側に切り起こしたものであって、第2スリットフィン平面32b、32dと、これを支える支持脚部の第2スリットフィン斜面31b、31dおよび第2スリットフィン斜面33b、33dと、を有している。したがって、かかる切り起こしによって、板状フィン1には、第2スリットフィン溝34b、34dが形成されている。
そして、図10(d)に示すように、第1スリットフィン溝34aと第2スリットフィン溝34b、第2スリットフィン溝34bと第1スリットフィン溝34c、第1スリットフィン溝34cと第2スリットフィン溝34d、および第2スリットフィン溝34dと第1スリットフィン溝34eとは、それぞれ連続している。したがって、例えば、板状フィン1の直管部21aと直管部21bとに挟まれた範囲には、大きな溝状の孔が形成されている。そのため、これらのスリットフィン溝34a〜34eの内外を通過する空気が混合しながら伝熱管21の直管部2sの周りを囲むようにして流れるため、スリットフィン3での伝熱性能が向上するとともに、伝熱管21の下流側に生じる死水域を減少させることができる。
なお、第1スリットフィン3a、3c、3eの板状フィン1の一方の面からの突出高さ(H1)、および第2スリットフィン3b、3dの板状フィン1の他方の面からの突出高さ(H2)が、板状フィン1の面間隔であるフィンピッチ(Fp)の1/3、すなわち、「H1=Fp/3、H2=Fp/3」になっている。
実施の形態9.
図11は本発明の実施の形態9に係る天井埋め込み型空気調和機の概念を説明するものであって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
図11において、天井埋め込み型空気調和機(以下、「空気調和機」と称す)200には、熱交換器100(実施の形態8参照)が配置されている。空気調和機200のユニット筐体6の中央天面側にはファン7を駆動するモータ8が設けられ、モータ8にはファン7が下側を吸込口として取り付けられている。
また、ファン7の下部にはファン7へ空気を導入するベルマウス9が配置される。ファン7を囲む略環状に熱交換器100が配置され、熱交換器100の下部にはドレンパン13が配置されている。ドレンパン13の各辺には熱交換器100の2次側と室内とをつなぐ開口部が形成され、化粧パネル10の開口部と連通して吹出口11を構成している。
吹出口11にはベーン12が取り付けられ、吹出方向の調整を可能としている。また、ファン7の下部には、正面パネル14、フィルタ15が化粧パネル10の中央に嵌め込まれるように配置されている。
上記のように構成された空気調和機200は、一般に「4方向カセット形」と呼ばれ、ファンの1次側は下方を向いており、室内から空気を吸込む。吸込まれた空気はフィルタ15を通過し、塵埃等が取り除かれ、熱交換器100へと吹き付けられる。熱交換器100では空気と冷媒との熱交換が行われ、熱をもらう、あるいは奪われた空気は吹出口11より室内へ吹出される。
(伝熱性能および通風抵抗)
次に、熱交換器100の伝熱性能と通風抵抗について、熱交換器100の形状パラメータの定性的傾向について以下に説明する。
(段ピッチDpの影響)
段ピッチDpを拡大すると、伝熱管2の外周から板状フィン1の端部までの距離と伝熱管2との管径で定義される「フィン効率」が低下することによって、「管外熱伝達率」は低下する。また、段ピッチDpを拡大すると、「通風抵抗」は減少するため、「風量増加」を図ることができる。
一方、段ピッチDpを縮小すると、「フィン効率」が上がり、「管外熱伝達率」は向上するが、「通風抵抗」が増大する。
(列ピッチLpの影響)
列ピッチLpを拡大すると、「フィン効率」が下がり、「管外熱伝達率」は低下するが、伝熱面積は増大するので熱交換器の伝熱性能は向上する。また、「通風抵抗」は増大し、風量が低下する。
一方、列ピッチLpを縮小すると、「フィン効率」は増大し、「管外熱伝達率」は向上するが、伝熱面積は低下するので、熱交換器の伝熱性能は低下する。また、「通風抵抗」は減少し、「風量増加」を図ることができる。
以上のように、熱交換器の形状パラメータについては各々最適値があり、これを定量的に評価するため、以下に述べる手法にて熱交換器の伝熱特性と通風抵抗を算出する。
空気と板状フィンの間の熱伝達率α[W/m2K]は一般に次式で定義される。
α=Nu×λ/De ・・・・・・・・・・・・・・・・・・式1
Nu=C1×(Re×Pr×De/Lp/Ln)^C2 ・・・式2
Re=U×De/ν
ここで、Nuはヌセルト数、
Reはレイノルズ数、
Prはプラントル数、
Deは代表長さ
Lpは列ピッチ、
Lnは列数、
λは空気の熱伝導率、
νは空気の動粘性係数、
C1およびC2は定数である。
なお、常温常圧の場合に、Pr=0.72、λ=0.0261[W/mK]、ν=0.000016[m2/s]である。
ここで、代表長さDe[m]を次式にて定義する。
De=4×(Lp×Dp−π×D2 /4)×Fp/{2×(Lp×Dp−π×D2 /4 )+π×D×Fp} ・・・・・・・・・・・・・・・・・・式3
板状フィン間の自由通過体積基準の風速U[m/s]と、熱交換器の前面風速Uf[m/s]とは、以下の式で定義される。
U=Uf× Lp×Dp×Fp/{(Lp×Dp−π×D2 /4 )×Fp}・・式4
ここで、Dは伝熱管の外径、
Dpは段ピッチ、
Lpは列ピッチ、
Fpはフィンピッチである。
また、フィン効率ηは次式で定義される。
η=1/(1+ψ×α) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・式5
ψ={(4×Lp×Dp/π)/2 −D}2 ×(4×Lp×Dp/π)/2 /D/2 /6/Ft/λf ・・・・・・・・・・・・・・・・・式6
ここで、λf[w/m・ k]は板状フィンの熱伝導率である。
一方、空気と板状フィンの間の通風抵抗「ΔP_hex[Pa]」は次式にて定義される。
ΔP_hex=2×F× Lp×Ln×ρ × U2 / De ・・・・・・・式7
F=C3× De/Lp/Ln+C4× Re^C5 ×(De/Lp/Ln)^(1+C5) ・・・・・・・・・式8
ここで、Fは摩擦損失係数で、C3、C4、C5は定数である。また、ρは空気の密度で、常温常圧の場合に1.2[kg/m3 ]程度となる。
(送風機稼動力)
また、実施の形態8の熱交換器100を実施の形態9の空気調和機200に使用した場合の「送風機稼動力」について定量的に評価するために、以下に示す方法で送風機稼動力を算出する。送風機稼動力Pf[W]は次式にて定義される。
Pf=ΔP_all×Q ・・・・・・・・・・・・・式9の1
=(ΔP_hex+ΔP_etc)×Q ・・・・式9の2
ここで、Qは空気流量である。
以下、段ピッチDp、列ピッチLpをそれぞれパラメータとして「ΔP_hex」を算出した。また、熱交換器の熱通過率Kを以下の式で算出した。
K=1/(1/αo+Ao/Ai/αi) ・・・・・・・・・式10
αo=1/(Ao/(Ap+η×Af)/α) ・・・・・・式11
Ao=Ap+Af ・・・・・・・・・・・・・・式12
ここで、K[W/m2K]は熱交換器の全熱通過率、
Ao[m2]は熱交換器の空気側全伝熱面積、
Ap[m2]は熱交換器の空気側パイプ伝熱面積、
Af[m2]は熱交換器の空気側フィン伝熱面積、
Ai[m2]は熱交換器の冷媒側伝熱面積であり、
式10〜式12は、熱交換器の形状に依存する寸法、すなわち段ピッチDp、列ピッチLp、フィンピッチFp、伝熱管の外径Dが決まれば、算出できる値である。なお、熱交換器の管内を流れる流体の熱伝達率αi[W/m2K]は一定とする。
一般的に空気調和機のエネルギー消費効率COPは熱交換量と全入力の比率で定義され、全入力を低減させることにより、COPが向上し、省エネルギー化につながる。
次に、全入カは圧縮機入力と送風機稼働力Pfを足したものである。圧縮機人力はAoKが大きければ大きいほど低減され、送風機稼動力pfは、ΔP_hexが小さければ小さいほど低下する。
ここで、定数nとして、熱交換器性能指標「AoK/ΔP^n」を定義する。定数nは通風抵抗「ΔP_hex」が全体の通風抵抗に占める割合が100%の場合を「n=1」として、空気調和機200の熱交換器100では、全体の通風抵抗に占める割合が約半分であるので、ΔP_hexが2倍、3倍、あるいは4倍になった場合は、全体の通風抵抗はそれぞれ1.5倍、2.0倍、あるいは2.5倍になり、「n=0.59」と近似できる。
そこで、空気調和機200の熱交換器100では、前面風速Uf=1[m/s]時の熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」として、伝熱管径D、段ピッチDp、列ピッチLpの関係を評価した。他の空気調和機(天井埋め込み型空気調和機以外の空気調和機をいう)で、例えばルームエアコン室内機の場合では、ΔP_hexが全体の通風抵抗に占める割合が約80%であるので、「n≒0.85」となる。
nの値が大きい空気調和機の形態ほど、ΔP_hexが熱交換器性能指標「AoK/ΔP^n」に及ぼす影響が大きくなり、天井埋め込み型の空気調和機200の熱交換器100では他の空気調和機に比べてΔP_hexの影響が小さいのが特徴である。
図13〜図16は、本発明の実施の形態8に係る天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器における熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」に及ぼす影響を示すものであって、図13は伝熱管径D、図14は段ピッチDp、図15は列ピッチLp、図16はフィンピッチFpとの相関図である。
図13は、段ピッチDp=15.3mm、列ピッチLp=8.67mm、前面風速Uf=1[m/s]と一定にして、伝熱管径Dをパラメータとして熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」を計算した結果である。
製造技術的に伝熱管径Dが4mm未満の場合は、伝熱管に拡管棒を挿入して板状フィンに密着させる工程で作業効率が著しく低下する。一方、伝熱管径Dが6mmを超える場合は「AoK/ΔP^0.59」が著しく低下するが、D≦6mmの範囲であるならば、伝熱管径D=4mmの時と比べて3%以下の低下であるので、十分に伝熱性能が高い熱交換器が供給できる。
よって、「4mm≦D≦6mm」の範囲とすることで、製造効率を低下させないで十分に伝熱性能が高い熱交換器100を供給することができる。
図14は、伝熱管径D=5mm、列ピッチLp=8.67mm、前面風速Uf=1[m/s]と一定にして、段ピッチDpをパラメータとして熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」を計算した結果である。
段ピッチDp=15mm付近で熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」は最大値を示し、「14mmm≦Dp≦17mm」の範囲では最大値より10%以下の低下である。段ピッチDpが14mm未満の場合は、伝熱管をヘアピン形状に曲げる工程で、曲げピッチが小さいので伝熱管が扁平形状になって外観性が低下したり、管内の圧力損失増大を誘発するおそれがある。
一方、段ピッチDpが17mmを超える場合は熱交換器の配置容積を容積一定と考えたとき、伝熱管間のパス数を低下させる必要があるが、パス数を低下させると、管内圧損増大が熱交換器の性能を低下させる。特に、伝熱管径が小さくなるほど伝熱管の管内圧損が増大しやすい。従って、段ピッチDpは「14mm≦Dp≦17mm」であることが望ましい。
図15は、伝勲管径D=5mm、段ピッチDp=15.3mm、前面風速Uf=1[m/s]と一定にして、列ピッチLpをパラメータとして熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」を計算した結果である。
列ピッチLpが8mm付近で熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」は最大値を示し、「7mm≦Lp≦10mm」の範囲では最大値より10%以下の低下であるので十分に伝熱性能が高い熱交換器100となる。
列ピッチLpが7mmより小さくなると、製造技術的に板状フィンにフィンカラー(伝熱管を挿入する穴とカラー部)を形成することが難しい。
一方、列ピッチLpが10mmを超える場合、フィン効率が低下することによる熱通過率Kが低下、それに加えて通風抵抗ΔPが増大することで熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」が著しく低下する。従って、列ピッチLpは「7mm≦Lp≦10mm」であることが望ましい。
図16は、伝熱管径D=5mm.段ピッチDp=15.3mm、列ピッチLp=8.67mm、前面風速Uf=1m[m/s]と一定にして、切り起こしの高さHlとフィンピッチFpの比率「Hl/Fp」をパラメータとして熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」を計算した結果である。
切り起こしの高さHlとフィンピッチFpの比率「Hl/Fp=1/3」付近で板状フィンの基板部と切り起こし部の間で等間隔に空気の流路ができ、最も高効率に伝熱向上することができるので、熱交換器性能指標「AoK/ΔP^0.59」は最大値を示し、十分に伝熱性能が高い熱交換器100となる。
実施の形態10.
図17および図18は本発明の実施の形態10に係る天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器を説明するものであって、図17は熱交換器の一部分を示す平面図、図18は熱交換器の正面視の断面図である。なお、実施の形態8と同じ部分にはこれと同じ符号を付して説明する。
(板状フィン)
図17および図18において、板状フィン301は矩形の板材であって、伝熱管21の直管部2sが貫通する貫通孔が千鳥状に複数形成されている。
さらに、直管部21aと直管部21bとの間には、一方の面側(片面側)に突出する第1スリットフィン3a、3c、3eがそれぞれ形成されている。すなわち、板状フィン301は実施の形態8の板状フィン1において第2スリットフィン3b、3dを撤去したもの(切り起こしをしなかったもの)に同じである。
したがって、第1スリットフィン3aと第1スリットフィン3cとの間には板状フィン301の一部である平らな板状フィン短冊部35bが、第1スリットフィン3cと第1スリットフィン3eとの間には板状フィン301の一部である平らな板状フィン短冊部35dが、それぞれ存在している。すなわち、第1スリットフィン3a、3c、3eは、それぞれ板状フィン301の片面側に、平らな板状フィン短冊部35b、35dをそれぞれ挟む形態で1つおきに形成されている。
なお、第1スリットフィン3a、3c、3eの空気流れ方向の幅は同一で(便宜上、「Wa」と称す)、板状フィン短冊部35b、35dの空気流れ方向の幅は同一である(便宜上、「Wb」と称す)。
このように、列方向にそれぞれ3個の第1スリットフィン3a、3c、3eを、切り起こした場合でも、実施の形態8と同様に、本発明の効果が得られる。
実施の形態11.
図19および図20は本発明の実施の形態11に係る天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器を説明するものであって、図19は熱交換器の一部分を示す平面図、図20は熱交換器の正面視の断面図である。なお、実施の形態8と同じ部分にはこれと同じ符号を用いてあらわし、特に断らない限り共通の内容を示すものについては、符号の添え字「a、b、c・・・」の記載を省略して説明する。
(板状フィン)
図19および図20において、板状フィン401は、実施の形態10の板状フィン301において第1スリットフィン3cを撤去したもの(切り起こしをしなかったもの)に同じである。
したがって、直管部21aと直管部21bとの間には、一方の面側に突出する列方向に2個の第1スリットフィン3a、3eが形成されている。そして、第1スリットフィン3aと第1スリットフィン3eとの間には板状フィン401の一部である平らな板状フィン短冊部35cが存在している。
なお、第1スリットフィン3a、3eの空気流れ方向の幅は同一で(便宜上、「Wa」と称す)、板状フィン短冊部35cの空気流れ方向の幅を、便宜上、「Wb」と称す。
このように、列方向にそれぞれ2個の第1スリットフィン3a、3eを、切り起こした場合でも、実施の形態8と同様に、本発明の効果が得られる。
[スリットフィンの効果]
図21および図22は、図17〜図20に示す熱交換器におけるスリットフィンの効果を説明する相関図である。
図21において、横軸はスリットフィン3a等の列方向の幅waと、スリットフィンの間に存在する板状フィン短冊部35b等の列方向の幅wbとの比率「wa/wb」であり、縦軸は熱交換器性能指標「AoK/ΔP_hex^0.59」であって、前者をパラメータにして算出した結果である。
図21より、比率「wa/wb」が1のとき、すなわち、「Wa:Wb=1:1、Wa=Wb」のとき熱交換器性能指標「AoK/ΔP_hex^0.59」が十分に大きい熱交換器となる。
図22において、横軸はスリットフィン3b等の高さH2をフィンピッチFpで無次元化したもの「H2/Fp」であり、縦軸は熱交換器性能指標「AoK/ΔP_hex^0.59」であって、前者をパラメータにして算出した結果である。図22より、スリットフィン高さH2はフィンピッチFpの1/2のとき、熱交換器性能指標「AoK/ΔP_hex^0.59」が十分に大きい熱交換器となる。
実施の形態12.
図23および図24は本発明の実施の形態12に係る天井埋め込み型空気調和機の概念を説明するものであって、図23は底面図、図24は同空気調和機の熱交換器部分の断面図である。なお、図11(実施の形態9)と同じ部分にはこれと同じ符号を付して説明する。また、本実施形態の熱交換器100には、以上に示した実施の形態1〜11のいずれかの熱交換器が用いられる。
図23において、空気調和機500のユニット筐体6の中央天面側にはファン7が下側を吸込口として取り付けられている。そして、ファン7を取り囲むようにL字型に折り曲げられた熱交換器100が、略環状に2個配置されている。
このように、L字型の熱交換器100を略環状に2個配置することによって、ロ字型の熱交換器が1個だけ略環状に配置される場合に比べて、冷媒が伝熱管2内を通過する長さが低減できパス数が2倍に増えるので、冷媒の管内圧力損失が低減できる。これは、伝熱管2の径を小さくする場合において極めて有効な手段である。
したがって、熱交換器100を蒸発器として使用する場合、図24に示す蒸発器冷媒入り口方向から16パスで流入し、空気の流れ方向に対して2列、3列目間のT字型の三方管によって、32パスに分配され、出口に流出される。
一般に蒸発器の熱交換器の伝熱管内を冷媒が流れる場合、冷媒の状態は二相域、過熱ガスの順番で変化する。その際の冷媒の圧力損失「ΔP_ref」は二相域よりも過熱ガスの方が大きい。本実施形態では蒸発器出口付近である2列目―3列目間で16パスから32パスにパス数が増えた効果によって、冷媒の圧力損失「ΔP_ref」を大幅に低減することができる。これは、伝熱管2の径を小さくする場合に極めて有効な手段である。
熱交換器100を凝縮器として使用する場合、図24に示す凝縮器冷媒入り口方向から32パスで流入し、空気の流れ方向に対して2列、3列目管のT字型の三方管によって、16パスに合流され、出口に流出される。
以下、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
表1に示すように、実施例1及び実施例2として、冷媒質量流量が5〜20kg/hの場合において、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が10度及び20度である熱交換器100を作製した。
また、比較例1及び比較例2として、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が0度及び30度である熱交換器100を、比較例3として、外径が7mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が35度である熱交換器100を作製した。
Figure 2010078289
表1から明らかなように、冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、実施例1及び実施例2の熱交換器100は、いずれも比較例1から比較例3の熱交換器と比べて熱交換率が向上していた。
次に、表2に示すように、実施例3及び実施例4として、冷媒質量流量が20〜45kg/hの場合において、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が0度及び10度である熱交換器100を作製した。
また、比較例4及び比較例5として、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が0度及び30度である熱交換器100を、比較例6として、外径が7mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mmであり、ねじれ角が35度である熱交換器100を作製した。
Figure 2010078289
表2から明らかなように、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、実施例3及び実施例4の熱交換器100は、いずれも比較例4〜比較例6の熱交換器と比べて熱交換率が向上していた。
次に、表3に示すように、実施例5〜実施例7として、冷媒質量流量が5〜20kg/hの場合において、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mm、ねじれ角が20度、条数40、50、65である熱交換器100を作製した。
また、比較例7及び比較例8として、外径が5mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mm、ねじれ角が20度、条数30、75である熱交換器100を、比較例9として、外径が7mm、溝底の管肉厚が0.23mm、山高さが0.15mm、ねじれ角が35度、条数52である熱交換器100を作製した。
Figure 2010078289
表3から明らかなように、実施例5〜実施例7の熱交換器100は、いずれも比較例7〜比較例9の熱交換器と比べて熱交換率が向上していた。
本発明は、前述した実施の形態および図示の構成に限定されるものではない。本発明は、前述したように伝熱性能が高いから、各種庫内熱交換器およびこれを装備する各種空気調和機として広く利用することができる。また、本発明は、冷凍専用の冷凍機、温風生成専用の乾燥機等にも利用することができる。
本発明の実施の形態1に係るフィンアンドチューブ型熱交換器の伝熱管における管軸方向に水平な断面を示す断面図と同熱交換器を鉛直方向に切断した側面断面図。 熱交換器における冷媒質量流量によって伝熱管内面溝のねじれ角と熱交換率との関係を示す線図。 本発明の実施の形態2に係る熱交換器を鉛直方向に切断した側面断面図。 伝熱管内面溝の条数と熱交換率との関係を示す線図。 本発明の実施の形態3に係る熱交換器を鉛直方向に切断した側面断面図。 本発明の実施の形態4に係る空気調和機の構成図。 本発明の実施の形態5に係る熱交換器の製造方法を示すもので、熱交換器を鉛直方向に切断した正面断面図。 本発明の実施の形態8に係る熱交換器の一部分を示す平面図。 図8に示す熱交換器の正面視の断面図。 図8に示す熱交換器のA−A、B−B、C−C、H−Hの各断面図。 本発明の実施の形態9に係る天井埋め込み型空気調和機の概念を説明する斜視図。 図11に示す天井埋め込み型空気調和機の断面図。 図11に示す天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器における熱交換器性能指標に及ぼす伝熱管径Dの影響を示す相関図。 図11に示す天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器における熱交換器性能指標に及ぼす段ピッチDpの影響を示す相関図。 図11に示す天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器における熱交換器性能指標に及ぼす列ピッチLpの影響を示す相関図。 図11に示す天井埋め込み型空気調和機に配置される熱交換器における熱交換器性能指標に及ぼすフィンピッチFpの影響を示す相関図。 本発明の実施の形態10に係る熱交換器の一部分を示す平面図。 図17に示す熱交換器の正面視の断面図。 本発明の実施の形態11に係る熱交換器の一部分を示す平面図。 図19に示す熱交換器の正面視の断面図。 図17〜図20に示す熱交換器におけるスリットフィンの効果を説明する相関図。 図13等に示す熱交換器におけるスリットフィンの効果を説明する相関図。 本発明の実施の形態12に係る天井埋め込み型空気調和機の概念を説明する底面図。 図23に示す天井埋め込み型空気調和機の熱交換器部分の断面図。
符号の説明
1 板状フィン、2 伝熱管、2r 曲管部、2s 直管部、3 スリットフィン、3a、3c、3e 第1スリットフィン、3b、3d 第2スリットフィン、4 溝、5 山、21 伝熱管、21a、21b、21c 直管部、22a 直管部、23a、23b 直管部、31a、31c、31e 第1スリットフィン斜面、31b、31d 第2スリットフィン斜面、32a、32c、32e 第1スリットフィン平面、32b、32d 第2スリットフィン平面、33a、33c、33e 第1スリットフィン斜面、33b、33d 第2スリットフィン斜面、34a、34c、34e 第1スリットフィン溝、34b、34d 第2スリットフィン溝、35b、35c、35d 板状フィン短冊部、51 蒸発器、52 圧縮機、53 凝縮器、54 膨張弁、100 熱交換器、200 空気調和機、301 板状フィン、401 板状フィン、500 空気調和機。

Claims (14)

  1. 所定の間隔で並べて配置され該間隔を流体が通過する複数の板状フィンと、前記板状フィンに直交する方向に挿通され、内部を冷媒が流れる複数の円形の伝熱管とを備え、
    前記伝熱管は、外径が4〜6mmであり、管内面には深さが0.1〜0.2mmである螺旋状の溝が形成されており、冷媒質量流量が5〜20kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と前記溝が延びる方向とがなす角度が10〜20°で、冷媒質量流量が20〜45kg/hでは、管内面における管軸方向に平行な直線と前記溝が延びる方向とがなす角度が0〜10°であることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記溝の条数が40〜65であることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記溝底の管肉厚が0.19〜0.23mmであることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。
  4. 前記流体の流れ方向と直角の段方向に配置される前記伝熱管の段ピッチが14〜17mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 前記流体の流れ方向と平行な列方向に配置される前記伝熱管の列ピッチが7〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器。
  6. 前記板状フィンにおいて、前記流体の流れ方向に対向する複数のスリットフィンが前記伝熱管の相互間に形成され、前記スリットフィンの支持脚部が前記伝熱管とほぼ同心円弧状をなすように傾斜面で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器。
  7. 前記スリットフィンは、前記板状フィンの両面側に切り起こしにより交互に形成され、前記スリットフィンの切り起こし高さと前記板状フィンのフィンピッチとの比が約1/3であることを特徴とする請求項6記載の熱交換器。
  8. 前記スリットフィンは、前記板状フィンの片面側に平らなフィン短冊部が存在するように切り起こしにより1つおきに形成され、前記スリットフィンの切り起こし高さと前記板状フィンのフィンピッチとの比が約1/2であることを特徴とする請求項6記載の熱交換器。
  9. 前記板状フィンの列方向の幅と前記フィン短冊部の列方向の幅とが等しいことを特徴とする請求項8記載の熱交換器。
  10. 前記板状フィンに前記伝熱管を拡管することにより接合する際の拡管率が105.5〜106.5%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の熱交換器。
  11. 前記伝熱管内には5質量%以下の冷凍機油を含有する冷媒が流されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の熱交換器。
  12. 圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器を順次配管によって接続し、冷媒を作動流体として用いた冷凍サイクルにおいて、請求項1〜11のいずれかに記載の熱交換器を前記蒸発器または凝縮器として用いたことを特徴とする空気調和機。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の熱交換器がL字状に形成され、該L字状の熱交換器を2個用いて略環状に熱交換器が形成されていることを特徴とする天井埋め込み型の空気調和機。
  14. 前記冷媒として、HC単一冷媒、またはHCを含む混合冷媒、R32、R410A、R407C、テトラフルオロプロペン、二酸化炭素のいずれかを用いることを特徴とする請求項12または13記載の空気調和機。
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